説明

低温硬化性エポキシ組成物

【課題】エポキシ系に低温での硬化、並びに良好な貯蔵安定性及び機械的強度を与える組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのエポキシ樹脂と、1つの第一級アミン又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有するメチル化ポリアルキレンポリアミンとのアダクトを含む組成物であって、上記アダクトは、フェノール樹脂でブロックされている組成物

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、熱硬化性エポキシ樹脂における硬化剤又は促進剤としての、1つの第一級アミン又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有するメチル化ポリアルキレンポリアミンのエポキシアダクトであって、フェノール樹脂でブロックされているメチル化ポリアルキレンポリアミンのエポキシアダクトに関する。これらの組成物は、エポキシ樹脂系の硬化剤又は促進剤として、低い活性化温度及び良好な貯蔵安定性を与えることが出来る。
【背景技術】
【0002】
従来の硬化性エポキシ組成物は、特許文献1〜4に記載されている。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,689,390号
【特許文献2】米国特許第4,977,201号
【特許文献3】米国特許第5,200,494号
【特許文献4】欧州特許第0,590,677号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱硬化性エポキシの分野では、低い活性化温度及び良好な貯蔵安定性を与える促進剤及び硬化剤に対して需要がある。1つの第一級又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有するメチル化ポリアルキレンポリアミンのエポキシアダクトであって、フェノール樹脂でブロックされている本発明のメチル化ポリアルキレンポリアミンのエポキシアダクトは、エポキシ系に、低温での硬化、並びに良好な貯蔵安定性及び機械的強度を与えることが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来のエポキシ硬化剤に付随する問題を、次の成分(a)及び(b)の接触生成物又は反応生成物を含む促進剤又は硬化剤を与えることによって解決する:
(a)フェノール樹脂、及び
(b)エポキシ樹脂と、1つの第一級アミン又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有する次の一般式のメチル化ポリアルキレンポリアミンとの反応生成物である変性アミン化合物:
【化1】

(式中、R、R、R、R及びRは、水素、メチル又はエチルを表し;n及びmは、独立して1〜10の整数であり;且つXは、1〜10の整数である)。
【0006】
成分(a)のフェノール樹脂は、次の一般式(A)を有する:
【化2】

(式中、R、R、R、Rは、それぞれ互いに独立して、水素、又は分岐していない若しくは分岐している炭素数1〜17のアルキル基であり、且つnは0〜50の整数である)。
【0007】
本発明の1つの態様において、メチル化ポリアルキレンポリアミンは、RがH、R、R、R及びRがCH、n及びmが3、且つXが1である化合物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、エポキシ含有系を架橋又は硬化させるのに用いる化合物又は組成物に広く関連する。本発明の促進剤又は硬化剤は、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、及び望むならばエポキシ硬化剤用の促進剤の接触生成物を含むことができる。その硬化剤又は促進剤は、下記の成分(a)及び(b)の反応生成物を含む:
(a)次の一般式のフェノール樹脂:
【化3】

(式中、R、R、R、Rは、それぞれ互いに独立して、水素、又は分岐していない若しくは分岐している炭素数1〜17のアルキル基であり、且つnは0〜50の整数である);及び
(b)エポキシ樹脂と、1つの第一級又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有する次の一般式のメチル化ポリアルキレンポリアミンとの反応生成物である、変性アミン化合物:
【化4】

(式中、R、R、R、R及びRは、水素、メチル又はエチルを表し;n及びmは、独立して1〜10の整数であり;且つXは、1〜10の整数である)。
【0009】
本発明の1つの態様において、メチル化ポリアルキレンポリアミンは、RがH、R、R、R及びRがCH、n及びmが3、且つXが1である化合物を含む。
【0010】
本発明の他の1つの態様において、上記フェノール樹脂は、フェノールとアルデヒドとの縮合、特にフェノールとホルムアルデヒドとの縮合によって形成された化合物であるノボラック樹脂である。ノボラック樹脂は、モノアルデヒド又はジアルデヒド、最も通常にはホルムアルデヒドと、モノフェノール又はポリフェノール材料(polyphenolic material)との反応生成物である。用いることができるモノフェノール材料の例としては、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、他のアルキル置換フェノール及び他のフェニル置換フェノールが挙げられる。ポリフェノール材料としては、ビスフェノールA及びビスフェノールFを含む様々なジフェノール類が挙げられる。ノボラック樹脂に用いることができるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、グリオキサール及び約C4までの比較的高級なアルデヒドが挙げられる。ノボラック樹脂は、通常は、異なる度合いのヒドロキシル官能基を有する複雑な混合体である。
【0011】
本明細書で用いる場合、「接触生成物」又は「反応生成物」は、その成分が、任意の順番、任意の様式、任意の時間の長さで接触している組成物であって、2以上の成分が互いに反応して他の成分を生じている可能性を含む組成物について述べている。例えば、その成分は、配合又は混合によって接触させることが出来る。さらに、あらゆる成分の接触は、ここで述べている組成物又は配合物のあらゆる他の成分の存在下又は不在下で生じさせることができる。追加の材料又は成分を組み合わせることを、当業者に知られている任意の方法によって行うことが出来る。さらに、用語「接触生成物」は、混合体、配合体、溶液、分散体、スラリー、反応生成物等又はこれらの組合せを含む。
【0012】
本発明の促進剤及び硬化剤を、任意の適切なエポキシ含有系を架橋又は硬化するために用いることができる。本発明の硬化剤によって硬化することができる適切なエポキシ樹脂の例は、少なくとも1種の多官能エポキシ樹脂を含む。本明細書で用いる場合、多官能エポキシ樹脂は、1分子当たり2つ以上の1,2−エポキシ基を含む化合物について述べている。このタイプのエポキシド化合物は、当業者に周知であり、Y.Tanaka,“Synthesis and Characteristics of Epoxides”,in C.A.May,ed.,Epoxy Resins Chemistry and Technology(Marcel Dekker,1988)に記載されている。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
本発明で用いるのに適切なエポキシ樹脂の1つの分類は、多価フェノール(polyhydric phenol)のグリシジルエーテル、例えば二価フェノールのグリシジルエーテルを含む。説明的な例としては、限定されないが、レゾルシノール、ヒドロキノン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールAとして商業的に知られている)、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン(ビスフェノールFとして商業的に知られており、これは様々な量の2−ヒドロキシフェニル異性体を含有する場合がある)等のグリシジルエーテル、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。さらに、次の構造を有する鎖伸長している(advanced)二価フェノールも、本発明で有用である:
【化5】

(式中、mは整数であり、且つRは、二価フェノールの炭化水素の二価基(divalent hydrocarbon radical)、例えば上記の二価フェノールの二価基である)。
【0014】
この式による材料は、二価フェノールとエピクロロヒドリンとの混合物を重合することによって、又は二価フェノールのジクリシジルエーテルと二価フェノールとの混合物を鎖伸長させることによって、調製することができる。任意の特定の分子において、mの値は整数であるが、この材料は常に混合体であり、これを、必ずしも整数とはならないmの平均値によって特徴付けることが出来る。0〜約7であるmの平均値を有するポリマー材料を、本発明の1つの態様で用いることができる。
【0015】
他の1つの態様では、ノボラック樹脂のグリシジルエーテルであるエポキシノボラック樹脂を、本発明による多官能エポキシ樹脂として用いることができる。さらに他の1つの態様では、少なくとも1種の多官能エポキシ樹脂は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)、鎖伸長している又は高分子量であるDGEBA、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂又はこれらの任意の組合せである。DGEBAの比較的高い分子量のもの又は誘導体は、鎖伸長プロセスによって調製され、ここでは余剰のDGEBAがビスフェノールAと反応して、エポキシ末端生成物を生じる。これらの生成物に関するエポキシ当量(EEW:epoxy equivalent weight)は、約450〜3000以上の範囲となる。これらの生成物は、室温で固体なので、これらは、固体エポキシ樹脂といわれることがある。
【0016】
DGEBA樹脂又は鎖伸長DGEBA樹脂は、これらの低いコスト及び全体的に優れた性能特性の組合せに起因して、コーティング配合物中で用いられることがある。約174〜約250、より一般的には約185〜約195の範囲のEEWを有する商用グレードのDGEBAは、容易に入手できる。これらの低い分子量では、エポキシ樹脂は液体であり、液体エポキシ樹脂といわれることがある。純粋なDGEBAが174のEEWを有するので、多くのグレードの液体エポキシ樹脂がわずかに重合していることを、当業者は理解する。250〜450のEEWを有する樹脂は、鎖伸長プロセスによっても一般的に調製されるが、これらは室温で固体と液体との混合体なので、半固体エポキシ樹脂といわれる。一般的に、約160〜約750の固体に基づくEEWを有する多官能樹脂は、本発明で有用である。他の1つの態様では、多官能エポキシ樹脂は、約170〜約250の範囲のEEWを有する。
【0017】
最終用途に応じて、本発明の組成物の粘度を、エポキシ組成を変えることによって低下させることが有益となる場合がある。例えば、その粘度を低下させて、容易な適用を可能としながら配合物又は組成物中の顔料のレベルを増やすことを可能とし、又は比較的高い分子量のエポキシ樹脂の使用を可能とする。それゆえ、少なくとも1種の多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ成分に関して、さらに単官能エポキシドを含むことは、本発明の範囲内である。モノエポキシドの例としては、限定されないが、スチレンオキシド、シクロへキセンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド、並びにフェノール、クレゾール、tert−ブチルフェノール、他のアルキルフェノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、C〜C14アルコール等のグリシジルエーテル、又はこれらの組合せが挙げられる。多官能エポキシ樹脂は、水、有機溶媒又はそれらの組合せである希釈剤を用いた溶液中又はエマルション中で、存在することも出来る。
【0018】
本発明の更なる態様では、本発明の生成物を、硬化剤と共に促進剤として用いる。あらゆる適切な硬化剤を用いることができるが、適切な硬化剤の例には、ジシアンジアミド及び酸無水物が含まれる。
【0019】
本発明の硬化剤の、エポキシに対する比率は、エポキシ樹脂100重量部に対して硬化剤又は促進剤を約0.3〜50重量部の範囲とすることができる。
【0020】
1成分熱硬化性の液体接着剤、ペースト接着剤、フィルム接着剤、粉体コーティングを含むコーティング、複合材料用のプリプレグ、並びに他の適切な用途で用いるための熱硬化エポキシ系を架橋又は硬化させるために、本発明の硬化剤を用いることができる。
【0021】
エポキシ含有組成物を硬化するために、任意の適切な時間及び温度を用いることができるが、約80℃〜約240℃の範囲の温度でその組成物を硬化させることが望ましく、約120℃〜約160℃の硬化温度が有用である。
【0022】
本発明の組成物を、様々な用途に用いることができる。最終用途での必要性に応じて、様々な添加剤を、配合物及び組成物に用いて、特有の特性に調製することができる。これらの添加剤としては、限定されないが、溶媒(水を含む)、促進剤、可塑剤、フィラー、繊維(例えば、ガラス繊維又は炭素繊維)、顔料、顔料分散剤、レオロジー変更剤、チキソトロープ剤、流動助剤又は平滑化助剤、界面活性剤、消泡剤、殺生物剤、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。望む場合には、本発明の組成物を、硬化剤又は促進剤として用いることができる。本分野で知られている他の混合物又は材料を、この組成物又は配合物に含有させることができ、これが本発明の範囲内となることが理解される。
【0023】
次の実施例は、本発明の特定の態様を例証し、特許請求の範囲を決して限定しない。
【実施例】
【0024】
次の例で用いられる材料は以下のとおりである:
N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチル−プロパン−1,3−ジアミン(Polycat(商標)15触媒):Air Products and Chemicals,Inc製
ポリ(N−メチル)アゼチジン:Air Products and Chemicals,Inc製
Epon828及びEpon834:Hexion製
Cab−O−Sil M−5:Cabot製
CTBN/Epon8282アダクト(HyPox RA1340):CVC製
フェノール樹脂(AlNovol PN320):Cytec Specialty Chemicals製
【0025】
例1
378グラムのN’−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジメチル−プロパン−1,3−ジアミンを、機械的攪拌機、熱電対、電気加熱マントル及び窒素パージを備えた3リットルの4つ口ガラス容器に充填する。この容器を、窒素下で80℃まで加熱する。温度が安定したら、189.7グラムのEpon828を、2〜3時間にわたって、測定して入れる。添加完了後に、その混合体を80℃で2時間保持する。20分にわたって、温度をゆっくりと150〜160℃へと上げ、そして735グラムのフェノール樹脂を60〜90分にわたって加える。その混合体を、さらに1時間攪拌しながら160℃で維持する。
【0026】
この生成物を、上記の温度で反応器から注ぎ出し、そして室温まで冷却させた後、粉砕プロセスを開始する。この生成物を、初めに粉砕して小片に破壊し、そしてコーヒーグラインダーで粉砕して、最後に所望の粒径までジェットミルにかける。
【0027】
例2
9グラムのポリ(N−メチル)アゼチジンを、機械的攪拌機、熱電対、電気加熱マントル及び窒素パージを備えた3リットルの4つ口ガラス容器に充填する。この容器を、窒素下で80℃まで加熱する。温度が安定したら、10.1グラムのEpon828を、2〜3時間にわたって測定して入れる。添加完了後に、その混合体を、80℃で2時間保持する。20分にわたって、温度をゆっくりと150〜160℃へと上げ、そして17グラムのフェノール樹脂を60〜90分にわたって加える。その混合体を、さらに1時間攪拌しながら160℃で維持する。この生成物を、上記の温度で反応器から注ぎ出し、そして室温まで冷却させた後、粉砕プロセスを開始する。
【0028】
例3
9グラムのポリ(N−メチル)アゼチジンを、機械的攪拌機、熱電対、電気加熱マントル及び窒素パージを備えた3リットルの4つ口ガラス容器に充填する。この容器を窒素下で80℃まで加熱する。温度が安定したら、10.1グラムのEpon834を、2〜3時間にわたって、測定して入れる。添加完了後に、その混合体を、80℃で2時間保持する。20分にわたって、温度をゆっくりと150〜160℃へと上げ、そして9グラムのフェノール樹脂を60〜90分にわたって加える。その混合体を、さらに1時間攪拌しながら160℃で維持する。この生成物を、上記の温度で反応器から注ぎ出し、そして粉砕プロセスの開始前に室温まで冷却させる。
【0029】
例1〜3を、エポキシ硬化剤としての硬化特性に関して、示差走査熱量計(DSC)によって試験した。このエポキシ配合物は、ビスフェノールA樹脂のポリグリシジルエーテル(Epon828)、5phr(100wt部の樹脂当たりのwt部)のその促進剤、及び硬化剤として6phrのジシアンジアミドを有していた。得られる混合体を、高剪断のカウルブレードミキサー(cowls blade mixer)を用いて、2分間にわたって十分に配合した。調製直後に、その混合体をDCSで試験して、その開始温度、発熱ピーク、反応熱及びガラス転位温度(Tg)を測定した。DSC解析を、10℃/分のランプ加熱速度(ramp heat rate)を用いて、約10〜15mgの物質のサンプルについて行った。得られたデータを表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
促進剤としての例1及び2の潜伏性又はポットライフを、ビスフェノールA樹脂のポリグリシジルエーテル(Epon 828)、5phrのその促進剤、硬化剤としての6phrのジシアンジアミド、及び1%のヒュームドシリカを含有するエポキシ配合物を用いて25℃及び40℃で調べた。得られた混合物を、高剪断カウルスブレードミキサーを用いて2分間にわたり十分に混合し、25℃まで冷却し、そしてブルックフィールド粘度計を用いて初期粘度を測定した。このサンプルを25℃で貯蔵し、そして粘度の経時変化を測定した。得られたデータを表2に示す。
【0032】
【表2】

【0033】
ラップ剪断強度及びピール強度を、ASTM標準試験D1002及びD1876によって、1インチ×4インチのEコーティングCRSクーポン、0.5インチの重なり、10ミルのボンドライン厚み、及び150℃の金属温度での硬化10分(cure 10’ @ 150℃ metal temperature)のものを用いて、ゴム変性配合物について測定した。そのエポキシ配合物は、77.5グラムのビスフェノールA樹脂のポリグリシジルエーテル(Epon828)、37.5グラムのCTBN/Epon828アダクト、6グラムのAmicure CG1200G、5グラムの例1〜3の物質及び2グラムのCab−O−Sil M−5を含有していた。得られたデータを表3に示す。
【0034】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの第一級アミン又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有するメチル化ポリアルキレンポリアミンのエポキシアダクトであって、フェノール樹脂でブロックされているメチル化ポリアルキレンポリアミンのエポキシアダクトを、少なくとも1種含有する組成物。
【請求項2】
(a)次の一般式を有するフェノール樹脂:
【化1】

(式中、R、R、R、Rは、それぞれ互いに独立して、水素、又は分岐していない若しくは分岐している炭素数1〜17のアルキル基であり、且つnは0〜50の整数である);及び
(b)エポキシ樹脂と、1つの第一級アミン又は第二級アミン及び少なくとも2つの第三級アミンを有する、次の一般式のメチル化ポリアルキレンポリアミンとの反応生成物である、変性アミン化合物:
【化2】

の反応生成物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
熱硬化エポキシ樹脂における硬化剤又は促進剤としての、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂が、多官能エポキシ樹脂、多価フェノールのグリシジルエーテル、二価フェノールのグリシジルエーテル、並びにレゾルシノール、ヒドロキノン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン及びビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタンのグリシジルエーテルからなる群より選択される、少なくとも1つの物質を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記二価フェノールが、次の構造を有する、請求項4に記載の組成物:
【化3】

(式中、mは整数であり、且つRは二価フェノールの炭化水素の二価基、例えば請求項4に記載の二価フェノールの二価基)。
【請求項6】
前記多官能エポキシ樹脂が、ノボラック樹脂のグリシジルエーテルを含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記多官能エポキシ樹脂が、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)、鎖伸長している又は高分子量であるDGEBA、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂又はこれらの組合せからなる群より選択される、少なくとも1種の物質を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記多官能エポキシ樹脂が、スチレンオキシド、シクロへキセンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド、並びにフェノールクレゾール、tert−ブチルフェノール、他のアルキルフェノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、C〜C14アルコール等のグリシジルエーテル、又はこれらの組合せをさらに含む、請求項4に記載の組成物。

【公開番号】特開2012−52113(P2012−52113A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−188895(P2011−188895)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】