説明

低温硬化用硬化剤

【課題】耐薬品性、耐水性、耐蝕性及び耐候性に優れたエポキシ塗料用の硬化剤として有用なジアミン類の製造方法を提供する。
【解決手段】芳香族ジニトリルをメチルアミンまたはエチルアミンと水素及び触媒の存在下、約100〜約500 psiの水素圧力で接触させて少なくとも一の中間体生成物を形成し、引き続き、水素化触媒の存在下、約400〜約1500 psiの水素圧力で水素と接触させることによる下式(I)に示されるアミンの製造方法。


(式中、RAはメチル基またはエチル基であり、RBはメチル基、エチル基、または水素原子であり、RCはC1〜C18アルキル等を表し、xは0〜4の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にN,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)及びDM-MXDAならびに関連アミンを生産する方法に向けられる。本発明はまたDM-MXDAを含むアミン組成物およびアミン-エポキシ組成物、アミン-エポキシ組成物を製造する方法、ならびにこれらのアミン-エポキシ組成物から生産される塗料、複合材、及び土木工学製品に関する。
【背景技術】
【0002】
多官能性アミン、すなわち3つ以上の活性アミン水素を有するアミン化合物で硬化され、固化されるか架橋されるエポキシ樹脂は工業界でよく知られている。これらの物質は広く塗料、複合材、及び土木工学用途、例えば床向け配合物のような用途で使用される。塗被用途でいくらかのアミン-硬化エポキシ配合物は室温で硬化され、高機械的強度、良耐水、耐薬品、および耐蝕性、特に金属支持体にすぐれた接着性を有する塗膜を生ずることができる。かくして大抵下塗剤及び仕上塗として船、橋、及び工業用設備ならびに装備のような大型構造物向けに用いられる。いくらかのアミン-エポキシ配合物はコンクリート及び他のセメント質資材にすぐれた接着を提供し、それ故に大抵コンクリート及び他のセメント質資材向け目止剤、下塗剤、塗料、モルタル、およびグラウトで用いられる。
【0003】
規制がアミン-エポキシ塗料の揮発性有機化合物(VOC)の限界を定める前に配合物は大抵固体エポキシ樹脂基材であった。これらの樹脂は室温で固体である。固体エポキシ樹脂を使用する塗料は溶剤蒸発だけが、化学硬化ではなく指触乾燥状態に達するために被膜に必要とされたので通例大変急速に乾燥した。
【0004】
VOC規制のために室温で液体であるエポキシ樹脂は固体エポキシ樹脂を多くの用途で置換した。この変移は、例えば塗被用途で結果としていくつかの問題になった。液体エポキシ樹脂を基材としたアミン-エポキシ組成物は同等のエポキシ樹脂配合物より随分もっと遅硬する傾向があり、この問題は低温でもっと厳しくなる。造船所は、例えば大抵冷い冬で定置に存し、ペイントは温度が約5℃またはそれより冷いときに塗布されなければならない。多数のアミン-エポキシ塗料配合物はこれらの温度で大変遅硬し、大抵少なくとも24時間、多少の場合にずっと24時間以上を、塗装者が必要であれば第二または第三塗を塗布することができるように必要とされる「端役」乾燥状態に達するのに要する。実験室で「端役」乾燥状態は大抵つまみ-ねじり試験法で評価される。遅い乾燥時間は造船所生産性にめざましく影響を与えることができる。かくして室温以下の速硬速度は多くの用途で好ましい性質である。
【0005】
アミン-エポキシ配合物のアミン成分の揮発性を限定することはまた有益である。VOC規制を満たすことに加えて揮発性を減少することは作業者暴露及び安全懸念を減じることができる。
【0006】
固体エポキシ樹脂とは対照的に液体エポキシ樹脂はかなりの用途で必要とされるよりも柔軟でないこともある。例えば、最新二重船殻構造を採用する船でバラストタンクを形成する2つの船殻に使用される鋼は単一船殻船に使用されるより薄い標準寸法である。薄い標準寸法の結果として鋼はもっと曲がり、格別に溶接部の周囲で被膜の応力亀裂破壊につながりうる。これは順番に腐蝕をもたらすことができ、修理に費用がかかることがあり、船の完全に影響を及ぼすことがある。さらにまた鉄道車両工業で溶接継目での被膜柔軟性不足による問題がある。追加として多くの他の用途の被膜は、例えば所定の用途に望まれる耐衝撃性を達成するため、または塗装後に金属を二次形成するためにより大きい柔軟性を必要とする。最終使用用途で材料が受ける応力または変形量、同様に変形速度は必要柔軟性、従って特定のアミン-エポキシ組成物または配合物の適性を決定する重要因子である。土木工学用途例えば、コンクリートおよび他のセンメント質資材を含むものにおいてより大の膨張ならびに収縮応力に耐えることができ、亀裂橋架要求特性を満たすことができるアミン-エポキシ物質はまた関心がある。
【0007】
多くのエポキシ塗料は第二または第三塗で上塗りされる。追加の塗料はエポキシ基材系に限定されず、耐蝕性、耐候性等のような特定の最終使用特性を提供するために他の化学塗布系(例えば、ポリウレタン)を含むことができる。液体エポキシ樹脂を基材とした配合物の中塗接着は典型的に同等の固体エポキシ樹脂配合物未満であり、大抵中塗接着破壊をもたらす。液体エポキシ系に適当な中塗接着が得られるときでも再塗布は大抵中塗接着破壊が避けられるとすれば限定された大体の期間内に発生しなければならない。この時間は大抵は再塗布窓口として参照される。
【0008】
多くのアミン-エポキシ塗料は工業界でかぶり、カルバメート化、及び浸出物といわれる問題をこうむる。これらの問題は部分的にアミン硬化剤とエポキシ樹脂の不相溶性のためであり、相分離を与え、結果として塗布面へのアミン移行になる。第一アミンで移行性アミンは空気中に存在するCO2と反応することができ、カルバメート化を生ずる。カルバメート化か浸出またはかぶりといわれる脂表層の形態であろうがこれらの表面欠陥は被膜の外観から損ない、塗膜が再塗布されるとすれば中塗接着破壊をもたらすことができる。これらの問題は一般にアミン-エポキシ相溶性が減少される低温で塗布ならびに硬化される塗料についてもっと悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
大抵、金属、コンクリート、およびセメント質支持体の塗布のような前述の用途のいくらかで使用されるエポキシ塗料は良耐薬品、耐水、及び耐蝕性を必要とする。被膜のこれらの遮断及び耐候特性は支持体を環境衝撃から保護する重要属性であることができる。
【0010】
アミン-エポキシ塗料工業で採用され、ポリアミド、マンニッヒ塩基(フェナルカミンを含む)、アミン付加物を含むいくつかの広い種類の多官能アミン硬化剤がある。これらの既知生成物はどれも必要を扱わないか前に言及される問題を解決しない。よってこのために本発明が向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はN,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)を含むアミン組成物及びアミン-エポキシ組成物の両方を開示する。アミン組成物は例えば、エポキシ樹脂を硬化、固化、または架橋するために使用可能である。本発明の一側面に従って、アミン組成物は:
(i)DM-MXDA;及び
(ii)アレーンアミン;芳香族アミン;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体;および脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体;またはそれらの任意組合せから選択される少なくとも一の多官能性アミンを含む。
【0012】
この発明の別の側面に従って、アミン組成物は:
(i)N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA);及び
(ii)3つ以上の活性アミン水素原子を有する少なくとも一の多官能性アミン;
ただし、DM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約65:35〜約1:99の範囲にある、を含む。
【0013】
この発明のまだ別の側面に従って、アミン組成物は:
(i)N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA);及び
(ii)フェナルカミン;メタキシリレンジアミン(MXDA);1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(1,3-BAC);およびメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル-芳香族)アミン(MPCA)の混合物;またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも一の多官能性アミンを含む。
【0014】
この発明のさらに別の側面に従って、アミン組成物は:
(i)N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA);
(ii)3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能性アミン;および
(iii)所望により少なくとも一の可塑剤または溶剤を含む。
発明のこの側面の一つの実施形態で塗料、土木工学的用途、等のような最終使用に向けられるアミン組成物は少なくとも一の可塑剤または溶剤を含む。
【0015】
本発明はまたアミン-エポキシ組成物を開示する。これらの組成物は(a)上記直接に供給される4つの前述アミン組成物のどれか;及び(b)少なくとも一のエポキシ樹脂を含むエポキシ成分を含むことができる。本発明のアミン-エポキシ組成物を硬化することにより得られる組成物、同様にこれらの組成物を含む製造品もここで考慮される。そのような製品は、例えば塗料、建築製品、床仕上製品、複合材製品、等を含むことができる。
【0016】
DM-MXDAのようなアミン、および構造的に類似アミンを生産するための新規な製法はまた本発明で記述される。化学式(I):
【0017】
【化1】

【0018】
を有するアミン化合物は:
(a)化学式(II):
【0019】
【化2】

【0020】
を有する化合物をメチルアミンまたはエチルアミンと水素及び触媒の存在において約100〜約500 psiの水素圧力で接触して少なくとも一の中間体生成物を形成し、及び
(b)少なくとも一の中間体生成物を水素と水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で接触して化学式(I)を有するアミンを形成すること、
(ただし、
RAはメチルまたはエチルであり、
RBはメチル、エチル、もしくは水素であり、
各出現においてRCは独立に線状または枝分れC1〜C18アルキル、線状または枝分れC1〜C18アルケニル、線状または枝分れC1〜C18アルコキシ、および線状または枝分れC1〜C18アルコキシアルキルから選択され、そして
xは0、1、2、3、または4である。)
を含む方法により生成されることができる。
【0021】
製法はまたDM-MXDAを含むアミンの混合物を生産するために開示される。この方法は:
(a)1,3-ジシアノベンゼンをモノメチルアミンと水素及び触媒の存在において約100〜約500 psiの水素圧力で接触して少なくとも一の中間体生成物を形成し、
(b)少なくとも一の中間体生成物を水素と水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で接触してDM-MXDAを含むアミンの混合物を形成すること、を含む。
【0022】
この方法はアミンの混合物でDM-MXDAの収率が少なくとも約60 wt%であるアミンの混合物を生産することができる。例えば、アミンの混合物でDM-MXDAの収率は70 wt%またはそれ以上であることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
定義
以下の定義及び略語は当業者に本発明の詳細な説明の理解を援助するために提供される。ここで参照により組込まれるどの文献によって提供されるどの定義または使用法がここで提供される定義または使用法と矛盾する限度までここで提供される定義または使用法は照合する。
1,3-BAC−1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ミツビシ・ケミカル(Mitsubishi Chemical Corporation)から商業的に入手可能、AHEW=36.
A1618−Ancamine(登録商標)1618、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals, Inc.)から商業的に入手可能、脂環式アミン付加物、AHEW=115.
A2050−Ancamide(登録商標)2050、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals)から商業的に入手可能、ポリアミド付加物、AHEW=150.
A2603−Ancamine(登録商標)2603、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals)から商業的に入手可能、脂肪族アミン付加物、AHEW=175.
AHEW−アミン水素当量.
BA−ベンジルアルコール、フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific UK Ltd.)から商業的に入手可能.
CX-105−Sunmide(登録商標)CX-105、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals, Inc.)から商業的に入手可能、フェナルカミン、AHEW=142.
DCB−1,3-ジシアノベンゼン、またイソフタロニトリルとも称され、オールドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical Co.)から商業的に入手可能.
DGEBA−ビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル.
DM-MXDA−N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン、また1,3-ビス[(N-メチルアミノ)メチル]ベンゼンまたは1,3-ビス(アザプロピル)ベンゼンとも称され、計算AHEW=82.
DM-HMDA−N,N'-ジメチル-1,6-ヘキサメチレンジアミン、オールドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から商業的に入手可能、AHEW=72.
EEW−エポキシ当量.
IPDA−イソホロンジアミン、デグサ(Degussa AG)から商業的に入手可能、AHEW=43.
K54−Ancamine(登録商標)K54、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals, Inc.)から商業的に入手可能、トリス-(ジメチルアミノメチル)フェノール.
MMA−メチルアミンまたはモノメチルアミン、オールドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical Co.)から商業的に入手可能.
MM-MXDA−N-モノメチル-メタキシリレンジアミン、AHEW=50.
Mn−数平均分子量.
MPCA−またMBPCAAとも略記される。MPCAは多官能性アミンの部類に入るメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル-芳香族)アミンの混合物である。Ancamine(登録商標)2168は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals, Inc.)から商業的に入手可能、57のAHEWを有するMPCAであり、実施例で利用される銘柄である.
MXDA−メタキシリレンジアミン、また1,3-[(アミノ)メチル]ベンゼンとも称され、ミツビシ・ケミカル(Mitsubishi Chemical Corporation)から商業的に入手可能、AHEW=34.
NC541LV−Cardolite(登録商標)、カードライト(Cardolite Corporation)から商業的に入手可能、低粘度フェナルカミン、AHEW=125.
PHR−100重量樹脂についての部分.
THF−テトラヒドロフラン.
【0024】
出願人は本発明のいくつかの類型の範囲を開示する。これらは限定されないが、温度範囲、圧力範囲、反応時間範囲、原子数範囲、整数範囲、重量比範囲、理論比範囲を含む。出願人が任意類型の範囲を開示または請求するとき、出願人の意思はそのような範囲、加えて任意の下位範囲およびそれに包含される下位範囲の組合せが合理的に包含しうる各可能数を個々に開示または請求することである。例えば、出願人が一定数の炭素原子を有する化学部分を開示または請求するとき、出願人の意思はここで開示と一致したそのような範囲が包含しうる各可能数を個々に開示または請求することである。例えば、“RC”はC1〜C18線状または枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキル、またはここで使用されるように代替語法で1〜18個の炭素原子を有するとは1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, または18個の炭素原子を、加えてこれら二数間のどの範囲も(例えば、C1〜C10線状または枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキル基)有し、およびこれら二数間のどの範囲の組合せ(例えば、C2〜C6及びC9〜C15線状または枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキル基)も含む線状または枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキル基から独立に選択されることができる“RC”をいう。
【0025】
同じく別の表現例はアミン組成物におけるDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比について続く。DM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比が約95:5〜約5:95の範囲にあるという開示により、出願人は重量比が約95:5、約90:10、約85:15、約80:20、約75:25、約70:30、約65:35、約60:40、約55:45、約50:50、約45:55、約40:60、約35:65、約30:70、約25:75、約20:80、約15:85、約10:90、または約5:95から選択されることができることを列挙することを予定する。追加として重量比は約95:5〜約5:95のどの範囲内であることができ(例えば、重量比は約65:35〜約20:80の範囲にある)、これは約95:5〜約5:95間の範囲のどの組合せも含む(例えば、重量比は約90:10〜約70:30、または約50:50〜約25:75の範囲にある)。同様にここで開示されるほかの範囲はすべてこれらの二つの例と同じように解釈されるべきである。
【0026】
出願人は群内の任意の下位範囲または下位範囲の組合せを含む任意のそのような群のどの各個数も条件外とするか除く権利を留保し、範囲によってまたは任意の理由について出願人が開示の全尺度未満に請求すること、例えば出願人が出願の提出時に気がつかない参照を説明することを選ぶとすれば任意の同様の方法で請求されることができる。さらにまた出願人は、任意の理由について出願人が開示の全尺度未満に請求すること、例えば出願人が出願の提出時に気がつかない参照を説明することを選ぶとすれば任意の各個置換基、類似物、化合物、配位子、構造、またはそれらの群、もしくは請求された群の要素を条件外とするか除く権利を留保する。
【0027】
術語「接触生成物」とはここで成分が任意の順序で、任意の態様で、任意の延時間に一緒に接触される組成物を記述するために使用される。例えば、成分は配合または混合することで接触されることができる。さらにまた任意成分の接触もここで記述される組成物または配合物の任意の他成分の存在または不在において生ずることができる。追加物質または成分を組み合わせることは当該分野で熟練を有するものに知られた任意の方法で行なわれることができる。さらにまた術語「接触生成物」は混合物、ブレンド、溶液、スラリー、反応生成物等、またはそれらの組合せを含む。「接触生成物」は二以上の成分の反応生成物を包含することができるが各自成分が互いに反応することを必要とされない。
【0028】
組成物及び方法は異なった成分または工程を「含む」によって記述されるところが組成物または方法は異なった成分または工程「から殆どなる」か「からなる」こともできる。
【0029】
アミン組成物
本発明はN,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)を含むアミン組成物を開示する。そのような組成物は例えば、エポキシ樹脂を硬化、固化、または架橋するために使用可能である。アミン組成物はこの発明の一側面に従って:
(i)DM-MXDA;及び
(ii)アレーンアミン;芳香族アミン;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体;および脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体;またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも一の多官能性アミン、を含む。
【0030】
別の側面でこのアミン組成物におけるDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約95:5〜約5:95で変化する。さらに別の側面でDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約80:20〜約20:80、もしくは約70:30〜約30:70で変化する。これらの比は組成物のアミン成分だけに基づき、可塑剤または溶剤、顔料、充填剤等のようなアミン組成物に存在しうる他成分を含まない。しかしながら一以上の多官能性アミンが用いられるならば多官能性アミンの全量はDM-MXDAと多官能性アミンの比を決定するのに使用されるであろう。アミン-エポキシ塗料適用で多官能性アミンの量に関して高水準のDM-MXDAを組み込むことは一般に速硬するおよび/または低温で硬化されることができ、より大の柔軟性とより長い上塗窓を有する塗料に結果としてなる。DM-MXDAの量に関して高水準の多官能性アミンを組み込むことは一般に製品の耐薬品性を改良し、高極限硬度を有する塗料に結果としてなることができる。
【0031】
さらにN-モノメチル-メタキシリレンジアミン(MM-MXDA)はこれらのアミン組成物で少なくとも一の多官能性アミンであることができる。すなわち、アミン組成物はDM-MXDAおよびMM-MXDAを含むことができるか選択的にDM-MXDA、MM-MXDA、及び少なくとも一の他の多官能性アミンを含むことができる。この側面で少なくとも一の他の多官能性アミンはアレーンアミン;芳香族アミン;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体;および脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体;またはそれらの任意の組合せから選択されることができる。
【0032】
この発明の別の側面に従ってアミン組成物は:
(i)N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA);及び
(ii)3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能性アミン;
DM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約65:35〜約1:99の範囲にある、を含む。
【0033】
さらなる側面でこのアミン組成物におけるDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約60:40〜約5:95の範囲内にあることができる。なおさらにまたこの発明の他の側面でDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約55:45〜約10:90で変化することができる。例えば、この発明のアミン組成物はDM-MXDAおよびMM-MXDA、またはDM-MXDA、MM-MXDA、及び少なくとも一の他の多官能性アミンを含み、DM-MXDAと少なくとも一の他の多官能性アミンの重量比が約65:35〜約1:99の範囲にある。一以上の多官能性アミンが用いられる(例えば、MM-MXDA及びMPCA)組成物で多官能性アミンの全量はDM-MXDAと多官能性アミンの比を決定するのに使用される。
【0034】
この発明のまだ別の側面に従ってアミン組成物は:
(i)N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA);及び
(ii)フェナルカミン;メタキシリレンジアミン(MXDA);1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(1,3-BAC);及びメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル-芳香族)アミン(MPCA);またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも一の多官能性アミン、を含む。
【0035】
この発明のいくらかの側面でDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比(フェナルカミン;MXDA;1,3-BAC;またはMPCA)はこのアミン組成物において約95:5〜約5:95で変化することができる。例えば、DM-MXDAと少なくとも一の多官能性の重量比は約90:10〜約10:90、約80:20〜約20:80、もしくは約30:70〜約70:30で変化することができる。N-モノメチル-メタキシリレンジアミン(MM-MXDA)はまたこれらのアミン組成物で追加の多官能性アミンとして存在することもできる。この発明の範囲内のアミン組成物はこれによってDM-MXDA、MM-MXDA、及びフェナルカミンを含むことができる。選択的にアミン組成物はDM-MXDA、MM-MXDA、及びMXDA;またはDM-MXDA、MM-MXDA、及び1,3-BAC;またはDM-MXDA、MM-MXDA、及びMPCAを含むことができる。
【0036】
さらにこの発明の別の側面に従って、アミンは:
(i)N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA);
(ii)3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能性アミン;および
(iii)所望により少なくとも一の可塑剤または溶剤、を含む。
発明のこの側面の実施形態で塗料、土木工学的適用等のような最終使用に向けられるアミン組成物は少なくとも一の可塑剤または溶剤を含む。
【0037】
一般にDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比はこのアミン組成物において約95:5〜約5:95、例えば約90:10〜約10:90の範囲で変化する。約80:20〜約20:80、もしくは約70:30〜約30:70で変化するDM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比はこの発明の他の側面で使用されることができる。塗料及び土木工学適用向けアミン組成物はN-モノメチル-メタキシリレンジアミン(MM-MXDA)を少なくとも一の多官能性アミンとして利用することができる。一つのそのような組成物は例えば、DM-MXDA、MM-MXDA、3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の他の多官能性アミン、及び少なくとも一の可塑剤または溶剤を含む。
【0038】
アミン-エポキシ組成物
本発明はN,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)を含むアミン-エポキシ組成物、及びこれらの組成物の製造方法を開示する。これらのアミン-エポキシ組成物は前節で提供される前述のアミン組成物のどれでもと少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分を含むことができる。例えば、アミン-エポキシ組成物は:
(a)アミン組成物:
(i)DM-MXDA;および
(ii)アレーンアミン;芳香族アミン;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体;および脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体;またはそれらの任意の組合せから選択される少なくとも一の多官能性アミンを含む;及び
(b)少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分、を含む。
【0039】
この発明の別の側面でアミン-エポキシ組成物は:
(a)アミン組成物:
(i)DM-MXDA;および
(ii)3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能性アミン(ただし、DM-MXDAと少なくとも一の多官能性アミンの重量比は約65:35〜約1:99の範囲にある)、を含む;及び
(b)少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分、を含む。
【0040】
この発明のさらに別の側面でアミン-エポキシ組成物は:
(a)アミン組成物:
(i)DM-MXDA;および
(ii)フェナルカミン;メタキシリレンジアミン(MXDA);1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(1,3-BAC);及びメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル-芳香族)アミン(MPCA);またはそれらの任意の組合せ、を含む;及び
(b)少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分、を含む。
【0041】
さらなる側面で本発明はこれらのアミン-エポキシ組成物を硬化する方法を考慮する。この発明はこれらのアミン-エポキシ組成物を硬化するためにどの特定温度ならびに湿度条件にも、どの規定硬化時間にも限定されない。しかしながらここで開示されるアミン-エポキシ組成物は室温及びそれ以下、すなわち約23〜25℃以下の温度で硬化されることができる。別の側面でアミン-エポキシ組成物は約5℃以下の温度で硬化されることができる。本発明のアミン-エポキシ組成物は通常アミン-エポキシ組成物と比べて約5℃以下の温度を含む室温またはそれ以下の温度で改良された硬化速度を提示する。
【0042】
本発明のアミン-エポキシ組成物を硬化することにより得られる組成物、加えてこれらの組成物を含む製造品もまた本発明で考慮される。そのような製品はこれらに限定されないが塗料、建築製品、床仕上製品、複合材製品等を含むことができる。例えば、製品は金属またはセメント質支持体に適用される塗料であることができる。一般に本発明のアミン-エポキシ組成物から生産される塗料は約5℃及びそれより低い温度で急速硬化し、良外観、柔軟性、及び遮断性を有する被膜を生ずる。追加成分または添加剤は異なった製造品を生産するために本発明の組成物と共に使用可能である。
【0043】
本発明はまたアミン-エポキシ樹脂組成物の製造方法を提供する。一つのそのような方法は:
(a)DM-MXDA及び少なくとも一の多官能性アミンを含むアミン組成物を形成し;及び
(b)アミン組成物を少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂と約5:1〜約1:1.5で変化するエポキシ成分のエポキシ基とアミン組成物のアミン水素の理論比で接触すること、を含む。
【0044】
ここで開示されるアミン-エポキシ組成物及びアミン-エポキシ組成物の製造方法に従って、エポキシ成分のエポキシ基とアミン組成物のアミン水素の理論比は一般に約5:1〜約1:1.5で変化する。さらにいくらかの側面でエポキシ成分のエポキシ基とアミン組成物のアミン水素の理論比は約2:1〜約1:1.2で変化する。例えば、理論比は約1.8:1〜約1:1.1、もしくは約1.6:1〜約1:1の範囲にあることができる。これらの理論比は各々アミン及びエポキシ成分の全数量に基づく。例えば、アミン組成物がDM-MXDAを65重量部と多官能性アミンを35重量部含むとすればDM-MXDA及び多官能性アミンからアミン水素の全量は理論比を決定するために使用される。
【0045】
さらに本発明の組成物において可能な成分のすべてについて室温で液体であることは有益であることができる。すなわちDM-MXDA、少なくとも一の多官能性アミン化合物、及び少なくとも一のエポキシ樹脂化合物はすべて室温で液体であることができる。この開示において室温または周囲温度はほぼ23〜25℃である。
【0046】
この発明の別の側面によれば塗料、土木工学的適用等に向けられるアミン-エポキシ組成物が提供される。そのようなアミン-エポキシ組成物は:
(a)アミン組成物:
(i)DM-MXDA;
(ii)3つ以上の活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能性アミン;および
(iii)少なくとも一の可塑剤または溶剤、を含む;及び
(b)少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分、を含む。
【0047】
さらにまた本発明はこのアミン-エポキシ組成物を硬化する方法を考慮する。前に開示されるアミン-エポキシ組成物でのようにこのアミン-エポキシ組成物の硬化条件はどの特定温度、湿度、または硬化時間にも限定されない。このアミン-エポキシ組成物は約23〜25℃以下、または例えば、約5℃以下の温度で硬化されることができる。アミン-エポキシ組成物を硬化することにより得られる塗料及び土木工学製品はまた本発明の範囲内である。よくこの発明の塗料は金属またはセメント質支持体に適用される。
【0048】
硬化アミン-エポキシ被膜を製造する方法はここで開示される。本発明に従って一つのそのような硬化アミン-エポキシ被膜を生成する方法は:
(a)少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分を塗料用アミン組成物と接触してアミン-エポキシ塗布組成物を形成し;
(b)アミン-エポキシ塗布組成物から未硬化被膜を形成し;及び
(c)未硬化被膜を硬化して硬化アミン-エポキシ被膜を形成することを含み、ただし、塗料用アミン組成物は:
(i)DM-MXDA;及び
(ii)3つの活性アミン水素を有する少なくとも一の多官能性アミンを含む。
【0049】
この方法で塗料用アミン組成物はさらに少なくとも一の可塑剤または溶剤を含むことができる。適当な可塑剤または溶剤の実例となる例はこれらに限定されないがベンジルアルコール、n-ブタノール、キシレン、メチルエチルケトン、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、カルダノール、フタル酸のエステルなど、またはそれらの組合せを含む。
【0050】
アミン-エポキシ塗布組成物及び前述の提供される硬化アミン-エポキシ被膜を製造する方法としてはエポキシ成分のエポキシ基とアミン塗布組成物のアミン水素の理論比は一般に約5:1〜約1:1.5で変化する。大抵エポキシ成分のエポキシ基とアミン塗布組成物のアミン水素の理論比は約2:1〜約1:1.2の狭い範囲内である。
【0051】
DM-MXDA及び関連アミン合成
ここで開示されるアミン組成物及びアミン-エポキシ組成物で利用されることができるN,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)および他のアミンは当該分野で知られたどの方法によっても調製されることができる。しかしながら本発明はまたDM-MXDAのようなアミン、及び構造的に類似するものを合成する改良法を提供する。一般に製法は二つの段階を含む。第一段階はジシアノベンゼン化合物とメチルアミンかエチルアミンいずれかの間の反応である。第二段階は水素化反応である。製法は化学式(I):
【0052】
【化3】

【0053】
を有するアミン化合物を生成するために使用される。
【0054】
この発明の一側面で化学式(I)を有するアミンを生産する製法は:
(a)化学式(II):
【0055】
【化4】

【0056】
を有する化合物をメチルアミンまたはエチルアミンと水素及び触媒の存在において約100〜約500 psiの水素圧力で接触して少なくとも一の中間体生成物を形成し;及び
(b)少なくとも一の中間体生成物を水素と水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で接触して化学式(I)を有するアミンを形成すること;
ただし:
RAはメチルまたはエチルであり;
RBはメチル、エチル、もしくは水素であり;
RCは各出現で線状または枝分れC1〜C18アルキル、線状または枝分れC1〜C18アルケニル、線状または枝分れC1〜C18アルコキシ、および線状または枝分れC1〜C18アルコキシアルキルから独立に選択され;及び
xは0、1、2、3、または4である、を含む。
【0057】
化学式(I)及び(II)は、そのような化合物がこれらの化学式で考慮され、包含されるけれども立体化学または異なる部分の異性配置を示すために設計されない(例えば、これらの化学式はシスまたはトランス異性体を示すと解釈されない)。化学式(I)でRAはメチルまたはエチルであり、ところが一方でRBはメチル、エチル、または水素である。化学式(I)及び(II)で整数xは0、1、2、3、または4である。例えば、xが零に等しければ化学式(II)の化合物は1,3-ジシアノベンゼンであることができる。化学式(II)においてシアノ基の全異性体(オルト、メタ、パラ)位置は用いられることができ、この発明の範囲内である。整数xはこの発明の一側面で零に等しくなることができる。
【0058】
xが零に等しくなければRCは独立に線状または枝分れC1〜C18アルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキルから選択される。そうでなく指定されなければここで記述されるアルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキル基は所定の部分の全構造異性体、線状または枝分れを含むと解釈される;例えば、全鏡像異性体及び全偏左右異性体はこの定義内に含まれる。例としてそうでなく指定されなければ、術語プロピルはn-プロピル及びiso-プロピルを含むことになっており、ところが一方で術語ブチルはn-ブチル、iso-ブチル、t-ブチル、sec-ブチル、等々を含むことになっている。例えば、オクチル異性体の非限定例は2-エチルヘキシル及びネオオクチルを含む。本発明で用いられることができるアルキル基の適当な例はこれらに限定されないがメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、等を含む。例えば、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル、C18アルキル、等のような他のアルキルもこの発明で使用可能である。化学式(I)及び(II)でRCはアルケニル基であることができ、その例はこれらに限定されないがエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等、加えてC14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル、またはC18アルケニル基を含む。18個までの炭素原子を有するアルコキシ基は本発明の範囲内である。適当なアルコキシ基の実例となる非限定例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、等を含む。アルコキシアルキル基はまたエーテル基としても参照され、その例はこれらに限定されないがメトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシブチル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、プロポキシブチル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、ブトキシブチル、等を含む。ここで記述されるように線状または枝分れC1〜C18アルコキシアルキルは1〜18個の炭素原子を独立に酸素原子の各側に有することになっている。
【0059】
本発明の一側面で各RCは独立に線状または枝分れC1〜C18アルキルまたはアルケニルである。別の側面で各RCは独立にメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、またはドデシル基である。さらに別の側面で各RCは独立にエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、またはデセニル基である。異なる側面で各RCは独立に例えば、メトキシ、プロポキシ、またはブトキシのような線状または枝分れC1〜C18アルコキシである。代替的に各RCは独立に線状または枝分れC1〜C18アルコキシアルキルであることができ、その例はメトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、ブトキシメチル、及びブトキシエチルである。別の側面で各RCは独立に線状C1〜C4アルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキルである。これらの及び他の側面でxは1、2、3、または4に等しい。例えば、xは1に等しく、RCは線状C1〜C4アルキル、アルケニル、アルコキシ、もしくはアルコキシアルキルであることができる。
【0060】
化学式(I)を有するアミンを生成する製法の第一段階で工程(a)として前に提供され、化学式(II):
【0061】
【化5】

【0062】
を有する化合物はメチルアミンまたはエチルアミンと水素及び触媒の存在において接触される。一般にこの反応は水素雰囲気下に約100〜約500 psiの範囲の圧力で実施される。例えば、反応圧力は約200〜約450 psiの範囲、もしくは約300〜約400 psiの範囲の圧力で調節されることができる。一側面で水素圧力は約300〜約350 psiの範囲で維持される。
【0063】
工程(a)の反応温度は典型的に約70〜約160℃の範囲内にある。大抵この反応は約80〜約150℃の範囲、例えば、約100〜約140℃、もしくは約120〜約140℃の範囲の温度で実施される。反応時間は反応温度にとても依存するが一般に約1〜約20時間の範囲にある。例えば、5〜16時間の反応時間は用いられることができる。
【0064】
製法の第一段階に使用される触媒は例えば、パラジウム、白金、ロジウム、ラネーニッケル、またはそれらの任意の組合せを含むことができるが、触媒選択はこれらの金属だけに限定されない。金属触媒はこれらに限定されないが炭素、シリカ、アルミナ等、またはそれらの組合せを含む種々の保持体に支持されることができる。
【0065】
本発明の別の側面によれば工程(a)の少なくとも一の中間反応生成物は第二段階より前に排出される。例えば、反応生成物はアンモニアおよび/または反応器から排出されるか取り除かれる未反応メチルアミンもしくはエチルアミンを含むことができる。一般にこの側面で少なくとも50 wt%のアンモニアおよび/または未反応メチルアミンもしくはエチルアミンは第二段階より前に除去されることができる。さらにまた少なくとも70 wt%、もしくは少なくとも90 wt%のアンモニアおよび/または未反応メチルアミンもしくはエチルアミンは第二段階より前に除去されることができる。さらに別の側面で大体すべてのアンモニアおよび/または未反応メチルアミンもしくはエチルアミンは製法の第二段階より前に除去される。
【0066】
工程(b)、製法の第二段階で、第一段階からの少なくとも一の中間体生成物は水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で水素と接触され、化学式(I)を有するアミンを形成する。水素化反応は水素雰囲気下に大抵第一段階におけるよりも高い圧力で実施される。例えば、水素化反応圧力は約600〜約1200 psi、もしくは約750〜約1000 psiの範囲でよく用いられることができる。
【0067】
水素化工程の反応温度は一般に約80〜約160℃の範囲内である。温度は約100〜約140℃、約110〜約130℃、もしくは約120〜約130℃でこの発明の他の側面において使用可能である。第一段階でのように水素化工程の反応時間は反応温度にとても依存するが一般に約45〜約360分の範囲にある。例えば、60〜300分の反応時間は用いられることができる。
【0068】
第二段階に使用される水素化触媒は例えば、パラジウム、白金、ラネーニッケル、ラネーコバルト、またはそれらの任意の組合せを含むことができ、しかし水素化触媒はこれらの金属だけに限定されない。第一段階で用いられる触媒と同様に水素化段階における金属触媒はこれらに限定されないが炭素、シリカ、アルミナ等、またはそれらの混合物を含む種々の保持体に支持されることができる。混酸化物保持体もシリカ-アルミナのように使用可能である。さらに本発明の一側面においてプロセスの第一段階で用いられる触媒は水素化段階において用いられる触媒と同じである。選択的に第一段階の触媒は例えば、濾過により第二段階より前に除去されることができる。
【0069】
本発明に従って、N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)を含むアミンの混合物を生成するプロセスが提供される。この製法は:
(a)1,3-ジシアノベンゼンをモノメチルアミンと水素及び触媒の存在において約100〜約500 psiの水素圧力で接触して少なくとも一の中間体生成物を形成し;
(b)少なくとも一の中間体生成物を水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で水素と接触してDM-MXDAを含むアミンの混合物を形成する、ことを含む。
【0070】
化学式(I)を有するアミンを生成する製法に関して前に論じられた工程(a)及び(b)について同じ温度、時間、圧力、及び触媒選択はまたDM-MXDAを含むアミンの混合物を生産するこの製法にあてはまる。例えば、工程(a)は約70℃〜約160℃の温度において及び約200〜約450 psiの水素圧力で実施されることができ、ところが一方で水素化工程(b)は約80〜約160℃の温度において及び約750〜約1000 psiの水素圧力で実施されることができる。さらにこの発明の別の側面で工程(a)で利用される触媒及び工程(b)における水素化触媒は同じであることができる。
【0071】
DM-MXDAを含むアミンの混合物を生産するこの製法は下記に示される一般反応図式で図解される:
【0072】
【化6】

【0073】
この製法で工程(a)の少なくとも一の中間体生成物はアンモニア及び未反応モノエチルアミンを含むことができ、この発明のさらに別の側面で少なくとも少なくとも一の中間体性生物において約50 wt%のアンモニア及び未反応モノエチルアミンは工程(b)より前に除去される。この発明の他の側面で少なくとも70 wt%、少なくとも90 wt%、または大体全てのアンモニア及び未反応メチルアミンは製法の第二段階より前に取り除かれることができる。
【0074】
一般にDM-MXDAを含むアミンの混合物を生成する方法はアミンの混合物において少なくとも約60 wt%収率のDM-MXDAを生成する。別の側面でアミンの混合物においてDM-MXDAの収率は少なくとも約70 wt%である。さらに別の側面でアミンの混合物においてDM-MXDAの収率は少なくとも約75 wt%、または少なくとも約80 wt%である。
【0075】
別の側面でDM-MXDAを含むアミンの混合物を生成する製法はもしあれば極少しメタキシリレンジアミン(MXDA)を生成する。しかるべくMXDAはアミンの混合物に約10 wt%収率未満の量で存在することができる。大抵アミンの混合物においてMXDAの収率は約5 wt%未満、または選択的に約3 wt%未満である。
【0076】
多官能性アミン
本発明に従う組成物は少なくとも一の多官能性アミンを含むことができる。多官能性アミンはここで使用されるときはアミン官能価を有し、三(3つ)以上の活性アミン水素を含有する化合物を記述する。
【0077】
作業者暴露及び安全問題が発生するかもしれない多少の用途で使用される特殊な多官能性アミンの揮発性を制限することは有益であることができる。かくして本発明の一側面で少なくとも一の多官能性アミンは6個以上の炭素原子を含有する。別の側面で少なくとも一の多官能性アミンは8個以上の炭素原子を含有する。さらに別の側面で少なくとも一の多官能性アミンは12個以上の炭素原子を含有する。
【0078】
本発明の範囲内である多官能性アミンの非限定例はこれらに限定されないが、脂肪族アミン;脂環式アミン;アレーンアミン;芳香族アミン;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのマンニッヒ塩基誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのポリアミド誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミドアミン誘導体;脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンのアミン付加物誘導体;等;またはそれらの任意の組合せを含む。
【0079】
一超の多官能性アミンは本発明の組成物で使用可能である。例えば、少なくとも一の多官能性アミンは脂肪族アミンと脂環式アミンのマンニッヒ塩基誘導体を含むことができる。また少なくとも一の多官能性アミンは一の脂肪族アミンと一の異なる脂肪族アミンを含むことができる。
【0080】
例示的な脂肪族アミンはポリエチレンアミン(トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサミン等)、1,6-ヘキサンジアミン、3,3,5-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、3,5,5-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン(Dytek(登録商標)として商業的に入手可能)、ビス-(3-アミノプロピル)アミン、N,N'-ビス-(3-アミノプロピル)-1,2-エタンジアミン、N,N-ジメチル-1,3-プロピルジアミン、N,N-エチル-1,3-プロピルジアミン、アミノエチルピペラジン、等、またはそれらの組合せを含む。さらにJeffamine名称のもとにハンツマン(Huntsman Corporation)から商業的に入手可能であるポリ(アルキレンオキシド)ジアミンならびにトリアミンは本発明で有用である。実例となる例はこれらに限定されないがJeffamine(登録商標)D-230、Jeffamine(登録商標)D-400、Jeffamine(登録商標)D-2000、Jeffamine(登録商標)D-4000、Jeffamine(登録商標)T-403、Jeffamine(登録商標)EDR-148、Jeffamine(登録商標)EDR-192、Jeffamine(登録商標)C-346、Jeffamine(登録商標)ED-600、Jeffamine(登録商標)ED-900、Jeffamine(登録商標)ED-2001、等、またはそれらの組合せを含む。
【0081】
脂環式アミンはこれらに限定されないが1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、水素化オルト-トルエンジアミン、水素化メタ-トルエンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、N-アミノプロピル-シクロヘキシルアミン(APCHA)、水素化メタキシリレンジアミン(商業的に1,3-BACとも称される)、ノルボルナンジアミンの異なった異性体、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、等、またはそれらの組合せを含む。別の脂環式アミンはメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル-芳香族)アミンの混合物であり、MBPCAAかMPCAいずれかとして略記され、ここで参照により全体で組み込まれる米国特許第5280091号明細書に記述される。本発明の一側面で少なくとも一の多官能性アミンはメチレン架橋ポリ(シクロヘキシル-芳香族)アミン(MPCA)の混合物である。
【0082】
芳香族アミンの実例となる非限定例はオルトトルエンジアミン、メタトルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、メチレン架橋ポリ(フェニレン)アミン(例えば、アニリンとホルムアルデヒドから得られる縮合物)混合物、2,2'- /2,4' /4,4'-ジアミノジフェニルメタン(大抵メチレンジアミリンまたはMDAと称される)混合物、等、またはそれらの組合せを含む。
【0083】
アレーンアミンは窒素が芳香族アミンで芳香環に向けて結合されるのに対しアレーンアミンについて窒素が芳香環に直接結合されていない点で芳香族アミンから識別される。例えば、窒素は芳香環から飽和または不飽和アルキルで離隔されることが可能である。適当なアレーンアミンの例はこれらに限定されないがメタキシリレンジアミン(MXDA)、オルトキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、等、またはそれらの組合せを含む。MM-MXDAもアレーンアミンである。
【0084】
多官能性アミンとして用いるために適当なマンニッヒ塩基は前述の脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンとフェノールまたは置換フェノール及びホルムアルデヒドの反応により製造されることができる。本発明で有用性のマンニッヒ塩基を製造するために使用される例示的な置換フェノールはカルダノールであり、カシューナット油から入手される。代替的にマンニッヒ塩基は多官能性アミンとトリス-(ジメチルアミノメチル)フェノール(Ancamine(登録商標)としてAir Products and Chemicals, Inc.から商業的に入手可能)またはビス-(ジメチルアミノメチル)フェノールのようにマンニッヒ塩基を含有する第三アミンの交換反応により調製されることができる。さらにDM-MXDAのマンニッヒ塩基誘導体が用いられることができることは予期される。そのような物質は例えば、DM-MXDAをフェノール(または置換フェノール)およびホルムアルデヒドと反応することで得られ、低水準の残留フェノール(または置換フェノール)を有するマンニッヒ塩基硬化剤を生成することができる。ポリアミド誘導体は脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンと二量体脂肪酸、または二量体脂肪酸及び脂肪酸の混合物の反応により調製されることができる。アミドアミン誘導体は脂肪族アミン、脂環式アミン、または芳香族アミンと脂肪酸の反応により調製されることができる。アミン付加物は脂肪族アミン、脂環式アミン、アレーンアミン、または芳香族アミンとエポキシ樹脂、例えばビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール-Fのジグリシジルエーテル、またはエポキシノボラック樹脂の反応により調製されることができる。脂肪族、脂環式、アレーン、および芳香族アミンはまたフェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、他のアルキルグリシジルエーテル、等のような一官能性エポキシ樹脂を付加されることもできる。これらのおよびほかの適当なアミン誘導体はアシュクロフト(W.R. Ashcroft)により、「エポキシ樹脂硬化剤」(“Curing Agents for Epoxy Resins”)エリス(B. Ellis)編で、エポキシ樹脂の化学及び技術(Chemistry and Technology of Epoxy Resins)(ブラキー・アカデミック・アンド・プロフェッショナル(Blackie Academic and Professional, London))、1993年、pp.37-71、において開示され、開示はここで参考により組み込まれる。
【0085】
多官能性エポキシ樹脂
本発明のアミン-エポキシ組成物はエポキシ成分を含み、エポキシ成分は少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含む。多官能性エポキシ樹脂はここで使用されるときは分子につき2つ以上の1,2-エポキシ基を含有する化合物を記述する。この種のエポキシド化合物はタナカ(Y. Tanaka)、「エポキシ化合物の合成及び特性」(“Synthesis and Characteristics of Epoxides”)、メイ(C.A. May)編で、エポキシ樹脂化学及び技術(Epoxy Resins Chemistry and Technology)(マーセル・デッカー(Marcel Dekker))、1988年、において記述され、ここで参考により組み込まれる。
【0086】
本発明で用いるために適当な一つの種類のエポキシ樹脂は二価フェノールのグリシジルエーテルを含む多価フェノールのグリシジルエーテルを含む。実例となる例はこれらに限定されないがレソルシノール、ヒドロキノン、ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジフルオロフェニル)-メタン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェノールAとして商業的に知られる)、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン(ビスフェノールFとして商業的に知られ、変動量の2-ヒドロキシフェニル異性体を含有することが可能である)、等のグリシジルエーテル、またはそれらの任意の組合せを含む。さらに次の構造の進展二価フェノールも本発明で有用である:
【0087】
【化7】


【0088】
式中、tは整数であり、R1は前に記載されるそれら二価フェノールのような二価フェノールの二価炭化水素基である。この化学式による物質は二価フェノールとエピクロロヒドリンの混合物を重合するかまたは二価フェノールのジグリシジルエーテルならびに二価フェノールの混合物を進展することで調製されることができる。任意の与えられる分子でtの値は整数であるところが、物質は一定に、必ずしも自然数ではないtの平均値を特性とすることができる混合物である。0〜約7のtの平均値を有するポリマー物質は本発明の一側面で使用可能である。
【0089】
別の側面でノボラック樹脂のグリシジルエーテルであるエポキシノボラック樹脂は多官能性エポキシ樹脂として本発明に従って使用可能である。さらに別の側面で少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂はビスフェノール-Aのグリシジルエーテル(DGEBA)、DGEBAの進展または高分子量変型、ビスフェノール-Fのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、またはそれらの任意の組合せである。DGEBAの高分子量変型は過剰DGEBAがビスフェノール-Aと反応されてエポキシを末端基とする生成物を生ずる発展過程により調製される。そのような生成物のエポキシ当量(EEW)は約450〜約3000またはそれ以上で変化する。これらの生成物は室温で固体であるから大抵固体エポキシ樹脂と称される。
【0090】
DGEBAまたは進展DGEBA樹脂は低原価と一般高性能特性の組合せのために塗料配合でよく使用される。約174〜約250、しかももっと通例は約185〜約195で変化するEEWを有する商用銘柄のDGEBAは容易に入手可能である。これらの低分子量においてエポキシ樹脂は液体であり、大抵液体エポキシ樹脂と称される。大部分の銘柄の液状エポキシ樹脂は純粋DGEBAが174のEEWを有するので、わずかに重合体である。250〜450のEEWを有し、また一般に発展過程で調製される樹脂は室温で固体及び液体の混合物であるから半固体エポキシ樹脂と称される。
【0091】
最終使用適用に依存してエポキシ成分を改良することにより本発明の組成物の粘度を減少することは有益であることができる。例えば、粘度は配合物または組成物で顔料水準の増加を許容する一方でまだ適用容易性を許すか高分子量エポキシ樹脂の使用を許容するように減少されることができる。かくして少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ成分がさらに一官能性エポキシドを含むことは本発明の範囲内である。一官能性エポキシドの例はこれらに限定されないがスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びフェノール、クレゾール、tert-ブチルフェノール、他のアルキルフェノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、C4〜C14アルコール、等のグリシジルエーテルを含む。
【0092】
可塑剤および溶剤ならびに他添加剤
本発明の組成物は異なった製造品を生産するために使用可能である。製品の製造の間にまたはそれの最終使用適用について要求特性に依存して種々の添加剤は配合物及び組成物で用いられ、特殊性を調整ことができる。
【0093】
この発明のいくらかの側面で可塑剤または溶剤はアミンまたはアミン-エポキシ組成物に加えられる。一般に適当な可塑剤または溶剤は芳香族、脂肪族、エステル、ケトン、エーテル、アルコール、グリコール、グリコールエステル、等、およびそれらの組合せであることができる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、等のようなケトンは溶剤として使用可能であり、乾燥速度で殆どもしくは犠牲のない改良された可使時間に結果としてなる。エステル可塑剤または溶剤がフタル酸エステルのように組成物または配合物に含まれるとすればエポキシ樹脂を含有するパッケージにアミン硬化剤との反応を最小にするほどに配合することは通常必要である。他の有用な可塑剤または溶剤はこれらに限定されないがベンジルアルコール、n-ブタノール、iso-プロパノール、トルエン、キシレン、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、t-ブチルフェノール、ビスフェノール-A、クレゾール、カシューナット油、プロピレングリコールモノメチルエーテル(大抵PMと略記される)、及び、商標名Shellsolのもとに商業的に入手可能なもののような脂肪族および/または芳香族炭化水素溶剤を含む。一以上の可塑剤または溶剤の組合せの混合物は使用可能である。例えば、少なくとも一の可塑剤または溶剤はこの発明のアミンまたはアミン-エポキシ組成物においてベンジルアルコール、n-ブタノール、キシレン、メチルエチルケトン、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、カルダノール、フタル酸のエステル、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0094】
この発明に従って使用可能であるほかの可塑剤は当業者によく知られ、もっと広範囲にカドガン(D.F. Cadogan)及びハウイク(C.J. Howick)において、「可塑剤」(“Plasticizers”)クロシュビッツ(J.I.Kroschwitz)編、カーク-オスマー・エンサイクロ(登録商標)ペディア・オブ・ケミカル・テクノロジー(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)、第4版、ワイリー(Wiley, New York)、1996年、第19巻、pp.258-290に記述される。エポキシ-アミン熱硬化性塗料における可塑剤は典型的に周囲または周囲以下の温度で硬化される系で利用される。熱硬化の適用で穏やかなものでも可塑剤の実質的放出は発生することが可能であり、大抵皮膜収縮ならびに応力蓄積をもたらす。これは接着剤用途とよい対照をなし、周囲温度での初期硬化に続いて典型的に約50〜約160℃の範囲内で変化する追加の熱を加えることにより被着部を調節する能力が重要であることができる。
【0095】
この発明の組成物及び配合物で用いられることができる他の添加剤はこれらに限定されないが促進剤、充填材、ガラスまたはカーボン繊維のような繊維、顔料、顔料分散剤、流動性改良剤、チキソトロープ材、流動または均展助剤、脱泡剤、またはそれらの任意の組合せを含む。当該分野で知られる他の混合物または材料が組成物または配合物に包含されることができ、本発明の範囲内であることは理解される。
【0096】
いくらかの環境で促進剤をエポキシ-アミン硬化反応に用いることは有利であるかもしれない。そのような促進剤はリー(H. Lee)及びネビル(K. Neville)、ハンドブック・オブ・エポキシ・レジン(Handbook of Epoxy Resins)、マクグロー-ヒル(McGraw-Hill, New York)、1967年において記述される。当業者は前述の可塑剤または溶剤のいくらかは促進剤としても働くことができることがわかるであろう。促進剤の追加非限定例は、例えばサリチル酸、ジメチルアミノメチルフェノール、ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、等のような異なった有機酸、第三アミン、およびヒドロキシルアミン、またはそれらの組合せを含む。標準的に促進剤は結合剤の全量に基づいて10%未満の水準で、もっと大抵は5%以下の水準で使用される。
【0097】
さらにまた本発明の範囲内の組成物は無溶剤であり、無溶剤または100%固体とも称される。選択的にこれらの組成物はさらに少なくとも一の溶剤(溶剤はまた稀釈剤としても参照される)を含むことができる。大抵溶剤または溶剤混合物は組成物または配合物に特異な蒸発率分布を与える一方で配合物の成分の溶解度を維持するように選択される。
【0098】
製品
本発明はまたここで開示される組成物を含む製品に向けられる。例えば、製品はアミン硬化剤成分とエポキシ成分の接触生成物を含む硬化アミン-エポキシ組成物を含むことができる。アミン硬化剤成分はDM-MXDAと少なくとも一の多機能性アミンを含むことができる。エポキシ成分は少なくとも一の多官能性エポキシ樹脂を含むことができる。所望により異なった添加剤は望まれる特性に依存して製作品を生産するために使用される組成物または配合物に存在することができる。これらの添加剤は限定されないが可塑剤または溶剤、促進剤、充填材、ガラスまたはカーボン繊維のような繊維、顔料、顔料分散剤、流動性改良剤、チキソトロープ材、流動または均展助剤、脱泡剤、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0099】
製品は本発明に従ってこれらに限定されないが塗料、建築製品、床仕上製品、または複合材製品を含む。これらのアミン-エポキシ組成物を基剤とした塗料は無溶剤であることができ、特定の用途に必要とされるときに溶剤を含有することができる。例えば、50%超過、65%超過、75%超過、もしくは85%超過の固体含有量を有する塗料は本発明の範囲内である。塗料は異なった類型及び水準の顔料を塗装用途に用いるために含有することができる。
【0100】
多数の支持体は当該分野で通常の熟練を有するものによく知られているようにこの発明の塗料を適宜前処理で塗布するために適当である。そのような支持体はこれらに限定されないがコンクリートのようなセメント質素材及び鋼およびアルミニウムのような異なった類型の金属ならびに合金を含む。例えば、本発明の被膜についての低温硬化、室温で適用されるときに良表面外観、良柔軟性、良防蝕は、室温または低温条件で塗装および/または硬化されなければならず、船、橋、工業設備ならびに装備、及び床を含む大型金属対象物またはセメント質支持体の塗装または塗被に適当にする。この発明の塗料は約-10℃〜約50℃で変動する温度で、または選択的に約0℃〜約35℃で変動する温度で適用されて硬化されることができる。必要とされるときはこれらの塗料はまた高温で強制硬化されることもでき、大抵硬化材質の柔軟性を改良することができる。よって本発明のアミン-エポキシ組成物を塗被された対象物、格別には大抵周囲条件または周囲以下の条件のもとで塗装硬化され、船、橋、及び工業設備、ならびに装備を含む大型金属対象物は本発明により考慮され、包含される。
【0101】
塗料は本発明に従って典型的に適用型式および目標支持体に依存して50μmと5000μmの間の厚さを有する。例えば、金属、コンクリート、またはセメント質支持体にその支持体を機械的および/または化学的応力から保護する目的のために適用される塗料は約50μmと約500μmの間、もしくは約100μmと約300μmの間の厚さを有する。選択的に耐力特性をあとに続く実施例32〜実施例36で例証されるもののように支持体下に提供することを必要とされる塗料または配合物はおよそ1〜3ミリメートルの厚さを有する。
【0102】
塗料はいくつかの方法で接着剤と異なる。例えば、接着剤は二つの支持体または表面間に接着を定着し、それらの支持体または表面を一緒に接着して保持するように設計される。結果として一般的に接着剤の環境に対する直接暴露に限定されない。塗料は対照的に一つの支持体または表面に付着する。かくして付着支持体または表面(塗面)からそれて向く被膜の表面は空気、他のガス、水/湿度、化学物質等であることができる環境に暴露される。塗面はまた光沢度及び耐カルバメート化能力を特性とすることができる美的仕上を提供する。塗面の特性はまた機械的、化学的、または熱的暴露に耐える能力に作用し、それ自体はすぐ下の支持体または表面を保護する能力に直接影響を及ぼす。これらの特性を評価するために使用可能である分析試験はEIS抵抗データ、耐衝撃性、心棒曲げ、Persoz振子硬度、などを含む。例えば、本発明の塗料は一般に少なくとも約1 × 107Ωの24-時間EIS細孔抵抗値を有する。別の側面で本発明の塗料は少なくとも約1 × 108Ωの24-時間EIS抵抗値を有する。さらに別の側面で本発明の塗料は少なくとも約1 × 109Ωの24-時間EIS抵抗値を有する。
【0103】
別の側面で、例えば建築用途で本発明の塗料は約30〜約200 kg・cmの範囲で耐衝撃性(直接;別表 A)を有することを特性とすることができる。例えば、耐衝撃性は約40〜約100、もしくは約45〜約70 kg・cmの範囲にあることができる。
【0104】
塗料はまた周囲温度または周囲以下の温度で急速硬化する能力で接着剤と異なる。例えば、造船所で適用される塗料は造船所が大抵冷冬の気候で配置され、船及び船の一部が高温条件を容易にするために加熱されることができないので、5℃またはより低くても硬化することを必要とされることはある。低温における硬化はまた塗料が駐車区域および倉庫に周囲以下の温度で適用される建築床材用途にまたは急速後使用時間が公衆に区域の閉鎖を最小にすることを必要とされる建物で適切である。硬化または乾燥時間は薄塗膜硬化時間、加えてPersoz振子硬度のような測定値を用いて評価されることができる。一般に本発明の塗料は25℃で(相2および/または相3)約12時間未満、例えば約8時間未満、または約6時間未満の薄塗膜硬化時間を有する。さらにまたこの発明の塗料は薄塗膜硬化時間を約1時間〜約8時間、もしくは約1時間〜約6時間の範囲でこの発明の側面で有するとして特徴付けられることができる。例えば、本発明の塗料の薄塗膜硬化時間は25℃で約1〜約5時間の範囲にあることができる。
【0105】
同様に本発明の塗料は5℃で(相2および/または相3)約25時間未満、例えば約20時間未満の薄塗膜硬化時間を有することができる。大抵薄塗膜硬化時間は5℃で約2〜約18時間、もしくは約2〜約15時間の範囲にある。この発明のいくらかの側面で5℃の被膜の薄塗膜硬化時間は約2〜約12時間、もしくは約2〜約10時間の範囲にある。
【0106】
この発明の塗料は噴霧、ブラシ、ロール、塗料用手袋、等を含む任意の数の手法により塗布されることができる。この発明の大変高固体含有量または100%固体塗料を塗布するために複数成分噴霧塗布装置が使用されることができ、アミンならびにエポキシ成分は吹付け器に至る系統で、吹付け器自体でまたは吹付け器を出るときに二成分を混ぜ合わせることにより混合される。この手法を用いて限定が、アミン反応性と固体含有量が増加するときに典型的に減少する配合物の可使時間に関しては軽減されることができる。加熱される複数構成装置は成分の粘度を減少し、それによって塗布容易性を改良するために採用されることができる。
【0107】
土木工学的最終使用は建築及び床仕上用途を含み、本発明のアミン-エポキシ組成物をコンクリートのようなセメント質資材、または建設工業で通例使用される他の資材と組み合わせて含む配合物を含む。本発明の組成物はエポキシを基材とした床の建設、大抵すぐれた機械的性質(例えば、改良された引張強さまたは改良された圧縮強さ)またはセメント質もしくはほかの同様の類型の床仕上材から通常達成されるすぐれた伸びを必要とする用途で使用可能である。亀裂注入及び亀裂充填製品はまたここで開示される組成物から、加えて高分子改質セメント、タイルグラウト、モルタル、等も調製されることができる。床下塗剤のようなアミン-エポキシ組成物を用いるコンクリート及びセメント質資材向け製品および何十ミクロンから数ミリメートル厚さまでの厚さで変化する塗料はまたここで考慮される。
【0108】
ここで開示されるアミン-エポキシ組成物を含む製品または物品の非限定例はテニスラケット、スキー、自転車フレーム、飛行機翼、ガラス繊維強化複合材、および他の成形物を含む。
【実施例】
【0109】
本発明はさらに以下の実施例で例証され、どのようにも限定をこの発明の範囲に課するとは解釈されない。異なったほかの側面、実施形態、改良、およびそれらの均等物はここで記述を読んだ後に当該分野で通常の熟練を有するものに本発明の精神または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく示す。
【0110】
アミン-エポキシ組成物の被膜は次のとおり調製され、試験された。本発明に従ってアミン組成物を含む硬化促進剤混合物または組成物はあとに続く表に与えられる成分を接触し、混合することで調製された。各々の硬化促進剤、または各個硬化促進剤は次に表に示される使用レベルで多官能性エポキシ樹脂と100重量樹脂当たりの部分(PHR)で混合された。これらの実施例で使用されるエポキシ樹脂はほかに指定されない限り182〜192の範囲のEEWを有するビスフェノール-Aのジグリシジルエーテル(DGEBA)、品種D.E.R.(登録商標)であった。このエポキシ樹脂はダウ・ケミカル(Dow Chemical Company)から商業的に入手可能である。
【0111】
被膜特性は表1に記載された標準試験方法に従って測定された。透明被膜は標準ガラス板に適用され、Beck-Koller乾燥時間記録計を使用する乾燥時間試験向け及びPersoz振子硬度方法による硬度発現向けの試料を製造する。鏡面光沢向け透明被膜は未塗布、艶消紙線図(AG5350, Byk)に適用された。塗料はBird塗布器を使用して75ミクロン WFT(未乾燥塗膜厚さ)で塗布され、60〜70μmの乾燥塗膜厚さを結果として生じた。塗膜は5℃及び60% RH(相対湿度)または25℃及び60% RHでWeiss耐候室(型式WEKK0057)を使用して硬化された。ショアーA及びショアーDデータはほぼ23℃及び60%RHで硬化される2 mm厚エポキシ被膜上に装置を配置した後3秒で記録された。Persoz硬度およびショアーAならびにショアーDデータは表に示される時間で測定された。
【0112】
耐衝撃性及び心棒曲げ試験向け透明被膜は個々に冷間圧延鋼試験板、接地一方側(概略寸法76mm × 152mm × 0.8mm厚さ)と冷間圧延鋼、平滑仕上(概略寸法76mm × 152mm × 0.5mm厚)に公称75 WFT線棒を用いて適用された。金属試験板はQ パネルラボ製品から得られた。塗膜は次の計画:(A)14日周囲温度、周囲温度はほぼ23℃である;または(B)14日周囲温度、80℃で2時間が続く、によって硬化された。乾燥塗膜厚さは硬化計画Aに次いで約60〜80μmであり、計画Bに次いで約50〜55μmであった。
【0113】
混合物粘度はVisotherm VT10水浴及びMC20温度制御ユニットを装備されたRheolab MC20機器(フィジカ(Physica))を使用して決定された。装備はTEK 150円錐-プレートを整定され、計算機に接続された。機器が25℃で平衡にされた後に円錐(MK22)とプレートの間隙はほぼ50μmに設定された。試料は測定前に25℃で24時間平衡にされた。示唆されるように混合後に間隙から流れる過剰生成物は除去され、混合生成物の回転粘度は30秒後の200逆数二次剪断速度で記録された。
【0114】
電気化学インピーダンス分光学(EIS)測定法向け透明被膜は冷間圧延鋼試験板、接地一方側(概略寸法76mm × 152mm × 0.8mm厚さ)に適用された。被膜は75ミクロンWFT線棒を使用して適用され、結果として23℃及び60% RHの7日硬化に次いで60〜70μmになった。EISはFAS1電位差安定装置をCMS100電気化学測定システム(ガムリ・インストゥルメンツ(Gamry Instruments, Inc.))と使用して実施された。電解液(3 wt%NaCl溶液)にさらされる塗面はプラスチック支え棒を加えることで1 cm2円に減少された。黒鉛棒材電極を用いて被膜抵抗ならびにキャパシタンスデータは飽和カロメル電極(SCE)に対して100秒の間に10 mV AC励起電圧を加えることにより集められた。フーリエ変換の後で抵抗は周波数の関数としてプロットされ、インピーダンスデータは分析され、細孔抵抗データになるように適合された。水取り込み(wt%でV)は1時間(Rc(1h))〜24時間(Rc(24h))暴露の間のキャパシタンス変化から式、V=100*[log{Rc(1h)/Rc(24h)}/log80]を用いて計算された。
【0115】
ゲル化時間またはゲル時間はエポキシ樹脂とアミン基材硬化促進剤を混合した後に配列ガラスプランジャー(直径13mm)を装備され、1分につき1周期作動するTechne GT3ゲル化測時計を使用して決定される規定点の粘度に到達する時間として記録された。試料は使用前に24時間室温で平衡にされた。ゲル化時間は100-mlガラス広口瓶に装入され、周囲温度条件で(ほぼ23℃)反応する100gアミン-エポキシ混合物について記録された。エポキシ樹脂とアミン基材硬化促進剤の均質混合物の流れ特性は30gの混合物を水平基材上に注ぐことで決定された。混合物は硬化した後に流れ径がミリメートルで記録された。
【0116】
【表1】

【0117】
比較実施例1〜2
一段階製法を用いるDM-MXDAを含有するアミンの混合物の合成
実施例1で50gのテトラヒドロフラン(THF)、20gのジシアノベンゼン、及び0.2gの5%Pd/C触媒は攪拌器及び水素安定器槽を装備された250-mlステンレス鋼回分式圧力反応器に配置された。Pd/C触媒はジョンソン-マシー(Johnson-Mathey Corporation)から商業的に入手可能である。反応器は窒素.でパージされ、密封された。反応含有物を攪拌する間に36gのメチルアミン(MMA)は反応器に加えられた。反応体は次に水素で800 psi(5.5 MPa)に加圧され、120℃に加熱された。反応体は室温に冷却されて減圧され、生成物は触媒を除去するために濾過された。実施例1の反応生成物はアミン、主としてMXDAと少量のMM-MXDA及びDM-MXDAの混合物を含有した。
【0118】
実施例2は0.2gの5%Ru/Al2O3触媒が使用されたことのほかは実施例1と同じ反応物質を用いた。この触媒はビーエーエスエフ(BASF)から商業的に入手可能である。攪拌する間に反応は1000分間375 psi(2.6 MPa)で125℃の温度において進行することを許容された。触媒を除去する濾過後に実施例2の反応生成物はアミンの混合物を含有した。表2は実施例2が44.9%MXDA及び54.9%重質を生じ、しかしDM-MXDAまたはMM-MXDAを生じなかったことを説明する。実施例1〜実施例2はDM-MXDAを合成するために有効な製法ではない。
【0119】
実施例3〜実施例4
二段階法を用いるDM-MXDAを含有するアミンの混合物の合成
表2〜表3は実施例3及び実施例4で使用される反応条件及び物質、加えて中間体ならびに最終反応生成物の分析も要約する。実施例3で50gのTHF、20gの1,3 ジシアノベンゼン、及び0.2gの5%Pd/C触媒は攪拌器及び水素安定器槽を装備された250-mlステンレス鋼回分式圧力反応器に配置された。反応器は窒素でパージされ、密封された。反応器含有物を攪拌する間に34gのメチルアミン(MMA)は反応器に加えられた。反応体は次に水素で375 psi(2.6 MPa)に加圧され、125℃に加熱された。これらの反応条件は1000分間維持され、次に反応体は室温に冷却され、減圧された。
【0120】
表2に示されるように結果の中間体生成物(第一段階生成物)はイミン含有量が高かった。製法の第二段階で中間体生成物は125℃及び800 psi(5.5 MPa)で150分間、製法の第一段階で用いられた同じ触媒を使用して水素化された。表2は実施例3の最終アミン反応生成物はほぼ45%MM-MXDAと35%DM-MXDAを含有したことを証明する。
【0121】
実施例4は実施例3のものと大体は同じ手順を用いた。5%ランネイニッケル触媒はダブリュ・アール・グレース(WR Grace)から商業的に入手可能であり、実施例4で使用された。最終アミン混合物は約15%DM-MXDAを含有した。さらなる詳細は表2〜表3に提供される。
【0122】
実施例1〜実施例2と比較すれば実施例3〜実施例4はDM-MXDAまたはMM-MXDAが望ましい生成物であるとすれば二段階製法を実施する意義を説明した。実施例3〜実施例4は実施例2のアミン生成物で求められるものと比較すればMXDAの収率の有意な減少の証明となった。
【0123】
実施例5〜実施例6
二段階法を用いるDM-MXDAを含有するアミンの混合物の合成
表2〜表3は実施例5及び実施例6で使用される反応条件及び物質、加えて中間体ならびに最終反応生成物の分析も要約する。実施例5は実施例3のものと大体同じ手順を用いた。5%Rh/Al2O3触媒はビーエーエスエフ(BASF)から商業的に入手可能であり、実施例5で使用された。第一段階の最後に中間体反応生成物の組成物は各々のジイミンを73%含有した。Rh/Al2O3触媒は濾過により除去され、5%Pd/C触媒は水素化工程に使用された。結果として生じるアミンの混合物は大変高収率のDM-MXDA(73%)を約15%MM-MXDAと共に有した。さらなる詳細は表2〜表3に提供される。
【0124】
実施例6は実施例5のものと大体同じ手順を用いた。製法の第二段階でランネイニッケル触媒は水素化触媒として用いられた。最終アミン反応生成物は61%DM-MXDAと26%MM-MXDAを含有した。さらなる詳細は表2〜表3に提供される。
【0125】
実施例3〜実施例4と比べて実施例5〜実施例6はもっと高水準の各々のジアミンを製法の第一段階の中間体反応生成物で生成した。さらにまた実施例5〜実施例6の最終アミン生成物は低量のMM-MXDAと共に大量のDM-MXDAを含有した。理論により束縛されることを予定しないところがジイミン量または第一段階で生成したMMAと1,3-ジシアノベンゼンの付加物の量を増加することは第二段階で生成されるDM-MXDAの収率を増加するものである。
【0126】
実施例7〜実施例8
二段階法を用いるDM-MXDAを含有する混合物の合成
表2〜表3は実施例7及び実施例8で使用される反応条件及び物質、加えて最終反応生成物の分析も要約する。実施例7は触媒として10%Pd/Cを用いる一ポット製法を例解する。10%Pd/C触媒はジョンソン-マシー(Johnson-Mathey Corporation)から商業的に入手可能である。実施例7は二段階で実施され、アミノメチル化と水素化は回分反応として現場で行なわれた。
【0127】
第一段階で200gの1,3-ジシアノベンゼン、3gの10%Pd/C触媒、及び200gのTHFは1000-cc Parr圧力反応器に配置された。反応器は密封され、圧力は空気を除去するために3回窒素で、次に窒素を除去するために3回水素で循環された。反応器含有物を300 rpmで攪拌する間に185gの無水MMAは1水素圧力雰囲気下に密封反応器に加えられた。一度添加が完了したら反応器含有物は80℃に加熱され、1000 rpmで攪拌する間に約325 psiの水素圧力で維持された。これらの条件は水素取込み速度が1-L安定器槽から1 psi/min(0.0069 MPa/min)以下に下がるまで維持された。反応体は次に50〜60℃範囲に冷却され、過剰MMA及びアンモニアはゆっくり中間体反応生成物から吐き出された。
【0128】
製法の第二段階で温度は約130℃に増加され、水素圧力は約950 psiに増加された。これらの条件は水素取込み速度が約0.5 psi/min以下に下がるまで維持された。反応体は次にこれらの条件で追加の1時間保持された。全水素化反応時間はほぼ300分であった。反応器含有物は次に室温に冷却され、触媒を除去するために濾過され、溶剤および任意軽質成分を除去するために回転蒸発された。実施例7の最終アミン生成物の組成は表3に報告される。
【0129】
実施例8は実施例7のものと大体同じ手法を用いた。実施例8は6gの5%Pd/C触媒を使用した。さらなる詳細は表2〜表3に提供される。
【0130】
表3に示されるように実施例7〜実施例8の製法はアミンの最終混合物において70%を超過するDM-MXDAの収率に結果としてなり、ところが一方でMXDAまたはイミン誘導体のような大変低量の副生物を生成する。実施例7〜実施例8の両方は第一段階の最後に反応体を排出して未反応MMAおよびアンモニアの除去を許容する工程を採用した。さらにまた実施例7〜実施例8は反応の両方の段階で同じ触媒を使用し、かくして反応の第一段階後に分離濾過工程の必要を排除する。
【0131】
【表2】

【0132】
【表3】

【0133】
実施例9
二段階法を用いるDM-MXDAを含有するアミンの混合物の合成
200gのTHF、200gの1,3 ジシアノベンゼン、及び3gの10%Pd/C触媒は攪拌器及び1-L水素安定器槽を装備された1-Lステンレス鋼回分式圧力反応器に配置された。反応器は窒素でパージされ、密封された。反応器含有物を攪拌する間に200gのメチルアミンは反応器に加えられた。反応体は次に水素で350 psi(2.4 MPa)に加圧され、80℃に加熱された。これらの条件は安定器槽からの水素取込み速度が0.5 psi/min以下に下がるまで維持された。反応体は排出されてアンモニアおよび任意の未反応MMAを除去する。
【0134】
次いで水素反応器圧力は850 psiに増加され、温度は125〜130℃範囲に増加された。これらの条件は安定器槽からの水素取込み速度が0.5 psi/min以下に下がるまで維持された。反応体は次に室温に冷却され、減圧され、生成物は触媒を除去するために濾過された。反応生成物は真空下に蒸留され、ガスクロマトグラフィーで面積百分率によって測定されるように87.8%DM-MXDAと11.7%MM-MXDAを含有するアミン混合物を生じた。あとに続く表で実施例9のこのアミン組成物はEX-9として指定される。
【0135】
比較実施例10〜18
比較エポキシ硬化促進剤組成物から製造される被膜
比較実施例10〜18の配合物ならびに結果として生ずる性質は表4〜表5に要約される。実施例10は粘度が高いポリアミド付加物硬化剤を使用し、それ故に適用粘度で低固体を有した。実施例10の被膜は遅い乾燥速度及び低い硬度発現を常温で、特に5℃で示した。実施例10の被膜は良耐衝撃性があった。
【0136】
実施例11はまた粘度が高い脂肪族アミン硬化剤を使用し、それ故に適用粘度で低固体を有した。実施例11の被膜は中耐衝撃性を示し、しかし速硬速度及び高光沢を周囲条件および5℃で説明した。
【0137】
実施例12は正味粘度が高いフェナルカミンマンニッヒ塩基を使用し、それ故に適用粘度で低固体を有した。この被膜は遅い乾燥速度及び不良硬度発現を5℃で説明した。さらに実施例12の被膜は中衝撃ならびに心棒曲げ柔軟性を示した。
【0138】
実施例13はMPCAのような多官能性アミンを本発明のDM-DMDAなく用いる被膜性質を例解する。塗被組成物は高混合物粘度を有し、被膜は周囲条件でも5℃でも遅硬し、被膜は不良耐衝撃性があった。実施例13の被膜は高光沢を周囲温度でも5℃でも示した。
【0139】
実施例14はメチルアミンを末端基とするポリ-(N-メチルアザシクロヘキサン)を硬化剤として使用した。この物質は米国特許出願第11/584388号明細書に記述される手順に従って生成されることができ、その開示はここで引用により完全に組み込まれる。実施例14で使用される硬化剤は米国特許出願第11/584388号明細書からのDSD-1であり、約121の推定アミン水素当量(AHEW)とほぼ184の数平均分子量(Mn)を有する。実施例14の被膜は速乾速度を周囲温度においておよびすぐれた耐衝撃性を示した。5℃で被膜は中乾速度を示し、粘着性であった。
【0140】
実施例15はメチルアミンを末端基とするポリ-(N-メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体を硬化剤として使用した。この物質は米国特許出願第12/100096号明細書に記述される手順に従って生成されることができ、その開示はここで引用により完全に組み込まれる。実施例15で使用される硬化剤は米国特許出願第12/100096号明細書からのMBC-9であり、59 mPa・sの粘度を25℃においておよび850 mg KOH/gのアミン値を有する。実施例15の被膜は周囲温度で及び5℃で急速硬化し、結果としてすぐれた柔軟性を有する高光沢被膜になる。
【0141】
実施例16はメチルアミンを末端基とするポリ-(N-メチルアゼチジン)を硬化剤として使用した。この物質は米国特許出願第11/584388号明細書に記述される手順に従って生成されることができる。実施例16で使用される硬化剤は米国特許出願第11/584388号明細書からのDSD-4であり、約117の推定AHEW、877 mg KOH/gのアミン値、及びほぼ239のMnを有する。実施例12と比べて実施例16の塗料配合は低混合物粘度の証明となり、改良柔軟性ならびに速硬速度を有する被膜に結果としてなった。
【0142】
実施例17はメチルアミンを末端基とするポリ-(N-メチルアゼチジン)のマンニッヒ塩基誘導体を硬化剤として使用した。この物質は米国特許出願第12/100096号明細書に記述される手順に従って生成されることができる。実施例17で使用される硬化剤は米国特許出願第12/100096号明細書からのMBC-9であり、59 mPa・sの粘度を25℃においておよび850 mg KOH/gのアミン値を有する。実施例12と比べて実施例17の塗料配合は低混合物粘度の証明となり、改良耐衝撃性ならびに速硬速度を有する被膜に結果としてなった。
【0143】
実施例18はN,N'-ジメチル-1,6-ヘキサメチレンジアミン(DM-HMDA)をMPCAに加えて硬化剤として使用した。この塗料配合は低粘度を有し、各々の被膜は速乾速度及び高耐衝撃性を示した。
【0144】
実施例10〜実施例12に基づく被膜はその中〜高防蝕性のために金属保護用途でよく使用される。これらの遮断性はEIS測定で決定される高細孔抵抗と低水取込みデータの両方により説明される。表4に示されるように実施例13の被膜はまた高細孔抵抗と低水取込みを提供する。高細孔抵抗と低水取込みの組合せ特性は良防蝕を得るためおよび被膜が金属支持体に適用されるときに腐蝕による早期被膜破壊を防ぐために好ましい。実施例10〜実施例13の被膜は実施例14〜実施例18の被膜のものより上である防蝕性能を提供する。
【0145】
【表4】

【0146】
【表5】

【0147】
【表6】

【0148】
実施例19〜実施例30
アミン-エポキシ組成物から製造される塗料
実施例19〜実施例30の配合物および結果として生ずる性質は表6〜表7に示される。実施例19〜実施例22及び実施例24〜実施例28は本発明の側面に従ってDM-MXDAを利用する例示的な配合物および被膜から得られる性質を例解する。これらの実施例はほぼ87.8%DM-MXDAと11.7%MM-MXDAを含有する実施例9の混合物(EX-9)を利用した。実施例23は多官能性アミン、MXDAを本発明のどのDM-MXDAもなく用いることにより達せられる被膜性質を例解する。実施例29〜実施例30は表6でTMD-1に略記されるシクロヘキシル-TMDアミン組成物を用いて得られる被膜性質を例解し、TMDが2,2,4(2,4,4)-トリメチル-ヘキサメチレン-1,6-ジアミンの略記である。このTMD-1アミン混合物は重量で74%N-シクロヘキシル-TMD、22%N,N'-ジシクロヘキシル-TMD、及び4%TMDを含有した。
【0149】
TMD-1アミン混合物は1.1モルのシクロヘキサノンを水素及び1.5 wt%(乾燥基準)Pd/C(Aldrich, Degussa類型E101 N/OW)の存在において1モルのTMDと反応することで調製された。1-L Parr圧力反応器は355.4gのTMD、5.35gのPd/C(乾燥重量)、及び243.9gの試薬等級シクロヘキサノンを装入された。反応器は密封され、圧力は空気を除去するために窒素で各3回、次に窒素を除去するために水素で循環された。反応器は次に80℃に加熱され、750〜1000 rpmで攪拌しながら水素で120 psigに加圧された。温度は80℃でほぼ50分間保持され、次に温度は120℃に増加され、水素圧力は800 psigに増加された。これらの条件は180分間維持された。次に反応温度は130℃にほぼ1時間増加されて反応を完了した。反応器含有物は40℃に冷却され、次いで除去された。回転蒸発後に結果として生ずるTMD-1組成物は74wt%N-シクロヘキシル-TMD、22wt%N,N'-ジシクロヘキシル-TMD、及び4wt%TMDであった。
【0150】
実施例19〜実施例20はDM-MXDAおよび可塑剤または溶剤、すなわちベンジルアルコールを含有する組成物を使用した。実施例19及び実施例20のアミン-エポキシ組成物は約1:1及び約4:1の実施例9について計算されたエポキシ樹脂のエポキシ当量とアミン当量の理論比を個々に有した。実施例19はすぐれた光沢ならびに良好早期硬度発現を周囲条件でならびに5℃で有する被膜を生成した。さらにまた実施例19の被膜は実施例19の薄塗膜硬化時間を実施例10、実施例12、及び実施例13の周囲温度ならびに5℃においてのものと比較することによりわかるように比較的速く乾燥した。実施例20の被膜はDM-MXDAがエポキシ樹脂を大変低量の活性水素でも硬化するために有効な硬化剤であることを説明した。換言すれば実施例20はエポキシの100当量につき23アミン水素当量だけ使用し、さらにまだ高光沢ならびに良初期硬度を周囲温度硬化において有する被膜を生成した。5℃で硬化速度は減少された、しかし硬質被膜は時間を通して得られた。
【0151】
実施例21〜22及び実施例24〜25は実施例9(ほぼ88%DM-MXDA)、少なくとも一の多官能性アミン、及び可塑剤または溶剤を含有する組成物を利用した。実施例21〜実施例22はMPCAを少なくとも一の多官能性アミンとして使用し、実施例24はMXDAを使用し、実施例25はIPDAを使用した。実施例26はDM-MXDA及び少なくとも一の多官能性アミン、CX-105を用いた、しかし可塑剤または溶剤を含有しない。
【0152】
実施例21〜実施例22の塗被組成物は低混合物粘度を有し、従って、例えば実施例10〜実施例12及び実施例14と比べてハイソリッドの使用を可能にした。実施例10〜実施例13と比較すれば実施例21〜実施例22の被膜は周囲温度及び5℃の両方で改良された硬化速度ならびに硬度、及びマンドレル曲げ試験、計画Bに示されるような上等の柔軟性を与えた。実施例21〜実施例22は特に計画Bに続いて低混合物粘度、速乾速度、高初期硬度及びすぐれた耐衝撃性の組合せ、実施例14〜実施例18において実施例10〜実施例13ではなく見られることができるものを提供した。
【0153】
実施例21〜22に比較すれば実施例24〜25は同様の混合物粘度を説明した。実施例24の被膜は中光沢及び柔軟性を提供した、しかしカルバメート化を受けやすかった。カルバメート化は実施例23により例解されるように多官能性アミンとしてMXDAの使用に関係付けられるようである。
【0154】
驚くほど実施例22及び実施例26の被膜は実施例10〜13のものと比較できる高細孔抵抗及び低水吸収を証明した。それ自体は実施例22及び実施例26の被膜は高遮断性を説明し、金属支持体の被膜のような金属保護用途で重要な特徴である。DM-MXDAを含有する実施例22及び実施例26の被膜の遮断性(細孔抵抗、水取込み)は実施例14〜実施例18の遮断性よりかなり良かった。
【0155】
実施例27〜実施例28の被膜はまた高細孔抵抗及び低水吸収を証明し、25℃で減少光沢(艶消)外観を除いて実施例29〜実施例30のものと同様特性を示した。実施例29〜実施例30はTMD-1を用い、例えば実施例21〜実施例22と比べて25℃において遅い乾燥速度及び遅い硬度発現を示した。同様に5℃において実施例29〜実施例30は長硬化時間を有し、各々の被膜の粘着性のためにPersoz硬度は測定されることができなかった。
【0156】
【表7】

【0157】
【表8】

【0158】
【表9】

【0159】
【表10】

【0160】
実施例31
エポキシ床材組成物の調製
エポキシ樹脂、顔料、充填材、および他の添加剤を含有する床仕上組成物は1-L容器で6-cm直径溶解翼(ブイエムエー−ゲツマン(VMA-Getzmann GmbH))を装備された実験室溶解機(Dispermat(登録商標)CV、ブイエムエー−ゲツマン(VMA-Getzmann GmbH))を使用して調製された。次の物質は1-L容器に配置され、ほぼ1500 rpmで混合物が均質になるまで混合された:336gのビスフェノール-A/Fエポキシ樹脂(D.E.R. 352,EEW 172〜181、ダウ・ケミカル(Dow Chemical Company));69gのC12〜C14アルコールのグリシジルエーテル(Epodil(登録商標)748,EEW 275〜300、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals, Inc.));15gのByk(登録商標)057(ビーワイケー・ケミー(Byk Chemie)、脱泡助剤);及び10g Dynol(登録商標)604(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals, Inc.)、均展助剤)。次に100gの二酸化チタン(Kronos(登録商標)2160、クロノス(Kronos))と470gの硫酸バリウム(Barutmehl F、ザハトレーベン・ケミー(Sachtleben Chemie GmbH))が加えられ、低速で混合物が均質になるまで混合された。速度は次いで4000 rpmに15分間増加されて粗顔料及び充填材粒子を均質化し、その時点で温度は50℃に増加した。混合物の最大粒度は粉砕ゲージの細度(プレシジョン・ゲージ・ツール(Precision Gage Tool Co.)、形式 5250)を用いて20 μm未満であると測定された。続いて混合物は周囲温度に冷却された。実施例31のような配合物はアミン硬化剤、および所望により砂と混合されれば当該分野で熟練したものによく知られ、大抵自己地均し材、自己均展床材系、または他の類似術語と称される。
【0161】
実施例32〜実施例36
アミン-エポキシ床材組成物
実施例32〜実施例35は実施例31の例示的床材配合物、砂(0.2〜0.4 mmの粒度)、及び、DM-MXDA、少なくとも一の多官能性アミン、ならびに可塑剤または溶剤を含有するアミン組成物を混合することから得られる特性を例証する。実施例36はA1618、脂環式アミン付加物を含有した、しかしDM-MXDAを含有しないアミン組成物を用いた。
【0162】
ほぼ100部の砂、100部の実施例31の配合物、及び18〜24部の各々のアミン硬化促進剤組成物は混合された。表8は使用された組成物ならびにアミン-エポキシ床材配合物の特性を要約する。表8に示されるように各実施例32〜実施例35は実施例36のものに比較できる流動性及びショアーAならびにB硬度発現(2 mmの塗り厚で)があった。実施例32〜実施例35の中で実施例33は最長ゲル時間を有し、より長い硬化前使用時間を示した。
【0163】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I):
【化1】

を有するアミンを製造する方法であって、該方法は、
(a) 化学式(II):
【化2】

を有する化合物をメチルアミンまたはエチルアミンと水素及び触媒の存在において約100〜約500 psiの水素圧力で接触し、少なくとも一の中間体生成物を形成し、及び
(b)該少なくとも一の中間体生成物を水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で水素と接触して化学式(I)を有するアミンを形成すること、
(ただし、
RAはメチルまたはエチルであり、
RBはメチル、エチル、もしくは水素であり、
RCは各出現で独立に線状または枝分れC1〜C18アルキル、線状または枝分れC1〜C18アルケニル、線状または枝分れC1〜C18アルコキシ、および線状または枝分れC1〜C18アルコキシアルキルから選択され、そして
xは0、1、2、3、または4である。)
を含む、方法。
【請求項2】
xは零に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
N,N'-ジメチル-メタキシリレンジアミン(DM-MXDA)を含むアミンの混合物を製造する方法であって、該方法は、
(a)1,3-ジシアノベンゼンをモノメチルアミンと水素及び触媒の存在において約100〜約500 psiの水素圧力で接触し、少なくとも一の中間体生成物を形成し、
(b)該少なくとも一の中間体生成物を水素と水素化触媒の存在において約400〜約1500 psiの水素圧力で接触してDM-MXDAを含むアミンの混合物を形成することを含む、方法。
【請求項4】
DM-MXDAはアミンの混合物に少なくとも約60 wt%収率で存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
DM-MXDAはアミンの混合物に少なくとも約70 wt%収率で存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
DM-MXDAはアミンの混合物に少なくとも約80 wt%収率で存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
アミンの混合物はさらにメタキシリレンジアミン(MXDA)を含み、MXDAがアミンの該混合物に約10 wt%未満の収率で存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
該少なくとも一の中間体生成物はアンモニア及び未反応モノメチルアミンを含み、該少なくとも一の中間体生成物において該アンモニア及び未反応モノメチルアミンの少なくとも50 wt%は工程(b)より前に除去される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)において該触媒はパラジウム、白金、ロジウム、ラネーニッケル、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
工程(a)は約70〜約160℃の温度で約200〜約450 psiの水素圧力で実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
工程(b)において該水素化触媒はパラジウム、白金、ラネーニッケル、ラネーコバルト、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
工程(b)は約80〜約160℃の温度で約750〜約1000 psiの水素圧力で実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)における該触媒と工程(b)における該水素化触媒は同じである、請求項3に記載の方法。

【公開番号】特開2010−65031(P2010−65031A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−192869(P2009−192869)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】