説明

低煙性難燃性ポリウレタンフォーム製剤

本発明は、低煙性難燃性ポリウレタンフォーム製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低煙性難燃性ポリウレタンフォーム製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、今日数多くの応用分野で利用されている。広範囲で利用されているため、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームに難燃性を与えることに関しては、多くの研究が行われてきた。このため、このような難燃性を与えるためにハロゲン化難燃剤およびリン難燃剤が使用されてきた。しかし、難燃性はポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの望ましい特徴の1つにすぎない。ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームが燃焼すると、燃焼中に発煙するので、さらにこの発煙を抑制することが望まれる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームに関し、a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;b)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、実施形態によってはテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールと;c)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物と;選択的に、d)少なくとも1つの分散剤/湿潤剤と、e)少なくとも1つの揺変性添加剤と;f)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェート、実施形態によっては塩素化リン酸エステル、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルの少なくとも1つとを有する。実施形態によっては、前記難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームがd)およびe)を有し、成分f)は任意選択である。実施形態によっては、前記難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームがd)、e)、およびf)を有する。
【0004】
別の実施形態では、本発明は、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームでの使用に適した難燃性添加剤に関し:a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;b)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、実施形態によってはテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールと;c)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物と;選択的に、d)少なくとも1つの分散剤/湿潤剤と、e)少なくとも1つの揺変性添加剤と;f)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェート、実施形態によっては塩素化リン酸エステル、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルの少なくとも1つとを有する。実施形態によっては、前記難燃性添加剤がd)およびe)を有し、成分f)は任意選択である。実施形態によっては、前記難燃性添加剤がd)、e)、およびf)を有する。
【0005】
また、本発明はポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤に関し、a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つ、実施形態によって
は1つのみのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;b)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、実施形態によってはテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールと;c)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物と;選択的にd)、e)、およびf)の少なくとも1つであり、d)は少なくとも1つの分散剤/湿潤剤、e)は少なくとも1つの揺変性添加剤、およびf)は少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェート、実施形態によっては塩素化リン酸エステル、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルと;g)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソシアネート、ポリオール、またはその組み合わせと;h)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの発泡剤とを有する。本発明での使用に適した発泡剤は当業者が容易に選択することができ、通常は、水、揮発性炭化水素、ハロカーボン、またはハロゲン化炭化水素、または前記物質2種類若しくはそれ以上の混合物から選択される。実施形態によっては、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤がd)およびe)を有し、成分f)は任意選択である。実施形態によっては、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤がd)、e)、およびf)を有する。
【0006】
また、本発明はポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤に関し、a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;b)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、実施形態によってはテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールと;c)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物と;選択的にd)、e)、およびf)の少なくとも1つであり、d)は少なくとも1つの分散剤/湿潤剤、e)は少なくとも1つの揺変性添加剤、およびf)は少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェート、実施形態によっては塩素化リン酸エステル、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルと;g)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソシアネート、ポリオール、またはその組み合わせと;h)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの発泡剤とに由来する。実施形態によってはd)およびe)が使用され、成分f)は任意選択である。実施形態によっては、d)、e)、およびf)が使用される。
【0007】
また、本発明は難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを形成する工程に関し、少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの触媒存在下、a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;b)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、実施形態によってはテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールと;c)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物と;d)少なくとも1つの分散剤/湿潤剤と、e)少なくとも1つの揺変性添加剤と;選択的にd)、e)、およびf)の少なくとも1つであり、ここで、d)は少なくとも1つの分散剤/湿潤剤、e)は少なくとも1つの揺変性添加剤;およびf)は少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェート、実施形態によっては塩素化リン酸エステル、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルと;g)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソシアネートまたはポリオールと;h)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの発泡剤とを有する。実施形態によってはd)およびe)が使用され、成分f)は任意選択である。実施形態によっては、d)、e)、およびf)が使用される。
【発明の詳細な説明】
【0008】
上述の通り、本発明はポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤、および硬質および軟質難燃性ポリウレタンフォーム製剤を形成する工程に関する。これに関する発明者は、a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;b)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、実施形態によってはテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールと;c)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物と;選択的に、d)少なくとも1つの分散剤/湿潤剤、e)少なくとも1つの揺変性添加剤;f)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェート、実施形態によっては塩素化リン酸エステル、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルの少なくとも1つの組み合わせとが、低煙性(煙を良好に低減する性質)を有する難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを提供し、良好な難燃性を提供できることを発見した。前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート、そのフォーム、前記ポリマーを調製する方法は当該分野で周知であり、次のような文献に報告されている。例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Technology, vol.11,pgs.506−563(1969 Wiley & Sons)およびvol.15,pp.445−479(1971 Wiley & Sons)、米国特許第3,974,109号、第,4,209,609号、第4,405,725号、第4,468,481号、第4,468,482号、第5,102,923号、第5,164,417号、第7,045,564号、および第7,153,901号明細書、および米国特許出願第11/569,210号を参照されたい。その全てが本明細書内に引用され組み込まれている。
【0009】
前述の通り、本発明の難燃性添加剤は、a)i)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスホネート、実施形態によってはジエチルエチルホスホネートと;ii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのイソプロピルフェニルジフェニルホスホネートと;iii)少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのトリエチルホスホネートと;iv)i)−iv)の組み合わせを含む。実施形態によっては、前記難燃性添加剤はi)−iii)のいずれかのみを含み、他の実施形態では、前記難燃剤はi)およびii);i)およびiii);i)、ii)、およびiii);またはii)およびiii)の組み合わせである。実施形態によっては、a)がi)、またはi)との組み合わせの場合、i)はジエチルエチルホスホネートである。本明細書では時に成分a)と呼び、任意選択の成分f)が前記難燃性添加剤に存在する場合、前記難燃性添加剤に典型的に存在するa)の量は、約2〜約9wt.%の範囲、好ましくは3〜約7wt.%の範囲、より好ましくは約4〜約5wt.%の範囲であり、すべて前記難燃性添加剤の総量に基づいている。任意選択の成分f)が存在しない場合、成分a)の量は約0〜約75%の範囲で前述の範囲を超え、すなわち前記典型的範囲の下限は約2〜約4.5の範囲、前記典型的範囲の上限は約9〜約16の範囲となる。本明細書での使用に適したホスホネートは、硬質または軟質ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームに難燃性を与える効果が、当該分野ですでに知られているホスホネートから選択することができる。適切なホスホネートの限定されない例には、ジエチルホスホネート、ジメチルメチルホスホネート、ジメチルプロピルホスホネートなどが含まれる。本明細書での使用に適したジエチルエチルホスホネートの限定されない例は、当該分野で既知のいかなるホスホネートであってもよい。好適な実施形態では、前記ジエチルエチルホスホネートは、Antiblaze(R)、好ましくはAntiblaze(R) V490の各名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものである。本発明での使用に適したイソプロピルフェニルジフェニルホスホネートは、当該分野で既知のいかなるホスホネートであっても
よい。好適な実施形態では、前記イソプロピルフェニルジフェニルホスホネートは、Antiblaze(R)、好ましくはAntiblaze(R) 500シリーズ、いくつかの実施形態では、Antiblaze(R) 519の各名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものである。
【0010】
前記難燃性添加剤の成分b)は、少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの臭素含有難燃剤、いくつかの実施形態では、テトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールである。本発明での使用に適した臭素含有難燃剤の限定されない例は、当該分野で既知のいかなる難燃剤であってもよく、例えば、Ixol(R)、トリブロモネオペンチルアルコール(「TBNPA」)、Saytex(R)の各名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものなどである。本明細書での使用に適したテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールは、当該分野で既知のいかなるジエステル/エーテルジオールであってもよい。好適な実施形態では、前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSatyex(R)、好ましくはSaytex(R) RB79、より好ましくはSaytex(R) RB7970の各名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものである。前記難燃性添加剤に典型的に存在する成分b)の量は、約16〜約28wt.%の範囲、好ましくは約18〜約26wt.%の範囲、より好ましくは約20〜約24wt.%の範囲であり、すべて前記難燃性添加剤の総量に基づいている。
【0011】
前記難燃性添加剤の成分c)は、少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみの金属水酸化物である。本明細書での使用に適した金属水酸化物は、約1〜約15の範囲、好ましくは約2〜約12、より好ましくは約3〜約9μmの各範囲のd50を有する当該分野で既知のいかなる金属水酸化物であってもよい。前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムであってもよく、好ましくは水酸化アルミニウムである。好適な実施形態では、前記金属水酸化物は、Martinal(R)またはMagnifin(R)、好ましくはMartinal(R) ONシリーズ、いくつかの実施形態では、Martinal(R) ON−906の各名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものである。前記難燃性添加剤に典型的に存在する金属水酸化物の量は、約45〜約80wt.%の範囲、好ましくは約50〜約75wt.%の範囲、より好ましくは約55〜約70wt.%の各範囲であり、すべて前記難燃性添加剤の総量に基づいている。
【0012】
前記難燃性添加剤の成分d)は、少なくとも1つの分散剤/湿潤剤である。適切な分散剤/湿潤剤の限定されない例には、酸性基を有する共重合体溶液が含まれる。いくつかの実施形態では、前記分散剤はBYK(R)ライン製品としてBYK Chemieから販売されているものから選択される。製品の一例はBYK(R) W−996である。前記難燃性添加剤に成分d)が存在する場合、典型的に存在する成分d)の量は、約0.1〜約3.5wt.%の範囲、好ましくは約0.25〜約3wt.%の範囲、より好ましくは約0.5〜約2.5wt.%の範囲であり、すべて前記金属水酸化物の総量に基づいている。
【0013】
前記難燃性添加剤の任意選択の成分e)は、少なくとも1つの揺変性添加剤である。適切な揺変性添加剤の限定されない例には、N−メチルピロリドン/塩化リチウム溶液が含まれる。いくつかの実施形態では、前記揺変性添加剤はBYK(R)ライン製品としてBYK Chemieから販売されているものから選択される。本明細書での使用に適した揺変性添加剤の一例は、BYK(R) W−410である。本発明の実施に際して典型的に使用される成分e)の量は、約0.1〜約3.5wt.%の範囲、好ましくは約0.25〜約3wt.%の範囲、より好ましくは約0.5〜約2.5wt.%の範囲であり、すべて前記金属水酸化物の総量に基づいている。
【0014】
前記難燃性添加剤の任意選択の成分f)は、少なくとも1つ、実施形態によっては1つのみのホスフェートであり、実施形態によっては塩素化リン酸エステルであり、実施形態によってはモノ塩素化リン酸エステルである。実施形態によっては、前記難燃性添加剤は成分f)を含む。本明細書での使用に適したホスフェートは、硬質または軟質ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームに難燃性を与える効果が、当該分野ですでに知られているホスフェートから選択することができる。適切なホスフェートの限定されない例には、ハロゲン化リン酸エステル、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどが含まれる。本明細書での使用に適したモノ塩素化リン酸エステルは、当該分野で既知のいかなるモノ塩素化リン酸エステルであってもよい。実施形態によっては、前記モノ塩素化リン酸エステルは、Antiblaze(R)、好ましくはAntiblaze(R)
TMCPの各名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものである。前記難燃性添加剤に成分f)が存在する場合、典型的に存在する成分f)の量は、約7〜約12wt.%の範囲、好ましくは約8〜約9wt.%の範囲、より好ましくは約9〜約10wt.%の範囲であり、すべて難燃性添加剤の総量に基づいている。
【0015】
本発明の難燃性添加剤は、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを形成するいかなる既知の方法においても、有効量で利用することができる。通常は、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム形成過程に利用される様々な添加剤の1つとして前記難燃性添加剤が含まれ、典型的なポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム形成条件において利用される。さらに、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、成形および/または押出フォームなどの製剤を形成するために用いることもある。
【0016】
前記難燃性添加剤の有効量を用いれば、DIN 4102 B2可燃性試験で設定した試験基準を満たすか、またはそれを上回る十分な量を意味することになる。一般には、この量は、前記難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームまたは難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤の総量に基づき、前記難燃性添加剤約130〜約180phrの範囲となる。好適な実施形態では、いずれも同基準に基づき、有効量は約140〜約170phrの範囲、より好ましくは約150〜約160phrの範囲と考えられる。
【0017】
また、本発明の難燃性添加剤は、発煙量が低いポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを提供する。発煙量が低いということは、前記難燃性添加剤の有効量を含むポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム、特に約35kg/mの密度および試料の大きさが75×75×30mmのフォームでは、次の条件下で測定した補正煙濃度を有することを意味している。つまり、約70〜約110の範囲、好ましくは約70〜約100の範囲、より好ましくは約70〜約90の範囲ではASTM E662の非燃焼方式により測定し、および約350〜約600の範囲、好ましくは約350〜約500の範囲、より好ましくは約350〜約400の範囲ではASTM E662の燃焼方式により測定した場合である。
【0018】
これらの成分に加え、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤は、当該分野で既知の軟質および硬質ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの形成に利用できるいかなる他の成分も含むことができ、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤の形成または製法に利用されるこれらの他の成分は当業者に周知である。例えば、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤は、界面活性剤、抗酸化物質、ハロゲン含有量が1−4個の臭素である低粘性液体のC1−4ハロカーボン、および/またはハロゲン化炭化水素希釈剤などの希釈剤を含むことができ、および/または、塩素原子も本発明の成分に含むことができる。そのような希釈剤の限定されない
例には、ブロモクロロメタン、塩化メチレン、二塩化エチレン、二臭化エチレン、塩化イソプロピル、臭化n−ブチル、臭化sec−ブチル、塩化n−ブチル、塩化sec−ブチル、クロロホルム、ペルクロロエチレン、メチルクロロホルム、および四塩化炭素が含まれる。
【0019】
本発明のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤に使用することのできる他の成分、およびこれらが使用される割合および方法は文献に報告されているので留意されたい。例えば、Herrington and Hock,Flexible Polyurethane Foams,The Dow Chemical Company,1991,9.25 9.27またはRoegler,M“Slabstock Foams”;Polyurethane Handbook;Oertel,G.,Ed.;Hanser Munich,1985,176−177またはWoods,G.Flexible Polyurethane Foams, Chemistry and Technology;Applied Science Publishers,London,1982,257−260、およびすでに参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/569,210号を参照されたい。その全てが本明細書内に引用され組み込まれている。
【0020】
本発明の実施に際して、前記ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤は触媒、または触媒存在下で混ぜ合わせた個々の成分と混合すると、DIN 4102 B2可燃性試験で設定した試験基準を満たすかまたはそれを上回り、さらに上述のような煙濃度が補正された、難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを形成することができる。軟質ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの形成に使用される触媒には、アミン触媒、スズ系触媒、ビスマス系触媒または他の有機金属触媒などが含まれる。硬質ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの触媒には、ゲル触媒、発泡触媒、ゲル/発泡複合触媒、三量化触媒などが含まれる。
【0021】
上記説明は、本発明のいくつかの実施形態に関する。当業者は、本発明の精神の実施に際して、同様に効果的な他の方法を考案できることを認識するであろう。本発明の好適な実施形態では、本明細書で考察された範囲が少量から大量までの全範囲を含むことを意図していることにも留意されたい。
【0022】
以下の例は本発明を説明するものであるが、いかなる方法にも限定する意図はない。

【0023】
本発明の難燃性添加剤の防煙性および難燃性を測定するため、以下の表1に説明した製剤を用い、4種類の難燃性硬質フォームを製造した。製剤130106−1は本発明のものであり、130106−2は比較として用いている。すべてのフォームを物理的発泡剤としてn−ペンタン、化学的発泡剤として水を用いて発泡させた。すべてのフォームが、DIN 4102 B2試験を満たしていた。ジメチルシクロヘキシルアミン(「DMCHA」)を前記フォームを形成する触媒として用いた。我々はポリウレタンフォームの形成法に従い、ポリエーテル修飾ポリシロキサンである界面活性剤/安定剤を用いた。使用したMDIは重合体MDIであった。
【0024】
また、以下の例に用いる通り、Martinal、Saytex、およびAntiblazeはすべてAlbemarle Corporationの登録商標である。
【表1】

煙の測定により、以下の表2の結果が得られた。
【表2−1】

【表2−2】

【0025】
表2の結果は、補正された煙濃度(Cor.Ds max)が燃焼方式および非燃焼方式ともに製剤130106−1において有意に良好である(低い)ことを示している。他の結果は、Martinal(R) ON−310とON−906の比較を示している。我々は、両製剤では補正した煙濃度が同程度であることを認めている。Saytex(R) RB7970およびAntiblaze(R) V490は分散性が良好であり、静置後の定着が少なかったことから、ON−906は好ましい無機難燃剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームでの使用に適した難燃性添加剤であって、
a)少なくとも1つのホスホネートと、
b)少なくとも1つの臭素含有難燃剤と、
c)少なくとも1つの金属水酸化物と、
また必要に応じて、
d)少なくとも1つの湿潤剤/分散剤と、
e)少なくとも1つの揺変性添加剤と
f)少なくとも1つのホスフェートのうち、少なくとも1つを有する難燃性添加剤。
【請求項2】
請求項1記載の難燃性添加剤において、前記難燃性添加剤に存在するa)の量は、前記難燃性添加剤の総重量に対し約2−約9wt.%の範囲であり;前記難燃性添加剤に存在するb)の量は、前記難燃性添加剤の総重量に対し約16−約28wt.%の範囲であり;前記難燃性添加剤に存在するc)の量は、前記難燃性添加剤の総重量に対し約45−約80wt.%の範囲である。
【請求項3】
請求項1記載の難燃性添加剤において、a)がi)少なくとも1つのジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせであり、a)は前記難燃性添加剤の総重量に対し、約2−約9wt.%の範囲で前記難燃性添加剤に存在する。
【請求項4】
請求項3記載の難燃性添加剤において、a)は少なくとも1つのジエチルエチルホスホネートである。
【請求項5】
請求項1記載の難燃性添加剤において、f)は少なくとも1つの塩素化リン酸エステルであり、b)は少なくとも1つのテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールである。
【請求項6】
請求項1記載の難燃性添加剤において、a)が約2−約16wt.%の範囲で存在するジエチルエチルホスホネートであり;b)が約16−約28wt.%の範囲で存在するテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールであり;c)が約45−約80wt.%の範囲で存在し、これらはすべて前記難燃性添加剤の総重量に基づくものである。
【請求項7】
請求項1記載の難燃性添加剤において、a)が約2−約9wt.%の範囲で存在するジエチルエチルホスホネートであり;b)が約16−約28wt.%の範囲で存在するテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールであり;c)が約45−約80wt.%の範囲で存在し;f)が約7−約12wt.%の範囲で存在し、これらはすべて前記難燃性添加剤の総重量に基づくものである。
【請求項8】
請求項1記載の難燃性添加剤において、前記難燃性添加剤はd)およびe)、またはd)、e)、およびf)を有するものである。
【請求項9】
請求項8記載の難燃性添加剤において、f)はモノ塩素化リン酸エステルである。
【請求項10】
請求項6記載の難燃性添加剤において、d)およびe)各々は、前記金属水酸化物の総重量に対し、約0.5−約2.5wt.%の範囲の量で前記難燃性添加剤に存在するもの
である。
【請求項11】
請求項3または6のいずれか記載の難燃性添加剤において、前記ジエチルエチルホスホネートは、Antiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記モノ塩素化リン酸エステルおよび臭素化難燃性剤はAntiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記金属無水物はMartinal(R)またはMagnifin(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項12】
請求項11記載の難燃性添加剤において、前記ジエチルエチルホスホネートはAntiblaze(R) V490であり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R) RB79またはSaytex(R) B7970であり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R) TMCPであり;前記金属水酸化物はMartinal(R) ONシリーズとしてAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項13】
請求項10記載の難燃性添加剤において、f)は、前記難燃性添加剤の総重量に対し、約7−約12wt.%の範囲の量で前記難燃性添加剤に存在するものである。
【請求項14】
難燃性添加剤を約130−180phrの範囲で含む難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームで、前記難燃性添加剤が:
a)少なくとも1つのホスホネートと、
b)少なくとも1つの臭素含有難燃剤と、
c)少なくとも1つの金属水酸化物と、また必要に応じて、
d)少なくとも1つの湿潤剤/分散剤と、
e)少なくとも1つの揺変性添加剤と
f)少なくとも1つのホスフェートのうち、少なくとも1つを有する難燃性添加剤。
【請求項15】
請求項14記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、a)がi)少なくとも1つのジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせであり、a)は前記難燃性添加剤の総重量に対し、約2−約9wt.%の範囲で前記難燃性添加剤に存在する。
【請求項16】
請求項14記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、a)は少なくとも1つのジエチルエチルホスホネートであり、f)は少なくとも1つの塩素化リン酸エステルである。
【請求項17】
請求項14記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、a)が約2−約16wt.%の範囲で存在するジエチルエチルホスホネートであり;b)が約16−約28wt.%の範囲で存在するテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールであり;c)が約45−約80wt.%の範囲で存在し、これらはすべて前記難燃性添加剤の総重量に基づくものである。
【請求項18】
請求項14記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、
前記難燃性添加剤がd)およびe)、またはd)、e)、およびf)を有するものである。
【請求項19】
請求項18記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、a)が約2−約9wt.%の範囲で存在するジエチルエチルホスホネートであり;b)が約16−約28wt.%の範囲で存在するテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールであり;c)が約45−約80wt.%の範囲で存在し;f)が約7−約12wt.%の範囲で存在し、これらはすべて前記難燃性添加剤の総重量に対するものであり、またd)とe)は前記金属水酸化物の総重量に対し、各0.5-2.5wt.%の範囲の量で存在する。
【請求項20】
請求項19記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、f)はモノ塩素化リン酸エステルである。
【請求項21】
請求項19記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、前記ジエチルエチルホスホネートは、Antiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記金属無水物はMartinal(R)またはMagnifin(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項22】
請求項21記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、前記ジエチルエチルホスホネートはAntiblaze(R) V490であり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R) RB79またはSaytex(R) B7970であり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R) TMCPであり;前記金属水酸化物はMartinal(R) ONシリーズとしてAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項23】
請求項16記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、ASTM E662発煙性試験の非フレーム方式で測定されているように、補正煙濃度は約70−約110の範囲、あるいは約70−約100の範囲である。
【請求項24】
請求項22記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、ASTM E662発煙性試験の非フレーム方式で測定されているように、補正煙濃度は約70−約110の範囲、あるいは約70−約100の範囲である。
【請求項25】
請求項23記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの密度は、容積75x75x30mmのサンプルで35kg/mである。
【請求項26】
請求項16または24−26記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、DIN 4102 B2燃焼性試験に記載の試験基準を満たすか、または超えている。
【請求項27】
請求項14記載のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームから形成または製造された成形品または押出品。
【請求項28】
少なくとも1つのイソシアネートまたはポリオール;少なくとも1つの発泡剤;および難燃性添加剤から生成される、または生成可能なポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤において、前記難燃性添加剤が:
a)i)少なくとも1つのジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つのトリエチルホスフェート;およびiv)i)−iv)の組み合わせと;
b)少なくとも1つの臭素含有難燃剤と;
c)少なくとも1つの金属水酸化物と、また必要に応じて、
d)少なくとも1つの湿潤剤/分散剤と;
e)少なくとも1つの揺変性添加剤と;
f)少なくとも1つの塩素化ホスフェートエステルのうち、少なくとも1つを有する。
【請求項29】
請求項28記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤において、a)が約2−約16wt.%の範囲で存在するジエチルエチルホスホネートであり;b)が約16−約28wt.%の範囲で存在するテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールであり;c)が約45−約80wt.%の範囲で存在し、これらはすべて前記難燃性添加剤の総重量に基づくものである。
【請求項30】
請求項28記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、前記難燃性添加剤がd)およびe)、またはd)、e)、およびf)を有するものである。
【請求項31】
請求項30記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤において、a)が約2−約9wt.%の範囲で存在するジエチルエチルホスホネートであり;b)が約16−約28wt.%の範囲で存在するテトラブロモフタル酸無水物の反応性臭素含有ジエステル/エーテルジオールであり;c)が約45−約80wt.%の範囲で存在し;d)とe)がそれぞれ約0.5−約2.5wt.%の範囲で存在するが、これらはすべて前記金属水酸化物の総重量に基づくものである。
【請求項32】
請求項31記載の難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームにおいて、f)はモノ塩素化リン酸エステルである。
【請求項33】
請求項31記載のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤において、前記ジエチルエチルホスホネートは、Antiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記金属無水物はMartinal(R)またはMagnifin(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項34】
請求項31記載のポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製剤において、前記ジエチルエチルホスホネートはAntiblaze(R) V490であり;前記テトラ
ブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R) RB79またはSaytex(R) B7970であり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R) TMCPであり;前記金属水酸化物はMartinal(R) ONシリーズとしてAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項35】
少なくとも1つのイソシアネートまたはポリオール;少なくとも1つの発泡剤;および難燃性添加剤の混合または結集を含んだ難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームを形成する工程において、前記難燃性添加剤が:
a)少なくとも1つのホスホネートと、
b)少なくとも1つの臭素含有難燃剤と、
c)少なくとも1つの金属水酸化物と、また必要に応じて、
d)少なくとも1つの湿潤剤/分散剤と、
e)少なくとも1つの揺変性添加剤と、
f)少なくとも1つのホスフェートのうち、少なくとも1つを、
少なくとも1つの触媒存在下で含むものである。
【請求項36】
請求項35記載の工程において、a)がi)少なくとも1つのジエチルエチルホスホネート;ii)少なくとも1つのイソプロピルフェニルジフェニルホスフェート;iii)少なくとも1つのトリエチルホスフェート;またはiv)i)−iv)の組み合わせであり、a)は前記難燃性添加剤の総重量に対し、約2−約9wt.%の範囲で前記難燃性添加剤に存在する。
【請求項37】
請求項35記載の工程において、a)は少なくとも1つのジエチルエチルホスホネートであり、f)は少なくとも1つの塩素化リン酸エステルである。
【請求項38】
請求項37記載の工程において、f)はモノ塩素化リン酸エステルである。
【請求項39】
請求項37記載の工程において、前記ジエチルエチルホスホネートは、Antiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記金属無水物はMartinal(R)またはMagnifin(R)の名称でAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項40】
請求項39記載の工程において、前記ジエチルエチルホスホネートはAntiblaze(R) V490であり;前記テトラブロモフタル酸無水物のジエステル/エーテルジオールはSaytex(R) RB79またはSaytex(R) RB7970であり;前記モノ塩素化リン酸エステルはAntiblaze(R) TMCPであり;前記金属水酸化物はMartinal(R) ONシリーズとしてAlbemarle(R) Corporationから販売されているものであり;前記湿潤剤/分散剤および揺変性添加剤はBYK(R)の名称でBYK Chemieから販売されているものである。
【請求項41】
請求項35記載の工程において、このように生成された前記難燃性ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、DIN 4102 B2燃焼性試験に記載の試験基準を満たすか、または超えており、ASTM E662発煙性試験の非フレーム方式で測定
されているように、補正煙濃度は約70−約110の範囲である。

【公表番号】特表2010−522268(P2010−522268A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500125(P2010−500125)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002295
【国際公開番号】WO2008/116610
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(508375653)
【Fターム(参考)】