説明

低速CT収集のために不規則なサンプリングを用いるゲーティングCT

生理的パラメータモニタ44が、周期的な生理的パラメータを監視し、周期的パラメータの位相を表す信号を生成する。放射線システム8が、検査領域18、28に隣接して配置され、透過放射線データ及びエミッション放射線データを生成する。第1及び第2のソート装置48、74が、対応する透過放射線データ及びエミッション放射線データを、周期的パラメータの複数の位相の各々に対応する透過放射線データセット50及びエミッション放射線データセット78にソートする。データプロセッサ60が、周期的パラメータの複数の位相の各々に対して、透過データから減衰マップ62を再構成する。画像プロセッサ80が、周期的パラメータの各位相のエミッション放射線データを、周期的パラメータの同一位相の減衰マップ62を用いて補正し、減衰補正されたエミッションデータセットを周期的パラメータの各位相の画像表現へと再構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は診断撮像技術に関する。本出願は、特に、減衰補償を用いる単光子放出型断層撮影(SPECT)システムとの関連で適用され、特にそれを参照して説明される。認識されるように、本発明は、例えば陽電子放出型断層撮影(PET)システム及びコンピュータ断層撮影(CT)システム等、その他の撮像システムにも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
核医学は、機能レベルや分子レベルで診断情報が取得されるように患者を撮像するため、放射能源を用いる。一般的に、1つ以上の放射性医薬品が患者に注入される。放射性医薬品化合物は、予測可能な速さ及び特性エネルギーでのガンマ線減衰を受ける放射性元素を含む。放射された放射線を監視・記録するため、患者に隣接して1つ以上の放射線検出器が配置される。場合により、複数の方向から放射された放射線を監視するため、検出器は患者の周りで回転あるいはインデックス付けされる。循環系や、選択された器官又は組織における放射線医薬品摂取などを検査するため、例えば検出位置及びエネルギー等の情報に基づいて、人体内の放射線医薬品分布が決定され、その分布の画像が再構成される。
【0003】
ゲーティング式の心臓撮像においては、各々の心サイクル内の特徴点がデータ収集をトリガーする。これは、収集データを心臓位相によって仕分け(ソート)することを可能にする。例えば、トリガー時間の後、次のトリガー時間までの間隔が、例えば心サイクル当たり16区画といった、複数の等しい区画に分割される。事前選択した多数の心サイクルにわたって、複数の心臓位相の各々に関する完全なデータセットが収集される。十分な統計量を得るため、複数のサイクルの各々における同一の心臓位相からのデータが、複数ある既知のアルゴリズムのうちの1つに基づいて組み合わされる。
【0004】
臨床研究において、一般的に、被検体内の放射線は、患者の生体構造の様々な吸収特性によって決定される減衰効果のため、等しい確率で検出器に到達することができない。故に、透過放射線源又はCT画像の何れかにより生成される減衰マップ(透過率マップ)を用いて、放射(エミッション)データを補正するための更なる減衰情報が提供される。しかしながら、現状では、ゲーティング式の放射研究は通常、減衰補正を有しておらず、そのことが正確な診断に影響を及ぼしている。
【0005】
1つの解決策は、心サイクルの全位相に対して共通の減衰マップを提供することである。例えば、SPECTシーケンス中にエミッションとは異なるエネルギーの透過放射線を収集することが可能である。心サイクルの全位相にわたって収集された透過率データは、SPECT画像と同等の解像度を有する減衰マップへと再構成され得る。単一源透過法では、しかしながら、統計的に不十分な透過率データがゲーティングされ、各心臓位相に関して不十分な解像度の減衰マップに再構成される。心臓の内部又は付近の密集組織が心サイクル中に移動するため、完全な心サイクルにわたって収集されたデータから生成される減衰マップはぼやけたものとなり、個々の心臓位相からのSPECTデータの不正確性を引き起こし得る。例えば、現行のSPECT/CTシステムにおける心臓検査の約20−30%はこの問題を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、上述の問題及びその他の問題を解決する新たな改善方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に従って撮像システムが開示される。生理的パラメータモニタが、周期的な生理的パラメータを監視し、周期的パラメータの位相を表す信号を生成する。放射線システムが、検査領域に隣接して配置され、透過放射線データ及びエミッション放射線データを生成する。第1及び第2のソート装置が、対応する透過放射線データ及びエミッション放射線データを、周期的パラメータの複数の位相の各々に対応する透過放射線データセット及びエミッション放射線データセットにソートする。データプロセッサが、周期的パラメータの複数の位相の各々に対して、透過データから減衰マップを再構成する。画像プロセッサが、周期的パラメータの各位相のエミッション放射線データを、周期的パラメータの同一位相の減衰マップを用いて補正し、減衰補正されたエミッションデータセットを周期的パラメータの各位相の画像表現へと再構成する。
【0008】
他の一態様に従って撮像方法が開示される。周期的な生理的パラメータが監視される。周期的パラメータの位相を表す信号が生成される。放射線システムが、検査領域に隣接して配置され、透過放射線データ及びエミッション放射線データを生成する。対応する透過放射線データ及びエミッション放射線データが、周期的パラメータの複数の位相の各々に対応する透過放射線データセット及びエミッション放射線データセットに仕分けられる。周期的パラメータの複数の位相の各々に対して、透過放射線データから減衰マップが再構成される。周期的パラメータの各位相のエミッション放射線データが、周期的パラメータの同一位相の減衰マップを用いて補正される。減衰補正されたエミッションデータセットが、周期的パラメータの各位相の画像表現へと再構成される。
【0009】
他の一態様に従って診断撮像システムが開示される。CTスキャナは、検査領域の周りを回転する回転式ガントリー、検査領域をx線で照射するx線源、及び検査領域を横切ったx線を検出する放射線検出器を含む。核スキャナが、検査領域内の被検体の或る領域からのエミッション放射線を検出する。心臓モニタが前記被検体の心サイクルを監視する。少なくとも1つのソート装置が、CTスキャナからのx線放射線データを、複数の心サイクルにわたって収集された複数の予め選択された心臓位相の各々に関する透過データセットへとソートし、且つエミッション放射線データを、複数の心サイクルにわたって収集された複数の予め選択された心臓位相の各々に関するエミッションデータセットへとソートする。少なくとも1つのデータプロセッサが、透過データセットを、複数の予め選択された心臓位相の各々に関する減衰マップへと再構成し、複数の予め選択された心臓位相の各々に関するエミッションデータセットからのエミッションデータを、複数の予め選択された心臓位相のうちの同一の1つに対応する減衰マップを用いて補正し、且つ複数の予め選択された心臓位相の各々に関する減衰補正されたエミッションデータから画像表現を再構成する。
【発明の効果】
【0010】
1つの効果は、減衰マップが個々の心臓位相ごとに一層高い精度で決定されることである。
【0011】
以下の詳細な説明を読み、理解することによって、本発明の更なる効果が当業者に認識される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮像システムを例示する図である。
【図2】各心臓位相において透過放射線データセットを収集する回転式ガントリーを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、様々な構成要素及びそれらの配置、並びに様々な段階及びそれらの編成の形態を取り得る。図面は、好適実施形態を例示するためだけのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
図1を参照するに、撮像システム8は、例えばSPECTスキャナ又はPETスキャナ等の核撮像システム10と、CTスキャナ12とを含んでいる。より具体的には、関心領域又は検査領域18から発せられる放射線事象を検出するため、1つ以上の核検出ヘッド14が回転可能ガントリー16に担持されている。各検出ヘッド14は、例えばシンチレータ及び光電管やフォトダイオード等の感光素子アレイといった、2次元検出素子アレイを含んでいる。例えばCZT素子などの直接的なガンマ線−電気変換器も意図される。他の例では、特にPETスキャナにおいて、検査領域は典型的に、静止した検出器ヘッド群からなるリングによって囲まれる。各ヘッド14は、各放射線応答を、検出器面上でのその位置(x,y)、そのエネルギー(z)、ヘッドの角度位置、及び検出時間を表すデジタル信号へと変換する回路を含んでいる。検出器上での事象の位置が、x座標及びy座標を有する2次元(2D)デカルト座標内で決定され、且つ/或いは導出される。しかしながら、その他の座標系も意図される。SPECTスキャナにおいて、コリメータが、検出器の各素子が放射線を受けることが可能な方向及び角度広がりを制御する。すなわち、検出器は既知の光線に沿ってのみしか放射線を受けることができない。故に、決定された、放射線が検出された検出器上での位置及びヘッド14の角度位置は、発生した各放射線事象が沿う公称の(nominal)光線を規定する。
【0015】
エミッションデータは通常、患者の生体構想の様々な吸収特性(すなわち、減衰効果)によって生じる不正確性を含むので、一実施形態において、CTスキャナ12を利用して、エミッションデータを補正するための追加減衰情報が提供される。CTスキャナ12は非回転式のガントリー20を含んでいる。例えばx線管などの1つ以上の放射線源22が、回転可能なガントリー24に取り付けられる。開口部(ボア)26がCTスキャナ12の検査領域28を規定する。例えばL字型及び円弧型などの非ボア型システムも意図される。回転可能なガントリーには、x線管22からの放射線を、それが検査領域28を横切った後に受け取るよう、1つ以上の放射線検出器30が配置されている。他の例では、透過放射線のソースを提供するよう、ガンマ放射線源が用いられる。一実施形態において、放射線検出器30は平面検出器を含む。
【0016】
被検体支持台又はカウチ34の長軸に平行に軌道32が延在することにより、SPECTスキャナ10及びCTスキャナ12は閉鎖型システムを形成することが可能である。例えばモータ及び駆動部等の移動手段36が、SPECTスキャナ10を閉鎖位置へ、また閉鎖位置から移動させるために設けられる。例えばモータ及び駆動部等のカウチ移動手段38が、検査領域18、28内での長手方向の動作及び垂直方向の調整を提供する。CTスキャナ及びSPECTスキャナの相対位置(前面又は背面)が個々の設計又は用途の要求に依存することも意図される。
【0017】
一実施形態において、核撮像システム10及びCTスキャナは共通のガントリーを使用する。そのようなシステムにおいては、検出は同時あるいは交互に実行される。
【0018】
引き続き図1を参照するに、CTスキャナ12の回転可能なガントリー24が一定速度で回転するとき、カウチ又は被検体支持台34上に配置された被検体又は患者が検査領域28内に移動され、CT画像が撮影される。一実施形態において、ガントリー動作制御部40が回転可能CTガントリーの回転速度wを、例えば約0.5RPMから約6RPMといった、低いものに設定する。検査領域28内での被検体の所望の位置決めを達成するため、駆動部38が被検体支持台34の前進及び/又は退避を実行する。検出器30によって収集されたx線放射線データは、第1のデータメモリ又はCTデータメモリ42に格納される。
【0019】
サイクルモニタ44が、事前指定した患者の生体サイクルを監視する。一実施形態において、サイクルモニタ44は患者の心臓を監視する。より具体的には、患者に取り付けられたリード線を介して、ECGモニタが患者からECGデータを取得する。他の例では、例えばエコー心臓モニタ、超音波心臓モニタ、心音モニタ、パルス酸素濃度計などの別の装置によって心臓が監視されてもよい。他の一実施形態において、サイクルモニタ44は患者の呼吸サイクルを監視する。より具体的には、呼吸サイクルに伴って振幅が変化する電気信号を生成する均衡ブリッジ型圧力トランスデューサに呼吸検知ベルトが接続される。一般的に、心サイクルは長さ的に約1/2秒から約1秒であり、呼吸サイクルは長さ的に約5秒から約10秒である。
【0020】
引き続き図1を参照しながら図2をも参照するに、サイクルモニタ44が各R−R間隔内で、心臓の運動特性、R波後の経過時間及び必要な診断情報に従って臨床医又はユーザによって選択された位相点を検出するとき、位相点が示される度にx線源22がONにされ、各位相46、46、・・・、46中に1つ以上のCTデータセットが収集される。他の例では、CTデータは、各データにそれが収集された心臓位相を指し示すようマークを付して、連続的に収集されることが可能である。
【0021】
第1の、すなわちCTのソート装置、プロセッサ、機構又はその他の手段48が、減衰データを、選択された心臓位相の各々の間に収集されたデータセット群、すなわち、心臓位相指定データセット群へと仕分けし、これらデータセット群は第1の位相メモリ50に格納される。一実施形態において、リビニングプロセッサ52が、円錐ビーム構成から平行ビーム構成へ、心臓位相指定データを一組の平行ビュー(view)へと再分類する。特に、短い時間ウィンドウによって規定される心臓位相の場合、1つの心臓位相のデータは、1つ以上の回転及び心サイクルにおいて短い円弧セグメント群の上で収集されたデータに相当する。回転可能ガントリー24は低速運動に設定されるため、画像を再構成することには、これら円弧セグメント群の各々で収集されるデータで十分である。例えば、回転可能ガントリー24の速度が0.5RPMに設定される場合、正常な脈拍が75ビート/分である患者では、完全な360°回転によって各心臓位相に対して150のCTデータセットが生成される。
【0022】
リビニングプロセッサ52が収集データを再分類するとき、リビニングプロセッサ52は不良脈拍のデータを監視する。不良脈拍が検出された場合、不良脈拍中に収集された如何なるデータも破棄される。過大な数の不良脈拍が検出された場合、不良脈拍の大部分を有するセグメント又は180°反対側のセグメントを再スキャンするため、回転数を増加することが適当となり得る。他の例では、ガントリー動作制御部40は、投影データにおける大きいサンプリングギャップを排除するため、不良脈拍が検出されると直ちに部分回転を再追跡する(検出器を不良脈拍が検出された位置へ戻す)ことが可能である。
【0023】
データプロセッサ60が、個々の心臓位相ごとに、3D透過放射線画像すなわち減衰マップ62を再構成する。各位相におけるCTデータは疎らにサンプリングされ、典型的に、不均一な脈拍のために均一にはサンプリングされない。データプロセッサ60は、例えば、一様でないデータサンプリングパターンをモデル化する再構成技術を用いて、CTデータを再構成する。他の一例として、補間技術及び正規化技術が用いられ得る。更なる他の一例として、同様の心サイクルからのデータが使用され得る。各減衰マップ62から、多数の位相ごとの減衰係数が決定され、位相減衰マップメモリ64に記憶される。減衰マップメモリ64に記憶された各ボクセル値は、例えば心サイクルの対応する位相といった対応するボリューム内の組織による放射線減衰を表す。SPECT画像は典型的に、CT画像より低い解像度を有する。SPECTの解像度と同等の解像度を有する減衰マップを再構成することは、データの疎らさを補償する助けとなる。
【0024】
引き続き図1を参照するに、SPECT画像を撮影するよう患者を位置決めするため、被検体を備えた被検体支持台34がSPECT検査領域18内に移動される。典型的に、検査に先立ち、撮像される被検体に1つ以上の放射性医薬品又は放射性元素が注入される。そのような放射性元素の数例を挙げると、Tc−99m、Ga−67及びIn−111である。物体内の放射性医薬品の存在は、物体からのエミッション放射線を生成する。SPECT画像のデータ収集は典型的に5−40分程度である。データ収集中、SPECT検出器ヘッド14は典型的に、複数の投影方向で投影エミッションデータを収集するよう、検査領域18の周りを段階的あるいは連続的に回転される。一実施形態において、ヘッドは360°をヘッド数で割った角度の円弧上を回転される。投影エミッションデータ、例えば、位置(x,y)、エネルギー(z)、及び検査領域18の周りの各検出ヘッド14の角度位置(θ)(例えば、角度位置レゾルバ70から得られる)が、第2のデータメモリすなわちエミッションデータメモリ72に格納される。サイクルモニタ44は、患者の心サイクルを監視し、典型的に、各サイクルすなわち各R−R間隔におけるR波に関する位相点を検出する。エミッション放射線データは、選択された心臓位相76、76、・・・、76の各々の間に収集される。第2の、すなわちエミッションデータのソート装置、プロセッサ、機構又はその他の手段64が、エミッション放射線データを、選択された心臓位相の各々の間に収集されたデータセット群、すなわち、心臓位相指定データセット群へと仕分けし、これらデータセット群は対応する第2の位相メモリ78に格納される。
【0025】
一実施形態において、エミッションデータのゲート群及び透過データのゲート群のうちの1つ以上は互いに異なる。すなわち、グルーピングが存在し得る。
【0026】
画像プロセッサ、アルゴリズム、機構又はその他の手段80が、画像メモリ82内の3D画像表現を反復的に再構成する。受け取られたデータが沿う各光線に対し、画像プロセッサ80は、位相減衰マップメモリ64内に格納された対応する減衰マップアレイを通じて対応する光線を計算する。個々の心臓位相各々のエミッションデータの各光線は、減衰係数に従って重み付け、すなわち、補正される。
【0027】
ビデオプロセッサ84が、画像メモリからスライス、投影、3D表示及びその他の情報を取り出し、1つ以上のモニタ86上での表示のため、画像表現の形式を適切に設定する。如何なる最新の表示ソフトウェアが使用されてもよい。当然ながら、都合の良い形式でデータを提示するため、プリンタ又はその他の出力装置も用いられ得る。
【0028】
一実施形態において、例えば、モニタ86又はその他の好適なパーソナルコンピュータやPDA等と一体化されたグラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザは位相を選択する。
【0029】
一実施形態において、画像群は、異なる時点で、またスキャナ軸に沿った異なる位置で、撮像システムによって整理される。例えば、撮像対象の呼吸に結合された呼吸マーカが呼吸に伴って移動する。このマーカは、異なる時点及びスキャナ軸に沿った異なる位置で収集された画像群と交わるように配置され、画像内でマーカ形状として検出可能であるため、画像内のマーカ形状の位置が決定され得る。斯くして、呼吸監視データが撮像データに直接的に埋め込まれるため、別々の監視データセット及び撮像データセットを記録し、これらデータセットを時間的に同期させることが不要となる。同期は自動的に達成される。
【0030】
好適な実施形態を参照しながら本発明を説明してきた。以上の詳細な説明を読み、理解した者は改良及び改変に想到し得る。本発明は、添付の特許請求の範囲又はその均等範囲に入る限りにおいて、そのような全ての改良及び改変を含むとして解釈されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的な生理的パラメータを監視し、周期的パラメータ位相を表す信号を生成する生理的パラメータモニタ;
検査領域に隣接して配置され、透過放射線データ及びエミッション放射線データを生成する放射線システム;
対応する透過放射線データ及びエミッション放射線データを、複数の周期的パラメータ位相の各々に対応する透過放射線データセット及びエミッション放射線データセットに仕分ける第1及び第2のソート装置;
前記複数の周期的パラメータ位相の各々に対して、前記透過データから減衰マップを再構成するデータプロセッサ;及び
各周期的パラメータ位相の前記エミッション放射線データを、同一の周期的パラメータ位相の前記減衰マップを用いて補正し、減衰補正されたエミッションデータセットを各周期的パラメータ位相の画像表現へと再構成する画像プロセッサ;
を有する撮像システム。
【請求項2】
前記放射線システムは:
回転可能ガントリー;
前記回転可能ガントリーの回転速度を制御するガントリー制御部であり、前記回転速度は約0.5RPMから約6RPMまでであるガントリー制御部;
前記回転可能ガントリーに取り付けられた放射線源;及び
前記ガントリーが回転するとき、前記放射線源からの、前期検査領域を横切った放射線を検出する放射線検出器;
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記放射線システムは:
前記複数の周期的パラメー位相に対応する複数の時間ウィンドウ内で投影データセット群を収集するCTスキャナ
を含み、前記スキャナは:
回転式ガントリー;
前記検査領域を横切る円錐ビームx線放射線の放射線源;及び
前記x線放射線を、それが前記検査領域を通過した後に検出し、それを前記投影データに変換する放射線検出器であり、前記放射線源及び当該放射線検出器は、前記検査領域の周りの連続的な回転のため、対向するように前記回転式ガントリーに配置されている、放射線検出器;
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記CTスキャナは更に:
前記回転式ガントリーを、回転当たり少なくとも5回の前記周期的パラメータ位相の繰り返しが存在するような実質的に低い速度で回転させるガントリー制御部
を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
各サイクルの各位相内でデータを収集するよう、前記x線ビームのオン/オフを周期的位相を用いて制御するゲーティングシステム
を更に含む請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記データプロセッサは、前記回転可能ガントリーの単一の回転で収集された透過データから、各周期的パラメータ位相の減衰マップを再構成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記生理的パラメータモニタは撮像対象の心サイクルを監視し、前記透過放射線データ及び前記エミッション放射線データは、前記心サイクル中に収集され、対応する心サイクル位相群に仕分けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記回転可能ガントリーは0.5RPMから6RPMで回転する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記心サイクルはグラフィカルユーザインタフェース上でユーザによって選択可能にされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記データプロセッサは、角度的に一様でなくサンプリングされた透過データから減衰マップを再構成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
周期的な生理的パラメータを監視する段階;
周期的パラメータ位相を表す信号を生成する段階;
検査領域に隣接して放射線システムを配置する段階;
透過放射線データ及びエミッション放射線データを生成する段階;
対応する透過放射線データ及びエミッション放射線データを、複数の周期的パラメータ位相の各々に対応する透過放射線データセット及びエミッション放射線データセットに仕分ける段階;
前記複数の周期的パラメータ位相の各々に対して、前記透過放射線データから減衰マップを再構成する段階;
各周期的パラメータ位相の前記エミッション放射線データを、同一の周期的パラメータ位相の前記減衰マップを用いて補正する段階;及び
減衰補正されたエミッションデータセットを各周期的パラメータ位相の画像表現へと再構成する段階;
を有する撮像方法。
【請求項12】
回転可能ガントリーの回転速度を制御する段階であり、前記回転速度を約0.5RPMから約6RPMまでとする段階;
前記回転可能ガントリーに取り付けられた放射線源を用いて放射線を発する段階;及び
前記ガントリーが回転するとき、前記放射線源からの、前期検査領域を横切った放射線を検出する段階;
を更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の周期的パラメー位相に対応する複数の時間ウィンドウ内で投影データセット群を収集する段階であり:
円錐ビームx線放射線の放射線源を用いて前記検査領域を横切る段階、
前記x線放射線を、それが前記検査領域を通過した後に検出する段階、及び
前記x線放射線を前記投影データに変換する段階、
を含む段階;
を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記回転式ガントリーを、回転当たり少なくとも5回の前記周期的パラメータ位相の繰り返しが存在するような実質的に低い速度で回転させる段階、
を更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各サイクルの各位相内でデータを収集するよう、前記放射線源のオン/オフを周期的位相を用いてゲーティングする段階、
を更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記再構成する段階は、前記回転可能ガントリーの単一の回転で収集された透過データから、各周期的パラメータ位相の減衰マップを再構成すること
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
請求項11に記載の段階群を実行する診断スキャナ。
【請求項18】
CTスキャナであり:
検査領域の周りを回転する回転式ガントリー、
前記検査領域をx線で照射するx線源、及び
前記検査領域を横切ったx線を検出する放射線検出器、
を含むCTスキャナ;
検査領域内の被検体の一領域からのエミッション放射線を検出する核スキャナ;
前記被検体の心サイクルを監視する心臓モニタ;
前記CTスキャナからのx線放射線データを、複数の心サイクルにわたって収集された複数の予め選択された心臓位相の各々に関する透過データセットへと仕分け、且つ前記エミッション放射線データを、複数の心サイクルにわたって収集された前記複数の予め選択された心臓位相の各々に関するエミッションデータセットへと仕分ける、少なくとも1つのソート装置;並びに
前記透過データセットを、前記複数の予め選択された心臓位相の各々に関する減衰マップへと再構成し、前記複数の予め選択された心臓位相の各々に関する前記エミッションデータセットからのエミッションデータを、前記複数の予め選択された心臓位相のうちの同一の1つに対応する前記減衰マップを用いて補正し、且つ前記複数の予め選択された心臓位相の各々に関する減衰補正されたエミッションデータから画像表現を再構成する、少なくとも1つのデータプロセッサ;
を含む診断撮像システム。
【請求項19】
不規則な脈拍に関して前記x線放射線データを監視し、前記不規則な脈拍中に収集されたデータを破棄するプロセッサ、
を更に含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記不規則な脈拍に応答して破棄されたデータを置き換えるよう、前記x線放射線データが再取得される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
複数の心サイクルの各々の前記複数の予め選択された心臓位相の各々内でデータを生成するよう前記CTスキャナを制御するゲーティングシステム、
を更に含む請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記回転式ガントリーは、回転当たり少なくとも8回の心サイクルにわたって透過データが収集されるよう、十分に低速で回転する、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記核スキャナはSPECTスキャナ及びPETスキャナのうちの少なくとも一方を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
エミッション画像データ及び透過画像データを受信する段階;
選択可能な数の心臓位相によって前記透過画像データをゲーティングする段階;
選択可能な数の心臓位相によって前記エミッション画像データをゲーティングする段階;
前記心臓位相の各々に関してゲーティングされた透過画像データから減衰補正マップを生成する段階;及び
ゲーティングされたエミッション画像データを、対応するゲーティングされた減衰補正マップを用いて補正する段階;
を有する、核医学画像を生成する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−545391(P2009−545391A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522928(P2009−522928)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/073734
【国際公開番号】WO2008/079444
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】