説明

住宅設備

【課題】上方へ段積みされるユニット内への配管,配線が容易となる住宅設備を提供する。
【解決手段】2以上のユニット2,3,4を上方へ段積みしてゆく構造のシステムキッチン1において、各ユニット2,3,4は、縦方向のフレーム材10Aの上下端が開放状態となるように縦方向のフレーム材10Aと横方向のフレーム材10Bが組み合わされ、2以上のユニット2,3,4を段積みした状態で各ユニットの縦方向のフレーム材10A,10Aが上下に連通して、その内部に下方から上方へ向かって連続して配管,配線を延長してゆくことができるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム材を組み合わせて形成した2以上のユニットからなるキッチンや洗面台等の住宅設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、水栓金具,照明器具を取り付け可能に門型状に形成された機能ユニットを備えた流し台が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−214917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている機能ユニットは、流し台上に段積みする構造のものではなく、門型に固定されているため設置高さの変更等ができず、また、上方へ向かって2以上の機能ユニット内に配管や配線を延長してゆくことはできないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、2以上段積みされたユニット内に良好に配管,配線を上方へ延長してゆくことができ、また、設置高さ等の変更が容易となる住宅設備の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明は、フレーム材を組み合わせて形成した2以上のユニットを上方へ段積みしていく構造の住宅設備であって、各ユニットは、縦方向のフレーム材の上下端が開放状態となるように縦方向のフレーム材と横方向のフレーム材が組み合わされ、2以上のユニットを段積みした状態で各ユニットの縦方向のフレーム材が上下に連通するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、各ユニットは所謂、縦フレーム勝ちの構造となっているため、下方のユニットから立ち上がる配管や配線を、上方に段積みされた別ユニット内に良好に延長してゆくことができる。即ち、下方のユニットを構成する縦方向のフレームから上方の別ユニットの縦フレーム内に連続して配管,配線を通して立ち上げてゆくことができ、何ら孔開け加工等を要することなく良好に配管,配線が行えるものとなる。
また、ユニットを段積みした後においても、段積みを崩すことなく横フレームの設置本数や設置高さの変更が容易に行えるものとなる。
【0007】
また、本発明の住宅設備において、上方へ段積みした2以上のユニットのうち最下段のユニットの重量が最大で、上方のユニットは上方へ向かって順次軽量となるように重量配分されている構成とすることもできる。
こうすれば、下段ほど重量が重くなるように配分することで、住宅設備全体の重心を低くし、転倒しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システムキッチンの外観斜視図である。
【図2】システムキッチンの構成部材の分解斜視図である。
【図3】システムキッチンの各ユニットを構成するフレーム材の連結構造を示す分解斜視図である。
【図4】複数のフレーム材を縦方向および横方向に連結した状態の拡大斜視図である。
【図5】フレーム材に水栓機器を取り付ける前のフレーム材の断面構成図である。
【図6】縦方向のフレーム材に水栓機器を取り付ける前の分解斜視図である。
【図7】フレーム材にカバー材を取り付ける前の断面分解図である。
【図8】縦方向のフレーム材の表裏にカバー材を取り付ける前の分解斜視図である。
【図9】フレーム材の収納スペース内に配管および配線を取り付けた状態の断面構成図である。
【図10】配線を位置決め材で固定した状態の拡大構成図である。
【図11】図10の位置決め材の斜視構成図である。
【図12】別の形状を有する位置決め材の側面拡大図である。
【図13】図12の位置決め材の斜視構成図である。
【図14】収納スペース部材と取付溝部材からなるフレーム材を一体化させた状態の断面構成図である。
【図15】図14のフレーム材を分解した状態の断面分解構成図である。
【図16】収納スペース部材と木フレームからなるフレーム材の断面分解図である。
【図17】図16のフレーム材をダボを介して連結させる前の分解斜視図である。
【図18】両端側のガイド片を省略したフレーム材の断面構成図である。
【図19】図18のフレーム材に配管,配線を取り付けた状態の斜視構成図である。
【図20】図18のフレーム材にカバー材を取り付ける前の分解断面構成図である。
【図21】フレーム材を縦方向と横方向に門型状に連結した状態の概略構成図である。
【図22】縦方向と横方向のフレーム材をH型に連結した状態の概略構成図である。
【図23】縦方向と横方向のフレーム材を長方形額縁状に連結した状態の概略構成図である。
【図24】縦方向と横方向のフレーム材をT型状に連結した状態の概略構成図である。
【図25】縦方向と横方向のフレーム材を建築壁等に支持させた状態の概略構成図である。
【図26】L型フレームを連結したフレーム材の概略構成図である。
【図27】コーナーフレームを連結したフレーム材の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、システムキッチンの斜視構成図であり、図2は、システムキッチンの構成部材の分解斜視図である。
システムキッチン1は、第1ユニット2と、第2ユニット3と、第3ユニット4で構成されている。
第1ユニット2はキッチンカウンターであり、直方体形状の本体5から垂下状に両側に脚部6,6が設けられ、本体5の上面には天板7が設けられて、天板7にシンク8とコンロ9が取り付けられている。
本体5および脚部6は、フレーム材を組み合わせた骨組みで構成されたものである。
【0010】
第2ユニット3は、水栓機器や照明機器あるいは棚板やコンセント等を取り付けることのできる付属部材であり、縦方向のフレーム材10A,10Aと、横方向のフレーム材10Bで略門型状に組み立てられている。
また、第3ユニット4も照明機器や棚板やコンセント等を取り付けできるように、縦方向のフレーム材10A,10Aと横方向のフレーム材10Bを門型状に組み付けて形成されている。
【0011】
第1ユニット2は、シンク8やコンロ9等の重量物を備えて、最も重量が大であり、第2ユニット3は軽量に形成されており、第3ユニット4は更に軽量に形成されて、システムキッチン1全体として、重量が最大の第1ユニット2上に第2ユニット3および第3ユニット4が上方へ向かって順次軽量となるように段積みされており、システムキッチン1の全体の重心は低く設定されて、衝撃等が加わった時に転倒しないように設計されている。
【0012】
なお、第1ユニット2,第2ユニット3,第3ユニット4の骨組みを構成するフレーム材10A,10Bは、例えばアルミニウム製の押し出し成形品であり、図3に示すように、I型の連結材11およびL型の連結材12を用いて、上下左右方向に任意に連結して組み立てできるように構成されている。
なお、図4は、縦方向のフレーム材10Aと横方向のフレーム材10Bを連結して組み立てた状態の斜視構成図である。
図5は、横方向のフレーム材10Bに、水栓機器20を取り付ける前の分解断面構成図であり、図6は、縦方向のフレーム材10Aに水栓機器20を取り付ける前の分解斜視図である。
【0013】
縦方向のフレーム材10Aおよび横方向のフレーム材10Bは同一形状に形成されたものであり、平板部13の両端側に角柱状の枠部14,14が一体化されて、この平板部13と左右側の枠部14,14で囲まれた空間が収納スペースSとなっている。
両側の枠部14,14から略水平状に外側へ延びて、それぞれ左右側に延出部15,15が一体形成されており、左右の延出部15には、表側と裏側にそれぞれ直交状にガイド片16,17が間隔をおいて一体形成されている。
ガイド片16と枠部14間で、表側に取付溝18が形成され、対向状に裏側には取付溝18cが形成されている。また、ガイド片16と外側のガイド片17間で、表側には取付溝18bが形成され、裏側には取付溝18dが形成されている。
また、平板部13の収納スペースS側には、長手方向に延びる平行な直線状の細溝19,19,19が間隔をおいて複数形成されている。また、左右の枠部14,14には、それぞれビス孔14a,14aが形成されている。
【0014】
このような形状のフレーム材10A,10Bの外側の取付溝18b,18dに、図3に示したようなI型連結材11あるいはL型連結材12を嵌め込んで、I型連結材11あるいはL型連結材12を介して複数のフレーム材10A,10Bを任意な形態に組み合わせて骨組みを形成することができるものである。
なお、フレーム材10A,10Bの収納スペースS内に収納可能な箱形状に形成されている水栓機器20の本体部20a内には、電磁弁や止水弁などの水栓機能部が収納されている。
この水栓機器20の本体部20aには、左右側に外側へ突出するフランジ20b,20bが複数一体形成されており、各フランジ20bには、直交状に長手方向に直線状に延びる突条21,21,21が一体形成されており、各突条21の先端は断面球形状の球部21aとなっている。なお、図5において、図中22は水栓機器20の本体部20aに取り付けられた吐水口である。
【0015】
このような水栓機器20をフレーム材10A,10Bに取り付けるに際し、例えばゴム製の継手23が用いられる。
この継手23には、溝状の切欠き23aと、切欠き23aの内側に断面球形状の嵌合部23bが形成されている。
この継手23の切欠き23a内に、水栓機器20側の突条21を挿入させてゆき、球部21aを継手23の嵌合部23b内に嵌合させて、予め水栓機器20の突条21,21にそれぞれ継手23,23を取り付けておき、この状態で、各継手23をフレーム材10A,10Bの取付溝18c内に嵌め込んで、フレーム材10A,10Bの収納スペースS内に水栓機器20の本体部20aを取り付け固定することができるものである。
【0016】
このように、複数の継手23,23を、フレーム材10A,10Bの取付溝18c,18c内に嵌め込んで、ビス等を用いることなく容易に水栓機器20の取り付けができ、また、継手23,23を介し水栓機器20の位置決めや位置変更を容易に行うことができるものであり、施工が容易なものとなる。
同様に、その他の照明機器等にもフランジ20bおよび突条21を形成させておけば、継手23を介して照明機器等を容易にフレーム材10A,10Bの収納スペースS内に取り付け固定することができるものである。
なお、強固に水栓機器20等を固定させたい場合には、枠部14に形成されているビス孔14a内に、フランジ20b側からビスを締め付け、ビスを併用して確実に水栓機器20等をフレーム材10A,10Bに取り付け固定できるものであり、取り付け状態では、収納スペースS内にすっぽりと水栓機器20等が収納されて、意匠性が向上したものとなる。
【0017】
次に、図7および図8は、フレーム材10A,10Bに対するカバー材24の取り付け前の分解図を示す。
フレーム材10A,10Bの表裏には、それぞれカバー材24,24が取り付けられて被覆され化粧処理されるものであり、各カバー材24は、平面部24aの両端側に、直交状に突出して直線状の突条25,25が一体形成されており、各突条25の先端には断面球状の球部25aが一体形成されている。
このカバー材24を取り付ける際にも、ゴム製の継手23が用いられ、継手23の切欠き23a内に突条25を嵌め込んで、予めカバー材24の突条25に継手23を取り付けておき、この状態で、継手23をフレーム材10A,10Bの取付溝18a,18cに嵌め込むことにより、ビス等を用いることなく容易にカバー材24,24をフレーム材10A,10Bの表裏に取り付けることができ、複数の突条25,25が形成されているためカバー材24を安定してフレーム材10A,10Bに固定できるものである。
【0018】
次に、図9は、フレーム材10Bの収納スペースS内に配管26と配線27を固定した状態を示すものである。
配管26,配線27を収納スペースS内に固定するために位置決め材28,29が用いられる。
例えば図10のように、配線27,27は位置決め材28を用いてフレーム材10Bに固定できるものであり、位置決め材28の斜視図は図11に示す。
この位置決め材28は、鍔部28aと直交状に長手方向に延びて直線状の突条部21bが一体化されており、突条部21bの先端には断面球状の球部28cが一体形成されており、鍔部18aの突条部28bと反対側には延出片部28dが一体化され、延出片部28dの先端には左右側にそれぞれ湾曲受け部28e,28eが一体形成されている。
【0019】
図10に示すように、位置決め材28の突条部28bを、フレーム材10Bの平板部13に形成されている細溝19内に嵌め込んで、細溝19の奥側の断面球形の球部19a内に球部28cを嵌め込み、鍔部28aを平板部13に当接させて位置決め材28を収納スペースS内に固定することができ、この固定状態では、位置決め材28の湾曲受け部28e,28eで配線27,27を保持して、配線27,27を収納スペースS内に撓むことなく固定できるものである。
【0020】
また、配管26の固定には、図12および図13に示すような形状の位置決め材29が用いられる。
この位置決め材29は、鍔部29aから突出して突条部29bとその先端に球部29cが一体形成され、鍔部29aの反対側には延出片部29dが一体形成されており、延出片部29dの先端側から湾曲状に湾曲受け部29eが一体形成されたものである。
位置決め材29の突条部29bを、フレーム材10Bの平板部13に形成されている細溝19内に嵌め込んで、鍔部29aを平板部13に当接させて位置決め材29を収納スペースS内に固定することができ、この固定状態では、この湾曲受け部29eで配管26を良好に保持でき、収納スペースS内に配管26を撓むことなく固定できるものである。
【0021】
このように位置決め材28,29を用いて配管26,配線27を安定した状態でフレーム材10A,10Bの収納スペースS内に設けておき、この配管26および配線27は収納スペースS内で水栓機器20等に良好に接続することができ、収納スペースSからはみ出すものがなくなり、すっきりとした意匠性を呈したフレーム構造が得られるものである。
【0022】
次に、図14において断面図で示すフレーム材10Bは、分割タイプのものであり、収納スペース部材30と、両側の取付溝部材31,31が分離できるように構成されている。分割した状態は図15に示す。
この分割タイプのフレーム材10Bを構成する収納スペース部材30は、平板部13の両側に直交状に枠板片30a,30aが一体形成されて、この左右の枠板片30a,30aと平板部13で囲まれた部分に収納スペースSが形成されており、左右の枠板片30aの先端でそれぞれ外方向へ突出して張出片30b,30bが一体形成され、各張出片30bから90°折曲して折曲片30cが一体形成され、折曲片30cから外側へ90°突出して係合片30dが一体形成され、係合片30dの先端で90°折曲してガイド片30eが一体形成されたものである。
この左右の枠板片30aと折曲片30c間で嵌合凹部32が形成されており、折曲片30cとガイド片30e間に取付溝18cが形成されている。また、平板部13の収納スペースS側には、長手方向に延びる平行な直線状の細溝19,19,19が間隔をおいて複数形成されている。
【0023】
一方、フレーム材10Bを構成する左右側の分離可能な取付溝部材31は、角柱状の枠部14から延出部15が一体形成され、延出部15の外端には表裏側に突出してガイド片17,17が一体形成され、ガイド片17の内側には平行状に表側に延びてガイド片16が一体形成されたものである。
この取付溝部材31の表側には、ガイド片16と枠部14間で取付溝18aが形成され、ガイド片16と外側のガイド片17間で取付溝18bが形成されている。なお、取付溝部材31の裏側には、枠部14からガイド片16側に至る係合凹部31aが形成されている。
【0024】
このような取付溝部材31は、枠部14を、収納スペース部材30の嵌合凹部32内に嵌め込み、取付溝部材31の係合凹部31aに、収納スペース部材30の係合片30dを嵌め込むことで、収納スペース部材30に取付溝部材31を図14のように一体化させて用いることができ、一体化された状態では、収納スペース部材30のガイド片30eと取付溝部材31のガイド片17間で取付溝18dが形成されるものである。
即ち、図14の一体化させた状態では、前述したフレーム材10A,10Bと同一の断面構造となり、左右側の表裏に取付溝18a,18b,18c,18dが形成されるものである。
【0025】
なお、収納スペース部材30の平板部13には、複数の平行な直線状の細溝19が形成されており、この細溝19内に位置決め材28あるいは29を取り付けて、配管26あるいは配線27を収納スペースS内に取り付け固定できるものである。
なお、図15のように、収納スペース部材30から分離した取付溝部材31は、配管等を必要としない部位に用いることができるものであり、図1および図2に示した第3ユニットの縦方向のフレーム材10Aは、この取付溝部材31を用いて構成したものであり、取付溝部材31のみを用いることにより、第3ユニット4はより軽量なものとなる。
【0026】
次に、図16の分解断面図で、また図17の斜視図で示す構造のフレーム材10A,10Bは、前述した収納スペース部材30と、木フレーム33で構成したものである。
収納スペース部材30は、前述した図15のものと同様な形状に形成されたものであり、木フレーム33は木製で肉厚に形成されて、本体平板部33aの両端側に直交状に側板部33b,33bが一体形成されたものであり、この木フレーム33により強度が確保できるように構成したものである。なお、木フレーム33の本体平板部33aの両端側の長手方向端縁にはダボ穴33c,33cが形成されている。
この木フレーム33の側板部33b,33bの内側に、収納スペース部材30のガイド片30e,30eをそれぞれ当接させて、木フレーム33内にすっぽりと収納スペース部材30を嵌め込むことができ、木フレーム33と収納スペース部材30が一体化されたフレーム材10A,10Bは、連結する際には図17に示すように、ダボ穴33c内にそれぞれダボ34を嵌め込んで、ダボ34を介して複数連結してゆくことができるものである。
【0027】
次に、図18に断面で示すフレーム材10A,10Bは、両端側のガイド片17,17を省略したタイプのものであり、ガイド片17,17が形成されていない以外は図7に示すフレーム材10A,10Bと同一の断面形状をなすものである。
なお、図18のフレーム材10A,10Bの収納スペースS内に、位置決め材28を介して配管26および配線27を取り付けた状態を図19に斜視図で示す。
このようなガイド片17が存在しないフレーム材10Bに対しては、図20に示すように、表側にコの字状の断面形状に形成したコの字カバー材24Aを取り付ける。裏側に取り付けられるカバー材24は、図7のものと同一のものである。
【0028】
コの字カバー材24Aは、平面部24aの両端側に直交状に側面部24b,24bが一体形成されており、側面部24bの内側に突条25,25が一体形成されている。
突条25にゴム製の継手23を嵌め込んで、継手23をフレーム材10Bの取付溝18aに嵌め込むことにより、フレーム材10Bの表側の任意の位置にコの字カバー材24Aを取り付けることができ、取り付け状態では、コの字カバー材24Aの側面部24bがフレーム材10Bの延出部15の先端に当接状となり、コの字カバー材24Aの側面部24b,24bの内側にすっぽりとフレーム材10Bが隠されることとなり、コの字カバー材24Aの取り付け状態での意匠性が向上したものとなる。なお、コの字カバー材24Aは化粧処理したものを使用すると、より意匠性が向上することとなる。
【0029】
上記のような形態の異なる何れかのフレーム材を用いて、縦方向の2本のフレーム材10A,10Aと、1本の横方向のフレーム材10Bを連結して、図21のように門型状に組み立て、図1および図2の第2ユニット3あるいは第3ユニット4のような略門型状のユニットを形成させることができる。なお、第1ユニット2も、このような門型状にフレーム材10A,10Bを組み立てて骨組みとすることができる。
【0030】
縦方向の2本のフレーム材10A,10Aの高さ方向中間部位に、1本の横方向のフレーム材10Bを連結して、図22のようにH型状に組み立てることもでき、更には、図23に示すように、縦方向の2本のフレーム材10A,10Aのそれぞれの上端および下端側に、横方向の2本のフレーム材10B,10Bを連結して額縁状に組み立てることもでき、更には、図24に示すように、縦方向の1本のフレーム材10Aの上端に、2本の横方向のフレーム材10B,10Bを左右に連結してT字状に組み立てることもできるものである。
更には、図25に示すように、縦方向のフレーム材10A,10Aに二段に横方向のフレーム材10B,10Bを連結して、横方向のフレーム材10B,10Bの他端側は、建築壁Wや他のキャビネットに連結して支持させるような構造とすることもできる。
【0031】
なお、この図21〜図25で示すようなフレーム材の組み合わせにおいて、何れの組み合わせにおいても、縦方向のフレーム材10Aの上下端が開放状態となるように、縦方向のフレーム材10Aに対して横方向のフレーム材10Bが連結される、所謂、縦フレーム10A勝ちのフレーム構造となっている。
このように、縦方向のフレーム材10A,10Aの上下端が開放状態となる縦フレーム10A勝ちの組み合わせであれば、下方側から上方へ向かって立ち上がる配管26あるいは配線27を、縦方向のフレーム材10A内を通し連続して上方へ立ち上げることができる。
即ち、図1および図2のように、組み立てられた第2ユニット3および第3ユニット4を上方へ段積みした時に、第1ユニット2の縦方向のフレーム材10A内から、第2ユニット3の縦方向のフレーム材10A内へ、さらに、第3ユニット4の縦方向のフレーム材10A内へと連続して配管26および配線27を通すことができるものとなる。
また、第2ユニット3および第3ユニット4の段積みを崩すことなく、横方向のフレーム材10Bの設置本数や設置高さの変更が容易に行えるものとなる。
【0032】
なお、図26および図27はフレーム材の組み立ての変更例を示すものであり、図26では、横方向のフレーム材10Bの両端側に、L型に予め形成したL型フレーム10C,10Cを連結して組み立てたものであり、また、図27は、横方向のフレーム材10Bの両端側に、別途形成したコーナーフレーム10D,10Dを連結し、コーナーフレーム10Dの下端に縦方向のフレーム材10Aをそれぞれ連結して構成したものである。
このように、縦方向および横方向にフレーム材を任意の形態に組み合わせてユニットを形成させることができ、ユニットの形態の自由度が向上するものである。
【0033】
なお、本例では、システムキッチンのユニットについて例示しているが、同様なフレーム材10A,10Bを用いて洗面台等の住宅設備のユニットを形成させることができるものである。
さらに、本例では、フレーム材10A,10Bはアルミニウム製のものを例示しているが、他の素材のものであっても良く、特に上方に段積みされる第2ユニット3や第3ユニット4においては、軽量の素材で形成したフレーム材10A,10Bを用いることで、より全体の重心を低くして安定化させることができるものとなる。
【符号の説明】
【0034】
1 システムキッチン
2 第1ユニット(キッチンカウンター)
3 第2ユニット
4 第3ユニット
10A 縦方向のフレーム材
10B 横方向のフレーム材
10C L型フレーム
10D コーナーフレーム
11 I型連結材
12 L型連結材
13 平板部
14 枠部
15 延出部
16,17 ガイド片
18a,18b,18c,18d 取付溝
19 細溝
20 水栓機器
20a 本体部
20b フランジ
21 突条
21a 球部
23 継手
23a 切欠き
23b 嵌合部
24 カバー材
24a 平面部
24b 側面部
25 突条
25a 球部
26 配管
27 配線
28,29 位置決め材
28a,29a 鍔部
28b,29b 突条部
28e,29e 湾曲受け部
30 収納スペース部材
30a 枠板片
30b 張出片
30c 折曲片
30d 係合片
30e ガイド片
31 取付溝部材
31a 係合凹部
32 嵌合凹部
33 木フレーム
33a 本体平板部
33b 側板部
33c ダボ穴
34 ダボ
S 収納スペース
W 建築壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム材を組み合わせて形成した2以上のユニットを上方へ段積みしてゆく構造の住宅設備であって、
各ユニットは、縦方向のフレーム材の上下端が開放状態となるように縦方向のフレーム材と横方向のフレーム材が組み合わされ、
2以上のユニットを段積みした状態で各ユニットの縦方向のフレーム材が上下に連通するように構成されている
ことを特徴とする住宅設備。
【請求項2】
上方へ段積みした2以上のユニットのうち最下段のユニットの重量が最大で、上方のユニットは上方へ向かって順次軽量となるように重量配分されている
ことを特徴とする請求項1に記載の住宅設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−234757(P2011−234757A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105985(P2010−105985)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】