住宅
【課題】使用目的に対応して屋内空間を容易に仕切り変更し得る住宅の提供
【解決手段】複数の仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間Adと、共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備える住宅であって、共有空間Adの仕切り予定境界面Bで仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、その横幅を仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10の先端側10aを接し合わせて仕切り予定境界面Bで共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るようにしてある。
【解決手段】複数の仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間Adと、共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備える住宅であって、共有空間Adの仕切り予定境界面Bで仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、その横幅を仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10の先端側10aを接し合わせて仕切り予定境界面Bで共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るようにしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リビングやダイニングや玄関ホールや階段まわり空間等の屋内空間を、その使い勝手によって各種形態の屋内空間に容易に変更して用い得るようにしてある住宅の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の日本家屋にあっては、各屋内空間を障子、板戸、ふすま等の各種建具を用いて仕切り用いると共に、大きな屋内空間を必要とする各種の行事等に際しては、当該各屋内空間を仕切っている建具を取り払って目的とする大きな空間を作り出して用い得るようにしてあった。
【0003】
かかる従来の日本家屋は、各室等が比較的開閉の容易な緩やかな建具等によって仕切られていたことから、家屋内にある各屋内空間は相互に関連しあって共有空間を構成し、和やかな居住空間を当該家屋にもたらし得る特長を備えていた。
【0004】
しかしながら、かかる従来の日本家屋にあっては、各屋内空間内において居住する際に、個々人のプライバシーを損なう不具合があった。
【0005】
ところで、近時の住宅構造にあっては、当該住宅内に設けられる各屋内空間は、各間仕切り壁等によってそれぞれに独立した居住空間等としてあり、この独立している各居住空間相互の往き来に際しては、各居住空間の開口部に設けられたドア等の建具の開閉によって行うようにしている。かかる開口部は、当該居住空間に出入りするに必要とされる大きさの開口部としてあり、家具等の搬入等のために当該開口部に子扉を設け、この子扉をフランス落しによって、必要に応じて固定状態に維持するようにしたものがある。(特許文献1)また、当該開口部に備えられるドア等の容易な開閉の手段としてラッチ錠等が用いられていた。(特許文献2)
【0006】
特許文献3に示される間仕切り装置にあっては、一つの部屋を複数の個別居住スペースとして用い得るようにする装置が提案されている。
【0007】
かかる間仕切り装置は、一つの大きな部屋を、複数の個別居住スペースとして用いる際に効果を有するものの、装置の設置に多くの手間と部材とを要し、また、当該仕切り装置によって区分されている各個別居住スペースの形態を他の形態の個別居住スペースに変更するためには、更に多くの作業手間等を要する不具合があった。
【0008】
特許文献4に示される住宅構造にあっては、廊下と、この廊下に隣接する部屋とを、当該廊下の二カ所を閉塞部材で遮断し、又は、当該遮断状態を解除することによって、廊下及び当該廊下に隣接する部屋を一つの部屋空間として用いたり、当該廊下と、当該廊下に隣接する部屋とをそれぞれの目的に対応して各別に用い得るようにした住宅構造が提案されている。
【0009】
しかしながら、かかる住宅構造は、廊下と当該廊下に隣接する部屋とは空間的に一つの空間としてあって、たんに廊下を二カ所において閉塞部材によって遮断し、当該廊下空間部分を含む部屋空間を構成し得るようにしたにすぎないものであり、住宅における屋内空間を各種の使用目的に対応する形態を備えた屋内空間に変更して用い得るものではなかった。
【0010】
また、住宅における屋内空間を可動仕切り手段としての折戸によって、随時、必要に応じて仕切り用いると共に、仕切り目的がなくなった場合や、当該屋内空間を大きく設定して用いる必要を生じた際などに、この折戸を壁隅等に寄せ付けるようにしたものがある。
【0011】
かかる仕切り手段としての折戸は、屋内空間を目的とする区画に容易に仕切り用いることができ、また、仕切り用いられている当該折戸を壁等に寄せ付けて容易に大きな屋内空間に変更できる利点を有している。
【0012】
しかしながら、かかる仕切り手段としての折戸は、壁等に寄せ付けた際に、嵩張る不具合があり、また、ガイドレール等の案内手段を設ける必要があり、床面に設置されるガイドレールが歩行等の妨げとなったり、天井側に設置されるガイドレールが屋内空間の空間的な広がり感を妨げる等の不具合があった。
【特許文献1】特開平8−135260号
【特許文献2】特開2005−105730
【特許文献3】特開平7−139063号
【特許文献4】特開平11−62276号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように限られた屋内空間を効果的に仕切ると共に、適切にプライバシー等の保護された状態において、当該仕切られた各屋内空間を有効に用いたり、必要に応じて当該仕切り手段の撤去や、当該仕切り手段の仕切り区分の変更等によって、当該屋内空間をそれぞれの使用目的に対応した都合の良い形態にして用いる必要があった。
【0014】
しかしながら、かかる条件を満たす仕切り手段であって、しかも、容易に、屋内空間を仕切り得ると共に、当該仕切り手段の撤去や、仕切り態様の変更等を容易になし得る仕切り手段を備えた住宅はなかった。
【0015】
かかる点から、屋内空間を必要に応じて、その使用目的に対応するように仕切り用い得ると共に、その使用目的に対応してそれぞれの屋内空間を容易に仕切り変更して用い得る住宅の提供が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、前記課題を解決するために、複数の仕切り予定境界面で囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間と、この共有空間の各仕切り予定境界面で当該共有空間に連続する屋内空間とを備える住宅であって、
前記共有空間の仕切り予定境界面で当該仕切り予定境界面を仕切る仕切り体が、その基端側で回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面の横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体の先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面で前記共有空間と屋内空間とを仕切り得るようにしてあることを特徴とする住宅としてある。
【0017】
このように構成される住宅にあっては、仕切り体の回動操作のみによって共有空間と当該共有空間に連続する各屋内空間とを一連に連続する一個の屋内空間として構成したり、各仕切り予定境界面において仕切り区分することによって各態様の仕切り屋内空間として構成することができ、それぞれの使用目的に対応した態様での使用を可能としている。
【0018】
ついで、前記構成に係る住宅にあって、先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面を仕切る一対の仕切り体における一方の仕切り体を、当該仕切り予定境界面に停止状態に維持し得るようにしてあることを特徴とする住宅では、前記特長に併せて、一方の停止状態に維持されている仕切り体との間で他方の仕切り体を仕切り予定境界面において都合の良い出入り手段として構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る住宅は、各仕切り体を仕切り予定境界面から壁際等に回動させることによって当該共有空間及びこの共有空間に連続している各屋内空間を一連に連通した一個の屋内空間として構成し得ると共に、当該仕切り体を用いて任意の仕切り予定境界面で共有空間と当該共有空間に連続されている屋内空間とを仕切ることによって各態様の屋内空間として構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図1〜図14に基づいて、この発明を実施するための最良の形態に係る住宅Hについて説明する。
【0021】
なお、ここで図1は当該発明を実施するための最良の形態に住宅Hを、当該住宅Hにおける各仕切り予定境界面Bに備えられる各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態で、また、図2では、一つの仕切り予定境界面Bを仕切り体10によって仕切った状態で、図3では、他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態で、図4では、さらに他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態で、それぞれ上面から見て示している。図5は、典型的な仕切り体10を一部破断し、その要部を斜め上方から、図6は同仕切り体10を一部破断した状態を側面から、図7は、同仕切り体10の建具レバーの操作状態を仕切り体10の一部を破断して側面から、図8は、仕切り体10のフランス落としの操作を仕切り体10の一部を破断して側面から、図9は、同仕切り体10の要部を破断して上面から、それぞれ見て示している。図10は、同仕切り体10を用いて屋内空間Aを仕切った一例を斜視の状態で、図11は、更に、他の仕切り状態を斜視の状態で示している。図12は、他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を、図13では、更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を、図14では、更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を、それぞれ上方から見て示している。
【0022】
この発明を実施するための最良の形態に係る住宅Hは、複数の仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間Ad、すなわち、平面視が正多角形をなすように各仕切り予定境界面Bで囲まれた共有空間Adと、この共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備える住宅であって、前記共有空間Adの仕切り予定境界面Bで当該仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bで前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るように構成してある。
【0023】
このように構成される住宅Hにあっては、仕切り体10の回動操作のみによって共有空間Adと当該共有空間Adに連続する各屋内空間Aとを一連に連続する一個の屋内空間として構成したり、各仕切り予定境界面Bにおいて仕切り区分することによって各態様の仕切り屋内空間Aとして構成することができ、それぞれの使用目的に対応した態様で使用することができる。
【0024】
また、前記構成に係る住宅Hにあって、先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bを仕切る一対の仕切り体10における一方の仕切り体10を、当該仕切り予定境界面Bに停止状態に維持し得るようにした住宅Hでは、一方の停止状態に維持されている仕切り体10との間で他方の仕切り体10を仕切り予定境界面Bにおける都合の良い出入り手段として構成することができる。
【0025】
かかる住宅Hに備えられる共有空間Adは、当該共有空間Adを構成する各仕切り予定境界面Bで囲まれて、平面視が正三角形、正四角形、正五角形、正六角形…正n角形の正多角形とされており、しかも、この共有空間Adに、当該共有空間Adを構成する各仕切り予定境界面Bで連続する各屋内空間Aを備えたものであれば、いかなる形態からなるものであってもよい。
【0026】
かかる共有空間Adと前記各仕切り予定境界面Bを介して当該共有空間Adに連続されている屋内空間Aとは、この仕切り予定境界面Bによって構成される共有空間Adが平面視で正多角形をなし、しかも、この各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続される屋内空間Aとの間を前記仕切り体10を用いて仕切り得る構成のものであれば、いかなる形態のものであってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aと共有空間Adとをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間Aの一種類または複数種類によって構成することができる。また、前記仕切り予定境界面Bで仕切り体10によって共有空間Adと仕切り構成される屋内空間Aは、いかなる形態の屋内空間Aであってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間Aとして用いることができる。
【0027】
このようにして構成される住宅Hにあっては、隣り合う仕切り予定境界面Bの交差する側で、基端側10bを回動可能に備えられている仕切り体10を仕切り予定境界面Bから離して当該仕切り体10の備えられている壁等に添わせる等して、各仕切り予定境界面B、B…を介して共有空間Adに連続されている各屋内空間A、A…と共有空間Adとを一連に連続した1個の屋内空間として構成することができる。
【0028】
また、互いに隣り合っている一対の仕切り体10、10を用いて任意の一つの仕切り予定境界面Bで共有空間Adと当該共有空間Adに連続されている屋内空間Aとを仕切ることによって、当該共有空間Adから区分された屋内空間Aと、この屋内空間Aを除く他の屋内空間及び共有空間Adとが構成する一連に連続されている一個の屋内空間とに区分して用いることができる。
【0029】
また、仕切り予定境界面Bで囲まれて構成される平面視が正四角形以上の正多角形をなす共有空間Adを備える住宅Hにあっては、互いに隣り合っている仕切り体10,10を用いて、共有空間Adを構成する任意の一つ以上の仕切り予定境界面Bで、当該共有空間Adと、これに連続している屋内空間Aとを仕切って、各種の形態の屋内空間を構成するようにして用いることができる。
【0030】
例えば、三つの仕切り予定境界面Bに囲まれて、平面視が正三角形をなす共有空間Adを備えた住宅Hにあっては、第1の仕切り予定境界面Baを介して共有空間Adに連続されている第1の屋内空間Aaと、第2の仕切り予定境界面Bbを介して共有空間Adに連続されている第2の屋内空間Abと、第3の仕切り予定境界面Bcを介して共有空間Adに連続されている第3の屋内空間Acとを備える構成としてある。
【0031】
かかる構成からなる住宅Hにあっては、隣り合う仕切り予定境界面Bの交差する側で、基端側10bを回動可能に備えられている仕切り体10を仕切り予定境界面Bから離して当該仕切り体10の備えられている壁等に添わせる等して、第1の屋内空間Aa、第2の屋内空間Ab及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間を構成して用いることができる。また、前記一対の仕切り体10,10を用いて第1の仕切り予定境界面Baで共有空間Aaと当該第1の屋内空間Aaとを仕切ることによって第2の屋内空Ab及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第1の屋内空間Abとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第2の仕切り予定境界面Bbで共有空間Adと第2の屋内空間Abとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第2の屋内空間Abとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第3の仕切り予定境界面Bcで共有空間Adと第3の屋内空間Acとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第2の屋内空間Abとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第3の屋内空間Acとに仕切って用いることができる。
【0032】
また、前記仕切り体10は、前記仕切り予定境界面Bの交差する側で、その基端側10bを回動可能に備えられており、しかも、横幅が前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあり、互いに隣りあっている一対の仕切り体10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面で前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るものであれば、いかなる形態からなるものであっても、また、いかなる形態で備えられていてもよい。
【0033】
すなわち、平面視で正多角形をなす共有空間Adにおいて互いに隣り合っている仕切り予定境界面Bの交差する側にそれぞれ一個の仕切り体10が、その基端側10bを位置づけて、この基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、この各仕切り体10Aが、その横幅を各仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてある。
【0034】
例えば、平面視で正三角形をなす共有空間Adを備える住宅Hにあっては、当該共有空間Adにおける第1の仕切り予定境界面Baと第3の仕切り予定境界面Bcとが交差する側に基端側10bを位置づけて、この基端側10bで回動可能に備えられる第1の仕切り体10Aと、第1の仕切り予定境界面Baと第2の仕切り予定境界面Bbとの交差する側に基端側10bを位置づけてこの基端側10bで回動可能に備えられる第2の仕切り体10Bと、第2の仕切り予定境界面Bbと第3の仕切り予定境界面Bcとが交差する側に基端側10bを位置づけて、この基端側10bで回動可能に備えられる第3の仕切り体10Cとを有し、しかも、この第1の仕切り体10Aが、その横幅を第1の仕切り予定境界面Baの横幅及び第3の仕切り予定境界面Bcの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてあり、また、第2の仕切り体10Bが、その横幅を第1の仕切り予定境界面Baの横幅及び第2の仕切り予定境界面Bbの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてあり、また、第3の仕切り体10Cが、その横幅を第2の仕切り予定境界面Bbの横幅及び第3の仕切り予定境界面Bcの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてある。
【0035】
また、かかる仕切り体10は、木材製、金属材製、木材と紙等の複数素材からなる複合材製等、いかなる素材からなるものであってもよい。また、かかる仕切り体10は、板目状化粧面、クロス仕上げ状化粧面、金属プレート状化粧面、ふすま状化粧面、障子状化粧面等の各種の化粧面を備えたものとして構成することができる。
【0036】
また、かかる仕切り体10は、例えば、ドア等の開き戸タイプの仕切り体10、複数葉からなる観音開き折れ戸タイプの仕切り体10等いかなる形態の仕切り体10であってもよい。
【0037】
かかる仕切り体10は、例えば、ボード材からなる扉状体、パネル材からなる扉状体、枠材からなる扉状体、枠材に紙を貼り付けた障子様の扉状体、枠材の両面に紙やクロス等を貼り付けた襖様の扉状体等いかなる構成からなるものであってもよい。
【0038】
また、互いに先端側10aを接して屋内空間Aを仕切る一対の仕切り体10における一方の仕切り体10を、当該屋内空間Aの仕切り予定境界面Bに停止状態に維持する手段は、この仕切り体10を当該仕切り予定境界面Bに維持し得るものであれば、いかなる手段であってもよく、例えば、当該固定される側の仕切り体10を前記仕切り予定境界面Bに停止状態に位置づける各種のストッパー手段によって、当該仕切り体10を仕切り予定境界面Bに停止状態に維持することができる。
【0039】
かかるストッパー手段は、前記固定される側の仕切り体10を床、天井、壁等に対して停止状態に維持し得るストッパー機能を有するものであれば、いかなる形態のストッパー手段であってもよく、例えば、仕切り体10と床40との双方にあって、一方の側に備えられているストッパー受けに対して、他方の側に備えられているストッパー部材を入れ込んで当該仕切り体10を停止状態に維持したり、双方に備えられている係脱可能な掛合具を互いに引っ掛けて当該仕切り体10を停止状態に維持したり、別段に用意されるストッパー部材によって当該仕切り体10を床40に対して停止状態に維持する等適宜のストッパー手段を用いることができる。
【0040】
まず、図1〜図11に示される当該発明を実施するための最良の一形態に係る住宅Hについて説明する
【0041】
この図1〜図11に示される住宅Hは、各仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間Ad、この図示例にあっては、三つの仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正三角形をなす共有空間Adと、この共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備える住宅Hであって、前記共有空間Adの仕切り予定境界面Bで当該仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10、10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面で前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るように構成してある。
【0042】
かかる図示例の住宅Hは、三つの仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正三角形をなす共有空間Adと、この共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備えていると共に、この共有空間Adにおける各隅部に仕切り体10の基端側10bを回動可能に備え付け得る仕切り端部が設けてあり、この各仕切り端部にそれぞれ一個の仕切り体10を備えるようにしてある。そして、前記共有空間Adの仕切り予定境界面Bで当該仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bを前記仕切り端部に回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10、10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面で前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るように構成してある。
【0043】
このように構成される住宅Hにあっては、仕切り体10の回動操作のみによって共有空間Adと当該共有空間Adに連続する各屋内空間Aとを一連に連続する一個の屋内空間Aとして構成したり、各仕切り予定境界面Bにおいて仕切り区分することによって三態様の仕切り屋内空間Aとして構成することができ、それぞれの使用目的に対応した態様で使用することができる。また、かかる仕切り体10による仕切りに際して、床や天井等にレールその他のガイド手段を設ける必要がなく、すっきりとした屋内空間を構成することができる。
【0044】
また、前記構成に係る住宅Hにあって、先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面を仕切る一対の仕切り体10における一方の仕切り体10を、当該仕切り予定境界面Bに停止状態に維持し得るようにした住宅Hでは、一方の停止状態に維持されている仕切り体10との間で他方の仕切り体10を仕切り予定境界面Bにおける都合の良い出入り手段として構成することができる。
【0045】
かかる共有空間Adと前記各仕切り予定境界面Bを介して連続されている屋内空間A、すなわち、第1の仕切り予定境界面Baを介して共有空間Adに連続されている第1の屋内空間Aaと、第2の仕切り予定境界面Bbを介して共有空間Adに連続されている第2の屋内空間Abと、第3の仕切り予定境界面Bcを介して共有空間Adに連続されている第3の屋内空間Acと、前記共有空間Adとは、この仕切り予定境界面Bによって構成される共有空間Adが平面視で正三角形をなし、しかも、この各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続される屋内空間Aとの間を前記仕切り体10を用いて仕切り得る構成のものであれば、いかなる形態のものであってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aと共有空間Adとをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間Aの一種類または複数種類によって構成することができる。また、前記仕切り予定境界面Bで仕切り体10によって共有空間Adと仕切り構成される屋内空間Aは、いかなる形態の屋内空間であってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間として用いることができる。
【0046】
このようにして構成される住宅Hにあっては、前記共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bの交差する側に基端側10bで回動可能に備えられている仕切り体10を仕切り予定境界面Bから離して当該仕切り体10の備えられている壁等に添わせる等して、第1の仕切り予定境界面Baを介して共有空間Adに連続されている第1の屋内空間Aaと、第2の仕切り予定境界面Bbを介して共有空間Adに連続されている第2の屋内空間Abと、第3の仕切り予定境界面Bcを介して共有空間Adに連続されている第3の屋内空間Acと、前記共有空間Adとを、一連に連続した1個の屋内空間として構成することができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第1の仕切り境界面で共有空間Adと第1の屋内空間Aaとを仕切ることによって、第2の屋内空間Ab及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第1の屋内空間Aaとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第2の仕切り予定境界面Bbで共有空間Adと第2の屋内空間Abとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第2の屋内空間Abとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第3の仕切り予定境界面Bcで共有空間Adと第3の屋内空間Acとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第2の屋内空間Abとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第3の屋内空間Acとに仕切って用いることができる。
【0047】
この図示例に係る住宅Hは、当該住宅Hの一階部分にドア状仕切り体10’として構成される前記仕切り体10を設けたものであって、玄関ドアを備えた玄関ホール104から各ドアによってリビングルーム102とキッチンを備えたリビング・ダイニングルーム101とに出入りし得るようにしてあると共に、このリビングルーム102から引き戸を介して階段スペースをなす廊下109に出入りし得るようにしてあり、また、当該廊下109に引き戸を介して前記リビング・ダイニングルーム101から出入りし得るようにしてある。
【0048】
かかる廊下109に階段106が設けてあると共に、ドアを介してトイレットルーム110に、また、引き戸を介して洗面・洗濯スペース112に出入りし得るようにしてあり、しかも、この洗面・洗濯スペース112を脱衣室として折り戸を介して浴室111に出入りし得るように構成してある。
【0049】
また、前記リビングルーム102におけるリビング・ダイニングルーム101との境界部分は、その全幅にわたって開口した開口部107を設けてあり、このリビング・ダイニングルーム101とリビングルーム102間に間仕切り壁等の固定的な仕切り手段を備えていない構成としてある。
【0050】
そして、前記リビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’と、リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’との間を塞ぐ第1の仕切り予定境界面Baと、
前記リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’と、前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’との間を塞ぐ第2の仕切り予定境界面Bbと、
このリビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’と、このリビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’との間を塞ぐ第3の仕切り予定境界面Bcとで囲まれる空間が平面視で正三角形の共有空間Adをなすようにしてある。
【0051】
そして、この平面視で正三角形をなす共有空間Adを構成する第1の仕切り予定境界面Baで前記リビング・ダイニングルーム101が区分されて、この図示例にあってはダイニングルームを構成する第1の屋内空間Aaとしてある。また、当該共有空間Adを構成する第2の仕切り予定境界面Bbで前記リビング・ダイニングルーム101が区分されて、この図示例にあってはリビングルームを構成する第2の屋内空間Abとしてある。また、当該共有空間Adを構成する第3の仕切り予定境界面Bcで前記リビング・ダイニングルーム101とリビングルーム102とが区分されて、この図示例にあってはリビングルームを構成する第3の屋内空間Acとしてある。
【0052】
このように構成される共有空間Adの各仕切り予定境界面Bの交差する側、すなわち、第1の仕切り予定境界面Baと第3の仕切り予定境界面Bcの交差する側、この図示例にあっては前記リビング・ダイニングルーム101と廊下109との間にある仕切り壁114aにおけるリビングルーム102側の仕切り端部114a’に第1の仕切り体10Aとしてのドア状仕切り体10’を回動可能に設けてある。そして、第1の仕切り予定境界面Baと第2の仕切り予定境界面Bbとの交差する側、この図示例にあってはリビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’に第2の仕切り体10Bとしてのドア状仕切り体10’を回動可能に設けてある。さらに、第2の仕切り予定境界面Bbと第3の仕切り予定境界面Bcとの交差する側、この図示例にあっては前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’に第3の仕切り体10Cとしてのドア状仕切り体10’を回動可能に設けてある。
【0053】
そして、この第1の仕切り体10Aと、第2の仕切り体10Bと、第3の仕切り体10Cとは、いずれも、その横幅寸法をほぼ同一としてあり、その横幅を、各仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分の寸法をなすようにしてある。
すなわち、前記リビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’及び前記リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’との間の間隔、
前記リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’及び前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’との間の間隔、
前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’及び前記リビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’との間の間隔の、それぞれほぼ半分の横幅寸法に構成してある。
【0054】
かかる各仕切り体10であるドア状仕切り体10’を、第1の屋内空間Aaと廊下109との間にある仕切り壁114a、第2の屋内空間Abにあってリビング・ダイニングルーム101に突き出している仕切り壁114b、第3の屋内空間Acにあって玄関ホール104との間にある仕切り壁114cにそれぞれ沿わせるようにして(図1の状態)、共有空間Adを構成する各仕切り予定境界面Bを開放状態にすることによって、第1の屋内空間Aaと第2の屋内空間Abと第3の屋内空間Acとはそれぞれ共有空間Adを介して連続した一個の屋内空間とされる。すなわち、当該仕切り体10であるドア状仕切り体10’を用いていない状態におけるリビング・ダイニングルーム101とリビングルーム102とが一連に連続した一個の屋内空間をなすようにすることができる。
【0055】
ついで、前記第1の屋内空間Aaと共有空間Adとの間で仕切り体10としてのドア状仕切り体10’を用いて図2に示すように当該第1の仕切り予定境界面Baを仕切ることによって、第1の屋内空間Aaが共有空間Ad及び第2の屋内空間Ab並びに第3の屋内空間Acの構成する一連に連続したリビングルームから独立した屋内空間とされており、この図示例にあってはチッキン108を備えたダイニングルームを構成するようにしてある。
【0056】
また、前記第2の屋内空間Abと共有空間Adとの間で仕切り体10であるドア状仕切り体10’を用いて当該第2の仕切り予定境界面Bbを図3に示すように仕切ることで、この第2の屋内空間Abが共有空間Ad及び第1の屋内空間Aa並びに第3の屋内空間Acの構成する一連に連続したリビング・ダイニングルームから独立した屋内空間とされており、この図示例にあっては玄関に続くリビングルームを構成するようにしてある。
【0057】
また、前記第3の屋内空間Acと共有空間Adとの間で仕切り体10であるドア状仕切り体10’を用いて当該第3の仕切り予定境界面Bcを図4に示すように仕切ることで、この第3の屋内空間Acが共有空間Ad及び第1の屋内空間Aa並びに第2の屋内空間Abの構成する一連に連続したリビング・ダイニングルームから独立した屋内空間Aとされており、この図示例にあっては玄関に続くリビングルームを構成するようにしてある。
【0058】
このように構成される各屋内空間Aは、屋内空間Aの各使用態様、例えば、ホームパーテー用の広い屋内空間として構成したり、料理をしながらリビングルームで来客の接待をし得るようにしたり、接客用屋内空間と家庭用屋内空間とを画然と区分した態様に構成する等、各種の使用に適する屋内形態に変更して用いることができる。
【0059】
かかる仕切り体10をなすドア状仕切り体10’を仕切り予定境界面Bにおいて、双方またいずれか一方を停止状態に維持し得るようにしてあり、この仕切り予定境界面Bにおいて停止状態にドア状仕切り体10’を停止状態に維持することによって当該ドア状仕切り体10’による屋内空間Aの仕切りを効果的になすことができる。
【0060】
かかるドア状仕切り体10’を停止状態に維持する手段は、この仕切り予定境界面Bに当該ドア状仕切り体10’を停止状態に維持し得るものであれば、いかなる停止維持手段であってもよく、例えば、当該ドア状仕切り体10’を、床40や天井や壁や各種屋内造作や他方のドア状仕切り体10’等に対して各種の留めつけ手段を用いて留めつける等によってなすことができる。
【0061】
この図示例にあっては、前記仕切り予定境界面Bの任意の一つにおいて前記ドア状仕切り体10’の一方側を床40に固定し、この固定されたドア状仕切り体10’と開閉可能とされる他方のドア状仕切り体10’とによって、当該仕切り予定境界面Bを仕切るようにしてある。
【0062】
かかるドア状仕切り体10’の停止状態における維持並びに当該停止状態に維持されているドア状仕切り体10’の開閉は、例えば、図5〜図9に示される停止維持手段とドア状仕切り体10’の開閉手段とでなすことができる。
【0063】
この図示例にかかるドア状仕切り体10’を停止状態に維持する手段は、当該ドア状仕切り体10’に備えられているドアストッパー具31における上下動可能なストッパーロッド32で構成してあり、仕切り予定境界面Bに備えられているストッパー孔34に当該ストッパーロッド32を抜き差し可能に差し入れて当該ドア状仕切り体10’を停止状態に維持するようにしてある。かかるドアストッパー具31の典型例として各種の上げ落し具、例えば、フランス落し31’(通称彫込み猿、彫込み上げ下ろし金物等と称される。)を用いることができ、前記仕切り予定境界面Bに備えられているストッパー孔34としての受け具34a(通称つぼ受金物、受け皿等と称される。)に対して当該フランス落し31’のストッパーロッド32を摘み33の操作によって差し入れ、または、抜き出して、当該ドア状仕切り体10’を停止状態に維持したり、この停止状態を解除して回動可能にして用いるようにしてある。
【0064】
また、この図示例に係るドア状仕切り体10’にあっては、当該ドア状仕切り体10’相互の開け閉めに用いられるドア閉め具として空錠21が示されている。かかる空錠21は、ドア状仕切り体10’からラッチボルト24を常時外方に突き出すように付勢して備えており、このラッチボルト24の先端に接する他方ドア状仕切り体10’によってラッチボルト24を当該ドア状仕切り体10’内に押し込み、しかる後に、他方ドア状仕切り体10’のラッチ受け25に弾発押し入れられる構成としてある。
【0065】
この図示例にあっては、対をなして各仕切り予定境界面Bを仕切る各ドア状仕切り体10’、10’の双方に、先端にスプリング等の弾発付勢手段によって出没自在とされるラッチボルト24を備えたスライダー部材23を建具レバー22によって水平移動し得るようにした空錠21が備えられており、しかも、この各空錠21におけるラッチボルト24を三角ラッチ24a(いわゆる三角締り)として設けてある。かかる点から、前記フランス落し31’によって床40に固定されるドア状仕切り体10’側の空錠21におけるラッチボルト24は、当該フランス落し31’による床40に対する固定に際して、引き込み状態に維持される構成としてある。
【0066】
かかるスライダー部材23の操作によるラッチボルト24の引き込み状態での保持は、いかなる手段によってなされていてもよく、この図示例にあっては、建具レバー22を回動操作してラッチボルト24を備えたスライダー部材23を当該ドア状仕切り体10’の内方に向けて引き込み、このラッチボルト24をドア状仕切り体10’内に戻し切った状態を、前記フランス落し31’を構成しているストッパーロッド32によって維持し得るように構成してある。
【0067】
すなわち、この図示例にあっては、図6に示されるようにフランス落し31’におけるストッパーロッド32をドア状仕切り体10’の幅方向に幅の広い構成とし、このストッパーロッド32における建具レバー22側からドア状仕切り体10’の先端側10aに向けて前記ラッチボルト24の突き出し寸法よりも深い寸法の溝35を設けてある。そして、前記スライダー部材23には、下方に向けて延び、しかも、下端にドア状仕切り体10’の先端側10aに向けて屈曲する突き当たり片26aを備えた側面L字状のストッパー部材26を一体に設けてある。そして、図7に示されるように前記建具レバー22の回動に伴ってドア状仕切り体10’の内方に移動されるスライダー部材23の移動によって前記溝35内にあるストッパー部材26における突き当たり片26aが当該溝35から抜け出す構成としてあり、この状態で図8に示されるようにフランス落し31’のストッパーロッド32を前記受け具34aに向けて落とし込み操作することによって、突き当たり片26aは溝35部から移動して当該ストッパーロッド32における側端面に先端を接した状態に維持され、スライダー部材23におけるラッチボルト24がドア状仕切り体10’内に引き込まれた状態に維持される。
【0068】
また、このようにストッパーロッド32によってドア状仕切り体10’内に引き込み状態とされているラッチボルト24は、前記フランス落し31’のストッパーロッド32の引き上げによって、ストッパーロッド32の側端面に当接している前記突き当たり片26aを当該ストッパーロッド32における溝35内に入れ込み得る状態とし、建具レバー22の操作で当該ドア状仕切り体10’からの出没が可能とされる。
【0069】
この図示例にかかる仕切り体10としてのドア状仕切り体10’は、共有空間Adと、仕切り予定境界面Bを介して当該共有空間Adに連続されている各屋内空間Aとの間を、ほぼ、その全面に亘って塞ぐように構成してあり、床40面からほぼ天井41面に近接する位置まで延びるように設けてある。この結果、当該仕切り体10によって区分される屋内空間Aは、パーテーション等による仕切りと異なって、統一された一個の独立した屋内空間Aとして構成することができる。
【0070】
なお、前記各仕切り予定境界面Bは、主として間仕切り壁の側端縁部間を結ぶように構成してあるが、当該屋内空間Aを仕切るパーテーションや、各種の仕切り突壁や、仕切り家具等を基点にして前記仕切り予定境界面Bを構成するようにしてあってもよい。
【0071】
なお、前記仕切り予定境界面Bにおいて屋内空間Aの仕切りに用いられるドア状仕切り体10’は、その使い勝手の関係から、左右いずれの側のドア状仕切り体10’をも回動可能に設け得るように、その、いずれにも、空錠21とフランス落とし装置と、当該フランス落とし装置の受け金物とを備えた構成としてある。
【0072】
ついで図12は、前記住宅Hにおけるとほぼ同一の住宅Hにあって、リビング・ダイニングルーム101がほぼ長方形状とされており、第2の仕切り体10Bの備えられる仕切り壁114bー1が、仕切り予定境界面Bのほぼ半分を塞ぐドア状仕切り体10’を沿わせるに十分な横幅を備えていない状態のリビング・ダイニングルーム101としてある以外の構成を前記図1〜図11で示される住宅Hの構成と同一又は実質的に同一の構成としてある。
【0073】
従って、前記図1〜図11において示される住宅Hにおけると同一又は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0074】
かかる仕切り壁114bー1の仕切り端部114bー1’に備えられるドア状仕切り体10’は、当該突き出し仕切り壁114bー1の壁幅内に収まる折り畳みドア10”等の折り戸としてあり、他方のドア状仕切り体10’と共に引き延ばした当該折り畳みドア10”を用いて共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bを仕切り得るようにしてある。
【0075】
ついで、図13に示される住宅Hについて説明する。
この図13に示される住宅Hは、玄関ホール104部分とダイニングルーム103部分とが一連に構成してあり、当該玄関ホール104部分に階段106の上り下り口が設けてあり、しかも、当該玄関ホール104部分に続く階段106脇に沿うように洗面・洗濯スペース112とトイレットルーム110が連続して設けてあると共に、これらの設備に向き合った階段106の背面側に浴室111を備えた構成としてある。また、キッチンを備えたダイニングルーム103部分と玄関ホール104部分のなす屋内空間に開口部107を介してリビングルーム102を備える構成としてある。
【0076】
この図示例にあっては、リビングルーム102とダイニングルーム103部分との間にある間仕切り壁114dにおける開口部107側の仕切り端部114d’と、ダイニングルーム103部分にあって外壁から突き出されて当該ダイニングルーム103部分と洗面・洗濯スペース112等を仕切る間仕切り壁114eのなす屈曲位置としての仕切り端部114e’との間が第1の仕切り予定境界面Baとしてあり、このダイニングルーム103部分にあって外壁から突き出されて当該ダイニングルーム103部分と洗面・洗濯スペース112等を仕切る間仕切り壁114eの屈曲位置としての仕切り端部114e’と当該玄関ホール104部分の玄関113とリビングルーム102との間にある間仕切り壁114fにおける玄関ホール104部分側の仕切り端部114f’との間が第2の仕切り予定境界面Bbとしてあり、更に、当該玄関ホール104部分の玄関113とリビングルーム102との間にある間仕切り壁114fにおける玄関ホール104部分側の仕切り端部114f’とリビングルーム102とダイニングルーム103部分との間にある間仕切り壁114dにおける開口部107側の仕切り端部114d’との間が第3の仕切り予定境界面Bcとしてある。
【0077】
そして、この各仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正多角形の空間、この図示例にあっては仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正三角形をなす空間が共有空間Adとしてあり、この共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bの交差する側に、前記図1〜図11で示されると同様の仕切り体10が備えられており、同様にして前記玄関ホール104部分およびダイニングルーム103部分を含む屋内空間とリビングルーム102とを仕切り用いることができる。すなわち、共有空間Adにおける第1の仕切り予定境界面Baで仕切ることによって区分されたダイニングルームとされる第1の屋内空間Aaを構成することができ、共有空間Adにおける第2の仕切り予定境界面Bbで仕切ることによって区分された玄関ホール104とされる第2の屋内空間Abを構成することができ、更に、共有空間Adにおける第3の仕切り予定境界面Bcで仕切ることによって区分されたリビングルーム102とされる第3の屋内空間Acを構成することができる。
【0078】
この図示例に係る住宅Hは、前記構成以外の構成を前記図1〜図11で示される住宅Hの構成と同一又は実質的に同一の構成としてあり、同様に機能される。従って、前記図1〜図11で示された構成と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0079】
この図示例に係る住宅Hにあっては、前記各仕切り予定境界面Bにある各仕切り体10をそれぞれ壁114d、114e、114fに沿わせるようにした状態で第1の屋内空間Aa、第2の屋内空間Ab、第3の屋内空間Ac及び共有空間Adとを一連に連続した一個の屋内空間Aとして構成用いることができる。また、前記第1の仕切り予定境界面Baを仕切り体10で仕切ることによって第2の屋内空間Abと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなるリビングルームを構成し、しかも、これとは独立したダイニングルームを構成することができる。また、前記第2の仕切り予定境界面Bbを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなる大きめのリビング・ダイニングルームを玄関ホールと区分した状態で構成することができる。また、第3の仕切り予定境界面Bcを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第2の屋内空間Abとからなるリビング・ダイニングルームを別途独立しているリビングルームと別段に構成することができる。
【0080】
ついで、図14に示される住宅Hについて説明する。
この図14に示される住宅Hは、玄関ホール104部分と階段まわり空間105部分とが一連に構成してあり、この階段まわり部分に連続する廊下109からリビング・ダイニングルーム101に出入りし得るようにしてあると共に、当該廊下109の他方側に洗面・洗濯スペース112とトイレットルーム110を、更に洗面・洗濯スペース112を脱衣所として浴室111が連続して設けてあり、この玄関ホール104、階段まわり空間105および廊下109とリビング・ダイニングルーム101が間仕切り壁によって仕切り構成してある。
【0081】
この図示例にあっては、玄関ホール104とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114gの開口部107側の仕切り端部114g’と、玄関ホール104と階段まわり空間105との間にある外壁からの突き出し仕切り壁114hの仕切り端部114h’との間が第1の仕切り予定境界面Baとしてあり、この玄関ホール104と階段まわり空間105との間にある外壁からの突き出し仕切り壁114hの仕切り端部114h’と、階段まわり空間105とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114iの開口部107側の仕切り端部114i’との間が第2の仕切り予定境界面Bbとしてあり、更に、当該階段まわり空間105とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114iの開口部107側の仕切り端部114i’と玄関ホール104とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114gの開口部107側の仕切り端部114g’との間が第3の仕切り予定境界面Bcとしてある。
【0082】
そして、この各仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正多角形の空間、この図示例にあっては仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正三角形をなす空間が共有空間Adとしてあり、この共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bの交差する側に、前記図1〜図11で示されると同様の仕切り体10が備えられており、同様にして前記玄関ホール104部分および階段まわり空間105部分を含む屋内空間とリビング・ダイニングルーム101とを仕切り用いることができる。すなわち、共有空間Adにおける第1の仕切り予定境界面Baで仕切ることによって区分された玄関ホールとしての第1の屋内空間Aaを構成することができ、共有空間Adにおける第2の仕切り予定境界面Bbで仕切ることによって区分された階段まわり空間としての第2の屋内空間Abを構成することができ、更に、共有空間Adにおける第3の仕切り予定境界面Bcで仕切ることによって区分されたリビング・ダイニングルームとされる第3の屋内空間Acを構成することができる。
【0083】
この図示例に係る住宅Hは、前記構成以外の構成を前記図1〜図11で示される住宅Hの構成と同一又は実質的に同一の構成としてあり、同様に機能される。従って、前記図1〜図11で示された構成と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0084】
この図示例に係る住宅Hにあっては、前記各仕切り予定境界面Bにある各仕切り体10をそれぞれ壁114g、114h、114iに沿わせるようにした状態で第1の屋内空間Aa、第2の屋内空間Ab、第3の屋内空間Ac及び共有空間Adとを一連に連続した一個の屋内空間として構成用いることができる。また、前記第1の仕切り予定境界面Baを仕切り体10で仕切ることによって第2の屋内空間Abと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなるリビング。ダイニングルームを構成し、しかも、これとは独立した玄関ホールを構成することができる。また、前記第2の仕切り予定境界面Bbを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなる大きめのリビング・ダイニングルームを階段まわり空間と区分した状態で構成することができる。また、第3の仕切り予定境界面Bcを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第2の屋内空間Abとからなる玄関ホールおよび階段まわり空間を別途独立しているリビング・ダイニングルームと別段に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【図2】同一つの仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態を平面で示した構成図
【図3】同他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態を平面で示した構成図
【図4】同さらに他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態を平面で示した構成図
【図5】同典型的な仕切り体10を一部破断して示す要部斜視図
【図6】同典型的な仕切り体10を一部破断して示す要部側面図
【図7】同仕切り体10の建具レバーを操作した状態を一部破断して示す要部側面図
【図8】同仕切り体10のフランス落とし操作を一部破断して示す要部側面図
【図9】同仕切り体10の一部を破断して示す要部平面図
【図10】同仕切り体10を用いて屋内空間を仕切った一例を示す斜視図
【図11】同仕切り体10を用いて屋内空間を仕切った他の一例を示す斜視図
【図12】他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【図13】更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【図14】更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【符号の説明】
【0086】
H 住宅
B 仕切り予定境界面
A 屋内空間
Ad 共有空間
10 仕切り体
10a 先端側
10b 基端側
【技術分野】
【0001】
この発明は、リビングやダイニングや玄関ホールや階段まわり空間等の屋内空間を、その使い勝手によって各種形態の屋内空間に容易に変更して用い得るようにしてある住宅の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の日本家屋にあっては、各屋内空間を障子、板戸、ふすま等の各種建具を用いて仕切り用いると共に、大きな屋内空間を必要とする各種の行事等に際しては、当該各屋内空間を仕切っている建具を取り払って目的とする大きな空間を作り出して用い得るようにしてあった。
【0003】
かかる従来の日本家屋は、各室等が比較的開閉の容易な緩やかな建具等によって仕切られていたことから、家屋内にある各屋内空間は相互に関連しあって共有空間を構成し、和やかな居住空間を当該家屋にもたらし得る特長を備えていた。
【0004】
しかしながら、かかる従来の日本家屋にあっては、各屋内空間内において居住する際に、個々人のプライバシーを損なう不具合があった。
【0005】
ところで、近時の住宅構造にあっては、当該住宅内に設けられる各屋内空間は、各間仕切り壁等によってそれぞれに独立した居住空間等としてあり、この独立している各居住空間相互の往き来に際しては、各居住空間の開口部に設けられたドア等の建具の開閉によって行うようにしている。かかる開口部は、当該居住空間に出入りするに必要とされる大きさの開口部としてあり、家具等の搬入等のために当該開口部に子扉を設け、この子扉をフランス落しによって、必要に応じて固定状態に維持するようにしたものがある。(特許文献1)また、当該開口部に備えられるドア等の容易な開閉の手段としてラッチ錠等が用いられていた。(特許文献2)
【0006】
特許文献3に示される間仕切り装置にあっては、一つの部屋を複数の個別居住スペースとして用い得るようにする装置が提案されている。
【0007】
かかる間仕切り装置は、一つの大きな部屋を、複数の個別居住スペースとして用いる際に効果を有するものの、装置の設置に多くの手間と部材とを要し、また、当該仕切り装置によって区分されている各個別居住スペースの形態を他の形態の個別居住スペースに変更するためには、更に多くの作業手間等を要する不具合があった。
【0008】
特許文献4に示される住宅構造にあっては、廊下と、この廊下に隣接する部屋とを、当該廊下の二カ所を閉塞部材で遮断し、又は、当該遮断状態を解除することによって、廊下及び当該廊下に隣接する部屋を一つの部屋空間として用いたり、当該廊下と、当該廊下に隣接する部屋とをそれぞれの目的に対応して各別に用い得るようにした住宅構造が提案されている。
【0009】
しかしながら、かかる住宅構造は、廊下と当該廊下に隣接する部屋とは空間的に一つの空間としてあって、たんに廊下を二カ所において閉塞部材によって遮断し、当該廊下空間部分を含む部屋空間を構成し得るようにしたにすぎないものであり、住宅における屋内空間を各種の使用目的に対応する形態を備えた屋内空間に変更して用い得るものではなかった。
【0010】
また、住宅における屋内空間を可動仕切り手段としての折戸によって、随時、必要に応じて仕切り用いると共に、仕切り目的がなくなった場合や、当該屋内空間を大きく設定して用いる必要を生じた際などに、この折戸を壁隅等に寄せ付けるようにしたものがある。
【0011】
かかる仕切り手段としての折戸は、屋内空間を目的とする区画に容易に仕切り用いることができ、また、仕切り用いられている当該折戸を壁等に寄せ付けて容易に大きな屋内空間に変更できる利点を有している。
【0012】
しかしながら、かかる仕切り手段としての折戸は、壁等に寄せ付けた際に、嵩張る不具合があり、また、ガイドレール等の案内手段を設ける必要があり、床面に設置されるガイドレールが歩行等の妨げとなったり、天井側に設置されるガイドレールが屋内空間の空間的な広がり感を妨げる等の不具合があった。
【特許文献1】特開平8−135260号
【特許文献2】特開2005−105730
【特許文献3】特開平7−139063号
【特許文献4】特開平11−62276号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように限られた屋内空間を効果的に仕切ると共に、適切にプライバシー等の保護された状態において、当該仕切られた各屋内空間を有効に用いたり、必要に応じて当該仕切り手段の撤去や、当該仕切り手段の仕切り区分の変更等によって、当該屋内空間をそれぞれの使用目的に対応した都合の良い形態にして用いる必要があった。
【0014】
しかしながら、かかる条件を満たす仕切り手段であって、しかも、容易に、屋内空間を仕切り得ると共に、当該仕切り手段の撤去や、仕切り態様の変更等を容易になし得る仕切り手段を備えた住宅はなかった。
【0015】
かかる点から、屋内空間を必要に応じて、その使用目的に対応するように仕切り用い得ると共に、その使用目的に対応してそれぞれの屋内空間を容易に仕切り変更して用い得る住宅の提供が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は、前記課題を解決するために、複数の仕切り予定境界面で囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間と、この共有空間の各仕切り予定境界面で当該共有空間に連続する屋内空間とを備える住宅であって、
前記共有空間の仕切り予定境界面で当該仕切り予定境界面を仕切る仕切り体が、その基端側で回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面の横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体の先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面で前記共有空間と屋内空間とを仕切り得るようにしてあることを特徴とする住宅としてある。
【0017】
このように構成される住宅にあっては、仕切り体の回動操作のみによって共有空間と当該共有空間に連続する各屋内空間とを一連に連続する一個の屋内空間として構成したり、各仕切り予定境界面において仕切り区分することによって各態様の仕切り屋内空間として構成することができ、それぞれの使用目的に対応した態様での使用を可能としている。
【0018】
ついで、前記構成に係る住宅にあって、先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面を仕切る一対の仕切り体における一方の仕切り体を、当該仕切り予定境界面に停止状態に維持し得るようにしてあることを特徴とする住宅では、前記特長に併せて、一方の停止状態に維持されている仕切り体との間で他方の仕切り体を仕切り予定境界面において都合の良い出入り手段として構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る住宅は、各仕切り体を仕切り予定境界面から壁際等に回動させることによって当該共有空間及びこの共有空間に連続している各屋内空間を一連に連通した一個の屋内空間として構成し得ると共に、当該仕切り体を用いて任意の仕切り予定境界面で共有空間と当該共有空間に連続されている屋内空間とを仕切ることによって各態様の屋内空間として構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図1〜図14に基づいて、この発明を実施するための最良の形態に係る住宅Hについて説明する。
【0021】
なお、ここで図1は当該発明を実施するための最良の形態に住宅Hを、当該住宅Hにおける各仕切り予定境界面Bに備えられる各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態で、また、図2では、一つの仕切り予定境界面Bを仕切り体10によって仕切った状態で、図3では、他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態で、図4では、さらに他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態で、それぞれ上面から見て示している。図5は、典型的な仕切り体10を一部破断し、その要部を斜め上方から、図6は同仕切り体10を一部破断した状態を側面から、図7は、同仕切り体10の建具レバーの操作状態を仕切り体10の一部を破断して側面から、図8は、仕切り体10のフランス落としの操作を仕切り体10の一部を破断して側面から、図9は、同仕切り体10の要部を破断して上面から、それぞれ見て示している。図10は、同仕切り体10を用いて屋内空間Aを仕切った一例を斜視の状態で、図11は、更に、他の仕切り状態を斜視の状態で示している。図12は、他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を、図13では、更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を、図14では、更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を、それぞれ上方から見て示している。
【0022】
この発明を実施するための最良の形態に係る住宅Hは、複数の仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間Ad、すなわち、平面視が正多角形をなすように各仕切り予定境界面Bで囲まれた共有空間Adと、この共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備える住宅であって、前記共有空間Adの仕切り予定境界面Bで当該仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bで前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るように構成してある。
【0023】
このように構成される住宅Hにあっては、仕切り体10の回動操作のみによって共有空間Adと当該共有空間Adに連続する各屋内空間Aとを一連に連続する一個の屋内空間として構成したり、各仕切り予定境界面Bにおいて仕切り区分することによって各態様の仕切り屋内空間Aとして構成することができ、それぞれの使用目的に対応した態様で使用することができる。
【0024】
また、前記構成に係る住宅Hにあって、先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bを仕切る一対の仕切り体10における一方の仕切り体10を、当該仕切り予定境界面Bに停止状態に維持し得るようにした住宅Hでは、一方の停止状態に維持されている仕切り体10との間で他方の仕切り体10を仕切り予定境界面Bにおける都合の良い出入り手段として構成することができる。
【0025】
かかる住宅Hに備えられる共有空間Adは、当該共有空間Adを構成する各仕切り予定境界面Bで囲まれて、平面視が正三角形、正四角形、正五角形、正六角形…正n角形の正多角形とされており、しかも、この共有空間Adに、当該共有空間Adを構成する各仕切り予定境界面Bで連続する各屋内空間Aを備えたものであれば、いかなる形態からなるものであってもよい。
【0026】
かかる共有空間Adと前記各仕切り予定境界面Bを介して当該共有空間Adに連続されている屋内空間Aとは、この仕切り予定境界面Bによって構成される共有空間Adが平面視で正多角形をなし、しかも、この各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続される屋内空間Aとの間を前記仕切り体10を用いて仕切り得る構成のものであれば、いかなる形態のものであってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aと共有空間Adとをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間Aの一種類または複数種類によって構成することができる。また、前記仕切り予定境界面Bで仕切り体10によって共有空間Adと仕切り構成される屋内空間Aは、いかなる形態の屋内空間Aであってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間Aとして用いることができる。
【0027】
このようにして構成される住宅Hにあっては、隣り合う仕切り予定境界面Bの交差する側で、基端側10bを回動可能に備えられている仕切り体10を仕切り予定境界面Bから離して当該仕切り体10の備えられている壁等に添わせる等して、各仕切り予定境界面B、B…を介して共有空間Adに連続されている各屋内空間A、A…と共有空間Adとを一連に連続した1個の屋内空間として構成することができる。
【0028】
また、互いに隣り合っている一対の仕切り体10、10を用いて任意の一つの仕切り予定境界面Bで共有空間Adと当該共有空間Adに連続されている屋内空間Aとを仕切ることによって、当該共有空間Adから区分された屋内空間Aと、この屋内空間Aを除く他の屋内空間及び共有空間Adとが構成する一連に連続されている一個の屋内空間とに区分して用いることができる。
【0029】
また、仕切り予定境界面Bで囲まれて構成される平面視が正四角形以上の正多角形をなす共有空間Adを備える住宅Hにあっては、互いに隣り合っている仕切り体10,10を用いて、共有空間Adを構成する任意の一つ以上の仕切り予定境界面Bで、当該共有空間Adと、これに連続している屋内空間Aとを仕切って、各種の形態の屋内空間を構成するようにして用いることができる。
【0030】
例えば、三つの仕切り予定境界面Bに囲まれて、平面視が正三角形をなす共有空間Adを備えた住宅Hにあっては、第1の仕切り予定境界面Baを介して共有空間Adに連続されている第1の屋内空間Aaと、第2の仕切り予定境界面Bbを介して共有空間Adに連続されている第2の屋内空間Abと、第3の仕切り予定境界面Bcを介して共有空間Adに連続されている第3の屋内空間Acとを備える構成としてある。
【0031】
かかる構成からなる住宅Hにあっては、隣り合う仕切り予定境界面Bの交差する側で、基端側10bを回動可能に備えられている仕切り体10を仕切り予定境界面Bから離して当該仕切り体10の備えられている壁等に添わせる等して、第1の屋内空間Aa、第2の屋内空間Ab及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間を構成して用いることができる。また、前記一対の仕切り体10,10を用いて第1の仕切り予定境界面Baで共有空間Aaと当該第1の屋内空間Aaとを仕切ることによって第2の屋内空Ab及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第1の屋内空間Abとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第2の仕切り予定境界面Bbで共有空間Adと第2の屋内空間Abとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第2の屋内空間Abとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第3の仕切り予定境界面Bcで共有空間Adと第3の屋内空間Acとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第2の屋内空間Abとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第3の屋内空間Acとに仕切って用いることができる。
【0032】
また、前記仕切り体10は、前記仕切り予定境界面Bの交差する側で、その基端側10bを回動可能に備えられており、しかも、横幅が前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあり、互いに隣りあっている一対の仕切り体10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面で前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るものであれば、いかなる形態からなるものであっても、また、いかなる形態で備えられていてもよい。
【0033】
すなわち、平面視で正多角形をなす共有空間Adにおいて互いに隣り合っている仕切り予定境界面Bの交差する側にそれぞれ一個の仕切り体10が、その基端側10bを位置づけて、この基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、この各仕切り体10Aが、その横幅を各仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてある。
【0034】
例えば、平面視で正三角形をなす共有空間Adを備える住宅Hにあっては、当該共有空間Adにおける第1の仕切り予定境界面Baと第3の仕切り予定境界面Bcとが交差する側に基端側10bを位置づけて、この基端側10bで回動可能に備えられる第1の仕切り体10Aと、第1の仕切り予定境界面Baと第2の仕切り予定境界面Bbとの交差する側に基端側10bを位置づけてこの基端側10bで回動可能に備えられる第2の仕切り体10Bと、第2の仕切り予定境界面Bbと第3の仕切り予定境界面Bcとが交差する側に基端側10bを位置づけて、この基端側10bで回動可能に備えられる第3の仕切り体10Cとを有し、しかも、この第1の仕切り体10Aが、その横幅を第1の仕切り予定境界面Baの横幅及び第3の仕切り予定境界面Bcの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてあり、また、第2の仕切り体10Bが、その横幅を第1の仕切り予定境界面Baの横幅及び第2の仕切り予定境界面Bbの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてあり、また、第3の仕切り体10Cが、その横幅を第2の仕切り予定境界面Bbの横幅及び第3の仕切り予定境界面Bcの横幅のほぼ半分の横幅寸法としてある。
【0035】
また、かかる仕切り体10は、木材製、金属材製、木材と紙等の複数素材からなる複合材製等、いかなる素材からなるものであってもよい。また、かかる仕切り体10は、板目状化粧面、クロス仕上げ状化粧面、金属プレート状化粧面、ふすま状化粧面、障子状化粧面等の各種の化粧面を備えたものとして構成することができる。
【0036】
また、かかる仕切り体10は、例えば、ドア等の開き戸タイプの仕切り体10、複数葉からなる観音開き折れ戸タイプの仕切り体10等いかなる形態の仕切り体10であってもよい。
【0037】
かかる仕切り体10は、例えば、ボード材からなる扉状体、パネル材からなる扉状体、枠材からなる扉状体、枠材に紙を貼り付けた障子様の扉状体、枠材の両面に紙やクロス等を貼り付けた襖様の扉状体等いかなる構成からなるものであってもよい。
【0038】
また、互いに先端側10aを接して屋内空間Aを仕切る一対の仕切り体10における一方の仕切り体10を、当該屋内空間Aの仕切り予定境界面Bに停止状態に維持する手段は、この仕切り体10を当該仕切り予定境界面Bに維持し得るものであれば、いかなる手段であってもよく、例えば、当該固定される側の仕切り体10を前記仕切り予定境界面Bに停止状態に位置づける各種のストッパー手段によって、当該仕切り体10を仕切り予定境界面Bに停止状態に維持することができる。
【0039】
かかるストッパー手段は、前記固定される側の仕切り体10を床、天井、壁等に対して停止状態に維持し得るストッパー機能を有するものであれば、いかなる形態のストッパー手段であってもよく、例えば、仕切り体10と床40との双方にあって、一方の側に備えられているストッパー受けに対して、他方の側に備えられているストッパー部材を入れ込んで当該仕切り体10を停止状態に維持したり、双方に備えられている係脱可能な掛合具を互いに引っ掛けて当該仕切り体10を停止状態に維持したり、別段に用意されるストッパー部材によって当該仕切り体10を床40に対して停止状態に維持する等適宜のストッパー手段を用いることができる。
【0040】
まず、図1〜図11に示される当該発明を実施するための最良の一形態に係る住宅Hについて説明する
【0041】
この図1〜図11に示される住宅Hは、各仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間Ad、この図示例にあっては、三つの仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正三角形をなす共有空間Adと、この共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備える住宅Hであって、前記共有空間Adの仕切り予定境界面Bで当該仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bで回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10、10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面で前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るように構成してある。
【0042】
かかる図示例の住宅Hは、三つの仕切り予定境界面Bで囲まれて平面視が正三角形をなす共有空間Adと、この共有空間Adの各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続する屋内空間Aとを備えていると共に、この共有空間Adにおける各隅部に仕切り体10の基端側10bを回動可能に備え付け得る仕切り端部が設けてあり、この各仕切り端部にそれぞれ一個の仕切り体10を備えるようにしてある。そして、前記共有空間Adの仕切り予定境界面Bで当該仕切り予定境界面Bを仕切る仕切り体10が、その基端側10bを前記仕切り端部に回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体10、10の先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面で前記共有空間Adと屋内空間Aとを仕切り得るように構成してある。
【0043】
このように構成される住宅Hにあっては、仕切り体10の回動操作のみによって共有空間Adと当該共有空間Adに連続する各屋内空間Aとを一連に連続する一個の屋内空間Aとして構成したり、各仕切り予定境界面Bにおいて仕切り区分することによって三態様の仕切り屋内空間Aとして構成することができ、それぞれの使用目的に対応した態様で使用することができる。また、かかる仕切り体10による仕切りに際して、床や天井等にレールその他のガイド手段を設ける必要がなく、すっきりとした屋内空間を構成することができる。
【0044】
また、前記構成に係る住宅Hにあって、先端側10aを接し合わせて前記仕切り予定境界面Bの任意の一つの面を仕切る一対の仕切り体10における一方の仕切り体10を、当該仕切り予定境界面Bに停止状態に維持し得るようにした住宅Hでは、一方の停止状態に維持されている仕切り体10との間で他方の仕切り体10を仕切り予定境界面Bにおける都合の良い出入り手段として構成することができる。
【0045】
かかる共有空間Adと前記各仕切り予定境界面Bを介して連続されている屋内空間A、すなわち、第1の仕切り予定境界面Baを介して共有空間Adに連続されている第1の屋内空間Aaと、第2の仕切り予定境界面Bbを介して共有空間Adに連続されている第2の屋内空間Abと、第3の仕切り予定境界面Bcを介して共有空間Adに連続されている第3の屋内空間Acと、前記共有空間Adとは、この仕切り予定境界面Bによって構成される共有空間Adが平面視で正三角形をなし、しかも、この各仕切り予定境界面Bで当該共有空間Adに連続される屋内空間Aとの間を前記仕切り体10を用いて仕切り得る構成のものであれば、いかなる形態のものであってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aと共有空間Adとをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間Aの一種類または複数種類によって構成することができる。また、前記仕切り予定境界面Bで仕切り体10によって共有空間Adと仕切り構成される屋内空間Aは、いかなる形態の屋内空間であってもよく、例えば、これらの各屋内空間Aをリビングルームや、ダイニングルームや、リビング・ダイニングルームや、玄関ホールや、階段まわり空間等の各種の屋内空間として用いることができる。
【0046】
このようにして構成される住宅Hにあっては、前記共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bの交差する側に基端側10bで回動可能に備えられている仕切り体10を仕切り予定境界面Bから離して当該仕切り体10の備えられている壁等に添わせる等して、第1の仕切り予定境界面Baを介して共有空間Adに連続されている第1の屋内空間Aaと、第2の仕切り予定境界面Bbを介して共有空間Adに連続されている第2の屋内空間Abと、第3の仕切り予定境界面Bcを介して共有空間Adに連続されている第3の屋内空間Acと、前記共有空間Adとを、一連に連続した1個の屋内空間として構成することができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第1の仕切り境界面で共有空間Adと第1の屋内空間Aaとを仕切ることによって、第2の屋内空間Ab及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第1の屋内空間Aaとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第2の仕切り予定境界面Bbで共有空間Adと第2の屋内空間Abとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第3の屋内空間Acとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第2の屋内空間Abとに仕切って用いることができる。また、前記一対の仕切り体10、10を用いて第3の仕切り予定境界面Bcで共有空間Adと第3の屋内空間Acとを仕切ることによって、第1の屋内空間Aa及び共有空間Ad並びに第2の屋内空間Abとからなる一連に連続した1個の屋内空間と、当該第3の屋内空間Acとに仕切って用いることができる。
【0047】
この図示例に係る住宅Hは、当該住宅Hの一階部分にドア状仕切り体10’として構成される前記仕切り体10を設けたものであって、玄関ドアを備えた玄関ホール104から各ドアによってリビングルーム102とキッチンを備えたリビング・ダイニングルーム101とに出入りし得るようにしてあると共に、このリビングルーム102から引き戸を介して階段スペースをなす廊下109に出入りし得るようにしてあり、また、当該廊下109に引き戸を介して前記リビング・ダイニングルーム101から出入りし得るようにしてある。
【0048】
かかる廊下109に階段106が設けてあると共に、ドアを介してトイレットルーム110に、また、引き戸を介して洗面・洗濯スペース112に出入りし得るようにしてあり、しかも、この洗面・洗濯スペース112を脱衣室として折り戸を介して浴室111に出入りし得るように構成してある。
【0049】
また、前記リビングルーム102におけるリビング・ダイニングルーム101との境界部分は、その全幅にわたって開口した開口部107を設けてあり、このリビング・ダイニングルーム101とリビングルーム102間に間仕切り壁等の固定的な仕切り手段を備えていない構成としてある。
【0050】
そして、前記リビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’と、リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’との間を塞ぐ第1の仕切り予定境界面Baと、
前記リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’と、前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’との間を塞ぐ第2の仕切り予定境界面Bbと、
このリビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’と、このリビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’との間を塞ぐ第3の仕切り予定境界面Bcとで囲まれる空間が平面視で正三角形の共有空間Adをなすようにしてある。
【0051】
そして、この平面視で正三角形をなす共有空間Adを構成する第1の仕切り予定境界面Baで前記リビング・ダイニングルーム101が区分されて、この図示例にあってはダイニングルームを構成する第1の屋内空間Aaとしてある。また、当該共有空間Adを構成する第2の仕切り予定境界面Bbで前記リビング・ダイニングルーム101が区分されて、この図示例にあってはリビングルームを構成する第2の屋内空間Abとしてある。また、当該共有空間Adを構成する第3の仕切り予定境界面Bcで前記リビング・ダイニングルーム101とリビングルーム102とが区分されて、この図示例にあってはリビングルームを構成する第3の屋内空間Acとしてある。
【0052】
このように構成される共有空間Adの各仕切り予定境界面Bの交差する側、すなわち、第1の仕切り予定境界面Baと第3の仕切り予定境界面Bcの交差する側、この図示例にあっては前記リビング・ダイニングルーム101と廊下109との間にある仕切り壁114aにおけるリビングルーム102側の仕切り端部114a’に第1の仕切り体10Aとしてのドア状仕切り体10’を回動可能に設けてある。そして、第1の仕切り予定境界面Baと第2の仕切り予定境界面Bbとの交差する側、この図示例にあってはリビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’に第2の仕切り体10Bとしてのドア状仕切り体10’を回動可能に設けてある。さらに、第2の仕切り予定境界面Bbと第3の仕切り予定境界面Bcとの交差する側、この図示例にあっては前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’に第3の仕切り体10Cとしてのドア状仕切り体10’を回動可能に設けてある。
【0053】
そして、この第1の仕切り体10Aと、第2の仕切り体10Bと、第3の仕切り体10Cとは、いずれも、その横幅寸法をほぼ同一としてあり、その横幅を、各仕切り予定境界面Bの横幅のほぼ半分の寸法をなすようにしてある。
すなわち、前記リビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’及び前記リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’との間の間隔、
前記リビング・ダイニングルーム101の外壁から当該リビング・ダイニングルーム101に突き出されている仕切り壁114bの突き出し仕切り端部114b’及び前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’との間の間隔、
前記リビングルーム102と前記玄関ホール104との間の間仕切り壁114cにおけるリビング・ダイニングルーム101側の仕切り端部114c’及び前記リビング・ダイニングルーム101と前記廊下109との間の間仕切り壁114aにおける当該リビングルーム102側の仕切り端部114a’との間の間隔の、それぞれほぼ半分の横幅寸法に構成してある。
【0054】
かかる各仕切り体10であるドア状仕切り体10’を、第1の屋内空間Aaと廊下109との間にある仕切り壁114a、第2の屋内空間Abにあってリビング・ダイニングルーム101に突き出している仕切り壁114b、第3の屋内空間Acにあって玄関ホール104との間にある仕切り壁114cにそれぞれ沿わせるようにして(図1の状態)、共有空間Adを構成する各仕切り予定境界面Bを開放状態にすることによって、第1の屋内空間Aaと第2の屋内空間Abと第3の屋内空間Acとはそれぞれ共有空間Adを介して連続した一個の屋内空間とされる。すなわち、当該仕切り体10であるドア状仕切り体10’を用いていない状態におけるリビング・ダイニングルーム101とリビングルーム102とが一連に連続した一個の屋内空間をなすようにすることができる。
【0055】
ついで、前記第1の屋内空間Aaと共有空間Adとの間で仕切り体10としてのドア状仕切り体10’を用いて図2に示すように当該第1の仕切り予定境界面Baを仕切ることによって、第1の屋内空間Aaが共有空間Ad及び第2の屋内空間Ab並びに第3の屋内空間Acの構成する一連に連続したリビングルームから独立した屋内空間とされており、この図示例にあってはチッキン108を備えたダイニングルームを構成するようにしてある。
【0056】
また、前記第2の屋内空間Abと共有空間Adとの間で仕切り体10であるドア状仕切り体10’を用いて当該第2の仕切り予定境界面Bbを図3に示すように仕切ることで、この第2の屋内空間Abが共有空間Ad及び第1の屋内空間Aa並びに第3の屋内空間Acの構成する一連に連続したリビング・ダイニングルームから独立した屋内空間とされており、この図示例にあっては玄関に続くリビングルームを構成するようにしてある。
【0057】
また、前記第3の屋内空間Acと共有空間Adとの間で仕切り体10であるドア状仕切り体10’を用いて当該第3の仕切り予定境界面Bcを図4に示すように仕切ることで、この第3の屋内空間Acが共有空間Ad及び第1の屋内空間Aa並びに第2の屋内空間Abの構成する一連に連続したリビング・ダイニングルームから独立した屋内空間Aとされており、この図示例にあっては玄関に続くリビングルームを構成するようにしてある。
【0058】
このように構成される各屋内空間Aは、屋内空間Aの各使用態様、例えば、ホームパーテー用の広い屋内空間として構成したり、料理をしながらリビングルームで来客の接待をし得るようにしたり、接客用屋内空間と家庭用屋内空間とを画然と区分した態様に構成する等、各種の使用に適する屋内形態に変更して用いることができる。
【0059】
かかる仕切り体10をなすドア状仕切り体10’を仕切り予定境界面Bにおいて、双方またいずれか一方を停止状態に維持し得るようにしてあり、この仕切り予定境界面Bにおいて停止状態にドア状仕切り体10’を停止状態に維持することによって当該ドア状仕切り体10’による屋内空間Aの仕切りを効果的になすことができる。
【0060】
かかるドア状仕切り体10’を停止状態に維持する手段は、この仕切り予定境界面Bに当該ドア状仕切り体10’を停止状態に維持し得るものであれば、いかなる停止維持手段であってもよく、例えば、当該ドア状仕切り体10’を、床40や天井や壁や各種屋内造作や他方のドア状仕切り体10’等に対して各種の留めつけ手段を用いて留めつける等によってなすことができる。
【0061】
この図示例にあっては、前記仕切り予定境界面Bの任意の一つにおいて前記ドア状仕切り体10’の一方側を床40に固定し、この固定されたドア状仕切り体10’と開閉可能とされる他方のドア状仕切り体10’とによって、当該仕切り予定境界面Bを仕切るようにしてある。
【0062】
かかるドア状仕切り体10’の停止状態における維持並びに当該停止状態に維持されているドア状仕切り体10’の開閉は、例えば、図5〜図9に示される停止維持手段とドア状仕切り体10’の開閉手段とでなすことができる。
【0063】
この図示例にかかるドア状仕切り体10’を停止状態に維持する手段は、当該ドア状仕切り体10’に備えられているドアストッパー具31における上下動可能なストッパーロッド32で構成してあり、仕切り予定境界面Bに備えられているストッパー孔34に当該ストッパーロッド32を抜き差し可能に差し入れて当該ドア状仕切り体10’を停止状態に維持するようにしてある。かかるドアストッパー具31の典型例として各種の上げ落し具、例えば、フランス落し31’(通称彫込み猿、彫込み上げ下ろし金物等と称される。)を用いることができ、前記仕切り予定境界面Bに備えられているストッパー孔34としての受け具34a(通称つぼ受金物、受け皿等と称される。)に対して当該フランス落し31’のストッパーロッド32を摘み33の操作によって差し入れ、または、抜き出して、当該ドア状仕切り体10’を停止状態に維持したり、この停止状態を解除して回動可能にして用いるようにしてある。
【0064】
また、この図示例に係るドア状仕切り体10’にあっては、当該ドア状仕切り体10’相互の開け閉めに用いられるドア閉め具として空錠21が示されている。かかる空錠21は、ドア状仕切り体10’からラッチボルト24を常時外方に突き出すように付勢して備えており、このラッチボルト24の先端に接する他方ドア状仕切り体10’によってラッチボルト24を当該ドア状仕切り体10’内に押し込み、しかる後に、他方ドア状仕切り体10’のラッチ受け25に弾発押し入れられる構成としてある。
【0065】
この図示例にあっては、対をなして各仕切り予定境界面Bを仕切る各ドア状仕切り体10’、10’の双方に、先端にスプリング等の弾発付勢手段によって出没自在とされるラッチボルト24を備えたスライダー部材23を建具レバー22によって水平移動し得るようにした空錠21が備えられており、しかも、この各空錠21におけるラッチボルト24を三角ラッチ24a(いわゆる三角締り)として設けてある。かかる点から、前記フランス落し31’によって床40に固定されるドア状仕切り体10’側の空錠21におけるラッチボルト24は、当該フランス落し31’による床40に対する固定に際して、引き込み状態に維持される構成としてある。
【0066】
かかるスライダー部材23の操作によるラッチボルト24の引き込み状態での保持は、いかなる手段によってなされていてもよく、この図示例にあっては、建具レバー22を回動操作してラッチボルト24を備えたスライダー部材23を当該ドア状仕切り体10’の内方に向けて引き込み、このラッチボルト24をドア状仕切り体10’内に戻し切った状態を、前記フランス落し31’を構成しているストッパーロッド32によって維持し得るように構成してある。
【0067】
すなわち、この図示例にあっては、図6に示されるようにフランス落し31’におけるストッパーロッド32をドア状仕切り体10’の幅方向に幅の広い構成とし、このストッパーロッド32における建具レバー22側からドア状仕切り体10’の先端側10aに向けて前記ラッチボルト24の突き出し寸法よりも深い寸法の溝35を設けてある。そして、前記スライダー部材23には、下方に向けて延び、しかも、下端にドア状仕切り体10’の先端側10aに向けて屈曲する突き当たり片26aを備えた側面L字状のストッパー部材26を一体に設けてある。そして、図7に示されるように前記建具レバー22の回動に伴ってドア状仕切り体10’の内方に移動されるスライダー部材23の移動によって前記溝35内にあるストッパー部材26における突き当たり片26aが当該溝35から抜け出す構成としてあり、この状態で図8に示されるようにフランス落し31’のストッパーロッド32を前記受け具34aに向けて落とし込み操作することによって、突き当たり片26aは溝35部から移動して当該ストッパーロッド32における側端面に先端を接した状態に維持され、スライダー部材23におけるラッチボルト24がドア状仕切り体10’内に引き込まれた状態に維持される。
【0068】
また、このようにストッパーロッド32によってドア状仕切り体10’内に引き込み状態とされているラッチボルト24は、前記フランス落し31’のストッパーロッド32の引き上げによって、ストッパーロッド32の側端面に当接している前記突き当たり片26aを当該ストッパーロッド32における溝35内に入れ込み得る状態とし、建具レバー22の操作で当該ドア状仕切り体10’からの出没が可能とされる。
【0069】
この図示例にかかる仕切り体10としてのドア状仕切り体10’は、共有空間Adと、仕切り予定境界面Bを介して当該共有空間Adに連続されている各屋内空間Aとの間を、ほぼ、その全面に亘って塞ぐように構成してあり、床40面からほぼ天井41面に近接する位置まで延びるように設けてある。この結果、当該仕切り体10によって区分される屋内空間Aは、パーテーション等による仕切りと異なって、統一された一個の独立した屋内空間Aとして構成することができる。
【0070】
なお、前記各仕切り予定境界面Bは、主として間仕切り壁の側端縁部間を結ぶように構成してあるが、当該屋内空間Aを仕切るパーテーションや、各種の仕切り突壁や、仕切り家具等を基点にして前記仕切り予定境界面Bを構成するようにしてあってもよい。
【0071】
なお、前記仕切り予定境界面Bにおいて屋内空間Aの仕切りに用いられるドア状仕切り体10’は、その使い勝手の関係から、左右いずれの側のドア状仕切り体10’をも回動可能に設け得るように、その、いずれにも、空錠21とフランス落とし装置と、当該フランス落とし装置の受け金物とを備えた構成としてある。
【0072】
ついで図12は、前記住宅Hにおけるとほぼ同一の住宅Hにあって、リビング・ダイニングルーム101がほぼ長方形状とされており、第2の仕切り体10Bの備えられる仕切り壁114bー1が、仕切り予定境界面Bのほぼ半分を塞ぐドア状仕切り体10’を沿わせるに十分な横幅を備えていない状態のリビング・ダイニングルーム101としてある以外の構成を前記図1〜図11で示される住宅Hの構成と同一又は実質的に同一の構成としてある。
【0073】
従って、前記図1〜図11において示される住宅Hにおけると同一又は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0074】
かかる仕切り壁114bー1の仕切り端部114bー1’に備えられるドア状仕切り体10’は、当該突き出し仕切り壁114bー1の壁幅内に収まる折り畳みドア10”等の折り戸としてあり、他方のドア状仕切り体10’と共に引き延ばした当該折り畳みドア10”を用いて共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bを仕切り得るようにしてある。
【0075】
ついで、図13に示される住宅Hについて説明する。
この図13に示される住宅Hは、玄関ホール104部分とダイニングルーム103部分とが一連に構成してあり、当該玄関ホール104部分に階段106の上り下り口が設けてあり、しかも、当該玄関ホール104部分に続く階段106脇に沿うように洗面・洗濯スペース112とトイレットルーム110が連続して設けてあると共に、これらの設備に向き合った階段106の背面側に浴室111を備えた構成としてある。また、キッチンを備えたダイニングルーム103部分と玄関ホール104部分のなす屋内空間に開口部107を介してリビングルーム102を備える構成としてある。
【0076】
この図示例にあっては、リビングルーム102とダイニングルーム103部分との間にある間仕切り壁114dにおける開口部107側の仕切り端部114d’と、ダイニングルーム103部分にあって外壁から突き出されて当該ダイニングルーム103部分と洗面・洗濯スペース112等を仕切る間仕切り壁114eのなす屈曲位置としての仕切り端部114e’との間が第1の仕切り予定境界面Baとしてあり、このダイニングルーム103部分にあって外壁から突き出されて当該ダイニングルーム103部分と洗面・洗濯スペース112等を仕切る間仕切り壁114eの屈曲位置としての仕切り端部114e’と当該玄関ホール104部分の玄関113とリビングルーム102との間にある間仕切り壁114fにおける玄関ホール104部分側の仕切り端部114f’との間が第2の仕切り予定境界面Bbとしてあり、更に、当該玄関ホール104部分の玄関113とリビングルーム102との間にある間仕切り壁114fにおける玄関ホール104部分側の仕切り端部114f’とリビングルーム102とダイニングルーム103部分との間にある間仕切り壁114dにおける開口部107側の仕切り端部114d’との間が第3の仕切り予定境界面Bcとしてある。
【0077】
そして、この各仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正多角形の空間、この図示例にあっては仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正三角形をなす空間が共有空間Adとしてあり、この共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bの交差する側に、前記図1〜図11で示されると同様の仕切り体10が備えられており、同様にして前記玄関ホール104部分およびダイニングルーム103部分を含む屋内空間とリビングルーム102とを仕切り用いることができる。すなわち、共有空間Adにおける第1の仕切り予定境界面Baで仕切ることによって区分されたダイニングルームとされる第1の屋内空間Aaを構成することができ、共有空間Adにおける第2の仕切り予定境界面Bbで仕切ることによって区分された玄関ホール104とされる第2の屋内空間Abを構成することができ、更に、共有空間Adにおける第3の仕切り予定境界面Bcで仕切ることによって区分されたリビングルーム102とされる第3の屋内空間Acを構成することができる。
【0078】
この図示例に係る住宅Hは、前記構成以外の構成を前記図1〜図11で示される住宅Hの構成と同一又は実質的に同一の構成としてあり、同様に機能される。従って、前記図1〜図11で示された構成と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0079】
この図示例に係る住宅Hにあっては、前記各仕切り予定境界面Bにある各仕切り体10をそれぞれ壁114d、114e、114fに沿わせるようにした状態で第1の屋内空間Aa、第2の屋内空間Ab、第3の屋内空間Ac及び共有空間Adとを一連に連続した一個の屋内空間Aとして構成用いることができる。また、前記第1の仕切り予定境界面Baを仕切り体10で仕切ることによって第2の屋内空間Abと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなるリビングルームを構成し、しかも、これとは独立したダイニングルームを構成することができる。また、前記第2の仕切り予定境界面Bbを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなる大きめのリビング・ダイニングルームを玄関ホールと区分した状態で構成することができる。また、第3の仕切り予定境界面Bcを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第2の屋内空間Abとからなるリビング・ダイニングルームを別途独立しているリビングルームと別段に構成することができる。
【0080】
ついで、図14に示される住宅Hについて説明する。
この図14に示される住宅Hは、玄関ホール104部分と階段まわり空間105部分とが一連に構成してあり、この階段まわり部分に連続する廊下109からリビング・ダイニングルーム101に出入りし得るようにしてあると共に、当該廊下109の他方側に洗面・洗濯スペース112とトイレットルーム110を、更に洗面・洗濯スペース112を脱衣所として浴室111が連続して設けてあり、この玄関ホール104、階段まわり空間105および廊下109とリビング・ダイニングルーム101が間仕切り壁によって仕切り構成してある。
【0081】
この図示例にあっては、玄関ホール104とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114gの開口部107側の仕切り端部114g’と、玄関ホール104と階段まわり空間105との間にある外壁からの突き出し仕切り壁114hの仕切り端部114h’との間が第1の仕切り予定境界面Baとしてあり、この玄関ホール104と階段まわり空間105との間にある外壁からの突き出し仕切り壁114hの仕切り端部114h’と、階段まわり空間105とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114iの開口部107側の仕切り端部114i’との間が第2の仕切り予定境界面Bbとしてあり、更に、当該階段まわり空間105とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114iの開口部107側の仕切り端部114i’と玄関ホール104とリビング・ダイニングルーム101と間の間仕切り壁114gの開口部107側の仕切り端部114g’との間が第3の仕切り予定境界面Bcとしてある。
【0082】
そして、この各仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正多角形の空間、この図示例にあっては仕切り予定境界面Bで囲まれた平面視で正三角形をなす空間が共有空間Adとしてあり、この共有空間Adにおける仕切り予定境界面Bの交差する側に、前記図1〜図11で示されると同様の仕切り体10が備えられており、同様にして前記玄関ホール104部分および階段まわり空間105部分を含む屋内空間とリビング・ダイニングルーム101とを仕切り用いることができる。すなわち、共有空間Adにおける第1の仕切り予定境界面Baで仕切ることによって区分された玄関ホールとしての第1の屋内空間Aaを構成することができ、共有空間Adにおける第2の仕切り予定境界面Bbで仕切ることによって区分された階段まわり空間としての第2の屋内空間Abを構成することができ、更に、共有空間Adにおける第3の仕切り予定境界面Bcで仕切ることによって区分されたリビング・ダイニングルームとされる第3の屋内空間Acを構成することができる。
【0083】
この図示例に係る住宅Hは、前記構成以外の構成を前記図1〜図11で示される住宅Hの構成と同一又は実質的に同一の構成としてあり、同様に機能される。従って、前記図1〜図11で示された構成と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0084】
この図示例に係る住宅Hにあっては、前記各仕切り予定境界面Bにある各仕切り体10をそれぞれ壁114g、114h、114iに沿わせるようにした状態で第1の屋内空間Aa、第2の屋内空間Ab、第3の屋内空間Ac及び共有空間Adとを一連に連続した一個の屋内空間として構成用いることができる。また、前記第1の仕切り予定境界面Baを仕切り体10で仕切ることによって第2の屋内空間Abと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなるリビング。ダイニングルームを構成し、しかも、これとは独立した玄関ホールを構成することができる。また、前記第2の仕切り予定境界面Bbを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第3の屋内空間Acとからなる大きめのリビング・ダイニングルームを階段まわり空間と区分した状態で構成することができる。また、第3の仕切り予定境界面Bcを仕切り体10で仕切ることによって第1の屋内空間Aaと共有空間Adと第2の屋内空間Abとからなる玄関ホールおよび階段まわり空間を別途独立しているリビング・ダイニングルームと別段に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【図2】同一つの仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態を平面で示した構成図
【図3】同他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態を平面で示した構成図
【図4】同さらに他の仕切り予定境界面Bを仕切り体10で仕切った状態を平面で示した構成図
【図5】同典型的な仕切り体10を一部破断して示す要部斜視図
【図6】同典型的な仕切り体10を一部破断して示す要部側面図
【図7】同仕切り体10の建具レバーを操作した状態を一部破断して示す要部側面図
【図8】同仕切り体10のフランス落とし操作を一部破断して示す要部側面図
【図9】同仕切り体10の一部を破断して示す要部平面図
【図10】同仕切り体10を用いて屋内空間を仕切った一例を示す斜視図
【図11】同仕切り体10を用いて屋内空間を仕切った他の一例を示す斜視図
【図12】他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【図13】更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【図14】更に他の典型的な住宅Hにあって各仕切り体10を壁面等に沿わせた状態を平面で示した構成図
【符号の説明】
【0086】
H 住宅
B 仕切り予定境界面
A 屋内空間
Ad 共有空間
10 仕切り体
10a 先端側
10b 基端側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕切り予定境界面で囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間と、この共有空間の各仕切り予定境界面で当該共有空間に連続する屋内空間とを備える住宅であって、
前記共有空間の仕切り予定境界面で当該仕切り予定境界面を仕切る仕切り体が、その基端側で回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面の横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体の先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面で前記共有空間と屋内空間とを仕切り得るようにしてあることを特徴とする住宅。
【請求項2】
先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面を仕切る一対の仕切り体における一方の仕切り体を、当該仕切り予定境界面に停止状態に維持し得るようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の住宅。
【請求項1】
複数の仕切り予定境界面で囲まれて平面視が正多角形をなす共有空間と、この共有空間の各仕切り予定境界面で当該共有空間に連続する屋内空間とを備える住宅であって、
前記共有空間の仕切り予定境界面で当該仕切り予定境界面を仕切る仕切り体が、その基端側で回動可能に備えられており、しかも、その横幅を前記仕切り予定境界面の横幅のほぼ半分としてあって、隣り合う一対の仕切り体の先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面で前記共有空間と屋内空間とを仕切り得るようにしてあることを特徴とする住宅。
【請求項2】
先端側を接し合わせて前記仕切り予定境界面を仕切る一対の仕切り体における一方の仕切り体を、当該仕切り予定境界面に停止状態に維持し得るようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の住宅。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−2531(P2007−2531A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183949(P2005−183949)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】
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