体温測定システム
【課題】 非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供する。
【解決手段】 体温測定システム100であって、電磁誘導により起動し、被測定者の体温を測定する体温タグ125が内挿された、歯部の外側面に接着されるブラケット120と、所定の周期で電磁界を発生することで、体温タグ125より体温データを取得し、時刻情報と対応付けて記憶する制御部と、を備え、前記制御部は、被測定者の耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面を有するハウジングを有しており、前記ハウジングの前記湾曲面の終端位置近傍には、前記電磁界を放射するアンテナ部111が配されていることを特徴とする。
【解決手段】 体温測定システム100であって、電磁誘導により起動し、被測定者の体温を測定する体温タグ125が内挿された、歯部の外側面に接着されるブラケット120と、所定の周期で電磁界を発生することで、体温タグ125より体温データを取得し、時刻情報と対応付けて記憶する制御部と、を備え、前記制御部は、被測定者の耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面を有するハウジングを有しており、前記ハウジングの前記湾曲面の終端位置近傍には、前記電磁界を放射するアンテナ部111が配されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体温測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間の身体は24時間の固有のリズムを有しており、当該リズムのずれは、睡眠障害やうつ病、起立性障害等、様々な障害の原因となりうる。このため、身体のバイタルサイン検出から当該リズムを把握することは、これらの障害を未然に防ぐうえで重要である。
【0003】
検出可能な代表的なバイタルサインのひとつとして、体温が挙げられる。図11は、一定時間間隔で、体温を測定した場合の経時的な変化を示す模式図であり、横軸は時間を、縦軸は体温をそれぞれ示している。
【0004】
図11に示すように、人間の体温は、就寝後に下降し(図11の例では、24:00〜翌日の6:00にかけて下降し)、目覚めとともに上昇していく(図11の例では、6:00〜12:00にかけて上昇していく)。そして、日中から就寝前にかけては(図11の例では、12:00〜24:00にかけては)高温に保たれ、就寝とともに再び下降していく。このため、下降状態、上昇状態、安定状態を解析したうえで、体温が最も低下した時刻や、日中の平均的な体温を算出することで、被測定者の固有のリズムを把握することができる。
【0005】
一方で、体温の経時的な変化をとらえるためには、連続的な(短時間周期の間欠的な)測定であって、かつ精度の高い測定を行うことが不可欠である。そして、このような背景のもと、従来より、体温を連続的に測定するための様々なシステムが提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−530154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、通常の電子体温計を用いて連続的な測定を行おうとした場合、被測定者は自発的に測定を繰り返す必要があり、被測定者にとっては利便性に欠ける。また、通常の電子体温計の場合、手動で測定を開始させなければならないため、そもそも就寝中は測定を行うことができないといった問題もある。一方で、上記特許文献1のように測定部位に装着し、連続的な測定を自動で行う構成とすることも考えられるが、高い精度で体温測定を行うためには、測定時にセンサ部の周囲が擬似体腔を形成する閉鎖空間となっていることが望ましく、体表面(腋下等)のように、閉鎖空間を維持することが困難な測定部位の場合、高い精度での連続測定には不向きである。
【0008】
これに対して、直腸等を測定部位とすれば、擬似体腔を形成する閉鎖空間が維持できるため、高い精度での連続測定が可能となるが、長時間の装着は被測定者にとって違和感が伴う。
【0009】
このようなことから、体温の経時的な変化をとらえ身体の固有のリズムを把握すべく、連続的な体温測定を行うにあたっては、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現できることが望ましい。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係る体温測定システムは以下のような構成を備える。即ち、
体温測定システムであって、
電磁誘導により起動し、被測定者の体温を測定する体温タグが内挿され、口腔内に取り付け可能な口腔内部材と、
所定の周期で電磁界を発生することで、前記体温タグより体温データを取得し、時刻情報と対応付けて記憶する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被測定者の耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面を有するハウジングを有しており、
前記ハウジングの前記湾曲面の終端位置近傍には、前記電磁界を放射するアンテナ部が配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態にかかる体温測定システムの外観構成を示す図である。
【図2】体温測定システムの測定部の装着状態を示した図である。
【図3】体温測定システムの制御部の装着状態を示した図である。
【図4】体温測定システムを用いて連続測定を行う様子を示す図である。
【図5】体温測定システムの測定部に内挿された体温タグの機能構成を示す図である。
【図6】体温測定システムの制御部の機能構成を示す図である。
【図7】体温測定システムにおける連続測定処理の流れを示す図である。
【図8】体温測定システムにおける体温測定処理の流れを示す図である。
【図9】体温測定システムにおいて測定された体温の経時的な変化を示す模式図である。
【図10A】体温測定システムにおける測定部の他の一例を示す図である。
【図10B】体温測定システムにおける測定部の他の一例を示す図である。
【図11】体温の経時的な変化の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
<1.体温測定システムの外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る体温測定システム100の外観構成を示す図である。図1(a)において、110は制御部であり、耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面117を有するハウジングを備える。制御部110のハウジングの終端面118近傍(終端位置近傍)にはRFIDリーダ/ライタのアンテナ部111が内挿されており、電磁界を放射することで測定部120との間で磁気結合し、測定部120への電力供給と、測定部120からの体温データの受信とを行う。
【0016】
測定部120は、歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケット121を備える。プラスチックブラケット121は、被測定者の歯部の外側面に接着可能な台座部122と、柱部123と、歯列矯正用の矯正ワイヤが取り付けられる支持部124とを備える。
【0017】
支持部124には、体温タグ125が内挿されており、測定部120からの電力供給(電磁誘導による電力供給)を受けることで起動し、後述する感温部において取得された電圧データに基づいてコントロール部にて算出された体温データを、制御部110に送信する。
【0018】
図1の(b)は、制御部110を背面側から見た様子を示したものであり、測定部120より送信された被測定者の体温データを表示するための表示部112と、電源のON/OFFスイッチ113や、各種スイッチ114が配列された操作部115とを備える。また、測定日時(時刻情報)とともに内部に格納される体温データを、パーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置に伝送するためのインタフェース部116が設けられている。
【0019】
<2.体温測定システムの測定部の装着状態>
次に、体温測定システム100の測定部120の装着状態について、図2を用いて説明する。図2は、体温測定システム100の測定部120の装着状態を示す図である。図2に示すように、測定部120は、被測定者の口腔内の上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着される。このように、上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着することで、被測定者の口が閉じた状態において、測定部120の支持部124が、被測定者の口内壁に接触することとなる。つまり、被測定者が口を閉じていれば、測定部120の支持部124の周辺は、閉鎖空間が維持されることとなり、高い精度での体温測定が実現できる。なお、支持部124が接触する口内壁の近傍には、いずれも血流量の多い頬動脈、咬筋動脈などがあり、身体の深部体温の測定にも適した位置といえる。
【0020】
200は、測定部120が、被測定者の上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着された様子を示した拡大図である。拡大表示200に示すように、臼歯の外側面に対して、台座部122の裏面が接着されることで、支持部124の表面が、被測定者の口内壁に接触することとなる。なお、測定部120が装着されるのは、上側の最も奥に位置する臼歯に限定されるものではなく、下側の最も奥に位置する臼歯であってもよい。また、図2の例では、被測定者の右側の臼歯に接着させることとしているが、左右のいずれの側の臼歯に接着させてもよいことは言うまでもない。なお、歯列矯正のためにプラスチックブラケットを歯部に接着させる方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
【0021】
<3.体温測定システムの制御部の装着状態>
次に体温測定システム100の制御部110の装着状態について図3を用いて説明する。図3は、体温測定システム100の制御部110の装着状態を示す図である。図3に示すように、制御部110は、被測定者の耳介に引っ掛け、湾曲面117が耳裏に沿って当接されることで固定される。固定された状態で、制御部110の終端面118は、耳たぶ(耳垂)の近傍に位置することとなる。これにより、制御部110の終端面118に内挿されたRFIDリーダ/ライタのアンテナ部111と、被測定者の上側の最も奥に位置する臼歯に装着された測定部120との間の直線距離が最短となる。この結果、プラスチックブラケット121に内挿させるために体温タグ125を小型化させたことに伴う、体温タグの送受信感度の低下を補うことが可能となる。
【0022】
なお、図3の例では、被測定者の右耳に装着した様子を示しているが、測定部120を被測定者の左側の臼歯に装着した場合には、左耳に装着されることとなる。
【0023】
<4.体温測定システムによる連続測定>
図4は、体温測定システム100を用いて、連続測定を行う様子を示す図である。なお、図4の例では、被測定者の右上側の最も奥に位置する臼歯に測定部120を装着し、被測定者の右耳の耳介に制御部110を引っ掛けた様子を示している。
【0024】
上述したように、本実施形態に係る体温測定システム100では、測定部120を歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットに内挿させるために、体温タグ125を小型化している。このため、測定部120との距離が離れていた場合、体温タグ125では、十分な電力供給を受けることができない。これに対して、図4に示すように、制御部110を装着した状態で、RFIDリーダ/ライタのアンテナ部111が内挿された終端面118が、測定部120の装着位置に近接することで、体温タグ125の小型化に伴う送受信感度の低下を補うことが可能となる。
【0025】
また、制御部110を耳介に引っ掛け、測定部120を臼歯に装着させる構成とすることで、被測定者にとっては違和感なく連続測定を行うことが可能となる。
【0026】
<5.体温タグの機能構成>
次に、体温タグ125の機能構成について説明する。図5は、アンテナ部500と処理部510とを備える体温タグ125の機能構成を示す図である。
【0027】
図5において、511は過昇防止部であり、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態となった場合に、体温測定処理を中止するよう制御する。ここで体温測定の精度に影響を与える状態とは、例えば、アンテナ部500を介して制御部110より過剰な電力が供給され、体温タグ125自体が発熱(温度上昇)することで、体温測定の結果に誤差を与えるような状態をいう。
【0028】
512は無線通信部であり、整流回路や昇圧回路等を備える。無線通信部512では、アンテナ部500において生じた交流電圧を、所定の直流電圧に変換し、記憶部513及びコントロール部515に供給する。また、コントロール部515において算出された体温データを各種情報とともに、所定形式のデータとして、アンテナ部500を介して制御部110に送信する。
【0029】
513は記憶部であり、後述する感温部の校正データや、体温タグ125固有の識別情報等を記憶する。
【0030】
514は感温部であり、半導体センサを備えるセンサ部521と、センサ部521の出力を処理する回路部522とを備える。
【0031】
515はコントロール部であり、無線通信部512及び記憶部513の動作を制御する。また、感温部514からの出力(電圧データ、校正データ)を処理し、体温データを算出した後、無線通信部512に送信する。なお、感温部514のセンサ部521に適用される半導体センサにおいて、精度の高い体温測定を実現するためには、充分な電圧が必要となるため(記憶部513やコントロール部515を作動させるのに必要な電圧よりも高い電圧が必要となるため)、コントロール部515には、そのための電源回路(昇圧手段)が備えられているものとする。
【0032】
<6.制御部の機能構成>
次に、制御部110の機能構成について説明する。図6は、制御部110の機能構成を示す図である。
【0033】
図6において、600はRFIDリーダ/ライタであり、アンテナ部111と、無線通信部601と、信号変換部602と、信号処理部603とを備える。
【0034】
アンテナ部111は、所定の周波数、例えば13.56MHzの周波数の電磁界を発生させて、体温タグ125のアンテナ部500との間で磁気結合することで、体温タグ125に電力を供給したり、体温タグ125より体温データを受信したりする。
【0035】
無線通信部601では、アンテナ部111を介して体温タグ125に電力を供給するために、アンテナ部111に印加する電圧を制御したり、アンテナ部111を介して体温タグ125より受信した体温データを信号変換部602に送信したりする。
【0036】
信号変換部602では、無線通信部601より送信された体温データをデジタルデータに変換し、コントロール部611に送信する。
【0037】
コントロール部611では、無線通信部601及び信号変換部602の動作を制御し、後述する連続測定処理を実行する。また、信号変換部602から送信された体温データを、識別情報とともに記憶部612に格納したり、表示部112に表示したりする。更に、記憶部612に格納された体温データを、識別情報とともにインタフェース部116を介して、パーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置(インタフェース部116を介して有線接続された外部の情報処理装置)に送信したりする。
【0038】
<7.連続測定処理の流れ>
次に体温測定システム100における連続測定処理の流れについて、図7〜図9を用いて説明する。図7は、体温測定システム100における連続測定処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、連続測定処理における体温測定処理工程の詳細を示すフローチャートである。更に、図9は、体温測定システム100において測定された体温の経時的な変化(プロファイル)を示す模式図である。
【0039】
制御部110の電源がONされ、連続測定処理が指示されると、図7に示すフローチャートが実行される。ステップS701では、制御部110が測定部120に体温測定を指示するとともに該測定部120からデータを読み出すための読出周期として、デフォルトの周期(例えば、10分)を内部設定する。ステップS702では、内部設定された読出周期に基づいてタイマを起動させ、ステップS703では、当該読出周期に対応する時間が経過したか否かを判定する。
【0040】
ステップS703において、読出周期に対応する時間が経過していないと判定された場合には、読出周期に対応する時間が経過するまで待機する。一方、読出周期に対応する時間が経過したと判定された場合には、ステップS704に進み、体温測定を指示し、測定部120では体温測定処理を実行する。
【0041】
具体的には、図8に示すように、制御部110のアンテナ部111より電磁界が発生され、体温タグ125のアンテナ部500との間で磁気結合されることにより、制御部110から体温タグ125に対して電力が供給される(801)。
【0042】
電力が供給された体温タグ125では、処理部510が起動し、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態になっているか否かを判定する(811)。処理部510が体温測定の精度に影響を与える状態になっていると判定された場合には、処理部510では、以降の処理は行わない。この場合、制御部110では、電力供給を行ってから一定時間内に体温タグ125よりデータの送信がないと判断し、表示処理として表示部112にエラー表示を行う(821)。
【0043】
一方、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態になっていないと判定された場合には、処理部510において体温測定処理を開始する。
【0044】
具体的には、センサ部521内の半導体センサに電流を流し、バンドギャップ電圧を検出する(812)。
【0045】
更に、回路部522が当該検出されたバンドギャップ電圧を処理し(813)、コントロール部515が、処理された電圧データを取得する(814)。
【0046】
更に、コントロール部515では、取得した電圧データと記憶部513に記憶された校正データとに基づいて体温データを算出し、無線通信部512を介して当該体温データを制御部110に送信する(802)。
【0047】
制御部110では、体温タグ125より送信された体温データを受信し、測定日時(時刻情報)と対応付けて記憶部612に記憶するとともに表示部112に表示する(821)。
【0048】
体温測定が完了すると、図7のステップS705に進む。ステップS705では、記憶部612に記憶された所定時間分の体温データに基づいて、被測定者の体温の経時的な変化(安定状態、上昇状態、下降状態)について解析する。
【0049】
ステップS706では、被測定者の体温が下降状態にあるか否かを判定し、下降状態にないと判定された場合には、ステップS702に戻り、読出周期としてデフォルトの周期を維持したまま、再びタイマを起動させる。
【0050】
一方、ステップS706において、下降状態にあると判定された場合には、ステップS707に進み、読出周期として、短周期(例えば、3分)を内部設定する。ステップS708では、新たに内部設定された当該読出周期に基づいてタイマを起動させ、ステップS709では、読出周期に対応する時間が経過したか否かを判定する。
【0051】
ステップS709において、読出周期に対応する時間が経過していないと判定された場合には、読出周期に対応する時間が経過するまで待機する。一方、読出周期に対応する時間が経過したと判定された場合には、ステップS710に進み、体温測定を指示し、測定部120では、体温測定処理を実行する。なお、体温測定における具体的な処理は、ステップS704と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
ステップS711では、記憶部612に記憶された所定時間分の体温データに基づいて、被測定者の体温の経時的な変化について解析する。
【0053】
ステップS712では、被測定者の体温が上昇状態にあるか否かを判定し、上昇状態にないと判定された場合には、ステップS708に戻り、読出周期として短周期を維持したまま、再びタイマを起動させる。
【0054】
一方、ステップS712において、上昇状態にあると判定された場合には、ステップS701に戻り、読出周期として、再びデフォルトの周期を設定する。以降、上記処理を繰り返す。
【0055】
このように、制御部110では、取得した体温データの経時的な変化を解析することで、被測定者の体温が上昇状態にあるのか、安定状態にあるのか、下降状態にあるのかを判断し、当該判断結果に基づいて、読出周期を変更する構成とした(図9参照)。
【0056】
これにより、記憶部612に記憶された体温データに基づいて、被測定者の固有のリズムを把握するうえで重要な、目覚め前の、体温が最も低下した時刻を精度よく算出することが可能となる(図9参照)。
【0057】
なお、日中の平均的な体温の算出に際しては、目覚め前の、体温が最も低下した時刻を算出する場合と比較して、データ点数は少なくてよい。このため、本実施形態に係る体温測定システム100では、日中の読出周期を長く設定することで、消費電力を抑えることとしている(図9参照)。
【0058】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体温測定システム100では、連続的な体温測定を実現するために、以下のような構成とした。
・非自発的かつ自動的に測定を行うことができるよう、被測定者に連続的に装着する構成とするとともに、所定の周期で体温測定を開始する構成とした。
・測定時の閉鎖空間を維持しつつ、被測定者の違和感を排除するために、口腔内における測定に着目し、歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットに小型の体温タグを内挿させる構成とした。
・体温タグを小型化したことによる送受信感度の低下を考慮し、RFIDリーダ/ライタのアンテナ部が、体温タグの装着位置近傍に配置されるよう、制御部を耳かけ型に構成するとともに、当該アンテナ部を耳かけ型の制御部の終端面近傍に配する構成とした。
・被測定者の固有のリズムを把握できるよう、取得した体温データの経時的な変化を解析し、読出周期を変更する構成とした。
【0059】
この結果、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供することが可能となった。
【0060】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、体温タグを小型化したことによる送受信感度の低下を考慮し、RFIDリーダ/ライタのアンテナ部が、体温タグの装着位置近傍に配置されるよう、制御部を耳かけ型に構成するとともに、当該アンテナ部を耳かけ型の制御部の終端面近傍に配する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、被測定者が歯列矯正を行う場合にあっては、アンテナ部を内挿させた矯正ワイヤを用いることで、体温タグ側の送受信感度を向上させるようにしてもよい。
【0061】
図10Aは、本実施形態に係る体温測定システムを構成する測定部1020を装着した様子を示す図である。図10Aに示すように、本実施形態では、被測定者の上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に測定部1020が装着され、その他の歯には、通常の歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットが装着される。
【0062】
そして、図10Aにおいて、1022は測定部1020の体温タグと接続されるアンテナ部が内挿された矯正ワイヤであり、1021は通常の矯正ワイヤである。図10Aに示すように、矯正ワイヤ1021は、被測定者の右側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着されたプラスチックブラケットから、左側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着されたプラスチックブラケット(不図示)まで張架される。このため、アンテナ部として十分な長さを確保することができる。この結果、体温タグを小型化したことによる送受信感度の低下を補うことが可能となる。
【0063】
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、被測定者が歯列矯正を行う場合にあっては、アンテナ部を内挿させた矯正ワイヤを用いることで、体温タグ側の送受信感度を向上させるようにしたが、測定部を臼歯に直接接着させるのではなく、スプリント治療に用いる樹脂材料スプリントを用いて歯列を覆い、スプリントに測定部を接着するようにしてもよい。
【0064】
図10Bは、本実施形態に係る体温測定システムを構成する測定部1030及びスプリント1050を装着した様子を示す図である。図10Bに示すように、本実施形態では、被測定者の上側の歯列に透明樹脂製のスプリントが装着され、最も奥に位置する臼歯の部分のスプリント1050外側面に測定部1030が接着される。
【0065】
スプリント1050は歯列から着脱自在であるため、被測定者は食事中などにおいて不都合を感じる場合には、いつでも測定部を口中より除くことができる。
【0066】
更に、上記第1及び第2の実施形態では、被測定者の臼歯の外側面に測定部を装着する構成としたが、本発明はこれに限定されず、入れ歯等の人工的な歯部自体を被測定者に取り付ける場合にあっては、当該人工的な歯部に測定部が取り付けられていてもよい。つまり、測定部は、被測定者の口腔内に取り付けられる任意の部材(口腔内部材)に内挿させることができる。
【0067】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、測定時の閉鎖空間を維持するために、口腔内における測定に着目し、所定の読出周期で、体温データを読み出す構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0068】
例えば、測定時に、被測定者の口腔内が常に閉鎖空間になっているとは限られず、被測定者の口が開いている場合も考えられ、このような状態では、取得された体温データも、測定誤差が大きい。
【0069】
このため、被測定者の口腔内が閉鎖空間となっていない状態で取得された体温データは、解析対象から排除する構成となっていることが望ましい。
【0070】
具体的には、歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットに、上記体温タグ125に加え、加速度センサタグを内挿させ、測定部120が体温データを読み出す際に、被測定者の顎部の動作を検出する加速度センサタグの出力(加速度データ)も合わせて読み出す構成としてもよい。かかる構成とすることで、加速度センサタグの出力が所定の閾値以上となっていた場合に、被測定者が顎部を動かしており、口腔内の閉鎖空間が維持されていないと判断することができるからである。つまり、被測定者の固有のリズムを把握する際に、当該体温データを排除することが可能となるからである。
【0071】
なお、上記説明では、加速度センサタグの出力に関わらず、体温データを読み出すものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、加速度センサタグの出力が所定の閾値以上となっていた場合には、体温データの読み出し自体を行わない構成としてもよい。具体的には、図8のステップS811の測定可否の判定において、加速度センサタグの出力が、所定の閾値以上となっていた場合には、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態になっていると判定する構成としてもよい。
【0072】
[第5の実施形態]
上記第1の実施形態では、体温測定システムとして制御部を1種類のみ備える構成としたが、本発明はこれに限定されず、複数種類用意する構成としてもよい。例えば、耳かけ型の制御部を耳介に引っ掛けた状態で就寝するのは、被測定者によっては違和感を伴う場合もありえる。そこで、体温測定システムとして、制御部を複数種類用意しておき、被測定者の活動状態に応じて、異なる制御部を装着する構成としてもよい。このように、複数の制御部を用意した場合であっても、それぞれの制御部の時刻さえ同期していれば、それぞれの制御部に測定時刻と対応付けて記憶された体温データを読み出すだけで、体温の経時的な変化を解析することが可能となり、被測定者の固有のリズムを把握することができる。なお、耳かけ型の制御部以外の制御部としては、例えば、就寝時に体温データの取得ができるよう、制御部の機能を枕に内挿させた構成等が考えられる。
【0073】
また、上記第1の実施形態では、所定の周期で体温データの読み出しを行う構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、接触センサを配し、奥歯の噛みしめを契機として体温データの読み出しを行ったり、照光検知センサを配し、口の開閉を契機として体温データの読み出しを行うようにしてもよい。
【0074】
更には、pH値等のバイタルデータを検知するための種々のセンサを配し、体温データの読み出しと同時に、それらのセンサの検知結果も合わせて読み出すように構成してもよい。
【符号の説明】
【0075】
100・・・体温測定システム、110・・・制御部、111・・・アンテナ部、112・・・表示部、113・・・電源ON/OFFスイッチ、114・・・操作スイッチ、115・・・操作部、120・・・測定部、121・・・プラスチックブラケット、122・・・台座部、123・・・柱部、124・・・支持部、125・・・体温タグ、1020・・・測定部、1021・・・矯正ワイヤ、1022・・・矯正ワイヤ、1030・・・測定部、1050・・・スプリント
【技術分野】
【0001】
本発明は、体温測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間の身体は24時間の固有のリズムを有しており、当該リズムのずれは、睡眠障害やうつ病、起立性障害等、様々な障害の原因となりうる。このため、身体のバイタルサイン検出から当該リズムを把握することは、これらの障害を未然に防ぐうえで重要である。
【0003】
検出可能な代表的なバイタルサインのひとつとして、体温が挙げられる。図11は、一定時間間隔で、体温を測定した場合の経時的な変化を示す模式図であり、横軸は時間を、縦軸は体温をそれぞれ示している。
【0004】
図11に示すように、人間の体温は、就寝後に下降し(図11の例では、24:00〜翌日の6:00にかけて下降し)、目覚めとともに上昇していく(図11の例では、6:00〜12:00にかけて上昇していく)。そして、日中から就寝前にかけては(図11の例では、12:00〜24:00にかけては)高温に保たれ、就寝とともに再び下降していく。このため、下降状態、上昇状態、安定状態を解析したうえで、体温が最も低下した時刻や、日中の平均的な体温を算出することで、被測定者の固有のリズムを把握することができる。
【0005】
一方で、体温の経時的な変化をとらえるためには、連続的な(短時間周期の間欠的な)測定であって、かつ精度の高い測定を行うことが不可欠である。そして、このような背景のもと、従来より、体温を連続的に測定するための様々なシステムが提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−530154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、通常の電子体温計を用いて連続的な測定を行おうとした場合、被測定者は自発的に測定を繰り返す必要があり、被測定者にとっては利便性に欠ける。また、通常の電子体温計の場合、手動で測定を開始させなければならないため、そもそも就寝中は測定を行うことができないといった問題もある。一方で、上記特許文献1のように測定部位に装着し、連続的な測定を自動で行う構成とすることも考えられるが、高い精度で体温測定を行うためには、測定時にセンサ部の周囲が擬似体腔を形成する閉鎖空間となっていることが望ましく、体表面(腋下等)のように、閉鎖空間を維持することが困難な測定部位の場合、高い精度での連続測定には不向きである。
【0008】
これに対して、直腸等を測定部位とすれば、擬似体腔を形成する閉鎖空間が維持できるため、高い精度での連続測定が可能となるが、長時間の装着は被測定者にとって違和感が伴う。
【0009】
このようなことから、体温の経時的な変化をとらえ身体の固有のリズムを把握すべく、連続的な体温測定を行うにあたっては、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現できることが望ましい。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係る体温測定システムは以下のような構成を備える。即ち、
体温測定システムであって、
電磁誘導により起動し、被測定者の体温を測定する体温タグが内挿され、口腔内に取り付け可能な口腔内部材と、
所定の周期で電磁界を発生することで、前記体温タグより体温データを取得し、時刻情報と対応付けて記憶する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被測定者の耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面を有するハウジングを有しており、
前記ハウジングの前記湾曲面の終端位置近傍には、前記電磁界を放射するアンテナ部が配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態にかかる体温測定システムの外観構成を示す図である。
【図2】体温測定システムの測定部の装着状態を示した図である。
【図3】体温測定システムの制御部の装着状態を示した図である。
【図4】体温測定システムを用いて連続測定を行う様子を示す図である。
【図5】体温測定システムの測定部に内挿された体温タグの機能構成を示す図である。
【図6】体温測定システムの制御部の機能構成を示す図である。
【図7】体温測定システムにおける連続測定処理の流れを示す図である。
【図8】体温測定システムにおける体温測定処理の流れを示す図である。
【図9】体温測定システムにおいて測定された体温の経時的な変化を示す模式図である。
【図10A】体温測定システムにおける測定部の他の一例を示す図である。
【図10B】体温測定システムにおける測定部の他の一例を示す図である。
【図11】体温の経時的な変化の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
<1.体温測定システムの外観構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る体温測定システム100の外観構成を示す図である。図1(a)において、110は制御部であり、耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面117を有するハウジングを備える。制御部110のハウジングの終端面118近傍(終端位置近傍)にはRFIDリーダ/ライタのアンテナ部111が内挿されており、電磁界を放射することで測定部120との間で磁気結合し、測定部120への電力供給と、測定部120からの体温データの受信とを行う。
【0016】
測定部120は、歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケット121を備える。プラスチックブラケット121は、被測定者の歯部の外側面に接着可能な台座部122と、柱部123と、歯列矯正用の矯正ワイヤが取り付けられる支持部124とを備える。
【0017】
支持部124には、体温タグ125が内挿されており、測定部120からの電力供給(電磁誘導による電力供給)を受けることで起動し、後述する感温部において取得された電圧データに基づいてコントロール部にて算出された体温データを、制御部110に送信する。
【0018】
図1の(b)は、制御部110を背面側から見た様子を示したものであり、測定部120より送信された被測定者の体温データを表示するための表示部112と、電源のON/OFFスイッチ113や、各種スイッチ114が配列された操作部115とを備える。また、測定日時(時刻情報)とともに内部に格納される体温データを、パーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置に伝送するためのインタフェース部116が設けられている。
【0019】
<2.体温測定システムの測定部の装着状態>
次に、体温測定システム100の測定部120の装着状態について、図2を用いて説明する。図2は、体温測定システム100の測定部120の装着状態を示す図である。図2に示すように、測定部120は、被測定者の口腔内の上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着される。このように、上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着することで、被測定者の口が閉じた状態において、測定部120の支持部124が、被測定者の口内壁に接触することとなる。つまり、被測定者が口を閉じていれば、測定部120の支持部124の周辺は、閉鎖空間が維持されることとなり、高い精度での体温測定が実現できる。なお、支持部124が接触する口内壁の近傍には、いずれも血流量の多い頬動脈、咬筋動脈などがあり、身体の深部体温の測定にも適した位置といえる。
【0020】
200は、測定部120が、被測定者の上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着された様子を示した拡大図である。拡大表示200に示すように、臼歯の外側面に対して、台座部122の裏面が接着されることで、支持部124の表面が、被測定者の口内壁に接触することとなる。なお、測定部120が装着されるのは、上側の最も奥に位置する臼歯に限定されるものではなく、下側の最も奥に位置する臼歯であってもよい。また、図2の例では、被測定者の右側の臼歯に接着させることとしているが、左右のいずれの側の臼歯に接着させてもよいことは言うまでもない。なお、歯列矯正のためにプラスチックブラケットを歯部に接着させる方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
【0021】
<3.体温測定システムの制御部の装着状態>
次に体温測定システム100の制御部110の装着状態について図3を用いて説明する。図3は、体温測定システム100の制御部110の装着状態を示す図である。図3に示すように、制御部110は、被測定者の耳介に引っ掛け、湾曲面117が耳裏に沿って当接されることで固定される。固定された状態で、制御部110の終端面118は、耳たぶ(耳垂)の近傍に位置することとなる。これにより、制御部110の終端面118に内挿されたRFIDリーダ/ライタのアンテナ部111と、被測定者の上側の最も奥に位置する臼歯に装着された測定部120との間の直線距離が最短となる。この結果、プラスチックブラケット121に内挿させるために体温タグ125を小型化させたことに伴う、体温タグの送受信感度の低下を補うことが可能となる。
【0022】
なお、図3の例では、被測定者の右耳に装着した様子を示しているが、測定部120を被測定者の左側の臼歯に装着した場合には、左耳に装着されることとなる。
【0023】
<4.体温測定システムによる連続測定>
図4は、体温測定システム100を用いて、連続測定を行う様子を示す図である。なお、図4の例では、被測定者の右上側の最も奥に位置する臼歯に測定部120を装着し、被測定者の右耳の耳介に制御部110を引っ掛けた様子を示している。
【0024】
上述したように、本実施形態に係る体温測定システム100では、測定部120を歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットに内挿させるために、体温タグ125を小型化している。このため、測定部120との距離が離れていた場合、体温タグ125では、十分な電力供給を受けることができない。これに対して、図4に示すように、制御部110を装着した状態で、RFIDリーダ/ライタのアンテナ部111が内挿された終端面118が、測定部120の装着位置に近接することで、体温タグ125の小型化に伴う送受信感度の低下を補うことが可能となる。
【0025】
また、制御部110を耳介に引っ掛け、測定部120を臼歯に装着させる構成とすることで、被測定者にとっては違和感なく連続測定を行うことが可能となる。
【0026】
<5.体温タグの機能構成>
次に、体温タグ125の機能構成について説明する。図5は、アンテナ部500と処理部510とを備える体温タグ125の機能構成を示す図である。
【0027】
図5において、511は過昇防止部であり、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態となった場合に、体温測定処理を中止するよう制御する。ここで体温測定の精度に影響を与える状態とは、例えば、アンテナ部500を介して制御部110より過剰な電力が供給され、体温タグ125自体が発熱(温度上昇)することで、体温測定の結果に誤差を与えるような状態をいう。
【0028】
512は無線通信部であり、整流回路や昇圧回路等を備える。無線通信部512では、アンテナ部500において生じた交流電圧を、所定の直流電圧に変換し、記憶部513及びコントロール部515に供給する。また、コントロール部515において算出された体温データを各種情報とともに、所定形式のデータとして、アンテナ部500を介して制御部110に送信する。
【0029】
513は記憶部であり、後述する感温部の校正データや、体温タグ125固有の識別情報等を記憶する。
【0030】
514は感温部であり、半導体センサを備えるセンサ部521と、センサ部521の出力を処理する回路部522とを備える。
【0031】
515はコントロール部であり、無線通信部512及び記憶部513の動作を制御する。また、感温部514からの出力(電圧データ、校正データ)を処理し、体温データを算出した後、無線通信部512に送信する。なお、感温部514のセンサ部521に適用される半導体センサにおいて、精度の高い体温測定を実現するためには、充分な電圧が必要となるため(記憶部513やコントロール部515を作動させるのに必要な電圧よりも高い電圧が必要となるため)、コントロール部515には、そのための電源回路(昇圧手段)が備えられているものとする。
【0032】
<6.制御部の機能構成>
次に、制御部110の機能構成について説明する。図6は、制御部110の機能構成を示す図である。
【0033】
図6において、600はRFIDリーダ/ライタであり、アンテナ部111と、無線通信部601と、信号変換部602と、信号処理部603とを備える。
【0034】
アンテナ部111は、所定の周波数、例えば13.56MHzの周波数の電磁界を発生させて、体温タグ125のアンテナ部500との間で磁気結合することで、体温タグ125に電力を供給したり、体温タグ125より体温データを受信したりする。
【0035】
無線通信部601では、アンテナ部111を介して体温タグ125に電力を供給するために、アンテナ部111に印加する電圧を制御したり、アンテナ部111を介して体温タグ125より受信した体温データを信号変換部602に送信したりする。
【0036】
信号変換部602では、無線通信部601より送信された体温データをデジタルデータに変換し、コントロール部611に送信する。
【0037】
コントロール部611では、無線通信部601及び信号変換部602の動作を制御し、後述する連続測定処理を実行する。また、信号変換部602から送信された体温データを、識別情報とともに記憶部612に格納したり、表示部112に表示したりする。更に、記憶部612に格納された体温データを、識別情報とともにインタフェース部116を介して、パーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置(インタフェース部116を介して有線接続された外部の情報処理装置)に送信したりする。
【0038】
<7.連続測定処理の流れ>
次に体温測定システム100における連続測定処理の流れについて、図7〜図9を用いて説明する。図7は、体温測定システム100における連続測定処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、連続測定処理における体温測定処理工程の詳細を示すフローチャートである。更に、図9は、体温測定システム100において測定された体温の経時的な変化(プロファイル)を示す模式図である。
【0039】
制御部110の電源がONされ、連続測定処理が指示されると、図7に示すフローチャートが実行される。ステップS701では、制御部110が測定部120に体温測定を指示するとともに該測定部120からデータを読み出すための読出周期として、デフォルトの周期(例えば、10分)を内部設定する。ステップS702では、内部設定された読出周期に基づいてタイマを起動させ、ステップS703では、当該読出周期に対応する時間が経過したか否かを判定する。
【0040】
ステップS703において、読出周期に対応する時間が経過していないと判定された場合には、読出周期に対応する時間が経過するまで待機する。一方、読出周期に対応する時間が経過したと判定された場合には、ステップS704に進み、体温測定を指示し、測定部120では体温測定処理を実行する。
【0041】
具体的には、図8に示すように、制御部110のアンテナ部111より電磁界が発生され、体温タグ125のアンテナ部500との間で磁気結合されることにより、制御部110から体温タグ125に対して電力が供給される(801)。
【0042】
電力が供給された体温タグ125では、処理部510が起動し、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態になっているか否かを判定する(811)。処理部510が体温測定の精度に影響を与える状態になっていると判定された場合には、処理部510では、以降の処理は行わない。この場合、制御部110では、電力供給を行ってから一定時間内に体温タグ125よりデータの送信がないと判断し、表示処理として表示部112にエラー表示を行う(821)。
【0043】
一方、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態になっていないと判定された場合には、処理部510において体温測定処理を開始する。
【0044】
具体的には、センサ部521内の半導体センサに電流を流し、バンドギャップ電圧を検出する(812)。
【0045】
更に、回路部522が当該検出されたバンドギャップ電圧を処理し(813)、コントロール部515が、処理された電圧データを取得する(814)。
【0046】
更に、コントロール部515では、取得した電圧データと記憶部513に記憶された校正データとに基づいて体温データを算出し、無線通信部512を介して当該体温データを制御部110に送信する(802)。
【0047】
制御部110では、体温タグ125より送信された体温データを受信し、測定日時(時刻情報)と対応付けて記憶部612に記憶するとともに表示部112に表示する(821)。
【0048】
体温測定が完了すると、図7のステップS705に進む。ステップS705では、記憶部612に記憶された所定時間分の体温データに基づいて、被測定者の体温の経時的な変化(安定状態、上昇状態、下降状態)について解析する。
【0049】
ステップS706では、被測定者の体温が下降状態にあるか否かを判定し、下降状態にないと判定された場合には、ステップS702に戻り、読出周期としてデフォルトの周期を維持したまま、再びタイマを起動させる。
【0050】
一方、ステップS706において、下降状態にあると判定された場合には、ステップS707に進み、読出周期として、短周期(例えば、3分)を内部設定する。ステップS708では、新たに内部設定された当該読出周期に基づいてタイマを起動させ、ステップS709では、読出周期に対応する時間が経過したか否かを判定する。
【0051】
ステップS709において、読出周期に対応する時間が経過していないと判定された場合には、読出周期に対応する時間が経過するまで待機する。一方、読出周期に対応する時間が経過したと判定された場合には、ステップS710に進み、体温測定を指示し、測定部120では、体温測定処理を実行する。なお、体温測定における具体的な処理は、ステップS704と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0052】
ステップS711では、記憶部612に記憶された所定時間分の体温データに基づいて、被測定者の体温の経時的な変化について解析する。
【0053】
ステップS712では、被測定者の体温が上昇状態にあるか否かを判定し、上昇状態にないと判定された場合には、ステップS708に戻り、読出周期として短周期を維持したまま、再びタイマを起動させる。
【0054】
一方、ステップS712において、上昇状態にあると判定された場合には、ステップS701に戻り、読出周期として、再びデフォルトの周期を設定する。以降、上記処理を繰り返す。
【0055】
このように、制御部110では、取得した体温データの経時的な変化を解析することで、被測定者の体温が上昇状態にあるのか、安定状態にあるのか、下降状態にあるのかを判断し、当該判断結果に基づいて、読出周期を変更する構成とした(図9参照)。
【0056】
これにより、記憶部612に記憶された体温データに基づいて、被測定者の固有のリズムを把握するうえで重要な、目覚め前の、体温が最も低下した時刻を精度よく算出することが可能となる(図9参照)。
【0057】
なお、日中の平均的な体温の算出に際しては、目覚め前の、体温が最も低下した時刻を算出する場合と比較して、データ点数は少なくてよい。このため、本実施形態に係る体温測定システム100では、日中の読出周期を長く設定することで、消費電力を抑えることとしている(図9参照)。
【0058】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体温測定システム100では、連続的な体温測定を実現するために、以下のような構成とした。
・非自発的かつ自動的に測定を行うことができるよう、被測定者に連続的に装着する構成とするとともに、所定の周期で体温測定を開始する構成とした。
・測定時の閉鎖空間を維持しつつ、被測定者の違和感を排除するために、口腔内における測定に着目し、歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットに小型の体温タグを内挿させる構成とした。
・体温タグを小型化したことによる送受信感度の低下を考慮し、RFIDリーダ/ライタのアンテナ部が、体温タグの装着位置近傍に配置されるよう、制御部を耳かけ型に構成するとともに、当該アンテナ部を耳かけ型の制御部の終端面近傍に配する構成とした。
・被測定者の固有のリズムを把握できるよう、取得した体温データの経時的な変化を解析し、読出周期を変更する構成とした。
【0059】
この結果、非自発的かつ自動的な測定を、被測定者の違和感を伴うことなく実現可能な体温測定システムを提供することが可能となった。
【0060】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、体温タグを小型化したことによる送受信感度の低下を考慮し、RFIDリーダ/ライタのアンテナ部が、体温タグの装着位置近傍に配置されるよう、制御部を耳かけ型に構成するとともに、当該アンテナ部を耳かけ型の制御部の終端面近傍に配する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、被測定者が歯列矯正を行う場合にあっては、アンテナ部を内挿させた矯正ワイヤを用いることで、体温タグ側の送受信感度を向上させるようにしてもよい。
【0061】
図10Aは、本実施形態に係る体温測定システムを構成する測定部1020を装着した様子を示す図である。図10Aに示すように、本実施形態では、被測定者の上側の最も奥に位置する臼歯の外側面に測定部1020が装着され、その他の歯には、通常の歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットが装着される。
【0062】
そして、図10Aにおいて、1022は測定部1020の体温タグと接続されるアンテナ部が内挿された矯正ワイヤであり、1021は通常の矯正ワイヤである。図10Aに示すように、矯正ワイヤ1021は、被測定者の右側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着されたプラスチックブラケットから、左側の最も奥に位置する臼歯の外側面に装着されたプラスチックブラケット(不図示)まで張架される。このため、アンテナ部として十分な長さを確保することができる。この結果、体温タグを小型化したことによる送受信感度の低下を補うことが可能となる。
【0063】
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、被測定者が歯列矯正を行う場合にあっては、アンテナ部を内挿させた矯正ワイヤを用いることで、体温タグ側の送受信感度を向上させるようにしたが、測定部を臼歯に直接接着させるのではなく、スプリント治療に用いる樹脂材料スプリントを用いて歯列を覆い、スプリントに測定部を接着するようにしてもよい。
【0064】
図10Bは、本実施形態に係る体温測定システムを構成する測定部1030及びスプリント1050を装着した様子を示す図である。図10Bに示すように、本実施形態では、被測定者の上側の歯列に透明樹脂製のスプリントが装着され、最も奥に位置する臼歯の部分のスプリント1050外側面に測定部1030が接着される。
【0065】
スプリント1050は歯列から着脱自在であるため、被測定者は食事中などにおいて不都合を感じる場合には、いつでも測定部を口中より除くことができる。
【0066】
更に、上記第1及び第2の実施形態では、被測定者の臼歯の外側面に測定部を装着する構成としたが、本発明はこれに限定されず、入れ歯等の人工的な歯部自体を被測定者に取り付ける場合にあっては、当該人工的な歯部に測定部が取り付けられていてもよい。つまり、測定部は、被測定者の口腔内に取り付けられる任意の部材(口腔内部材)に内挿させることができる。
【0067】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、測定時の閉鎖空間を維持するために、口腔内における測定に着目し、所定の読出周期で、体温データを読み出す構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0068】
例えば、測定時に、被測定者の口腔内が常に閉鎖空間になっているとは限られず、被測定者の口が開いている場合も考えられ、このような状態では、取得された体温データも、測定誤差が大きい。
【0069】
このため、被測定者の口腔内が閉鎖空間となっていない状態で取得された体温データは、解析対象から排除する構成となっていることが望ましい。
【0070】
具体的には、歯列矯正用樹脂機材であるプラスチックブラケットに、上記体温タグ125に加え、加速度センサタグを内挿させ、測定部120が体温データを読み出す際に、被測定者の顎部の動作を検出する加速度センサタグの出力(加速度データ)も合わせて読み出す構成としてもよい。かかる構成とすることで、加速度センサタグの出力が所定の閾値以上となっていた場合に、被測定者が顎部を動かしており、口腔内の閉鎖空間が維持されていないと判断することができるからである。つまり、被測定者の固有のリズムを把握する際に、当該体温データを排除することが可能となるからである。
【0071】
なお、上記説明では、加速度センサタグの出力に関わらず、体温データを読み出すものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、加速度センサタグの出力が所定の閾値以上となっていた場合には、体温データの読み出し自体を行わない構成としてもよい。具体的には、図8のステップS811の測定可否の判定において、加速度センサタグの出力が、所定の閾値以上となっていた場合には、体温タグ125が体温測定の精度に影響を与える状態になっていると判定する構成としてもよい。
【0072】
[第5の実施形態]
上記第1の実施形態では、体温測定システムとして制御部を1種類のみ備える構成としたが、本発明はこれに限定されず、複数種類用意する構成としてもよい。例えば、耳かけ型の制御部を耳介に引っ掛けた状態で就寝するのは、被測定者によっては違和感を伴う場合もありえる。そこで、体温測定システムとして、制御部を複数種類用意しておき、被測定者の活動状態に応じて、異なる制御部を装着する構成としてもよい。このように、複数の制御部を用意した場合であっても、それぞれの制御部の時刻さえ同期していれば、それぞれの制御部に測定時刻と対応付けて記憶された体温データを読み出すだけで、体温の経時的な変化を解析することが可能となり、被測定者の固有のリズムを把握することができる。なお、耳かけ型の制御部以外の制御部としては、例えば、就寝時に体温データの取得ができるよう、制御部の機能を枕に内挿させた構成等が考えられる。
【0073】
また、上記第1の実施形態では、所定の周期で体温データの読み出しを行う構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、接触センサを配し、奥歯の噛みしめを契機として体温データの読み出しを行ったり、照光検知センサを配し、口の開閉を契機として体温データの読み出しを行うようにしてもよい。
【0074】
更には、pH値等のバイタルデータを検知するための種々のセンサを配し、体温データの読み出しと同時に、それらのセンサの検知結果も合わせて読み出すように構成してもよい。
【符号の説明】
【0075】
100・・・体温測定システム、110・・・制御部、111・・・アンテナ部、112・・・表示部、113・・・電源ON/OFFスイッチ、114・・・操作スイッチ、115・・・操作部、120・・・測定部、121・・・プラスチックブラケット、122・・・台座部、123・・・柱部、124・・・支持部、125・・・体温タグ、1020・・・測定部、1021・・・矯正ワイヤ、1022・・・矯正ワイヤ、1030・・・測定部、1050・・・スプリント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体温測定システムであって、
電磁誘導により起動し、被測定者の体温を測定する体温タグが内挿され、口腔内に取り付け可能な口腔内部材と、
所定の周期で電磁界を発生することで、前記体温タグより体温データを取得し、時刻情報と対応付けて記憶する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被測定者の耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面を有するハウジングを有しており、
前記ハウジングの前記湾曲面の終端位置近傍には、前記電磁界を放射するアンテナ部が配されていることを特徴とする体温測定システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記記憶した体温データのプロファイルに基づいて、被測定者の体温の変化の状態を判断し、該被測定者の体温の変化が、下降状態にあると判断した場合には、前記電磁界を発生する周期を短い周期に変更することを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記被測定者の体温の変化が、上昇状態にあると判断した場合には、前記電磁界を発生する周期を元に戻すことを特徴とする請求項2に記載の体温測定システム。
【請求項4】
前記口腔内部材には、更に、前記電磁誘導により起動する、前記被測定者の顎部の動作を検出するための加速度センサタグが内挿されており、
前記制御部は、前記所定の周期で電磁界を発生することで、前記加速度センサタグより、加速度データを取得し、前記体温データと対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項5】
前記口腔内部材には、更に、前記電磁誘導により起動する、前記被測定者の顎部の動作を検出するための加速度センサタグが内挿されており、
前記体温タグは、前記制御部が、前記所定の周期で電磁界を発生することで起動した、前記加速度センサタグの出力が、所定の閾値を超えていた場合には、前記制御部に対する体温データの送信を行わないことを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項6】
前記体温タグを構成するアンテナは、被測定者の他の歯部に接着される口腔内部材との間に張架される、歯列を矯正するためのワイヤに内挿されていることを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項1】
体温測定システムであって、
電磁誘導により起動し、被測定者の体温を測定する体温タグが内挿され、口腔内に取り付け可能な口腔内部材と、
所定の周期で電磁界を発生することで、前記体温タグより体温データを取得し、時刻情報と対応付けて記憶する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記被測定者の耳介に引っ掛けた場合に耳裏に沿って当接する湾曲面を有するハウジングを有しており、
前記ハウジングの前記湾曲面の終端位置近傍には、前記電磁界を放射するアンテナ部が配されていることを特徴とする体温測定システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記記憶した体温データのプロファイルに基づいて、被測定者の体温の変化の状態を判断し、該被測定者の体温の変化が、下降状態にあると判断した場合には、前記電磁界を発生する周期を短い周期に変更することを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記被測定者の体温の変化が、上昇状態にあると判断した場合には、前記電磁界を発生する周期を元に戻すことを特徴とする請求項2に記載の体温測定システム。
【請求項4】
前記口腔内部材には、更に、前記電磁誘導により起動する、前記被測定者の顎部の動作を検出するための加速度センサタグが内挿されており、
前記制御部は、前記所定の周期で電磁界を発生することで、前記加速度センサタグより、加速度データを取得し、前記体温データと対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項5】
前記口腔内部材には、更に、前記電磁誘導により起動する、前記被測定者の顎部の動作を検出するための加速度センサタグが内挿されており、
前記体温タグは、前記制御部が、前記所定の周期で電磁界を発生することで起動した、前記加速度センサタグの出力が、所定の閾値を超えていた場合には、前記制御部に対する体温データの送信を行わないことを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【請求項6】
前記体温タグを構成するアンテナは、被測定者の他の歯部に接着される口腔内部材との間に張架される、歯列を矯正するためのワイヤに内挿されていることを特徴とする請求項1に記載の体温測定システム。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図11】
【図2】
【図10B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図11】
【図2】
【図10B】
【公開番号】特開2013−5995(P2013−5995A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142284(P2011−142284)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【出願人】(511156667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【出願人】(511156667)
【Fターム(参考)】
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