説明

体温管理装置、体温管理システム及び体温管理方法

【課題】利用者が体温を継続して測定し易くし、次回生理日等の体調変化基準日を予測し易くする体温管理装置等を提供する。
【解決手段】利用者の体温情報等に基づいて、周期的に到来する基準となる体調変化の日である体調変化基準日を予測する体調変化基準日生成部と、基準体調変化等の体調変化を、それぞれの体調変化の種類によって複数の体調変化区分情報に区分し、体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報等と関連付けて記憶すると共に、体調変化区分情報の対応する日等の体調変化区分時間情報とも関連付けて記憶する体調変化関連情報記憶部と、を有し、体温情報等を表示部に表示すると共に、同時に、体調変化基準日を表示し、体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報を対応する体調変化区分時間情報の時間に、体温情報等と共に表示する体温管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、婦人の基礎体温等の体温を管理する体温管理装置、体温管理システム及び体温管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、婦人が生理日や排卵日等を管理することができる婦人体温計が提案されている(例えば、特許文献1)。このような婦人体温計は、利用者が毎日、基礎体温等を計測し続けることで初めて、次回生理日や次回排卵日等を予測することができる構成等となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000―88661公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、利用者が毎日、基礎体温等の体温を測り続けることは、困難であり、基礎体温のデータが十分揃わないという問題があった。そして、このように基礎体温のデータが揃わないと、体温の低い時期(低温相)と高い時期(高温相)等を正確に把握することができず、ひいては、正確な次回生理日や次回排卵日等の体調変化日を予測することも困難になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、利用者が体温を継続して測定し易くし、利用者の次回生理日や次回排卵日等の体調変化基準日を予測し易くする体温管理装置、体温管理システム及び体温管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明にあっては、少なくとも、体温計から取得した利用者の体温情報及び体調情報を記憶する体温体調情報記憶部と、前記体温情報及び前記体調情報に基づいて、周期的に到来する基準となる体調変化である基準体調変化が発生する日である体調変化基準日を予測する体調変化基準日生成部と、前記基準体調変化及び前記体調変化以外の他の複数種類の体調変化を、それぞれの体調変化の種類によって複数の体調変化区分情報に区分し、前記体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報と関連付けて記憶すると共に、前記体調変化区分情報の対応する日及び/又は期間である体調変化区分時間情報とも関連付けて記憶する体調変化関連情報記憶部と、を有し、前記体温情報及び体調情報を表示部に表示すると共に、同時に、前記体調変化基準日を表示し、さらに、前記体調変化区分情報に対応した各別の前記コメント情報及び各別の前記イラスト情報を対応する前記体調変化区分時間情報の時間に、前記体温情報及び体調情報及び前記体調変化基準日と共に表示することを特徴とする体温管理装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、体温計から取得した利用者の基礎体温等の体温情報及び生理初日があったこと等の体調情報が、体温管理装置の表示部に表示されるだけでなく、これら体温計から取得した体温情報及び体調情報に基づいて予測される次回生理初日等の体調変化基準日も、これら体温情報及び体調情報と共に表示部に表示されるので、利用者は、表示部を視認するだけで、自己の体温情報及び体調情報と体調変化基準日を把握できる。このため、利用者は、自己の体調管理をし易い構成となっている。
また、前記構成によれば、次回生理初日等の基準体調変化及び生理初日から6日〜14日目等の他の複数種類の体調変化を、それぞれの体調変化の種類(例えば、女の子が一番輝くキラキラ期等)によって複数の体調変化区分情報に区分し、体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報(例えば、女の子が一番輝くキラキラ期、デートに旅行に満喫しよう)及び各別のイラスト情報と関連付けて記憶すると共に、体調変化区分情報の対応する日及び/又は期間である体調変化区分時間情報(例えば、生理初日から6日〜14日目等)とも関連付けて記憶している。
【0008】
そして、これら体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報を対応する体調変化区分時間情報の時間(例えば、生理初日から6日〜14日目等)に、体温情報及び体調情報及び体調変化基準日と共に表示する構成となっている。
このため、利用者は、例えば、生理初日等の体調変化基準日と、生理初日から6日〜14日目等の他の体調変化の期間では、表示部を視認したときに、異なるコメント及びイラストが表示されると共に、利用者の当該体調に合致した最適なコメント及びイラストが表示部に表示される。
したがって、利用者が体温計によって継続して体温測定をし続けると、その状態に合った異なるコメントやイラストを視認することができ、継続が促されることになる。
また、利用者による体温測定の継続により、利用者の次回生理日や次回排卵日等の体調変化基準日等も予測し易くすることができる。
【0009】
好ましくは、前記体温計から取得した利用者の前記体調情報には、利用者の生理初日情報が含まれ、前記体調変化基準日生成部により予測される体調変化基準日には、利用者の生理初日予測情報が含まれ、前記体温計から前記生理初日情報が入力されたときは、前記生理初日予測情報と一致するか否か判断し、前記生理初日情報が、前記生理初日予測情報と一致しないときは、前記体調変化基準日生成部は、入力された前記生理初日情報に基づいて、次回の生理初日予測情報を生成する構成となっていることを特徴とする。
【0010】
前記構成によれば、生理初日情報が、生理初日予測情報と一致しないときは、体調変化基準日生成部は、入力された生理初日情報に基づいて、次回の生理初日予測情報を生成する構成となっている。
このため、次回の生理初日予測情報の精度を向上させることができる。
【0011】
好ましくは、前記体温計は、利用者の体温を計測する測温部と、利用者の前記体調情報を入力する体調情報入力部を有すると共に、取得した前記体温情報及び前記体調情報を自動的に前記体温管理装置に送信する構成となっていることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、体温計に入力された利用者の体温情報及び体調情報は、自動的に体温管理装置に送信されるので、体温管理装置は、情報を迅速に取得し管理することができる。
【0013】
上記目的は、本発明にあっては、体温計から取得した利用者の体温情報及び体調情報に基づいて、周期的に到来する基準となる体調変化である基準体調変化が発生する日である体調変化基準日を予測する工程と、前記基準体調変化及び前記体調変化以外の他の複数種類の体調変化を、それぞれの体調変化の種類によって複数の体調変化区分情報に区分し、前記体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報と関連付けて記憶すると共に、前記体調変化区分情報の対応する日及び/又は期間である体調変化区分時間情報とも関連付けて記憶する体調変化関連情報記憶部を参照して、前記体温情報及び体調情報を表示部に表示すると共に、同時に、前記体調変化基準日を表示し、さらに、前記体調変化区分情報に対応した各別の前記コメント情報及び各別の前記イラスト情報を対応する前記体調変化区分時間情報の時間に、前記体温情報及び体調情報及び前記体調変化基準日と共に表示することを特徴とする体温管理方法により達成される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、利用者が体温を継続して測定し易くし、利用者の次回生理日や次回排卵日等の体調変化基準日を予測し易くする体温管理装置、体温管理システム及び体温管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の体温管理システムである例えば、婦人体温管理システムを示す概略図である。
【図2】図1の婦人体温計の主な構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図1の管理装置の主な構成を示す概略ブロック図である。
【図4】図3の各種処理部(プログラム)記憶部の内容を示す概略ブロック図である。
【図5】図5乃至図9は、本発明の実施の形態にかかる婦人体温管理システムの主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図6】図5乃至図9は、本発明の実施の形態にかかる婦人体温管理システムの主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態にかかる婦人体温管理システムの主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態にかかる婦人体温管理システムの主な動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかる婦人体温管理システムの主な動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図10】基礎体温等表示画面を示す概略図である。
【図11】キャラクタ及びコメントデータを示す概略説明図である。
【図12】3周期分のデータを示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
図1は、本発明の体温管理システムである例えば、婦人体温管理システム1を示す概略図である。
図1に示すように、婦人体温管理システム1は、体温計である例えば、婦人体温計10とコンピュータ等からなる体温管理装置である例えば、管理装置40とを有し、婦人体温計10と管理装置40とは相互に通信可能な構成となっている。
また、婦人体温計10は、例えば、利用者が口腔内に挿入して体温を計測する構成となっており、具体的には、図1の婦人体温計10の測温部11で、利用者の体温情報である例えば、体温データを計測する構成となっている。
【0018】
そして、計測された体温は、図1の体温計側ディスプレイ12に表示されると共に、婦人体温計10内に記憶される構成ともなっている。
また、婦人体温計10は、図1に示すように、例えば、複数のボタン等からなる体調情報入力装置である例えば、体温計側入力装置13を有し、利用者は、この体温計側入力装置13を用いて、体調情報である例えば、生理初日データ等を婦人体温計10に入力し、婦人体温計10内に記憶させることができる構成ともなっている。
【0019】
また、上述のように婦人体温計10に記憶されている体温データ及び生理初日データ等の体調データは、自動的に図1の管理装置40に送信される構成となっている。
このため、管理装置40で、かかる体温データや体調データを管理可能な構成となっている。
【0020】
図1に示す、婦人体温計10及び管理装置40は、それぞれ、コンピュータを有し、コンピュータは、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、バスを介して接続されている。
【0021】
図2は、図1の婦人体温計10の主な構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、婦人体温計10は、体温計側制御部14を有し、体温計側制御部14は、上述の測温部11を備える体温計側装置本体15、上述の体温計側ディスプレイ12及び体温計側入力装置13を制御すると共に、婦人体温計10が管理装置40と通信するための体温計側通信装置16や時刻情報を生成する体温計側計時装置17をも制御している。
また、婦人体温計10は、測温部11が測定した利用者の体温データや体温計側入力装置13で利用者が入力した生理初日等の体調データを記憶する体温計側各種データ記憶部18を有すると共に、この体温計側各種データ記憶部18は、体温計側制御部14で制御されている。
【0022】
なお、図2の体温計側通信装置16は、体温計側各種データ記憶部18に記憶されている利用者の体温情報や生理初日等の体調データを自動的に図1の管理装置40に送信する構成となっている。
【0023】
図3は、図1の管理装置40の主な構成を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、管理装置40は、管理装置側制御部43を有し、管理装置側制御部43は、表示部である例えば、管理装置側ディスプレイ41や管理装置側入力装置42を制御すると共に、管理装置40が婦人体温計10と通信するための管理装置側通信装置44や時刻情報を生成する管理装置側計時装置45をも制御している。また、管理装置側ディスプレイ41は好ましくはカラー液晶、有機ELが用いられる。
【0024】
また、図3に示すように管理装置40は、各種処理部(プログラム)記憶部50や各種記憶部を制御するが、これら各種処理部(プログラム)記憶部50や各種記憶部については後述する。なお、図4は、図3の各種処理部(プログラム)記憶部50の内容を示す概略ブロック図である。
【0025】
図5乃至図9は、本発明の実施の形態にかかる婦人体温管理システム1の主な動作等を示す概略フローチャートである。以下、本実施の形態を図5等のフローチャートに沿って説明すると共に、図1乃至図4の構成についても説明する。
【0026】
先ず、本実施の形態の婦人体温管理システム1を利用する利用者は、予め、自己のPC(コンピュータ)等である管理装置40に本実施の形態の体温管理システム1の所定のアプリケーションプログラムをダウンロードし、使用可能な状態とする。
そして、利用者が管理装置40の電源等をON状態にすると、図5のST1で、図1の管理装置40がインストールされた体温管理システム1のアプリケーションプログラムが初めて起動したか否かを判断する。
具体的には、図4のアクセス履歴判断処理部(プログラム)51が動作して判断する。
【0027】
そして、ST1で初めて起動したと判断された場合は、ST2へ進む。ST2では、図1の管理装置40の管理装置側ディスプレイ41に、図10に示す、基礎体温等表示画面が表示される。
図10は、基礎体温等表示画面を示す概略図である。この基礎体温等表示画面は、図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に記憶されており、基礎体温等表示画面には、図10に示すように、利用者の毎日の基礎体温等の体温情報(体温データ)や生理初日等の有無、発熱の有無、生理痛の有無等の体調情報(体調データ)も表示される構成となっている。
したがって、基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46は、体温体調情報記憶部の一例となっている。
【0028】
また、基礎体温等表示画面には、図10に示すように、その上部にコメント情報である例えば、コメント及びイラスト情報である例えば、イラストが併せて表示可能な構成となっている。これらコメントやイラストは、変更可能な構成となっている。
具体的には、図11に示すキャラクタ及びコメントデータ47aが、図3のキャラクタ及びコメントデータ記憶部47に記憶されている。
図11は、キャラクタ及びコメントデータ47aを示す概略説明図である。
すなわち、イラストで表示されるキャラクタ及びコメントが、それぞれの表示条件に対応して記憶されている。
この表示条件が体調変化区分情報及び体調変化区分時間情報の一例であり、キャラクタ及びコメントデータ記憶部47が、体調変化関連情報記憶部の一例となっている。
【0029】
ST2では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作し、図3のキャラクタ及びコメントデータ記憶部47を参照し、図11の表示条件のうち「初めてアプリを起動したとき」を選択して、コメント「初めまして!一緒に基礎体温の測定をはじめましょう!」及び対応するAパターンのイラストを、図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0030】
一方、ST1で、管理装置10のアプリを初めて起動する場合でない場合は、ST3へ進む。ST3では、前回のデータ入力と今回のデータ入力との間に10日以上経過したか否かが判断される。具体的には、図4のアクセス履歴判断処理部(プログラム)51が判断する。
【0031】
ST3で、所定日数以上、例えば10日以上データ入力がなかったと判断された場合は、ST4へ進む。ST4では、管理装置40の管理装置側ディスプレイ41に図10に示す基礎体温等表示画面を表示すると共に、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作する。
そして、図11のキャラクタ及びコメントデータ47aを参照して、表示条件「10日以上入力がなかったとき」に対応するコメント「久しぶり!また一緒に測定をしましょうね!」を基礎体温等表示画面に表示すると共に、対応するキャラクタ番号2のイラスト「Bパターン」も表示する。
【0032】
利用者が婦人体温計10の図1の測温部11等を用いて、体温測定を行い、体温計測入力装置13を操作して、生理初日等の体調メモ(体調情報)を入力した場合は、これらのデータは、一旦、図2の体温計側各種データ記憶部18に記憶された後、体温計側通信装置16によって、管理装置40に送信される。
【0033】
ST5では、管理装置40が、婦人体温計10から送信され、入力された利用者の体温データや体調メモを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に記憶する。
このように記憶された体温データや体調メモは、利用者が管理装置40を起動して、管理装置側ディスプレイ41に基礎体温等表示画面を表示したときに、計測した日の体温データ及び体調メモ(生理初日等)として、表示される。
したがって、利用者は、管理装置40を起動させることで、自己が婦人体温計10で測定した体温や、婦人体温計10に入力した体調メモを把握することができる。
【0034】
次いで、ST6では、管理装置40が、婦人体温計10から生理初日データ(体調メモ)を4回以上受信したか否かを判断する。具体的には、図4の生理初日入力回数判断処理部(プログラム)53が、図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46を参照して判断する。
【0035】
ST6で、生理初日データを4回以上受信したと判断された場合は、ST7へ進む。ST7では、図4の生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54が動作して、3周期分の生理周期内の体温データを、図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46から取得し、次回生理初日及び次回排卵日を演算し、図3の次回生理初日及び排卵日記憶部48に記憶する。
図12は、3周期分のデータを示す概略説明図である。図12を用いて、生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54の動作を具体的に説明する。
生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54は、図12に示す、3生理周期の平均日数を演算し、直近の生理初日に付加し、当該付加された年月日を次回生理初日と予想し、図3の次回生理初日及び排卵日記憶部48に記憶させる。
また、生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54は、図12の2生理周期のうち高温相期間(a、b、c)を抽出し、これらの平均の高温相期間を演算し、平均の高温相期間を次回生理周期に当てはめ、その高温相期間の開始日の前日を次回排卵日として、図3の次回生理初日及び排卵日記憶部48に記憶する。
【0036】
したがって、生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54が、体調変化基準日生成部の一例であり、次回生理初日データ及び次回排卵日データは、体調変化基準日の一例である。また、次回生理初日データは、生理初日予測情報の一例である。
【0037】
次いで、ST8へ進む。ST8では、管理装置40は、図3の次回生理初日及び排卵日記憶部48の次回生理初日及び次回排卵日のデータを参照して、管理装置側ディスプレイ41に表示する図10に示す基礎体温等表示画面に次回生理初日及び次回排卵日を表示する。具体的には、図10に示すように、体温データ、体調データ、コメント及びイラストと共に表示される構成となっている。
このため、利用者は管理装置40の管理装置側ディスプレイ41を視認するだけで、これらのデータを一度に把握することができる。
【0038】
次いで、ST9へ進む。ST9では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0039】
次いで、ST10へ進む。ST10では、利用者が婦人体温計10に入力した入力生理初日データを管理装置40が受信したか否かを判断する。
すなわち、実際に利用者の身体で生理が始まったときは、利用者は、図1の婦人体温計10の体温計側入力装置13を操作して、特定の日付に生理初日があったことを入力する。
すると、その生理初日があったという体調データは、図2の体温計側各種データ記憶部18に記憶されると共に、体温計側通信装置17を介して、管理装置40へ送信される。
この体調データの受信があると、管理装置40は、受信した体調データを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に記憶する。
【0040】
その後、ST10で示すように、図4の入力生理初日情報取得判断処理部(プログラム)55が、利用者が婦人体温計10に入力した入力生理初日データを管理装置40が受信したか否かを判断する。
【0041】
次いで、ST11へ進む。ST11では、ST10で管理装置40が受信した入力生理初日データと、図3の次回生理初日及び排卵日記憶部48の「次回生理初日」とが一致するか否かを判断する。具体的には、図4の生理初日情報判断処理部(プログラム)56が判断する。
したがって、生理初日情報判断処理部(プログラム)56が、生理初日情報判断処理部の一例である。
【0042】
ST11で、入力生理初日と次回生理初日とが一致しない場合は、ST12へ進む。ST12では、図4の直近生理初日情報生成処理部(プログラム)57が動作して、ST11の入力生理初日データを、直近生理初日データとして、図3の直近生理初日情報記憶部49に記憶する。
【0043】
次いで、ST13へ進む。ST13では、図4の生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54が動作し、直近生理初日情報記憶部49に記憶されている「直近生理初日データ」を基準にその直前の生理周期を含む4周期分の生理周期内の体温データを、図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46から取得し、次回生理初日及び次回排卵日を演算し、図3の次回生理初日及び排卵部記憶部48に記憶する。
すなわち、所定の生理周期、例えば4生理周期の平均日数を、直近の生理初日データに付加することで、次回生理初日とする。また、4生理周期の各周期内の高温相期間を抽出し、それらの平均値を次回高温相期間とし、この次回高温相期間の開始日の前日を次回排卵日とする。
【0044】
このように、実際の生理初日データを取得することができたときは、予想に基づく生理初日データではなく、実際の生理初日データに基づいて、その次の生理初日や排卵日を予測することができるので、次回生理初日及び次回排卵日の予測精度がより向上する。
【0045】
一方、ST10で入力生理初日データを受信しなかった場合や、ST11で、入力生理初日と次回生理初日とが一致した場合は、ST14へ進み、図3の直近生理初日情報記憶部49が、次回生理初日及び排卵日記憶部48の次回生理初日(予測日)を直近生理初日データとして、直近生理初日情報記憶部49に記憶する。
【0046】
次いで、ST15へ進む。ST15では、管理装置40は、図3の次回生理初日及び排卵日記憶部48の次回生理初日及び次回排卵日のデータを参照して、管理装置側ディスプレイ41に表示する図10に示す基礎体温等表示画面に次回生理初日及び次回排卵日を表示する。
これにより、最新の次回生理初日及び次回排卵日のデータを図10の基礎体温等表示画面に表示することができる。
【0047】
次いで、ST16へ進む。ST16では、利用者が管理装置40を起動した日が直近生理初日情報記憶部49の直近生理初日である場合は、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が、図11のキャラクタ及びコメントデータ47aを参照して、表示条件「生理予定日当日」に対応するコメント「今日から生理がはじまるよ!ナプキンを忘れずに!」及び対応するキャラクタ番号3のイラスト(Cパターン)が、図10の「コメント」及び「イラスト」の部分に表示される。
【0048】
次いで、ST17へ進む。ST17では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0049】
次いで、ST18へ進む。ST18では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作して、図1の管理装置側計時装置45を参照し、当該日付が直近生理初日記憶部49の直近生理初日から所定日数後以内、例えば3日後以内か否かを判断する。
【0050】
ST18で、直近生理初日から3日後以内と判断された場合は、ST19へ進む。ST19では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が、図11のキャラクタ及びコメントデータ47aを参照して、表示条件「直近生理日から3日後以内」に対応するコメント「おなかがイタイ〜!腰がイタイ〜!生理ってツライよね・・」及び対応するキャラクタ番号4のイラスト(Dパターン)が、図10の「コメント」及び「イラスト」の部分に表示される。
【0051】
次いで、ST20へ進む。ST20では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0052】
次いで、ST21へ進む。ST21では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作して、図1の管理装置側計時装置45を参照し、当該日付が直近生理初日記憶部49の直近生理初日から所定日数後、例えば4日又は5日後か否かを判断する。
【0053】
ST21で、直近生理初日から4日又は5日後と判断された場合は、ST22へ進む。ST22では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が、図11のキャラクタ及びコメントデータ47aを参照して、表示条件「直近生理日から4日又は5日後」に対応するコメント「もう少しで生理終了だね。がんばって!」及び対応するキャラクタ番号5のイラスト(Eパターン)が、図10の「コメント」及び「イラスト」の部分に表示される。
【0054】
次いで、ST23へ進む。ST23では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0055】
次いで、ST24へ進む。ST24では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作して、図1の管理装置側計時装置45を参照し、当該日付が次回生理初日及び排卵日記憶部48の次回排卵日(排卵予測日)から所定日数前、例えば4日前か否かを判断する。
【0056】
ST24で、次回排卵日(排卵予測日)から4日前と判断された場合は、ST25へ進む。ST25では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が、図11のキャラクタ及びコメントデータ47a及び次回生理初日及び排卵日記憶部48を参照して、表示条件「次回排卵予測日の4日前」に対応するコメント「そろそろ排卵予定日。次の排卵予定日は○月○日頃よ!」(予定日は、次回生理初日及び排卵日記憶部48の次回排卵日を表示)及び対応するキャラクタ番号6のイラスト(Fパターン)が、図10の「コメント」及び「イラスト」の部分に表示される。
【0057】
次いで、ST26へ進む。ST26では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0058】
次いで、ST27へ進む。ST27では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作して、図1の管理装置側計時装置45を参照し、当該日付が次回生理初日及び排卵日記憶部48の次回排卵日(排卵予測日)の所定日数前、例えば3日前から所定日数後、例えば2日後の間か否かを判断する。
【0059】
ST27で、次回排卵日(排卵予測日)の3日前から2日後の間と判断された場合は、ST28へ進む。ST28では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が図11のキャラクタ及びコメントデータ47aを参照して、表示条件「次回排卵予測日の3日前から2日後の間」に対応するコメント「今は排卵期。妊娠の可能性がいちばん高い時期よ!」及び対応するキャラクタ番号7のイラスト(Gパターン)が、図10の「コメント」及び「イラスト」の部分に表示される。
【0060】
次いで、ST29へ進む。ST29では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0061】
次いで、ST30へ進む。ST30では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が動作して、図1の管理装置側計時装置45を参照し、当該日付が図3の直近生理初日記憶部49の直近生理初日から所定日数後の間、例えば6日〜14日後か否かを判断する。
【0062】
ST30で、直近生理初日から6日〜14日後と判断された場合は、ST31へ進む。ST31では、図4のキャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)52が、図11のキャラクタ及びコメントデータ47aを参照して、表示条件「直近生理日から6日〜14日後」に対応する3つのコメントの一つ又は2つ以上を選択し、それに対応するキャラクタ番号とイラストが、図10の「コメント」及び「イラスト」の部分に表示される。
【0063】
次いで、ST32へ進む。ST32では、ST5と同様に、管理装置40が婦人体温計10から送信された体温データ及び体調メモ等のデータを図3の基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部46に入力し、利用者が、管理装置40を起動したときは、これらのデータを管理装置側ディスプレイ41の図10の基礎体温等表示画面に表示する。
【0064】
以上のように,本実施の形態では、婦人体温計10から取得した利用者の基礎体温等の体温データ及び生理初日があったこと等の体調情報が、管理装置40の管理装置側ディスプレイ41に基礎体温等表示画面に表示されるだけでなく、これら婦人体温計10から取得した体温データ及び生理や発熱等かあったこと等の体調情報に基づいて予測される次回生理初日や次回排卵日の予測日も、基礎体温等表示画面に併せて表示される。
このため、利用者は、基礎体温等表示画面を視認するだけで、自己の体温データ、体調情報、次回生理初日及び次回排卵日を把握できるので、自己の体調管理をし易い構成となっている。
【0065】
また、本実施の形態では、図11に示すように、「生理予定日当日」や「直近生理初日から3日後以内」等の体調の変化を、それぞれの体調変化の種類によって複数の体調変化区分情報に区分し、これら体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報と関連付けて記憶すると共に、体調変化区分情報の対応する日及び/又は期間の表示条件とも関連付けて、キャラクタ及びコメントデータ記憶部47に記憶している。
【0066】
そして、これら体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報を対応する表示時条件で、基礎体温等表示画面に体温データ、体調情報及び次回生理初日や次回排卵日の予測日と共に表示する構成となっている。
このため、利用者は、例えば、生理初日等の体調変化日と、生理初日から6日〜14日目等の他の体調変化の期間では、基礎体温等表示画面を視認したときに、異なるコメント及びイラストが表示されると共に、利用者の当該体調に合致した最適なコメント及びイラストが表示される構成となっている。
【0067】
したがって、利用者が婦人体温計10によって継続して体温測定をし続けると、その状態に合った異なるコメントやイラストを視認することができ、体温測定の継続が促されることになる。
また、利用者による体温測定の継続により、利用者の次回生理日や次回排卵日等も予測し易くなる。
【0068】
本実施の形態では、実際の生理初日が、生理初日予測情報と一致しないときは、生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)54は、入力された生理初日情報に基づいて、次回の生理初日予測情報を生成する構成となっている。
このため、次回の生理初日の予測情報の精度を向上させることができる。
【0069】
また、本実施の形態では、婦人体温計10に入力された利用者の体温データ及び生理初日等の体調情報は、自動的に管理装置40に送信されるので、管理装置40は、情報を迅速に取得し管理することができる。
【0070】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0071】
1・・・婦人体温管理システム1、10・・・婦人体温計、11・・・測温部、12・・・体温計側ディスプレイ、13・・・体温計側入力装置、14・・・体温計側制御部、15・・・体温計側装置本体、16・・・体温計側通信装置、17・・・体温計側計時装置、18・・・体温計側各種データ記憶部、40・・・管理装置、41・・・管理装置側ディスプレイ、42・・・管理装置側入力装置、43・・・管理装置側制御部、44・・・管理装置側通信装置、45・・・管理装置側計時装置、46・・・基礎体温等表示画面及び入力情報記憶部、47・・・キャラクタ及びコメントデータ記憶部、47a・・・キャラクタ及びコメントデータ、48・・・次回生理初日及び排卵日記憶部、49・・・直近生理初日情報記憶部、50・・・各種処理部(プログラム)記憶部、51・・・アクセス履歴判断処理部(プログラム)、52・・・キャラクタ及びコメント選択処理部(プログラム)、53・・・生理初日入力回数判断処理部(プログラム)、54・・・生理周期及び排卵日演算処理部(プログラム)、55・・・入力生理初日情報取得判断処理部(プログラム)、56・・・生理初日情報判断処理部(プログラム)、57・・・直近生理初日情報生成処理部(プログラム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、体温計から取得した利用者の体温情報及び体調情報を記憶する体温体調情報記憶部と、
前記体温情報及び前記体調情報に基づいて、周期的に到来する基準となる体調変化である基準体調変化が発生する日である体調変化基準日を予測する体調変化基準日生成部と、
前記基準体調変化及び前記体調変化以外の他の複数種類の体調変化を、それぞれの体調変化の種類によって複数の体調変化区分情報に区分し、前記体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報と関連付けて記憶すると共に、前記体調変化区分情報の対応する日及び/又は期間である体調変化区分時間情報とも関連付けて記憶する体調変化関連情報記憶部と、を有し、
前記体温情報及び体調情報を表示部に表示すると共に、同時に、前記体調変化基準日を表示し、さらに、前記体調変化区分情報に対応した各別の前記コメント情報及び各別の前記イラスト情報を対応する前記体調変化区分時間情報の時間に、前記体温情報及び体調情報及び前記体調変化基準日と共に表示することを特徴とする体温管理装置。
【請求項2】
前記体温計から取得した利用者の前記体調情報には、利用者の生理初日情報が含まれ、前記体調変化基準日生成部により予測される体調変化基準日には、利用者の生理初日予測情報が含まれ、
前記体温計から前記生理初日情報が入力されたときは、前記生理初日予測情報と一致するか否か判断し、
前記生理初日情報が、前記生理初日予測情報と一致しないときは、前記体調変化基準日生成部は、入力された前記生理初日情報に基づいて、次回の生理初日予測情報を生成する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の体温管理装置。
【請求項3】
前記体温計は、利用者の体温を計測する測温部と、利用者の前記体調情報を入力する体調情報入力部を有すると共に、取得した前記体温情報及び前記体調情報を自動的に前記体温管理装置に送信する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の体温管理装置を備える体温管理システム。
【請求項4】
体温計から取得した利用者の体温情報及び体調情報に基づいて、周期的に到来する基準となる体調変化である基準体調変化が発生する日である体調変化基準日を予測する工程と、
前記基準体調変化及び前記体調変化以外の他の複数種類の体調変化を、それぞれの体調変化の種類によって複数の体調変化区分情報に区分し、前記体調変化区分情報に対応した各別のコメント情報及び各別のイラスト情報と関連付けて記憶すると共に、前記体調変化区分情報の対応する日及び/又は期間である体調変化区分時間情報とも関連付けて記憶する体調変化関連情報記憶部を参照して、
前記体温情報及び体調情報を表示部に表示すると共に、同時に、前記体調変化基準日を表示し、さらに、前記体調変化区分情報に対応した各別の前記コメント情報及び各別の前記イラスト情報を対応する前記体調変化区分時間情報の時間に、前記体温情報及び体調情報及び前記体調変化基準日と共に表示することを特徴とする体温管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−34620(P2013−34620A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172328(P2011−172328)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】