説明

体組成測定装置

【課題】体組成を測定する際の消費電力を低減することのできる体組成測定装置を提供する。
【解決手段】
皮下脂肪測定装置の本体10は、皮膚に光を照射する照射部21と生体の内部を伝播して皮膚に現れた光を受光する第1受光部23及び第2受光部25とを含む測定部20と、第1受光部23及び第2受光部25の受光量に基づいて皮下脂肪厚を演算する演算部33とを備える。照射部21は、光の照射を実行した後、所定間隔をおいて次の光の照射を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体表面に光を照射する照射部と生体内部を伝播して体表面に現れた光を受光する受光部とを含む測定部と、受光部の受光量に基づいて体組成量を演算する演算部とを備える体組成測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記体組成測定装置として、体表面に向けて照射した光のうち生体内部を伝播して体表面に再び現れた光を受光し、その量に基づいて皮下脂肪厚を測定する光学式の皮下脂肪測定装置が知られている。
【0003】
こうした皮下脂肪測定装置の一例を図15に示す。
この皮下脂肪測定装置は、フラットな形状からなる測定板101を備えている。この測定板101の内部には、照射部102、第1受光部103及び第2受光部104が形成されている。第1受光部103は、照射部102から第1の距離をおいて設けられている。第2受光部104は照射部102から第1の距離よりも長い第2の距離をおいて設けられている。
【0004】
照射部102及び第1受光部103及び第2受光部104の内部には、発光素子及び第1受光素子及び第2受光素子(いずれも図示せず)がそれぞれ取り付けられている。発光素子は、皮膚111に向けて所定量の光を照射する。
【0005】
照射された光は、矢印にて示すように、生体内部に入射してその一部が生体内部を伝播し、再び皮膚111上に現れる。このように再び皮膚111上に現れた光は、第1受光素子または第2受光素子により受光される。
【0006】
第1受光素子の受光量と第2受光素子の受光量との比(受光量比率)は、生体の皮下脂肪厚と一定の相関を有しているため、この受光量比率に基づいて、本体100が押し当てられる箇所の皮下脂肪厚を算出することができる。
【0007】
ところで、皮下脂肪厚の分布には大きなばらつきがあるため、皮下脂肪厚を正確に把握するためには生体の広範囲にわたり皮下脂肪厚の測定を行うことが必要となる。そこで、生体における皮下脂肪厚の分布を測定すべく、皮下脂肪厚の連続的な測定が可能な皮下脂肪測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−191578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の皮下脂肪測定装置は、光を連続的に照射しながら本体を移動させることによって、皮下脂肪厚の分布を測定するため、電力の消費量が大きくなることが懸念される。なお、こうした問題は、光学式の皮下脂肪測定装置に限らず、他の体組成測定装置にあっても、概ね共通したものとなっている。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、測定時における電力消費量を低減することのできる体組成測定装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、体表面に光を照射する照射部と生体内部を伝播して体表面に現れた光を受光する受光部とを含む測定部と、前記受光部の受光量に基づいて体組成量を演算する演算部とを備える体組成測定装置において、前記測定部による光の照射が行われた後に所定間隔をおいて次の光の照射が行われることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、光の照射が行われた後、次に光の照射が行われるまでの期間は光の照射が行われない。このため、測定時の電力消費量を低減することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の体組成測定装置において、前記照射部による光の照射が行われてから前記測定部が体表面に対して所定の距離を移動した後に次の光の照射が行われることを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、所定の移動距離毎に体組成を測定することができるため、初期位置を予め定めて測定を行うことにより、複数の測定位置における体組成の経時変化を確認することができるようになる。
【0014】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の体組成測定装置において、体表面との接触により回転しながら移動するとともに前記測定部を含む円筒部を備え、前記円筒部の回転にともない前記測定部が回転し、前記照射部から照射される光が前記円筒部の円周面を介して体表面に照射されることを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、円筒部は回転しながら体表面を移動するため、円筒部の移動にともなう体表面との間の摩擦が小さくなる。従って、ユーザに与える不快感を軽減することができるようになる。
【0016】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の体組成測定装置において、前記受光部の受光量に基づいて体脂肪量を演算し、この演算の結果と前記円筒部の回転量とに基づいて体脂肪量の1次元分布を演算する演算部を備えることを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、体表面上における測定部の移動距離を円筒部の回転量から求めることができるため、体表面上での測定部の位置を把握することができる。これにより、測定部の位置と受光部の受光量とを対応付けることにより、体脂肪量の分布を正確に求めることができる。
【0018】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の体組成測定装置において、前記円筒部は、前記照射部の動作のオン及びオフを切り替える制御スイッチを有するものであり、同制御スイッチは、前記円筒部の円周面において前記測定部と一列に設けられるとともに、体表面との接触により前記円筒部側に押されたときに前記照射部の動作をオンにするものであることを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、測定部が体表面に接触したときに制御スイッチも体表面と接触して円筒部側に押されるため、照射部から光が照射される。そして、円筒部の回転にともない制御スイッチが体表面から離れたとき、すなわち測定部が体表面から離れたときには、制御スイッチが円筒部側に押されていない状態にあるため、照射部からは光が照射されない。従って、測定部が体表面に接触していないときに不要に光の照射が行われることを抑制することができる。
【0020】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記円筒部を一方向のみに回転するための機構を備えることを要旨とする。
同構成によれば、定められた所定の方向以外の方向に、円筒部が回転することが抑制される。このため、円筒部の回転量と体組成測定装置の移動距離とを正確に対応させることができる。
【0021】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記円筒部の円周面には、同円周面から突出する収容部が設けられ、同収容部内に前記受光部が設けられることを要旨とする。
【0022】
同構成によれば、円筒部の円周面から突出した収容部が設けられているため、円筒部の回転にともない同収容部が体表面に接触したときには、円筒部の他の部位が体表面に接触するときに比べて円筒部と体表面とがより密着した状態になる。そして、そうした収容部内に受光部が設けられているため、受光部が外乱光を受光することに起因して体組成の測定精度が低下することを抑制することができる。
【0023】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項3〜7のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記円筒部に対して着脱することのできる円筒把持部を備えることを要旨とする。
【0024】
同構成によれば、ユーザは、円筒把持部を握りながら円筒部の円周面を体表面に接触させて移動させることができるようになる。このため、同装置の取り扱いが容易となり、例えばユーザが体組成の測定中に本体を落としてしまうことを抑制できる。
【0025】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の体組成測定装置において、前記円筒把持部に対して着脱することのできる棒状の延長把持部を備えることを要旨とする。
同構成によれば、ユーザが背中など手の届かないところの体組成を自分で測定することができるようになる。また、円筒把持部に対して着脱できるため、腹部等のように延長把持部がなくても体組成の測定がユーザ1人できるときには、延長把持部を取り外して測定を行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、測定時における電力消費量を低減することのできる体組成測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態の皮下脂肪測定装置について、その構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)は同装置の側面構造を示す側面図、(b)は同装置の平面構造を示す平面図。
【図3】同実施形態の皮下脂肪測定装置について、図2のX−X断面の構造を示す断面図。
【図4】同実施形態の皮下脂肪測定装置について、体表面に接触したときの断面構造を示す断面図。
【図5】同実施形態の皮下脂肪測定装置を用いた皮下脂肪厚の測定態様の一例を示す模式図。
【図6】同実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)及び(b)は表示部の表示例を示す模式図。
【図7】本発明の第2実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)は図7(b)のY−Y断面の構造を示す断面図、(b)は同装置の平面構造を示す平面図。
【図8】本発明の第3実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)は同装置の側面構造を示す側面図、(b)は同装置の平面構造を示す平面図。
【図9】同実施形態の皮下脂肪測定装置を用いた皮下脂肪厚の測定態様の一例を示す模式図。
【図10】本発明の第4実施形態の皮下脂肪測定装置について、図8のZ−Z断面の構造を示す断面図。
【図11】本発明の第5実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)は同装置の側面構造を示す側面図、(b)は同装置の平面構造を示す平面図、(c)は同装置の側面構造を示す側面図、(d)は同装置の平面構造を示す平面図。
【図12】本発明の第6実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)は同装置の側面構造を示す側面図、(b)は同装置の平面構造を示す平面図。
【図13】同実施形態の皮下脂肪測定装置を用いた皮下脂肪厚の測定態様の一例を示す模式図。
【図14】本発明の第7実施形態の皮下脂肪測定装置について、(a)は同装置の側面構造を示す側面図、(b)は同装置の平面構造を示す平面図。
【図15】従来の皮下脂肪測定装置の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。なお本実施形態では、生体の皮下脂肪厚を測定する皮下脂肪測定装置として本発明を具体化した場合について例示している。また以下の説明においては、生体の皮膚の表面を体表面としている。
【0029】
図1に示されるように、皮下脂肪測定装置の本体10は、測定部20をはじめとする各種の機器が設けられた円筒部11と、この円筒部11を貫通する状態で同円筒部11に取付けられる把持部14とを含めて構成されている。
【0030】
円筒部11には、体表面に対して光を照射するとともに生体内を伝搬した光を受ける測定部20と、測定部20に対する制御指令の送信を行う制御部32と、測定部20の測定結果に基づく皮下脂肪厚の演算を行う演算部33と、演算結果としての皮下脂肪厚を表示する表示部12とが設けられている。またこの他に、ユーザによる操作を通じて本体10の電源をオンまたはオフするための電源スイッチ13が設けられている。
【0031】
測定部20には、生体に光を照射する発光素子22と、生体内を伝搬した光を受ける第1受光素子24及び第2受光素子26と、制御スイッチ29が設けられている。測定部20の測定結果である各素子の受光量に相当する信号は、制御部32に送信される。
【0032】
制御部32は、電源スイッチ13及び表示部12及び制御スイッチ29及び発光素子22と電気的に接続されている。また演算部33は、第1受光素子24及び第2受光素子26と電気的に接続されている。また制御部32と演算部33とは、これらの間でデータの送受信ができるように伝送路により接続されている。
【0033】
電源スイッチ13は、その操作位置としてオン位置及びオフ位置を有する。ユーザによる操作を通じてオン位置に設定されたときには、ユーザによるオフ位置への切り替えが行われるまでオン位置に維持される。一方、ユーザによる操作を通じてオフ位置に設定されたときには、ユーザによるオン位置への切り替えが行われるまでオン位置に維持される。
【0034】
制御スイッチ29は、その操作位置としてオン位置及びオフ位置を有する。体表面などの他の物体との接触により押し下げられているときにはオン位置に維持される。一方、体表面などの他の物体と接触していないときにはオフ位置に維持される。
【0035】
制御部32は、制御スイッチ29がオン位置にあるときだけ光を照射する旨の信号を発光素子22に対して送信する。一方、制御スイッチ29がオフ位置にあるときには発光素子22に対する信号の送信を停止する。
【0036】
演算部33は、皮下脂肪厚の値を算出するために予め格納された関数と、第1受光素子24及び第2受光素子26のそれぞれから送信されたデータとに基づいて皮下脂肪厚を算出する。算出された皮下脂肪厚のデータは、表示部12に送信される。
【0037】
表示部12は、制御部32から送信される信号に基づいて、皮下脂肪厚をはじめとする各種の情報を表示する。皮下脂肪測定装置のユーザは、同表示部12に表示される情報を通じて皮下脂肪厚の測定結果等を把握することができる。
【0038】
図2及び図3を参照して、皮下脂肪測定装置の具体的な構造について説明する。なお、図2(a)は同装置の側面構造を、図2(b)は同装置の平面構造を、図3は図2(b)のX−X断面構造をそれぞれ示す。
【0039】
図2(a)に示されるように、この円筒部11は有蓋円筒状に形成されている。すなわち、円筒部11の円筒部分を形成する円周面11aと、蓋部分を形成する蓋部11bとにより構成されている。
【0040】
蓋部11bには、表示部12及び電源スイッチ13がそれぞれ設けられている。表示部12としては液晶画面に皮下脂肪厚の測定結果を数値で表示するものが設けられている。
円筒部11には円筒部11の長手方向を貫通するように把持部14が設けられている。把持部14は円筒部11に対して相対回転可能となるように取付けられている。また円筒部11の内部には、制御部32及び演算部33が形成された基板31が設けられている。
【0041】
ユーザは、本体10を使用するときに把持部14を握り円筒部11を皮膚に押し当てる。そしてこの状態で円筒部11を回転させることにより皮膚上において本体10を移動させる。
【0042】
図2(b)に示されるように、円筒部11の円周面11aには、測定部20が設けられている。測定部20には、照射部21及び第1受光部23及び第2受光部25が一列に配置されている。照射部21と第1受光部23との距離(第1素子間距離k1)は、皮膚色素及び吸光特性及び散乱特性の違いによる影響を補正するために短く設定される。照射部21と第2受光部25との距離(第2素子間距離k2)は、第1素子間距離k1よりも長く設定される。
【0043】
図3に示されるように、照射部21には発光素子22が、第1受光部23には第1受光素子24が、第2受光部25には第2受光素子26が、それぞれ設けられている。
照射部21には、発光素子22の周囲を覆う円筒状のゴム製のキャップ27が設けられている。第1受光部23には、第1受光素子24の周囲を覆う円筒状のゴム製のキャップ27が設けられている。第2受光部25には、第2受光素子26の周囲を覆うゴム製のキャップ27が設けられている。各キャップ27の開口部には、光を透過するレンズ28がはめ込まれている。発光素子22としては、LEDが用いられている。第1受光素子24及び第2受光素子26としては、フォトダイオードが用いられている。
【0044】
発光素子22は、生体の皮膚に対する光の照射ができるように円周面11a上に設けられている。第1受光素子24及び第2受光素子26も、生体からの光を受けることができるように円周面11a上に設けられている。
【0045】
円周面11aからの測定部20のキャップ27の頂部までの距離L1は、円周面11aからの制御スイッチ29の頂部(皮膚との接触部)までの距離L2よりも小さく設定されている。なお、照射部21及び第1受光部23及び第2受光部25は、円周面11aからキャップ27の頂部までの距離L1が互いに同じ大きさに設定されている。
【0046】
制御スイッチ29は、円周面11aの外周側に向けてバネ16により付勢されている。これにより、制御スイッチ29に対して力が加えられていないとき、同スイッチ29は円周面11aよりも外側に突出した状態に維持される。
【0047】
図4に示されるように、測定部20が皮膚3に押し当てられたとき、皮膚3に押圧されて制御スイッチ29が円筒部11の内部に入り込む。このとき制御スイッチ29は、基板31上に設けられて制御部32に電気的に接続されている接点(図示せず)に接触する。このように制御スイッチ29が接点に接触すると、制御部32は、制御スイッチ29がオン位置にあると判断して、発光素子22に対して光を照射する旨の信号を送る。一方、制御スイッチ29が皮膚3に押圧されないとき、同スイッチ29はバネ16の付勢力により円周面11aから突出して接点から離れる。このように制御スイッチ29が接点から離れると、制御部32は、制御スイッチ29がオフ位置にあると判断して、発光素子22に対する信号の送信を停止する。
【0048】
発光素子22から生体1の内部に照射された光は、皮膚3、脂肪4、または筋肉5を伝播して第1受光素子24及び第2受光素子26に受光される。演算部33は、第1受光素子24の受光量と、第2受光素子26の受光量との比(受光量比率)を算出する。さらに、演算部33は、予め定められた所定の関数を参照し、得られた受光量比率に基づいて、皮下脂肪厚を算出(推定)する。次に、制御部32は、算出した皮下脂肪厚を表示部12に表示させる。
【0049】
図5を参照して、皮下脂肪厚の測定態様について説明する。皮下脂肪厚の測定は次の各ステップを経て行われる。
(ステップ1):ユーザは、蓋部11bの電源スイッチ13をオン操作する。
【0050】
(ステップ2):円筒部11を腹部2の表面、すなわち皮膚3上に押し当てる。
(ステップ3):円筒部11を皮膚3に押し当てた状態において、把持部14を持ちながら腹部2の一方の端部から他方の端部まで矢印方向に移動させる。このとき、円筒部11が把持部14に対して回転可能に支持されていることにより、本体10が円筒部11の回転にともない体表面上を滑らかに移動する。
【0051】
(ステップ4):円筒部11が皮膚3に押し当てられた状態で皮膚3の上を回転すると、制御スイッチ29は、円筒部11が1回転するごとに1回押圧される。このため、本体10は円筒部11が1回転するたびに、発光素子22を点灯して皮下脂肪厚の測定を実行するようになる。本実施形態においては、ポイントA、ポイントB及びポイントCにて制御スイッチ29がオン操作される。これらのポイントにて測定された皮下脂肪厚は、図6(a)に示されるように表示部12に表示される。
【0052】
(ステップ5):演算部33は、円筒部11の回転数をカウントすることによって円筒部11の移動距離を算出し、この算出した移動距離と測定した皮下脂肪厚とに基づいて、図6(b)に示されるように皮下脂肪厚の1次元分布を作成する。作成された1次元分布は、各ポイントでの皮下脂肪厚と同様に表示部12に表示される。
【0053】
以上のように、各ポイントでの皮下脂肪厚の測定及び、これに基づく皮下脂肪厚の1次元分布の作成が行われる。また、ユーザは測定開始位置を毎回の測定において同じものに設定することにより生体の同一部位における皮下脂肪厚の経時変化を把握することが可能となる。
【0054】
すなわち、測定間隔は円筒部11の1回転分であり、一定のものである。このため、測定を開始する初期位置が予め定められると、他の測定位置であっても、この初期位置との関係で予め測定位置を定めることができる。ユーザは、このように予め定めておいた複数の測定位置において、皮下脂肪厚の経時変化を測定することができるようになる。
【0055】
本実施形態によれば、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(1)皮下脂肪測定装置の本体10は、皮膚3に光を照射する発光素子22と生体1の内部を伝播して皮膚3に現れた光を受光する第1受光素子24及び第2受光素子26とを含む測定部20と、第1受光素子24及び第2受光素子26の受光量に基づいて皮下脂肪厚を演算する演算部33とを備えるものであり、光の照射を行った後に所定間隔をおいて次の光の照射が行うようにしている。従って、光の照射が行われた後、次に光の照射が行われるまでの期間は光の照射が行われない。このため、測定時の電力消費量を低減することができるようになる。
【0056】
(2)本実施形態では、発光素子22による光の照射が行われてから測定部20が皮膚3に対して所定の距離を移動した後に次の光の照射が行われる。従って、所定の移動距離毎に皮下脂肪厚を測定することができるため、初期位置を予め定めて測定を行うことにより、複数の測定位置における体組成の経時変化を確認することができるようになる。
【0057】
(3)本実施形態では、皮膚3との接触により回転しながら移動するとともに測定部20を含む円筒部11を備え、同円筒部11の回転にともない測定部20が回転し、発光素子22から照射される光が皮膚3に照射される。従って、円筒部11は回転しながら皮膚3上を移動するため、円筒部11の移動にともなう皮膚3との間の摩擦が小さくなる。従って、ユーザに与える不快感を軽減することができるようになる。
【0058】
(4)本実施形態では、第1受光素子24及び第2受光素子26の受光量に基づいて皮下脂肪厚を演算し、この演算の結果と円筒部11の回転量とに基づいて皮下脂肪厚の1次元分布を演算する演算部33を備える。従って、皮膚3上における測定部20の移動距離を円筒部11の回転量から求めることができるため、皮膚3上での測定部20の位置を把握することができる。これにより、測定部20の位置と第1受光素子24及び第2受光素子26の受光量とを対応付けることにより、皮下脂肪厚の分布を正確に求めることができる。
【0059】
(5)本実施形態では、円筒部11は照射部21の動作のオン及びオフを切り替える制御スイッチ29を有し、制御スイッチ29は、円筒部11の円周面11aにおいて測定部20と一列に設けられるとともに、皮膚3との接触により円筒部11側に押されたときに照射部21の動作をオンにする。従って、測定部20が皮膚3に接触したときに制御スイッチ29も皮膚3と接触して円筒部11側に押されるため、照射部21から光が照射される。そして、円筒部11の回転にともない制御スイッチ29が皮膚3から離れたとき、すなわち測定部20が皮膚3から離れたときには、制御スイッチ29が円筒部11側に押されていない状態にあるため、照射部21からは光が照射されない。このため測定部20が皮膚3に接触していないときに不要に光の照射が行われることを抑制することができる。
【0060】
(6)特許文献1に記載の皮下脂肪測定装置においては、皮下脂肪厚の測定開始後にユーザが皮下脂肪測定装置を操作する手を止めたときには、測定のためのデータが得られないにも関わらず発光素子からの光の照射が継続されるようになる。この場合には、データの収集に貢献しない光の照射が行われるという意味において、電力を浪費しているといえる。この点、本実施形態によれば、制御スイッチ29がオン操作されないときには発光素子22による光の照射は実行されないため、このような電力の浪費は抑制されるようになる。
【0061】
(第2実施形態)
図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態の皮下脂肪測定装置は、前記第1実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、前記第1実施形態の測定部20と同一の構成を有する測定部を円筒部11の円周面11aに複数備えている。以下、この変更にともない生じる前記第1実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第1実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0062】
図7に示されるように、円筒部11の円周面11aには、4つの測定部20が周方向に等角度間隔をおいて形成されている。
円筒部11が皮膚3に押し当てられた状態で皮膚3の上を回転すると、制御スイッチ29は、1回転ごとに4回にわたり押圧される。すなわち、円筒部11が皮膚3の上を1回転する毎に、4回皮下脂肪厚が測定されるようになる。このため、測定位置が多くなり、より精密に皮下脂肪厚の分布を測定することができるようになる。
【0063】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(7)円筒部11は、等角度間隔をおいて形成される4つの測定部20を備えている。このため、円筒部11が1回転する毎に、4回皮下脂肪厚の測定が実行されるため、ユーザは、皮下脂肪厚のより詳細な分布を測定することができるようになる。
(第3実施形態)
図8〜図10を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
【0064】
本実施形態の皮下脂肪測定装置は、前記第1実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、前記第1実施形態の把持部14の両端部の形状を変えた第1把持部51を備えるとともに、第1把持部51の両端部に接続される第2把持部52を備えている。以下、この変更にともない生じる前記第1実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第1実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0065】
図8(b)に示されるように、円筒部11には、円柱状に形成された第1把持部51が円筒部11を貫通するように設けられている。この第1把持部51は、円筒部11に対して相対移動ができないよう円筒部11に固定されている。第1把持部51の両端には、円筒把持部としての第2把持部52が設けられている。第2把持部52は、第1把持部51に対して直交する面方向に延びる方向に屈曲して形成される屈曲部52aを備えている。
【0066】
図8(a)に示されるように、屈曲部52aの端部52bを円筒部11から見たときの断面積は、第1把持部51の径方向における断面積よりも大きくなるように形成されている。屈曲部52aの端部52bは、第1把持部51の端部にそれぞれ取付けられている。この第1把持部51は、第2把持部52に対して相対回転可能である。すなわち、第1把持部51と円筒部11は、一体となって第2把持部52に対して相対回転することができる。第2把持部52の中心部分には、グリップ部53が第2把持部52と一体となって形成されている。グリップ部53の外径は、第2把持部52の外径よりも大きくなるように形成されている。
【0067】
図9に示されるように、ユーザは、本体10を使用するときにグリップ部53を握り円筒部11を皮膚3に押し当てる。そしてこの状態で円筒部11を回転させることにより、皮膚3上において本体10を腹部2の一方の端面から他方の端面、すなわち皮膚3の上を矢印方向に移動させる。第1把持部51及びこれに固定される円筒部11は、第2把持部52に対して相対回転可能となるように支持されているため、本体10は、円筒部11の回転により滑らかに移動する。
【0068】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(8)本実施形態によれば、第1把持部51に対して着脱することのできる第2把持部52が設けられている。従って、ユーザは、第2把持部52を握りながら円筒部11の円周面11aを皮膚3に接触させて移動させることができるようになる。このため、本体10の取り扱いが容易となり、例えばユーザが皮下脂肪厚の測定中に本体10を落としてしまうことを抑制できる。
【0069】
(9)第2把持部52には、その中心部分に第2把持部52よりも外径が大きくなるように形成されたグリップ部53が第2把持部52と一体となって形成されている。このため、ユーザは、第2把持部52を一層つかみやすくなる。
(第4実施形態)
図10を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
【0070】
本実施形態の皮下脂肪測定装置は、前記第3実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、前記第3実施形態の第1把持部51及び第2把持部52に代えて、これら第1把持部51及び第2把持部52とは両端部の形状が異なる第1把持部61及び第2把持部63を備えている。以下、この変更にともない生じる第3実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第1実施形態及び前記第3実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0071】
図10に示されるように、第1把持部61の両端側における第2把持部63側の面には、鋸歯形状の歯62が複数突起して形成されている。これら歯62は、第1把持部61の軸回りにおいて等角度間隔で並ぶように形成されている。第2把持部63の端部における第1把持部61に対向する側の面には、凹部64が形成されている。この第2把持部63の凹部64には、複数の突起65が等角度間隔で並ぶように形成されている。
【0072】
これら歯62及び突起65は、第1把持部61が第2把持部63に対して所定方向にのみ相対回転可能となるように形成されている。すなわち、歯62を構成する面のうち、一方の面62aには緩やかな傾斜を有する切り欠き部が形成されている。この面62aは、第1把持部61が第2把持部63に対して時計回り方向(図10における矢印方向)に相対回転した場合に、その回転方向側となる側の面である。突起65を構成する面のうち、一方の面65aにも同様に、切り欠き部が形成されている。この面65aは、第1把持部61が第2把持部63に対して時計回り方向に相対回転した場合において、歯62と接する側の面である。
【0073】
第1把持部61が第2把持部63に対して時計回り方向に回転すると、歯62が突起65を押し上げつつ回転するようになる。このため、第1把持部61は第2把持部63に対して相対回転可能となる。一方、第1把持部61が第2把持部63に対して反時計周り方向に回転しようとすると、歯62は、突起65を構成する面のうち急峻な斜面である側の面に衝突するため、歯62が突起65を乗り越えることは規制される。このため第1把持部61の第2把持部63に対する反時計回り方向への相対回転は抑制されるようになる。
【0074】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)及び第3実施形態の効果(8)及び(9)に加えて、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(10)本実施形態によれば、本体10は、円筒部11を一方向のみに相対回転可能とするための機構を備えている。従って、定められた所定の方向以外の方向に、円筒部11が回転することが抑制される。このため、円筒部11の回転量と本体10の移動距離とを正確に対応させることができる。
【0075】
(第5実施形態)
図11を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態の皮下脂肪測定装置は、前記第3実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、前記第3実施形態の円筒部11と同様の構成を有する第1円筒部81に加えて、径方向の断面積が第1円筒部81よりも大きい第2円筒部82を備えている。以下、この変更にともない生じる前記第3実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第3実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0076】
図11に示されるように、本実施形態においては、第1円筒部81と第2円筒部82が備えられている。第2円筒部82の径方向の直径S2は、第1円筒部81の径方向の直径S1よりも大きい。第1円筒部81及び第2円筒部82はいずれも、ユーザが把持部51に対して容易に取り付け及び取り外しが可能となるように形成されている。
【0077】
ユーザは、測定部位に応じて選択した第1円筒部81もしくは第2円筒部82を把持部51に取り付けて、皮下脂肪厚の測定を実行することができる。例えば、腹部2のように測定距離が長くなる部位を測定する際には第2円筒部82を用いる。一方、腕周りのように測定距離が短い皮下脂肪厚の分布を測定する際には、第1円筒部81を用いて皮下脂肪厚を測定するようにすることができる。
【0078】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)及び第3実施形態の効果(8)及び(9)に加えて、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(11)ユーザは、測定距離に応じて第1円筒部81及び第2円筒部82を使い分けることができる。例えば、測定距離が長いときには、第2円筒部82を選択することによって速やかに測定を実行することができる一方、測定距離が短いときには、第1円筒部81を選択することによって詳細な皮下脂肪厚の分布を測定することができるようになる。
【0079】
(第6実施形態)
図12及び図13を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態の皮下脂肪測定装置は、前記第1実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、前記第1実施形態の円筒部11に代えて、円周面の一部に収容部としての台座72を備え、測定部20がこの台座72に形成される円筒部71を備えている。以下、この変更にともない生じる前記第1実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第1実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0080】
図12(a)及び(b)に示されるように、円筒部71の円周面71aには、円筒部71の長手方向に伸びるとともに、断面形状が中央部から両端部に向かって傾斜する略台形状となるように形成される台座72が取り付けられている。制御スイッチ29、照射部21、第1受光部23及び第2受光部25は、台座72の表面上において一列に配置されている。
【0081】
ユーザが円筒部11を皮膚3に押し当てる際には、円筒部11が皮膚3に押し当てられることに先行して、台座72が皮膚3に押し当てられる。台座72は円筒部71より突出して形成されているため、円周面71aの他の部分よりも皮膚3に密着されやすい。このため、図13に示すように、外乱光が入射することを確実に抑制することができるようになる。
【0082】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(12)円筒部71の円周面71aには、同円周面71aから突出する台座72が設けられ、同台座72内に第1受光部23及び第2受光部25が設けられている。従って、円筒部71の回転にともない台座72が皮膚3に接触したときには、円周面71aの他の部位が皮膚3に接触するときに比べて円筒部71と皮膚3とがより密着した状態になる。そして、そうした台座72に第1受光部23及び第2受光部25が設けられているため、これら受光部が外乱光を受光することに起因して皮下脂肪厚の測定精度が低下することを抑制することができる。
【0083】
(第7実施形態)
図14を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態の皮下脂肪測定装置は、前記第3実施形態の構成に対して次の変更を加えたものとなっている。すなわち、前記第3実施形態の第2把持部52に対して直交する方向に延びる第3把持部91を備えている。以下、この変更にともない生じる前記第3実施形態の構成からの詳細な変更について説明する。なお、前記第1実施形態及び第3実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0084】
図14に示されるように、本実施形態においては、第2把持部52のグリップ部53にその一端が固定されるとともに、第2把持部52に直交する態様にて、延長把持部としての第3把持部91が取り付けられている。第2把持部52及び第3把持部91はいずれも、第1把持部51に対して容易に取り付け及び取り外しが可能となるように形成されている。第3把持部91の他端には、第3把持部91よりも外径が大きくなるように形成された第2グリップ部92が第3把持部91と直交する態様にて取り付けられている。
【0085】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)〜(6)及び第3実施形態の効果(8)及び(9)に加えて、以下に記載する作用効果を奏することができるようになる。
(13)本実施形態によれば、第2把持部52に対して着脱することのできる棒状の第3把持部91が備えられる。従って、ユーザが背中など手の届かないところの皮下脂肪厚を自分で測定することができるようになる。また、第2把持部52に対して着脱できるため、腹部2等のように第3把持部がなくても体組成の測定がユーザ1人できるときには、第3把持部を取り外して測定を行うことができる。
【0086】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示す態様をもって実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0087】
・第1実施形態において、円筒部11の回転量を計測して、この回転量が一定の量となる毎に皮下脂肪厚の測定を行うようにしてもよい。本実施の形態においても上記(1)〜(6)に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0088】
・第1実施形態において、制御部32からの信号ではなく、制御スイッチ29からの信号に基づいて直接的に発光素子22のオン・オフ操作を行うようにしてもよい。本実施の形態においても上記(1)〜(6)に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0089】
・第1実施形態において、制御部32からの制御によって、所定期間の経過毎に皮下脂肪厚の測定が実行されるように照射部21から光照射が実行されるようにしてもよい。本実施の形態においても、上記(1)及び(5)に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0090】
・第2実施形態において、円筒部11に配設される測定部20の数は、4つに限られるものではなく、これより多い数の測定部20が配設されるようにしてもよい。本実施形態においても、上記(7)に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0091】
・第3実施形態において、第1把持部51と第2把持部52とが相対回転可能となるようにしてもよい。本実施形態においても、上記(8)及び(9)に準じた作用効果を奏することができるようになる。この場合において、第1把持部51と円筒部11とを相対回転不可能となるように、第1把持部51を円筒部11に取り付けるようにしてもよい。同実施形態によれば、第1把持部51と第2把持部52だけが相対回転し、第1把持部51と円筒部11とは相対回転しないため、ユーザは、本体10を容易に取り扱うことができるようになる。
【0092】
・第4実施形態において、第2把持部63の突起65は、切り欠けが形成されない矩形形状となるようにしてもよい。本実施形態においても、上記(10)に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0093】
・第6実施形態において、台座72の断面形状が楕円形状となるようにしてもよい。本実施形態によれば、上記(12)に準じた作用効果を奏することができる。加えて、皮膚3と台座72との接触面が滑らかな形状となるため、皮膚3と円筒部11とが接触する際にユーザが感じる不快感を低減することができるようになる。
【0094】
・上記各実施形態では、発光素子22としてLEDを採用したが、これに代えてレーザダイオードを採用することもできる。
・上記各実施形態では、測定部20の測定結果に基づいて皮下脂肪厚を算出する皮下脂肪測定装置に対して本発明を適用したが、皮下脂肪量を算出する皮下脂肪測定装置であれば、各実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することができる。なお、皮下脂肪量としては、皮下脂肪面積と皮下脂肪体積と皮下脂肪厚と皮下脂肪重量の少なくとも1つを算出することができる。またこの他に、腹部皮下脂肪厚と腹筋厚と腹部皮下脂肪面積と内臓脂肪面積との少なくとも1つを算出することもできる。
【0095】
・上記各実施形態では、体組成測定装置としての皮下脂肪測定装置に対して本発明を適用したが、光学式の測定部の測定結果に基づいて体組成を算出する体組成測定装置であれば、その他の測定装置に対しても各実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1…生体、2…腹部、3…皮膚、4…脂肪、5…筋肉、10…本体、11…円筒部、11a…円周面、11b…蓋部、12…表示部、13…電源スイッチ、14…把持部、16…バネ、20…測定部、21…照射部、22…発光素子、23…第1受光部、24…第1受光素子、25…第2受光部、26…第2受光素子、27…キャップ、28…レンズ、29…制御スイッチ、31…基板、32…制御部、33…演算部、51…第1把持部、52…第2把持部、52a…屈曲部、52b…端部、53…グリップ部、61…第1把持部、62…歯、62a…面、63…第2把持部、64…凹部、65…突起、65a…面、71…円筒部、71a…円周面、72…台座、81…第1円筒部、82…第2円筒部、91…第3把持部、92…第2グリップ部、100…本体、101…測定板、102…照射部、103…第1受光部、104…第2受光部、111…皮膚。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体表面に光を照射する照射部と生体内部を伝播して体表面に現れた光を受光する受光部とを含む測定部と、前記受光部の受光量に基づいて体組成量を演算する演算部とを備える体組成測定装置において、
前記測定部による光の照射が行われた後に所定間隔をおいて次の光の照射が行われる
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の体組成測定装置において、
前記照射部による光の照射が行われてから前記測定部が体表面に対して所定の距離を移動した後に次の光の照射が行われる
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の体組成測定装置において、
体表面との接触により回転しながら移動するとともに前記測定部を含む円筒部を備え、
前記円筒部の回転にともない前記測定部が回転し、
前記照射部から照射される光が前記円筒部の円周面を介して体表面に照射される
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の体組成測定装置において、
前記受光部の受光量に基づいて体脂肪量を演算し、この演算の結果と前記円筒部の回転量とに基づいて体脂肪量の1次元分布を演算する演算部を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の体組成測定装置において、
前記円筒部は、前記照射部の動作のオン及びオフを切り替える制御スイッチを有するものであり、同制御スイッチは、前記円筒部の円周面において前記測定部と一列に設けられるとともに、体表面との接触により前記円筒部側に押されたときに前記照射部の動作をオンにするものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記円筒部を一方向のみに回転するための機構を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記円筒部の円周面には、同円周面から突出する収容部が設けられ、同収容部内に前記受光部が設けられる
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記円筒部に対して着脱することのできる円筒把持部を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項9】
請求項8に記載の体組成測定装置において、
前記円筒把持部に対して着脱することのできる棒状の延長把持部を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−67349(P2011−67349A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220459(P2009−220459)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】