体表面モニタおよびその製造方法
【課題】被測定者から放出される放射線の測定に要する時間を短くする。
【解決手段】体表面モニタは、前面フレームおよび背面フレーム142によって、上下に被測定者が入る高さを確保するように天井面部9が放射線測定器21を備えた足下面部7の上方に支持されている。前面フレームおよび背面フレーム142には、放射線を検出する検出器ユニット101が取り付けられている。また、体表面モニタは、入口扉回転軸10の周りに回動して開閉可能な入口扉4、および、出口扉回転軸11の周りに回動して開閉可能な出口扉5を有している。入口扉回転軸10および出口扉回転軸11には、入口扉4または出口扉5の上方で天井面部9よりも下方に、頭上面昇降機構447を介して放射線検出器を備えた入口側頭上面部445および出口側頭上面部が取り付けられている。
【解決手段】体表面モニタは、前面フレームおよび背面フレーム142によって、上下に被測定者が入る高さを確保するように天井面部9が放射線測定器21を備えた足下面部7の上方に支持されている。前面フレームおよび背面フレーム142には、放射線を検出する検出器ユニット101が取り付けられている。また、体表面モニタは、入口扉回転軸10の周りに回動して開閉可能な入口扉4、および、出口扉回転軸11の周りに回動して開閉可能な出口扉5を有している。入口扉回転軸10および出口扉回転軸11には、入口扉4または出口扉5の上方で天井面部9よりも下方に、頭上面昇降機構447を介して放射線検出器を備えた入口側頭上面部445および出口側頭上面部が取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設等で用いられる人体表面の放射能汚染を測定する体表面モニタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所、および、その関連施設は大規模化が進んでおり、多数の作業者が全身放射能汚染を短時間で測定処理する必要性が高くなってきた。このため、作業者の全身放射能汚染を全自動で測定ができるようになっている。
【0003】
作業者(被測定者)の全身放射能汚染測定は、第1段階で被測定者が体表面モニタ内に入り、第2段階で測定を行い、第3段階で測定者が体表面モニタから出る、の3つの段階に分けられる。第2段階での測定の際には、放射線測定器が被測定者の体の周囲(前面、背面、左右側面、頭上面、左右足下面)に配置されている必要がある。このため、体表面モニタにおいては、箱型構造の本体の入口扉および出口扉に左右側面用の放射線検出器が収納されているのが通例である。また、入口扉および出口扉は、回転軸を中心に回動することによって開閉し、被測定者が対表面モニタに入ること、および、出ることが可能になっている(たとえば特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭60−95567号公報
【特許文献2】特開平4−216488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被測定者の頭上面に位置する検出器は、被測定者の身長に合わせて上昇/下降するため、被測定者が退出するためには、頭上面検出器が上昇するまで待つ必要があり、処理時間において無駄時間が発生している。頭上部の昇降位置によっては、側頭部の汚染を十分に測定できない場合がある。また、側頭部が実際の体表面から距離が離れており汚染が測定しづらい。
【0005】
そこで、本発明は、放射線測定に要する時間を短くする体表面モニタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタにおいて、放射線検出器を備えた足下面部と、記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置された頭上面部と、前記頭上面部を所定の位置に支持する支持手段と、前記足下面部と前記頭上面部との間に配置されて放射線検出器を備えた前面部と、前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置されて放射線検出器を備えた背面部と、放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間の一部を、入口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な入口扉と、放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を、出口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な出口扉と、前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記入口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた入口側頭上面部と、前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記出口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた出口側頭上面部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタの製造方法において、放射線検出器をそれぞれ備えた足下面部、頭上面部、前面部、背面部、入口扉、出口扉、入口側頭上面部および出口側頭上面部を製造する工程と、前記頭上面部を、前記記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置する工程と、前記前面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に配置する工程と、前記背面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置する工程と、前記入口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間を入口扉回転軸を中心に回動してその入口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、前記出口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を出口扉回転軸を中心に回動してその出口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、前記入口側頭上面部を、前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記入口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、前記出口側頭上面部を、前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記出口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放射線測定に要する時間を短くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る体表面モニタの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。図2は、第1の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。図3は、第1の実施の形態における体表面モニタの側面図である。
【0011】
本実施の形態の体表面モニタは、水平に広がる四角の平板状の足下面部7および天井面部9を有している。足下面部7と天井面部9は、被測定者31が入る空間を形成するように上下に対向して配置されている。
【0012】
足下面部7と天井面部9の間には、2本の円柱状の前面フレーム141と、2本の円筒(パイプ)状の背面フレーム142が鉛直方向に延びている。前面フレーム141および背面フレーム142には、それぞれ上下に配列された3つの検出器ユニット101が取り付けられている。前面フレーム141および背面フレーム142に、それぞれ取り付けられた検出器ユニット101は、被測定者31が入る空間を形成するように前後に対向して配置されている。
【0013】
前面フレーム141および背面フレーム142は、それぞれ、天井面部9および足下面部7に固定され、体表面モニタの強度を確保している。また、前面フレーム141の間、および、背面フレーム142の間に配置された検出器ユニット101も、体表面モニタの強度の確保に寄与している。
【0014】
検出器ユニット101は、足下面部7と天井面部9、および、その間に延びた前面フレーム141および背面フレーム142によって形成されるパイプ形フレーム構造の前面部および背面部に、容易に脱着可能な方法で取り付けられている。たとえば、検出器ユニット101には前面フレーム141または背面フレーム142を通す穴が貫通していて、容易に前面フレーム141および背面フレーム142に支持されるように取り付け、または取り外すことができるようになっている。
【0015】
また、足下面部7と天井面部9の間には、円柱状の入口扉回転軸10と、円柱状の出口扉回転軸11が延びている。入口扉回転軸10には、入口扉4が取り付けられている。出口扉回転軸11には、出口扉5が取り付けられている。入口扉4および出口扉5は、それぞれ、上下に配列された2つの検出器ユニット102を有している。
【0016】
入口扉4および出口扉5は、それぞれ、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11の周りを回動して、開閉可能なように支持されている。なお、図2の点線の矢印は、入口扉の回動方向51および出口扉の回動方向52を示す。
【0017】
入口扉4および出口扉5は、それぞれが閉じた状態において、被測定者31が入る空間を形成するように左右に対向した状態になるように配置されている。また、入口扉4および出口扉5が開いた状態では、被測定者31が通ることができるようになっている。なお、図1、図2および図3において、入口扉4は開いた状態であり、出口扉5は閉じた状態である。
【0018】
入口扉回転軸10には、入口扉4よりも上方に、入口側上面部445が頭上面昇降機構447を介して取り付けられている。入口側上面部445は、入口扉4と同様に回動できるように支持されている。
【0019】
また、出口扉回転軸11には、出口扉5よりも上方に、出口側上面部446が頭上面昇降機構447を介して取り付けられている。出口側上面部446は、出口扉5と同様に回動できるように支持されている。
【0020】
なお、入口側上面部445および出口側上面部446は、それぞれ入口扉4および出口扉5の回動に合わせて回動するようにしてもよい。
【0021】
入口側上面部445および出口側上面部446は、それぞれ、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に沿って昇降する頭上面昇降機構447によって、昇降できるようになっている。なお、図1および図3において、入口側上面部445および出口側上面部446は、異なる高さに位置しているが、入口側上面部445および出口側上面部446は、それぞれ同じ高さになるように同期して動くようにしてもよい。
【0022】
入口扉回転軸10および出口扉回転軸11は、それぞれ、天井面部9および足下面部7に固定され、体表面モニタの強度の確保に寄与している。また、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に取り付けられた検出器ユニット102は、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に、容易に脱着可能な方法で取り付けられていると好ましい。たとえば、検出器ユニット102には入口扉回転軸10または出口扉回転軸11を通す穴が貫通していて、容易に入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に支持されるように取り付け、または取り外すことができるようにする。
【0023】
また、前面フレーム141および背面フレーム142に取り付ける検出器ユニット101と、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に取り付ける検出器ユニット102は、同一のものを用いることもできる。なお、この場合には、前面フレーム141、背面フレーム142、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に同じ外径の円筒を用いるとよい。
【0024】
足下面部7の上面には、放射線検出器21が配置されている。また、入口側上面部445および出口側上面部446の下面には、頭上用放射線検出器421が配置されている。検出器ユニット101,102には、被測定者31が入る空間に向かう面に、放射線検出器21がそれぞれ配置されている。
【0025】
このような体表面モニタ内に、被測定者31が入ると、被測定者31の体の周囲(前面、背面、左右側面、頭上面、左右足下面)に配置された放射線検出器21および頭上用放射線検出器421によって、被測定者31から放出される放射線が測定される。図2の一点鎖線は、被測定者31が体表面モニタに入るときの動線41、および、体表面モニタを出るときの動線42の例を示すものである。測定の際には、頭上面昇降機構447によって頭上用放射線検出器421は被測定者31の身長に合わせて、たとえば自動的に、昇降するようになっている。
【0026】
測定された放射線の強度は、たとえばデータ処理器(図示せず)に伝達され、被測定者31から放出される放射線の強度が許容限度以下か否かを判定する。被測定者31から放出される放射線の強度が許容限度以下であれば、被測定者31は体表面モニタの外に出る。許容限度以上であれば、被測定者31の表面の除染や、より詳細な放射線の測定など、適宜必要な措置がとられることになる。
【0027】
被測定者31が体表面モニタに入るときには、入口側上面部445が動線41を遮らない位置にあるため、被測定者31は入口側上面部445にぶつかる心配をせずに体表面モニタに入ることができる。同様に、被測定者31が体表面モニタを出るときには、出口側上面部446が動線41を遮らない位置に移動しているため、被測定者31は出口側上面部446にぶつかる心配をせずに体表面モニタから出ることができる。
【0028】
このため、被測定者31が体表面モニタに入ってから測定を開始するまでの時間と、被測定者31が測定終了した後に退出が完了するまでの時間を短縮することができる。したがって、被測定者31一人あたりに放射線測定に要する時間が短くなり、単位時間当たりに、より多くの被測定者の測定が可能となる。
【0029】
さらに、入口側上面部445および出口側上面部446を、それぞれ入口扉4および出口扉5が開くときに上昇するようにしておくことにより、被測定者31の体表面モニタへの出入がより容易になる。
【0030】
また、被測定者31が体表面モニタに入っていない場合には、たとえば、入口扉4を開いた状態として体表面モニタへの進入を促しつつ、出口扉5を閉じた状態にして、体表面モニタを人が通過できないようにしておいてもよい。この状態から、被測定者31が体表面モニタ内に入ると、自動的に入口扉4が開き、自動的に放射線の測定を開始するようにしてもよい。放射線の測定が終了して、放射線の強度が許容限度以下の場合には、自動的に出口扉5を開き、被測定者31が体表面モニタの外に出るように促すようにしてもよい。被測定者31が体表面モニタの外に出たことを確認して、自動的に出口扉5を閉じて、入口扉4を開くことにより、放射線を測定することなく、人が体表面モニタを通過することを抑制することも可能である。
【0031】
このように、本実施の形態の体表面モニタは、体表面モニタとして必要な放射線検出器を配置しつつ、単純な構造である。このため、分解、組み立てが容易であり、また、これに伴って、様々な調整作業や保守作業も容易になる。したがって、体表面モニタの移設は容易である。
【0032】
なお、本実施の形態の体表面モニタは、前面フレーム141および背面フレーム142に取り付けられた検出器ユニット101は、それぞれ3個としているが、適宜増減してもかまわない。また、入口扉4および出口扉5も2個の検出器ユニットを有しているが、適宜増減してもかまわない。
【0033】
また、本実施の形態では、背面フレーム142から前面フレーム141に向かって右側に入口扉4、左側に出口扉5を配置しているが、左側に入口扉4、右側に出口扉5を配置してもかまわない。入口扉回転軸10および出口扉回転軸11は、背面フレーム142に近い位置に配置しているが、前面フレーム141に近い位置に配置してもかまわない。
【0034】
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係る第2の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。図5は、第2の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【0035】
第2の実施の形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタを、分離可能な入口扉ユニット241、中央ユニット242および出口扉ユニット243に分割したものである。
【0036】
本実施の形態では、第1の実施の形態における足下面部は、足下面入口部271、足下面中央部272、および、足下面出口部273に分割されている。また、第1の実施の形態における天井面部は、天井面入口部291、天井面中央部292、および、天井面出口部293に分割されている。
【0037】
中央ユニット242は、足下面中央部272と天井面中央部292、および、これらの間に延びる前面フレーム141および背面フレーム142を有している。前面フレーム141および背面フレーム142には、検出器ユニット101が取り付けられている。
【0038】
入口扉ユニット241は、足下面入口部271と天井面入口部291、および、これらの間に延びる入口扉回転軸10を有している。足下面入口部271および天井面入口部291は、それぞれ足下面中央部272および天井面中央部292と着脱容易な構造で結合されている。入口扉回転軸10には入口扉4が取り付けられている。
【0039】
出口扉ユニット243は、足下面出口部273と天井面出口部293、および、これらの間に延びる出口扉回転軸11を有している。足下面出口部273および天井面出口部293は、それぞれ足下面中央部272および天井面中央部292と着脱容易な構造で結合されている。出口扉回転軸11には出口扉5が取り付けられている。
【0040】
このような体表面モニタでは、適当な入口扉ユニット241および出口扉ユニット243を組合せることにより、入口扉4および出口扉5の回転軸を自由にレイアウトすることが容易になる。このため、体表面モニタを設置する建物、部屋、および、その中での体表面モニタの配置に関係なく、被測定者31の動作に合わせて、被測定者31の動線の最適化を図ることができる。
【0041】
また、足下面入口部271、足下面出口部273、天上面入口部291および天井面出口部293の長手方向の2箇所に、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11を取り付ける嵌合部を設けておいてもよい。これにより、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11は、前面フレーム141の近傍および背面フレーム142の近傍のいずれにも配設可能となる。このようにすると、設置場所に合わせて、新たな入口扉ユニット241または出口扉ユニット243を導入する必要がなくなる。
【0042】
このように、本実施の形態の体表面モニタの移設は容易である。また、被測定者31の動線の最適化を図ることにより、単位時間当たりに、より多くの被測定者31の測定が可能となる。
【0043】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る第3の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【0044】
本実施形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタにおける前面フレーム、背面フレーム、および、これらに取り付けた検出器ユニットを、それぞれ、固定部付前面フレーム341、固定部付背面フレーム342および固定機構付検出器ユニット301に代えたものである。固定機構付検出器ユニット301には、U字型のフレーム配置部302が形成されている。固定部付前面フレーム341または固定部付背面フレーム342は、フレーム配置部302に位置している。
【0045】
図7は、第3の実施の形態の体表面モニタの、図6におけるVII−VII矢視立断面図である。
【0046】
並立する2本の固定部付前面フレーム341には、向かい合う側の反対側に、それぞれ6つのフレーム側固定部346が突出している。同様に、並立する2本の固定部付背面フレーム342にも、向かい合う側の反対側にフレーム側固定部346が突出している。
【0047】
図8は、第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニット301の、図9におけるVIII−VIII矢視平断面図である。図9は、第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニット301の、図8におけるIX−IX矢視立断面図である。
【0048】
固定機構付検出器ユニット301は、2本の固定部付背面フレーム342のフレーム側固定部346によって支持されるように、2つの検出器ユニット固定機構345を有している。
【0049】
検出器ユニット固定機構345は、上下方向2箇所に位置する固定器具351を有している。それぞれの固定器具351は、回転支点352で回動可能なように支持されている。また、固定器具351には、位置押さえばね354が取り付けられており、所定の位置から回動した場合には、所定の位置に戻る力が加えられる。また、上下2箇所に位置する固定器具351は、上下同期器具353によって結合されており、これらの固定器具351の動きは同期するようになっている。
【0050】
固定機構付検出器ユニット301を、2本の固定部付背面フレーム342に向かって、図8および図9の一点鎖線の矢印で示す組み込み方向61に押し付けると、固定器具351は、一旦、図9の破線で示す位置360に回動した後、図9の実線で示した位置351に戻る。これによって、固定機構付検出器ユニット301は、フレーム側固定部346に引っかかり、2本の固定部付背面フレーム342に取り付けられる。
【0051】
また、固定機構付検出器ユニット301を、固定部付背面フレーム342から取り外す場合には、固定器具351を上に持ち上げたまま、図8および図9の一点鎖線の矢印で示す組み込み方向61の反対方向に押し出すことによって、取り外すことができる。上下2箇所に位置する固定器具351は同期して動くため、左右2つの固定器具351を上に持ち上げることによって、4つの固定器具351をフレーム側固定部346から取り外すことができる。
【0052】
同様にして、2本の固定部付前面フレーム341に対しても、固定機構付検出器ユニット301を取り付け、取り外すことができる。
【0053】
このように、本実施の形態において、固定機構付検出器ユニット301は容易に着脱可能である。また、この着脱には専用の工具を準備する必要もない。このため、体表面モニタ本体の解体および組立てが簡単であり、体表面モニタは容易に移設することができる。
【0054】
[第4の実施の形態]
図10は、本発明に係る第4の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。
【0055】
本実施の形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタに側面用小型放射線検出器548を追加したものである。
【0056】
側面用小型放射線検出器548は、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に、入口側頭上面部445または出口側頭上面部の下方で、入口扉4または出口扉5の上方に位置するように取り付けられている。2つの側面用小型放射線検出器548、入口側頭上面部445および出口側頭上面部で囲まれる空間は、被測定者の頭に干渉しない程度の大きさを有している。側面用小型放射線検出器548は、被測定者の頭に向かう面に小型の放射線検出器を有している。
【0057】
この体表面モニタは、側面用小型放射線検出器548によって、被測定者の側頭部付近の汚染測定を行うことができるため、被測定者の身体面の汚染をより効率よく測定することができる。
【0058】
[第5の実施の形態]
図11は、本発明に係る第5の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。図12は、第5の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【0059】
本実施の形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタの入口側頭上面部および出口側頭上面部を、入口側頭部測定部661および出口側頭部測定部662に代えたものである。
【0060】
入口側頭部測定部661は、入口扉回転軸10に、頭上面昇降機構447を介して入口扉4よりも上方に位置するように取り付けられている。また、出口側頭部測定部662は、出口扉回転軸11に、出口扉5上方に位置するように取り付けられている。
【0061】
入口側頭部測定部661は、頭上面昇降機構447に取り付けられた側当面入口側部649と、側当面入口側部649の上端に取り付けられた側頭面入口側付頭上面部651を有している。出口側頭部測定部662は、頭上面昇降機構447に取り付けられた側当面出口側部650と、側当面出口側部650の上端に取り付けられた側頭面出口側付頭上面部652を有している。
【0062】
側当面入口側部649および側当面出口側部650は、被測定者31の頭部に向かう面に側頭面用放射線検出器621を備えている。側頭面入口側付頭上面部651および側頭面出口側付頭上面部652は、下面に頭上用放射線検出器421を備えている。
【0063】
入口側頭部測定部661および出口側頭部測定部662で囲まれる空間は、被測定者31の頭に干渉しない程度の大きさを有している。
【0064】
この体表面モニタは、被測定者31の側頭部の汚染を計測する側頭面入口側部649および側当面出口側部650が、頭上面昇降機構447によって上下するため、被測定者31の身長に合わせて適切な位置に移動する。したがって、被測定者31の側頭部の汚染をより効率的に、精度よく測定することができる。
【0065】
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの側面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態の体表面モニタの、図6におけるVII−VII矢視立断面図である。
【図8】本発明に係る第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニットの、図9におけるVIII−VIII矢視平断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニットの、図8におけるIX−IX矢視立断面図である。
【図10】本発明に係る第4の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。
【図11】本発明に係る第5の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。
【図12】本発明に係る第5の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【符号の説明】
【0067】
4…入口扉、5…出口扉、7…足下面部、9…天井面部、10…入口扉回転軸、11…出口扉回転軸、21…放射線検出器、31…被測定者、101,102…検出器ユニット、141…前面フレーム、142…背面フレーム、241…入口扉ユニット、242…中央ユニット、243…出口扉ユニット、271…足下面入口部、272…足下面中央部、273…足下面出口部、291…天井面入口部、292…天井面中央部、293…天井面出口部、301…固定機構付検出器ユニット、341…固定部付前面フレーム、342…固定部付背面フレーム、345…検出器ユニット固定機構、346…フレーム側固定部、351…固定器具、352…回転支点、353…上下同期器具、354…位置押さえばね、421…頭上用放射線検出器、445…入口側頭上面部、446…出口側頭上面部、447…頭上面昇降機構、548…側面用小型放射線検出器、621…側頭面用放射線検出器、649…側頭面入口側部、650…側頭面出口側部、651…側頭面入口側付頭上面部、652…側頭面出口側付頭上面部、661…入口側頭部測定部、662…出口側頭部測定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設等で用いられる人体表面の放射能汚染を測定する体表面モニタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所、および、その関連施設は大規模化が進んでおり、多数の作業者が全身放射能汚染を短時間で測定処理する必要性が高くなってきた。このため、作業者の全身放射能汚染を全自動で測定ができるようになっている。
【0003】
作業者(被測定者)の全身放射能汚染測定は、第1段階で被測定者が体表面モニタ内に入り、第2段階で測定を行い、第3段階で測定者が体表面モニタから出る、の3つの段階に分けられる。第2段階での測定の際には、放射線測定器が被測定者の体の周囲(前面、背面、左右側面、頭上面、左右足下面)に配置されている必要がある。このため、体表面モニタにおいては、箱型構造の本体の入口扉および出口扉に左右側面用の放射線検出器が収納されているのが通例である。また、入口扉および出口扉は、回転軸を中心に回動することによって開閉し、被測定者が対表面モニタに入ること、および、出ることが可能になっている(たとえば特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭60−95567号公報
【特許文献2】特開平4−216488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被測定者の頭上面に位置する検出器は、被測定者の身長に合わせて上昇/下降するため、被測定者が退出するためには、頭上面検出器が上昇するまで待つ必要があり、処理時間において無駄時間が発生している。頭上部の昇降位置によっては、側頭部の汚染を十分に測定できない場合がある。また、側頭部が実際の体表面から距離が離れており汚染が測定しづらい。
【0005】
そこで、本発明は、放射線測定に要する時間を短くする体表面モニタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタにおいて、放射線検出器を備えた足下面部と、記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置された頭上面部と、前記頭上面部を所定の位置に支持する支持手段と、前記足下面部と前記頭上面部との間に配置されて放射線検出器を備えた前面部と、前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置されて放射線検出器を備えた背面部と、放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間の一部を、入口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な入口扉と、放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を、出口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な出口扉と、前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記入口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた入口側頭上面部と、前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記出口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた出口側頭上面部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタの製造方法において、放射線検出器をそれぞれ備えた足下面部、頭上面部、前面部、背面部、入口扉、出口扉、入口側頭上面部および出口側頭上面部を製造する工程と、前記頭上面部を、前記記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置する工程と、前記前面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に配置する工程と、前記背面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置する工程と、前記入口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間を入口扉回転軸を中心に回動してその入口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、前記出口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を出口扉回転軸を中心に回動してその出口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、前記入口側頭上面部を、前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記入口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、前記出口側頭上面部を、前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記出口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、放射線測定に要する時間を短くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る体表面モニタの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。図2は、第1の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。図3は、第1の実施の形態における体表面モニタの側面図である。
【0011】
本実施の形態の体表面モニタは、水平に広がる四角の平板状の足下面部7および天井面部9を有している。足下面部7と天井面部9は、被測定者31が入る空間を形成するように上下に対向して配置されている。
【0012】
足下面部7と天井面部9の間には、2本の円柱状の前面フレーム141と、2本の円筒(パイプ)状の背面フレーム142が鉛直方向に延びている。前面フレーム141および背面フレーム142には、それぞれ上下に配列された3つの検出器ユニット101が取り付けられている。前面フレーム141および背面フレーム142に、それぞれ取り付けられた検出器ユニット101は、被測定者31が入る空間を形成するように前後に対向して配置されている。
【0013】
前面フレーム141および背面フレーム142は、それぞれ、天井面部9および足下面部7に固定され、体表面モニタの強度を確保している。また、前面フレーム141の間、および、背面フレーム142の間に配置された検出器ユニット101も、体表面モニタの強度の確保に寄与している。
【0014】
検出器ユニット101は、足下面部7と天井面部9、および、その間に延びた前面フレーム141および背面フレーム142によって形成されるパイプ形フレーム構造の前面部および背面部に、容易に脱着可能な方法で取り付けられている。たとえば、検出器ユニット101には前面フレーム141または背面フレーム142を通す穴が貫通していて、容易に前面フレーム141および背面フレーム142に支持されるように取り付け、または取り外すことができるようになっている。
【0015】
また、足下面部7と天井面部9の間には、円柱状の入口扉回転軸10と、円柱状の出口扉回転軸11が延びている。入口扉回転軸10には、入口扉4が取り付けられている。出口扉回転軸11には、出口扉5が取り付けられている。入口扉4および出口扉5は、それぞれ、上下に配列された2つの検出器ユニット102を有している。
【0016】
入口扉4および出口扉5は、それぞれ、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11の周りを回動して、開閉可能なように支持されている。なお、図2の点線の矢印は、入口扉の回動方向51および出口扉の回動方向52を示す。
【0017】
入口扉4および出口扉5は、それぞれが閉じた状態において、被測定者31が入る空間を形成するように左右に対向した状態になるように配置されている。また、入口扉4および出口扉5が開いた状態では、被測定者31が通ることができるようになっている。なお、図1、図2および図3において、入口扉4は開いた状態であり、出口扉5は閉じた状態である。
【0018】
入口扉回転軸10には、入口扉4よりも上方に、入口側上面部445が頭上面昇降機構447を介して取り付けられている。入口側上面部445は、入口扉4と同様に回動できるように支持されている。
【0019】
また、出口扉回転軸11には、出口扉5よりも上方に、出口側上面部446が頭上面昇降機構447を介して取り付けられている。出口側上面部446は、出口扉5と同様に回動できるように支持されている。
【0020】
なお、入口側上面部445および出口側上面部446は、それぞれ入口扉4および出口扉5の回動に合わせて回動するようにしてもよい。
【0021】
入口側上面部445および出口側上面部446は、それぞれ、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に沿って昇降する頭上面昇降機構447によって、昇降できるようになっている。なお、図1および図3において、入口側上面部445および出口側上面部446は、異なる高さに位置しているが、入口側上面部445および出口側上面部446は、それぞれ同じ高さになるように同期して動くようにしてもよい。
【0022】
入口扉回転軸10および出口扉回転軸11は、それぞれ、天井面部9および足下面部7に固定され、体表面モニタの強度の確保に寄与している。また、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に取り付けられた検出器ユニット102は、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に、容易に脱着可能な方法で取り付けられていると好ましい。たとえば、検出器ユニット102には入口扉回転軸10または出口扉回転軸11を通す穴が貫通していて、容易に入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に支持されるように取り付け、または取り外すことができるようにする。
【0023】
また、前面フレーム141および背面フレーム142に取り付ける検出器ユニット101と、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に取り付ける検出器ユニット102は、同一のものを用いることもできる。なお、この場合には、前面フレーム141、背面フレーム142、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に同じ外径の円筒を用いるとよい。
【0024】
足下面部7の上面には、放射線検出器21が配置されている。また、入口側上面部445および出口側上面部446の下面には、頭上用放射線検出器421が配置されている。検出器ユニット101,102には、被測定者31が入る空間に向かう面に、放射線検出器21がそれぞれ配置されている。
【0025】
このような体表面モニタ内に、被測定者31が入ると、被測定者31の体の周囲(前面、背面、左右側面、頭上面、左右足下面)に配置された放射線検出器21および頭上用放射線検出器421によって、被測定者31から放出される放射線が測定される。図2の一点鎖線は、被測定者31が体表面モニタに入るときの動線41、および、体表面モニタを出るときの動線42の例を示すものである。測定の際には、頭上面昇降機構447によって頭上用放射線検出器421は被測定者31の身長に合わせて、たとえば自動的に、昇降するようになっている。
【0026】
測定された放射線の強度は、たとえばデータ処理器(図示せず)に伝達され、被測定者31から放出される放射線の強度が許容限度以下か否かを判定する。被測定者31から放出される放射線の強度が許容限度以下であれば、被測定者31は体表面モニタの外に出る。許容限度以上であれば、被測定者31の表面の除染や、より詳細な放射線の測定など、適宜必要な措置がとられることになる。
【0027】
被測定者31が体表面モニタに入るときには、入口側上面部445が動線41を遮らない位置にあるため、被測定者31は入口側上面部445にぶつかる心配をせずに体表面モニタに入ることができる。同様に、被測定者31が体表面モニタを出るときには、出口側上面部446が動線41を遮らない位置に移動しているため、被測定者31は出口側上面部446にぶつかる心配をせずに体表面モニタから出ることができる。
【0028】
このため、被測定者31が体表面モニタに入ってから測定を開始するまでの時間と、被測定者31が測定終了した後に退出が完了するまでの時間を短縮することができる。したがって、被測定者31一人あたりに放射線測定に要する時間が短くなり、単位時間当たりに、より多くの被測定者の測定が可能となる。
【0029】
さらに、入口側上面部445および出口側上面部446を、それぞれ入口扉4および出口扉5が開くときに上昇するようにしておくことにより、被測定者31の体表面モニタへの出入がより容易になる。
【0030】
また、被測定者31が体表面モニタに入っていない場合には、たとえば、入口扉4を開いた状態として体表面モニタへの進入を促しつつ、出口扉5を閉じた状態にして、体表面モニタを人が通過できないようにしておいてもよい。この状態から、被測定者31が体表面モニタ内に入ると、自動的に入口扉4が開き、自動的に放射線の測定を開始するようにしてもよい。放射線の測定が終了して、放射線の強度が許容限度以下の場合には、自動的に出口扉5を開き、被測定者31が体表面モニタの外に出るように促すようにしてもよい。被測定者31が体表面モニタの外に出たことを確認して、自動的に出口扉5を閉じて、入口扉4を開くことにより、放射線を測定することなく、人が体表面モニタを通過することを抑制することも可能である。
【0031】
このように、本実施の形態の体表面モニタは、体表面モニタとして必要な放射線検出器を配置しつつ、単純な構造である。このため、分解、組み立てが容易であり、また、これに伴って、様々な調整作業や保守作業も容易になる。したがって、体表面モニタの移設は容易である。
【0032】
なお、本実施の形態の体表面モニタは、前面フレーム141および背面フレーム142に取り付けられた検出器ユニット101は、それぞれ3個としているが、適宜増減してもかまわない。また、入口扉4および出口扉5も2個の検出器ユニットを有しているが、適宜増減してもかまわない。
【0033】
また、本実施の形態では、背面フレーム142から前面フレーム141に向かって右側に入口扉4、左側に出口扉5を配置しているが、左側に入口扉4、右側に出口扉5を配置してもかまわない。入口扉回転軸10および出口扉回転軸11は、背面フレーム142に近い位置に配置しているが、前面フレーム141に近い位置に配置してもかまわない。
【0034】
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係る第2の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。図5は、第2の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【0035】
第2の実施の形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタを、分離可能な入口扉ユニット241、中央ユニット242および出口扉ユニット243に分割したものである。
【0036】
本実施の形態では、第1の実施の形態における足下面部は、足下面入口部271、足下面中央部272、および、足下面出口部273に分割されている。また、第1の実施の形態における天井面部は、天井面入口部291、天井面中央部292、および、天井面出口部293に分割されている。
【0037】
中央ユニット242は、足下面中央部272と天井面中央部292、および、これらの間に延びる前面フレーム141および背面フレーム142を有している。前面フレーム141および背面フレーム142には、検出器ユニット101が取り付けられている。
【0038】
入口扉ユニット241は、足下面入口部271と天井面入口部291、および、これらの間に延びる入口扉回転軸10を有している。足下面入口部271および天井面入口部291は、それぞれ足下面中央部272および天井面中央部292と着脱容易な構造で結合されている。入口扉回転軸10には入口扉4が取り付けられている。
【0039】
出口扉ユニット243は、足下面出口部273と天井面出口部293、および、これらの間に延びる出口扉回転軸11を有している。足下面出口部273および天井面出口部293は、それぞれ足下面中央部272および天井面中央部292と着脱容易な構造で結合されている。出口扉回転軸11には出口扉5が取り付けられている。
【0040】
このような体表面モニタでは、適当な入口扉ユニット241および出口扉ユニット243を組合せることにより、入口扉4および出口扉5の回転軸を自由にレイアウトすることが容易になる。このため、体表面モニタを設置する建物、部屋、および、その中での体表面モニタの配置に関係なく、被測定者31の動作に合わせて、被測定者31の動線の最適化を図ることができる。
【0041】
また、足下面入口部271、足下面出口部273、天上面入口部291および天井面出口部293の長手方向の2箇所に、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11を取り付ける嵌合部を設けておいてもよい。これにより、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11は、前面フレーム141の近傍および背面フレーム142の近傍のいずれにも配設可能となる。このようにすると、設置場所に合わせて、新たな入口扉ユニット241または出口扉ユニット243を導入する必要がなくなる。
【0042】
このように、本実施の形態の体表面モニタの移設は容易である。また、被測定者31の動線の最適化を図ることにより、単位時間当たりに、より多くの被測定者31の測定が可能となる。
【0043】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明に係る第3の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【0044】
本実施形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタにおける前面フレーム、背面フレーム、および、これらに取り付けた検出器ユニットを、それぞれ、固定部付前面フレーム341、固定部付背面フレーム342および固定機構付検出器ユニット301に代えたものである。固定機構付検出器ユニット301には、U字型のフレーム配置部302が形成されている。固定部付前面フレーム341または固定部付背面フレーム342は、フレーム配置部302に位置している。
【0045】
図7は、第3の実施の形態の体表面モニタの、図6におけるVII−VII矢視立断面図である。
【0046】
並立する2本の固定部付前面フレーム341には、向かい合う側の反対側に、それぞれ6つのフレーム側固定部346が突出している。同様に、並立する2本の固定部付背面フレーム342にも、向かい合う側の反対側にフレーム側固定部346が突出している。
【0047】
図8は、第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニット301の、図9におけるVIII−VIII矢視平断面図である。図9は、第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニット301の、図8におけるIX−IX矢視立断面図である。
【0048】
固定機構付検出器ユニット301は、2本の固定部付背面フレーム342のフレーム側固定部346によって支持されるように、2つの検出器ユニット固定機構345を有している。
【0049】
検出器ユニット固定機構345は、上下方向2箇所に位置する固定器具351を有している。それぞれの固定器具351は、回転支点352で回動可能なように支持されている。また、固定器具351には、位置押さえばね354が取り付けられており、所定の位置から回動した場合には、所定の位置に戻る力が加えられる。また、上下2箇所に位置する固定器具351は、上下同期器具353によって結合されており、これらの固定器具351の動きは同期するようになっている。
【0050】
固定機構付検出器ユニット301を、2本の固定部付背面フレーム342に向かって、図8および図9の一点鎖線の矢印で示す組み込み方向61に押し付けると、固定器具351は、一旦、図9の破線で示す位置360に回動した後、図9の実線で示した位置351に戻る。これによって、固定機構付検出器ユニット301は、フレーム側固定部346に引っかかり、2本の固定部付背面フレーム342に取り付けられる。
【0051】
また、固定機構付検出器ユニット301を、固定部付背面フレーム342から取り外す場合には、固定器具351を上に持ち上げたまま、図8および図9の一点鎖線の矢印で示す組み込み方向61の反対方向に押し出すことによって、取り外すことができる。上下2箇所に位置する固定器具351は同期して動くため、左右2つの固定器具351を上に持ち上げることによって、4つの固定器具351をフレーム側固定部346から取り外すことができる。
【0052】
同様にして、2本の固定部付前面フレーム341に対しても、固定機構付検出器ユニット301を取り付け、取り外すことができる。
【0053】
このように、本実施の形態において、固定機構付検出器ユニット301は容易に着脱可能である。また、この着脱には専用の工具を準備する必要もない。このため、体表面モニタ本体の解体および組立てが簡単であり、体表面モニタは容易に移設することができる。
【0054】
[第4の実施の形態]
図10は、本発明に係る第4の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。
【0055】
本実施の形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタに側面用小型放射線検出器548を追加したものである。
【0056】
側面用小型放射線検出器548は、入口扉回転軸10および出口扉回転軸11に、入口側頭上面部445または出口側頭上面部の下方で、入口扉4または出口扉5の上方に位置するように取り付けられている。2つの側面用小型放射線検出器548、入口側頭上面部445および出口側頭上面部で囲まれる空間は、被測定者の頭に干渉しない程度の大きさを有している。側面用小型放射線検出器548は、被測定者の頭に向かう面に小型の放射線検出器を有している。
【0057】
この体表面モニタは、側面用小型放射線検出器548によって、被測定者の側頭部付近の汚染測定を行うことができるため、被測定者の身体面の汚染をより効率よく測定することができる。
【0058】
[第5の実施の形態]
図11は、本発明に係る第5の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。図12は、第5の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【0059】
本実施の形態の体表面モニタは、第1の実施の形態の体表面モニタの入口側頭上面部および出口側頭上面部を、入口側頭部測定部661および出口側頭部測定部662に代えたものである。
【0060】
入口側頭部測定部661は、入口扉回転軸10に、頭上面昇降機構447を介して入口扉4よりも上方に位置するように取り付けられている。また、出口側頭部測定部662は、出口扉回転軸11に、出口扉5上方に位置するように取り付けられている。
【0061】
入口側頭部測定部661は、頭上面昇降機構447に取り付けられた側当面入口側部649と、側当面入口側部649の上端に取り付けられた側頭面入口側付頭上面部651を有している。出口側頭部測定部662は、頭上面昇降機構447に取り付けられた側当面出口側部650と、側当面出口側部650の上端に取り付けられた側頭面出口側付頭上面部652を有している。
【0062】
側当面入口側部649および側当面出口側部650は、被測定者31の頭部に向かう面に側頭面用放射線検出器621を備えている。側頭面入口側付頭上面部651および側頭面出口側付頭上面部652は、下面に頭上用放射線検出器421を備えている。
【0063】
入口側頭部測定部661および出口側頭部測定部662で囲まれる空間は、被測定者31の頭に干渉しない程度の大きさを有している。
【0064】
この体表面モニタは、被測定者31の側頭部の汚染を計測する側頭面入口側部649および側当面出口側部650が、頭上面昇降機構447によって上下するため、被測定者31の身長に合わせて適切な位置に移動する。したがって、被測定者31の側頭部の汚染をより効率的に、精度よく測定することができる。
【0065】
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態における体表面モニタの側面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施の形態における体表面モニタの斜視図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態における体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【図6】本発明に係る第3の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態の体表面モニタの、図6におけるVII−VII矢視立断面図である。
【図8】本発明に係る第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニットの、図9におけるVIII−VIII矢視平断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施の形態の固定機構付検出器ユニットの、図8におけるIX−IX矢視立断面図である。
【図10】本発明に係る第4の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。
【図11】本発明に係る第5の実施の形態の体表面モニタの斜視図である。
【図12】本発明に係る第5の実施の形態の体表面モニタの天井面部をはずして見た上面図である。
【符号の説明】
【0067】
4…入口扉、5…出口扉、7…足下面部、9…天井面部、10…入口扉回転軸、11…出口扉回転軸、21…放射線検出器、31…被測定者、101,102…検出器ユニット、141…前面フレーム、142…背面フレーム、241…入口扉ユニット、242…中央ユニット、243…出口扉ユニット、271…足下面入口部、272…足下面中央部、273…足下面出口部、291…天井面入口部、292…天井面中央部、293…天井面出口部、301…固定機構付検出器ユニット、341…固定部付前面フレーム、342…固定部付背面フレーム、345…検出器ユニット固定機構、346…フレーム側固定部、351…固定器具、352…回転支点、353…上下同期器具、354…位置押さえばね、421…頭上用放射線検出器、445…入口側頭上面部、446…出口側頭上面部、447…頭上面昇降機構、548…側面用小型放射線検出器、621…側頭面用放射線検出器、649…側頭面入口側部、650…側頭面出口側部、651…側頭面入口側付頭上面部、652…側頭面出口側付頭上面部、661…入口側頭部測定部、662…出口側頭部測定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタにおいて、
放射線検出器を備えた足下面部と、
記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置された頭上面部と、
前記頭上面部を所定の位置に支持する支持手段と、
前記足下面部と前記頭上面部との間に配置されて放射線検出器を備えた前面部と、
前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置されて放射線検出器を備えた背面部と、
放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間の一部を、入口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な入口扉と、
放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を、出口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な出口扉と、
前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記入口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた入口側頭上面部と、
前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記出口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた出口側頭上面部と、
を有することを特徴とする体表面モニタ。
【請求項2】
前記入口側頭上面部を前記入口扉回転軸に沿って昇降させる第1の頭上面昇降機構と、
前記出口側頭上面部を前記出口扉回転軸に沿って昇降させる第2の頭上面昇降機構と、
を有することを特徴とする請求項1記載の体表面モニタ。
【請求項3】
前記足下面部は、足下面入口部、足下面中央部および足下面出口部に分割されていて、
前記天井面部は、天井面入口部、天井面中央部および天井面出口部に分割されていて、
前記足下面中央部、前記天井面中央部、前記前面部、前記背面部および前記支持手段は、一体となった中央ユニットを形成し、
前記足下面入口部、前記天井面入口部および前記入口扉は、一体となって、前記中央ユニットに着脱可能な入口扉ユニットを形成し、
前記足下面出口部、前記天井面出口部および前記出口扉は、一体となって、前記中央ユニットに着脱可能な出口扉ユニットを形成し、
ていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の体表面モニタ。
【請求項4】
前記支持手段は、
前記足下面部から前記頭上面部に延びる少なくとも2本の円筒を備えて前記前面部が取り付けられた前面フレームと、
前記足下面部から前記頭上面部に延びる少なくとも2本の円筒を備えて前記背面部が取り付けられた背面フレームと、
を有し、
前記前面部および前記背面部は、同一の検出器ユニットを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の体表面モニタ。
【請求項5】
前記前面フレームおよび前記背面フレームは、前記検出器ユニットを保持できるフレーム側固定部を備えていて、
前記検出器ユニットは、その検出器ユニットを前記フレーム側固定部に着脱可能にする検出器ユニット固定機構を備えていることを特徴とする請求項4記載の体表面モニタ。
【請求項6】
被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタの製造方法において、
天井面部、ならびに、放射線検出器をそれぞれ備えた足下面部、前面部、背面部、入口扉、出口扉、入口側頭上面部および出口側頭上面部を製造する工程と、
前記頭上面部を、前記記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置する工程と、
前記前面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に配置する工程と、
前記背面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置する工程と、
前記入口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間を入口扉回転軸を中心に回動してその入口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、
前記出口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を出口扉回転軸を中心に回動してその出口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、
前記入口側頭上面部を、前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記入口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、
前記出口側頭上面部を、前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記出口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、
を有することを特徴とする体表面モニタの製造方法。
【請求項1】
被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタにおいて、
放射線検出器を備えた足下面部と、
記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置された頭上面部と、
前記頭上面部を所定の位置に支持する支持手段と、
前記足下面部と前記頭上面部との間に配置されて放射線検出器を備えた前面部と、
前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置されて放射線検出器を備えた背面部と、
放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間の一部を、入口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な入口扉と、
放射線検出器を備えて、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を、出口扉回転軸を中心に回動して開閉可能な出口扉と、
前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記入口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた入口側頭上面部と、
前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に配置されて前記出口扉回転軸を中心に回動可能な、放射線検出器を備えた出口側頭上面部と、
を有することを特徴とする体表面モニタ。
【請求項2】
前記入口側頭上面部を前記入口扉回転軸に沿って昇降させる第1の頭上面昇降機構と、
前記出口側頭上面部を前記出口扉回転軸に沿って昇降させる第2の頭上面昇降機構と、
を有することを特徴とする請求項1記載の体表面モニタ。
【請求項3】
前記足下面部は、足下面入口部、足下面中央部および足下面出口部に分割されていて、
前記天井面部は、天井面入口部、天井面中央部および天井面出口部に分割されていて、
前記足下面中央部、前記天井面中央部、前記前面部、前記背面部および前記支持手段は、一体となった中央ユニットを形成し、
前記足下面入口部、前記天井面入口部および前記入口扉は、一体となって、前記中央ユニットに着脱可能な入口扉ユニットを形成し、
前記足下面出口部、前記天井面出口部および前記出口扉は、一体となって、前記中央ユニットに着脱可能な出口扉ユニットを形成し、
ていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の体表面モニタ。
【請求項4】
前記支持手段は、
前記足下面部から前記頭上面部に延びる少なくとも2本の円筒を備えて前記前面部が取り付けられた前面フレームと、
前記足下面部から前記頭上面部に延びる少なくとも2本の円筒を備えて前記背面部が取り付けられた背面フレームと、
を有し、
前記前面部および前記背面部は、同一の検出器ユニットを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の体表面モニタ。
【請求項5】
前記前面フレームおよび前記背面フレームは、前記検出器ユニットを保持できるフレーム側固定部を備えていて、
前記検出器ユニットは、その検出器ユニットを前記フレーム側固定部に着脱可能にする検出器ユニット固定機構を備えていることを特徴とする請求項4記載の体表面モニタ。
【請求項6】
被測定者から放出される放射線を測定する体表面モニタの製造方法において、
天井面部、ならびに、放射線検出器をそれぞれ備えた足下面部、前面部、背面部、入口扉、出口扉、入口側頭上面部および出口側頭上面部を製造する工程と、
前記頭上面部を、前記記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記足下面部から離れて、その足下面部の上方に対向して配置する工程と、
前記前面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に配置する工程と、
前記背面部を、前記足下面部と前記頭上面部との間に前記被測定者が位置できる間隔よりも大きく前記前面部から離れるように対向して配置する工程と、
前記入口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部および前記背面部で囲まれる空間を入口扉回転軸を中心に回動してその入口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、
前記出口扉を、前記足下面部、前記頭上面部、前記前面部、前記背面部および閉じた状態の前記入口扉で囲まれる空間を出口扉回転軸を中心に回動してその出口扉で開閉可能なように組み立てる工程と、
前記入口側頭上面部を、前記入口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記入口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、
前記出口側頭上面部を、前記出口扉よりも上方であって前記頭上面部よりも低い位置に、前記出口扉回転軸を中心に回動可能なように組み立てる工程と、
を有することを特徴とする体表面モニタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−263811(P2007−263811A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90474(P2006−90474)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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