説明

作動可能なルーメンアセンブリを有するカテーテル

カテーテルは、壁を有する第1のカテーテルシャフトを備える。その壁は、作動状態および非作動状態を有する電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分を備え、第1のルーメンを画定する。作動状態において第1のルーメンは第1の直径を有し、非作動状態において第1のルーメンは第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径と異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、医療処置を行うための血管内カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
血管内カテーテルは現在、幅広い種類の低侵襲医療処置または経皮的医療処置において用いられている。一般に血管内カテーテルは、カテーテルを容易に近づくことができる位置から患者の血管系に挿入して、所望の目的部位にカテーテルの先端を誘導することにより、医師が医療処置を遠隔的に実施することを可能にする。この方法により、患者の血管系におけるいずれの目的部位にもほぼ、遠隔的に近づくことができる。
【0003】
典型的には、経皮的処置は、患者の血管にカテーテルの先端部分を簡便な位置から挿入する工程で始まる。カテーテルの先端部分が患者の血管系に入ると、医師は、カテーテルの基端部分に力を加えることにより、前方に向かって先端を進めることができる。典型的には、血管系を通ってカテーテルが辿る経路は蛇行しており、カテーテルは頻繁に向きを変える必要がある。医師は、蛇行した患者の血管の経路を通ってカテーテルを進めながら、カテーテルの先端の舵をとらなければならない。経皮的処置の間、医師は通常、カテーテルの先端部分を直接操作することができない。そのため、医師は通常、カテーテルの基端部分にねじり力を加えることにより、カテーテルの先端の舵をとらなければならない。
【0004】
上で参照したおよび/または記載した技術は、本明細書において参照される特許、刊行物またはその他の情報が本発明に関する“先行技術”であることを認める意図のものではない。また、当該部分は、調査がなされたこと、あるいは連邦規則集第37巻第1.56(a)条に定義された他の関連情報が存在しないことを意味するものと解釈すべきでない。
【0005】
本願の何処かにおいて述べられる米国特許および特許出願のすべて、ならびに他の刊行物のすべては、引用によってその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明の請求する実施形態のいくつかの簡単な概要を以下に示すが、それは本発明の範囲を限定するものではない。本発明の要約した実施形態の更なる詳細および/または本発明の更なる実施形態は、以下の発明の詳細な説明に見出すことができる。
【0006】
明細書中の技術的開示の簡単な要約は、連邦規則集第37巻第1.72条に準拠することのみを目的として提供するものである。この要約は、特許請求の範囲を解釈するのに用いられることを意図するものでない。
【0007】
一以上の実施形態において、本発明は、カテーテルアセンブリ、例えば、内部を通る一以上のルーメンを有するバルーンカテーテルまたはその他のカテーテルに関する。少なくとも一つの実施形態において、カテーテルアセンブリは、壁を有する第1のカテーテルシャフトを備える。壁は、作動状態および非作動状態を有する電気活性ポリマー(electroactive polymer)からなる少なくとも一つの部分を備え、かつ、第1のルーメンを画定する。作動状態において第1のルーメンは第1の直径を有し、非作動状態において第1のルーメンは第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径と異なる。
【0008】
本発明を特徴づけるこれらおよび他の実施形態は、本明細書に付属してその一部を形成する特許請求の範囲に詳細に示されている。しかしながら、本発明、ならびにその使用により得られる利点および目的の更なる理解のためには、本発明の実施形態を例示して説明し、明細書の更なる部分および付随の説明的事項を形成する図面を参照すべきである。
【0009】
以後、本発明の詳細な説明を、図面を具体的に参照しながら記載する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1a】作動時にEAPが初期の長さからどのように増大または縮小し得るかを示す。
【図1b】作動時にEAPがどのように屈曲し得るかを示す。
【図1c】作動時にEAPが初期の寸法からどのように増大または縮小し得るかを示す。
【図2a】非作動状態のEAPからなる一つの部分を備えた外側シャフトおよびバルーンをカテーテルが備えており、EAPからなる部分がバルーンの近くに位置する実施形態の長手方向断面図である。
【図2b】図2aのカテーテルの1−1線での断面図である。
【図2c】EAPが作動状態にある図2aの実施形態の長手方向断面図である。
【図2d】カテーテルのEAPからなる部分が作動状態にあるがためにガイドカテーテルに係合しているカテーテルの一部の長手方向断面図である。
【図2e】ガイドカテーテルのEAPからなる部分が作動状態にあるがためにカテーテルに係合しているガイドカテーテルの一部の長手方向断面図である。
【図2f】カテーテルのEAPからなる部分が作動状態にあるがためにガイドワイヤに係合しているカテーテルの一部の長手方向断面図である。
【図2g】EAPからなるらせん部分を備えたカテーテルシャフトの側面図である。
【図2h】EAPからなるらせん部分が作動状態にある図2gのカテーテルシャフトである。
【図2i】カテーテルシャフトの外周囲に位置するEAPからなる複数の長手方向ストリップを備えたカテーテルシャフトの側面図である。
【図2j】EAPからなる長手方向ストリップが作動状態にある図2iのカテーテルシャフトである。
【図2k】カテーテルシャフトの外周囲にEAPからなる複数のスポットを備えたカテーテルシャフトの側面図である。
【図2l】EAPからなるスポットが作動状態にある図2kのカテーテルシャフトである。
【図3a】EAPからなる2つの周方向バンドを有するカテーテルおよびガイドカテーテルをカテーテルアセンブリが備えており、一方のEAPからなるバンドが先端領域に位置し、もう一方のEAPからなる周方向バンドがEAPからなる先端側のバンドの近くに位置する実施形態の長手方向断面図である。
【図3b】EAPが不完全な周方向バンドである実施形態を示す図3aのカテーテルの3−3線での断面図である。
【図3c】長手方向位置にEAPからなる複数の部分が存在する実施形態を示す図3aのカテーテルの3−3線での断面図である。
【図3d】EAPからなる2つの周方向バンドが作動状態にある、血管内の図3aのカテーテルアセンブリである。
【図4】長手方向に離れたEAPからなる2つの周方向部分を備えており、EAPからなる2つの周方向部分の間の領域に複数の穿孔を有するカテーテルシャフトの斜視図である。
【図5】EAPからなる周方向バンドを内側シャフトが備える実施形態の長手方向断面図である。
【図6a】作動時にEAPが屈曲して膨張ルーメンを遮断するカテーテルの実施形態の非作動状態のEAPを示す長手方向断面図である。
【図6b】作動時にEAPが屈曲して膨張ルーメンを遮断するカテーテルの実施形態の作動状態のEAPを示す長手方向断面図である。
【図7】一般的なバルーンカテーテルのシャフトの長手方向断面図である。
【図8】カテーテルの内側シャフトが非作動状態のEAPからなる3つのストリップを有する実施形態により、一般的なバルーンカテーテルを改良した図7の一般的なバルーンカテーテルの10−10線での断面図である。
【図9a】EAPからなるコイルを備えたバルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図9b】EAPからなるコイルが作動状態にある図9aのバルーンカテーテルである。
【図9c】図9bのバルーンカテーテルの9−9線での断面図である。
【図9d】別のコイルのデザインを示す図9bのバルーンカテーテルの9−9線での断面図である。
【図10】外側シャフトの一部の外面を形成する1層のEAPを付加することによりカテーテルを改良した図7の一般的なバルーンカテーテルの10−10線に沿っての断面図である。
【図11a】外側シャフトが内面に1層のEAPを有し、内側シャフトが外面に1層のEAPを有するバルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図11b】EAPの層が非作動状態にある図11aのバルーンカテーテルの一部の拡大図である。
【図11c】EAPの層が作動状態にある図11aのバルーンカテーテルの一部の拡大図である。
【図12a】EAPからなる部分が非作動状態にある単一ルーメンのバルーンカテーテルの長手方向断面図である。
【図12b】EAPからなる部分が作動状態にある図12aのバルーンカテーテルである。
【図12c】非作動状態においてガイドワイヤ開口部を取り囲んでいるEAPからなる部分を示すバルーンカテーテルの一部の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のカテーテルシャフトを備えたカテーテルであって、前記第1のカテーテルシャフトは壁を有し、前記壁は、作動状態および非作動状態を有する電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分を備え、前記壁は第1のルーメンを画定し、作動状態において前記第1のルーメンは第1の直径を有し、非作動状態において前記第1のルーメンは第2の直径を有し、前記第1の直径は前記第2の直径と異なるカテーテル。
【請求項2】
前記壁は長さを有し、電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、前記第1のカテーテルシャフトの壁の長さのうちの一部を画定する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
作動状態において前記第1のルーメンの第1の直径はゼロに等しい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第1のルーメンの第1の直径は前記第1のルーメンの第2の直径よりも大きい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
ガイドワイヤを更に備え、前記ガイドワイヤは前記第1のルーメン内に位置し、電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分の作動により、前記第1のカテーテルシャフトが前記ガイドワイヤに係合する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、第1の電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分および第3の電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分を有し、前記第1のカテーテルシャフトは先端を更に備え、第1の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は作動状態を有し、第1の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は周方向バンドを形成し、少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーからなる前記周方向バンドは、前記先端の少なくとも一部を形成し、第3の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は作動状態および非作動状態を有し、第3の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、非作動状態において前記第1のカテーテルシャフトの壁に開口部を画定する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記先端は先端開口部を有し、前記カテーテルはガイドワイヤを更に備え、前記ガイドワイヤは、前記第1のカテーテルシャフトの壁の前記開口部を通って前記第1のルーメン内に延び、前記第1のカテーテルシャフトの壁の前記開口部から前記第1のルーメンを通じて前記先端の先端開口部を通って先端方向に延びる、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
第1の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、作動状態において前記第1のカテーテルシャフトを前記ガイドワイヤに係合し、第3の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、作動状態においてガイドワイヤに係合する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分はコイルを形成している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーおよび少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーを含み、前記少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーは作動状態を有し、前記第1のルーメンは、前記少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーが作動状態のときには前記第1の直径を有し、かつ、前記少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーが非作動状態のときには第2の直径を有し、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは作動状態を有し、前記第1のルーメンは、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーが作動状態のときには前記第2の直径を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、周方向バンド、長手方向ストリップ、スポット、らせんバンド、層、およびそれらのいずれかの組合わせからなる群のうちの少なくとも一つから選択される、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、作動状態において、体腔を画定する壁に前記第1のカテーテルシャフトを係合する、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、長手方向に互いに離れた2つの周方向バンドを形成しており、前記第1のカテーテルシャフトの壁は、第2の電気活性ポリマーからなる前記2つの周方向バンドの間に少なくとも2つの穿孔を有する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項14】
第2のカテーテルシャフトを更に備え、前記第2のカテーテルシャフトは、前記第1のカテーテルシャフトの周囲に位置し、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、作動時に屈曲する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、作動時に前記第2のカテーテルシャフトに係合する、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
ガイドカテーテルを更に備え、前記ガイドカテーテルは、前記第1のカテーテルシャフトの周囲に位置し、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーの作動により、前記第1のカテーテルシャフトが前記ガイドカテーテルに係合する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項17】
ガイドカテーテルを更に備え、前記ガイドカテーテルは、前記第1のカテーテルシャフトの周囲に位置し、前記第1のカテーテルシャフトは、第2の電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分をそれぞれ備えた第1の長手方向位置、第2の長手方向位置および第3の長手方向位置という3つの長手方向位置を有し、前記第1の長手方向位置にある第2の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分の作動により、前記第1のカテーテルシャフトが前記ガイドカテーテルに係合し、前記第2および第3の長手方向位置にある第2の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分の作動により、前記第1のカテーテルシャフトが体腔を画定する壁に係合する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記第1、第2および第3の長手方向位置のうちの少なくとも一つにおいて、第2の電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は周方向バンドを形成している、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項19】
電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、強電性電気活性ポリマーまたはイオン性電気活性ポリマーである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項20】
電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、導電性ポリマー、イオン性ポリマーゲル、アイオノマーポリマー−金属複合体、カーボンナノチューブ、およびそれらの混合物からなる群から選択されるイオン性電気活性ポリマーである、請求項19に記載のカテーテル。
【請求項21】
前記イオン性電気活性ポリマーは、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリスルホン、ポリアセチレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される導電性ポリマーである、請求項20に記載のカテーテル。

【図12c】EAPからなる部分が作動状態にある図12cの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は多くの異なる形態で具体化することができるが、本発明の特定の実施形態をここに詳細に記載する。この記載は本発明の原理を例示するものであって、説明する特定の実施形態に本発明を限定しようとするものではない。
【0012】
この開示の目的のために、図面中の類似の参照番号は、特に断りのない限り類似の特徴を指す。
図1a〜図1cは、作動時にEAP32がとりうる種々のふるまいを示す。図1aは、EAP32がどのように直線長さを増大または縮小し得るかを示す。EAP32aが作動して直線長さが増大すると、初期長さ32aから作動長さ32になる。EAP32が作動して直線長さが縮小すると、初期長さ32から作動長さ32aになる。図1bは、作動時にEAPがどのように屈曲し得るかを示し、32aは変形前のEAP32を示し、32bは変形後のEAPを示す。あるいは、EAP32は、作動時に直線形状から屈曲形状に、またはその逆に変わることができる。図1cは、作動時にEAP32がどのように容積または寸法を増大または縮小し得るか、即ち、体積膨張または体積収縮し得るかを示す。EAP32aが作動して作動時にその容積または寸法が増大すると、初期寸法32aから作動寸法32になる。EAP32が作動して作動時にその容積または寸法が縮小すると、初期寸法32から作動寸法32aになる。
【0013】
EAPは、ここに開示する様々な創意的な方法で使用される。カテーテルの設計においてEAPが特に重要となり得ることを見出した。詳細には、カテーテルの断面または形状を選択的に変更するために、あるいはカテーテル中の弁として機能させるためだけでなく、ここに述べる他の方法で、EAPをカテーテル内で用いることができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、図2aに示すように、EAP32を用いて、カテーテルシャフトの空間的配置を制御可能に変更してもよい。図2aは、本発明の実施形態の長手方向断面図を示す。この実施形態を用いて、体腔内の適当な位置にカテーテルアセンブリ10などの任意の装置を固定することができる。つまり、EAPからなる部分32を用いて、カテーテルを血管またはガイドカテーテルと係合させることができる。カテーテルアセンブリ10は、バルーン30、外側シャフト20、内側シャフト22、およびガイドワイヤ28を備える。外側シャフト20の壁および内側シャフト22の壁はいずれも厚さを有する。外側シャフト20は、膨張ルーメン24を画定する内面を有する。内側シャフト22は、ガイドワイヤルーメン26を画定する内面を有する。カテーテルアセンブリ10の外側シャフト20は、EAPからなる一つの部分32を備える。この実施形態において、EAPからなる部分32は周方向の円環の形で存在し、図2は、非作動状態のEAP32を示す。
【0015】
ただ例示の目的のために、大部分の図面においてカテーテルアセンブリ10をバルーンカテーテルとして示す。しかしながら、カテーテルアセンブリ10が、多数の様々な血管内または非血管内カテーテル型のうちの任意の一つであってもよいことは理解されよう。当業者は、多数の実施形態に適した様々な種類のカテーテルをよく知るはずである。その他の血管内カテーテルの例としては、診断用カテーテル、ガイドカテーテル、アテレクトミーカテーテル、ステントデリバリーカテーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
電極22および対電極24が設置され得る例もまた図面に示されている。これらは単に、電極および対電極24のとりうる位置の例である。本明細書において説明されるとともに引用によってその全体の内容が本明細書に組み入れられる同一出願人の米国特許出願第10/763,825号において説明されるとおり、対電極24は、対電極24の表面の少なくとも一部が通常、電解質と接触してEAPからなる部分32の作動を促進するように設置される。
【0017】
図2bは、図2aのカテーテルアセンブリの1−1線に沿った断面図を示す。この実施形態では、EAPからなるバンド32は、非作動状態において、外側シャフト20の壁の一部を形成する。つまり、EAPからなる部分32の外面は、外側シャフト20の外面とほぼ面一である。同様に、EAP32の内面は、外側シャフト20の内面とほぼ面一である。ただし、本発明のいくつかの実施形態において、EAPからなるバンド32は、カテーテルシャフトの壁の一部のみを形成してもよく、即ち、非作動状態のEAPからなる部分32は、カテーテルシャフトの壁と同じ厚さを有さず、シャフトの外面または内面のいずれかと面一でない。
【0018】
図2cは、EAPからなる部分32が作動状態において体積膨張したとき、図2aのカテーテルが血管壁15にどのように係合するかを示す。この実施形態において、外側シャフト20の壁の非作動時の厚さは、外側シャフト20の壁の作動時の厚さよりも小さく、したがって、外側シャフト20の非作動時の外径は、外側シャフト20の作動時の直径よりも小さい。また、カテーテルアセンブリ10の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の直径よりも小さい。EAPからなる部分32が作動状態にあるとき、EAPからなる部分32の外面は、外側シャフト20の外面とほぼ面一ではないが、EAPからなる部分32の内面は、外側シャフト20の内面とほぼ面一である。
【0019】
一実施形態において、図2dに示されるように、カテーテルアセンブリ10は、ガイドカテーテル52およびカテーテル50を備え、EAPからなる部分32は、作動時にカテーテル50の外面をガイドカテーテル52に係合させる。つまり、作動時にEAPからなる部分32が体積膨張すると、ガイドカテーテルルーメン54が閉塞するか、あるいはガイドカテーテルルーメン54の直径の大きさが減少する。この実施形態において、カテーテル50のシャフトは、EAPからなる部分32を少なくとも一つ備える。
【0020】
少なくとも一つの実施形態において、カテーテル50は、ガイドワイヤ28を収容するガイドワイヤルーメン26を備える。ガイドカテーテル52は、ガイドカテーテルルーメン54を有する。作動状態のとき、少なくとも一つのEAPからなる部分32が体積膨張してガイドカテーテル52に係合する。この実施形態において、カテーテル50のシャフトの壁の非作動時の厚さは、カテーテル50のシャフトの壁の作動時の厚さよりも小さく、したがって、シャフト50の外径は、非作動状態で作動状態よりも小さい。また、カテーテルアセンブリ10の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の直径とほぼ同じである。
【0021】
図2a〜図2bに示される実施形態と同様、EAPからなる部分32は、非作動状態において、カテーテル50のシャフトの一部を形成する。非作動状態では、EAPからなる部分32の外面は、カテーテル50のシャフトの外面とほぼ面一である。同様に、EAPからなる部分32の内面は、カテーテル50の内面とほぼ面一である。ただし、EAPからなる部分32は、カテーテル50のシャフトの一部のみを形成してもよく、カテーテル50の外面とほぼ面一でなくてもよい。
【0022】
図2eに示される一実施形態において、カテーテルアセンブリ10は、ガイドカテーテル52およびカテーテル50を備え、ガイドカテーテル52は、EAPからなる部分32を少なくとも一つ備える。図2eに示されるように、EAPからなる部分32が膨張状態のとき、ガイドカテーテル52はカテーテル50に係合する。この実施形態において、カテーテル50は、ガイドワイヤ28を収容し得るガイドワイヤルーメン26を備える。ガイドカテーテル52は、ガイドカテーテルルーメン54を有する。この実施形態において、ガイドカテーテル52のシャフトの壁の非作動時の厚さは、ガイドカテーテル52のシャフトの壁の作動時の厚さよりも小さく、したがって、ガイドカテーテル52の内径は、作動状態のとき非作動状態よりも小さい。また、カテーテルアセンブリ10の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の直径とほぼ同じである。
【0023】
図2a〜図2bで示される実施形態と同様、EAPからなる部分32は、非作動状態において、ガイドカテーテル52のシャフトの一部を形成する。非作動状態では、EAPからなる部分32の外面は、ガイドカテーテル52のシャフトの外面とほぼ面一である。同様に、EAPからなる部分32の内面は、非作動状態において、ガイドカテーテル52のシャフトの内面とほぼ面一である。ただし、EAPからなる部分32は、非作動状態において、ガイドカテーテル52のシャフトの一部のみを形成してもよく、ガイドカテーテル52のシャフトの外面とほぼ面一でなくてもよい。この実施形態はただ一つのEAPからなる部分32のみを示しているが、ガイドカテーテル52のシャフトにEAPからなる複数の部分32を有することも本発明の範囲内である。
【0024】
図2fに示される一実施形態において、EAPからなる部分32は、作動時にガイドワイヤ28に係合する。この実施形態では、カテーテル50のシャフトは、EAPからなる部分32を少なくとも一つ備える。カテーテル50は、ガイドワイヤ28を収容し得るガイドワイヤルーメン26も備える。作動状態のとき、少なくとも一つのEAPからなる部分32は、体積膨張してガイドワイヤ28に係合する。この実施形態において、カテーテル50のシャフトの壁の非作動時の厚さは、カテーテル50のシャフトの壁の作動時の厚さよりも小さい。つまり、カテーテル50の内径またはガイドワイヤルーメン26の直径は、作動状態で非作動状態よりも小さい。また、カテーテルアセンブリ10の非作動時の外径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の外径とほぼ同じである。望ましくは、使用時に、この実施形態はカテーテルをより良好に押圧し、医療装置の配置の間にカテーテルが移動するのを防止するのに役立つ。
【0025】
図2a〜図2bに示される実施形態と同様、EAPからなる部分32は、非作動状態において、カテーテル50のシャフトの一部を形成する。非作動状態では、EAPからなる部分32の外面は、カテーテル50のシャフトの外面とほぼ面一である。同様に、EAPからなる部分32の内面は、カテーテル50のシャフトの内面とほぼ面一である。ただし、EAPからなる部分32は、カテーテル50のシャフトの一部のみを形成してもよく、カテーテル50の外面とほぼ面一でなくてもよい。この実施形態はただ一つのEAPからなる部分32のみを示しているが、カテーテル50のシャフトにEAPからなる複数の部分32を有することも本発明の範囲内である。
【0026】
例えば円環(図2aに示すような)、スポット、長手方向ストリップ、またはらせんストリップだがこれらに限定されない任意の形状をEAPからなる部分32が有することも本発明の範囲内である。EAPからなる部分32は、外側シャフト20の壁の一部を形成してもよく、あるいはEAPからなる部分32は、外側シャフト20の外面に係合されてもよい。図2gおよび図2hは、らせんストリップの形態をしたEAPからなる部分32をカテーテルアセンブリ10の外側シャフト20が備える実施形態を示す。図2hに示されるように、EAP32が膨張状態のとき、EAPからなるらせん壁32が形成される。これにより、カテーテルアセンブリ10が血管壁またはガイドカテーテルのいずれかに係合する。つまり、カテーテルアセンブリ10の外径は、作動状態で非作動状態よりも大きい。
【0027】
図2iおよび図2jは、カテーテルアセンブリ10の外側シャフト20がEAPからなる複数の部分32を備え、これらの部分32が外側シャフト20の外周囲に位置する長手方向ストリップの形態を有する実施形態を示す。EAPからなる部分32は、作動状態のとき、体積膨張して、図2jに示すように長手方向壁を形成する。つまり、カテーテルアセンブリ10の外径は、作動状態で非作動状態よりも大きい。使用時、この実施形態は、EAP32が作動状態のときに血液またはその他の流体の流れを止めることはない。なぜならば、それでも外側シャフト20と血管の間を流体が通過することができるからである。
【0028】
図2kおよび図2lは、外側シャフト20がEAPからなる複数の部分32を備え、これらの部分32が外側シャフト20の外周囲に位置するスポットの形態を有する実施形態を示す。EAPからなるスポット32は任意の形状を有してよく、例えばそれは環状、菱形、星型、長方形、または正方形であるが、これらに限定されるものではない。EAPからなる各スポット32は、図2lに示すように、膨張状態では体積膨張する。この実施形態において、EAP32が膨張状態のとき、出っ張り、即ちこぶが形成される。一実施形態においては、EAPからなるスポット32全体が同じ高さに体積膨張して柱状物を形成する。つまり、カテーテルアセンブリ10の外径は、EAPからなる部分32の作動により、作動状態で非作動状態よりも大きくなる。使用時、これらの実施形態は、EAPからなる部分32が作動状態のときに血液またはその他の流体の流れを止めることはない。なぜならば、それでも外側シャフト20と血管の間を流体が通過することができるからである。
【0029】
EAPからなる部分32の数および位置は変更することができる。少なくとも一つの実施形態において、カテーテルシャフト50は、EAPからなる複数の周方向バンド32を備える。少なくとも一つの実施形態では、シャフト50に沿って長手方向に離れた個所に位置する複数の周方向バンドが存在する。EAPからなる周方向バンド32を3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上有することも本発明の範囲内である。
【0030】
図3aおよび図3dは、EAPからなる3つの周方向バンド32を有するカテーテルシャフト50およびガイドカテーテル52を備えたカテーテルアセンブリの実施形態を示す。EAPからなる第1の周方向バンド32aは、カテーテルシャフト50の先端領域に位置し、EAPからなる第2の周方向バンド32bは、EAPからなる先端側のバンド32aおよび32cの近くに位置し、第3の周方向バンド32cは、EAPからなる第1のバンド32aの近くに位置し、かつ、EAPからなる第2のバンド32bから離れて位置する。図3dは、血管内での使用時、EAPからなる3つの周方向バンドのうち2つの周方向バンド32b,32cが作動状態のときに、カテーテルアセンブリがどのように現れるかを示している。使用時、EAPからなる基端側の周方向バンド32bが作動すると、それがガイドカテーテル52の内側または血管に係合する。したがって、ガイドカテーテルルーメン54は、EAPからなる基端側の周方向バンド32bにより閉塞され、即ち、ガイドカテーテルルーメン54の直径はゼロに等しくなる。使用時、EAPからなるバンド32aおよび32cが作動すると、EAPからなる各バンド32a,32cは血管に係合する。使用時、EAPからなる第3のバンド32cは、閉塞に応じて作動しても作動しなくてもよい。図3dでは、EAPからなる第3のバンド32cが作動状態にあり、EAPからなる先端側のバンド32aが非作動状態にあることに留意されたい。カテーテルアセンブリの更なる安定性を必要とする程度または場所に応じて、EAPからなる周方向バンド32a,32cの一方または両方が作動してもよい。この実施形態では、カテーテル50のシャフトの壁の非作動時の厚さは、カテーテル50のシャフトの壁の作動時の厚さよりも小さく、したがって、カテーテル50の外径は、作動状態で非作動状態よりも大きい。カテーテルを血管内に固定してより大きな力をガイドワイヤに加えることで、閉塞内を通ってカテーテルが移動できるようにEAPからなるバンド32を作動させることができるため、医師がガイドワイヤの移動が特に困難な閉塞に遭遇した場合に、この実施形態を利用することができる。少なくとも一つの実施形態において、カテーテルシャフトは、EAPからなる2つの周方向バンド32、つまり第1の周方向バンド32aおよび第2の周方向バンド32bを備える。
【0031】
一実施形態において、図3aのカテーテルアセンブリの3−3線での断面図である図3bに示すように、EAPからなる部分32bおよび32cは、不完全な周方向バンドである。この実施形態は、カテーテルアセンブリを血管内に固定させることが可能であるが、EAPからなるバンド32は、EAP32が作動状態のとき、カテーテルアセンブリを通る体液の流れを完全には遮断しない。
【0032】
一実施形態において、EAPからなる2つの周方向バンド32bおよび32cの代わりに、EAPからなる部分32bおよび32cは、カテーテルシャフトの外周囲に位置するEAPからなる複数の部分32で構成される。この実施形態は、図3aのカテーテルアセンブリの3−3線での断面図である図3cに示される。示されている実施形態は、カテーテル50の外周囲に位置するEAPからなる4つの部分32を備える。ただし、EAPからなる部分32の数および寸法がカテーテル50を血管に係合させるのに十分で、カテーテルアセンブリと血管の間を流体が通過するという目的が適う限り、カテーテルシャフトの外周囲に位置するEAPからなる部分32は2つ、3つ、5つ、6つ、7つ、または8つであってもよい。周方向に位置するEAPからなる部分32の間に空間があるため、EAP32が作動状態のときに体液の流れが遮断されることはない。
【0033】
図4は、EAPからなる2つの部分32a,32bを備えたカテーテルアセンブリ10の実施形態を示す。この実施形態のカテーテルアセンブリ10は、バルーンカテーテルではない。カテーテルアセンブリ10のシャフトはルーメンを有する。カテーテルアセンブリ10のシャフトは、周方向バンドを形成するEAPからなる2つの部分32a,32bを備える。この実施形態では、EAPからなる2つの周方向バンド32a,32bは、カテーテルシャフトの壁の一部を形成する。つまり、非作動状態では、EAPからなるバンド32a,32bの外面は、シャフトの外面とほぼ面一である。この実施形態では、カテーテルのシャフトの非作動時の厚さは、カテーテルのシャフトの作動時の厚さよりも小さく、カテーテルアセンブリ10の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の直径よりも小さい。EAPからなる2つの周方向部分32a,32bは、複数の穿孔を有するカテーテルシャフトの部分によって長手方向において分離させられている。EAPからなる2つの部分32a,32bの間の距離は、異なる処置面積を有するカテーテルを提供するために、約0.1mmから約25cmの間で変更することができる。EAPからなる2つの部分32a,32bが作動状態のとき、これらは膨張して血管壁に係合し、カテーテルアセンブリと血管の間を体液が流れるのを防止する。EAPからなる2つの部分32a,32bが作動状態になった後、有益な剤をカテーテルのルーメンに通し、EAPからなる2つの部分32a,32bにより遮断された血管の領域にそれを穿孔から送り出すことができる。穿孔は任意の形状を有することができ、それは例えば円形、正方形、長方形、三角形、八角形であるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明の別の実施形態(図示しない)において、外側シャフト20は、バルーン30の近くに位置するただ一つのEAPからなる部分32を備える。この実施形態では、EAP32は、作動状態のときに体積収縮する。したがって、EAPの部分32の外面は、非作動状態において、外側シャフト20の外面とほぼ面一でないが、EAPの部分32が作動状態のときには、EAPの部分32の外面は、外側シャフト20の外面とほぼ面一である。つまり、この実施形態では、外側シャフトの非作動時の直径は、外側シャフトの作動時の外径よりも大きい。
【0035】
図5に示される更に別の実施形態において、内側シャフト22は、EAPからなる周方向部分32を有する。この実施形態では、EAPからなる周方向部分32は、非作動状態において、内側シャフト22の壁の一部を形成する。つまり、EAPからなる部分32の外面は、内側シャフト22の外面とほぼ面一である。同様に、EAP32の内面は、内側シャフト22の内面とほぼ面一である。ただし、少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる部分32は、内側シャフト22の壁の一部のみを形成してもよく、即ち、EAPからなる部分32は、内側シャフト22の壁と同じ厚さを有さない。EAPからなる部分32が作動状態のとき、EAPからなる部分32は、外側シャフト20に係合して膨張ルーメン24を遮断する。つまり、EAPからなる部分32が作動状態のときには、膨張ルーメン24の直径はゼロにまで減少する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる部分32が作動状態のとき、膨張ルーメン24の直径は減少するもののゼロよりは大きい。この実施形態を利用することにより、薬物またはその他の有益な剤が膨張ルーメン24を通って処置部位に流れるのを制御することができる。この実施形態では、内側シャフト22の壁の非作動時の厚さは、内側シャフト22の壁の作動時の厚さよりも小さく、内側シャフト22の外径は、非作動状態で作動状態よりも小さい。また、カテーテルアセンブリ10の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の直径とほぼ同じである。
【0036】
図6aおよび図6bに示される本発明の別の実施形態において、内側シャフト22は、作動状態のときに屈曲するEAPからなる一つの周方向部分32を備える。図6bは、作動状態のときにEAPからなる部分32が外側シャフト20の内面に係合して膨張ルーメン24を遮断することができるように、EAPからなる部分32が長手方向に十分な長さを有することを示す。つまり、EAPからなる部分32は、膨張ルーメン24の直径を減少する。少なくとも一つの実施形態において、膨張ルーメン24の直径はゼロに等しい。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる部分32が作動状態のとき、膨張ルーメン24の直径は減少するもののゼロよりは大きい。この実施形態を利用することにより、薬物またはその他の有益な剤が膨張ルーメン24を通って処置部位に流れるのを制御することができる。
【0037】
この実施形態では、EAPからなる部分32の外面は、非作動状態においては内側シャフト22の外面とほぼ面一であるが、EAPからなる部分32が内側シャフト22の壁と同じ厚さではないため、EAPからなる部分32の内面は、内側シャフト22の内面とは面一でない。この実施形態では、内側シャフト22の壁の非作動時の厚さは、内側シャフト22の壁の作動時の厚さよりも大きく、したがって、内側シャフト22の外径は、非作動状態で作動状態よりも大きい。また、カテーテルアセンブリ10の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ10の作動時の直径とほぼ同じである。
【0038】
一実施形態において、EAPからなる周方向部分32は、内側シャフト22の壁の外面に係合される。少なくとも一つの実施形態において、内側シャフト22は、作動状態のときに屈曲するEAPからなる複数の部分32を有する。この実施形態では、EAPからなる複数の部分32は、作動状態のときに膨張ルーメン24の直径を変更する。少なくとも一つの実施形態において、バルーンカテーテルの外側シャフト20は、作動状態のときに屈曲して内側シャフト22に係合するEAPからなる少なくとも一つの周方向部分32を備える。この実施形態では、EAPからなる複数の部分32は、作動状態のときに膨張ルーメン24の直径を変更する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる複数の部分32は、作動状態のときに膨張ルーメン24の直径を増大する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる複数の部分32は、作動状態のときに膨張ルーメン24の直径を減少する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる複数の部分32は、作動状態のときに膨張ルーメン24の直径をゼロにまで減少する。望ましくは、この実施形態は、アルコールアブレーションを用いた非外科的な経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)で利用される。
【0039】
一実施形態において、ガイドワイヤ28は、作動状態のときに屈曲するEAPからなる少なくとも一つの周方向部分32を備える。この実施形態では、EAPからなる部分32は、ガイドワイヤルーメン26の直径を変更する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる部分32は、作動状態のときにガイドワイヤルーメン26の直径を増大する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる部分32は、作動状態のときにガイドワイヤルーメンの直径を減少する。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる部分32は、作動状態のときにガイドワイヤルーメン26の直径をゼロに等しくする。望ましくは、この実施形態は、塞栓の防止のために利用される。
【0040】
図7は、一般的なバルーンカテーテル60の一部を示す。バルーンカテーテル60は、外側シャフト20、内側シャフト22、およびガイドワイヤ28を備える。外側シャフト20は、膨張ルーメン24を画定する内面を有する。内側シャフト22は、ガイドワイヤルーメン26を画定する内面を有する。
【0041】
図8は、図7の一般的なバルーンカテーテル60の線7−7に沿った断面図であり、この実施形態によれば、バルーンカテーテル60はEAP32の付加により改良されている。この実施形態では、EAPからなる部分32はストリップ形状であり、内側シャフト22は、内側シャフト22の本体内に埋設されたEAPからなる3つのストリップ32を備える。EAPからなる3つのストリップ32は、内側シャフト22の長手方向長さに沿った一つの位置において内側シャフト22の外周囲に配置されている。EAPからなるストリップ32は、作動可能な成形支持部材(shaped actuatable support member)として働く。対電極34は、外側シャフト20に係合されている。EAPからなるストリップ32が作動状態のとき、EAPからなるストリップ32は、錠(lock)または留め金(buckle preventative)のように働くことができる。EAPからなるストリップ32が作動状態のときには、剛性が上昇し、カテーテルアセンブリ60の柔軟性が低下しているため、良好な押し込みが実現される。この実施形態では、内側は可動であり、片側に振れることができる。この実施形態では、内側シャフト22の壁の非作動時の厚さは、内側シャフト22の壁の作動時の厚さよりも小さく、したがって、内側シャフト22の外径は、非作動状態で作動状態よりも小さい。また、カテーテルアセンブリ60の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ60の作動時の直径とほぼ同じである。
【0042】
少なくとも一つの実施形態において、内側シャフト22は、内側シャフト22の長手方向長さに沿った複数の位置において内側シャフト22の外周囲に配置されたEAPからなる複数のストリップ32を備える。少なくとも一つの実施形態において、EAPからなる3つのストリップ32の外面は、内側シャフト22の外面とほぼ面一であり、EAPからなる3つのストリップ32の内面は、内側シャフト22の内面とほぼ面一である。一実施形態において、EAPからなる3つのストリップ32の外面は、内側シャフト22の外面とほぼ面一であり、EAPからなる3つのストリップ32の内面は、内側シャフト22の内面とほぼ面一でない。一実施形態において、EAPからなる3つのストリップ32の外面は、内側シャフト22の外面とほぼ面一でなく、EAPからなる3つのストリップ32の内面は、内側シャフト22の内面とほぼ面一である。EAPからなるストリップ32の長さおよび幅は変更可能である。EAPからなるストリップ32の数、EAPからなるストリップ32とカテーテルシャフト22の外周の望ましい配置は、EAPからなるストリップ32の長さに影響を与える。
【0043】
EAPからなるストリップ32は直線状である必要はなく、別の形状を有することができる。例えば図9a〜dに示される別の実施形態において、EAPからなるストリップ32はコイル形状であり、膨張ルーメン24内に位置する。図9aは、EAPからなるコイル32が非作動状態にあるカテーテルアセンブリ60の長手方向断面図を示す。カテーテルアセンブリ60は、対電極34を備えてバルーン30に係合する外側シャフト20からなる。外側シャフト20は膨張ルーメン24を画定する。この実施形態のEAPからなるコイル32は、内側シャフト22の外面を取り囲む。一実施形態において、EAPからなるコイル32は、内側シャフト22の壁の一部を形成する。
【0044】
この実施形態では、EAP32が作動状態のときに更なる力が外側シャフト20に加わることにより、EAP32が膨張ルーメン24を補強する。図9bは、EAPからなるコイル32が作動状態にあるカテーテルアセンブリ60の長手方向断面図を示す。図9cは、図9bのカテーテルアセンブリ60の9−9線での断面図である。EAPからなるコイル32が膨張状態のとき、EAPからなるコイル32の相当の部分が外側シャフト20の内面に係合しており、EAPからなるコイル32のどの部分も内側シャフト22の外面に係合していない。つまり、この実施形態では、内側シャフト22の壁の非作動時の厚さは、内側シャフト22の壁の作動時の厚さよりも大きく、したがって、内側シャフト22の外径は、非作動状態で作動状態よりも大きい。また、カテーテルアセンブリ60の非作動時の直径は、カテーテルアセンブリ60の作動時の直径とほぼ同じである。図9dは、EAPからなるコイル32の別のデザインの断面図を示す。この実施形態では、EAPからなるコイル32の一部は外側シャフト20の内面に係合し、EAPからなるコイル32の別の一部は内側シャフト22の外面に係合している。
【0045】
少なくとも一つの実施形態において、EAPからなるコイル32は、外側シャフト20の内面の一部を形成する。この実施形態では、EAPからなるコイル32の作動により、外側シャフト20が膨張し、それにより膨張ルーメン24の直径が増大する。この実施形態では、外側シャフト20の非作動時の内径は、外側シャフト20の作動時の内径よりも小さい。膨張ルーメン24の直径の増大により、バルーン30からの流体の流れを増加させることができ、それによりバルーン30を収縮させるのにかかる時間を短縮することができる。一実施形態において、EAPからなるコイル32は、外側シャフト20の内面の一部に係合している。
【0046】
図10は、図7の一般的なバルーンカテーテルの8−8線に沿った断面図であり、この実施形態によれば、カテーテル60はEAP32の付加により改良されている。この実施形態では、EAPからなる部分32は、外側シャフト20の一部の外面を形成する層である。EAPからなる層32は、外側シャフト20の外面層全体を形成してもよく、あるいは外側シャフト20の特定の部分のみがEAP32からなる層を有してもよい。
【0047】
例えば、少なくとも一つの実施形態(図示しない)において、外側シャフト20の先端領域の外面のみがEAP32からなる層を有する。医師が蛇行した体腔を通ってカテーテル60を進めることが困難になったときには、EAP32からなる層が膨張して良好な軌道が得られるように、EAP32からなる層を作動させることができる。体腔の異なる部分を移動させた後、EAP32の作動を停止させれば、初期のプロファイルを再び得ることができる。この実施形態では、外側シャフト20の壁の非作動時の厚さは、外側シャフト20の壁の作動時の厚さよりも小さく、外側シャフト20の非作動時の外径は、外側シャフト20の作動時の外径よりも小さい。
【0048】
一実施形態において、内側シャフト22は、内面上にEAPからなる層32を備える。EAPからなる層32は、活性状態のときに、潤滑剤をガイドワイヤルーメン26に放出する。望ましくは、これによりガイドワイヤ28の移動が改善される。放出され得る潤滑剤としては、親水性ポリアクリルアミド、フルオロポリマー、シリコーンコーティング、例えばマイクログライド(MICROGLIDE)またはハイドロコート(HYDROCOAT)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。非作動状態では、潤滑剤はEAPにより部分的に取り囲まれている(EAPは、潤滑剤を収容するポケット状領域を形成している)。作動状態では、EAP32の体積増大により、ポケット状領域から潤滑剤が放出させられる。少なくとも一つの実施形態において、外側シャフト20とバルーン30のいずれか、または外側シャフト20とバルーン30の両方が外面上にEAPからなる層32を備え、解剖の困難な部分におけるカテーテルの軌道を改善することができるように、作動状態のときに潤滑剤を放出する。少なくとも一つの実施形態において、外側シャフト20とバルーン30のいずれか、または外側シャフト20とバルーン30の両方が外面上にEAPからなる層32を備え、作動時に薬物を放出する。
【0049】
少なくとも一つの実施形態(図示しない)において、内側シャフト22は、内側シャフト22の内面上にEAPからなる層32を備える。EAPからなる層32が作動状態のときには、ガイドワイヤルーメン26の寸法が増大し、望ましくは、ガイドワイヤ28の移動が改善される。カテーテルアセンブリが適切な位置にあるとき、EAPからなる層32は作動を停止することができる。一実施形態において、EAPからなる層32の作動により、膨張ルーメン24の寸法は縮小する。この実施形態では、EAPからなる層32が非作動状態のときには膨張ルーメン24の方が大きいため、EAPからなる層32の作動の停止により、バルーン30の膨張および収縮は促進される。
【0050】
図11a〜図11cに示される別の実施形態において、外側シャフト20および内側シャフト22の両方がEAPからなる層32を備える。図11bは、図11aのカテーテルアセンブリ10の一部の拡大図である。外側シャフト20内のEAP32は、作動状態のときには体積縮小、すなわち収縮している。したがって、外側シャフト20の壁の非作動時の厚さは、外側シャフト20の壁の作動時の厚さよりも大きく、したがって、外側シャフト20の非作動時の内径は、外側シャフト20の作動時の内径よりも小さい。内側シャフト22中のEAP32は、作動状態のときには体積縮小している。したがって、内側シャフト22の壁の非作動時の厚さは、内側シャフト22の壁の作動時の厚さよりも大きく、したがって、内側シャフト22の非作動時の外径は、内側シャフト22の作動時の直径よりも大きい。組み合わせると、作動状態のときには、EAPからなる2つの層32により膨張ルーメン24の直径が拡大してバルーン30からの流体の流れが増加し、それにより収縮時間が短縮する。これを図11cに示している。
【0051】
図12aおよび図12bは、ただ一つのルーメンを備えたバルーンカテーテル60の先端領域を示す。バルーンカテーテル60は、シャフト50、バルーン30、ガイドワイヤ28、およびEAPからなる少なくとも2つの部分32を備える。ガイドワイヤ28はシャフト50の外側に沿って先端領域まで延び、そこでガイドワイヤ28は、シャフト50の壁のガイドワイヤ開口部62を通ってバルーンカテーテル60の膨張ルーメン24に入り、膨張ルーメン24の内部を通ってバルーンカテーテル60の先端を越えて先端方向に延びる。
【0052】
ガイドワイヤ開口部62を取り囲むEAPからなる部分32aとシャフト50の先端64に位置するEAPからなる周方向バンド32bが存在する。図12aでは、EAPからなる部分32は非作動状態にあるが、図12bでは、EAPからなる部分32は作動状態にある。先端64に位置するEAPからなる周方向バンド32bが作動状態のとき、膨張ルーメン24の直径が減少することに留意されたい。少なくとも一つの実施形態において、先端64のEAPからなる周方向バンド32bが作動状態のとき、膨張ルーメン24の直径はゼロに等しい。
【0053】
図12cおよび図12dは、バルーンカテーテル60の側面の一部を示し、非作動状態(図12c)および作動状態(図12d)におけるガイドワイヤ開口部62を取り囲むEAPからなる部分32を示す。図12cおよび図12dでは、開口部を取り囲むEAPからなる部分32はほぼ円形であるが、EAPからなる部分32が作動状態のときにガイドワイヤ開口部62が閉塞してバルーン30を膨張させることが可能である限り、EAPからなる部分32は任意の形状を有することができる。ガイドワイヤ開口部62を閉塞するために、EAPからなる部分32の長さがガイドワイヤ28に向かって増大してもよいし、あるいはEAPからなる部分32の体積サイズが増大してもよい。いずれの方法も、EAP32はガイドワイヤ28に係合して、ガイドワイヤ開口部62を閉塞させる。
【0054】
使用時、バルーンカテーテル60を血管内で操作しているときには、EAPからなる部分32は非作動状態にある。その後、バルーンカテーテル60が血管内の所望の位置にあるときに、EAPからなる部分32を作動させることによりバルーン30を膨張させることができる。つまり、EAPからなる部分32を作動させることにより、ガイドワイヤ開口部62および先端64の両方の位置でガイドワイヤ28に対するシールが得られ、ガイドワイヤ28のための別のルーメンおよび膨張を必要とすることなく、カテーテルに圧力を与えることができる。望ましくは、別のルーメンを排除することにより、装置の複雑さが減少し、カテーテルのプロファイルが低次化する。
【0055】
シャフトの直径は増大するもののルーメンの直径には影響を与えない実施形態、例えば、図2a〜図2c、図2g〜図2h、図2i〜図2j、図2k〜図2l、図4および図10に示される実施形態を、カテーテルルーメンの直径に影響を与える実施形態、例えば、図2d、図2e、図2f、図3a〜図3d、図5、図6a〜図6b、図9a〜図9d、図11a〜図11c、図12a〜図12dに示される実施形態と組合わせたものが本発明の範囲内であることに留意されたい。つまり、少なくとも一つの実施形態において、カテーテルは、少なくとも一つのカテーテルシャフトの直径に影響を与えるEAPからなる少なくとも一つの部分32と、少なくとも一つのカテーテルルーメンの直径に影響を与えるEAPからなる少なくとも一つの部分32とを備える。少なくとも一つの実施形態において、カテーテルは、カテーテルの少なくとも一つのシャフトの直径に影響を与えるEAPからなる少なくとも一つの部分32と、少なくとも一つのカテーテルシャフトおよび少なくとも一つのカテーテルルーメンの両方の直径に影響を与えるEAPからなる少なくとも一つの部分32とを備える。少なくとも一つの実施形態において、カテーテルは、作動状態のときにカテーテルを血管に係合するEAPからなる少なくとも一つの部分32と、作動状態のときに少なくとも一つのカテーテルルーメンの直径を変化させるEAPからなる少なくとも一つの部分32とを備える。
【0056】
上記の実施形態においてEAPからなる部分を作動させる一手段は、帯電した膨張媒体をカテーテルアセンブリの膨張ルーメンに導入することである。
本発明は、以下の番号付けした記述で特徴づけられる以下の実施形態もまた包含する。
【0057】
1. 内部を通るルーメンを有するカテーテルシャフトを備えたカテーテルであって、前記カテーテルシャフトの少なくとも一部は電気活性ポリマーを含み、前記電気活性ポリマーの作動時または作動停止時、前記ルーメンの断面積のサイズが変化するカテーテル。
【0058】
2. 前記電気活性ポリマーの作動時、前記電気活性ポリマーの付近の前記ルーメンの直径が減少する、記述1のカテーテル。
3. 前記電気活性ポリマーは、非作動時にルーメン内で栓(plug)を形成している、記述1のカテーテル。
【0059】
4. 前記電気活性ポリマーは、前記カテーテルシャフトの周囲に配置されたバルーンの近くに位置する、記述3のカテーテル。
5. 作動時の前記電気活性ポリマーは、前記カテーテルシャフトの栓を中止する、記述4のカテーテル。
【0060】
6. 前記電気活性ポリマーは、前記カテーテルシャフトの一部の外面を形成し、前記電気活性ポリマーの作動時、前記電気活性ポリマーの付近の前記カテーテルシャフトの外径が増大する、記述1のカテーテル。
【0061】
7. 前記カテーテルシャフトの外径は、前記電気活性ポリマーの作動時に20%を超えて増大する、記述6のカテーテル。
8. 前記電気活性ポリマーは、治療剤または潤滑剤を含む、記述1のカテーテル。
【0062】
9. 前記治療剤または潤滑剤は、前記電気活性ポリマーの作動により放出される、記述1のカテーテル。
10. 前記電気活性ポリマーは、前記ルーメン内で拡張する弁を形成するように構成される、記述1のカテーテル。
【0063】
11. 前記弁は、前記電気活性ポリマーの作動により開かれる、記述10のカテーテル。
12. 前記弁は、前記電気活性ポリマーの作動により閉じられる、記述10のカテーテル。
【0064】
13. 前記電気活性ポリマーは、前記カテーテルシャフトの少なくとも一部の内面および前記カテーテルシャフトの少なくとも一部の外面を形成している、記述1のカテーテル。
【0065】
14. 前記電気活性ポリマーの付近の前記カテーテルシャフトの外径は、前記電気活性ポリマーの作動時または作動停止時に増大する、記述13のカテーテル。
15. 前記電気活性ポリマーの付近の前記カテーテルシャフトの外径は、前記電気活性ポリマーの作動時または作動停止時に減少する、記述13のカテーテル。
【0066】
16. 前記電気活性ポリマーの付近の前記カテーテルシャフトの内径は、前記電気活性ポリマーの作動時または作動停止時に増大する、記述13のカテーテル。
17. 前記電気活性ポリマーの付近の前記カテーテルシャフトの内径は、前記電気活性ポリマーの作動時または作動停止時に減少する、記述13のカテーテル。
【0067】
18. 作動時の前記電気活性ポリマーは、前記ルーメンを少なくとも部分的に縮小するように構成される、記述1のカテーテル装置。
19. 前記電気活性ポリマーはコイルの形態である、記述1のカテーテル。
【0068】
20. 前記コイルは、電気活性カテーテルシャフトの外面の一部を形成している、記述19のカテーテル装置。
21. 前記コイルは、電気活性カテーテルシャフトの内面の一部を形成している、記述19のカテーテル装置。
【0069】
22. 電気活性でないカテーテルシャフトを更に備える、記述1のカテーテル装置。
23. 複数の電気活性カテーテルシャフトを備える、記述1のカテーテル装置。
24. 電気活性カテーテルシャフトと連動する制御機構を更に備えることで、前記電気活性ポリマーの選択的作動および作動停止を可能にする、記述1のカテーテル装置。
【0070】
25. カテーテルおよび膨張ルーメンの周囲に配置されるバルーンを備えたバルーンカテーテル装置であって、前記膨張ルーメンは前記バルーンと流体連通し、前記膨張ルーメンは電気活性ポリマーを含み、前記電気活性ポリマーが作動または作動を停止することにより、前記バルーンへの膨張液の流れが制御される、バルーンカテーテル装置。
【0071】
25. 前記電気活性ポリマーは、作動時に前記膨張ルーメン内に内向きに拡張する、記述25のバルーンカテーテル。
26. 第1のカテーテルシャフトと、電気活性ポリマーからなる少なくとも一つ部分とを備えたカテーテルであって、前記第1のカテーテルシャフトは壁を有し、前記第1のカテーテルシャフトの壁は厚さを有し、かつ第1のルーメンを画定し、前記第1のルーメンは直径を有し、電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーを含み、前記少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーは非作動状態および作動状態を有し、前記少なくとも一つの第1の電気活性ポリマーは、作動状態において前記第1のカテーテルシャフトの壁の厚さを変化させ、かつ、前記第1のルーメンの直径を変化させる、カテーテル。
【0072】
27. 電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーを更に含み、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは非作動状態および作動状態を有し、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、作動状態において前記第1のカテーテルシャフトの壁の厚さを変化させ、前記第1のルーメンの直径はほぼ同じ直径のままである、記述26のカテーテル。
【0073】
28. 第2のカテーテルシャフトを更に備え、前記第2のカテーテルシャフトは電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分を備え、前記第2のカテーテルシャフトは壁を有し、電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーを含み、前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは非作動状態および作動状態を有し、前記第2のカテーテルシャフトの壁は厚さを有し、かつ第2のルーメンを画定し、前記第2のルーメンは直径を有し、前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは、作動状態において前記第2のカテーテルシャフトの壁の厚さおよび前記第2のルーメンの直径を変化させる、記述27に記載のカテーテル。
【0074】
29. 電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーを含み、前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは非作動状態および作動状態を有し、前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは、作動状態において前記第2のカテーテルシャフトの壁の厚さを変化させ、前記第2のルーメンの直径はほぼ同じ直径のままである、記述28のカテーテル。
【0075】
30. 第1のカテーテルと、第2のカテーテルと、電気活性ポリマーからなる少なくとも一つの部分とを備えたカテーテルであって、前記第2のカテーテルは前記第1のカテーテルの周囲に位置し、前記第2のカテーテルは壁を有し、前記第2のカテーテルの壁は厚さを有し、かつ第2のルーメンを画定し、前記第2のルーメンが直径を有し、電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーを含み、前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは非作動状態を有し、前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは、作動状態において前記第2のカテーテルシャフトの壁の厚さを変化させ、かつ、前記第2のルーメンの直径を変化させる、カテーテル。
【0076】
31. 電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、前記第2のカテーテルシャフトの壁の一部を形成する、記述30のカテーテル。
32. 電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は、前記第2のカテーテルシャフトの壁に係合している、記述30のカテーテル。
【0077】
33. 作動状態の前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーにより、第2のルーメンの直径はゼロに等しくなる、記述30のカテーテル。
34. 作動時に前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは屈曲する、記述30のカテーテル。
【0078】
35. 前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは、作動状態のときに前記第2のカテーテルシャフトを前記第1のカテーテルシャフトに係合する、記述34のカテーテル。
【0079】
36. 前記第1のカテーテルシャフトは壁を有し、電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーを更に含み、前記少なくとも一つの第2の電気活性ポリマーは、前記第1のカテーテルシャフトの壁の外面層を形成し、前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは、前記第2のカテーテルシャフトの壁の内面層を形成し、電気活性ポリマーからなる層のうち少なくとも一つが作動することにより、第2のルーメンの直径が変化する、記述30のカテーテル。
【0080】
37. バルーンを更に備える、記述36のカテーテル。
38. 前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは、前記第2のカテーテルシャフトの壁に係合されたコイルを形成している、記述30のカテーテル。
【0081】
39. 作動状態の前記少なくとも一つの第3の電気活性ポリマーは、前記第2のルーメンの直径を変化させる、記述38のカテーテル。
40. 前記第2のカテーテルシャフトはガイドカテーテルであり、前記第3の電気活性ポリマーの作動により、前記ガイドカテーテルは前記第1のカテーテルに係合する、記述30のカテーテル。
【0082】
41. 電気活性ポリマーからなる前記少なくとも一つの部分は少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーを更に含み、前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは作動状態を有し、前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは、作動状態において前記第2のカテーテルシャフトの壁の厚さを変化させ、前記第2のルーメンの直径はほぼ同じままである、記述30のカテーテル。
【0083】
42. 前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは、周方向バンド、長手方向ストリップ、スポット、らせんバンド、層、およびそれらのいずれかの組合わせからなる群のうちの少なくとも一つから選択される、記述41のカテーテル。
【0084】
43. 前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーの作動により、体腔を画定する壁に前記第2のカテーテルシャフトが係合する、記述42のカテーテル。
44. 前記カテーテルはバルーンを更に備え、前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは、前記バルーンの近くに位置する周方向バンドである、記述41のカテーテル。
【0085】
45. 前記少なくとも一つの第4の電気活性ポリマーは、長手方向に互いに離れた2つの周方向バンドを形成しており、前記第2のカテーテルシャフトの壁は、前記2つの周方向バンドの間に少なくとも2つの穿孔を有する、記述41のカテーテル。
【0086】
本発明のカテーテルのシャフトは、所望の特徴を示す適切な材料およびEAPから製造される。適切な材料の例としては、ポリマー、例えばポリオキシメチレン(POM)、ポリテレフタル酸ブチレン(PBT)、ポリエーテルブロックエステル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリスルホン、ナイロン、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、ポリエーテル−エステル、ポリマー/金属複合体など、またはそれらの混合物、ブレンドもしくは組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。適切なポリエーテルブロックエステルの一例は、商品名アーニテル(ARNITEL)として入手でき、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)の適切な一例は、ペンシルバニア州バーズボロのアトムケム・ポリマーズ社から商品名ペバックス(PEBAX)(登録商標)として入手できる。
【0087】
本発明のカテーテルは、EAPアクチュエータを用いて、少なくとも一部を作動させる。EAPは、電気刺激に応答して形状を変える能力を特徴とする。EAPは、強電性(electric)EAPおよびイオン性EAPを包含する。圧電結晶材料を用いてもよいが、電圧を加えたときに少しの変形を受ける傾向がある。
【0088】
強電性EAPとしては、強誘電性ポリマー、誘電性EAP、電歪ポリマー、例えば電歪移植エラストマーおよび電子粘弾性エラストマー(electro-viscoelastic elastomers)、ならびに液晶エラストマー材料が挙げられる。
【0089】
イオン性EAPとしては、イオン性ポリマーゲル、アイオノマーポリマー−金属複合体、導電性ポリマーおよびカーボンナノチューブが挙げられる。少しの電圧を加えると、イオン性EAPを著しく屈曲させることができる。イオン性EAPは、例えば以下のもの、(a)それらが軽量、柔軟、小型、そして製造が容易であること;(b)エネルギー供給源を入手でき、制御が容易で、エネルギーをEAPに容易に送達できること;(c)少しの電位変化(例えば、約1Vの電位変化)を利用して、EAPの体積変化を実行することができること;(d)それらの作動が比較的急速であること(例えば、数分間で完全膨張/収縮);(e)様々な技術、例えば電着を利用してEAP領域を作製し得ること;および(f)望ましくは、例えば写真平版術を利用して、EAP領域をパターン形成し得ることなど、多数の付加的性質を有することが、本発明の装置内で使用するものとして魅力的である。
【0090】
導電性プラスチックを使用してもよい。導電性プラスチックは、一般的なポリマー材料を包含し、ほぼすべてが熱可塑性材料であり、導電性充填剤、例えば粉末金属またはカーボン(通常はカーボンブラックまたはファイバー)の添加を必要とする。
【0091】
イオン性ポリマーゲルは、化学反応により活性化され、酸からアルカリ環境に変化すると膨潤することができる。
イオン化高分子−金属複合体は、高分子網目構造内でカチオンが移動する結果、屈曲することができる。適切な塩基性ポリマーとしては、ペルフルオロスルホナートおよびペルフルオロカルボキシラートが挙げられる。
【0092】
本質的に収縮性または膨張性を示すEAPを、例えば先に列挙されたものなど、本発明の様々な活性領域に関連して使用することができる。
本明細書内のいくつかの実施形態において、使用されるEAPは、イオン性EAPであり、より具体的にはイオン性EAPは、共役系バックボーンを特徴とし(それらは、別の一連の単結合または二重結合の炭素−炭素結合、場合により炭素−窒素結合、即ちπ共役を有するバックボーンを含む)、酸化または還元により電気伝導性が増大する能力を有する導電性ポリマーである。ポリマーでは、このことが電子の移動の自由を可能にし、それによりポリマーが導電性になる。π共役ポリマーは、酸化(p−ドーピング)または還元(n−ドーピング)により電気伝導材料に変換される。
【0093】
これらのポリマーの容積は、イオンを電解質と交換することにより、対応する電極での酸化還元反応を通して劇的に変化する。EAP含有活性領域は、そこからの、またはそこへのイオンの流れに反応して収縮または膨張する。これらの交換は、作動速度を制御するのに用いられ得る少しの印加電圧および電圧の変動によって起こる。
【0094】
様々なπ共役ポリマーはいずれも、本明細書で用いることができる。適切な導電性ポリマーの例としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリスルホン、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリアントラキノン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)およびポリアセチレンが挙げられ、最も一般的なものはポリチオフェン、ポリアニリン、およびポリピロールであるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
それらの構造の幾つかを、以下に示す。
【0096】
【化1】
image rotate

以下に詳細に示すポリピロールは、生理学的条件下では、これらのポリマーのうち最も安定した一種である。
【0097】
【化2】
image rotate

上記列挙は、例示を目的とするもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0098】
共役ポリマーの挙動は、電荷移動剤(ドーパント)の添加により劇的に変化する。これらの材料は、アニオン性ドーパント類とドーピングすることによりp−ドープ材料に酸化することができ、あるいはカチオン性ドーパント類とドーピングすることによりn−ドープ材料に還元することができる。一般にポリピロール(PPy)などのポリマーを部分的に酸化して、p−ドープ材料を生成することができる。
【0099】
【化3】
image rotate

ドーパントは、この酸化−還元シナリオに対して影響を有し、多くの例において半導体ポリマーを金属伝導性に近い導電性ポリマーに変換する。そのような酸化および還元は、電荷の不均衡をもたらし、それが結果として材料へ、または材料からのイオンの流れを起こすと考えられている。これらのイオンは、通常、EAPに関連するイオン伝導性電解質媒体から/その媒体に、材料を流入/排出する。
【0100】
寸法または容積の変化は、ポリマーへ、またはポリマーからのイオンの物質移動により特定のポリマー中で実行することができる。このイオン移動を利用して、導電性ポリマーアクチュエータ(容積変化)を構築する。例えば、幾つかの導電性ポリマーでは拡張が鎖間のイオン挿入によるものと考えられているが、他では鎖間反発がドミナント効果であると考えられている。メカニズムとは無関係に、イオンを材料へ、そして材料から物質移動させることで、ポリマーが拡張または縮小して有意な応力(例えば約1MPa)および歪度(例えば約10%)が送達される。これらの特性は、本発明の装置の構成にとって理想的である。本明細書で用いられる装置の活性領域の膨張または収縮を、一般に「作動(actuation)」と呼ぶ。
【0101】
以下の要素は、一般にEAP作動を引き起こすために用いられる:(a)電位の供給源、(b)EAPを含む活性領域、(c)対電極、ならびに(d)活性領域および対電極の両方に接触する電解質。
【0102】
本発明に関連して使用される電位の供給源は、例えばDC電池およびオン/オフスイッチからなる極めて簡単なものであってもよい。あるいはより複雑な装置を利用してもよい。例えば、マイクロプロセッサで電気的接続を作製すれば、複雑な組合わせの制御信号をEAP含有活性領域に送ることができる。
【0103】
活性領域の表面の少なくとも一部と接触する電解質は、イオンの流れを可能にし、つまり、イオンの供給源/吸込み装置として働く。いずれの適切な電解質も、本明細書で用いることができる。電解質は、イオン移動が可能であれば、例えば液体、ゲル、または固体であってもよい。適切な液体電解質の例としては、塩を含む水溶液、例えばNaCl溶液、KCl溶液、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液、リン酸緩衝溶液、生理学的液体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。適切なゲル電解質の例としては、塩含有寒天ゲルまたはポリメタクリル酸メチル(PMMA)ゲルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。固体電解質としては、EAPとは異なるオンポリマーおよび塩フィルムが挙げられる。
【0104】
対電極は、適切な電気伝導体、例えば導電性ポリマー、導電性ゲル、または金属、例えばステンレス鋼、金もしくはプラチナのいずれから形成されてもよい。対電極の表面の少なくとも一部は、一般に、電荷の戻り道を提供するために、電解質と接触している。
【0105】
具体的な一実施形態において、用いられるEAPは、ポリピロールである。ポリピロール含有活性領域は、数多くの公知の技術、例えば、押出し、鋳造、浸漬コーティング、スピンコーティング、または電解重合/蒸着法を利用して作製することができる。そのような活性領域は、望ましくは、例えば石版技術を使用して、パターン形成することもできる。
【0106】
作製技術の具体的な例として、D. Zhouら著「Acuators for the Cochlear Implant」 Synthetic Metals 135−136(2003年)39−40に記載された手順を利用して、ポリピロールをピロールモノマー溶液でプラチナめっきした基板に定電流電着させることができる。ポリピロールを金に蒸着させることもできる。いくつかの実施形態において、化学結合によりポリマー層に共重合し得る分子の化学吸着層で金などの金属を覆うことにより、電着ポリピロール層の接着性が高まる。チオールは、金属に強力に化学吸着される頭部基の一例である。尾部基は、用いられる特異的なEAP中で形成される構造基と化学的に類似していてもよい。チオール基に結合したピロール環(例えば、短いアルキル鎖を介する)の使用は、ポリピロールEAPのための例である。そのような分子の具体的な例は、1−(2−チオエチル)ピロールおよび3−(2−チオエチル)ピロールである。例えば、E. Smela他著「Thiol Modified Pyrrole Monomers:1.Synthesis, Characterization, and Polymerizatoin of 1−(2−Tioethyl)−Pyrrole and 3−(2−Thioethyl)−Pyrrole」Langmuil,14(11),2970−2975,1998年を参照されたい。
【0107】
大きな固定アニオンおよび大きな固定カチオンをはじめとする様々なドーパントを、ポリピロール含有活性領域内で用いることができる。具体的な一実施形態によれば、活性領域は、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)アニオンでドーピングされたポリピロール(PPy)を含む。小さな固定カチオン、例えばNaカチオンを含む電解質と接触して設置される場合、そして電流がポリピロール含有活性領域と対電極の間を通過する場合、カチオンはポリマーの還元/酸化により挿入/除去され、それがポリマーを拡張/縮小する。この過程は、以下の式:
PPy(DBS)+Na+e ←→ PPy(NaDBS
(式中、Naはナトリウムイオンを表し、eは電子を表し、PPyは、ポリピロールの酸化状態を表し、PPyはポリマーの還元状態を表し、化学種がカッコ内に入れられていれば、それらがポリマーに組み込まれていることを示す)により表すことができる。この場合、EAP部材と接触している電解質により、ナトリウムイオンが供給される。具体的には、EAPが酸化されると、ポリマー内に存在するDBSアニオンにより、バックボーン上の正電荷が少なくとも一部補足される。しかし、ポリマーの還元により、固定DBSイオンがポリマーから出ることができず中性電荷が維持されるため、より小さくより固定されたNaイオンがポリマーに入り、ポリマーの容積が拡大する。再酸化により、Naイオンが、再度ポリマーから電解質中に出て、ポリマーの容積が減少する。
【0108】
例えばEAP、ドーパント、および電解質の選択に応じて、適切な値の印加電圧が中断されると、膨張または収縮のいずれかを行うEAP含有活性領域を提供することができる。
【0109】
EAPアクチュエータ、設計の考慮、ならびに内部で用いられ得る材料および成分に関する更なる情報は、例えば、引用によってその全体が本明細書に組み入れられるE. W. H. Jager, E. Smela, O. Inganas著「Microfabricating Conjugated Polymer Actuators」 Science, 290, 1540−1545, 2000年;E. Smela, M. KallenbackおよびJ. Holdnried「Electrochemically Driven Polypyrrole Bilayers for Moving and Positioning Bulk Micromachined Silicon Plates」 J. Microelectromechanical Systems,8(4),373−383,1999;Massachusetts工科大学に譲渡された米国特許第6,249,076号明細書、およびProceedings of the SPIE,Vol. 4329(2001)表題「Smart Structures and Materials 2001」:Electroactive Polymer and Actuator Devices(例えば、Madden他著「Polypyrrole actuators:modeling and performance」、p72−83を参照されたい)に見出すことができる。
【0110】
更に、導電性ポリマーの網目構造を利用してもよい。例えば、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ナフィオン(NAFION)(登録商標)、デラウエア州ウィルミントンのE.I.デュポン社から入手できるスルホン酸またはカルボン酸イオン官能基を少ない割合で含む過フッ素化ポリマーなどのEAP網目構造中でピロールを重合することが公知である。
【0111】
EAPは、因余蘊によってその全体の内容が本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2004/0143160号および2004/0068161号ならびに同一出願人による同時係属の米国特許出願第10/763,825号にも詳細に議論されている。
【0112】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、X線、MRI、超音波などの画像モダリティーにより着脱可能な1個以上の領域、帯、コーティング、部材などを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルの少なくとも一部は、少なくとも部分的に放射線不透過性である。
【0113】
上記開示は、例示であり排他的ではない。この記述は、多くの変形および代替を当業者に示唆する。各図に示され、先に記載された様々な要素は、所望なら組み合わせるか、または組み合わせるように改良されてもよい。これらの代替および変形の全てが、特許請求の範囲に包含されるものとし、用語「含まれる」は、「包含する」が「非限定的」である。
【0114】
更に、従属クレームに示された個々の特徴を、本発明の範囲内で他の手法と互いに組合わせることができるため、本発明は従属クレームの特徴の他の可能な組合せを有する他の実施形態に具体的に向けられると認識すべきである。例えば、特許請求の範囲を公表する目的で、多項従属形式が司法の範囲で認識された形式であるならば、以下に示す従属クレームは、そのような従属クレームで参照される先行内容の全てを有する先行クレーム全てから多項従属形態で代替的に記載されたと捉えるべきである(例えば、請求項1に直接従属する各クレームは、代替的に先行クレーム全てに従属すると捉えるべきである)。多項従属クレームの形式が制限された司法では、以下の従属クレームは、それぞれ各単一従属クレームの形式で代替的に記載されることで、そのような以下の従属クレームに列挙される個々のクレーム以外の先行内容を有するクレームから従属性を創出すると捉えるべきである。
【0115】
ここに、本発明の記載を完了する。当業者は、本明細書に記載された具体的な実施形態の他の均等物を認識してもよく、その均等物は付属の特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0116】
このPCT出願は、引用によってその内容全体が本明細書に組み入れられる2006年7月31日出願の米国特許出願第11/496,175号からの優先権を主張する。
【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図1c】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図2d】
image rotate

【図2e】
image rotate

【図2f】
image rotate

【図2g】
image rotate

【図2h】
image rotate

【図2i】
image rotate

【図2j】
image rotate

【図2k】
image rotate

【図2l】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図3d】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図9c】
image rotate

【図9d】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11a】
image rotate

【図11b】
image rotate

【図11c】
image rotate

【図12a】
image rotate

【図12b】
image rotate

【図12c】
image rotate

【図12d】
image rotate


【公表番号】特表2009−545369(P2009−545369A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522750(P2009−522750)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/010676
【国際公開番号】WO2008/016403
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】