説明

作業台

【課題】ステップの端部を切り欠くことなく、幅広いステップを提供する。
【解決手段】互いに間隔をおいてのびた一対のポール21に、ステップ22が渡し止められている。各ポール21は、横断面コ字状をなすものであって、互いに平行に広がる対向状前後壁31、32および側壁33よりなり、相対するように配列されている。ステップ22は、第1ステップ部材41および第2ステップ部材42よりなり、第1ステップ部材41は、各ポール21の前後壁31、32の間隔以下の幅を有し、第2ステップ部材42は、前後壁31、32の先端同士の間隔以下の長さを有している。第1ステップ部材41の両端部が両ポール21の前後壁31、32間に挿入された状態で第2ステップ部材42が両ポール21の前後壁31、32のいずれか一方から前後の対応する側に突出させられるように第1ステップ部材41および第2ステップ部材42が連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、高所作業に用いられる作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、作業台の脚は、互いに間隔をおいてのびた一対のポールに、ステップが渡し止められており、各ポールは、横断面コ字状をなすものであって、互いに平行に広がる対向状前後壁およびこれら前後壁に直交してこれらの対応する縁部を連絡している側壁よりなり、両ポールは、前後壁の先端同士を相対させるように配列されており、ステップは、各ポールの前後壁の間隔以下の幅を有しており、ステップの両端部が両ポールの前後壁間に挿入されているものが知られている。
【0003】
上記作業台のステップの幅は、ポールの前後壁の間隔以下であり、これは、ポールの正確上かなり狭いものである。したがって、人がステップを上がり下りする場合、不安定であるとも言える。
【0004】
この問題点を解消するために、ステップの幅をポールの前後壁の間隔よりも大きく取っている例も知られている。この場合、ステップの両端部を両ポールの前後壁間に挿入可能とするために、ステップの両端部を両ポールの前後壁間に挿入する部分を残して、残りの部分を切欠く必要があった。この切欠作業は、プレス加工によって行われ、加工作業が面倒でコストアップの要因であった。またプレスで加工するためステップの厚さを拡げられず、厚みの無いステップは簡単に曲がってしまうため、充分なステップの幅をえることができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、ステップの端部を切り欠くことなく、幅広いステップを備えた作業台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による作業台は、互いに間隔をおいてのびた一対のポールに、ステップが渡し止められており、各ポールは、横断面コ字状をなすものであって、互いに平行に広がる対向状前後壁およびこれら前後壁に直交してこれらの対応する縁部を連絡している側壁よりなり、両ポールは、前後壁の先端同士を相対させるように配列されており、ステップは、第1ステップ部材および第2ステップ部材よりなり、第1ステップ部材は、各ポールの前後壁の間隔以下の幅を有しており、第2ステップ部材は、両ポールの前後壁の先端同士の間隔以下の長さを有しており、第1ステップ部材の両端部が両ポールの前後壁間に挿入された状態で第2ステップ部材が両ポールの前後壁のいずれか一方から前後の対応する側に突出させられるように第1ステップ部材および第2ステップ部材が連結されているものである。
【0007】
この発明による作業台では、ステップが、第1ステップ部材および第2ステップ部材によって構成され、両ポールの前後壁間には第1ステップ部材の両端部のみが挿入され、第1ステップ部材には第2ステップ部材を連結するだけで、切欠作業を必要とすることなく、第2ステップ部材の幅の分だけ、ステップの幅を両ポールの前後壁間の間隔よりも大きくすることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ステップの端部を切り欠くことなく、幅広いステップを備えた作業台が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の実施の形態を図面を参照しながらつぎに説明する。
【0010】
図1に、使用時の開状態の作業台が示され、図2に、格納時の閉状態の作業台が示されている。
【0011】
作業台は、天板11と、天板11の前縁部を前ピン12を介して揺動自在に支持している前脚13と、天板11の後縁部を後ピン14を介して揺動自在に支持している後脚15と、前脚13上端近くおよび後脚15の長さの中程に渡されている開止ロッド16と、天板11および前後の脚を開状態および閉状態にロックするロック機構17とよりなる。
【0012】
前脚13は、互いに間隔をおいてのびた一対のポール21と、両ポール21に渡し止められている2段のステップ22とよりなる。ステップ22の数は、1段または3段以上でもよい。
【0013】
各ポール21は、図3に詳細に示すように、横断面コ状のアルミニウム押し出し型材製のものであって、互いに平行に拡がる対向状前後壁31、32と、これら前後壁31、32の相対する縁部を連絡している側壁33とよりなる。両ポール21は、前後壁31、32の先端同士を相対させるように配列されている。
【0014】
ステップ22は、第1ステップ部材41および第2ステップ部材42よりなる。第1ステップ部材41および第2ステップ部材42は、ともに、アルミニウム押出型材製のものである。
【0015】
第1ステップ部材41は、横断面略方形状のものであって、両ポール21の側壁33の間隔に等しいか、またはそれ以下の長さおよび各ポール21の前後壁31、32の間隔に等しいか、またはそれ以下の幅を有している。
【0016】
図4示すように、第1ステップ部材41の後壁上端部に上嵌合条溝51が、その高さの中程には下嵌合条溝52がそれぞれ設けられている。第1ステップ部材41の両端部が両ポール21の前後壁31、32間に挿入された状態でリベット53とによって両ポール21の前後壁31、32に固定されている。
【0017】
第2ステップ部材42は、横断面略三角形状のものであって、両ポール21の前後壁31、32の先端同士の間隔に等しい長さを有している。第2ステップ部材42の前壁の上端部に上嵌合凸条54が、その下端部に下嵌合凸条55がそれぞれ設けられている。
【0018】
第1ステップ部材41および第2ステップ部材42を相対的に長さ方向にスライドさせることによって、上下の嵌合条溝51、52に嵌合凸条54、55が嵌合され、これにより、第1ステップ部材41および第2ステップ部材42の連結が果たされている。第1ステップ部材41および第2ステップ部材42が連結された状態で、第2ステップ部材42が両ポール21の後壁から後方に突出させられている。
【0019】
図5および図6に、ステップ22の変形例が示されている。図5では、第1ステップ部材41の頂壁および底壁に上下の嵌合条溝56、57がそれぞれ設けられている。これらの嵌合条溝56、57にはめ入れられる上下の嵌合凸条58、59が第2ステップ部材42の前壁の上下端部に設けられている。図6では、第1ステップ部材41の頂壁にのみ嵌合条溝61が形成されている。第1ステップ部材41の底壁には係合凹所62が形成されている。第2ステップ部材42の前壁上端部には、嵌合条溝61にはめ入れられる嵌合凸条63が設けられている。第2ステップ部材42の前壁下端部には、係合凹所62に係合される係合凸片64が形成されている。係合凹所62の底壁に、係合凸片64は、リベット(図示略)等によって固定されている。
【0020】
図7に作業台の他の例が示されている。この作業台は、前脚121および後脚122とよりなる。前脚121および後脚122は、前後の向きは逆であるが、同一構造のものであって、一対のポール131と、両ポール131に複数段に渡されたステップ132と、両ポール131の上端に渡されている天板133よりなる。各ステップ132は、図〜図6に示した作業台と同様に、第1ステップ部材141および第2ステップ部材142よりなる。
【0021】
この作業台では、図7中実線で示すように、前脚121および後脚122を、側方より見て、逆V字状をなすように折曲げて使用する場合と、図7中鎖線で示すように、前脚121および後脚122を、梯子のように、一直線上に延ばして使用される場合がある。
【0022】
双方の場合において、前脚121および後脚122の一方のステップ132の表裏面が逆となる。そのため、ステップ132の表裏面は、面対称であることが好ましい。このようなケースのステップ132の例が図8〜図10に示されている。この場合においても、図4〜図6に対応して、嵌合条溝151〜155、嵌合突条156〜159、161、係合凹所162および係合凸片163が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明による作業台の使用時側面図である。
【図2】同作業台の格納時側面図である。
【図3】同作業台のホールおよびステップの破砕斜視図である。
【図4】同ステップの分解断面図である。
【図5】同ステップの他の実施例を示す分解断面図である。
【図6】同ステップのさらなる他の実施例を示す分解断面図である。
【図7】この発明による作業台のさらなる他の実施例を示す使用時側面図である。
【図8】同作業台のステップの分解断面図である。
【図9】同ステップの他の実施例を示す分解断面図である。
【図10】同ステップの他の実施例を示す分解断面図である。
【符号の説明】
【0024】
21 ポール
22 ステップ
31 ポール前壁
32 ポール後壁
33 ポール側壁
41 第1ステップ部材
42 第2ステップ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいてのびた一対のポールに、ステップが渡し止められており、各ポールは、横断面コ字状をなすものであって、互いに平行に広がる対向状前後壁およびこれら前後壁に直交してこれらの対応する縁部を連絡している側壁よりなり、両ポールは、前後壁の先端同士を相対させるように配列されており、ステップは、第1ステップ部材および第2ステップ部材よりなり、第1ステップ部材は、各ポールの前後壁の間隔以下の幅を有しており、第2ステップ部材は、両ポールの前後壁の先端同士の間隔以下の長さを有しており、第1ステップ部材の両端部が両ポールの前後壁間に挿入された状態で第2ステップ部材が両ポールの前後壁のいずれか一方から前後の対応する側に突出させられるように第1ステップ部材および第2ステップ部材が連結されている作業台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−180063(P2009−180063A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22602(P2008−22602)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(393018130)長谷川工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】