作業台
【課題】二段積み重ね作業台の揺れやガタつきを極力抑えて二段積み重ね作業台を安定な状態に保持できるようにした作業台を提供する。
【解決手段】天板1の下面側四隅部に脚柱を取り付けてなる一つの作業台T1の天板1上に他の作業台T2を積み重ね、上下両作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結装置3により連結して二段積み重ね作業台Kを形成し、この二段積み重ね作業台Kの複数組を、天板1の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、これら二段積み重ね作業台K,K間には、2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2,2どうしを連結するように架け渡し、対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結するようにしてなる。
【解決手段】天板1の下面側四隅部に脚柱を取り付けてなる一つの作業台T1の天板1上に他の作業台T2を積み重ね、上下両作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結装置3により連結して二段積み重ね作業台Kを形成し、この二段積み重ね作業台Kの複数組を、天板1の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、これら二段積み重ね作業台K,K間には、2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2,2どうしを連結するように架け渡し、対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結するようにしてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの作業台の天板上に他の作業台を積み重ね、上下両作業台の上下に対応する脚柱どうしを連結装置により連結した積み重ね作業台を複数組間隔をおいて並置し、両積み重ね作業台の天板どうしを連結用天板で連結するようにした作業台に関する関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の出願人は、先に、作業台を上下二段に積み重ねて連結装置で連結した積み重ね作業台の天板どうしを連結用天板で連結するようにした作業台を提案している(特願2007−320673)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように作業台を上下二段に積み重ねて連結装置で連結した積み重ね作業台の天板どうしを連結用天板で連結するようにした作業台においては、特に各作業台の脚柱が伸縮式の場合には積み重ね作業台の地上からの高さが可なり高くなるため、両積み重ね作業台の天板どうしが連結用天板によって連結されても、二段積み重ね作業台が揺れたりガタついたりして不安定な状態となり、上段側作業台や連結用天板上での作業を安全に行い難かった。
【0004】
本発明は、上記のような事情に鑑み、二段積み重ね作業台の揺れやガタつきを極力抑えて二段積み重ね作業台を安定な状態に保持できるようにした作業台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、天板1の下面側四隅部に脚柱を取り付けてなる一つの作業台T1の天板1上に他の作業台T2を積み重ね、上下両作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結装置3により連結して二段積み重ね作業台Kを形成し、この二段積み重ね作業台Kの複数組を、天板1の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、これら二段積み重ね作業台K,K間には、2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2,2どうしを連結するように架け渡し、対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結するようにしてなることを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1に記載の作業台において、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に架け渡した2本の連結杆9,9に複数の鋼製布板16を架け渡してなることを特徴とする。
【0007】
請求項3は、請求項2に記載の作業台において、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結する連結用天板10は、複数の鋼製布板17,18からなり、これら複数の鋼製布板17,18の一つは、ハッチ式で梯子19付きの鋼製布板18からなるもので、その梯子19は上端部が布板本体21側に枢着されていて、その下端部を、下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16上に支持させるようにしてなることを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載の作業台において、各連結杆9は連結杆固定具33を介して各脚柱2に固定され、この連結杆固定具33は、脚柱2の内側で連結杆9を上方より嵌合させる嵌合凹部34を有し、脚柱2に固定される固定具本体35と、前記嵌合凹部34に嵌合した連結杆9を固定具本体35に固定するボルト37又はピン47とからなることを特徴とする。
【0009】
請求項5は、請求項1〜3の何れかに記載の作業台において、各連結杆9には下段側作業台T1の脚柱2と対応する箇所に、脚柱2を作業台T1の内側から挟持する両側一対の側板11a,11aからなる固定用金具11を取り付け、両側板11a,11aで脚柱2を挟んだ状態で両側板11a,11aの先端部間にボルト14又はピン56を介挿することによって、連結杆9を脚柱2に固定するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡して、対向する下段側作業台T1の脚柱2,2どうしを連結することにより、両二段積み重ね作業台K,Kは、作業台T1,T2の揺れやガタつきが極力抑えられ、きわめて安定な状態に保持され、従って上段側作業台T2の上や連結用天板10の上での作業を安全に行うことができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に架け渡した2本の連結杆9,9に鋼製布板16を複数架け渡すことによって、2本の連結杆9,9に架け渡した複数の鋼製布板16を作業床として利用できるから、上段側作業台T2,T2の天板1,1間に連結用天板10を連結する作業が容易且つ安全に行えると共に、その鋼製布板16からなる作業床を資材置き場等の物置として使用することができ、きわめて有用となる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結する連結用天板10として、複数の鋼製布板17,18を使用し、これら複数の鋼製布板17,18の一つをハッチ式で梯子19付き鋼製布板18とすることにより、その梯子19を鋼製布板18から下ろして梯子19の下端部を、下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16の上に支持させるようにするから、各二段積み重ね作業台Kの内部に梯子19が取り付けられることになって、二段積み重ね作業台Kの外側から梯子を掛ける必要がなく、その梯子19での昇り降りも容易且つ安全となる上に、二段積み重ね作業台Kの周辺に梯子掛け用の余分なスペースが不要となる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、各連結杆9は、脚柱2の内側で連結杆9を上方より嵌合させる嵌合凹部34を有し、脚柱2に固定される固定具本体35と、前記嵌合凹部34に嵌合した連結杆9を固定具本体35に固定するボルト37又はピン47とからなる連結杆固定具33を介して脚柱2に簡単容易に固定することができる。この場合、連結杆9として、一端部に連結ピン43が取り付けられて継ぎ足し可能なものを使用することによって、複数組の二段積み重ね作業台Kが所定間隔で並置される場合の必要とする任意の長さに容易に対応可能となる。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、各固定用金具11の両側板11a,11aで脚柱2を挟み込んだ状態で両側板11a,11aの先端部間にボルト14又はピン56を介挿することによって、連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に簡単容易に取り付け固定することができ、従って両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡して、両連結杆9,9を夫々固定用金具11を介して下段側作業台T1,T1の脚柱2,2に固定することにより、両二段積み重ね作業台K,Kは、下段側作業台T1,T1の各連結杆9に沿って位置する4本の脚柱2,2,2,2どうしが当該連結杆9を介して互いに一体的に連結固定されるから、作業台T1,T2の揺れやガタつきを有効に抑え、きわめて安定な状態に保持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1の(a) は一つの作業台T1の上に同じ構造の他の作業台T2を積み重ねた二段積み重ね作業台Kを妻側から見た正面図、(b) は二段積み重ね作業台を連結装置で連結した状態の正面図であり、図2の(a) は本発明に係る作業台Kを示す正面図、(b) は平面図であり、図3の(a) は図2に示す作業台Kを作業台の天板の桁側から見た正面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。
【0016】
上下各段の作業台T1,T2は、図1〜図3から分かるように、作業者が乗って作業を行う天板1と、この天板1の下面側の前後左右の四隅部に取り付けられた4本の脚柱2とからなり、そして下段側作業台T1の各脚柱2には、この作業台T1上に作業台T2を積み重ねた時に上下の作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結する連結装置3が設けられている。この実施形態の各作業台T1,T2は、図3の(b) に示すように、左右二つに分割され、両分割天板部1a,1aは、枢着部20で枢着されていて、使用時の水平用姿勢から山形に二つ折り可能となっており、また各脚柱2は、伸縮可能であって使用状態から天板1の下面側に折り畳み可能となっているが、これに限るものではなく、天板1の二つ折りが不能で、各脚柱2が伸縮不能なものでもよい。また、各脚柱2の下端部にはキャスター46が取り付けられている。
【0017】
作業台T1の各脚柱2に設けてある連結装置3は、図4から分かるように、伸縮可能な脚柱2を構成する角形鋼管製主脚柱2aの上端部に取り付けられる取付金具4と、この取付金具4に一端部5aが上下方向回動可能に枢着される金属パイプ製のアーム5と、このアーム5の他端部5bに上下方向回動可能に枢着され、主脚柱2a内に伸縮自在に嵌挿された角形鋼管製伸縮脚柱2bに対し着脱自在なクランプ6とからなるもので、通常は、図1の(a) に示すように、アーム5を脚柱2と平行になるように下向きに折り畳んで、クランプ6を作業台T1の脚柱2の伸縮脚柱2bに取着することにより連結装置3を収納状態とし、そして図1の(b) に示すように、この作業台T1の上に他の作業台T2を積み重ねた時に、伸縮脚柱2bから外して、アーム5を上向きに180°回転し、そのクランプ6を上段側作業台T2の対応する脚柱2の伸縮脚柱2bの上端部に取着することによって連結装置3を連結状態とし、これにより上段側の作業台T2を下段側の作業台T1上の定位置に固定するようにしたものである。
【0018】
上記連結装置3の取付金具4は、図4の(a) に示すように、金具本体部4oの一端側に設けられた筒状部4aを脚柱2の伸縮脚柱2bの下端部に回転可能に嵌合して所定の回動位置で固定用ビスにより固定し、また他端部の連結部片4bをアーム5の一端部5aに枢着ピン7によって枢着するようにしたものである。そしてクランプ6は、単管パイプを用いた鋼管足場の組み立てなどに使用される周知構造のパイプクランプからなるもので、図4の(a) ,(b) に簡単に示すように、アーム5の他端部5bに枢着ピン8により一端部が枢着されたクランプ本体部6oと、このクランプ本体部6oの他端部に連設された円弧状パイプ受け6aの一端側に開閉自在に枢着された円弧状の掴持アーム6bと、円弧状パイプ受け6aの他端側に枢着されて、掴持アーム6bの遊端部に取り付けられる締付ボルト6cとから構成される。
【0019】
上記のような構成の作業台T1,T2を使用して図2及び図3に示すような作業台を組み立てるには、先ず、図1の(a) に示すように一つの作業台T1の上に他の作業台T2を積み重ね、下段側作業台T1の各脚柱2に設けてある連結装置3のクランプ6を外して、アーム5を上向きに180°回転し、そのクランプ6を上段側作業台T2の対応する脚柱2に取着することにより連結装置3を連結状態とし、これによって図1の(b) に示すような二段積み重ね作業台Kを形成する。
【0020】
しかして、図2の(a) ,(b) に示すように、2組の二段積み重ね作業台K,Kを、天板1の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、この2つの二段積み重ね作業台K,K間には、2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2どうしを連結するように架け渡し、その後に両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結する。
【0021】
上記連結杆9について説明すると、この連結杆9は、丸鋼管からなる(図5参照)もので、図2の(a) に示すように、一方の二段積み重ね作業台Kの外端部から他方の二段積み重ね作業台Kの外端部に亘るような長さLを有する。そして、各連結杆9には、図5に示すように、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1の脚柱2,2、2,2に対し夫々作業台T1の内側から挟み込んで固定するため固定用金具11が、連結杆9の両端側に夫々2箇所ずつ取り付けられている。
【0022】
各固定用金具11は、図6及び図7に示すように、断面正方形角形主脚柱2aの両側面の外法間隔W1より僅かに広い内法間隔W2を有する両側一対の側板11a,11aと、両側板11a,11aの奥側端部をつなぐ横板11bとからなるもので、両側板11a,11aの夫々先端部側にはボルト挿通孔12が夫々設けてあり、片方の側板11aにはボルト挿通孔12の外端部にナット13が固着され、また各側板11aの後端面11aoは円弧状に形成されていて、丸鋼管からなる連結杆9の外周面に溶接によって固着される。また、横板11bは、左右両端部に突設した係合凸片aを、側板11aの後端面11aoに設けた係合凹部bに係合させた状態で側板11aに接合させることによって強固に接合される。
【0023】
両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡すにあたっては、各連結杆9を、図3の(a) に示すように、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1の左右各端側に位置する2つの脚柱2,2に内側から接近させて、各連結杆9に設けてある各固定用金具11を脚柱2に嵌合させ、しかして図7の(a) ,(b) に示すように固定用金具11内に脚柱2を嵌め込んだ状態で、固定用金具11の一方の側板11aのボルト挿通孔12から、固定用ボルト14を他方の側板11aのボルト挿通孔12を通じてナット13にねじ込んで締め付けることにより、連結杆9を固定用金具11の両側板11a,11aで挟着した状態に脚柱2の主脚柱2aに固定する。尚、固定用ボルト14は蝶ボルトからなる。
【0024】
この際、固定用金具11の両側板11a,11aで連結杆9を挟着しただけでは連結杆9が下方へズレ落ちるおそれがあるため、図7の(a) 及び図4に示すように、連結杆9の取付位置である脚柱2の主脚柱2a下端部には、連結杆9を支持するストッパー(台座)15を取り付けておく。尚、この実施形態においては、固定用金具11を脚柱2に取り付けるのに、ボルト14・ナット13を使用しているが、このようなボルト14・ナット13に限らず、ピンを使用してもよい。即ち、固定用金具11の両側板11a,11aのボルト挿通孔12,12にはボルト14に代えて、図7の(c) に示すようにピン56を挿通すればよい。この場合、ピン56の先端部には径方向に孔57が穿設してあって、この孔57にはコイルバネ58を介して、球体からなるストッパー59に嵌挿され、このストッパー59は常時はピン56の外周面から半分程度突出して、ピン56の抜け出しを阻止しており、ピン56の着脱時はコイルバネ58に抗してストッパー59を孔57内に押し込むようにする。
【0025】
上記のようにして両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡して、両連結杆9,9を夫々固定用金具11によって下段側作業台T1,T1の脚柱2,2に固定することにより、両二段積み重ね作業台K,Kは、下段側作業台T1,T1の各連結杆9に沿って位置する4本の脚柱2,2,2,2どうしが当該連結杆9を介して互いに一体的に連結固定されるから、作業台T1,T2の揺れやガタつきが確実に抑えられ、きわめて安定な状態に保持される。
【0026】
こうして両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2本の連結杆9,9を架け渡して連結した後、この2本の連結杆9,9には、図3の(a) に示すように複数枚の例えば3枚の鋼製布板(鋼製足場板)16を架け渡す。各鋼製布板16は、図3の(b) 及び図5の(d) から分かるように、布板本体16aの両端に夫々係止用フック16bを一対ずつ取り付けたもので、そのフック16bを連結杆9に係止させる。
【0027】
その後に、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結するわけであるが、この連結用天板10の連結作業は、上記のように2本の連結杆9,9に架け渡した複数枚の鋼製布板16を作業床として利用することで安全且つ容易に行うことができる。
【0028】
連結用天板10としては、図8の(a) に示すような鋼製布板17を複数枚(実施形態では3枚)と、(b) に示すようなハッチ式で梯子19付きの鋼製布板18を1枚使用する。(a) に示す鋼製布板17は、布板本体21の両端部に夫々、水平片22aと垂直片22bとからなる断面L字形を成して、上段側作業台T2の天板1の桁側端部に係合する連結部材22を一体的に取り付け、水平片22aの両端部にストッパーピン挿入孔23を設けてなるものである。
【0029】
図8の(b) に示す鋼製布板18は、布板本体21の一端部側にハッチ(開口)24を設けると共に、このハッチ24を開閉する作業床25を布板本体21に枢着し、そして布板本体21の端部下面側には梯子19の上端部を、布板本体21の下面側へ折り畳み可能に枢着してなるもので、他の構造については(a) に示す鋼製布板17と全く同一構造である。梯子19は、布板本体21の下面側に折り畳まれて収納状態とされる。
【0030】
上記鋼製布板17,18の取り付けにあたっては、これら鋼製布板17,18の各L字形連結部材22を上段側作業台T2の天板1の桁側端部に係合して、水平片22aを天板1上に載置し、ストッパーピン26をストッパーピン挿入孔23から天板1に設けたピン孔27に差し込めばよい。尚、天板1にはピン孔27を特別に設けなくても、天板1に予め設けられている滑り止め孔28(図2の(b) 参照)を利用して差し込むようにしてもよい。
【0031】
そして、梯子19付き鋼製布板18を取り付ける際には、梯子19を布板本体21の下面側に折り畳まれた収納状態から図8の(b) に示すように下方へ回動して、その下端部を図2の(a) 、図3の(a) に示すように下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16上に支持させるようにする。この梯子19は、図8の(b) には伸縮しない構造を図示しているが、図2の(a) 及び図3の(a) に示すように、梯子本体19aの下端部に伸縮部材19bを連結して脚長を変更できる構造とすることができる。
【0032】
上述したように、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に架け渡した2本の連結杆9,9に複数枚の鋼製布板16を架け渡すことによって、2本の連結杆9,9に架け渡した鋼製布板16を作業床できるから、上段側作業台T2,T2の天板1,1間に連結用天板10を連結する作業が容易且つ安全に行えると共に、その鋼製布板16からなる作業床を資材置き場等の物置として使用することができ、きわめて有用である。
【0033】
また、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結する連結用天板10として、複数の鋼製布板17,18を使用し、これら複数の鋼製布板17,18の一つをハッチ式で梯子19付き鋼製布板18とすることにより、その梯子19を鋼製布板18から下ろして梯子19の下端部を、下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16の上に支持させるようにするから、各二段積み重ね作業台Kの内部に梯子19が取り付けられることになって、二段積み重ね作業台Kの外側から梯子を掛ける必要がなく、その梯子19での昇り降りも容易且つ安全となる上、二段積み重ね作業台Kの周辺に梯子掛け用の余分なスペースが不要となる。
【0034】
尚、この実施形態の作業台では各作業台T1,T2に、天板1下面側の前端側及び後端側の夫々左右両端部に伸縮可能な左右両脚柱2,2が配設されているが、図4において、29は左右両脚柱2,2の主脚柱2a,2aを連結する連結部材で、この連結部材29の下側に隣接してその左右各端部には、主脚柱2a内に伸縮自在に嵌挿された伸縮脚柱2bを所要伸縮位置で固定するストッパー杆30が設けてあり、このストッパー杆30は、手前側端部30aがL字状を成す把手を形成し、先端部30bは、伸縮脚柱2bに一定ピッチで設けてある脚長調整孔(図示せず)に主脚柱2a側から突入するもので、常時はバネ31,32によって脚長調整孔に突入するように付勢されている。ストッパー杆30は、連結部材29の下側の左右対称位置に設けてあって、両ストッパー杆30,30の把手30a,30aを同時に操作できるようになっている。
【0035】
また前述した図4に示す構造の連結装置3は、あくまでも一例であって、連結装置3としてはこれに限るものではなく、上下両作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結するものであれば、どのような構成の連結装置でもよい。
【0036】
また、上述した実施形態では、図5及び図6に示すように連結杆9に固定用金具11を取り付け、この固定用金具11を介して連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に固定するようにしているが、図9〜図12には、連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に固定するための連結杆固定具33を示す。図9の(a) は下段側作業台T1の脚柱2(主脚柱2a)に取り付けた連結杆固定具33に2本の連結杆9,9を固定した状態を示す平面図、(b) は(a) の矢印Aで示す部分の正面図であり、(c) は(b) の矢印Bから見た側面図であり、図10の(a) は連結杆固定具33の拡大正面図、(b) は平面図、(c) は左側面図であり、図11の(a) は連結杆9を示す平面図、(b) 及び(c) は端部用連結杆9a,9bを示す平面図であり、図12の(a) は図9の(a) で示す部分の拡大図、(b) 及び(c) は図9の(b) 及び(c) の夫々拡大図である。
【0037】
この連結杆固定具33は、脚柱2の内側で連結杆9を上方より嵌合させる嵌合凹部34を有する固定具本体35と、前記嵌合凹部34の下側に設けられたナット36と、固定用ボルト37とからなるもので、前記嵌合凹部34に嵌合した連結杆9のボルト挿通孔42にその上方から固定用ボルト37を挿通させて前記ナット36に螺合し締結することにより、連結杆9を固定するようになっている。固定用ボルト37はノブボルトからなる。
【0038】
上記連結杆固定具33について詳しく説明すれば、固定具本体35は、図10に示すように、両側一対の側板部a,aと両側板部a,aをつなぐ連結板部bとで平面視略コ字状に形成されていると共に、両側板部a,aの中間部に仕切板cが介装されていて、この仕切板cと連結板部bとの間に位置する両側板部a,aの夫々上部側に正面視略半円形状の嵌合凹部34が形成され、この両側板部a,aの夫々下端部に亘って取付部材38が固着され、この取付部材38に前記ナット36が取り付けられている。そして、固定具本体35は、仕切板cを挟んで連結板部bと反対側の開放端部dを臨む空間部が脚柱嵌合部39を形成し、この脚柱嵌合部39を下段側作業台T1の脚柱2の主脚柱2a(図10の(b) には主脚柱2aを二点鎖線によるハッチングで示す)に嵌合させて、両側板部a,aの夫々端部に設けたボルト挿通孔40,40に固定用ボルト41を挿通し、一方のボルト挿通孔39の外端部に固着したナット45に螺入して締結することにより、固定具本体35が脚柱2の主脚柱2aに固定される。この固定用ボルト41もノブボルトからなる。
【0039】
この実施形態の連結杆9は、図11の(a) に示すように所定長さに形成されたもので、その所定箇所には固定用ボルト37が挿通する前記ボルト挿通孔42が設けられており、またこの連結杆9の一端部には周知構造の連結杆接続用連結ピン43が取り付けられている。この連結杆9を例えば2本接続する場合には、一方の連結杆9の一端部に取り付けてある連結ピン43を他方の連結杆9の他端部に差し込むと、バネ付勢力により連結ピン43の外周面から出没自在の係合突起(図示省略)が、連結杆9の他端部側に設けてある係合孔44に係合して、両連結杆9,9どうしを接続する。両連結杆9,9を切り離す時は、係合孔44に係合している係合突起をバネ付勢力に抗して内方へ押し込めばよい。
【0040】
図11の(b) ,(c) は端部接続用の連結杆9a,9cを示し、連結杆9aは、図11の(a) に示す連結杆9の一端部に取り付けてある連結ピン43に嵌挿することにより接続され、また連結杆9bにはその一端部に、連結杆9の一端部にあるものと同じ連結ピン43が取り付けてあって、この連結ピン43を前記連結杆9の他端部に差し込むことによって接続されるようになっている。また、連結杆9aの一端部には、連結杆9と同様に、固定用ボルト37が挿通する前記ボルト挿通孔42が設けられ、他端部には、前記係合突起が係脱する係合孔44が設けられており、また連結杆9bには連結ピン43と反対側端部に固定用ボルト37が挿通するボルト挿通孔42が設けてある。
【0041】
前記連結杆固定具33を下段側作業台T1の脚柱2に取り付ける時は、図10の(a) 〜(c) 及び図12(a) 〜(c) から分かるように、固定具本体35の脚柱嵌合部39を脚柱2の主脚柱2aに嵌合させ、固定用ボルト(ノブボルト)41を両側板部a,aのボルト挿通孔40,40に挿通し、一方のボルト挿通孔39の外端部のナット45にねじ込んで締結することにより、連結杆固定具33を脚柱2に固定する。尚、脚柱2に連結杆固定具33を取り付け固定するにはボルト41・ナット45に限らず、ピンを使用してもよい。即ち、固定具本体35の両側板部a,aのボルト挿通孔40,40にはボルト41に代え、図12の(d) に示すようにピン52を挿通すればよい。この場合、ピン52の先端部には径方向に孔53が穿設してあって、この孔53にはコイルバネ54を介して、球体からなるストッパー55が嵌挿され、このストッパー55は常時はピン52の外周面から半分程度突出して、ピン52の抜け出しを阻止しており、ピン52の着脱時はコイルバネ54に抗してストッパー55を孔53内に押し込むようにすればよい。
【0042】
上記のようにして下段側作業台T1の脚柱2に取り付けた連結杆固定具33に連結杆9を連結するには、所定間隔で並置された複数組の二段積み重ね作業台K間に2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2どうしを連結するように架け渡して、各連結杆9を、図10の(a) の仮想線図示のように固定具本体35の嵌合凹部34に上方より嵌合させた後、図12の(a) ,(b) に示すように、固定用ボルト37を連結杆9のボルト挿通孔42にその上方から挿通させて、嵌合凹部34の下側に設けてあるナット36に螺合し締結することにより、連結杆9を連結杆固定具33に固定し、この連結杆固定具33を介して連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に固定することができる。この場合、連結杆9は、一端部に連結ピン43を取り付けて継ぎ足し可能となっているから、複数組の二段積み重ね作業台Kが所定間隔で並置される場合の必要とする任意の長さに容易に対応可能となる。
【0043】
図9〜図12によって説明した実施形態の連結杆固定具33では、固定具本体35の嵌合凹部34に嵌合した連結杆9を固定具本体35に固定させるために、嵌合凹部34の下合にナット36を取り付け、連結杆9には所定箇所にボルト挿通孔42を設けておいて、連結杆9を固定具本体35の嵌合凹部34に嵌合させた状態で連結杆9のボルト挿通孔42からその上方より固定用ボルト37を挿通してナット36に螺合し締結するようにしたが、このような固定用ボルト37に代えて、固定用のピンを採用することができる。
【0044】
この固定用ピンとしては、図13にその一例を示すように、上下方向に延びるピン本体部47aとこれの上端部から曲折されて水平に延びるアーム部47bとこれの先端部から下向きに突出する係止部47cとからなる固定用ピン47を使用し、このピン47のピン本体部47aを、固定具本体35の連結板部bに取り付けた取付部材48のピン挿通孔49に回転自在で上下スライド自在に挿通支持すると共に、ピン本体部47aの下端部に設けたストッパー50と取付部材48との間にコイルバネ51を介装して、ピン本体部47aを常時下向きに付勢し、固定具本体35の嵌合凹部34に嵌合した連結杆9をアーム部47bと係止部47cとによって保持固定するようにしたもので、連結杆9を固定具本体35の嵌合凹部34に嵌め込んだり、それから取り外す時は、図13の仮想線で示すように、コイルバネ51の付勢力に抗して固定用ピン47を引き上げて回転させ、アーム部47b側を固定具本体35の外側方へ旋回移動させればよい。
【0045】
上記のような固定用ボルト37又は固定用ピン47を有する連結杆固定具33によれば、連結杆固定具33の構造が簡単でありながら、連結杆9を簡単容易に固定することができる。
【0046】
図9〜図12によって説明した実施形態では、連結杆固定具33を下段側作業台T1の脚柱2に取り付け固定した後、この連結杆固定具33の嵌合凹部34に連結杆9を嵌合させて固定用ボルト37又は固定用ピン47で固定するようにしたが、先に連結杆9に連結杆固定具33を固定用ボルト37又は固定用ピン47で固定しておいて、この連結杆固定具33を下段側作業台T1の脚柱2に取り付け固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a) は一つの作業台の上に同じ構造の他の作業台を積み重ねた二段積み重ね作業台を妻側から見た正面図、(b) は二段積み重ね作業台を連結装置で連結した状態の正面図である。
【図2】(a) は本発明に係る作業台を示す正面図、(b) は平面図である。
【図3】(a) は図2に示す作業台を作業台の天板の桁側から見た正面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。
【図4】図1の(a) の矢印Zで示す部分に相当する構造部分の拡大図である。
【図5】(a) は連結杆の平面図、(b) は正面図、(c) は端面図、(d) は図3の矢印Yで示す部分の拡大図である。
【図6】(a-1) は固定用金具の平面図、(a-2) は正面図、(a-3) は側面図、(b-1) は固定用金具の側板を示す正面図、(b-2) は側面図であり、(c-1)は横板の正面図、(c-2)は側面図である。
【図7】(a) は図2の(a) の矢印Vで示す部分の拡大図、(b) は(a) のQ−Q線断面図、(c) は固定用金具をピンによって脚柱に取り付け固定する例を示す(b) と同様な図面である。
【図8】(a) は連結用天板としての鋼製布板を示す斜視図、(b) はハッチ式で梯子付きの鋼製布板示す斜視図、(c) は図2の(a) の矢印Rで示す部分の拡大図である。
【図9】(a) は2本の連結杆を連結杆固定具によって下段側作業台の脚柱に固定する状態を示す平面図、(b) は(a) の矢印Aで示す部分の正面図であり、(c) は(b) の矢印Bから見た側面図である。
【図10】(a) は連結杆固定具の拡大正面図、(b) は平面図であり、(c) は左側面図である。
【図11】(a) は連結杆を示す平面図、(b) 及び(c) は端部用連結杆を示す平面図である。
【図12】(a) は図9の(a) で示す部分の拡大図、(b) 及び(c) は図9の(b), (c) の夫々拡大図、(d) は連結杆固定具をピンによって脚柱に取り付け固定する例を示す(a) と同様な図面である。
【図13】連結杆固定具において固定用ボルトに代えて固定用ピンを使用する場合の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
T1,T2 作業台
1 天板
2 脚柱
3 連結装置
9 連結杆
10 連結用天板
K 二段積み重ね作業台
33 連結杆固定具
37 固定用ボルト
47 固定用ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの作業台の天板上に他の作業台を積み重ね、上下両作業台の上下に対応する脚柱どうしを連結装置により連結した積み重ね作業台を複数組間隔をおいて並置し、両積み重ね作業台の天板どうしを連結用天板で連結するようにした作業台に関する関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の出願人は、先に、作業台を上下二段に積み重ねて連結装置で連結した積み重ね作業台の天板どうしを連結用天板で連結するようにした作業台を提案している(特願2007−320673)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように作業台を上下二段に積み重ねて連結装置で連結した積み重ね作業台の天板どうしを連結用天板で連結するようにした作業台においては、特に各作業台の脚柱が伸縮式の場合には積み重ね作業台の地上からの高さが可なり高くなるため、両積み重ね作業台の天板どうしが連結用天板によって連結されても、二段積み重ね作業台が揺れたりガタついたりして不安定な状態となり、上段側作業台や連結用天板上での作業を安全に行い難かった。
【0004】
本発明は、上記のような事情に鑑み、二段積み重ね作業台の揺れやガタつきを極力抑えて二段積み重ね作業台を安定な状態に保持できるようにした作業台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、天板1の下面側四隅部に脚柱を取り付けてなる一つの作業台T1の天板1上に他の作業台T2を積み重ね、上下両作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結装置3により連結して二段積み重ね作業台Kを形成し、この二段積み重ね作業台Kの複数組を、天板1の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、これら二段積み重ね作業台K,K間には、2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2,2どうしを連結するように架け渡し、対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結するようにしてなることを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1に記載の作業台において、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に架け渡した2本の連結杆9,9に複数の鋼製布板16を架け渡してなることを特徴とする。
【0007】
請求項3は、請求項2に記載の作業台において、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結する連結用天板10は、複数の鋼製布板17,18からなり、これら複数の鋼製布板17,18の一つは、ハッチ式で梯子19付きの鋼製布板18からなるもので、その梯子19は上端部が布板本体21側に枢着されていて、その下端部を、下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16上に支持させるようにしてなることを特徴とする。
【0008】
請求項4は、請求項1〜3の何れかに記載の作業台において、各連結杆9は連結杆固定具33を介して各脚柱2に固定され、この連結杆固定具33は、脚柱2の内側で連結杆9を上方より嵌合させる嵌合凹部34を有し、脚柱2に固定される固定具本体35と、前記嵌合凹部34に嵌合した連結杆9を固定具本体35に固定するボルト37又はピン47とからなることを特徴とする。
【0009】
請求項5は、請求項1〜3の何れかに記載の作業台において、各連結杆9には下段側作業台T1の脚柱2と対応する箇所に、脚柱2を作業台T1の内側から挟持する両側一対の側板11a,11aからなる固定用金具11を取り付け、両側板11a,11aで脚柱2を挟んだ状態で両側板11a,11aの先端部間にボルト14又はピン56を介挿することによって、連結杆9を脚柱2に固定するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡して、対向する下段側作業台T1の脚柱2,2どうしを連結することにより、両二段積み重ね作業台K,Kは、作業台T1,T2の揺れやガタつきが極力抑えられ、きわめて安定な状態に保持され、従って上段側作業台T2の上や連結用天板10の上での作業を安全に行うことができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に架け渡した2本の連結杆9,9に鋼製布板16を複数架け渡すことによって、2本の連結杆9,9に架け渡した複数の鋼製布板16を作業床として利用できるから、上段側作業台T2,T2の天板1,1間に連結用天板10を連結する作業が容易且つ安全に行えると共に、その鋼製布板16からなる作業床を資材置き場等の物置として使用することができ、きわめて有用となる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結する連結用天板10として、複数の鋼製布板17,18を使用し、これら複数の鋼製布板17,18の一つをハッチ式で梯子19付き鋼製布板18とすることにより、その梯子19を鋼製布板18から下ろして梯子19の下端部を、下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16の上に支持させるようにするから、各二段積み重ね作業台Kの内部に梯子19が取り付けられることになって、二段積み重ね作業台Kの外側から梯子を掛ける必要がなく、その梯子19での昇り降りも容易且つ安全となる上に、二段積み重ね作業台Kの周辺に梯子掛け用の余分なスペースが不要となる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、各連結杆9は、脚柱2の内側で連結杆9を上方より嵌合させる嵌合凹部34を有し、脚柱2に固定される固定具本体35と、前記嵌合凹部34に嵌合した連結杆9を固定具本体35に固定するボルト37又はピン47とからなる連結杆固定具33を介して脚柱2に簡単容易に固定することができる。この場合、連結杆9として、一端部に連結ピン43が取り付けられて継ぎ足し可能なものを使用することによって、複数組の二段積み重ね作業台Kが所定間隔で並置される場合の必要とする任意の長さに容易に対応可能となる。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、各固定用金具11の両側板11a,11aで脚柱2を挟み込んだ状態で両側板11a,11aの先端部間にボルト14又はピン56を介挿することによって、連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に簡単容易に取り付け固定することができ、従って両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡して、両連結杆9,9を夫々固定用金具11を介して下段側作業台T1,T1の脚柱2,2に固定することにより、両二段積み重ね作業台K,Kは、下段側作業台T1,T1の各連結杆9に沿って位置する4本の脚柱2,2,2,2どうしが当該連結杆9を介して互いに一体的に連結固定されるから、作業台T1,T2の揺れやガタつきを有効に抑え、きわめて安定な状態に保持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1の(a) は一つの作業台T1の上に同じ構造の他の作業台T2を積み重ねた二段積み重ね作業台Kを妻側から見た正面図、(b) は二段積み重ね作業台を連結装置で連結した状態の正面図であり、図2の(a) は本発明に係る作業台Kを示す正面図、(b) は平面図であり、図3の(a) は図2に示す作業台Kを作業台の天板の桁側から見た正面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。
【0016】
上下各段の作業台T1,T2は、図1〜図3から分かるように、作業者が乗って作業を行う天板1と、この天板1の下面側の前後左右の四隅部に取り付けられた4本の脚柱2とからなり、そして下段側作業台T1の各脚柱2には、この作業台T1上に作業台T2を積み重ねた時に上下の作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結する連結装置3が設けられている。この実施形態の各作業台T1,T2は、図3の(b) に示すように、左右二つに分割され、両分割天板部1a,1aは、枢着部20で枢着されていて、使用時の水平用姿勢から山形に二つ折り可能となっており、また各脚柱2は、伸縮可能であって使用状態から天板1の下面側に折り畳み可能となっているが、これに限るものではなく、天板1の二つ折りが不能で、各脚柱2が伸縮不能なものでもよい。また、各脚柱2の下端部にはキャスター46が取り付けられている。
【0017】
作業台T1の各脚柱2に設けてある連結装置3は、図4から分かるように、伸縮可能な脚柱2を構成する角形鋼管製主脚柱2aの上端部に取り付けられる取付金具4と、この取付金具4に一端部5aが上下方向回動可能に枢着される金属パイプ製のアーム5と、このアーム5の他端部5bに上下方向回動可能に枢着され、主脚柱2a内に伸縮自在に嵌挿された角形鋼管製伸縮脚柱2bに対し着脱自在なクランプ6とからなるもので、通常は、図1の(a) に示すように、アーム5を脚柱2と平行になるように下向きに折り畳んで、クランプ6を作業台T1の脚柱2の伸縮脚柱2bに取着することにより連結装置3を収納状態とし、そして図1の(b) に示すように、この作業台T1の上に他の作業台T2を積み重ねた時に、伸縮脚柱2bから外して、アーム5を上向きに180°回転し、そのクランプ6を上段側作業台T2の対応する脚柱2の伸縮脚柱2bの上端部に取着することによって連結装置3を連結状態とし、これにより上段側の作業台T2を下段側の作業台T1上の定位置に固定するようにしたものである。
【0018】
上記連結装置3の取付金具4は、図4の(a) に示すように、金具本体部4oの一端側に設けられた筒状部4aを脚柱2の伸縮脚柱2bの下端部に回転可能に嵌合して所定の回動位置で固定用ビスにより固定し、また他端部の連結部片4bをアーム5の一端部5aに枢着ピン7によって枢着するようにしたものである。そしてクランプ6は、単管パイプを用いた鋼管足場の組み立てなどに使用される周知構造のパイプクランプからなるもので、図4の(a) ,(b) に簡単に示すように、アーム5の他端部5bに枢着ピン8により一端部が枢着されたクランプ本体部6oと、このクランプ本体部6oの他端部に連設された円弧状パイプ受け6aの一端側に開閉自在に枢着された円弧状の掴持アーム6bと、円弧状パイプ受け6aの他端側に枢着されて、掴持アーム6bの遊端部に取り付けられる締付ボルト6cとから構成される。
【0019】
上記のような構成の作業台T1,T2を使用して図2及び図3に示すような作業台を組み立てるには、先ず、図1の(a) に示すように一つの作業台T1の上に他の作業台T2を積み重ね、下段側作業台T1の各脚柱2に設けてある連結装置3のクランプ6を外して、アーム5を上向きに180°回転し、そのクランプ6を上段側作業台T2の対応する脚柱2に取着することにより連結装置3を連結状態とし、これによって図1の(b) に示すような二段積み重ね作業台Kを形成する。
【0020】
しかして、図2の(a) ,(b) に示すように、2組の二段積み重ね作業台K,Kを、天板1の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、この2つの二段積み重ね作業台K,K間には、2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2どうしを連結するように架け渡し、その後に両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結する。
【0021】
上記連結杆9について説明すると、この連結杆9は、丸鋼管からなる(図5参照)もので、図2の(a) に示すように、一方の二段積み重ね作業台Kの外端部から他方の二段積み重ね作業台Kの外端部に亘るような長さLを有する。そして、各連結杆9には、図5に示すように、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1の脚柱2,2、2,2に対し夫々作業台T1の内側から挟み込んで固定するため固定用金具11が、連結杆9の両端側に夫々2箇所ずつ取り付けられている。
【0022】
各固定用金具11は、図6及び図7に示すように、断面正方形角形主脚柱2aの両側面の外法間隔W1より僅かに広い内法間隔W2を有する両側一対の側板11a,11aと、両側板11a,11aの奥側端部をつなぐ横板11bとからなるもので、両側板11a,11aの夫々先端部側にはボルト挿通孔12が夫々設けてあり、片方の側板11aにはボルト挿通孔12の外端部にナット13が固着され、また各側板11aの後端面11aoは円弧状に形成されていて、丸鋼管からなる連結杆9の外周面に溶接によって固着される。また、横板11bは、左右両端部に突設した係合凸片aを、側板11aの後端面11aoに設けた係合凹部bに係合させた状態で側板11aに接合させることによって強固に接合される。
【0023】
両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡すにあたっては、各連結杆9を、図3の(a) に示すように、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1の左右各端側に位置する2つの脚柱2,2に内側から接近させて、各連結杆9に設けてある各固定用金具11を脚柱2に嵌合させ、しかして図7の(a) ,(b) に示すように固定用金具11内に脚柱2を嵌め込んだ状態で、固定用金具11の一方の側板11aのボルト挿通孔12から、固定用ボルト14を他方の側板11aのボルト挿通孔12を通じてナット13にねじ込んで締め付けることにより、連結杆9を固定用金具11の両側板11a,11aで挟着した状態に脚柱2の主脚柱2aに固定する。尚、固定用ボルト14は蝶ボルトからなる。
【0024】
この際、固定用金具11の両側板11a,11aで連結杆9を挟着しただけでは連結杆9が下方へズレ落ちるおそれがあるため、図7の(a) 及び図4に示すように、連結杆9の取付位置である脚柱2の主脚柱2a下端部には、連結杆9を支持するストッパー(台座)15を取り付けておく。尚、この実施形態においては、固定用金具11を脚柱2に取り付けるのに、ボルト14・ナット13を使用しているが、このようなボルト14・ナット13に限らず、ピンを使用してもよい。即ち、固定用金具11の両側板11a,11aのボルト挿通孔12,12にはボルト14に代えて、図7の(c) に示すようにピン56を挿通すればよい。この場合、ピン56の先端部には径方向に孔57が穿設してあって、この孔57にはコイルバネ58を介して、球体からなるストッパー59に嵌挿され、このストッパー59は常時はピン56の外周面から半分程度突出して、ピン56の抜け出しを阻止しており、ピン56の着脱時はコイルバネ58に抗してストッパー59を孔57内に押し込むようにする。
【0025】
上記のようにして両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2つの連結杆9,9を架け渡して、両連結杆9,9を夫々固定用金具11によって下段側作業台T1,T1の脚柱2,2に固定することにより、両二段積み重ね作業台K,Kは、下段側作業台T1,T1の各連結杆9に沿って位置する4本の脚柱2,2,2,2どうしが当該連結杆9を介して互いに一体的に連結固定されるから、作業台T1,T2の揺れやガタつきが確実に抑えられ、きわめて安定な状態に保持される。
【0026】
こうして両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に2本の連結杆9,9を架け渡して連結した後、この2本の連結杆9,9には、図3の(a) に示すように複数枚の例えば3枚の鋼製布板(鋼製足場板)16を架け渡す。各鋼製布板16は、図3の(b) 及び図5の(d) から分かるように、布板本体16aの両端に夫々係止用フック16bを一対ずつ取り付けたもので、そのフック16bを連結杆9に係止させる。
【0027】
その後に、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結用天板10によって連結するわけであるが、この連結用天板10の連結作業は、上記のように2本の連結杆9,9に架け渡した複数枚の鋼製布板16を作業床として利用することで安全且つ容易に行うことができる。
【0028】
連結用天板10としては、図8の(a) に示すような鋼製布板17を複数枚(実施形態では3枚)と、(b) に示すようなハッチ式で梯子19付きの鋼製布板18を1枚使用する。(a) に示す鋼製布板17は、布板本体21の両端部に夫々、水平片22aと垂直片22bとからなる断面L字形を成して、上段側作業台T2の天板1の桁側端部に係合する連結部材22を一体的に取り付け、水平片22aの両端部にストッパーピン挿入孔23を設けてなるものである。
【0029】
図8の(b) に示す鋼製布板18は、布板本体21の一端部側にハッチ(開口)24を設けると共に、このハッチ24を開閉する作業床25を布板本体21に枢着し、そして布板本体21の端部下面側には梯子19の上端部を、布板本体21の下面側へ折り畳み可能に枢着してなるもので、他の構造については(a) に示す鋼製布板17と全く同一構造である。梯子19は、布板本体21の下面側に折り畳まれて収納状態とされる。
【0030】
上記鋼製布板17,18の取り付けにあたっては、これら鋼製布板17,18の各L字形連結部材22を上段側作業台T2の天板1の桁側端部に係合して、水平片22aを天板1上に載置し、ストッパーピン26をストッパーピン挿入孔23から天板1に設けたピン孔27に差し込めばよい。尚、天板1にはピン孔27を特別に設けなくても、天板1に予め設けられている滑り止め孔28(図2の(b) 参照)を利用して差し込むようにしてもよい。
【0031】
そして、梯子19付き鋼製布板18を取り付ける際には、梯子19を布板本体21の下面側に折り畳まれた収納状態から図8の(b) に示すように下方へ回動して、その下端部を図2の(a) 、図3の(a) に示すように下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16上に支持させるようにする。この梯子19は、図8の(b) には伸縮しない構造を図示しているが、図2の(a) 及び図3の(a) に示すように、梯子本体19aの下端部に伸縮部材19bを連結して脚長を変更できる構造とすることができる。
【0032】
上述したように、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する下段側作業台T1,T1間に架け渡した2本の連結杆9,9に複数枚の鋼製布板16を架け渡すことによって、2本の連結杆9,9に架け渡した鋼製布板16を作業床できるから、上段側作業台T2,T2の天板1,1間に連結用天板10を連結する作業が容易且つ安全に行えると共に、その鋼製布板16からなる作業床を資材置き場等の物置として使用することができ、きわめて有用である。
【0033】
また、両二段積み重ね作業台K,Kの対向する上段側作業台T2,T2の天板1,1どうしを連結する連結用天板10として、複数の鋼製布板17,18を使用し、これら複数の鋼製布板17,18の一つをハッチ式で梯子19付き鋼製布板18とすることにより、その梯子19を鋼製布板18から下ろして梯子19の下端部を、下段側作業台T1,T1を連結する連結杆9,9間に架け渡した鋼製布板16の上に支持させるようにするから、各二段積み重ね作業台Kの内部に梯子19が取り付けられることになって、二段積み重ね作業台Kの外側から梯子を掛ける必要がなく、その梯子19での昇り降りも容易且つ安全となる上、二段積み重ね作業台Kの周辺に梯子掛け用の余分なスペースが不要となる。
【0034】
尚、この実施形態の作業台では各作業台T1,T2に、天板1下面側の前端側及び後端側の夫々左右両端部に伸縮可能な左右両脚柱2,2が配設されているが、図4において、29は左右両脚柱2,2の主脚柱2a,2aを連結する連結部材で、この連結部材29の下側に隣接してその左右各端部には、主脚柱2a内に伸縮自在に嵌挿された伸縮脚柱2bを所要伸縮位置で固定するストッパー杆30が設けてあり、このストッパー杆30は、手前側端部30aがL字状を成す把手を形成し、先端部30bは、伸縮脚柱2bに一定ピッチで設けてある脚長調整孔(図示せず)に主脚柱2a側から突入するもので、常時はバネ31,32によって脚長調整孔に突入するように付勢されている。ストッパー杆30は、連結部材29の下側の左右対称位置に設けてあって、両ストッパー杆30,30の把手30a,30aを同時に操作できるようになっている。
【0035】
また前述した図4に示す構造の連結装置3は、あくまでも一例であって、連結装置3としてはこれに限るものではなく、上下両作業台T1,T2の上下に対応する脚柱2どうしを連結するものであれば、どのような構成の連結装置でもよい。
【0036】
また、上述した実施形態では、図5及び図6に示すように連結杆9に固定用金具11を取り付け、この固定用金具11を介して連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に固定するようにしているが、図9〜図12には、連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に固定するための連結杆固定具33を示す。図9の(a) は下段側作業台T1の脚柱2(主脚柱2a)に取り付けた連結杆固定具33に2本の連結杆9,9を固定した状態を示す平面図、(b) は(a) の矢印Aで示す部分の正面図であり、(c) は(b) の矢印Bから見た側面図であり、図10の(a) は連結杆固定具33の拡大正面図、(b) は平面図、(c) は左側面図であり、図11の(a) は連結杆9を示す平面図、(b) 及び(c) は端部用連結杆9a,9bを示す平面図であり、図12の(a) は図9の(a) で示す部分の拡大図、(b) 及び(c) は図9の(b) 及び(c) の夫々拡大図である。
【0037】
この連結杆固定具33は、脚柱2の内側で連結杆9を上方より嵌合させる嵌合凹部34を有する固定具本体35と、前記嵌合凹部34の下側に設けられたナット36と、固定用ボルト37とからなるもので、前記嵌合凹部34に嵌合した連結杆9のボルト挿通孔42にその上方から固定用ボルト37を挿通させて前記ナット36に螺合し締結することにより、連結杆9を固定するようになっている。固定用ボルト37はノブボルトからなる。
【0038】
上記連結杆固定具33について詳しく説明すれば、固定具本体35は、図10に示すように、両側一対の側板部a,aと両側板部a,aをつなぐ連結板部bとで平面視略コ字状に形成されていると共に、両側板部a,aの中間部に仕切板cが介装されていて、この仕切板cと連結板部bとの間に位置する両側板部a,aの夫々上部側に正面視略半円形状の嵌合凹部34が形成され、この両側板部a,aの夫々下端部に亘って取付部材38が固着され、この取付部材38に前記ナット36が取り付けられている。そして、固定具本体35は、仕切板cを挟んで連結板部bと反対側の開放端部dを臨む空間部が脚柱嵌合部39を形成し、この脚柱嵌合部39を下段側作業台T1の脚柱2の主脚柱2a(図10の(b) には主脚柱2aを二点鎖線によるハッチングで示す)に嵌合させて、両側板部a,aの夫々端部に設けたボルト挿通孔40,40に固定用ボルト41を挿通し、一方のボルト挿通孔39の外端部に固着したナット45に螺入して締結することにより、固定具本体35が脚柱2の主脚柱2aに固定される。この固定用ボルト41もノブボルトからなる。
【0039】
この実施形態の連結杆9は、図11の(a) に示すように所定長さに形成されたもので、その所定箇所には固定用ボルト37が挿通する前記ボルト挿通孔42が設けられており、またこの連結杆9の一端部には周知構造の連結杆接続用連結ピン43が取り付けられている。この連結杆9を例えば2本接続する場合には、一方の連結杆9の一端部に取り付けてある連結ピン43を他方の連結杆9の他端部に差し込むと、バネ付勢力により連結ピン43の外周面から出没自在の係合突起(図示省略)が、連結杆9の他端部側に設けてある係合孔44に係合して、両連結杆9,9どうしを接続する。両連結杆9,9を切り離す時は、係合孔44に係合している係合突起をバネ付勢力に抗して内方へ押し込めばよい。
【0040】
図11の(b) ,(c) は端部接続用の連結杆9a,9cを示し、連結杆9aは、図11の(a) に示す連結杆9の一端部に取り付けてある連結ピン43に嵌挿することにより接続され、また連結杆9bにはその一端部に、連結杆9の一端部にあるものと同じ連結ピン43が取り付けてあって、この連結ピン43を前記連結杆9の他端部に差し込むことによって接続されるようになっている。また、連結杆9aの一端部には、連結杆9と同様に、固定用ボルト37が挿通する前記ボルト挿通孔42が設けられ、他端部には、前記係合突起が係脱する係合孔44が設けられており、また連結杆9bには連結ピン43と反対側端部に固定用ボルト37が挿通するボルト挿通孔42が設けてある。
【0041】
前記連結杆固定具33を下段側作業台T1の脚柱2に取り付ける時は、図10の(a) 〜(c) 及び図12(a) 〜(c) から分かるように、固定具本体35の脚柱嵌合部39を脚柱2の主脚柱2aに嵌合させ、固定用ボルト(ノブボルト)41を両側板部a,aのボルト挿通孔40,40に挿通し、一方のボルト挿通孔39の外端部のナット45にねじ込んで締結することにより、連結杆固定具33を脚柱2に固定する。尚、脚柱2に連結杆固定具33を取り付け固定するにはボルト41・ナット45に限らず、ピンを使用してもよい。即ち、固定具本体35の両側板部a,aのボルト挿通孔40,40にはボルト41に代え、図12の(d) に示すようにピン52を挿通すればよい。この場合、ピン52の先端部には径方向に孔53が穿設してあって、この孔53にはコイルバネ54を介して、球体からなるストッパー55が嵌挿され、このストッパー55は常時はピン52の外周面から半分程度突出して、ピン52の抜け出しを阻止しており、ピン52の着脱時はコイルバネ54に抗してストッパー55を孔53内に押し込むようにすればよい。
【0042】
上記のようにして下段側作業台T1の脚柱2に取り付けた連結杆固定具33に連結杆9を連結するには、所定間隔で並置された複数組の二段積み重ね作業台K間に2本の連結杆9,9を、対向する下段側作業台T1の脚柱2どうしを連結するように架け渡して、各連結杆9を、図10の(a) の仮想線図示のように固定具本体35の嵌合凹部34に上方より嵌合させた後、図12の(a) ,(b) に示すように、固定用ボルト37を連結杆9のボルト挿通孔42にその上方から挿通させて、嵌合凹部34の下側に設けてあるナット36に螺合し締結することにより、連結杆9を連結杆固定具33に固定し、この連結杆固定具33を介して連結杆9を下段側作業台T1の脚柱2に固定することができる。この場合、連結杆9は、一端部に連結ピン43を取り付けて継ぎ足し可能となっているから、複数組の二段積み重ね作業台Kが所定間隔で並置される場合の必要とする任意の長さに容易に対応可能となる。
【0043】
図9〜図12によって説明した実施形態の連結杆固定具33では、固定具本体35の嵌合凹部34に嵌合した連結杆9を固定具本体35に固定させるために、嵌合凹部34の下合にナット36を取り付け、連結杆9には所定箇所にボルト挿通孔42を設けておいて、連結杆9を固定具本体35の嵌合凹部34に嵌合させた状態で連結杆9のボルト挿通孔42からその上方より固定用ボルト37を挿通してナット36に螺合し締結するようにしたが、このような固定用ボルト37に代えて、固定用のピンを採用することができる。
【0044】
この固定用ピンとしては、図13にその一例を示すように、上下方向に延びるピン本体部47aとこれの上端部から曲折されて水平に延びるアーム部47bとこれの先端部から下向きに突出する係止部47cとからなる固定用ピン47を使用し、このピン47のピン本体部47aを、固定具本体35の連結板部bに取り付けた取付部材48のピン挿通孔49に回転自在で上下スライド自在に挿通支持すると共に、ピン本体部47aの下端部に設けたストッパー50と取付部材48との間にコイルバネ51を介装して、ピン本体部47aを常時下向きに付勢し、固定具本体35の嵌合凹部34に嵌合した連結杆9をアーム部47bと係止部47cとによって保持固定するようにしたもので、連結杆9を固定具本体35の嵌合凹部34に嵌め込んだり、それから取り外す時は、図13の仮想線で示すように、コイルバネ51の付勢力に抗して固定用ピン47を引き上げて回転させ、アーム部47b側を固定具本体35の外側方へ旋回移動させればよい。
【0045】
上記のような固定用ボルト37又は固定用ピン47を有する連結杆固定具33によれば、連結杆固定具33の構造が簡単でありながら、連結杆9を簡単容易に固定することができる。
【0046】
図9〜図12によって説明した実施形態では、連結杆固定具33を下段側作業台T1の脚柱2に取り付け固定した後、この連結杆固定具33の嵌合凹部34に連結杆9を嵌合させて固定用ボルト37又は固定用ピン47で固定するようにしたが、先に連結杆9に連結杆固定具33を固定用ボルト37又は固定用ピン47で固定しておいて、この連結杆固定具33を下段側作業台T1の脚柱2に取り付け固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a) は一つの作業台の上に同じ構造の他の作業台を積み重ねた二段積み重ね作業台を妻側から見た正面図、(b) は二段積み重ね作業台を連結装置で連結した状態の正面図である。
【図2】(a) は本発明に係る作業台を示す正面図、(b) は平面図である。
【図3】(a) は図2に示す作業台を作業台の天板の桁側から見た正面図、(b) は(a) のX−X線断面図である。
【図4】図1の(a) の矢印Zで示す部分に相当する構造部分の拡大図である。
【図5】(a) は連結杆の平面図、(b) は正面図、(c) は端面図、(d) は図3の矢印Yで示す部分の拡大図である。
【図6】(a-1) は固定用金具の平面図、(a-2) は正面図、(a-3) は側面図、(b-1) は固定用金具の側板を示す正面図、(b-2) は側面図であり、(c-1)は横板の正面図、(c-2)は側面図である。
【図7】(a) は図2の(a) の矢印Vで示す部分の拡大図、(b) は(a) のQ−Q線断面図、(c) は固定用金具をピンによって脚柱に取り付け固定する例を示す(b) と同様な図面である。
【図8】(a) は連結用天板としての鋼製布板を示す斜視図、(b) はハッチ式で梯子付きの鋼製布板示す斜視図、(c) は図2の(a) の矢印Rで示す部分の拡大図である。
【図9】(a) は2本の連結杆を連結杆固定具によって下段側作業台の脚柱に固定する状態を示す平面図、(b) は(a) の矢印Aで示す部分の正面図であり、(c) は(b) の矢印Bから見た側面図である。
【図10】(a) は連結杆固定具の拡大正面図、(b) は平面図であり、(c) は左側面図である。
【図11】(a) は連結杆を示す平面図、(b) 及び(c) は端部用連結杆を示す平面図である。
【図12】(a) は図9の(a) で示す部分の拡大図、(b) 及び(c) は図9の(b), (c) の夫々拡大図、(d) は連結杆固定具をピンによって脚柱に取り付け固定する例を示す(a) と同様な図面である。
【図13】連結杆固定具において固定用ボルトに代えて固定用ピンを使用する場合の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
T1,T2 作業台
1 天板
2 脚柱
3 連結装置
9 連結杆
10 連結用天板
K 二段積み重ね作業台
33 連結杆固定具
37 固定用ボルト
47 固定用ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下面側四隅部に脚柱を取り付けてなる一つの作業台の天板上に他の作業台を積み重ね、上下両作業台の上下に対応する脚柱どうしを連結装置により連結して二段積み重ね作業台を形成し、この二段積み重ね作業台の複数組を、天板の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、これら二段積み重ね作業台間には、2本の連結杆を、対向する下段側作業台の脚柱どうしを連結するように架け渡し、対向する上段側作業台の天板どうしを連結用天板によって連結するようにしてなる作業台。
【請求項2】
両二段積み重ね作業台の対向する下段側作業台間に架け渡した2本の連結杆に複数の鋼製布板を架け渡してなる請求項1に記載の作業台。
【請求項3】
両二段積み重ね作業台の対向する上段側作業台の天板どうしを連結する連結用天板は、複数の鋼製布板からなり、これら複数の鋼製布板の一つは、ハッチ式で梯子付きの鋼製布板からなるもので、その梯子は上端部が布板本体に枢着されていて、その下端部を、下段側作業台を連結する連結杆間に架け渡した鋼製布板上に支持させるようにしてなる請求項2に記載の作業台。
【請求項4】
各連結杆は連結杆固定具を介して各脚柱に固定され、この連結杆固定具は、脚柱の内側で連結杆を上方より嵌合させる嵌合凹部を有し、脚柱に固定される固定具本体と、前記嵌合凹部に嵌合した連結杆を固定具本体に固定するボルト又はピンとからなる請求項1〜3の何れかに記載の作業台。
【請求項5】
各連結杆には下段側作業台の脚柱と対応する箇所に、脚柱を作業台の内側から挟持する両側一対の側板からなる固定用金具を取り付け、この固定用金具の両側板で脚柱を挟んだ状態で両側板の先端部間にボルト又はピンを介挿することによって、連結杆を脚柱に固定するようにした請求項1〜3の何れかに記載の作業台。
【請求項1】
天板の下面側四隅部に脚柱を取り付けてなる一つの作業台の天板上に他の作業台を積み重ね、上下両作業台の上下に対応する脚柱どうしを連結装置により連結して二段積み重ね作業台を形成し、この二段積み重ね作業台の複数組を、天板の桁側が対向する方向に所定間隔をおいて並置し、これら二段積み重ね作業台間には、2本の連結杆を、対向する下段側作業台の脚柱どうしを連結するように架け渡し、対向する上段側作業台の天板どうしを連結用天板によって連結するようにしてなる作業台。
【請求項2】
両二段積み重ね作業台の対向する下段側作業台間に架け渡した2本の連結杆に複数の鋼製布板を架け渡してなる請求項1に記載の作業台。
【請求項3】
両二段積み重ね作業台の対向する上段側作業台の天板どうしを連結する連結用天板は、複数の鋼製布板からなり、これら複数の鋼製布板の一つは、ハッチ式で梯子付きの鋼製布板からなるもので、その梯子は上端部が布板本体に枢着されていて、その下端部を、下段側作業台を連結する連結杆間に架け渡した鋼製布板上に支持させるようにしてなる請求項2に記載の作業台。
【請求項4】
各連結杆は連結杆固定具を介して各脚柱に固定され、この連結杆固定具は、脚柱の内側で連結杆を上方より嵌合させる嵌合凹部を有し、脚柱に固定される固定具本体と、前記嵌合凹部に嵌合した連結杆を固定具本体に固定するボルト又はピンとからなる請求項1〜3の何れかに記載の作業台。
【請求項5】
各連結杆には下段側作業台の脚柱と対応する箇所に、脚柱を作業台の内側から挟持する両側一対の側板からなる固定用金具を取り付け、この固定用金具の両側板で脚柱を挟んだ状態で両側板の先端部間にボルト又はピンを介挿することによって、連結杆を脚柱に固定するようにした請求項1〜3の何れかに記載の作業台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−185258(P2010−185258A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31643(P2009−31643)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(592145903)株式会社ミルックス (11)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(592145903)株式会社ミルックス (11)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
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