説明

作業機械

【課題】エンジンの排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置を設置する場所により熱効率を向上できる作業機械を提供する。
【解決手段】油圧ショベルの上部旋回体12の一端側に作業装置14を搭載し、上部旋回体12の他端側にカウンタウエイト21を搭載し、カウンタウエイト21に隣接させて上部旋回体12にエンジン15を搭載し、カウンタウエイト21内に、エンジン15の排気装置内の排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置を備えた作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジンの排気浄化に用いる還元剤の凍結防止技術としては、内燃機関の排気マニホールド、排気管、マフラからなる排気系内に配置された排気ガス浄化用触媒の上流側に噴射供給される液体還元剤をその貯蔵タンク及びポンプを含む供給管系において凍結から防ぐ保温装置で、液体還元剤貯蔵タンク及びポンプを含む供給管系の外表面の全体ないし主要部分にわたって電熱線を配置し、その上に断熱材の包囲層を設け、さらに必要に応じて液体還元剤貯蔵タンク内にも電熱線加熱手段を設け、液体還元剤温度及び/または外気温に応じてそれらの電熱線に外部電源から通電し、そしてその通電を遮断し、液体還元剤の温度を凍結を防止するのに適切な温度範囲に維持する構成とした排気ガス浄化触媒用還元剤保温装置及びそれを組込んだ排気ガス浄化装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−27627号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載された従来技術を油圧ショベルなどの作業機械に適用した場合、液体還元剤貯蔵タンク内の液体還元剤の凍結を防止するために過大な電力を要し、油圧ショベルなどの作業機械のバッテリでは対応が困難である。
【0004】
すなわち、寒冷地または山の上などの高地で作業機械を用いる場合は、尿素水などの液体還元剤は0℃程度で凍ってしまい、配管が破裂するおそれがあるので、常時この液体還元剤を温める必要があり、上記特許文献1に記載された従来技術のように電熱線加熱手段を用いる場合は、常時電力を供給するためにエンジンを継続的に駆動する必要がある。
【0005】
そのために、熱効率を向上して、燃費を良くする必要がある。特に、液体還元剤貯蔵タンクなどを設置する場所により熱効率を向上する必要がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エンジンの排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置を設置する場所により熱効率を向上できる作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、機体と、機体の一端側に搭載された作業装置と、機体の他端側に搭載されたカウンタウエイトと、カウンタウエイトに隣接させて機体に搭載されたエンジンと、カウンタウエイトに内蔵されエンジンの排気装置内の排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置とを具備した作業機械である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の作業機械における排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置が、タンク断熱材で覆われ内部に蓄熱流体が充填された蓄熱タンクと、蓄熱タンク内の蓄熱流体中に内蔵されエンジンの排気装置に供給される液体還元剤を収容した還元剤タンクと、蓄熱タンクの内部に設けられエンジン冷却水の供給を受けて蓄熱タンク内の蓄熱流体を温める熱交換器とを具備した作業機械である。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項2記載の作業機械において、エンジンの排気装置に液体還元剤を供給する還元剤供給回路と、還元剤供給回路の外部を覆うように設けられた蓄熱流体を循環させる蓄熱流体循環回路と、エンジンと蓄熱タンク内の熱交換器との間でエンジン冷却水を循環させるエンジン冷却水回路とを具備した作業機械である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載された発明によれば、機体に作業装置と共に搭載されたカウンタウエイトに隣接させてエンジンを搭載し、カウンタウエイト内に、エンジンの排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置を内蔵したので、大型の排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置をエンジンおよび排気装置の近傍であって他の搭載機器の設置スペースを妨げない場所に組込むことができ、スペース効率を向上できるとともに、エンジンから発生する熱を排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置に対して効率良く利用でき、エンジンに対する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置の配管を短くできるので、配管での温度低下を抑制でき、熱効率を向上できる。
【0011】
請求項2に記載された発明によれば、排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置は、タンク断熱材で覆われた蓄熱タンク内の蓄熱流体中に、液体還元剤を収容した還元剤タンクを内蔵し、エンジンから放熱された熱を吸収したエンジン冷却水の供給を受ける熱交換器により蓄熱流体を温め、蓄熱流体中の還元剤タンクを保温するので、エンジンからの放熱を効率良く回収して液体還元剤の保温に利用でき、熱効率を向上できる。特に、カウンタウエイト内に排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置の蓄熱タンクを設けるので、他の場所では設置できない程の大きな容量の蓄熱タンクでもカウンタウエイト内の任意の場所に設置でき、大容量の蓄熱流体により液体還元剤を長時間保温できる。
【0012】
請求項3に記載された発明によれば、還元剤供給回路の外部を覆うように蓄熱流体循環回路を設けたので、エンジンの排気装置に供給される液体還元剤を蓄熱流体により効果的に保温でき、熱効率を向上できる。さらに、エンジンおよびエンジンの排気装置と、このエンジンおよび排気装置に隣接したカウンタウエイト内に内蔵された排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置との間に、還元剤供給回路、蓄熱流体循環回路およびエンジン冷却水回路が設置されているので、還元剤、蓄熱流体およびエンジン冷却水の温度低下を抑制でき、熱効率を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を、図1乃至図3に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1および図2に示されるように、作業機械としての油圧ショベル10は、下部走行体11に機体としての上部旋回体12が旋回可能に設けられ、この上部旋回体12にキャブ13、作業装置14およびエンジン15などが搭載されている。エンジン15は、エンジン本体16と、このエンジン本体16を冷却するためのウォータジャケット(図示せず)とを備えている。
【0015】
エンジン15には、エンジン本体16の一側部から突設された回転軸に冷却ファン17が設けられ、この冷却ファン17に対向して冷却器としてのラジエータ18が配置されている。エンジン本体16の他側部上には、エンジン15から排出された排気ガスを消音・浄化処理する排気装置19が配置されている。
【0016】
上部旋回体12の後端部には、カウンタウエイト21が取付けられ、このカウンタウエイト21には、エンジン冷却水の熱を利用して保温した排気ガス浄化触媒用還元剤としての尿素水などの液体還元剤を排気装置19に供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22の主要部分が内蔵されている。
【0017】
図3に示されるように、エンジン15の出力軸には、下部走行体11および上部旋回体12の油圧モータや作業装置14の油圧シリンダに対して作動油を供給する油圧ポンプ23,24が接続されている。エンジン15の排気装置19は、エンジン本体16に排気管25を介してマフラ本体26が接続され、このマフラ本体26の内部に排気ガス浄化触媒27と、この排気ガス浄化触媒27に対して液体還元剤を噴射するノズル28とが設けられている。
【0018】
エンジン15の排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22は、蓄熱タンク31の内部にパラフィン、エマルジョン(乳化液)などの蓄熱流体32が充填され、この蓄熱流体32中に、エンジン15の排気装置19に供給される液体還元剤を収容した還元剤タンク33が内蔵され、また、蓄熱タンク31の外表面は、蓄熱流体32の保温のためのタンク断熱材34により覆われている。還元剤タンク33の上端部に設けられた液体還元剤を注入する注入口33aは、タンク断熱材34の上面に開口され、キャップ33bにより閉じられている。
【0019】
蓄熱タンク31の蓄熱流体32中には、エンジン15との熱交換により加熱されたエンジン冷却水の供給を受けて蓄熱流体32を温めることで還元剤タンク33内の液体還元剤を温める熱交換器35が配置されている。
【0020】
エンジン冷却水を循環させるエンジン冷却水回路36は、エンジン15のウォータジャケット(図示せず)と、エンジン冷却水を循環させるエンジン冷却水ポンプ37と、ソレノイド38s1に供給される指令電流により比例動作する一方の電磁比例弁38-1と、蓄熱タンク31内の熱交換器35と、熱交換器35を経たエンジン冷却水を冷却してエンジン15のウォータジャケットに循環させる冷却器としてのラジエータ18とが、管路39a,39bによって無端状に接続されている。
【0021】
エンジン冷却水ポンプ37と一方の電磁比例弁38-1との間の管路39aと、熱交換器35とラジエータ18との間の管路39bとの間には、これらの管路39a,39bを連通するバイパス管路39cが設けられ、このバイパス管路39c中にも、ソレノイド38s2に供給される指令電流により比例動作する他方の電磁比例弁38-2が設けられている。
【0022】
一方の電磁比例弁38-1は、ソレノイド38s1に供給される指令電流に比例して閉状態から開状態へと開度変化するとともに、他方の電磁比例弁38-2は、ソレノイド38s2に供給される指令電流に比例して開状態から閉状態へと開度変化することで、熱交換器35に供給されるエンジン冷却水の供給流量を調整するものである。
【0023】
要するに、一方の電磁比例弁38-1および他方の電磁比例弁38-2で構成された電磁比例弁38は、エンジン15から熱交換器35を経てラジエータ18に戻されるエンジン冷却水量を一方の電磁比例弁38-1により増加させる方向に比例調整する場合は、エンジン15から熱交換器35をバイパスしてラジエータ18に戻されるエンジン冷却水量を他方の電磁比例弁38-2により減少させる方向に比例調整するものである。
【0024】
図示された電磁比例弁38は、2つの電磁比例弁38-1,38-2で構成されているが、1つの多方弁にまとめて構成しても良い。
【0025】
この電磁比例弁38は、熱交換器35へのエンジン冷却水量を変化させることで熱交換器35から蓄熱流体32に供給される熱量を調整できるとともに、その際でもラジエータ18を通過するエンジン冷却水量は一定に保つことができ、すなわち、ラジエータ18による冷却能力を一定に保つことができる。
【0026】
還元剤タンク33には、液体還元剤の温度を検出する温度検出器41が接続され、この温度検出器41は、温度検出ライン42によりコントローラ43の検出信号入力部に接続されている。このコントローラ43の制御信号出力部は、制御信号ライン44,45により2つの電磁比例弁38-1,38-2の各ソレノイド38s1,38s2に接続され、還元剤タンク33内の液体還元剤の温度に基づいて2つの電磁比例弁38-1,38-2の開度を調整することで、蓄熱タンク31内の熱交換器35に供給されるエンジン冷却水量を制御し、熱交換器35での熱交換量を調整して液体還元剤の温度を一定に制御する機能を備えている。
【0027】
エンジン15の排気装置19に液体還元剤を供給する還元剤供給回路51は、還元剤タンク33からマフラ本体26内のノズル28にわたって配設された還元剤供給パイプ52中に、還元剤供給ポンプ53と、還元剤の噴射量を調整する電磁弁54とが設けられたものである。
【0028】
蓄熱タンク31内の蓄熱流体32を循環させる蓄熱流体循環回路55は、還元剤供給回路51の外部を覆うように蓄熱流体32を流す蓄熱流体通路56の前半部56aが設けられ、この蓄熱流体通路56中に蓄熱流体循環ポンプ57が設けられている。この蓄熱流体通路56の外表面は、全長にわたって回路断熱材58により覆われている。
【0029】
次に、図面に示された一実施の形態の作用を説明する。
【0030】
エンジン運転時は、エンジン冷却水ポンプ37でエンジン冷却水を循環させ、エンジン冷却水が有する熱を蓄熱タンク31内の熱交換器35に供給し、熱交換器35から放出された熱により蓄熱タンク31内の蓄熱流体32を温め、還元剤タンク33内の液体還元剤を一定の設定温度に保つ。
【0031】
このとき、温度検出器41で液体還元剤の温度を検出し、液体還元剤の検出温度と設定温度との温度差に応じてコントローラ43から電磁比例弁38-1,38-2のソレノイド38s1,38s2に指令電流を出力し、この電流値に比例して電磁比例弁38-1,38-2の開度を相互に逆方向に制御することで、熱交換器35に供給されるエンジン冷却水の供給流量を調整するとともに、ラジエータ18に戻されるエンジン冷却水量を一定量に制御する。
【0032】
例えば、還元剤タンク33内の液体還元剤の検出温度が設定温度より低温のときは、検出温度と設定温度との温度差に応じて、一方の電磁比例弁38-1の開度を大きくする方向に調整することで、熱交換器35に供給されるエンジン冷却水量を温度差に比例させて増加させるとともに、他方の電磁比例弁38-2は、開度を小さくする方向に調整して、バイパス管路39cでバイパスされるエンジン冷却水量を温度差に比例させて減少させることで、ラジエータ18に戻されるエンジン冷却水量が一定に保たれるように制御する。これにより、ラジエータ18の冷却能力を一定に保つようにする。
【0033】
また、蓄熱タンク31内の蓄熱流体32は、蓄熱流体循環ポンプ57によって蓄熱タンク31から、還元剤供給回路51の外周部に沿った蓄熱流体通路56を流れて蓄熱タンク31に循環するので、蓄熱流体32が有する熱により還元剤供給回路51を保温し、この還元剤供給回路51により還元剤供給ポンプ53で還元剤タンク33からノズル28まで供給される液体還元剤を保温する。
【0034】
液体還元剤は、還元剤タンク33から還元剤供給ポンプ53により還元剤供給パイプ52を介して電磁弁54に加圧供給されるので、コントローラ43は、図示していないエンジン回転数、排気温度などのデータに基づき、還元剤の噴射量を演算し、その演算結果に基いて電磁弁54を調整して還元剤の噴射量を制御する。
【0035】
次に、図面に示された一実施の形態の効果を説明する。
【0036】
上部旋回体12に作業装置14と共に搭載されたカウンタウエイト21に隣接させてエンジン15を搭載し、カウンタウエイト21内に、エンジン15の排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22を内蔵したので、大型の排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22をエンジン15および排気装置19の近傍であって他の搭載機器の設置スペースを妨げない場所に組込むことができ、スペース効率を向上できるとともに、エンジン15から発生する熱を排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22に対して効率良く利用でき、エンジン15に対する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22の配管を短くできるので、配管での温度低下を抑制でき、熱効率を向上できる。
【0037】
すなわち、カウンタウエイト21は、エンジン15および排気装置19の後方の近接位置に隣接しているので、エンジン冷却水回路36のエンジン冷却水、還元剤供給回路51の液体還元剤および蓄熱流体循環回路55の蓄熱流体32の各管路を容易に配管設置できるとともに、カウンタウエイト21は、ラジエータ18および排気装置19にも近く、加熱されたエンジン冷却水の供給元および液体還元剤の供給先までの距離が短いので、エンジン冷却水、液体還元剤および蓄熱流体32の供給時に配管中で温度低下することを効果的に抑制でき、熱効率を向上できる。
【0038】
排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22は、タンク断熱材34で覆われた蓄熱タンク31内の蓄熱流体32中に、液体還元剤を収容した還元剤タンク33を内蔵し、エンジン15から放出された熱を吸収したエンジン冷却水の供給を受ける熱交換器35により蓄熱流体32を温め、蓄熱流体32中の還元剤タンク33を保温するので、エンジン15からの放熱を効率良く回収して液体還元剤の保温に利用でき、熱効率を向上できる。
【0039】
特に、油圧ショベル10などの作業機械におけるカウンタウエイト21内に、蓄熱流体32を用いて熱を蓄える排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22の蓄熱タンク31を設けるので、他の場所では設置できない程の大きな容量の蓄熱タンク31でもカウンタウエイト21内の任意の場所に設置でき、大熱容量の蓄熱流体32により液体還元剤を長時間保温できる。
【0040】
エンジン15の排気装置19に液体還元剤を供給する還元剤供給回路51の外部を覆うように蓄熱流体循環回路55を設けたので、エンジン15の排気装置19に供給される液体還元剤を蓄熱流体32により効果的に保温でき、熱効率を向上できる。さらに、この蓄熱流体循環回路55の外部を回路断熱材58により覆うので、還元剤供給回路51を蓄熱流体循環回路55と回路断熱材58の2重の回路保温構造により、いっそう熱効率を向上できる。
【0041】
エンジン15との熱交換により加熱されたエンジン冷却水の供給を受けた熱交換器35により、蓄熱タンク31内の蓄熱流体32を温め、その熱で還元剤タンク33内の液体還元剤を温めその温度を保持するので、従来技術のように電気を必要とせず、ラジエータ18により冷却される前のエンジン冷却水が有する熱を有効利用するので、電力に変換する場合より、発電用のエンジン駆動に要する燃料を節約でき、燃費を向上できる。
【0042】
カウンタウエイト21は、エンジン15および排気装置19の後方の近接位置に隣接しているので、エンジン15およびエンジン15の排気装置19と、カウンタウエイト21内に内蔵された排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置22との間に、エンジン冷却水回路36、還元剤供給回路51および蓄熱流体循環回路55が設置されているので、これらの回路の各配管を容易に配設できるとともに、供給元から供給先までの距離が短いので、エンジン冷却水、液体還元剤および蓄熱流体32が供給時に温度低下することを効果的に抑制でき、熱効率を向上できる。
【0043】
本発明は、油圧ショベルなどの機体にカウンタウエイトを搭載した作業機械に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る作業機械の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】同上作業機械の平面図である。
【図3】同上作業機械に搭載された排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0045】
10 作業機械としての油圧ショベル
12 機体としての上部旋回体
14 作業装置
15 エンジン
19 排気装置
21 カウンタウエイト
22 排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置
31 蓄熱タンク
32 蓄熱流体
33 還元剤タンク
34 タンク断熱材
35 熱交換器
36 エンジン冷却水回路
51 還元剤供給回路
55 蓄熱流体循環回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
機体の一端側に搭載された作業装置と、
機体の他端側に搭載されたカウンタウエイトと、
カウンタウエイトに隣接させて機体に搭載されたエンジンと、
カウンタウエイトに内蔵されエンジンの排気装置内の排気ガス浄化触媒に液体還元剤を供給する排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置と
を具備したことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
排気ガス浄化触媒用還元剤供給装置は、
タンク断熱材で覆われ内部に蓄熱流体が充填された蓄熱タンクと、
蓄熱タンク内の蓄熱流体中に内蔵されエンジンの排気装置に供給される液体還元剤を収容した還元剤タンクと、
蓄熱タンクの内部に設けられエンジン冷却水の供給を受けて蓄熱タンク内の蓄熱流体を温める熱交換器と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の作業機械。
【請求項3】
エンジンの排気装置に液体還元剤を供給する還元剤供給回路と、
還元剤供給回路の外部を覆うように設けられた蓄熱流体を循環させる蓄熱流体循環回路と、
エンジンと蓄熱タンク内の熱交換器との間でエンジン冷却水を循環させるエンジン冷却水回路と
を具備したことを特徴とする請求項2記載の作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−138849(P2010−138849A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317468(P2008−317468)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】