説明

作業者の異常状態検知装置及び作業現場の異常状態管理方法

【課題】作業現場で発生しうる作業者の異常状態を提示することができる作業者の異常状態管理装置を提供する。
【解決手段】工程管理情報及び作業現場の図面情報を記憶する記憶部と、生体センサ1を含む作業者が作業時に装着する作業者端末から、生体情報、該生体情報と関連づけられた位置情報及び時刻情報を受信する通信部と、時刻情報に該当する指定時刻での作業現場の工程図面の図面生成部7と、作業現場の図面情報及び位置情報に基づき作業エリアに該当する工程図面を選択する現場環境図面の選択部8と、生体情報が異常状態である場合、現場環境図面の選択部8で選択された工程図面と関連づけて、異常状態の蓄積情報として記憶部に蓄積する異常状態の認識部2と、異常状態の蓄積情報に基づいて、工程管理情報のうち危険な工程または作業現場の危険な箇所を知らせる表示データを生成する表示データ生成部11と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業現場における作業者の異常状態の情報を収集するとともに、作業現場で発生しうる作業者の異常状態を提示することができる作業者の異常状態管理装置及び作業現場の異常状態管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明において、作業者の「異常状態」とは、つまずいたり滑ったり、物が倒れてきてドキッとしたなどのように、怪我をするまでにはいたらなかったが、通常の作業者の作業環境では発生しない状態や、作業者が転落したり物に挟まれて怪我をした場合などのように実際に被災した状態をいう。
【0003】
前者を「ヒヤリハット(near-miss accidents)」といい、1件の重大事故には300件のヒヤリハットが隠れているというハインリッヒの法則が知られている。実際の作業現場では重大事故はめったに起こらない。そのため、実際に起きた事故を分析し、今後の防災の検討材料にしようと思ってもサンプル数が少なく思うような分析はできない。
【0004】
そこで、重大事故の予備軍であるヒヤリハットを、作業者の自己申告により収集をすることも試みられているが、作業者毎のヒヤリハットの認識の違いやヒヤリハットを報告することによる不利益を警戒しヒヤリハットを十分な精度で収集できているとは言い難い。
【0005】
また、ヒヤリハットを自動的に収集する手法が特許文献1及び特許文献2に示されている。特許文献1では、作業者に生理・生体情報センサを取り付け、予め、生理・生体情報センサの出力値にヒヤリハットと認識するための条件を決めておきヒヤリハットを認識する。ヒヤリハットと認識した場合には、その状態を映した映像や時刻情報と共に蓄積しヒヤリハットの原因究明を行っている。
【0006】
特許文献2では、作業者に動態センサ(例えば、加速度センサ)を取り付け、その波形データから作業内容を認識する。この際、人の作業内容は無数にあるため作業指示書などの作業者のスケジュール情報から推定できる作業者の作業項目を認識項目と限定し、この項目に関する認識処理を行う。
【0007】
さらに、特許文献3では、車両運転中のヒヤリハットの認識手法の例がある。運転手には生体情報取得装置が取り付けられている。この生体情報取得装置を用いて特許文献1と同様にヒヤリハットを認識する。周囲を走行中の車両すべての運転手にはこの生体情報取得装置及び環境情報取得装置が取り付けられており車間距離や相対速度によりヒヤリハットの原因となった車両の特定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−276234号公報(第1図)
【特許文献2】特開2010−148604公報(第1図)
【特許文献3】特開2008−234414号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
作業現場において、何処の場所に災害が潜んでいるか、重大事故の発生前に作業者に提示することは、安全管理上重要な課題である。ここでいう作業現場とは、製造ラインが固定されておりその中で作業を行う作業現場ばかりではなく、建設作業現場のように建設工程の進捗に伴い、時々刻々作業環境が変化するような作業現場も対象としている。
【0010】
特許文献1に開示された手法では、時刻情報を基にヒヤリハットの起き易い時刻の頻度分布などを作業者に提示することができる。しかし、ヒヤリハットの起き易い場所については特に言及していない。また、このヒヤリハットの検出手法は、生理・生体情報センサの出力値にヒヤリハットと認識するための条件を予め決めておきそれにより認識している。したがって、予め決められた条件以外のヒヤリハットが生じたとしても検出することはできない。
【0011】
特許文献2に開示された手法では、作業者の作業スケジュールより作業項目を限定しているために、作業項目とは関連しない異常状態(ヒヤリハット)は認識することができない。
【0012】
特許文献3に開示された手法は、作業現場ではなく道路を走行中の交通に関するヒヤリハットの検出を目的としている。取得している位置情報は、関係している他車両の相対的な位置関係や速度変化のために利用されている。しかしながら、本発明の課題である、作業現場の何処の場所に災害が潜んでいるか検出するための構成となっていない。また、建設作業現場は時々刻々作業環境が変化する場所である。道路に置き換えると、時間と共に道路ネットワークが変化するような環境であるがこのような時系列の環境変化に関して十分に考慮されていないと考えられる。
【0013】
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、作業現場における作業者の異常状態の情報を収集するとともに、作業現場で発生しうる作業者の異常状態を提示することができる作業者の異常状態管理装置及び作業現場の異常状態管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、作業者の異常状態管理装置は、作業現場での作業者の異常状態を管理する装置であって、作業工程の工程管理情報(例えば、工程管理DB5)及び作業現場の図面情報(例えば、作業現場の図面DB6)を記憶する記憶部と、生体センサを含む、作業者が作業時に装着する作業者端末から生体情報、該生体情報と関連づけられた位置情報を受信する通信部(例えば、無線通信装置162)と、受信した情報に時刻を特定可能な時刻情報が含まれているときはその時刻情報または受信の時刻に定まる時刻情報と、工程管理情報及び作業現場の図面情報とに基づき、時刻情報に該当する作業現場の工程図面を生成する図面生成部(例えば、指定時刻での作業現場の図面生成部7)と、生成された工程図面のうち、位置情報及び時刻情報に基づき作業エリアに該当する工程図面を選択する現場環境図面の選択部と、生体情報が異常状態であるか否かを判定し、該判定が異常状態である場合、現場環境図面の選択部で選択された工程図面と関連づけて、異常状態の蓄積情報(例えば、異常状態の蓄積DB9)として記憶部に蓄積する異常状態の蓄積部(例えば、異常状態の認識部2)と、異常状態の蓄積情報に基づいて、工程管理情報のうち危険な工程または作業現場の危険な箇所を知らせる表示データを生成する表示データ生成部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、作業現場における作業者の異常状態の情報を収集するとともに、作業現場で発生しうる作業者の異常状態を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の異常状態管理の処理ブロックを示す図である。
【図2】工程管理DBのガントチャートの一例を示す図である。
【図3】作業現場の図面DB格納されている作業現場の図面の一例を示す図である。
【図4】エリアA仮足場施工前の生成図面の例を示す図である。
【図5】エリアA仮足場施工後の生成図面の例を示す図である。
【図6】エリアA床板施工後の生成図面の例を示す図である。
【図7】装置B組立て用仮足場施工後の生成図面の例を示す図である。
【図8】装置B組立て後の生成図面の例を示す図である。
【図9】装置B組立て用仮足場撤去後の生成図面の例を示す図である。
【図10】歩行中のつまずきの波形例を示す図である。
【図11】時間周波数解析を行った結果を示す図である。
【図12】作業者の移動軌跡を示す図である。
【図13】工程毎の異常状態の発生頻度を示す図である。
【図14】作業現場の異常状態の発生箇所を示す図である。
【図15】過去施工した履歴から異常状態の発生を予測する処理ブロックを示す図である。
【図16】本実施形態の機器構成を示す図である。
【図17】自己位置センサの取り付けの例を示す図である。
【図18】自己位置センサの取り付けの他の例を示す図である。
【図19】位置検知システムを用いる場合の機器構成を示す図である。
【図20】異常状態の蓄積DBの一例を示す図である。
【図21】エリア毎の発生頻度の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の異常状態管理の処理ブロックを示す図である。作業者の異常状態管理装置100は、記憶部に作業工程を記憶する工程管理DB(Data Base)5(図面管理情報)、作業現場の図面を記憶する作業現場の図面DB6(作業現場の図面情報)、作業者の異常状態のデータベースである異常状態の蓄積DB9(異常状態の蓄積情報)を有し、処理部として生体センサ1の情報に基づいて異常状態であるか否かを認識する異常状態認識部2(異常状態の蓄積部)、指定時刻での作業現場の図面生成部7、現場環境図面の選択部8、表示データ生成部11を有している。また、作業者の異常状態管理装置100は、表示部10、入力部(図示せず)を有している。
【0018】
現場環境図面の選択部8は、自己位置センサ3による作業者の位置情報に基づいて作業エリアやフロアー位置に該当する図面を選択する。また、時刻発生器4の時刻情報に基づいて、該当時刻の作業現場を生成し作業者周囲の現場環境図面を特定する。
【0019】
表示データ生成部11は、異常状態の蓄積DB9の内容について可視化処理を行う。表示データ生成部11は、異常状態の蓄積DB9に基づいて、作業工程の危険工程を知らせる表示データ(図13参照)、作業現場の危険箇所を知らせる表示データ(図14参照)などを生成する。表示データ生成部11は、生成した表示データと、指定時刻での作業現場の図面生成部7で生成された図面情報を組み合わせて、表示部10の表示画面上に表示する。
【0020】
作業者は、作業時に作業者の異常状態管理端末161(図16参照)を有している。作業者の異常状態管理端末161は、破線13で囲まれた、生体センサ1、自己位置センサ3、時刻発生器4、通信部(図示せず)を含んで構成されている。生体センサ1とは、作業者の力学的な動作を検出するセンサ或いは心理・生理状態を検出するセンサである。力学的な動作を検出するセンサの例として加速度センサやジャイロセンサなどを利用してもよい。作業者にこのセンサを取り付けることにより作業者の体の動きに応じた加速度や角速度を求めることができる。また、生体センサ1の例としては、脳波形、脈拍計、皮膚のインピーダンスを計測するセンサなどを利用してもよい。
【0021】
自己位置センサ3は、作業者の作業位置を検出するセンサである。例えば、無線や赤外線の発信機を作業エリアに配置し、作業者と発信機までの距離や角度情報を基に作業者の自己位置を検出するセンサを利用してもよいし、後記するビデオカメラを用いてカメラの設置位置と画像上に投影された作業者の位置より作業者の作業空間上の位置を推定するセンサを用いてもかまわない。すなわち特定のものに限定されない。時刻発生器4は、時刻情報を出力する装置である。生体センサ1が出力した時刻などを特定するために用いられる。
【0022】
なお、図16に示す作業者の異常状態管理端末161には、図1の破線13で囲まれた機能を搭載する場合と二点鎖線12で囲まれた領域を搭載する場合があるため、詳細については、図16〜図19を参照して後記する。
【0023】
図2は、工程管理DBのガントチャートの一例を示す図である。横軸が時刻、縦軸が工程内容を表している。例えば、エリアA仮足場施工の作業は、作業開始が時刻a(21)で開始し、時刻b(22)までに作業を終了することを表している。この工程表は、建設施工の開始時に工程時間を計画するが、作業が遅延したり逆に早く終了したりした場合にはその工程の後工程の開始時刻が修正される。なお、ガントチャートとは、一種の棒グラフであり、横棒で作業の進捗状況を表しプロジェクト管理や生産管理などで工程管理に用いられる表のことである。
【0024】
図3は、作業現場の図面DBに格納されている作業現場の図面の一例を示す図である。作業現場の図面には、エリアAの床32、エリアAの床を下方から支える柱31、エリアAの床面に据え付けられる装置B(30)が記載されている。設計図面であれば上面図を利用することができる。
【0025】
通常の図面は図3に示したように施工完了時の完成図面であるが、作業現場における物の配置情報を記載した地図のようなものでもかまわない。本実施形態では、時々刻々変化する現場の図面を利用する。そこで、指定時刻での作業現場の図面生成部7では、工程管理DB5を用いて作業現場の図面DB6の作業現場の図面を加工する。なお、図3の図面に記載の形状は、床、装置、柱などのように部品ごとに属性が定義されているとする。また、作業現場の図面DB6の作業現場の図面には、図3で示した図面の他に、仮足場などの仮設物の据付位置などを記載した図面も登録されているとする。
【0026】
指定時刻での作業現場の図面生成部7の各時刻の図面生成処理は次のように行う。適宜図2を参照する。
図4は、エリアA仮足場施工前の生成図面の例を示す図である。図5は、エリアA仮足場施工後の生成図面の例を示す図である。図6は、エリアA床板施工後の生成図面の例を示す図である。図7は、装置B組立て用仮足場施工後の生成図面の例を示す図である。図8は、装置B組立て後の生成図面の例を示す図である。図9は、装置B組立て用仮足場撤去後の生成図面の例を示す図である。
【0027】
図2に示す時刻a(21)では、エリアA仮足場施工前である、従って図3からエリアAの床を支える柱31の属性のみを残した図面を生成する。生成図面は図4のようになる。図2に示す時刻b(22)では、エリアA仮足場施工完了時刻である。従って、図5に示すように、柱31の他に仮足場50の形状を追加した図面を生成し出力する。以後同様の処理を行うことにより、図2に示す時刻c(23)では仮足場50が撤去されエリアAの床(32)が追加された図6が、図2に示す時刻d(24)では、装置B組立て仮足場(70)が追加された図7が、図2に示す時刻e(25)では、仮足場(70)の中に装置B(30)が追加された図8が、そして図2に示す、エリアAの作業終了時刻である時刻f(26)では、仮足場(70)が撤去され図3と同じ図面である図9が出力される。このような処理を行うことにより時々刻々変化する現場の図面を出力することができる。
【0028】
次に異常状態の認識部2の処理について説明する。
認識方法は、予め異常状態の項目を設けておき、その項目に近いセンサ情報が出力された場合に異常状態が発生したと認識する手法や、通常状態を常に認識しておき、その状態から外れるような認識結果が得られた場合に異常状態と認識する手法を用いる。
【0029】
前者の手法は、例えば、特許文献2で用いられている手法を用いることができる。特許文献2では、加速度センサを用いて作業者の加速度変化を観測している。作業指示書などの作業工程情報を基にこの工程で行う作業者の動作項目を絞り込み、絞り込んだ動作項目に関して、周波数解析や相関処理などの手法を用いて認識処理を行っている。
【0030】
本実施形態では、動作項目の中に、「つまずく」「転ぶ」「飛び降りる」などのように、この工程の作業内容(図1の工程管理DB5を参照して)とは異なり、災害に結びつくような動作項目を異常状態の認識部2の認識項目として追加する。
【0031】
図10は、歩行中のつまずき波形例を示す図である。横軸は経過時間、縦軸は作業者に取り付けた加速度センサの鉛直方向の加速度変化である。通常の歩行動作中はピーク100,101のように周期的な加速度のピーク値が現れる。ところがつまずいた場合には、102のようにピーク100,101とは異なり周期性のない波形が観測される。そこで、このような波形が観測された場合に、異常状態の認識部2は「つまずき」が発生したと認識する。認識手法としては、時間周波数解析を行い、歩調のスペクトル以外のスペクトルが発生したら「つまずき」として認識する。
【0032】
図11は、時間周波数解析を行った結果を示す図である。横軸が周波数、縦軸がスペクトル強度、奥行きが時間である。歩行時には波形110のように歩調周期を表す綺麗なスペクトルが発生する。ところが、図10の波形102のようなつまずきが発生するとこれまでの歩調スペクトル以外の周波数に波形111のようなスペクトルが立つ。従って、このようなスペクトルが立つか否かで、異常状態の認識部2はつまずきの発生を認識することができる。
【0033】
ここでは、加速度センサを例にとり認識手法の一例を記載したが、脳波計で「びっくり」した場合に発生する脳波の波形形状を用いて「びっくり」を認識してもよいし、皮膚のインピーダンスを観測しておき、「ひやり」とした場合に生じる皮膚のインピーダンス変化を用いて認識してもかまわない。
【0034】
もうひとつの認識方法である、通常状態を認識しておきその状態から離れると異常状態であると認識する手法は次のようにして行う。一例として作業者の移動軌跡の変化を用いて認識する手法を説明する。
【0035】
図12は、作業者の移動軌跡を示す図である。軌跡120,121,122,123がそれぞれの作業者の移動軌跡である。作業通路がありそこを作業者が通過している例である。軌跡120,121,122はほぼ同じ経路を通過しているが、軌跡123は領域124において他の3人とは別の軌跡をたどって移動している。つまり、異常状態の認識部2は、領域124の領域では他の3人とは異なる事象が発生していると推測し、これを異常状態として認識する。発生した事象が何であるかはこの移動軌跡から判定することはできない。そこで、後で作業者にヒアリングして事象の原因を調査してもよいし、原因不明のままで異常状態として認識してもかわなない。原因不明のままでの何らか通常とは異なる事象が発生しているので異常状態の統計指数としてはそのままでも利用可能である。
【0036】
なお、移動軌跡以外の場合でも同様の処理が可能である。例えば、常時脳波をモニタリングしておき工程の変化がないのに今までの脳波の波形と異なる波形が観測された場合に異常状態が発生したとして認識してもかわない。
【0037】
異常状態の認識部2で認識された結果は、工程情報、現場環境図面の選択部8で選択した作業者近辺の現場環境(対応する図面や周囲の構造物や装置の組立て進捗状況)及び自己位置センサ3で検出した位置情報及び時刻発生器4から取得した時刻情報と共に、異常状態の蓄積DB9に登録される。
【0038】
図20は、異常状態の蓄積DBの一例を示す図である。異常状態の蓄積DB9には、異常状態の発生の日時、作業者ID、異常状態の発生の位置座標、工程、図面ID、異常状態を含んで構成される。なお、作業者IDは、図16に示す作業者の異常状態管理装置100が、受信した作業者の異常状態管理端末161の識別IDから、データベースに登録されている作業者IDを特定してもよいし、作業者の異常状態管理端末161が生体センサ1(図1参照)の情報を送信するときに、作業者IDと関連づけて送信してもよい。なお、IDはidentificationの略である。
【0039】
図20を参照すると、具体的には、作業者IDが10234の場合、2011年1月20日17時32分に、エリアA床板施工で、「つまずき」の異常状態が登録されている。また、作業者IDが10221の場合、エリアA床板施工で、「つまずき」の異常状態が登録されている。このことから、エリアA床板施工の作業工程で、「つまずき」の危険性がある箇所を蓄積できていることがわかる。
【0040】
次に表示データ生成部11の可視化処理を説明する。
図13は、工程毎の異常状態の発生頻度を示す図である。表示データ生成部11は、異常状態の蓄積DB9に記録されている、異常状態毎の工程情報を基に累積することにより、図13に示すような工程毎の異常状態の累積件数を表示部10(図1参照)に表示することができる。図13を参照すると、どの工程で異常状態が一番多く発生したかを読み取ることができる。また、現在時刻が時刻130の位置とする(時刻130以降の累積発生頻度は、この例の時点では表示されていない)。現在の工程以前の工程20や工程131では時刻130付近で発生した急激な累積発生件数の増加は起きていない。従って、このトレンドを見ることにより現在の工程に何か問題が潜んでいるかもしれないと、処理部は予測することができる。
【0041】
図21は、別の表示例としてエリア毎の発生頻度の例を示す図である。異常状態の蓄積DB9の情報を基にエリア毎の認識項目の累積発生頻度を表した図である。この図によりエリア毎の異常状態の発生頻度を読み取ることができる。具体的には、「つまずき」の異常状態は、エリアBにおいて多く発生しており、「飛び降り」の異常状態は、エリアAにおいて多く発生していることがわかる。
【0042】
図14は、作業現場の異常状態の発生箇所を示す図である。図14は、図13に示した時刻130の時点で発生した異常状態の発生状態を表した図である。箇所140が異常状態の発生箇所である。これは、表示データ生成部11が、現場環境図面の選択部8で選択し、特定した情報を用いて、図7に相当する図面を選択し、異常状態を検知した位置情報を基に図面上に発生場所をプロットしている。異常状態は領域141の破線で囲まれた位置に多く発生しており、仮足場70により通路が狭くなり作業者に何らかの異常状態が発生していると推測される。本実施形態では、工程の進捗に伴い作業環境の図面を更新している。従って、異常状態の発生状況をその時の現場環境を表す図面上に表示可能である。このような推定が可能となっている。
【0043】
図16は、本実施形態の機器構成を示す図である。作業者160は、作業者に取り付ける作業者の異常状態管理端末161を有している。作業者の異常状態管理装置100は、作業者の異常状態管理端末161からの送信データを、無線通信装置162(通信部)を介して受信する。作業者の異常状態管理端末161には、すでに説明したが、図1の破線13で囲まれた機能を搭載する場合と二点鎖線12で囲まれた領域を搭載する場合がある。
【0044】
図1に示す破線13で囲まれた機能を搭載する場合、作業者の異常状態管理端末161に、生体センサ1、自己位置センサ3及び時刻発生器4を搭載する。生体センサ1で収集したデータや自己位置センサ3で検知した自己位置情報は、時刻発生器4から得た収集時刻情報と共に無線通信部を介して、作業者の異常状態管理装置100へ送られる。作業者の異常状態管理装置100では、異常行動の認識部2を含む現場環境の推定処理など破線13以外の処理を行い、異常状態を表示部10に表示させる。
【0045】
本方式は、作業者の異常状態管理端末161側は単なるデータ収集装置として働くため作業者の異常状態管理端末161に搭載するマイクロコンピュータの処理能力はそれほど高くなくてもよい。ただし、収集データをそのまま無線通信部を介して送るためにデータの欠損が起きない程度の通信速度は確保する必要がある。
【0046】
なお、図16では収集データを無線通信で作業者の異常状態管理装置100へ送る構成になっているが、作業者の異常状態管理端末161内に収集データを記憶する手段を設け、作業者160の作業中はこの記憶手段に収集データをロギングし、作業終了後などに記録内容を作業者の異常状態管理装置100へ転送してもかまわない。
【0047】
図1に示す二点鎖線12で囲まれた機能を搭載する場合、作業者の異常状態管理端末161に、生体センサ1、自己位置センサ3及び時刻発生器4に加え、異常状態の認識部2を搭載する。まず、時刻発生器4の時刻情報(作業者の異常状態管理装置100の現在時刻情報でもかまわない)を基に、これから作業者が行う工程情報(作業指示など)の工程で推測される異常状態(「つまずく」「転ぶ」「飛び降りる」など)の認識項目について、無線通信を用いて作業者の異常状態管理端末161へ予め送信しておく。
【0048】
作業者の作業が開始されると作業者の異常状態管理端末161では、生体センサ1を用いて収集したデータを異常状態の認識部2を用いて異常状態の認識を実行する。出力された認識結果及び自己位置センサで取得した自己位置は時刻発生器4から取得した収集時刻と共に無線通信部を介して作業者の異常状態管理装置100へ送信しその後の処理を実行する。
【0049】
本方式は、生体センサ1から収集した生データではなく認識結果を送信するために大幅な通信量の削減が期待できる。また、作業者の異常状態管理端末161内に収集データ(認識結果)を記憶する手段を設ける場合では、同じ記憶容量でも、破線13で囲まれた領域だけを搭載する場合に比べ長時間ロギングできる。ただし、異常状態の認識処理を実時間で実行する必要があるため、実時間で処理可能なマイクロコンピュータを搭載する必要がある。
【0050】
図17及び図18は、自己位置センサ3の取り付けの例を示す図である。図17は自己位置センサ3を作業者160に取り付ける例、図18は自己位置センサ3を壁や天井などの固定場所に取り付ける例である。
【0051】
図17は、作業者160の頭部にカメラを取り付け、天井などに取り付けたID発信装置171,172,173,174を撮影し自己位置を推定する手法を示す説明図である。測位方法の一例を以下に示す。天井に取り付けたID発信装置171などにそれぞれユニークなID情報を付加しそのID情報を照明のON/OFFなどを用いて発信している。ID発信装置の3次元空間的な取り付け位置はID発信装置の取り付け時に測量しており既知である。カメラ175はこれらのID発信装置を動画像で撮影する。動画で撮影することにより照明のON/OFFを時系列に検知できるためIDの復調が可能である。カメラの画角が既知であれば、カメラに撮影された2次元画像上に投影されたID発信装置の位置からカメラ視点方向とID発信装置の方向の角度差が分かる。これを3箇所以上のID発信装置で行えば三点測量の原理で撮影位置(カメラの位置)を推定することがわかる。前記説明では、既知の発信機(発信装置)からの角度差を用いて自己位置を求める方法を説明したが、GPS(全地球測位システム)が代表例である発信機からの距離(電波の飛行時間)などを用いても同様に求めることができる。測位結果は作業者の異常状態管理端末161に送られる。
【0052】
図18は、作業者160に作業者を識別するためのID発信装置181を取り付け、壁などに取り付けた撮影装置180で撮影して作業者160の位置を検知する自己位置検知装置を用いた例である。撮影装置180の位置及びその姿勢角及び画角、更に作業者が居る床面及び身長を既知とする。この場合、撮影装置180の中心位置から2次元画像上に映った作業者の位置を表すIDの点灯位置を結ぶ直線を延長すると延長線上に作業者が居ることになる。更に、作業者は床面に立位の状態で移動しているという条件を付けると、床面に平行で床面から身長分持ち上げた平面と延長線の交点は作業者の実世界基準座標系上での位置を表すことになる。このようにして作業者の位置を検知することができる。
【0053】
なお、本位置検知手法は、カメラ1台で作業者の位置を検出するために作業者が立位の状態で居るという条件を設けたが、ステレオカメラなどのように複数のカメラで位置を計算する手法を用いれば作業者の姿勢の制約条件は不要になる。検知した作業者の位置情報は時刻発生器182の時刻情報(作業者の異常状態管理装置100の時刻情報でもかまわない)と共に作業者の異常状態管理装置100に送られる。
【0054】
なお、図18に示す位置検知手法を用いる場合には、図19に示すような機能の配置となる。自己位置センサ190は、作業者の異常状態管理端末161の外側に置かれる。収集データをそのまま作業者の異常状態管理装置100に送る場合には作業者の異常状態管理端末161には破線192で囲まれた範囲の機能が、異常状態の認識部2を作業者の異常状態管理端末161に搭載する場合には二点鎖線191で囲まれた機能が作業者の異常状態管理端末161に搭載される。
【0055】
本実施形態により異常状態を検出した時点での現場環境と共に発生状況を表示できるため、異常状態の発生要因を推測しやすくなる。また、本実施形態では、予め登録してある異常状態以外でも認識できるため想定以外の異常状態が発生しても認識可能である。
【0056】
(実施形態2)
実施形態1では、現在の作業現場で起こっている異常状態を認識・蓄積し異常状態の発生位置や累積発生頻度などを表示する装置について説明した。実施形態2では、現在の作業現場ばかりではなく過去施工した作業現場で起きた異常状態の発生箇所(発生場所)から現在進行中の現場との類似箇所を探索し、類似地点がある場合には施工前にその危険性を予測しえる作業者の異常状態管理装置100Aの説明を行う。
【0057】
図15は、過去施工した履歴から異常状態の発生を予測する処理ブロックを示す図である。作業者の異常状態管理装置100Aにおいて、異常状態の蓄積DB9、工程管理DB5、作業現場の図面DB6、指定時刻での作業現場の図面生成部7は、図1で説明した処理ブロックの図と同じものである。ただし、異常状態の蓄積DB9には既にこれまでの異常状態が蓄積されているものとする。作業者の異常状態管理装置100Aは、類似工程探索部150の処理部が追加され、表示データ生成部151の処理方法が、表示データ生成部11と異なる。
【0058】
入力装置152(入力部)から、現在の時刻或いは予測したい時刻を入力されると、類似工程探索部150は、異常状態の蓄積DB9に登録されている異常状態発生時の工程に、指定された時刻における工程管理DB5における工程内容と類似箇所があるか否かを検索する。類似箇所とは、例えば、同じ(或いは類似した)装置の組立て工程であったり、指定時刻での作業現場の図面生成部7で生成された図面と異常状態の蓄積DB9に登録されている現場環境とが形状的に類似していたりした場合である。
【0059】
具体的には、類似工程探索部150は、現在の時刻(17:35)が入力されると、入力により指定された時刻(17:35)で工程管理DB5を検索して工程内容を抽出し、抽出された工程内容(例えば、エリアA床板施工)について、異常状態の蓄積DB9を検索し、同じ工程または類似した工程があるか否かを検索する。
【0060】
類似箇所が検出された場合、表示データ生成部151は、表示するデータの生成処理を行う。ここで生成されるデータとは、例えば、類似箇所での異常状態の発生頻度などである。表示データ生成部151は、生成された表示用データを用いて、表示部10に異常行動の発生可能性などを指定時刻での作業現場の図面生成部7で生成した図面上に重ねて表示する。
【0061】
すでに説明した装置などをシステムとして管理してもよい。作業者の異常状態管理装置100を含む作業者の異常状態管理システムは、作業者の異常状態を検出するための異常状態検出センサ(例えば、生体センサ1)及び作業者の所在位置を検出する位置センサ(例えば、自己位置センサ3)の他に、作業現場の時系列変化を表現した工程管理DB5とこの工程管理DBとリンクして作業現場の時系列環境を表した進捗図面(現在の地図)を用いる。また、異常状態の蓄積DB9には、異常状態の状況と位置情報及び工程管理DB5と進捗図面から求めた異常状態発生時の現場環境を蓄積する。
【0062】
異常状態検出手法としては、予め決められたヒヤリハットの認識条件の他に、同一地点を通過または作業中の作業者が通常行っている作業より検出されたセンサデータの変化とは異なるセンサ変化を検出した場合に異常状態であると判定することができる。
【0063】
作業者の異常状態管理装置100A(図15参照)は、異常状態の蓄積DB9に登録されている作業環境と、新たなまたは時刻経過後の現場の工程管理DB5より求めた作業環境とを比較し、類似の作業環境である場合、異常状態が検出される可能性があると予測し表示することができる。
【0064】
本実施形態では、これから新たに作業を開始する工程などのように、実際の作業が開始されておらず、生体センサなどのより異常状態を検出できない場合においても類似環境を探索することにより事前に作業の危険性を評価することが可能になる。
【0065】
本実施形態の作業者の異常状態管理端末161(図16参照)が図1の破線13の場合、作業現場での作業者の異常状態を管理する作業者の異常状態管理装置100を用いて、該作業現場の異常状態管理方法により、異常状態管理装置100は、作業現場での作業の工程情報、該作業の工程情報に基づく作業現場の図面を記憶部に有しており、異常状態管理装置100の処理部は、作業者の力学的な動作を検出するセンサまたは心理的変動を検出するセンサからのセンサ情報を受信すると、センサ情報から正常の範囲を超える動作または心理状態として異常状態と認識した場合、センサ情報により定まる作業者の位置、受信した情報に時刻を特定可能な時刻情報が含まれているときはその時刻情報または受信の時刻に定まる時刻情報に基づく異常状態の発生時刻、及び該発生時刻に基づく作業の工程情報の進捗状態を示す進捗工程を、異常状態情報として記憶部に登録し、作業現場の進捗状態に該当する図面上に、異常状態の発生状況または発生頻度を表示する表示データを作成し、表示部に該表示データを表示することができる。
【0066】
本実施形態の作業者の異常状態管理端末161(図16参照)が図1の二点鎖線12の場合、作業現場での作業者の異常状態を管理する作業者の異常状態管理装置100を用いて、該作業現場の異常状態管理方法により、異常状態管理装置100は、作業現場での作業の工程情報、該作業の工程情報に基づく作業現場の図面を記憶部に有しており、異常状態管理装置の処理部は、作業者の力学的な動作を検出するセンサまたは心理的変動を検出するセンサからのセンサ情報から正常の範囲を超える動作または心理状態として異常状態と認識した異常状態の発生情報を受信した場合、異常状態の発生情報により定まる作業者の位置、異常状態の発生時刻、及び該発生時刻に基づく作業の工程情報の進捗状態を示す進捗工程を、異常状態情報として記憶部に登録し、作業現場の進捗状態に該当する図面上に、異常状態の発生状況または発生頻度を表示する表示データを作成し、表示部に該表示データを表示することができる。
【0067】
本実施形態によれば、作業現場における作業者の異常状態を検知し、検知した場所及びその頻度分布を作業現場の地図に表示し、また、異常状態の発生し易い場所や工程を表示し、作業者の異常状態の発生を低減するための作業支援を行うことができる。特に下記の効果がある。
(1)時々刻々変化する現場環境に対応して作業者の異常状態を検出した場所を表示できる。
(2)予め登録された異常状態以外でも異常状態を検出できる。
(3)過去の異常状態を発生させた現場環境に類似した環境が出現した場合に、異常状態検出センサで検出する前に異常状態が発生する可能性があることを予測することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 生体センサ
2 異常状態の認識部(異常状態の蓄積部)
3 自己位置センサ
4 時刻発生器
5 工程管理DB(工程管理情報)
6 作業現場の図面DB(作業現場の図面情報)
7 指定時刻での作業現場の図面生成部
8 現場環境図面の選択部
9 異常状態の蓄積DB(異常状態の蓄積情報)
10 表示部
11,151 表示データ生成部
100 作業者の異常状態管理装置
150 類似工程探索部
152 入力装置(入力部)
160 作業者
161 作業者の異常状態管理端末
162 無線通信装置(通信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場での作業者の異常状態を管理する作業者の異常状態管理装置であって、
作業工程の工程管理情報及び前記作業現場の図面情報が記憶される記憶部と、
生体センサを含む作業者が作業時に装着する作業者端末から、生体情報、該生体情報と関連づけられた位置情報を受信する通信部と、
前記受信した情報に時刻を特定可能な時刻情報が含まれているときはその時刻情報または前記受信の時刻に定まる時刻情報と、前記工程管理情報及び前記作業現場の図面情報とに基づき、前記時刻情報に該当する作業現場の工程図面を生成する図面生成部と、
前記生成された工程図面のうち、前記位置情報及び時刻情報に基づき作業エリアに該当する工程図面を選択する現場環境図面の選択部と、
前記生体情報が異常状態であるか否かを判定し、該判定が異常状態である場合、前記現場環境図面の選択部で選択された工程図面と関連づけて、異常状態の蓄積情報として前記記憶部に蓄積する異常状態の蓄積部と、
前記異常状態の蓄積情報に基づいて、前記工程管理情報のうち危険な工程または作業現場の危険な箇所を知らせる表示データを生成する表示データ生成部と、を有する
ことを特徴とする作業者の異常状態管理装置。
【請求項2】
前記生体センサは、作業者の力学的な動作を検出するセンサまたは心理的変動を検出するセンサである
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者の異常状態管理装置。
【請求項3】
前記表示データ生成部は、
前記作業工程の進捗を表すガントチャートに、該作業工程毎に前記異常状態の累積発生頻度を対応させて前記表示データを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者の異常状態管理装置。
【請求項4】
前記作業者の異常状態管理装置は、さらに、
入力部から時刻が指定されると、該指定された時刻で前記工程管理情報を検索して工程内容を抽出し、抽出された工程内容について、前記異常状態の蓄積情報を検索し、同じ工程または類似した工程があるか否かを検索する類似工程探索部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業者の異常状態管理装置。
【請求項5】
前記表示データ生成部は、
前記類似工程探索部で前記同じ工程または前記類似した工程があった場合、今後実施される作業工程について、前記異常状態の蓄積情報に基づいて前記同じ工程または前記類似した工程と異常状態の発生頻度とを関連づけた表示データを生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の作業者の異常状態管理装置。
【請求項6】
作業現場での作業者の異常状態を管理する作業者の異常状態管理装置を用いて、該作業現場の異常状態管理方法であって、
前記異常状態管理装置は、前記作業現場での作業の工程情報、該作業の工程情報に基づく作業現場の図面を記憶部に有しており、
前記異常状態管理装置の処理部は、
作業者の力学的な動作を検出するセンサまたは心理的変動を検出するセンサからのセンサ情報を受信すると、
前記センサ情報から正常の範囲を超える動作または心理状態として異常状態と認識した場合、前記センサ情報により定まる作業者の位置、前記受信した情報に時刻を特定可能な時刻情報が含まれているときはその時刻情報または前記受信の時刻に定まる時刻情報に基づく前記異常状態の発生時刻、及び該発生時刻に基づく前記作業の工程情報の進捗状態を示す進捗工程を、異常状態情報として前記記憶部に登録し、
前記作業現場の進捗状態に該当する図面上に、前記異常状態の発生状況または発生頻度を表示する表示データを作成し、表示部に該表示データを表示する
ことを特徴とする作業現場の異常状態管理方法。
【請求項7】
作業現場での作業者の異常状態を管理する作業者の異常状態管理装置を用いて、該作業現場の異常状態管理方法であって、
前記異常状態管理装置は、前記作業現場での作業の工程情報、該作業の工程情報に基づく作業現場の図面を記憶部に有しており、
前記異常状態管理装置の処理部は、
作業者の力学的な動作を検出するセンサまたは心理的変動を検出するセンサからのセンサ情報から正常の範囲を超える動作または心理状態として異常状態と認識した異常状態の発生情報を受信した場合、前記異常状態の発生情報により定まる作業者の位置、前記異常状態の発生時刻、及び該発生時刻に基づく前記作業の工程情報の進捗状態を示す進捗工程を、異常状態情報として前記記憶部に登録し、
前記作業現場の進捗状態に該当する図面上に、前記異常状態の発生状況または発生頻度を表示する表示データを作成し、表示部に該表示データを表示する
ことを特徴とする作業現場の異常状態管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−80305(P2013−80305A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218848(P2011−218848)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】