作業車両
【課題】エンジン制御について標準モードとエコモードとの切替えが可能な作業車両において、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することができる作業車両を提供する。
【解決手段】作業車両は、作業走行と路上走行とを含む複数の走行区分を切替える副変速部と、この副変速部による路上走行の走行区分について適用される自動シフト制御によりアクセルペダルの操作およびエンジン負荷に対応する変速位置に多段に変速動作する走行変速用の主変速部とを備え、通常の燃費特性による標準モード(N)と低燃費特性によるエコモード(S)の切替え操作によってエンジン制御のモード切替えが可能に構成され、上記副変速部の走行区分の切替えと対応してエンジン制御モードを定める走行区分別のモード設定部(M)を設けたものである。
【解決手段】作業車両は、作業走行と路上走行とを含む複数の走行区分を切替える副変速部と、この副変速部による路上走行の走行区分について適用される自動シフト制御によりアクセルペダルの操作およびエンジン負荷に対応する変速位置に多段に変速動作する走行変速用の主変速部とを備え、通常の燃費特性による標準モード(N)と低燃費特性によるエコモード(S)の切替え操作によってエンジン制御のモード切替えが可能に構成され、上記副変速部の走行区分の切替えと対応してエンジン制御モードを定める走行区分別のモード設定部(M)を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業走行と路上走行とを行うとともに、エンジン出力特性を通常燃費モードと低燃費モードとに切替えが可能な作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
多段変速機による主変速部を備えて一定低車速の作業走行を行う作業車両では、自動シフト制御を備える例があり、すなわち、副変速部の切替えによって路上走行をする場合に、アクセルペダルの踏込み操作に応じて多段変速機の変速位置をエンジン負荷対応で選択することで、路上交通に合わせて幅広い車速範囲で頻繁な変速を可能とする。
【0003】
また、作業車両のエンジン制御については、特許文献1の例の如く、通常の燃費による標準モードに加え、通常よりも低燃費の低燃費モードを備える例があり、モード選択手段によって燃料噴射タイミングと噴射量とを制御することにより、低燃費モードに切り換えることで燃費の向上を可能とする。
【0004】
この場合において、作業者は、モード選択手段の操作により、作業走行時は標準モード、路上走行時は低燃費モードというように、任意にエンジン制御モードを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−231848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、作業走行と路上走行について制御モードが異なる場合は、路上走行に移行する際に、その都度制御モードを切替えるために、モード選択手段の煩わしい操作を強いられるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、エンジン制御について標準モードと低燃費モードとの切替えが可能な作業車両において、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することができる作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、作業走行と路上走行とを含む複数の走行区分を切替える副変速部と、この副変速部による路上走行の走行区分について適用される自動シフト制御によりアクセルペダルの操作およびエンジン負荷に対応する変速位置に多段に変速動作する走行変速用の主変速部とを備え、通常の燃費特性による標準モードと低燃費特性による低燃費モードの切替え操作によってエンジン制御のモード切替えが可能な作業車両において、上記副変速部の走行区分の切替えと対応してエンジン制御モードを定める走行区分別のモード設定部を設けたことを特徴とする。
【0009】
上記作業車両は、モード切替え操作によって標準モードと低燃費モードのエンジン制御モードが切替えられ、低速域の作業走行と自動シフト制御による路上走行の走行区分が副変速部により切替えられ、また、走行区分の切替えとともにモード設定部によりエンジン制御モードが定められる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御による多段の変速位置切替えのエンジン回転数を増速時についてさらに低い回転数に設定してなることを特徴とする。
上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費モードによるエンジン制御に加え、自動シフト制御の場合に多段の変速位置の増速切替えの自動シフトが低回転数で行われる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の構成において、前記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御のペダル踏込みによるエンジン回転増加指示の時期をさらに遅い時期に設定してなることを特徴とする。
上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費のエンジン制御に加えて、自動シフト制御の場合に急加速が抑えられる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明により、上記作業車両は、モード切替え操作によって標準モードと低燃費モードのエンジン制御モードが切替えられ、低速域の作業走行と自動シフト制御による路上走行の走行区分が副変速部により切替えられ、また、走行区分の切替えとともにモード設定部によりエンジン制御モードが定められる。したがって、副変速部の切換えによって路上走行に移行したときは、別途設定したエンジン制御モードが適用された上で自動シフト制御によりアクセルペダルの操作に応じて多段に変速されることから、エンジン制御モードの切替え操作による任意のモード切替えを確保しつつ、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することが可能となる。
【0013】
請求項2に係る発明により、請求項1の効果に加え、上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費モードによるエンジン制御に加え、自動シフト制御の場合に多段の変速位置の増速切替えの自動シフトがさらに低回転数で行われることから一層の低燃費運転が確保される。
【0014】
請求項3に係る発明により、請求項1の効果に加え、上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費のエンジン制御に加えて、自動シフト制御の場合に急加速が抑えられて安定化されるとともに一層の低燃費運転が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】走行制御システムのブロック構成図
【図2】走行制御システムの制御処理例のフローチャート
【図3】低燃費モードの制御の第1の制御例のフローチャート
【図4】低燃費モードの制御の第2の制御例のフローチャート
【図5】エンジン負荷率対応制御のフローチャート
【図6】調整モード用のフローチャート
【図7】ガバナモード設定によるフローチャート
【図8】負荷制御用のフローチャート
【図9】コモンレールエンジンの説明模式図
【図10】エンジン回転数制御モードと対比図
【図11】エンジンの出力特性図
【図12】エンジン制御システム構成図
【図13】水平制御機能付きの場合のDPF再生のフローチャート
【図14】副変速がニュートラルの場合のDPF再生のフローチャート
【図15】エンジン回転制御によるDPF再生のフローチャート
【図16】再生処理の進捗状況の表示例
【図17】すすレベルの表示例
【図18】DPF自動再生開始のフローチャート
【図19】自動再生時のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の適用対象となるトラクタ等の作業車両は、燃料噴射制御が可能なエンジンと、その動力を受けて前後輪を変速駆動するとともに作業機に動力を供給するトランスミッションとを備え、このトランスミッションの走行伝動系には、作業走行と路上走行を含む複数の走行区分に切替える副変速部と、複数段のギヤ比によって車速を多段に切替える主変速部とを内設する。
【0017】
また、操縦席には、副変速レバー、増減速スイッチ、アクセルペダル等の車速調節用の操作具のほか、モード選択手段である燃費モード切替スイッチ134等を備え、これら操作具の操作に応じて主変速部をシフト制御する走行制御システムにより、ロータリ耕耘機等の作業機を連結駆動して作業走行を行うとともに、路上走行を可能に構成する。
【0018】
走行制御システムは、そのブロック構成図を図1に示すように、エンジン回転を制御するエンジンコントローラC2との間で各種情報を送受信可能に走行系コントローラC1を設け、この走行系コントローラC1に副変速レバーLによるシフトポジション信号および燃費モード切替スイッチ134によるモード切替信号、その他の操作具等の信号を受けて主変速部をシフト制御することにより、エンジン制御と車速制御を統括可能に構成する。
【0019】
エンジンコントローラC2は、走行系コントローラC1から回転指示を受けてエンジン回転を制御するとともに、エンジン制御情報としてアクセルセンサ、負荷率、エンジン回転数、エンジン制御回転数等を走行系コントローラC1に送信し、また、後に詳述するエンジン燃費制御によって燃料噴射タイミングと噴射量とを制御することにより、走行系コントローラC1から受ける標準モード指令、低燃費モード指令に応じて、通常の燃費による標準モードと通常よりも低燃費の低燃費モードを切替え可能に構成する。
【0020】
走行系コントローラC1の入力側には、副変速部について低速、中速、高速の作業走行および路上走行の走行区分を変速シフト操作によって切替える副変速レバーLのシフトポジション信号を受けるとともに、同コントローラC1によって主変速部の多段の変速位置を切替制御可能に構成し、作業走行の走行区分においては、増減速スイッチにより変速位置を順次切替えることにより、走行区分の車速域について一定車速走行を行うほか、路上走行の走行区分においては、自動シフト制御の適用により、アクセルペダルの踏込み操作とエンジン負荷に応じて変速位置を自動切替えを行う。
【0021】
また、走行系コントローラC1には、燃費モード切替スイッチ134の信号を受け、この燃費モード切替スイッチ134の操作に応じてエンジン燃費モードを切替え可能に構成するとともに、走行区分別の燃費モード記憶エリアMを設けて副変速レバーLのシフト操作と対応して燃費モードを切替え可能に構成する。例えば、路上走行に適用する燃費モードとして標準モード、路上走行以外の走行区分に適用する燃費モードとして低燃費モードを別途設定操作することによってそれぞれ記憶する。
【0022】
上記構成の作業車両の走行制御システムの制御処理例について説明すると、フローチャートを図2に示すように、センサスイッチ類の読込処理のステップ1(以下において、「S1」の如く略記する。)において副変速位置等を読込んだ後に、副変速位置について「路上走行」であることの当否判定処理(S2)を行う。
【0023】
この判定処理(S2)において該当であれば、路上走行位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセット(S3a)し、次いで、燃費モードスイッチ操作有りの当否判定処理(S3b)によって該当すれば、標準モードをA、低燃費モードをBと表記して現在の燃費モードがAであれば路上走行位置燃費モードをBにセットして記憶し、非該当であればAにセットして記憶(S3c〜S3e)する。
【0024】
この制御処理により、副変速レバーLが路上走行位置の場合に、事前に設定した路上走行用の燃費モードが適用され、この時、作業者が燃費モード切替スイッチ134の操作をすることにより、その意に沿って燃費モードを切替えることができる。
【0025】
また、上記判定処理(S2)において非該当であれば、作業位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセット(S4a)し、以下同様の制御処理(S4b〜S4e)により、副変速レバーLが作業走行位置の場合に、事前に設定した作業走行用の燃費モードが適用され、この時、作業者が燃費モード切替スイッチ134の操作をすることにより、その意に沿って燃費モードを切替えることができる。
【0026】
このように走行制御システムを構成することにより、モード切替え操作によって標準モードと低燃費モードのエンジン制御燃費モードが切替えられ、低速域の作業走行と自動シフト制御による路上走行の走行区分が副変速部により切替えられ、また、走行区分の切替えとともにモード設定部により燃費モードが定められる。したがって、副変速部の切換えによって路上走行に移行したときは、別途設定による燃費モードが適用された上で自動シフト制御によりアクセルペダルの操作に応じて多段に変速されることから、エンジン制御モードの切替え操作による任意のモード切替えを確保しつつ、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することが可能となる。
【0027】
次に、エンジン燃費制御における低燃費モードの制御方法の例を説明する。
低燃費モードの制御の第1の制御例は、フローチャートを図3に示すように、路上走行位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセットした場合において、燃費モードが「低燃費モード」であれば、自動増速するエンジン回転数を標準より低く設定(S21a,S21b)する。例えば、5速から6速に増速する回転数の標準が1450rpmの場合に、―50rpmの1400rpmとして増速する。
【0028】
このように、低燃費モードによるエンジン制御に加え、自動シフト制御の場合について、少なくとも1つの変速位置の増速切替えが低回転数で行われることから、一層の低燃費運転が確保される。
【0029】
また、低燃費モードの制御の第2の制御例は、フローチャートを図4に示すように、路上走行位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセットした燃費モードが「低燃費モード」の場合において、アクセル変化が増加方向あれば、エンジン回転数の指示を「鈍」にセット(S22a,S22b)し、回転指示の上昇に限って追従を遅らせる。例えば、アクセルセンサ値を移動平均処理によって上昇側の回転数変化の指示タイミングを標準より遅らせることにより、低燃費のエンジン制御に加えて、自動シフト制御における急加速が抑えられて加速が安定化されるとともに一層の低燃費運転が確保される。
【0030】
この場合において、エンジン回転の増加指示をエンジン負荷率の大きさに合わせて鈍らせ方を変える制御方法でもよい。すなわち、エンジン負荷率対応制御のフローチャートを図5に示すように、アクセル変化が増加方向の場合について、エンジン負荷率が大であれば、エンジン回転数指示を「標準勾配」にセット(S23a,S23b)し、非該当であればエンジン回転数指示を「鈍勾配」にセット(S23c)する。
【0031】
例えば、負荷率が低いときは、アクセルセンサ指示値の移動平均の個数を増加させて回転指示の勾配を緩くし、負荷率が高くなるに従って移動平均の個数を0に近づけて回転指示の勾配を「アクセルセンサ指示値=エンジン回転筋値」とする。
【0032】
(調整モード)
次に、調整モードについて説明すると、そのためのフローチャートを図6に示すように、トラクタの初期調整などの各調整モードでは、燃費モード設定を省エネモードに切替え(S31a,S31b)を行うようにエンジン制御を構成する。このように、調整モードの時は馬力が少なくても実行可能なので、省エネモードで行うことにより、燃料消費を抑えることができる。
【0033】
この場合において、ガバナモード設定についてのフローチャートを図7に示すように、後に詳述するガバナモード設定を「アイソクロナスモード」とする(S32a,S32b)ことにより、エンジン回転が安定化されるので、確実な調整が可能となる。
【0034】
また、アイソクロナスモードではエンジン回転が常に一定であることから、昇降制御モードが負荷制御の時は、フローチャートを図8に示すように、この場合に限り、ガバナモード設定を「ドループ制御」とすることにより、上記調整モードにおいて有効な負荷制御を行うことができる。
【0035】
(蓄圧式燃料噴射装置)
ここで、通常燃費と低燃費を切替えるためのエンジン燃費制御について、蓄圧式燃料噴射装置の例により説明する。
図9の蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図に示すように、蓄圧式燃料噴射装置は、例えば、多気筒ディーゼル機関に適用されるものであるが、ガソリン機関でもよい。そして、蓄圧式燃料噴射装置は、燃料を適宜に制御する噴射圧力に蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1に取り付けられるレール圧センサ2と、燃料タンク3より汲み上げた燃料を加圧してコモンレール1に圧送する燃料高圧ポンプ4と、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料をエンジンEのシリンダ5内に噴射する高圧インジェクタ6と、前記燃料高圧ポンプ4と高圧インジェクタ6やその他の制御などの動作を制御する制御装置(エンジンECU12)等から構成される。
このように、コモンレール1は、エンジンEの各シリンダ5へ噴射する燃料を、要求された出力に必要な圧力とするものである。
【0036】
前記燃料タンク3内の燃料は吸入通路により燃料フィルタ7を介してエンジンEで駆動される燃料高圧ポンプ4に吸入され、この燃料高圧ポンプ4によって加圧された高圧燃料は吐出通路8によりコモンレール1に導かれて蓄えられる。
【0037】
コモンレール1内の高圧燃料は各高圧燃料供給通路9により気筒数分の高圧インジェクタ6に供給され、エンジン制御装置(ECU)12からの指令に基づき、高圧インジェクタ6が作動して、高圧燃料がエンジンEの各シルンダ5室内に噴射供給され、各高圧インジェクタ6での余剰燃料(リターン燃料)は各リターン通路10により共通のリターン通路10aへ導かれ、このリターン通路10aによって燃料タンク3へ戻される。
【0038】
また、コモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御するため燃料高圧ポンプ4に圧力制御弁11が設けられており、この圧力制御弁11はエンジンECU12からの信号によって、燃料高圧ポンプ4から燃料タンク3への余剰燃料のリターン通路10aの流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール1側への燃料供給量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
【0039】
具体的には、エンジンEの運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧センサ2により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁11を介してコモンレール圧をフィードバック制御する構成としている。
【0040】
トラクタなどの農作業機におけるコモンレール1を有するディーゼルエンジンEのエンジンECU12は、図10に示すように、回転数と出力トルクの関係においてエンジン回転数変動制御モード(ドループモード)Aとエンジン回転数維持制御モード(アイソクロナスモード)B及び重負荷モードCの三種類の制御モード(ガバナモード)を有する構成としている。
【0041】
エンジン回転数変動制御モードAは、エンジン回転数の変動で出力も変動するものである。基本的は移動走行する場合に使用するものであるが、急激なエンジンストールを防止するために作業中でも使用する。例えば、移動走行の場合は、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができるものである。また、作業中においては、作業負荷が作用すると、負荷に応じてエンジン回転数が低下していくものである。
【0042】
エンジン回転数維持制御モードBは、負荷が増大してもエンジン回転数を一定に維持する制御である。基本的には作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタであれば耕うん作業時に圃場が固く耕うん刃に抵抗が掛かるときなどであり、コンバインであれば収穫作業時に負荷が増大したときでも、回転数を維持するときなどである。
【0043】
重負荷モードCは、エンジン回転数維持制御モードBと同様に負荷が変動してもエンジン回転数を一定に維持する制御に加え、負荷限界近くになると回転数を上昇させて出力を上げる重負荷制御を加えた制御である。特に、負荷限界近くで作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタで耕うん作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断することがなく、効率の良い作業が可能となる。
【0044】
図11は、エンジンEの出力特性を表わす回転数と出力の関係図である。
低燃費のエンジン出力カーブSと標準のエンジン出力カーブNは、エンジン回転数(rpm)と出力(kw)との関係を示している。
【0045】
低燃費のエンジン出力カーブSは、標準のエンジン出力カーブNの燃料消費率よりも燃料供給量を低下させた制御で、この低燃費のエンジン出力カーブSは、全回転域で出力が標準のエンジン出力カーブNよりも出力が1割程度低下する。
符号STは、低燃費のエンジン出力カーブSのときのエンジン回転数(rpm)とトルク(N・m)との関係を示しており、符号NTは、標準のエンジン出力カーブNのときのエンジン回転数(rpm)とトルク(N・m)との関係を示している。
【0046】
低燃費のエンジン出力カーブSと標準のエンジン出力カーブNを切り換えてエンジンEを使用するには、モード選択手段(以下、エンジンパワー選択スイッチという)134を操作して設定する。
トラクタが走行するときにはエンジン回転数変動制御モードAに自動的に切換える。そして、前記エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択し、トラクタに装着した作業機を駆動するPTO駆動手段(以下、PTO駆動スイッチという)151の入り状態が共に有効にされることで、エンジン回転数維持制御モードBに自動的に切換える構成とする。PTO駆動手段については、レバーなどの操作をスイッチ等で検出する構成としてもよい。
【0047】
前記エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、作業機を駆動するPTO駆動スイッチ151の入り状態が共に有効にされることで、エンジン回転数変動制御モードAに自動的に切換えるように構成する。
【0048】
エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択して、PTO駆動スイッチ151を入り状態としての作業中は、自動的にエンジン回転数維持制御モードBでエンジン回転数制御を行う。そして、エンジン負荷に余裕があると判断すると、モード選択手段134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択するが、この選択で自動的にエンジン回転数変動制御モードAに切換わる。
【0049】
エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、PTO駆動スイッチ151を入り状態としての作業中は、自動的にエンジン回転数変動制御モードAでエンジン回転数制御を行う。そして、エンジン負荷に余裕が無いと判断すると、エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択するが、この選択で自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切換わる。
【0050】
低燃費のエンジン出力カーブSの許容最大負荷は、標準のエンジン出力カーブNの許容最大負荷よりも低いので、許容最大負荷に達する可能性が高い。このため、仮に低燃費のエンジン出力カーブSの選択状態において、エンジン回転数維持制御モードBで作業を行う場合において許容最大負荷に達すると、一気にエンジンストールしてしまうという不具合が発生する。
【0051】
そこで、低燃費のエンジン出力カーブSでエンジン回転数変動制御モードAで作業を行うと、負荷の作用に応じてエンジン回転数が低下していくので、一気にエンジン回転数がストールしてしまって、エンジンを再始動しなくてはならないという不具合を防止できるようになる。また、負荷に応じてエンジン回転数が低下していくので、作業者は負荷の状態を容易に把握し易くなる。
【0052】
また、エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択し、作業機を駆動するPTO駆動スイッチ151の入り状態が共に有効にされることで、自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切換えるように構成したので、エンジン自体が持っている許容最大負荷まで一定の回転数で作業できるので、エンジン自体の能力を最大に引き出して、作業能率を向上させることができるようになる。
【0053】
(DPF再生)
次に、DPFと略称されるディーゼル微粒子捕集フィルターの再生制御について説明する。
DPF21は、エンジン制御システム構成図を図12に示すように、煤を溜めるハニカム構造のフィルタによる本体部と、その入口側で230℃以上で酸化反応するDOC部とから構成され、それぞれの部位の温度情報を受けるECU12によってDPF再生の要否を判定し、自動あるいは手動の再生指令によりエンジンEを燃焼制御することによって再生処理がなされる。
【0054】
DPF再生のためにはDPF内の温度を約550℃以上にして捕集微粒子を燃焼する必要があり、エンジンEにかかる負荷が少ないと、ポスト噴射を行ってDPF21の温度を上昇させるとしても長時間を要することから、その分の燃料消費を避けることができないという問題があった。
【0055】
その解決のために、水平制御機能付きの機種におけるDPF再生は、そのフローチャートを図13に示すように、手動再生を行う際に、自動で水平シリンダをオンにして伸びあるいは最縮みにする(S41a,S41b)ことにより、油圧のリリーフを吹かせてエンジンに掛かる負荷を増加させ、DPF再生に必要な温度に素早く昇温することで、再生処理を迅速化することができる。
【0056】
また、副変速がニュートラルの条件が成立している場合の手動によるDPF再生は、そのフローチャートを図14に示すように、走行系のクラッチ(リバース、主変速、Hi−Lo)を全て接続状態にしてエンジンにEに少しでも負荷を掛けることにより、DPF再生の行程を早く完了させることができる。
【0057】
また、エンジン回転制御による場合のDPF再生は、そのフローチャートを図15に示すように、手動再生を行う際に、エンジン回転を自動で高回転アイドルであるフルアイドルに変更する(S43a,S43b)ことによって排気温度が高温になりやすくなるので、DPF手動再生の行程を早く完了させることができる。
【0058】
(再生進捗状況)
また、DPF再生はDPF温度が550℃以上で約15分程度のエンジン連続運転を行う必要があり、ひとたび再生動作に入った後にエンジンを停止すると逆に煤が溜まることから、液晶表示装置を装備したものにおいては、DPF手動再生のモードに入ったときに、図16の表示例に示すように、再生処理の進捗状況を表示することにより、DPFの再生完了までのおおよその進捗状況(時間等)を把握することができ、再生の終了予定に基づくその後の作業計画やエンジン稼動のまま放置しておく時間を計算することができる。
【0059】
(煤レベル)
その一方、トラクタにおけるDPF内の煤の堆積量については、耕耘、代掻き、酪農作業、ローダ作業等の多岐に亘る作業内容および高負荷作業によるDPF自動再生等の作業負荷の内容と大きさにより、DPF内に溜まる煤量が大きく変動することから、必要とされる手動再生の実施時期の把握が非常に困難であるという課題がある。
【0060】
そこで、DPF内の煤レベルを図17の表示例のごとく液晶表示装置に画面表示することにより、作業者が手動再生を行う時期を的確に判断できることから、無駄に手動再生を行うこともなくなり、無駄な燃料使用を抑えることができる。
【0061】
(自動再生)
DPFの自動再生については、エンジンに掛かる負荷が高い方が望ましく、また、DPF再生時にポスト噴射を行う場合は燃費が悪化するので頻繁な実施は好ましくないので、DPF自動再生のタイミングについては、フローチャートを図18に示すように、作業機昇降位置およびPTOスイッチ状態等により、作業中と判断され(S51a)、かつ、DPF内の煤レベルが所定量以上(S51b)になったときに、自動再生開始(S51c)とすることにより、一番無駄の少ないタイミングにおけるDPF再生が可能となる。
【0062】
また、DPF再生には、DPF内温度を550℃以上にして15分以上連続動作させる必要があり、途中で中断した場合は逆に煤が溜まることから、自動再生時は、そのフローチャートを図19に示すように、自動再生開始(S52a)とともに液晶表示やブザー等による報知(S52b)を行うことにより、一度自動再生に入ったら終了するまで連続動作させることで効率的に煤の燃焼を行うことができる。
【0063】
また、トラクタが複数の作業者によって使用される場合は、作業者毎に作業内容が異なり、作業負荷も異なることから、DPFの再生タイミング異なることとなるので、エンジンECMよりエンジン負荷率を取得し、エンジン負荷率の平均値により使用した作業者による作業負荷を判断し、それに応じてDPF自動再生のタイミングを決定することにより、再生時期を推測することができ、より精度の高いDPF再生を行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
12 ECU
134 モード切替スイッチ(モード選択手段)
A エンジン回転数変動制御モード
B エンジン回転数維持制御モード
C1 走行系コントローラ
C2 エンジンコントローラ
E ディーゼルエンジン
L 副変速レバー
M 燃費モード記憶エリア
N 標準出力カーブ
S 低燃費出力カーブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業走行と路上走行とを行うとともに、エンジン出力特性を通常燃費モードと低燃費モードとに切替えが可能な作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
多段変速機による主変速部を備えて一定低車速の作業走行を行う作業車両では、自動シフト制御を備える例があり、すなわち、副変速部の切替えによって路上走行をする場合に、アクセルペダルの踏込み操作に応じて多段変速機の変速位置をエンジン負荷対応で選択することで、路上交通に合わせて幅広い車速範囲で頻繁な変速を可能とする。
【0003】
また、作業車両のエンジン制御については、特許文献1の例の如く、通常の燃費による標準モードに加え、通常よりも低燃費の低燃費モードを備える例があり、モード選択手段によって燃料噴射タイミングと噴射量とを制御することにより、低燃費モードに切り換えることで燃費の向上を可能とする。
【0004】
この場合において、作業者は、モード選択手段の操作により、作業走行時は標準モード、路上走行時は低燃費モードというように、任意にエンジン制御モードを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−231848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、作業走行と路上走行について制御モードが異なる場合は、路上走行に移行する際に、その都度制御モードを切替えるために、モード選択手段の煩わしい操作を強いられるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、エンジン制御について標準モードと低燃費モードとの切替えが可能な作業車両において、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することができる作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、作業走行と路上走行とを含む複数の走行区分を切替える副変速部と、この副変速部による路上走行の走行区分について適用される自動シフト制御によりアクセルペダルの操作およびエンジン負荷に対応する変速位置に多段に変速動作する走行変速用の主変速部とを備え、通常の燃費特性による標準モードと低燃費特性による低燃費モードの切替え操作によってエンジン制御のモード切替えが可能な作業車両において、上記副変速部の走行区分の切替えと対応してエンジン制御モードを定める走行区分別のモード設定部を設けたことを特徴とする。
【0009】
上記作業車両は、モード切替え操作によって標準モードと低燃費モードのエンジン制御モードが切替えられ、低速域の作業走行と自動シフト制御による路上走行の走行区分が副変速部により切替えられ、また、走行区分の切替えとともにモード設定部によりエンジン制御モードが定められる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御による多段の変速位置切替えのエンジン回転数を増速時についてさらに低い回転数に設定してなることを特徴とする。
上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費モードによるエンジン制御に加え、自動シフト制御の場合に多段の変速位置の増速切替えの自動シフトが低回転数で行われる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の構成において、前記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御のペダル踏込みによるエンジン回転増加指示の時期をさらに遅い時期に設定してなることを特徴とする。
上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費のエンジン制御に加えて、自動シフト制御の場合に急加速が抑えられる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明により、上記作業車両は、モード切替え操作によって標準モードと低燃費モードのエンジン制御モードが切替えられ、低速域の作業走行と自動シフト制御による路上走行の走行区分が副変速部により切替えられ、また、走行区分の切替えとともにモード設定部によりエンジン制御モードが定められる。したがって、副変速部の切換えによって路上走行に移行したときは、別途設定したエンジン制御モードが適用された上で自動シフト制御によりアクセルペダルの操作に応じて多段に変速されることから、エンジン制御モードの切替え操作による任意のモード切替えを確保しつつ、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することが可能となる。
【0013】
請求項2に係る発明により、請求項1の効果に加え、上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費モードによるエンジン制御に加え、自動シフト制御の場合に多段の変速位置の増速切替えの自動シフトがさらに低回転数で行われることから一層の低燃費運転が確保される。
【0014】
請求項3に係る発明により、請求項1の効果に加え、上記低燃費モードによるエンジン制御は、低燃費のエンジン制御に加えて、自動シフト制御の場合に急加速が抑えられて安定化されるとともに一層の低燃費運転が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】走行制御システムのブロック構成図
【図2】走行制御システムの制御処理例のフローチャート
【図3】低燃費モードの制御の第1の制御例のフローチャート
【図4】低燃費モードの制御の第2の制御例のフローチャート
【図5】エンジン負荷率対応制御のフローチャート
【図6】調整モード用のフローチャート
【図7】ガバナモード設定によるフローチャート
【図8】負荷制御用のフローチャート
【図9】コモンレールエンジンの説明模式図
【図10】エンジン回転数制御モードと対比図
【図11】エンジンの出力特性図
【図12】エンジン制御システム構成図
【図13】水平制御機能付きの場合のDPF再生のフローチャート
【図14】副変速がニュートラルの場合のDPF再生のフローチャート
【図15】エンジン回転制御によるDPF再生のフローチャート
【図16】再生処理の進捗状況の表示例
【図17】すすレベルの表示例
【図18】DPF自動再生開始のフローチャート
【図19】自動再生時のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の適用対象となるトラクタ等の作業車両は、燃料噴射制御が可能なエンジンと、その動力を受けて前後輪を変速駆動するとともに作業機に動力を供給するトランスミッションとを備え、このトランスミッションの走行伝動系には、作業走行と路上走行を含む複数の走行区分に切替える副変速部と、複数段のギヤ比によって車速を多段に切替える主変速部とを内設する。
【0017】
また、操縦席には、副変速レバー、増減速スイッチ、アクセルペダル等の車速調節用の操作具のほか、モード選択手段である燃費モード切替スイッチ134等を備え、これら操作具の操作に応じて主変速部をシフト制御する走行制御システムにより、ロータリ耕耘機等の作業機を連結駆動して作業走行を行うとともに、路上走行を可能に構成する。
【0018】
走行制御システムは、そのブロック構成図を図1に示すように、エンジン回転を制御するエンジンコントローラC2との間で各種情報を送受信可能に走行系コントローラC1を設け、この走行系コントローラC1に副変速レバーLによるシフトポジション信号および燃費モード切替スイッチ134によるモード切替信号、その他の操作具等の信号を受けて主変速部をシフト制御することにより、エンジン制御と車速制御を統括可能に構成する。
【0019】
エンジンコントローラC2は、走行系コントローラC1から回転指示を受けてエンジン回転を制御するとともに、エンジン制御情報としてアクセルセンサ、負荷率、エンジン回転数、エンジン制御回転数等を走行系コントローラC1に送信し、また、後に詳述するエンジン燃費制御によって燃料噴射タイミングと噴射量とを制御することにより、走行系コントローラC1から受ける標準モード指令、低燃費モード指令に応じて、通常の燃費による標準モードと通常よりも低燃費の低燃費モードを切替え可能に構成する。
【0020】
走行系コントローラC1の入力側には、副変速部について低速、中速、高速の作業走行および路上走行の走行区分を変速シフト操作によって切替える副変速レバーLのシフトポジション信号を受けるとともに、同コントローラC1によって主変速部の多段の変速位置を切替制御可能に構成し、作業走行の走行区分においては、増減速スイッチにより変速位置を順次切替えることにより、走行区分の車速域について一定車速走行を行うほか、路上走行の走行区分においては、自動シフト制御の適用により、アクセルペダルの踏込み操作とエンジン負荷に応じて変速位置を自動切替えを行う。
【0021】
また、走行系コントローラC1には、燃費モード切替スイッチ134の信号を受け、この燃費モード切替スイッチ134の操作に応じてエンジン燃費モードを切替え可能に構成するとともに、走行区分別の燃費モード記憶エリアMを設けて副変速レバーLのシフト操作と対応して燃費モードを切替え可能に構成する。例えば、路上走行に適用する燃費モードとして標準モード、路上走行以外の走行区分に適用する燃費モードとして低燃費モードを別途設定操作することによってそれぞれ記憶する。
【0022】
上記構成の作業車両の走行制御システムの制御処理例について説明すると、フローチャートを図2に示すように、センサスイッチ類の読込処理のステップ1(以下において、「S1」の如く略記する。)において副変速位置等を読込んだ後に、副変速位置について「路上走行」であることの当否判定処理(S2)を行う。
【0023】
この判定処理(S2)において該当であれば、路上走行位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセット(S3a)し、次いで、燃費モードスイッチ操作有りの当否判定処理(S3b)によって該当すれば、標準モードをA、低燃費モードをBと表記して現在の燃費モードがAであれば路上走行位置燃費モードをBにセットして記憶し、非該当であればAにセットして記憶(S3c〜S3e)する。
【0024】
この制御処理により、副変速レバーLが路上走行位置の場合に、事前に設定した路上走行用の燃費モードが適用され、この時、作業者が燃費モード切替スイッチ134の操作をすることにより、その意に沿って燃費モードを切替えることができる。
【0025】
また、上記判定処理(S2)において非該当であれば、作業位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセット(S4a)し、以下同様の制御処理(S4b〜S4e)により、副変速レバーLが作業走行位置の場合に、事前に設定した作業走行用の燃費モードが適用され、この時、作業者が燃費モード切替スイッチ134の操作をすることにより、その意に沿って燃費モードを切替えることができる。
【0026】
このように走行制御システムを構成することにより、モード切替え操作によって標準モードと低燃費モードのエンジン制御燃費モードが切替えられ、低速域の作業走行と自動シフト制御による路上走行の走行区分が副変速部により切替えられ、また、走行区分の切替えとともにモード設定部により燃費モードが定められる。したがって、副変速部の切換えによって路上走行に移行したときは、別途設定による燃費モードが適用された上で自動シフト制御によりアクセルペダルの操作に応じて多段に変速されることから、エンジン制御モードの切替え操作による任意のモード切替えを確保しつつ、作業走行の後に、煩わしいモード切替操作を要することなく、作業者の意に沿ったモードで路上走行に移行することが可能となる。
【0027】
次に、エンジン燃費制御における低燃費モードの制御方法の例を説明する。
低燃費モードの制御の第1の制御例は、フローチャートを図3に示すように、路上走行位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセットした場合において、燃費モードが「低燃費モード」であれば、自動増速するエンジン回転数を標準より低く設定(S21a,S21b)する。例えば、5速から6速に増速する回転数の標準が1450rpmの場合に、―50rpmの1400rpmとして増速する。
【0028】
このように、低燃費モードによるエンジン制御に加え、自動シフト制御の場合について、少なくとも1つの変速位置の増速切替えが低回転数で行われることから、一層の低燃費運転が確保される。
【0029】
また、低燃費モードの制御の第2の制御例は、フローチャートを図4に示すように、路上走行位置燃費モードを走行区分別の燃費モード記憶エリアMから読出してセットした燃費モードが「低燃費モード」の場合において、アクセル変化が増加方向あれば、エンジン回転数の指示を「鈍」にセット(S22a,S22b)し、回転指示の上昇に限って追従を遅らせる。例えば、アクセルセンサ値を移動平均処理によって上昇側の回転数変化の指示タイミングを標準より遅らせることにより、低燃費のエンジン制御に加えて、自動シフト制御における急加速が抑えられて加速が安定化されるとともに一層の低燃費運転が確保される。
【0030】
この場合において、エンジン回転の増加指示をエンジン負荷率の大きさに合わせて鈍らせ方を変える制御方法でもよい。すなわち、エンジン負荷率対応制御のフローチャートを図5に示すように、アクセル変化が増加方向の場合について、エンジン負荷率が大であれば、エンジン回転数指示を「標準勾配」にセット(S23a,S23b)し、非該当であればエンジン回転数指示を「鈍勾配」にセット(S23c)する。
【0031】
例えば、負荷率が低いときは、アクセルセンサ指示値の移動平均の個数を増加させて回転指示の勾配を緩くし、負荷率が高くなるに従って移動平均の個数を0に近づけて回転指示の勾配を「アクセルセンサ指示値=エンジン回転筋値」とする。
【0032】
(調整モード)
次に、調整モードについて説明すると、そのためのフローチャートを図6に示すように、トラクタの初期調整などの各調整モードでは、燃費モード設定を省エネモードに切替え(S31a,S31b)を行うようにエンジン制御を構成する。このように、調整モードの時は馬力が少なくても実行可能なので、省エネモードで行うことにより、燃料消費を抑えることができる。
【0033】
この場合において、ガバナモード設定についてのフローチャートを図7に示すように、後に詳述するガバナモード設定を「アイソクロナスモード」とする(S32a,S32b)ことにより、エンジン回転が安定化されるので、確実な調整が可能となる。
【0034】
また、アイソクロナスモードではエンジン回転が常に一定であることから、昇降制御モードが負荷制御の時は、フローチャートを図8に示すように、この場合に限り、ガバナモード設定を「ドループ制御」とすることにより、上記調整モードにおいて有効な負荷制御を行うことができる。
【0035】
(蓄圧式燃料噴射装置)
ここで、通常燃費と低燃費を切替えるためのエンジン燃費制御について、蓄圧式燃料噴射装置の例により説明する。
図9の蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図に示すように、蓄圧式燃料噴射装置は、例えば、多気筒ディーゼル機関に適用されるものであるが、ガソリン機関でもよい。そして、蓄圧式燃料噴射装置は、燃料を適宜に制御する噴射圧力に蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1に取り付けられるレール圧センサ2と、燃料タンク3より汲み上げた燃料を加圧してコモンレール1に圧送する燃料高圧ポンプ4と、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料をエンジンEのシリンダ5内に噴射する高圧インジェクタ6と、前記燃料高圧ポンプ4と高圧インジェクタ6やその他の制御などの動作を制御する制御装置(エンジンECU12)等から構成される。
このように、コモンレール1は、エンジンEの各シリンダ5へ噴射する燃料を、要求された出力に必要な圧力とするものである。
【0036】
前記燃料タンク3内の燃料は吸入通路により燃料フィルタ7を介してエンジンEで駆動される燃料高圧ポンプ4に吸入され、この燃料高圧ポンプ4によって加圧された高圧燃料は吐出通路8によりコモンレール1に導かれて蓄えられる。
【0037】
コモンレール1内の高圧燃料は各高圧燃料供給通路9により気筒数分の高圧インジェクタ6に供給され、エンジン制御装置(ECU)12からの指令に基づき、高圧インジェクタ6が作動して、高圧燃料がエンジンEの各シルンダ5室内に噴射供給され、各高圧インジェクタ6での余剰燃料(リターン燃料)は各リターン通路10により共通のリターン通路10aへ導かれ、このリターン通路10aによって燃料タンク3へ戻される。
【0038】
また、コモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御するため燃料高圧ポンプ4に圧力制御弁11が設けられており、この圧力制御弁11はエンジンECU12からの信号によって、燃料高圧ポンプ4から燃料タンク3への余剰燃料のリターン通路10aの流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール1側への燃料供給量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
【0039】
具体的には、エンジンEの運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧センサ2により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁11を介してコモンレール圧をフィードバック制御する構成としている。
【0040】
トラクタなどの農作業機におけるコモンレール1を有するディーゼルエンジンEのエンジンECU12は、図10に示すように、回転数と出力トルクの関係においてエンジン回転数変動制御モード(ドループモード)Aとエンジン回転数維持制御モード(アイソクロナスモード)B及び重負荷モードCの三種類の制御モード(ガバナモード)を有する構成としている。
【0041】
エンジン回転数変動制御モードAは、エンジン回転数の変動で出力も変動するものである。基本的は移動走行する場合に使用するものであるが、急激なエンジンストールを防止するために作業中でも使用する。例えば、移動走行の場合は、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができるものである。また、作業中においては、作業負荷が作用すると、負荷に応じてエンジン回転数が低下していくものである。
【0042】
エンジン回転数維持制御モードBは、負荷が増大してもエンジン回転数を一定に維持する制御である。基本的には作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタであれば耕うん作業時に圃場が固く耕うん刃に抵抗が掛かるときなどであり、コンバインであれば収穫作業時に負荷が増大したときでも、回転数を維持するときなどである。
【0043】
重負荷モードCは、エンジン回転数維持制御モードBと同様に負荷が変動してもエンジン回転数を一定に維持する制御に加え、負荷限界近くになると回転数を上昇させて出力を上げる重負荷制御を加えた制御である。特に、負荷限界近くで作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタで耕うん作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断することがなく、効率の良い作業が可能となる。
【0044】
図11は、エンジンEの出力特性を表わす回転数と出力の関係図である。
低燃費のエンジン出力カーブSと標準のエンジン出力カーブNは、エンジン回転数(rpm)と出力(kw)との関係を示している。
【0045】
低燃費のエンジン出力カーブSは、標準のエンジン出力カーブNの燃料消費率よりも燃料供給量を低下させた制御で、この低燃費のエンジン出力カーブSは、全回転域で出力が標準のエンジン出力カーブNよりも出力が1割程度低下する。
符号STは、低燃費のエンジン出力カーブSのときのエンジン回転数(rpm)とトルク(N・m)との関係を示しており、符号NTは、標準のエンジン出力カーブNのときのエンジン回転数(rpm)とトルク(N・m)との関係を示している。
【0046】
低燃費のエンジン出力カーブSと標準のエンジン出力カーブNを切り換えてエンジンEを使用するには、モード選択手段(以下、エンジンパワー選択スイッチという)134を操作して設定する。
トラクタが走行するときにはエンジン回転数変動制御モードAに自動的に切換える。そして、前記エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択し、トラクタに装着した作業機を駆動するPTO駆動手段(以下、PTO駆動スイッチという)151の入り状態が共に有効にされることで、エンジン回転数維持制御モードBに自動的に切換える構成とする。PTO駆動手段については、レバーなどの操作をスイッチ等で検出する構成としてもよい。
【0047】
前記エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、作業機を駆動するPTO駆動スイッチ151の入り状態が共に有効にされることで、エンジン回転数変動制御モードAに自動的に切換えるように構成する。
【0048】
エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択して、PTO駆動スイッチ151を入り状態としての作業中は、自動的にエンジン回転数維持制御モードBでエンジン回転数制御を行う。そして、エンジン負荷に余裕があると判断すると、モード選択手段134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択するが、この選択で自動的にエンジン回転数変動制御モードAに切換わる。
【0049】
エンジンパワー選択スイッチ134で低燃費のエンジン出力カーブSを選択し、PTO駆動スイッチ151を入り状態としての作業中は、自動的にエンジン回転数変動制御モードAでエンジン回転数制御を行う。そして、エンジン負荷に余裕が無いと判断すると、エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択するが、この選択で自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切換わる。
【0050】
低燃費のエンジン出力カーブSの許容最大負荷は、標準のエンジン出力カーブNの許容最大負荷よりも低いので、許容最大負荷に達する可能性が高い。このため、仮に低燃費のエンジン出力カーブSの選択状態において、エンジン回転数維持制御モードBで作業を行う場合において許容最大負荷に達すると、一気にエンジンストールしてしまうという不具合が発生する。
【0051】
そこで、低燃費のエンジン出力カーブSでエンジン回転数変動制御モードAで作業を行うと、負荷の作用に応じてエンジン回転数が低下していくので、一気にエンジン回転数がストールしてしまって、エンジンを再始動しなくてはならないという不具合を防止できるようになる。また、負荷に応じてエンジン回転数が低下していくので、作業者は負荷の状態を容易に把握し易くなる。
【0052】
また、エンジンパワー選択スイッチ134で標準のエンジン出力カーブNを選択し、作業機を駆動するPTO駆動スイッチ151の入り状態が共に有効にされることで、自動的にエンジン回転数維持制御モードBに切換えるように構成したので、エンジン自体が持っている許容最大負荷まで一定の回転数で作業できるので、エンジン自体の能力を最大に引き出して、作業能率を向上させることができるようになる。
【0053】
(DPF再生)
次に、DPFと略称されるディーゼル微粒子捕集フィルターの再生制御について説明する。
DPF21は、エンジン制御システム構成図を図12に示すように、煤を溜めるハニカム構造のフィルタによる本体部と、その入口側で230℃以上で酸化反応するDOC部とから構成され、それぞれの部位の温度情報を受けるECU12によってDPF再生の要否を判定し、自動あるいは手動の再生指令によりエンジンEを燃焼制御することによって再生処理がなされる。
【0054】
DPF再生のためにはDPF内の温度を約550℃以上にして捕集微粒子を燃焼する必要があり、エンジンEにかかる負荷が少ないと、ポスト噴射を行ってDPF21の温度を上昇させるとしても長時間を要することから、その分の燃料消費を避けることができないという問題があった。
【0055】
その解決のために、水平制御機能付きの機種におけるDPF再生は、そのフローチャートを図13に示すように、手動再生を行う際に、自動で水平シリンダをオンにして伸びあるいは最縮みにする(S41a,S41b)ことにより、油圧のリリーフを吹かせてエンジンに掛かる負荷を増加させ、DPF再生に必要な温度に素早く昇温することで、再生処理を迅速化することができる。
【0056】
また、副変速がニュートラルの条件が成立している場合の手動によるDPF再生は、そのフローチャートを図14に示すように、走行系のクラッチ(リバース、主変速、Hi−Lo)を全て接続状態にしてエンジンにEに少しでも負荷を掛けることにより、DPF再生の行程を早く完了させることができる。
【0057】
また、エンジン回転制御による場合のDPF再生は、そのフローチャートを図15に示すように、手動再生を行う際に、エンジン回転を自動で高回転アイドルであるフルアイドルに変更する(S43a,S43b)ことによって排気温度が高温になりやすくなるので、DPF手動再生の行程を早く完了させることができる。
【0058】
(再生進捗状況)
また、DPF再生はDPF温度が550℃以上で約15分程度のエンジン連続運転を行う必要があり、ひとたび再生動作に入った後にエンジンを停止すると逆に煤が溜まることから、液晶表示装置を装備したものにおいては、DPF手動再生のモードに入ったときに、図16の表示例に示すように、再生処理の進捗状況を表示することにより、DPFの再生完了までのおおよその進捗状況(時間等)を把握することができ、再生の終了予定に基づくその後の作業計画やエンジン稼動のまま放置しておく時間を計算することができる。
【0059】
(煤レベル)
その一方、トラクタにおけるDPF内の煤の堆積量については、耕耘、代掻き、酪農作業、ローダ作業等の多岐に亘る作業内容および高負荷作業によるDPF自動再生等の作業負荷の内容と大きさにより、DPF内に溜まる煤量が大きく変動することから、必要とされる手動再生の実施時期の把握が非常に困難であるという課題がある。
【0060】
そこで、DPF内の煤レベルを図17の表示例のごとく液晶表示装置に画面表示することにより、作業者が手動再生を行う時期を的確に判断できることから、無駄に手動再生を行うこともなくなり、無駄な燃料使用を抑えることができる。
【0061】
(自動再生)
DPFの自動再生については、エンジンに掛かる負荷が高い方が望ましく、また、DPF再生時にポスト噴射を行う場合は燃費が悪化するので頻繁な実施は好ましくないので、DPF自動再生のタイミングについては、フローチャートを図18に示すように、作業機昇降位置およびPTOスイッチ状態等により、作業中と判断され(S51a)、かつ、DPF内の煤レベルが所定量以上(S51b)になったときに、自動再生開始(S51c)とすることにより、一番無駄の少ないタイミングにおけるDPF再生が可能となる。
【0062】
また、DPF再生には、DPF内温度を550℃以上にして15分以上連続動作させる必要があり、途中で中断した場合は逆に煤が溜まることから、自動再生時は、そのフローチャートを図19に示すように、自動再生開始(S52a)とともに液晶表示やブザー等による報知(S52b)を行うことにより、一度自動再生に入ったら終了するまで連続動作させることで効率的に煤の燃焼を行うことができる。
【0063】
また、トラクタが複数の作業者によって使用される場合は、作業者毎に作業内容が異なり、作業負荷も異なることから、DPFの再生タイミング異なることとなるので、エンジンECMよりエンジン負荷率を取得し、エンジン負荷率の平均値により使用した作業者による作業負荷を判断し、それに応じてDPF自動再生のタイミングを決定することにより、再生時期を推測することができ、より精度の高いDPF再生を行うことができる。
【符号の説明】
【0064】
12 ECU
134 モード切替スイッチ(モード選択手段)
A エンジン回転数変動制御モード
B エンジン回転数維持制御モード
C1 走行系コントローラ
C2 エンジンコントローラ
E ディーゼルエンジン
L 副変速レバー
M 燃費モード記憶エリア
N 標準出力カーブ
S 低燃費出力カーブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業走行と路上走行とを含む複数の走行区分を切替える副変速部と、この副変速部による路上走行の走行区分について適用される自動シフト制御によりアクセルペダルの操作およびエンジン負荷に対応する変速位置に多段に変速動作する走行変速用の主変速部とを備え、通常の燃費特性による標準モード(N)と低燃費特性による低燃費モード(S)の切替え操作によってエンジン制御のモード切替えが可能な作業車両において、
上記副変速部の走行区分の切替えと対応してエンジン制御モードを定める走行区分別のモード設定部(M)を設けたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記低燃費モード(S)によるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御による多段の変速位置切替えのエンジン回転数を増速時についてより低い回転数に設定してなることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記低燃費モード(S)によるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御のペダル踏込みによるエンジン回転増加指示の時期をより遅い時期に設定してなることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項1】
作業走行と路上走行とを含む複数の走行区分を切替える副変速部と、この副変速部による路上走行の走行区分について適用される自動シフト制御によりアクセルペダルの操作およびエンジン負荷に対応する変速位置に多段に変速動作する走行変速用の主変速部とを備え、通常の燃費特性による標準モード(N)と低燃費特性による低燃費モード(S)の切替え操作によってエンジン制御のモード切替えが可能な作業車両において、
上記副変速部の走行区分の切替えと対応してエンジン制御モードを定める走行区分別のモード設定部(M)を設けたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記低燃費モード(S)によるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御による多段の変速位置切替えのエンジン回転数を増速時についてより低い回転数に設定してなることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記低燃費モード(S)によるエンジン制御は、低燃費特性によるエンジン制御に加え、適用される自動シフト制御のペダル踏込みによるエンジン回転増加指示の時期をより遅い時期に設定してなることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−47141(P2012−47141A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191874(P2010−191874)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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