作用力検出装置
【課題】容易に配線することができ、且つ、3自由度の作用力を検出することができる作用力検出装置を提供する。
【解決手段】作用力検出装置10では、操作部12にX軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子171a〜171d、Y軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子172a〜172d、及びZ軸周りに作用するモーメントに起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子173a〜173dが起歪体13の素子配置面に配置されている。また、作用力検出装置10では、起歪体13の素子配置面と操作部12の軸12bとを一体に連結する連結体14が備えられている。
【解決手段】作用力検出装置10では、操作部12にX軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子171a〜171d、Y軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子172a〜172d、及びZ軸周りに作用するモーメントに起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子173a〜173dが起歪体13の素子配置面に配置されている。また、作用力検出装置10では、起歪体13の素子配置面と操作部12の軸12bとを一体に連結する連結体14が備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置の表示画面上を移動するカーソルの移動方向を指示するなどの操作をするためのポインティングデバイスに適用して有益な作用力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作用力検出装置として例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この文献に記載の技術では、弾性を有する第1歪検出板及び第2歪検出板が平面視十字型に組みつけられ、これら組みつけられた第1歪検出板及び第2歪検出板は、ベースプレートの表面に垂直な状態にてそのベースプレートにさらに組みつけられている。また、第1歪検出板及び第2歪検出板の表面には、これら歪検出板の長手方向に直交する方向を歪検出方向とする歪ゲージが配列されている。
【0003】
また、作用力検出装置として例えば特許文献2に記載の技術が知られている。この文献に記載の技術では、弾性を有する弾性板と、この弾性板の中央に設けられるとともに少なくとも下方部が弾性金属線からなる操作部と、この弾性板の変形を検出するための4つの歪検出素子とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−128142号公報
【特許文献2】特開平10−197373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、ベースプレート表面をX−Y平面とし、ベースプレート表面に垂直な方向をZ軸方向とすると、第1及び第2歪検出板が弾性を有することから、第1及び第2歪検出板は、X軸方向に作用する力及びY軸方向に作用する力によって歪むだけでなく、Z軸周りのモーメントに起因して生じる作用力によっても歪む。したがって、上記特許文献1に記載の技術では、X軸方向に作用する力及びY軸方向に作用する力並びにZ軸周りのモーメントに起因して生じる作用力の3自由度の作用力を検出することが可能である。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、第1及び第2歪検出板の両面、すなわち複数の面に歪ゲージが使用されている。そのため、はんだ付けするなどによりこれら歪ゲージから配線を取り出す工程は複雑となり、コストがかかってしまう。
【0006】
一方、上記特許文献2に記載の技術では、4つの歪検出素子を全て弾性板の同一の表面に設けるため、歪検出素子から容易に配線を取り出すことができるようにはなる。しかしながら、弾性板の表面をX−Y平面とし、弾性板の表面に垂直な方向をZ軸方向とすると、弾性板は平面視矩形型の平板であることから、Z軸周りのモーメントが作用したとしても、このモーメントに起因して変形する量はごく微量である。そのため、Z軸周りのモーメントに起因して生じる弾性板の変形を歪検出素子によって検出することは難しく、X軸方向に作用する作用力及びY軸方向に作用する作用力の2自由度の作用力のみ検出することができるに過ぎない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容易に配線することができ、且つ、3自由度の作用力を検出することができる作用力検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、軸を有する操作部に作用する作用力に応じて弾性変形する平板状の起歪体と、前記起歪体の変形を検出する少なくとも4個の歪検出素子とを備え、前記歪検出素子の検出信号に基づいて前記操作部に作用する作用力を検出する作用力検出装置であって、前記歪検出素子は、前記起歪体の1つの素子配置面にすべて配置されており、前記起歪体と前記操作部の軸とを一体に連結する連結体を備えることを特徴とする。
【0009】
作用力検出装置としてのこのような構成では、操作部の軸周りにモーメントが作用すると、この作用したモーメントは連結体によって起歪体の素子配置面に作用する作用力に変換され、その起歪体の素子配置面に作用する。連結体が起歪体と操作部の軸とを一体に連結するため、連結体によってモーメントは増幅された上で起歪体の表面に作用する。そして、起歪体はこの増幅されたモーメントに起因して生じる作用力に応じて弾性変形し、この変形量は歪検出素子によって検出されるようになる。このように、操作部の軸周りに作用するモーメントを容易に検出することができるようになり、そもそも、起歪体の同一面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力を検出することはできるため、あわせて3自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0010】
また、作用力検出装置としての上記構成では、上記特許文献1に記載の技術とは異なり、起歪体の素子配置面に歪検出素子が配置されるため、歪検出素子を容易に配線することができるようになる。そしてひいては、作用力検出装置を低コストにて製造することができるようになる。
【0011】
ところで、連結体の剛性が高い場合にあっては、上記モーメントが上記作用力に変換される際、連結体自体に大きな反力が生じる。こうした反力が生じると、上記モーメントに起因する起歪体の変形量は小さくなり、作用力の検出感度はそれほど高くない。
【0012】
そこで、請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明のように、前記連結体は、一部が当該連結体の他の部分よりも細く形成されていることが望ましく、具体的には、請求項3に記載の発明のように、前記連結体は、前記操作部の軸と一体に連結される操作部連結体、前記起歪体と一体に連結される起歪体連結体、並びにこれら操作部連結体及び起歪体連結体を一体に連結する連結部を有しており、前記連結部は、前記操作部連結体及び前記起歪体連結体よりも細く形成されていることが望ましい。これにより、連結体自体に生じる反力を小さくすることができるようになり、上記モーメントに起因する起歪体の変形量はそれほど小さくならなくなる。そしてひいては、作用力の検出感度の向上を図ることができるようになる。
【0013】
なお、連結体の剛性を低くするには、上記請求項2に記載の構成あるいは上記請求項3に記載の構成の他に、請求項4に記載の発明のように、前記連結体は、少なくとも一部分が弾性材料にて形成されていることとしてもよい。ちなみに、この請求項4に記載の構成は、上記請求項2あるいは3に記載の構成と併用することが可能であり、これら請求項2〜4に記載の構成を併用する場合、作用力の検出感度のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0014】
また、請求項1〜4のいずれかに記載の構成においては、請求項5に記載の発明のように、前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して垂直となるように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結したり、請求項6に記載の発明のように、前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結したりすることができる。上記請求項6に記載の発明によれば、例えば操作部の軸周りの作用するモーメント等、特定の作用力に対する起歪体の変形量が大きくなり、結果として、検出感度が向上するようになる。
【0015】
上記請求項1〜6のいずれかに記載の構成において、請求項7に記載の発明では、前記操作部の軸に設けられ、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記連結体に伝達する弾性部材をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
弾性部材として、人間の力でも容易に変形させることの可能なゴムやばね(詳しくはコイルばね)等を採用した場合、操作部は作用力が作用することで大きく変位するようになる。操作部が大きく変位するため、操作者が作用力を加えたことが容易に分かるようになる。
【0017】
なお、請求項1に記載の構成においては、請求項8に記載の発明のように、前記連結体は、曲げ加工された単一の板材によって構成されていることとしてもよい。板材の曲げ加工にて連結体を製作することで、連結体の製作が容易になることから、当該装置を低コストで実現することができるようになる。
【0018】
あるいは、請求項1に記載の構成においては、請求項9に記載の発明のように、前記連結体は、複数回折り返された板ばねによって構成されており、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記起歪体に伝達することとしてもよい。
【0019】
上記請求項9に記載の構成によれば、連結体は、起歪体と操作部の軸とを一体に連結して操作部に作用した作用力を起歪体に伝達する本来の効果を奏することはもちろんのこと、操作部に作用する作用力に応じて板ばねが弾性変形することから、上記請求項7の弾性部材に準じた効果、すなわち、作用力が作用することによって操作部が大きく変位するため、操作者は作用力を加えたことが容易に分かるようになる効果も奏するようになる。
【0020】
また、上記請求項9に記載の構成では、複数回折り返された板ばねが用いられることから、折り返す回数や板ばねの幅等を調整することにより、起歪体の素子配置面に平行な方向であればその方向によらず、操作部に加えた作用力に対する操作部の変位をほぼ等しくすることができるようになる。そしてひいては、違和感のない操作性を実現することができるようになる。
【0021】
上記請求項9に記載の構成において、請求項10に記載の発明のように、連結体は単一の板ばねによって構成されていることとしてもよい。例えばプレス加工によって板ばねを加工することで、連結体を単一の板ばねによって構成することが可能である。
【0022】
ただし、例えばプレス加工によって板ばねを加工する場合、請求項11に記載の発明のように、連結体は2つの板ばねが組み合わされて構成されいてもとよい。単一の板ばねによって連結体を構成しようとすると、板ばねの形状が複雑であることから、1度のプレス加工にて板ばねを加工することが難しく、複数回プレス加工を行う必要が生じる場合がある。2つの板ばねを組み合わせることによって連結体を構成しようとすると、板ばねの形状は複雑とならないことから、1度のプレス加工にて板ばねを容易に加工することができる。したがって、当該装置をより低コストに実現することができるようになる。
【0023】
上記請求項1〜11のいずれかに記載の構成において、連結体は起歪体の素子配置面にて連結されていることとしてもよく、請求項12に記載の発明のように、連結体は起歪体の前記素子配置面と反対側の面に連結されていることとしてもよい。請求項12に記載の構成によれば、連結体を連結するための領域を起歪体の素子配置面に確保する必要がなくなることから、起歪体を小さくすることができ、ひいては、当該作用力検出装置の体格の小型化を図ることができるようになる。
【0024】
上記請求項1〜12のいずれかに記載の構成において、請求項13に記載の発明では、前記起歪体の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように前記素子配置面に配置された歪検出素子と、前記起歪体のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように前記素子配置面に配置された歪検出素子とを含む歪検出部を、少なくとも4つ備えることとした。
【0025】
作用力検出装置としてのこのような構成では、操作部の軸方向に作用力が作用すると、この作用した作用力は連結体を介して起歪体の素子配置面に作用する。起歪体は連結体を介して作用した作用力に応じて弾性変形し、この変形量は歪検出素子によって検出されるようになる。これにより、起歪体の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように素子配置面に配置された歪検出素子と起歪体のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように素子配置面に配置された歪検出素子により、起歪体の素子配置面に垂直な方向の作用力を検出することができるようになり、起歪体の素子配置面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力及び操作部の軸周りのモーメントの上記請求項1の3自由度に加え、起歪体の素子配置面に垂直な方向の作用力を含めたあわせて4自由度の作用力を検出することができるようになる。なお、歪検出素子としては、圧膜抵抗体であってもよく、請求項14に記載の発明のように、ひずみゲージであってもよい。
【0026】
また、請求項15に記載の発明のように、前記起歪体は、平面視I字型の平板であることとしてもよく、請求項22に記載の発明のように、前記起歪体は、平面視卍型の平板であることとしてもよい。
【0027】
上記請求項15に記載の構成において、請求項16に記載の発明では、前記起歪体は、両先端部に、先端に近づくほど幅が広がる先端側広がり部を有する平面視I字型の平板であることとした。これにより、先端側広がり部が設けられている範囲における起歪体のひずみ量が略一定となるため、歪検出素子の配置位置がその範囲内でずれたとしても、起歪体のひずみ量に対する歪検出素子の出力のばらつきが少なくなる。そのため、当該作用力検出装置は、起歪体の表面における歪検出素子の配置位置に対するロバスト性が高い装置となる。なお、上記請求項16に記載の構成において、請求項17に記載の発明のように、前記先端側広がり部は、先端側へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることが望ましい。
【0028】
上記請求項15〜17のいずれかに記載の構成において、請求項18に記載の発明では、前記起歪体は、前記連結体との連結部に近づくほど幅が広がる連結体側広がり部を有する平面視I字型の平板であることとした。これにより、連結体側広がり部が設けられている範囲における起歪体のひずみ量が略一定となるため、歪検出素子の起歪体における配置位置がその範囲内でずれたとしても、起歪体のひずみ量に対する歪検出素子の出力のばらつきは少なくなる。そのため、当該作用力検出装置は、起歪体の表面における歪検出素子の配置位置に対するロバスト性が高い装置となる。なお、上記請求項18に記載の構成において、請求項19に記載の発明のように、前記連結体側広がり部は、前記連結部との連結部へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることが望ましい。
【0029】
起歪体が平面視I字型の平板である場合、請求項20に記載の発明のように、前記起歪体は、2枚の平板から構成されることとしてもよいし、請求項21に記載の発明のように、前記起歪体は、2つの平面視I字型の平板からなる1枚の平板から構成されることとしてもよい。ちなみに、請求項20に記載の構成によれば、部品点数を低減することができ、組み付けを容易にすることができるようになる。一方、請求項21に記載の構成によれば、起歪体の製造効率の向上を図ることができるようになる。同様に、起歪体が平面視卍型の平板である場合、請求項23に記載の発明のように、前記起歪体は、複数の平板から構成されることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る作用力検出装置の第1の実施の形態について、(a)はIA−IA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図2】第1の実施の形態において、(a)は操作部にX軸方向への作用力が作用した場合について、(b)は操作部にY軸方向への作用力が作用した場合について、(c)は操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図3】第1の実施の形態において、操作部に作用する作用力及びモーメントに起因して生じる歪検出素子の抵抗値の変化を一覧にて示す図である。
【図4】第1の実施の形態において、(a)は操作部のX軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図である。(b)は操作部のY軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図である。(c)は操作部のZ軸周りのモーメントを検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図である。
【図5】第1の実施の形態の変形例について、(a)はVA-VA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図6】本発明に係る作用力検出装置の第2の実施の形態について、(a)はVIA-VIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図7】(a)は、第1の実施の形態において、操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体に作用する作用力及びモーメントを示す図であり、(b)は、第2の実施の形態において、操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体に作用する作用力及びモーメントを示す図である。
【図8】第2の実施の形態の変形例について、(a)はVIIIA−VIIIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図9】本発明に係る作用力検出装置の第3の実施の形態について、(a)はIXA-IXA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図10】第3の実施の形態において、(a)及び(b)は操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図11】本発明に係る作用力検出装置の第4の実施の形態について、(a)はXIA-XIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図12】(a)は、操作部の軸が起歪体の素子配置面に対して垂直となるように、これら操作部の軸及び起歪体の素子配置面が一体に連結された場合において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体に作用する作用力を示す模式図である。(b)は、操作部の軸が起歪体の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部の軸及び起歪体の素子配置面が一体に連結された場合において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体に作用する作用力を示す模式図である。
【図13】本発明に係る作用力検出装置の第5の実施の形態について、その側面構造を示す図である。
【図14】本発明に係る作用力検出装置の第6の実施の形態について、(a)はXIVA−XIVA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図15】第6の実施の形態において、(a)は操作部にX軸方向への作用力が作用した場合について、(b)は操作部にY軸方向への作用力が作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図16】第6の実施の形態において、(c)は操作部のZ軸方向への作用力が作用した場合について、(d)は操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図17】第6の実施の形態において、操作部のZ軸方向への操作力が作用した場合について、(a)は歪検出素子の圧縮及び引張態様を示す側面図であり、(b)は歪検出素子の配置態様を示す平面図である。
【図18】第6の実施の形態において、(a)は、操作部のX軸方向、操作部のY軸方向、操作部のZ軸方向、およびZ軸周りのモーメントを検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図であり、(b)は、操作部にZ軸プラス方向に作用力が作用した場合における歪検出素子の抵抗値の変化を一覧にて示す図である。
【図19】第6の実施の形態において、操作部に作用する作用力及びモーメントの別に、ブリッジ回路の出力の極性を一覧にて示す図である。
【図20】本発明に係る作用力検出装置の第7の実施の形態について、平面構造を示す図である。
【図21】(a)は、広がり部を有している起歪体(第7の実施の形態)の一部の平面構造を示す図であり、(c)は、広がり部を有していない起歪体(第1〜6の実施の形態等)の一部の平面構造を示す図である。(b)は、広がり部を有している起歪体のひずみ量を実線にて示すとともに、広がり部を有していない起歪体のひずみ量を破線にて示す図である。
【図22】本発明に係る作用力検出装置の第8の実施の形態について、(a)はXXIIA-XXIIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図23】本発明に係る作用力検出装置の第9の実施の形態について、(a)はXXIIIA-XXIIIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図24】本発明に係る作用力検出装置の第10の実施の形態について、全体の断面構造を側面方向から示す図である。
【図25】第10の実施の形態について、(a)及び(b)は連結体の正面構造及び側面構造をそれぞれ示す図である。
【図26】第10の実施の形態の変形例について、(a)及び(b)は連結体の正面構造及び側面構造をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る作用力検出装置の第1の実施の形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。なお、図1(a)は、作用力検出装置10をIA−IA線(図1(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図1(b)は、作用力検出装置10の平面構造を示す図である。はじめに、この図1(a)及び(b)を参照して、作用力検出装置10の構成について説明する。
【0032】
図1(a)に示されるように、作用力検出装置10は、操作部12、起歪体13、連結体14、ハウジング15、及び信号処理部16等々を備えて構成されている。
【0033】
このうち、操作部12は、把持部12a及び軸12bを有して構成されている。操作部12の把持部12aは、ユーザが直接操作する部分であり、適宜の材料にて平面視円状に形成されている。操作部12の軸12bは、把持部12aの中心から把持部12aの表面に対し垂直に伸長するように、把持部12aと一体に円柱にて形成されている。このように構成されることで、操作部12の把持部12aに作用する作用力は、操作部12の軸12b及び連結体14を介して起歪体13に伝達される。
【0034】
起歪体13は、図1(b)に示すように、2枚の平面視I字型の平板がこれら平板の各表面が同一平面となるように配列されて構成されており、操作部12に作用する作用力に応じて主に起歪体13の表面に垂直な方向(後述のZ軸方向)に弾性変形する。また、この起歪体13の表面(詳しくは上面)には、起歪体13の変形を検出する複数の歪検出素子17(詳しくは歪検出素子171a〜173d)及びこれら歪検出素子17を用いたブリッジ回路に電源を供給するための図示しない複数の電極が配置されている。なお、起歪体13の表面(上面)が特許請求の範囲に記載の起歪体の素子配置面に相当する。
【0035】
ここで、起歪体13の表面に平行で且つ互いに直交する2軸であるX軸及びY軸の各々のプラス方向を、図1(b)で下方に向かう方向及び右方に向かう方向とし、これらX軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向を、起歪体13の表面に垂直な方向とする。このとき、起歪体13の表面に配置された歪検出素子17のうち歪検出素子171a〜171dは、操作部12に作用する作用力のうちX軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子である。また、起歪体13の表面に配置された歪検出素子17のうち歪検出素子172a〜172dは、操作部12に作用する作用力のうちY軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子である。また、起歪体13の表面に配置された歪検出素子17のうち歪検出素子173a〜173dは、操作部12に作用する作用力のうちZ軸周りに作用するモーメントに起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子である。
【0036】
なお、歪検出素子17(171a〜173d)については公知であるため、ここでの詳しい説明を割愛する。また、本実施の形態では、X軸方向に作用する作用力、Y軸方向に作用する作用力、及びZ軸周りに作用するモーメントの3自由度の作用力各々について、歪検出素子17が4個(計12個)配置されていたが、これに限らず、少なくとも計4個配置されていれば、これら3自由度の作用力を検出することはできる。
【0037】
連結体14は、平面視矩形状且つ側面視コの字型状にて、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料から形成されている。この連結体14は、上面の長手方向略中央に位置する連結領域Suにおいて、操作部12の軸12bと一体に連結されており、下面の両端部に位置する連結領域Sdにおいて、起歪体13と一体に連結されている。なお、連結体14の連結領域Sdは、起歪体13の長手方向の略中央の部分に対向する。また、操作部12の軸12bの軸心C1から連結領域Sdの中心線C2までの距離rは、操作部12の軸12bの半径よりも長く設定されている。ここで、中心線C2とは、連結領域Sdの中心を通り、且つ、連結領域Sdに垂直な線である。さらに、連結体14は、操作部12の軸12bが起歪体13の表面に対して垂直となるように、これら操作部12の軸12bと起歪体13の表面とを一体に連結している。
【0038】
ハウジング15は、適宜の材料によって形成されており、上記起歪体13を保持し、ひいては起歪体13に一体に連結される連結体14や、この連結体14に一体に連結される操作部12等々も保持する。なお、ハウジング15には、起歪体13の歪検出素子17が配置される部分に対向する箇所に凹部が形成されている。この凹部により、起歪体13がその表面に垂直な方向に弾性変形しても、その弾性変形は阻害されないようになる。
【0039】
信号処理部16は、歪検出素子171a〜173dを組み合わせて構成されたブリッジ回路18a〜18cを有して構成されており、ブリッジ回路18a〜18cの検出信号に基づいて、操作部12に作用する作用力を検出する。なお、ブリッジ回路18a〜18cについては図3及び図4を参照しつつ後述する。
【0040】
以上のように構成された作用力検出装置10の動作について図2(a)〜(c)を参照しつつ説明する。なお、図2(a)は操作部12にX軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図2(b)は操作部12にY軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図2(c)は操作部12のZ軸反時計周りのモーメントが作用した場合について、起歪体13に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【0041】
ユーザによって操作部12のX軸プラス方向に作用力が加えられたとする。このとき、加えられた作用力は、軸12bを介して連結体14に伝達され、図2(a)に示すように、X軸プラス方向の作用力Fxとして連結体14に作用する。連結体14に作用力Fxが作用すると、連結体14の左端部にはX軸プラス方向に作用力fx11が作用し、連結体14の右端部にはX軸プラス方向に作用力fx12が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fx11が作用すると、連結体14の左端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fx21がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の左端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fx31がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fx12が作用すると、連結体14の右端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fx22がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の右端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fx32がZ軸プラス方向に作用する。このように、作用力Fxは、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fx21及びfx31並びにfx22及びfx32に変換され、起歪体13に作用することになる。ちなみに、作用力fx21及びfx31が作用するため、連結体14の左端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmx1が発生し、作用力fx22及びfx32が作用するため、連結体14の右端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmx2が発生することになる。
【0042】
また、ユーザによって操作部12のY軸プラス方向に作用力が加えられたとする。このとき、加えられた作用力は、軸12bを介して連結体14に伝達され、図2(b)に示すように、Y軸プラス方向の作用力Fyとして連結体14に作用する。連結体14に作用力Fyが作用すると、連結体14の左端部にはZ軸プラス方向に作用力fy11が作用し、連結体14の右端部にはZ軸マイナス方向に作用力fy12が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fy11が作用すると、連結体14の左端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fy21がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の左端部の図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fy31がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fy12が作用すると、連結体14の右端部の図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fy22がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の左端部の図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fy32がZ軸マイナス方向に作用する。このように、作用力Fyは、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fy21及びfy31並びにfy22及びfy32に変換され、起歪体13に作用することになる。
【0043】
また、ユーザによって操作部12のZ軸反時計周りにモーメントが加えられたとする。このとき、加えられたモーメントは、軸12bを介して連結体14に伝達され、図2(c)に示すように、Z軸反時計周りのモーメントMzとして連結体14に作用する。連結体14にモーメントMzが作用すると、連結体14の左端部にはX軸プラス方向に作用力fz11が作用し、連結体14の右端部にはX軸マイナス方向に作用力fz12が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fz11が作用すると、連結体14の左端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fz21がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の左端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fz31がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fz12が作用すると、連結体14の右端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fz22がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の右端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fz32がZ軸マイナス方向に作用する。このように、作用力Fzは、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fz21及びfz31並びにfz22及びfz32に変換され、起歪体13に作用することになる。ちなみに、作用力fz21及びfz31が作用するため、連結体14の左端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmz1が発生し、作用力fz22及びfz32が作用するため、連結体14の右端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmz2が発生することになる。
【0044】
図3は、操作部12に作用する作用力及びモーメントに起因して生じる歪検出素子171a〜173dの抵抗値の変化を一覧にて示す図である。ちなみに、先の図2(a)にて示した動作例においては、歪検出素子171a〜173dの抵抗値は図3の「1行目」に示すように変化する。また、先の図2(b)にて示した動作例においては、歪検出素子171a〜173dの抵抗値は図3の「3行目」に示すように変化する。また、先の図2(c)にて示した動作例においては、歪検出素子171a〜173dの抵抗値は図3の「6行目」に示すように変化する。
【0045】
こうした歪検出素子171a〜173dの抵抗値の変化の特性を踏まえ、本実施の形態では、操作部12のX軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路18aを図4(a)に示すように構成する。また、操作部12のY軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路18bを図4(b)に示すように構成する。また、操作部12のZ軸周りに作用するモーメントを検出するためのブリッジ回路18cを図4(c)に示すように構成する。
【0046】
例えば、X軸プラス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子171aの抵抗値及び171cの抵抗値は増大する一方、歪検出素子171bの抵抗値及び171dの抵抗値は低下する。逆に、X軸マイナス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子171aの抵抗値及び171cの抵抗値は低下する一方、歪検出素子171bの抵抗値及び171dの抵抗値は増大する。したがって、先の図4(a)に示されるように、ブリッジ回路18aは、歪検出素子171a及び171cが互いに対角に配置されるとともに、歪検出素子171b及び171dが互いに対角に配置されるように構成されている。
【0047】
同様に、Y軸プラス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子172aの抵抗値及び172bの抵抗値は増大する一方、歪検出素子172cの抵抗値及び172dの抵抗値は低下する。逆に、Y軸マイナス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子172aの抵抗値及び172bの抵抗値は低下する一方、歪検出素子172cの抵抗値及び172dの抵抗値は増大する。したがって、ブリッジ回路18bは、先の図4(b)に示されるように、歪検出素子172a及び172bが互いに対角に配置されるとともに、歪検出素子172c及び172dが互いに対角に配置されるように構成されている。
【0048】
また同様に、Z軸時計周り方向にモーメントが作用した場合、歪検出素子173a及び173dの抵抗値は増大する一方、歪検出素子173b及び173cの抵抗値は低下する。逆に、Z軸反時計周りにモーメントが作用した場合、歪検出素子173a及び173dの抵抗値は低下する一方、歪検出素子173bの抵抗値及び173cの抵抗値は増大する。したがって、ブリッジ回路18cは、先の図4(c)に示されるように、歪検出素子173a及び173dが互いに対角に配置されるとともに、歪検出素子173b及び173cが互いに対角に配置されるように構成されている。
【0049】
そして、信号処理部16は、ブリッジ回路18a〜18cの各中点における出力電圧Voutを検出することで、X軸方向に作用する作用力及びY軸方向に作用する作用力並びにZ軸周りに作用するモーメントの3自由度の作用力を独立して検出することができるようになる。
【0050】
以上説明したように、第1の実施の形態では、2枚の起歪体13の素子配置面は同一平面上にあり、歪検出素子171a〜173dは、この同一平面上にある素子配置面に配置されていることとした。
【0051】
背景技術の欄で説明した特許文献1に記載の技術では、手作業にて、第1歪検出板及び第2歪検出板に歪ゲージを配列するしかなく、作業工数が増大しコストがかかってしまうところ、本実施の形態では、例えば印刷技術を使用すれば、同一平面上にある起歪体13の素子配置面に歪検出素子171a〜173dを配置することは容易であり、作業工数を大幅に低減することができるようになる。また、このように歪検出素子171a〜173dが上記同一平面上にある起歪体13の素子配置面に配置されるため、歪検出素子171a〜173dを容易に配線することができるようになる。したがって、作用力検出装置10を低コストにて製造することができるようになる。ちなみに、2枚の起歪体13の素子配置面が同一平面上となるように起歪体13を製造しようとしても、通常、ばらつきが生じてしまう。こうした起歪体13のばらつきを考慮しても、起歪体13の素子配置面に歪検出素子171a〜173dを配置することは容易となる。
【0052】
また、上記第1の実施の形態では、連結体14は、連結領域Sdと操作部12の軸12bとを一体に連結することとした。こうした構成では、Z軸周りのモーメントが作用すると、この作用したモーメントは連結体14によって増幅された上で起歪体13の表面に作用する作用力に変換され、起歪体13の表面に作用する。そして、起歪体13はこの変換された作用力に応じて弾性変形し、この変形量は歪検出素子171a〜173dによって検出されるようになる。このように、操作部12の軸12b周りに作用するモーメントを検出することができるようになり、そもそも、起歪体13の表面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力を検出することはできるため、あわせて3自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0053】
なお、上記第1の実施の形態では、先の図1(b)に示したように、起歪体13は、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、同一の平面視形状に限らない。起歪体の素子配置領域が同一平面上にある限り、起歪体は、互いに異なる平面視形状を有する平板が2枚配列されて構成されていることとしてもよい。
【0054】
また、上記第1の実施の形態では、先の図1(b)に示したように、起歪体13は、製造効率の向上を図るべく、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、2枚配列された構成に限らない。図1(a)及び(b)にそれぞれ対応する図として図5(a)及び(b)に示すように、起歪体23は、平面視I字型を有する平板が予め2枚分配列されて1枚の平板として構成されていてもよい。起歪体23を1枚の平板にて構成することで、部品点数を低減することができ、組み付けを容易にすることができるようになる。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第2の実施の形態を図6及び図7を参照して説明する。なお、図6(a)及び(b)は先の図1(a)及び(b)に対応する図であって、図6(a)は、作用力検出装置30をVIA−VIA線(図6(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図6(b)は、作用力検出装置30の平面構造を示す図である。
【0056】
図6(a)及び(b)に示すように、この第2の実施の形態も、先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、第1の実施の形態では、連結体14は、単一の部材にて構成されているのに対し、この第2の実施の形態では、連結体24は、複数の部材が組み合わされて構成されている点で異なっている。以下、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
【0057】
図6(a)に示されるように、連結体34は、1個の操作部連結体34a、2個の起歪体連結体34b、並びに2個の連結部34cが組み合わされて構成されている。
【0058】
詳しくは、操作部連結体34aは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて角柱状に形成されており、上面の略中央に位置する連結領域Suにおいて、操作部12の軸12bと一体に連結されている。同様に、起歪体連結体34bは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて角柱状に形成されており、下面全面である連結領域Sdにおいて、起歪体13の表面(素子配置面)と一体に連結されている。なお、起歪体連結体34bの連結領域Sdは、起歪体13の長手方向の略中央の部分に対向する。
【0059】
また、連結部34cは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて円柱状に形成されており、操作部連結体34a及び起歪体連結体34bよりも細く(軸に垂直な断面における断面積が小さく)形成されている。この連結部34cは、操作部連結体34aの側面の略中央に位置する連結領域Ss1において、操作部連結体34aと一体に連結されており、起歪体連結体34bの側面中央よりも上方に位置する連結領域Ss2において、操作部連結体34aと一体に連結されている。そして、把持部12aに作用力が作用した場合、連結部34cが操作部連結体34a及び起歪体連結体34bよりも細く形成されていることから、連結部34cは操作部連結体34a及び起歪体連結体34bよりも大きく変形する。なお、操作部連結体34a、起歪体連結体34b、及び連結部34cの形成材料は金属材料以外の弾性材料にて形成してもよい。
【0060】
図7(a)は、先の第1の実施の形態において、操作部12のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体13に作用する作用力及びモーメントを示す図であり、図7(b)は、本実施の形態において、操作部12のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体13に作用する作用力及びモーメントを示す図である。これら図7(a)及び(b)の対比から分かるように、作用力検出装置30を構成する起歪体13の変形量の方が作用力検出装置10を構成する起歪体13の変形量が大きくなっている。
【0061】
作用力検出装置10では連結体14の剛性は大きい。そのため、連結体14によってモーメントMzが作用力fz21及びfz31並びにfz22及びfz32に変換される際、連結体14自体に大きな反力が生じてしまう。こうした反力が生じると、上記モーメントMzに起因する起歪体13の変形量は小さくなり、ブリッジ回路を構成する歪検出素子171a〜173dの抵抗値変化も小さくなる。そのため、Z軸周りのモーメントの検出感度がそれほど高くない。
【0062】
しかしながら、作用力検出装置30では連結体34の剛性は小さい。そのため、モーメントMzが作用力fz21及びfz31並びにfz22及びfz32に変換される際、連結体34自体にそれほど大きな反力(図示略)は生じない。それほど大きな反力が生じないため、上記モーメントMzに起因する起歪体13の変形量は比較的大きくなり、ブリッジ回路を構成する歪検出素子171a〜173dの抵抗値変化もそれほど小さくならない。そしてひいては、Z軸周りのモーメントに係る検出感度が高くなる。
【0063】
なお、上記第2の実施の形態では、先の図6(b)に示したように、連結部34cは、操作部連結体34aの側面の略中央に位置する連結領域Ss1及び起歪体連結体34bの側面中央よりも上方に位置する連結領域Ss2において、操作部連結体34a及び起歪体連結体34bをそれぞれ一体に連結していたが、連結領域Ss1及びSs2の位置はこれに限らない。他に例えば、図6(a)及び(b)に対応する図として、図8(a)及び(b)に示すように、連結部44cは、操作部連結体44aの下面の両端に位置する連結領域Ss3及び起歪体連結体44bの上面略中央に位置する連結領域Ss4において、操作部連結体44a及び起歪体連結体44bをそれぞれ一体に連結してもよい。こうした連結体44を有する作用力検出装置40によっても、上記第2の実施の形態と同様に、Z軸周りのモーメントに係る検出感度を高めることができるようになる。
【0064】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例では、先の図6(b)及び図8(b)にそれぞれ示したように、連結体34及び44は複数の部品が組み合わされて構成されていたが、これに限らない。先の第1の実施の形態及びその変形例を構成する連結体14のように、単一の部品にて構成してもよい。
【0065】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例では、先の図6(b)及び図8(b)にそれぞれ示したように、起歪体13は、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、同一の平面視形状に限らない。起歪体は、互いに異なる平面視形状を有する平板が2枚配列されて構成されていることとしてもよい。
【0066】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例では、先の図6(b)及び図8(b)にそれぞれ示したように、起歪体13は、製造効率の向上を図るべく、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、2枚配列された構成に限らない。先の図5(a)及び(b)に示すように、起歪体23は、平面視I字型を有する平板が予め2枚分配列されて1枚の平板として構成されていてもよい。起歪体23を1枚の平板にて構成することで、部品点数を低減することができ、組み付けを容易にすることができるようになる。
【0067】
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第3の実施の形態を図9及び図10を参照して説明する。なお、図9(a)及び(b)は先の図1(a)及び(b)に対応する図であって、図9(a)は、作用力検出装置50のIXA−IXA線(図9(b))に沿った側面構造を示す図であり、図9(b)は、作用力検出装置50の平面構造を示す図である。
【0068】
図9(a)及び(b)に示すように、この第3の実施の形態も、先の第1の実施の形態及び第2の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、第1の実施の形態及び第2の実施の形態等では、起歪体13は平面視I字型の平板が2枚配列されて構成されている、あるいは、起歪体23は平面視I字型を有する平板が予め2枚分配列されて1枚の平板として構成されているのに対し、この第3の実施の形態では、起歪体33は、平面視卍型の平板にて構成されている点で異なっている。また、平面視形状が異なっていることに伴い、連結体54の構成も異なっている。以下、第1の実施の形態及び第2の実施の形態等と異なる部分を中心に説明する。
【0069】
図9(a)に示されるように、連結体54は、1個の操作部連結体54a、4個の起歪体連結体54b、並びに4個の連結部54c等々が組み合わされて構成されている。
【0070】
詳しくは、操作部連結体54aは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて角柱状に形成されており、上面の略中央に位置する1つの連結領域Suにおいて、操作部12の軸12bと一体に連結されている。同様に、起歪体連結体54bは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて、角柱状に形成されており、下面全面である4つの連結領域Sdにおいて、起歪体33の表面(素子配置面)と一体に連結されている。なお、起歪体連結体54bの連結領域Sdは、起歪体33の長手方向の先端の部分に対向する。
【0071】
また、連結部54cは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて円柱状に形成されており、操作部連結体54a及び起歪体連結体54bよりも細く(軸に垂直な断面における断面積が小さく)形成されている。この連結部54cは、操作部連結体54aの側面の略中央に位置する連結領域Ss1において、操作部連結体54aと一体に連結されており、起歪体連結体54bの側面中央よりも上方に位置する連結領域Ss2において、起歪体連結体54bと一体に連結されている。そして、把持部12aに作用力が作用した場合、連結部54cが操作部連結体54a及び起歪体連結体54bよりも細く形成されていることから、連結部54cの方が操作部連結体54a及び起歪体連結体54bよりも大きく変形する。なお、操作部連結体54a、起歪体連結体54b、及び連結部54cの形成材料は金属材料以外の弾性材料にて形成してもよい。
【0072】
図10(a)及び(b)は、操作部12のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体33に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【0073】
ユーザによって操作部12のZ軸反時計周りにモーメントが加えられたとする。このとき、加えられたモーメントは、軸12bを介して連結体54に伝達され、図10(a)に示すように、Z軸反時計周りのモーメントMzとして連結体54(詳しくは操作部連結体54a)に作用する。操作部連結体54aにモーメントMzが作用すると、このモーメントMzは、連結部54cを介して起歪体連結体54bに伝達され、起歪体連結体54bにはY軸プラス方向に作用力fz11が作用する。ここで、連結体54は起歪体33と一体に連結されていることから、起歪体連結体54bにY軸プラス方向の作用力fz11が作用すると、起歪体連結体54bの右方に位置する歪検出素子配置領域には、作用力fz31がZ軸マイナス方向に作用する。このように、作用力fz11は、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fz31に変換され、起歪体33に作用することになる。ちなみに、作用力fz11及びfz31が作用するため、起歪体連結体54bの連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmz1が発生することになる。
【0074】
以上説明した第3の実施の形態によっても、先の第1の実施の形態及び第2の実施の形態等と同様に、起歪体33の素子配置面は同一平面上にあり、歪検出素子17がその同一平面上にある素子配置面に配置されているため、歪検出素子17を容易に配線することができ、作用力検出装置50を低コストにて製造することができるようになる。さらに、操作部12の軸12b周りに作用するモーメントを検出することができるようになり、そもそも、起歪体33の表面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力を検出することはできるため、あわせて3自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0075】
なお、上記第3の実施の形態では、先の図9に示したように、連結体54は複数の部品が組み合わされて構成されていたが、これに限らない。先の第1の実施の形態及びその変形例を構成する連結体54のように、単一の部品にて構成してもよく、この場合、連結部54cを割愛してもよい。
【0076】
また、上記第3の実施の形態では、先の図9に示したように、起歪体33は1枚の平板から構成されていたが、1枚の平板に限らない。他に例えば、起歪体33は、例えば2分割あるいは4分割等され、複数の平板から構成されていてもよい。
【0077】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第4の実施の形態を図11及び図12を参照して説明する。なお、図11(a)及び(b)は先の図1(a)及び(b)に対応する図であって、図11(a)は、作用力検出装置60をXIA−XIA線(図11(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図11(b)は、作用力検出装置60の平面構造を示す図である。
【0078】
これら図11(a)及び(b)に示すように、この第4の実施の形態も、先の第1〜第3の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、これら第1〜第3の実施の形態等では、連結体14、34、44、及び54等は、各操作部12の軸12bが起歪体13、23及び33等の素子配置面に対して各々垂直となるように、これら各操作部12の軸12bと起歪体13、23及び33等の素子配置面とを一体に連結しているのに対し、この第4の実施の形態では、連結体64は、操作部12の軸12bが起歪体33の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部12の軸12bと起歪体33の素子配置面とを一体に連結している点で異なっている。
【0079】
図12(a)は、操作部12の軸12bが起歪体13の素子配置面に対して垂直となるようにこれら操作部12の軸12b及び起歪体13の素子配置面が一体に連結された場合(すなわち、第1〜第3の実施の形態等)において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体13に作用する作用力を示す模式図である。また、図12(b)は、操作部12の軸12bが起歪体13の素子配置面に対して所定角度傾斜するようにこれら操作部12の軸12b及び起歪体13の素子配置面が一体に連結された場合において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体13に作用する作用力を示す模式図である。
【0080】
ユーザによって操作部12に作用力が加えられ、Y軸マイナス方向に作用力Fyが加えられたとする。このとき、加えられた作用力Fyは、図12(a)に示すように、起歪体13の素子配置面に平行な方向に作用する作用力fyとして、起歪体13に作用することになる。一方、ユーザによって操作部12に作用力が加えられ、Y軸マイナス方向に作用力Fyが加えられたとする。このとき、加えられた作用力Fyは、図12(b)に示すように、起歪体33の素子配置面に垂直な方向に作用する作用力fy1、及び、起歪体33の素子配置面に平行な方向に作用する作用力fy2に分解された上で、起歪体13に作用することになる。このように、起歪体33の素子配置面(表面)と交差する軸(具体的にはY軸及びZ軸)方向に対する起歪体33の変形量が大きくなるため、特定の作用力に対する起歪体33の変形量が大きくなり、結果として、検出感度が向上するようになる。
【0081】
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第5の実施の形態を図13を参照して説明する。なお、図13は先の図1(a)に対応する図であって、図13は、作用力検出装置70の側面構造を示す図である。
【0082】
図13に示すように、この第5の実施の形態も、先の第1〜第4の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第5の実施の形態では、操作部12に作用する作用力に応じて弾性変形しつつこの作用力を連結体14に伝達する弾性部材80が、操作部12の軸12bに設けられている点で異なっている。
【0083】
詳しくは、弾性部材80の形成材料としては、人間の力でも容易に変形させることの可能なゴムやコイルばね等が採用されている。これにより、操作部12は作用力が作用することで大きく変位するようになり、操作部12が大きく変位するため、操作者が人間であった場合、作用力を加えたことが容易に分かるようになる。ちなみに、この弾性部材80がない場合であっても、人間にとって視覚的に確認することは難しいものの、操作部12に作用する作用力は連結体14を介して起歪体13に伝達されている。
【0084】
(第6の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第6の実施の形態を図14〜図19を参照して説明する。なお、図14は先の図1等に対応する図であって、図14(a)は、作用力検出装置90をXIVA-XIVA線(図14(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図14(b)は、作用力検出装置90の平面構造を示す図である。この図14(a)及び(b)を参照して、作用力検出装置90の構成について説明する。
【0085】
図14(a)及び(b)に示すように、この第6の実施の形態も、第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、第1の実施の形態では、計12個の歪検出素子を起歪体13の表面に配置していたが、この第6の実施の形態では、それぞれ4個の歪検出素子を有する4つの歪検出部(すなわち、計16個の歪検出素子)を起歪体13の表面に配置している点で異なっている。以下、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
【0086】
起歪体13は、図14(b)に示すように、2枚の平面視I字型の平板がこれら平板の各表面が同一平面となるように配列されて構成されており、操作部12に作用する作用力の方向に応じて異なる態様にて該起歪体13の表面に垂直な方向(Z軸方向)に弾性変形する。また、この起歪体13の表面(詳しくは上面)には、起歪体13の変形を検出する4つの歪検出部17e〜17h及びこれら歪検出部17e〜17hを構成する歪検出素子171e〜174hを用いたブリッジ回路18e〜18g(図18)に電源を供給するための図示しない複数の電極が配置されている。
【0087】
以下の説明では、便宜上、操作部12の軸12bよりもY軸プラス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸プラス方向に位置する部位を起歪体第1部位13eとし、操作部12の軸12bよりもY軸プラス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸マイナス方向側に位置する部位を起歪体第2部位13fとし、操作部12の軸12bよりもY軸マイナス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸マイナス方向側に位置する部位を起歪体第3部位13gとし、操作部12の軸12bよりもY軸マイナス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸プラス方向側に位置する部位を起歪体第4部位13hとする。また、平板の、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hよりもY軸方向に幅が広い部位を起歪体固定部位13iとし、この起歪体固定部位13iがハウジング15にて固定される部位である。
【0088】
歪検出部17eは、起歪体第1部位13eに配置されており、この歪検出部17eを構成する歪検出素子171e〜171eは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第1部位13eのZ軸方向の弾性変形を検出するための歪検出素子である。また、歪検出部17fは、起歪体第2部位13fに配置されており、この歪検出部17gを構成する歪検出素子171f〜174fは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第2部位13fのZ軸方向の変形を検出するための歪検出素子である。また、歪検出部17gは、起歪体第3部位13gに配置されており、歪検出部17gを構成する歪検出素子171g〜174gは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第3部位13gのZ軸方向の変形を検出するための歪検出素子である。また、歪検出部17hは、起歪体第4部位13hに配置されており、この歪検出部17hを構成する歪検出素子171h〜174hは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第4部位13hのZ軸方向の変形を検出するための歪検出素子である。なお、起歪体第1部位13eの表面における歪検出素子171e〜174eの配置位置、起歪体第2部位13fの表面における歪検出素子171f〜174fの配置位置、起歪体第3部位13gの表面における歪検出素子171g〜174gの配置位置、及び起歪体第4部位13hの表面における歪検出素子171h〜174hの配置位置については後述する。
【0089】
信号処理部16aは、歪検出素子171e〜174hを組み合わせて構成されたブリッジ回路18e〜18hを有して構成されており、ブリッジ回路18e〜18hの検出信号に基づいて、操作部12に作用する作用力を検出する。なお、ブリッジ回路18e〜18h及び信号処理部16aについては後述する。
【0090】
以上のように構成された作用力検出装置90の動作について図15(a)及び(b)並びに図16(c)及び(d)を参照しつつ説明する。なお、図15(a)は操作部12にX軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図15(b)は操作部12にY軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図16(c)は操作部12にZ軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図16(d)は操作部12のZ軸反時計周りのモーメントが作用した場合について、起歪体13(起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13h)に作用する作用力をそれぞれ示す図である。ただし、図15(a)、(b)及び図16(d)については、先の図2(a)〜(c)と同様であるため、ここでの説明を割愛する。
【0091】
ユーザによって操作部12のZ軸プラス方向に作用力が加えられたとする。このとき、加えられた作用力は、軸12bを介して連結体14に伝達され、図16(c)に示すように、Z軸プラス方向の作用力Fzとして連結体14に作用する。連結体14に作用力Fzが作用すると、連結体14の左端部にはZ軸プラス方向に作用力fz13が作用し、連結体14の右端部にはZ軸プラス方向に作用力fz14が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fz13が作用すると、連結体14の左端部よりもX軸プラス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第4部位13hには、作用力fz23がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の左端部よりもX軸マイナス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第3部位13gには、作用力fz33がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fz14が作用すると、連結体14の右端部よりもX軸プラス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第1部位13eには、作用力fz24がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の右端部よりもX軸マイナス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第2部位13fには、作用力fz34がZ軸プラス方向に作用する。このように、作用力Fzは、連結体14によって、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fz23及びfz33並びにfz24及びfz34に変換され、起歪体13に作用することになる。
【0092】
図17(a)は、起歪体固定部位13iを含めた起歪体第3部位13gの拡大平面図であり、図17(b)は、Z軸プラス方向の作用力Fz13が作用することに起因して起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形した場合における歪検出素子171g〜174gの変形態様を側面方向から示す拡大図である。
【0093】
これら図17(a)及び(b)に示されるように、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形すると、歪検出素子171g及び172gにはX軸方向の引張が生じる一方、歪検出素子173g及び174gにはX軸方向の圧縮が生じる。また、図示を割愛するが、起歪体第3部位13gがZ軸マイナス方向に弾性変形すると、歪検出素子171g及び172gにはX軸方向の圧縮が生じる一方、歪検出素子173g及び174gにはX軸方向の引張が生じる。
【0094】
このように、起歪体第3部位13gのZ軸プラス方向の弾性変形に伴って引張が生じるとともに、起歪体第3部位13gのZ軸マイナス方向の弾性変形に伴って圧縮が生じるように、歪検出素子171g及び172gは起歪体第3部位13gの上面に配置されている。また、起歪体第3部位13gのZ軸プラス方向の弾性変形に伴って圧縮が生じるとともに、起歪体第3部位13gのZ軸マイナス方向の弾性変形に伴って引張が生じるように、歪検出素子173g及び174gは起歪体第3部位13gの上面に配置されている。
【0095】
なお、起歪体第3部位13gの上面に配置される歪検出素子171g〜174gに限らず、起歪体第1部位13eの上面に配置される歪検出素子171e〜171h、起歪体第2部位13fの上面に配置される歪検出素子171f〜174f、及び起歪体第4部位13hの上面に配置される歪検出素子171h〜174hについても同様である。
【0096】
このような歪検出素子171e〜174gの配置位置は、材料力学上、起歪体13に作用する作用力の大きさ、すなわち操作部12に作用する作用力の大きさ、起歪体13の材質等によっては変化せず、連結体14から起歪体固定部位13iまでの距離によって特定される。なお、歪検出素子171e〜174gの配置位置は、例えばCAE(Computer Aided Engineering)等によって特定可能である。
【0097】
図18(a)は、起歪体第3部位13gの表面に歪検出素子171g〜174gを上述したように配置し、且つ、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形した場合における歪検出素子171e174eの抵抗値の変化を一覧にて示す図である。
【0098】
この図18(a)に示されるように、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形すると、歪検出素子171g及び172gの抵抗値は増加する(引張が生じるため)。逆に、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形すると、歪検出素子173g及び174gの抵抗値は減少する(圧縮が生じるため)。
【0099】
なお、図示を省略するが、起歪体第1部位13eがZ軸方向に弾性変形する場合における歪検出素子171e〜174eの抵抗値の変化、起歪体第2部位13fがZ軸方向に弾性変形する場合における歪検出素子171f〜174fの抵抗値の変化、起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形する場合における歪検出素子171h〜174hの抵抗値の変化についても同様である。
【0100】
上記図17及び図18並びに上記説明から、歪検出部17e〜17hは、起歪体13の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように起歪体13の上面に配置される歪検出素子と、起歪体13のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように起歪体13の上面に配置された歪検出素子とをそれぞれ含んでいる。
【0101】
図18(b)は、図18(a)に示す抵抗値の変化を踏まえたブリッジ回路18gの構成例を示す図である。この図18(b)に示されるように、ブリッジ回路18gは、起歪体第3部位13gのZ軸方向における弾性変形に対する抵抗値の変化態様が同一である歪検出素子171g及び172gを互いに対角に有するとともに、起歪体第3部位13gのZ軸方向における弾性変形に対する抵抗値の変化態様は同一だが歪検出素子171g及び172gの抵抗値の変化態様とは逆である歪検出素子173g及び173hを互いに対角に有する。
【0102】
なお、歪検出素子171g〜174gを有するブリッジ回路18gに限らず、歪検出素子171e〜174eを有するブリッジ回路18e、歪検出素子171f〜174fを有するブリッジ回路18f、及び歪検出素子171h〜174hを有するブリッジ回路18hについても同様である。
【0103】
そして、ブリッジ回路18e〜18hは、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形するとき、正の極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力し、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hがZ軸マイナス方向に弾性変形するとき、負の極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0104】
図19は、操作部12に作用する作用力の別に、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの極性を一覧にて示す図である。
【0105】
先の図15(a)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「1行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第2部位13f及び起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18f及びブリッジ回路18gは正の極性の出力電圧Voutを出力する一方、起歪体第1部位13e及び起歪体第4部位13hがZ軸マイナス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18hは負の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にX軸マイナス方向への作用力が作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「2行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0106】
先の図15(b)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「3行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第3部位13g及び起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18g及びブリッジ回路18hは正の極性の出力電圧Voutを出力する一方、起歪体第1部位13e及び起歪体第2部位13fがZ軸マイナス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18fは負の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にY軸マイナス方向への作用力が作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「4行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0107】
先の図16(c)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「5行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e〜ブリッジ回路18hは正の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にZ軸マイナス方向への作用力が作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「6行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0108】
先の図16(d)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「7行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第1部位13e及び起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18gは正の極性の出力電圧Voutを出力する一方、起歪体第2部位13f及び起歪体第4部位13hがZ軸マイナス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18hは負の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にZ軸時計回り方向へのモーメントが作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「8行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0109】
信号処理部16aは、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの極性の組み合わせを判断することで、X軸方向に作用する作用力及びY軸方向に作用する作用力並びにZ軸周りに作用するモーメント(すなわち、第1の実施の形態の3自由度)に加え、Z軸方向に作用する作用力を合わせた4自由度の作用力を検出する。
【0110】
また、起歪体13のZ軸方向の弾性変形量は、操作部12に作用する作用力の大きさに比例し、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの大きさは、起歪体13のZ軸方向の弾性変形量(ひずみ量)に比例するめ、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの大きさは、操作部12に作用する作用力の大きさに比例する。したがって、信号処理部16aは、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの大きさから、上記4自由度の作用力の大きさも検出する。
【0111】
以上説明したように、第6の実施の形態では、それぞれ4個の歪検出素子171e〜174hを有する4つの歪検出部17e〜17h(すなわち、計16個の歪検出素子)を起歪体13の表面に配置することとした。これにより、X軸方向に作用する作用力、Y軸方向に作用する作用力、及びZ軸周りに作用するモーメントの3自由度の作用力に加え、Z軸方向に作用する作用力のあわせて4自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0112】
(第7の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第7の実施の形態を図20及び図21を参照して説明する。なお、図20は先の図14(b)に対応する図であって、作用力検出装置100の平面構造を示す図である。
【0113】
図20に示すように、この第7の実施の形態も、第6の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、第6の実施の形態では、起歪体13の2枚の平板はY軸方向の幅がそれぞれ一定であるのに対し、この第7の実施の形態では、起歪体113の2枚の平板は連結体近傍広がり部113aと固定部位近傍広がり部113bとをそれぞれ有している点で異なっている。なお、連結体近傍広がり部113a及び固定部位近傍広がり部113bは、特許請求の範囲に記載の連結体側広がり部及び先端側広がり部にそれぞれ相当する。
【0114】
図21(c)に、広がり部を有していない起歪体第3部位13gの拡大平面図を示し、図21(b)に、Z軸プラス方向の作用力が起歪体第3部位13gに作用した場合における起歪体第3部位13gの弾性変形量(ひずみ量)の推移を破線にて示す。
【0115】
図21(b)に破線にて示されるように、起歪体第3部位13gのひずみ量は、ハウジング15に固定される部位である起歪体固定部位13iにおいてZ軸プラス方向に最大であり、この起歪体固定部位13iから離れ連結体14の固定部位に近づくにつれて直線的に減少し、連結体固定部位においてZ軸マイナス方向に最大である。このひずみ量の傾向は、起歪体第3部位13gに限らず、起歪体第1部位13e、起歪体第2部位13f、及び起歪体第4部位13hにも同様にあらわれる。
【0116】
ここで、歪検出素子171g〜174gの機能を最大限に発揮するには、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大となる位置に歪検出素子171g〜174gを配置することが望ましい。
【0117】
しかしながら、歪検出素子171g〜174gを配置するにはある程度の配置領域を必要とするため、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大となる起歪体固定部位13iに歪検出素子173g及び174gを配置するとともに、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大となる連結体固定部位に歪検出素子171g及び172gを配置することはできず、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大とはならない起歪体固定部位13i近傍に起歪体歪検出素子173g及び174gを配置するとともに、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大とはならない連結体固定部位近傍に歪検出素子171g及び172gを配置せざるを得ない。そのため、歪検出素子171g〜174gの機能を最大限に発揮することはできない。
【0118】
この場合、さらに、起歪体第3部位13gのひずみ量は直線的に推移することから、歪検出素子171g及び172gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに僅かにずれただけで、あるいは、歪検出素子173g及び174gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに僅かにずれただけで、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子171g〜174gの出力がばらついてしまう。そしてひいては、作用力検出装置は、起歪体13の表面における歪検出素子17の配置位置に対するロバスト性が低い装置となってしまう。
【0119】
また、起歪体13のひずみ量に対しては、弾性変形を繰り返すことを考慮して疲労破断等が生じない耐久条件(上限)がある。歪検出素子17の配置位置における起歪体13のひずみ量が耐久条件を満足するひずみ量となるように起歪体13を構成すると、起歪体固定部位13iにおけるひずみ量及び連結体固定部位におけるひずみ量は耐久条件を上回るひずみ量となってしまい、作用力検出装置は、耐久性に欠けた装置となってしまう。
【0120】
そこで、本実施の形態では、起歪体113の2枚の平板は連結体近傍広がり部113aと固定部位近傍広がり部113bとを有することとした。詳しくは、図20に示すように、連結体近傍広がり部113aは、起歪体113と連結部14との連結部である、起歪体13のX軸方向略中央部へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備えており、固定部位近傍広がり部113bは、両先端部である起歪体固定部位113iに向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備えている。
【0121】
このような連結体近傍広がり部113aと固定部位近傍広がり部113bとを有する起歪体第3部位113gの拡大平面図を図21(c)に示し、Z軸プラス方向の作用力が起歪体第3部位113gに作用した場合における起歪体第3部位113gの弾性変形量(ひずみ量)の推移を図21(b)に実線にて示す。
【0122】
図21(b)に実線にて示されるように、起歪体第3部位113gのひずみ量は、起歪体固定部位113iから固定部位近傍広がり部113bが設けられている部位までの一定範囲においてZ軸プラス方向に最大で且つ略一定となり、起歪体固定部位113iから離れ連結体固定部位に近づくにつれて直線的に減少し、連結体近傍広がり部113aが設けられている部位から連結体固定部位までの一定範囲においてZ軸マイナス方向に最大で且つ略一定となる。このひずみ量の傾向は、起歪体第3部位113gに限らず、起歪体第1部位113e、起歪体第2部位113f、及び起歪体第4部位113hにも同様にあらわれる。
【0123】
起歪体113が固定部位近傍広がり部113bを有することにより、起歪体第3部位113gのひずみ量が起歪体固定部位113iから固定部位近傍広がり部113bが設けられている部位までの一定範囲においてZ軸プラス方向に略一定となるため、歪検出素子171g及び172gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに上記一定範囲内で僅かにずれたとしても、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子171g及び172gの出力のばらつきは少なくなる。
【0124】
同様に、起歪体113が連結体近傍広がり部113aを有することにより、起歪体第3部位113gのひずみ量が連結体近傍広がり部113aが設けられている部位から連結体固定部位までの一定範囲においてZ軸マイナス方向に略一定となるため、歪検出素子173g及び174gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに上記一定範囲内で僅かにずれたとしても、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子173g及び174gの出力のばらつきは少なくなる。
【0125】
このように、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子171g〜174gの出力のばらつきが少なくなることから、作用力検出装置100は、起歪体13の表面における歪検出素子17の配置位置に対するロバスト性が高い装置となる。
【0126】
また、上記固定部近傍広がり角度β(図20参照)を設定することで起歪体113の起歪体固定部位113iにおける最大ひずみ量を調整することが可能であり、上記連結体近傍広がり角度α(図20参照)を設定することで起歪体113の連結体近傍部位における最大ひずみ量を調整することが可能である。
【0127】
本実施の形態では、当該作用力検出装置100の体格の大きさを考慮して、連結体近傍広がり部113aの上記一対の斜辺を、起歪体113の幅方向中心線C3とのなす角度である連結体近傍広がり角度αが「15度〜45度」となるように形成するとともに、固定部位近傍広がり部113bの上記一対の斜辺を、起歪体113の幅方向中心線C3とのなす角度である固定部近傍広がり角度が「15度〜45度」となるように形成した。
【0128】
これにより、歪検出素子171g〜174gの配置位置における起歪体13のひずみ量を上記耐久条件を満足する最大ひずみ量とすることができるようになり、その結果、作用力検出装置100の耐久性を確保しつつも、歪検出素子171g〜174gの機能を最大限に発揮することができるようになる。
【0129】
なお、本実施の形態では、当該作用力検出装置100の体格の大きさを考慮して、連結体近傍広がり角度αが「15度〜45度」となり、且つ、固定部近傍広がり角度が「15度〜45度」となるように形成したがこれに限らない。これら広がり角度α及びβについては、作用力検出装置100の体格の大きさ(すなわち、起歪体113のX軸方向の長さ)、連結体14の起歪体113への固定方法、歪検出素子171g〜174hの配置位置等によって最適な角度(範囲)が異なるため、上記「15度〜45度」に限らず、適宜変更可能である。ちなみに、起歪体113のX軸方向の長さが長いほど、これら広がり角度α及びβを大きく設定するとよい。
【0130】
また、本実施の形態では、起歪体113は連結体近傍広がり部113a及び固定部位近傍広がり部113bの双方とも有していたがこれに限らない。起歪体113は、連結体近傍広がり部113a及び固定部位近傍広がり部113bの少なくともいずれか一方を有していればよい。これによっても、起歪体113の表面における歪検出素子17の配置位置に対するロバスト性を向上することは可能である。
【0131】
(第8の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第8の実施の形態を図22を参照して説明する。なお、図22は先の図1等に対応する図であって、図22(a)は、作用力検出装置110をXXIIA-XXIIA線(図22(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図22(b)は、作用力検出装置110の平面構造を示す図である。
【0132】
図22に示すように、この第8の実施の形態も、先の第1〜第7の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第8の実施の形態では、連結体114は、曲げ加工された単一の板材によって構成されていること点で異なっている。
【0133】
詳しくは、図22に示されるように、連結体114は、操作部12の軸12bと一体に連結される操作部連結部114a、起歪体13と一体に連結される起歪体連結部114b、並びにこれら操作部連結部114a及び起歪体連結部114bを一体に連結する連結部114cを有している。これら操作部連結部114a、起歪体連結部114b、及び連結部114cを有する連結体114を板材の曲げ加工にて製作することで、連結体114の製作が容易になることから、当該作用力検出装置110を低コストで実現することができるようになる。
【0134】
(第9の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第9の実施の形態を図23を参照して説明する。なお、図23は先の図1等に対応する図であって、図23(a)は、作用力検出装置120をXXIIIA-XXIIIA線(図23(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図23(b)は、作用力検出装置120の平面構造を示す図である。
【0135】
図23に示すように、この第9の実施の形態も、先の第1〜第8の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第9の実施の形態では、連結体124は、起歪体13の裏面と操作部12の軸12bとを一体に連結してもよい。連結体124と連結するための領域を起歪体13の表面に確保する必要がなくなることから、起歪体13を小さくすることができ、ひいては、当該作用力検出装置120の体格の小型化を図ることができるようになる。ちなみに、起歪体13の裏面が特許請求の範囲に記載の素子配置面とは反対側の面に相当する。
【0136】
(第10の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第10の実施の形態を図24及び図25を参照して説明する。なお、図24は先の図1(a)等に対応する図であって、作用力検出装置130の断面構造を示す図である。図25(a)及び(b)は、連結体134の正面構造及び側面構造をそれぞれ示す図である。
【0137】
これら図24及び図25に示すように、この第10の実施の形態も、先の第1〜第9の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第10の実施の形態では、連結体134は、複数回折り返された単一の板ばねによって構成されている。
【0138】
連結体134は、起歪体13と操作部12の軸12bとを一体に連結して操作部12に作用した作用力を起歪体13に伝達する本来の効果を奏することはもちろんのこと、操作部12に作用する作用力に応じて板ばねが弾性変形することから、先の第5の実施の形態の作用力検出装置70(図13)に準じた効果、すなわち作用力が作用することによって操作部12が大きく変化するため、操作者が作用力を加えたことが容易に分かるようになる効果も奏する。
【0139】
また、連結体134である板ばねは、例えばプレス加工によって板ばねを加工することによって作製されている。このプレス加工の際、板ばねのX軸方向の幅、板ばねのY軸方向における折り返し回数、及び板ばねのZ軸方向における折り返す高さ等を調整することで、X軸方向の作用力であろうと、Y軸方向の作用力であろうと、作用力の方向によらず、操作部12に加えた作用力に対する操作部12の変位は、ほぼ等しくなっている。そのため、違和感のない操作性が実現されている。
【0140】
なお、本実施の形態では、連結体134は単一の板ばねによって構成されていたが、これに限らない。他に例えば、図25(a)及び(b)にそれぞれ対応する図として図26(a)及び(b)に示すように、連結体144は2つの板ばね144a及び144bが組み合わされて構成されていることとしてもよい。上記第10の実施の形態のように連結体134を単一の板ばねによって構成しようとすると、板ばねの形状が複雑であることから、1度のプレス加工にて板ばねを加工することが難しく、複数回プレス加工を行う必要が生じる場合がある。
【0141】
これに対し、変形例のように、上記連結体134を構成する単一の板ばねを上面の中心点を通るX−Y平面にて2分割した2つの板ばね144a及び144bを組み合わせることによって連結体144を構成すると、板ばね144a及び144bの形状は複雑とならないことから、1度のプレス加工にて容易に加工することが可能である。したがって、この変形例によれば、作用力検出装置130をより低コストに実現することが可能である。なお、板ばね144a及び144bを互いに一体に固定して連結体144とした後、この連結体144を起歪体13及び操作部12に組付けてもよく、板ばね144a及び144bを個別に起歪体13に固定することによりこれら板ばね144a及び144bを互いに一体に固定して連結体144とした後、この連結体144に操作部12(の軸12b)を組付けてもよく、板ばね144a及び144bを個別に操作部12(の軸12b)に固定することによりこれら板ばね144a及び144bを互いに一体に固定して連結体144とした後、この連結体144を操作部12とともに起歪体13に組みつけても良い。組み付け方は任意である。
【符号の説明】
【0142】
10,20,30,40,50,60,70,90,100,110,120,130…作用力検出装置、12…操作部、12a…把持部、12b…軸、13,23,33,43,113…起歪体、13e…起歪体第1部位、13f…起歪体第2部位、13g…起歪体第3部位,13h…起歪体第4部位,13i…起歪体固定部位、14,34,44,54,64,114,124,134…連結体、15…ハウジング、16,16a…信号処理部、17(171a〜173d,171e〜174h)…歪検出素子、17e〜17h…歪検出部、18a〜18c,18e〜18h…ブリッジ回路、34a,44a,54a…操作部連結体、34b,44b,54b…起歪体連結体、34c,44c,54c…連結部、80…弾性部材、113a…連結体近傍広がり部、113b…固定部位近傍広がり部、144a,144b…板ばね、操作部連結部…114a、起歪体連結部…114b、連結部…114c
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置の表示画面上を移動するカーソルの移動方向を指示するなどの操作をするためのポインティングデバイスに適用して有益な作用力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作用力検出装置として例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この文献に記載の技術では、弾性を有する第1歪検出板及び第2歪検出板が平面視十字型に組みつけられ、これら組みつけられた第1歪検出板及び第2歪検出板は、ベースプレートの表面に垂直な状態にてそのベースプレートにさらに組みつけられている。また、第1歪検出板及び第2歪検出板の表面には、これら歪検出板の長手方向に直交する方向を歪検出方向とする歪ゲージが配列されている。
【0003】
また、作用力検出装置として例えば特許文献2に記載の技術が知られている。この文献に記載の技術では、弾性を有する弾性板と、この弾性板の中央に設けられるとともに少なくとも下方部が弾性金属線からなる操作部と、この弾性板の変形を検出するための4つの歪検出素子とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−128142号公報
【特許文献2】特開平10−197373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、ベースプレート表面をX−Y平面とし、ベースプレート表面に垂直な方向をZ軸方向とすると、第1及び第2歪検出板が弾性を有することから、第1及び第2歪検出板は、X軸方向に作用する力及びY軸方向に作用する力によって歪むだけでなく、Z軸周りのモーメントに起因して生じる作用力によっても歪む。したがって、上記特許文献1に記載の技術では、X軸方向に作用する力及びY軸方向に作用する力並びにZ軸周りのモーメントに起因して生じる作用力の3自由度の作用力を検出することが可能である。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、第1及び第2歪検出板の両面、すなわち複数の面に歪ゲージが使用されている。そのため、はんだ付けするなどによりこれら歪ゲージから配線を取り出す工程は複雑となり、コストがかかってしまう。
【0006】
一方、上記特許文献2に記載の技術では、4つの歪検出素子を全て弾性板の同一の表面に設けるため、歪検出素子から容易に配線を取り出すことができるようにはなる。しかしながら、弾性板の表面をX−Y平面とし、弾性板の表面に垂直な方向をZ軸方向とすると、弾性板は平面視矩形型の平板であることから、Z軸周りのモーメントが作用したとしても、このモーメントに起因して変形する量はごく微量である。そのため、Z軸周りのモーメントに起因して生じる弾性板の変形を歪検出素子によって検出することは難しく、X軸方向に作用する作用力及びY軸方向に作用する作用力の2自由度の作用力のみ検出することができるに過ぎない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容易に配線することができ、且つ、3自由度の作用力を検出することができる作用力検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、軸を有する操作部に作用する作用力に応じて弾性変形する平板状の起歪体と、前記起歪体の変形を検出する少なくとも4個の歪検出素子とを備え、前記歪検出素子の検出信号に基づいて前記操作部に作用する作用力を検出する作用力検出装置であって、前記歪検出素子は、前記起歪体の1つの素子配置面にすべて配置されており、前記起歪体と前記操作部の軸とを一体に連結する連結体を備えることを特徴とする。
【0009】
作用力検出装置としてのこのような構成では、操作部の軸周りにモーメントが作用すると、この作用したモーメントは連結体によって起歪体の素子配置面に作用する作用力に変換され、その起歪体の素子配置面に作用する。連結体が起歪体と操作部の軸とを一体に連結するため、連結体によってモーメントは増幅された上で起歪体の表面に作用する。そして、起歪体はこの増幅されたモーメントに起因して生じる作用力に応じて弾性変形し、この変形量は歪検出素子によって検出されるようになる。このように、操作部の軸周りに作用するモーメントを容易に検出することができるようになり、そもそも、起歪体の同一面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力を検出することはできるため、あわせて3自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0010】
また、作用力検出装置としての上記構成では、上記特許文献1に記載の技術とは異なり、起歪体の素子配置面に歪検出素子が配置されるため、歪検出素子を容易に配線することができるようになる。そしてひいては、作用力検出装置を低コストにて製造することができるようになる。
【0011】
ところで、連結体の剛性が高い場合にあっては、上記モーメントが上記作用力に変換される際、連結体自体に大きな反力が生じる。こうした反力が生じると、上記モーメントに起因する起歪体の変形量は小さくなり、作用力の検出感度はそれほど高くない。
【0012】
そこで、請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明のように、前記連結体は、一部が当該連結体の他の部分よりも細く形成されていることが望ましく、具体的には、請求項3に記載の発明のように、前記連結体は、前記操作部の軸と一体に連結される操作部連結体、前記起歪体と一体に連結される起歪体連結体、並びにこれら操作部連結体及び起歪体連結体を一体に連結する連結部を有しており、前記連結部は、前記操作部連結体及び前記起歪体連結体よりも細く形成されていることが望ましい。これにより、連結体自体に生じる反力を小さくすることができるようになり、上記モーメントに起因する起歪体の変形量はそれほど小さくならなくなる。そしてひいては、作用力の検出感度の向上を図ることができるようになる。
【0013】
なお、連結体の剛性を低くするには、上記請求項2に記載の構成あるいは上記請求項3に記載の構成の他に、請求項4に記載の発明のように、前記連結体は、少なくとも一部分が弾性材料にて形成されていることとしてもよい。ちなみに、この請求項4に記載の構成は、上記請求項2あるいは3に記載の構成と併用することが可能であり、これら請求項2〜4に記載の構成を併用する場合、作用力の検出感度のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0014】
また、請求項1〜4のいずれかに記載の構成においては、請求項5に記載の発明のように、前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して垂直となるように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結したり、請求項6に記載の発明のように、前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結したりすることができる。上記請求項6に記載の発明によれば、例えば操作部の軸周りの作用するモーメント等、特定の作用力に対する起歪体の変形量が大きくなり、結果として、検出感度が向上するようになる。
【0015】
上記請求項1〜6のいずれかに記載の構成において、請求項7に記載の発明では、前記操作部の軸に設けられ、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記連結体に伝達する弾性部材をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
弾性部材として、人間の力でも容易に変形させることの可能なゴムやばね(詳しくはコイルばね)等を採用した場合、操作部は作用力が作用することで大きく変位するようになる。操作部が大きく変位するため、操作者が作用力を加えたことが容易に分かるようになる。
【0017】
なお、請求項1に記載の構成においては、請求項8に記載の発明のように、前記連結体は、曲げ加工された単一の板材によって構成されていることとしてもよい。板材の曲げ加工にて連結体を製作することで、連結体の製作が容易になることから、当該装置を低コストで実現することができるようになる。
【0018】
あるいは、請求項1に記載の構成においては、請求項9に記載の発明のように、前記連結体は、複数回折り返された板ばねによって構成されており、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記起歪体に伝達することとしてもよい。
【0019】
上記請求項9に記載の構成によれば、連結体は、起歪体と操作部の軸とを一体に連結して操作部に作用した作用力を起歪体に伝達する本来の効果を奏することはもちろんのこと、操作部に作用する作用力に応じて板ばねが弾性変形することから、上記請求項7の弾性部材に準じた効果、すなわち、作用力が作用することによって操作部が大きく変位するため、操作者は作用力を加えたことが容易に分かるようになる効果も奏するようになる。
【0020】
また、上記請求項9に記載の構成では、複数回折り返された板ばねが用いられることから、折り返す回数や板ばねの幅等を調整することにより、起歪体の素子配置面に平行な方向であればその方向によらず、操作部に加えた作用力に対する操作部の変位をほぼ等しくすることができるようになる。そしてひいては、違和感のない操作性を実現することができるようになる。
【0021】
上記請求項9に記載の構成において、請求項10に記載の発明のように、連結体は単一の板ばねによって構成されていることとしてもよい。例えばプレス加工によって板ばねを加工することで、連結体を単一の板ばねによって構成することが可能である。
【0022】
ただし、例えばプレス加工によって板ばねを加工する場合、請求項11に記載の発明のように、連結体は2つの板ばねが組み合わされて構成されいてもとよい。単一の板ばねによって連結体を構成しようとすると、板ばねの形状が複雑であることから、1度のプレス加工にて板ばねを加工することが難しく、複数回プレス加工を行う必要が生じる場合がある。2つの板ばねを組み合わせることによって連結体を構成しようとすると、板ばねの形状は複雑とならないことから、1度のプレス加工にて板ばねを容易に加工することができる。したがって、当該装置をより低コストに実現することができるようになる。
【0023】
上記請求項1〜11のいずれかに記載の構成において、連結体は起歪体の素子配置面にて連結されていることとしてもよく、請求項12に記載の発明のように、連結体は起歪体の前記素子配置面と反対側の面に連結されていることとしてもよい。請求項12に記載の構成によれば、連結体を連結するための領域を起歪体の素子配置面に確保する必要がなくなることから、起歪体を小さくすることができ、ひいては、当該作用力検出装置の体格の小型化を図ることができるようになる。
【0024】
上記請求項1〜12のいずれかに記載の構成において、請求項13に記載の発明では、前記起歪体の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように前記素子配置面に配置された歪検出素子と、前記起歪体のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように前記素子配置面に配置された歪検出素子とを含む歪検出部を、少なくとも4つ備えることとした。
【0025】
作用力検出装置としてのこのような構成では、操作部の軸方向に作用力が作用すると、この作用した作用力は連結体を介して起歪体の素子配置面に作用する。起歪体は連結体を介して作用した作用力に応じて弾性変形し、この変形量は歪検出素子によって検出されるようになる。これにより、起歪体の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように素子配置面に配置された歪検出素子と起歪体のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように素子配置面に配置された歪検出素子により、起歪体の素子配置面に垂直な方向の作用力を検出することができるようになり、起歪体の素子配置面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力及び操作部の軸周りのモーメントの上記請求項1の3自由度に加え、起歪体の素子配置面に垂直な方向の作用力を含めたあわせて4自由度の作用力を検出することができるようになる。なお、歪検出素子としては、圧膜抵抗体であってもよく、請求項14に記載の発明のように、ひずみゲージであってもよい。
【0026】
また、請求項15に記載の発明のように、前記起歪体は、平面視I字型の平板であることとしてもよく、請求項22に記載の発明のように、前記起歪体は、平面視卍型の平板であることとしてもよい。
【0027】
上記請求項15に記載の構成において、請求項16に記載の発明では、前記起歪体は、両先端部に、先端に近づくほど幅が広がる先端側広がり部を有する平面視I字型の平板であることとした。これにより、先端側広がり部が設けられている範囲における起歪体のひずみ量が略一定となるため、歪検出素子の配置位置がその範囲内でずれたとしても、起歪体のひずみ量に対する歪検出素子の出力のばらつきが少なくなる。そのため、当該作用力検出装置は、起歪体の表面における歪検出素子の配置位置に対するロバスト性が高い装置となる。なお、上記請求項16に記載の構成において、請求項17に記載の発明のように、前記先端側広がり部は、先端側へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることが望ましい。
【0028】
上記請求項15〜17のいずれかに記載の構成において、請求項18に記載の発明では、前記起歪体は、前記連結体との連結部に近づくほど幅が広がる連結体側広がり部を有する平面視I字型の平板であることとした。これにより、連結体側広がり部が設けられている範囲における起歪体のひずみ量が略一定となるため、歪検出素子の起歪体における配置位置がその範囲内でずれたとしても、起歪体のひずみ量に対する歪検出素子の出力のばらつきは少なくなる。そのため、当該作用力検出装置は、起歪体の表面における歪検出素子の配置位置に対するロバスト性が高い装置となる。なお、上記請求項18に記載の構成において、請求項19に記載の発明のように、前記連結体側広がり部は、前記連結部との連結部へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることが望ましい。
【0029】
起歪体が平面視I字型の平板である場合、請求項20に記載の発明のように、前記起歪体は、2枚の平板から構成されることとしてもよいし、請求項21に記載の発明のように、前記起歪体は、2つの平面視I字型の平板からなる1枚の平板から構成されることとしてもよい。ちなみに、請求項20に記載の構成によれば、部品点数を低減することができ、組み付けを容易にすることができるようになる。一方、請求項21に記載の構成によれば、起歪体の製造効率の向上を図ることができるようになる。同様に、起歪体が平面視卍型の平板である場合、請求項23に記載の発明のように、前記起歪体は、複数の平板から構成されることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る作用力検出装置の第1の実施の形態について、(a)はIA−IA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図2】第1の実施の形態において、(a)は操作部にX軸方向への作用力が作用した場合について、(b)は操作部にY軸方向への作用力が作用した場合について、(c)は操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図3】第1の実施の形態において、操作部に作用する作用力及びモーメントに起因して生じる歪検出素子の抵抗値の変化を一覧にて示す図である。
【図4】第1の実施の形態において、(a)は操作部のX軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図である。(b)は操作部のY軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図である。(c)は操作部のZ軸周りのモーメントを検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図である。
【図5】第1の実施の形態の変形例について、(a)はVA-VA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図6】本発明に係る作用力検出装置の第2の実施の形態について、(a)はVIA-VIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図7】(a)は、第1の実施の形態において、操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体に作用する作用力及びモーメントを示す図であり、(b)は、第2の実施の形態において、操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体に作用する作用力及びモーメントを示す図である。
【図8】第2の実施の形態の変形例について、(a)はVIIIA−VIIIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図9】本発明に係る作用力検出装置の第3の実施の形態について、(a)はIXA-IXA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図10】第3の実施の形態において、(a)及び(b)は操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図11】本発明に係る作用力検出装置の第4の実施の形態について、(a)はXIA-XIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図12】(a)は、操作部の軸が起歪体の素子配置面に対して垂直となるように、これら操作部の軸及び起歪体の素子配置面が一体に連結された場合において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体に作用する作用力を示す模式図である。(b)は、操作部の軸が起歪体の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部の軸及び起歪体の素子配置面が一体に連結された場合において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体に作用する作用力を示す模式図である。
【図13】本発明に係る作用力検出装置の第5の実施の形態について、その側面構造を示す図である。
【図14】本発明に係る作用力検出装置の第6の実施の形態について、(a)はXIVA−XIVA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図15】第6の実施の形態において、(a)は操作部にX軸方向への作用力が作用した場合について、(b)は操作部にY軸方向への作用力が作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図16】第6の実施の形態において、(c)は操作部のZ軸方向への作用力が作用した場合について、(d)は操作部のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【図17】第6の実施の形態において、操作部のZ軸方向への操作力が作用した場合について、(a)は歪検出素子の圧縮及び引張態様を示す側面図であり、(b)は歪検出素子の配置態様を示す平面図である。
【図18】第6の実施の形態において、(a)は、操作部のX軸方向、操作部のY軸方向、操作部のZ軸方向、およびZ軸周りのモーメントを検出するためのブリッジ回路の構成例を示す回路図であり、(b)は、操作部にZ軸プラス方向に作用力が作用した場合における歪検出素子の抵抗値の変化を一覧にて示す図である。
【図19】第6の実施の形態において、操作部に作用する作用力及びモーメントの別に、ブリッジ回路の出力の極性を一覧にて示す図である。
【図20】本発明に係る作用力検出装置の第7の実施の形態について、平面構造を示す図である。
【図21】(a)は、広がり部を有している起歪体(第7の実施の形態)の一部の平面構造を示す図であり、(c)は、広がり部を有していない起歪体(第1〜6の実施の形態等)の一部の平面構造を示す図である。(b)は、広がり部を有している起歪体のひずみ量を実線にて示すとともに、広がり部を有していない起歪体のひずみ量を破線にて示す図である。
【図22】本発明に係る作用力検出装置の第8の実施の形態について、(a)はXXIIA-XXIIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図23】本発明に係る作用力検出装置の第9の実施の形態について、(a)はXXIIIA-XXIIIA線を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、(b)は平面構造を示す図である。
【図24】本発明に係る作用力検出装置の第10の実施の形態について、全体の断面構造を側面方向から示す図である。
【図25】第10の実施の形態について、(a)及び(b)は連結体の正面構造及び側面構造をそれぞれ示す図である。
【図26】第10の実施の形態の変形例について、(a)及び(b)は連結体の正面構造及び側面構造をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る作用力検出装置の第1の実施の形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。なお、図1(a)は、作用力検出装置10をIA−IA線(図1(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図1(b)は、作用力検出装置10の平面構造を示す図である。はじめに、この図1(a)及び(b)を参照して、作用力検出装置10の構成について説明する。
【0032】
図1(a)に示されるように、作用力検出装置10は、操作部12、起歪体13、連結体14、ハウジング15、及び信号処理部16等々を備えて構成されている。
【0033】
このうち、操作部12は、把持部12a及び軸12bを有して構成されている。操作部12の把持部12aは、ユーザが直接操作する部分であり、適宜の材料にて平面視円状に形成されている。操作部12の軸12bは、把持部12aの中心から把持部12aの表面に対し垂直に伸長するように、把持部12aと一体に円柱にて形成されている。このように構成されることで、操作部12の把持部12aに作用する作用力は、操作部12の軸12b及び連結体14を介して起歪体13に伝達される。
【0034】
起歪体13は、図1(b)に示すように、2枚の平面視I字型の平板がこれら平板の各表面が同一平面となるように配列されて構成されており、操作部12に作用する作用力に応じて主に起歪体13の表面に垂直な方向(後述のZ軸方向)に弾性変形する。また、この起歪体13の表面(詳しくは上面)には、起歪体13の変形を検出する複数の歪検出素子17(詳しくは歪検出素子171a〜173d)及びこれら歪検出素子17を用いたブリッジ回路に電源を供給するための図示しない複数の電極が配置されている。なお、起歪体13の表面(上面)が特許請求の範囲に記載の起歪体の素子配置面に相当する。
【0035】
ここで、起歪体13の表面に平行で且つ互いに直交する2軸であるX軸及びY軸の各々のプラス方向を、図1(b)で下方に向かう方向及び右方に向かう方向とし、これらX軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向を、起歪体13の表面に垂直な方向とする。このとき、起歪体13の表面に配置された歪検出素子17のうち歪検出素子171a〜171dは、操作部12に作用する作用力のうちX軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子である。また、起歪体13の表面に配置された歪検出素子17のうち歪検出素子172a〜172dは、操作部12に作用する作用力のうちY軸方向に作用する作用力に起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子である。また、起歪体13の表面に配置された歪検出素子17のうち歪検出素子173a〜173dは、操作部12に作用する作用力のうちZ軸周りに作用するモーメントに起因して生じる起歪体13の変形を検出するための歪検出素子である。
【0036】
なお、歪検出素子17(171a〜173d)については公知であるため、ここでの詳しい説明を割愛する。また、本実施の形態では、X軸方向に作用する作用力、Y軸方向に作用する作用力、及びZ軸周りに作用するモーメントの3自由度の作用力各々について、歪検出素子17が4個(計12個)配置されていたが、これに限らず、少なくとも計4個配置されていれば、これら3自由度の作用力を検出することはできる。
【0037】
連結体14は、平面視矩形状且つ側面視コの字型状にて、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料から形成されている。この連結体14は、上面の長手方向略中央に位置する連結領域Suにおいて、操作部12の軸12bと一体に連結されており、下面の両端部に位置する連結領域Sdにおいて、起歪体13と一体に連結されている。なお、連結体14の連結領域Sdは、起歪体13の長手方向の略中央の部分に対向する。また、操作部12の軸12bの軸心C1から連結領域Sdの中心線C2までの距離rは、操作部12の軸12bの半径よりも長く設定されている。ここで、中心線C2とは、連結領域Sdの中心を通り、且つ、連結領域Sdに垂直な線である。さらに、連結体14は、操作部12の軸12bが起歪体13の表面に対して垂直となるように、これら操作部12の軸12bと起歪体13の表面とを一体に連結している。
【0038】
ハウジング15は、適宜の材料によって形成されており、上記起歪体13を保持し、ひいては起歪体13に一体に連結される連結体14や、この連結体14に一体に連結される操作部12等々も保持する。なお、ハウジング15には、起歪体13の歪検出素子17が配置される部分に対向する箇所に凹部が形成されている。この凹部により、起歪体13がその表面に垂直な方向に弾性変形しても、その弾性変形は阻害されないようになる。
【0039】
信号処理部16は、歪検出素子171a〜173dを組み合わせて構成されたブリッジ回路18a〜18cを有して構成されており、ブリッジ回路18a〜18cの検出信号に基づいて、操作部12に作用する作用力を検出する。なお、ブリッジ回路18a〜18cについては図3及び図4を参照しつつ後述する。
【0040】
以上のように構成された作用力検出装置10の動作について図2(a)〜(c)を参照しつつ説明する。なお、図2(a)は操作部12にX軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図2(b)は操作部12にY軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図2(c)は操作部12のZ軸反時計周りのモーメントが作用した場合について、起歪体13に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【0041】
ユーザによって操作部12のX軸プラス方向に作用力が加えられたとする。このとき、加えられた作用力は、軸12bを介して連結体14に伝達され、図2(a)に示すように、X軸プラス方向の作用力Fxとして連結体14に作用する。連結体14に作用力Fxが作用すると、連結体14の左端部にはX軸プラス方向に作用力fx11が作用し、連結体14の右端部にはX軸プラス方向に作用力fx12が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fx11が作用すると、連結体14の左端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fx21がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の左端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fx31がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fx12が作用すると、連結体14の右端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fx22がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の右端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fx32がZ軸プラス方向に作用する。このように、作用力Fxは、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fx21及びfx31並びにfx22及びfx32に変換され、起歪体13に作用することになる。ちなみに、作用力fx21及びfx31が作用するため、連結体14の左端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmx1が発生し、作用力fx22及びfx32が作用するため、連結体14の右端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmx2が発生することになる。
【0042】
また、ユーザによって操作部12のY軸プラス方向に作用力が加えられたとする。このとき、加えられた作用力は、軸12bを介して連結体14に伝達され、図2(b)に示すように、Y軸プラス方向の作用力Fyとして連結体14に作用する。連結体14に作用力Fyが作用すると、連結体14の左端部にはZ軸プラス方向に作用力fy11が作用し、連結体14の右端部にはZ軸マイナス方向に作用力fy12が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fy11が作用すると、連結体14の左端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fy21がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の左端部の図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fy31がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fy12が作用すると、連結体14の右端部の図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fy22がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の左端部の図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fy32がZ軸マイナス方向に作用する。このように、作用力Fyは、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fy21及びfy31並びにfy22及びfy32に変換され、起歪体13に作用することになる。
【0043】
また、ユーザによって操作部12のZ軸反時計周りにモーメントが加えられたとする。このとき、加えられたモーメントは、軸12bを介して連結体14に伝達され、図2(c)に示すように、Z軸反時計周りのモーメントMzとして連結体14に作用する。連結体14にモーメントMzが作用すると、連結体14の左端部にはX軸プラス方向に作用力fz11が作用し、連結体14の右端部にはX軸マイナス方向に作用力fz12が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fz11が作用すると、連結体14の左端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fz21がZ軸マイナス方向に作用し、連結体14の左端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fz31がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fz12が作用すると、連結体14の右端部よりも図の下方に位置する素子配置領域には、作用力fz22がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の右端部よりも図の上方に位置する素子配置領域には、作用力fz32がZ軸マイナス方向に作用する。このように、作用力Fzは、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fz21及びfz31並びにfz22及びfz32に変換され、起歪体13に作用することになる。ちなみに、作用力fz21及びfz31が作用するため、連結体14の左端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmz1が発生し、作用力fz22及びfz32が作用するため、連結体14の右端部に位置する連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmz2が発生することになる。
【0044】
図3は、操作部12に作用する作用力及びモーメントに起因して生じる歪検出素子171a〜173dの抵抗値の変化を一覧にて示す図である。ちなみに、先の図2(a)にて示した動作例においては、歪検出素子171a〜173dの抵抗値は図3の「1行目」に示すように変化する。また、先の図2(b)にて示した動作例においては、歪検出素子171a〜173dの抵抗値は図3の「3行目」に示すように変化する。また、先の図2(c)にて示した動作例においては、歪検出素子171a〜173dの抵抗値は図3の「6行目」に示すように変化する。
【0045】
こうした歪検出素子171a〜173dの抵抗値の変化の特性を踏まえ、本実施の形態では、操作部12のX軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路18aを図4(a)に示すように構成する。また、操作部12のY軸方向に作用する作用力を検出するためのブリッジ回路18bを図4(b)に示すように構成する。また、操作部12のZ軸周りに作用するモーメントを検出するためのブリッジ回路18cを図4(c)に示すように構成する。
【0046】
例えば、X軸プラス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子171aの抵抗値及び171cの抵抗値は増大する一方、歪検出素子171bの抵抗値及び171dの抵抗値は低下する。逆に、X軸マイナス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子171aの抵抗値及び171cの抵抗値は低下する一方、歪検出素子171bの抵抗値及び171dの抵抗値は増大する。したがって、先の図4(a)に示されるように、ブリッジ回路18aは、歪検出素子171a及び171cが互いに対角に配置されるとともに、歪検出素子171b及び171dが互いに対角に配置されるように構成されている。
【0047】
同様に、Y軸プラス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子172aの抵抗値及び172bの抵抗値は増大する一方、歪検出素子172cの抵抗値及び172dの抵抗値は低下する。逆に、Y軸マイナス方向に作用力が作用した場合、歪検出素子172aの抵抗値及び172bの抵抗値は低下する一方、歪検出素子172cの抵抗値及び172dの抵抗値は増大する。したがって、ブリッジ回路18bは、先の図4(b)に示されるように、歪検出素子172a及び172bが互いに対角に配置されるとともに、歪検出素子172c及び172dが互いに対角に配置されるように構成されている。
【0048】
また同様に、Z軸時計周り方向にモーメントが作用した場合、歪検出素子173a及び173dの抵抗値は増大する一方、歪検出素子173b及び173cの抵抗値は低下する。逆に、Z軸反時計周りにモーメントが作用した場合、歪検出素子173a及び173dの抵抗値は低下する一方、歪検出素子173bの抵抗値及び173cの抵抗値は増大する。したがって、ブリッジ回路18cは、先の図4(c)に示されるように、歪検出素子173a及び173dが互いに対角に配置されるとともに、歪検出素子173b及び173cが互いに対角に配置されるように構成されている。
【0049】
そして、信号処理部16は、ブリッジ回路18a〜18cの各中点における出力電圧Voutを検出することで、X軸方向に作用する作用力及びY軸方向に作用する作用力並びにZ軸周りに作用するモーメントの3自由度の作用力を独立して検出することができるようになる。
【0050】
以上説明したように、第1の実施の形態では、2枚の起歪体13の素子配置面は同一平面上にあり、歪検出素子171a〜173dは、この同一平面上にある素子配置面に配置されていることとした。
【0051】
背景技術の欄で説明した特許文献1に記載の技術では、手作業にて、第1歪検出板及び第2歪検出板に歪ゲージを配列するしかなく、作業工数が増大しコストがかかってしまうところ、本実施の形態では、例えば印刷技術を使用すれば、同一平面上にある起歪体13の素子配置面に歪検出素子171a〜173dを配置することは容易であり、作業工数を大幅に低減することができるようになる。また、このように歪検出素子171a〜173dが上記同一平面上にある起歪体13の素子配置面に配置されるため、歪検出素子171a〜173dを容易に配線することができるようになる。したがって、作用力検出装置10を低コストにて製造することができるようになる。ちなみに、2枚の起歪体13の素子配置面が同一平面上となるように起歪体13を製造しようとしても、通常、ばらつきが生じてしまう。こうした起歪体13のばらつきを考慮しても、起歪体13の素子配置面に歪検出素子171a〜173dを配置することは容易となる。
【0052】
また、上記第1の実施の形態では、連結体14は、連結領域Sdと操作部12の軸12bとを一体に連結することとした。こうした構成では、Z軸周りのモーメントが作用すると、この作用したモーメントは連結体14によって増幅された上で起歪体13の表面に作用する作用力に変換され、起歪体13の表面に作用する。そして、起歪体13はこの変換された作用力に応じて弾性変形し、この変形量は歪検出素子171a〜173dによって検出されるようになる。このように、操作部12の軸12b周りに作用するモーメントを検出することができるようになり、そもそも、起歪体13の表面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力を検出することはできるため、あわせて3自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0053】
なお、上記第1の実施の形態では、先の図1(b)に示したように、起歪体13は、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、同一の平面視形状に限らない。起歪体の素子配置領域が同一平面上にある限り、起歪体は、互いに異なる平面視形状を有する平板が2枚配列されて構成されていることとしてもよい。
【0054】
また、上記第1の実施の形態では、先の図1(b)に示したように、起歪体13は、製造効率の向上を図るべく、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、2枚配列された構成に限らない。図1(a)及び(b)にそれぞれ対応する図として図5(a)及び(b)に示すように、起歪体23は、平面視I字型を有する平板が予め2枚分配列されて1枚の平板として構成されていてもよい。起歪体23を1枚の平板にて構成することで、部品点数を低減することができ、組み付けを容易にすることができるようになる。
【0055】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第2の実施の形態を図6及び図7を参照して説明する。なお、図6(a)及び(b)は先の図1(a)及び(b)に対応する図であって、図6(a)は、作用力検出装置30をVIA−VIA線(図6(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図6(b)は、作用力検出装置30の平面構造を示す図である。
【0056】
図6(a)及び(b)に示すように、この第2の実施の形態も、先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、第1の実施の形態では、連結体14は、単一の部材にて構成されているのに対し、この第2の実施の形態では、連結体24は、複数の部材が組み合わされて構成されている点で異なっている。以下、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
【0057】
図6(a)に示されるように、連結体34は、1個の操作部連結体34a、2個の起歪体連結体34b、並びに2個の連結部34cが組み合わされて構成されている。
【0058】
詳しくは、操作部連結体34aは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて角柱状に形成されており、上面の略中央に位置する連結領域Suにおいて、操作部12の軸12bと一体に連結されている。同様に、起歪体連結体34bは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて角柱状に形成されており、下面全面である連結領域Sdにおいて、起歪体13の表面(素子配置面)と一体に連結されている。なお、起歪体連結体34bの連結領域Sdは、起歪体13の長手方向の略中央の部分に対向する。
【0059】
また、連結部34cは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて円柱状に形成されており、操作部連結体34a及び起歪体連結体34bよりも細く(軸に垂直な断面における断面積が小さく)形成されている。この連結部34cは、操作部連結体34aの側面の略中央に位置する連結領域Ss1において、操作部連結体34aと一体に連結されており、起歪体連結体34bの側面中央よりも上方に位置する連結領域Ss2において、操作部連結体34aと一体に連結されている。そして、把持部12aに作用力が作用した場合、連結部34cが操作部連結体34a及び起歪体連結体34bよりも細く形成されていることから、連結部34cは操作部連結体34a及び起歪体連結体34bよりも大きく変形する。なお、操作部連結体34a、起歪体連結体34b、及び連結部34cの形成材料は金属材料以外の弾性材料にて形成してもよい。
【0060】
図7(a)は、先の第1の実施の形態において、操作部12のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体13に作用する作用力及びモーメントを示す図であり、図7(b)は、本実施の形態において、操作部12のZ軸周りのモーメントが作用した場合に、起歪体13に作用する作用力及びモーメントを示す図である。これら図7(a)及び(b)の対比から分かるように、作用力検出装置30を構成する起歪体13の変形量の方が作用力検出装置10を構成する起歪体13の変形量が大きくなっている。
【0061】
作用力検出装置10では連結体14の剛性は大きい。そのため、連結体14によってモーメントMzが作用力fz21及びfz31並びにfz22及びfz32に変換される際、連結体14自体に大きな反力が生じてしまう。こうした反力が生じると、上記モーメントMzに起因する起歪体13の変形量は小さくなり、ブリッジ回路を構成する歪検出素子171a〜173dの抵抗値変化も小さくなる。そのため、Z軸周りのモーメントの検出感度がそれほど高くない。
【0062】
しかしながら、作用力検出装置30では連結体34の剛性は小さい。そのため、モーメントMzが作用力fz21及びfz31並びにfz22及びfz32に変換される際、連結体34自体にそれほど大きな反力(図示略)は生じない。それほど大きな反力が生じないため、上記モーメントMzに起因する起歪体13の変形量は比較的大きくなり、ブリッジ回路を構成する歪検出素子171a〜173dの抵抗値変化もそれほど小さくならない。そしてひいては、Z軸周りのモーメントに係る検出感度が高くなる。
【0063】
なお、上記第2の実施の形態では、先の図6(b)に示したように、連結部34cは、操作部連結体34aの側面の略中央に位置する連結領域Ss1及び起歪体連結体34bの側面中央よりも上方に位置する連結領域Ss2において、操作部連結体34a及び起歪体連結体34bをそれぞれ一体に連結していたが、連結領域Ss1及びSs2の位置はこれに限らない。他に例えば、図6(a)及び(b)に対応する図として、図8(a)及び(b)に示すように、連結部44cは、操作部連結体44aの下面の両端に位置する連結領域Ss3及び起歪体連結体44bの上面略中央に位置する連結領域Ss4において、操作部連結体44a及び起歪体連結体44bをそれぞれ一体に連結してもよい。こうした連結体44を有する作用力検出装置40によっても、上記第2の実施の形態と同様に、Z軸周りのモーメントに係る検出感度を高めることができるようになる。
【0064】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例では、先の図6(b)及び図8(b)にそれぞれ示したように、連結体34及び44は複数の部品が組み合わされて構成されていたが、これに限らない。先の第1の実施の形態及びその変形例を構成する連結体14のように、単一の部品にて構成してもよい。
【0065】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例では、先の図6(b)及び図8(b)にそれぞれ示したように、起歪体13は、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、同一の平面視形状に限らない。起歪体は、互いに異なる平面視形状を有する平板が2枚配列されて構成されていることとしてもよい。
【0066】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例では、先の図6(b)及び図8(b)にそれぞれ示したように、起歪体13は、製造効率の向上を図るべく、同一の平面視形状(平面視I字型)を有する平板が2枚配列されて構成されていたが、2枚配列された構成に限らない。先の図5(a)及び(b)に示すように、起歪体23は、平面視I字型を有する平板が予め2枚分配列されて1枚の平板として構成されていてもよい。起歪体23を1枚の平板にて構成することで、部品点数を低減することができ、組み付けを容易にすることができるようになる。
【0067】
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第3の実施の形態を図9及び図10を参照して説明する。なお、図9(a)及び(b)は先の図1(a)及び(b)に対応する図であって、図9(a)は、作用力検出装置50のIXA−IXA線(図9(b))に沿った側面構造を示す図であり、図9(b)は、作用力検出装置50の平面構造を示す図である。
【0068】
図9(a)及び(b)に示すように、この第3の実施の形態も、先の第1の実施の形態及び第2の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、第1の実施の形態及び第2の実施の形態等では、起歪体13は平面視I字型の平板が2枚配列されて構成されている、あるいは、起歪体23は平面視I字型を有する平板が予め2枚分配列されて1枚の平板として構成されているのに対し、この第3の実施の形態では、起歪体33は、平面視卍型の平板にて構成されている点で異なっている。また、平面視形状が異なっていることに伴い、連結体54の構成も異なっている。以下、第1の実施の形態及び第2の実施の形態等と異なる部分を中心に説明する。
【0069】
図9(a)に示されるように、連結体54は、1個の操作部連結体54a、4個の起歪体連結体54b、並びに4個の連結部54c等々が組み合わされて構成されている。
【0070】
詳しくは、操作部連結体54aは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて角柱状に形成されており、上面の略中央に位置する1つの連結領域Suにおいて、操作部12の軸12bと一体に連結されている。同様に、起歪体連結体54bは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて、角柱状に形成されており、下面全面である4つの連結領域Sdにおいて、起歪体33の表面(素子配置面)と一体に連結されている。なお、起歪体連結体54bの連結領域Sdは、起歪体33の長手方向の先端の部分に対向する。
【0071】
また、連結部54cは、例えば鉄、アルミ、ステンレス等の金属材料を用いて円柱状に形成されており、操作部連結体54a及び起歪体連結体54bよりも細く(軸に垂直な断面における断面積が小さく)形成されている。この連結部54cは、操作部連結体54aの側面の略中央に位置する連結領域Ss1において、操作部連結体54aと一体に連結されており、起歪体連結体54bの側面中央よりも上方に位置する連結領域Ss2において、起歪体連結体54bと一体に連結されている。そして、把持部12aに作用力が作用した場合、連結部54cが操作部連結体54a及び起歪体連結体54bよりも細く形成されていることから、連結部54cの方が操作部連結体54a及び起歪体連結体54bよりも大きく変形する。なお、操作部連結体54a、起歪体連結体54b、及び連結部54cの形成材料は金属材料以外の弾性材料にて形成してもよい。
【0072】
図10(a)及び(b)は、操作部12のZ軸周りのモーメントが作用した場合について、起歪体33に作用する作用力及びモーメントをそれぞれ示す図である。
【0073】
ユーザによって操作部12のZ軸反時計周りにモーメントが加えられたとする。このとき、加えられたモーメントは、軸12bを介して連結体54に伝達され、図10(a)に示すように、Z軸反時計周りのモーメントMzとして連結体54(詳しくは操作部連結体54a)に作用する。操作部連結体54aにモーメントMzが作用すると、このモーメントMzは、連結部54cを介して起歪体連結体54bに伝達され、起歪体連結体54bにはY軸プラス方向に作用力fz11が作用する。ここで、連結体54は起歪体33と一体に連結されていることから、起歪体連結体54bにY軸プラス方向の作用力fz11が作用すると、起歪体連結体54bの右方に位置する歪検出素子配置領域には、作用力fz31がZ軸マイナス方向に作用する。このように、作用力fz11は、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fz31に変換され、起歪体33に作用することになる。ちなみに、作用力fz11及びfz31が作用するため、起歪体連結体54bの連結領域Sdの中心点周りにはモーメントmz1が発生することになる。
【0074】
以上説明した第3の実施の形態によっても、先の第1の実施の形態及び第2の実施の形態等と同様に、起歪体33の素子配置面は同一平面上にあり、歪検出素子17がその同一平面上にある素子配置面に配置されているため、歪検出素子17を容易に配線することができ、作用力検出装置50を低コストにて製造することができるようになる。さらに、操作部12の軸12b周りに作用するモーメントを検出することができるようになり、そもそも、起歪体33の表面に平行で且つ互いに直交する2軸方向の作用力を検出することはできるため、あわせて3自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0075】
なお、上記第3の実施の形態では、先の図9に示したように、連結体54は複数の部品が組み合わされて構成されていたが、これに限らない。先の第1の実施の形態及びその変形例を構成する連結体54のように、単一の部品にて構成してもよく、この場合、連結部54cを割愛してもよい。
【0076】
また、上記第3の実施の形態では、先の図9に示したように、起歪体33は1枚の平板から構成されていたが、1枚の平板に限らない。他に例えば、起歪体33は、例えば2分割あるいは4分割等され、複数の平板から構成されていてもよい。
【0077】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第4の実施の形態を図11及び図12を参照して説明する。なお、図11(a)及び(b)は先の図1(a)及び(b)に対応する図であって、図11(a)は、作用力検出装置60をXIA−XIA線(図11(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図11(b)は、作用力検出装置60の平面構造を示す図である。
【0078】
これら図11(a)及び(b)に示すように、この第4の実施の形態も、先の第1〜第3の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、これら第1〜第3の実施の形態等では、連結体14、34、44、及び54等は、各操作部12の軸12bが起歪体13、23及び33等の素子配置面に対して各々垂直となるように、これら各操作部12の軸12bと起歪体13、23及び33等の素子配置面とを一体に連結しているのに対し、この第4の実施の形態では、連結体64は、操作部12の軸12bが起歪体33の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部12の軸12bと起歪体33の素子配置面とを一体に連結している点で異なっている。
【0079】
図12(a)は、操作部12の軸12bが起歪体13の素子配置面に対して垂直となるようにこれら操作部12の軸12b及び起歪体13の素子配置面が一体に連結された場合(すなわち、第1〜第3の実施の形態等)において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体13に作用する作用力を示す模式図である。また、図12(b)は、操作部12の軸12bが起歪体13の素子配置面に対して所定角度傾斜するようにこれら操作部12の軸12b及び起歪体13の素子配置面が一体に連結された場合において、作用力がY軸マイナス方向に作用したときに起歪体13に作用する作用力を示す模式図である。
【0080】
ユーザによって操作部12に作用力が加えられ、Y軸マイナス方向に作用力Fyが加えられたとする。このとき、加えられた作用力Fyは、図12(a)に示すように、起歪体13の素子配置面に平行な方向に作用する作用力fyとして、起歪体13に作用することになる。一方、ユーザによって操作部12に作用力が加えられ、Y軸マイナス方向に作用力Fyが加えられたとする。このとき、加えられた作用力Fyは、図12(b)に示すように、起歪体33の素子配置面に垂直な方向に作用する作用力fy1、及び、起歪体33の素子配置面に平行な方向に作用する作用力fy2に分解された上で、起歪体13に作用することになる。このように、起歪体33の素子配置面(表面)と交差する軸(具体的にはY軸及びZ軸)方向に対する起歪体33の変形量が大きくなるため、特定の作用力に対する起歪体33の変形量が大きくなり、結果として、検出感度が向上するようになる。
【0081】
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第5の実施の形態を図13を参照して説明する。なお、図13は先の図1(a)に対応する図であって、図13は、作用力検出装置70の側面構造を示す図である。
【0082】
図13に示すように、この第5の実施の形態も、先の第1〜第4の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第5の実施の形態では、操作部12に作用する作用力に応じて弾性変形しつつこの作用力を連結体14に伝達する弾性部材80が、操作部12の軸12bに設けられている点で異なっている。
【0083】
詳しくは、弾性部材80の形成材料としては、人間の力でも容易に変形させることの可能なゴムやコイルばね等が採用されている。これにより、操作部12は作用力が作用することで大きく変位するようになり、操作部12が大きく変位するため、操作者が人間であった場合、作用力を加えたことが容易に分かるようになる。ちなみに、この弾性部材80がない場合であっても、人間にとって視覚的に確認することは難しいものの、操作部12に作用する作用力は連結体14を介して起歪体13に伝達されている。
【0084】
(第6の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第6の実施の形態を図14〜図19を参照して説明する。なお、図14は先の図1等に対応する図であって、図14(a)は、作用力検出装置90をXIVA-XIVA線(図14(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図14(b)は、作用力検出装置90の平面構造を示す図である。この図14(a)及び(b)を参照して、作用力検出装置90の構成について説明する。
【0085】
図14(a)及び(b)に示すように、この第6の実施の形態も、第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、第1の実施の形態では、計12個の歪検出素子を起歪体13の表面に配置していたが、この第6の実施の形態では、それぞれ4個の歪検出素子を有する4つの歪検出部(すなわち、計16個の歪検出素子)を起歪体13の表面に配置している点で異なっている。以下、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
【0086】
起歪体13は、図14(b)に示すように、2枚の平面視I字型の平板がこれら平板の各表面が同一平面となるように配列されて構成されており、操作部12に作用する作用力の方向に応じて異なる態様にて該起歪体13の表面に垂直な方向(Z軸方向)に弾性変形する。また、この起歪体13の表面(詳しくは上面)には、起歪体13の変形を検出する4つの歪検出部17e〜17h及びこれら歪検出部17e〜17hを構成する歪検出素子171e〜174hを用いたブリッジ回路18e〜18g(図18)に電源を供給するための図示しない複数の電極が配置されている。
【0087】
以下の説明では、便宜上、操作部12の軸12bよりもY軸プラス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸プラス方向に位置する部位を起歪体第1部位13eとし、操作部12の軸12bよりもY軸プラス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸マイナス方向側に位置する部位を起歪体第2部位13fとし、操作部12の軸12bよりもY軸マイナス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸マイナス方向側に位置する部位を起歪体第3部位13gとし、操作部12の軸12bよりもY軸マイナス方向側に位置する平板の、連結体14よりもX軸プラス方向側に位置する部位を起歪体第4部位13hとする。また、平板の、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hよりもY軸方向に幅が広い部位を起歪体固定部位13iとし、この起歪体固定部位13iがハウジング15にて固定される部位である。
【0088】
歪検出部17eは、起歪体第1部位13eに配置されており、この歪検出部17eを構成する歪検出素子171e〜171eは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第1部位13eのZ軸方向の弾性変形を検出するための歪検出素子である。また、歪検出部17fは、起歪体第2部位13fに配置されており、この歪検出部17gを構成する歪検出素子171f〜174fは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第2部位13fのZ軸方向の変形を検出するための歪検出素子である。また、歪検出部17gは、起歪体第3部位13gに配置されており、歪検出部17gを構成する歪検出素子171g〜174gは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第3部位13gのZ軸方向の変形を検出するための歪検出素子である。また、歪検出部17hは、起歪体第4部位13hに配置されており、この歪検出部17hを構成する歪検出素子171h〜174hは、操作部12に作用する作用力に起因して生じる起歪体第4部位13hのZ軸方向の変形を検出するための歪検出素子である。なお、起歪体第1部位13eの表面における歪検出素子171e〜174eの配置位置、起歪体第2部位13fの表面における歪検出素子171f〜174fの配置位置、起歪体第3部位13gの表面における歪検出素子171g〜174gの配置位置、及び起歪体第4部位13hの表面における歪検出素子171h〜174hの配置位置については後述する。
【0089】
信号処理部16aは、歪検出素子171e〜174hを組み合わせて構成されたブリッジ回路18e〜18hを有して構成されており、ブリッジ回路18e〜18hの検出信号に基づいて、操作部12に作用する作用力を検出する。なお、ブリッジ回路18e〜18h及び信号処理部16aについては後述する。
【0090】
以上のように構成された作用力検出装置90の動作について図15(a)及び(b)並びに図16(c)及び(d)を参照しつつ説明する。なお、図15(a)は操作部12にX軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図15(b)は操作部12にY軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図16(c)は操作部12にZ軸プラス方向への作用力が作用した場合について、図16(d)は操作部12のZ軸反時計周りのモーメントが作用した場合について、起歪体13(起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13h)に作用する作用力をそれぞれ示す図である。ただし、図15(a)、(b)及び図16(d)については、先の図2(a)〜(c)と同様であるため、ここでの説明を割愛する。
【0091】
ユーザによって操作部12のZ軸プラス方向に作用力が加えられたとする。このとき、加えられた作用力は、軸12bを介して連結体14に伝達され、図16(c)に示すように、Z軸プラス方向の作用力Fzとして連結体14に作用する。連結体14に作用力Fzが作用すると、連結体14の左端部にはZ軸プラス方向に作用力fz13が作用し、連結体14の右端部にはZ軸プラス方向に作用力fz14が作用する。ここで、連結体14は起歪体13と一体に連結されていることから、連結体14の左端部に作用力fz13が作用すると、連結体14の左端部よりもX軸プラス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第4部位13hには、作用力fz23がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の左端部よりもX軸マイナス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第3部位13gには、作用力fz33がZ軸プラス方向に作用する。同様に、連結体14の右端部に作用力fz14が作用すると、連結体14の右端部よりもX軸プラス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第1部位13eには、作用力fz24がZ軸プラス方向に作用し、連結体14の右端部よりもX軸マイナス方向に位置する素子配置領域、すなわち起歪体第2部位13fには、作用力fz34がZ軸プラス方向に作用する。このように、作用力Fzは、連結体14によって、起歪体13の表面に対して垂直な作用力fz23及びfz33並びにfz24及びfz34に変換され、起歪体13に作用することになる。
【0092】
図17(a)は、起歪体固定部位13iを含めた起歪体第3部位13gの拡大平面図であり、図17(b)は、Z軸プラス方向の作用力Fz13が作用することに起因して起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形した場合における歪検出素子171g〜174gの変形態様を側面方向から示す拡大図である。
【0093】
これら図17(a)及び(b)に示されるように、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形すると、歪検出素子171g及び172gにはX軸方向の引張が生じる一方、歪検出素子173g及び174gにはX軸方向の圧縮が生じる。また、図示を割愛するが、起歪体第3部位13gがZ軸マイナス方向に弾性変形すると、歪検出素子171g及び172gにはX軸方向の圧縮が生じる一方、歪検出素子173g及び174gにはX軸方向の引張が生じる。
【0094】
このように、起歪体第3部位13gのZ軸プラス方向の弾性変形に伴って引張が生じるとともに、起歪体第3部位13gのZ軸マイナス方向の弾性変形に伴って圧縮が生じるように、歪検出素子171g及び172gは起歪体第3部位13gの上面に配置されている。また、起歪体第3部位13gのZ軸プラス方向の弾性変形に伴って圧縮が生じるとともに、起歪体第3部位13gのZ軸マイナス方向の弾性変形に伴って引張が生じるように、歪検出素子173g及び174gは起歪体第3部位13gの上面に配置されている。
【0095】
なお、起歪体第3部位13gの上面に配置される歪検出素子171g〜174gに限らず、起歪体第1部位13eの上面に配置される歪検出素子171e〜171h、起歪体第2部位13fの上面に配置される歪検出素子171f〜174f、及び起歪体第4部位13hの上面に配置される歪検出素子171h〜174hについても同様である。
【0096】
このような歪検出素子171e〜174gの配置位置は、材料力学上、起歪体13に作用する作用力の大きさ、すなわち操作部12に作用する作用力の大きさ、起歪体13の材質等によっては変化せず、連結体14から起歪体固定部位13iまでの距離によって特定される。なお、歪検出素子171e〜174gの配置位置は、例えばCAE(Computer Aided Engineering)等によって特定可能である。
【0097】
図18(a)は、起歪体第3部位13gの表面に歪検出素子171g〜174gを上述したように配置し、且つ、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形した場合における歪検出素子171e174eの抵抗値の変化を一覧にて示す図である。
【0098】
この図18(a)に示されるように、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形すると、歪検出素子171g及び172gの抵抗値は増加する(引張が生じるため)。逆に、起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形すると、歪検出素子173g及び174gの抵抗値は減少する(圧縮が生じるため)。
【0099】
なお、図示を省略するが、起歪体第1部位13eがZ軸方向に弾性変形する場合における歪検出素子171e〜174eの抵抗値の変化、起歪体第2部位13fがZ軸方向に弾性変形する場合における歪検出素子171f〜174fの抵抗値の変化、起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形する場合における歪検出素子171h〜174hの抵抗値の変化についても同様である。
【0100】
上記図17及び図18並びに上記説明から、歪検出部17e〜17hは、起歪体13の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように起歪体13の上面に配置される歪検出素子と、起歪体13のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように起歪体13の上面に配置された歪検出素子とをそれぞれ含んでいる。
【0101】
図18(b)は、図18(a)に示す抵抗値の変化を踏まえたブリッジ回路18gの構成例を示す図である。この図18(b)に示されるように、ブリッジ回路18gは、起歪体第3部位13gのZ軸方向における弾性変形に対する抵抗値の変化態様が同一である歪検出素子171g及び172gを互いに対角に有するとともに、起歪体第3部位13gのZ軸方向における弾性変形に対する抵抗値の変化態様は同一だが歪検出素子171g及び172gの抵抗値の変化態様とは逆である歪検出素子173g及び173hを互いに対角に有する。
【0102】
なお、歪検出素子171g〜174gを有するブリッジ回路18gに限らず、歪検出素子171e〜174eを有するブリッジ回路18e、歪検出素子171f〜174fを有するブリッジ回路18f、及び歪検出素子171h〜174hを有するブリッジ回路18hについても同様である。
【0103】
そして、ブリッジ回路18e〜18hは、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形するとき、正の極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力し、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hがZ軸マイナス方向に弾性変形するとき、負の極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0104】
図19は、操作部12に作用する作用力の別に、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの極性を一覧にて示す図である。
【0105】
先の図15(a)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「1行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第2部位13f及び起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18f及びブリッジ回路18gは正の極性の出力電圧Voutを出力する一方、起歪体第1部位13e及び起歪体第4部位13hがZ軸マイナス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18hは負の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にX軸マイナス方向への作用力が作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「2行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0106】
先の図15(b)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「3行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第3部位13g及び起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18g及びブリッジ回路18hは正の極性の出力電圧Voutを出力する一方、起歪体第1部位13e及び起歪体第2部位13fがZ軸マイナス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18fは負の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にY軸マイナス方向への作用力が作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「4行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0107】
先の図16(c)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「5行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第1部位13e〜起歪体第4部位13hがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e〜ブリッジ回路18hは正の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にZ軸マイナス方向への作用力が作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「6行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0108】
先の図16(d)にて示した動作例においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「7行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。詳しくは、起歪体第1部位13e及び起歪体第3部位13gがZ軸プラス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18gは正の極性の出力電圧Voutを出力する一方、起歪体第2部位13f及び起歪体第4部位13hがZ軸マイナス方向に弾性変形することから、ブリッジ回路18e及びブリッジ回路18hは負の極性の出力電圧Voutを出力する。なお、操作部12にZ軸時計回り方向へのモーメントが作用した場合においては、ブリッジ回路18e〜18hは、図18の「8行目」に示す極性の出力電圧Voutをそれぞれ出力する。
【0109】
信号処理部16aは、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの極性の組み合わせを判断することで、X軸方向に作用する作用力及びY軸方向に作用する作用力並びにZ軸周りに作用するモーメント(すなわち、第1の実施の形態の3自由度)に加え、Z軸方向に作用する作用力を合わせた4自由度の作用力を検出する。
【0110】
また、起歪体13のZ軸方向の弾性変形量は、操作部12に作用する作用力の大きさに比例し、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの大きさは、起歪体13のZ軸方向の弾性変形量(ひずみ量)に比例するめ、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの大きさは、操作部12に作用する作用力の大きさに比例する。したがって、信号処理部16aは、ブリッジ回路18e〜18hの各中点における出力電圧Voutの大きさから、上記4自由度の作用力の大きさも検出する。
【0111】
以上説明したように、第6の実施の形態では、それぞれ4個の歪検出素子171e〜174hを有する4つの歪検出部17e〜17h(すなわち、計16個の歪検出素子)を起歪体13の表面に配置することとした。これにより、X軸方向に作用する作用力、Y軸方向に作用する作用力、及びZ軸周りに作用するモーメントの3自由度の作用力に加え、Z軸方向に作用する作用力のあわせて4自由度の作用力を検出することができるようになる。
【0112】
(第7の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第7の実施の形態を図20及び図21を参照して説明する。なお、図20は先の図14(b)に対応する図であって、作用力検出装置100の平面構造を示す図である。
【0113】
図20に示すように、この第7の実施の形態も、第6の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、第6の実施の形態では、起歪体13の2枚の平板はY軸方向の幅がそれぞれ一定であるのに対し、この第7の実施の形態では、起歪体113の2枚の平板は連結体近傍広がり部113aと固定部位近傍広がり部113bとをそれぞれ有している点で異なっている。なお、連結体近傍広がり部113a及び固定部位近傍広がり部113bは、特許請求の範囲に記載の連結体側広がり部及び先端側広がり部にそれぞれ相当する。
【0114】
図21(c)に、広がり部を有していない起歪体第3部位13gの拡大平面図を示し、図21(b)に、Z軸プラス方向の作用力が起歪体第3部位13gに作用した場合における起歪体第3部位13gの弾性変形量(ひずみ量)の推移を破線にて示す。
【0115】
図21(b)に破線にて示されるように、起歪体第3部位13gのひずみ量は、ハウジング15に固定される部位である起歪体固定部位13iにおいてZ軸プラス方向に最大であり、この起歪体固定部位13iから離れ連結体14の固定部位に近づくにつれて直線的に減少し、連結体固定部位においてZ軸マイナス方向に最大である。このひずみ量の傾向は、起歪体第3部位13gに限らず、起歪体第1部位13e、起歪体第2部位13f、及び起歪体第4部位13hにも同様にあらわれる。
【0116】
ここで、歪検出素子171g〜174gの機能を最大限に発揮するには、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大となる位置に歪検出素子171g〜174gを配置することが望ましい。
【0117】
しかしながら、歪検出素子171g〜174gを配置するにはある程度の配置領域を必要とするため、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大となる起歪体固定部位13iに歪検出素子173g及び174gを配置するとともに、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大となる連結体固定部位に歪検出素子171g及び172gを配置することはできず、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大とはならない起歪体固定部位13i近傍に起歪体歪検出素子173g及び174gを配置するとともに、起歪体第3部位13gのひずみ量が最大とはならない連結体固定部位近傍に歪検出素子171g及び172gを配置せざるを得ない。そのため、歪検出素子171g〜174gの機能を最大限に発揮することはできない。
【0118】
この場合、さらに、起歪体第3部位13gのひずみ量は直線的に推移することから、歪検出素子171g及び172gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに僅かにずれただけで、あるいは、歪検出素子173g及び174gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに僅かにずれただけで、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子171g〜174gの出力がばらついてしまう。そしてひいては、作用力検出装置は、起歪体13の表面における歪検出素子17の配置位置に対するロバスト性が低い装置となってしまう。
【0119】
また、起歪体13のひずみ量に対しては、弾性変形を繰り返すことを考慮して疲労破断等が生じない耐久条件(上限)がある。歪検出素子17の配置位置における起歪体13のひずみ量が耐久条件を満足するひずみ量となるように起歪体13を構成すると、起歪体固定部位13iにおけるひずみ量及び連結体固定部位におけるひずみ量は耐久条件を上回るひずみ量となってしまい、作用力検出装置は、耐久性に欠けた装置となってしまう。
【0120】
そこで、本実施の形態では、起歪体113の2枚の平板は連結体近傍広がり部113aと固定部位近傍広がり部113bとを有することとした。詳しくは、図20に示すように、連結体近傍広がり部113aは、起歪体113と連結部14との連結部である、起歪体13のX軸方向略中央部へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備えており、固定部位近傍広がり部113bは、両先端部である起歪体固定部位113iに向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備えている。
【0121】
このような連結体近傍広がり部113aと固定部位近傍広がり部113bとを有する起歪体第3部位113gの拡大平面図を図21(c)に示し、Z軸プラス方向の作用力が起歪体第3部位113gに作用した場合における起歪体第3部位113gの弾性変形量(ひずみ量)の推移を図21(b)に実線にて示す。
【0122】
図21(b)に実線にて示されるように、起歪体第3部位113gのひずみ量は、起歪体固定部位113iから固定部位近傍広がり部113bが設けられている部位までの一定範囲においてZ軸プラス方向に最大で且つ略一定となり、起歪体固定部位113iから離れ連結体固定部位に近づくにつれて直線的に減少し、連結体近傍広がり部113aが設けられている部位から連結体固定部位までの一定範囲においてZ軸マイナス方向に最大で且つ略一定となる。このひずみ量の傾向は、起歪体第3部位113gに限らず、起歪体第1部位113e、起歪体第2部位113f、及び起歪体第4部位113hにも同様にあらわれる。
【0123】
起歪体113が固定部位近傍広がり部113bを有することにより、起歪体第3部位113gのひずみ量が起歪体固定部位113iから固定部位近傍広がり部113bが設けられている部位までの一定範囲においてZ軸プラス方向に略一定となるため、歪検出素子171g及び172gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに上記一定範囲内で僅かにずれたとしても、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子171g及び172gの出力のばらつきは少なくなる。
【0124】
同様に、起歪体113が連結体近傍広がり部113aを有することにより、起歪体第3部位113gのひずみ量が連結体近傍広がり部113aが設けられている部位から連結体固定部位までの一定範囲においてZ軸マイナス方向に略一定となるため、歪検出素子173g及び174gの起歪体第3部位13gにおける配置位置が互いに上記一定範囲内で僅かにずれたとしても、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子173g及び174gの出力のばらつきは少なくなる。
【0125】
このように、起歪体第3部位13gのひずみ量に対する歪検出素子171g〜174gの出力のばらつきが少なくなることから、作用力検出装置100は、起歪体13の表面における歪検出素子17の配置位置に対するロバスト性が高い装置となる。
【0126】
また、上記固定部近傍広がり角度β(図20参照)を設定することで起歪体113の起歪体固定部位113iにおける最大ひずみ量を調整することが可能であり、上記連結体近傍広がり角度α(図20参照)を設定することで起歪体113の連結体近傍部位における最大ひずみ量を調整することが可能である。
【0127】
本実施の形態では、当該作用力検出装置100の体格の大きさを考慮して、連結体近傍広がり部113aの上記一対の斜辺を、起歪体113の幅方向中心線C3とのなす角度である連結体近傍広がり角度αが「15度〜45度」となるように形成するとともに、固定部位近傍広がり部113bの上記一対の斜辺を、起歪体113の幅方向中心線C3とのなす角度である固定部近傍広がり角度が「15度〜45度」となるように形成した。
【0128】
これにより、歪検出素子171g〜174gの配置位置における起歪体13のひずみ量を上記耐久条件を満足する最大ひずみ量とすることができるようになり、その結果、作用力検出装置100の耐久性を確保しつつも、歪検出素子171g〜174gの機能を最大限に発揮することができるようになる。
【0129】
なお、本実施の形態では、当該作用力検出装置100の体格の大きさを考慮して、連結体近傍広がり角度αが「15度〜45度」となり、且つ、固定部近傍広がり角度が「15度〜45度」となるように形成したがこれに限らない。これら広がり角度α及びβについては、作用力検出装置100の体格の大きさ(すなわち、起歪体113のX軸方向の長さ)、連結体14の起歪体113への固定方法、歪検出素子171g〜174hの配置位置等によって最適な角度(範囲)が異なるため、上記「15度〜45度」に限らず、適宜変更可能である。ちなみに、起歪体113のX軸方向の長さが長いほど、これら広がり角度α及びβを大きく設定するとよい。
【0130】
また、本実施の形態では、起歪体113は連結体近傍広がり部113a及び固定部位近傍広がり部113bの双方とも有していたがこれに限らない。起歪体113は、連結体近傍広がり部113a及び固定部位近傍広がり部113bの少なくともいずれか一方を有していればよい。これによっても、起歪体113の表面における歪検出素子17の配置位置に対するロバスト性を向上することは可能である。
【0131】
(第8の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第8の実施の形態を図22を参照して説明する。なお、図22は先の図1等に対応する図であって、図22(a)は、作用力検出装置110をXXIIA-XXIIA線(図22(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図22(b)は、作用力検出装置110の平面構造を示す図である。
【0132】
図22に示すように、この第8の実施の形態も、先の第1〜第7の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第8の実施の形態では、連結体114は、曲げ加工された単一の板材によって構成されていること点で異なっている。
【0133】
詳しくは、図22に示されるように、連結体114は、操作部12の軸12bと一体に連結される操作部連結部114a、起歪体13と一体に連結される起歪体連結部114b、並びにこれら操作部連結部114a及び起歪体連結部114bを一体に連結する連結部114cを有している。これら操作部連結部114a、起歪体連結部114b、及び連結部114cを有する連結体114を板材の曲げ加工にて製作することで、連結体114の製作が容易になることから、当該作用力検出装置110を低コストで実現することができるようになる。
【0134】
(第9の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第9の実施の形態を図23を参照して説明する。なお、図23は先の図1等に対応する図であって、図23(a)は、作用力検出装置120をXXIIIA-XXIIIA線(図23(b))を通る垂直平面で切断した断面構造を示す図であり、図23(b)は、作用力検出装置120の平面構造を示す図である。
【0135】
図23に示すように、この第9の実施の形態も、先の第1〜第8の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第9の実施の形態では、連結体124は、起歪体13の裏面と操作部12の軸12bとを一体に連結してもよい。連結体124と連結するための領域を起歪体13の表面に確保する必要がなくなることから、起歪体13を小さくすることができ、ひいては、当該作用力検出装置120の体格の小型化を図ることができるようになる。ちなみに、起歪体13の裏面が特許請求の範囲に記載の素子配置面とは反対側の面に相当する。
【0136】
(第10の実施の形態)
次に、本発明に係る作用力検出装置の第10の実施の形態を図24及び図25を参照して説明する。なお、図24は先の図1(a)等に対応する図であって、作用力検出装置130の断面構造を示す図である。図25(a)及び(b)は、連結体134の正面構造及び側面構造をそれぞれ示す図である。
【0137】
これら図24及び図25に示すように、この第10の実施の形態も、先の第1〜第9の実施の形態等に準じた構成となっている。ただし、この第10の実施の形態では、連結体134は、複数回折り返された単一の板ばねによって構成されている。
【0138】
連結体134は、起歪体13と操作部12の軸12bとを一体に連結して操作部12に作用した作用力を起歪体13に伝達する本来の効果を奏することはもちろんのこと、操作部12に作用する作用力に応じて板ばねが弾性変形することから、先の第5の実施の形態の作用力検出装置70(図13)に準じた効果、すなわち作用力が作用することによって操作部12が大きく変化するため、操作者が作用力を加えたことが容易に分かるようになる効果も奏する。
【0139】
また、連結体134である板ばねは、例えばプレス加工によって板ばねを加工することによって作製されている。このプレス加工の際、板ばねのX軸方向の幅、板ばねのY軸方向における折り返し回数、及び板ばねのZ軸方向における折り返す高さ等を調整することで、X軸方向の作用力であろうと、Y軸方向の作用力であろうと、作用力の方向によらず、操作部12に加えた作用力に対する操作部12の変位は、ほぼ等しくなっている。そのため、違和感のない操作性が実現されている。
【0140】
なお、本実施の形態では、連結体134は単一の板ばねによって構成されていたが、これに限らない。他に例えば、図25(a)及び(b)にそれぞれ対応する図として図26(a)及び(b)に示すように、連結体144は2つの板ばね144a及び144bが組み合わされて構成されていることとしてもよい。上記第10の実施の形態のように連結体134を単一の板ばねによって構成しようとすると、板ばねの形状が複雑であることから、1度のプレス加工にて板ばねを加工することが難しく、複数回プレス加工を行う必要が生じる場合がある。
【0141】
これに対し、変形例のように、上記連結体134を構成する単一の板ばねを上面の中心点を通るX−Y平面にて2分割した2つの板ばね144a及び144bを組み合わせることによって連結体144を構成すると、板ばね144a及び144bの形状は複雑とならないことから、1度のプレス加工にて容易に加工することが可能である。したがって、この変形例によれば、作用力検出装置130をより低コストに実現することが可能である。なお、板ばね144a及び144bを互いに一体に固定して連結体144とした後、この連結体144を起歪体13及び操作部12に組付けてもよく、板ばね144a及び144bを個別に起歪体13に固定することによりこれら板ばね144a及び144bを互いに一体に固定して連結体144とした後、この連結体144に操作部12(の軸12b)を組付けてもよく、板ばね144a及び144bを個別に操作部12(の軸12b)に固定することによりこれら板ばね144a及び144bを互いに一体に固定して連結体144とした後、この連結体144を操作部12とともに起歪体13に組みつけても良い。組み付け方は任意である。
【符号の説明】
【0142】
10,20,30,40,50,60,70,90,100,110,120,130…作用力検出装置、12…操作部、12a…把持部、12b…軸、13,23,33,43,113…起歪体、13e…起歪体第1部位、13f…起歪体第2部位、13g…起歪体第3部位,13h…起歪体第4部位,13i…起歪体固定部位、14,34,44,54,64,114,124,134…連結体、15…ハウジング、16,16a…信号処理部、17(171a〜173d,171e〜174h)…歪検出素子、17e〜17h…歪検出部、18a〜18c,18e〜18h…ブリッジ回路、34a,44a,54a…操作部連結体、34b,44b,54b…起歪体連結体、34c,44c,54c…連結部、80…弾性部材、113a…連結体近傍広がり部、113b…固定部位近傍広がり部、144a,144b…板ばね、操作部連結部…114a、起歪体連結部…114b、連結部…114c
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を有する操作部に作用する作用力に応じて弾性変形する平板状の起歪体と、前記起歪体の変形を検出する少なくとも4個の歪検出素子とを備え、前記歪検出素子の検出信号に基づいて前記操作部に作用する作用力を検出する作用力検出装置であって、
前記歪検出素子は、前記起歪体の1つの素子配置面にすべて配置されており、
前記起歪体と前記操作部の軸とを一体に連結する連結体を備えることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、一部が当該連結体の他の部分よりも細く形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記操作部の軸と一体に連結される操作部連結体、前記起歪体と一体に連結される起歪体連結体、並びにこれら操作部連結体及び起歪体連結体を一体に連結する連結部を有しており、
前記連結部は、前記操作部連結体及び前記起歪体連結体よりも細く形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、少なくとも分が弾性材料にて形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して垂直となるように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結することを特徴とする作用力検出装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結することを特徴とする作用力検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記操作部の軸に設けられ、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記連結体に伝達する弾性部材をさらに備えることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、曲げ加工された単一の板材によって構成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項9】
請求項1に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、複数回折り返された板ばねによって構成されており、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記起歪体に伝達することを特徴とする作用力検出装置。
【請求項10】
請求項9に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、単一の板ばねによって構成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項11】
請求項9に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は2つの板ばねが組み合わされて構成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記起歪体の前記素子配置面とは反対側の面に連結されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように前記素子配置面に配置された歪検出素子と、前記起歪体のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように前記素子配置面に配置された歪検出素子とを含む歪検出部を、少なくとも4つ備えることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項14】
請求項13に記載の作用力検出装置において、
前記歪検出素子はひずみゲージであることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、平面視I字型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項16】
請求項15に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、両先端部に、先端に近づくほど幅が広がる先端側広がり部を有する平面視I字型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項17】
請求項16に記載の作用力検出装置において、
前記先端側広がり部は、先端側へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、前記連結体との連結部に近づくほど幅が広がる連結体側広がり部を有する平面視I字型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項19】
請求項18に記載の作用力検出装置において、
前記連結体側広がり部は、前記連結部との連結部へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、2枚の平板にて構成されることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項21】
請求項15〜19のいずれか一項に記載の作用力検出装置おいて、
前記起歪体は、2つの平面視I字型の平板からなる1枚の平板にて構成されることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項22】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、平面視卍型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項23】
請求項22に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、複数の平板から構成されることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項1】
軸を有する操作部に作用する作用力に応じて弾性変形する平板状の起歪体と、前記起歪体の変形を検出する少なくとも4個の歪検出素子とを備え、前記歪検出素子の検出信号に基づいて前記操作部に作用する作用力を検出する作用力検出装置であって、
前記歪検出素子は、前記起歪体の1つの素子配置面にすべて配置されており、
前記起歪体と前記操作部の軸とを一体に連結する連結体を備えることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、一部が当該連結体の他の部分よりも細く形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記操作部の軸と一体に連結される操作部連結体、前記起歪体と一体に連結される起歪体連結体、並びにこれら操作部連結体及び起歪体連結体を一体に連結する連結部を有しており、
前記連結部は、前記操作部連結体及び前記起歪体連結体よりも細く形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、少なくとも分が弾性材料にて形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して垂直となるように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結することを特徴とする作用力検出装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記操作部の軸が前記起歪体の素子配置面に対して所定角度傾斜するように、これら操作部の軸と起歪体とを一体に連結することを特徴とする作用力検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記操作部の軸に設けられ、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記連結体に伝達する弾性部材をさらに備えることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、曲げ加工された単一の板材によって構成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項9】
請求項1に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、複数回折り返された板ばねによって構成されており、前記操作部に作用する作用力に応じて弾性変形しつつ、この作用力を前記起歪体に伝達することを特徴とする作用力検出装置。
【請求項10】
請求項9に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、単一の板ばねによって構成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項11】
請求項9に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は2つの板ばねが組み合わされて構成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記連結体は、前記起歪体の前記素子配置面とは反対側の面に連結されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が増大するように前記素子配置面に配置された歪検出素子と、前記起歪体のその同一の弾性変形に伴って変形することで抵抗値が減少するように前記素子配置面に配置された歪検出素子とを含む歪検出部を、少なくとも4つ備えることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項14】
請求項13に記載の作用力検出装置において、
前記歪検出素子はひずみゲージであることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、平面視I字型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項16】
請求項15に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、両先端部に、先端に近づくほど幅が広がる先端側広がり部を有する平面視I字型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項17】
請求項16に記載の作用力検出装置において、
前記先端側広がり部は、先端側へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、前記連結体との連結部に近づくほど幅が広がる連結体側広がり部を有する平面視I字型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項19】
請求項18に記載の作用力検出装置において、
前記連結体側広がり部は、前記連結部との連結部へ向かうほど互いに隔離する一対の斜辺を備え、それら一対の斜辺は、前記起歪体の幅方向中心線とのなす角度がいずれも「15度〜45度」に形成されていることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、2枚の平板にて構成されることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項21】
請求項15〜19のいずれか一項に記載の作用力検出装置おいて、
前記起歪体は、2つの平面視I字型の平板からなる1枚の平板にて構成されることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項22】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、平面視卍型の平板であることを特徴とする作用力検出装置。
【請求項23】
請求項22に記載の作用力検出装置において、
前記起歪体は、複数の平板から構成されることを特徴とする作用力検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−181398(P2010−181398A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279772(P2009−279772)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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