説明

使い捨ての容器およびその用途

本発明は、全般的に、服薬遵守を高めることに関する。より具体的には、本発明は、摂取用液体製剤を収容した使い捨ての容器、かかる容器の棒状連続体、およびパッケージに関し、且つかかる容器を使用した、服薬遵守を高めるシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、服薬遵守を高めることに関する。より具体的には、本発明は、摂取用液体製剤を収容した使い捨ての容器、かかる容器の棒状連続体、およびパッケージに関し、且つかかる容器を使用した、服薬遵守を高めるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬補給物または栄養補給物を摂るためのプログラムまたは指示に、人が正しく従う度合いを、服薬遵守と呼んでいる。一般に、医薬物または栄養物の服薬遵守は、社会全体において不十分である。世界保健機関は、2003年のレポートにおいて、患者の服薬不遵守を「深刻な全世界的問題」と表現している。不十分な服薬遵守は人の健康に悪影響を与える可能性があり、毎年、かなりのコストを医療制度に強いている。
【0003】
英国国民医薬品集は、もの忘れ、投与指示が不明確であること、投薬計画が複雑であること、遵守するのが身体的に困難であること(例えば、薬用容器を開封すること、小さな錠剤を扱うこと、飲み込むこと、が困難であること)、副作用(効用のある薬剤以外の、他の補給物の成分によって引き起こされるものを含む)、および気が進まない製剤(例えば、味が好みではない)を含め、服薬遵守が十分でない理由を数多く列挙している。服薬遵守については、高齢者(特に、もの忘れ、投与指示が不明確であること、投薬計画が複雑であること、および遵守するのが身体的に困難であることに関連して)および子供(特に、気が進まない製剤、具体的には製剤の味に関連して)を含む、社会のあらゆる集団で観察されている。
【0004】
患者の服薬遵守を高める目的で、数多くの製品およびシステムが開発されてきた。例えば、錠剤は、多くの場合、製剤に香料添加剤が添加されている。或いは、不快な香味または匂いを隠し、不安定な錠剤の組成物を保護し、錠剤の外観を向上するために、香味料を含む層で被覆されている。例えば特許文献1は、「〔その錠剤を〕経口投与した後、少なくとも5秒間、香味を知覚させる」という、このような1つの錠剤被覆剤について記載している。
【0005】
服薬遵守を高めるために、パッケージ化したものを使用することが行われてきた。特許文献2は、個々の薬剤(薬剤および栄養補給物であって、処方されたものおよび対面販売によるものの両方)およびそれらの薬剤を摂るための計画に基づいて、特定の患者用に個別にパッケージ化したものを作製するシステムについて記載している。その個別にパッケージ化したものは、投与の時間的局面(例えば、一方の軸が月曜から金曜であり、他方の軸が朝食、昼食、夕食、および就寝)に従って系統立てられた1つのパッケージに、患者の全薬剤を収容している。そのシステムは、患者の服薬遵守を向上すべく「使い易さ」を向上するものとして、説明されている。
【0006】
特許文献3は、薬剤の透明包装を、その透明包装を垂直な姿勢に支持する保持デバイスと共に備えているパッケージ化システムについて記載しており、これにより、「視覚的に目立った表示」が可能になる。これは、「患者に視覚的なきっかけを与えることを意図したものであり、薬剤に関して処方された投薬計画を遵守する必要があることをその人に思い出させ、したがって、服薬不遵守が起こることを低減する働きをするものである」。
【0007】
服薬遵守を高めるために、より巧妙な手段が提案されている。例えば、特許文献4には、キャップを備えた薬瓶であって、そのキャップが時折その薬瓶の重量を計測し、実測重量を「所要服薬遵守」の重量と比較するとともに、服薬遵守結果をキャップ上に視覚的に表示するようになっている薬瓶について記載されている。特許文献4は更に、任意に選択する音声支援についても記載している。この音声支援は、服薬遵守からの著しい逸脱が認められたときに、患者に「医者を呼ぶ」ように指示することができる。
【0008】
特許文献5は、患者から服薬遵守データを収集するとともにこのデータを評価基準と比較し、治療計画を患者が遵守しているかどうかを判断することによってその人たちの服薬遵守を促進するために、患者の娯楽番組へのアクセスを制御するシステムについて記載している。患者が服薬遵守している場合には、娯楽計画へのアクセスが許可されるが、遵守していない場合は、アクセスは制限される。更に、必要に応じて、患者の服薬遵守データをその人たちの医療機関に伝送することも可能である。
【0009】
患者の服薬遵守の調査中に、本発明者は、服薬遵守を高める主要要因は、服薬不遵守の一因となるシステム上の要因を排除することであって、かかる要因を封じようとすることでもなければ、より複雑なシステムを構築することでもないことを発見した。このようにして、本発明者は、液体製剤の使い捨ての容器、これら容器の棒状連続体、およびパッケージを発見し、開発した。加えて、これらの容器を使用したシステムも発見し、開発しており、同じく服薬遵守の向上に役立っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,098,715号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2007/0187281号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2008/0190801号明細書
【特許文献4】米国特許第5,014,798号明細書
【特許文献5】米国特許第7,584,108号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、無菌液体製剤を保持するための貯槽であって、感染を予防した態様で製剤を吐出すべく、開口するように構成された注出口と流体連通している貯槽を備えた使い捨ての容器を提供するものである。なお、その製剤は摂取用に調合されたものであり、本質的に医薬補給物および/または栄養補給物で構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、ショ糖、グルコース、果糖、ガラクトース、乳糖、グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム塩、L−グルタミン酸カリウム塩、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸アンモニウム、L−グルタミン酸マグネシウム、グアニル酸、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム、グアニル酸カルシウム、イノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム、イノシン酸カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5−リボヌクレオチド二ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、マルトール、およびエチルマルトールで構成される一群の香料添加剤から選択される香料添加剤は、製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0013】
いくつかの実施形態では、アンモニア、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム、プロピルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム、メチルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、重亜硫酸カリウム、ビフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、ナイシン、ナタマイシン、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド、二炭酸ジメチル、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸カリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、二酸化炭素、リゾチーム、およびEDTAで構成される一群の保存料から選択される保存料は、製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0014】
これらの態様のいくつかの実施形態では、製剤は、本質的にビタミンおよび/またはミネラルおよび/または薬草の抽出物で構成される。
【0015】
製剤は、苦味のあるビタミンを含むことができる。
【0016】
製剤は、摂取前に、苦味のある食物または苦味のある飲料を含む食物または飲料に添加するように調合することができる。いくつかの実施形態では、製剤は、熱い食物または熱い飲料に添加するように調合される。
【0017】
上記の態様の容器は、容器の貯槽と容器の注出口との間に設置された脆弱手段であって、製剤を吐出すべく容器の開口を可能にする脆弱手段を適宜備えることができる。或いは、注出口は、製剤を吐出すべく容器の開口を可能にするキャップまたは蓋を備えている。
【0018】
いくつかの実施形態では、貯槽は、所定の体積の製剤を保持する。いくつかの実施形態では、容器は、所定の体積の製剤を吐出する。
【0019】
いくつかの実施形態では、貯槽は、単位服用量の製剤を保持する。他の実施形態では、容器は、単位服用量の製剤を吐出する。
【0020】
いくつかの実施形態では、容器は、吐出前の液体用に無菌環境を維持する。
【0021】
容器は、「ブロー・フィル・シール」プロセスによって製造することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、容器には、容器が特定の時期に使用されるべきであることを表示するための標示が設けられる。容器には、その端部または他の部分に標示が設けられていてもよい。エッチング、エンボス加工による文字、金型内の目盛りによって標示が設けられていてもよく、容器表面にラベルを付設することによって表示が設けられていてもよい。
【0023】
別の態様では、本発明は、本発明の使い捨ての容器を備えたパッケージを提供する。いくつかの実施形態では、パッケージは、標示が設けられた使い捨ての容器を備えている。パッケージ内部の各容器には同一のラベルで標示が設けられていてもよく、異なるラベルで標示が設けられていてもよい。或いは、パッケージは、同一のラベルで標示が設けられたいくつかの容器と、異なるラベルで標示が設けられたいくつかの容器とを含んで構成することができる。
【0024】
更に別の態様では、本発明は、隣接する容器の一部を結合することによって連結状態の棒状連続体を形成するように本発明の一群の使い捨ての容器が相互に連結された、棒状連続体を提供する。それらの容器は、分離可能な形で連結することができる。棒状連続体または各容器には、それらの容器がいつ使用されることになっているのかを表示するための標示が設けられていてもよい。これら棒状連続体のパッケージも、本発明によって検討されている。棒状のパッケージには、容器がいつ使用されることになっているのかを表示するための標示が設けられていてもよい。
【0025】
更に別の態様では、本発明は、それぞれが無菌液体製剤を保持するための貯槽を備えている一群の使い捨ての容器から成る棒状連続体を提供する。なお、各貯槽は、感染を予防した態様で保持している製剤を吐出すべく、開口するように構成された各容器の注出口と流体連通している。各製剤は摂取用に調合されたものである。この一群の容器は、隣接する容器の一部を結合することによって連結されて、連結状態の棒状連続体を形成している。その棒状連続体またはその棒状連続体の各容器には、いつ使用されることになっているのかを表示するための標示が設けられている。棒状連続体の各容器は、分離可能な形で連結することができる。
【0026】
いくつかの実施態様では、棒状連続体の各容器の端部は、標示が設けられている。棒状連続体または棒状連続体の各容器には、エッチング、エンボス加工による文字、金型内の目盛りによって標示を設けることができ、容器表面にラベルを付設することによって設けることもできる。
【0027】
いくつかの実施態様では、ショ糖、グルコース、果糖、ガラクトース、乳糖、グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム塩、L−グルタミン酸カリウム塩、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸アンモニウム、L−グルタミン酸マグネシウム、グアニル酸、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム、グアニル酸カルシウム、イノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム、イノシン酸カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5−リボヌクレオチド二ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、マルトール、およびエチルマルトールで構成される群から選択される香料添加剤は、各容器内の製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0028】
いくつかの実施態様では、アンモニア、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム、プロピルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム、メチルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、重亜硫酸カリウム、ビフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、ナイシン、ナタマイシン、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド、二炭酸ジメチル、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸カリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、二酸化炭素、リゾチーム、およびEDTAで構成される群から選択される保存料は、各容器内の製剤には実質的にどれも添加されていない。製剤は、本質的に医薬補給物および/または栄養補給物で構成されることになる。他の実施形態では、製剤は、本質的にビタミンおよび/またはミネラルおよび/または薬草の抽出物で構成される。製剤は、苦味のあるビタミンを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施態様では、製剤は、摂取前に、苦味のある食物または苦味のある飲料を含む食物または飲料に添加するように調合される。いくつかの実施形態では、製剤は、熱い食物または熱い飲料に添加するように調合される。
【0030】
棒状連続体の各容器は、容器の貯槽と容器の注出口との間に設置された脆弱手段であって、製剤を吐出すべく各容器の開口を可能にする脆弱手段を適宜備えることができる。或いは、注出口は、製剤を吐出すべく容器の開口を可能にするキャップまたは蓋を備えている。
【0031】
いくつかの実施態様では、棒状連続体の各容器の貯槽は、所定体積の製剤を保持する。いくつかの実施態様では、その容器は、所定体積の製剤を吐出する。いくつかの実施態様では、棒状連続体の各容器の貯槽は、単位服用量の製剤を保持する。いくつかの実施態様では、その容器は、単位服用量の製剤を吐出する。
【0032】
いくつかの実施態様では、容器は、吐出前の液体を無菌環境で維持する。
【0033】
容器は、「ブロー・フィル・シール」プロセスによって製造することができる。
【0034】
本発明は更に、本発明の棒状連続体を収容するパッケージについても検討している。
【0035】
本発明は更に、既存のルーチンに関連して各容器の製剤を摂取すべきことを表示するための標示が設けられている本発明のパッケージまたは棒状連続体を備えた、服薬遵守を高めるシステムも提供する。パッケージまたは棒状連続体には、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に容器内部の製剤を投入すべきということを表示するための標示が設けられていてもよい。既存のルーチンは、毎日のルーチンとすることができる。例として毎朝コーヒーを飲むことが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0036】
本発明は更に、消費者の服薬遵守を高める方法も提供する。この方法は、本発明の使い捨ての容器であって、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に容器内部の製剤を投入すべきということと、消費者が、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に製剤を投入するということと、消費者が、製剤を含有した食物または飲料を摂取するということと、を表示するための標示が設けられている容器を消費者に提供することを含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の使い捨ての容器の5種類の例示的実施形態の立面図である。
【図2】本発明の一群の容器から成る棒状連続体の3種類の例示的実施形態の立面図である。
【図3】本発明の一群の容器から成る棒状連続体の例示的実施形態の斜視図である。
【図4】本発明のパッケージの例示的実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
1.定義
他の規定をしない限り、本明細書で使用される技術的用語および科学的用語は、全て、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により共通して理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と類似または均等な方法および材料は、本発明を実施または試験する際にはどれでも使用することができるが、本明細書に記載の方法および材料が好適である。本発明の目的にしたがって、次の用語を下記のように定義する。
【0039】
「ある」という文言は、本明細書では、その文言の文法上の単数の対象物を指すのに使用される場合もあれば、複数の対象物を指すのに使用される場合もある(即ち、少なくとも1つの対象物を指すのに使用される)。例を紹介すると、「ある構成要素」は、単数の構成要素または複数の構成要素を意味する。
【0040】
「感染の予防」および「無菌」という用語は、本明細書では互換的に使用されており、細菌、ウイルス、菌、および寄生生物を含む病原体が実質的に存在しない製剤、容器、または他の製品を指す。無菌状態は、当該技術分野で知られている任意の方法によって実現することができる。例として濾過法(例えば、ミクロンサイズの濾過)または放射線処理が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本明細書全体を通じて、文脈において別段に必要としない限り、「含む」は、記載のステップまたは構成要素、または一群のステップもしくは構成要素を包含し、且つ他のいかなるステップまたは構成要素または一群のステップもしくは構成要素も排除しないことを意味するものと理解される。したがって、「含む」およびこれに類する用語は、列挙された構成要素は必要または必須であるが、他の構成要素は任意選択であって、存在していてもよければ存在していなくてもよいことを表す。「〜で本質的に構成され」は、その文言の前に列挙されたあらゆる構成要素が含まれるが、他の構成要素は、それら列挙された構成要素を開示する際に述べられた作用または行為に妨害を与えることもなければ寄与することもない構成要素に限定されることを意味する。したがって、「〜で本質的に構成され」という文言は、列挙された構成要素は必要または必須であるが、他の構成要素は任意選択であって、列挙された構成要素の作用または行為に影響を与えるか否かに応じて、存在できる場合もあれば存在できない場合もあることを表す。例えば、ある製剤が、医薬補給物および/または栄養補給物「で本質的に構成され」ている場合、この製剤は、医薬補給物でもなければ栄養補給物でもないいかなる保存料または香料添加剤も除外することになるであろう。「〜で構成され」は、「〜で構成され」という文言の前のものは何でも含まれ、且つそれらに限定されることを意味する。したがって、「〜で構成され」という文言は、列挙された構成要素は必要または必須であり、且つ他の構成要素は何も存在できないことを表す。
【0042】
「摂取」という用語は、本明細書では、胃または消化管に取り込まれることを指す。
【0043】
「患者」、「個人」、および「消費者」という用語は、本明細書では互換的に使用されており、本明細書に記載の液体製剤を摂取することの意図されるあらゆる対象人物を指す。その対象人物は、疾患または病気のために治療または予防の処置を必要とする人間とすることができる。但し、当然のことながら、上記の用語が、症状が現れていることを意味するものではない。
【0044】
「所定の体積」という用語は、本明細書では、所定の値から約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.5%、0.1%、または0.01%以上、所定の値から逸脱しない体積を指す。
【0045】
「単位用量」、「単位服用量」という用語は、本明細書では、まとまった服用量として個人が摂取するのに適した製剤の個々の体積を指しており、各単位は、所定量の活性物質を含有している。各単位用量は、個別に摂取されたときに個人に有益な効果をもたらすように計算することができ、各単位服用量は、複数の単位服用量が一緒にまたはある一定期間にわたって摂取されたときに個人に有益な効果をもたらすように計算することができる。
【0046】
2.使い捨ての容器
本発明は、服薬遵守を高める重要な要因は、服薬不遵守の一因となるシステム上の要因を排除することであって、かかる要因を封じようとすることでもなければ、より複雑なシステムを構築することでもないという発見に基づいている。既に実行している既存のルーチンと、医薬補給物または栄養補給物を摂ることとの間の関連性を消費者または患者の心の中に形成すれば、服薬遵守が向上するであろうと考えた。というのは、そのようにすれば、消費者が、定期的に実施すべきもう1つの「仕事」を課せられているというように受け止めなくなると考えられるからである。換言すると、既存のルーチンが消費者によって既に実施されていれば、服薬遵守は問題にならないと考えられる。というのは、消費者は、定期的に実施すべきもう1つの「仕事」を覚えている必要がないからである。食物または飲料が関与する既存のルーチンを、医薬補給物または栄養補給物を摂ることに関係付けることは、どちらも摂取されるものであるので、特に、例えば、保存料および香料添加剤が不要となるような形で使用前は感染を予防した環境に維持されている無菌製剤を使用することによって、或いは、製剤の匂いおよび/または味を隠すことのできる匂いおよび/または味を備えた食物または飲料に添加することによって、香りまたは味をほとんどまたは全く変えることなく医薬補給物または栄養補給物をその食物または飲料に添加できる場合は、特段に有益な場合があることに注目した。このようにして、本発明者は、液体製剤の使い捨ての容器を発見し、開発した。消費者は、かかる容器を、液体製剤を食物または飲料に添加することを含め、食物または飲料が関与する既存のルーチンに関連させて容易に使用することができ、したがって、その人たちの服薬遵守は、特定の製剤を摂る際に向上すると考えられる。
【0047】
本発明の使い捨ての容器は、無菌の液体製剤を保持できる貯槽であって、感染を予防した態様で製剤を吐出すべく、開口するために取り付けられた注出口と流体連通している貯槽を備えた任意の適切な容器とすることができる。なお、その製剤は摂取用に調合されたものであり、本質的に医薬補給物および/または栄養補給物で構成される。
【0048】
容器は、プラスチックまたはガラスを含む任意の適切な材料で製作することができる。具体的な実施形態では、容器は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリ塩化ビニルで構成される群から選択されるプラスチック材料で製作される。そのプラスチック材料は適宜、低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンから選択することができる。
【0049】
具体的な実施形態では、貯槽は、0.1mL、0.2mL、0.3mL、0.5mL、1.0mL、2.5mL、または5.0mLの体積、およびそれらの間の任意の体積の液体製剤を保持することができる。
【0050】
容器は、貯槽が所定の体積または単位服用量の製剤を保持するように製作することができる。容器は更に、所定の体積または単位服用量の製剤を吐出するように製作することもできる。製剤を所望の適用量で消費者に提供できるようにする際に、これらの特徴を役立てることができる。いくつかの実施形態では、これは、所定の体積または単位服用量製剤を保持する貯槽を備えた容器を提供することによって実現される。この場合、その容器は、実質的に全製剤を貯槽から吐出する。貯槽が第1の所定の体積または単位服用量の製剤を保持し、第2の所定の体積または単位服用量の製剤を吐出するように容器が製作されている場合、第1の所定の体積と第2の所定の体積とが同一の体積である必要はない。
【0051】
容器は、感染を予防した態様で製剤が吐出されるように構成されている。この特徴の実現には、本発明の容器の「使い捨て」の構成要素が寄与している。したがって、ひとたび容器から製剤が吐出されれば、容器は廃棄される。次いで、次回消費者が製剤を摂りたいと思ったときには第2の容器を使用することができ、その次に製剤を摂りたいと思ったときには第3の容器を使用することができ、その次も同様である。かかる特徴は、現在市場に出回っている複数回使用容器等の製品と比較することができる。複数回使用容器の製品では、例えば再密封可能な蓋またはポンプアタッチメント等の吐出機構を備えている容器の中に保持されている製剤の総体積の一部が一回に吐出され、容器は、後で同じ容器から更に製剤を吐出できるように保管される。このような複数回使用の容器は、製剤に対して無菌環境を維持することができない。しかも/或いは、感染を予防した態様で製剤を吐出することができない。というのは、ひとたび製剤の第1の体積が吐出されれば、その容器は、吐出機構を含め外部環境に曝されており、その結果、その後に製剤を吐出するときは、既に汚染されているおそれがあるからである。多くの場合、かかる容器内に保持されている製剤は、無菌性を維持するために、即ちウイルス、細菌、菌、等による汚染を回避するために、保存料を添加する必要がある。
【0052】
具体的な実施形態では、容器の貯槽と容器の注出口との間に脆弱手段を備えた形で製作することができる。この脆弱手段は、吐出中または吐出後に人の手で製剤に触れることが不要な形で製剤を吐出すべく、容器の開口を可能にするものであることから、感染を予防した態様で製剤を吐出するのに役立つ。いくつかの実施形態では、容器は、中身をしぼり出せるプラスチックの容器であり、容器の貯槽と容器の注出口との間に脆弱手段が備わっている。なお、容器の注出口は、容器を開けて液体製剤を吐出できるように、脆弱手段の部分がねじ切れるようになっている。具体的な実施形態では、容器は、容器の貯槽が低密度ポリエチレンであり、容器の注出口が高密度ポリエチレンであることから、容器の貯槽と容器の注出口との間の脆弱手段をねじ切ることが容易な形で製作される。いくつかの具体的な実施形態では、容器は、容器の貯槽が「アコーディオン」構造であることから、貯槽を容易にひねって製剤を吐出できるような形で製作される。いくつかの具体的な実施形態では、容器は、貯槽によって保持できる体積が製剤の体積よりも大きくなるように製作される。これらの実施形態は、貯槽が製剤を収容し、更に余分の空間(例えば、空気または不活性ガスが入っている)も収容することを意味している。これは、製剤を吐出するのに役立つものである。
【0053】
或いは、注出口は、製剤を吐出すべく容器の開口を可能にするキャップまたは蓋を備えている。いくつかの実施形態では、容器は、中身をしぼり出せるプラスチックの容器である。なお、注出口は弁を備えており、その弁を開かせ、液体製剤を吐出させるように容器をしぼることができる。
【0054】
容器は更に、容器が開口して製剤が吐出される前は、液体製剤に対して無菌環境が維持されているように製作することもできる。当該技術分野では、適切な容器を製作する適切な方法が数多く知られている。無菌環境は、真空下で、または酸素が存在しない状態で(例えば、窒素ガス等の不活性ガスを使って)容器を充填することによって実現することができる。いくつかの実施形態では、容器は「ブロー・フィル・シール」プロセスによって製造される。この場合、容器は、連続的な作業の中で、機械的にブロー成形で成形され、製剤を充填され、次いで密封される。「ブロー・フィル・シール」プロセスによって、製剤は、必ず無菌環境内に保持される。いくつかの他の実施形態では、容器は、サーマルヒートパッケージング法を使って製造される。
【0055】
容器は、液体製剤が劣化する可能性を低減するように製作することができる。いくつかの実施形態では、酸素を除去し、または酸素の存在を排除し、したがって酸化を低減するように、真空下で、または酸素が存在しない状態で(例えば、窒素ガス等の不活性ガスを使って)容器を充填してもよい。いくつかの実施形態では、容器は、容器内部の製剤に光が到達しないように、ある部材で、例えば小袋で覆ってもよければ、適切な材料で製作してもよい。代表的な実施形態では、容器は、アルミニウムで製作された小袋で覆うことができる。
【0056】
本発明での使用に適した容器の例を、図1に示す。図1は、図1A、図1B、図1C、図1D、および図1Eで、本発明の使い捨ての容器の5種類の例示的実施形態の立面図を示している。各図において、各容器の貯槽は、符号10、11、12、13、および14で示されており、キャップまたは蓋を備えた注出口は、符号40、41、42、43、および44で示されており、注出口の開口部(ひとたびキャップまたは蓋が取り除かれれば、製剤の吐出が可能となるもの)は、符号20、21、22、23、および24で示されている。符号30、31、32、33、34は、本発明のいくつかの実施形態に従って容器に標示を設ける場合に、それに適した場所を示している。
【0057】
本発明での使用に適している更に別の容器の例は、米国特許第3,356,244号、米国特許第3,862,684号、米国特許第3,913,734号、米国特許第3,930,500号、米国特許第3,993,223号、米国特許第5,409,125号、米国特許第6,241,124号、米国特許出願公開公報第2005−0145648号に開示されている。各文献の内容は、参照することにより本明細書に組み込まれている。
【0058】
3.容器の棒状連続体
本発明は更に、隣接する容器の一部を結合することによって連結状態の棒状連続体(ストリップ)を形成するように一群の使い捨ての容器が相互に連結された、棒状連続体も提供する。なお、各使い捨ての容器は、無菌液体製剤を保持するための貯槽であって、感染を予防した態様で保持している製剤を吐出すべく、開口するように構成された注出口と流体連通している貯槽を備えている。その製剤は摂取用に調合されたものであり、本質的に医薬補給物および/または栄養補給物で構成されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、ショ糖、グルコース、果糖、ガラクトース、乳糖、グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム塩、L−グルタミン酸カリウム塩、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸アンモニウム、L−グルタミン酸マグネシウム、グアニル酸、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム、グアニル酸カルシウム、イノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム、イノシン酸カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5−リボヌクレオチド二ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、マルトール、およびエチルマルトールで構成される群から選択される香料添加剤は、各容器内の製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0060】
いくつかの実施形態では、アンモニア、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム、プロピルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム、メチルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、重亜硫酸カリウム、ビフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、ナイシン、ナタマイシン、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド、二炭酸ジメチル、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸カリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、二酸化炭素、リゾチーム、およびEDTAで構成される群から選択される保存料は、各容器内の製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0061】
本発明は更に、それぞれが無菌の液体製剤を保持するための貯槽であって、感染を予防した態様で保持している製剤を吐出すべく、開口するように構成された注出口と流体連通している貯槽を備えた一群の使い捨ての容器から成る棒状連続体を提供する。なお、各容器内の製剤は摂取用に調合されたものである。各容器は、隣接する容器の一部を結合することによって連結状態の棒状連続体を形成するように連結されている。その棒状連続体またはその棒状連続体の各容器には、いつ使用すべきなのかを示す標示が設けられている。
【0062】
隣接する容器の相互に連結される部分は、各容器の注出口の部分、各容器の貯槽部分、または各容器の注出口と貯槽部分の両方により構成することが可能である。
【0063】
具体的な実施形態では、各容器は、分離可能な形で相互に連結することができる。
【0064】
本発明の適切な棒状連続体の例として、相互に連結された一列の容器群が挙げられる。この場合、1つの容器にしか連結されていない列の両端にある2つの容器を除く各容器は、他の2つの容器と連結されている。本発明の適切な棒状連続体の他の例として、相互に連結された格子状の容器群が挙げられる。この場合、格子の外側にある容器は、格子の角にあって他の2つの容器に連結されているか、格子の外側縁部にあって他の3つの容器に連結されているかのいずれかであるが、それらを除く各容器は、他の4つの容器と連結されている。
【0065】
本発明での使用に適した一群の使い捨ての容器から成る棒状連続体の例を、図2および図3に示す。
【0066】
図2には、図2A、図2B、および図2Cが含まれる。各図は、本発明の一群の容器から成る棒状連続体であって、各容器が相互に連結されて列を成している棒状連続体の3種類の例示的実施形態を示している。
【0067】
図2Aにおいて、棒状連続体の各容器の貯槽は、符号15A、15B、15C、および15Dで表されており、キャップまたは蓋を備えた1つの容器の注出口は符号45で表されており、各容器の注出口の開口部(ひとたびそのキャップまたは蓋が取り除かれれば、そこを経由して製剤が吐出される)は、符号25A、25B、25C、25D、および25Eで表されている。符号35Aおよび35Bは、本発明のいくつかの実施形態に従って容器に標示を設ける場合に、それに適した場所を表している。
【0068】
図2Bにおいて、棒状連続体の一部の容器の貯槽は、符号16Aおよび16Bで表されており、キャップまたは蓋を備えた1つの容器の注出口は符号46で表されており、各容器の注出口の開口部(ひとたびそのキャップまたは蓋が取り除かれれば、そこを経由して製剤が吐出される)は、符号26A、26B、26C、26D、26E、および26Fで表されている。符号36A、36B、および36Cは、本発明のいくつかの実施形態に従って容器に標示を設ける場合に、それに適した場所を表している。
【0069】
図2Cにおいて、棒状連続体の一部の容器の貯槽は、符号17Aおよび17Bで表されており、キャップまたは蓋を備えた1つの容器の注出口は符号47で表されており、各容器の注出口の開口部(ひとたびそのキャップまたは蓋が取り除かれれば、そこを経由して製剤が吐出される)は、符号27A、27B、27C、27D、および27Eで表されている。符号37A、37B、37C、および37Dは、本発明のいくつかの実施形態に従って容器に標示を設ける場合に、それに適した場所を表している。
【0070】
図3は、本発明の一群の容器から成る棒状連続体の例示的実施形態の斜視図を示している。同図において、上記棒状連続体は、容器が符号50によって連結されて成る格子である。図3において、棒状連続体のいくつかの容器のうちの1つが符号18で表されている。キャップまたは蓋を備えた1つの容器の注出口は符号48で表されており、各容器の注出口の開口部(ひとたびそのキャップまたは蓋が取り除かれれば、そこを経由して製剤が吐出される)は、符号28で表されている。符号38は、本発明のいくつかの実施形態に従って容器に標示を設ける場合に、それに適した場所を表している。
【0071】
4.パッケージ
本発明は更に、本発明の容器を備え、且つ/または本発明の棒状連続体を備えたパッケージも提供する。
【0072】
本発明に属する適切なパッケージの例として、箱、袋、壷、或いは、ばらばらのもしくはつながっていない状態の使い捨ての容器または一群の容器から成る棒状連続体を収容する同様のパッケージ化部材が挙げられる。
【0073】
本発明での使用に適したパッケージの例を、図4に示す。同図は、本発明のパッケージの例示的実施形態の斜視図である。図4において、符号39は、本発明のいくつかの実施形態に従ってパッケージに標示を設ける場合に、それに適した場所を表している。当業者であれば当然のことながら、これは、図4のパッケージ上に標示を設けることができる唯一の場所ではない。
【0074】
5.標示
本発明の容器、棒状連続体、およびパッケージには、特定の時期に一定の容器を使用すべきことを表示するための標示を設けることができる。
【0075】
本明細書で使用する標示によって表示される「時期」は、例えば月曜日、火曜日、水曜日、等といった曜日とすることができ、例えば朝、夕方といったその日の時間帯とすることもできれば、例えば午前7時、午前10時半、14時(または午後2時)、等といった特定の時刻とすることもできる。時期は更に、例えば朝食、昼食、夕食、またはその他、といった食事の時間のような日々のルーチンの一部として存在する「時期」とすることもできれば、習慣的な朝のコーヒーもしくは紅茶、犬の散歩、または午後の紅茶もしくはココアといった別のルーチンの一部として存在する「時期」とすることもできる。時期は更に、上記の時期のうちのいずれかの組み合わせとすることも可能である。例として「月曜の朝食」または「日曜の午後5時半」または「朝のコーヒー」が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
標示を設けることは、エッチング、エンボス加工による文字、金型内の目盛りによって、または容器表面にラベルを付設することによって、またもしくは当該技術分野で知られている他の任意の標示付設方法によって実現することができる。
【0077】
標示は、特定の時期に一定の容器を使用すべきことを表示した文字、画像、または文字と画像により構成することが可能である。
【0078】
標示の付設は、容器から製剤を吐出させて摂取すべき消費者(典型的には消費者であるが、子どもまたはそれ以外の支援を要する人が製剤を摂らなければならない場合は世話人であってもかまわない)が視認できれば、容器、一群の容器から成る棒状連続体、またはパッケージ上のどの場所であってもかまわない。具体的な実施形態では、標示は、各使い捨ての容器の端部に付いている。
【0079】
棒状連続体またはパッケージのように複数の容器が存在する場合、標示の内容は、各々の容器に対して同一とすることができる。これは、各容器が同じ時期に使われることを表している。例えば、毎朝、1つの容器の製剤がコーヒーと一緒に摂取されるというような実施形態では、各容器内の製剤が、各容器内の製剤と同一であってもよいし、一部の容器内の製剤が、他の容器内の製剤とは異なっていてもよいし、各容器内の製剤が、各容器内の製剤と互いに異なっていてもよい。
【0080】
他の実施形態では、標示の内容は、全部または一部の容器において異なっていてもよい。これは、種々の容器が異なる時期に使われることを表している。例えば、朝食と一緒に棒状連続体またはパッケージ内の第1の容器の製剤が摂取され、就寝前に第2の容器の製剤が摂取されるというような実施形態では、各容器内の製剤が、各容器内の製剤と同一であってもよいし、一部の容器内の製剤が、他の容器内の製剤とは異なっていてもよいし、各容器内の製剤が、各容器内の製剤と互いに異なっていてもよい。
【0081】
本発明の容器、棒状連続体、およびパッケージには更に、容器内部に保持されている製剤を表す標準的な情報を備えた標示を設けることができる。例として、製剤の医薬補給物および/または栄養補給物、各補給物の服用量、および/または一日に推奨される服用量等、および/または製剤の有益な効果、および/または上記以外の情報が挙げられる。上記以外の情報の例としては、製品のバッチ番号またはその他の製造情報が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0082】
6.液体製剤
本発明で使用される製剤は、任意の適切な成分を含むことができる。例として、1つもしくは複数の医薬補給物、1つもしくは複数の栄養補給物、または1つもしくは複数の医薬補給物と1つもしくは複数の栄養補給物が挙げられる。具体的な実施形態では、製剤は、本質的に1つもしくは複数の医薬補給物、1つもしくは複数の栄養補給物、または1つもしくは複数の医薬補給物と1つもしくは複数の栄養補給物の両方で構成される。
【0083】
いくつかの実施形態では、製剤は、病気または疾患を患っており、そのためにその医薬補給物が処方されている人を含む特定の個人に対して治療効果のある支援を提供するために調合された1つまたは複数の医薬補給物を含んでいる。例として、慢性的な疾患、ウイルスもしくは細菌の感染または他の病気、中毒(例えばニコチン中毒)を抱えている個人が挙げられる。この場合、その個人の疾患は、医薬補給物で援助し、和らげ、または治療することができる。本発明の中で想定されている医薬補給物の例としてニコチンが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0084】
いくつかの実施形態では、製剤は、不十分な食事、過剰な飲酒、運動不足、体重の異常、ストレス、精力不足、またはウイルスもしくは細菌の感染、或いは他の病気を含む他の健康状態にある個人を支援する目的を含め、特定の個人に対して栄養効果のある支援を提供する目的で調合された1または複数の栄養補給物を含んでいる。この場合、それら個人の体調不良は、栄養素で援助し、和らげ、または治療することができる。他のいくつかの実施形態では、製剤は、トレーニング中の運動選手、或いは感染もしくは他の病気を予防しまたは防備したい人を含め、更なる栄養補給物を所望する個人に対して支援を提供するために調合された1または複数の栄養補給物を含んでいる。
【0085】
本発明の中で想定されている栄養補給物の例として、脂質(例えば脂肪酸)、適切なアミノ酸およびその誘導体、ペプチドおよびタンパク質(プロテアーゼ、ペプチダーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、ヌクレアーゼ、等の消化酵素を含む)、ビタミン(例えば、ビタミンA、B1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12、C、E、H)、コリン、生物学的に利用可能なミネラル(例えば、塩化物、クロム、銅、マグネシウム、マンガン、モリブデン、セレン、亜鉛)、薬草および植物性薬品(例えば、大麦草、小麦草、ビオフラボノイド、カフェイン、キャッツクロー、クロレラ、クルクミン、エキナセア、ゴールデンシール、ツボクサ、ガラナ、ホップ、エンバク、オレガノ、パッションフラワー、ノコギリヤシ、スピルリナ)、ホルモン(例えば、DHEA、メラトニン、プレグネノロン)、酸化防止剤(例えば、グルタチオン、コエンザイムQ10)、イノシトール、レシチン、および上記のうちのいずれかの前駆物質、誘導体、代謝産物、組成物、濃縮物、または抽出物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的な実施形態では、製剤は、本質的にビタミンおよび/またはミネラルおよび/または薬草抽出物で構成される。
【0086】
6.1 脂質
脂質は、細胞膜およびシグナリング経路にある中間体の構造的要素といった重要な生物学的機能を数多く有する、多様な化合物群である。一部の脂質は、脂溶性ビタミンA、D、E、Kを運搬し、体の器官を衝撃から防護し、体温を安定させ、皮膚および毛髪の健康状態を維持することにも必要とされている。脂質は更に、体のエネルギー貯蔵部としても働く。
【0087】
脂質の例として、脂肪酸が挙げられる。一部の脂肪酸は、コレステロールを下げること、脳の発達、および成長と関連付けられてきた。ある種の脂肪酸(必須脂肪酸と呼ばれる)は、体内では生産されないため、日常の飲食で補給する必要がある。必須脂肪酸の例として、リノレン酸およびリノール酸が挙げられる。脂肪酸は、血圧制御、血液凝固、および興奮といった身体機能に役立つ。
【0088】
月見草油は、オメガ−6必須脂肪酸、ガンマ−リノール酸、およびリノール酸の供給源である。魚油は、オメガ−3脂肪酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸を含有している。リンシードオイル(またはアマニ油)は、マグネシウム、亜鉛、および食物繊維だけでなく、オメガ−3脂肪酸の重要な供給源でもある。
【0089】
6.2 アミノ酸およびその誘導体
アミノ酸は、身体全体で必要とされているタンパク質の構成要素である。更に、アミノ酸は、コエンザイムの一部を形成するような多くの他の生物学的分子において、または分子を生合成するための前駆物質として、重要である。それらは更に、窒素の重要な供給源でもある。
【0090】
アミノ酸は22種類あって、必須アミノ酸と非必須アミノ酸とに分類される。必須アミノ酸は、体内では作ることができず、したがって、日常の飲食から取り入れる必要がある。必須アミノ酸には、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、およびバリンの9種類がある。
【0091】
本発明での使用に適したアミノ酸として、下記のアミノ酸が挙げられる。
【0092】
6.2.1 アラニン
アラニンは、グルコースおよびトリプトファンの代謝に必要なアミノ酸である。アラニンは、筋肉組織、脳、および中枢神経系に対する重要なエネルギー源である。
【0093】
6.2.2 アルギニン
アルギニンは、外傷の治癒および肝臓の再生を促進するアミノ酸である。アルギニンは更に、グルカゴン、インスリン、および成長ホルモンを含む諸ホルモンの放出も促進する。アルギニンは筋肉の成長に役立つと考える人もいる。
【0094】
アルギニンは更に、過剰のアンモニアを身体から除去すること、免疫機能を刺激することにも役立つものであり、自然の抗凝血剤として作用することができ、コレステロールのレベル調節を助けることができる。
【0095】
アルギニンは更に、タンパク質合成を高めるのにも必要とされている。タンパク質合成が高まれば、細胞複製が増加することになる。
【0096】
アルギニンは、精子数が少ない男性の精子数の増加を助け、狭心症および/または鬱血性の心臓疾患を抱える人を支援できることが、研究により示唆されている。
【0097】
6.2.3 アスパラギン酸
アスパラギン酸は、他のアミノ酸、並びに、アスパラギン、アルギニン、リシン、メチオニン、トレオニン、イソロイシンおよびヌクレオチドを含むクエン酸回路内の分子を構成する際に重要となるアミノ酸である。アスパラギン酸は更に、免疫グロブリンの生産だけでなく、RNAやDNAを機能させる上でも重要である。
【0098】
アスパラギン酸は更に、有害なアンモニアを体内から排出することにも役立つ。
【0099】
アスパラギン酸は、疲労に対する耐性を高め、持久力を強化できることも、最近の研究で示唆されている。
【0100】
6.2.4 システイン
システインは、ビタミンB6を活用するのに必要なアミノ酸であり、糖およびでんぷんを同化するのに必要とされるインスリンをすい臓に供給するのに役立つものである。システインは更に、皮膚および毛髪の形成にも必要であり、火傷および外傷の治癒や、気管支炎および嚢胞性線維症といった病気における沈着粘液の分解に有用である。
【0101】
システインは、酸化防止剤として機能する。更に、システインは、染みを減らすなど、身体のアンチエイジング効果を発揮できる、肺、肝臓、腎臓、および骨髄内のグルタチオンのレベルを高める。
【0102】
更に、システインは、胃および腸の保護粘膜層を強化する。
【0103】
システイン自体は、栄養補助食品としてはほとんど使用されず、むしろ、N−アセチルシステイン(NAC)が使用される。
【0104】
6.2.5 グリシン
グリシンは、コラーゲンの主たるアミノ酸の1つであり、骨、皮膚、および軟骨の形成にも有用である。
【0105】
6.2.6 ヒスチジン
ヒスチジンは、赤血球および白血球両方の生成だけでなく、組織の成長および修復にも必要とされるアミノ酸である。更に、ヒスチジンは、体内から重金属を除去するのを支援することができる。
【0106】
ヒスチジンは、リウマチ性関節炎、アレルギー性疾患、かいよう、および貧血を治療するのに使用されてきた。更に、ヒスチジンは、胃液不足を抱える人または消化不良を患っている人に有益であると考えられている。
【0107】
6.2.7 イソロイシン
イソロイシンは、筋肉組織を維持し、グリコーゲンの筋肉貯蔵部を保護するとともに運動中に筋肉タンパク質を分解させなくするのに必要とされるアミノ酸である。
【0108】
6.2.8 ロイシン
イソロイシンと同様に、ロイシンは、筋肉組織を維持し、グリコーゲンの筋肉貯蔵部を保護するとともに運動中に筋肉タンパク質を分解させなくするのに必要とされるアミノ酸である。
【0109】
6.2.9 リシン
リシンは、成長に必要なアミノ酸であって、体内の窒素バランスを調整するのに必要なアミノ酸である。更に、リシンは、身体がカルシウムを吸収し、保存するのを助けることができる。更に、リシンは、骨軟骨および結合組織を構成するコラーゲンを形成するのを助け、抗体、ホルモン、および酵素の生成するのを支援する。
【0110】
リシンはヘルペスに対して有効な場合があるので、口唇ヘルペスまたは性器ヘルペスを抱える人に対して医師が処方することが多いことが、いくつかの研究によって示されている。
【0111】
6.2.10 メチオニン
メチオニンは、皮膚、毛髪、および爪の疾患を防止する硫黄の主たる供給源であるアミノ酸である。メチオニンは、髪の毛包に影響を与えて、毛髪の成長を促進する。
【0112】
メチオニンは更に、肝臓のレシチンの生産力を高めることによってコレステロール値を下げるのにも役立つ。メチオニンは更に、肝臓が脂質を処理するのを助け、腎臓を保護する。
【0113】
更に、メチオニンは、重金属に対する自然のキレート剤であって、アンモニアの形成を調節するものである。アンモニアの入っていない尿を生成するのを助けるものであり、これにより膀胱刺激症状が軽減する。
【0114】
6.2.11 フェニルアラニン
フェニルアラニンは、L−フェニルアラニン(LPA)およびD−フェニルアラニン(DPA)という2種類の立体異性体が存在するアミノ酸である。
【0115】
LPAは、L−チロシン(別のアミノ酸)に変換することができ、続けて、L−ドーパ、ノルエピネフリン、およびエピネフリンに実質的に変換することができる。別の経路をたどることになるが、LPAは、フェニルエチルアミンに変換することができる。これは、脳の中に自然に生じる物質であり、現れると、気分を高揚させる。それがあると覚醒状態および警戒状態を保ち、空腹痛を軽減する。
【0116】
DPAは、パーキンソン病を抱える人に役立つ場合があると考えられており、慢性痛を治療することにも使用されてきた。
【0117】
LPAとDPAを混合したものは、抗鬱薬として使用されてきた。
【0118】
6.2.12 セリン
このアミノ酸は、免疫グロブリンおよび抗体の生産を支援するものであるため、脂肪の代謝、組織の成長、および免疫系に欠かせない。セリンは更に、核酸の代謝、細胞膜の形成、およびクレアチン合成においても重要である。
【0119】
6.2.13 タウリン
タウリンは、アミノ酸システインの誘導体であり、多くのエネルギー製品で使用されている。タウリンは、アミノ酸と呼ばれる場合が少なくないが、人体を構成するタンパク質の一部ではない。むしろ、タウリンは、組織および血流の中で、遊離状態のままである。実際には、タウリンは、最も潤沢な遊離アミノ酸様化合物の1つであり、心臓、骨格筋、および神経系で見つけられる。身体運動が過剰になされたときに、身体はもはや必要量のタウリンを生成できなくなり、結果として、相対的欠乏が起こる。タウリンは代謝伝達物質の働きをするものであり、解毒作用を有することでも知られている。
【0120】
個人にアミノ酸を提供するように調合される本発明の栄養補給物は、ポリペプチド(タンパク質を含む)、ペプチド、遊離アミノ酸(例えばアラニン)、またはアミノ酸誘導体(例えばタウリン)を含んで構成することができる。
【0121】
6.2.14 トレオニン
トレオニンはアミノ酸であり、コラーゲン、エラスチン、およびエナメルタンパク質の重要な組成物である。トレオニンは、抗体の生成を助けるとともに胸腺の成長および活性を促進することによって免疫系を支援するだけでなく、肝臓の脂肪増加を防止するのを助ける。
【0122】
トレオニンは更に、代謝、同化、および他の栄養素の吸収も支援する。
【0123】
6.2.15 トリプトファン
トリプトファンは、脳におけるセロトニンおよび/またはメラトニンのレベルを高める能力があるため、睡眠補助薬として使用されるアミノ酸である。トリプトファンは、季節性情動障害(SAD)の秋型鬱病/冬型鬱病を効果的に治療できることが、研究により示唆されている。トリプトファンは、抗鬱薬としても使用されてきた。
【0124】
6.2.16 チロシン
チロシンは、神経インパルスを脳に伝達し、甲状腺、副腎、および下垂体が健全に機能することを促進するアミノ酸である。神経伝達物質への影響を介して、チロシンは、パーキンソン病、鬱病、および他の気分障害を含む種々の健康障害に影響を及ぼすことができる。
【0125】
6.2.17 バリン
ロイシンおよびイソロイシンと同様に、バリンは、筋肉組織を維持し、グリコーゲンの筋肉貯蔵部を保護するとともに運動中に筋肉タンパク質が分解するのを防止するのに必要なアミノ酸である。
【0126】
6.3 タンパク質
6.3.1 アミノ酸の供給源
タンパク質は、ペプチド結合で接合されたアミノ酸で構成された有機化合物である。栄養を摂取する際に、タンパク質は、遊離アミノ酸に分解される。異なる供給源に由来するタンパク質は、異なるアミノ酸を含有している。したがって、タンパク質は、身体にとって、もう1つのアミノ酸供給源である。
【0127】
6.3.2 消化酵素
酵素は、高分子をより小さな構成要素に分解する触媒作用を有する。したがって、酵素は、食物の消化を助ける。
【0128】
酵素は、基体によって分類される。タンパク質分解酵素(プロテアーゼおよびペプチダーゼ)は、タンパク質および他のポリペプチドをアミノ酸に分解する触媒作用を有する。リパーゼは、脂肪を脂肪酸に分解する触媒作用を有する。カルボヒドラーゼは、でんぷん等の炭水化物を糖に分解するのを触媒する。ヌクレアーゼは、核酸をヌクレオチドに分解する触媒作用を有する。アミラーゼは、でんぷんを糖に分解する特定のカルボヒドラーゼである。
【0129】
タンパク質分解酵素を含有する栄養補給物は、消化を支援し、炎症を軽減し、血液を浄化し、免疫系を強化し、カビ、菌、およびウイルスを死滅させるのに奨励されてきた。
【0130】
6.4 ビタミン
ビタミンは、身体が栄養素として少量だけ必要とする有機化合物である。ある化合物を生物が十分な量だけ合成できず、それを日常の飲食から取得しなければならない場合に、その化合物はビタミンと呼ばれる。
【0131】
6.4.1 ビタミンA
ビタミンAは、細胞分化プロセスに影響を与える。したがって、胚が成長し発達するのに重要である。ビタミンAは更に、視覚(特に暗視能力)、正常な骨および歯の発達、並びに生殖にとっても重要である。
【0132】
ビタミンA欠乏の症状の例として、夜盲症、ドライアイ(特に角膜)、および骨の成長不良も挙げられる。
【0133】
ビタミンAは更に、糖タンパク合成にも必要である。ビタミンA欠乏症がひどくなると、糖タンパク不足が起こり、角膜の潰瘍、即ち融解につながる。
【0134】
更に、ビタミンAは、上皮細胞、特に皮膚および粘膜が正常に機能するのに不可欠である。ビタミンA欠乏症ではドライスキンおよびにきびが観察され、ひどくなると、乾燥症を発症する可能性がある。
【0135】
ビタミンAは更に、身体内で酸化防止剤としても働く。
【0136】
ビタミンAは、脂溶性である。食物性ビタミンAの供給源として、活性体と前駆物質の2種類がある。活性体はレチノイドとして知られており、レチナールおよびレチノールを含む。それらは身体にとって直ちに利用可能であり、動物性食品から取得される。プロビタミンとしても知られる前駆物質は、体内で活性体に変換されなければならない。前駆物質は、カロチノイドとして知られる黄色、橙色、および深緑色の色素を含有する果物および野菜から取得される。最もよく知られているのは、ベータカロテンである。
【0137】
6.4.2 ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1は、炭水化物およびタンパク質の代謝において(特に、食物からエネルギーを解放するのを支援し、通常の食欲を促進する際に)、並びに神経機能において、代謝上の必須の役割を担っている。
【0138】
多くの場合、チアミンが欠乏したときの通常の症状は、神経系および心臓に関係する。例として神経変性が挙げられる。欠乏があまりひどくない場合は、倦怠感、体重減少、筋力低下、むくみ、易刺激性、および錯乱を含む非特異的兆候が現れる。
【0139】
チアミン不足は、栄養不良、チアミナーゼが豊富な食物(生の淡水魚、生の貝類、シダ類)を多く含む日常の飲食、および/または抗チアミン要素(紅茶、コーヒー、ビンロウジ)を多く含む食物によって、アルコール依存症、胃腸病、エイズ(HIV−AIDS)、および持続的嘔吐といった慢性病に関連して栄養状態がひどく損なわれることたよって誘発される場合がある。糖尿病を抱えている人の多くは、チアミン欠乏症であると考えられており、起こり得るいくつかの合併症と関連がある可能性があると考えられている。
【0140】
チアミン欠乏によって起こるよく知られた症候群の例として、脚気およびウェルニッケ・コルサコフ症候群が挙げられる。これらは、慢性アルコール中毒でもよく目にする病気である。
【0141】
多量のビタミンB1(大人に対して少なくとも100mg)が摂取された場合、蚊および他の刺咬昆虫は、肌にとまらないか、とまっても血を吸わないかのいずれかであることが示唆されている。加えて、ビタミンB1は、抗炎症作用を有することが知られている。これは、大量のビタミンB1は、昆虫による刺咬があまり腫れなくするのに役立つ場合があることを意味している。
【0142】
ビタミンB1は、水溶性のビタミンである。
【0143】
6.4.3 ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB2は、細胞分裂で使用される核酸の生成を含む多種多様な細胞プロセスに必要なものであり、良好な視覚および健康な皮膚を促進する。
【0144】
ビタミンB2欠乏症は、唇がひび割れて赤くなること、口および舌の内膜の炎症、口内炎、口角のひび割れ、並びに咽頭痛を誘発する可能性がある。欠乏症は、皮膚の乾燥と剥離、粘膜の分泌液、および鉄欠乏性貧血を誘発する可能性もある。更に、目が充血し、かゆみを感じ、分泌物過多になり、明るい光に敏感になる可能性もある。リボフラビン欠乏症は、典型的には、口−眼−生殖器の症候群に関連している。口角炎、羞明、および陰嚢皮膚炎は、典型的な自覚症状である。
【0145】
ビタミンB2は、身体が脂肪を燃やして、必要以上に貯蔵するのを回避することにも役立つものである。したがって、ビタミンB2は、貯蔵された脂肪をエネルギーに変換するとともに代謝活動を促進するのを助けるものであるため、体重を減らす日常の飲食に有用である。太りすぎの人または肥満体の人は多くの場合、ビタミンB2が欠乏している。したがって、脂肪の代謝を促進するため、肥満体の人には、通常の摂取量(1.5mg/日)の少なくとも3倍が推奨される。
【0146】
補給的リボフラビンは、ベータブロッカーと共に、片頭痛を防止するのに有用な添加物である可能性があることが、最近になってますます証明されてきている。
【0147】
ビタミンB2は、水溶性のビタミンである。
【0148】
6.4.4 ビタミンB3(ナイアシン)
ビタミンB3は、生細胞において代謝という必須の役割を果たす成分の前駆物質である。更に、ビタミンB3は、DNAの修復および副腎におけるステロイドホルモンの生成の両方に関与する。ビタミンB3は、健康な皮膚および神経状態を促進する。
【0149】
ビタミンB3は、外傷の治癒速度を速め、免疫系が感染に打ち勝つのを助けるのに関与してきた。ビタミンB3は更に、脂肪の代謝にも影響を与えるものであることから、高比重リポタンパク(HDL)が低い患者に以前から処方されてきた。更に、ビタミンB3は、消化を助け、健全な食欲を促進すると考えられている。
【0150】
日常の飲食でビタミンB3がひどく欠乏していると、ペラグラという病気を発症する。欠乏が中程度の場合、代謝が遅くなり、低温に対する耐性が低下する。皮膚疾患、下痢、虚弱、精神錯乱、および易刺激性も、欠乏症候群の例として挙げられる。
【0151】
ビタミンB3は水溶性であり、ナイアシン(ニコチン酸)またはナイアシンアミドとして供給することができる。
【0152】
6.4.5 ビタミンB5(パントテン酸)
ビタミンB5は、コエンザイムAを合成する際に使用されるものであり、炭水化物、タンパク質、および脂肪の代謝および合成に極めて重要であると考えられている。
【0153】
欠乏症の症状は、他のビタミンB欠乏症と同様である。不眠、疲労、アレルギー、吐き気、および腹痛を含め、ほとんどのものは軽微である。まれにではあるが、副腎不全および肝性脳症といった、より深刻な(但し回復可能な)疾患が目にされてきた。
【0154】
ビタミンB5は水溶性であり、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、またはそのプロビタミンであるパンテノールとして供給することができる。
【0155】
6.4.6 ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサル、またはピリドキサミン)
ビタミンB6は、赤血球の生成を促進するだけでなく、ナトリウムとカリウムの平衡を保つのを支援する。ビタミンB6は、ホモシステインの形成を減少させることによって、心臓血管の健康に関連付けられる。ビタミンB6は更に、身体がタンパク質および脂肪を代謝することも助ける。
【0156】
ビタミンB6欠乏症は、貧血症、腎臓結石、吐き気、神経損傷、発作、肌荒れ、並びに、皮膚炎、口角のひび割れ、口内の皮膚のただれ、および平滑舌を含む皮膚疾患を誘発する可能性がある。
【0157】
ビタミンB6は、学習障害児を支援できるかもしれないと示唆されてきているものであり、ふけ症、湿疹、および乾癬も防止することができる。
【0158】
加えて、ビタミンB6は、女性のホルモンが変化するのを助けるとともに、免疫系に役立つ。ビタミンB6は、鬱病および不安神経症の治療にも関与してきた。
【0159】
ビタミンB6は、水溶性のビタミンである。
【0160】
6.4.7 ビタミンB7(ビオチン、ビタミンH)
ビタミンB7は、細胞の成長、脂肪酸の生産、並びに、脂肪およびアミノ酸の代謝に必要である。ビタミンB7は、有気呼吸の際に生化学的エネルギーが発生するプロセスであるクエン酸回路の中で一定の役割を果たしている。ビタミンB7は、種々の代謝反応に役立つのみならず、二酸化炭素を輸送することも助ける。
【0161】
ビタミンB7は更に、安定した血糖レベルの維持にも有用である。加えて、ビタミンB7は、毛髪および爪を強化するのに推奨されることが多い。
【0162】
ビタミンB7欠乏症の例として、疲労、食欲不振、吐き気、嘔吐、鬱病、筋肉痛、貧血症、および発育遅延が挙げられる。皮膚症状の例として、皮膚炎、脱毛症、および毛髪色素欠乏症(毛髪の色素が消失しまたは減少する)が挙げられる。骨格に腱まひ(骨の短縮化および肥厚)が見られる。脂肪性肝臓および腎臓症候群(FLKS)、並びに肝臓脂肪症も発症する可能性がある。加えて、2型糖尿病を抱えている人は多くの場合、ビオチンのレベルが低い。
【0163】
ビタミンB7は、水溶性のビタミンである。
【0164】
6.4.8 ビタミンB9(葉酸塩、葉酸、フォラシン)
ビタミンB9は、新しい細胞の生成および維持に必要である。これは、幼年期および妊娠期間といった細胞分裂および細胞の成長が速い期間中は、特に重要である。ビタミンB9は、タンパク質の代謝にも役立つ。
【0165】
ビタミンB9欠乏症は、食欲不振および体重減少につながる可能性がある。
【0166】
ビタミンB9欠乏症には他にも、下痢、虚弱、舌痛、頭痛、心臓の動悸、易刺激性、および行動障害といった兆候がある。ビタミンB9欠乏症の女性が妊娠すると、低出生体重の早産児および神経管欠損症児を出産する可能性がより高い。乳児および子どもでは、ビタミンB9が欠乏すると、成長速度が遅くなる可能性がある。大人の貧血症は、ビタミンB9欠乏症が進行した兆候である。
【0167】
葉酸塩の必要性を増大させるいくつかの状況の例として、妊娠と授乳(母乳の授乳)、喫煙、セリアック病を含む吸収不良、腎臓透析、肝臓病、ある種の貧血症、およびある種の薬剤が挙げられる。
【0168】
ビタミンB9は、水溶性のビタミンである。
【0169】
6.4.9 ビタミンB12(シアノコバラミン)
ビタミンB12は、脳および神経系を正常に機能させることに加え、血液の形成にも、重要な役割を担っている。ビタミンB12は通常、身体のあらゆる細胞の代謝に関与する。特に、DNAの合成および抑制に影響を及ぼし、脂肪酸の合成およびエネルギーの生成にも影響を及ぼす。
【0170】
ビタミンB12欠乏症は、悪性貧血の原因であり、その治療には多くの場合、ビタミンB12が用いられる。いずれのビタミンB12欠乏症は、疲労、鬱病、および健忘症にも関連する。
【0171】
ビタミンB12は、水溶性のビタミンである。
【0172】
6.4.10 ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCは、骨、皮膚、および結合組織(他の組織および器官を相互につなぐものであり、例として腱、じん帯、および血管が挙げられる)の形成、成長、および修復にとって不可欠である。ビタミンCは、健康な歯および歯茎を維持するのを助ける。ビタミンCは、身体が、赤血球を作るのに必要な鉄分を吸収するのを助けるとともに、カルシウムおよびフォラシンを吸収するのを助ける。更に、ビタミンCは、火傷および外傷を治癒するのを助ける。ビタミンCは酸化防止剤でもあることから、細胞をフリーラジカルによる損傷から保護する。これらのフリーラジカルは、化学反応に関与する通常の細胞活動の副産物である。これらの反応の中には、有害なものがある。
【0173】
ビタミンCは更に、脳ホルモンおよび免疫学的因子の生成にも関与する。
【0174】
ビタミンCが欠乏すると、その人は疲れ易くなり、虚弱になり、短気になる可能性がある。極度なビタミンC欠乏症は、歯茎からの出血につながる可能性がある。傷は治らなくなり、あざができ易くなり、ドライスキン、肌荒れ、および壊血病につながる場合もある。他にも、関節痛、骨の痛み、および感染症に感染し易くなることが、欠乏症の症状の例として挙げられる。
【0175】
ビタミンCは水溶性であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、または(i)パルミチン酸アスコルビル、(ii)ステアリン酸アスコルビルといったアスコルビン酸の脂肪酸エステルの形で、栄養素として供給することができる。
【0176】
6.4.11 ビタミンE
ビタミンEは、酸化防止剤の働きをし、細胞をフリーラジカルによる損傷から保護する。
【0177】
ビタミンE欠乏症の症状例として、反射神経を鈍らせ、歩行困難、協調運動障害、位置感覚(見なくても手足の位置が分かる)の喪失、および筋力低下を挙げることができる。ビタミンE欠乏症は、赤血球が破裂する類の貧血症(溶血性貧血)を誘発する可能性がある。
【0178】
加えて、ある種の障害を予防するためにビタミンEを摂る人が多い。
【0179】
6.5 コリン
コリンは有機化合物であり、水溶性の必須栄養素に分類される。通常は、ビタミンB複合体等の種々のビタミンB栄養素と一緒に取り入れられる。この天然のアミンは、細胞膜を構成する脂質および神経伝達物質であるアセチルコリンで見つけられる。
【0180】
コリンは、心臓病を予防するのに使用される。コリンは多くの場合、神経伝達物質であるアセチルコリンが脳内の種々の認知システムの中で果たす役割のため、「スマートドラッグ」、即ち向知性薬の形で摂取される。コリンは、末梢神経系が必要とする必須栄養素でもある。
【0181】
脂質代謝における役割のために、コリンも、脂肪およびコレステロールの代謝を助ける栄養補給物に含められる場合がある。コリンは更に、ホルモンの生成にも役立つものであり、性欲の増進および勃起機能を増強するのを助ける。更に、コリンは、尿閉を抱える人を支援するために用いられる。
【0182】
更に、コリンは、胎児および新生児の認知を適切に発達させるので妊婦にとって有益であり、睡眠障害を患っている人にも有益であると考えられている。
【0183】
コリン欠乏症の例として、脂肪肝(肝臓に脂肪質の堆積物が溜まる)、心臓障害、高血圧、および脂肪の消化不能が挙げられる。
【0184】
レシチン(本明細書では独立して論じられる)は、コリンの供給源の1つである。
【0185】
6.6 生物学的に利用可能なミネラル
栄養素のミネラルまたは生物学的に利用可能なミネラルは、生命体が機能するのに必要な化学元素であって、有機分子に普通に存在する4つの元素、炭素、水素、窒素、および酸素以外のものである。「ミネラル」という用語は、化学的化合物または実際のミネラルではなく、イオンを説明することが定義の目的であるため、時代遅れである。
【0186】
6.6.1 塩化物
塩化物は、主にナトリウムおよび水分と一緒に移動し、体液の浸透圧が発生するのを助ける。塩化物は、消化をつかさどる中心的な酸である胃の塩酸(HCl)の重要な成分である。塩化物は更に、身体の酸塩基平衡の維持にも必要である。更に、塩化物は、肝臓に老廃物を除去させるのに有用な場合がある。
【0187】
塩化物欠乏症は、過剰な発汗、嘔吐、または下痢の結果としての体液喪失によって発症する可能性がある。利尿剤等の薬剤の使用も、欠乏症を誘発する可能性がある。
【0188】
塩化物欠乏症は、アルカローシス、脱水症、カリウムの喪失、筋力低下、および血圧の低下を招く可能性がある。
【0189】
塩化物の様々な形態の例として、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0190】
6.6.2 クロム
クロム(三価クロム―Cr(III)またはCr3+)は、インスリンの働き、体内での炭水化物、脂肪、並びにタンパク質の代謝および貯蔵に極めて重要なホルモンの働きを高めることが知られている。更に、クロムは、炭水化物、脂肪、およびタンパク質の代謝に直接的に関与するものと考えられている。
【0191】
クロムが欠乏すると、クロム欠乏症と呼ばれる病気が起こる可能性がある。例として、糖尿病に似た症状を呈することを挙げることができる。種々の疾患において、身体のクロム含有量が低下する可能性がある。例えば、日常の飲食で単糖(35%以上のカロリーを含む)を多く摂る個人は、尿中に多くのクロムを排出している可能性がある。加えて、感染症、急な運動、妊娠と授乳、およびストレスの多い状態(身体的外傷等)は、クロムの損失を増大させ、特にクロムの摂取が既に少なくなっている場合にはクロム欠乏症を引き起こす可能性がある。
【0192】
クロムは、広く使用されている補給物であり、塩化クロム、ニコチン酸クロム、ピコリン酸クロム、高クロム酵母、およびクエン酸クロムとして入手可能である。ビタミンB3およびビタミンCはどちらも、体内におけるクロムの吸収する能力を高める。
【0193】
6.6.3 銅
銅は、様々な酵素で見つけられるものであり、生体の電子伝達にも使用される。銅は、鉄を取り込み易くする上で一定の役割を果たす。
【0194】
亜鉛および銅は、消化管における吸収において競合すると考えられており、したがって、これらのミネラルのうちの一方が過剰となる日常の飲食は、他方の欠乏を招くことになる。
【0195】
銅が欠乏すると、多くの場合、貧血症のような症状が発生する可能性がある。銅が慢性的に枯渇することは、脂肪の代謝異常、高トリグリセリド、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、脂肪肝病、並びに鬱病および日焼けを引き起こすメラニンおよびドーパミンの合成不足につながる。
【0196】
6.6.4 フッ化物
フッ化物は、エナメルの石化を支援するものであり、これにより、虫歯が減少する。
【0197】
6.6.5 ヨウ素
ヨウ素は、消化管でヨウ化物に変換され、次いで、甲状腺に取り込まれ、そこで、甲状腺ホルモンの不可欠の部分を形成する。甲状腺ホルモンは、事実上全ての組織において、細胞の活動および成長を調節する。良好に機能する甲状腺は、発話、毛髪、皮膚、および歯に不可欠である。
【0198】
6.6.6 鉄
鉄は、タンパク質および銅と結びついてヘモグロビンを形成する。このヘモグロビンは、血液中に存在して酸素を運搬する。鉄は、血液の質を増大するのに一定の役割を果たしており、ストレスおよび病気に対する耐性を向上する。鉄は更に、筋肉組織にミオグロビンを形成する上でも重要である。
【0199】
鉄は更に、疲労を防止し、良好な皮膚の色合いを促進する上でも必要である。
【0200】
6.6.7 マグネシウム
リン酸塩とマグネシウムイオンとの間の重要な相互作用のため、マグネシウムイオンは、生命体の基本的な核酸化学にとって不可欠である。ATPを利用するもしくは合成する全ての酵素またはDNAおよびRNAを合成するのに他のヌクレオチドを使用する酵素を含め、多くの酵素は、触媒作用を発揮するために、マグネシウムイオンが存在している必要がある。ATPは、通常はATPのキレートおよびマグネシウムイオンとして、細胞内に存在している。更に、マグネシウムは、カルシウムの吸収を助長するものと考えられている。
【0201】
マグネシウム欠乏症は、喘息、骨粗鬆症、およびADHDといった数多くの人間の病気の進行に関与してきた。アルコール依存症は、マグネシウム欠乏症を発生させる可能性がある。これは、欠乏の度合いによっては、マグネシウムを投与することで容易に回復する。
【0202】
6.6.8 マンガン
マンガンは必須ミネラルである。マンガンは、多数の酵素に対する共同因子の中に存在している。
【0203】
マンガンが欠乏すると、骨格奇形が起こり、創傷を治癒するのに、コラーゲンの生成を阻害する。栄養学者の多くは、関節痛、炎症、関節炎、滑液包炎、皮膚炎、並びに、パーキンソン病、骨粗鬆症、精神分裂症、糖尿病、およびてんかんを含む多くの病気が、マンガンの欠乏に起因するとしている。
【0204】
6.6.9 モリブデン
生命体におけるモリブデン原子の最も重要な用途は、ある種の酵素において、活性部位における金属へテロ原子としての用途である。体内のモリブデン濃縮物は、タンパク質合成、代謝、および成長に影響を及ぼす。
【0205】
モリブデンは更に、人間の歯のエナメル内部にも存在しており、その齲蝕を予防するのに役立つ。
【0206】
モリブデン欠乏症はめったに起こらないが、身体に十分なモリブデンが与えられなかった場合、身体に必要なある種の酵素に影響が及ぶ。その場合、人によっては、不要な物質の蓄積につながる可能性がある。
【0207】
6.6.10 リン
リンは、骨および歯の形成に関与しており、代謝、腎臓機能、細胞成長、および熱的筋肉収縮にも関与している。リンは、食物をエネルギーに変換するのに役立ち、ビタミンを活用する際にも役立つ。
【0208】
6.6.11 セレン
大量のセレンは有害であるが、微量のセレンは、細胞機能に必要である。セレンは、一部の酵素の活性中心を形成する。通常の甲状腺機能による変換作用にも必要である。
【0209】
セレン欠乏症は、腸の機能がひどく損なわれた患者および完全非経口栄養法を受けている患者に発症する可能性があり、(90歳を超える)高齢者にも発症する可能性がある。或いは、セレンが欠乏している土から作られる食物に依存している人には、セレン欠乏症のリスクがある。
【0210】
セレン欠乏症は、極度の疲労、精神機能の低下、甲状腺腫、クレチン病、および反復流産を含め、甲状腺機能低下の症状を誘発する可能性がある。更に、セレン欠乏症は、ケシャン病につながる可能性がある。これは、命にかかわる可能性がある。セレン欠乏症は更に、(ヨウ素欠乏症と共に)カシンベック病の一因にもなる。
【0211】
6.6.12 亜鉛
亜鉛は、あらゆる動物の生命を維持するのに必要であり、多くの生物学的経路に関連している。
【0212】
亜鉛は、抗酸化性の性質を備えていると考えられている。更に、亜鉛は、傷を負った後の治癒プロセスを早めると考える人もいる。亜鉛は更に、加齢性黄斑変性症に対する有効な治療の一部に用いられる。
【0213】
亜鉛欠乏症は、通常は栄養に関連するものであるが、吸収不良、肢端皮膚炎性腸疾患、慢性肝臓病、慢性腎臓病、鎌状細胞病、糖尿病、悪性腫瘍および他の慢性病に関連する場合もある。
【0214】
6.7 薬草および他の植物性薬品
薬草および植物性薬品を含む他の植物由来成分の多くは今日、栄養素として一般に摂取されている。本発明の栄養補給物用の栄養素として適切な栄養素の具体例を以下で説明する。
【0215】
6.7.1 アンドログラフィス
アンドログラフィスは、アーユルヴェーディックハーブであり、数百年前から、熱、咽頭痛、および咳といった風邪に関連する症状を軽減し、風邪から回復するのを支援するために、中国およびインドにおいて薬として使われてきた。
【0216】
アンドログラフィスの主な有効成分であるアンドログラフォライドは、免疫系を刺激するだけでなく、熱および炎症を軽減するのを助ける。
【0217】
6.7.2 ハナスゲ
ハナスゲは、鎮静作用および栄養素としての性質を備えた中国の薬草であり、伝統的に、陰を育み、緊張状態を緩和するのに使用されている。ハナスゲは鎮静作用を有していることから、睡眠およびリラクセーションを支援するのに有用である。
【0218】
6.7.3 チョウセンアザミ(キナーラスコリムス)
チョウセンアザミは伝統的に、胆汁の生成を刺激し、胆汁を胆嚢、次いで腸に移動させるのに使用されてきた。胆汁の流れを良くするチョウセンアザミの能力は、身体の脂肪代謝を向上するのに役立つ。
【0219】
更に、チョウセンアザミは、毒素から肝臓を保護すること、および肝臓細胞の再生を高めることの両方によって、肝臓の働きを助けていると考えられている。
【0220】
6.7.4 キバナオウギの根
この根は、中国の薬で伝統的に強壮薬として使用されており、免疫抑制疾患を防止するものである。オウギは、免疫を高める抗生作用および抗ウイルス作用を有しており、今日、免疫系の健康を維持するだけでなく、風邪および流感の予防および治療においても、植物薬で広く使用されている。
【0221】
6.7.5 センジュギク
この植物は、腹痛、消化不良、および嘔吐といった多くの消化疾患に対して使用されてきた歴史がある。
【0222】
センジュギクは、高濃度のルテインを有している。これは、抗酸化カロチノイドであり、フリーラジカルによる損傷から保護するのを助けるとともに、視覚を維持するのを支援する。
【0223】
6.7.6 メギ
メギは、苦味のある強脾剤であり、抗菌性の性質および抗炎症性の性質も有している。妊娠中は控えるべきである。
【0224】
6.7.7 大麦草(ホルデウムウルガレ)および小麦草(トリーティクムアエスティーウム)
大麦草の若葉には、クロロフィル、身体に必要な酵素、ビタミン、ミネラル、およびアミノ酸が豊富である。クロロフィルは、大麦の若葉で摂取できる緑の色素であり、体内における酸素の安定供給を高めるのを助けるものである。更に、クロロフィルは、身体がアミノ酸を迅速に同化するのに極めて重要である。
【0225】
緑の大麦草がアルカリ性であることも、身体にとって非常に有益である。
【0226】
緑の大麦草は、個人の日常の飲食に新鮮な生の野菜が不足している場合に、特に有益である。これら2品種の若木の葉を乾燥させ粉末状にしたものは、多くの場合、栄養素として摂取される。
【0227】
6.7.8 クマコケモモ(ウワウルシ)
クマコケモモは、収斂性の性質および防腐性の性質の両方を有しており、泌尿器系にとって非常に有用である。
【0228】
6.7.9 コケモモ(ワクキ二ウムミルティルルス)
コケモモは、夜盲症、昼盲症、白内障、斑点再生、および緑内障の治療に使用される。コケモモは、アントシアノサイドを含有している。これは、血管壁を強化し、炎症を軽減し、コラーゲンを含有する全ての組織を全般的に安定化するものである。
【0229】
コケモモは更に、口およびのどの粘膜の炎症を治療することを含め、防腐剤および抗炎症剤としても使用される。
【0230】
6.7.10 ビオフラボノイド
ビオフラボノイド(フラボノイドと呼ばれることもある)は植物性二次代謝産物であり、普通はかんきつ類の外皮から抽出されるが、サクランボ、クロスグリ、ソバ、ニンニク、ブドウ、緑茶、タマネギ、コショウ、松樹皮、および他の供給源に由来する場合もある。ビオフラボノイドの例には、シトリン、ヘスペリジン、ルチン、ケルセチン、フラビン、およびフラボノールがある。
【0231】
ビオフラボノイドは、抗酸化性および抗炎症性の特性を有することが報告されており、毛細血管壁を維持するのを助け、出血または損傷の可能性を低減するものである。ビオフラボノイドは、身体システムからフリーラジカルを除去することによってそれ自体が酸化防止剤の働きをするのみならず、他の酸化防止剤(ビタミンCを含む)の作用も増大させると考えられている。
【0232】
ビオフラボノイドは、抗菌効果を有し、胆汁の生成を刺激し、循環を促進する効果を有すること、更には、アレルギー性鼻炎(花粉症)および喘息を含むアレルギーへの抵抗を支援することが示唆されている。更に、ビオフラボノイドは、血液のコレステロールレベルを下げるのを助け、白内障の予防および治療に貢献する。
【0233】
6.7.11 ブラック・コホッシュ(アクタイラケモサ)
この薬草(公式にはキミキフガラケモサという名称)は、北米原産である。この薬草の根および根茎は、更年期の症状および月経障害の治療に使用される。
【0234】
6.7.12 オトメアゼナ(バコパモンニエリ)
オトメアゼナは味が苦く、数多くの疾患、特に不安神経症、知能、および健忘症が伴う疾患を治療するための薬として、アーユルヴェーディックシステムにおいて、数世紀にわたって使用されてきた。オトメアゼナは更に、記憶の発達、学習、および集中力を高めるためにも使用されてきた。更に、オトメアゼナは、抗酸化性の性質を備えていると考えられている。
【0235】
6.7.13 ブッコノキ
ブッコノキは、利尿性の特性を有しており、尿路感染症および過剰体液に関わる疾患に対して有用なものである。ブッコノキは更に、防腐性の特性を有することも分かっている。この性質は、尿路の感染にブッコノキを使用する際に補完的役割を果たす。
【0236】
6.7.14 カフェイン
カフェインは、豆、葉、およびガラナを含むいくつかの植物の実に様々な量で存在するアルカロイドである。
【0237】
カフェインは弱い利尿剤であり、眠気を一時的に防ぐとともに警戒状態を回復する効果を有する中枢神経系(CNS)の刺激剤である。
【0238】
6.7.15 キンセンカ
キンセンカは、抗炎症性、収斂性、防腐性、抗ウイルス性、および抗菌性を有しており、免疫系を増強するのを助ける。
【0239】
キンセンカは、すり傷、湿疹、火傷、痔、静脈瘤、および回復が不十分な外傷に対して使用されてきた。キンセンカは、口腔カンジダ症等の真菌性の感染症にも使用されてきた。
【0240】
6.7.16 キャッツクロー(ウンカリアトメントサ)
キャッツクローは、南アメリカおよび中央アメリカの熱帯ジャングルで発見された木本つる植物である。その名前は、その植物の持つ爪状とげに由来している。キャッツクローは、アルカロイド、タンニン、および植物化学物質をいくらか含有している。
【0241】
薬草による治療として、キャッツクローは、クローン病、胃潰瘍および腫瘍、寄生生物、大腸炎、胃炎、憩室炎、並びに腸管壁浸漏症候群といった腸に起こる病気を治療するのに使用される。確立されている健康上の効果の例は、他にも、AZTとの組み合わせによるエイズの治療、関節炎およびリウマチの治療および予防、糖尿病、PMS、慢性疲労症候群、前立腺の疾患、免疫調節、ライム病、並びに全身性紅班性狼瘡が挙げられる。癌、炎症、ウイルス感染症、および血管の疾患の治療における使用に対して、並びに免疫刺激剤、酸化防止剤、抗菌剤、およびCNS関連薬剤としての使用に対して、裏付けとなる証拠が存在する。
【0242】
6.7.17 セロリシード
セロリシードは、主に利尿剤として使用されるものであり、尿の排出量を増加させて、体内の過剰な水分を除去するのを助ける。セロリシードは更に、関節炎および痛風を治療するのにも使用され、筋けいれんを軽減し、神経を鎮め、炎症を軽減するのを助ける。
【0243】
6.6.18 クロレラ
クロレラは、単細胞緑藻類から成る属の緑藻植物門に属する。
【0244】
クロレラは、タンパク質、脂肪、ビタミン、およびミネラルを含む主要な栄養素を含有している。一定の成長条件下で、クロレラは、多価不飽和脂肪が豊富な油を生成する。更に、クロレラは、大抵の植物よりもクロロフィルを多く含有するとともに、他のどの食物よりも多くの核酸を含有しており、これにより、エネルギーを多量に生成する潜在能力が与えられる。クロレラは、青野菜が不足していても、その食事の効果を増進できる、卓越した栄養補給物である。
【0245】
体重調整のサポート、癌の予防、自然の解毒作用、消化系の健全さ、免疫機能、炎症の抑制、酸化防止機能、エストロゲンの平衡状態、コレステロールの代謝、および循環は全て、この緑藻類が寄与する、疑いようのない健康上の便益である。
【0246】
6.7.19 コレウスフォルスコリ
コレウスフォルスコリは、有効成分(フォルスコリン)を含有する根の部分が、古代からヒンズーおよびアーユルヴェーダの伝統的な薬として使われてきた、植物である。この植物は、高血圧、鬱血性心不全、湿疹、疝痛、呼吸器疾患、痛みを伴う排尿、不眠症、およびひきつけを治療するのに使用されてきた。この植物およびフォルスコリンの医学的な研究では、これらの伝統的用途を支持しており、この植物およびフォルスコリンが、喘息、アンギナ、乾癬、および癌の転移予防において治療効果を有する可能性があることも示唆している。
【0247】
6.7.20 クルクミン
クルクミンは、一般に普及しているインドカレーの香辛料であるターメリックの主要なクルクミノイドである。ターメリックは、歴史的に、インドのアーユルヴェーダの薬の成分として、多種多様な病気を治療するために使用されてきた。20世紀後半の研究において、クルクミンは、ターメリックのほとんどの生物学的作用に対して一定の役割を果たすものとして識別されている。
【0248】
クルクミンは、抗腫瘍、抗酸化、抗関節炎、抗アミロイド、抗虚血、抗炎症、および抗ウイルスの各性質を有する可能性があると考えられている。加えて、マラリアの治療に有効な場合がある。クルクミンは更に、肝臓保護作用を有する。
【0249】
クルクミンは、精神機能を向上させ、アルツハイマー病患者の脳に破壊性ベータアミロイドが蓄積するのを抑制し、更には、その病気に関連して存在するプラークを分解できるという状況証拠もある。
【0250】
クルクミンが、体に無理のある運動、学習、明るい光、および抗鬱薬の用途といった数種の他の事柄の間でのみ、海馬における神経発生および脳由来神経栄養因子(BDNF)の凝集にプラス効果を有することを、数多くの研究が実証している。これらの減少はどちらも、ストレス、鬱病、および不安神経症と関連がある。
【0251】
6.7.21 ダミアナ(ツルネラディフューサ)
ダミアナは、中央アメリカの伝統的な民間薬の一部であり、現在でも、植物性の生薬として依然と使用されている。
【0252】
6.7.22 タンポポの根(タラクサクムオフィキナレ)
タンポポの根は、食欲増進薬、消化剤として使用される抗ウイルス剤であり、健康および消化管内に通常存在する細菌の機能を増進することができる。
【0253】
6.7.23 デビルズクロー(ハルパゴフィツムプロクムベンス)
デビルズクローは、変形性関節症、リウマチ性関節炎、および痛風を含むあらゆる種類の関節痛、並びに背痛等の軟組織の痛みを治療するのに使用されてきた。デビルズクローは、炎症および痛みを軽減すると考えられており、利尿剤、鎮静剤、および消化促進剤の働きをする。
【0254】
デビルズクローは更に、肝臓、胆嚢、および腎臓の障害を治療し、更年期の症状を軽減するためにも使用されてきた。
【0255】
6.7.24 エキナセア
エキナセアは、抽出物が抗微生物性、変質性、防腐性、抗菌性、および免疫刺激性の各性質を有すると考えられている植物である。エキナセアは、身体の細菌感染を克服するために用いられる。エキナセアは、大抵の風邪、流感、および熱に対する処方に用いられる。エキナセアをゴールデンシールと組み合わせれば、この症状の治療目的では良好に作用する。
【0256】
6.7.25 フェヌグリーク(トリゴネラフォエナム−グラエカム)
フェヌグリークは、炎症を起こしている粘膜の痛みを抑えるのを助ける粘滑剤の働きをする。
【0257】
6.7.26 ニンニク(アリウムサティウム)
ニンニクは、花粉症、咳、風邪、流感、および鼻炎を緩和するのに伝統的に使用されてきた。ニンニクには、ニンニクの有益な多くの作用に対して一定の役割を果たしているものと考えられている硫黄含有化合物を含まれている。
【0258】
6.7.27 リンドウ(ゲンチアナルティア)
リンドウは、消化を促進するのに使用される。リンドウは、食欲を刺激し、循環を促進するものであり、胸焼け防止に役立つ。リンドウは、甲状腺の機能を正常化するのを助けることができ、潰瘍の治療に有用な場合がある。更に、リンドウは、マラリアの原因であるプラズモディウムおよび寄生虫を死滅させる。更に、リンドウは、膵臓炎を患っている人に有益であると考えられている。
【0259】
6.7.28 イチョウ(ギンクゴビロバ)
イチョウは、動脈に対する弛緩作用を有するとともに静脈に対する緊張作用を有するため、血流を良くするとともに、循環を正常化させるのを助ける。イチョウは、血液の流動性を高めるものであり、循環を向上させることによって、身体による酸素およびグルコースの利用機能を強化することができる。
【0260】
6.7.29 ゴールデンシール(ヒドラスチスカナデンシス)
ゴールデンシールは、キンポウゲ科の多年生薬草である。
【0261】
ゴールデンシールは、多種類の医薬的性質を有しているため、多目的治療薬として使用されることが多い。ゴールデンシールは、局所抗菌薬としての働きの他に、消化促進剤として内用される場合もあり、うがいに用いられた場合は、アフタ性口内炎を除去することができる。
【0262】
6.7.30 ツボクサ(センテラアジアチカ)
ツボクサは、小型草本性の一年生植物である。ツボクサは、弱い強壮剤であり、穏やかに効く抗菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗潰瘍剤、抗不安剤、健脳剤、循環促進剤、利尿剤、鎮経剤、および傷薬である。
【0263】
ツボクサは、典型的には、疲労、軽度の不安神経症、およびストレを緩和するのを支援するのに使用されるものであり、精神機能を向上させるのを助ける。
【0264】
6.7.31 ブドウの種子(ヴィティスヴィニフェラ)
ブドウの種子の抽出物は、オリゴメリックプロシアニジンと呼ばれる植物フラボノイドの豊富な供給源を含んでおり、毛細血管壁を安定化すること、および毛細血管透過性の増大を防止することを含め、身体に対する有益な作用を有している。抽出物は、コラーゲン構造を支持するとともに、コラーゲンの崩壊防止を助ける。
【0265】
6.7.32 ガラナ(パウリニアクパナ)
ガラナは、ムクロジ科のつる性植物である。
【0266】
ガラナは、カフェインおよび他の成分を含んでおり、活力を高めるために使用されることが多い。ガラナは、記憶の維持、覚醒、気分、および身体持久力を含む認知改善を支援するという証拠が、いくつかある。ガラナは他の医薬効果も有すると考えられている。
【0267】
6.7.33 ホップの花
ホップは、ホップの木(フムルスルプルス)の雌花の毬花であり、球果としても知られている。
【0268】
ホップは更に、カノコソウと同様の方法で、不安神経症、情動不安、および不眠症の治療に生薬として使用されている。ホップは、神経性胃痛疾患を和らげ、眠気を誘うのに特に有用であると考えられている。ホップは更に、利尿剤および駆虫剤でもある。
【0269】
ホップは更に、ハーブを原料とする卓越したビタミンB3供給源でもある。
【0270】
6.7.34 セイヨウワサビ(アルモラキアルスティカーナ)
セイヨウワサビは、からし油を含んでいる。これは、伝統的に認識されている充血除去作用をもたらす成分であると考えられている。
【0271】
6.7.35 スギナ(エクイセツムアルヴェンセ)
スギナは、伝統的に、水腫を治療するために利尿剤として使用されてきたものであり、骨粗鬆症、腎石病(腎結石)、および尿路の炎症に対しても使用されてきた。
【0272】
6.7.36 ヒドロキシクエン酸(HCA)
HCAは、酸性化合物であって、ガルシニアカンボジアの果実で生成される。胃腸の病気およびリウマチに対して使用されてきた。
【0273】
ガルシニアカンボジアは、体重を減らすのを助けるために使用されてきた。
【0274】
6.7.37 インドニンジン(ウィザニアソムニフェラ、アシュワガンダとしても知られる)
インドニンジンは、強壮効果のある薬草であり、ストレスに関連する疾患において恒常性維持を促進するのに有用である。臨床試験では、不安神経症、認知障害、神経障害、炎症、およびパーキンソン病に対してアシュワガンダを使用することを支持している。
【0275】
アシュワガンダは、ホルモンの平衡を保つのにも役立つため、女性用の製剤でよく用いられる。
【0276】
インドニンジンは更に、気管支炎、喘息、潰瘍、やつれ、不眠症、および老年性認知症を治療するために、性欲促進薬、強肝剤、収斂剤としても使用されてきた。
【0277】
6.7.38 高麗人参(パナックスジンセング)
高麗人参は、漢方医学において、活力を補給し、健康を増進するのに使用されている。高麗人参は、活力レベルを支え、疲労を軽減することによって、全身の活力を取り戻し、全体的な健康状態を高めると考えられている。
【0278】
6.7.39 リコピン
リコピンは主にトマトに含まれているものであり、カロチノイド科(ベータカロテンを含む)の一種で、強い酸化防止能力を有する。
【0279】
6.7.40 マリアアザミ(シリバムマリアナム)
マリアアザミは、鬱病および肝臓障害に対する治療薬として使用されてきた。マリアアザミがアルコールおよび他の種類の中毒による損傷から肝臓を保護する優れた働きを有することが、最近の研究により確認された。
【0280】
マリアアザミは、肝臓および胆嚢の病気、黄疸、肝硬変、肝炎、並びに中毒を治療するのに使用されてきた。
【0281】
6.7.41 エンバク(アヴィーナサティヴァ)
エンバクは、種子を収穫するために育てられる穀物の一種である。
【0282】
エンバクは、ベータグルカンを含む他の穀物よりも可溶性が高い繊維を含有しており、LDL(「悪玉」)コレステロールを下げるのに役立つことが分かっている。更に、エンバクは、心臓病のリスクを下げることができると考えられている。
【0283】
エンバクの麦わらは更に、関節炎、リウマチ、および体液貯留を含む数多くの病気を治療するのにも使用されてきた。帯状疱疹、ヘルペスの感染、および麻薬中毒を治療するのに、エンバクのわらを推奨する植物学者もいる。
【0284】
6.7.42 オリーブ葉抽出物
オリーブ葉抽出物は、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗かび剤、および抗炎症剤であり、抗生物質および従来の薬剤が効かないことが分かっている疾患の多くを治療するのに有効であることが示されている。
【0285】
6.7.43 オレガノ(オリガヌムブルガレ)
オレガノは、多年生の薬草である。
【0286】
オレガノは、抗酸化および抗菌の両方の作用を有している。オレガノは更に、咽頭痛の痛みを抑え、咳を緩和するのにも使用されてきた。葉および有花茎は、強い防腐性、鎮痙性、駆風性、利胆性、発汗性、通経性、去痰性、興奮性、胃機能亢進性を有し、弱い強壮性を有している。オレガノの水性の抽出物、カプセル、またはオイルエキスは、風邪、インフルエンザ、微熱、真菌感染、消化不良、胃もたれ、腸内寄生生物、および生理痛を治療するために経口摂取される。
【0287】
オレガノは鎮静作用が強く、大量に摂ってはならないが、少量をオレガノ茶には心を落ち着かせる作用があり、安眠を支援する。
【0288】
6.7.44 パッションフラワー(パスシフロラインカネート)
パッションフラワーは、不安神経症、ストレス、不眠症、ヒステリー、およびてんかんの治療に使用されてきており、痛み止めの性質も高く評価されている。抗鬱薬の性質を備えたモノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)であるベータカルボリンハルマラアルカロイドを含め、有効成分を多く含有している。他の医薬的性質も存在すると考えられている。
【0289】
6.7.45 ノコギリヤシ(セレノアレペンス)
ノコギリヤシの果実は、脂肪酸および植物ステロールが極めて豊富であり、その果実の抽出物は、尿路感染症治療の精力的に行なわれている研究テーマとなっている。
【0290】
更に、ノコギリヤシは、利尿剤として、および去痰薬などのその他の医薬上の目的に使用され、風邪および流感といった痰を生じる疾患を緩和するため、生理痛の期間を緩和するとともに月経周期を調節するため、骨盤炎症疾患および同様の疾患に対して、および良性前立腺肥大症の形成、或いは、前立腺が肥大化し始めたときに使用される。
【0291】
6.7.46 エゾウコギ
エゾウコギは、精神的遂行能力および肉体的遂行能力を向上させ、ストレスの影響を最小限に抑え、免疫機能を支えることが示されている。
【0292】
6.7.47 スピルリナ
スピルリナは、アルスロスピラプラテンシスおよびアルスロスピラマキシマという、シアノバクテリアの2種類の種に由来する。どちらも、浅い湖のアルカリ性の水中に存在する。
【0293】
スピルリナは、多くの栄養素の豊富な供給源である。スピルリナは、他のほとんどの食物源に比べ、タンパク質、ビタミンB12、および鉄が多い。スピルリナは更に、ベータカロテン、クロロフィル、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、および亜鉛も豊富に含んでいる。
【0294】
スピルリナは、特に栄養豊富であるため、痩せるための補給物として摂取されることが多い。この藻類の自然の濃縮アミノ酸成分は、食事の30分前に取り込まれると、食物を少し食べただけで食欲が満たされたと脳を錯覚させて信じ込ませることができると考えられている。
【0295】
6.7.48 セント・ジョーンズ・ワート(ヒペリカムパルフォラタム)
セント・ジョーンズ・ワートは、主に軽度から中程度の鬱病の治療に使用されるが、慢性的不眠症および鬱病に関連した不安神経症に対しても使用することができる。セント・ジョーンズ・ワートは、季節性情動障害の症状を緩和するのに有効な場合もある。
【0296】
6.7.49 セイヨウカノコソウ(ワレリアナオフィキナリス)
セイヨウカノコソウは、神経系に作用して眠気および睡眠をもたらすことが知られている。
【0297】
6.7.50 ゼアキサンチン
ゼアキサンチンは、網膜の中央部分で、濃縮して存在するカロチノイドである。ゼアキサンチンは、強力な酸化防止剤である。
【0298】
6.8 ホルモン
ホルモンは、1つの細胞から別の細胞に信号を伝達する化学伝達物質である。ホルモンおよびそれらの類似物の多くは、薬剤として使用される。一部は栄養素として入手可能であり、医師の処方は不要である。
【0299】
6.8.1 DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
DHEAは、人類および他の哺乳類において、広範な生物学的作用に関与してきた多機能ステロイドホルモンである。
【0300】
6.8.2 メラトニン
メラトニンを補給物として使用する最初の動機は、おそらくより良好な睡眠への自然の補助剤であり、したがって、メラトニンは、不眠症および時差ぼけの一定の症状を治療するのに、有益に作用することができる。メラトニンの酸化防止剤としての役割、メラトニンの免疫系の刺激、および内分泌系の種々の要素となるために、健康および健康増進に対する副次的な便益は、蓄積する場合がある。
【0301】
6.8.3 プレグネノロン
プレグネノロンはステロイドホルモンであり、頻度は高くないが種々の目的で摂取されている。
【0302】
6.9 酸化防止剤
酸化防止剤は、他の分子の酸化を遅らせまたは防止することが可能な分子である。酸化反応は、体内でフリーラジカルを生成し得る。これが、細胞に損傷を与える連鎖反応を開始させる。酸化防止剤は、これらの連鎖反応を終結させる。それらは、脳損傷(脳は酸化損傷に対し特有の弱点を有するため)の症状を治療し、一部の病気を予防するのに用いられるものである。また、癌を防ぐものと考えられている。
【0303】
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、ビオフラボノイド、キャッツクロー、カルシウム、オレガノ、およびメラトニンを含め、既に本明細書に記載した諸栄養素のうちのいくつかは、酸化防止剤の性質を有する。
【0304】
6.9.1 グルタチオン
グルタチオンは、ガンマグルタミン酸、システイン、およびグリシンで形成されるトリペプチドであり、ガンマグルタミルシステイングリシンまたはGSHとしても知られている。グルタチオンは、身体のあらゆる細胞に存在するものであることから、重要な酸化防止剤である。更に、グルタチオンは、ビタミンCおよびビタミンEといった、より少ない酸化防止剤の作用も制限する。体内のグルタチオンのレベルが低すぎる場合、他の酸化防止剤は、それらの役目を遂行することができない。
【0305】
グルタチオンは調整物質であり、免疫細胞の再生物質である。グルタチオンは、体内の最も貴重な解毒剤である。グルタチオンは、DNAの合成および修復、タンパク質およびプロスタグランジンの合成、アミノ酸の運搬、毒素および発癌性物質の無毒化、免疫系の強化、並びに酸化および酵素活性化からの保護の際に重要である。グルタチオンは、抗ウイルス性が強い。組織および血清中のグルタチオンのレベルがさらに高くなると、ほとんどの病原体の複製が停止する。逆に、グルタチオンのレベルが下がると、環境条件は、ウイルスにとって遥かに好適なものとなる。
【0306】
6.9.2 コエンザイムQ10
コエンザイムQ10(ユビキノン、ユビデカレノン、コエンザイムQ、CoQ10、CoQ、Q10、または単純にQとしても知られる)は、ベンゾキノンである。なお、Qはキノン化学基を指し、10はイソプレニルという化学サブユニットを指す。コエンザイムQ10は、脂溶性ビタミン様の物質である。ほとんどの真核性細胞に存在し、主にミトコンドリアに存在する。コエンザイムQ10は、電子伝達鎖のコンポーネントであり、有気細胞呼吸に加わって、ATPの形態を成すエネルギーを生成する。人体のエネルギーの95%は、このようにして生成される。したがって、心臓および肝臓といったエネルギーを最も多く必要とする器官は最も高濃度の、CoQ10を有する。
【0307】
コエンザイムQ10は、電子を伝達する能力があるため、酸化防止剤の働きをしており、その酸化防止剤の性質のために、栄養素として摂取されている。
【0308】
6.9.3 パラアミノ安息香酸(PABA)
PABAは酸化防止剤であり、アミノ酸の代謝に必要である。PABAは更に、赤血球の形成にも関連があり、腸内で葉酸を生成するのを支援する。PABAは更に、毛髪の成長および色素にも関連付けられてきた。
【0309】
6.10 コンドロイチン
コンドロイチンは、人体に存在する自然の物質である。コンドロイチンは、軟骨に水分および栄養素を導入して、弾力があって健康な状態に軟骨を保持するのを助けると考えられている。コンドロイチンは、ウシ亜科の動物またはサメの軟骨から作られるコンドロイチン硫酸補給物として入手することができる。
【0310】
6.1.1 グルコサミン
グルコサミンは、体内で自然に生成される糖である。グルコサミンは、軟骨の構成要素の1つである。
【0311】
グルコサミンには、硫酸グルコサミンおよび塩酸グルコサミンの少なくとも2つの形態がある。グルコサミン補給物は、カニ、ロブスター、またはエビの殻から作られる。
【0312】
コンドロイチンおよびグルコサミンは、組み合わせて摂取されることが多い。
【0313】
6.12 イノシトール(以前はビタミンB8)
イノシトールは炭素環式の多価アルコールであり、真核細胞内の多数の二次伝達物質に対し、構造的基礎としての重要な役割を果たしている。イノシトールの以前の名称はビタミンB8であったが、人体内で合成されることが発見されて以降は、もはやビタミンには分類されていない。
【0314】
イノシトールは、細胞膜、特に脳、骨髄、目、および腸の特殊化した細胞において、重要な役割を果たしている。
【0315】
イノシトールは、健康な毛髪、毛髪の成長を促進すると言われている。エストロゲン値を制御するのを助けるものであり、胸のしこりの予防に役立つ場合がある。更に、イノシトールは、血液のコレステロールレベルを低下させ、鬱病またはパニック障害を治療するのに有益な場合がある。
【0316】
イノシトール欠乏症は、湿疹、脱毛、便秘、および目の異常、並びにコレステロールの上昇につながる可能性がある。
【0317】
6.13 レシチン
レシチンは、動物および植物の組織、並びに卵黄に生じる黄褐色の脂肪質の物質から成るいずれか一群であり、リン酸、コリン、脂肪酸、グリセロール、糖脂質、トリグリセリド、および燐脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、およびホスファチジルイノシトール)から成る。
【0318】
6.14 レアトリル(ビタミンB17)
レアトリル(またはアミグダリン)は、ビタミンと呼ばれるものの、一般的にはそのようには認識されていない。
【0319】
レアトリルは、癌の成長を阻止し、血圧を低下させ、関節炎に関連する痛みを軽減することができると示唆されてきた。
【0320】
6.15 オロチン酸(ビタミンB13)
オロチン酸は、体内で生成されるため、もはやビタミンとは認識されない。オロチン酸は、葉酸およびビタミンB12の代謝を助けるとともに、カルシウムおよびマグネシウムを含む栄養素の吸収を支援する。
【0321】
オロチン酸は更に、遺伝物質の生成も助ける。
【0322】
オロチン酸は、心臓発作の後で使うと効果的な場合があり、多発性硬化症および慢性肝炎といった疾患に使用されてきた。更に、オロチン酸は、肝臓関係の合併症および早期老化を防止できることが報告されている。
【0323】
6.16 パンガミン酸(ビタミンB15)
パンガミン酸は、日常の飲食においてそれが必需品であるとはまだ証明されていないため、現在はビタミンとは認識されていない。
【0324】
パンガミン酸は、コレステロールの血中レベルを下げることを助け、タンパク質合成に役立つ場合があることが、研究により示唆されている。パンガミン酸は、水溶性である。
【0325】
パンガミン酸は、癌、精神分裂症、および心臓病を治療するのに使用されてきた。
【0326】
6.17 フィロキノン(ビタミンK)
ビタミンKは、腸で生成できるため、一般的にはビタミンと認識されていない。ビタミンK1(フィロキノン)およびビタミンK2(メナキノン)の2種類が自然に発生する形態として存在する。更に、第3の合成形態、ビタミンK3(メナジオン)も存在する。
【0327】
ビタミンKは、体内で血液が凝固するのを制御するのに使用される。ビタミンKは更に、グルコースをグリコーゲンに転換して肝臓内に貯蔵することも支援する。
【0328】
いくつかの示唆によれば、骨の形成および修復にビタミンKが関与している可能性があり、骨粗鬆症の発生率または重症度を軽減し、骨量の減少を遅らせるために、ビタミンKを使用することができる。
【0329】
ビタミンKは脂溶性である。
【0330】
6.18 製剤の調製
当技術分野において通常の知識を有する者であれば、製剤中の各医薬補給物の量または体積は、数々の要因に基づいて決定する必要があることを理解するであろう。要因の例として、医薬補給物の溶解性、医薬補給物の安定性、医薬補給物の処方されたまたは推奨される服用量、個人が摂取することのできる医薬補給物の量または体積についてのあらゆる制約、異なる医薬補給物相互間のあらゆる既知の相互作用(または1つもしくは複数の栄養補給物との相互作用)、および当技術分野において通常の知識を有する者に公知の他の要因が挙げられる。
【0331】
当技術分野において通常の知識を有する者であれば、各栄養補給物の量または体積は、数々の要因に基づいて決定する必要があることを理解するであろう。要因の例として、栄養補給物の溶解性(例えば、水溶性ビタミンおよび脂溶性ビタミン)、栄養補給物の安定性、栄養補給物の食事摂取基準(DRI)、1日当たりの推奨摂取量(RDI)、もしくは推奨食事許容量(RDA)、または適切なもしくは推奨される服用量についての他の任意の尺度、個人が摂取することのできる栄養補給物の量または体積についての、安全で適切な摂取量/範囲(またはその推定値)を考慮することを含むあらゆる制約、異なる栄養補給物相互間のあらゆる既知の相互作用(または1つもしくは複数の医薬補給物との相互作用)、および当技術分野において通常の知識を有する者に公知の他の要因が挙げられる。
【0332】
当業者であれば、製剤中の各医薬補給物および/または栄養補給物の量または体積は、消費者が製剤の1つまたは複数の単位用量を摂取する可能性がある(例えば、1つまたは複数の容器を使用する可能性がある)ことを考慮して決定する必要があることを理解するであろう。消費者が単位用量の製剤を複数単位摂取する場合、それは、同時の場合もあれば、異なる時期の場合もある(例えば、朝と夕方)。更に、製剤は、様々な消費者が様々な数量の単位用量を摂取できるような単位用量の形で、例えば、様々な消費者の様々な年齢、体重、または健康状態を考慮して、調製される場合もある。代表的な実施形態では、製剤は、一定の数の単位用量は子供が摂り(即ち、小児科の服用量)、異なる数量の単位服用量は大人が摂る(即ち、大人の服用量)ことができるように調製することができる。
【0333】
本発明で使用される製剤は、液体の形態である。これにより、錠剤等の固体形態のものに比べて吸収性を高めることができる。いくつかの実施形態では、本発明は、凍結乾燥した液体製剤を含んだ容器を備えることができる。その液体製剤は、その製剤を含んだ容器のパッケージ化、運搬、および保管を一層容易に行えるように、凍結乾燥させることができる。
【0334】
製剤の成分の溶解性を検討する際に、プロピレングリコールおよび水を含む各種の溶媒を検討することができる。当業者であれば、水溶性の成分もあれば(例えば、全てのビタミンB群およびビタミンC)、脂溶性の成分もある(例えば、ビタミンAおよびビタミンE)ことを承知しているであろう。製剤の調製において、当業者であれば、液体製剤を作製するためには、全成分が溶液中で十分に溶解され、可溶化され、または懸濁されたことを確認する必要があることを認識するであろう。
【0335】
いくつかの実施形態では、本発明は、製剤が、1つもしくは複数の水溶性成分、または1つもしくは複数の脂溶性成分、または1つもしくは複数の水溶性成分と1つもしくは複数の脂溶性成分の混合物のいずれかを含んでいることを想定している。
【0336】
製剤は、摂取できるように調合される。
【0337】
いくつかの実施形態では、製剤は、摂取前に食物または飲料に添加できるように調合される。具体的な実施形態では、本発明の容器、棒状連続体、またはパッケージは、それらを添加する対象の食物または飲料を付けずに販売されることが意図されている。
【0338】
具体的な実施形態では、製剤は、それを添加する対象の食物または飲料の味および/または香りをあまり変化させない。
【0339】
食物または飲料は、熱い食物または飲料とすることができる。例として、55℃、60℃、65℃、70℃、または75℃を超える温度の食物または飲料、より好適には、85℃、90℃、または95℃を超える温度の食物または飲料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0340】
製剤は、苦味のあるビタミンを含むことができる。具体的な実施形態では、製剤は、苦味のある食物または飲料に添加できるように調合される。
【0341】
製剤を添加する可能性のある代表的食物の例として、朝食用シリアル、ヨーグルト、またはスムージーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0342】
製剤を添加する可能性のある代表的飲料の例として、フルーツジュース、ミルク、コーヒー、紅茶、またはビールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0343】
6.19 香料添加剤
いくつかの実施形態では、ショ糖、グルコース、果糖、ガラクトース、乳糖、グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム塩、L−グルタミン酸カリウム塩、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸アンモニウム、L−グルタミン酸マグネシウム、グアニル酸、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム、グアニル酸カルシウム、イノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム、イノシン酸カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5−リボヌクレオチド二ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、マルトール、およびエチルマルトールで構成される群から選択される香料添加剤は、製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0344】
本明細書では、「実質的に〜ない」という用語は、5%、4%、3%、2%、1%、0.1%、0.01%、または0.001%、およびこれらの間の任意の百分率未満であることを指す。
【0345】
香料添加剤は、通常、医薬補給物および/または栄養補給物の不快なまたは好まれない味を隠すために使用される。香料添加剤は更に、医薬補給物および/または栄養補給物の不快なまたは好ましくない香り(または匂い)を隠すためにも使用される。
【0346】
しかしながら、摂取前に食物または飲料に添加できるように製剤が調合される場合、かかる香料添加剤は、それらを添加する対象の食物または飲料の味および/または香りの妨げになる場合がある。このような妨害があると、その食物または飲料は、消費者にとってあまり望ましくないものになってしまう可能性がある。例えば、消費者は、自分が飲むコーヒーの味および香りに強いこだわりを持っている場合があり、この味および香りが妨げられることを望まない。香料添加剤を使った結果として、味および/または香りが変わった食物または飲料を消費者が摂取したがらないため、服薬遵守を低下させるか、または全く行なわなくなってしまう可能性がある。例えば、ショ糖は食物または飲料を甘くするが、消費者がそれを望まない可能性がある。
【0347】
しかも、場合によっては、香料添加剤は消費者に影響を及ぼすことがある。例えば、ショ糖は、血糖値を上げることになり、これは、体重を減らしたい消費者にとっては困ったことになる場合があり、可能性として、糖尿病を抱える消費者にはむしろ害になる。加えて、例えば香料添加剤にアレルギーがある人を含め、一部の消費者は、香料添加剤のいくつかを許容することができない。
【0348】
6.19.1 ショ糖、果糖、ガラクトース、および乳糖
これら4種類の糖は全て、甘味料として使用されるが、摂取用に調合された製品においては、必ずしも望ましいとは限らない。加工糖の消費量と、肥満、虫歯、および冠動脈性心疾患などの健康の障害との間に、潜在的に関連があることが、研究により示唆されている。糖尿病を抱える患者は、ある種の糖を適切に代謝することができない。
【0349】
6.19.2 グルタミン酸(E番号:620またはE620)
グルタミン酸は、多くの動物性タンパク質、植物性タンパク質、および細菌から得られるアミノ酸である。グルタミン酸は、グルタミン酸ナトリウム(E621)と同様の障害を誘発すると考えられており、幼児はこのアミノ酸の摂取を回避すべきと考えられている。更に、このアミノ酸は神経細胞を死滅させ、その結果、ハンチントン病、アルツハイマー病、およびパーキンソン病といった病気を招く可能性があると考えられている。
【0350】
6.19.3 L−グルタミン酸ナトリウム塩(E番号:621またはE621)
L−グルタミン酸ナトリウム塩(グルタミン酸ナトリウムまたはMSGとしても知られる)は、グルタミン酸のナトリウム塩である。多くの食物製品および飲料製品で調味料として使用されるものの、喘息を抱える一部の人には副作用があると考えられている。乳児および幼児用の食物には容認すべきでないと考えられている。というのは、神経系に損傷を与え、その結果、ハンチントン病、アルツハイマー病、およびパーキンソン病といった病気を招く可能性があるからである。妊婦、子供、低血糖者、高齢者、および心臓病患者は、L−グルタミン酸ナトリウム塩に対して好ましくない反応を示すリスクがある。
【0351】
6.19.4 L−グルタミン酸カリウム塩(E番号:622またはE622)
L−グルタミン酸カリウム塩は、グルタミン酸のカリウム塩であり、多くの場合、食物製品および飲料製品において、低ナトリウム塩代用品として使用される。しかしながら、L−グルタミン酸カリウム塩は、吐き気、嘔吐、下痢、および腹部のけいれんを誘発する可能性がある。L−グルタミン酸カリウム塩は、12ヶ月未満の乳児、または腎臓に障害を抱える人には不適切である。
【0352】
6.19.5 L−グルタミン酸カルシウム(E番号:623またはE623)
L−グルタミン酸カルシウムは、食物製品および飲料製品において、塩の代用品として使用される。この生成物には何の副作用も知られていないが、喘息患者およびアスピリンに弱い人に、問題を引き起こす可能性がある。
【0353】
6.19.6 L−グルタミン酸アンモニウム(E番号:624またはE624)
L−グルタミン酸アンモニウムは、食物製品および飲料製品において、塩の代用品および調味料として使用される。副作用は、何も見つかっていない。
【0354】
6.19.7 L−グルタミン酸マグネシウム(E番号:625またはE625)
L−グルタミン酸マグネシウムは、食物製品および飲料製品において、塩の代用品および調味料として使用される。副作用は、何も見つかっていない。
【0355】
6.19.8 グアニル酸(E番号:E626)
喘息患者は、グアニル酸およびグアニル酸類を回避すべきである。
【0356】
6.19.9 グアニル酸二ナトリウム(E番号627またはE627)
グアニル酸二ナトリウムは、食物製品および飲料製品において、調味料として使用される。グアニル酸二ナトリウムは、乳児および幼児用の食物製品および飲料製品には容認されていない。グアニル酸類は代謝されてプリン体に変わるため、痛風患者は、それらを回避すべきである。更に、活動亢進、喘息、およびアスピリン過敏症を抱える人も、グアニル酸類を回避すべきである。
【0357】
6.19.10 グアニル酸二カリウム(E番号:E628)
グアニル酸二カリウムは、食物製品および飲料製品において、調味料として使用される。グアニル酸類は代謝されてプリン体に変わるため、痛風患者は、それらを回避すべきである。喘息患者もそれらを回避すべきであり、12週未満の子供を対象とする製品には使用することができない。
【0358】
6.19.11 グアニル酸カルシウム(E番号:E629)
グアニル酸カルシウムは、食物製品および飲料製品において、調味料として使用される。グアニル酸類は代謝されてプリン体に変わるため、痛風患者は、それらを回避すべきである。喘息患者もそれらを回避すべきであり、12週未満の子供を対象とする製品には使用することができない。
【0359】
6.19.12 イノシン酸(E番号:E630)
イノシン酸は、多くの食物製品および飲料製品で使用されているが、喘息患者は回避すべきである。更に、イノシン酸類は代謝されてプリン体に変わるため、痛風患者は、それらを回避すべきである。
【0360】
イノシン酸は、一般的には肉から生成されるが、一部は魚からも生成される。したがって、それらは、完全菜食主義者および菜食主義者には全般的に不適切であり、製品の出所にもよるが、大半の場合は、ユダヤ教徒、イスラム教徒、およびヒンズー教徒には不適切である。
【0361】
6.19.13 イノシン酸二ナトリウム(E番号:631またはE631)
イノシン酸二ナトリウムは、食物製品および飲料製品において、調味料として使用されているが、乳児および幼児用の食物および飲料には容認されていない。痛風患者および喘息患者は、イノシン酸二ナトリウムを回避すべきである。
【0362】
イノシン酸は、一般的には肉から生産されるが、一部は魚からも生産される。したがって、それらは、完全菜食主義者および菜食主義者には全般的に不適切であり、製品の出所にもよるが、大半の場合は、ユダヤ教徒、イスラム教徒、およびヒンズー教徒には不適切である。
【0363】
6.19.14 イノシン酸二カリウム(E番号:E632)
イノシン酸二カリウムは、食物製品および飲料製品において、調味料として使用されているが、乳児および幼児用の食物製品および飲料製品には容認されていない。痛風患者および喘息患者は、イノシン酸二カリウムを回避すべきである。
【0364】
イノシン酸は、一般的には肉から生産されるが、一部は魚からも生産される。したがって、それらは、完全菜食主義者および菜食主義者には全般的に不適切であり、製品の出所にもよるが、大半の場合は、ユダヤ教徒、イスラム教徒、およびヒンズー教徒には不適切である。
【0365】
6.19.15 イノシン酸カルシウム(E番号:E633)
イノシン酸カルシウムは、食物製品および飲料製品において、調味料として使用されているが、乳児および幼児用の食物製品および飲料製品には容認されていない。痛風患者および喘息患者は、イノシン酸カルシウムを回避すべきである。
【0366】
イノシン酸は、一般的には肉から生産されるが、一部は魚からも生産される。したがって、それらは、完全菜食主義者および菜食主義者には全般的に不適切であり、製品の出所にもよるが、大半の場合は、ユダヤ教徒、イスラム教徒、およびヒンズー教徒には不適切である。
【0367】
6.19.16 5’−リボヌクレオチドカルシウム(E番号:E634)
これは、5’−イノシン酸カルシウム、5’−グアニル酸カルシウム、5’−シチジル酸カルシウム、および5’−ウリジル酸カルシウムのうちの少なくとも1つを含んでおり、低ナトリウムまたは低塩分製品を含む多くの製品において、調味料として使用されている。
【0368】
喘息患者は、グアニル酸類およびイノシン酸類を回避すべきであるため、この生成物を回避すべきである。更に、グアニル酸類およびイノシン酸類は代謝されてプリン体に変わるため、痛風患者は、それらを回避すべきである。
【0369】
6.19.17 5’−リボヌクレオチド二ナトリウム(E番号:635またはE635)
5’−リボヌクレオチド二ナトリウムは、かゆみのある皮膚発疹に関連する場合があり、痛風または喘息の患者およびアスピリン過敏症を抱える人は回避すべきである。
【0370】
6.19.18 5’−リボヌクレオチドナトリウム(E番号:E635)
5’−リボヌクレオチドナトリウムは、かゆみのある皮膚発疹に関連する場合があり、痛風または喘息の患者およびアスピリン過敏症を抱える人は回避すべきである。
【0371】
6.19.19 マルトール(E番号:636またはE636)
マルトールは人工の甘味料兼調味料であり、多くの製品で使用されている。マルトールは、量を多く摂ると、アルミニウムの脳への進入を介助し、アルツハイマー病を誘発する可能性がある。マルトールは牛乳から誘導されている場合があるため、完全菜食主義者はそれを回避すべきである。マルトールは、国によっては、新生児および幼児用の食物製品および飲料製品で禁止されている。
【0372】
6.19.20 エチルマルトール(E番号:637)
エチルマルトールは、マルトールから化学的に誘導されるものであり、エキス用の基剤として、合成人工香味料として、および調味料として使用される。エチルマルトールは牛乳から誘導されている場合があるため、完全菜食主義者はそれを回避すべきである。エチルマルトールは、国によっては、新生児および幼児用の食物製品および飲料製品で禁止されている。
【0373】
6.20 保存料
いくつかの実施形態では、アンモニア、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム、プロピルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム、メチルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、重亜硫酸カリウム、ビフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、ナイシン、ナタマイシン、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド、二炭酸ジメチル、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸カリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、二酸化炭素、リゾチーム、およびEDTAで構成される群から選択される保存料は、製剤には実質的にどれも添加されていない。
【0374】
本明細書では、「実質的に〜ない」という用語は、5%、4%、3%、2%、1%、0.1%、0.01%、または0.001%、およびこれらの間の任意の百分率未満であることを指す。
【0375】
保存料は、通常、医薬補給物および/または栄養補給物を安定化させまたは劣化を防止するのに使用される。
【0376】
しかしながら、例えば乳糖または他の保存料にアレルギーがある人を含め、一部の消費者は、保存料のいくつかを許容することができない。
【0377】
更に、一部の消費者は、製品中に添加成分を有することに賛成ではない。したがって、その人たちは、保存料に対して既知のアレルギーがないにもかかわらず、保存料が存在しているために製剤を摂ろうとせず、したがって、その人たちの服薬遵守は低下する。
【0378】
6.20.1 アンモニア
アンモニアは、食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0379】
6.20.2 安息香酸(E番号:210またはE210)
安息香の花、フェニルカルボン酸、およびカルボキシベンゼンとしても知られる。安息香酸は、多くの食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0380】
安息香酸は、特にステロイドの喘息薬に依存している人に、喘息を誘発する可能性がある。更に、子どもに神経障害を誘発するとともに、活動亢進状態を引き起こすと考えられている。
【0381】
6.20.3 安息香酸ナトリウム(E番号:211またはE211)
安息香酸ナトリウムは、安息香酸のナトリウム塩であり、多くの食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用されている。
【0382】
安息香酸ナトリウムは、じんましんを誘発するとともに喘息を悪化させることが知られている。更に、安息香酸ナトリウムは、神経毒性が疑われている。
【0383】
6.20.4 安息香酸カリウム(E番号:212またはE212)
安息香酸カリウムは安息香酸のカリウム塩であり、同じく防腐剤として使用される。アレルギーの病歴がある人は、安息香酸カリウムに対してアレルギー反応を示す場合がある。
【0384】
6.20.5 安息香酸カルシウム(E番号:213またはE213)
安息香酸カルシウムは安息香酸のカルシウム塩であり、特にフルーツジュースにおいて、防腐剤として使用されている。
【0385】
6.20.6 パラヒドロキシ安息香酸エチル(E番号:E214)
パラヒドロキシ安息香酸エチルは安息香酸の誘導体であり、食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0386】
6.20.7 パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム(E番号:E215)
これは、パラヒドロキシ安息香酸エチルのナトリウム塩であり、防腐剤として使用されることもあるが、現在オーストラリアでは禁止されている。
【0387】
6.20.8 プロピルパラベン(E番号:216またはE216)
プロピルパラベン(パラヒドロキシ安息香酸プロピルとしても知られている)は、食物製品および飲料製品で使用される防腐剤である。プロピルパラベンは、人によっては接触アレルゲンになる場合があり、喘息患者には潜在的に危険である。
【0388】
6.20.9 パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム(E番号:E217)
これは、パラヒドロキシ安息香酸プロピルのナトリウム塩であり、防腐剤として使用される。パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウムは、過敏な皮膚に刺激を誘発する可能性がある。
【0389】
6.20.10 メチルパラベン(E番号:E218)
この防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸メチルとしても知られるものであり、場合によっては接触アレルゲンになり得る。
【0390】
6.20.11 パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム(E番号:219またはE219)
E218のナトリウム塩であるパラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウムは本来、抗真菌薬である。皮膚に刺激を誘発する可能性がある。
【0391】
6.20.12 二酸化硫黄(E番号:220またはE220)
二酸化硫黄は、防腐剤として使用される。硫黄系の薬は全て毒性であり、使用が制限されている。二酸化硫黄は、胃の不快感、吐き気、下痢、皮膚発疹、喘息発作を引き起こすことが知られており、腎臓機能が低下している人にとっては、代謝するのが困難である。更に、二酸化硫黄は、ビタミンB1を破壊する。結膜炎、気管支炎、肺気腫、気管支喘息、または心臓血管疾患を患っている人は回避すべきである。
【0392】
6.20.13 亜硫酸ナトリウム(E番号:221またはE221)
これは、防腐剤ではあるものの、ビタミンB1を破壊するため、食物製品であれ飲料製品であれ、全てに対して不適切である。亜硫酸ナトリウムに過剰にさらされると、喘息発作が生じる可能性があり、胃の不快感が生じる可能性もある。
【0393】
6.20.14 重亜硫酸ナトリウム(E番号:222またはE222)
重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウムとも呼ばれる)は防腐剤として使用されるが、喘息の発作を引き起こす可能性があり、胃の不快感を誘発する可能性もある。更に、重亜硫酸ナトリウムも、ビタミンB1を破壊する。
【0394】
6.20.15 メタ重亜硫酸ナトリウム(E番号:223またはE223)
これは、ピロ亜硫酸または二ナトリウム塩としても知られるものであり、食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0395】
6.20.16 メタ重亜硫酸カリウム(E番号:224またはE224)
これは、ピロ亜硫酸カリウムおよびピロ亜硫酸の二カリウム塩としても知られるものであり、食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0396】
6.20.17 亜硫酸カリウム(E番号:225またはE225)
これは、食物製品および飲料製品において防腐剤として使用されているが、二酸化硫黄と同様の望ましくない作用を有する。
【0397】
6.20.18 亜硫酸カルシウム(E番号:226またはE226)
食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0398】
6.20.19 亜硫酸水素カルシウム(E番号:227またはE227)
食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0399】
6.20.20 重亜硫酸カリウム(E番号:228またはE228)
これは、亜硫酸水素カリウムとしても知られるものである。食物製品および飲料製品において防腐剤として使用されているが、二酸化硫黄と同様の望ましくない作用を有する。
【0400】
6.20.21 ビフェニル(E番号:230またはE230)
これは、ジフェニルとしても知られるものであり、防腐剤である。
【0401】
6.20.22 オルトフェニルフェノール(E番号:231またはE231)
防腐剤として使用される。
【0402】
6.20.23 オルトフェニルフェノールナトリウム(E番号:232またはE232)
防腐剤として使用される。
【0403】
6.20.24 チアベンダゾール(E番号:233またはE233)
チアベンダゾールは、食物製品および飲料製品において防腐剤として使用されているが、食欲不振、吐き気、嘔吐、および立ち眩みを誘発する可能性がある。
【0404】
6.20.25 ナイシン(E番号:234またはE234)
食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。
【0405】
6.20.26 ナタマイシン(E番号:235またはE235)
これは、ピマリシンとしても知られるものである。防腐剤として使用されているが、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、および皮膚のかぶれを誘発する可能性がある。
【0406】
6.20.27 ギ酸(E番号:236またはE236)
ギ酸は、防腐剤として使用される。
【0407】
6.20.28 ギ酸ナトリウム(E番号:E237)
防腐剤として使用されているが、利尿剤の性質も有する。
【0408】
6.20.29 ギ酸カルシウム(E番号:E238)
防腐剤として使用されているが、利尿剤の性質も有する。
【0409】
6.20.30 ヘキサメチレンテトラミン(E番号:E239)
これは、ヘキサミンとしても知られるものである。防腐剤であるが、長期にわたって摂取すると、胃の不調につながる可能性がある。ヘキサメチレンテトラミンは、発癌性を示す場合もある。
【0410】
6.20.31 ホルムアルデヒド(E番号:E240)
ホルマリン、ホルミックアルデヒド、メチレン酸化物、オキソメタン、パラホルムとしても知られる。
【0411】
ホルムアルデヒドは、一部の食物製品を保存するのに使用されているが、火傷を誘発すること、並びに吸入、摂取、および皮膚吸収が行なわれた場合に毒性を示すことが知られている。ホルムアルデヒドは突然変異誘発要因であり、発癌性を示す場合もある。ホルムアルデヒドは腎臓に損傷を与える可能性があり、アレルギー反応、感作、および遺伝性の遺伝子損傷を誘発する可能性がある。ホルムアルデヒドは、催涙物質である。更に、ホルムアルデヒドは、粘膜および上気道、目、並びに皮膚に対して破壊的である。
【0412】
6.20.32 二炭酸ジメチル(E番号:242またはE242)
防腐剤として使用される。
【0413】
6.20.33 亜硝酸カリウム(E番号:249またはE249)
亜硝酸カリウムは、一部の食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用されている。過剰に摂取すると、息切れ、めまい、および頭痛を招く可能性がある。亜硝酸カリウムは更に、発癌物質と考えられているニトロソアミンを胃の中で形成する可能性もある。亜硝酸カリウムは、乳児および幼児用の食物には容認されていない。
【0414】
6.20.34 亜硝酸ナトリウム(E番号:250またはE250)
亜硝酸ナトリウムは、防腐剤として使用されるが、毒性であり、飲み込んだ場合は命にかかわる可能性がある。亜硝酸ナトリウムは更に、目、皮膚、および呼吸器の炎症の原因にもなる。更に、亜硝酸ナトリウムは発癌性を示す場合があり、活動亢進状態および他の有害反応を引き起こす場合がある。亜硝酸ナトリウムの防腐剤としての使用は、多くの国々で制限されている。
【0415】
6.20.35 硝酸ナトリウム(E番号:251またはE251)
これは、硝石および立方晶の硝石としても知られるものである。保存料として使用されるが、飲み込んだ場合または吸入した場合には有害である。硝酸ナトリウムは更に、皮膚、目、および呼吸器の炎症の原因にもなる。
【0416】
6.20.36 硝酸カリウム(E番号:252またはE252)
硝酸カリウムは、食物製品において、保存料として使用される。硝酸カリウムは、繁殖障害を誘発し、活動亢進状態および他の有害反応を引き起こす可能性があり、潜在的に発癌性がある。硝酸カリウムの使用は、多くの国々で制限されている。
【0417】
6.20.37 酢酸(E番号:260またはE260)
酢酸(エタン酸)は、食物製品および飲料製品用の保存料として使用される。酢酸は、催涙物質であるだけでなく、腐食性が強く、重度の火傷を誘発する可能性がある。
【0418】
6.20.38 酢酸カリウム(E番号:261またはE261)
腎臓機能が低下している人は、酢酸カリウムを回避すべきである。更に、酢酸カリウムは、皮膚、目、および肺に炎症を起こす可能性がある。
【0419】
6.20.39 酢酸ナトリウム(E番号:262またはE262)
酢酸ナトリウムは、防腐剤として使用される。
【0420】
6.20.40 二酢酸ナトリウム
二酢酸ナトリウム(酢酸水素ナトリウム)は、防腐剤として使用される。
【0421】
6.20.41 酢酸カルシウム(E番号:263またはE263)
酢酸カルシウムは、食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。更に、酢酸カルシウムは、目、皮膚、または呼吸器の炎症を誘発する可能性があり、研究室の実験では、変異効果が指摘されている。
【0422】
6.20.42 酢酸アンモニウム(E番号:264またはE264)
この防腐剤は、吐き気および嘔吐を誘発する可能性がある。
【0423】
6.20.43 乳酸(E番号:270またはE270)
乳酸には大人に対する副作用は見つかっていないが、ある形態のものは、新生児および乳幼児には与えるべきではない。新生児および乳幼児は、乳酸を代謝できる適切な酵素をまだ生成できるよう成長していないからである。
【0424】
6.20.44 プロピオン酸(E番号:280またはE280)
防腐剤として使用されているものの、プロピオン酸塩は全て、片頭痛に関係があると考えられている。
【0425】
6.20.45 プロピオン酸ナトリウム(E番号:281またはE281)
プロピオン酸ナトリウムは、片頭痛に関係があると考えられている防腐剤である。
【0426】
6.20.46 プロピオン酸カルシウム(E番号:282またはE282)
プロピオン酸カルシウムは、片頭痛に関係があると考えられている防腐剤である。
【0427】
6.20.47 プロピオン酸カリウム(E番号:283またはE283)
プロピオン酸カリウムは、片頭痛に関係があると考えられている防腐剤である。
【0428】
6.20.48 ホウ酸(E番号:E284)
ホウ酸は防腐剤であるが、神経毒性が疑われている。摂取することは有害であり、命にかかわる可能性がある。更に、ホウ酸は刺激性であり、胎児に先天性奇形を誘発する可能性がある。ホウ酸は更に、繁殖障害も誘発する可能性がある。
【0429】
6.20.49 四ホウ酸ナトリウム(E番号:E285)
これは、ホウ砂としても知られるものであり、繁殖障害を誘発する可能性がある。更に、四ホウ酸ナトリウムは、目および皮膚の炎症の原因となるものであり、摂取すると有害である。
【0430】
6.20.50 二酸化炭素(E番号:290またはE290)
二酸化炭素は、食物製品および飲料製品において、防腐剤として使用される。二酸化炭素は、神経毒性が疑われている。
【0431】
6.20.51 リゾチーム(E番号:E1105)
酵素のファミリーであるムラミダーゼまたはN−アセチルムラミドグルカンヒドロラーゼとしても知られる。
【0432】
6.20.52 エチレンジアミン四酢酸(E番号:E385)
これは、EDTAとしても知られるものであり、EDTA二ナトリウムおよびEDTAカルシウム二ナトリウムをはじめとする種々の塩として生成される。
【0433】
7.服薬遵守を高めるシステムおよび方法
本発明は更に、既存のルーチンに関連して容器を使用すべきことを表示するための標示が設けられている本発明のパッケージおよび棒状連続体を備えた、服薬遵守を高めるシステムも提供する。
【0434】
具体的な実施形態では、服薬遵守を高めるシステムは、既存のルーチンの一部として摂る飲料または食物に各容器内部の製剤を添加すべきことを表示するための標示が設けられた、パッケージまたは棒状連続体を備えている。
【0435】
本発明は更に、消費者の服薬遵守を高める方法も提供する。その方法は、本発明の容器、棒状連続体、またはパッケージであって、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に容器または各容器内部の製剤を添加すべきということと、製剤が、食物または飲料に、消費者または消費者の代理者によって投入されるということと、消費者が、製剤を含有した食物または飲料を摂取するということと、を表示するための標示が必要に応じて設けられている容器、棒状連続体、またはパッケージを消費者に提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明の容器、棒状連続体、またはパッケージであって、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に容器または各容器内部の製剤を添加すべきであることと、消費者が、食物または飲料に製剤を投入するということと、上記消費者が、上記製剤を含有した食物または飲料を摂取するということと、を表示するための標示が必要に応じて設けられている容器、棒状連続体、またはパッケージを消費者に提供することを含む。代替の実施形態では、本発明の方法は、本発明の容器、棒状連続体、またはパッケージであって、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に容器または各容器内部の製剤を添加すべきということを表示するための標示が必要に応じて設けられている容器、棒状連続体、またはパッケージを消費者に提供することと、その中に製剤が投入される食物または飲料を消費者に提供することと、を含む。消費者は、次いで、製剤を含有した食物または飲料を摂取すればよい。消費者或いは製剤および/または食物もしくは飲料を提供する人が、製剤を食物または飲料に投入することが適切である。これらの実施形態の例として、食物または飲料を販売する小売店であって、食物または飲料と併せて摂取すべき製剤を消費者が必要に応じて注文できるようにした小売店が挙げられる。例えば、消費者は、既存のルーチンの一部としてコーヒー販売店からコーヒー(例えば、朝のコーヒー)を購入するとともに、コーヒーに投入できる製剤であって、コーヒーを摂取すれば製剤によって添加された栄養上の恩恵が含まれるように投入できる製剤も購入することができる。
【0436】
これらの観点は、服薬遵守を高める主要要因は、服薬不遵守の一因となるシステム上の要因を排除することであるという発見に基づいているのみならず、容器内部に保持されている製剤を摂取することと、既に実行している既存のルーチンとの間の関連性を、消費者の心の中に形成することにも基づいている。この関連性を形成すれば、覚えておいて実行する必要がある独立した行為として製剤を摂る行為が、習慣の一環としてなされる行為に変化すると考えられている。
【0437】
既存のルーチンには、日々のルーチンが含まれる。日々のルーチンの例として、例えば朝食、昼食、夕食、またはその他、といった食事の時間、或いは習慣的な朝のコーヒーもしくは紅茶、犬の散歩、または午後の紅茶もしくはココアといった別のルーチンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0438】
パッケージおよび棒状連続体に標示を設けることで、消費者の心の中にこの関連性を形成するのを支援することができる。標示を設けることは、本明細書に記載されている如く、文字、画像、または文字と画像を含むことができ、エッチング、エンボス加工による文字、金型内の目盛りによって、または容器表面にラベルを付設することによって、または当該技術分野で知られている他の任意の標示付設方法によって実現することができる。
【0439】
標示の付設は、容器から製剤を吐出させて摂取すべき消費者(典型的には消費者であるが、子どもまたはその他の支援を要する人が製剤を摂らなければならない場合は介護者であってもかまわない)が視認できれば、容器、一群の容器から成る棒状連続体、またはパッケージ上のどの場所であってもかまわない。具体的な実施形態では、標示は、各使い捨ての容器の端部に設けられている。
【0440】
いくつかの実施形態では、容器、棒状連続体、またはパッケージには、本明細書で説明しているような形で標示を付設することができる。いくつかの実施形態では、消費者が使用しまたは消費者に提供される容器または棒状連続体は、標示が設けられていなくても、上記容器または棒状連続体を備えたパッケージに本明細書で説明しているような形で標示が設けられている場合に使用することができる。いくつかの実施形態では、消費者が使用しまたは消費者に提供される容器は、標示が設けられていなくても、上記容器を備えたパッケージまたは棒状連続体に本明細書で説明しているような形で標示が設けられている場合に使用することができる。
【0441】
本発明を容易に理解し、実用に供することができるようにするために、ここで、下記の非限定的な例に沿って、具体的な実施形態について説明する。
【実施例】
【0442】
具体的製剤
具体例1〜13は、本発明での使用が提案されている具体的な製剤の例である。
【0443】
これらの例では、製剤は、各成分が各1mLに後述するような量だけ含有されるような形で調製される。ただし、1回に大量の栄養補給物を調製し、少ない量(好ましくは1mL)の製剤を使い捨ての容器に投入して、個々にパッケージ化した単位用量の製剤を提供することは、想定されている。
【0444】
具体例1−男性用総合ビタミン剤
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表1】

【0445】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0446】
具体例2−女性用総合ビタミン剤
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表2】

【0447】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0448】
具体例3−風邪および流感
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表3】

【0449】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0450】
具体例4−エグゼクティブB合成物
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表4】

【0451】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0452】
具体例5−抗ストレス合成物
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表5】

【0453】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0454】
具体例6−高エネルギーのガラナ
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表6】

【0455】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0456】
具体例7−酸化防止剤
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表7】

【0457】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0458】
具体例8−エキナセア
各1mLには、乾燥ハーブ500mg相当のエキナセアの根(エキナセアングスティフォーリア)が、水中で混合され、当該体積に調合された形で含まれている。この1つの成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0459】
具体例9−食餌療法支援
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表8】

【0460】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0461】
具体例10−健康増進
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表9】

【0462】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0463】
具体例11−眠気覚まし用追加カフェイン
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表10】

【0464】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0465】
この製剤は、食物であれ飲料であれ、喫食を終える前であれば何にでも添加できると考えられるが、特に、カフェインを増量して消費者に提供できるように、コーヒー等の任意のカフェイン含有飲料に添加するのがよいと考えられる。
【0466】
具体例12−酔いざまし
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表11】

【0467】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0468】
具体例13−蚊よけ
虫さされの防止および治療におけるビタミンB1の価値は、50年以上研究されてきた。メカニズムはまだ明確ではないが、大量のビタミンB1(大人に対して少なくとも100mg)が摂取された場合、蚊および他の刺咬昆虫は、肌にとまらないか、とまっても血を吸わないかのいずれかであることが、いくつかの試験(および多数の事例報告)によって示唆されている。加えて、ビタミンB1は、抗炎症作用を有することが知られている。これは、大量のビタミンB1は、昆虫刺咬することによって酷い炎症になるのを防止するのに役立つ場合があることを意味している。
【0469】
各1mLには、100mgのビタミンB1(塩酸チアミン)が水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。この成分の溶解を促進するために、更に別の成分が添加される。光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0470】
具体例14−子ども用総合ビタミン剤
各1mLには、下記の成分が、水中で混合され、当該体積になるように調整されたものが含まれている。これらの成分のうちの1つまたは複数の成分の溶解を促進するために、更に別の成分を添加してもかまわない。
【表12】

【0471】
光および湿気を避けて、15〜30度の室温で保存する。浴室に保存しないこと。子どもの手の届かない場所に置いておくこと。
【0472】
熱および長期保存安定性試験
具体例15は、本発明で使用される液体製剤が、熱い食物または飲料に添加されたときでも安定しているかどうかを判定するためになされた熱的安定性試験と、本発明で使用される液体製剤を、中の成分を大幅に劣化させることなく長期間にわたって保存できるかどうかを判定するためになされた長期保存安定性試験の両方について説明している。
【0473】
加熱試験は、試験管中の溶液を熱湯浴(80℃または100℃)中に15分間置いておくことを含む様々な方法によって、もしくは、濃縮溶液を熱湯またはホットコーヒー(両方に対して80℃または100℃)と15分間混合することによって行った。長期保存安定性調査は、個々のビタミン溶液を室温および4℃で最長4ヶ月間保存し、様々な時間間隔でこれらの溶液から標本を抜き取ることによって行った。この試験による製剤の劣化は、各特定の化合物に特有のHPLCピークのピーク面積の変化によって評価した。
【0474】
結果から、熱的劣化によるビタミン濃縮物の減少分は、どのビタミンおよびどの熱処理形態に対しても4%未満であることが分かった。ビタミンB1、B3、B6、B12の各溶液は、室温または4℃で保存したときは、全4ヶ月にわたって安定していた。ビタミンB2、B5、B7、B9を含む他のビタミンでは、いずれかの温度で保存したときの4ヶ月にわたる劣化のレベルは、まちまちであった。
【0475】
具体例15−熱および長期保存安定性試験
材料および方法
試薬
チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシンアミド(B3)、塩酸ピリドキシン(B6)、ビオチン(B7)、葉酸(B9)、およびシアノコバラミン(B12)はシグマアルドリッチ株式会社から購入し、(+)パントテン酸カルシウム(B5)はノバケム株式会社(和光)から購入した。テスト飲料は、ビットリアエスプレッソ社のグラウンドコーヒーを使って、サンビーム製コーヒーメーカーで調製した。水は、ミリQ(登録商標)グレードのものであった。
【0476】
標準溶液
標準溶液は、撹拌および超音波処理を必要に応じて行ないながら、ビタミンをミリQ(登録商標)水の中で、下表に示す濃度で溶解することによって調製した。溶液は全て新鮮なものを調製した。
【表13】

【0477】
装置
HPLC解析は全て、島津社製UFLCシステム(ポンプLC−20AD、オートサンプラーSIL−20A HI、およびUV検出機SPD−20Aを含む)を使って行なった。
【0478】
ビタミンB1、B2、B3、B6、B9、B12に対するクロマトグラフ条件
カラム:HCT−C18(アジレント)、4.6×150mm
カラム温度:30℃
移動相:A―水+0.1%ギ酸+0.05%TEA:B―25%ACN+75%メタノール
流速:0.8mL/分
検出波長:280nm
内部標準物質:カフェイン
【0479】
下表に、ビタミンB1、B2、B3、B6、B9、B12に対するHPLC勾配を示す。
【表14】

【0480】
下表に、ビタミンB1、B2、B3、B6、B9、B12に対する注入体積を示す。
【表15】

【0481】
ビタミンB5およびビタミンB7に対するクロマトグラフ条件
カラム:HCT−C18(アジレント)、4.6×150mm
カラム温度:30℃
移動相:A―水+0.1%ギ酸:B―アセトニトリル
流速:1mL/分
検出波長:210nm
内部標準物質:カフェイン
【0482】
下表に、ビタミンB5およびビタミンB7に対するHPLC勾配を示す。
【表16】

【0483】
下表に、ビタミンB5およびビタミンB7に対する注入体積を示す。
【表17】

【0484】
熱的安定性調査
サンプルの準備
溶解度に応じて、ビタミン類を2つの群に分割した。「高濃度」のビタミンは、250分の1に希釈後にHPLC解析で十分に検出可能な程度に溶解するものであった。「低濃度」ビタミンは、溶解が不十分で、1/250希釈後にHPLC解析で検出できなかった。したがって、これらの化合物に対して、後述するような異なる手順が採用された。
【0485】
高濃度ビタミン(B1、B3、B5、B6)溶液
溶液は、全く同一のものを2つ準備するという形で、後述する4種類の方法を使って使用直前に準備した。
a.1mLの各標準溶液を、ミリQ(登録商標)水を使って室温で250mLに希釈する(比較参照サンプル)。
b.5mLの各溶液を別々の10mLファルコン(登録商標)チューブに加え、それらのチューブを15分間、熱湯(80℃または100℃)の中に立てる。次いで、各チューブから1mLのサンプルを取り出し、室温のミリQ(登録商標)水を使って250mLに希釈する。
c.1mLの各標準溶液を、熱湯(80℃または100℃)を使って250mLに希釈する。15分間放置し、次いでサンプルを取り出し、即座に室温まで冷却する。
d.1mLの各標準溶液を、ホットコーヒー(80℃または100℃)を使って250mLに希釈する。15分間放置し、次いでサンプルを取り出し、即座に室温まで冷却する。
【0486】
低濃度ビタミン(B2、B7、B9、B12)溶液
標準溶液は、上述したように、ミリQ(登録商標)水を使って新鮮なものを準備した。次いで、全く同一のものを2つ準備するという形で、即座に下記のテスト溶液を準備した。
a.希釈していないものを使用する(比較参照サンプル)。
b.5mLの各溶液を別々の10mLファルコン(登録商標)チューブに加え、それらのチューブを15分間、熱湯(80℃または100℃)の中に立て、次いで、即座に室温まで冷却する。
【0487】
長期保存安定性調査
サンプルの準備
熱的安定性調査用にビタミン溶液を準備した。
【0488】
これらの溶液を1回分ずつ4つの15mLファルコン(登録商標)チューブに入れる。これらのチューブのうちの2本は、実験室内で棚の上に室温(RT)で保存し、2本は冷えた部屋(4℃)の中で保存した。
【0489】
0ヶ月、0.5ヶ月、1ヶ月、1.5ヶ月、2ヶ月、3.5ヶ月、および4ヶ月の各時期に、各小瓶からサンプルを取り出してHPLC解析を行なった。高濃度ビタミンのサンプル(ビタミンB1、B3、B5、B6)は、注入前に、ミリQ(登録商標)水を使って1:250に希釈した。低濃度ビタミンのサンプル(ビタミンB2、B7、B9、B12)は、希釈せずに注入した。
【0490】
サンプル解析
全く同一のものを2つ準備して調整した上記溶液それぞれからのサンプルを、全く同一のものを2つ注入するという形で、HPLC上に注入した。HPLC条件は上述したとおりである。
【0491】
データ解析
全く同一のものを2つ注入するという形で上記2つのサンプルを注入し、それら4つの結果の平均を報告した。
【0492】
比較参照サンプルに対する個々のビタミンの百分率変化は、100×(Atest−Acontrol)/Acontrolで計算した。式中、AtestおよびAcontrolは、テスト溶液および比較参照溶液それぞれに対するピーク面積比(検体/内部標準物質)である。
【0493】
熱的安定性調査においては、t検定を使って統計解析を行なった。長期保存安定性調査においては、一変量ANOVA(一般化線形モデル)を使って統計解析を行なった。統計解析は全て、SPSS 16を用いて実施した。
【0494】
結果
熱的安定性調査
高濃度ビタミン
下表に、80℃まで加熱した後の高濃度ビタミン溶液の結果を示す。
【表18】

下表に、100℃まで加熱した後の高濃度ビタミン溶液の結果を示す。
【表19】

【0495】
低濃度ビタミン
下表に、80℃まで加熱した後の低濃度ビタミン溶液の結果を示す。
【表20】

下表に、100℃まで加熱した後の低濃度ビタミン溶液の結果を示す。
【表21】

【0496】
要約:熱的安定性試験についての要約
溶液を加熱することに対する効果
高濃度ビタミン:80℃または100℃で15分間加熱した状態で、ビタミンB1、B3、B6の濃度には影響がなかった。小さいとはいえ統計的には顕著なビタミンB5(パントテン酸カルシウム)の劣化が、80℃(−2.8%、P=0.02)および100℃(−2.3%、P=0.005)の両方で起こった。
【0497】
低濃度ビタミン:ビタミンB2、B7、B12の濃度は、80℃または100℃で15分間加熱しても、あまり影響を受けなかった。ビタミンB9(葉酸)では、小さいとはいえ統計的には顕著な劣化が、80℃(−1.9%、P=0.05)および100℃(−2.3%、P=0.04)への加熱で見受けられた。
【0498】
熱湯およびコーヒーによる希釈の効果
小さいとはいえ統計的には顕著なビタミンB3(ナイアシンアミド)の劣化が、コーヒーによる希釈において、80℃(−3.7%、P=0.02)および100℃(−3.6%、P=0.03)の両方で顕著であった。他のビタミン(B1、B5、B6)の濃度は、熱湯またはホットコーヒーによる希釈によって影響されなかった。
【0499】
長期保存安定性調査
百分率変化および統計解析
室温および4℃で最長4ヶ月保存した後の検体/内部標準物質面積比(ビタミン濃度に比例)の百分率変化を測定し、統計的に解析した。結果を後掲の表に示す。
【表22】

【0500】
要約:長期保存安定性調査に対する要約
室温であれ4℃であれ、ビタミンB1、B3、B6、B7、B12は、全4ヶ月の保存期間にわたって、統計的に顕著な劣化は受けなかった。
【0501】
ビタミンB2は、2週間後に、室温および4℃において大幅に、それぞれ24.7%および33.6%劣化した。しかし、最長4ヶ月の後続期間において、更なる劣化はほとんど起こらなかった。
【0502】
ビタミンB5は、室温および4℃それぞれにおいて、1.5ヶ月と2週間後に大幅に劣化し、その低下は、4ヶ月までの残存テスト期間中、継続した。但し、統計的には顕著であるが、その劣化は、どの時期のいずれの温度においても、4%未満であった。
【0503】
室温において、ビタミンB9は2週間後に大幅に劣化し(10.0%)、その後4ヶ月まで、どの時期に標本を抜き取っても検出できなかった。ビタミンB9は、4℃でも2週間で大幅に劣化し(8.0%)、1ヶ月の時点で値は更に5.7%低下した。但し、この時点および後続の全ての標本化時点における基礎レベルからの差は、統計的には顕著ではない。
【0504】
包括的要約:熱および保存の調査
下表に、加熱および長期保存に起因するビタミンの劣化の一覧を示す。
【表23】

【0505】
表中、††は、熱処理を受けたときのビタミン濃度低下が、<2%という僅かなものであることを指す。
表中、†は、長期保存を受けたときのビタミン濃度の低下が僅かなものであることを指す(4ヶ月のテスト期間にわたって記録した中の最大百分率変化と一緒に示している)。
表中、*は、熱処理および長期保存を受けたときのビタミン濃度の低下が顕著であることを指す。長期保存のデータにおいて、提示の百分率変化は、4ヶ月のテスト期間にわたって記録した中で最も低下したものである。
表中、‡は、2週間の時点におけるビタミンB7濃度の一時的な低下を指す。これらは、4ヶ月にわたる後続のテスト時期の全てにおいて回復していた。
表中、ntは、テストを行なっていないことを意味する。
【0506】
熱的劣化によるビタミン濃度の低下は、どのビタミンおよびどの熱処理形態に対しても4%未満であった。後述のものを除き、これらの低下は全般的に、統計的には顕著ではない。
【0507】
統計的に顕著な低下は、i)80℃または100℃まで加熱したビタミンB5溶液およびビタミンB9溶液、並びにii)80℃または100℃のホットコーヒー(熱湯ではない)を使って希釈したビタミンB3溶液で起こった。
【0508】
長期保存に関して、ビタミンB1、B3、B6、B12の各溶液は、室温または4℃で保存したときは、全4ヶ月にわたって安定していた。
【0509】
ビタミンB5は、室温または4℃で保存したときは劣化が顕著であったが、その劣化は、4ヶ月のテスト期間全体にわたって、いずれの温度においても4%未満であった。
【0510】
ビタミンB7は、室温または4℃で2週間保存した後、過渡的低下を示したが、後でレベルが回復して、比較参照レベルに接近した。
【0511】
室温または4℃で2週間保存すると、ビタミンB2およびビタミンB9は顕著に劣化した。ビタミンB9は、室温で1ヶ月保存すると完全に消滅した。ビタミンB9を4℃で保存すると、劣化は最大13.7%に制限された。
【0512】
結論
熱的安定性テストの結果から、テストしたビタミンは全て、熱い液体に添加するのに適切であると結論付けることができる。即ち、テストした上記のビタミンを含有する製剤は、ビタミンを劣化させることなく、本発明に従って熱い食物または飲料に使用することができ、したがって、消費者に対する所望の栄養面の効果は、必ず達成される。
【0513】
ビタミンB1、B3、B5、B6、およびB12を含有する溶液は、室温で少なくとも4ヶ月保存することができる。溶液中のビタミンB2、B7、またはB9は、一定の環境における(例えば、水が溶剤である場合)室温または冷却状態での保存において、顕著に劣化する可能性がある。本発明に従って使用するように製剤を調製するときは、当業者であれば、このことを考慮に入れるべきである。
【0514】
フォーカスグループ
フォーカスグループ調査は、定量的な研究ツールである。本事例における目的は、消費者の反応を測ることである。
【0515】
本フォーカスグループ調査は、(とりわけ)既に実行している既存のルーチンと、医薬補給物または栄養補給物を摂ることとの間の関連性を、消費者の心の中に形成すれば、服薬遵守が向上する可能性があるのかどうかを調べるために、特に、そのルーチンが食物または飲料を必要とするものであり、同時に摂取できるようにその食物または飲料にそれらの補給物を添加できる場合に、服薬遵守が向上する可能性があるのかどうかを調べるために実施された。
【0516】
本調査用に選択されたルーチンは、日常のコーヒーであった。
【0517】
世界のコーヒー市場は大きな市場であり、カフェ、レストラン、および他の小売店で、毎年、推定で15億杯のコーヒーが消費されている。しかも、この量は上昇傾向にある。「通信販売」コーヒー市場も成長している。銘柄へのこだわりを有する消費者がますます洗練されてきていることは明らかであり、コーヒー市場は競争が激しい。したがって、そのために日常のコーヒーがルーチンになり、それが習慣化している人が沢山いる。
【0518】
調査の結果、ルーチンに関連させて本発明の実施形態を使用すれば服薬遵守が向上する可能性のあることが分かった。
【0519】
具体例16−フォーカスグループ
材料および方法
ある消費者調査企業に、本フォーカスグループ調査を遂行するように依頼した。この種の調査では、まだ会ったことのない6〜7人(参加者)から成るいくつかのグループが集められる。次いで、その人たちは、主宰者によって、特定の話題についての議論へと誘導される。参加者は、主宰者からの質問およびそのグループの他のメンバーによる意見の両方に対して自発的にフィードバックを提供するように仕向けられる。
【0520】
主宰者の主たる任務は、全員参加を徹底し、1または複数の参加者による支配を排除し、参加者達の意見に潜んだ理由を把握することである。多くの場合、参加者は、他の人たちと議論するまで、一定の態様で自分を行動させる信条というものを認識していない。ある話題について議論に参加し、他の参加者の考えを聞くことによって、参加者は、自分の信条および動機付けとなるものについて考えるようになる。それは更に、研究者が考えなかったような関連課題が出現する可能性のある環境も提供する。服薬遵守を高めるという状況において、このことは特に当てはまる。集団力学および参加者間の相互作用によって、グループ内に存在する嗜好、信条、および優先順位の多くが明らかになる。そのグループは消費者グループを代表されるように選択されたものであることを念頭において、「現実の世界」にありそうな効果を評価するのに、その調査の結果を使用することができる。
【0521】
本件の場合、本調査のために2つの参加者グループが募集された。グループ1は、日常的にコーヒーを飲む20〜35歳の女性で構成されていた。グループ2は、日常的にコーヒーを飲む20〜35歳の男性で構成されていた。日常的にコーヒーを飲む人とは、毎日1〜3回コーヒーを飲用する人と考えられている。各グループの参加者は、コーヒーを「室内」(即ち、家、事務所、)で飲用する人と、「屋外」(即ち、カフェ、レストラン、等)で飲用する人とが混じりあっている。
【0522】
各フォーカスグループの議論は、下記の3つの段階で構成されており、約1時間続いた。
【0523】
第1段階は、本発明のいくつかの実施形態について主宰者からグループに対して説明が行われた。説明には、「製品」のコンセプトが、健康上の便益を有する摂取用製剤を含んだ使い捨ての容器であること、その製品の推奨されるまたは想定される用途は、コーヒーにその製剤を投入するとともにその製剤を含有したコーヒーを摂取することであること、が含まれる。小売店または家で、定期的にまたは不定期的に製剤を摂るというコンセプトについても議論された。他の関連するコンセプトおよび懸案事項についても議論された。参加者から応答および他のコメントが得られれば、それを記録した。
【0524】
第2段階は、味覚テストを行ない、その後、その味覚テストに対する参加者の反応について議論し、製品について更に議論するものであった(主宰者によって更なる詳細説明がなされる)。味覚テストにおいて、各参加者には、新たに淹れた参加者の好みのコーヒー(例えば、カプチーノ、ロングブラック、等)が提供された。そのコーヒーには、下記の栄養補給物が入った1mLの製剤が添加された。
【表24】

【0525】
次いで、第3段階は、価格および提案してもらったブランド名について議論するものであったが、本明細書ではこれ以上論述しない。
【0526】
本調査に対して目標を設定した。例として、各参加者/グループの反応を、市場における新規性および独自性、好き嫌い、把握された製品に対する要望、製品を購入する意欲、いつ摂取するか、どこで摂取するか、および製剤を摂取しそうな人のタイプの点で判定することが挙げられる。
【0527】
結果
議論の結果(音声/映像記録および主宰者のメモを含む)を分析した。知見のいくつかを以下に紹介する。
【0528】
製品に対する第一段階の当初の反応は様々であった。健康上の便益に対して関心があったが、同時に、味、内容物、有効性、および価格に対する懸念もあった。参加者はもっと情報を求めていたようである。
【0529】
製品、成分、およびそれらの便益についてより十分に説明すると、関心は高まった。但し、一部の参加者は、依然として、提案されている製品の中の各々の具体的補給物および服用量レベルといった具体的な疑問を有していた(市販される最終製品では、こういったものは、明らかに製品と一緒に提供される)。
【0530】
提案されている様々な製剤について情報を提供すると、「健康増進用」となるように設計された製剤が最も好意的に受け取られた。しかし、「ストレス解消用」および「風邪と流感用」の製剤にも関心があった。一部の女性は、「エグゼクティブB製剤」にも関心があった。
【0531】
製品は市場において独自性があると考えられた。
【0532】
ひとたび味が試されると、製品の「懸念が払拭」された。
【0533】
「室内」(即ち、家、事務所、)および「屋外」(即ち、カフェ、レストラン、等)の流通チャネルは、どちらも適切であると考えられた。
【0534】
一部の参加者から、本製品は服薬遵守を上げることになるということが明確に示唆された。消費者調査企業も、参加者は、「総合ビタミン剤を毎日摂りたいと思うが習慣的に行うことができない人向けの製品に対する市場」を見ているとコメントしている。参加者からのコメントを具体的に紹介する。
【0535】
「・・・〔地域のスーパーマーケット〕で販売されれば、総合ビタミン剤と価格的に同等なら、買うかもしれない。ああ、私はコーヒーを毎朝飲む。これなら、ビタミンを毎日摂るというルーチンに容易に入ることができる・・・」(男性参加者)
【0536】
「・・・総合ビタミン剤を毎日摂ろうとしたのだが、いつも忘れてしまう。朝のコーヒーだったら忘れないのに!・・・」(男性参加者)
【0537】
「何度もビタミン剤を毎日摂ろうと試みたのですが、どうしても忘れてしまいます。でも、これなら便利なので、難なくできるでしょう。コーヒー店でサインを目にすれば、直ぐに手にすることができるのですから」(女性参加者)
【0538】
したがって、調査の結果、ルーチンに関連させて本発明の実施形態を使用すれば、服薬遵守が向上する可能性のあることが分かった。
【0539】
本明細書で引用したあらゆる特許、特許出願、および特許公報の開示は、参照することにより全体として本明細書に組み込まれている。
【0540】
本明細書でいかなる参考文献が引用されていても、かかる参考文献が当該出願の「従来技術」として利用可能であると認めたものとは解釈すべきではない。
【0541】
明細書全体にわたって、目的は、本発明をいずれか1つの実施形態または種々の特徴の特定の集合に限定することなく、本発明の具体的な実施形態を説明することであった。したがって、当該開示に鑑みれば、当業者であれば、例示した特定の実施形態に対して、本発明の範囲から逸脱することなく変更および改変を行ない得ることを理解するであろう。かかる変更形態および改変形態は全て、添付した請求項の範囲に含まれるものと意図されている。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図2A】

【図2B】

【図2C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌液体製剤を保持するための貯槽を備えた使い捨ての容器であって、
前記貯槽は、感染を予防した態様で前記製剤を吐出すべく、開口されるように構成された注出口と流体連通しており、
前記製剤は摂取用に調合されたものであり、
前記製剤は、本質的に医薬補給物および/または栄養補給物で構成されている、使い捨ての容器。
【請求項2】
前記製剤は、ショ糖、グルコース、果糖、ガラクトース、乳糖、グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム塩、L−グルタミン酸カリウム塩、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸アンモニウム、L−グルタミン酸マグネシウム、グアニル酸、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム、グアニル酸カルシウム、イノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム、イノシン酸カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5−リボヌクレオチド二ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、マルトール、およびエチルマルトールで構成される群から選択される香料添加剤を実質的にどれも含まないものである、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記製剤は、アンモニア、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム、プロピルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム、メチルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、重亜硫酸カリウム、ビフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、ナイシン、ナタマイシン、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド、二炭酸ジメチル、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸カリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、二酸化炭素、リゾチーム、およびEDTAで構成される群から選択される保存料を実質的にどれも含まないものである、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記製剤は、本質的にビタミンおよび/またはミネラルおよび/または薬草の抽出物で構成されている、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記製剤は苦味のあるビタミンを含んでいる、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記製剤は、摂取前に食物または飲料に添加するように調合されたものである、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記製剤は、苦味のある食物または飲料に添加するように調合されたものである、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記製剤は、熱い食物または熱い飲料に添加するように調合されたものである、請求項6または7に記載の容器。
【請求項9】
前記熱い食物または熱い飲料は55℃を超える温度である、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記熱い食物または熱い飲料は85℃を超える温度である、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記容器は、前記容器の前記貯槽と前記容器の前記注出口との間に設置された脆弱手段であって、前記製剤を吐出すべく前記容器の開口を可能にする脆弱手段を備えている、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記貯槽は、所定の体積の製剤を保持するものである、請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】
前記容器は、所定の体積の製剤を吐出するものである、請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
前記貯槽は、単位服用量の製剤を保持するものである、請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記容器は、単位服用量の製剤を吐出するものである、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記容器は、吐出前の前記製剤用の無菌環境を維持するものである、請求項1〜15のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記容器は、「ブロー・フィル・シール」プロセスによって製造されている、請求項1〜16のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項18】
前記容器には、前記容器が特定の時期に使用されるべきであることを表示するための標示が設けられている、請求項1〜17のうちのいずれか1項に記載の容器。
【請求項19】
前記容器の端部は標示が設けられている、請求項18に記載の容器。
【請求項20】
前記容器は、エッチング、エンボス加工による文字、金型内の目盛りによってまたは前記容器の表面にラベルを付設することによって標示が設けられている、請求項18または19に記載の容器。
【請求項21】
請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の使い捨ての容器を備えているパッケージ。
【請求項22】
前記各容器は同一のラベルの標示が設けられている、請求項21に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記各容器は異なるラベルの標示が設けられている、請求項21に記載のパッケージ。
【請求項24】
いくつかの前記容器は同一のラベルの標示が設けられており、いくつかの前記容器は異なるラベルの標示が設けられている、請求項21に記載のパッケージ。
【請求項25】
使い捨ての一群の前記容器から成る棒状連続体であって、互いに隣接する前記容器の一部を結合することによって連続状態の棒状連続体を形成するように相互に連結された請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の使い捨ての前記容器を備えている、棒状連続体。
【請求項26】
前記容器は分離可能な形で連結されている、請求項25に記載の棒状連続体。
【請求項27】
前記棒状連続体または前記棒状連続体の前記各容器は、前記容器がいつ使用されることになっているのかを表示するための標示が設けられている、請求項25または26に記載の棒状連続体。
【請求項28】
請求項25〜27のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体を備えているパッケージ。
【請求項29】
それぞれが無菌液体製剤を保持するための貯槽を備えている使い捨ての一群の前記容器から成る棒状連続体であって、
前記各貯槽は、感染を予防した態様で保持している前記製剤を吐出すべく、開口されるように構成された各容器の注出口と流体連通しており、
前記各容器内の前記製剤は摂取用に調合されたものであり、
一群の前記容器は、互いに隣接する前記容器の一部を結合することによって連結状態の棒状連続体を形成するように連結されており、
前記棒状連続体または前記棒状連続体の各容器は、前記容器がいつ使用されることになっているのかを表示するための標示が設けられている、棒状連続体。
【請求項30】
前記容器は分離可能な形で連結されている、請求項29に記載の棒状連続体。
【請求項31】
前記各容器の端部に標示が設けられている、請求項29または30に記載の棒状連続体。
【請求項32】
前記棒状連続体または前記各容器は、エッチング、エンボス加工による文字、金型内の目盛りによってまたは前記容器の表面にラベルを付設することによって標示が設けられている、請求項29〜31のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項33】
前記各容器内の前記製剤は、本質的に医薬補給物および/または栄養補給物で構成されている、請求項29〜32のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項34】
前記各容器内の前記製剤は、ショ糖、グルコース、果糖、ガラクトース、乳糖、グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム塩、L−グルタミン酸カリウム塩、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸アンモニウム、L−グルタミン酸マグネシウム、グアニル酸、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム、グアニル酸カルシウム、イノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム、イノシン酸カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5−リボヌクレオチド二ナトリウム、5−リボヌクレオチドナトリウム、マルトール、およびエチルマルトールで構成される群から選択される香料添加剤を実質的にどれも含まないものである、請求項29〜33のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項35】
前記各容器内の前記製剤は、アンモニア、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸エチルナトリウム、プロピルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸プロピルナトリウム、メチルパラベン、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素カルシウム、重亜硫酸カリウム、ビフェニル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、チアベンダゾール、ナイシン、ナタマイシン、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、ヘキサメチレンテトラミン、ホルムアルデヒド、二炭酸ジメチル、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸カリウム、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、二酸化炭素、リゾチーム、およびEDTAで構成される群から選択される保存料を実質的にどれも含まないものである、請求項29〜34のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項36】
前記各容器内の前記製剤は、本質的にビタミンおよび/またはミネラルおよび/または薬草の抽出物で構成されている、請求項29〜35のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項37】
前記各容器内の前記製剤は苦味のあるビタミンを含んでいる、請求項29〜36のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項38】
前記各容器内の前記製剤は、摂取前に食物または飲料に添加するように調合されたものである、請求項29〜37のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項39】
前記各容器内の前記製剤は、苦味のある食物または飲料に添加するように調合されたものである、請求項29〜38のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項40】
前記各容器内の前記製剤は、熱い食物または熱い飲料に添加するように調合されたものである、請求項38または39に記載の棒状連続体。
【請求項41】
前記熱い食物または熱い飲料は55℃を超える温度である、請求項40に記載の棒状連続体。
【請求項42】
前記熱い食物または熱い飲料は85℃を超える温度である、請求項40に記載の棒状連続体。
【請求項43】
前記各容器は、前記容器の前記貯槽と前記容器の前記注出口との間に設置された脆弱手段であって、保持している前記製剤を吐出すべく前記容器の開口を可能にする脆弱手段を備えている、請求項29〜42のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項44】
前記各容器の前記各貯槽は、所定体積の製剤を保持するものである、請求項29〜43のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項45】
前記各容器は、所定体積の製剤を吐出するものである、請求項29〜44のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項46】
前記各容器の前記各貯槽は、単位服用量の製剤を保持するものである、請求項29〜45のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項47】
前記各容器は、単位服用量の製剤を吐出するものである、請求項29〜46のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項48】
前記各容器は、吐出前の前記製剤用に無菌環境を維持するものである、請求項29〜47のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項49】
前記各容器は、「ブロー・フィル・シール」プロセスによって製造されている、請求項29〜48のうちのいずれか1項に記載の棒状連続体。
【請求項50】
請求項29〜49のうちのいずれか1項に記載の前記棒状連続体を備えているパッケージ。
【請求項51】
請求項1〜50のうちのいずれか1項に記載の前記容器、棒状連続体、またはパッケージを備えた、服薬遵守を高めるシステムであって、
前記容器、前記棒状連続体、または前記パッケージは、前記各容器が既存のルーチンに関連して使用されることになっていることを表示するための標示が設けられている、服薬遵守を高めるシステム。
【請求項52】
前記容器、前記棒状連続体、または前記パッケージは、前記各容器内部の前記製剤が既存のルーチンの一部として摂取される飲料または食物に投入されることになっていることを表示するための標示が設けられている、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記既存のルーチンは毎日のルーチンである、請求項51または52に記載のシステム。
【請求項54】
前記毎日のルーチンは毎朝コーヒーを飲むことである、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
消費者の服薬遵守を高める方法であって、
請求項1〜50のうちのいずれか1項に記載の容器、棒状連続体、またはパッケージを消費者に提供することを含み、
前記容器、前記棒状連続体、または前記パッケージは、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に前記容器または各容器の内部の前記製剤を投入すべきということを表示するために標示が設けられており、前記消費者は、前記既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に前記製剤を投入するものであり、前記消費者は、さらに前記製剤を含有した前記食物または飲料を摂取するものである、方法。
【請求項56】
消費者の服薬遵守を高める方法であって、
請求項1〜50のうちのいずれか1項に記載の容器、棒状連続体、またはパッケージであって、既存のルーチンの一部として摂取される食物または飲料に前記容器または前記各容器の内部の前記製剤が添加すべきということを表示するための標示が設けられている前記容器、前記棒状連続体、または前記パッケージを消費者に提供することと、
中に前記製剤が投入される前記食物または飲料を前記消費者に提供することと、
を含む方法。

【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−515513(P2013−515513A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545024(P2012−545024)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際出願番号】PCT/AU2010/001752
【国際公開番号】WO2011/075798
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512164953)ビーエム ゴル プロプライエタリー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】BM GOL PTY LTD
【住所又は居所原語表記】86 Behan Crescent,Wakerley,Queensland 4154,Australia
【Fターム(参考)】