説明

使い捨て一体型フィルタユニット

【課題】薬剤流体の1次および/または2次浄化に適した、使い捨て一体型フィルタユニット10を提供する。
【解決手段】使い捨て一体型フィルタユニットは、入口40および出口60を有し、一対の端板24、26の間に挿入される複数のフィルタ板20nを備える。それぞれの前記フィルタ板20nは、ポリマーフレーム構造28を備え、深い勾配フィルタパケット35がポリマーフレーム構造28内に埋め込まれる。フィルタ板および端板は、全体として、実質的に固定の一体型積層体を形成し、前記入口40を通して使い捨て一体型フィルタユニット10に入る流体は、前記出口60を通して前記ユニット10を出る前に、実質的に同時に(すなわち、「平行に」)、各フィルタ板20nの深い勾配フィルタパケット35を通る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年6月17日に出願された、その全体の内容が組み込まれる、米国出願第10/871,694号の一部継続出願である。
【0002】
該して、本発明は、使い捨てフィルタユニットを対象とし、特に、複数の深い勾配(ディープ・グラジエント)フィルタパケットを通して流体が「平行に」流れる使い捨て一体型フィルタユニットを対象とする。
【背景技術】
【0003】
製造管理および品質管理に関する基準および政府の規制は、多くの生物薬剤製造プロセスの中心をなすものである。こうした製造プロセスは、強制的な、しばしば時間がかかり費用のかかる妥当性検証手順を受けなければならないことが多い。
【0004】
たとえば、生物薬剤製品の分離および浄化に使用される機器は、明白な理由のために、厳しい清潔度要件を満たさなければならない。新しい、または、再稼動した機器(1次および2次ろ過ユニットなど)は、50回ほどの露出表面の試験スワブおよび、その後の試験スワブの生物学的検定を必要とする。ろ過機器の1つの場所について、1回の洗浄用妥当性検証についての関連コストおよび再発コストは、数千ドルを容易に超える場合がある。
【0005】
こうした洗浄用妥当性検証のコストおよび費用を減らすための、かつ/または、洗浄が必要とされる、または、要求される場合を減らすために、薬剤およびバイオテクノロジー業界は、妥当性検証済みのモジュラー式使い捨てろ過解決策をますます探求している。
【0006】
こうした方針に沿って、未処理の、製薬的に合成された流体の(たとえば、細胞培養基)の工業用容積についての1次および/または2次浄化に対する使い捨て解決策の開発に、最近かなり関心が集まっている。こうしたろ過プロセスの高い容積要件および高いスループット要件は、一般に、高価な設置式ステンレス鋼ろ過装置の使用に好都合であり、交換式カセットまたはカートリッジ(たとえば、通常、レンチキュラーフィルタ素子を備える)が、ステンレス鋼ハウジングまたは同様なレセプタクル内に設置される。ろ過作業の終わりで、消費されたカセットまたはカートリッジの除去時に、装置は、再び使用される前に、かなりの費用と努力を払って、洗浄され、妥当性検証されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,429,742号
【特許文献2】米国特許第4,645,567号
【特許文献3】米国特許第4,606,824号
【特許文献4】米国特許第4,511,473号
【特許文献5】米国特許第4,488,969号
【特許文献6】米国特許第5,283,106号
【特許文献7】米国特許第4,661,255号
【特許文献8】米国特許第3,353,682号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、殺菌済みでかつ妥当性検証済みであり、1次および2次浄化を実施することができ、容積およびスループットの点で、従来のろ過プロセスによって与えられ、また、予想されるものに匹敵するが、広範囲の固定配管機器および他の同様なろ過ハードウェアに対する必要性を実質的に減らした、使い捨てろ過ユニットに対する必要性が存在する。
【0009】
1995年7月4日の、Richard G.Gutman他に発行された米国特許第5,429,742号に示唆されているような、使い捨て一体型フィルタユニットが開示されていたが、これらおよび他の知られている技術は、(一般に)深いベッドろ過について、また、(特に)高いスループット、大きな容積の1次かつ/または2次浄化について十分に使用される可能性がないか、または、それらに対して容易になじむ可能性がない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
先の必要性に対応して、本発明は、入口40および出口60を有し、一対の端板24、26の間に挿入された複数のフィルタ板20nを備える使い捨て一体型フィルタユニット10を提供する。フィルタ板20nの各々は、深い勾配フィルタパケット35を埋め込まれた(エンベデッド)熱可塑性フレーム構造30を備える。フィルタ板および端板は、融着(フューズ)して、実質的に固定で、実質的に防水の一体型積層体が形成される。前記入口40を通して使い捨て一体型フィルタユニット10に入る流体は、前記出口60を通して前記ユニット10を出る前に、実質的に同時に(たとえば、「平行」流で)、各フィルタ板20nの深い勾配フィルタパケット35を通る。
【0011】
埋め込まれた深い勾配フィルタパケット35を通る、「平行」流路は、たとえば、生物薬剤流体の1次および/または2次浄化のための、フィルタユニット10の使用を促進する。好ましい実施形態では、使い捨て一体型フィルタユニット10は、かなり小さく、かつ、コンパクトであり、現在広範囲に使用されている典型的なかさばるユニットと比較して、より容易な設置および操作を促進する望ましい構造上の特徴を有する。フィルタユニットは、ろ過に使用するために外部ハウジングを必要としないように構成される。フィルタユニット10は、流体プロセス流の中に直接設置される可能性がある。消費されると、フィルタユニットは、取り外され新しいユニットと置き換えられる。
【0012】
本発明の特定の実施形態では、フィルタユニットのポリマーフレーム構造(polymeric framework)28は、(a)一体構造(モノリシック)であり、(b)内向き表面214および外向きの表面216を有する、前記フレーム構造の内部エリアに外接する外側境界を有し、(c)前記外向き表面214内に供給ポート210、ろ過ポート212、およびろ過ゾーン216を提供する。深い勾配フィルタパケット35はろ過ゾーン216内に埋め込まれる。パケット35は、積層され、または、他の方法で互いに対して堆積して、パッドに似た一体複合材料を形成するろ過材の層状構造(strata)または層を備える。材料および製造方法に応じて、複合材料は、自立型および/または、多孔性の外側エンベロープ、シーブ、またはスクリーン内にカプセル化されて一体化されるかのいずれかである。
【0013】
上記を考慮して、生物薬剤および同様な流体の1次および/または2次浄化のために役立つ使い捨て一体型フィルタユニットを提供することが、本発明の主要な目的である。
【0014】
積層され、また、端板間で融着したいくつかのフィルタ板を備える使い捨て一体型フィルタユニットを提供することが、本発明の別の目的であり、各フィルタ板は、深い勾配フィルタパケットが埋め込まれている。
【0015】
組み込まれている、いくつかの深い勾配フィルタパケットを通して「平行」流路を提供する使い捨て一体型フィルタユニットを提供することが、本発明の別の目的である。
【0016】
かなり厚い深い勾配フィルタパケットが組み込まれている使い捨て一体型フィルタユニットを提供することが、本発明の別の目的であり、パケットはユニット内に埋め込まれ、構造上の歪が最小化されている。
【0017】
使用中に、外部フィルタハウジングを必要とすることなく、たとえば、生物薬剤流体の1次および/または2次浄化のために役立つ実質的に防水フィルタを提供することが、本発明の主要な目的である。
【0018】
本発明の特質ならびにこれらのおよび他の目的のさらなる理解のために、添付図面と共に考えられる以下の説明が参照されるべきである。
【0019】
図は、概略を示す図を提供する。本明細書で説明し、提示することを容易にするために、オブジェクトの相対的な位置、形状、およびサイズは誇張されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態による使い捨て一体型フィルタユニット10の略図であり、フィルタユニット10は、フィルタ板20nの積層体を備え、フィルタ板のそれぞれの中に、深い勾配フィルタパケットが埋め込まれる。
【図2】使い捨て一体型フィルタユニットの構築時に役立つ深い勾配フィルタパケット35の略図である。
【図3a】使い捨て一体型フィルタユニットの構築時に役立つ単一フィルタ板20の断面図である。
【図3b】使い捨て一体型フィルタユニットの構築時に役立つ対のフィルタ板20、20IIの断面図である。
【図3c】使い捨て一体型フィルタユニットの構築時に役立つフィルタ板20の実施形態の正面図である。
【図3d】使い捨て一体型フィルタユニットの構築時に役立つフィルタ板20の別の実施形態の正面図である。
【図4a】フィルタ板20の別の実施形態の正面図であり、実施形態は、2段成形および埋め込みプロセスに従って作られた。
【図4b】軸B−Bに沿って見た、図4aに示すフィルタ板20の断面図である。
【図5】使い捨て一体型フィルタユニットの構築時に役立つ、対のフィルタ板20、20IIの特定の実施形態の断面図である。
【図6】本発明の特定の実施形態による使い捨て一体型フィルタユニット10の断面図であり、フィルタユニット10は、フィルタ板20nの積層体を備え、フィルタ板のそれぞれの中に、深い勾配フィルタパケット35が埋め込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1で示すように、本発明は、入口40および出口60を有し、一対の端板24、26の間に挿入された複数のフィルタ板20nを備える使い捨て一体型フィルタユニット10を提供する。使い捨て一体型フィルタユニット10は、前記フィルタ板20nの各々が、熱可塑性フレーム構造28および前記熱可塑性フレーム構造に埋め込まれた深い勾配フィルタパケット35を備えることを特に特徴とする。フィルタ板20nおよび端板24、26は、実質的に固定の一体型積層体を形成し、入口40を通して使い捨て一体型フィルタユニット10に入る流体が、出口60を通してユニット10を出る前に、実質的に同時に(すなわち、「平行」に)、各フィルタ板20nの深い勾配フィルタパケット35を通る。
【0022】
利点の中でもとりわけ、使い捨て一体型フィルタユニット10は、その一体構成のために、現在広い範囲で使用される、かなり費用のかかるステンレス鋼ハウジングなどの、固定外側ハウジングに対する必要性をなくす。この点で、フィルタユニットを通る流体の流れは、一体型板積層体、実質的に防水構成を可能にする新規な構造上の構成内に実質的に含まれる。しかし、特定の適用に応じて、固定の外部ハウジングがやはり採用されてもよい。
【0023】
使い捨て一体型フィルタユニット10は比較的低コストで実施される可能性がある。特に、使い捨て一体型フィルタユニット10は「1回使用」アイテム、すなわち、所望の(または、所定の)流体ろ過作業の完了時に、フィルタユニット100が、(たとえば、一定の環境的に規制された物質をろ過した後に法によって要求されることがあるように)廃棄される、あるいは、部分的か完全に、再生されるか再利用される可能性があるという意味で、「1回使用」として作られる可能性がある。
【0024】
使い捨て一体型フィルタユニットは、大きなフィルタユニットによって(しかし、より小さく、よりコンパクトな占有面積で)達成されるスループットに匹敵するスループットで、かなり大容積の流体浄化を可能にする。この機能をもたらす原因の一部は、デバイスの新規な構成、および、各パケットがユニットの利用可能な膜面積全体に寄与するように、ユニット10の「平行な流れの」通路内に配列された、複数の深い勾配フィルタパケットを利用することである。本発明のフィルタユニット10の好ましい実施形態は、約10ミクロン〜100ミクロンの範囲の粒子サイズの大容積のろ過を意図する。
【0025】
図1に示す実施形態は、端板24、26間で実質的に正常な関係で挿入されたフィルタ板20a−nを備えるフィルタユニット10を示すが、こうした構成は、制限として考えられるべきではない。他の構成が利用可能である。たとえば、フィルタ板20a−nの積層体は、実質的に直交関係で端板24、26の間に挿入される可能性がある。これは、たとえば、適した入口および出口を、各フィルタ板20の端面上か、または、端面に近接して設置し、端板を、前記板20a−nの前記入口および出口と適切に嵌合する、対応する流路との多岐管として構成することによって達成される可能性がある。もちろん、本説明を考慮して、他の構成が、当業者によって考えられる可能性がある。
【0026】
入口から出口までの適した防水流路を作成するのに必要とされる全てが、たとえば、かなり高い流体の圧力および温度を含む一定の用途のために、永続的に組み合わされたフィルタ板20a−nおよび端板24、26であるように、フィルタユニット10が設計される可能性があることが予想されるが、より頑強な構造が望ましい場合がある。こうした状況では、フィルタユニット10上に、フィルタ板20a−nの外面を被覆する(ジャケット)任意選択のオーバモールド80をキャストする可能性がある。オーバモールド80は、所望であれば、端板24および26内に少なくとも部分的に延びて、これらの構成部品をクランプするか、または、その他の方法で固定する可能性がある。オーバモールド80は、たとえば、より大きな流体の圧力および/または温度に直面する時に、フィルタユニットの頑強性(たとえば、防水性)を高めるように働く可能性がある。
【0027】
説明したように、フィルタ板20nの各々は、ポリマーの、好ましくはプラスチックの、最も好ましくは熱可塑性のフレーム構造28内に固定して埋め込まれた深い勾配フィルタパケット35を備える。図3aに見られるように、ポリマーフレーム構造28は、実質的に平坦で、平面の構成を有し、深い勾配フィルタパケット35も同様である。パケット35は、ポリマーフレーム構造28内に、実質的に直角または共面配置で埋め込まれる。得られるフィルタ板は、そのため、互いに上下に隣接して積層するのに十分に適した全体がスラブに似た構成をとる。
【0028】
図3a、3bおよび3cに示すように、特定の実施形態にかかわらず、ポリマーフレーム構造28は、具体的に、少なくとも3つの重ならないゾーン、すなわち、ろ過ゾーン216、入口ポートゾーン210、および出口ポートゾーンを画定するように構築される。深い勾配フィルタパケット35は、ポリマーフレーム構造28内、具体的には、ろ過ゾーン216内で、埋め込まれ、「枠付け(framed)」される。
【0029】
図3a、3bおよび3cに示すように、ゾーン216、210および220の形状、相対位置、およびサイズに関して特定の制限は存在しない。形状とサイズに関して、当業者は、求められる特定のろ過に適した形状およびサイズを選択する可能性がある。単一の特定の出口および入口ポートゾーン210、212のみが図3a、3bおよび3cに示されるが、所望であれば、前記ゾーンの複数が採用される可能性がある。たとえば、図4aを参照されたい。
【0030】
本発明の主要な実施形態では、入口および出口ゾーンは、ポリマーフレーム構造28の遠方端に互いに対向して配置され、ろ過ゾーンは、両者の間の実質的に中心となる中間にあるが(たとえば、図3aおよび図3bを参照されたい)、これは必要とはされない。たとえば、図3cに示すように、入口ポートゾーン210と出口ポートゾーン212が互いに近接し、実質的にろ過ゾーン216によって囲まれるような、使用可能なフィルタ板20を構築することが可能である。
【0031】
ポリマーフレーム構造28の構造上の範囲は、外壁表面216および内壁表面214を有する外壁によって境界を付けられる。本発明のある実施形態では、複数のフィルタ板20nが共に積層されてフィルタユニット10が形成されると、各構成部品のポリマーフレーム構造28の外壁表面216は、ひとまとめに、フィルタユニット10の外部側面を形成する。本発明のある主要な実施形態では、得られるフィルタユニット10の複合材料外壁は、外部ハウジングを使用することなく、ろ過を可能にするのに、十分な防水性があり、耐久性があり、頑強である。
【0032】
フィルタユニット10を通る流路は、ポリマーフレーム構造28の構造上の構成によって大部分が決まる。典型的な配置構成では、フィルタ板20nの積層体は、いくつかのフィルタ板20nの対を備える。図3bに示すように、各対では、2つの同じフィルタ板20および20IIが一緒にされ、「背面と背面」が重なり合うように一体にされる。ろ過作業の実施中に、前記対内に流体が導入されると、流体は、最初に、組み合わされた入口に入り、深い勾配フィルタパケット間に形成されたチャネルに入る。流体は、その後、深い勾配フィルタパケット35を通過し、かつ、深い勾配フィルタパケット35によってろ過され、その後、組み合わされた出口ポート内に流れる。
【0033】
いわゆる、「平行流ろ過」(すなわち、ユニットの各構成部品のフィルタパケットを通る実質的に同時の流れ)は、全ての入口および全ての出口が、位置合わせされ、重ね合わされるように、前記対のいくつかを一緒に結合する(join)ことによって、達成される可能性がある。フィルタ板の対、したがって、偶数の個々の板の使用が好ましいが、使用可能な流体ろ過流路は、適切に構成された端板の間に挿入された単一フィルタ板を使用して確立される可能性があることを当業者であれば理解されるであろう。本発明は、そのため、対の、すなわち、偶数の板か、奇数の板のいずれが利用されるかに制限されない。本発明は、こうした選択の柔軟性を認める。
【0034】
フィルタ板対の1つの有用な実施形態が図5に示される。このフィルタ板対は、それぞれが、入口ポートゾーン210、210II、出口ポートゾーン212、212II、およびろ過ゾーン216、216IIを画定するポリマーフレーム構造28、28IIを備える、2つの同じフィルタ板20、20IIを備える。深い勾配フィルタパケット35、35IIは、各ろ過ゾーン216、216II内に埋め込まれる。フィルタ板20、20IIは一体化されて、フィルタパケット35、35IIと、フィルタパケット35、35IIの外側のろ過チャネル52の間に供給チャネル50が形成される。組み合わされた入口ポートゾーン210、210IIは、流体が、供給チャネル50内へ即座にアクセスすることを可能にする開口を提供する。同様に、組み合わされた出口ポートゾーン210、210IIは、流体が、ろ過チャネル52から即座にアクセスすることを可能にする開口を提供する。
【0035】
ポリマーフレーム構造28内に埋め込まれた深い勾配フィルタパケット35は、(好ましくは繊維ベースの)ろ過材の厚い層状配置構成を特徴とする。ろ過材の層状構造または層は、互いに積層され、選択された製造技法に応じて、自立型か、多孔性の外側エンベロープ、シーブ、またはスクリーン内にカプセル化されて一体化されるかのいずれかである、複合パッドに似た構造が形成される。さらに、キャストされた膜材料または不織フィルタ材料の層は、当業者に知られているように、好ましい繊維ベースの材料の代わりに、または、こうした繊維ベースの材料に加えて、使用されてもよい。
【0036】
フィルタパケットを備える層はそれぞれ、同じ材料か、または、異なる材料で作られる可能性がある。しかし、各層は、機能の点で、パケットを通して下流に進むために、前の層に比べて漸進的に保持性(retentive)が高い。生物薬剤ろ過に特に有用な実施形態では、上流層(複数可)は、いわゆる、「予備ろ過(プレ・フィルトレーション)」機能(すなわち、約25〜約1ミクロンの保持性)を提供し、中央層(複数可)は、いわゆる、「主ろ過(プライマリ・フィルトレーション)」機能(すなわち、約1〜約0.3ミクロンの保持性)を提供し、下流層(複数可)は、いわゆる、「流体磨き(フルイド・ポリシング)」機能(すなわち、約0.3〜約0.1ミクロンの保持性)を提供する。
【0037】
各層または層状構造は、同じ材料または異なる材料で作られる可能性がある。この目的のために採用される可能性がある基本材料のタイプは、ポリプロピレン、ポリエステル、ガラス、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、アスベスト、ナイロン、ポリエーテルスルフォン、および、他のポリマー(非ポリマー)材料を含む。
【0038】
基本材料以外に、以下の特許に開示されるフィルタ材料および媒体も考えられる可能性がある。1987年2月24日にK.C.Hou他に発行された米国特許第4,645,567号、1986年8月19日にC.K.Chu他に発行された米国特許第4,606,824号、1985年4月16日にK.C.Houに発行された米国特許第4,511,473号、1984年12月18日にK.C.Houに発行された米国特許第4,488,969号、1994年2月1日にK.Seller他に発行された米国特許第5,283,106号、1987年4月28日にG.Aumann他に発行された米国特許第4,661,255号、1967年11月21日にD.G.Pall他に発行された米国特許第3,353,682号。
【0039】
汎用性、堆積がかなり容易なこと、その強度を与える特性、内部表面対重量比、コストの理由で、また、繊維が、種々の位置および角度で配向するため、繊維状材料が一般に、好まれる。典型的な繊維状材料は、ガラスと石英、アスベスト、チタン酸カリウム、コロイド状酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ミネラルウール、再生セルロース、微晶質セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム、テレフタル酸とエチレングルコールのポリマー、ポリアミド、カゼイン繊維、ゼイン繊維、アセチルセルロース、ビスコースレーヨン、麻・黄麻、リネン、綿、絹、羊毛、モヘヤ、紙、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮、銀、およびチタンなどの金属繊維、ならびに、このタイプの、モンモリロナイト、セピオライト、パリゴルスカイト、およびアタバルジャイト粘土などの、針状ラスに似た、または、針に似た粒子を有する粘土を含む。
【0040】
本発明は、予備ろ過ゾーンを構成する層について任意特定の形態に限定されない。たとえば、一実施形態では、材料は、不織合成ニードルフェルトとして形成される。ポリプロピレンが使用される場合、ポリプロピレンは、好ましくは、「始めて使われる(バージン)」繊維である。換言すれば、繊維は、バインダ、仕上げ剤、および、形成中または形成後に、ポリプロピレンに添加されるか、または、コーティングされることが多い他のアジュバントが実質的にない。「始めて使われる」ポリプロピレンは、ポリプロピレンの合成に固有の添加剤以外の添加剤を実質的に含まない。
【0041】
フィルタパッドまたはマットの形成は、種々の従来の技法によって行われる可能性があり、従来の技法の中で、自然で、かつ、合成の短繊維には、機械式、空気力学式、または、流体力学式ウェブ形成が、非常に微細なデニールの繊維には、静電形成が使用される。
【0042】
スパンボンドされた材料は、ニードリング、収縮処理によって、または、バインダの添加によって実質的に圧密化される、熱可塑性物質、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、または、ポリエステルの溶融紡糸短繊維から形成される可能性がある。短繊維形成ポリマーが、1つの作業において、溶融紡糸され、空気流内で冷却され、引き抜かれ、その後、パッドまたはマット形態に直接塗られるスパンボンドプロセスによって利点が実現される可能性がある。スパンボンドされた不織材は、他の不織材に比べて、商業的でかつ定性的な利点があるために、フィルタ材料として使用するのに適することが多い。
【0043】
セルロースベースの材料の場合、1つの製造方法は、最初に、セルロース繊維、フィルタ添加剤、およびポリマー熱硬化性バインダを備えるスラリを調製することによって始まる。スラリは、真空フェルティングされ、その後、高温で硬化する。硬化すると、陽イオン樹脂が、永続的な、相互連結した剛性構造を形成する。結果は、湾曲した流れチャネル構造を有し、セルロースマトリクスに埋め込まれたフィルタ添加剤を含む複合構造が得られる。
【0044】
フィルタの製造に使用される不織材は、望ましくは、圧密化状態で使用される。材料は、任意の従来の方法で、たとえば、材料がカレンダー処理を受ける、圧力下での熱ボンディングによってか、ニードリングによってか、たとえば、繊維または粉末形態のホットメルト接着剤などの、バインダを使用した熱ボンディング(この場合、ホットメルト接着剤は、ウェブの繊維材料の融点より低い融点を有しなければならない)によって、圧密化される可能性がある。あるいは、上記処置の組み合わせを使用して、予備圧密化が行われる可能性がある。
【0045】
一定の環境下でフィルタ材料は、非繊維性接着剤、すなわち、いわゆる、「フィルタ酸」を組み込むことによって利益を得る可能性がある。これらは、適した陰イオン性の、陽イオン性の、または、非イオン性の結合樹脂の使用によって組み込まれる可能性がある。添加剤の例は、酸洗浄したけい藻土、パーライト、(疎水性吸収のための)煙霧状の(fumed)沈降したシリカ、および(一定のホルモンおよびピロゲンを吸収するための)活性炭素を含むが、これに限定されない。
【0046】
キャストされた、または、不織の、または、延伸した微小細孔膜(マイクロポーラス・メンブレン)などの膜は、材料が、深いベッドパケット35を通って流れる時に不純物の高い保持性を提供する、最終層(0.45または0.2ミクロン孔サイズ)の1層または複数層として役立つ。こうした膜に適した材料は、再生セルロースおよびセルロースの混合エステルを含むセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルフォン、ポリエチルスルフォン、ポリアリルスルフォン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、PTFE樹脂、ポロプロピレン、ポリエチレンなどを含むが、それに限定されない。市販され、適した材料の例は、RW膜として知られる混合エステルセルロース製品、Durapore(登録商標)として知られるPVDF膜、Millipore Express(登録商標)膜として知られるPES膜であり、全て、マサチューセッツ州、ビレリカ市(Billerica)のMillipore Corporationから入手可能である。
【0047】
深い勾配フィルタパケット35をポリマーフレーム構造28内に組み込むことは、好ましくは、射出成形によって達成される。従来の射出成形法が、一定の用途に使用される可能性があるが、多くの熱可塑性材料についての、形成後で、硬化前の、文書による十分な裏づけのある構造上の不安定性は、組み込まれたろ過材の構造上の完全性に、意図しない影響を与える可能性がある。たとえば、組み込まれようとする密度勾配フィルタパケット35が、(生物薬剤流体の分離において一般的であるような)高解像度の分離を可能のするように作り出されたタイプである場合、周囲のポリマーフレーム構造28の構造上のわずかの置換でさえもが、たとえ、短命で、一時的であっても、前記フィルタパケット35の構造上の完全性を許容できないほどに低下させる可能性がある。一定の熱可塑性未処理材料は、大きくかさばるフレームフォーマットの場合も同様であるが、硬化中に、たとえ頑強な密度勾配フィルタパケットについての構造上および機能上の完全性も、こうした影響から免れられないような厳しい構造上の状況を生成する可能性がある。
【0048】
本発明では、ポリマーフレーム構造28は、完成したデバイスの動作中の内部圧力の力に耐えるほど十分に厚く設計されている場合、大きな機能を与える。しかし、フレームが厚く成形されればされるほど、フレームが収縮する傾向が大きくなる。歪および収縮に対する懸念は、材料選択も制限する可能性がある。
【0049】
こうした製造上の問題に対処するために、適切である場合、2段成形プロセスが使用される可能性があり、フレームの大幅な第1の部分が作られ、その自然な状態に収縮することが可能になり、残りの少量の部分は、深い勾配フィルタパケットの埋め込み中、または、埋め込みと同時に成形される。より詳細には、2段成形プロセスは、2段埋め込みプロセスによって製造され、前記2段プロセスは、(a)熱可塑性ポリマーから前記ポリマーフレーム構造の第1部分を形成するステップを含み、前記外側の第1部分は、少なくとも前記ろ過ゾーンを提供し、(b)前記ろ過ゾーン内に前記深い勾配フィルタパケットを設置するステップと、(c)前記熱可塑性ポリマーから前記ポリマーフレーム構造の第2部分を形成するステップとを含み、前記第2部分は、前記ポリマーフレーム構造を完成し、前記深い勾配フィルタパケットを所定場所に埋め込む。
【0050】
2段成形プロセスの利点は、第1の形成した部分によって提供される安定化させ、支える(bracing)作用から主に生じる。第2の形成された部分の熱可塑性材料が冷える(または、その他の方法で硬化する)につれて、収縮すなわち歪は、おそらく発生するが、寸法的に安定した第1の部分によって課される空間的制約およびかなり小さい容積を考慮すると、制限されたものとなる。密度勾配フィルタパケット35は、そのため、かなり緩い状況下でポリマーフレーム構造内にしっかりと埋め込まれるようになり、したがって、構造上および機能上の完全性を低下させる可能性が少ない。
【0051】
深い勾配フィルタパケット35を埋め込むために使用される2段成形プロセスに関するさらなる詳細は、「Method for the Manufacture of a Composite Filter Plate」という名称の、本特許と同一日付けで出願された米国特許出願第10/870,802号に記載される。
【0052】
熱可塑性材料は、ポリマーフレーム構造28を形成する時に使用するための、上記例では強調されたが、熱硬化性物質およびゴムなどの他の材料も、所望であれば、または、用途が要求すれば、また、以下で述べるように、フレーム構造の一部または全てとして使用されてもよい。
【0053】
深い勾配フィルタパケット35の代表的な例が図3に示される。深い勾配フィルタパケット35は、スクリーン352および354間に挿入された複数の隣接フィルタ層355、357、および359を備え、それぞれの前記フィルタ層の保持性は、それより前の層より大きい(すなわち、より選択性がある)。より詳細には、深い勾配フィルタパケットは以下のように構成される。
【表1】

【0054】
使い捨て一体型フィルタユニット10の好ましい組み立てにおいて、上述した予備ボンディングされたフィルタ板対の各々は、順次一緒にされ、適切な重ね合わせ状態に配置され、その後、永続的に共にボンディングされ、防水シールが形成される。積層体が完成した後、端キャップ24および26が、それぞれ、積層体の下流側および上流側に配置され、防水シールを形成するように、永続的にボンディングされる。永続的なボンドは、たとえば、機械式カプラ、接着剤、熱シールなどを使用することによって達成される可能性がある。
【0055】
熱シール手法に関して、特に、図4aに示したタイプの実施形態の組み立てのために、振動溶接(バイブレーション・ウェルディング)が、熱可塑性材料について特に良好な結果を提供する。
【0056】
振動溶接およびいくつかのその変形は、よく知られている技術である。振動溶接中に、融着される構成部品は、予め指定された接触点において、20,000サイクル/秒(すなわち、20Hz)を超える周波数で振動させられる。強烈な熱が、マイクロ秒で発生して、熱可塑性材料を溶解し、前記接触点で層を溶接する。振動溶接は、他の熱溶接プロセスに比べて好まれる。その理由は、発生する熱が、かなり狭く局在化され、高速に消散し、したがって、精巧な、かつ/または、費用のかかる熱除去システムの必要性をなくすからである。
【0057】
振動溶接は、本発明のフィルタユニットの、矩形の「未被覆(アン・ジャケッティッド)」構成を熱的にボンディングするための好ましい方法である。この構成は、実質的に、一対の端板の間に一体に挿入されたいくつかの矩形フィルタ板(たとえば、図4aに示すタイプの)からなる。一体の矩形フィルタ板は、端板の間で構成され、ボンディングされて、外側ジャケットを使用する必要性、要望、または、利点をなくす。高い寸法的安定性を示す熱可塑性材料(ガラス充填ポリプロピレンまたはポリスルフォン)は、こうした実施形態についての好ましい材料である。「使い捨て性(ディスポーザビリティ)」に関する経済的な考慮事項に関して、ガラス充填熱可塑性材料を使用するという一般的に高いコストは、ジャケットを過剰成形するステップがなくなることと組み合わされると、振動溶接に伴う低コストによって相殺されることが理解されるであろう。
【0058】
得られる「ジャケット無し」フィルタユニットは、ハウジングおよび設置要件を比較的最小にした状態で、垂直か、水平のいずれかの位置で、工業用容積の流体のろ過に使用される可能性がある。一般的な圧縮板、入口、出口、および関連する流量制御部の使用は、おそらく、設置に関して構造上必要とされることの全てであると思われる。
【0059】
(特に、矩形の「ジャケット無し」の垂直または水平フィルタユニットの構成において、)本明細書で想定される構成部品の全てまたは一部を融着するのに役立つ振動溶接の3つの変形は角度溶接、(100Hzまでの周波数と15°までの角度を使用する)、線形溶接(100〜300Hzまでの周波数と0.5〜2.5mmの振幅を使用する)、および、2軸振動運動(80〜250Hzの周波数と0.7mmまでの振幅を使用する)である。
【0060】
放射加熱、接着剤ボンディング、溶剤ボンディング、クランプ、ねじとナット、およびリベット(プラスチックまたは金属)などの機械式手段、あるいは、熱硬化性物質などの硬化可能材料などの、構成部品を共にボンディングする代替の方法が使用されてもよい。
【0061】
示すように、端キャップ24および26は、フィルタ板の積層体の上流端および下流端を密封する。端キャップは、一般に、フィルタ板のポリマーフレーム構造と同じポリマー材料で作られ、1つにまとまった一体構造部品として成形されるか、または、キャストされる、あるいは、組み立てられた部品の集積体である可能性がある。好ましくは、端キャップ24および26は、フィルタユニットの入口40および出口60がそれぞれ、一体に形成されているであろう。
【0062】
フィルタ板20nの積層体を通って直交して通る供給およびろ過ラインの上流端および下流端に栓をするか、または、その他の方法でふさぐために、適切であれば、ポートプラグが使用される可能性がある。たとえば、図6を参照されたい。ポートプラグは、端キャップ24および26の一部として一体に形成されるか、構成の後の方で、端板24および26に隣接するように配置され、それによって、コルクのように、プラグが、供給およびろ過ラインの開口に強制的に入れられる、独立した構成部品として存在する可能性がある。
【0063】
ポートプラグ、端キャップ24および26、ならびに、ポリマーフレーム構造28の材料および構造上の組み立ては、本発明が求める使い捨て性および一体特性を促進する観点から選択されるべきである。これらの目的のために、構造上の、かつ/または、剛性のフィルタユニット構成部品(フィルタ材料以外の全ての構成部品)は、一般に、たとえば、よく知られている射出成形プロセスによって、ポリマー材料から一体構造(すなわち、単一で、均一で、ひとまとまりで、組み立てられていない部品)で形成されるべきである。
【0064】
一般的に適したポリマー材料の例は、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、PTFE樹脂と他のフッ素樹脂、アクリルとメタクリル樹脂と共重合体、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアクリルスルフォン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABSとその合金と混合物、ポリオレフィン(たとえば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、および、超高分子重量ポリエチレンとその共重合体)、ポリプロピレンとその共重合体、および、メタロセン生成ポリオレフィン、ならびに、熱硬化性物質、ゴムとポリウレタンなどの他の硬化可能ポリマー材料、エポキシ、シリコーンなどの合成ゴムなどを含むが、それに限定されない。
【0065】
図6は、本発明による使い捨て一体型フィルタユニット10を示す。使い捨て一体型フィルタユニット10は、端板24および26の間に挿入された複数の円筒フィルタ板20a−nを備える。端板24(シェルに似た構成を有する)および端板26(中実の構成を有する)は、それぞれ、入口40および出口60が一体に形成されている。板の積層体上に過剰成形された外側ジャケット80は、端板24および26のそれぞれの外部縁上に「留まる」。フィルタ板20a−nは、各板内に埋め込まれた深い勾配フィルタパケット35のそれぞれに導かれ、フィルタパケット35から出る、供給チャネル「x」およびろ過チャネル「y」を提供するように、構成され、配列される。供給チャネル「x」は、板を直交して通過するコア供給ラインFDと直接「連通しており」、コア供給ラインFDの最も遠い端の流れは、ポートプラグ84で遮られる。ろ過チャネルは、板を直交して通過するコア供給ラインFTと直接「連通しており」、コア供給ラインFTの上部領域への逆流は、ポートプラグ82によって遮られる。スクリーン材65(約0.020〜約0.040インチ厚の「開口メッシュの」ポリプロピレンスクリーンなど)は、供給チャネル「x」と、ろ過チャネル「y」の両方で使用される。
【0066】
本発明は、本発明のある特定の実施形態を参照して述べられたが、本発明に記載される本発明の教示の利益を得る当業者は、実施形態に対して多くの変更を行う可能性がある。変更は、添付特許請求項に記載される本発明の範囲内に含まれると考えられるべきである。
【符号の説明】
【0067】
10 使い捨て一体型フィルタユニット
20a−n、20、20II フィルタ板
24、26 端板、端キャップ
28、28、28II ポリマーフレーム構造
35、35、35II 深い勾配フィルタパケット
40 入口
50 供給チャネル
52 ろ過チャネル
60 出口
65 スクリーン材
80 オーバモールド(外側ジャケット)
82、84 ポートプラグ
210 供給ポート
214 内向き表面(内壁表面)
216 外向きの表面(外壁表面)
212 ろ過ポート
216、216、216II ろ過ゾーン
210、210、210II 入口ポートゾーン
212、212、212II 出口ポートゾーン
352、354 スクリーン
355、357、359 隣接フィルタ層
FD、FT コア供給ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口および出口を有し、一対の端板の間に挿入された複数のフィルタ板を備える使い捨て一体型フィルタユニットであって、
前記フィルタ板の各々が、ポリマーフレーム構造および該ポリマーフレーム構造内に埋め込まれた深い勾配フィルタパケットを備え、
フィルタ板および端板が実質的に固定された一体型積層体を形成し、前記入口を通して使い捨て一体型フィルタユニットに入る流体は、前記出口を通して該ユニットを出る前に、実質的に同時に、各フィルタ板の深い勾配フィルタパケットを通る、前記使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項2】
深い勾配フィルタパケットが、複数のろ過材層を備え、第1ろ過層の透過率は、前のろ過層の透過率より大きい請求項1に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項3】
深い勾配フィルタパケットが、3層のろ過材を備え、
(a)第1ろ過材層は、セルロースおよびけい藻土で構成され、約1800LMH/psiの透過率を有し、
(b)第2ろ過材層は、セルロースおよびけい藻土で構成され、約300LMH/psiの透過率を有し、
(c)第3ろ過材層は、微小細孔膜であり、約200LMH/psiの透過率を有する請求項2に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項4】
ポリマーフレーム構造は、
(a)一体構造であり、
(b)前記フレーム構造の内部エリアと境界を接する、内向きと外向きの表面を有する、壁を有し、
(c)前記外向き表面内に供給ポート、ろ過ポート、およびろ過ゾーンを提供する請求項1に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項5】
各フィルタ板は、2段埋め込みプロセスによって製造され、前記2段プロセスは、
(a)熱可塑性ポリマーから前記ポリマーフレーム構造の第1部分を形成するステップを含み、前記外側の第1部分は、少なくとも前記ろ過ゾーンを提供し、
(b)前記ろ過ゾーン内に前記深い勾配フィルタパケットを設置するステップと、
(c)前記熱可塑性ポリマーから前記ポリマーフレーム構造の第2部分を形成するステップとを含み、前記第2部分は、前記ポリマーフレーム構造を完成し、前記深い勾配フィルタパケットを所定場所に埋め込む請求項4に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項6】
前記フィルタ板および端板は、熱可塑性物質で形成され、振動溶接によって共に溶接されて、前記実質的に固定の一体型積層体が形成され、前記実質的に固定の一体型積層体は、前記入口から前記出口までが実質的に防水性である請求項5に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項7】
前記フィルタ板の外向き表面を固定して覆い、前記端板を固定して保持する耐久性のある外側ジャケットをさらに備える請求項1に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項8】
入口および出口を有し、実質的に、一対の端板の間に挿入された複数の隣接して融着したフィルタ板からなる使い捨て一体型フィルタユニットであって、
前記フィルタ板の各々が、ポリマーフレーム構造および前記ポリマーフレーム構造内に埋め込まれた深い勾配フィルタパケットを備え、前記熱可塑性フレーム構造は一体構造であり、実質的に矩形であり、ポートを備え、
フィルタ板および端板が、実質的に固定の一体型積層体を形成し、前記入口を通して使い捨て一体型フィルタユニットに入る流体は、前記出口を通して前記ユニットを出る前に、実質的に同時に、各フィルタ板の深い勾配フィルタパケットに出入りするように前記ポートを通過する、前記使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項9】
前記ポリマーフレーム構造は、ガラス充填された熱可塑性材料から形成される請求項8に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項10】
前記ガラス充填熱可塑性材料は、ガラス充填されたポリプロピレンである請求項9に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項11】
前記ガラス充填熱可塑性材料は、ガラス充填されたポリスルフォンである請求項9に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項12】
前記隣接して融着したフィルタ板は、振動溶接によって隣接して融着する請求項8に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項13】
ポリマーフレーム構造は、熱可塑性材で形成される請求項1に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。
【請求項14】
ポリマーフレーム構造は、熱可塑性材で形成される請求項8に記載の使い捨て一体型フィルタユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate

【図3d】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−190031(P2009−190031A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−101558(P2009−101558)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【分割の表示】特願2005−175993(P2005−175993)の分割
【原出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】