説明

使い捨て可能な注入装置

注入装置が提供される。該装置は、第1の開口を画定する第1の端部を有するハウジングを含んでいる。プランジャは、ハウジングの第1の開口内に収容され、第1の位置と第2の位置との間を移動する。カートリッジは、ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有する。送出用針は、ハウジング内に配置され、遮断可能な流路を介してタンクと流体連通状態にある。ロック機構は、ハウジングに配置されている。プランジャの第1の位置において、送出用針は、プランジャにより取り囲まれており、プランジャの第2の位置において、送出用針は、注入位置に置かれ、プランジャは、ロック機構を作動させる。それにより、プランジャが第1の位置に戻ると、ロック機構は、針が注入位置に置かれることを妨げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、患者の皮膚内又はそれを貫通して挿入することで、患者の身体内に治療用製剤を送出する装置に関する。より詳細には、本発明は、自己排出タンクを実装する自動注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象者に薬剤を投与する従来の方法は、皮下注射器を使って注入することによっている。これらの注射器に関連する多くの困難性が、より有益な薬剤送出装置を得る試みに導いてきた。注射器は、通常、血流内に気泡を導入することから起きる塞栓症の危険性、誤った投与、及び注射器の使用後の第三者の偶発的感染のために、患者による自己投与で使用するのには勧められない。いずれにしても、注射器は、子供により、あるいは、多くの高齢の患者により使用されることは不可能であり、注射器の使用は、多かれ少なかれ針恐怖症である多くの人にとって非常に精神的ショックがある。
【0003】
いろいろなタイプの自動注入装置が開発され、薬剤溶液やその他の液状治療製剤が訓練されていない人々により投与されることを可能としてきた。改良された注入装置を提供しようとする中で、多くの発明者等は、これらの装置が誤った用量、すなわち、誤った注射器の充填に関する問題に取り組むのに有用であり得るので、予め充填された注射器又は注射器に使用する予め充填されたアンプルの提供に焦点を当ててきた。さらに、いくつかの注射器は、片手で円滑且つ均一な方法で操作するのが難しい従来の注射器機構に頼るよりはむしろ、注射器本体又はアンプルから薬剤を自動的に送出する吐出手段を提供してきた。
【0004】
一般的に、これらの装置は、使用者により引き金がひかれる、いくつかのタイプ(通常、バネ荷重タイプ)の自動的な針駆動機構を含んでいる。そのような装置の例は、全てステファン、C、ワードロウ(Stephen C. Wardlaw)の特許文献1乃至5に見出される。さらにその他の例が、スミノルフ(Smirnov)等の特許文献6、ミスキンヤー(Miskinyar)の特許文献7、8、ニューマン(Newman)の特許文献9に見出される。針が挿入されたとき、液状の治療製剤の流れを引き起こすために、上述の特許に開示されている装置は、概ね、製造するのに幾分困難である、移動可能なアンプル、ピストンまたはその他の複雑な装置を採用している。
【0005】
他の種類の装置は、患者の皮膚内に液状治療製剤を徐々に注入することが可能な装置を含んでいる。場合によっては、これらの装置は、(高さにおいても、全体的大きさにおいても)十分小さく、液状の治療製剤は、患者に注入され続けられている間、それらの装置は、歩行中の患者により身につけられ得る。この種の装置の例は、エッケンホフ(Eckenhoff)の特許文献10、11、ミラー(Miller)の特許文献12、ソーマ(Thoma)等の特許文献13、シレリ(Cirelli)等の特許文献14、クライセル(Kriesel)等の特許文献15、及びエラン、メディカル、テクノロジ社(Elan Medical Technologies Ltd)の特許文献16、17に開示される装置を含んでいる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,188,950号明細書
【特許文献2】米国特許第4,196,732号明細書
【特許文献3】米国特許第4,258,713号明細書
【特許文献4】米国特許第4,227,528号明細書
【特許文献5】米国特許第4,378,015号明細書
【特許文献6】米国特許第4,214,584号明細書
【特許文献7】米国特許第4,894,054号明細書
【特許文献8】米国特許第5,527,287号明細書
【特許文献9】米国特許第5,616,132号明細書
【特許文献10】米国特許第4,340,048号明細書
【特許文献11】米国特許第4,753,651号明細書
【特許文献12】米国特許第4,734,092号明細書
【特許文献13】米国特許第4,781,688号明細書
【特許文献14】米国特許第4,886,499号明細書
【特許文献15】米国特許第5,656,032号明細書
【特許文献16】国際公開第95/13838号パンフレット
【特許文献17】国際公開第97/21457号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
残念なことに、従来技術に開示される自動注入装置のほとんどは、設計上かなり複雑であり、結果として、所望されるほどには小さく且つ安く作ることができない。一般的に、これらの装置の複雑性は、3つの要因に起因する。1つの要因は、液状治療製剤をタンクから挿入用すなわち注入用針内に強制的に流すために、ポンプ又はその他のタイプの排出機構が必要なことである。別の要因は、液状治療製剤を適当な時に流れ始めるようにするために、あるタイプの弁又は流れ制御機構を必要とすることである。自動的に患者に注入用針を挿入するように設計されているそれらの装置に当てはまる第3の要因は、使用者により引き金がひかれ得る適切な挿入機構を必要とすることである。これらの機能を実行するのに必要とされる構造は、注入装置に大きさ及び複雑さを付加し、注入装置を所望以上に大きくし、製造費もかなり高価になる。
【0008】
したがって、薬剤の予め設定された用量を対象者に送出することが可能であり、(若い患者及び高齢の患者を含む)患者による自己投与で使用するのに適しており、患者が意識して針を皮膚内に挿入する必要がなく、針の再使用を防止するための安全機構を含み、簡単な構造を有する薬剤送出装置の必要性が存在する。さらに、本発明の目的及び利点は、以下の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な実施態様においては、ボーラス注入装置(a bolus injection device)が提供される。該注入装置は、第1の開口を画定する第1の端部を有するハウジングを備えている。プランジャが、該ハウジングの第1の開口内に摺動自在に収容され、第1の位置と第2の位置との間で移動する。該プランジャは、対象者の皮膚と接触するのに適合している底面及び外郭内に延在する突起物を有している。第1の位置において、プランジャは、第1の開口から少なくとも部分的に突出している。弾性部材が、プランジャをその第1の位置に付勢する。カートリッジが、ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有している。該カートリッジは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。送出用針が、ハウジング内に配置されている。該送出用針は、カートリッジがその第1の位置にあるとき、タンクと液体連通状態にはなく、カートリッジが第2の位置にあるとき、タンクと液体連通状態にある。この場合、プランジャは、弾性部材の力に抗してその第2の位置へ移動し、対象者の皮膚に対して送出用針を露出させ、カートリッジの動きをその第1の位置からその第2の位置まで作動させる。
【0010】
本発明の別の実施態様では、自動注入装置が提供される。該装置は、縦軸を有する外郭を備え、該縦軸の両側に第1の開口及び第2の開口を画定している。プランジャが、ハウジングの第1の開口内に摺動自在に収容され、第1の位置と第2の位置との間を移動する。プランジャは、対象者の皮膚と接触するのに適合している底面及び外郭内に延在する突起物を有している。第1の位置において、プランジャは、第1の開口から少なくとも部分的に突出している。弾性部材が、プランジャを第1の位置に付勢している。カートリッジが、ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有している。ボタンが、外郭の第2の開口に配置され、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。該ボタンは、外郭に対して解放可能に固定され、その第1の位置に保持される。針キャリアが、外郭内に配置され、ボタンに結合されている。送出用針が、ボタンに対向する針キャリアに配置される。この場合、プランジャの第2の位置において、脚部がボタンに係合し、ボタンを外郭から解放し、ボタンの第1の位置において、送出用針は、外郭に取り囲まれ、ボタンの第2の位置において、送出用針は、外郭から露出し、タンクと流体連通状態になる。
【0011】
本発明の別の実施態様においては、注入装置が提供される。注入装置は、第1の開口を画定する第1の端部を有するハウジングを備えている。プランジャが、ハウジングの第1の開口内に収容され、第1の位置と第2の位置との間を移動する。カートリッジが、ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有している。送出用針が、ハウジング内に配置され、遮断可能な流体通路を介してタンクと流体連通状態にある。ロック機構がハウジングに配置されている。プランジャの第1の位置において、プランジャは、送出用針を取り囲む。プランジャの第2の位置において、送出用針は、注入位置にあり、プランジャがロック機構を作動させ、それにより、プランジャが第1の位置の戻ると、ロック機構は、針が再度注入位置に置かれることを防止する。
【0012】
好ましい実施態様の構造及び機能はもちろんさらなる目的及び利点が、説明、図面及び例を検討することで明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の上述の特徴及びその他の特徴及び利点が、添付図面に例示されるように、以下の、本発明の好ましい実施態様のより詳細な説明から明らかになるであろう。図において、同様の引用番号は、一般的に、同一の、機能的に同じ、及び/又は、構造的に同じ構成要素を示す。
【0014】
本発明の実施態様が以下に詳細に言及される。実施態様を記載する上において、特有の用語が、明瞭にするために使用されている。しかしながら、本発明は、そのような選択された特有の用語に限定されることを意図していない。本明細書で挙げられた参照文献は全て、各文献が個別に組み込まれたように、参照により組み込まれている。
【0015】
本発明の好ましい実施態様が以下に詳細に言及される。特有の代表的な実施態様が言及されるけれども、これは、例示目的にのみなされていることが理解されるべきである。当業者は、他の構成部品及び構造が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用され得ることを理解するであろう。
【0016】
本発明の代表的な実施態様は、予め充填されたカートリッジから薬剤を自動的に注入するのに適合した薬剤送出装置を提供する。薬剤は、少なくとも1つの送出用カニューレにより、カートリッジから対象者に送出される。カートリッジは、装置のハウジングに配置される。使用に際し、装置の末端部が、皮膚に対して押し付けられる。この動作が、送出用カニューレを皮膚内に挿入すると同時に、薬剤をカートリッジから吐出する手段を起動する。1つの実施態様においては、バネが、カートリッジから送出用カニューレを通って皮膚内に薬剤を強制的に押し込む。薬剤が送出された後、表示器が、注入工程が完了したことを使用者に警告し得る。装置が皮膚から持ち上げられると、安全機構が係合され、送出用カニューレの後々の露出を防止する。次いで、薬剤送出装置は、廃棄され得る。
【0017】
図1は、本発明の代表的実施態様に係る薬剤送出装置10の斜視図を示す。該装置は、第1の開口16を画定する第1の端部14及び第2の開口20を画定する第2の端部18を有するハウジング12を含んでいる。プランジャ22が、ハウジング12の第1の開口16内に収容されている。プランジャ22は、対象者の皮膚と接触するのに適合している底面24を有する。プランジャ22の底面24は、第1の開口16を通って露出されている。プランジャの底面24は、平坦であり、装置が患者の皮膚に取り付けられることを可能とする感圧型粘着剤層を備え得る。装置は、プランジャ22が対象者の皮膚に適用されるときの縦軸A−Aを有する。
【0018】
小瓶すなわちカートリッジ28が、縦軸A−Aに沿ってハウジング12に配置される。カートリッジ28は、薬剤又はその他の液状製剤用タンク46に使える内部を有する。図示されている実施態様においては、カートリッジ28は、ハウジング12の第2の開口20に配置され、ハウジングから突出している。あるいは、カートリッジは、ハウジング内に完全に入っていてもよい。装置の使用に際し、プランジャ22は、対象者の皮膚に対して押し付けられる。このことが、送出用針を対象者の皮膚内に挿入し、薬剤の流れを起動する。カートリッジ28内の薬剤が吐出されると、カートリッジ28は、縦軸に沿ってハウジングの末端方向に移動し、薬剤送出工程の完了を表示する。キャップ30が、ハウジング12の第2の端部18を覆って設けられ、カートリッジ28を保護している。キャップは、透明であってもよく、カートリッジ28の移動が観察され得るスロットを含んでいてもよい。
【0019】
さて、図2、3を参照して、本発明の実施態様を備えるいろいろな構成部品がより詳細に説明される。図2は、分解組立図であり、図3は、断面図である。針キャリア32がハウジング12に配置される。針キャリア32は、ハウジング12内の所定の位置に固定されていることが好ましい。針キャリア32の底部34は、図3に示されるように、ハウジング12の第1の端部14に面している。支柱36が、底部34からハウジング12の第2の端部18に向けて延在している。縦孔38が支柱36を貫通して延在する。縦孔38は、典型的には、装置の縦軸A−Aに沿って配置され、支柱36の一端から他端まで延在している。環状表面40が支柱36を囲んで配置され、支柱36と該環状表面40との間に収容空間が画定される。環状表面40は、ハウジング12の所定位置に針キャリア32を保持するのに適合している。
【0020】
極微針配列、単一針、又は送出用カニューレであり得る送出用針42は、針キャリア32に結合され、縦孔38と流体連通状態にある。送出用針42は、針キャリア32の針用ハブ34に配置されている。針用ハブは、針キャリア32からの円筒状突出体である。針用ハブ42は、該針用ハブ42が使用者の皮膚を突き通すことができる注入位置に置かれるのに適合している。送出用針の長さは、約0.5mm〜約5mmであり得る。皮内注射、皮下注射又は筋肉注射に適している送出用針が用いられ得る。送出用針は、典型的には、皮内注射用には約0.5mm〜2mmの長さ、皮下注射用には約2mm〜3mmの長さ、そして筋肉注射用には約3mm以上の長さを有する。送出用針のゲージは、約30〜約34ゲージであることが好ましい。
【0021】
アクセス針(access needle)44のような導管が、送出用針42と反対側の支柱36の端部80において縦孔38と流体連通状態にある。アクセス針44は、流体通路が送出用針42とアクセス針44との間に確立されるように、縦孔38に順に整列され得る。アクセス針44は、比較的大きいゲージの、例えば、約25ゲージの針であり得る。
【0022】
アクセス針44は、また、カートリッジ28から送出用針42までの薬剤用の流体通路を形成する。上述したように、送出される薬剤は、カートリッジ28のタンク46に蓄えられている。カートリッジ28は、円筒形状であり得、その内部はタンク46を画定している。カートリッジ28は、栓48で密閉される開口端部を有している。リム(a rim)50が開口端部を囲んでカートリッジ28の外側に設けられ得る。カートリッジ28は、ハウジング12の第2の端部18に向かって、ハウジング内の針キャリア32の上に配置される。カートリッジ28は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。第1の位置は、装置の使用前であり、第2の位置は、装置の使用後である。カートリッジ28の位置は、以下により詳細に説明される。
【0023】
カラー(a collar)52がその第1の位置でカートリッジ28を解放可能に保持するように設けられ得る。カラー52の例の詳細な図が図4に示されている。カラー52は、カートリッジ28の外側を覆って嵌合するのに適合している。カラー52は、カートリッジ28を覆ってスナップ嵌合していることが好ましい。ここで、カラー52は、通常、カートリッジ28を受け入れる中心開口を有する円筒形状である。少なくとも1つの保持用ラッチ(retaining latch)54が、カラー52に設けられている。該ラッチ54は、ハウジング12の対応する表面により受け入れられる突出部分56を含んでいる。ラッチ54は、弾性を有することが好ましく、通常、ハウジング12に係合すべくカラー52から外側に向けて付勢されている。それにより、ラッチ54は、カートリッジ28を所定位置に保持している。カラー52には、また、その中心開口の周辺に配置される接触面58が設けられている。接触面58は、カートリッジ28のリム50に支えられており、カートリッジ28の開口端を囲む所定位置にカラー52を嵌め込んでいる。カラー52は、保持用ラッチ54を介してハウジング12にカートリッジ28を解放可能に固定する。カラー52及びカートリッジ28は、上述したように別個の構成部品であってもよいし、不可欠な単一部品として形成されてもよい。図示された実施態様では、カラーは、射出成形ポリマーで形成されている。しかしながら、カラー52は、保持用ラッチに使える3つの突起物を持つ打ち抜きされた金属片として形成されてもよい。
【0024】
カートリッジ28から薬剤を吐出する手段も設けられている。薬剤を吐出する手段は、弾性部材、バネ、又は気体の圧力を含んでもよい。図示された実施態様においては、吐出手段は、バネ60を備えている。バネ60は、以下に詳細に説明されるように、その第1の位置からその第2の位置までカートリッジ28を移動させるのに適合している。図示された実施態様において、バネ60は、カラー52に支えられるか又はカートリッジ28に対して付勢される一方の端部及びハウジング12に支えられる他方の端部を有する。バネ60は、カートリッジ28を取り囲んで同軸的に配置される。カートリッジ28の第1の位置において、バネ60は、図3に示されるように圧縮されている。カートリッジ28は、保持用ラッチ54を介して圧縮されたバネ60の力に抗して第1の位置に保持される。キャップ30が、ハウジング12の第2の端部18を覆って設けられ、カートリッジ28を損傷又は汚染から保護し得る。
【0025】
プランジャ22は、ハウジング12の第1の開口内に摺動可能に収容され、第1の位置と第2の位置との間でハウジング12内外を出入りする。本発明の代表的な実施態様に係るプランジャ22の詳細図が図5に示されている。プランジャ22は、中空で、両端が開放している概ね円筒状をした本体を有する。針キャリア32は、プランジャ22が、図3に示されるように、針キャリア32とハウジング12との間に配置されるように、中空の本体内に収容されている。プランジャ22の底面24は、対象者の皮膚と接触状態になるのに適合している。少なくとも1つの突起物62が、ハウジング12の第2の端部18に向かって、本体からハウジング12内に延びている。針キャリア32には、該突起物62を受け入れ、その移動を許容するためのスロット(不図示)が設けられ得る。突起物62は、留め金64及び作動子68を含んでいる。留め金は、限界面66を有する。限界面66は、ハウジング12と連係し、プランジャ22の第1の位置を画定する。また、針用ハブ34が、以下に詳細に説明されるように、プランジャ22の基端側への移動に対する限界面として作用する。作動子68は、プランジャが押し下げられると、薬剤送出工程を開始するのに使用される。
【0026】
薬剤送出装置には、また、偶発的な針刺し又は針の再使用を防止するためのロック機構(a locking mechanism)が設けられている。ロック機構は、図6に示される連動式安全保護装置70の一部であってもよい。ロック機構は、安全用バネ72を含んでいる。該安全用バネ72は、連動式安全保護装置70の本体74に結合されている。安全用バネ72の一方の端部は、本体74の縁部に取り付けられ、安全用バネ72の他方の端部は、移動可能である。安全用バネ72は、弾性を有し、本体74の中心に向かって弛緩位を有する。指76が、また、本体74に設けられている。該指76は、可撓性を有し、上方に延びている。図6に示されるように、指76は、本体74の縁部でその弛緩位から後方に安全用バネ72を保持し得る。この位置で、プランジャは、その第2の位置へ自由に移動できる。
【0027】
連動式安全保護装置70は、また、弾性部材を含んでいる。弾性部材は、プランジャ22をハウジング12から外側に向けてその第1の位置へ付勢している。図に示される実施態様において、弾性部材は、本体74に結合されている波状座金区分78を備えている。波上座金区分78は、プランジャ22に対して付勢されている。連動式安全保護装置70は、プランジャ22の底部と送出用針42との間のハウジング12に配置されている。プランジャ22がその第1の位置にあるとき、連動式安全保護装置70とプランジャ22の環状面との間と同様に連動式安全保護装置70と送出用針42との間にも空間が設けられる。したがって、連動式安全保護装置70は、本質的に、ハウジング12内で自由に浮かんでいる。位置決めボスがプランジャ22に設けられ、連動式安全保護装置の位置を維持し得る。連動式安全保護装置70の本体74は、送出用針42が通過できる開口を含んでいる。
【0028】
装置が使用される前に、プランジャ22とカートリッジ28の両方は、その第1の位置にあり、ロック機構は、指76で後方に保持されている。図3は、その第1の位置にあるプランジャ22とカートリッジ28を示している。その第1の位置にあるカートリッジ28は、針キャリア32の上に配置され、第2の開口20を貫通してハウジング12の外側に部分的に突出している。バネ60は、圧縮され、カートリッジ28とカラー52を取り囲んで同軸的に配置されている。バネ60の一方の端部は、第2の開口20の周囲を囲むハウジング12の面に支えられている。バネ60の他方の端部は、カラー52に支えられている。カラー52は、保持用ラッチ54を介してその第1の位置の所定位置にカートリッジ28を保持している。
【0029】
カートリッジ28のタンク46は、正確に計測された用量の薬剤が入っている。栓48は、カートリッジ28の開放端部に位置し、薬剤をその中に密閉している。カートリッジ28と針キャリア32は、カートリッジ28が、図3に示されるように、その第1の位置にあるとき、栓48が支柱36の上に配置されるように、縦軸A−Aに沿って一直線上に整列されていることが好ましい。支柱36の端面80と栓48との間に空間が設けられ得る。あるいは、支柱36の端面が栓48に支えられ得る。栓48は、アクセス針44を受け入れるための中心流路を含み得る。仕切り壁84は、アクセス針44が薬剤に到達することを妨げるように流路を閉塞している。該仕切り壁は、図3に示されるように、栓48の上面から差し込まれ得る。カートリッジ28の第1の位置において、アクセス針44は、未だタンク46と流体連通状態にない。アクセス針44は、栓48又は中心流路内に部分的に挿入され得るが、栓48又は仕切り壁を完全に突き抜けてはいない。
【0030】
プランジャ22は、その第1の位置において、ハウジング12の第1の開口から少なくとも部分的に突出している。プランジャ22は、上述したように、その第1の位置にあるとき、送出用針42がハウジング12の外側からアクセスされることを妨げている。波状座金78は、プランジャ22を第1の位置に付勢している。プランジャ22の第1の位置において、限界面66は、ハウジング12の保持面84に接触している。限界面66と保持面84との当接は、波状座金78の力に抗して作用し、ハウジング12からのプランジャ22のさらなる移動を妨げている。より低い限界面66は、波状座金78がプランジャ22をハウジング12から完全に押し出すことを妨げている。保持面84と限界面66とが互に接触する位置は、プランジャ22の第1の位置を画定している。プランジャ22の第1の位置及び連動式安全保護装置70は、波状座金78がプランジャ22に対して付勢されるように、選択される。
【0031】
装置は、プランジャ22及びカートリッジ28がそれぞれの第1の位置にあり、ロック機構が指76で保持されていることで、使用できる状態にある。使用に際し、装置は、使用者の注入箇所に押し付けられる。使用者の皮膚に押し付けられると、プランジャ22は、波状座金78のバネ力に抗して作動し、ハウジング12内に押し込まれる。プランジャ22の突起物62は、ハウジング12内に基端方向に移動する。プランジャは、図7に示されるように、針用ハブ34に対して連動式安全保護装置70を持ち上げる。針用ハブ70が連動式安全保護装置に係合すると、プランジャ22のハウジング12内への移動は、停止される。また、プランジャ22の端部は、プランジャ22がハウジング12内末端方向に移動し、その第2の位置に到達すると、針キャリア32に接触し得る。プランジャ22の厚さ、連動式安全保護装置70の厚さ及び針の全長は、送出用針42が皮膚内に突き刺す深さを決定する。
【0032】
プランジャ22が対象者の皮膚に対して押し付けられると、プランジャ22は、針用ハブ34に対して連動式安全保護装置70を持ち上げる。連動式安全保護装置70は、針用ハブ34に対して圧縮され、針用ハブ34は、ロック機構を作動させる。図示されている実施態様において、指76は、針用ハブ34により押し下げられ、次に、半径方向内側に移動させるべく安全用バネ72を自由にする。安全用バネは、一時的に、内側に完全に移動することを妨げられる。安全用バネ72は、指76を越えて移動し、図7に示されるように、針用ハブ34の側部に一時的に支えられる。
【0033】
図7は、カートリッジ28及びプランジャ22がその第2の位置にある場合の装置を示している。プランジャ22がその第2の位置に到達すると、送出用針42は、注入位置にあり、プランジャ22の底面の開口を介して露出される。装置に対して圧力がかけられることにより、送出用針42は、使用者の皮膚を突き刺す。略同時に、突起物62の作動子68は、カラー52の保持用ラッチ54に係合し、カートリッジ28をハウジング12から解放する。図示されている実施態様において、プランジャ22の突起物62は、基端方向に移動し、作動子68が保持用ラッチ54を半径方向に圧縮する。したがって、ラッチ54は、カートリッジ28の移動を許容するハウジング12の対応する面から解放される。突起物62には、突起物の背面側に係合面65が設けられている。面62は、ハウジング12の当接面に係合し、それがラッチ54に到達するとき、突起物が広がることを妨げる。ハウジングの当接面は、内側に押された突起物62をその状態に維持する。
【0034】
使用者が、皮膚に対して装置を保持し続けると、カラー52に対して反作用する圧縮バネ60によりカートリッジ28の内側で生じる圧力により薬剤が送出用針42を通って注入される。バネ60は、カラー52に対して作用し、ハウジング12の第1の端部14に向けてカートリッジ28を移動させる。支柱36の端面80が、栓48に係合する。支柱36は、カートリッジ28の内部に受け入れられる。したがって、支柱36の端面80は、カートリッジ28の内径より小さい量装置の縦軸を横切って延在する。支柱36を取り囲む収容空間は、支柱36がカートリッジ28の内部に入るとき、カラー52、バネ60及びカートリッジ28を収容できるのに十分大きくあるべきである。
【0035】
バネ60がカートリッジ28を移動させるにつれて、アクセス針44は、栓48の仕切り壁を突き抜け、タンク46及びカートリッジ28の内部と流体連通状態に入る。一度栓48が穴をあけられると、アクセス針44の内腔が薬剤用脱出通路を形成する。支柱36の端面80は、栓48を所定位置に保持する。したがって、栓48は、カートリッジ28がバネ60により駆動されるとき、カートリッジ28とともにそれに沿って移動することが妨げられる。栓48は、ピストンとして作動し、カートリッジ28内に圧力を生じさせる。この圧力が、カートリッジ28内に入っている薬剤をアクセス針44を通って送出用針42内に押し込む。したがって、栓48を覆って押し下げられるカートリッジ28の動作が、使用者に薬剤を注入する。薬剤は、バネ60がハウジング12の第1の端部14に向けてカラー52及びカートリッジ28を押す結果として、栓48がタンク46内に押し上げられると、アクセス針44及び縦孔38により画定される流路を通って送出用針42に押し出される。薬剤がカートリッジ28から残らず出されると、カートリッジ28は、ハウジング12の末端方向に移動する。バネ60は、カラー52又はカートリッジ28が針キャリア32の面によって停止されるまで、あるいは、栓48が、図7に示されるように、カートリッジ28の閉端部に到達するまで、カートリッジ28をハウジング12内に移動させる。
【0036】
一旦注入が完了すると、装置は、対象者の皮膚から持ち上げられる。皮膚からの圧力がなくなると、波状座金78が、プランジャ22をその第1の位置へ末端方向に押戻す。次に、連動式安全保護装置70及びロック機構も、送出用針42から離れて末端方向に移動する。安全用バネ72が針用ハブ34から自由になると、該安全用バネは、図8に示されるように、安全用バネが針用ハブ34に対して末端側で弛緩状態になるまで、半径方向に移動する。この位置で、ロック機構は、プランジャ22がハウジング12内へ移動することを阻止し、プランジャ22は、基端方向へ押し込まれることが不可能となる。したがって、プランジャ22がその第2の位置からその第1の位置へ移動すると、ロック機構が作動し、送出用針42が露出されることを防止し、偶発的な針刺しを防止する。
【0037】
本発明の別の実施態様においては、注入工程が完了するときを表示するために、表示器が設けられる。表示器は、図9に示されるように、ハウジング12の第2の端部18の外側に配置された弾性部材90を備え得る。弾性部材90の一方の端部は、ハウジング12に取り付けられる。弾性部材90の他方の端部は、カートリッジ28が第2の開口20から突出しているその第1の位置にあるとき、カートリッジ28に支えられる。弾性部材90は、ハウジング12の縦軸に向けて弛緩位を有し、カートリッジ28に抗して付勢されている。上述したように、カートリッジ28は、薬剤がカートリッジ28から吐出されると、ハウジング内へ末端方向に移動する。1回分の用量の注入が完了すると、カートリッジ28は、完全にハウジング12内に入る。この時点で弾性部材90は、自由になり、装置の縦軸に向かってその弛緩状態まで移動する。弾性部材90の標識部分92が第2の開口20を覆うように移動し、薬剤の用量の送出が完了したことを表示する。また、装置のためのキャップ30は、薬剤の注入が完了したときを使用者が観察することができるように透明であり得る。
【0038】
図10は、本発明の別の実施態様を示す。この実施態様においては、注入装置は、縦軸B−Bを有する外郭(a shell)96を含んでいる。外郭96は、互に縦軸の両側に配置されている第1の開口98及び第2の開口100を画定している。プランジャ22は、第1の位置と第2の位置との間で移動するように、外郭96の第1の開口98内に摺動可能に収容されている。プランジャ22の第1の位置は、上述した位置と同じである。この実施態様においては、プランジャ22は、装置の縦軸に直交する方向で、第1の位置と第2の位置との間を移動する。
【0039】
ボタン102が、外郭96の第2の開口100に配置されている。ボタン102は、第1の位置と第2の位置との間を移動可能である。ボタン102は、外郭96のその第1の位置に解放可能に固定されている。針キャリア32は、外郭96内に配置され、流路を画定している。針キャリア32は、ボタン102とプランジャ22との間に配置される。ボタン102は、針キャリア32に結合されることが好ましい。送出用針42は、ボタン102と反対側の針キャリア32に配置され、流路と流体連通状態にある。ボタン102、針キャリア32及び送出用針42は、不可欠な単一部品として形成されることが好ましい。連動式安全保護装置70は、送出用針42とプランジャ22との間に配置される。アクセス針44は、流路と流体連通状態にあるように配置される。
【0040】
栓48を有するカートリッジ28は、装置の縦軸に沿って配置され、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。上述したものと同じカラー52とバネ60もまた、外郭内に配置されている。この実施態様において、カートリッジ28は、装置の縦軸に沿って、ボタン及びプランジャ22の移動方向に直交する方向に移動する。カートリッジ28をその第1の位置からその第2の位置へ移動させるために、2つのバネ60が設けられている。この実施態様の構成部品は、装置の異なる形状を収容できるように、上述した装置から若干変更され得る。
【0041】
それらの第1の位置における構成部品の関係は、また、上述した第1の実施態様と同じである。プランジャ22、カートリッジ28及びボタン102がそれぞれの第1の位置にあるとき、装置は使用できる状態にある。第2の実施態様の操作に際し、使用者は、自分の皮膚に対して装置を押し付ける。プランジャ22の底面に設けられた接着剤層が装置を皮膚に接着させる。装置を皮膚に対して押し付けることにより、プランジャ22は、弾性部材の力に抗して移動し、外郭96内へ末端方向に移動する。この動作は、ボタン102を外郭96から解放することで、装置を作動状態にする。ボタン102は、上述した作動部材と同じプランジャ22の作動部材により外郭96から解放され得る。ここでは、作動部材は、ボタン102の解放可能なラッチに係合し、それらを半径方向に圧縮し、ボタン102を外郭96から解放する。この動作が、注入のために装置を作動状態にする。
【0042】
次に、ボタン102が、使用者により押し下げられ、注入工程を開始する。ボタン102が押されると、ボタン102、針キャリア32及び送出用針42が末端方向に移動し、送出用針42を皮膚内に押し込む。ほとんど同時に、ボタン102のその第2の位置への移動が、カートリッジ28を外郭に保持しているラッチを解放し、カートリッジ28がバネ60の圧力下で針キャリア32に対して押し出されることを可能とする。さらに、針用ハブ34及び針キャリア32が連動式安全保護装置70に対して押し付けると、ロック機構が作動し、上述したように安全用バネを自由にし、該安全バネが半径方向に移動することを可能とし、上述したように、針用ハブ34に一時的に支えられる。
【0043】
薬剤が皮膚内に送出されると、カートリッジ28は、縦軸に沿ってその第2の位置へ移動する。一旦、1回分の用量の薬剤の送出が完了すると、装置は、皮膚から取り外される。上述したように、プランジャ22は、波状座金区分からの圧力下で末端方向に移動する。このことは、ロック機構が半径方向に移動し、プランジャ22が送出用針42を再度露出させるべく押し込まれることを阻止することを可能とする。
【0044】
したがって、予めセットされた薬剤の投与量を対象者に送出することができる薬剤送出装置が提供される。この装置は、患者(若い患者及び老齢の患者を含む)による自己投与で使用するのに適しており、患者が皮膚内に針を意識して挿入する必要がない。針の再使用を防止するために、安全機構が提供される。安全機構は、異なる針の長さを収容できるように変更され得る。上述した実施態様において、本体から延びる指72の高さは、異なる針の長さに対して変更され得る。
【0045】
本明細書で示され、説明された実施態様は、発明を作り、使用すべく、当業者に発明者が知っている最もよい方法を教示することのみを意図している。本明細書においては、本発明の範囲を限定するようには何ら考慮されていない。提示された全ての実施例は、代表的なものであって、限定するものではない。本発明の上述した実施態様は、上記教示に鑑みて、当業者により理解されるように、本発明から逸脱することなく改良され、変更され得る。したがって、クレームおよびその均等物の範囲内で、本発明が具体的に説明されたものとは別のやり方で実践され得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の代表的な実施態様に係る送出装置の斜視図である。
【図2】図1の装置の分解組立図である。
【図3】第1の位置にある図1の装置の断面図である。
【図4】本発明の代表的な実施態様に係るカラーの詳細図である。
【図5】本発明の代表的な実施態様に係るプランジャの詳細図である。
【図6】本発明の代表的な実施態様に係る安全連動装置の詳細図である。
【図7】第2の位置にある図1の装置の断面図である。
【図8】発明の代表的実施態様に係る、作動位置にある安全連動装置の詳細図である。
【図9】本発明の代表的実施態様に係る表示器を示す。
【図10】本発明の別の代表的実施態様に係る装置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口を画定している第1の端部を有するハウジングと、
ハウジングの第1の開口内に摺動可能に収容され、第1の位置と第2の位置との間で移動するプランジャであって、対象者の皮膚と接触状態になるのに適合している底面及び外郭内に延びる突起物を有し、第1の位置において、第1の開口から少なくとも部分的に突出しているプランジャと、
その第1の位置にプランジャを付勢している弾性部材と、
ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有するカートリッジであって、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるカートリッジと
ハウジングに配置され、カートリッジが第2の位置にあるときタンクと流体連通状態になる送出用針と、
を備え、
プランジャは、弾性部材の力に抗してその第2の位置へ移動し、対象者の皮膚に対して送出用針を露出させ、その第1の位置からその第2の位置へのカートリッジの移動を始動させることを特徴とするボーラス注入装置。
【請求項2】
ハウジングの内側に固定されている針キャリアをさらに備え、
送出用針は、針キャリアに配置され、ハウジングの第1の開口に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
針キャリアは、底面及び該底面からハウジングの第2の端部に向けて延びる支柱をさらに備え、
支柱は、それを貫通する縦孔を画定していることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
針キャリアの送出用針とは反対側に、縦孔と流体連通状態にある支柱に液路をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
カートリッジは、栓により密閉されている開放端、カートリッジがその第1の位置にあるとき栓内に部分的に延び、カートリッジがその第2の位置にあるとき栓を貫通してタンク内に延びる液路をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
支柱は、栓に対して配置され、該栓を所定位置に保持していることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
薬剤がタンクから吐出されると、カートリッジは、その第1の位置からその第2の位置へ移動することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
支柱は、カートリッジの内部内に収容されるのに適合していることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項9】
ハウジングは、第2の開口を画定している第2の端部をさらに備え、カートリッジは、その第1の位置において、第2の開口から少なくとも部分的に突出し、その第2の位置において、ハウジング内に完全に収容されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
第2の開孔に隣接するハウジングの第2の端部に配置され、カートリッジがその第1の位置にあるときカートリッジに対して弾性的に付勢され、カートリッジがその第2の位置にあるとき第2の開口を覆うように移動するラッチ式表示器をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
カートリッジは、ハウジングに解放可能に固定されているカラーをさらに備え、該カラーに対して付勢されるバネをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
バネは、カートリッジを取り囲んで同軸的に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
その第1の位置にあるカートリッジは、カラーを介してハウジングに解放可能に固定され、バネは、圧縮されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
カラーは、ハウジングに対して通常は付勢されている弾性ラッチをさらに備え、その第1の位置にあるカートリッジを解放可能に固定していることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
プランジャは、ハウジング内に延びる突起物をさらに備え、プランジャの第2の位置において、突起物は、弾性ラッチに係合し、該弾性ラッチを圧縮し、カラーをハウジングから解放し、それにより、バネは、カートリッジをその第2の位置へ付勢していることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
カートリッジを取り囲むハウジングの第2の端部を覆って配置されるキャップをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
ハウジング及びプランジャは、その側部に整列した開口を画定し、穴に取り外し可能に配置されているピンをさらに備え、ハウジングに対して所定位置にプランジャを固定していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
送出用針は、たくさんの極微針を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
送出用針は、指圧により皮膚を突き刺すことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
縦軸を有し、その縦軸の両側に第1の開口と第2の開口を画定している外郭と、
ハウジングの第1の開口内に摺動可能に収容され、第1の位置と第2の位置との間で移動するプランジャであって、対象者の皮膚と接触状態になるのに適合している底面及び外郭内に延びる突起物を有し、第1の位置において、第1の開口から少なくとも部分的に突出するプランジャと、
プランジャを第1の位置に付勢している弾性部材と、
ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有するカートリッジと、
外郭の第2の開口に配置され、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるボタンであって、その第1の位置で外郭に解放可能に固定されているボタンと、
外郭内に配置され、ボタンに結合されている針キャリアと、
針キャリアに結合されている針用ハブと、
針用ハブに配置されている送出用針と、
を備え、
プランジャの第2の位置において、ボタンが外郭から解放され、ボタンの第1の位置において、送出用針が外郭に取り囲まれ、ボタンの第2の位置において、送出用針が外郭から露出され、タンクと流体連通状態にあることを特徴とする自動注入装置。
【請求項21】
薬剤をカートリッジの内部から吐出する手段をさらに備え、その第2の位置にあるボタンは、吐出手段を作動させることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
カートリッジは、外郭の縦軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
カートリッジは、ハウジング内で第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、カートリッジを第1の位置にあるハウジングに解放可能に固定するカラーをさらに備えていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項24】
吐出手段は、カラーに対して付勢されるバネを備えていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
その第2の位置にあるボタンは、カラーに係合し、カラーをハウジングから解放し、バネは、カートリッジを付勢し、その第2の位置へ移動させることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項26】
カラーは、ハウジングに対して通常付勢されている弾性ラッチをさらに備え、カートリッジをその第1の位置に固定することを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項27】
ハウジングは、第2の開口を画定している第2の端部をさらに備え、カートリッジは、その第1の位置において、第2の開口から少なくとも部分的に突出し、その第2の位置において、ハウジング内に完全に収容されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項28】
薬剤がタンクから吐出されると、カートリッジは、その第1の位置からその第2の位置へ移動することを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項29】
プランジャの底面に配置されている感圧接着剤をさらに備えていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項30】
ボタン、針キャリア及び針用ハブは、不可欠な単一部品として形成されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項31】
その第2の位置へ移動するボタンは、注入位置に送出用針を移動させることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項32】
第1の開口を画定している第1の端部を有するハウジングと、
ハウジングの第1の開口内に収容され、第1の位置と第2の位置との間で移動するプランジャと、
ハウジングに配置され、薬剤用タンクに使える内部を有するカートリッジと、
ハウジング内に配置され、遮断可能な流路を介してタンクと流体連通状態にある送出用針と、
ハウジングに配置されるロック機構と、
を備え、
プランジャの第1の位置において、送出用針は、プランジャによって取り囲まれ、プランジャの第2の位置において、送出用針は、注入位置に置かれ、プランジャは、ロック機構を作動させ、それにより、プランジャが第1の位置に戻ると、ロック機構は、針が注入位置に置かれることを阻止することを特徴とする注入装置。
【請求項33】
第1の開口から少なくとも部分的に突出するようにプランジャを付勢する第1の弾性部材を含んでいる連動式安全保護装置をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
ロック機構は、連動式安全保護装置に連結される第2の弾性部材を備え、第2の弾性部材は、第1の開口の中心に向けて弛緩位を有していることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
注入位置において、送出用針は、第1の開口を介して露出されることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項36】
第1の開口から離れて第2の弾性部材を保持するラッチをさらに備え、送出用針が注入位置に置かれることを可能とすることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項37】
送出用針を持つ針用ハブをさらに備え、プランジャの第2の位置において、針用ハブは、ラッチを解放し、第2の弾性部材は、針用ハブの側部に支えられ、一方送出用針は、注入位置にあることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項38】
プランジャが、第1の位置に戻ると、第2の弾性部材は、第1の開口の中心に向かって移動し、送出用針が注入位置に置かれることを妨げることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項39】
プランジャは、対象者の皮膚と接触状態になるのに適合している底面をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項40】
タンクから薬剤を吐出する手段をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項41】
吐出手段は、バネを備えていることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
注入が完了するときを表示する表示器をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項43】
ハウジングに配置される針キャリアをさらに備え、送出用針は、該針キャリアに取り付けられていることを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項44】
針キャリアは、ハウジングに固定されていることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
遮断可能な流路の一部は、針キャリアを貫通する縦孔を備え、送出用針は、該孔の一方の端部に配置されていることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項46】
孔の他方の端部に配置されているアクセス針をさらに備えていることを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
第1の開口を画定する第1の端部を有するハウジングと、
ハウジングの第1の開口内に収容され、第1の位置と第2の位置との間を移動するプランジャと、
流体を投与又は引き出す針と、
ハウジングに配置されるロック機構と、
を備え、
プランジャの第1の位置において、針は、プランジャにより取り囲まれており、プランジャの第2の位置において、針は、露出位置におかれ、プランジャは、ロック機構を作動させ、それにより、プランジャが第1の位置に戻ると、ロック機構は、針が露出位置に置かれることを妨げることを特徴とする医療装置。
【請求項48】
第1の開口から少なくとも部分的に突出させるべく、プランジャを付勢する第1の弾性部材を含む連動式安全保護装置をさらに備えていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項49】
ロック機構は、連動式安全保護装置に連結される第2の弾性部材を備え、該第2の弾性部材は、第1の開孔の中心に向かって弛緩位を有することを特徴とする請求項48に記載の装置。
【請求項50】
露出位置において、針は、第1の開口を通って露出されていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項51】
第1の開口から離れて第2の弾性部材を保持するラッチをさらに備え、針が露出位置に置かれることを可能とすることを特徴とする請求項49に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−515207(P2006−515207A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500815(P2006−500815)
【出願日】平成16年1月7日(2004.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/000287
【国際公開番号】WO2004/062715
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】