説明

使い捨て可能及び再利用可能な要素を含む光センサ

【課題】本開示の実施形態は、使い捨て可能な構成部材及び再利用可能な構成部材を含む非侵襲式光センサ又はプローブを提供する。
【解決手段】使い捨て可能な構成部材及び再利用可能な構成部材の組み立ては、その分解と共に簡単である。測定位置に対する適用中、組み立てられたセンサは、有利に共に固定され、構成部材は有利に適正に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、米国法典第35編119条(e)に基づく2005年11月29日出願の「Optical Sensor Including Disposable and Reusable Elements」という名称の米国特許仮出願60/740,541号の優先権の利益を主張する。本出願は、参照によって本願明細書に前述の開示内容を援用する。
【0002】
関連出願の参照
本出願はまた、2003年1月24日出願で、2005年7月19日公開の「Optical Sensor Including Disposable and Reusable Elements」という名称の米国特許第6,920,345号に関する。本出願もまた、参照によって本願明細書に前述の開示内容を援用する。
【0003】
本開示は、体組織によって減衰される光の検出を可能にする非侵襲(noninvasive)式光センサに関する。更に具体的に言えば、本開示は、そのようなセンサの再利用可能且つ使い捨て可能な構成要素(components)の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0004】
低血中酸素の早期検出は、患者の監視、フィットネス業界、在宅医療などをはじめとする広範囲の用途において重要である。中でも血液の酸素状態を観察して測定するために、非侵襲式酸素測定法が開発された。パルス式酸素測定法、すなわち、非侵襲式の酸素測定法で広範囲に用いられる形態は、患者の血中酸素飽和度などの種々の生理学的変数を表す信号を出力するために、患者に外部から取り付けられたセンサに頼っている。
【0005】
パルス酸素濃度計センサは、一般に、特定の波長を発するLEDなどの1つ又は複数のエネルギー放射デバイスと、1つ又は複数のエネルギー検出デバイスと、を含む。センサは一般に、使い捨て可能なテープ、再利用可能なハウジング、プラスチック又は面ファスナ式ストラップなどの取り付け機構を用いて、患者の手指、耳、足首などの測定位置に取り付けられる。取り付け機構は、測定位置付近に放射体及び検出器を位置決めし、放射体がエネルギーを測定位置の血管及び毛細血管に放射し、血管及び毛細血管が、エネルギーを減衰させる。続いて、検出器は、その減衰されたエネルギーを検出する。検出器は、検出された減衰エネルギーを表す、少なくとも1つの信号で、酸素濃度計などの信号処理デバイスへ通信する。酸素濃度計は一般に、中でも、測定位置の1つ又は複数の生理学的変数を計算する。
【0006】
非侵襲式酸素測定法センサは、使い捨て可能、再利用可能、又は、そのいくつかの組み合わせであってもよい。再利用可能なセンサは、すぐれたコスト節約という利点を提供する。しかし、再利用可能なセンサは、手指又は足指などの患者の測定位置が更に大きなサイズの分布を有する場合であっても、限定された数のサイズに利用可能であることが多い。したがって、再利用可能なセンサは、各患者の測定位置に容易に適合しないことがある。他方、使い捨て可能なセンサは、測定領域に対するすぐれた適合性を提供する。しかし、使い捨て可能なセンサは一般に、比較的高価なセンサ構成部材の限られた利用に起因するため、よりコストがかかり、反復用途の場合には、他の方法で間に合う可能性がある。
【0007】
再利用可能なセンサ、及び、使い捨て可能なセンサの欠点に直面して、製造業者は、複数の中間的な立場のセンサを設計しはじめており、例えば、いくつかの製造業者は、使い捨て可能な放射体部分に結合する再利用可能な検出器部分を提供する。一回の使用後には、使い捨て可能な放射体部分は、再利用可能な検出器部分から取り外されて廃棄される。この設計は、高価な電子構成部材のいくつかを再利用するが、その他の部分は依然として廃棄されることは明白である。
【0008】
中間的な立場のセンサの別の実施例としては、再利用可能な「Y」型センサが挙げられ、再利用可能な放射体部分は、「Y」の一方の分岐に接続され、再利用可能な検出器部分は、他方の分岐に接続される。使い捨て可能なテープは、測定位置における2つの分岐に位置決めされる。この設計において、電子部品は、再利用可能であるが、複数の配線は、特に移動する患者に適切に取り付けることが多少困難である傾向がある。
【0009】
中間的な立場のセンサの別の実施例としては、使い捨て可能なサンドイッチテープが挙げられ、放射体部分及び検出器部分を収容する再利用可能なフレキシブル回路が、接着層の間に「挟まれる」。このような使い捨て可能なサンドイッチテープの分離は、厄介な可能性がある。中間的な立場のセンサの更に別の実施例において、本出願の譲受人が、使い捨て可能なテープに嵌め込まれた、再利用可能なフレキシブル回路を開示している。その開示の実施形態において、フレキシブル回路における小さなペグが、使い捨て可能なテープの機械的に嵌合する要素に嵌め込まれる。溝が、再利用な可能な部分と使い捨て可能な部分との間のある程度の長手方向のずれを可能にし、それによって、半径方向の取り付け要件における差を考慮するために、構成部材間のある程度の自己調整を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、前述部分において記載したような進歩があるとしても、商業的に実現可能、且つ、簡単、且つ、中間的な立場解決策の需要が引き続きあり、高価な電子構成部材の利用可能性を提供すると同時に、使い捨て可能な取り付けの利点のいくつかを維持する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本開示の実施形態の一態様は、再利用可能な構成部材及び使い捨て可能な構成部材を有するセンサを提供することである。実施形態において、センサは、使い捨て可能な構成部材と再利用可能な構成部材とが接続された場合に分離する可能性を低減し、又は、体にきわめて近く位置させることができる、固締特徴部を提供するように構成された、使い捨て可能な構成部材を有利に含む。実施形態において、固締機構は、長手方向のずれに対して有利であり、センサの再利用可能な部分及び使い捨て可能な部分は、測定位置(手指など)の周囲を湾曲した場合、係合する。使い捨て可能な部分からの再利用可能な部分の分離は、センサが患者から取り外され、ずれが逆転されるまで、有利に複雑である。
【0012】
この開示の実施形態のさらなる態様は、再利用可能なセンサ構成部材の先端が、スロット又はガイドの中で平坦に着座する前に、使い捨て可能な部分の前部ハウジング構成部材の中で角度方向に摺動することである。スロット又はガイドは、実施形態において防流体接点又は少なくとも耐流体接点を有利に提供するゴムストップを含む。
【0013】
さらなる実施形態において、メモリデバイス又は情報素子が、使い捨て可能なハウジングの一部として提供される。電気接点は、メモリデバイスと再利用可能な構成部材との間に構成され、例えば、使い捨て可能なハウジングにおいて品質制御を確保し、センサのタイプ、患者のタイプ、取り付け機構又は取り付け位置のタイプに関する情報、センサの動作特性、製品製作履歴又は販売履歴、代理店の履歴、使用量、同一物又は類似物の組み合わせに関する情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】開示の実施形態による、センサ、及び、監視機器を含む酸素濃度計システムの例示のブロック図を示している。
【図2】開示の実施形態による、センサの再利用可能な構成部材、及び、使い捨て可能な構成部材が分離された、図1のセンサの斜視図を示している。
【図3A】開示の実施形態による、構成部材が組み立て/分解位置で接続された図2のセンサの斜視図を示している。
【図3B】開示の実施形態による、構成部材が組み立て/分解位置で接続された図2のセンサの斜視図を示している。
【図4】開示の実施形態による、構成部材が取り付け位置にある図2のセンサの斜視側面図を示している。
【図5A】開示の実施形態による、再利用可能な構成部材の検出器ケーシング、又は、ハウジングの上部斜視図である。
【図5B】開示の実施形態による、再利用可能な構成部材の検出器ケーシング、又は、ハウジングの下部斜視図である。
【図6A】開示の実施形態による、再利用可能な構成部材の放射体ケーシング、又は、ハウジングの上部斜視図である。
【図6B】開示の実施形態による、再利用可能な構成部材の放射体ケーシング、又は、ハウジングの下部斜視図である。
【図7】開示の実施形態による、使い捨て可能な構成部材の前保持式クリップの斜視図を示しており、クリップは、図5の検出器ケーシングと機械的に嵌合できる。
【図8】開示の実施形態による、使い捨て可能な構成部材の組み立て/分解クリップの斜視図を示しており、クリップは、図6の放射体ケーシングと機械的に嵌合できる。
【図9】開示の実施形態による、図7〜図8の前保持式クリップ及び組み立て/分解クリップを含む、使い捨て可能な構成部材の上部平面図を示している。
【図10A】開示の実施形態による、使い捨て可能な構成部材の分解立体図を示している。
【図10B】開示の実施形態による、再利用可能な構成部材の分解立体図を示している。
【図11】従来のセンサの構成部材の配置の上部平面図及び側面図を示している。
【図12】開示の実施形態による、構成部材の配置の上部平面図及び側面図を示している。
【図13】開示の実施形態による、使い捨て可能なセンサの上から下への平面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
開示を要約するために、開示の一定の態様、利点及び新規な特徴が、本願明細書に記載されている。当然のことながら、そのような態様、利点又は特徴のすべてが、開示の任意の特定の実施形態においてすべて具体化される必要はないことは、理解されるべきである。
【0016】
以下の図面及び関連する説明は、本開示の実施形態を説明するために提供され、請求項の範囲を限定するわけではない。
【0017】
本開示の実施形態は、再利用可能な構成部材、及び、使い捨て可能な構成部材を有するセンサである。再利用可能な構成部材は一般に、例えば、放射体及び検出器を含むセンサの再利用可能な高価な電子構成部材を含む。実施形態において、放射体及び検出器は、短いフレキシブル回路によって接続されるそれぞれのケーシング(casing)に配置される。実施形態において、使い捨て可能な構成部材は、再利用可能な構成部材のケーシングと機械的に嵌合するように適合された、機械的に嵌合可能な部分を含む。実施形態において、再利用可能な構成部材のケーシングは、組み立て/分解状態及び取り付け状態を提供する態様で、使い捨て可能な構成部材と嵌合する。組み立て/分解状態中、介護者は、再利用可能な構成部材のケーシング及び使い捨て可能な構成部材の機械的なハウジングを位置合わせし、それらを共に嵌め込むことによって、容易且つ簡単にセンサを組み立てることができる。実施形態において、位置合わせは、本質的に略垂直方向であり、嵌め込みは、平面の上又は下から支持されている間に、例えば、組立者の手によって構成部材の上で軽く押されることによって行われる。各検出器ハウジングは、略垂直方向にケーシングを受け入れる。しかし、ケーシングの1つ、例えば、前方ハウジング又はクリップなどは、前方ケーシングを略不動に維持するように、ケーシングを受け入れる。
【0018】
分解は、介護者が再利用可能な構成部材ワイヤで有利に持ち上げて、後部ケーシングが使い捨て可能な要素の機械的に嵌合されたハウジングから引き出される場合と、略同程度に簡単である。次に、連続的な持ち上げは同様に、使い捨て可能な要素の機械的に嵌合されたハウジングから前部ケーシングを引き出す。実施形態において、再利用可能なワイヤの持ち上げから生じる複数の分解応力又は力に耐えるようにするために、前部ケーシングと後部ケーシングとの間のフレキシブル回路は、補強されてもよい。実施形態において、平面の上に使い捨て可能な部分を押し付けると同時に、再利用可能な部分を持ち上げることは、分解プロセスを支援する。
【0019】
使い捨て可能な部分は、センサを測定位置に取り付けるように設計された構造を含む。実施形態において、使い捨て可能な部分は、測定位置に取り外し可能に固着されることができる接着剤側を有するフレキシブルテープを含む。使い捨て可能な部分が測定位置の周囲に巻き付けられる実施形態において、フレキシブル回路を曲げる行為は、組み立て/分解クリップが、使い捨て可能なハウジングの機械的に嵌合される位置で嵌合するよう有利に作用し、これによって、測定位置への適用中に分解する可能性を削減する。実施形態において、センサ構成部材は、使い捨て可能なハウジングに対するクリップの長手方向のずれによって共に固締される。このような実施形態において、ストップは、垂直に移動するクリップの能力を低減し、これによって、所定の位置に固締する。この実施形態において、測定位置から接着剤を除去して、センサ構成部材をまっすぐにすることにより、再利用可能な構成部材及び使い捨て可能な構成部材を開放する。
【0020】
実施形態において、組み立てはまた、必然的に、使い捨て可能な部分の電子構成部材を再利用可能な部分の電子構成部材と電気的に接続する。実施形態において、そのとき、使い捨て可能な部分は、例えば、抵抗器などの情報素子又はメモリデバイス、Dallas
Semiconductorから市販されているEPROM又はEEPROMなどの単線アドレス指定可能なメモリデバイス、他のメモリ又は処理デバイス、同一物又は類似物の組み合わせなどを含む。情報素子は、取り付けられた患者のモニタによってアクセス可能なデータを含み、品質制御、モニタ構造、センサを用いた監視、同一物又は類似物の組み合わせによって実現されてもよい。
【0021】
本開示の実施形態の更に他の利点としては、放射体と検出器との間の光学的位置合わせを提供するために、機械的に嵌合されるハウジングの比例的な位置決めが挙げられる。更に、使い捨て可能なテープを含む実施形態において、介護者が測定位置で体組織との適切な位置合わせすることを支援するために、テープには有利に、印が付けられてもよい。
【0022】
開示の完全な理解を促進するために、詳細な説明の残りは、図面を参照して開示を記載する。対応する部分は、対応する要素を示し、先頭の数字は、要素が最初に現れる図を示す。
【0023】
[一般的な設計]
【0024】
図1は、本発明の実施形態によれば、酸素濃度計センサで一般的に見られる構成部材の例示のブロック図を示している。例えば、図1は、センサ102、ケーブル170、及び、モニタ172を含む酸素濃度計システム100として示されている。センサ102は、光によって体組織を放射するための1つ又は複数の放射体174と、組織による減衰後の光を検出することができる1つ又は複数の検出器176と、を含む。センサ102はまた、EPROMなどの情報素子136を含む。センサ102はまた、信号を通信する複数の導線、例えば、放射体駆動信号導線180、検出器複合信号導線182及びEPROM導線184を含む。実施形態によれば、センサ導線180、182、184は、ケーブル170を介してそれらの信号を、モニタ172と通信する。
【0025】
ケーブル170を参照して開示されたが、センサ106との通信は有利に、種々のケーブル、ケーブル設計、公衆又は私設の通信網、又は、計算システム、有線、又は、ワイヤレス通信、同一物、又は、類似物の組み合わせを含みうることは、当業者は、本願明細書の開示から認識するであろう。
【0026】
情報素子136は、EPROM、EEPROM、同一物、又は、類似物の組み合わせを含みうる。一般に、情報素子136は、読み出し専用デバイス、又は、読み出し及び書き込みデバイスを含みうる。情報素子はまた、抵抗器、アクティブネットワーク、又は、前述の任意の組み合わせを、有利に含みうる。本開示の残りは、開示を簡単にするために、単なる情報素子としての可能性を示す。
【0027】
情報素子136は、種々のデータ、及び、情報のいくつか又はすべて、例えば、センサ104のタイプ又は動作、患者又は体組織のタイプ、購入者又は製造業者の情報、放射可能な波長の数、放射体の仕様、放射体駆動の要件、復調データ、計算モードデータ、較正データ、スクリプト、実行可能なコードなどのソフトウェア、センサ電子素子、センサ構成部材のいくつか又はすべてが期限切れで交換すべきかどうかを示すセンサの寿命データ、暗号化情報又はモニタ又はアルゴリズム更新命令又はデータなどに関する情報などを、有利に格納しうる。情報素子136は、前述の情報のいくつか又はすべてに基づき、モニタ、モニタアルゴリズム、モニタの機能性などを有利に構成又は作動させうる。例えば、情報素子136で認証されたデータがアクセス可能でない場合には、品質制御関数が、モニタの機能性を抑制しうる。同様に、特定のデータは、一定の機能を作動させると同時に、他の機能を不能にしうる。例えば、データは、利用可能な複数の放射体波長を表してもよく、これらの波長は、監視又は計算されることができる生理学的な変数の数及び/又はタイプを表しうる。
【0028】
図1はまた、モニタ172が1つ又は複数のホスト機器188と通信する、1つ又は複数の処理基板186を備えることを示している。実施形態によれば、基板186は、専用の監視装置における設置、又は、種々の患者監視装置用のOEM構成部材としての分散が可能な、1つ又は複数のプリント回路基板上に配置される処理回路を含む。図1に示されているように、基板186は、フロントエンド信号調整器190、センサコントローラ194、ディジタル信号プロセッサ又はマイクロコントローラ192及びメモリリーダ1102を含む。実施形態において、プロセッサ192は、センサコントローラ194に放射体174を作動させることができる、1つ又は複数の駆動信号を出力するように命令する。フロントエンド190は、測定位置の体組織によって減衰された放射体174からの光の検出を表す、検出器出力を受信する。フロントエンド190は、信号を調整して、信号及び/又は信号データをプロセッサ192に出力する。プロセッサ192は、値及び/又は示度又は生理学的変数、変数の傾向、変数又は傾向に基づく警告又は変数、及び/又は、傾向の組み合わせなどを決定するように適合される計算を実行する。更に、リーダ1102は、情報素子136で格納される情報を検索することができる。リーダ1102又はプロセッサ192は、そのような情報を所望の程度に有利に復号化してもよい。
【0029】
実施形態において、ホスト機器188は、プロセッサ192と通信し、プロセッサ192によって計算された、生理学的変数情報を表す信号を受信する。ホスト機器は、好ましくは、測定位置で組織の計算された生理学的変数を代表する表示を提供することができる、1つ又は複数のディスプレイデバイス196を含む。そのようなディスプレイデバイス196は、プロセッサ192からの信号を受け入れるモニタコントローラ198によって制御されてもよい。実施形態において、モニタコントローラ198は、また、ユーザインターフェイス1100からの信号を受け入れてもよい。このような信号は、ディスプレイ196に出力を構成するための種々のディスプレイオプションを表してもよい。実施形態において、ホスト機器188は、1つ又は複数の脈拍数、体積変動記録器データ、灌流品質、信号又は測定の品質、組織における血液濃度の値、例えば、SpCO、機能性又は分画(functional or fractional)SpO2などの体組織におけ
る血液濃度の値を、有利に表示することができうる。他の実施形態において、ホスト機器188は、1つ又は複数のSpMet、HbO2、Hb、HbCO、HbMet、Hct
、血糖、ビリルビンの値を表示することができる。更に別の実施形態において、ホスト機器188は、1つ又は複数の前述の測定データ又は決定されたデータに関するデータの傾向を表示することができる。更に、データの多くの表示オプションが利用可能であることは、当業者は、本願明細書の開示から認識するであろう。
【0030】
実施形態において、ホスト機器188は、1つ又は複数の生理学的変数が、所定の安全な閾値に及ばないことを介護者に警告し、介護者が表示されたデータに有するべき信頼性の表示を含みうる音声又は視覚による警告を含む。さらなる実施形態において、ホスト機器188は、例えば、再利用可能な要素、使い捨て可能な要素、又は、同一物の組み合わせをはじめとするセンサ102の構成部材の期限切れ、又は、超過使用を決定することができる回路を有利に含みうる。
【0031】
特定の実施形態が参照して開示されたが、当業者は、機器172のさまざまな変形を、本願明細書の開示から認識するであろう。例えば、広い意味で、機器172は、センサ102からデータを受け入れ、1つ又は複数の変数、傾向、警告などに関する値を決定し、ディスプレイなどのインターフェイスにそれらを出力する。
【0032】
[センサ構造]
【0033】
図2は、再利用可能な構成部材204、及び、使い捨て可能な構成部材206を有する、センサ102の実施形態を示している。構成部材は、分離された状態で示されている。図3は、きわめて類似の斜視図を示しているが、再利用可能な構成部材204、及び、使い捨て可能な構成部材206は、取り付けられて組み立てられた状態である。図2に戻ると、再利用可能な構成部材204は、放射体ケーシング208、検出器ケーシング210及びフレキシブル回路212を備える。放射体ケーシング208は、赤色光及び赤外光などの複数の波長で光を発することができる、1つ又は複数の放射デバイスを備える。検出器ケーシング210は、フォトダイオード検出器などの、1つ又は複数の検出器を収容する。実施形態において、フレキシブル回路は、放射体ケーシング208と検出器ケーシング210とを接続する。好ましい実施形態において、フレキシブル回路は、保護カバーの中に収容され、放射体ケーシング208を越えて延在する。放射体電子構成部材及び検出器電子構成部材は、開示されたケーシング又は前述の開示から単に逆転したケーシングに有利に収容されうることは、当業者は、本願明細書の開示から理解するであろう。実施形態において、フレキシブル回路212及び/又はケーブル配線は、ケーシングを著しく越えて延在し、組織位置の付近から任意のケーブル取り付け機構を有利に取り除く。
【0034】
図2はまた、基部214、組み立て/分解クリップ216、及び、前保持式クリップ218を含む、使い捨て可能な構成部材206を示しており、各クリップは、放射体ケーシング208、及び、検出器ケーシング210を、それぞれ受け入れるように適合される。好ましい実施形態において、前保持式クリップ218は、前ストップ(front stop)220を含む。前ストップ220は、複数の理由から好都合である。前ストップは、再利用可能な構成部材102及び特に検出器ケーシング210が、組み立て中又は使用中に前保持式クリップ218の中で前方に摺動する可能性を、低減するのに役立つ。更に、ストップ220がゴム又は他の耐液体材料を含む実施形態において、ストップ220は、検出器ケーシング210と前保持式クリップ218との間の耐液体接続を提供し、センサの汚れ及び電気的な短絡の可能性を低減する。ゴム又は類似の材料は、そのような前ストップ220を構成する実施形態において用いられてもよい。
【0035】
図3Aは、前ストップ220の一部の下に摺動するケーシングの先端によって、前保持式クリップ218につかまれるか、又は、嵌めこまれる検出器ケーシング210を示している。これにより、前ストップ220が検出器ケーシング210の水平移動を削減することを可能にするのみならず、例えば、ケーブルから引き出されない限り、検出器ケーシングの垂直方向の開放の削減にも役立つ。図3はまた、たとえあるとしても少数の鋭角を有する、比較的柔らかい材料を提供する略丸い形状を備えた前ストップ220を示している。そのような実施形態は有利に、患者が組み立てられたセンサの縁を用いて、体組織を傷つけようとした場合、又は、着用している間にセンサが落下して何かに当たった場合などに、患者又はセンサに対する損傷を有利に削減する。これは、やけどの被害者又は肌を容易に損傷する恐れのある他の患者に用いられる場合に特に有用である。
【0036】
図3Bは、組み立ての容易さを強調している。使い捨て可能な部分206は、表面に固定されるか、又は、一方の手に保持される。介護者は、次に、ケーシング210の前先端に位置合わせし、それを前保持式クリップ218に案内する。これは更に、ストップ220の下に嵌め込んでいる前先端との垂直方向の位置合わせである。丸いウィング531(図5)を含むケーシング210は、丸い側壁739(図7)と機械的に関連付ける。これらの機械的構造により、ケーシング210の先端は、ストップ220の下に摺動して、所定の場所に嵌め込むことを可能にする。一旦、ケーシング210が所定の場所に配置されると、ケーシング208は、組み立て/分解クリップ216のいずれの側でもスロット222(図8)に摺動して位置決めされるタブ262(図6)を用いて、垂直に整列し、簡単に摺動する。実施形態において、ケーシング208と210との間のフレキシブル回路部分212は、わずかに隆起していてもよい。
【0037】
図3Bは、組み立て/分解クリップ216の中に摺動された後の放射体ケーシング208を示している。略平坦な位置にある再利用可能なセンサ構成部材204、及び、使い捨て可能なセンサ構成部材206によって、放射体ケーシング208は、組み立て/分解クリップ216のスロット222において、依然として垂直に移動可能な状態にある。センサ102が手指などの測定位置426の周囲に巻き付けられるとき、図4に示されているように、放射体ケーシング208は、前保持式クリップ218において実質的に不動であるフレキシブル回路212及び検出器ケーシング210の張力に起因して、組み立て/分解クリップ216において前方向に摺動する。タブ262(図6)は、スロット222(図8)から離れて保持要素224(図8)の下に摺動する。保持要素224は、タブ262を制限することによって、放射体ケーシング208を垂直に、又は、更に前方に移動しないようにする。前掲のように、測定位置426の周囲に巻き付けられるときのフレキシブル回路212からの張力は、放射体ケーシング208が水平後方に移動しないようにする。スロット222との位置合わせから摺動するタブ262と組み合わせたケーシング210が不動であることは、検出器に対する放射体の適切な位置によって、使い捨て可能な構成部材206に対して再利用可能なセンサ構成部材204を効果的に確保する。したがって、張力の開放による再位置合わせ、すなわち、取り付け位置からセンサを開放してまっすぐにすることは、センサ構成部材の簡単な分解を確保する。タブ262及びスロット222を用いることが示されているが、センサが組織位置に適用されるときの確実な取り付け可能性、及び、センサが取り外される場合の簡単な組み立て/分解を確保する種々の機械的な機構を、当業者は本願明細書の開示から認識するであろう。例えば、キャッチを越えて近い位置で嵌め込まれ、つまみによって開放される1つ又は複数の移動止めは、再利用可能な部分104を使い捨て可能な部分106に固定するために、用いることが可能である。
【0038】
既に示唆したように、図4は、測定位置426における使用時に見えるようにセンサ102を示している。この場合には、測定位置は、手指であるが、足指、耳、手首又は足首などの他の位置でもまた、機能しうる。使い捨て可能な構成部材206、及び、再利用可能な構成部材204が、取り付けられており、再利用可能な構成部材204が、組み立てられて取り付け位置にある。テープと回路との間の異なる半径からのフレキシブル回路212における長手方向の張力は、放射体ケーシング208を前方に引っ張り、保持要素224の下にタブ262に配置する。図4は、実施形態において、非取り付け位置(図3B)にある場合には、放射体ケーシング208は、組み立て/分解クリップ216に対して後方にあるが、取り付け位置(図4)にある場合には、放射体ケーシング208の前部は前方にあり、実施形態において、組み立て/分解クリップ216と略同一平面であることを示している。
【0039】
図5A〜図5Bは、検出器ケーシング210の実施形態の詳細な上部斜視図及び下部斜視図を示している。電気接点アクセプタ528は、検出器ケーシング210の両側に差し込み口として示されている。実施形態において、電気接点アクセプタ528は、検出器ケーシング210の両側に位置付けられ、フレキシブル回路212におけるワイヤに接続されることになる導電材料を含む。検出器ケーシング210の両側にあるボタン530は、好ましい実施形態において、前保持式クリップ218(図7参照)に見られる窪み738に着座するように適合される略半球の突出部である。
【0040】
図7は、より小さな図では簡単に見えない詳細を再び示すために、前保持式クリップ218の実施形態の詳細な斜視図を示している。前センサクリップ218の大部分は、プラスチック又は何か他の剛性材料から構成されてもよいが、好ましい実施形態は、記載したように、ゴムから構成される前ストップ220を有する。開口部732もまた、ここに示され、前保持式クリップ218を通る孔であってもよく、又は単に略透明な材料であってもよく、LEDからの光が測定位置にある組織に入射可能であり、光エネルギーをフォトダイオードによって読出し可能であるようになっていてもよい。透明材料である窓732を有することによって、LED及びフォトダイオードが汚れされないようにすると同時に、センサの読み取りを可能にする。また、他の光学フィルタなどを、窓732の中に収容することも可能である。
【0041】
前ストップ220の内側に、導電プロング734が位置付けられる。導電プロング734は、電気接点アクセプタ528に差し込むように適合される。実施形態において、導電プロング734は、情報素子136を有する回路を閉鎖する。検出器ケーシング210が、前保持式クリップ218につかまれるとき、導電プロング734は、アクセプタ528との電気接点の中に摺動する。完成した回路は、センサ102及び引いては酸素濃度計を情報素子136と通信可能にする。窪み738は、前保持式クリップ218の内部に位置付けられる。窪み738は好ましくは、ボタン530とサイズが類似の略半球の窪みであり、ボタン530を受け入れ、前保持式クリップ218に対して実質的に不動の位置に検出器ケーシング210を保持するようになっている。したがって、簡単なスナップ式摩擦嵌め(snap−in snap−out friction fit)が、ボタン520及び窪み738を用いて実現される。
【0042】
図6A〜図6Bは、放射体ケーシング208の詳細な上部斜視図及び下部斜視図を示している。後部ペグ660は、放射体ケーシング208の両側に位置付けられる。タブ262が組み立て/分解クリップ216のスロット222を摺動するときに、後部位置合わせペグ660は、組み立て/分解クリップ216の後側に摺動する。一旦、放射体ケーシング208が組み立て/分解クリップ216において後部ストップ840に当たることによって固締位置に摺動されると、後部ペグ660は、前方位置のさらなる制限、及び、構造的な支持完全性を提供する(図8参照)。
【0043】
図8は、好ましい実施形態による、組み立て/分解クリップ216の詳細な斜視図を示している。記載したように、放射体ケーシング208は、スロット222を通過するタブ262によって、組み立て/分解クリップ216の中を組み立て/分解クリップ216の背後の後部ペグ660まで摺動する。放射体ケーシング208がユーザに対する適用による引っ張りに起因して前方に摺動されるとき、タブ262は、一般に、保持要素224に当接することによって、過剰な前方移動又は任意の垂直移動を制限する。後部ペグ660はまた、一般に、後部ストップ840に当接する。組み立て/分解クリップ216はまた、前保持式クリップ218の窓732に実質的に類似である窓842を有する。
【0044】
図9は、使い捨て可能なセンサ素子の上から下の図を示している。図9に示されているように、組み立て/分解クリップ216及びスロット222は、タブ262及び放射体ケーシング208の垂直挿入を可能にする。更に、図9は、組み立て/分解クリップ216及び前保持式クリップ218における窓842及び732をそれぞれ示している。図9はまた、窓944及び946も示している。窓944、946は、基部214に含まれる。開口部732、842と同様に、窓944、946は、基部214を通る孔であってもよく、自由な光透過を可能にする材料であってもよい。窓944、946は一般に、開口部732及び842と位置合わせされて、センサの放射体及び検出器に関して測定位置への光学的アクセスを提供する。図9はまた、前保持式クリップ218の内部に接点プロング734を示している。接点プロング734は、再利用可能なセンサ構成部材204を情報素子136に接続し、センサの製造業者などに関連する情報を格納するためなど、種々に利用されうる。
【0045】
[製作]
【0046】
図10Aは、使い捨て可能なセンサ構成部材206の実施形態の分解立体図を示している。図10Aに示されているように、使い捨て可能なセンサ構成部材206は、複数の層を含む。例えば、使い捨て可能なセンサ構成部材206は、基部テープ1038を含む。この基部テープ1038は好ましくは、厚さ約0.001インチの透明なポリエチレンである。そのような材料は、Avery Dennison Medical(7100 Lindsey Dr.,Mentor,OH,44060)から製品番号3044などの種々の供給業者から購入されることができる。本願明細書の全寸法の詳述と同様に、特定の層の寸法は、種々の設計の必要又は需要に応じて有利に再設計されてもよく、層は、本開示の範囲から逸脱することなく、追加又は組み合わせられてもよいことは、当業者は、本願明細書の開示から認識するであろう。
【0047】
第2の層は、テープ又はウェブ層1040を含む。この層は好ましくは、これも厚さ約0.001インチの白いポリプロピレンである。この材料の1つの潜在的な供給業者は、Scapa North America(540 North Oak Street, Inglewood, CA,90302)であり、具体的に言えば、製品番号P−341である。テープ層1040はまた、センサ放射体から発散される光エネルギーをこの層を経て、測定位置426まで通過させることを可能にし、光を検出器まで通過させることも可能にする窓1054を有する。窓1054は、孔、透明な材料、光学フィルタなどであってもよい。好ましい実施形態において、基部テープ1038は、窓1054を有していない。基部テープ1038は好ましくは、上述のように略透明である。これにより、光をセンサからテープを通過することを可能にすると同時に、センサ構成部材の汚れも一般に低減する。使い捨て可能な構成部材206はまた、クリップ218及び組み立て/分解クリップ216を含む。実施形態において、情報素子136は、クリップ218の中の凹部又はスロットに属し、好ましくは接着剤及び/又は機械的構造によって所定の場所に固着される。実施形態において、ポリエステルフィルム層1042は、クリップ216、218を所定の場所に挟む。実施形態において、ポリエステルフィルム層1042は一般に、透明であり、厚さ約0.003インチである。ポリエステルフィルム層1042はまた、スロット1044を含み、組み立て/分解クリップ216及び前保持式クリップ218の垂直要素がそこから突出することを可能にし、ポリエステルフィルム層1042が組み立て/分解クリップ216及び前保持式クリップ218の基部に対して、相対的に平坦に着座することを可能にする。前ストップ220は、前保持式クリップ218の垂直要素にその間にあるポリエステルフィルム層1042によって接続されてもよい。
【0048】
使い捨て可能な部分204はまた、光遮断層1046、好ましくは厚さ約0.002インチの金属化ポリプロピレンから構成される。これは、例えば、Bioflex(商標)RX48Pとして入手可能な市販製品である。光遮断層1046は、組み立て/分解クリップ216及び前保持式クリップ218を受け入れるように適合される且つトアウト1048を有する。光遮断層1046は、任意の周辺光エネルギーの測定位置への浸透を防止し(光遮断)、放射体からの非減衰光の取得(光パイピング)を行うことによって、正確な読み取りの確率を増大する。光遮断層1046の上には、これもカットアウト1048を有する不透明なブランディング(branding)層1047がある。このブランディング層は、製造業者のロゴ、機器又は他のマークを有利に含みうる。使い捨て可能なセンサ構成部材206はまた、面テープ1050を含む。この面テープ1050は好ましくは、厚さ約0.003インチの透明フィルムであり、3M(製品番号1527ENP)(所在地St.Paul,MN,55144)などの企業から一般に入手されうる。面テープ1050は、組み立て/分解クリップ216及び前保持式クリップ218を受け入れるように適合されるカットアウト1052を有する。
【0049】
[さらなる利点]
【0050】
図11は、センサ位置決めに関連する問題を強調した、使い捨て可能なセンサを示している。一般に、図11のセンサが適用された場合、介護者の例えば手指又は足指は、放射体と検出器との間の中心部分を分割する。これは、図示されているように、光学位置合わせが、わずかに、又は、著しくずれる可能性がある位置に放射体174及び検出器176を配置することとなり、理想的ではない。
【0051】
図12は、折り目(scoring)線1258を含む使い捨て可能な構成部材206の実施形態を示している。折り目線1258は、測定位置426にセンサの迅速、且つ、適正な配置を支援するために、特に好都合である。折り目線1258は、測定位置として、体の一部を用いた少なくともいくつかの実施形態において、手指の爪又は足指の爪の先端と一直線に並べられる。図12はまた、窓944、946の間の距離が意図的に中心からずれている使い捨て可能な構成部材206を示している。例えば、実施形態において、クリップ216及び218は、中心位置から約40%〜60%で分割されて、センサ構成部材を位置決めする。折り目線1258は、好ましくは、窓946と折り目線1258との間の距離として、窓946から窓944への距離の約40%の分割を、印し付ける。これにより、折り目線1258と窓944との間の距離は、2つの窓944、946の間の距離の約60%を維持したままとなる。
【0052】
折り目線1258は好ましくは、爪の先端と一直線に並べる。約40%の距離は、略平坦な構造に示されている図など、測定位置426の頂上に着座する。折り目線1258から窓944までの距離の残る約60%は、測定位置426の先端の周囲で曲げられ、測定位置の下側に置かれる。これは、窓944、946及び引いては検出器176及び放射体174を測定位置426にわたって、光学的に位置合わせを可能にする。折り目線1258は、前述の開示したセンサより測定位置426にセンサを配置する際に迅速、且つ、更に通常は正確なガイドを提供することを支援する。40%〜60%の分割線を参照して開示したが、中心からずれた位置決めは、約35%〜約65%分割線から約45%〜約55%分割線までの範囲を有利に含みうる。更に好ましい実施形態において、折り目線1258に対する窓944は、窓944と窓946との間の総距離の約37.5%と約42.5%の間の距離を含む。最も好ましい実施形態において、図12に示されているように、窓944と折り目線1258との距離は、窓944と窓946との間の総距離の約40%であろう。このような態様では、一般に、40%〜60%の分割線によって、放射体及び検出器は、一般に、測定位置を通る最適の放射及びエネルギーの検出のために位置合わせされる。
【0053】
図13は、この開示において記載された、特徴の多くを含む使い捨て可能なセンサを示している。本願明細書の開示に基づき、当業者は、本開示の範囲を逸脱することなく、使い捨て可能なセンサを形成するために構成部材を有利に調整してもよい。
【0054】
センサは好ましい実施形態を参照して本願明細書に開示されるが、開示は、それによって限定することを意図していない。正確に言えば、センサに関する多数の代替品を当業者は本願明細書の開示から認識するであろう。例えば、放射体及び検出器の位置は、本願明細書に記載したものとは対向するハウジングにあってもよい。組み立て/分解クリップ及びセンサクリップは、それらが挟むケーシングに関して逆転することも可能である。その上、他の組み合わせ、省略、代用及び改変は、本願明細書の開示に照らして、当業者には明白となるであろう。したがって、本開示は、好ましい実施形態によって限定することを意図するのではなく、添付の特許請求の範囲を参照することによって定義されることを意図する。
【0055】
その上、本願明細書のすべての文献、特許及び特許出願は、各個別の文献、特許又は特許出願が具体的、且つ、個別に参照によって援用されることを表したのと同程度に、本願明細書に参照によって援用されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再利用可能部分と使い捨て可能部分とを有し、体組織の1つ又は複数の生理学的特性を決定するために使用可能である、体組織によって減衰された光を表す信号を出力する、非侵襲式の光センサであって、
前記光センサは、
少なくとも1つのエネルギー放射体と、体組織によって減衰されたエネルギーを検出することができ、前記体組織の1つ又は複数の生理学的特性を決定するために使用可能である信号を出力することができる検出器と、を含み、前記少なくとも1つのエネルギー放射体は第1のケーシングに収容され、前記検出器は第2のケーシングに収容され、前記第1及び第2のケーシングは、弾性コネクタによって接続される、再利用可能な構成部材と、
前記第1のケーシングと機械的に嵌合可能な第1のクリップと、前記第2のケーシングと機械的に嵌合可能な第2のクリップと、を含み、前記第1及び第2のクリップの少なくとも一方は、前記適切なケーシングに対して実質的に固定されて機械的に嵌合し、前記第1及び第2のクリップの他方は、前記適切なケーシングに対して垂直方向及び水平方向に自由な形で機械的に嵌合し、前記体組織に対する前記使い捨て可能な構成部材の適用は、少なくとも略垂直に固定するために、垂直方向及び水平方向に自由な形で嵌合まで移動する、使い捨て可能な構成部材と、
を備える光センサ。
【請求項2】
前記体組織からの前記使い捨て可能な構成部材の除去は、略垂直に固定された嵌合を垂直及び水平に自由な形に戻すように移動することによって、前記使い捨て可能な構成部材及び前記除去可能な構成部材の簡単な分離を可能とする、請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記使い捨て可能な構成部材は、情報素子を含み、前記再利用可能な構成部材及び前記使い捨て可能な構成部材の組み立ては、前記情報素子と前記再利用可能な要素の導線との間の電気接続を形成する、請求項1に記載の光センサ。
【請求項4】
前記使い捨て可能な構成部材は、前記第1及び第2のケーシングを、中心から前記第1及び第2のケーシングの一方までの距離が、前記距離の約35%〜約45%の範囲となるように中心からずれて位置決めする、請求項1に記載の光センサ。
【請求項5】
前記使い捨て可能な構成部材は、前記第1及び第2のケーシングを、中心から前記第1及び第2のケーシングの一方までの距離が、前記距離の約65%〜約55%の範囲となるように中心からずれて位置決めする、請求項1に記載の光センサ。
【請求項6】
非侵襲式光センサの再利用可能な要素であって、
前記再利用可能な要素は、
少なくとも1つのエネルギー放射体と、
体組織によって減衰されるエネルギーを検出することができ、前記体組織の1つ又は複数の生理学的特性を決定するために使用可能な信号を出力することができる検出器と、
前記少なくとも1つのエネルギー放射体及び前記検出器の一方を収容する第1のケーシングであって、前記使い捨て可能な取り付け部の組み立て時に、適切な使い捨て可能な取り付け部におけるスロットの内部に垂直に摺動し、前記体組織に対する取り付け中に前記使い捨て可能な取り付け部の溝に沿って水平方向に摺動可能とすることによって、前記使い捨て可能な取り付け部に対して前記第1のケーシングを略垂直に固定する、複数のタブを含む、前記第1のケーシングと、
前記少なくとも1つのエネルギー放射体及び前記検出器の他方を収容する第2のケーシングであって、前記使い捨て可能な取り付け部における電気構成部材と電気的に通信可能な電気接点を含み、組み立て時に、前記使い捨て可能な取り付け部に対して前記第2のケーシングを実質的に固定することが可能な複数の機械的構造を含む、前記第2のケーシングと、
前記第1のケーシングを前記第2のケーシングに接続する補強された弾性コネクタと、
を備える、再利用可能な要素。
【請求項7】
非侵襲式光センサの使い捨て可能な要素であって、
前記使い捨て可能な要素は、
前記非侵襲式光センサの再利用可能な構成部材の第1の電子素子の第1のハウジングを受け入れることが可能な第1の容器であって、組み立て時に前記第1のハウジングのタブを垂直に収容し、体組織に適用する場合、前記タブを水平に収容するための垂直及び水平なスロットを備える、前記第1の容器と、
再利用可能な構成部材の第2の電子素子の第2のハウジングを受け入れることが可能な第2の容器であって、前記第1及び第2の電子素子の少なくとも一方は、体組織によって減衰された光を検出することが可能な検出器を含み、前記第2の容器は、電気接点と流体保護材料とを含む前ストップとを備え、前記再利用可能な構成部材が前記使い捨て可能な要素と共に組み立てた場合、前記電気接点は、前記前ストップによって流体汚れから少なくとも部分的に保護される、前記第2の容器と、
前記電気接点に電気的に接続される情報素子と、
を備える、使い捨て可能な要素。
【請求項8】
前記使い捨て可能な要素は、折り目が付けられている、請求項7に記載の使い捨て可能な要素。
【請求項9】
非侵襲式光センサを組み立てる方法であって、
前記方法は、
電子素子のためのハウジングを含む、再利用可能部を提供し、
第1のハウジングを略垂直に収容し、収容時には、使い捨て可能部に対して前記第1のハウジングを実質的に固定し、第2のハウジングを略垂直に収容する、前記ハウジングを収容するための複数のクリップを含む、前記使い捨て可能部を提供し、
前記再利用可能部の導体と前記使い捨て可能部の情報素子との電気接点を形成するために、前記使い捨て可能部の前記クリップの1つに、前記第1のハウジングを嵌め込み、
組み立てられた非侵襲式光センサを形成するために、前記第2のハウジングを前記使い捨て可能部の前記クリップのもう1つのクリップに摺動する、
ことを含む、方法。
【請求項10】
前記組み立てられたセンサを測定位置に取り付けることを更に含む、請求項9に記載の方法。


【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【公開番号】特開2012−157748(P2012−157748A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120877(P2012−120877)
【出願日】平成24年5月28日(2012.5.28)
【分割の表示】特願2008−543525(P2008−543525)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(503426972)マシモ コーポレイション (14)
【Fターム(参考)】