説明

使い捨て音響結合媒体容器

いかなる数の特徴も含むことができる、医療用撮像および治療装置が提供される。装置の1つの特徴は、装置が超音波治療変換器を患者に音響的に結合することができることである。いくつかの実施形態では、医療用撮像および治療装置は、BPHの治療のために超音波治療変換器を患者に音響的に結合するために、患者の会陰領域の生態構造と一致するように構成される。医療用撮像および治療装置は、たとえば組織破砕術、砕石術、およびHIFUなど、治療用途に用いることができる。この医療用撮像および治療装置に関連する方法もまた、包含される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、米国特許法第119条に基づき、2009年8月17日出願の「使い捨て音響結合媒体容器(Disposable Acoustic Coupling Medium Container)」という名称の米国仮特許出願61/234,559号の優先権を主張する。この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本明細書において述べられる特許および特許出願を含むすべての公報は、それぞれの個別の公報が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に指示されるのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[0003]本発明は、一般に、超音波装置を患者に音響的に結合することに関する。より詳細には、本発明は、組織を治療するために、超音波治療装置を患者に音響的に結合することに関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]組織破砕術および砕石術は、体外からのパルス超音波を体内の標的組織に集束させる、非侵襲的な組織切除方式である。組織破砕術は、微小気泡のキャビテーションによって組織に機械的に損傷を与え、砕石術は通常、尿結石を音響衝撃波で崩壊させるために用いられる。
【0005】
[0005]組織破砕術は、外科的または他の治療手順の一部として、標的組織体積または組織包埋物を音響キャビテーションにより機械的に分裂させることである。組織破砕術は、周期的なキャビテーション事象の空間的な広がりを制御する、すべての音響および変換器走査パラメータがかなり狭い範囲内にあるときに、最も良好に作用する。いかなるパラメータにおける小さい変化も、進行中の工程の中断をもたらす可能性がある。
【0006】
[0006]組織破砕術には、大きい表面積に集束される変換器を必要とする、ピーク強度の高い音響パルスが必要となる。これらの変換器は、砕石術に用いられる変換器と非常に似ていることが多く、同じ周波数帯域で動作することが多い。主な違いは、装置が電気的に駆動されるやり方である。
【0007】
[0007]組織破砕術のパルスは、正弦波駆動電圧の(一般に)少数の周波で構成されるが、砕石術は、変換器がその固有周波数で応答する、(最も一般的には)単一の高圧パルスで駆動される。砕石術のパルスは1周波のみであるが、その負圧相の長さは組織破砕術のパルスの長さ全体と同じかそれより長く、数十マイクロ秒続く。この負圧相により、泡の発生および連続的な成長が可能になり、最大1mmの泡がもたらされる。砕石術のパルスは、組織の損傷を生じるために、衝撃波およびこれらの1mmの泡により生み出される、機械的応力を用いる。
【0008】
[0008]それに比べて、組織破砕術のパルスのそれぞれの負および正の周波は、泡を成長および崩壊させ、次の周波は、同じ工程を繰り返す。泡の最大寸法は、ほぼ数十から数百ミクロンになる。これらのミクロン寸法の泡は、組織の表面と相互作用して、組織に機械的に損傷を与える。
【0009】
[0009]さらに、組織破砕術は、毎秒数百から数千のパルス、すなわち100〜1000Hzのパルス繰り返し周波数を送達する。砕石術は、狭い範囲のパルス繰り返し周波数(一般に0.5〜1Hz)内でのみ良好に作用する。パルス繰り返し周波数が10〜100Hzまで増大されると、砕石術の効果および効率性が大幅に低減されることが、研究により示されている。効率性の低下は、衝撃波および他のエネルギーが石に到達することを、多数のミリメートル寸法の泡が妨害することによる可能性が高い。
【0010】
[00010]組織破砕術の変換器は、変換器からある距離に位置する焦点を有し、そこで泡のキャビテーションクラウドが形成される。患者内の組織を非侵襲的に治療するために、変換器は、キャビテーションの焦点を標的組織上に配置するように患者の皮膚から離して位置決めされなければならない。こうして、変換器が患者の皮膚から離して位置決めされる場合、組織破砕術の超音波変換器のパルス超音波は、超音波変換器および皮膚表面と密接に接触する水性結合媒体によって運ばれなければならない。
【0011】
[00011]治療超音波のための音響結合の従来の1つの解決法として、治療台に配置される水槽が挙げられる。治療中に患者は、身体を水槽中に浸して横たわる。この結合の解決法は、専用の検査台を必要とし、多用途でなく運搬不可能なので、面倒であり、かつ高価である。さらにこの解決法は、高価で不潔となる可能性がある大きい体積の音響結合媒体(通常脱気水)を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[00012]すなわち、組織破砕術および砕石術など超音波治療用途において使用するための、安価、最小、かつ多用途の音響結合装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[00013]一実施形態では、患者の前立腺を治療する方法は、超音波プローブを用いて前立腺を撮像することと、患者の会陰を覆って音響媒体容器を配置することと、前立腺の標的部分の機械的分裂を生じるために、音響媒体容器を介して超音波治療を適用することとを含む。
【0014】
[00014]一実施形態では、前立腺は、前立腺を撮像するために超音波プローブを患者の直腸内に挿入することにより、撮像することができる。いくつかの実施形態では、超音波プローブは、超音波プローブと患者の直腸との間に液体封止障壁をもたらすように、直腸シース内へと挿入される。
【0015】
[00015]いくつかの実施形態では、この方法は、音響媒体容器を、脱気水など音響結合媒体で少なくとも部分的に充填することを含む。いくつかの実施形態では、音響結合媒体は、患者の皮膚に直接接触する。他の実施形態では、音響結合媒体は、患者の皮膚に直接接触しない。
【0016】
[00016]他の実施形態では、この方法は、接着剤を用いて音響媒体容器を患者に固定することをさらに含む。他の実施形態では、この方法は、帯を用いて音響媒体容器を患者に固定することを含む。音響媒体容器は、容器と患者の皮膚との間に液体封止部を形成するように、患者に固定することができる。
【0017】
[00017]適用するステップは、音響媒体容器に結合された超音波治療変換器を用いて、超音波治療を適用することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、患者を治療するために組織破砕術を適用することを含む。他の実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、前立腺の標的部分内にキャビテーション泡を形成することを含む。さらなる実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、およそ50KHzから5MHzの間の周波数で動作する音響パルスを適用することを含み、この音響パルスは、およそ8〜25MPaのピーク負圧および10MPaより大きいピーク正圧を有するパルス強度、50周波より短いパルス長、およそ0.1%から5%の間のデューティーサイクル、ならびに5KHz未満のパルス繰り返し周波数を有する。
【0018】
[00018]さらなる実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、患者を治療するために砕石術またはHIFUを適用することを含む。
[00019]いくつかの実施形態では、この方法は、音響媒体容器が圧縮されるときに、音響結合媒体の体積を音響媒体容器から遠隔リザーバ内へと排出することと、音響媒体容器が拡張させられるときに、音響結合媒体の体積を遠隔リザーバから音響媒体容器内へと注入することとをさらに含む。
【0019】
[00020]別の実施形態では、患者の皮膚と一致し患者の皮膚に対する液体封止部を形成するように構成されたフレームと、患者の皮膚と直接接触する音響結合媒体を保持するように構成されたリザーバ部分と、音響結合媒体と音響通信する超音波変換器とを備え、フレームに対する超音波変換器の運動が、超音波変換器と音響結合媒体との間の音響通信を維持する、超音波治療装置が提供される。
【0020】
[00021]いくつかの実施形態では、超音波治療装置は、患者の前立腺を撮像するように構成された直腸撮像プローブをさらに備える。一実施形態では、リザーバ部分は、直腸撮像プローブを受け入れるように構成されたシースを備える。
【0021】
[00022]一実施形態では、フレームは、男性患者の会陰を取り囲む生体構造と一致するように、寸法決めおよび形状付けされる。
[00023]超音波治療装置のいくつかの実施形態では、リザーバ部分は、柔軟である。他の実施形態では、リザーバ部分は、透明である。別の実施形態では、リザーバ部分は、音響結合媒体を空気に露出するように開放されている。
【0022】
[00024]いくつかの実施形態では、超音波変換器は、リザーバ部分に結合され、超音波治療を、会陰を通して患者の前立腺へと向けるように構成される。
[00025]一実施形態では、超音波治療装置は、患者の陰嚢を会陰から離して保持するように構成された吊り紐をさらに備える。
【0023】
[00026]一実施形態では、超音波変換器は、音響結合媒体内に浸される。
[00027]別の実施形態では、リザーバ部分は、音響結合媒体を収容するように患者の皮膚に対して封止される。
【0024】
[00028]多くの実施形態では、音響結合媒体は、脱気水を含む。他の実施形態では、音響結合媒体は、音響ゲルを含む。
[00029]超音波治療装置のいくつかの実施形態では、フレームは、接着剤を用いて患者に固定される。他の実施形態では、フレームは、帯を用いて患者に固定される。別の実施形態では、フレームは、着用可能な衣服を含む。着用可能な衣服は、たとえば、患者の腰付近および患者の脚部付近に、患者の皮膚に対する液体封止部を形成することができる。あるいは、着用可能な衣服は、患者の会陰の周りに、患者の皮膚に対する液体封止部を形成することができる。
【0025】
[00030]いくつかの実施形態では、超音波治療装置は、リザーバ部分が圧縮されるときにリザーバ部分から音響結合媒体を受け入れ、リザーバ部分が拡張させられるときに音響結合媒体をリザーバ部分に送達するように構成された、遠隔リザーバをさらに備える。
【0026】
[00031]いくつかの実施形態では、超音波変換器は、組織破砕パルスを患者の前立腺に送達するように構成される。別の実施形態では、超音波変換器は、患者の前立腺内にキャビテーション泡を形成するように構成される。さらに別の実施形態では、超音波変換器は、およそ50KHzから5MHzの間の周波数で動作する音響パルスを送達するように構成され、この音響パルスは、およそ8〜25MPaのピーク負圧および10MPaより大きいピーク正圧を有するパルス強度、50周波より短いパルス長、およそ0.1%から5%の間のデューティーサイクル、ならびに5KHz未満のパルス繰り返し周波数を有する。
【0027】
[00032]患者の鼠径部の両側と一致するように寸法決めおよび構成された第1のおよび第2の部分を備え、患者の皮膚に対する液体封止部を形成するように構成されたフレームと、フレームに結合され、超音波変換器を患者の会陰および前立腺を覆って位置決めし運動させることを可能にするように構成されたリザーバ部分とを備える、超音波結合容器も提供される。
【0028】
[00033]いくつかの実施形態では、超音波結合容器は、リザーバ部分に結合された直腸シースをさらに備える。
[00034]別の実施形態では、超音波結合容器は、超音波変換器を受け入れるように構成され、リザーバ部分に結合されたレセプタクルをさらに備える。
【0029】
[00035]いくつかの実施形態では、リザーバ部分は、柔軟である。
[00036]他の実施形態では、フレームは、第1の部分と第2の部分とを連結させる第3の部分を備え、この第3の部分は、直腸下方の患者の皮膚と一致するように構成される。
【0030】
[00037]いくつかの実施形態では、超音波結合容器は、患者の陰嚢を会陰から離して保持するように構成された吊り紐をさらに備える。
[00038]別の実施形態では、フレームは、患者によって着用されるように構成された、着用可能な衣服に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】[00039]超音波結合容器の一実施形態を示す図である。
【図2】[00040]患者に取り付けられた超音波結合容器の一実施形態を示す図である。
【図3】[00041]超音波結合容器の別の実施形態を示す図である。
【図4】[00042]患者に取り付けられた超音波結合容器の一実施形態を示す図である。
【図5】[00043]患者によって着用される衣服の形の、超音波結合容器の一実施形態を示す図である。
【図6】[00044]超音波結合容器の一実施形態を示す分解図である。
【図7】[00045]図5の超音波結合容器を示す追加の図である。
【図8】図5の超音波結合容器を示す追加の図である。
【図9】[00046]遠隔リザーバを有する超音波結合容器の一実施形態を示す図である。
【図10】遠隔リザーバを有する超音波結合容器の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[00047]超音波技術は、組織の撮像に加えて、組織を治療および破壊するために使用されるようになってきている。組織を機械的に解体および破壊するキャビテーション微小気泡を組織内に形成するために超音波パルスが用いられる、組織破砕術など医療用途では、治療変換器の運動をすべての方向で可能にしながら、超音波治療変換器を患者に音響的に結合する必要がある。男性の生体構造により、超音波エネルギーを送達するための会陰を通る小さい音響窓しか設けられない場合、組織破砕術をBPHおよび前立腺癌の治療のために適用する際に、特定の課題が生じる。本発明は、超音波治療変換器を患者に音響的に結合するための、超音波結合装置のいくつかの実施形態を記載する。詳細には、本発明は、BPHおよび前立腺癌を含むがそれらに限定されない様々な病状を治療するための、組織破砕術、砕石術、およびHIFUにおいて用いられるものなど、超音波治療変換器の音響結合を提供する。
【0033】
[00048]図1を参照すると、フレーム102および柔軟なリザーバ部分104を備える、超音波結合容器100が示されている。超音波結合容器100は、変換器と治療を受けている標的組織との間の音響通信を維持しながら、治療中の患者に対する超音波治療変換器の運動を可能にするように、超音波治療変換器を患者に音響的に結合するように構成される。
【0034】
[00049]フレーム102は、患者の皮膚と一致し(換言すれば、患者の皮膚に沿って)患者の皮膚に対する液体封止をもたらすように構成された、柔軟な材料を備える。フレームはまた、フレームと皮膚の間の界面の液体封止を改善するために、たとえば発泡材料または別の適合材料103を備えることもできる。引き続き図1を参照すると、フレーム102は、治療開口114を画成するように、横方向に対向する第1のフレーム部分106および第2のフレーム部分108、ならびに縦方向に対向する第3のフレーム部分110および第4のフレーム部分112を備えることができる。フレーム102は、患者の皮膚に対する液体封止部を形成するために超音波結合容器のフレームを患者の皮膚に固定することを助けるための、スリット116を通る帯(strap)またはベルト(図示せず)ならびに/あるいは接着剤を組み込むことができる。
【0035】
[00050]図1に示すように、リザーバ部分104は、フレーム102に取り付けることができ、フレームおよび開口114から外向きに延びることができる。リザーバ部分は、治療開口114を覆って超音波治療変換器を保持および位置決めするように構成された、変換器レセプタクル(receptacle)118を備えることができる。リザーバ部分は、可撓性の柔軟な材料を備えることができ、かつ、設置および治療中に、治療開口114を覆って超音波治療変換器を位置決めし運動させることを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバ部分104は、柔軟な透明のプラスチックを備える。透明のプラスチック構造は、患者および超音波媒体容器の内容物を直接目視することを容易にし、操作者による設置および治療手順全体を通した監視を助けることができる。図1に示す実施形態では、リザーバ部分104は、たとえば脱気水など音響結合媒体をリザーバ部分に充填するために用いることができる、開口部121を備える。フレーム102は、開いた開口114を画成するので、音響結合媒体は、リザーバ部分104が満たされたときに患者の皮膚に直接接触することが可能になる。
【0036】
[00051]リザーバ部分104が柔軟な性質を有することにより、変換器レセプタクル118、すなわちその中に挿入される超音波変換器を、患者およびフレームに対して動かすことが可能になる。治療焦点を標的組織と位置合せするように、標的組織に対する治療変換器の相対位置を調整しなければならない組織破砕術など治療用途では、変換器と患者との間の音響通信を維持しながら治療変換器を動かすことができることが必要である。すなわち、図1において、リザーバ部分に音響結合媒体が充填され、(たとえば治療変換器の位置調整中に)リザーバ部分が圧縮されるとき、リザーバ部分の体積変化に応答して、音響結合媒体が開口部121からあふれ出ることを可能にすることができる。
【0037】
[00052]リザーバ部分104はさらに、直腸超音波撮像プローブ(図示せず)を患者に音響的に結合するための、シース120を備えることができる。シースは、コンドームと同様、柔軟かつ液体不透過性とすることができる。この「コンドーム」様のシース120は、直腸超音波撮像プローブを超音波結合容器に結合するための液体封止障壁をもたらすことができ、かつ、泌尿器経直腸撮像において通常行われるように、直腸超音波撮像プローブを患者の直腸内に挿入するための保護障壁として作用することもできる。
【0038】
[00053]次に図2を参照すると、超音波結合容器200が、男性患者上に配置されて示される。図2に示すように、フレーム202は、第1のフレーム部分206および第2のフレーム部分208が患者の鼠径部の両側と一致するよう寸法決めおよび構成されるように、患者上に位置決めすることができる。第3のフレーム部分210は、直腸下方の患者の皮膚と一致するように寸法決めおよび構成することができ、第4のフレーム部分212は、ペニス上方の患者の皮膚と一致するように寸法決めおよび構成することができる。フレーム202が、患者のペニス、睾丸、会陰、および直腸を完全に囲むことがわかる。
【0039】
[00054]超音波結合容器200が図2に示すように位置決めされるとき、変換器レセプタクル218は、前立腺への直接の音響窓を有することができるように、患者の会陰の真上に位置決めすることができる。次いで、前立腺の経直腸撮像用の直腸超音波撮像プローブの挿入を可能にするように、シース220を患者の直腸と位置合せすることができる。
【0040】
[00055]リザーバ部分204が柔軟な性質を有することにより、変換器レセプタクル218、すなわちその中に挿入される超音波変換器を、患者およびフレームに対して動かすことが可能になる。図2の実施形態では、変換器レセプタクル218と患者との間の音響通信をもたらすための音響結合媒体222が充填された、超音波結合容器200を示す。フレーム202によって画成される開口214により、音響結合媒体222が、会陰を取り囲む領域内で患者の皮膚と直接接触することが可能になることがわかる。さらに、音響結合媒体があふれることを可能にする開口部121を備えていた図1の実施形態とは対照的に、図2の実施形態は、音響結合媒体222を装置内に完全に収容したままにするための、封止部224を備えることができる。リザーバ部分204に音響結合媒体が充填されたとき、音響結合媒体は、患者の皮膚と直接接触することが可能になる。ただし、治療変換器の運動によりリザーバ部分の体積が変化させられる可能性があるので、図2の超音波結合容器200は、リザーバ部分に結合された遠隔リザーバ226をさらに備えることができる。遠隔リザーバは、リザーバ部分が圧縮されるときに、リザーバ部分からの過剰な音響結合媒体を受容するように構成することができ、かつ、リザーバ部分が拡張させられるときに、リザーバ部分への追加の音響結合媒体を送達するように構成することができる。
【0041】
[00056]超音波結合容器200は、音響結合媒体を充填し、維持し、かつ除去するための、ポート232を備えることができる。リザーバ部分の充填および排水は、遠隔リザーバ226によって示すような、点滴バッグと同様の重力供給システムを用いて実現することができる。点滴ポール上の遠隔リザーバを、超音波結合容器との関連における正しい高さに配置することにより、リザーバ部分204を、所望の充填レベルまで充填し、所望の充填レベルを治療手順全体を通して維持することができる。治療が完了すると、遠隔リザーバを下げることにより、超音波結合容器を、廃棄のために遠隔リザーバへと戻して排水することを可能にすることができる。
【0042】
[00057]図2をさらに参照すると、超音波結合容器200は、患者の陰嚢を会陰から離して保持および支持するように構成された、吊り紐(sling)228をさらに備えることができる。吊り紐は、患者の会陰を通る前立腺へのより大きい音響窓を設けることができる。さらに、吊り紐228は、患者の快適さを高めるために、患者のペニスの周りに詰め物230を備えることができる。
【0043】
[00058]組織破砕術手順中に、患者は、拡張された砕石位置に位置決めすることができ、超音波結合容器200を、患者の皮膚に適用することができる。超音波結合容器が患者に固定された状態で、直腸超音波撮像プローブを準備し、前立腺を撮像するためにシース220および患者の直腸内に挿入することができる。直腸超音波撮像プローブが位置決めされ、超音波結合容器に結合された後に、超音波治療変換器を、変換器レセプタクル218に結合し、まず超音波治療送達のために位置決めすることができる。患者、直腸超音波撮像プローブ、および超音波治療変換器が、すべて超音波結合容器に結合された状態で、容器に音響結合媒体を充填することができる。
【0044】
[00059]図3は、上記の結合容器の一変形形態である、超音波結合容器300の一実施形態である。図3において、超音波結合容器300は、患者の皮膚に対する音響封止部を作り出すために接着剤を用いるなどして患者の会陰領域に直接適用することができる、袋(pouch)334を備える。
【0045】
[00060]袋334はさらに、超音波治療変換器に結合し、治療および設置中の超音波治療変換器の運動を可能にする柔軟なリザーバ袋を会陰区域内に形成するように構成された、変換器レセプタクル318を備えることができる。さらに袋は、前立腺を撮像するための直腸超音波撮像プローブを受け入れるように構成された、シース320を備えることができる。
【0046】
[00061]袋334は、封止し、脱気水など音響結合媒体を充填することができる。袋334は、音響結合媒体を充填し、維持し、かつ除去するためのポートを、任意選択で備えることができる。いくつかの実施形態では、袋は、外科医が会陰を直接見ることを可能にする透明のプラスチックを含むことができる。図1〜図2に示す超音波結合容器とは対照的に、袋334は、音響結合媒体が患者の皮膚に直接接触することを可能にしない。そのかわり音響結合媒体は、完全に充填された袋の輸送および移送を可能にするように、袋内に完全に収容される。
【0047】
[00062]図3をさらに参照すると、袋334は、男性患者の会陰区域のみを覆うように寸法決めされ形状付けられる。こうして、袋は、鼠径部の両側の間で横方向に延びることができ、会陰の真上から直腸の下方へと縦方向に延びることができる。患者上に配置されるとき、シース320は、患者の直腸と位置合せされるように構成され、変換器レセプタクル318は、患者の会陰と位置合せされるように構成される。
【0048】
[00063]図4は、「ダム」様の構造を形成するための複数の壁部436を備える、超音波結合容器400のさらに別の実施形態を示す。図4の実施形態は、3つの壁部436を備えるが、患者の皮膚に接触する音響結合媒体422のリザーバを形成するために、いかなる数の壁部を使用することもできる。壁部436は、患者の皮膚と一致し、患者の皮膚に対する液体封止部をもたらすように構成された、柔軟なフレーム402を備える。図4の実施形態では、フレームは、鼠径部の両側ならびに直腸および会陰の下方に沿って、患者の皮膚に一致することができる。
【0049】
[00064]治療中に、超音波治療変換器を、変換器と患者との間に音響通信をもたらす音響結合媒体422内に浸すことができる。音響結合媒体のリザーバは、治療中の超音波治療変換器の運動を可能にするのに十分な大きさとすることができる。いくつかの実施形態では、リザーバのレベルは、変換器がリザーバに挿入されたりリザーバから引き抜かれたりするときに、壁部436に対して上昇および下降することができる。他の実施形態では、超音波結合容器400は、音響結合媒体を充填し、維持し、かつ除去するための、ポートを備えることができる。
【0050】
[00065]超音波結合容器は、それを患者に固定し、患者の皮膚に対する液体封止部を形成することを助けるために、上記のような帯、ベルト、および/または接着剤を組み込むことができる。超音波結合容器は、外科医がたとえば会陰を直接見ることを可能にする、透明のプラスチックで形成することができる。
【0051】
[00066]図5は、着用可能な「ショーツ」または「ボクサー」タイプの衣服538として実装される、超音波結合容器500のさらなる実施形態を示す。超音波結合容器500は、リザーバ部分504、変換器レセプタクル518、およびシース520を含めて、図2の超音波結合容器200に関して上記で記載した多くの同じ特徴部分を備えることができる。衣服538は、カテーテル配置/取外しおよび必要とされる場合は膀胱鏡検査などのためにペニスにアクセスするための、開口部、袋、ジッパー、または他の機構を、衣服内に任意で備えることができる。
【0052】
[00067]上記のように、超音波結合容器500は、患者の皮膚に対する液体封止部を形成し、超音波治療変換器を患者に音響的に結合する。リザーバ部分504は、音響結合媒体を充填することができ、かつ、治療中の超音波治療変換器の運動を可能にするように、柔軟な材料で形成することができる。図5の実施形態では、音響結合媒体は、リザーバ部分504が満たされたときに、患者の皮膚と直接接触することが可能である。リザーバ部分は、音響結合媒体を充填、維持、および除去するためのポートを、さらに備えることができる。
【0053】
[00068]図5をさらに参照すると、超音波結合容器500は、液体封止部を様々なやり方で患者の皮膚に提供することができる。一実施形態では、衣服538は、患者の会陰区域および直腸の周りに液体封止部を設けるようにリザーバ部分を取り囲む、フレーム502aを備えることができる。衣服が患者によって着用されるとき、リザーバ部分は、会陰領域を取り囲むように構成することができ、シース520は、患者の直腸と位置合せされるように構成することができる。フレーム502aは、接着剤および/または帯を用いて患者の皮膚に取り付けることができ、または、患者の皮膚に対する液体封止機構を改善するために、膨張可能な嚢(bladder)を収容することができる。フレーム502aが患者の皮膚に対して封止されるとき、リザーバ部分に音響結合媒体を充填することができる。
【0054】
[00069]別の実施形態では、フレーム502bは、衣服と患者の皮膚との間に液体封止部をもたらすように用いることができる。この実施形態では、フレーム502bは、接着剤および/または帯を用いて患者の皮膚に取り付けることができ、または、患者の皮膚に対する液体封止機構を改善するために、膨張可能な嚢を収容することができる。フレーム502bが患者の皮膚に対して封止されるとき、リザーバ部分を備える衣服全体に、音響結合媒体を充填することができる。ただしこの実施形態は、フレーム502aのみが皮膚に対して封止される場合よりも、多くの音響結合媒体を必要とする。
【0055】
[00070]図6〜図10は、超音波結合容器のいくつかの実施形態を示す。図6は、超音波結合容器600の分解図であり、超音波結合容器600は、音響結合媒体を充填することができる高い弾性を有する内側嚢642を収容する、蛇腹640を備える。蛇腹640は、保管および輸送中に嚢および音響結合媒体を収容するために、両端部をキャップ644で封止することができる。
【0056】
[00071]蛇腹は、蛇腹ならびに一体ヒンジおよび可撓性を有する構成要素を製作するために一般に用いられる、好ましくはポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン(SI)、またはポリエチレン配合物である、プラスチックで構築することができる。プラスチックの蛇腹は、ブロー成形(PP、PVC、およびPE)、射出成形(PEおよびSI)、または浸漬被覆(PVC)によって、経済的に製作することができる。蛇腹640はまた、チタンまたはステンレス鋼などの金属で形成することもできるが、それらは比較的高価である。
【0057】
[00072]蛇腹は、一体のねじ、スナップ式取付け具、バヨネット係止部、または端部キャップ644に取り付けるための他の取付け具を備えることができる、延長部646を用いて製作することができる。あるいはキャップは、接着剤、溶接、または他の取付け方法を用いて蛇腹に連結される、別個の部片を用いて取り付けることができる。キャップ644は、超音波治療変換器650の取付けを容易にすることができ、超音波治療変換器650は、超音波結合容器の一端部上に凹面652を、超音波結合容器の皮膚の界面のもう一方の端部上に皮膚アダプタ648を有する。
【0058】
[00073]内側嚢642は、シリコーン、ポリウレタン、ラテックス、ゴムまたは他のそのような材料など、高い弾性を有する弾性材料で製作することができる。脱気水またはゲル(ファントムゲル)など音響結合媒体を、嚢に充填することができる。嚢は、音響結合媒体を充填し、または音響結合媒体を嚢から排出するための、排出口656を備えることができる。
【0059】
[00074]使用の際は、弾性の内側嚢642を露出させるために、キャップ644を超音波結合容器のそれぞれの端部から取り外すことができる。超音波治療変換器650は、超音波結合容器の頂部に取り付けることができ、より良好な封止を提供し患者の快適さを高めるために、皮膚アダプタ648を超音波結合容器の底部に配置することができる。皮膚アダプタは、封止された発泡体、空気が充填された嚢、または他のそのような材料で製作される、高い弾性を有するリングとすることができる。次いで患者の皮膚を、超音波治療変換器650の表面にも適用することができる、標準的な超音波結合ゲル654で準備することができる。超音波結合ゲルは、それらの表面にて、超音波の適切な伝達を保証する。
【0060】
[00075]図7は、弛緩させられ拡張された形態にある、超音波結合容器700を示す。図8は、患者の皮膚に接触して圧縮された形態にある、超音波結合容器800を示す。図8では、弾性の嚢が患者の皮膚上に押し下げられ、超音波治療変換器850内へと押し上げられる。次いで嚢を、超音波治療変換器の凹面852およびまた患者の皮膚の表面の湾曲に一致させることができる。嚢が凹面に一致することを容易にするために、排出口856を、超音波治療変換器内の頂部または他の位置に設けることができる。いくつかの実施形態では、排出口は、空気を抜き、嚢と凹面との間の空間から戻さない、一方向弁を備えることができる。このようにして、一方向弁排出口は、嚢と凹面との間の空間内に真空を生み出すことができる。同様に、皮膚表面上の湾曲に嚢が一致することを容易にするために、患者の皮膚表面858における皮膚アダプタ内に、排出口856を設けることができる。この排出口はまた、嚢と患者の皮膚表面との間に真空を生み出すことを容易にするために、一方向弁を備えることができる。
【0061】
[00076]上記で図6〜図8に示す実施形態は、使用中の超音波結合容器のより大きい圧縮および拡張を可能にする、遠隔リザーバを用いて強化することができる。次に図9〜図10を参照すると、遠隔リザーバ960は、管部材962を用いて蛇腹940または嚢942に連結される。ここで図10を参照すると、遠隔リザーババッグは、蛇腹1040が圧縮されるときに音響結合媒体とともに拡張することができ、組織破砕術治療中に蛇腹が拡張させられるときに音響結合媒体を蛇腹または嚢に送達することができる。
【0062】
[00077]遠隔リザーバは、バッグまたは他の弾性または剛性の容器とすることができる。剛性の容器は、排出口を必要とする。遠隔リザーバは、PVCまたは他の適当なプラスチック膜で製作される、点滴溶液バッグと同様のものとすることができる。管部材は、PVCまたは他の適当な可撓性プラスチック材料で製作することができる。使用の際は、嚢を皮膚表面とより良好に接触させるために、遠隔リザーバ内の圧力を増大させるように遠隔リザーバを持ち上げることができる。
【0063】
[00078]本明細書に記載する装置およびシステムを用いて、前立腺を治療する方法もまた提供される。一実施形態では、患者の前立腺を治療する方法は、超音波プローブを用いて前立腺を撮像することと、患者の会陰を覆って音響媒体容器を配置することと、前立腺の標的部分の機械的分裂を生じるために、音響媒体容器を介して超音波治療を適用することとを含む。
【0064】
[00079]音響媒体容器は、本明細書および図1〜図10を通して記載される、いかなる音響媒体容器とすることもできる。
[00080]前立腺は、前立腺を撮像するために超音波プローブを患者の直腸内に挿入することにより、撮像することができる。いくつかの実施形態では、超音波プローブは、超音波プローブと患者の直腸との間に液体封止障壁をもたらすように、直腸シース内へと挿入される。
【0065】
[00081]いくつかの実施形態では、この方法は、音響媒体容器を少なくとも部分的に、脱気水など音響結合媒体で充填することを含む。いくつかの実施形態では、音響結合媒体は、患者の皮膚に直接接触する。他の実施形態では、音響結合媒体は、患者の皮膚に直接接触しない。
【0066】
[00082]いくつかの実施形態では、この方法は、接着剤を用いて音響媒体容器を患者に固定することをさらに含む。他の実施形態では、この方法は、帯を用いて音響媒体容器を患者に固定することを含む。音響媒体容器は、容器と患者の皮膚との間に液体封止部を形成するように、患者に固定することができる。
【0067】
[00083]適用するステップは、音響媒体容器に結合された超音波治療変換器を用いて、超音波治療を適用することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、患者を治療するために組織破砕術を適用することを含む。他の実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、前立腺の標的部分内にキャビテーション泡を形成することを含む。さらなる実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、50KHzから5MHzの間の周波数で動作する音響パルスを適用することを含み、この音響パルスは、およそ8〜25MPaのピーク負圧および10MPaより大きいピーク正圧を有するパルス強度、50周波より短いパルス長、およそ0.1%から5%の間のデューティーサイクル、ならびに5KHz未満のパルス繰り返し周波数を有する。さらなる実施形態では、超音波治療ステップを適用することは、患者を治療するために砕石術またはHIFUを適用することを含む。
【0068】
[00084]本発明に関連するさらなる詳細に関して、関連分野の技術者のレベル内にある材料および製造技法を用いることができる。一般または理論的に用いられるさらなる活動に関して、同じことが本発明の方法ベースの態様に対して当てはまる。また、記載される発明の変形形態におけるいかなる任意の特徴部分も、個別に、または本明細書に記載される1つまたは複数の特徴部分のいずれかと組み合わせて説明し、特許請求することができることを考慮されたい。同様に、単一の物品の参照は、複数の同じ物品が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるような、「1つの(a)」、「および(and)」、「前記(said)」、および「その(the)」という単数形は、そうではないと明示されない限り、複数の指示対象を含む。特許請求の範囲は、いかなる任意の要素も除外するように起草することができることを、さらに留意されたい。したがって、この言明は、請求項の要素の列挙に関連して、「単に(solely)」、「のみ(only)」など、そのような排他的な専門用語を使用するため、または「否定的な」限定を使用するための、先行詞の役割を果たすことが意図される。本明細書においてそうではないと定義されない限り、本明細書において用いられるすべての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の技術者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の範囲は、主題の明細書に限定されず、用いられる特許請求の範囲の用語そのままの意味によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の前立腺を治療する方法であって、
超音波プローブを用いて前記前立腺を撮像するステップと、
音響媒体容器を、前記患者の会陰を覆って配置するステップと、
前記前立腺の標的部分の機械的分裂を生じるために、前記音響媒体容器を介して超音波治療を適用するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記前立腺を撮像するために、前記超音波プローブを前記患者の直腸内に挿入するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超音波プローブと前記患者の直腸との間に液体封止障壁をもたらすために、前記超音波プローブを直腸シース内に挿入するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記音響媒体容器を、音響結合媒体で少なくとも部分的に充填することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記音響媒体容器を、接着剤を用いて前記患者に固定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記音響媒体容器を、帯を用いて前記患者に固定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記適用するステップが、前記音響媒体容器に結合された超音波治療変換器を用いて超音波治療を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
超音波エネルギーを適用する前記ステップ中に、前記超音波治療変換器を前記患者に対して動かすステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記患者の皮膚に対する液体封止部を、前記音響媒体容器とともに形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記音響媒体容器に、前記患者の皮膚と直接接触する音響結合媒体を充填するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記音響媒体容器に、前記患者の皮膚と直接接触しない音響結合媒体を充填するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記配置するステップが、着用可能な衣服を、前記患者の前記会陰を覆って配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記着用可能な衣服と前記患者との間に液体封止部を形成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記患者の腰付近および前記患者の脚部付近で、前記着用可能な衣服と前記患者との間に液体封止部を形成するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記患者の会陰の周りで、前記着用可能な衣服と前記患者との間に液体封止部を形成するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記着用可能な衣服が、前記患者の前記会陰の周りに柔軟な部分を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記音響媒体容器が圧縮されるときに、前記音響結合媒体の体積を前記音響媒体容器から遠隔リザーバ内へと排出するステップと、前記音響媒体容器が拡張させられるときに、前記音響結合媒体の体積を前記遠隔リザーバから前記音響媒体容器内へと注入するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記超音波治療を適用するステップが、組織破砕術を適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記超音波治療ステップを適用するステップが、前記前立腺の前記標的部分内にキャビテーション泡を形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記超音波治療を適用するステップが、およそ50KHzから5MHzの間の周波数で動作する音響パルスを適用するステップを含み、前記音響パルスが、およそ8〜25MPaのピーク負圧および10MPaより大きいピーク正圧を有するパルス強度と、50周波より短いパルス長と、およそ0.1%から5%の間のデューティーサイクルと、5KHz未満のパルス繰り返し周波数とを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
患者の皮膚と一致し、患者の皮膚に対する液体封止部を形成するように構成されたフレームと、
前記患者の皮膚と直接接触する音響結合媒体を保持するように構成されたリザーバ部分と、
前記音響結合媒体と音響通信する超音波変換器とを備え、前記フレームに対する前記超音波変換器の運動が、前記超音波変換器と前記音響結合媒体との間の音響通信を維持する、超音波治療装置。
【請求項22】
前記患者の前立腺を撮像するように構成された直腸撮像プローブをさらに備える、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項23】
前記リザーバ部分が、前記直腸撮像プローブを受け入れるように構成されたシースを備える、請求項22に記載の超音波治療装置。
【請求項24】
前記フレームが、会陰を取り囲む男性患者の生体構造と一致するように寸法決めおよび形状付けされる、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項25】
前記リザーバ部分が柔軟である、請求項24に記載の超音波治療装置。
【請求項26】
前記超音波変換器が、前記リザーバ部分に結合され、超音波治療を前記会陰を通して前記患者の前立腺に向けるように構成される、請求項25に記載の超音波治療装置。
【請求項27】
前記患者の陰嚢を前記会陰から離して保持するように構成された吊り紐をさらに備える、請求項24に記載の超音波治療装置。
【請求項28】
前記リザーバ部分が、前記音響結合媒体を空気に露出するように開放される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項29】
前記超音波変換器が、前記音響結合媒体内に浸される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項30】
前記リザーバ部分が、前記音響結合媒体を収容するように前記患者の皮膚に対して封止される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項31】
前記音響結合媒体が、脱気水を含む、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項32】
前記フレームが、接着剤を用いて前記患者に固定される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項33】
前記フレームが、帯を用いて前記患者に固定される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項34】
前記フレームが、着用可能な衣服を含む、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項35】
前記着用可能な衣服が、前記患者の皮膚に対する液体封止部を前記患者の腰付近および前記患者の脚部付近に形成する、請求項34に記載の超音波治療装置。
【請求項36】
前記着用可能な衣服が、前記患者の皮膚に対する液体封止部を前記患者の会陰の周りに形成する、請求項34に記載の超音波治療装置。
【請求項37】
前記リザーバ部分が圧縮されるときに前記リザーバ部分から前記音響結合媒体を受け入れ、前記リザーバ部分が拡張させられるときに前記音響結合媒体を前記リザーバ部分に送達するように構成された遠隔リザーバをさらに備える、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項38】
前記超音波変換器が、組織破砕パルスを前記患者の前立腺に送達するように構成される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項39】
前記超音波変換器が、前記患者の前立腺内にキャビテーション泡を形成するように構成される、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項40】
前記超音波変換器が、およそ50KHzから5MHzの間の周波数で動作する音響パルスを送達するように構成され、前記音響パルスが、およそ8〜25MPaのピーク負圧および10MPaより大きいピーク正圧を有するパルス強度と、50周波より短いパルス長と、およそ0.1%から5%の間のデューティーサイクルと、5KHz未満のパルス繰り返し周波数とを有する、請求項21に記載の超音波治療装置。
【請求項41】
患者の鼠径部の両側と一致するように寸法決めおよび構成された第1および第2の部分を備え、前記患者の皮膚に対する液体封止部を形成するように構成されるフレームと、
前記フレームに結合され、超音波変換器を前記患者の会陰および前立腺を覆って位置決めし運動させることを可能にするように構成されたリザーバ部分とを備える、超音波結合容器。
【請求項42】
前記リザーバ部分に結合された直腸シースをさらに備える、請求項41に記載の超音波結合容器。
【請求項43】
前記超音波変換器を受け入れるように構成され、前記リザーバ部分に結合されたレセプタクルをさらに備える、請求項41に記載の超音波結合容器。
【請求項44】
前記リザーバ部分が柔軟である、請求項41に記載の超音波結合容器。
【請求項45】
前記フレームが、前記第1の部分と前記第2の部分を連結させる第3の部分を備え、前記第3の部分が、直腸下方の前記患者の皮膚と一致するように構成される、請求項41に記載の超音波結合容器。
【請求項46】
前記患者の陰嚢を前記会陰から離して保持するように構成された吊り紐をさらに備える、請求項41に記載の超音波結合容器。
【請求項47】
前記フレームが、前記患者によって着用されるように構成された着用可能な衣服に結合される、請求項41に記載の超音波結合容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−502277(P2013−502277A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525644(P2012−525644)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/045775
【国際公開番号】WO2011/022411
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512034863)ヒストソニックス,インコーポレーテッド (3)
【出願人】(504332090)リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ ミシガン (5)
【Fターム(参考)】