説明

使用可能なソフトウェアの使用期限を管理するプログラムを提供するサーバ、プログラム及びプログラムを実行可能な端末

【課題】 ネットワークへの最小限の接続で、必ずしも常にネットワークに接続されていない、持ち運び可能な携帯情報端末であっても使用期限の経過後に不正に使用されること無く、適正にソフトウェアの使用期限管理を行うことができる手段を提供する。
【解決手段】 ネットワークに接続し、ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する使用期限管理手段を前記ネットワークを介して送信可能なサーバであって、前記使用期限管理手段は、前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする使用期限判別手段と、前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する禁止手段と、前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する不正使用判別手段とを含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続した端末にあらかじめダウンロードして使用可能なソフトウェアの使用期限を管理するプログラムを提供するサーバ、当該プログラム及び当該プログラムを実行可能な端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばインターネットなどに接続するネットワークにおいて、ユーザがソフトウェアを購入又はレンタルし、ソフトウェアの使用期限を管理する場合に、ライセンス管理機能を有するサーバを利用するライセンス管理システムが知られている。
【0003】
ライセンス管理システムでは、予めダウンロードされたソフトウェアをユーザが使用する際に、クライアントがライセンス発行の問い合わせを行い、それに応じてサーバはライセンスを発行する。その後、クライアントは使用許諾されたソフトウェアを使用することができる。
【0004】
また、使用期限を設定している場合、使用期限の管理はサーバ側で行われ、使用期限が近くなった場合には、サーバ側からソフトウェアを使用しているユーザに電子メールやソフトウェアの起動中に使用期限が近い旨のメッセージを表示させるなどして通知する手段が用いられる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−276350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のようなライセンス管理システムでは、ソフトウェアのダウンロード先が携帯電話やPDAなどのようなモバイル環境であった場合に、常にネットワークに接続するとは限らず、サーバによる使用期限管理は困難である。
【0007】
さらに、ユーザが端末の設定を変更することで使用期限管理機能を無効にし、使用期限を経過した後でもソフトウェアを不正に使用されてしまうという問題があった。
【0008】
また、特許文献1では、持ち運び可能な情報携帯端末においてもライセンスを管理する手段が記載されているが、ユーザの端末に予めインストールされたソフトウェアとは別にライセンス許諾に関して専用サーバに問い合わせ、ライセンス情報を取得する必要がある。
【0009】
この場合はソフトウェアを何らかの方式で取得した後、さらに端末はネットワークに接続しなければならないため、ユーザにネットワークへの余分な接続を強いることとなる。特に持ち運び可能な情報携帯端末においては、端末がネットワークへ接続しライセンス情報やソフトウェアをダウンロードするたびに高額な料金と多くの時間がかかることから、ユーザはなるべく不要なネットワークへの接続を避ける傾向がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ネットワークへの最小限の接続で、必ずしも常にネットワークに接続されていない、持ち運び可能な携帯情報端末であっても使用期限の経過後に不正に使用されること無く、適正にソフトウェアの使用期限管理を行うことができる機能を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のようなサーバ、当該プログラム及び当該プログラムを実行可能な端末を提供する。
【0012】
(1)ネットワークに接続し、ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する使用期限管理手段を前記ネットワークを介して送信可能なサーバであって、前記使用期限管理手段は、前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする使用期限判別手段と、前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する禁止手段と、前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する不正使用判別手段と、を含むサーバ。
【0013】
(1)に記載の発明によれば、使用期限をそのユーザの端末に管理するための情報や管理プログラムを、ユーザがダウンロードしたソフトウェアと共にそのユーザの端末に送信し、以後ネットワークに接続することなく使用期限内の使用であるか否かの判別をユーザ端末側で行うことができる。このことにより、ユーザ端末がネットワークに接続しなくても使用期限管理や使用期限が経過したときに使用を停止させる手段をユーザ端末で完結することができ、またユーザ端末のネットワークへの接続を最小限にすることができる。
【0014】
(2)前記使用期限管理手段は、さらにあらかじめ設定された前記ソフトウェアの使用期間、使用期限及び初回起動日を記憶する記憶手段を含み、前記ソフトウェアを前記ユーザが初めて起動した日を初回起動日として前記記憶手段に記憶し、前記初回起動日及び前記使用期間に基づいて算出する使用期限を前記記憶手段に記憶し、前記使用期限判別手段は、前記ユーザが前記ソフトウェアの起動をする毎に、該起動をした日と前記使用期限との比較をし、前記禁止手段は、該比較において起動をした日が前記使用期限より後である場合に前記ソフトウェアの起動を禁止する、(1)に記載のサーバ。
【0015】
(2)に記載の発明によれば、初回起動日と所定の使用期間とに基づいて使用期限を算出し、ソフトウェアの起動日と算出した使用期限とを比較することにより、ソフトウェアの使用が使用期限内の使用であるか否かの判別を行う。そして、起動日が算出した使用期限より後である場合は、使用期限が経過したとしてソフトウェアの起動を禁止する。
【0016】
したがって、使用期限が経過した場合は自動的にソフトウェアの起動が中止されるため、使用期限が経過した後もユーザの使用が継続することがなく、また、期限管理はユーザ端末内で行われるため、ユーザは、使用期限の更新時までネットワークに接続する必要がない。さらに、サーバ側も登録情報のみで管理でき、かつ期限管理もサーバ側で行う必要がないため、サーバ側の構成も簡便で済み、サーバにかかる負担も軽減することができる。
【0017】
(3)前記使用期限管理手段は、さらに前回起動日を記憶する記憶手段を含み、前記ソフトウェアを前記ユーザが前回起動した日を前回起動日として前記記憶手段に記憶し、前記不正使用判別手段は、前記初回起動日及び前記前回起動日と該起動をした日の比較をし、前記禁止手段は、該比較において起動をした日が、前記初回起動日又は前記前回起動日のいずれかより前である場合に前記ソフトウェアの起動を禁止する、(2)に記載のサーバ。
【0018】
(3)に記載の発明によれば、該起動日と初回起動日及び前回起動日とをそれぞれ比較して該起動日が初回起動日又は前回起動日より前である場合には、ソフトウェアの起動を禁止する。したがって、ユーザがユーザ端末の日時の設定を変更して過去の日時に設定したとしても、その変更を検知することができ、ソフトウェアの使用期限経過後の不正使用を防止することができる。
【0019】
(4)前記使用期限管理手段は、前記ユーザが前記ソフトウェアの起動をする毎に、該起動をした日に所定の通知期間を加えた日を比較対象日として前記使用期限との比較をし、該比較において前記比較対象日が前記使用期限より後である場合に、前記ソフトウェアの使用期限が近いことを前記ユーザに通知する、期限通知手段をさらに含む(2)又は(3)に記載のサーバ。
【0020】
(4)に記載の発明によれば、ソフトウェアを起動する毎に、起動日に所定の通知期間を加えた日(比較対象日)と使用期限と比較する。所定の通知期間は、例えば使用期間の満了日の数日前を設定する。そして、比較対象日と使用期限とを比較した結果、比較対象日が使用期限より後となった場合は、使用期限が近いとしてユーザにその旨を通知する。
【0021】
例えば、ソフトウェアをダウンロードした日が3月1日であり、使用期限が3月30日であった場合、所定の通知期間を10日とする。すると、起動日+10日>3月30日となるのは3月21日からとなる。すなわち、3月20日までは起動しても何らのメッセージはなく、3月21日となってから使用期限が迫っていると通知し、その日以降から使用期限まで一定期間ユーザに通知し続けることができるので、ユーザに確実に通知することができかつ、同時に使用期間を更新するよう促すことも可能である。
【0022】
(5)前記記憶手段は、さらに、一日のうちに前記ソフトウェアを起動できる最大起動回数を記憶し、前記不正使用判別手段は、前記ユーザが前記ソフトウェアを起動する毎に、一日のうちに起動した回数をカウントして前記記憶手段に記憶し、前記起動をした回数が前記最大起動回数を超えたか否かを判別し、前記禁止手段は、前記判別において前記起動をした回数が前記最大起動回数を超えている場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する、(2)から(4)のいずれかに記載のサーバ
【0023】
(5)に記載の発明によれば、一日のうちに起動できる最大起動回数及び前回起動日をさらに記憶する。そして、前回起動日と該起動日とを比較して、該起動日が前回起動日と同日であれば、起動回数を+1とする。さらに起動回数と所定の最大起動回数とを比較し、起動回数が最大起動回数を超えた場合は、ソフトウェアの起動を禁止する。
【0024】
これにより、ユーザ端末の日時の設定を変更して常に一定の日(例えば、ソフトウェアをダウンロードをした日のまま)になるようにしたとしても、ユーザは、一日の最大起動回数を越えてソフトウェアを起動することはできない。したがって、日時の設定変更により正規の使用期限を越えてソフトウェアの使用が継続されることを防止することができる。
【0025】
(6)前記ユーザの端末に、前記ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する機能と、前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする機能と、前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する機能と、前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する機能と、を実現するためのプログラム。
【0026】
(7)(6)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0027】
(8)前記ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する手段と、前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする手段と、前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する手段と、前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する手段と、を備えた端末。
【発明の効果】
【0028】
本発明にネットワークへの最小限の接続で、必ずしも常にネットワークに接続されていない持ち運び可能な携帯情報端末であっても使用期限の経過後に不正に使用されること無く、適正にソフトウェアの使用期限管理を行うことができる機能を実現することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
本発明の実施形態としては、例えば、インターネットに接続可能なネットワーク上において、図1に示すように管理サーバ2、課金サーバ4及びユーザ端末6a、6bあるいは6cを想定する。
【0031】
管理サーバ2は、インターネットに接続され、制御手段21と、通信手段22と、入力手段23と、表示手段28と、ユーザ情報記憶部24、ソフトウェア記憶部25及び管理プログラム記憶部26を備えた記憶部27とを備える。管理サーバ2は、ユーザ情報を登録してユーザIDやパスワードを発行し、ユーザ端末6a、6bあるいは6cからの要求に応じて、指定されたソフトウェアをユーザ端末6a、6bあるいは6cに送信することを可能にするコンピュータである。
【0032】
管理サーバ2の制御手段21は、例えば、中央処理装置(CPU)であってよく、この中央処理装置を動作させるための演算装置、主記憶装置を含んでもよく、通信手段22、入力手段23、表示手段28、記憶部27のインターフェースを含んでいてもよい。
【0033】
管理サーバ2の通信手段22は、通信回線ネットワークを用いて通信を行うためのインターフェースであり、例えば、ネットワーク・インターフェース・カードやモデム等であってよい。
【0034】
管理サーバ2の入力手段23は、例えば、入力手段として、キーボードやマウス等のユーザ・インターフェースが該当する。入力手段は、ソフトウェアの使用期限や最大起動回数を管理者が設定するための手段である。
【0035】
管理サーバ2の表示手段28は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置が該当する。
【0036】
管理サーバ2の記憶部27は、管理サーバ2のデータやユーザに提供するソフトウェア等を記憶し、登録したユーザの情報に関するユーザ情報記憶部24と、ユーザに提供するソフトウェア記憶部25と、ソフトウェアと共に送信する管理プログラム記憶部26とを含む。
【0037】
管理サーバ2のユーザ情報記憶部24は、ユーザがソフトウェアを使用するために申し込みをして登録したユーザに関する情報を記録する。また登録したユーザに対しユーザIDやパスワードが発行された場合はこれらも合わせて記録する。ソフトウェア記憶部25は、ユーザの要求に応じて送信するソフトウェアを保存しておく場所である。管理プログラム記憶部26は、ユーザに送信する管理プログラムを保存しておく場所である。
【0038】
課金サーバ4は、ソフトウェアを使用するユーザが、その使用料の決済をするために接続するサーバである。この課金サーバ4は管理サーバ2と一体であってよく、また、管理サーバ2とは別に設定されていてもよい。課金サーバ4を含む使用料の決済手段は、決済を行う管理者が使用する方法により、変更される。構成としては、制御手段41、ユーザ情報記憶部43、通信手段44、入力手段45、表示手段46を含む。
【0039】
課金サーバ4の制御手段41は、例えば、中央処理装置(CPU)であってよく、この中央処理装置を動作させるための演算装置、主記憶装置を含んでもよく、決済手段42、ユーザ情報記憶部43、通信手段44、入力手段45、表示手段46のインターフェースを含んでいてもよい。
【0040】
課金サーバ4の決済手段42は、ユーザから要求に応じて、ソフトウェアの使用料の決済を処理するための手段である。
【0041】
課金サーバ4のユーザ情報記憶部43は、管理サーバ2から送信された、使用料の決済に必要なユーザの情報を記憶する。ユーザから決済の要求があった場合には、ユーザ情報記憶部43に記憶したユーザ情報と、決済要求時にユーザが入力したデータとを照合し、決済手段42により、決済処理を行う。
【0042】
課金サーバ4の通信手段44は、通信回線ネットワークを用いて通信を行うためのインターフェースであり、例えば、ネットワーク・インターフェース・カードやモデム等であってよい。
【0043】
課金サーバ4の入力手段45は、例えば、入力手段として、キーボードやマウス等のユーザ・インターフェースが該当し、入力手段45は、管理者が決済手段42の設定を行うためのものである。
【0044】
課金サーバ4の表示手段46は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置が該当する。
【0045】
ユーザ端末6a、6bあるいは6cは、ネットワークへの接続及び切り離しが可能な携帯型情報端末である。たとえば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance、個人用携帯情報端末)、ノート型パーソナルコンピュータ等である。また、ネットワークに接続可能なパーソナルコンピュータであってもよい。ユーザ端末6a、6bあるいは6cは制御手段61と、通信手段62と、入力手段63と、表示手段64と記憶部65と備える。
【0046】
ユーザ端末6a、6bあるいは6cの制御手段は、例えば、中央処理装置(CPU)であってよく、この中央処理装置を動作させるための演算装置、主記憶装置を含んでもよく、通信手段62、入力手段63、記憶部64のインターフェースを含んでいてもよい。
【0047】
ユーザ端末6a、6bあるいは6cの通信手段62は、通信回線ネットワークを用いて通信を行うためのインターフェースであり、例えば、ネットワーク・インターフェース・カードやモデム等であってよい。
【0048】
ユーザ端末6a、6bあるいは6cの入力手段63は、例えば、入力手段として、キーボードやマウス、携帯情報端末のキー等のユーザ・インターフェースが該当し、
【0049】
ユーザ端末6a、6bあるいは6cの表示手段64は、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置が該当する。
【0050】
ユーザ端末6a、6bあるいは6cの記憶部65は、例えば、主記憶装置や、不揮発性のEEPROM(フラッシュEEPROMも含む)などのICメモリが該当し、端末に接続可能な外部記憶装置であってもよい。記憶部65は、ダウンロードしたソフトウェアや管理プログラム及び管理プログラムで使用する各種データを記憶する。各種データとは、例えば、起動日、初回起動日、前回起動日、最大起動回数、使用期限、使用期間であり、ユーザのIDやパスワードを含んでもよく、ソフトウェアを複数ダウンロードした場合には、これらのデータがソフトウェア毎に複数記憶されていてもよい。
【0051】
ここで、起動日とは、ソフトウェアを起動した日を表し、初回起動日とは、ダウンロードしたソフトウェアを、ユーザ端末6a、6bあるいは6c上で初めて起動した日を意味する。また、前回起動日とは、起動日以前にソフトウェアを起動した直近の日のことをいい、最大起動回数とは、一日のうちに起動できる最大の回数である。また、使用期間とは、起動日から使用できる日数や累積時間であるが、月単位や年単位で設定してもよい。使用期限とは、ソフトウェアを使用できる期限である。これは、初回起動日に使用期間を加えて算出してもよく、使用期限の最終日や最終時刻の指定であってもよい。
【0052】
制御手段の制御に基づいて、ユーザ端末の記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、これらのハードウェアが協働し、後述する各種手段を実現している。
【0053】
[登録からダウンロードまでの動作]
以下、図3を参照して、ユーザの登録からダウンロードまでの基本的な動作を説明する。
【0054】
ユーザは、ユーザ端末6a、6bあるいは6cから、インターネット上でソフトウェアのダウンロードを行うことのできるサービスを提供しているウェブサイトに接続(ステップS210)し、管理サーバ2に接続要求を行う(ステップS220)。接続要求を受けた管理サーバ2は、ユーザ登録とソフトウェアの使用料を決済するための情報とを入力するための入力画面をユーザ端末6a、6bあるいは6cに送信する(ステップS230)。入力画面を受信したユーザ端末6a、6bあるいは6c上で、ユーザは必要な情報を入力し、管理サーバ2に送信する(ステップS240)。ユーザ情報とは、例えば図3に示すように、ユーザ名、ソフトウェア名、電話番号、カード番号等が含まれる。
【0055】
ユーザ情報を受信した管理サーバ2は、そのユーザ情報を管理サーバ2のデータベースに保存し(ステップS250)、さらにそのユーザ情報を課金サーバ4に送信する(ステップS260)。課金サーバ4は、受信したユーザ情報をユーザ情報記憶部24に保存し、ユーザからの決済手続が開始されるまで待機する。
【0056】
ユーザは、ユーザ情報を送信後、課金サーバ4に接続することにより、先に保存したユーザ情報と照合後、決済手段に則り使用料の決済手続を行う(ステップS270)。携帯電話の場合には、課金サーバ4に直接電話をかけて接続し、決済手続を行ってもよい。決済手続が完了した場合は、課金サーバ4は管理サーバ2に決済が終了した旨を通知する(ステップS280)。
【0057】
決済確認の通知を受けた管理サーバ2は、ユーザ端末6a、6bあるいは6cにユーザIDとパスワードを送信する(ステップS290)。この通知は例えば図4のように、ユーザID,パスワード、ユーザ名、ソフト名等の情報が含まれる。
【0058】
ユーザIDとパスワードを受信したユーザは、ダウンロード用のウェブサイトに接続し、使用するソフトウェアのダウンロード要求を行い(ステップS300)、管理サーバ2は要求にしたがってユーザにより指定されたソフトウェアと管理用プログラム、期限管理データを端末に送信する。このとき、ダウンロードされるデータは、ソフトウェアだけでなく、図6にあるように、管理用プログラム、使用期間、最大起動回数等のプログラムやデータを含む。ダウンロードされたソフトウェア、管理用プログラム及びデータはユーザ端末6a、6bあるいは6cの記憶領域に保存される。
【0059】
[使用期限管理手段]
以下、ユーザ端末6a、6bあるいは6cにおける使用期限管理動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
ユーザ端末6a、6bあるいは6c上で、ダウンロードしたソフトウェアを起動しようとすると、ソフトウェアを実行する前に、ソフトウェアと共にダウンロードされた管理プログラムが実行される。管理プログラムが実行されると、まず、該ソフトウェアの起動がユーザ端末6a、6bあるいは6cにダウンロードされてから初めての起動であるかを判別する(ステップS10)。具体的には、例えば、制御手段61のメモリに読み込まれた前回起動日が保存されているか否かを判別することにより行う。この判別には、初回起動日を使用してもよいし、その他のデータを使用してもよい。この処理で初回起動であると判別した場合には、ステップS12に処理を移し、初回起動でないと判別した場合には、ステップS20に処理を移す。
【0061】
ステップS12では、該ソフトウェアをダウンロードしてから初めて起動した日を初回起動日として記憶部65に保存する。さらに、該ソフトウェアと共にダウンロードした、使用期限に関するデータの内の使用期間データと初回起動日に基づいて使用期限データを作成する(ステップS14)。これは、例えば初回起動日に使用期間を加えた日を使用期限データとして保存することにより行う。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
【0062】
ステップS16では、当該日付を前回起動日としても保存する。さらに、記憶部64内の起動回数をクリアする(ステップS18)。例えば、起動回数データをゼロにすることにより行う。この処理が終了した場合には、ステップS90に処理を移す。
【0063】
以上説明したように、ステップS10からステップS18までの処理により、該ソフトウェアが初回起動である場合の処理を終了する。
【0064】
ステップS10で初回起動でないと判断された場合には、ステップS20において、使用期限や起動日などの期限管理に関するデータがユーザ端末6a、6bあるいは6c上の記憶部65に保存されているかを判別する。期限管理に関するデータがない場合には、ソフトウェアを起動しない(ステップS30)。
【0065】
ステップS20で期限管理に関するデータが記憶部65に保存されていた場合には、使用期限、起動日等のデータをユーザ端末6a、6bあるいは6cの制御手段61のメモリに読み込み(ステップS40)、ステップS50に処理を移す。
【0066】
ステップS50では、ユーザ端末6a、6bあるいは6cの制御手段61のメモリに読み込んだ起動日と使用期限とを比較する。起動日が使用期限と同日又は起動日が使用期限よりも後の日である場合には、ステップS80に処理を移す。もしくは、起動日が使用期限よりも前の日である場合には、ステップS50に処理を移す。
【0067】
すなわち、ステップS50では起動日と使用期限とを比較することにより、該ソフトウェアの使用が、使用期限内の使用であるかを判別する。
【0068】
ステップS80では、使用期限に関するデータを記憶部65から削除する。そして、ソフトウェアの起動を中止する(ステップS82)。これにより、次回該ソフトウェアを起動しようとしても、使用期限に関するデータが無いため、ステップS10の判別でNoとなり、該ソフトウェアを起動することができなくなる。したがって、使用期限を超過したソフトウェアの使用を禁止することとなる。
【0069】
ステップS60以降では、該ソフトウェアの使用が使用期限内ではあっても、ユーザ端末6a、6bあるいは6cの時計機能の設定を変更する等によって、その使用が、不正の使用であるか否かを判別していく。
【0070】
ステップS60では、初回起動日と起動日とを比較し、初回起動日が起動日より後の日である場合には、ステップS80に処理を移す。例えば、初回起動日が3月1日であって、起動日が2月25日であるような場合が想定される。このような場合は、ユーザ端末6a、6bあるいは6cの時計機能の設定を該ソフトウェアの使用を開始した以降に変更した場合であり、使用期限を超えて該ソフトウェアを使用しようという不正使用の意図があると考えられる。この場合はステップS80に処理を移して使用期限に関するデータを削除した上で該ソフトウェアの起動を中止する。また、初回起動日が起動日より前の日であった場合は、ステップS70に処理を移す。
【0071】
ステップS70では、前回起動日と起動日を比較する。そして、前回起動日が起動日より後の日である場合は、ステップS80に処理を移す。例えば、前回起動日が3月5日であって、起動日が3月4日であるような場合である。このような場合は、ユーザ端末6a、6bあるいは6cの時計機能の設定を変更した場合であり、使用期限を超えて該ソフトウェアを使用しようという不正使用の意図があると考えられる。この場合はステップS80に処理を移して使用期限に関するデータを削除した上で該ソフトウェアの起動を中止する。この処理により、初回起動日から使用期限内で繰り返し時計機能の設定を変更してソフトウェアを使用されることを防止することができる。ステップS70で前回起動日が起動日より前の日である場合には、ステップS90に処理を移す。
【0072】
ステップS90では、前回起動日と起動日とが同日であるかを判別する。前回起動日と起動日とが同日である場合には、起動回数を更新する(ステップS92)。この処理は、例えば起動回数データに1を加えることにより行う。この処理が終了した場合には、ステップS94に処理を移す。
【0073】
ステップS94では起動回数と最大起動回数とを比較する。起動回数が最大起動回数よりも大きい場合には、ステップS80に処理を移し、使用期限に関するデータを削除してソフトウェアの起動を中止する。起動回数が最大起動回数よりも小さい場合はステップS100に処理を移す。これにより、ユーザ端末6a、6bあるいは6cにおいて時計機能の設定を常に同日になるように変更したとしても、最大起動回数を超えてソフトウェアを起動させることができなくなる。
【0074】
ステップS90で前回起動日と起動日とが同日でないと判断した場合には、現在起動している日を前回起動日として記憶部65に保存(ステップS96)し、記憶部65に保存されていた起動回数をクリアする(ステップS98)。例えば、起動回数データをゼロにする。この処理が終了した場合には、ステップS100に処理を移す。
【0075】
以上説明したように、ステップS50からステップS98までの処理により、ユーザ端末6a、6bあるいは6cの時計機能の設定を故意にずらすなどによる不正使用を防止する。
【0076】
ステップS100では、起動日に所定の通知期間を加えた比較対象日と使用期限とを比較し比較対象日が使用期限より大きい場合は、使用期限が近づいてきた旨のメッセージや警告をユーザ端末6a、6bあるいは6c上の出力部63に表示する。さらに使用期限の更新を促すメッセージを表示して更新をするようにユーザに促す(ステップS110)。
【0077】
使用期限の更新を行うか否かの選択を表示手段64に表示し、ユーザに選択させる(ステップS110)。ユーザが更新を行う選択を行った場合は、一旦ソフトウェアの起動を中断してネットワーク上の管理サーバ2に接続し、更新の処理を行う。更新処理は、図3に記載してある流れと同様に行われてもよいし、更新専用の手続を行ってもよい。
【0078】
ステップS110でユーザが更新しないという選択を行った場合には、ステップS120に処理を移し、該ソフトウェアを実行する。
【0079】
このような実施形態を実現するために、ユーザ端末6a、6bあるいは6cにて実行するためのプログラムをユーザに提供してもよい。このプログラムのための記憶媒体としては、光学記憶媒体、磁気記憶媒体、半導体メモリ等が挙げられる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバに設けられたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記憶媒体として使用しネットワークを介してプログラムを提供してもよく、あらかじめプログラムをインストールしたユーザ端末6a、6bあるいは6cとして提供してもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定しない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載された効果に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例に関係するネットワーク・システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に関係するネットワーク・システムのハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に関係する、ネットワーク・システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【図4】本発明の実施例に関係する、管理情報の一例を表す概念図である。
【図5】本発明の実施例に関係する、管理情報の一例を表す概念図である。
【図6】本発明の実施例に関係する、管理情報の一例を表す概念図である。
【図7】本発明の実施例に関係する、ユーザ端末6a、6bあるいは6cにおける管理プログラムの実行動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
2 管理サーバ
6a、6b、6c ユーザ端末
21 制御手段
22 通信手段
24 ユーザ情報記憶部
25 ソフトウェア記憶部
26 管理プログラム記憶部
27 記憶部
61 制御手段
62 通信手段
63 入力手段
64 表示手段
65 記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続し、ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する使用期限管理手段を前記ネットワークを介して送信可能なサーバであって、
前記使用期限管理手段は、
前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする使用期限判別手段と、
前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する禁止手段と、
前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する不正使用判別手段と、
を含むサーバ。
【請求項2】
前記使用期限管理手段は、さらにあらかじめ設定された前記ソフトウェアの使用期間、使用期限及び初回起動日を記憶する記憶手段を含み、
前記ソフトウェアを前記ユーザが初めて起動した日を初回起動日として前記記憶手段に記憶し、
前記初回起動日及び前記使用期間に基づいて算出する使用期限を前記記憶手段に記憶し、
前記使用期限判別手段は、前記ユーザが前記ソフトウェアの起動をする毎に、該起動をした日と前記使用期限との比較をし、
前記禁止手段は、該比較において起動をした日が前記使用期限より後である場合に前記ソフトウェアの起動を禁止する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記使用期限管理手段は、さらに前回起動日を記憶する記憶手段を含み、
前記ソフトウェアを前記ユーザが前回起動した日を前回起動日として前記記憶手段に記憶し、
前記不正使用判別手段は、前記初回起動日及び前記前回起動日と該起動をした日の比較をし、
前記禁止手段は、該比較において起動をした日が、前記初回起動日又は前記前回起動日のいずれかより前である場合に前記ソフトウェアの起動を禁止する、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記使用期限管理手段は、前記ユーザが前記ソフトウェアの起動をする毎に、該起動をした日に所定の通知期間を加えた日を比較対象日として前記使用期限との比較をし、
該比較において前記比較対象日が前記使用期限より後である場合に、前記ソフトウェアの使用期限が近いことを前記ユーザに通知する、期限通知手段をさらに含む請求項2又は3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記記憶手段は、さらに、一日のうちに前記ソフトウェアを起動できる最大起動回数を記憶し、
前記不正使用判別手段は、前記ユーザが前記ソフトウェアを起動する毎に、一日のうちに起動をした回数をカウントして前記記憶手段に記憶し、前記起動をした回数が前記最大起動回数を超えたか否かを判別し、
前記禁止手段は、前記判別において前記起動をした回数が前記最大起動回数を超えている場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する、請求項2から4のいずれかに記載のサーバ。
【請求項6】
前記ユーザの端末に、前記ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する機能と、
前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする機能と、
前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する機能と、
前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
前記ユーザが使用するソフトウェアの使用期限を管理する手段と、
前記ユーザの前記ソフトウェアの使用が前記使用期限内の使用であるか否かの判別をする手段と、
前記判別の結果が否である場合に、前記ソフトウェアの使用を禁止する手段と、
前記ユーザによる不正使用が行われているか否かを判別する手段と、
を備えた端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−293938(P2006−293938A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117554(P2005−117554)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(301053992)株式会社日本ブレインウェア (17)
【Fターム(参考)】