説明

供給業者の生産能力を監視する方法、プログラム、およびシステム

【課題】供給業者の生産能力を監視する方法、プログラム、およびシステムを提供すること。
【解決手段】複数の供給業者に対する生産能力の監視が、複数の供給業者の少なくとも1つの実績データを受領すること、製造業者の予測データを受領すること、および受領した実績データおよび受領した予測データに基づいて生産能力リスク評価を生成することによって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給業者の生産能力を監視する方法、プログラム、およびシステムに関する。具体的には本発明は、製造業者が、いつ供給業者が製造業者の今後の納入要求を満たすことができない可能性があるかを識別するために供給業者の生産能力のリスクを監視することができる方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業製造業者は通常、外部の供給業者が様々な部品を納入することに依拠し、次いで製造業者は、製品を組み立てるためにそれらの様々な部品を使用する。製品が納入された部品から組み立てられると、次いで製造業者は組み立てた製品を顧客に販売する。例えば、エンジンの製造業者は、供給業者が多くの様々なエンジンの構成部品および予備部品を納入することに依拠する。次いでエンジンの製造業者は、エンジンの構成部品を用いてエンジンを組み立て、組み立てたエンジンを顧客に販売する。
【0003】
製造業者は、製品を組み立てる以前に部品が納入されることを必要とするので、製造業者は、供給業者がこれらの構成部品を予定どおりに納入することに依拠する。供給業者が予定どおりにその諸部品を納入できるかどうかは、供給業者の生産能力(例えば、時間、作業者、および装置)に基づいており、供給者の生産能力は通常、製造業者の直轄外にある。しかし、供給業者は通常、平均レベルの納入量を満たすように供給業者の工場の大きさを定め、需要急増を処理するために少量の追加の生産能力を有する。機械および労働力を未使用のままにしておくことはコストがかかるので、追加の生産能力は供給業者の観点からは望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、製造業者が納入部品を予定どおりに受領することを保証するために、製造業者が供給業者の生産能力を監視できることが重要であり、これによって製造業者は予定どおりに製品を組み立て生産することができる。さらに、多くの製造業者が単一の製造プロジェクトのために数百の供給業者に依拠しているので、生産能力の監視が効率的に行われることも重要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の供給業者の生産能力を監視する方法、プログラム、およびシステムに関する。各供給業者について生産能力リスク評価が、供給業者の過去の実証された生産能力に関するデータおよび供給業者に対する予測された今後の需要に関するデータに基づいて生成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は方法10の流れ図であり、方法10は、予定どおりに部品を納入する供給業者の生産能力を監視するために製造業者の担当者(例えば、商品担当マネジャ、購買担当者、サプライマネジャ、調達部署の他の担当者)によって使用される、コンピュータによって実施される方法である。これによって製造業者は、生産能力の問題を防止するためにいつリソースを動員するかを決定することができる。方法10はステップ12〜18を含み、最初にコンピュータを用いて供給業者に関する供給業者記録を作成する必要がある(ステップ12)。供給業者記録は、経歴情報、連絡先情報、納入部品に関する情報、信用取引情報、および納入実績などの供給業者に関する様々な情報を含むデジタル記録である。
【0007】
供給業者記録が作成されると、コンピュータは次いで、所定の期間にわたって(例えば、月々)自動的な方法で、またはユーザ制御の下に手動で供給業者記録を更新する。更新するには最初に、製造業者に対する供給業者の過去の納入部品および関連する納入実績の測定基準に関するデータ(本明細書では「実績データ」と呼ばれる)を受領する必要がある(ステップ14)。供給業者の実績データは、供給業者が過去に実証した生産能力を識別するために有益である。適切な種類の実績データの例は、供給業者の過去の納入部品の数量と、資材所要量計画(MRP)の納入実績と、作業停止と、アンドンと、延滞納入と、一時的取引先支援(TVA)と、恒久的取引先支援(PVA)と、これらの組合せと、に関するデータを含む。
【0008】
一実施形態では、実績データは供給業者の生産ラインのデータを含む。生産ラインのデータは、製造業者に納入された部品に関する供給業者の工場およびリソース(例えば、機械、作業者、および外部の供給業者)のレイアウトに関する情報である。生産ラインのデータは、部品を生産するために使用される生産ラインを最初に画定することによって得られる。生産ラインの画定は、工場およびリソースについての供給業者の情報および専門知識が利用できるために供給業者によって行われることが望ましい。生産ラインを画定するとき、供給業者はまた、各生産ラインの種類(例えば、第1の生産ライン、第2の生産ライン、共用リソース区域、および外部の供給業者)を識別し、どの部品が各生産ラインに関連しているか(例えば、部品名、部品番号、部品記述、部品ファミリ番号、および部品ファミリ名)を識別することが望ましい。
【0009】
生産ラインが画定されると、次いで供給業者は各生産ラインに関する詳細を提供する。各生産ラインに関する適切な種類の詳細の例は、供給業者の生産能力の確約と、生産ラインのリードタイムと、期間あたりの全顧客に対する平均の総部品処理量(例えば、月あたりの平均の部品数)と、所与の生産ラインから部品を受領する顧客数と、その製造業者に振り向けられる総処理量のうちの割合と、平均処理量を生産するために使用される作業シフト数と、平均処理量を生産するために使用される残業時間と、期間あたりの最大の生産ラインの生産能力(例えば、月あたりの最大部品数)と、共用リソース情報と、取引先支援情報と、これらの組合せと、を含む。
【0010】
実績データを受領することに加えて、更新するには、製造業者が今後供給業者から必要とすると予想する予測部品数に関するデータ(本明細書では「予測データ」と呼ばれる)も受領する必要がある(ステップ16)。適切な種類の予測データの例は、保留注文と、確定注文と、予測注文と、リードタイムの情報と、これらの組合せと、を含む。保留注文は供給業者に発注された部品注文であるが、部品がまだ納入されていない。確定注文は、既知の要求に基づいて今後発注される注文(例えば、必要とされるいくつかの予備部品)である。予測注文は、製造業者が今後必要とすると予想する予測部品数に基づいて今後発注される注文である。
【0011】
実績データおよび予測データは、製造業者と供給業者との間の取引情報を受領するデータベースなどの様々なソースから受領されてよい。ステップ14およびステップ16が図1に示される順で説明されているが、コンピュータは任意の順序でまたは同時に実績データおよび予測データを受領することができる。
【0012】
コンピュータが実績データおよび予測データを用いて供給業者記録を更新した後、次いでコンピュータは供給業者に対する「生産能力リスク評価」を生成する(ステップ18)。生産能力リスク評価は、受領した実績データおよび受領した予測データに基づいた評価であり、これによって製造業者は、供給業者が製造業者の今後の納入要求を満たす生産能力を有しない危険性があるかどうかを識別することができる。上述のように、これによって製造業者は供給業者の何らかの潜在的生産能力の問題を防止するように措置を講ずることができる。
【0013】
図2は生産能力リスクチャート20のグラフであり、方法10のステップ18(図1で上記に示される)により供給業者に対する生産能力リスク評価を生成する適切な技術を説明している。図2に示されるように、生産能力リスクチャート20は評価部22〜30を含み、水平軸は「MRP実績」と題され、垂直軸は「負荷増加量」と題されている。この実施形態では供給業者に対する生産能力リスク評価は、(1)供給業者の過去のMRP実績と、(2)製造業者の推定負荷増加量との2変数関数として生成される。
【0014】
供給業者の過去のMRP実績は、供給業者の受領した実績データに基づいており、供給業者が過去に、いかに十分に製造業者の納入要求を満たしたかを識別する。過去のMRP実績は、製造業者のMRP予測システムで進行中の納入日程を有する部品数に対する、延滞要求を有する部品数の割合として定量化される。
【0015】
【数1】

【0016】
ここで、「PartsOD」は製造業者への納入が延滞した部品数であり、「PartsA」は製造業者のMRPシステムで進行中の納入日程を有する部品数である。例えば、80%を有する過去のMRP実績は、供給業者が製造業者によって要求された部品番号注文の80%を予定どおりに納入することができたことを意味する。過去のMRP実績は、結果の精度を高めるために、ある期間にわたって平均化されることが望ましい。適切な期間は少なくとも約6か月を含む。標準偏差が、平均の過去のMRP実績の大きな変動を識別するために使用されてもよい。
【0017】
製造業者にとっての推定負荷増加量は、製造業者が期間中に必要とすると予想している部品数の予測増加量であり、供給業者の受領した実績データと製造業者の受領した予測データとの組合せに基づいている。推定負荷増加量は、下記の式により期間中の割合増加量として定量化される。
【0018】
【数2】

【0019】
ここで、「PartsFC」は期間中に必要とされると予測されている予測注文の部品数であり、「PartsFM」は期間中に必要とされることが知られている確定注文の部品数であり、「PartsOD」は供給業者がまだ納入していない延滞の部品数(式1で使用されたPartsODと同一)であり、「PartsD」は供給業者によって実際に納入された部品数である。例えば、所与の期間中の5%の推定負荷増加量は、製造業者が、供給業者によって納入される必要な部品数を期間中に5%だけ増加すると予想していることを意味する。推定負荷増加量を決定する適切な期間の例は、過去の納入の少なくとも約12か月と比較して今後の需要の少なくとも約12か月を含む。標準偏差が、推定負荷増加量の大きな変動を識別するために使用されてもよい。
【0020】
生産能力リスクチャート20は、式1および式2の2変数関数として供給業者に対する生産能力リスク評価を決定するために使用される。したがって、供給業者による不十分な過去のMRP実績および製造業者の高い推定負荷増加量は、高い生産能力リスク評価に対応し、供給業者による良好な過去のMRP実績および製造業者の低い推定負荷増加量は、低い生産能力リスク評価に対応する。例えば、供給業者が約95〜100%の範囲に及ぶ過去のMRP実績を有し、製造業者が0〜約10%の範囲に及ぶ推定負荷増加量を有する場合(すなわち、評価部22)、供給業者の生産能力リスク評価は低い(すなわち、評価1)。低い生産能力リスク評価は、供給業者の良好な過去の納入実績のためであり、製造業者が期間中に必要な部品数を増加すると予想していないためである。その結果、供給業者が製造業者の今後の納入要求を満たすことがおそらくできるので、製造業者は供給業者の実績または生産能力を積極的に監視するまたは調査するように通知されない。
【0021】
あるいは、供給業者が約90〜95%の範囲に及ぶ過去のMRP実績を有し、製造業者が0〜約20%の範囲に及ぶ推定負荷増加量を有する場合、または供給業者が約90〜100%の範囲に及ぶ過去のMRP実績を有し、製造業者が約10〜20%の範囲に及ぶ推定負荷増加量を有する場合(すなわち、評価部24)、供給業者の生産能力リスク評価は適度に低い(すなわち、評価2)。これは、供給業者の比較的良好な過去の納入実績のためであり、期間中に必要な部品数の製造業者の予測増加量があまり高くないためである。適度に低い評価では、製造業者が、供給業者の何らかの実績または生産能力の問題を防止するために供給業者の実績および生産能力を監視するように通知される。しかし、適度に低い評価では、製造業者は、供給業者の実績または生産能力をそれ以上調査するようには通知されない。
【0022】
供給業者が約90%未満の過去のMRP実績を有し、製造業者が0〜約20%の範囲に及ぶ推定負荷増加量を有する場合(すなわち、評価部26)、供給業者の生産能力リスク評価は中程度である(すなわち、評価3)。これは、供給業者の不十分な過去の納入実績のためである。その結果、製造業者は、なぜ供給業者が過去の納入要求を満たさなかったかを決定するために供給業者の実施能力をさらに調査するように通知される。例えば、さらに調査をすると、製造業者は不測の単発的な出来事(例えば、装置不良、労働者ストライキ、および天災)のために供給業者の過去の実績が不十分であったことを決定することができる。調査に基づいて、製造業者は実績問題を解決するためにリソースを動員するかどうかを決定することができる。
【0023】
供給業者が約90〜100%の範囲に及ぶ過去のMRP実績を有し、製造業者が約20%を超える推定負荷増加量を有する場合(すなわち、評価部28)、供給業者の生産能力リスク評価は高い(すなわち、評価4)。これは、典型的には供給業者が20%を超える遊休生産能力を有していないという仮定に基づいている。上述のように、典型的には供給業者は、機械および労働力を未使用のままにしておくコストのために、多大な追加の生産能力を有しない。したがって、製造業者は、供給業者が必要な部品数の予測増加量を納入することができるかどうかを決定するために供給業者の生産能力をさらに調査するように通知される。
【0024】
最後に、供給業者が約90%未満の過去のMRP実績を有し、製造業者が約20%を超える推定負荷増加量を有する場合(すなわち、評価部30)、供給業者の生産能力リスク評価は非常に高い(すなわち、評価5)。これは、供給業者による不十分な過去の納入実績と製造業者によって要求される部品数の高い予測増加量との組合せによる。供給業者が所与の期間中に過去の納入要求を満たすことに苦労した場合、供給業者が今後、増加した需要を満たすことはありそうもない。その結果、製造業者は、供給業者が必要な部品数の予測増加量を納入することができるかどうかを決定するために供給業者の過去の納入実績および生産能力をさらに調査するように通知される。
【0025】
過去のMRP実績および推定負荷増加量に関する生産能力リスクチャート20で示される値は、供給業者に対する生産能力リスク評価を生成する適切な範囲の例である。しかし、方法10は多くの様々な製造用途で使用するのに適しているので、使用される実際の値は所与の用途の商業上の納入基準に応じて変わってよい。
【0026】
生産能力リスク評価は、供給業者が生産能力の問題を有することになるかどうかを必ずしも示さないことに留意されたい。生産能力リスク評価は、生産能力の問題の危険性がある供給業者を迅速かつ効率的に識別するために有益であり、これによって製造業者は、生産能力の問題が実際に存在するかどうかを決定するためにより徹底的な調査を行うことができる。例えば、より徹底的な調査中(例えば、評価3〜5に対して)に製造業者は、供給業者の総生産能力のうちのどれくらいが製造業者に割り当てられているか(例えば、供給業者が同一の部品を複数の製造業者に納入する場合)、ならびに供給業者の高度な知識および組織などの他の要因を考慮に入れることができる。他の要因は、製造業者との供給業者の関係である(例えば、供給業者が生産能力の制約に直面している場合、製造業者は既存の生産能力上で第1の優先権を得ることになる。)
図3は方法32の流れ図であり、方法32は方法10(図1で上記に示される)と同様であるが、複数の供給業者の生産能力を監視する必要があり、ここで、各供給業者は複数の部品を製造業者に納入する。図3に示されるように、方法32はステップ34〜52を含み、最初にコンピュータを用いて複数の供給業者のそれぞれに対して供給業者記録を作成する必要がある(ステップ34)。上述のように、各供給業者記録は、経歴情報、連絡先情報、納入部品に関する情報、信用取引情報、および納入実績などの所与の供給業者に関する様々な情報を含むデジタル記録である。
【0027】
供給業者記録が作成されると、コンピュータは次いで、所定の間隔の間中(例えば、月々)自動的な方法で、またはユーザ制御の下に手動で供給業者記録を更新する。更新するには最初に、第1の供給業者の供給業者記録に進む必要がある(ステップ36)。この時点では以前の供給業者記録がないので、この時点での「次の」供給業者はコンピュータ内に格納された第1の供給業者記録に対応して「第1の供給業者」である。次いでコンピュータは、第1の供給業者が製造業者に納入する第1の部品に進む(ステップ38)。第1の供給業者の以前の部品がないので、この時点での「次の」部品は第1の供給業者記録での「第1の部品」である。
【0028】
次いでコンピュータは、第1の供給業者が製造業者に第1の部品を納入する過去の実績に関するデータ(すなわち、「実績データ」)を受領し(ステップ40)、製造業者が今後、第1の供給業者から必要とすると予想する第1の部品の予測数に関するデータ(すなわち、「予測データ」)を受領する(ステップ42)。第1の供給業者の実績データおよび製造業者の予測データに関する適切な種類のデータの例は、方法10のステップ14およびステップ16(図1で上記に示される)で上述された例と同じである。
【0029】
ステップ40およびステップ42で受領される実績データおよび予測データは、製造業者と第1の供給業者との間の取引情報を受領するデータベースなど、様々なソースから受領されてよい。ステップ40およびステップ42が図3に示される順で説明されているが、コンピュータは任意の順序でまたは同時に実績データおよび予測データを受領することができる。
【0030】
コンピュータが、第1の部品に関する実績データおよび予測データを用いて第1の供給業者の供給業者記録を更新した後、次いでコンピュータは第1の供給業者の第1の部品に対する「生産能力リスク評価」を生成する(ステップ44)。生産能力リスク評価は受領した実績データおよび受領した予測データに基づいた評価であり、それによって製造業者は、第1の供給業者が製造業者の第1の部品の今後の納入要求を満たす生産能力を有しない危険性があるかどうかを識別することができる。
【0031】
一実施形態では、生産能力リスクチャート20(図2で上記に示される)に関する説明で上述されたように、方法32のステップ44により生成される生産能力リスク評価は、所与の供給業者の過去のMRP実績および製造業者の推定負荷増加量を使用して生成される。したがって、この実施形態では第1の供給業者によって納入される第1の部品に関する生産能力リスク評価は、第1の供給業者の過去のMRP実績および第1の部品に関する製造業者の推定負荷増加量を使用して生成される。
【0032】
生産能力リスク評価が第1の部品に対して生成された後、次いでコンピュータは、第1の部品が第1の供給業者が製造業者に納入する最後の部品であるかどうかを決定する(ステップ46)。この例では、第1の供給業者は製造業者に複数の部品を納入すると仮定しよう。したがって、次いでコンピュータは第1の供給業者によって納入される次の部品(すなわち、第2の部品)に進む(ステップ38)。次いでコンピュータは、第2の部品に関する実績データおよび予測データを受領し(ステップ40およびステップ42)、第1の供給業者の第2の部品に対する生産能力リスク評価を生成する(ステップ44)。次いでステップ38〜46は、第1の供給業者が製造業者に納入する各部品に対して繰り返される。これは、第1の供給業者が製造業者に納入する各部品に対して生産能力リスク評価を生成する。
【0033】
コンピュータが、現在の部品が第1の供給業者によって納入される最後の部品であると識別したとき(ステップ46)、次いでコンピュータは第1の供給業者に対する平均生産能力リスク評価を生成する(ステップ48)。第1の供給業者に対する平均生産能力リスク評価は、第1の供給業者が製造業者に納入する部品のすべてに対する生産能力リスク評価の平均値である。標準偏差が、第1の供給業者に対する平均生産能力リスク評価の大きな変動を識別するために使用されてもよい。個々の部品に対する生産能力リスク評価および平均生産能力リスク評価によって製造業者は、第1の供給業者が個々の部品の1つまたは複数に関する生産能力リスクを有するかどうかを識別することができ、第1の供給業者が全体的に生産能力リスクを有するかどうかも識別することができる。
【0034】
第1の供給業者に対する平均生産能力リスク評価が生成された後、コンピュータは、第1の供給業者記録が最後の供給業者記録かどうかを決定する(ステップ50)。そうでない場合、次いでコンピュータは、次の供給業者に進み、各供給業者に対してステップ36〜50を繰り返す。これは、各供給業者の各部品に関する生産能力リスク評価および各供給業者に対する平均生産能力リスク評価を生成する。
【0035】
コンピュータが、現在の供給業者が最後の供給業者であると決定したとき(ステップ50)、次いでコンピュータは、平均生産能力リスク評価に基づいて供給業者をランク付けする(ステップ52)。例えばコンピュータシステムは、生産能力リスクチャート20に示される評価1〜5に基づいて供給業者をランク付けすることができる。これによって製造業者は、どの供給業者が最も高い生産能力リスクを有するかを容易に識別することができる。したがって、製造業者は、低いリスクの供給業者の実績および生産能力を検討するために時間を費やす必要がなく高いリスクの供給業者の実績および生産能力を効率的に調査することができる。
【0036】
図4はシステム54のブロック図であり、システム54は、方法32(図3で上記に示される)により複数の供給業者の生産能力を監視するのに適しているコンピュータベースのシステムである。システム54は、トランザクションワークステーション56と、アクセスデータベース58と、ユーザコンピュータ60と、供給業者生産能力ツール(SCT)プログラム62と、を含む。トランザクションワークステーション56は、製造業者が供給業者とビジネス取引に入るために使用し、今後の必要な納入に関する予測日程を設定するために使用する1つのコンピュータ(または複数のコンピュータ)である。例えば、製造業者は、供給業者に対する確定注文に入り、供給業者からの部品の納入日を識別し、延滞納入を識別するためにトランザクションワークステーション56を使用することができる。トランザクションワークステーション56と共に使用する適切なトランザクションソフトウェアは、ペンシルベニア州ニュータウンスクエアのSAP America,Inc.から市販されているビジネスソリューションパッケージを含む。
【0037】
トランザクションワークステーション56はアクセスデータベース58と通信し、アクセスデータベース58は取引情報および予測日程を格納するデータベースである。製造業者が取引情報および予測日程をトランザクションワークステーション56に入力すると、データはアクセスデータベース58に中継され、ここでデータは供給業者の実績データおよび製造業者の予測データとして格納される。
【0038】
ユーザコンピュータ60は、供給業者の生産能力を監視するために製造業者によって使用されるコンピュータシステムである。ユーザコンピュータ60は、インタフェース64と、プロセッサ66と、を含み、ここでインタフェース64は、ユーザがユーザコンピュータ60上でSCTプログラム62を動作することができるキーボード、入力パッド、画面などの任意の種類のインタフェース制御装置であってよい。プロセッサ66は、SCTプログラム62を動作しながらインタフェース64およびアクセスデータベース58と通信するように構成されたコンピュータプロセッサである。
【0039】
SCTプログラム62は、方法32により供給業者の生産能力を監視するためにユーザコンピュータ60上にロードされるソフトウェアプログラムである。図示されるようにSCTプログラム62は、供給業者選択モジュール68と、供給業者ランキングモジュール70と、供給業者記録72と、を含み、ここで供給業者選択モジュール68および供給業者ランキングモジュール70は、インタフェース64の画面上でユーザが見ることができる表示モジュールである。供給業者記録72は、複数の供給業者の1つのデジタル記録であり、要約モジュール74と、部品ファミリモジュール76と、生産ラインモジュール77と、供給業者別のデータモジュール78と、部品ファミリ別のデータモジュール80と、部品番号別のデータモジュール82と、生産ライン別のデータモジュール83と、を含み、各モジュールもインタフェース64の画面上でユーザが見ることができる表示モジュールである。方法32のステップ34(図3で上記に示される)に従って、供給業者記録72が、製造業者に部品を納入する各供給業者に関してSCTプログラム62で作成される。
【0040】
ユーザが供給業者の生産能力を監視することを望むとき、ユーザはSCTプログラム62をユーザコンピュータ60上にロードする。SCTプログラム62がロードしている間、方法32のステップ40およびステップ42によりSCTプログラム62は、プロセッサ66を介してアクセスデータベース58と通信し、更新済の供給業者の実績データおよび製造業者の予測データを受領するルーチンを実行する。次いでSCTプログラム62は、方法32のステップ44,48,52により更新済の実績データおよび予測データに基づいて供給業者に対する最新の生産能力リスク評価およびランキングを生成する。SCTプログラム62がロードされたとき、供給業者選択モジュール68が画面上に現れ、これによってユーザは、どの供給業者記録を見るかを選択する(例えば、供給業者記録72)または供給業者ランキングモジュール70を見ることができる。したがって、システム54は、製造業者が供給業者の生産能力を監視するための好都合な手段を提供する。
【0041】
SCTプログラム62が記載された表示モジュールと共に図4に示されているが、SCTプログラム62は、製造業者が供給業者の生産能力を監視するための同様の好都合な方法を提供するように様々な異なる方法で動作することができる。例えば、ユーザコンピュータ60は複数のSCTプログラム62を含むことができ、ここで各SCTプログラム62は供給業者記録72と対応する。この代替の実施形態では、SCTプログラム62が特定の供給業者記録72用にロードされるとき、方法32のステップ40およびステップ42に従って、SCTプログラム62は、対応する供給業者に関する更新済の実績データおよび予測データを受領する。次いでステップ44およびステップ48によりSCTプログラム62は、更新済の実績データおよび予測データに基づいて供給業者に対する最新の生産能力リスク評価を生成する。これはアクセスデータベース58とユーザコンピュータ60との間で転送されるデータ量を低減し、これによってシステム54の効率を高める。
【0042】
図5A〜5Iは、SCTプログラム62の表示モジュールのスクリーンショットである。図5Aは供給業者選択モジュール68のスクリーンショットであり、そのスクリーンショットは、ユーザがどの供給業者記録を見るかを選択することができるSCTプログラム62の導入画面である。供給業者選択モジュール68は、選択メニュー84と、ランキングボタン86と、を含み、ここで選択メニュー84は作成されたすべての供給業者記録の一覧表を備えるプルダウン方式のメニューである。したがって、所望の供給業者の生産能力を監視するためには、ユーザは、選択メニュー84を用いて供給業者記録を選択する。次いでSCTプログラム62は、対応する供給業者記録72を開き、画面上に要約モジュール74(図5Aには図示されていない)を表示する。下記に述べるように、ランキングボタン86は画面上に供給業者ランキングモジュール70(図5Aには図示されていない)を表示するボタンである。
【0043】
図5Bは要約モジュール74のスクリーンショットであり、要約モジュール74は、供給業者の受領した実績データ(「供給業者A」として図示)および製造業者の受領した予測データの好都合な要約を提供する。要約モジュール74は、図5Bで上から下へ、第1のデータ部88と、受領高および予測グラフ90と、第2のデータ部92と、MRP納入日程グラフ94と、を含み、それぞれによってユーザは供給業者の生産能力を容易に監視することができる。
【0044】
第1のデータ部88は、供給業者名部96と、生産能力リスク評価部98と、生産能力リスクチャート部100と、納入履歴部102と、供給業者情報部104と、負荷増加量部106と、を含み、ここで供給業者名部96は、どの供給業者記録が検討されているかを識別する(すなわち、供給業者A)。供給業者名部96は、いつSCTプログラム62が受領した実績データおよび予測データを用いて最後に更新されたかも提示する。
【0045】
生産能力リスク評価部98は供給業者に対する平均生産能力リスク評価を示し、これによって、ユーザは、供給業者の生産能力または実績のさらなる調査が必要かどうかを迅速に認識することができる。生産能力リスク評価部98内のテキストは更新済の生産能力リスク評価と共に変化し、ユーザの目をとらえるように調整された色(例えば、評価1に対して緑、評価5に対して赤)であってもよい。
【0046】
生産能力リスクチャート100は、生産能力リスクチャート20(図2で上記に示されている)と同様の方法で供給業者の過去のMRP実績および製造業者の推定負荷増加量の関数として供給業者の平均生産能力リスク評価を表示するグラフである。これによって、ユーザは、供給業者の生産能力および過去の実績を容易に見ることができる。生産能力リスクチャート100に示されるように、SCTプログラム62は供給業者に対して中程度の生産能力リスク評価(評価3)を生成した。これは生産能力リスク評価部98に表示された評価に対応する。
【0047】
供給業者が中程度の生産能力リスク評価を有するので、製造業者は、なぜ供給業者が過去の納入要求を満たせなかったかを決定するために供給業者の実施能力をさらに調査するように通知される。上述のように納入履歴部102は、式1によって計算された期間中の供給業者の過去のMRP実績をグラフで示す。SCTプログラム62が更新済の実績データを受領したとき、納入履歴部102で過去のMRP実績が同様に更新される。これによってユーザは、供給業者の納入の傾向を調べるために過去の納入実績を解析することができる。
【0048】
納入履歴部102は様々な期間にわたる(すなわち、最近6か月、最近12か月、および最近18か月)平均MRP実績も示す。図5Bに示されるこの例では、生産能力リスク評価部98および生産能力リスクチャート100に関して生成された平均生産能力リスク評価は、最近6か月にわたって平均されている供給業者の過去のMRP実績に基づいている(すなわち、52.6%の平均の過去のMRP実績)。
【0049】
供給業者情報部104は供給業者についての経歴情報を示し、これによって、ユーザは供給業者の背景を迅速に識別し理解することができる。供給業者情報部104に表示されてもよい適切な種類の経歴情報は、供給業者の取引先コードと、供給業者と取引をする製造業者の担当者(例えば、商品担当マネジャ)と、供給業者の商品(すなわち、どのような部品を供給業者が納入するか)と、MRP予測日程を供給業者が見ることができるかどうかと、供給業者が何らかの長期契約(LTA)を有しているかどうかと、供給業者に関する平均納入リードタイムと、供給業者との過去の金銭取引と、を含む。
【0050】
負荷増加量部106は供給業者の過去の納入実績および潜在的納入実績を記載し、これによって、ユーザは供給業者の納入能力を迅速に識別することができる。負荷増加量部106に表示されることができる適切な種類の情報は、過去のMRP受領高と、MRP予測と、予備部品予測と、予想されるTVAと、延滞部品数と、総見込み納入需要と、製造業者の推定負荷増加量と、製造業者の見込み負荷増加量と、TVA/PVAリスクと、予備部品リスクと、を含む。上述のように、図5Bに示される例では、製造業者の推定負荷増加量(すなわち、9%)は式2により計算され、ここで計算用の期間は今後12か月である。
【0051】
製造業者の「見込み負荷増加量」によって、ユーザは、納入要求のどの増加量を供給業者が処理できるかを識別することができる。見込み負荷増加量は、供給業者によって実際に納入された部品数に対する総見込み納入需要の割合として定量化される。
【0052】
【数3】

【0053】
ここで、「PartsT」は製造業者が要求することができる総見込み部品数(すなわち、MRP予測と、予備部品予測と、予想されるTVAと、延滞部品数との和)であり、「PartsD」は供給業者によって実際に納入された部品数(式2で使用されたPartsDと同一)である。
【0054】
受領高および予測グラフ90は供給業者の部品の納入および製造業者の予測データのグラフであり、ユーザが必要なときに供給業者の生産能力および実績をさらに調査することができるように視覚的に支援する。受領高および予測グラフ90に示される値は、供給業者によって納入されたすべての部品に基づく平均値である。表示される今後の計画対象期間は、製造業者の需要の大幅な増加が今後認められる場合、供給業者が機械を増やし、追加の作業者を雇用し、生産能力を検証することによって生産能力を増大するために十分な時間を有するように十分に長いことが望ましい。
【0055】
第2のデータ部92は、TVA/PVA部108と、延滞データ部110と、延滞グラフ部112と、を含み、各部は供給業者の納入実績および生産能力についての追加情報を提供する。TVA/PVA部108はTVAおよびPVAの情報を記載し、これによってユーザは、供給業者の過去の実績に影響を及ぼしうる一時的取引先支援および恒久的取引先支援を識別することができる。延滞データ部110および延滞グラフ112は、いくつの部品を供給業者がまだ納入していないか、および延滞部品の金額についてユーザに情報を提供する。この情報によってユーザは、供給業者の潜在的な生産能力および実績の問題をさらに識別することができる。
【0056】
MRP開始日程グラフ94は、いつ供給業者が製造業者の今後の需要に必要な部品に対する作業を開始するように求められるかを示すグラフである。供給業者が特定の部品の作業を開始しなければならない日は、製造業者の部品の要求納入日から供給業者の部品を生産するためのリードタイムを減算することによって計算される。MRP開始日程グラフ94に記載されたデータは受領した予測データに基づいており、MRP開始日程グラフ94によってユーザは、供給業者が今後の生産能力の問題を有するかどうかを識別することができる。
【0057】
図5Cは部品ファミリモジュール76のスクリーンショットであり、部品ファミリモジュール76は、要約モジュール74(図5Bで上記に示される)で提供される情報と同様の要約情報を提供するが、この情報は部品ファミリに分類されている。部品ファミリは、製造業者によって分類される同様の部品のグループである。部品ファミリモジュール76は複数の部品ファミリ部(部品ファミリ部114a〜114dが図5Cに示されている)を含み、各部品ファミリ部は、供給業者の実績または生産能力を調査するときにユーザが検討するために、より詳細を提供する。例えば、ユーザは、供給業者が特定の部品ファミリについて生産能力の問題を有しているかどうかを識別するために部品ファミリ部114a〜114dの1つまたは複数を検討することができる。この情報は、ユーザが所与の部品ファミリに関する生産能力の問題を防止するためにリソースを動員するかどうかを決定するのに役立つ。
【0058】
図5Dは生産ラインモジュール77のスクリーンショットであり、生産ラインモジュール77は、要約モジュール74(図5Bで上記に示される)で提供された情報と同様の要約情報も提供するが、この情報は供給業者の生産ライン別に分類されている。上述のように、供給業者によって受領される実績データは供給業者の生産ラインに関する情報を含むことができる。生産ラインモジュール77は複数の生産ライン部(生産ライン115aおよび生産ライン115bが図5Dに示されている)を含み、各生産ライン部は、供給業者の実績または生産能力を調査するときにユーザが検討するために、より詳細を提供する。例えば、ユーザは、生産能力の問題が特定の生産ラインに関連しているかどうかを識別するために生産ライン部の1つまたは複数(例えば、部分115aおよび部分115b)を検討することができる。この情報に基づいて製造業者は、生産ラインの処理量を増大するように、または製造業者に振り向けられる総処理量の割合を増加するように供給業者と協働することができる。
【0059】
図5E〜図5Hは、供給業者別のデータモジュール78、部品ファミリ別のデータモジュール80、部品番号別のデータモジュール82、および生産ライン別のデータモジュール83のスクリーンショットであり、これらは、受領した実績データ、受領した予測データ、および生成した生産能力リスク評価の表を提供する。供給業者別のデータモジュール78、部品ファミリ別のデータモジュール80、部品番号別のデータモジュール82、および生産ライン別のデータモジュール83のそれぞれは、異なる形式でデータを編成し、これによってユーザは、供給業者の実績または生産能力の問題を調査しながら様々な方法でデータを解析することができる。
【0060】
図5Eに示されるように、供給業者別のデータモジュール78は、生産能力ダッシュボード部116と、供給業者および商品部118と、LTA情報部120と、取引データ部122と、を含む。生産能力ダッシュボード部116は、平均の過去のMRP実績、推定負荷増加量、および生産能力リスク評価などの供給業者の生産能力の要約を提供する。供給業者および商品部118は、製造業者と供給業者との間の金銭上のやりとりの要約を提供し、製造業者および供給業者に関する連絡先担当者も記載する。したがって、LTA情報部120は供給業者に関するLTA情報の要約を提供する。
【0061】
取引データ部122は製造業者と供給業者との間の取引に関するデータを記載し、ここで各取引は所与の取引に関する納入部品のすべてを含む。したがって、取引データ部122は各取引の全体的な要約をユーザに提供し、これによってユーザは、どの取引が潜在的な実績または生産能力の問題を有したかを識別することができる。
【0062】
図5Fに示されるように、部品ファミリ別データモジュール80は、受領したデータを取引別ではなく部品ファミリ別に編成する。これは、供給業者別データモジュール78の取引編成(図5Eで上記に示される)と比較してより詳細なデータ明細である。部品ファミリ別にデータを編成することによってユーザは、同様の部品のグループに基づいて納入を調査することができる。これによってユーザは、供給業者がある種の部品グループに関する生産能力の問題を有するかどうかを識別することができる。
【0063】
図5Gに示されるように、部品番号別データモジュール82は、受領したデータを部品ファミリ別または取引別ではなく各部品別に編成する。これは、部品ファミリ別データモジュール80の部品ファミリ編成(図5Fで上記に示される)と比較してより詳細なデータ明細である。各部品別にデータを編成することによって、ユーザは、部品ファミリ内のある種の部品が供給業者の生産能力または実績の問題の潜在的な原因であるかどうかを決定するために部品に基づいて納入を調査することができる。
【0064】
図5Hに示されるように、生産ライン別データモジュール83は、受領したデータを供給業者によって画定された生産ライン別に編成する。生産ライン別にデータを編成することによって、ユーザは、供給業者の各生産ラインに基づいて(例えば、第1の生産ラインに基づいて)納入を調査することができる。これによって、ユーザは、生産ラインでの制限(例えば、製造業者に振り向けられた限定された部品の処理量)が供給業者の生産能力または実績の問題の潜在的な原因であるかどうかを決定することができる。
【0065】
図5Iは供給業者ランキングモジュール70のスクリーンショットであり、供給業者ランキングモジュール70には、ユーザが供給業者選択モジュール68内のランキングボタン86(図5Aで上記に示される)を選択したときにアクセス可能である。供給業者ランキングモジュール70は、方法32のステップ48(図3で上記に示される)により生成される平均生産能力リスク評価に基づいて供給業者のランキングを提供する。図示されるように供給業者ランキングモジュール70は、供給業者名と、各供給業者の平均の過去のMRP実績と、製造業者の推定負荷増加量と、各供給業者に対する平均生産能力リスク評価と、を含む。
【0066】
供給業者ランキングモジュール70内のデータによって、ユーザは、どの供給業者がさらなる調査を必要とする生産能力リスクを有するかを容易に識別することができる。上述のように、次いでユーザは、さらなる調査を必要とする各供給業者に関する供給業者記録72を開き、要約モジュール74、部品ファミリモジュール76、生産ラインモジュール77、供給業者別データモジュール78、部品ファミリ別データモジュール80、部品番号別データモジュール82や生産ライン別データモジュール83を用いて詳細を解析することができる。したがって、SCTプログラム62の表示モジュールは供給業者の生産能力を監視し調査する好都合で効率的な手段を提供し、これによって製造業者が納入部品を予定どおりに受領することを保証するために製造業者によって必要とされる時間および活動を低減する。
【0067】
本発明は好ましい実施形態を参照して説明されているが、当業者なら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく変更を形態および詳細に加えることができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】1つの供給業者の生産能力を監視する方法の流れ図である。
【図2】供給業者に対する生産能力リスク評価の生成で使用するのに適している生産能力リスクチャートのグラフである。
【図3】複数の供給業者の生産能力を監視する方法の流れ図である。
【図4】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムのブロック図である。
【図5A】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5B】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5C】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5D】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5E】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5F】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5G】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5H】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。
【図5I】複数の供給業者の生産能力を監視するコンピュータベースのシステムと共に使用されるソフトウェアプログラムの表示モジュールのスクリーンショットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造業者に部品を納入する複数の供給業者に関する生産能力を監視する方法であって、
前記複数の供給業者の少なくとも1つの実績データを受領するステップと、
前記製造業者の予測データを受領するステップと、
前記受領した実績データおよび前記受領した予測データに基づいて少なくとも1つの供給業者に対する生産能力リスク評価を生成するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの供給業者に関する供給業者記録を生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成した生産能力リスク評価に基づいて前記少なくとも1つの供給業者をランク付けするステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記実績データを受領するステップが、前記複数の供給業者の前記少なくとも1つから前記製造業者に対する少なくとも1つの生産能力の確約を受領することを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生産能力リスク評価を生成するステップが、前記少なくとも1つの供給業者の過去の資材所要量計画の実績を計算することを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生産能力リスク評価を生成するステップが、前記製造業者の推定負荷増加量を生成することを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの供給業者に対する前記生成した生産能力リスク評価に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの供給業者に対する平均生産能力リスク評価を生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記実績データが、過去の資材所要量計画の納入実績と、作業停止と、アンドンと、延滞納入と、一時的取引先支援と、恒久的取引先支援と、生産ラインのデータと、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記予測データが、保留注文と、予測注文と、確定注文と、リードタイムの情報と、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
製造業者に部品を納入する複数の供給業者に関する生産能力を監視するコンピュータプログラムであって、
前記供給業者の少なくとも1つの実績データおよび前記製造業者の予測データを受領するように構成されているルーチンと、
前記受領した実績データ、前記受領した予測データ、および前記少なくとも1つの供給業者に対する生成した生産能力リスク評価に関する情報を表示するように構成された表示モジュールと、
を備え、
前記生成した生産能力リスク評価が、前記受領した実績データおよび前記受領した予測データに基づいていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記表示モジュールが、供給業者ランキングモジュールと、要約モジュールと、部品ファミリモジュールと、生産ラインモジュールと、供給業者別データモジュールと、部品ファミリ別データモジュールと、部品番号別データモジュールと、生産ライン別データモジュールと、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記受領した実績データに関する前記表示した情報が、過去の資材所要量計画の納入実績と、作業停止と、アンドンと、延滞納入と、一時的取引先支援と、恒久的取引先支援と、生産ラインのデータと、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記受領した予測データに関する前記表示した情報が、保留注文と、予測注文と、確定注文と、リードタイムの情報と、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記生成した生産能力リスク評価が、前記少なくとも1つの供給業者の過去の資材所要量計画の実績および前記製造業者の推定負荷増加量の関数であることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
画面を備えるユーザインタフェースと、
前記ユーザインタフェースと通信するように構成されたプロセッサと、
複数の供給業者の実績データおよび製造業者の予測データを格納するために前記プロセッサと通信するように構成されたデータベースと、
前記供給業者の少なくとも1つの生産能力を監視するために前記プロセッサと通信するように構成されたプログラムと、
を備え、
前記プログラムは、
前記データベースから前記実績データおよび前記予測データを受領するように構成されているルーチンと、
前記画面上に情報を表示するように構成された表示モジュールであって、前記情報は前記受領した実績データ、前記受領した予測データ、および前記少なくとも1つの供給業者に対する生成した生産能力リスク評価に関し、前記生成した生産能力リスク評価は前記受領した実績データおよび前記受領した予測データに基づいている、表示モジュールと、
を備えることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項16】
前記表示モジュールが、供給業者ランキングモジュールと、要約モジュールと、部品ファミリモジュールと、生産ラインモジュールと、供給業者別データモジュールと、部品ファミリ別データモジュールと、部品番号別データモジュールと、生産ライン別データモジュールと、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記実績データおよび前記予測データを前記データベースに中継するために前記データベースと通信するように構成されたトランザクションワークステーションをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記受領した実績データに関する前記表示した情報が、過去の資材所要量計画の納入実績と、作業停止と、アンドンと、延滞納入と、一時的取引先支援と、恒久的取引先支援と、生産ラインのデータと、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記受領した予測データに関する前記表示した情報が、保留注文と、予測注文と、確定注文と、リードタイムの情報と、の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記生成した生産能力リスク評価が、前記少なくとも1つの供給業者の過去の資材所要量計画の実績および前記製造業者の推定負荷増加量の関数であることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【公開番号】特開2008−47117(P2008−47117A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−209093(P2007−209093)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】