説明

侵入検知装置

【課題】同一の侵入体が複数の検知装置を順番に反応させるような移動を行った場合に、複数の場所を同時に侵入検知表示せず、最新の侵入エリアのみを表示する侵入検知装置を得る。
【解決手段】侵入地点判定装置14は、検知装置11、12、13のそれぞれに、侵入体の侵入エリアからの離脱後も検知状態にするオフディレイタイムを設定し、検知装置11が侵入体の侵入を検知したとき、この検知装置11の出力により、侵入地点判定装置14により侵入エリアを判定し、侵入体の侵入について画面表示装置15によりモニタ16に表示するとともに、侵入体が侵入エリアを移動し、隣接する検知装置12が侵入を検知したときは、隣接する侵入エリアが同時に表示されないように、検知装置11のオフディレイタイムを制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発電所や化学プラントなどの重要施設への侵入を検知する侵入検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の侵入検知装置においては、検知エリア内に検知ビーム群を有して、人体が発する赤外線を集光部により集光して、その変化分を赤外線検出器にて検出し、その検知信号により制御信号を出力するようになっていた。(例えば、特許文献1参照)
この場合、赤外線検出器が互いに独立した検知信号を出力する複数の赤外線検知素子を有し、複数の赤外線検知素子が検知信号を出力した時には、制御信号をオンにすると共に、制御信号のオフディレイタイムを短くして設定更新する一方、単一の赤外線検知素子が検知信号を出力した時には、制御信号をオンにすると共に、制御信号のオフディレイタイムを長くして設定更新する構成となっていた。
【0003】
【特許文献1】特開平6−323903号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の侵入検知装置では、赤外線を集光部に集光するように構成されているので、赤外線を集光する特殊な装置や特殊な赤外線検出器が必要である。
また、検知する装置には赤外線ではなく電波を使用するものや、映像の差分から判断するものなど、さまざまな種類があり、これら複数の検知装置を用いることには対応できない。
また、複数の隣り合う検出装置が順に反応する場合にもオフディレイタイムは、キャンセルされず、同一の侵入体にもかかわらず複数の検出装置が同時に侵入検知状態となるなどの問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、同一の侵入体が複数の検知装置を順番に反応させるような移動を行った場合に、複数の場所を同時に侵入検知表示せず、最新の侵入エリアのみを表示することができる侵入検知装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる侵入検知装置においては、それぞれ検知エリアを有し、検知エリア内への侵入体を検知する複数の検知装置、この複数の検知装置の配置状態を記憶し、検知装置からの出力により侵入体の侵入エリアを判定するとともに侵入体の移動を判定する侵入エリア判定装置、及びこの侵入エリア判定装置による判定に基づき、侵入検知状態の間、侵入体の侵入を画面表示する画面表示装置を備え、
侵入エリア判定装置は、侵入体の侵入検知終了後に継続して侵入検知状態とする時間値を持つオフディレイタイムを検知装置ごとに設定し、オフディレイタイムの間は、侵入体の侵入検知状態とするとともに、侵入体の移動により複数の検知装置のうちの隣接する検知装置が同時に侵入体の侵入検知状態になる場合には、侵入体を早く検知した方の検知装置のオフディレイタイムを制御するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以上説明したように、それぞれ検知エリアを有し、検知エリア内への侵入体を検知する複数の検知装置、この複数の検知装置の配置状態を記憶し、検知装置からの出力により侵入体の侵入エリアを判定するとともに侵入体の移動を判定する侵入エリア判定装置、及びこの侵入エリア判定装置による判定に基づき、侵入検知状態の間、侵入体の侵入を画面表示する画面表示装置を備え、
侵入エリア判定装置は、侵入体の侵入検知終了後に継続して侵入検知状態とする時間値を持つオフディレイタイムを検知装置ごとに設定し、オフディレイタイムの間は、侵入体の侵入検知状態とするとともに、侵入体の移動により複数の検知装置のうちの隣接する検知装置が同時に侵入体の侵入検知状態になる場合には、侵入体を早く検知した方の検知装置のオフディレイタイムを制御するので、複数の検知エリアが同時に侵入状態となることがなくなり、監視者が、複数の検知エリアを調査する必要が無くなり、監視者の負荷の低減が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による侵入検知装置を示す構成図である。
図1において、検知装置11と隣接する検知装置12並びに検知装置13は、それぞれ検知エリアを有し、この検知エリアへの侵入体(侵入者及び侵入物を含む)の侵入を検知した際、もしくは離脱した(侵入検知状態から検知しなくなった)際に、侵入地点判定装置14(侵入エリア判定装置)に通知する。侵入地点判定装置14は、これらの通知を基にして、どの場所に侵入もしくは離脱したかを特定するとともに、画面に表示する際に必要な情報を画面表示装置15に通知する。画面表示装置15は、通知された情報をモニタ16に表示する。
侵入地点判定装置14は、検知装置11、検知装置12の設置された場所を記憶する機能を有しており、検知装置11と検知装置12が隣接しており、検知装置11では侵入の後に離脱し、検知装置12では検知状態となると、侵入体が検知装置11によって検知されるエリアから検知装置12の検知するエリアに移動したと判断する。
侵入地点判定装置14は、検知装置11が侵入から離脱となった際にオフディレイタイマーが働き、特定時間侵入状態を保持して画面表示装置15に通知するが、検知装置11から検知装置12への移動が行われたと判断した際には、検知装置11へのオフディレイタイマーをキャンセルし、検知装置12への侵入を画面表示装置15に通知する。
【0009】
図2は、この発明の実施の形態1による侵入検知装置の侵入体の軌跡を示す図である。
図2において、検知装置11は、地点21と地点22に配置され、検知装置12は、地点22と地点23に配置され、それぞれの検知装置では、検知エリア24及び検知エリア25が検知対象エリアとなる。侵入体の軌跡26が検知エリア24及び検知エリア25を横切っている。
【0010】
図3は、この発明の実施の形態1による侵入検知装置の動作を示すフローチャートである。
【0011】
図4は、この発明の実施の形態1による侵入検知装置の検知装置の出力波形を示す図である。
図4において、検知装置11の検知による侵入レベル41の出力波形と、検知装置12の検知による侵入レベル42の出力波形が示されている。
【0012】
図5は、この発明の実施の形態1による侵入検知装置の検知装置に対するオフディレイタイムを示す図である。
図5(a)は、比較のための従来の検知装置に対するオフディレイタイムを示す図であり、図5(b)は、実施の形態1による検知装置に対するオフディレイタイムを示す図である。
図5(a)では、検知装置Aの出力波形51に設定されたオフディレイタイムが、時刻t3の出力波形52の立ち上がりの後まで延びている。これに対し、図5(b)では、検知装置11の出力波形61に設定されたオフディレイタイムは、検知装置12の出力波形62の立ち上がり時刻t3でキャンセルされている。これにより、検知装置11の出力波形61に設定されるオフディレイタイムが、検知装置12の出力波形62の立ち上がりに重なることはない。
【0013】
次に、動作について説明する。
図2のように、侵入体の軌跡26が移動する場合を例として、図3のフローチャートを用いて説明する。
図3のステップS31で、検知装置による侵入体の検知が行われるか、検知装置による検知が終了するか、オフディレイタイムがタイムアウトになったときに、ステップS32に進む。
ステップS32では、オフディレイタイムがタイムアウトになったかどうかを判定し、NOのとき、ステップS34で、検知終了かどうかを判定する。ステップ34で、YESのときは、ステップS35で、該当する検知装置のオフディレイタイムを設定する。ステップS32で、YESのときは、ステップS33で、その検知エリアをOFF状態にする。
【0014】
侵入体が検知エリア24に侵入すると、検知装置11が侵入を検知して、侵入地点判定装置14に通知する。侵入地点判定装置14は、侵入エリアを判定し、始めての検知であるため、図3のステップS32をNO、ステップS34をNO、及びステップS36のオフディレイタイム中の検知中の表示エリアありかどうかの判定をNOと判定し、ステップS311で、侵入を検知したら検知エリアをON状態として画面表示装置15に通知し、画面表示装置15は、ステップS312で、モニタ16に画面描画して表示を行う。
【0015】
侵入体が検知エリア24から離脱すると、検知装置11は、侵入の検知を終了し、侵入地点判定装置14への通知を終了する。侵入地点判定装置14は、侵入エリアの検知終了を受け、図3のステップS32をNO、ステップS34をYESと判断し、ステップS35で、オフディレイタイムを設定し、画面表示装置15に通知する。
画面表示装置15は、設定されたオフディレイタイム時間、侵入検知状態を保持するようモニタ16に表示を行う。
【0016】
侵入体が移動して検知エリア25に侵入すると、検知装置12が侵入を検知して侵入地点判定装置14に通知する。侵入地点判定装置14は、侵入エリアを判定し、ステップS32をNO、ステップS34をNOと判断し、ステップS36で、検知エリア24がオフディレイタイム中の検知中表示エリアであることを判断し、ステップS37で、検知エリア24は、検知エリア25の隣であることを判断する。
次いで、ステップS39で、検知エリア24のオフディレイタイムの無効を設定し、ステップS310で、検知エリア25を検知状態として画面表示装置15に通知する。画面表示装置15は、検知エリア24を検知していない状態とし、検知エリア25を検知状態としてモニタ16に表示を行う。
【0017】
侵入体が移動して検知エリア25から離脱すると、検知装置12は、侵入の検知を終了し、侵入地点判定装置14への侵入通知を終了する。侵入地点判定装置14は、侵入エリアの検知終了を受け、ステップS32をNO、ステップS34をYESと判断し、ステップS35で、オフディレイタイムを設定し、画面表示装置15に通知する。画面表示装置15は、設定されたオフディレイタイム時間、検知エリア25を侵入状態として状態を保持するようモニタ16に表示を行う。
【0018】
侵入体の検知の状況を時間軸で表したものが、図4、図5である。
図4は、検知装置単体の出力を示している。図4で、検知装置11は、検知エリア24に侵入中に侵入レベル41を出力し、検知装置12は、検知エリア25に侵入中に侵入レベル42を出力する。
従来のオフディレイタイムの設定では、図5(a)に示す通り、オフディレイタイムにより、侵入検知後、特定の時間検知状態を継続するため、検知エリア24及び検知エリア25が同時に検知される時間が生じる。図5(b)に示す本発明によるオフディレイタイム設定方法では、検知エリア24で侵入検知終了後も、オフディレイタイムにより侵入検知は継続するが、検知エリア25の侵入検知と同時にオフディレイタイムがキャンセルされることにより、検知エリア24と検知エリア25が同時に侵入検知状態になることは無い。
【0019】
実施の形態1によれば、このように画面表示することにより、侵入体の移動が軌跡26のような場合、複数の検知エリアが同時に侵入状態となることがなくなり、監視をしている人が、検知エリア24、検知エリア25の2カ所を調査する必要が無くなり、監視者の負荷の低減が実現できる。
【0020】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2による侵入検知装置の侵入体の軌跡を示す図である。
図6において、検知装置11は、地点21と地点22に配置され、検知装置12は、地点22と地点23に配置されている。検知装置11による検知エリアは、検知ブロック74、75、76に分かれ、検知装置12による検知エリアは、検知ブロック77、78、79に分かれている。侵入体の軌跡710が検知ブロックを横切っている。
このとき、検知装置11、12はそれぞれ、検知ブロックに対応するように複数のオフディレイタイムを設定するように複数のオフディレイタイマーを有している。
【0021】
図7は、この発明の実施の形態2による侵入検知装置の隣接する検知ブロックの定義例を示す図である。
図7において、検知ブロックごとに隣接する検知ブロックが定義されている。
【0022】
実施の形態1では、検知装置11には検知エリアが1つである場合について述べたが、実施の形態2は、図6に示すように、1つの検知装置が複数の検知ブロックを持つもので、つまり、検知エリアが複数の検知ブロックに分かれている。侵入体が検知ブロックを軌跡710のように横切る場合、リアルタイムで侵入体の位置を表示することができる。
地点21と地点22に配置された検知装置11が、検知ブロック74、75、76のいずれかに侵入があったかを特定することができ、地点22と地点23に配置された検知装置12が、検知ブロック77、78、79のいずれに侵入があったかを特定することができる。
そして、検知装置11、12は、いずれも検知ブロックに対応するように複数のオフディレイタイムを設定するように複数のオフディレイタイマーを有しているので、最新の検知ブロックのみに侵入体の侵入を表示させることができる。
【0023】
隣接する検知ブロックの定義例を図7に示す。隣接するブロックの定義は、検知ブロックとこれに隣接する検知ブロックの組で構成される。例えば、検知ブロック74は、隣接する検知ブロック75であり、検知ブロック75は、隣接する検知ブロック74、76である。
実施の形態2は、実施の形態1の構成に、検知エリアを分割した検知ブロックを導入することにより、軌跡710のように侵入体が移動すると、検知ブロック74から順に検知ブロック79までを重複表示することなく、表示することができ、侵入場所を特定することが可能である。
【0024】
実施の形態2によれば、検知エリアを複数の検知ブロックに分け、検知ブロックの隣接関係を定義して、各検知ブロックが重複することなく表示することにより、侵入体の侵入場所を特定することができる。
【0025】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による侵入検知装置を示す構成図である。
図8において、14〜16は図1におけるものと同一のものである。図8では、異なる方式の検知装置として、A方式検知装置81、B方式検知装置82、Z方式検知装置83を設け、これら検知装置からの信号の出力波形を判断する侵入/離脱判断装置84(検知装置判断装置)を介して、侵入地点判断装置14に入力させている。
【0026】
図9は、この発明の実施の形態3による侵入検知装置の検知装置の出力波形例を示す図である。
図9において、24、25は図4におけるものと同一のものである。図9では、A方式検知装置からの出力波形では、定常波形93から、侵入及び離脱ごとにパルス波形91、92が出力され、B方式検知装置からは、侵入から離脱までを侵入レベル(ハイレベル)94にする出力波形が出力される。
【0027】
実施の形態1では、検知装置11や検知装置12は、同一の種類の装置で、同様の侵入出力を行う場合について述べたが、実施の形態3は、図8に示すように、検知装置と侵入地点判定装置14の間に侵入/離脱判定装置84を設けることにより、隣接する検知装置の方式が異なり、出力形式が違う場合でも、実施の形態1に示すように、隣接する検知装置で同一侵入に対する複数検知を防止することができる。
図9に示すように、A方式検知装置81は、検知/離脱をパルス波形91、92のように出力し、B方式検知装置82は、侵入を侵入レベル94で出力する。この出力波形の違いは、侵入/離脱判定装置84で判断される。
【0028】
実施の形態3によれば、これにより複数種類の検知装置が配置された場合にも対応することができ、立地条件に適した検知装置を導入することができる。
【0029】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4による侵入検知装置を示す構成図である。
図10において、14〜16、81〜84は図8におけるものと同一のものである。図10では、オフディレイタイム設定表1008を設け、侵入地点判定装置14に入力させる。
【0030】
図11は、この発明の実施の形態4による侵入検知装置の侵入体の軌跡を示す図である。
図11において、検知装置1101は、検知エリア1104を有し、検知装置1102は、検知エリア1105を有し、検知装置1103は、検知エリア1106を有し、侵入体の軌跡1107は、これらの検知エリアを横切っている。
【0031】
図12は、この発明の実施の形態4による侵入検知装置のオフディレイタイム設定表の一例を示す図である。
図12において、オフディレイタイム設定表には、検知装置ごとに、この検知装置に対応するオフディレイタイムの設定秒数が定義されている。
【0032】
実施の形態3では、複数方式の検知装置81、82、83を使用する場合について述べたが、実施の形態4は、これに加えて、図10に示すように、オフディレイタイム設定表1008を用意することにより、各検知装置毎のオフディレイタイムが設定可能となり、隣接する検知装置をより柔軟に設置することができる。また、隣接する検知装置は、必ずしも隣り合う必要はなく、離れていてもよい。
【0033】
図11の侵入体の軌跡1107を例にして説明する。
検知装置1101から検知装置1102までの距離は、検知装置1102から検知装置1103までの距離よりも長いため、隣接する検知装置1101と検知装置1102のオフディレイタイムを、検知装置1102と検知装置1103のオフディレイタイムよりも長く設定する必要がある。
これは、図3のフローチャートでのステップS35のオフディレイタイム設定で、検知を終了した検知装置に設定されるオフディレイタイムを、オフディレイタイム設定表1008から読み取り、読み取ったオフディレイタイムとすることにより、動的な設定が可能となる。
図12の例では、検知装置Aでは、侵入検知後定常状態になった時点から、15秒間のオフディレイタイムが設定される。
【0034】
実施の形態4によれば、各検知装置のオフディレイタイムの設定をオフディレイタイム設定表に基づき、行うことができるので、検知装置の配置された環境に応じたオフディレイタイムの設定が可能になる。
【0035】
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5による侵入検知装置を示す構成図である。
図13において、14、16、81〜84、1008は図10におけるものと同一のものである。図13では、画面表示装置をI/O制御機能付き画面表示装置1361とし、I/O制御機能(機器制御手段)によって外部機器制御装置1362を制御する。また、検知エリアに対して威嚇や警報を行う機器(検知エリアに対して制御する機器)を記載した制御機器設定表1365を設けて、この表をI/O制御機能付き画面表示装置1361に入力させる。この検知エリアに対して制御する機器には、回転灯1363及びスピーカー1364が含まれ、これらは外部機器制御装置1362によって制御され、侵入体に対して威嚇及び警報を行う。
【0036】
図14は、この発明の実施の形態5による侵入検知装置の制御機器設定表の一例を示す図である。
図14において、制御機器設定表1365では、検知エリア(またはブロック)ごとに、侵入体に対して威嚇や警報を行う装置名が定義されている。
【0037】
実施の形態4では、オフディレイタイム設定表1008により各検知装置毎にオフディレイタイムを設定する場合について述べたが、実施の形態5は、図13に示すように、I/O制御機能付き画面表示装置1361と、このI/O制御機能付き画面表示装置1361によって制御される外部機器制御装置1362と、この外部機器制御装置1362によって制御される回転灯1363及びスピーカー1364と、検知エリアに対応して、回転灯1363及びスピーカー1364などの外部機器制御装置1362が制御する機器を記載した制御機器設定表1365を設けている。
これにより、検知状態を画面に表示するだけでなく、侵入体に対して回転灯1363による威嚇や、スピーカー1364による警報を侵入エリアだけに実施でき、不要なエリアでの威嚇、警報を防ぐことが可能である。
【0038】
図3のフローチャートでは、ステップS312の画面描画で、検知エリアに対して侵入表示する際、当該検知エリアに設定されているI/O機器(外部機器制御装置1362が制御する機器)を制御機器設定表1365から読み取り、外部機器制御装置1362に通知することにより、該当する検知エリアに対するI/O機器を連動するように動作させることができる。
図14の制御機器設定表1365には、検知エリアとこの検知エリアで動作させる装置名が組になっている。図14では、例えば検知エリア1で侵入検知をした場合は、回転灯1を動作させる。検知エリア2は、回転灯2及びスピーカー1を動作させ、検知エリア3では回転灯3を動作させる。
【0039】
実施の形態5によれば、制御機器設定表により各検知エリアに対応した機器を動作させることにより、侵入体に対して威嚇及び警報を行うことができる。
【0040】
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6による侵入検知装置を示す構成図である。
図15において、14、81〜84、1008は図10におけるものと同一のものである。図15では、各検知装置に対するオフディレイタイムを、オフディレイタイム設定表1008に設定するオフディレイタイム設定装置1501を設けている。
【0041】
図16は、この発明の実施の形態6による侵入検知装置の動作を示すフローチャートである。
図17は、この発明の実施の形態6による侵入検知装置のオフディレイタイム設定表の一例を示す図である。
図17において、オフディレイタイム設定表1008では、各検知装置ごとにオフディレイタイムとして、秒数が設定される。
【0042】
実施の形態4では、オフディレイタイム設定表1008により各検知装置に対してオフディレイタイムを設定する場合について述べたが、実施の形態6は、複数の検知装置に対するオフディレイタイムの設定は、検知装置毎の設定が必要であるため、図15に示すように、検知装置に対するオフディレイタイムを設定するオフディレイタイム設定装置1501を設け、短時間で間違いのないオフディレイタイム設定表1008を作成できるようにした。
すなわち、図15は、ディレイタイム設定表1008を自動で作成するようにしたもので、各方式の検知装置81〜83からの信号を受け取り、検知装置の方式を判断する侵入/離脱判断装置84と、侵入場所を特定する侵入地点判定装置14と、オフディレイタイムを設定するオフディレイタイム設定装置1501と、これによって生成されるオフディレイタイム設定表1008で構成される。
【0043】
各検知装置に対するオフディレイタイムの設定は、次のようにして行われる。
まず、図17のような、これから設定を行うオフディレイタイム設定表1008に検知装置名だけを入力したものを用意する。設定秒数の欄は空白にしておき、この部分にオフディレイタイム設定装置1501が設定を行う。
【0044】
検知装置が図11のように配置された場合のオフディレイタイムの設定を、図16のフローチャートによって説明する。
図16のステップS1で、処理を開始してから、ステップS2で、終了判断を行い、終了でなければ、ステップS3の通知待ちに入ってから、侵入体が移動を開始するとする。ステップS4で、図11の検知装置1101(第一の検知装置)の検知エリア1104に侵入体が侵入すると、この侵入が検知されて通知され、処理を再開し、侵入検知か侵入検知終了かを判断する。
ステップS4では、侵入体が移動を開始し、侵入したので、侵入と判断し、ステップS5で、タイマーが起動中かどうかを確認し、現在は起動していないため、処理をステップS2に移し、終了かどうかを判断し、再度ステップS3の通知待ちとなる。
ステップS3で、侵入体が継続移動し、検知エリア1104から外れると、ステップS4から処理を再開し、侵入体の離脱のため、ステップS4の判断は、Noとなり、ステップS10で、タイマーの動作を開始し、ステップS2で、終了かどうかを判断して、再度、ステップS3の通知待ちとなる。
【0045】
ステップS3で、侵入体が継続移動し、検知エリア1105に侵入すると、検知装置1102(第二の検知装置)は、侵入を報告する。侵入を受け取り、ステップS4で、侵入があるかどうかを判断し、ステップS5で、タイマー起動中かどうかを確認し、現在は起動中であるので、ステップS6で、タイマーを停止する。
次に、ステップS7で、タイマー値を取得し、次いで、ステップS8で、1つ前の検知装置名すなわち検知装置1101名を取得する。ステップS9で、検知装置1101名に該当する部分をオフディレイタイム設定表1008から探し、ステップS7で取得したタイマー値をオフディレイタイム設定表1008に書き込む。
これを繰り返し、実施することにより、検知装置1101、検知装置1102のオフディレイタイムを設定することができる。
【0046】
実施の形態6によれば、このようにすることにより、隣接する検知装置に対するオフディレイタイムを、容易に妥当性のある時間に自動的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施の形態1による侵入検知装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による侵入検知装置の侵入体の軌跡を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による侵入検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による侵入検知装置の検知装置の出力波形例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1による侵入検知装置の検知装置に対するオフディレイタイムを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2による侵入検知装置の侵入体の軌跡を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2による侵入検知装置の隣接する検知ブロックの定義例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3による侵入検知装置を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態3による侵入検知装置の検知装置の出力波形例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態4による侵入検知装置を示す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態4による侵入検知装置の侵入体の軌跡を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態4による侵入検知装置のオフディレイタイム設定表の一例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態5による侵入検知装置を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態5による侵入検知装置の制御機器設定表の一例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態6による侵入検知装置を示す構成図である。
【図16】この発明の実施の形態6による侵入検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態6による侵入検知装置のオフディレイタイム設定表の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
11,12,13 検知装置
14 侵入地点判定装置
15 画面表示装置
16 モニタ
81,82,83 検知装置
84 侵入/離脱判断装置
1008 オフディレイタイム設定表
1361 I/O制御機能付き画面表示装置
1362 外部機器制御装置
1363 回転灯
1364 スピーカー
1365 制御機器設定表
1501 オフディレイタイム設定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ検知エリアを有し、検知エリア内への侵入体を検知する複数の検知装置、この複数の検知装置の配置状態を記憶し、上記検知装置からの出力により上記侵入体の侵入エリアを判定するとともに上記侵入体の移動を判定する侵入エリア判定装置、及びこの侵入エリア判定装置による判定に基づき、上記侵入検知状態の間、侵入体の侵入を画面表示する画面表示装置を備え、
上記侵入エリア判定装置は、上記侵入体の侵入検知終了後に継続して侵入検知状態とする時間値を持つオフディレイタイムを上記検知装置ごとに設定し、上記オフディレイタイムの間は、上記侵入体の侵入検知状態とするとともに、上記侵入体の移動により上記複数の検知装置のうちの隣接する検知装置が同時に上記侵入体の侵入検知状態になる場合には、上記侵入体を早く検知した方の検知装置の上記オフディレイタイムを制御することを特徴とする侵入検知装置。
【請求項2】
上記検知エリアを複数の検知ブロックに分けるとともに、上記侵入エリア判定装置は、上記複数の検知ブロックに対応するように複数のオフディレイタイムを設定することを特徴とする請求項1記載の侵入検知装置。
【請求項3】
上記複数の検知装置は、方式の異なる検知装置を含み、上記検知装置の出力により上記検知装置の方式を判断する検知装置判断装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の侵入検知装置。
【請求項4】
上記検知装置ごとに設定されるオフディレイタイムを予め定めたオフディレイタイム設定表を備え、
上記侵入エリア判定装置は、上記オフディレイタイム設定表に基づき上記検知装置ごとのオフディレイタイムを設定することを特徴とする請求項3記載の侵入検知装置。
【請求項5】
上記検知エリアごとに、上記侵入体を検知した際に制御する機器を定義した制御機器設定表を備え、
上記画面表示装置は、上記侵入エリア判定装置が侵入エリアを判定したとき、上記制御機器設定表に基づき、上記侵入エリアに対応する機器を制御する機器制御手段を有することを特徴とする請求項1または請求項3記載の侵入検知装置。
【請求項6】
上記侵入エリア判定装置により第一の検知装置が上記侵入体を検知し、上記侵入体が上記第一の検知装置の検知エリアを離脱してから、第二の検知装置が上記侵入体を検知するまでの時間を、上記オフディレイタイム設定表の中の上記第一の検知装置に対するオフディレイタイムとして書き込むオフディレイタイム設定装置を備えたことを特徴とする請求項4記載の侵入検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−204164(P2008−204164A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39488(P2007−39488)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】