説明

侵入防止警報器

【課題】空間をモニタするための侵入防止警報器を提供する。
【解決手段】侵入防止警報器、例えば車両侵入防止警報器は、アンテナ装置1を有するマイクロ波送受信機を用いて、モニタされる空間内への動きを検出する。このタイプの既存の侵入防止警報器と異なり、アンテナ装置9、10は、異なる空間的容積に対応する空間にビームを送信し、その回路アーキテクチャは、異なるビームに対応するデータを処理するための1対のチャンネル4を準備する。プロセッサ3は、両方のチャンネルの出力を用いて警報器の作動を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間をモニタするための侵入防止警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような警報器の典型は、車両内部をモニタするための侵入防止警報器である。
公知の車両侵入防止警報器は、窓を通って車内に入ってくる腕のような侵入を超音波又は高周波電磁波を用いて検出する。後者の典型は、車両のすぐ近く又は車内で動く物体を検出するように設計されたマイクロ波送受信機である。これを確実に達成するために、振幅閾値検出を用いてターゲットの大きさ及び範囲に基づいて明確な識別をもたらすことができる。システムは、動くターゲットにのみ敏感であり、警報器が応答することができるドップラー周波数の範囲は限られており、従って、ゆっくり動くターゲットのみが感知される。残念ながら、車庫の扉のようなゆっくり動く広範囲のターゲットは、ドップラーシフトの低いより長い範囲で大きなリターンを生成し、このような信号を確実に拒絶することは困難であることが確認されている。
【0003】
【特許文献1】EP−A−1039313
【特許文献2】英国特許出願第0700642.2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この限界を回避する試みにおいて、一部の警報器製造業者は、ある一定の形式のレンジゲートを用いたが、このような手段には、周波数領域でのかなりの帯域幅シフト、又は時間領域で非常に短いイベントを捉えるための非常に高い処理帯域幅のいずれかが必要である。1つの提案では、送信信号は、2つの異なる周波数の組合せであり(EP−A−1039313)、その特性が反射信号において比較される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、異なる空間的視野に対応する複数のビームを空間内に放射するための送信機及びアンテナ装置と、異なる放射ビームに対応するアンテナ装置によって受信された反射エネルギを同時に処理するための第1及び第2の信号処理チャンネルを含む受信機とを含んで両方のチャンネルの出力に応答する、空間をモニタするための侵入防止警報器を提供する。
異なる空間的容積に対応するビームの同時処理は、モニタされている空間に対して外部にある物体からの誤警報の拒絶を容易にする。
【0006】
受信機は、誤警報の拒絶を助けるために更に別の同時比較を行うことを可能にする更に別の処理チャンネルを含むことができる。この比較は、異なる利得において1つの空間的視野に対応する反射エネルギ間で行われる比較を含むことができる。潜在的脅威が現実である可能性が高いか否かを識別するために、分析中にビームの異なる対を順に比較することができる。比較は、振幅、位相、又は時間変動ベースでの公知の脅威状況を表す基準パターンとの比較を含むことができる。このような基準パターンは、ルックアップテーブルとして記憶することができる。
【0007】
アンテナ装置は、異なる空間的視野に対応するビームを発生するように切換可能な移相器を含むことができる。アンテナ装置は、1対のパッチアンテナ、又は反射器パッチの両側に配置された1対の交互に駆動されるパッチを含むことができ、また、切換可能な放射器、導波器、又は反射器を含むことができる。アンテナ装置は、本出願人の現在特許出願中の英国特許出願第0700642.2号に開示及び請求するアンテナ構造のいずれかを含むことができる。
受信機は、平衡混合器、好ましくは、平衡トランジスタ混合器を含むことができる。
【0008】
モニタされる空間は、車両内部か、又は例えば破壊者の存在を検出する目的で鉄道客車の近くの動きを検出するために客車を取り囲む空間のような車両の外部とすることができる。代替的に、非車両用途では、モニタされる空間は、空き地又は安全のために視覚的にもモニタされる領域とすることができる。
送信機は、あらゆる電磁周波数、特にあらゆるマイクロ波周波数、例えば2GHzと300GHzの間で作動することができ、好ましい形態においては、作動の周波数は、2と10GHzの間にある。
ここで、本発明を実施する方法を添付図を参照して一例としてより詳細に以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1を参照すると、侵入防止警報器は、車両侵入防止警報器であり、マイクロ波送受信機である。アンテナ装置1は、マイクロプロサッサ3によってデジタル/アナログ変換器3aを通じて発生される負荷サイクル波形Xによって送信機の発振器2からのパルスCW(連続波)rfエネルギで駆動される。
アンテナ装置は、侵入防止警報器が設けられた車両の内部の中に様々なビームを放射するように配向される。従って、マイクロ波放射線の連続パルスは、車両内部を照射する。
【0010】
車両の固定構造からの反射エネルギ、及びあらゆる移動物体からのドップラーリターンは、アンテナ装置1で受信される。受信機は、端子A、Bにドップラー信号を給送し、アナログ信号処理手段4への入力を形成し、その出力は、次に、警報開始出力端子Cを有するマイクロプロサッサ3に接続される。
出力周波数f0を有する発振器2の出力パワーは、全体的に参照符号5で示す混成カプラによってアンテナ装置1と平衡混合器6の間で分割される。混成カプラ7は、アンテナ装置ポートの単向二路通信をもたらし、RF駆動装置のアンテナ装置1への送信を可能にする一方、そのパワーへの直接結合から混合器6のRFポートを分離する。発振器CWパルスは、アンテナ装置によって放射され、反射エネルギがそれによって収集される。周波数f0(車両内部から)及び周波数f0±fd(移動物体からのドップラーリターン)のこの反射エネルギは、混成カプラ7を用いる結果としてパワーが均等に分割され、それによって半分のパワーが平衡混合器6へ通される。混合器6の出力は、各パルスの継続中に、経時的な連続振幅がドップラー周波数fdを形成するパルスを含み、これらは、端子A、Bに給送される。
【0011】
本発明により、送受信機の受信機部分のアナログ信号処理手段4は、1つよりも多い、この場合2つの信号処理チャンネルで構成され、これは、発振器2によって駆動されるアンテナ装置から放射された異なる空間ビームから反射されるエネルギを処理する。
異なるビームは、異なる空間的視野(容積)に対応し、アンテナ装置1を形成するアンテナ装置給送装置と2つのパッチ9、10との間に配置された電子移相器8を作動することによって得ることができる。電子移相器8は、マイクロプロセッサ3によって制御される。
【0012】
図3を参照すると、1つの可能な実施において、2つのパッチ9、10が並列に配置され、混成カプラ7の出力からストリップ11を通じて給送される。ストリップ11は、PIN切換ダイオード14、15によって実施される電子移相器8の制御下でストリップ12、13に接続する。ストリップ16の追加ループが設けられる。ダイオードの1つの設定を用いて、ストリップ11は、直接ストリップ12に接続するが、ループ16を通じて間接的にストリップ13に接続し、その結果、ビームD(図4)がパッチの左に方向付けられるように、パッチ9、10が直角位相で駆動される。ダイオードの別の設定を用いて、ストリップ11は、直接ストリップ13に接続し、かつループ16を通じてストリップ12に接続し、それによってパッチ9、10は、今度は、ビームE(図4)がパッチの右に方向付けられるように直角位相で駆動される。ダイオードの第3の設定を用いて、ストリップ11は、ストリップ12、13に直接給送し、それによってパッチ9、10は、互いに同位相で駆動され、中心ビームFを生成する(図4)。
【0013】
車両17にアンテナ装置を取り付ける1つの可能な配向が、図5及び図6に示されている。PINダイオード14、15を切り換えて、前方向ローブパターンD、又は後方向ローブパターンE、又は中心ローブパターンFのいずれかを生成することができる。
ここで、アナログ信号処理手段4を参照すると、入力は、マイクロプロセッサ3の制御下で電子スイッチ18、19により、同じくマイクロプロセッサ3によって制御される電子移相器と同期して切り換えられる。警報は、総電流消費を低減して柔軟な処理をもたらすために、負荷サイクル(波形X)にされる。発振器及び混合器の両方は、振幅及び周波数の両方における移行を最小にしてオフからオン状態への迅速な切換が可能である。安定までの時間は、一般的に5μsよりも短い。増幅器チェーンへの入力は、負荷サイクル期間にわたる集積による利得低減を制御するために、サンプル/ホールド回路20、21を通じたものである。
【0014】
作動の1つのモードにおいて(図2)、マイクロプロセッサは、交互に送信(及び従って受信)されるパルスが前方ビームD及び後方ビームEにそれぞれ対応するように電子移相器を制御し、電子スイッチ18、19は、前方ビームDに対応する反射エネルギのパルスがスイッチ18(端子A)を通過し、後方ビームEに対応する反射エネルギのパルスがスイッチ19(端子B)を通過するように、同期して制御される。マイクロプロセッサは、2つのチャンネルの信号の振幅を比較するために用いられる。
【0015】
振幅が一方のチャンネルで他方のチャンネルよりも大きいことが見出された場合、脅威が車両の対応する端部からきていると仮定することができる。PINダイオードが、次に切り換えられ、それによって中心ビームFが送信され、脅威に関連するビームが他方のチャンネルで受信されるのと交互して反射エネルギが一方のチャンネルで受信される。チャンネルの信号の振幅が同じ(所定の限界内)であることが見出された場合、これは、脅威が、示された端部からの車両内への侵入に起因することを示している。一方、車両の一端における脅威を示すチャンネルの振幅が、中心ビームに対応するチャンネルの振幅よりも大きいことが見出された場合、これは、脅威が、車両の外部の何かによって起こっていることを示している。
【0016】
同様に、1つが前方ビームを表し、1つが後方ビームを表す時に、スイッチ18、19によって給送されるチャンネル間の振幅の比較において振幅がほぼ同じであることが見出された場合、これらのチャンネルのいずれか一方の信号と図6のビームFに対応する信号との間で交互パルスでこのようなパターンを送信することにより、比較を再び行うことができる。ビームFに対応する振幅が非常に低ければ、これは、脅威が干渉信号に関連することを示している。これは、信号に関する相互相関演算を実行することによって確認され、これらが信号源から起こることを確認することができる。
【0017】
車両の1つの特定の端部から来て経時的に振幅が増加する信号は、単一の移動物体によって発生する可能性が最も高い。両端で見られて経時的にかなり一定の振幅の信号は、干渉源から発生した可能性が最も高い。従って、処理チャンネルに伝えられるビームの時間変動性もまたモニタすることができる。
作動のこの第1のモードにおいて、前方及び後方空間的視野を表す2つの信号は、センサに近いと振幅は同様であることになるが、脅威に向くビームからの信号の振幅は、センサからの距離が増加するにつれて次第に優性になることになる。従って、2つの振幅の比率及びその相対変化率は、センサからの脅威の相対距離の尺度である。これらの振幅比を用いることにより、センサからの特定の距離に対応して車両内に区域を確立することができる。追加信号処理は、次に、特定の脅威区域から発していることが既知の信号に集中することができ、又は比率が車両の外側のセンサからの距離に対応する場合は、信号は無視することができる。
【0018】
作動のこの第1のモードにおいて、異なるビームは、異なる空間的視野に対応する。作動の第2のモードは、第1のモードと共に用いることができ、その場合、異なるビームは、同一の空間的視野に対応するが、今度は異なる利得でのものである。
一例として、PINダイオードは、前方ビームDが発生される状態に留まることができるが、チャンネルスイッチ18、19は、異なる利得のビームに同期させることができる。これは、様々な方法で実行することができる。最初に、送信されるパルス幅は、長短パルス間で交互に替えることができ、これらは、それに基づいてスイッチ18、19によって給送される増幅器チェーン間で分割することができる。代替的に、パルス幅は、変化しないままとすることができ、チャンネル内の利得は、一方のチャンネルが他方のチャンネルよりも速い速度で又は一方のチャンネルが他方のチャンネルよりも低い閾値でサンプル及びホールド20、21を作動することによって異なるようにすることができる。
【0019】
車両のシェル内の物体は、移動物体によって乱された全体場に基づいて、Rがアンテナ装置からの距離である場合に1/Rから1/R2法則で振幅が変化する傾向にある。外部物体は、自由空間レーダの場合のように、小型物体では、1/R4法則で減衰する傾向にあり、走行トラック又は他の大型車両のような大型物体では1/R2から1/R4法則に向う傾向にある。
ここで、チャンネル内の信号の変化率を比較することにより、低減された利得の一方を他方と比較すると、利得がどの法則で減衰しているか、及び従って評価されている移動物体が車両の内部又は外部のいずれにあるかを判断することができる。
信号の時間変動性は、各チャンネルの信号の導関数を取り、その導関数を比較することによって比較することができる。
【0020】
作動の別のモードにおいて、チャンネルの各々における信号(振幅又は時間変化のいずれか)が、記憶された基準パターンと比較され、又は信号の導関数が、記憶された基準パターンと比較される。このような基準パターンは、ルックアップテーブルに又は分散メモリの他の形式として記憶することができる。
物体が車両の容積内を移動している時の振幅変化の導関数は、閉鎖中の車庫の扉又は駐車中の車両のような外部の物体によって起こるものとは全く異なることが見出されている。
【0021】
図7及び図8を参照すると、交互形式のアンテナ装置を図1のアーキテクチャに用いることができる。これは、図3に9、10、9a、10aで示すような1対のアンテナ装置から成る。この場合、6つの空間的視野(GからL)に対応するビームを発生することができる(図8)。
アンテナ装置は、4つのビームGからJが、図9に示すように延びるように車両内に配置することができる。ビームの1つのみが一度に発生される。4つのビームのいずれか2つは、2つの処理チャンネル内で互いに又はアンテナのそれぞれの対からの信号が同じ相対利得で同相で合計される時に生成される中心ビームと比較することができる。同様に、視野のいずれも、異なる利得レベルでそれ自身と比較することができ、チャンネルの信号は、基準信号又はその導関数と比較することができる。
【0022】
各チャンネルの入力部でサンプル/ホールド回路20、21に続いて、帯域幅限定増幅器チェーンが設けられ、ドップラーリターンから、マイクロプロセッサ3のアナログ/デジタル変換器によって要求される十分なダイナミックレンジをもたらすレベルまで信号を上げることができる。チャンネルの信号の振幅識別、従って侵入防止警報器の空間識別をもたらすために、アナログ/デジタル変換器の後に、センサソフトウエアによって選択された応答パターンに要求されるような振幅又は時間領域の両方の加重応答を有する複数のソフトウエアベースの閾値検出器が続くことができる。これらは、並列で用いて相対的な振幅識別をもたらすか、又は直列で用いて信号の分類をもたらすか、又は必要に応じて直列/並列のあらゆる組合せで用いて、着信信号の正確な識別をもたらすことができる。ゼロボルトに対するどの所定の閾値の相対レベルもその閾値の相対利得の尺度であるから、感度設定の主要な方法は、1つ又は複数の適切な閾値の使用によるものとすることができる。
【0023】
RF回路及びアナログ利得段は、特に迅速な負荷サイクルのために及びオンデマンドの負荷サイクルの変化に耐えるように設計されるので、警報器の作動は、非常に柔軟に行うことができる。選択的アテンションを用いて時間領域及び空間的の両方で作動を集中させる場合は、もはや警報器を常時作動的にしておく必要はない。サンプル及びホールド受信機は、低減した負荷サイクルでは有効利得の劇的シフトがないことを意味し、負荷サイクル比は、広い限界内で変化させることができる。同時処理は、脅威から派生する信号の認識を可能にするために、低減負荷サイクルにおいてでさえも常にアクティブである。信号パターンが選択された状態で、警報器は、遙かに迅速な分析速度に強化され、脅威が現実であり、持続し、有効な警報であるかを判断することができる。正しい基準に合わなければ、アクションは取られず、警報器は、低電流消費のモニタリング状態に戻る。
【0024】
本発明の範囲から逸脱することなく、変更を勿論行うことができる。例えば、パルス幅を変更することができるように、マイクロプロセッサのパルス繰返し数も変更することができる。プログラムミング入力/出力としての端子を設けることができる。
混合器は、オートダイン原理で作動することができる。このような混合器は、アンテナ装置及び混合器に対するローカル発振器駆動装置の両方に給送する供給源と位相が合わない信号を拒絶する特性を有する。特に、それは、それ自体のローカル発振器と周波数の位相が合わず、かつドップラーヘッドの干渉時間内に戻る信号と空間的に位相が合わない搬送波供給源から派生した信号ポート上の振幅変調信号を拒絶する特性を有する。拒絶は、約15から20dBの程度であり、これは、電子レンジのようなインコヒーレントな干渉源を拒絶する警報器の性能に貢献するので有用である。
【0025】
送受信機は、モニタリングモードにおいて、警報器が、2つのアナログチャンネルに接続されたマイクロプロセッサチャンネルで可変利得を用いて低レベル信号を見るように配置することができる。2つのアナログチャンネルは、用いられるアンテナ装置モードの数に基づいて、空間分解能をもたらすアンテナ装置モードで用いられる。AM変調信号の高い固有の拒絶を有する発振器/平衡混合器オートダインの利点は、これらが空間的に干渉しなければ、信号振幅の変化をターゲットの変動範囲により容易に相関させることができることである。シングルエンド混合器又は自励発振混合器を用いると、それがリターン信号又はあらゆる干渉信号の位相及びマグニチュードの変化に同等に敏感であるので、このような相関は非常に困難である。情報の2つ又はそれよりも多くのチャンネルが相互相関される状況においては、空間的に変化する信号成分に対するシステムの一貫性は、非常に重要である。
【0026】
発振器2の作動の典型的な周波数は、2.45GHzであるが、あらゆるマイクロ波周波数(2GHzと300GHzの間)での作動が可能である。発振器のパルス繰返し数は、典型的に1kHzであるが、信号分析負荷によって要求されるような0.1から10kHzのいずれかとすることができるであろう。発振器の負荷サイクルは、典型的に0.1であるが、分析要件によって要求されるような0.01から0.5のいずれかとすることができると考えられる。パルス繰返し数及びパルス幅は、分析を実行するソフトウエアの制御下で独立に変化させることができる。
【0027】
上記説明において、アンテナ装置からの各パルスは、特定の空間的視野に対応するが、ビームがパルス内で異なる視野に変化することが可能であり、例えば、図9の4つのビームは、各パルス中に連続して選択することができる。
パッチ9、10の代わりに、放射要素は、スロットとすることができる。混成カプラに適する実施例は、「ウィルキンソン」カプラであるが、必要であれば他のタイプの混成カプラを用いることができると考えられる。
【0028】
説明したパッチ9、10、9a、10aの代用として、本出願人の現在特許出願中の英国特許出願第0700642.2号に開示するアンテナ装置のいずれか、特に、反射器パッチの両側に2つのパッチを含み、2つのパッチが例えばPINスイッチを通じて交互に駆動される本出願人の現在特許出願中の特許出願の図15に示す3つのパッチの装置を用いることができる。この場合、パッチは、図4に示すビームFのような中心ビームを発生するように同時に駆動することはできず、従って、中心ビームは、それぞれの外側パッチが駆動される時に生成されるビームを低減利得で合計することによって生成される。同じ技術を使用して、図3のパッチ9、10で中心ビームを生成することができると考えられる。
上述の侵入防止警報器は、車両侵入防止警報器であるが、この警報器は、モニタされるあらゆる空間又は領域内への侵入を検出するために用いることができる。すなわち、例えば、警報器は、破壊防止装置として鉄道客車の外側に取り付けることができるであろう。同様に、警報器は、建物内の空間又は屋外をモニタするために用いることができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による侵入防止警報器のアーキテクチャの図である。
【図2】図1に示す様々な回路要素の作動のためのタイミング図である。
【図3】図1に示すアンテナ装置の1つの特定的な実施例の図である。
【図4】図3のアンテナ装置によって生成することができるビームを示す図である。
【図5】車両内で図3のアンテナ装置によって生成することができる2つのビームを示す図である。
【図6】車両内で図3のアンテナ装置によって生成することができる単一ビームを示す図である。
【図7】図3に示すものに対するアンテナ装置の代替形態の図である。
【図8】図7のアンテナ装置によって生成することができるビームを示す図である。
【図9】車両内で図7のアンテナ装置によって生成することができる4つのビームを示す図である。
【図10】車両内で図7のアンテナ装置によって生成することができる1対のビームを示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1、9、10 アンテナ装置
4 1対のチャンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間をモニタするための侵入防止警報器であって、
異なる空間的視野に対応する複数のビームを空間内に放射するための送信機及びアンテナ装置と、
異なる放射ビームに対応する前記アンテナ装置によって受信された反射エネルギを同時に処理するための第1及び第2の信号処理チャンネルを含む受信機と、
を含み、
両方のチャンネルの出力に応答する、
ことを特徴とする警報器。
【請求項2】
前記アンテナ装置は、2つ又はそれよりも多くの別々の放射要素を含むことを特徴とする請求項1に記載の侵入防止警報器。
【請求項3】
前記アンテナ装置は、前記異なる空間的視野に対応するビームを発生させるために切換可能な手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の侵入防止警報器。
【請求項4】
前記アンテナ装置によって見られる空間的容積に対応する前記反射エネルギの利得を調節する手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の侵入防止警報器。
【請求項5】
前記送信機は、可変幅のパルスを送信することができることを特徴とする請求項4に記載の侵入防止警報器。
【請求項6】
前記送信機は、可変パルス繰返し数のパルスを送信することができることを特徴とする請求項4に記載の侵入防止警報器。
【請求項7】
処理チャンネルが、所定の閾値を超える反射エネルギの一連のパルスを統合するために配置され、該閾値は、統合されるパルスの数を変化させるために可変であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の侵入防止警報器。
【請求項8】
前記第1及び第2の処理チャンネルの少なくとも一方の出力を既知の脅威に対応する基準信号と比較する手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の侵入防止警報器。
【請求項9】
前記比較手段は、前記出力の振幅を前記基準信号と比較するために配置されていることを特徴とする請求項8に記載の侵入防止警報器。
【請求項10】
前記比較手段は、前記出力の時間変動挙動を前記基準信号と比較するために配置されていることを特徴とする請求項8に記載の侵入防止警報器。
【請求項11】
前記比較は、前記出力の導関数に対して行われることを特徴とする請求項10に記載の侵入防止警報器。
【請求項12】
平衡混合器が、該混合器の出力で干渉信号を排除するために前記受信エネルギをローカル発振器と混合するために設けられていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の侵入防止警報器。
【請求項13】
前記アンテナ装置は、電磁放射線を放射するために配置されていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の侵入防止警報器。
【請求項14】
電磁放射線の周波数は、2GHzと300GHzの間にあることを特徴とする請求項13に記載の侵入防止警報器。
【請求項15】
車両警報器であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の侵入防止警報器。
【請求項16】
車両侵入防止警報器であることを特徴とする請求項15に記載の侵入防止警報器。
【請求項17】
前記第1及び第2の信号処理チャンネルは、車両の前部又は後部の視野に対応する反射エネルギを該車両の該前部及び後部の両方を取り囲む視野に対応する反射エネルギと比較するために配置されていることを特徴とする請求項16に記載の車両侵入防止警報器。
【請求項18】
前記第1及び第2の処理チャンネルは、1つの利得での1つの空間的視野に対応する反射エネルギを異なる利得でのその空間的視野に対応する反射エネルギと比較するために配置されていることを特徴とする請求項17に記載の車両侵入防止警報器。
【請求項19】
モニタされる空間内への侵入を検出する方法であって、
異なる空間的容積に対応する複数のビームをアンテナ装置から空間内に放射する段階と、
前記アンテナ装置で異なるビームに対応する反射エネルギを受信し、同時に第1及び第2の信号処理チャンネル内で該反射エネルギを処理する段階と、
両方のチャンネルの出力に応答して警報器を作動する段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−242030(P2007−242030A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−85640(P2007−85640)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(504351600)イー2ヴイ テクノロジーズ (ユーケイ) リミテッド (25)
【Fターム(参考)】