説明

便座シートおよびその製造方法

【課題】便座用ヒータや洗浄用ノズルを有する洋式便器に対しても、ずれ落ちや位置ずれを生じず使い勝手の良好な便座シートおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】洋式便器1の便座2の中央開口3に対応する開口部4を切り欠いた状態で有するシート本体5と、このシート本体5の裏面に設けられる下塗り層6と、この下塗り層6を介してシート本体5の裏面に設けられ前記便座2に接着する接着部8とを備え、折り畳み状態から展開して前記便座2上に敷いて使用する便座シートであって、展開した前記シート本体5を最初に二つに折り畳むと形成される第1の折り目となる部分7に対して線対称となる位置に前記下塗り層6が対で設けられ、また、対となる下塗り層6の一方のみに前記接着部8が設けられ、さらに、この接着部8が、前記シート本体5の前部または後部の左右方向中央部であって前記第1の折り目となる部分7を跨がない位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋式便器の便座に敷いて用いられる使い捨ての便座シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば商業施設や公共施設等において便所に設置された洋式便器は、不特定多数の人によって使用され必ずしも衛生的ではないことから、その便座の上に敷く使い捨てタイプの便座シートが種々提案され実用化されている。
【0003】
そのような従来の便座シートとして、図5に示すものがある(特許文献1参照)。この便座シートは、使用時に折り畳み状態から展開して便座51の上に敷くものであり、使用後に便器52内に捨てて流しても問題が無いように水溶性の紙により形成してある。
【0004】
そして、前記便座シートの下面の左右には微粘着の水溶性接着剤を塗布した接着部53を設けてあり、上面側から指で接着部53を押圧すれば便座51に便座シートを固定することができ、使用後に便座シートを軽く引っ張れば便座51から容易に剥がすことができる。従って、上記便座シートは、便座51からずれ落ちたり位置ずれしたりしにくく、使い勝手の良いものであった。
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3007603号公報
【特許文献2】特開平10−14816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、便座51を適温に保つ便座用ヒータやお尻洗い、ビデ等の洗浄用ノズルを有する洋式便器(以下、新型の洋式便器という)が、一般家庭のみならず商業施設等にも設置されるようになっている。そして、この新型の洋式便器に対して、従来の便座シートの構成では少なからず不都合を生じることとなっていた。
【0007】
すなわち、従来は使用者の体重により便座51に押圧された状態で使用者の体温のみによって温められていた前記接着部53に、新型の洋式便器では前記ヒータによる熱までもが加わるようになり、その接着力が想定範囲を超えて増大するようになった。そのため、場合によっては、使用後の便座シートを引っ張っても便座51から容易に剥がれず、強引に引っ張ると便座シートが破れてその一部が接着部53と共に便座51上に残存したり、便座シートの接着部53の接着剤が便座51に付着したままとなる糊移りと呼ばれる現象が生じたりすることとなっていた。そして、特に後者の糊移りが生じると、便座シートを敷かなければ便座51に糊移りした接着剤が使用者の脚等に付着し、当該便器の使用が著しく不快感を伴うものになるという問題も生じる。そこで、接着部53の接着力を弱めることも考えられるが、この場合、接着力不足によって便座51に対する便座シートの固定不良が生じる懸念がある。
【0008】
また、上記便座シートは、便座51の中央開口54の縁に対応する位置に切れ目55を有し、便座シートの使用時には前記切れ目55で囲まれた中央部分を中央開口54内に垂下させる仕様となっている。従って、新型の洋式便器に用いる場合、前記洗浄用ノズルから吐出された温水を便座シートの前記中央部分が遮るのを防ぐために、使用者は便座シートの使用前に中央部分を破断しなければならないが、そのような作業を毎度行うのは煩わしい上に、上記破断作業に失敗すると便座シートの使用に支障を来すという問題もあった。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、便座用ヒータや洗浄用ノズルを有する洋式便器に対しても、ずれ落ちや位置ずれを生じず使い勝手の良好な便座シートおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る便座シートは、洋式便器の便座の中央開口に対応する開口部を切り欠いた状態で有するシート本体と、このシート本体の裏面に設けられる下塗り層と、この下塗り層を介してシート本体の裏面に設けられ前記便座に接着する接着部とを備え、折り畳み状態から展開して前記便座上に敷いて使用する便座シートであって、展開した前記シート本体を最初に二つに折り畳むと形成される第1の折り目となる部分に対して線対称となる位置に前記下塗り層が対で設けられ、また、対となる下塗り層の一方のみに前記接着部が設けられ、さらに、この接着部が、前記シート本体の前部または後部の左右方向中央部であって前記第1の折り目となる部分を跨がない位置に設けられていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
また、上記便座シートにおいて、前記接着部を複数のドットにより形成してあり、中央側のドットを周縁側のドットよりも面積を大としてあることが望ましい(請求項2)。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る便座シートの製造方法は、請求項1または2に記載の便座シートを製造するための便座シートの製造方法であって、下塗り層および接着部が設けられていると共に開口部がまだ設けられておらず、かつ、最初に二つに折り畳んだ状態のシート本体に対して、除去後に前記開口部となる不要部位の外縁に沿って弱化線を設け、その後、前記不要部位の少なくとも一部が重なるようにシート本体をさらに二つに折り畳み、その複数枚を積層し、不要部位のみが積層する積層部分を挟持して、前記弱化線の切断によりシート本体の他の部位から除去することを特徴としている(請求項3)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、いちいち前記中央部分を破断しなければならない従来の便座シートとは異なり、便座の中央開口に対応する開口部を切り欠いた状態で有しているので、上記破断作業を行う煩わしさがなく、洗浄用ノズルを有する洋式便器に対しても好適に用いることができる便座シートが得られる。
【0014】
また、請求項1に係る便座シートは、便座に接着する接着部を利用することで、便座からのずれ落ちや便座に対する位置ずれを生じることが防止されるのであり、使い勝手の良好なものとなっている。しかも、前記接着部を設ける位置は、シート本体の前部または後部の左右方向中央部であり、使用者の体重がかからない便座の前側位置に固定することができるので、それだけ接着部の接着力が無駄に高まることを確実に防止することができ、請求項1に係る便座シートは、便座用ヒータを有する洋式便器に対しても好適に用いることができる。加えて、前記便座シートは、使用者の体重がかからない便座の前側位置(すなわち使用者の体が接触しない位置)に接着部を接着する構成となっているので、接着部の接着剤が便座に糊移りしにくく、又、仮に糊移りしても、この接着剤は便座シートを敷かない者の脚等に付着することはなく、便座シートを敷かない場合に便器の使用が著しく不快感を伴うことになるというようなことも確実に防ぐことができる。
【0015】
さらに、折り畳んだシート本体が、前記接着部の接着によって展開することができなくなるようなことは、シート本体の適宜の位置に設けた下塗り層によって防止することができ、また、接着部が前記第1の折り目となる部分を跨がないように設けた構成によってその防止を担保(確実化)してある。
【0016】
請求項2に係る発明では、上記効果に加えて、前記接着部に適宜の水溶スピードと接着性能とを持たせることができるという効果が得られる。
【0017】
請求項3に係る発明では、上記効果を奏する便座シートを、簡易にかつ低コストで製造することができる便座シートの製造方法が得られる。その上、この製造方法では、シート本体を四つ折りにする前に弱化線を設けるので、シート本体を四つ折りにしてから弱化線を設ける場合に比べて開口部の形状の自由度が高まるという効果が得られる。さらに、シート本体を二つ折りから四つ折りにするときに、完全にぴったりと四つ折りにせず、ずらした四つ折りとすることができ、この場合、複数枚が積層状態となっていてもそのずれを利用することによって一枚一枚を取り出しやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る便座シートの構成を概略的に示す使用説明図、図2は使用状態の前記便座シートの構成を概略的に示す平面図、図3(A)は前記便座シートの接着部8の構成を概略的に示す平面図、図3(B)および(C)は前記接着部の参考例を示す平面図、図4(A)〜(F)は前記便座シートの製造方法を概略的に示す説明図である。
【0019】
最初に、本実施の形態に係る便座シートの概略について触れると、この便座シートは、図1に示すように、折り畳み状態から展開して洋式便器1の便座2上に敷いて使用し、使用後には洋式便器1内に捨てて流しても問題が無いように構成した使い捨てタイプのものである。以下、この便座シートの構成を詳述する。
【0020】
前記便座シートは、前記便座2の中央開口3に対応するほぼ楕円形状の開口部4を切り欠いた状態で有するシート本体5を備え、このシート本体5は、前記便座2の上面を十分に覆える形状および面積を有する水溶性(水分散性、水解性)の薄い紙によって構成してある。尚、この実施の形態では、シート本体5の外縁はほぼ矩形状となっているが、例えば便座2の外縁より一回り大きいほぼ楕円形状となっていてもよい。
【0021】
そして、前記シート本体5の裏面には、図2に示すように、水溶性の下塗り層6を設けてある。この下塗り層6は、アクリル系ポリマーあるいはポリアクリル酸エステルを主成分とする。または、下塗り層6として澱粉、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリルアミドのうちの何れか又はこれらのうちの二つ以上の混合物を用いる。
【0022】
また、前記下塗り層6は、図2に示すように、展開した前記シート本体5を最初に二つに折り畳むと形成される第1の折り目となる部分7に対して線対称となる位置に対で設けてある。ここで、前記第1の折り目となる部分7は、本実施の形態では、シート本体5の短手(左右)方向の中心軸となっている。尚、下塗り層6は、シート本体5の前部または後部(この実施の形態では前部)の左右方向中央部であって前記第1の折り目となる部分7を跨がない位置に一対設けてある。
【0023】
さらに、前記下塗り層6は便座シートの使用者に視認させる必要が無く、むしろ後述する接着部8との関係で視認させない方が好ましいとも言えるため、図2には説明のために図示してあるが、実際は無色透明である。
【0024】
そして、図2に示すように、対となる前記下塗り層6の一方のみに、前記便座2に接着する接着部8を設けてある。すなわち、接着部8は、下塗り層6を介してシート本体5の裏面に設けてあり、介在する下塗り層6によって接着部8がシート本体5に直接接触しない構成としてあるので、接着部8がシート本体5の裏面側から表面側に浸透するのを防止することができる。また、シート本体5を前記第1の折り目にて裏面が内側となるように折り畳んだときに、接着部8がシート本体5の他の部分に接着することも、接着部8を設けた下塗り層6と対の下塗り層6によって防止される。
【0025】
ここで、前記接着部8は、弱粘着性または微粘着性の水溶性接着剤を下塗り層6の表面に例えば塗布した状態とすることによって構成してあり、この水溶性接着剤は、ポリビニルメチルエーテルとポリビニルピロリドン系の材料との混合物からなる水分散型のホットメルト接着剤、にかわ変性物からなる接着剤、アクリル系粘着剤の何れか又はこれらのうち二つ以上の混合物である。尚、にかわ変性物とは、水、にかわ、添加物(グリセリン、糖類(蔗糖)、ソルビトール、尿素等の保水剤)を混合したものである。
【0026】
また、図3(A)に示すように、前記接着部8を複数のドット(円形部)9により形成してあり、中央側のドット9を周縁側のドット9よりも面積を大としてある。図3(A)に示す例では、中央のドット9が最も大きく、次いでその周囲にある計8個のドット9が大きく、外周の計16個のドット9が最も小さくなっている。
【0027】
そして、上記のように構成した接着部8は適宜の水溶スピードと接着性能とを有することになる。このことを、図3(B)および(C)に示す参考例としての接着部10,11と対比して説明する。
【0028】
まず、図3(B)に示すように、複数のドット9ではなく一つのドットにより構成した接着部10では、接着部10の円形領域全体にわたって隙間無く接着剤が塗布された状態となるため、便座シートを水に流したときの水と接着剤との接触面積がそれだけ小さくなり、これにより、接着部10およびこの近傍部分の水溶スピードが遅くなり、このことが便器1の下流側の配管の詰まりの原因となりうる。しかし、図3(A)に示す接着部8では、複数のドット9間に隙間が存在するため、便座シートを水に流したときの水と接着剤との接触面積が大きく、これにより、接着部8およびこの近傍部分の水溶スピードが早くなり、上記のような配管の詰まりは発生しない。
【0029】
また、図3(C)に示すように、大きさが均一のドットにより構成した接着部11では以下の欠点がある。すなわち、接着部11を指で押圧して便器2に接着する際に、通常、接着部11の中央付近に最も押圧力がかかることになるが、中央側のドットの面積は、押圧力があまりかからない周縁側のドットの面積と同一となっているため、その押圧力を有効に利用することができず、押圧力のロスにより上記接着が良好に行われないおそれもある。そして、このことを防止するために、各ドットの接着力を大きくすれば、便座シートを便器2から剥がしにくくなる懸念もある。しかし、図3(A)に示す接着部8では、中央側のドット9の面積を周縁側のドット9よりも大としてあるので、前記押圧力を殆どロスすることなく有効に利用することができ、接着力を大としなくても良好な接着性能が得られることになる。
【0030】
そして、図1に示すように、前記便座シートを折り畳み状態から展開して便座2に敷く際には、前記接着部8をシート本体5の上面側から指で押圧して、使用者の体重がかからない便座2の前側位置(使用者の体が接触しない位置)に押し付けることにより、接着部8の接着によってシート本体5を便座2に固定することができる。従って、接着部8は便座シートの使用者が押圧する際に容易に視認することができる必要があり、この実施の形態では、接着部8をシート本体5の色(この実施形態ではほぼ白色)と異なる色(この実施形態ではほぼ青色)に着色してある。尚、便座シートの使用時に接着部8を便座2の前側位置に接着するのが好適であるので、そのような動作を促す注意書きを、シート本体5自体や、便座シートを包装するパッケージ等に記載しておくことが望ましい。
【0031】
次に、前記便座シートの製造方法について説明する。まず、図4(A)は前記シート本体5の元となるシート状部材12の構成を概略的に示す底面図であり、このシート状部材12は、前記開口部4、下塗り層6、接着部8がまだ設けられていないシート本体5に相当するものであって、当然のことながら、このシート状部材12の素材はシート本体5の上記素材と同一である。そして、前記製造方法では、最初に、シート状部材12を形成し、このシート状部材12の下面(裏面)の適宜の位置に一対の下塗り層6を形成する。この一対の下塗り層6は、シート状部材12において前記第1の折り目となる部分7に対して線対称となる位置に設けてあり、具体的には、シート状部材12の前部の左右方向中央部であって前記第1の折り目となる部分7を跨がない位置に設けてある。
【0032】
続いて、図4(B)に示すように、対となる一方の下塗り層6に接着部8を設け、図4(C)に示すように、前記第1の折り目となる部分7を折って、シート状部材12をその下面が内側となるように折り畳む(二つ折りにする)。
【0033】
その後、図4(C)に示すように、除去後に前記開口部4となる不要部位13の外縁に沿って弱化線14を設ける。この弱化線14としては、シート状部材12に断続的な切れ目を入れて設けたものや、シート状部材12の一部を薄肉にして設けたもの等が挙げられる。
【0034】
そして、図4(D)に示すように、前記不要部位13の少なくとも一部が重なるように、第2の折り目となる部分15を折ってシート状部材12をさらに二つに折り畳む。このとき、シート状部材12の前端12aと後端12bとを完全に一致させて折り畳むのではなく、前端12aが後端12bに少し届かない位置にくるようにシート状部材12を折り曲げて畳む。尚、前記第2の折り目となる部分15は、シート状部材12を展開した状態で前記第1の折り目となる部分7とほぼ直交するように構成してある。
【0035】
続いて、図4(E)に示すように、上記のように四つ折りにしたシート状部材12を複数枚(例えば5枚〜100枚、好適には40〜60枚であり、この実施の形態では50枚)積層し、不要部位13のみが積層する積層部分16を適宜の挟持手段により挟持すると共に、前記不要部位13が存在しない積層部分17を他の適宜の挟持手段により挟持し、両挟持手段が相対的に離れるように一方または両方の挟持手段を移動させ、前記弱化線14を切断する。これにより各シート状部材12の他の部位から不要部位13を除去することができ、図4(F)に示すように、前記便座シートが完成することになる。
【0036】
上記製造方法により完成した便座シートは、シート状部材12の前端12aと後端12bとをずらして設けたものであるので、便座シートを複数枚を重ねて収納等してあっても、前端12aをつかむことにより一枚一枚を容易に取り出すことができる。
【0037】
なお、上記実施の形態では、下塗り層6を最小限に設けて製造コストの低減を図っているが、シート本体5の裏面全体に設けて補強することによりシート本体5の強度向上を図ってもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、下塗り層6および接着部8をそれぞれシート本体5の前部のみに設けてあるが、これらをシート本体5の後部に設けてあってもよく、前後両方に設けてあってもよい。
【0039】
さらに、上記実施の形態では、着色により使用者に接着部8の視認を行わせるようにしているが、これに限らず、例えば、接着部8の位置を示す適宜のマーク等を設け、接着部8を無着色としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態に係る便座シートの構成を概略的に示す使用説明図である。
【図2】使用状態にある前記便座シートの構成を概略的に示す平面図である。
【図3】(A)は前記便座シートの接着部の構成を概略的に示す平面図、(B)および(C)は前記接着部の参考例を示す平面図である。
【図4】(A)〜(F)は前記便座シートの製造方法を概略的に示す説明図である。
【図5】従来の便座シートの構成を概略的に示す使用説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 洋式便器
2 便座
3 中央開口
4 開口部
5 シート本体
6 下塗り層
7 第1の折り目となる部分
8 接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋式便器の便座の中央開口に対応する開口部を切り欠いた状態で有するシート本体と、このシート本体の裏面に設けられる下塗り層と、この下塗り層を介してシート本体の裏面に設けられ前記便座に接着する接着部とを備え、折り畳み状態から展開して前記便座上に敷いて使用する便座シートであって、展開した前記シート本体を最初に二つに折り畳むと形成される第1の折り目となる部分に対して線対称となる位置に前記下塗り層が対で設けられ、また、対となる下塗り層の一方のみに前記接着部が設けられ、さらに、この接着部が、前記シート本体の前部または後部の左右方向中央部であって前記第1の折り目となる部分を跨がない位置に設けられていることを特徴とする便座シート。
【請求項2】
前記接着部を複数のドットにより形成してあり、中央側のドットを周縁側のドットよりも面積を大としてある請求項1に記載の便座シート。
【請求項3】
請求項1または2に記載の便座シートを製造するための便座シートの製造方法であって、下塗り層および接着部が設けられていると共に開口部がまだ設けられておらず、かつ、最初に二つに折り畳んだ状態のシート本体に対して、除去後に前記開口部となる不要部位の外縁に沿って弱化線を設け、その後、前記不要部位の少なくとも一部が重なるようにシート本体をさらに二つに折り畳み、その複数枚を積層し、不要部位のみが積層する積層部分を挟持して、前記弱化線の切断によりシート本体の他の部位から除去することを特徴とする便座シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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