説明

便通改善飲食品

【課題】 安全性にすぐれ、経口摂取しやすい便通改善飲食品を新たに開発する。
【解決手段】 ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物(例えば、抹茶)を有効成分として含有する飲食品を経口投与する。その配合量は、乾燥粉末として、ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物が、それぞれ、0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%である。本発明に係る便通改善飲食品は、例えばドリンクにすると好適であって、その場合、有効成分に加水して所定容量にしてもよいし、所望する場合、加水する水の一部又は全部を豆乳にかえてもよい。本飲食品によれば、便秘の予防及び/又は排便の促進効果のほか、美肌効果も奏される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便通を改善するための飲食品に関するものであり、更に詳細には、ゴボウ粉末と抹茶を併用してなり、予防を含め、便通を広範に改善する飲食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴボウは、キク科植物で根を食用にするわが国特有の野菜であって、イヌリンを含んでいることが知られており、また、抹茶は、てん茶を石臼などで粉砕した緑色の微粉末であって、主として「茶の湯」(茶道)に使用されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
しかしながら、ゴボウを乾燥粉末とし、茶葉、特に抹茶と併用することによって卓越した便通改善作用が奏されることは全く知られていないし、ましてや、本発明のように、実際のヒトによってその作用を実際に確認した報告例などは全く知られておらず新規である。
【非特許文献1】「食品工業総合事典」(株)光琳、昭和54年10月25日発行、第353頁、第886頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食生活の変化、ストレスの増加等、各種の原因によって、近年、特に便秘の人が増加しており、便秘が大腸癌の原因のひとつとなっていることからも、その対策が強く希求されている。また、寝たきりの老人、大腸切除患者等においても、便通の改善が強く希求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記した当業界における強い要望に応える目的でなされたものであって、本発明者は、各方面から検討した結果、副作用がなく、マイルドで、しかしながら便通改善作用はすぐれたものを開発する必要性を認め、しかも更に、経口摂取しやすいものを開発する必要性を認めた。
【0006】
すなわち、本発明者は、便通改善作用がすぐれているだけでなく副作用がないというきわめて両立し難いないし両立し得ない要件を同時に満たし、そのうえ更に経口投与しやすいという要件も満たすという3要件を同時に満たす便通改善組成物の開発というきわめて解決困難な課題をあえて設定した。そして、本発明者は、各方面から検討の結果、上記技術課題を解決するには、飲食品が好適であるとの観点にたった。
【0007】
そこで本発明者らは、莫大な飲食品について検討したが、目的とする飲食品の開発に成功するには至らなかった。そして、発想を転換して2種以上の飲食品の併用に着目し、各種飲食品についてスクリーニングを行いそして各種の併用を試みた。
【0008】
その結果、ゴボウと茶の併用にはじめて着目した。そして本発明者らは、更に研究を進めた結果、ゴボウはジュースや根の切断物よりは根をすりつぶした粉砕物が好適であること、茶は抽出液(つまり、いわゆる飲用に供されるお茶)ではなく、茶葉、特にそれを細かく砕いたもの(例えば抹茶)が好適であることをはじめてつきとめた。そして、これらの併用に、更に豆乳を併用すると飲用しやすくなり、ドリンクに製剤する際非常に好適であること、つまり、飲食品として特にすぐれた効果が奏されることをはじめて見出した。
【0009】
本発明は、上記した有用新知見に基づき、更に検討、研究の結果、遂に完成されたものであって、特に、実際のヒトに直接経口投与してその効果を確認しただけでなく、この一連の実際のいわゆる臨床試験において、便通改善作用のほか、全く驚くべきことに、美肌作用も奏されることを実際のヒトについてはじめて確認した。このように本発明は、すぐれた便通改善作用、しかもそのうえすぐれた美肌作用を、実際のヒトによって現実に確認した点で、きわめて特徴的である。
以下、本発明について詳述する。
【0010】
本発明においては、ゴボウ(食用に供する根の部分)と茶葉の併用を必須とするものである。先ず、ゴボウについては、根の粉砕物(以下、ゴボウ粉砕物ということもある)を使用する。粉砕物としては、飲食に供したときに、口中においてこれをそしゃくしないでよい程度に(つまり、かまなくてもスムースに嚥下できる程度に)、細砕、磨砕したものであって、例えば、ゴボウの根(以下、単にゴボウということもある)を、ミキサー、フードプロセッサ、擂潰機、石臼等で処理してペースト化物としたものが適宜使用可能であるほか、これを乾燥してなる乾燥粉末、あるいは、乾燥させたゴボウをミルや石臼等で処理してなる乾燥粉末も使用可能である。また、ペースト化物及び/又は乾燥粉末を水及び/又は豆乳に懸濁してなる懸濁液も粉砕物に包含される。
【0011】
茶葉粉砕物も同様であって、茶葉をかむことなくスムースに飲食、嚥下可能な程度に粉砕ないし磨砕したものがすべて包含され、乾燥粉末、ペースト化物、これらの少なくともひとつを水及び/又は豆乳等の液体に懸濁してなる懸濁液等が例示される。乾燥粉末の一例である抹茶も好適に使用される。抹茶としては、てん茶を粉砕した緑色の微粉末がすべて使用されるが、点茶を石臼等で10μm以下の微粉とした茶の湯(茶道)用に市販されているもの、あるいは、これよりも粒度の大きい菓子原料用に市販されているものも適宜使用可能である。
【0012】
ゴボウ、茶葉は、各種産地のものが広範に使用可能であるが、栄養分、特にミネラル含量の高いものが好適である。ミネラル含量等の高いすぐれたゴボウ、茶葉は、例えば土壌調査等を行い、ミネラルをはじめとする栄養分の必要量を設定して、ニガリ等のミネラル含有成分、肥料成分等を灌注機等によって、ゴボウや茶木の周囲に施用することによって栽培することができる。
【0013】
本発明に係る便通改善飲食品は、ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物を有効成分とすることを特徴とするものであるが、粉砕物としてゴボウ粉末及び抹茶を代表例にとって、以下に本発明について説明する。
【0014】
本発明に係る便通改善飲食品を製造するには、ゴボウ粉末と抹茶を有効成分とし、本有効成分をそのまま、使用したり、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜常法にしたがって使用できる。本有効成分を用いる本発明に係る組成物は、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよいが、甘味料、酸味料、ビタミン剤その他ドリンク剤製造に常用される各種成分を用いて、ドリンクに製剤化することも可能である。
【0015】
また、本発明に係る便通改善飲食品は、サプリメント等、医薬品タイプとすることもできる。その場合、本有効成分は、種々の形態で投与される。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
【0016】
本発明に係る便通改善飲食品を製造するには、ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物を適宜併用すればよいが、例えばドリンクを調整する場合には、粉砕物として乾燥粉末(ゴボウ粉末及び抹茶)を使用した場合、ゴボウ粉末を0.7〜1.2%、好ましくは0.8〜1.1%、及び、抹茶を乾燥粉末として0.7〜1.3%、好ましくは0.8〜1.2%を有効成分とし、水や豆乳を添加して100ml、200ml等の適宜容量にすればよく、他の場合もこれに準じて配合量を定めればよい。
【0017】
ドリンク等飲料を調製する場合、甘味料その他の各種成分を添加できることは上記したとおりであるが、特にゴボウ粉砕物の存在によって飲用時に抵抗をおぼえる場合があることから、すなわち本発明は飲食品として使用することがひとつの特徴であることから、飲み易いということも重要なファクターである。
【0018】
そこで、ゴボウと茶葉という独特な組み合わせにもかかわらず、これらをスムースに飲用せしめることのできる媒体(飲料)について、広範なスクリーニングを行った。その結果、豆乳を使用すると飲用しやすくなり、効果が高まることをはじめて見出した。
【0019】
豆乳としては、水浸漬した大豆を、更に加水し、これを磨砕した後に加熱し、得られた呉を濾過しておからを分離して得られる液状物を広く指すものであって、市販品も適宜使用可能である。その際、市販品としては、プレーンタイプの無調整豆乳、甘味等を付した調製豆乳のほか、果汁入り、コーヒー入り等の豆乳飲料その他各種タイプのものも広範に使用することができる。豆乳の配合量については、豆乳成分が配合されていればよく、格別の限定はないが、1%以上、好ましくは10%以上とすればよい。豆乳は多量に配合しても何らさしつかえなく、場合によっては、ゴボウ粉末及び抹茶を所要量配合した後、これに豆乳を加えて全体を100ml、200ml等の一定容量にすることもできる。もちろん、豆乳の代りに水を使用することもできるし、両者の混合物も使用可能である。また、ゴボウ粉砕物、茶葉粉砕物をそれぞれあるいは両者の混合物を用意しておき、必要時に、水や豆乳と混合して飲用できるよう、用時製剤型にすることもできる。
【0020】
本発明に係る飲食品は、例えば、有効成分として、ゴボウ粉末0.9%、抹茶1%を含有するドリンクの場合、100〜200mlを1日1〜3回食前、食中、食後の何れかの時期に飲用すればよい。本有効成分は、いずれも飲食品であるため、安全性については問題はなく、上記用量以上飲用してもさしつかえなく、事実、本ドリンクをマウスに対して1000ml/kgの用量で10日間に亘って経口投与したが急性毒性は認められなかった。したがって、本ドリンクは、通常の飲食品と同じ感覚で自由に飲用することもでき、しらずしらずの内に便通を改善し、美肌とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る便通改善飲食物は、これを経口投与することによって、便秘の予防及び/又は排便の促進といった便秘の改善のほか、便性の改善、腸内腐敗産物の抑制、糞便の水分コントロール、臭気の軽減等の著効が奏され、極度の便秘の人でも便秘が直り、普通の糞便とすることができる。また、本発明によれば、便通の改善だけでなく、全く予期せざることに、本発明に係る飲食品を経口摂取したところ、肌がスベスベになり、肌にツヤが出てきて、くすみもうすくなり、吹き出物も縮小したり消失したりして、美肌効果が奏されることもはじめて確認した。
【0022】
ゴボウ粉砕物と茶葉粉砕物を経口投与することによって便通改善効果のみならず美肌効果まで奏されることは、従来全く知られておらず新規である。しかも本発明は、これらのすぐれた効果を、直接、実際のヒトによって現実に確認した点できわめて特徴である。つまり、本発明によって奏される効果は卓越しており、きわめて顕著であるだけでなく、これらの効果を間接的な動物実験ではなく実際のヒトによる直接的な臨床試験によって確認した点で、画期的且つ特徴的である。
【0023】
しかも、本発明において使用する有効成分は、いずれも飲食品であるため、副作用はなく、安全性について格別の問題は認められず、本発明に係る飲食品は長期間経口投与することも充分に可能である。
【0024】
したがって本発明は、ゴボウ粉砕物と茶葉粉砕物を混合することにより、乾燥粉末としてそれぞれ好ましくは0.1〜10%、更に好ましくは0.5〜5%混合することにより、所望するのであれば更に豆乳を併用することにより、便通改善飲食品としてなることを特徴とし、便秘の予防及び/又は排便の促進を含む便通の改善のために(そして更に美肌のために)混合して用いられるものである旨の表示を付した便通改善飲食品も提供できるものである。
【0025】
また、本発明に係る飲食品は、ヒトのみでなく、動物にも使用することができる。動物については、例えば家庭等で飼育される犬、猫等のペット類の小動物が対象とされる。その際、本有効成分は、製剤することなく、個々に用意しておき、そのまま直接ペットフードその他通常の動物用飼料や飲料水に添加してもよいし、必要あれば、有効成分をあらかじめ含有せしめたペットフードを製造しておいてもよい。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
ゴボウの根をミキサー処理してゴボウペーストを調製した。得られたゴボウペースト0.9%(固形物換算)及び抹茶(茶道用抹茶:市販品)1%に加水して全量を100mlとして、ドリンク(1)を製造した。
【0028】
(実施例2)
ゴボウの根(以下、単にゴボウということもある)を乾燥した後、これをミルにて粉砕した。得られたゴボウ粉末は、口中においてスムースであり、かむ必要もなく、容易に嚥下できる程度に粉砕されていた。このゴボウ粉末1.8g及び抹茶(茶道用抹茶:市販品)2gに豆乳(市販品)を加えて全量を200mlとしてドリンク(2)を調製した。
【0029】
なお、豆乳としては市販品(商品名「ほんとの豆腐」:日清サイエンス(株))を用いた。その栄養成分は、1パック(200ml)あたり、熱量136kcal、たんぱく質12.2g、脂質7.4g、炭水化物4.5g、ナトリウム7mg、イソフラボン32mgである。
【0030】
(実施例3)
実施例2において、ゴボウ粉末を3.6g、抹茶を4gとしたほかは実施例2と同様に処理して、有効成分含量を2倍にしたドリンク(3)を調製した。
【0031】
(実施例4)
i)2日に1回しか排便がない、あるいは3日以上も排便がない便秘の患者(A〜F)を対象に本発明に係るドリンクを経口投与した。但し、A、Bには、実施例1で得たドリンク(1)を朝、夕の食前30分にそれぞれ1本ずつ投与し、第9日目からは、実施例2で得たドリンク(2)を朝、夕の食後30分にそれぞれ1本ずつ投与した。また、C、D、Eには、実施例1で得たドリンク(1)を朝、夕の食後30分にそれぞれ1本ずつ投与し、そして第2日目〜8日目までは食前30分に投与し、そして、第9日目からは、実施例2で得たドリンク(2)を朝、昼、夕の食前30分にそれぞれ1本ずつ投与した。
【0032】
排便がありしかも便性もよく快便の人を◎印、排便有りの人を○印、排便なしの人を×印とし、得られた結果を下記表1に示した。
【0033】
(表1)
A B C D E
0日目 ○ ○ × ○ ○
1日目 ○ × × ○ ○
2日目 ○ × × × ○
3日目 ○ ○ × ○ ○
4日目 ○ × ○ ○ ○
5日目 ○ × × ○ ×
6日目 ○ ○ ○ × ○
7日目 ○ ○ ○ ○ ○
8日目 ○ × × × ○
9日目 × × × × ○
10日目 ○ ○ ○ ○ ×
11日目 × ○ ○ ○ ○
12日目 ○ × ○ × ○
13日目 ○ ○ × ○ ○
14日目 ○ ○ × ○ ○
15日目 ○ × × × ○
【0034】
ii)更に試験を継続した。なお、16日目からはEにかえてFが試験に参加した。得られた結果を下記表2を示した。
【0035】
(表2)
A B C D F
16日目 × ○ ○ ○ ○
17日目 ○ × × ○ ○
18日目 ○ × × ◎ ×
19日目 × ○ × ○ ×
20日目 ○ ○ ○ × ×
21日目 ○ × ○ ○ ○
22日目 ○ × × × ×
23日目 ○ ○ ○ × ×
24日目 ○ ○ ○ ○ ×
25日目 × × × ○ ○
26日目 ○ ◎ × × ○
27日目 ○ × × × ○
28日目 ○ ○ ○ ○ ×
29日目 ○ ○ × ○ ×
30日目 ○ ○ × ○ ×
31日目 × ○ ○ ○ ○
32日目 ○ × ○ ○ ×
33日目 × ○ × × ○
34日目 ○ × × × ×
35日目 ○ ○ ○ ○ ○
36日目 ○ × ○ × ×
37日目 ○ ○ ○ ○ ○
【0036】
iii)38日目からは、比較試験を実施した。すなわち、A及びCについては、ゴボウ粉末1.8gを水又は白湯にて、朝、夕の食前にそれぞれ投与した。Bについては、抹茶2gを水又は白湯にて、朝、夕の食前にそれぞれ投与した。Dについては、ゴボウ粉末1.8g及び抹茶2gを、豆乳を用いることなく、水又白湯にて朝、夕の食前にそれぞれ投与した。そして、Fについては、実施例3で調製したドリンク(3)(豆乳+2倍量(ゴボウ粉末+抹茶)200mlを、朝、夕の食前にそれぞれ投与した。得られた結果を、下記表3に示した。
【0037】
(表3)
A B C D F
38日目 ○ × × ○ ○
39日目 ○ ○ × ○ ◎
40日目 × × × × ×
41日目 × × × ○ ○
42日目 ○ × ○ × ○
43日目 ○ × ○ × ×
44日目 × ○ × ○ ○
45日目 × × × ○ ×
46日目 × × ○ × ◎
47日目 ○ ○ × ○ ×
48日目 ○ ○ ○ × ○
49日目 ○ ○ × × ○
50日目 ○ × × ○ ×
51日目 × × × × ◎
52日目 ○ ○ × ○ ×
53日目 × × ○ ○ ○
54日目 × × × × ○
55日目 ○ × × ○ ×
56日目 × ○ ○ ○ ○
【0038】
iv)A〜Fにアンケートしたところ、次の結果が得られた。
A:最近、食欲が全くなかったが、元のように何でも食べられるようになった。また、便秘がちのため便が固く排便がつらい時もあったが、飲用後は楽だった。通じは良好で、快便であった。皮膚のキメも細かくなり、肌のつやが出てきた。しかしながら、豆乳セット(ドリンク(2))に比して、ゴボウ粉末のみを単用した場合、排便の回数が減少しただけでなく、便が固めとなり、排泄に少し困難性が感じられ、飲用に際しては薬を服用するようで食品という感じがうすく、のみにくかった。
【0039】
B:3日以上も排便がない点が改善され、しかも排便時において排便が楽で、通じはよくなった。ただ、食欲がやや低下し、特に昼食はあまりすすまなかった。そして、豆乳セットに比して抹茶のみを単用した場合、排便の回数が減少しただけでなく、便が固く、腹痛も時々あり、全体的に、豆乳セットを飲んでいたときの方が便がスムーズに出ており、便通の改善効果が高かった。肌にツヤが感じられるようになった。
【0040】
C:排便時における排便は楽となり、排便のときの痛みは全くなくなり、トイレに行く回数も減少した。しかしながら、ゴボウ粉末のみを単用した場合、トイレに行く回数が急にふえ、快便の感じも得られなくなった。
【0041】
D:便通、排便に関して、特に気になる点はなく、通じは良好であった。なお、豆乳を併用することなく、抹茶とゴボウ粉末を白湯や水等で服用する場合、粉末が口中に飛び散り、のみにくいだけでなく、風味も好ましいものではなかった。便通の効果自体については、豆乳セットに比して格別大きな変化は認められなかったが、便がやや固くなった。肌の調子は非常によくなり、肌にウルオイが感じられ、キメが細かくなったよう感じがするようになった。
【0042】
E:通じは良好で、快便であった。ただ、食後投与の場合、体調はきわめて良かったが、食前投与に変えてからお腹の調子が良いという自覚は感じられなかった。食前に飲むので、食事をとりすぎるような胃の膨張感を感じた。そして、1回200mlで飲むようになってから食事の量をとれなくなったが、空腹感はない。飲んでいる間はガスがお腹にたまっている感じだった。後半は慣れたのかお腹のゴロゴロ感も感じなくなり、快調となった。顔のシミもうすくなり、ニキビも減ってきただけでなく、ニキビの痕も目立たなくなり、肌がなめらかになり、きれいになった。
【0043】
F:豆乳セット(ドリンク(2))服用時においても良好な便通が認められたが、有効成分を2倍にしたドリンク(3)を服用すると更に効果が高まり、排便あり(○)だけでなく、快便(◎)のスコアもつけることができた。そして、全体的にふりかえると、抹茶・ゴボウ粉末が2倍量になったので、満腹感も大きくなり便通も相当改善したように感じられた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物を有効成分として含有すること、を特徴とする便通改善飲食品。
【請求項2】
ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物を有効成分として含有し、更に豆乳を含有すること、を特徴とする便通改善飲食品。
【請求項3】
粉砕物が乾燥粉末、ペースト化物、懸濁液の少なくともひとつであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の便通改善飲食品。
【請求項4】
ゴボウ粉砕物がゴボウ粉末であり、茶葉粉砕物が抹茶であること、を特徴とする請求項3記載の便通改善飲食品。
【請求項5】
粉砕物を、乾燥粉末として、0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%含有してなること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の便通改善飲食品。
【請求項6】
該飲食品がドリンクであること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の便通改善飲食品。
【請求項7】
ゴボウ粉砕物及び茶葉粉砕物をそれぞれ別個に用意しておき、あるいは、これらの混合物を別個に用意しておき、用時に水及び/又は豆乳を加えるようにしてなること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の便通改善飲食品。
【請求項8】
便通改善が便秘の予防及び/又は排便の促進であること、を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の便通改善飲食品。
【請求項9】
更に、美肌作用を有するものであること、を特徴とする請求項8に記載の便通改善飲食品。

【公開番号】特開2006−136246(P2006−136246A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329208(P2004−329208)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(500221194)有限会社 農業科学研究所 (2)
【Fターム(参考)】