説明

保冷・保温バッグにおける開放防止装置

【課題】保冷・保温バッグの両側開口端縁部に、持ち手を備えて形成された硬質合成樹脂材より成る開閉片を固定し、且つ該開閉片の両端部にストッパーを取付けて、前記開閉片の開放を防止する。
【解決手段】アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シート1を方形袋状にして形成された保冷・保温バッグ2の両側開口端縁部3に、硬質合成樹脂材より成る持ち手4を備えて形成された開閉片5a・5bをそれぞれ固定し、且つ該開閉片5a・5bをストッパー8により圧着することにより、該開閉片5a・5bの開放を防止して、保冷・保温バッグ2内をほぼ密閉状態とし、更に、前記開閉片5a・5bを硬質合成樹脂材で形成することにより、保冷・保温バッグ2の保型性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シートを方形袋状にして形成された保冷・保温バッグの両側開口端縁部に、持ち手を備えて形成された硬質合成樹脂材より成る開閉片を固定し、且つ該開閉片を簡単に開放できないようストッパーを取付けて、バッグ内をほぼ密閉状態とし、冷凍食品や冷却したビール、または加温された食品等の飲食料品等を収納して持ち運ぶことのできる保冷・保冷バッグにおける開放防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
保冷・保温バッグの開放を防止して、該保冷・保温バッグ内を密閉状態に維持する先行特許文献を遡及検索したところ、下記の特許文献1に開示された保冷バッグが公知である。
【0003】
前記特許文献1に開示された保冷バッグは、アルミニウム箔シートより成る外袋体の表裏シート片の対向面に、互いに係脱自在なファスナーを設けて形成されており、該ファスナーを係合することにより、前記保冷バッグの開放を防止して、該保冷バッグ内を密閉状態に維持するよう形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−73182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示された保冷バッグは、ファスナーを係合することにより、保冷バッグ内を密閉状態に維持するよう形成されているが、該ファスナーではその係脱作業に手間がかかり、極めて面倒であると共に、前記ファスナーの係合がすべてできない場合もあり、保冷バッグ内の密閉状態を完全に維持することができないという課題があった。
【0006】
また、前記特許文献1に開示された保冷バッグは、ファスナーを係合することにより、保冷バッグ内を密閉状態に維持するよう形成されているが、該ファスナーの係合状態を維持するためのストッパー手段が備えられていないため、何らかの衝撃を受けた場合、前記ファスナーの係合状態が維持されず、保冷バッグが開放されてしまうという課題があった。更に、保冷バッグは、アルミニウム箔シートにより形成されているため、全体が柔軟で保型性が悪いという課題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シートを方形袋状にして形成された保冷・保温バッグの両側開口端縁部に、硬質合成樹脂材より成る持ち手を備えて形成された開閉片をそれぞれ固定し、且つ該開閉片をストッパーにより圧着することにより、該開閉片の開放を防止して、保冷・保温バッグ内をほぼ密閉状態とし、更に、前記開閉片を硬質合成樹脂材で形成することにより、柔軟な断熱シートにより形成された保冷・保温バッグの保型性を向上させ、冷凍食品や冷却したビール、または加温した食品等の飲食料品等を収納して持ち運ぶことのできる保冷・保温バッグにおける開放防止装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シートを、方形袋状に成型して形成された保冷・保温バッグの上端両側開口端縁部に、硬質合成樹脂材により、持ち手を備えて形成された開閉片をそれぞれ対面して固定すると共に、前記各開閉片のうち、一方の開閉片の内側面に所定間隔を有して小突起を複数個突設し、且つ他方の開閉片に前記各小突起を密嵌固定する小孔を、該各小突起と対面する位置にそれぞれ穿設する一方、前記各開閉片の両側部に、互いに密着した各開閉片の密着状態を維持するためのストッパーが取付けられ、前記ストッパーは、前記各開閉片と同一素材の硬質合成樹脂材により、該密着した各開閉片の幅と同一幅の長方形状の上面板の長手方向両側に、直角に折曲した折曲片をそれぞれ垂設して断面逆凹状に形成し、更に前記上面板と一方の折曲片の基部側寄りを切欠くと共に、該一方の折曲片を更に先方方向へ斜めに切断して、斜めの切断面を備えた切欠き部を設けて形成され、更に、前記2個のストッパーが、前記切断面を有していない他方の折曲片の基端部側を前記一方の開閉片の両端部側にそれぞれ軸支し、該各ストッパーを前記軸支部を支点として回動させて、前記密着した各開閉片の上方より嵌合固定して、前記開閉片の上方および両側部より押圧して圧着するようにするという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0009】
前記構成より成る本発明によれば、アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シートを方形袋状にして形成された保冷・保温バッグの両側開口端縁部に、硬質合成樹脂材より成る持ち手を備えて形成された開閉片をそれぞれ固定し、且つ該開閉片をその両端部においてストッパーにより圧着固定することにより、該開閉片の開放を防止して、バッグ内をほぼ密閉状態とし、更に、前記開閉片を硬質合成樹脂材で形成することにより、保冷・保温バッグの保型性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明保冷・保温バッグにおける開放防止装置を取付けた全体の斜視図である。
【図2】本発明保冷・保温バッグにおける開放防止装置を取付けた保冷・保温バッグを開放した状態を示す要部の斜視図である。
【図3】本発明保冷・保温バッグにおける開放防止装置を取付けた保冷・保温バッグの開閉片を閉鎖しようとする状態を示す要部の斜視図である。
【図4】本発明保冷・保温バッグにおける開放防止装置を取付けた保冷・保温バッグの開閉片を閉鎖した状態を他方側から見た要部の斜視図である。
【図5】本発明保冷・保温バッグにおける開放防止装置を取付けた保冷・保温バッグの開閉片を閉鎖した状態を一方側から見た要部の斜視図である。
【実施例】
【0011】
本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明する。本発明保冷・保温バッグは、アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シート1を、方形袋状に成型して形成された保冷・保温バッグ2の上端両側開口端縁部3に、硬質合成樹脂材により、持ち手4を備えて形成された前記上端両側開口端縁部3の補強の役目を果たす開閉片5a・5bを対面して固定すると共に、且つ該開閉片5a・5bを密着して外気が内部に流入できないようにして密閉性を図るために、前記開閉片5a・5bのうち、一方の開閉片5aの内側面に所定間隔を有して小突起6を複数個突設すると共に、他方の開閉片5bに前記各小突起6を密嵌固定する小孔7を、該各小突起6と対面する位置にそれぞれ穿設して形成されており、前記各小突起6を対面する各小孔7に密嵌して固定することにより、前記開閉片5a・5bは前記上端両側開口端縁部3において、互いに密着して保冷・保温バッグ2内はほぼ密閉状態を維持することができるよう形成されている。
【0012】
そして、前記保冷・保温バッグ2の開閉片5a・5bの両側部には、互いに密着した開閉片5a・5bの密着状態を維持するためのストッパー8が取付けられている。前記ストッパー8は、互いに密着した2枚の開閉片5a・5bを上方および両側部より押圧して、該2枚の開閉片5a・5bの密着状態を維持して、該開閉片5a・5bが開放しないように形成されている。
【0013】
前記ストッパー8は、前記開閉片5a・5bと同一素材の硬質合成樹脂材により、該密着した開閉片5a・5bの幅と同一幅の長方形状の上面板9の長手方向両側に、直角に折曲した折曲片10a・10bをそれぞれ垂設して断面逆凹状に形成し、更に前記上面板9と他方の折曲片10bの基部側寄りを切欠くと共に、該他方の折曲片10bを更に先方方向へ斜めに切断して、斜めの切断面11を備えた切欠き部12を設けて形成されている。
【0014】
前記構成より成る2個のストッパー8が、前記切断面11を有していない一方の折曲片10aの基端部側を前記一方の開閉片5aの両端部側にそれぞれ対向して軸支13されて、該軸支13部を支点にして回動自在なるように形成され、前記各ストッパー8を、前記軸支13部を支点としてそれぞれ内側方向へ回動させて、前記各小突起6を各小孔7に密嵌固定して密着した開閉片5a・5bの上方より嵌合固定して、前記開閉片5a・5bの上方および両側部より押圧して圧着することにより、該2枚の開閉片5a・5bの密着状態を維持して、該開閉片5a・5bが開放しないように形成されている。
【0015】
なお、前記開閉片5a・5bを開放するときは、該開閉片5a・5bの両端部側に密嵌固定されている各ストッパー8を上方へ引っ張り、外側方向へ回動させて、前記開閉片5a・5bの圧着状態を解除して、該開閉片5a・5bを押し拡げればよい。
【0016】
前記ストッパー8を、前記軸支13部を支点としてそれぞれ内側方向は回動させて、前記密着した開閉片5a・5bの上方より嵌合させる際、斜めの切断面11を備えた切欠き部12があるため、該ストッパー8を開閉片5a・5bの上方より嵌合させても、一方の折曲片10aが前記開閉片5a・5bの上方に接触することなく、確実に前記開閉片5a・5bの上方より嵌合固定される。なお、前記開閉片5a・5bおよびストッパー8を硬質合成樹脂材で形成することにより、保冷・保温バッグ2の保型性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0017】
1 断熱シート
2 保冷・保温バッグ
3 開口端縁部
4 持ち手
5a・5b 開閉片
6 小突起
7 小孔
8 ストッパー
9 上面板
10a・10b 折曲片
11 切断面
12 切欠き部
13 軸支

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム箔シートに合成樹脂材を張り合わせた断熱シートを、方形袋状に成型して形成された保冷・保温バッグの上端両側開口端縁部に、硬質合成樹脂材により、持ち手を備えて形成された開閉片をそれぞれ対面して固定すると共に、前記各開閉片のうち、一方の開閉片の内側面に所定間隔を有して小突起を複数個突設し、且つ他方の開閉片に前記各小突起を密嵌固定する小孔を、該各小突起と対面する位置にそれぞれ穿設する一方、
前記各開閉片の両側部に、互いに密着した各開閉片の密着状態を維持するためのストッパーが取付けられ、前記ストッパーは、前記各開閉片と同一素材の硬質合成樹脂材により、該密着した各開閉片の幅と同一幅の長方形状の上面板の長手方向両側に、直角に折曲した折曲片をそれぞれ垂設して断面逆凹状に形成し、更に前記上面板と他方の折曲片の基部側寄りを切欠くと共に、該他方の折曲片を更に先方方向へ斜めに切断して、斜めの切断面を備えた切欠き部を設けて形成され、更に、前記2個のストッパーが、前記切断面を有していない他方の折曲片の基端部側を前記一方の開閉片の両端部側にそれぞれ対向して軸支し、該各ストッパーを前記軸支部を支点として回動させて、前記密着した各開閉片の上方より嵌合固定して、前記開閉片の上方および両側部より押圧して圧着するようにしたことを特徴とする保冷・保温バッグにおける開放防止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−230789(P2011−230789A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101764(P2010−101764)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(506204047)プラスワン株式会社 (5)
【Fターム(参考)】