保冷容器
【課題】 魚体の品質の低下を抑制することができる保冷容器の提供を目的とする。
【解決手段】 魚体を収容する収容部を有して箱状に形成されると共に上側の開口部から前記収容部に魚体が収容される容器本体と、前記開口部に装着される板状の中蓋と、該中蓋をさらにその上側から覆って容器本体に装着されることで開口部を密封する外蓋と、前記収容部をその広がり方向で複数の収容領域に仕切る壁体とを備え、前記中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能とする複数の載置領域が、前記収容部の広がり方向全域に亘るよう形成され、該載置領域ごとに、前記収容部に連通する冷気供給孔が形成され、選択された前記載置領域に載置される蓄冷材の冷気が、前記壁体により仕切られた任意の収容領域に前記冷気供給孔から供給される保冷容器。
【解決手段】 魚体を収容する収容部を有して箱状に形成されると共に上側の開口部から前記収容部に魚体が収容される容器本体と、前記開口部に装着される板状の中蓋と、該中蓋をさらにその上側から覆って容器本体に装着されることで開口部を密封する外蓋と、前記収容部をその広がり方向で複数の収容領域に仕切る壁体とを備え、前記中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能とする複数の載置領域が、前記収容部の広がり方向全域に亘るよう形成され、該載置領域ごとに、前記収容部に連通する冷気供給孔が形成され、選択された前記載置領域に載置される蓄冷材の冷気が、前記壁体により仕切られた任意の収容領域に前記冷気供給孔から供給される保冷容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保冷容器に関し、例えば、魚体を冷却することで活魚のまま収容し、保冷して目的の場所まで搬送(輸送)するのに用いられる保冷容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示す保冷容器が提案されている。該保冷容器は、上部を開放して開口部とし内部に収容物(この場合、花類や野菜類)を収容する収容部を形成した容器本体と、開口部を覆う蓋体とを備えている。
【0003】
また、蓋体の中央部分の上面は落とし込まれて一つの蓄冷材設置部が形成され、蓄冷材設置部の底壁には収容部に連通する孔が形成され、蓄冷材設置部を上から覆う小蓋体をさらに備えている。
【0004】
この保冷容器では、収容部に収容物を収容して開口部を蓋体で覆うとともに、蓄冷材設置部の底壁に蓄冷材を置き、小蓋体で蓄冷材設置部を覆えば、その冷気が孔を通って落下して、花類や野菜類を保冷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−302162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年、地域ブランドとしての魚類が全国的規模で求められる傾向にある。そこで、上記従来の保冷容器を利用してこの種の魚類の搬送をすることが考えられる。しかしながら、上記従来の保冷容器では、一つの蓄冷材設置部が形成されているのみであるから、収容物の種類に拘らず一様に保冷することになる。一方、魚体はその種によって体質が一様ではない。また、収容する個体数も場合に応じて異なる。このため、種や個体数に拘らず保冷が一様であると、魚体の品質を低下させてしまう。
【0007】
また、魚体は搬送中の振動によって収容部内を移動し易いが、上記従来の保冷容器では、魚体を位置保持しておく構成を有しない。このため、振動によって魚体が収容部内で動いて、例えば魚体どうしが擦れあったり、収容部の内壁面に強く衝突したりすると、魚体にダメージが与えられて魚体の品質(商品価値)が低下してしまう。さらに近年、水を用いず魚を仮死状態で活魚のまま目的地まで輸送する、水無し活魚輸送が行われるが、特にこの場合では、繊細な保冷を行うことが要求されている。
【0008】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、魚体の品質の低下を抑制することができる保冷容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の保冷容器は、魚体を収容する収容部を有して箱状に形成されると共に上側の開口部から前記収容部に魚体が収容される容器本体と、前記開口部に装着される板状の中蓋と、該中蓋をさらにその上側から覆って容器本体に装着されることで開口部を密封する外蓋と、前記収容部をその広がり方向で複数の収容領域に仕切る壁体とを備え、前記中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能として且つ互いに仕切られた複数の載置領域が、前記収容部の広がり方向に亘るよう形成され、該載置領域ごとに、前記収容部に連通する冷気供給孔が形成され、選択された前記載置領域に載置される蓄冷材の冷気が、前記壁体により仕切られた任意の収容領域に前記冷気供給孔から供給されることを特徴としている。
【0010】
上記構成において、壁体により容器本体の収容部を、必要とする数の収容領域に仕切って、開口部から任意の収容領域に魚を収容し、中蓋を開口部に装着し、複数の載置領域のうち、魚体の保冷に必要な収容領域に応じた載置領域を選択して、その載置領域に蓄冷材を載置すると、その載置領域に形成された冷気供給孔から蓄冷材の冷気が供給され得る状態となり、外蓋を容器本体に装着することで開口部(収容部)が密封され、蓄冷材の冷気が収容領域を循環して蓄冷材の冷気により魚体が間接的に保冷され、魚体の品質が維持される。
【0011】
また、壁体によって収容部を複数の収容領域に仕切ることで、保冷容器の搬送中に保冷容器に振動が与えられても、壁体で収容部を仕切って該収容部よりも狭隘な収容領域としている分だけ、振動に伴う収容部内での魚体の動きが抑制されるから、魚体の品質が維持される。
【0012】
さらに、魚種によっては、予め仮死状態になるまで冷やした魚体(活魚)を収容領域に収容し、魚体の雰囲気温度が仮死状態を維持できる温度となるよう必要な数の蓄冷材を選択した載置領域に載置することで、繊細な保冷により急激に魚体を冷却することがなく、保冷容器を、いわゆる水無し活魚輸送に用いることが可能である。
【0013】
本発明の保冷容器では、中蓋の上面に隔壁が形成されて該隔壁により複数の載置領域が形成され、蓄冷材が隔壁により保持される構成を採用することができる。この構成によれば、選択する載置領域が明確になって、しかも蓄冷材は、隔壁によって載置位置が保持される。
【0014】
本発明の保冷容器では、壁体は、収容部を形成する容器本体の壁面に支持されるとともに、中蓋の下面が上縁部に接触して支持される構成を採用することができる。
【0015】
保冷容器の搬送中に魚体が移動すると、収容領域に収容された魚体の大きさや目方によっては、魚体によって大きな外力が壁体に働く場合が考えられる。そこで上記構成のように、壁体を、収容部を形成する容器本体の壁面で支持するとともに、中蓋の下面を壁体の上縁部に接触して支持することで、前記外力に抵抗し得て、壁体の破損を回避することが可能である。
【0016】
本発明の保冷容器では、中蓋の外形面が容器本体の開口部における内面に当接することで、壁体が支持される構成を採用することができる。この構成によれば、壁体の上縁部に中蓋の下面が接触して、しかも中蓋の外形面が開口部の内面に当接することで、壁体が支持される。
【0017】
本発明の保冷容器では、中蓋の下面の外周部が開口部の中蓋掛かり面に接触することで、壁体が支持される構成を採用することができる。この構成によれば、壁体の上縁部に中蓋の下面が接触して、しかも中蓋の下面の外周部が中蓋体掛かり面に接触することで、壁体が支持される。
【0018】
本発明の保冷容器では、壁体の上縁部は、中蓋の下面に形成された溝に嵌合する構成を採用することができる。この構成のように、壁体の上縁部を中蓋の溝に嵌合させて保持することで、壁体の支持が確実になる。
【0019】
本発明の保冷容器では、中蓋は、その外形面と開口部を形成する周壁面との間の調整用隙間を介して開口部に設置されることで、開口部に対して該開口部の広がり方向に位置調整可能とされた構成を採用することができる。
【0020】
中蓋を開口部に装着する時、壁体は中蓋によって見てとることができなくなるが、上記構成のように、中蓋を開口部の広がり方向に位置調整可能としておくことで、壁体の上縁部を中蓋に形成した溝に合致させ易くなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の保冷容器は、容器本体の収容部を必要とする数の収容領域に仕切る壁体を備えているから、保冷容器の搬送中に保冷容器に振動が与えられても、壁体で収容部を仕切って収容部よりも狭隘な収容領域としている分だけ振動に伴う収容部内での魚体の動きを抑制して魚体の品質を維持することができ、中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能とする複数の載置領域を収容部の広がり方向全域に亘るよう形成し、載置領域ごとに収容部に連通する冷気供給孔を形成して、選択された載置領域に載置される蓄冷材の冷気を壁体により仕切られた任意の収容領域に対して冷気供給孔から供給するから、収容される魚種や個体数等に応じた保冷ができ、したがって、魚体の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【図2】同幅方向での一部断面図である。
【図3】同容器本体の平面図である。
【図4】同中蓋の平面図である。
【図5】同中蓋の長手方向での側面図である。
【図6】同中蓋の幅方向での側面図である。
【図7】同中蓋の底面図である。
【図8】同外蓋の底面図である。
【図9】同外蓋の長手方向での断面図である。
【図10】本発明の第二の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【図11】さらに別の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【図12】さらに別の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る保冷容器を、図1ないし図9に基づいて説明する。この保冷容器1は、水を使用せず魚体を保冷することで、魚を活魚の状態で搬送(輸送)する、活魚水無し輸送に好適に用いられる。なお、この保冷容器1に収容される魚類として、空気中(水中でない)であっても、他の魚類に比して長時間生息することが可能な対象魚が好適である。これには、例えばヤイトハタ(スズキ目ハタ科に属する)が挙げられる。
【0024】
まず、図1ないし図9に基づいて、本発明の保冷容器1の、第一の実施形態を説明する。図1および図2に示すように、保冷容器1は、容器本体2と、蓋体3とを備えている。蓋体3は、中蓋4と外蓋5とから構成される。保冷容器1は、壁体11,12をさらに備えている。容器本体2、蓋体3および壁体11,12は、何れも発泡スチロールによる成形品である。
【0025】
容器本体2は長手方向L、幅方向Bの長さの異なる直方体形状の箱状に形成されている。すなわち容器本体2は、底壁6および底壁6の四辺部から立設された側壁7,8から一体に形成される。側壁7どうしが長手方向Lで対向し、側壁8どうしが幅方向Bで対向してなる。これら側壁7,8で囲繞される直方体形状の空間領域(収容領域に相当する)が、魚体Fを収容する収容部9とされている。容器本体2の上部に開口部10が形成されることで、容器本体2の上部は開放されている。
【0026】
容器本体2の上部外面は、側壁7,8の厚み(肉厚)を減じるよう内側に向けてくぼむよう形成されている。このようにすることにより、容器本体2の上部外面に、平面視して矩形枠状の段付面が形成されている。この段付面は、平坦面に形成された容器本体2の上端面2aと平行に形成されている。そして、該段付面は、外蓋5の外縁部が載せられる外蓋掛かり面2bとして用いられる。
【0027】
容器本体2の上部内面は、側壁7,8の厚みを減じるよう外側に向けてくぼむよう形成される。このようにすることにより、容器本体2の上部内面に、平面視して矩形枠状の段付面が形成されている。この段付面は、容器本体2の上端面2aと平行に形成されている。そして、該段付面は、中蓋4の外縁部(後述する傾斜面)が載せられる中蓋掛かり面2cとして用いられる。なお、中蓋掛かり面2cは外蓋掛かり面2bに比べて下方に位置している。
【0028】
各側壁7,8の外面には、それぞれ作業者によって保冷容器1を持ち上げるのに用いられる把持用凹部70,80が形成されている。これら把持用凹部70,80は、側壁7,8の外面を下方から上方へ向けて切欠くように(側壁7,8の厚みを減じるように)形成されており、把持用凹部70,80の上面70a,80aは、中蓋掛かり面2cよりも下方になるよう形成されている。
【0029】
壁体11,12は大きさの異なる矩形板状に形成されている。収容部9には、収容部9を、壁体11(あるいは壁体12)によって複数の収容領域13(あるいは収容領域14)に仕切るための溝が形成されている。この溝は、壁体11(12)を収容部9に設置可能な設置手段の一部を構成するものである。容器本体2の溝は、収容部9を形成する底壁面6aに形成された底壁溝と、収容部9を形成する側壁7,8の側壁面7a,8aに形成された側壁溝とからなる。なお、壁体11(12)で収容部9を仕切るのは、収容部8に収容した魚体Fが、輸送中にできるだけ収容部8内で移動しないようにするため(魚体Fの質を維持するため)である。
【0030】
底壁溝は、用い方の異なる複数種(この場合二種)の溝、すなわち第一底壁溝15と、第二底壁溝16とから構成されている。第一底壁溝15と第二底壁溝16とは容器本体2の長手方向Lと幅方向Bに交差するよう、平面視して格子状の態様を形成するよう形成されている。
【0031】
第一底壁溝15は、同じ大きさの複数の壁体11によって、収容部9をその長手方向Lで複数の狭隘な収容領域13に区切ることが可能に配置されている。具体的に、第一底壁溝15は、底壁面6aに九条(九本)だけ形成され、第一底壁溝15は、それぞれ容器本体2の幅方向Bに沿って、互いに平行に配置されている。また、第一底壁溝15は、底壁面6aの幅方向B全域に亘り、しかも容器本体2の対向する側壁8(側壁面8a)に至っている。
【0032】
図3に示すように、第二底壁溝16は、同じ大きさの複数の壁体12(壁体11とは異なる大きさ)によって、収容部9をその幅方向Bで複数の狭隘な収容領域14に区切ることが可能に配置されている。具体的に、第二底壁溝16は、底壁面6aに二条(二本)だけ形成され、第二底壁溝16は、それぞれ容器本体2の長手方向Lに沿って、互いに平行に配置されている。また、第二底壁溝16は、底壁面6aの長手方向L全域に亘り、しかも容器本体2の対向する側壁8(側壁面8a)に至っている。
【0033】
側壁溝は、第一側壁溝17と、第二側壁溝18とから構成されている。第一側壁溝17は、各第一底壁溝15に対応して形成されている。すなわち、第一側壁溝17は各第一底壁溝15の端部に連続し、側壁面8aの上下方向に亘って、容器本体2の高さ方向に沿うよう形成されている。なお、第一側壁溝17の深さは前記中蓋掛かり面2cの幅に比べてわずかに小さく設定されている。
【0034】
第二側壁溝18は、各第二底壁溝16に対応して形成されている。すなわち、第二側壁溝18は各第二底壁溝16の端部に連続し、側壁面7aの上下方向に亘って、容器本体2の高さ方向に沿うよう形成されている。なお、第二側壁溝18の深さは中蓋掛かり面2cの幅に比べて小さく設定されている。
【0035】
第一底壁溝15および第二底壁溝16の深さは何れも同一であり、第一側壁溝17および第二側壁溝18の深さは何れも同一であるが、底壁溝15,16の深さに比べて、側壁溝17,18の深さは浅く設定されている。側壁溝17,18の深さは、中蓋掛かり面2cの幅との関係において決められ、中蓋掛かり面2cの幅に比べて浅くなるよう設定されている。また、各側壁7,8の外面には、把持用凹部70,80が形成されているから、その分強度を確保する必要がある。このため、側壁溝17,18の深さはできるだけ浅く設定されることが好ましい。
【0036】
次に、図4ないし図7に基づいて、蓋体3の構成を説明する。蓋体3は前述したように、中蓋4と外蓋5とから構成されている。まず中蓋4について説明する。図4に示すように、中蓋4は平面視して矩形に形成されている。
【0037】
中蓋4は、板状の中蓋本体20を備えている。中蓋本体20は、容器本体2の開口部10に対して、長手方向Lおよび幅方向Bに位置調整が可能な大きさに形成されている。すなわち中蓋本体20の長手方向L(容器本体2の長手方向Lでもある)長さは、開口部10の長手方向L長さに比べてわずかに小さく設定され、且つ中蓋本体20の幅方向(容器本体2の幅方向でもある)長さは、開口部10の幅方向長さに比べてわずかに小さく設定されている。つまり、開口部10を覆うように中蓋4を容器本体2に装着すると、容器本体2の内面(長手方向Lの内面および幅方向Bの内面)と、中蓋4の外面(長手方向Lの外面および幅方向Bの外面)との間に隙間δが存在する。
【0038】
図5および図6に示すように、中蓋本体20の下部の四辺部(周囲部に相当する)は、内側に向けて下傾斜する傾斜面21とされている。この傾斜面21は、中蓋掛かり面2cの角部2d(図1、図2参照)に載置される面である。中蓋4は四辺部の傾斜面21を中蓋掛かり面2cの角部2dに載置した際に、傾斜面21の途中部分が角部2dに接触する。なお、中蓋本体20の四隅は、対角線方向へ向けて凸となる円弧面に形成されている。
【0039】
中蓋本体20の下面(収容部9側の面)20aには、前記第一底壁溝15、第二底壁溝16に上下方向でそれぞれ対応(対向)する蓋体溝が形成されている。すなわち、図7に示すように、蓋体溝は容器本体2の長手方向Lと幅方向Bに交差するよう、底面視して格子状の態様を構成する第一蓋体溝22および第二蓋体溝23から構成されている。具体的には、第一蓋体溝22は、中蓋本体20の幅方向Bに沿ってその全域に亘って形成されている。第二蓋体溝23は、中蓋本体20の長手方向Lに沿って長手方向L全域に亘って形成されている。これら第一蓋体溝22および第二蓋体溝23は同一の深さに形成されている。
【0040】
中蓋本体20の下面20aにおいて、壁体11(12)の後述する上縁部を、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23それぞれに嵌合し易く案内する案内手段が設けられている。該案内手段は、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23の各側部に、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23それぞれに向けて傾斜した案内面20c,20dとされている。これら各案内面20c,20dは、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23に沿って、且つこれら溝の長さ方向全域に亘って形成されている。
【0041】
壁体11(12)を収容部9に設置可能な設置手段は、前記底壁溝、側壁溝、および蓋体溝から構成されており、壁体11(12)はその縁辺部が、これら各溝に着脱自在となっている。
【0042】
中蓋4の上面は、その広がり方向全域に蓄冷材Cを載置可能に形成されている。すなわち、中蓋本体20には、個別に蓄冷材Cを複数個載置可能に構成されており、中蓋本体20の上面20bに、上方に突出する仕切り壁26が一体的に形成されている。仕切り壁26は、中蓋本体20の長手方向Lに沿って亘る壁部24と幅方向Bに沿って亘る壁部25とで、平面視して格子状に形成されている。これら壁部24,25によって、九箇所からなる蓄冷材仕切り領域(蓄冷材載置領域に相当する)27が形成されている。
【0043】
上記ように壁部24,25を中蓋本体20の上面20bから立設することによって、蓄冷材Cを収容できる複数の蓄冷材仕切り領域27が、中蓋4の上面を落とし込むようにして形成されて、蓄冷材Cを壁部24,25により蓄冷材仕切り領域27に保持(固定)することができる。なお、中蓋本体20の上面20bから仕切り壁26の上端面26aまでの高さは一律である。また、仕切り壁26(壁部24,25)の外側端部は、それぞれ斜め上方に向けて凸となる円弧面24a,25aに形成されている。
【0044】
長手方向Lに沿って亘る壁部24と前記第二蓋体溝23とは、中蓋本体20の上面20bと下面20aとで幅方向Bにおいて上下に対応した位置に配置されている。一方、幅方向Bに沿って亘る壁部25と前記第一蓋体溝22とは、中蓋本体20の上面20bと下面20aと対応した位置にない。
【0045】
中蓋本体20には、収容部9に連通して、蓄冷材Cからの冷気C1(図1参照)を落下させるための冷気供給孔28が形成されている。冷気供給孔28は、蓄冷材仕切り領域27ごとに形成されている。この場合、長手方向L両側の蓄冷材仕切り領域27それぞれには、冷気供給孔28は三箇所に形成され、長手方向L中央の蓄冷材仕切り領域27それぞれには、冷気供給孔28は二箇所に形成されている。これら各冷気供給孔28は、幅方向に長い長孔に形成されている。なお、蓄冷材Cとして、給水ポリマーに水を吸収させて、これをナイロン/ポリエチレンフィルムで被覆したものが用いられている。
【0046】
長手方向L中央の蓄冷材仕切り領域27に形成した冷気供給孔28に対して、長手方向L両側の蓄冷材仕切り領域27に形成した冷気供給孔28の数(孔のトータル面積)を多くしているのは、保冷容器1雰囲気の外気温が容器本体2内に伝わり易い部分には、保冷容器1雰囲気の外気温が容器本体2内に伝わりにくい部分に比べて、その分だけ蓄冷材Cから多くの冷気C1を供給できるようにするためである。
【0047】
次に、図8および図9に基づいて、外蓋5の構成を説明する。外蓋5は平面視して矩形の板状に形成されている。外蓋5の外形面は、容器本体2の外形面に面一となるよう設定されている。外蓋5は、その底面に、収容部9に対応する領域を上方にくぼませた凹部5Aが形成されている。また、外蓋5の上面には、扁平な矩形状の凹部5Bが形成されている。さらに、外蓋5の下部外縁部に、容器本体2の外蓋掛かり面2bに上方から合致する形状の嵌合部5aが形成されている。なお、外蓋5を容器本体2に装着した状態で、凹部5Bは、その底面5cが中蓋4の仕切り壁26の上端面26aから離間する深さに設定されている。
【0048】
前述したように、壁体11(12)で収容部9を仕切るのは、収容部8に収容した魚体Fが、輸送中にできるだけ収容部8内で移動しないようにして、魚体Fの質を維持するためである。上記構成の保冷容器1は、壁体11(12)の縁部を、設置手段である溝に嵌合して収容部9の底壁面6aに対して立設することで、収容部9を複数の狭隘な収容領域に区画し、例えば、魚体Fの側部F1(図1参照)を壁体11,12にもたれされるようにして、腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容(立位魚体の姿勢で収容)することができる。
【0049】
魚類は、腹部F2を横にして収容部に収容するよりも、腹部F2を下にした(収容部9の底面側にした)立位魚体としておくことが、魚体Fに与えられるストレスは少ないことが知られている。このため、収容部9を壁体11(12)で仕切って狭隘な収容領域を形成することで、ある程度の大きさの魚体の魚ならば、立位魚体で収容することが可能である。
【0050】
二種類の壁体11(12)は、ともに厚みおよび高さを同一に設定した矩形形状の板から形成しているが、長さのみを異ならせている。すなわち、収容する魚体Fの体長や形状に応じて、収容部9を長手方向Lの広がり方向で仕切るか、幅方向Bでの広がり方向で仕切るかを選択し、選択した方向に応じて、長さの短い壁体11を用いるか、壁体11に比べて長さを長く設定した壁体12を用いるかを選択する(特に、図3参照)。
【0051】
図1および図2では、収容部9を長手方向Lで複数の収容領域13に仕切った場合を示している。すなわち、第一底壁溝15に壁体11の下縁部(下縁辺)を嵌合するとともに、対向する第一側壁溝17に壁体11の側縁部(側縁辺を)嵌合している。さらに、中蓋4を、開口部10を覆うように設置して、第一蓋体溝22に壁体11の前記上縁部(上縁辺)を嵌合している。
【0052】
壁体11は、容器本体2の開口部10から収容部9に向けて上方から挿入し、その側縁部を第一側壁溝17にスライドさせるようにして、壁体11の下縁部を第一底壁溝15に上方から嵌合する。中蓋4を装着していない状態では、収容部9は上方から見て取れるので、壁体11を第一側壁溝17にスライドさせて、第一底壁溝15に嵌合させ易い。この場合、壁体11は、収容しようとする魚体Fの形状(特に厚み)に応じた位置にある第一底壁溝15(第一側壁溝17)を選択して、収容部9をその全体の長手方向長さに比べて狭隘に仕切った複数の収容領域13とする。
【0053】
このように収容部9を仕切ることで、魚体Fの側部F1を壁体11にもたれされるようにして、腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容することができる。なお、収容領域13に収容する魚体Fは、予めその温度を低下させておき、仮死状態(不活性状態)としておくことが好ましい。
【0054】
続いて、容器本体2の開口部10に中蓋4を被せる。そうすると、壁体11は作業者には見えなくなる。このため、壁体11の上縁部を円滑に第一蓋体溝22に嵌合しにくくなる。しかしながら、この保冷容器1では、中蓋本体20の下面20aに、壁体11上縁部を、第一蓋体溝22に嵌合し易く案内する案内手段として、案内面20cを形成している。しかも、中蓋本体20の長手方向L長さは、開口部10の長手方向L長さに比べてわずかに小さく設定され、且つ中蓋本体20の幅方向B長さは、開口部10の幅方向B長さに比べてわずかに小さく設定されている。つまり、中蓋4は、開口部10に対して長手方向Lおよび幅方向Bに位置調整が可能になっている。
【0055】
このため、中蓋4を開口部10に装着するように被せることで、壁体11が作業者に見えなくなっても、中蓋4を長手方向Lに微調整しつつ、壁体11上縁部を案内面20cに案内させることで、確実に壁体11の上縁部を第一蓋体溝22に嵌合させることができ、壁体11の、底壁面6aに対して立設した姿勢とすることができる。また、中蓋本体20の下部の四辺部は、内側に向けて下傾斜する傾斜面21であるので、中蓋4を長手方向Lに微調整すると、傾斜面21が角部2dをスライドするから、壁体11の上縁部を第一蓋体溝22に嵌合させ易い。
【0056】
また、容器本体2の開口部10に中蓋4を被せることで壁体11(あるいは壁体12)が作業者に見えなくなることにより壁体11の上縁部に第一蓋体溝22を一致させるように中蓋4を容器本体2に装着することが難しい場合には、円弧面24a,25aに形成している中蓋4の仕切り壁26の外側端部を利用して中蓋4を容器本体2に容易に装着することができる。すなわち、円弧面24a,25aを利用して、中蓋4を容器本体2に対し傾ける等することで、壁体11の上縁部に第一蓋体溝22を一致させるように調整し、中蓋4を容器本体2に装着することができる。仕切り壁26の外側端部を直角に形成した場合では、中蓋4を容器本体2に対して傾けようとしても、仕切り壁26の外側端部が側壁7,8の側壁面7a,8aに当ってしまう。このため、上記のような調整ができなくなる。
【0057】
中蓋4を開口部10に装着すると、中蓋本体20の下面20aは、収容部9の上部にわずかに入る。このように容器本体2と中蓋4とを関係付けることにより、壁体11の上縁部を第一蓋体溝22に嵌合させられる。つまり中蓋4は、壁体11をその上縁部を接触(この場合は嵌合)させることで、壁体11をその上部で支持することになる。なお、中蓋4を容器本体2に設置すると、仕切り壁26の上端面26aは、容器本体2の上端面2aに比べて下方に位置するよう構成されている。
【0058】
続いて、収容した魚体数大きさ等に応じて、何れかの蓄冷材仕切り領域27を選択し、選択した蓄冷材仕切り領域27に蓄冷材Cを載置する。蓄冷材仕切り領域27は、複数形成されているから、魚体Fを収容した収容領域13に対応する蓄冷材仕切り領域27に蓄冷材Cを設置する。そうすると、蓄冷材Cを設置した蓄冷材仕切り領域27の冷気供給孔28から、魚体Fを収容した収容領域13へ冷気C1が落下し得る(冷気C1が供給される)。
【0059】
続いて、外蓋5をその外縁部である嵌合部5aを容器本体2の外蓋掛かり面2bに嵌合するよう載置する。そうすると、中蓋4が外蓋5に覆われて、外気と収容部9の内部とで空気の流れが遮断され、冷気C1が封じ込まれる。そして冷気C1が収容領域13に落下し続け、収容領域13において冷気C1の対流が発生する。外蓋5を装着し終えた保冷容器1は、容器本体2と外蓋5との合わせ面に外側から粘着テープ(図示せず)等を貼着することで密封することも好ましい。
【0060】
上記保冷容器1では、氷や冷水を用いて魚体Fを直接的に保冷するのではなく、蓄冷材Cからの冷気C1を魚体Fに落下させることで間接的に保冷する。このため、魚体Fが急激に冷却されることで魚体温度を急激に変化させないようにすることができ、水を用いることなく、魚体Fを活魚として維持(仮死状態を維持)することができるから、魚体Fの質(商品価値)が低下するのを抑制することができる。
【0061】
また、魚体Fの収容状態に応じて蓄冷材Cの配置を選択することで、収容部9内全体を均一に保冷することができる。さらに、外気温を考慮して蓄冷材Cの配置(個数)を選択することで、外気温の変化に対応させつつ収容部9全体を均一に保冷することができるから、魚体Fの質の低下を確実に抑制することができる。
【0062】
収容部9を幅方向Bで仕切って複数の収容領域14とする場合では、壁体11に比べて長さの長い壁体12を用い、壁体12の側縁部を第二側壁溝18にスライドさせるようにして、壁体12の下縁部を第二底壁溝16に嵌合する。また、開口部10を中蓋4で覆う際には、上記と同様にして中蓋4を幅方向Bに微調整することで、壁体12の上縁部を第二蓋体溝23に容易に嵌合させることができる。
【0063】
何れにしても、上記実施形態の構成によれば、魚体Fの腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容することができ、魚体Fに与えるストレスを抑えることができる。その結果、所望の時間だけ魚体Fの仮死状態を維持することができる。そうなれば、魚体Fを水揚げ場から、活魚のまま目的地まで搬送することができる。あるいは水を用いることなく、魚体Fを活魚のまま、所定の場所に置いておくことができる。
【0064】
仮に保冷容器1の搬送中に振動があって立位魚体が崩れたとしても、少なくとも立位魚体となっている間は魚体に与えられるストレスが抑えられるから、その分だけ魚体Fの品質を維持することができる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。図10に第二の実施形態を示す。これは、容器本体2A,2Bを二段積み可能とした構成を備え保冷容器1である。第二の実施形態が第一の実施形態と異なる構成は、容器本体2A,2Bを上下二段に積むことが可能に構成されていることと、外蓋5は一個であることと、上側の容器本体2Aの底壁6が、下側の容器本体2Bにおける外蓋の機能を備えていることである。
【0066】
すなわち、上側の容器本体2Aの下面外周部に、下側の容器本体2Bの上端部が嵌合する枠状の嵌合凹部30を形成している。嵌合凹部30は、上側の容器本体2Aの下面外周部を上方にくぼませるようにして形成されている。他の構成は上記第一の実施形態と同様であるので、同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
第二の実施形態の保冷容器1によれば、第一の実施形態の保冷容器に比べてより多くの魚体Fをまとめて搬送することができる。また、外蓋5は、下側の容器本体2Bに兼用することができるので、上側の容器本体2A、あるいは下側の容器本体2Bを必要としない場合では、何れかを省いて、魚体Fを搬送ないし、所定の場所に置いておくことができる。また、上側の容器本体2Aの底壁6が、下側の容器本体2Bにおける外蓋の機能を備えた構成とすることにより、同じ保冷容器1を二段積みする場合に比べて材料費が安価になる。
【0068】
図11にさらに別の実施形態を示す。これは、第一の実施形態および第二の実施形態とは、壁体11(あるいは壁体12)の断面形状が異なる。魚体Fによっては大重量のものがあるため、図11の壁体11(12)では、溝に嵌合しない部分の厚みを、溝より厚くしている。このような壁体11(12)を用いることで、より大重量の魚体Fが壁体11(12)にもたれても、壁体11(12)が破損することなく、その魚体Fの腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容することができる。
【0069】
さらに、上記各実施形態では、底壁溝や蓋体溝は、長手方向および幅方向に、直角に交差するよう配置した。しかしながら、これら溝どうしの交差角度は直角に限定されるものではない。魚体は同種であってもその体躯は一律ではない。例えば、魚体の平面形状は一律ではない。したがって、扱う魚体の平面形状に倣うように壁体を底壁面に対して立てることで、魚体の搬送中に振動があっても、魚体をその振動から保護して、質を維持することが考えられる。このため、扱う魚体の平面形状に倣う壁体を、収容部に配置することができるような交差角度に、溝を設定することでこれが可能になる。
【0070】
あるいは、扱う魚体の平面形状に倣うように壁体を底壁面に対して立てる代わりに、幅(厚み)を変化させた壁体を用いることで、扱う魚体の平面形状に倣わせることも可能である。
【0071】
また、上記各実施形態では、壁体を底壁面に対して立てるために、底壁溝、側壁溝、および蓋体溝を形成してこれらを用いた。しかしながら、壁体が底壁面に対して確実に立てられ、輸送中に魚体を大きく移動させないのであれば、例えば底壁溝のみ形成してこれに壁体の下縁部を嵌合してもよい。また、底壁溝を形成せずに、側壁溝のみを形成してこれに壁体の側縁部を嵌合してもよい。さらに中蓋に溝を形成することなく、中蓋の下面によって壁体の上縁部を下方に押さえるようにして、壁体の姿勢を支持することもできる。さらに、壁体の姿勢を維持できるのであれば、壁体は必ずしも底壁面、側壁面、中蓋の下面の全てに接触する必要はない。
【0072】
また、上記各実施形態では、壁体を設置可能な設置手段として容器本体や、中蓋に溝を形成する構成とした。しかしながら、設置手段として、壁体の縁部に溝を形成して、容器本体や中蓋に該溝に嵌合する凸条を形成することで、壁体を底壁面に対して立てるように構成することもできる。場合によっては、設置手段を接着剤として、接着剤によって壁体を底壁面に対して立てるようにすることもできる。
【0073】
さらに、上記各実施形態では、蓋体として中蓋を構成要件としたが、外気温が魚体の仮死状態を必要な時間だけ維持できる温度であれば、中蓋を省略し、蓄冷材を用いることなく魚体を搬送したり、所定の場所に設置しておいたりすることができる。
【0074】
また、上記各実施形態では、一種の魚を例にして保冷容器の用い方を説明したが、これに限定されない。すなわち、収容する魚体の数や大きさに応じて壁体で収容部を仕切って必要な収容領域を確保し、場合に応じた蓄冷材仕切り領域を選択して蓄冷材を載置するという使用ができる。したがって、蓄冷材仕切り領域の数も上記実施形態に限定されず、さらに多くの蓄冷材仕切り領域を形成することも考えられる。蓄冷材仕切り領域に形成する冷気供給孔の数や形状、配置も同様である。
【0075】
さらに、上記各実施形態では、壁体11、あるいは壁体12の上縁部を、第一蓋体溝22、あるいは第二蓋体溝23に嵌合するとともに、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2c(角部2d)に載置するよう構成した。しかしながら本発明は、これに限定されない。例えば、図12に示すように、壁体11、あるいは壁体12の上縁部が第一蓋体溝22、あるいは第二蓋体溝23の底面に当接することで、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2cからわずかに浮かせるようにして、中蓋4で開口部10を覆うことも可能である。この場合では、中蓋4が長手方向Lあるいは幅方向Bに移動して、中蓋4の外面が、容器本体2の内面に当接することで隙間δが埋められ、中蓋4はその面方向には移動しないから、壁体11あるいは壁体12をその上縁部で支持することができる。
【0076】
このように、壁体11、あるいは壁体12の上縁部が第一蓋体溝22、あるいは第二蓋体溝23の底面に当接することで、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2cからわずかに浮かせるようにして、中蓋4で開口部10を覆う構成では、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2cに載置することで開口部10に中蓋4を装着する場合に比べて、中蓋4を開口部10に装着し易い。
【符号の説明】
【0077】
1…保冷容器、2…容器本体、2b…外蓋掛かり面、2c…中蓋掛かり面、2d…角部、3…蓋体、4…中蓋、5…外蓋、5c…底面、6…底壁、6a…底壁面、7,8…側壁、7a,8a…側壁面、9…収容部、10…開口部、11,12…壁体、13,14…収容領域、15…第一底壁溝、16…第二底壁溝、17…第一側壁溝、18…第二側壁溝、20…中蓋本体、20c,20d…案内面、21…傾斜面、22…第一蓋体溝、23…第二蓋体溝、24,25…壁部、26…仕切り壁、27…蓄冷材仕切り領域、28…冷気供給孔、B…幅方向、C…蓄冷材、C1…冷気、F…魚体、F1…側部、F2…腹部、L…長手方向
【技術分野】
【0001】
本発明は保冷容器に関し、例えば、魚体を冷却することで活魚のまま収容し、保冷して目的の場所まで搬送(輸送)するのに用いられる保冷容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示す保冷容器が提案されている。該保冷容器は、上部を開放して開口部とし内部に収容物(この場合、花類や野菜類)を収容する収容部を形成した容器本体と、開口部を覆う蓋体とを備えている。
【0003】
また、蓋体の中央部分の上面は落とし込まれて一つの蓄冷材設置部が形成され、蓄冷材設置部の底壁には収容部に連通する孔が形成され、蓄冷材設置部を上から覆う小蓋体をさらに備えている。
【0004】
この保冷容器では、収容部に収容物を収容して開口部を蓋体で覆うとともに、蓄冷材設置部の底壁に蓄冷材を置き、小蓋体で蓄冷材設置部を覆えば、その冷気が孔を通って落下して、花類や野菜類を保冷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−302162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年、地域ブランドとしての魚類が全国的規模で求められる傾向にある。そこで、上記従来の保冷容器を利用してこの種の魚類の搬送をすることが考えられる。しかしながら、上記従来の保冷容器では、一つの蓄冷材設置部が形成されているのみであるから、収容物の種類に拘らず一様に保冷することになる。一方、魚体はその種によって体質が一様ではない。また、収容する個体数も場合に応じて異なる。このため、種や個体数に拘らず保冷が一様であると、魚体の品質を低下させてしまう。
【0007】
また、魚体は搬送中の振動によって収容部内を移動し易いが、上記従来の保冷容器では、魚体を位置保持しておく構成を有しない。このため、振動によって魚体が収容部内で動いて、例えば魚体どうしが擦れあったり、収容部の内壁面に強く衝突したりすると、魚体にダメージが与えられて魚体の品質(商品価値)が低下してしまう。さらに近年、水を用いず魚を仮死状態で活魚のまま目的地まで輸送する、水無し活魚輸送が行われるが、特にこの場合では、繊細な保冷を行うことが要求されている。
【0008】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、魚体の品質の低下を抑制することができる保冷容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の保冷容器は、魚体を収容する収容部を有して箱状に形成されると共に上側の開口部から前記収容部に魚体が収容される容器本体と、前記開口部に装着される板状の中蓋と、該中蓋をさらにその上側から覆って容器本体に装着されることで開口部を密封する外蓋と、前記収容部をその広がり方向で複数の収容領域に仕切る壁体とを備え、前記中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能として且つ互いに仕切られた複数の載置領域が、前記収容部の広がり方向に亘るよう形成され、該載置領域ごとに、前記収容部に連通する冷気供給孔が形成され、選択された前記載置領域に載置される蓄冷材の冷気が、前記壁体により仕切られた任意の収容領域に前記冷気供給孔から供給されることを特徴としている。
【0010】
上記構成において、壁体により容器本体の収容部を、必要とする数の収容領域に仕切って、開口部から任意の収容領域に魚を収容し、中蓋を開口部に装着し、複数の載置領域のうち、魚体の保冷に必要な収容領域に応じた載置領域を選択して、その載置領域に蓄冷材を載置すると、その載置領域に形成された冷気供給孔から蓄冷材の冷気が供給され得る状態となり、外蓋を容器本体に装着することで開口部(収容部)が密封され、蓄冷材の冷気が収容領域を循環して蓄冷材の冷気により魚体が間接的に保冷され、魚体の品質が維持される。
【0011】
また、壁体によって収容部を複数の収容領域に仕切ることで、保冷容器の搬送中に保冷容器に振動が与えられても、壁体で収容部を仕切って該収容部よりも狭隘な収容領域としている分だけ、振動に伴う収容部内での魚体の動きが抑制されるから、魚体の品質が維持される。
【0012】
さらに、魚種によっては、予め仮死状態になるまで冷やした魚体(活魚)を収容領域に収容し、魚体の雰囲気温度が仮死状態を維持できる温度となるよう必要な数の蓄冷材を選択した載置領域に載置することで、繊細な保冷により急激に魚体を冷却することがなく、保冷容器を、いわゆる水無し活魚輸送に用いることが可能である。
【0013】
本発明の保冷容器では、中蓋の上面に隔壁が形成されて該隔壁により複数の載置領域が形成され、蓄冷材が隔壁により保持される構成を採用することができる。この構成によれば、選択する載置領域が明確になって、しかも蓄冷材は、隔壁によって載置位置が保持される。
【0014】
本発明の保冷容器では、壁体は、収容部を形成する容器本体の壁面に支持されるとともに、中蓋の下面が上縁部に接触して支持される構成を採用することができる。
【0015】
保冷容器の搬送中に魚体が移動すると、収容領域に収容された魚体の大きさや目方によっては、魚体によって大きな外力が壁体に働く場合が考えられる。そこで上記構成のように、壁体を、収容部を形成する容器本体の壁面で支持するとともに、中蓋の下面を壁体の上縁部に接触して支持することで、前記外力に抵抗し得て、壁体の破損を回避することが可能である。
【0016】
本発明の保冷容器では、中蓋の外形面が容器本体の開口部における内面に当接することで、壁体が支持される構成を採用することができる。この構成によれば、壁体の上縁部に中蓋の下面が接触して、しかも中蓋の外形面が開口部の内面に当接することで、壁体が支持される。
【0017】
本発明の保冷容器では、中蓋の下面の外周部が開口部の中蓋掛かり面に接触することで、壁体が支持される構成を採用することができる。この構成によれば、壁体の上縁部に中蓋の下面が接触して、しかも中蓋の下面の外周部が中蓋体掛かり面に接触することで、壁体が支持される。
【0018】
本発明の保冷容器では、壁体の上縁部は、中蓋の下面に形成された溝に嵌合する構成を採用することができる。この構成のように、壁体の上縁部を中蓋の溝に嵌合させて保持することで、壁体の支持が確実になる。
【0019】
本発明の保冷容器では、中蓋は、その外形面と開口部を形成する周壁面との間の調整用隙間を介して開口部に設置されることで、開口部に対して該開口部の広がり方向に位置調整可能とされた構成を採用することができる。
【0020】
中蓋を開口部に装着する時、壁体は中蓋によって見てとることができなくなるが、上記構成のように、中蓋を開口部の広がり方向に位置調整可能としておくことで、壁体の上縁部を中蓋に形成した溝に合致させ易くなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の保冷容器は、容器本体の収容部を必要とする数の収容領域に仕切る壁体を備えているから、保冷容器の搬送中に保冷容器に振動が与えられても、壁体で収容部を仕切って収容部よりも狭隘な収容領域としている分だけ振動に伴う収容部内での魚体の動きを抑制して魚体の品質を維持することができ、中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能とする複数の載置領域を収容部の広がり方向全域に亘るよう形成し、載置領域ごとに収容部に連通する冷気供給孔を形成して、選択された載置領域に載置される蓄冷材の冷気を壁体により仕切られた任意の収容領域に対して冷気供給孔から供給するから、収容される魚種や個体数等に応じた保冷ができ、したがって、魚体の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【図2】同幅方向での一部断面図である。
【図3】同容器本体の平面図である。
【図4】同中蓋の平面図である。
【図5】同中蓋の長手方向での側面図である。
【図6】同中蓋の幅方向での側面図である。
【図7】同中蓋の底面図である。
【図8】同外蓋の底面図である。
【図9】同外蓋の長手方向での断面図である。
【図10】本発明の第二の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【図11】さらに別の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【図12】さらに別の実施形態を表す保冷容器の、長手方向での半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る保冷容器を、図1ないし図9に基づいて説明する。この保冷容器1は、水を使用せず魚体を保冷することで、魚を活魚の状態で搬送(輸送)する、活魚水無し輸送に好適に用いられる。なお、この保冷容器1に収容される魚類として、空気中(水中でない)であっても、他の魚類に比して長時間生息することが可能な対象魚が好適である。これには、例えばヤイトハタ(スズキ目ハタ科に属する)が挙げられる。
【0024】
まず、図1ないし図9に基づいて、本発明の保冷容器1の、第一の実施形態を説明する。図1および図2に示すように、保冷容器1は、容器本体2と、蓋体3とを備えている。蓋体3は、中蓋4と外蓋5とから構成される。保冷容器1は、壁体11,12をさらに備えている。容器本体2、蓋体3および壁体11,12は、何れも発泡スチロールによる成形品である。
【0025】
容器本体2は長手方向L、幅方向Bの長さの異なる直方体形状の箱状に形成されている。すなわち容器本体2は、底壁6および底壁6の四辺部から立設された側壁7,8から一体に形成される。側壁7どうしが長手方向Lで対向し、側壁8どうしが幅方向Bで対向してなる。これら側壁7,8で囲繞される直方体形状の空間領域(収容領域に相当する)が、魚体Fを収容する収容部9とされている。容器本体2の上部に開口部10が形成されることで、容器本体2の上部は開放されている。
【0026】
容器本体2の上部外面は、側壁7,8の厚み(肉厚)を減じるよう内側に向けてくぼむよう形成されている。このようにすることにより、容器本体2の上部外面に、平面視して矩形枠状の段付面が形成されている。この段付面は、平坦面に形成された容器本体2の上端面2aと平行に形成されている。そして、該段付面は、外蓋5の外縁部が載せられる外蓋掛かり面2bとして用いられる。
【0027】
容器本体2の上部内面は、側壁7,8の厚みを減じるよう外側に向けてくぼむよう形成される。このようにすることにより、容器本体2の上部内面に、平面視して矩形枠状の段付面が形成されている。この段付面は、容器本体2の上端面2aと平行に形成されている。そして、該段付面は、中蓋4の外縁部(後述する傾斜面)が載せられる中蓋掛かり面2cとして用いられる。なお、中蓋掛かり面2cは外蓋掛かり面2bに比べて下方に位置している。
【0028】
各側壁7,8の外面には、それぞれ作業者によって保冷容器1を持ち上げるのに用いられる把持用凹部70,80が形成されている。これら把持用凹部70,80は、側壁7,8の外面を下方から上方へ向けて切欠くように(側壁7,8の厚みを減じるように)形成されており、把持用凹部70,80の上面70a,80aは、中蓋掛かり面2cよりも下方になるよう形成されている。
【0029】
壁体11,12は大きさの異なる矩形板状に形成されている。収容部9には、収容部9を、壁体11(あるいは壁体12)によって複数の収容領域13(あるいは収容領域14)に仕切るための溝が形成されている。この溝は、壁体11(12)を収容部9に設置可能な設置手段の一部を構成するものである。容器本体2の溝は、収容部9を形成する底壁面6aに形成された底壁溝と、収容部9を形成する側壁7,8の側壁面7a,8aに形成された側壁溝とからなる。なお、壁体11(12)で収容部9を仕切るのは、収容部8に収容した魚体Fが、輸送中にできるだけ収容部8内で移動しないようにするため(魚体Fの質を維持するため)である。
【0030】
底壁溝は、用い方の異なる複数種(この場合二種)の溝、すなわち第一底壁溝15と、第二底壁溝16とから構成されている。第一底壁溝15と第二底壁溝16とは容器本体2の長手方向Lと幅方向Bに交差するよう、平面視して格子状の態様を形成するよう形成されている。
【0031】
第一底壁溝15は、同じ大きさの複数の壁体11によって、収容部9をその長手方向Lで複数の狭隘な収容領域13に区切ることが可能に配置されている。具体的に、第一底壁溝15は、底壁面6aに九条(九本)だけ形成され、第一底壁溝15は、それぞれ容器本体2の幅方向Bに沿って、互いに平行に配置されている。また、第一底壁溝15は、底壁面6aの幅方向B全域に亘り、しかも容器本体2の対向する側壁8(側壁面8a)に至っている。
【0032】
図3に示すように、第二底壁溝16は、同じ大きさの複数の壁体12(壁体11とは異なる大きさ)によって、収容部9をその幅方向Bで複数の狭隘な収容領域14に区切ることが可能に配置されている。具体的に、第二底壁溝16は、底壁面6aに二条(二本)だけ形成され、第二底壁溝16は、それぞれ容器本体2の長手方向Lに沿って、互いに平行に配置されている。また、第二底壁溝16は、底壁面6aの長手方向L全域に亘り、しかも容器本体2の対向する側壁8(側壁面8a)に至っている。
【0033】
側壁溝は、第一側壁溝17と、第二側壁溝18とから構成されている。第一側壁溝17は、各第一底壁溝15に対応して形成されている。すなわち、第一側壁溝17は各第一底壁溝15の端部に連続し、側壁面8aの上下方向に亘って、容器本体2の高さ方向に沿うよう形成されている。なお、第一側壁溝17の深さは前記中蓋掛かり面2cの幅に比べてわずかに小さく設定されている。
【0034】
第二側壁溝18は、各第二底壁溝16に対応して形成されている。すなわち、第二側壁溝18は各第二底壁溝16の端部に連続し、側壁面7aの上下方向に亘って、容器本体2の高さ方向に沿うよう形成されている。なお、第二側壁溝18の深さは中蓋掛かり面2cの幅に比べて小さく設定されている。
【0035】
第一底壁溝15および第二底壁溝16の深さは何れも同一であり、第一側壁溝17および第二側壁溝18の深さは何れも同一であるが、底壁溝15,16の深さに比べて、側壁溝17,18の深さは浅く設定されている。側壁溝17,18の深さは、中蓋掛かり面2cの幅との関係において決められ、中蓋掛かり面2cの幅に比べて浅くなるよう設定されている。また、各側壁7,8の外面には、把持用凹部70,80が形成されているから、その分強度を確保する必要がある。このため、側壁溝17,18の深さはできるだけ浅く設定されることが好ましい。
【0036】
次に、図4ないし図7に基づいて、蓋体3の構成を説明する。蓋体3は前述したように、中蓋4と外蓋5とから構成されている。まず中蓋4について説明する。図4に示すように、中蓋4は平面視して矩形に形成されている。
【0037】
中蓋4は、板状の中蓋本体20を備えている。中蓋本体20は、容器本体2の開口部10に対して、長手方向Lおよび幅方向Bに位置調整が可能な大きさに形成されている。すなわち中蓋本体20の長手方向L(容器本体2の長手方向Lでもある)長さは、開口部10の長手方向L長さに比べてわずかに小さく設定され、且つ中蓋本体20の幅方向(容器本体2の幅方向でもある)長さは、開口部10の幅方向長さに比べてわずかに小さく設定されている。つまり、開口部10を覆うように中蓋4を容器本体2に装着すると、容器本体2の内面(長手方向Lの内面および幅方向Bの内面)と、中蓋4の外面(長手方向Lの外面および幅方向Bの外面)との間に隙間δが存在する。
【0038】
図5および図6に示すように、中蓋本体20の下部の四辺部(周囲部に相当する)は、内側に向けて下傾斜する傾斜面21とされている。この傾斜面21は、中蓋掛かり面2cの角部2d(図1、図2参照)に載置される面である。中蓋4は四辺部の傾斜面21を中蓋掛かり面2cの角部2dに載置した際に、傾斜面21の途中部分が角部2dに接触する。なお、中蓋本体20の四隅は、対角線方向へ向けて凸となる円弧面に形成されている。
【0039】
中蓋本体20の下面(収容部9側の面)20aには、前記第一底壁溝15、第二底壁溝16に上下方向でそれぞれ対応(対向)する蓋体溝が形成されている。すなわち、図7に示すように、蓋体溝は容器本体2の長手方向Lと幅方向Bに交差するよう、底面視して格子状の態様を構成する第一蓋体溝22および第二蓋体溝23から構成されている。具体的には、第一蓋体溝22は、中蓋本体20の幅方向Bに沿ってその全域に亘って形成されている。第二蓋体溝23は、中蓋本体20の長手方向Lに沿って長手方向L全域に亘って形成されている。これら第一蓋体溝22および第二蓋体溝23は同一の深さに形成されている。
【0040】
中蓋本体20の下面20aにおいて、壁体11(12)の後述する上縁部を、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23それぞれに嵌合し易く案内する案内手段が設けられている。該案内手段は、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23の各側部に、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23それぞれに向けて傾斜した案内面20c,20dとされている。これら各案内面20c,20dは、第一蓋体溝22および第二蓋体溝23に沿って、且つこれら溝の長さ方向全域に亘って形成されている。
【0041】
壁体11(12)を収容部9に設置可能な設置手段は、前記底壁溝、側壁溝、および蓋体溝から構成されており、壁体11(12)はその縁辺部が、これら各溝に着脱自在となっている。
【0042】
中蓋4の上面は、その広がり方向全域に蓄冷材Cを載置可能に形成されている。すなわち、中蓋本体20には、個別に蓄冷材Cを複数個載置可能に構成されており、中蓋本体20の上面20bに、上方に突出する仕切り壁26が一体的に形成されている。仕切り壁26は、中蓋本体20の長手方向Lに沿って亘る壁部24と幅方向Bに沿って亘る壁部25とで、平面視して格子状に形成されている。これら壁部24,25によって、九箇所からなる蓄冷材仕切り領域(蓄冷材載置領域に相当する)27が形成されている。
【0043】
上記ように壁部24,25を中蓋本体20の上面20bから立設することによって、蓄冷材Cを収容できる複数の蓄冷材仕切り領域27が、中蓋4の上面を落とし込むようにして形成されて、蓄冷材Cを壁部24,25により蓄冷材仕切り領域27に保持(固定)することができる。なお、中蓋本体20の上面20bから仕切り壁26の上端面26aまでの高さは一律である。また、仕切り壁26(壁部24,25)の外側端部は、それぞれ斜め上方に向けて凸となる円弧面24a,25aに形成されている。
【0044】
長手方向Lに沿って亘る壁部24と前記第二蓋体溝23とは、中蓋本体20の上面20bと下面20aとで幅方向Bにおいて上下に対応した位置に配置されている。一方、幅方向Bに沿って亘る壁部25と前記第一蓋体溝22とは、中蓋本体20の上面20bと下面20aと対応した位置にない。
【0045】
中蓋本体20には、収容部9に連通して、蓄冷材Cからの冷気C1(図1参照)を落下させるための冷気供給孔28が形成されている。冷気供給孔28は、蓄冷材仕切り領域27ごとに形成されている。この場合、長手方向L両側の蓄冷材仕切り領域27それぞれには、冷気供給孔28は三箇所に形成され、長手方向L中央の蓄冷材仕切り領域27それぞれには、冷気供給孔28は二箇所に形成されている。これら各冷気供給孔28は、幅方向に長い長孔に形成されている。なお、蓄冷材Cとして、給水ポリマーに水を吸収させて、これをナイロン/ポリエチレンフィルムで被覆したものが用いられている。
【0046】
長手方向L中央の蓄冷材仕切り領域27に形成した冷気供給孔28に対して、長手方向L両側の蓄冷材仕切り領域27に形成した冷気供給孔28の数(孔のトータル面積)を多くしているのは、保冷容器1雰囲気の外気温が容器本体2内に伝わり易い部分には、保冷容器1雰囲気の外気温が容器本体2内に伝わりにくい部分に比べて、その分だけ蓄冷材Cから多くの冷気C1を供給できるようにするためである。
【0047】
次に、図8および図9に基づいて、外蓋5の構成を説明する。外蓋5は平面視して矩形の板状に形成されている。外蓋5の外形面は、容器本体2の外形面に面一となるよう設定されている。外蓋5は、その底面に、収容部9に対応する領域を上方にくぼませた凹部5Aが形成されている。また、外蓋5の上面には、扁平な矩形状の凹部5Bが形成されている。さらに、外蓋5の下部外縁部に、容器本体2の外蓋掛かり面2bに上方から合致する形状の嵌合部5aが形成されている。なお、外蓋5を容器本体2に装着した状態で、凹部5Bは、その底面5cが中蓋4の仕切り壁26の上端面26aから離間する深さに設定されている。
【0048】
前述したように、壁体11(12)で収容部9を仕切るのは、収容部8に収容した魚体Fが、輸送中にできるだけ収容部8内で移動しないようにして、魚体Fの質を維持するためである。上記構成の保冷容器1は、壁体11(12)の縁部を、設置手段である溝に嵌合して収容部9の底壁面6aに対して立設することで、収容部9を複数の狭隘な収容領域に区画し、例えば、魚体Fの側部F1(図1参照)を壁体11,12にもたれされるようにして、腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容(立位魚体の姿勢で収容)することができる。
【0049】
魚類は、腹部F2を横にして収容部に収容するよりも、腹部F2を下にした(収容部9の底面側にした)立位魚体としておくことが、魚体Fに与えられるストレスは少ないことが知られている。このため、収容部9を壁体11(12)で仕切って狭隘な収容領域を形成することで、ある程度の大きさの魚体の魚ならば、立位魚体で収容することが可能である。
【0050】
二種類の壁体11(12)は、ともに厚みおよび高さを同一に設定した矩形形状の板から形成しているが、長さのみを異ならせている。すなわち、収容する魚体Fの体長や形状に応じて、収容部9を長手方向Lの広がり方向で仕切るか、幅方向Bでの広がり方向で仕切るかを選択し、選択した方向に応じて、長さの短い壁体11を用いるか、壁体11に比べて長さを長く設定した壁体12を用いるかを選択する(特に、図3参照)。
【0051】
図1および図2では、収容部9を長手方向Lで複数の収容領域13に仕切った場合を示している。すなわち、第一底壁溝15に壁体11の下縁部(下縁辺)を嵌合するとともに、対向する第一側壁溝17に壁体11の側縁部(側縁辺を)嵌合している。さらに、中蓋4を、開口部10を覆うように設置して、第一蓋体溝22に壁体11の前記上縁部(上縁辺)を嵌合している。
【0052】
壁体11は、容器本体2の開口部10から収容部9に向けて上方から挿入し、その側縁部を第一側壁溝17にスライドさせるようにして、壁体11の下縁部を第一底壁溝15に上方から嵌合する。中蓋4を装着していない状態では、収容部9は上方から見て取れるので、壁体11を第一側壁溝17にスライドさせて、第一底壁溝15に嵌合させ易い。この場合、壁体11は、収容しようとする魚体Fの形状(特に厚み)に応じた位置にある第一底壁溝15(第一側壁溝17)を選択して、収容部9をその全体の長手方向長さに比べて狭隘に仕切った複数の収容領域13とする。
【0053】
このように収容部9を仕切ることで、魚体Fの側部F1を壁体11にもたれされるようにして、腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容することができる。なお、収容領域13に収容する魚体Fは、予めその温度を低下させておき、仮死状態(不活性状態)としておくことが好ましい。
【0054】
続いて、容器本体2の開口部10に中蓋4を被せる。そうすると、壁体11は作業者には見えなくなる。このため、壁体11の上縁部を円滑に第一蓋体溝22に嵌合しにくくなる。しかしながら、この保冷容器1では、中蓋本体20の下面20aに、壁体11上縁部を、第一蓋体溝22に嵌合し易く案内する案内手段として、案内面20cを形成している。しかも、中蓋本体20の長手方向L長さは、開口部10の長手方向L長さに比べてわずかに小さく設定され、且つ中蓋本体20の幅方向B長さは、開口部10の幅方向B長さに比べてわずかに小さく設定されている。つまり、中蓋4は、開口部10に対して長手方向Lおよび幅方向Bに位置調整が可能になっている。
【0055】
このため、中蓋4を開口部10に装着するように被せることで、壁体11が作業者に見えなくなっても、中蓋4を長手方向Lに微調整しつつ、壁体11上縁部を案内面20cに案内させることで、確実に壁体11の上縁部を第一蓋体溝22に嵌合させることができ、壁体11の、底壁面6aに対して立設した姿勢とすることができる。また、中蓋本体20の下部の四辺部は、内側に向けて下傾斜する傾斜面21であるので、中蓋4を長手方向Lに微調整すると、傾斜面21が角部2dをスライドするから、壁体11の上縁部を第一蓋体溝22に嵌合させ易い。
【0056】
また、容器本体2の開口部10に中蓋4を被せることで壁体11(あるいは壁体12)が作業者に見えなくなることにより壁体11の上縁部に第一蓋体溝22を一致させるように中蓋4を容器本体2に装着することが難しい場合には、円弧面24a,25aに形成している中蓋4の仕切り壁26の外側端部を利用して中蓋4を容器本体2に容易に装着することができる。すなわち、円弧面24a,25aを利用して、中蓋4を容器本体2に対し傾ける等することで、壁体11の上縁部に第一蓋体溝22を一致させるように調整し、中蓋4を容器本体2に装着することができる。仕切り壁26の外側端部を直角に形成した場合では、中蓋4を容器本体2に対して傾けようとしても、仕切り壁26の外側端部が側壁7,8の側壁面7a,8aに当ってしまう。このため、上記のような調整ができなくなる。
【0057】
中蓋4を開口部10に装着すると、中蓋本体20の下面20aは、収容部9の上部にわずかに入る。このように容器本体2と中蓋4とを関係付けることにより、壁体11の上縁部を第一蓋体溝22に嵌合させられる。つまり中蓋4は、壁体11をその上縁部を接触(この場合は嵌合)させることで、壁体11をその上部で支持することになる。なお、中蓋4を容器本体2に設置すると、仕切り壁26の上端面26aは、容器本体2の上端面2aに比べて下方に位置するよう構成されている。
【0058】
続いて、収容した魚体数大きさ等に応じて、何れかの蓄冷材仕切り領域27を選択し、選択した蓄冷材仕切り領域27に蓄冷材Cを載置する。蓄冷材仕切り領域27は、複数形成されているから、魚体Fを収容した収容領域13に対応する蓄冷材仕切り領域27に蓄冷材Cを設置する。そうすると、蓄冷材Cを設置した蓄冷材仕切り領域27の冷気供給孔28から、魚体Fを収容した収容領域13へ冷気C1が落下し得る(冷気C1が供給される)。
【0059】
続いて、外蓋5をその外縁部である嵌合部5aを容器本体2の外蓋掛かり面2bに嵌合するよう載置する。そうすると、中蓋4が外蓋5に覆われて、外気と収容部9の内部とで空気の流れが遮断され、冷気C1が封じ込まれる。そして冷気C1が収容領域13に落下し続け、収容領域13において冷気C1の対流が発生する。外蓋5を装着し終えた保冷容器1は、容器本体2と外蓋5との合わせ面に外側から粘着テープ(図示せず)等を貼着することで密封することも好ましい。
【0060】
上記保冷容器1では、氷や冷水を用いて魚体Fを直接的に保冷するのではなく、蓄冷材Cからの冷気C1を魚体Fに落下させることで間接的に保冷する。このため、魚体Fが急激に冷却されることで魚体温度を急激に変化させないようにすることができ、水を用いることなく、魚体Fを活魚として維持(仮死状態を維持)することができるから、魚体Fの質(商品価値)が低下するのを抑制することができる。
【0061】
また、魚体Fの収容状態に応じて蓄冷材Cの配置を選択することで、収容部9内全体を均一に保冷することができる。さらに、外気温を考慮して蓄冷材Cの配置(個数)を選択することで、外気温の変化に対応させつつ収容部9全体を均一に保冷することができるから、魚体Fの質の低下を確実に抑制することができる。
【0062】
収容部9を幅方向Bで仕切って複数の収容領域14とする場合では、壁体11に比べて長さの長い壁体12を用い、壁体12の側縁部を第二側壁溝18にスライドさせるようにして、壁体12の下縁部を第二底壁溝16に嵌合する。また、開口部10を中蓋4で覆う際には、上記と同様にして中蓋4を幅方向Bに微調整することで、壁体12の上縁部を第二蓋体溝23に容易に嵌合させることができる。
【0063】
何れにしても、上記実施形態の構成によれば、魚体Fの腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容することができ、魚体Fに与えるストレスを抑えることができる。その結果、所望の時間だけ魚体Fの仮死状態を維持することができる。そうなれば、魚体Fを水揚げ場から、活魚のまま目的地まで搬送することができる。あるいは水を用いることなく、魚体Fを活魚のまま、所定の場所に置いておくことができる。
【0064】
仮に保冷容器1の搬送中に振動があって立位魚体が崩れたとしても、少なくとも立位魚体となっている間は魚体に与えられるストレスが抑えられるから、その分だけ魚体Fの品質を維持することができる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。図10に第二の実施形態を示す。これは、容器本体2A,2Bを二段積み可能とした構成を備え保冷容器1である。第二の実施形態が第一の実施形態と異なる構成は、容器本体2A,2Bを上下二段に積むことが可能に構成されていることと、外蓋5は一個であることと、上側の容器本体2Aの底壁6が、下側の容器本体2Bにおける外蓋の機能を備えていることである。
【0066】
すなわち、上側の容器本体2Aの下面外周部に、下側の容器本体2Bの上端部が嵌合する枠状の嵌合凹部30を形成している。嵌合凹部30は、上側の容器本体2Aの下面外周部を上方にくぼませるようにして形成されている。他の構成は上記第一の実施形態と同様であるので、同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
第二の実施形態の保冷容器1によれば、第一の実施形態の保冷容器に比べてより多くの魚体Fをまとめて搬送することができる。また、外蓋5は、下側の容器本体2Bに兼用することができるので、上側の容器本体2A、あるいは下側の容器本体2Bを必要としない場合では、何れかを省いて、魚体Fを搬送ないし、所定の場所に置いておくことができる。また、上側の容器本体2Aの底壁6が、下側の容器本体2Bにおける外蓋の機能を備えた構成とすることにより、同じ保冷容器1を二段積みする場合に比べて材料費が安価になる。
【0068】
図11にさらに別の実施形態を示す。これは、第一の実施形態および第二の実施形態とは、壁体11(あるいは壁体12)の断面形状が異なる。魚体Fによっては大重量のものがあるため、図11の壁体11(12)では、溝に嵌合しない部分の厚みを、溝より厚くしている。このような壁体11(12)を用いることで、より大重量の魚体Fが壁体11(12)にもたれても、壁体11(12)が破損することなく、その魚体Fの腹部F2を収容部9の底壁面6a側にして収容することができる。
【0069】
さらに、上記各実施形態では、底壁溝や蓋体溝は、長手方向および幅方向に、直角に交差するよう配置した。しかしながら、これら溝どうしの交差角度は直角に限定されるものではない。魚体は同種であってもその体躯は一律ではない。例えば、魚体の平面形状は一律ではない。したがって、扱う魚体の平面形状に倣うように壁体を底壁面に対して立てることで、魚体の搬送中に振動があっても、魚体をその振動から保護して、質を維持することが考えられる。このため、扱う魚体の平面形状に倣う壁体を、収容部に配置することができるような交差角度に、溝を設定することでこれが可能になる。
【0070】
あるいは、扱う魚体の平面形状に倣うように壁体を底壁面に対して立てる代わりに、幅(厚み)を変化させた壁体を用いることで、扱う魚体の平面形状に倣わせることも可能である。
【0071】
また、上記各実施形態では、壁体を底壁面に対して立てるために、底壁溝、側壁溝、および蓋体溝を形成してこれらを用いた。しかしながら、壁体が底壁面に対して確実に立てられ、輸送中に魚体を大きく移動させないのであれば、例えば底壁溝のみ形成してこれに壁体の下縁部を嵌合してもよい。また、底壁溝を形成せずに、側壁溝のみを形成してこれに壁体の側縁部を嵌合してもよい。さらに中蓋に溝を形成することなく、中蓋の下面によって壁体の上縁部を下方に押さえるようにして、壁体の姿勢を支持することもできる。さらに、壁体の姿勢を維持できるのであれば、壁体は必ずしも底壁面、側壁面、中蓋の下面の全てに接触する必要はない。
【0072】
また、上記各実施形態では、壁体を設置可能な設置手段として容器本体や、中蓋に溝を形成する構成とした。しかしながら、設置手段として、壁体の縁部に溝を形成して、容器本体や中蓋に該溝に嵌合する凸条を形成することで、壁体を底壁面に対して立てるように構成することもできる。場合によっては、設置手段を接着剤として、接着剤によって壁体を底壁面に対して立てるようにすることもできる。
【0073】
さらに、上記各実施形態では、蓋体として中蓋を構成要件としたが、外気温が魚体の仮死状態を必要な時間だけ維持できる温度であれば、中蓋を省略し、蓄冷材を用いることなく魚体を搬送したり、所定の場所に設置しておいたりすることができる。
【0074】
また、上記各実施形態では、一種の魚を例にして保冷容器の用い方を説明したが、これに限定されない。すなわち、収容する魚体の数や大きさに応じて壁体で収容部を仕切って必要な収容領域を確保し、場合に応じた蓄冷材仕切り領域を選択して蓄冷材を載置するという使用ができる。したがって、蓄冷材仕切り領域の数も上記実施形態に限定されず、さらに多くの蓄冷材仕切り領域を形成することも考えられる。蓄冷材仕切り領域に形成する冷気供給孔の数や形状、配置も同様である。
【0075】
さらに、上記各実施形態では、壁体11、あるいは壁体12の上縁部を、第一蓋体溝22、あるいは第二蓋体溝23に嵌合するとともに、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2c(角部2d)に載置するよう構成した。しかしながら本発明は、これに限定されない。例えば、図12に示すように、壁体11、あるいは壁体12の上縁部が第一蓋体溝22、あるいは第二蓋体溝23の底面に当接することで、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2cからわずかに浮かせるようにして、中蓋4で開口部10を覆うことも可能である。この場合では、中蓋4が長手方向Lあるいは幅方向Bに移動して、中蓋4の外面が、容器本体2の内面に当接することで隙間δが埋められ、中蓋4はその面方向には移動しないから、壁体11あるいは壁体12をその上縁部で支持することができる。
【0076】
このように、壁体11、あるいは壁体12の上縁部が第一蓋体溝22、あるいは第二蓋体溝23の底面に当接することで、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2cからわずかに浮かせるようにして、中蓋4で開口部10を覆う構成では、中蓋4の傾斜面21を中蓋掛かり面2cに載置することで開口部10に中蓋4を装着する場合に比べて、中蓋4を開口部10に装着し易い。
【符号の説明】
【0077】
1…保冷容器、2…容器本体、2b…外蓋掛かり面、2c…中蓋掛かり面、2d…角部、3…蓋体、4…中蓋、5…外蓋、5c…底面、6…底壁、6a…底壁面、7,8…側壁、7a,8a…側壁面、9…収容部、10…開口部、11,12…壁体、13,14…収容領域、15…第一底壁溝、16…第二底壁溝、17…第一側壁溝、18…第二側壁溝、20…中蓋本体、20c,20d…案内面、21…傾斜面、22…第一蓋体溝、23…第二蓋体溝、24,25…壁部、26…仕切り壁、27…蓄冷材仕切り領域、28…冷気供給孔、B…幅方向、C…蓄冷材、C1…冷気、F…魚体、F1…側部、F2…腹部、L…長手方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚体を収容する収容部を有して箱状に形成されると共に上側の開口部から前記収容部に魚体が収容される容器本体と、前記開口部に装着される板状の中蓋と、該中蓋をさらにその上側から覆って容器本体に装着されることで開口部を密封する外蓋と、前記収容部をその広がり方向で複数の収容領域に仕切る壁体とを備え、
前記中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能として且つ互いに仕切られた複数の載置領域が、前記収容部の広がり方向に亘るよう形成され、該載置領域ごとに、前記収容部に連通する冷気供給孔が形成され、
選択された前記載置領域に載置される蓄冷材の冷気が、前記壁体により仕切られた任意の収容領域に前記冷気供給孔から供給されることを特徴とする保冷容器。
【請求項2】
中蓋の上面に隔壁が形成されて該隔壁により複数の載置領域が形成され、蓄冷材が隔壁により保持されることを特徴とする請求項1記載の保冷容器。
【請求項3】
壁体は、収容部を形成する容器本体の壁面に支持されるとともに、中蓋の下面が上縁部に接触して支持されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の保冷容器。
【請求項4】
中蓋の外形面が容器本体の開口部における内面に当接することで、壁体が支持されることを特徴とする請求項3記載の保冷容器。
【請求項5】
中蓋の下面の外周部が開口部の中蓋掛かり面に接触することで、壁体が支持されることを特徴とする請求項3記載の保冷容器。
【請求項6】
壁体の上縁部は、中蓋の下面に形成された溝に嵌合することを特徴とする請求項3ないし請求項5の何れかに記載の保冷容器。
【請求項7】
中蓋は、その外形面と開口部を形成する周壁面との間の調整用隙間を介して開口部に設置されることで、開口部に対して該開口部の広がり方向に位置調整可能とされていることを特徴とする請求項6記載の保冷容器。
【請求項1】
魚体を収容する収容部を有して箱状に形成されると共に上側の開口部から前記収容部に魚体が収容される容器本体と、前記開口部に装着される板状の中蓋と、該中蓋をさらにその上側から覆って容器本体に装着されることで開口部を密封する外蓋と、前記収容部をその広がり方向で複数の収容領域に仕切る壁体とを備え、
前記中蓋に、蓄冷材をそれぞれ保持可能として且つ互いに仕切られた複数の載置領域が、前記収容部の広がり方向に亘るよう形成され、該載置領域ごとに、前記収容部に連通する冷気供給孔が形成され、
選択された前記載置領域に載置される蓄冷材の冷気が、前記壁体により仕切られた任意の収容領域に前記冷気供給孔から供給されることを特徴とする保冷容器。
【請求項2】
中蓋の上面に隔壁が形成されて該隔壁により複数の載置領域が形成され、蓄冷材が隔壁により保持されることを特徴とする請求項1記載の保冷容器。
【請求項3】
壁体は、収容部を形成する容器本体の壁面に支持されるとともに、中蓋の下面が上縁部に接触して支持されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の保冷容器。
【請求項4】
中蓋の外形面が容器本体の開口部における内面に当接することで、壁体が支持されることを特徴とする請求項3記載の保冷容器。
【請求項5】
中蓋の下面の外周部が開口部の中蓋掛かり面に接触することで、壁体が支持されることを特徴とする請求項3記載の保冷容器。
【請求項6】
壁体の上縁部は、中蓋の下面に形成された溝に嵌合することを特徴とする請求項3ないし請求項5の何れかに記載の保冷容器。
【請求項7】
中蓋は、その外形面と開口部を形成する周壁面との間の調整用隙間を介して開口部に設置されることで、開口部に対して該開口部の広がり方向に位置調整可能とされていることを特徴とする請求項6記載の保冷容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−136231(P2012−136231A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288294(P2010−288294)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000123251)株式会社積水化成品沖縄 (8)
【出願人】(510340160)
【出願人】(510341547)
【出願人】(510341569)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000123251)株式会社積水化成品沖縄 (8)
【出願人】(510340160)
【出願人】(510341547)
【出願人】(510341569)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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