説明

保冷梱包箱

【課題】缶に詰められた内容物を、全体的に均一に冷却することができる保冷梱包箱を提供する。
【解決手段】本発明の保冷梱包箱1は、底壁3と、側壁5と、蓋体7とを備える。側壁5にて囲まれる収納空間には、格子状の中仕切り23が備えられている。中仕切り23の壁内には、側壁冷却材が内蔵可能とされている。底壁3の内面には、缶9を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されている。側壁冷却材は、中仕切り23の壁内に内蔵された状態であり、缶とは直接接触しないため、缶が、部分的に冷却され過ぎることを防止することができる。底壁23の内面には、缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷梱包箱に関し、さらに詳しくは、各種溶液、特に液晶表示素子用スペーサー、液晶表示素子用保護膜、液晶表示素子用層間絶縁膜等を製造するための感放射線性組成物や熱硬化性組成物、液晶表示素子や固体撮像素子のカラーフィルタを製造するための着色感放射線性組成物、液晶表示素子や固体撮像素子のマイクロレンズを製造するための感放射線性組成物、半導体レジスト、レジスト下層膜用材料等のフォトリソグラフィー用途に使用される樹脂組成物、並びにそれらに用いられる重合体を運搬する際に好適に使用することができる保冷梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体や各種組成物を運搬する際には、内容物の劣化を抑制するために、次の様な梱包が採用されていた。
すなわち、箱体の中に、缶を挿入し、さらに、箱と缶との空いたスペースに緩衝材と冷却材を詰めていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような梱包形態では、冷却材が、直接、缶に接触して、部分的に過冷却される部分がある。また、逆に、冷却材が遠く離れており、冷却効果がほとんど得られない部分がある。このように、従来の梱包形態では、冷却効果を均一に得ることが困難であった。
特に、上記組成物や重合体は熱の影響を受けやすいため、出来る限り均一に冷却しつつ、運搬することが望まれている。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、缶に詰められた内容物を出来る限り、全体的に均一に冷却することができる保冷梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の通りである。
1.底壁と、
前記底壁の周囲を囲むように立設した側壁と、
前記側壁の上部開口を覆うための蓋体とを、備えた保冷梱包箱であって、
複数の缶を収納する保冷梱包箱において、
前記側壁にて囲まれる収納空間には、格子状の中仕切りと前記中仕切りを囲む枠体が備えられ、
前記中仕切りにより区画された空間内に缶が配されるようにされており、
前記底壁の内面であって、前記中仕切りにより区画された空間に対応する位置には、前記区画された空間に収納される前記缶の底面の縁部の少なくとも2カ所を支持して、前記缶の底面を前記底壁の内面から離隔して、前記缶の底面下部に底部冷却材を収納する底部冷却材収納空間を設けるための支持部材が備えられ、
前記底壁の内面には、前記底部冷却材が前記缶の底面下部位置からの水平方向へのずれを抑制するためのずれ抑制突部が設けられ、
前記中仕切りの壁内には、側壁冷却材が内蔵可能とされるとともに、前記側壁冷却材の少なくとも一部が露出するように側壁冷却材露出用の開口が設けられていることを特徴とする保冷梱包箱。
2.前記抑制突部の前記底壁の内面からの突出量が、前記支持部材の前記底壁の内面からの突出量よりも小さい1.記載の保冷梱包箱。
3.前記底壁の内面には、前記缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されている1.又は2.記載の保冷梱包箱。
4.前記蓋体の内面には、前記缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されている1.乃至3.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
5.前記枠体の壁内には、枠体冷却材が内蔵可能とされるとともに、前記枠体冷却材の少なくとも一部が露出するように枠体冷却材露出用の開口が設けられていることを特徴とする1.乃至4.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
6.前記中仕切りが樹脂を含浸させた段ボールである1.乃至5.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
7.前記中仕切りは、複数枚の第1中仕切り部材と複数枚の第2中仕切り部材とを組み合わせてなり、
前記第1中仕切り部材と、前記第2中仕切り部材には、双方にかみ合わせて組み付けるための組み付け溝が形成されている1.乃至6.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
8.第1中仕切り部材は、第1A片と、前記第1A片に連結した第1B片と、前記第1B片に連結した第1C片とを備え、
前記第1C片には、前記側壁冷却材を収納する第1ポケットが切り欠きにより形成されており、
前記第1中仕切り部材は、前記第1B片に前記第1C片を折り重ね、その上からさらに第1A片を重ねてなる7.項に記載の保冷梱包箱。
9.第2中仕切り部材は、第2A片と、前記第2A片に連結した第2B片と、前記第2B片に連結した第2C片とを備え、
前記第2C片には、前記側壁冷却材を収納する第2ポケットが切り欠きにより形成されており、
前記第2中仕切り部材は、前記第2B片に前記第2C片を折り重ね、その上からさらに第2A片を重ねてなる7.に記載の保冷梱包箱。
10.前記第1中仕切り部材の使用状態において、前記第1ポケットは上向きに開口した略U字状をなし、
前記第1ポケットの上方位置にあたる前記第1A片と前記第1B片との折り目部分には、前記側壁冷却材を挿入するための第1挿入孔が形成されている8.に記載の保冷梱包箱。
11.前記第2中仕切り部材の使用状態において、前記第2ポケットは上向きに開口した略U字状をなし、
前記第2ポケットの上方位置にあたる前記第2A片と前記第2B片との折り目部分には、前記側壁冷却材を挿入するための第2挿入孔が形成されている9.に記載の保冷梱包箱。
12.前記第1挿入孔は、前記第1A片と前記第1B片との折り目部分に形成された略H状の切れ込みを前記第1中仕切り部材の内側へ押し込むことにより形成されており、
この押し込みにより形成された2つの舌片は、前記第1A片と前記第1B片との折り目部分と交差する方向に延びる10.記載の保冷梱包箱。
13.前記第2挿入孔は、前記第2A片と前記第2B片との折り目部分に形成された略H状の切れ込みを前記第2中仕切り部材の内側へ押し込むことにより形成されており、
この押し込みにより形成された2つの舌片は、前記第2A片と前記第2B片との折り目部分と交差する方向に延びる11.記載の保冷梱包箱。
14.前記第1A片には係合部が形成され、
前記第1C片には、係合受け部が形成され、
前記第1中仕切り部材は、前記第1B片に前記第1C片を折り重ね、その上からさらに第1A片を重ねた際に、前記係合部と係合受け部とが係合してロックされる8.に記載の保冷梱包箱。
15.前記第2A片には係合部が形成され、
前記第2C片には、係合受け部が形成され、
前記第2中仕切り部材は、前記第2B片に前記第2C片を折り重ね、その上からさらに第2A片を重ねた際に、前記係合部と係合受け部とが係合してロックされる9.に記載の保冷梱包箱。
16.前記底壁、前記側壁、及び前記蓋体の少なくとも一部には断熱材が用いられている1.乃至15.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
17.前記底壁の下部には、更に、フォークを挿入可能な挿入口を有するパレットが備えられた1.乃至15.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
18.前記底壁、前記側壁、及び前記蓋体の少なくとも一部は段ボールが用いられている1.乃至16.のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【発明の効果】
【0006】
<1.の発明>
区画された空間に収納される缶は、底部冷却材と、側壁冷却材からの冷気により、全体的に冷却されるため、熱による品質劣化が抑制される。また、ずれ抑制突部により、底部冷却材が缶の底面下部位置からずれにくくなるから、冷却効率が高くなる。
また、側壁冷却材は、中仕切りの壁内に内蔵された状態であり、缶とは直接接触しないため、缶が、部分的に冷却され過ぎることを防止することができる。
また、側壁冷却材の少なくとも一部が露出するように開口が設けられているため、側壁冷却材による保冷効果も高い。
また、中仕切りにより区画された空間内に缶が収納されているため、缶同士が接触せず、緩衝効果により缶の内容物を保護することができる。
<2.の発明>
抑制突部の突出量が、支持部材の突出量よりも小さい。よって、抑制突部の上方には、空間が保たれ、この空間を通して冷気が広がり、缶をより全体的に冷却することができる。
<3.の発明>
底壁の内面には、缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる。
【0007】
<4.の発明>
蓋体の内面には、缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる。
<5.の発明>
缶は、枠体からの冷気によっても冷却されるため、缶の内容物の品質がより安定する。
特に夏場の品質保持に最適である。
<6.の発明>
中仕切りが樹脂を含浸させた段ボールであるため、結露水を吸収しない。よって、中仕切りの強度低下が抑制される。
【0008】
<7.の発明>
第1中仕切り部材と、第2中仕切り部材とが、組み付け溝により、双方にかみ合わせて組み付けられているため、中仕切りにより区画される缶収納空間が変形しにくく、緩衝効果が高い。
<8.の発明>
第1中仕切り部材が、第1A片と第2A片と第3A片とを備えた一枚の部材からなり、折りたたむことにより、形成されているため、複数部材で作成した場合と比べて、コストを抑制することができる。第1ポケット内に側壁冷却材が収納されるため、側壁冷却材の位置ずれが抑制される。
<9.の発明>
第2中仕切り部材が、第2A片と第2B片と第2C片とを備えた一枚の部材からなり、折りたたむことにより、形成されているため、複数部材で作成した場合と比べて、コストを抑制することができる。第2ポケット内に側壁冷却材が収納されるため、側壁冷却材の位置ずれが抑制される。
【0009】
<10.の発明>
第1中仕切り部材を組み立て後でも、容易に、第1挿入孔から側壁冷却材を入れることができる。
<11.の発明>
第2中仕切り部材を組み立て後でも、容易に、第2挿入孔から側壁冷却材を入れることができる。
<12.の発明>
押し込みにより形成された2つの舌片は、第1A片と第1B片との折り目部分と交差する方向に延びている。側壁冷却材を第1ポケットに挿入する際、側壁冷却材は、これらの舌片に案内されて、第1ポケットに入りやすくなる。また、2つの舌片により、側壁冷却材の横方向のずれを抑制することができる。
【0010】
<13.の発明>
押し込みにより形成された2つの舌片は、第2A片と第2B片との折り目部分と交差する方向に延びている。側壁冷却材を第2ポケットに挿入する際、側壁冷却材は、これらの舌片に案内されて、第2ポケットに入りやすくなる。また、2つの舌片により、側壁冷却材の横方向のずれを抑制することができる。
<14.の発明>
第1A片の係合部と第1C片の係合受け部が係合することによって、ロックされるため、接着剤等を用いた場合に比べて、より簡単に第1中仕切り部材の構造を保持することができる。
<15.の発明>
第2A片の係合部と第2C片の係合受け部が係合することによって、ロックされるため、接着剤等を用いた場合に比べて、より簡単に第2中仕切り部材の構造を保持することができる。
【0011】
<16.の発明>
断熱材を用いることで、保冷効果が向上する。
<17.の発明>
フォークリフトによる運搬が容易となる。
<18.の発明>
段ボールを用いることで、他の樹脂板等を用いる場合に比べて軽く、また、環境への配慮の上でも好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本実施形態に係る保冷梱包箱は、底壁と、底壁の周囲を囲むように立設した側壁と、側壁の上部開口を覆うための蓋体とを、備える。
【0013】
「底壁」は、保冷梱包箱の内容物の重量に耐えうる強度を持つ限り、その構成、形状、材質等は特に問わない。この底壁の材質としては、例えば、段ボール(以下、紙からなる段ボールのみならず、プラスチックからなる段ボール(いわゆるプラスチック段ボールも含む))や、木材や、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属や、ポリスチロール(ポリスチレン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の樹脂などを挙げることができる。また、これらの複合材であってもよい。好ましくは、段ボールと断熱材(例えば、発泡スチロール)とを重ね合わせたものが好ましい。
【0014】
「側壁」は、その構成、形状、材質等は特に問わない。単層構造であっても、多層構造(例えば2層〜5層)であってもよい。この側壁の材質としては、例えば、段ボールや、木材や、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属や、発泡ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の樹脂などを挙げることができる。また、これらの複合材であってもよい。好ましくは、段ボールを外側壁とし、その内側の内外壁に断熱材(例えば、発泡ポリスチレン)を設けた二重構造が好ましい。これによれば、外側壁により外壁の強度を保ちつつ、内側壁により断熱効果を持たせることができるからである。
【0015】
「蓋体」は、その構成、形状、材質等は特に問わない。単層構造であっても、多層構造(例えば2層〜5層)であってもよい。この側壁の材質としては、例えば、段ボールや、木材や、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属や、ポリスチロール(ポリスチレン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の樹脂などを挙げることができる。また、これらの複合材であってもよい。好ましくは、段ボールを上蓋体とし、その内側の内蓋体に断熱材(例えば、発泡スチロール)を設けた二重構造が好ましい。これによれば、上蓋体により蓋体の強度を保ちつつ、内蓋体により断熱効果を持たせることができるからである。
【0016】
本発明では、側壁にて囲まれる収納空間には、格子状の中仕切りと中仕切りを囲む枠体が備えられている(図2,5参照)。
「格子状の中仕切り」は、その形状、材質等は特に問わない。一体ものであってもよいが、中仕切りは、複数枚の第1中仕切り部材と複数枚の第2中仕切り部材とを組み合わせてなるものが好ましい。一体成形で形成するよりも、複数枚の第1中仕切り部材と複数枚の第2中仕切り部材とを組み合わせる方が、より簡便だからである。
この中仕切りの材質としては、特に限定されず、例えば、段ボールや、木材や、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属や、発泡ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の樹脂などを挙げることができる。
特に、中仕切りの材質としては、樹脂を含浸させた段ボールが好ましい。樹脂を含浸させた段ボールは、結露した水分を吸収せず、強度低下が抑制されるからである。
樹脂を含浸させた段ボールは、段ボールに、含浸用樹脂を含浸後、乾燥させて得られるものである。含浸用樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンや、スチレン−ブタジエンゴム系、アクリロニトリル−ブタジエンゴム系、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム系等の合成ゴムラテックスや、アクリル系、スチレン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、アクリル−スチレン系、塩化ビニル−エチレン系、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル系、酢酸ビニル−マレイン酸系、アクリル−マレイン酸系等の合成樹脂エマルジョン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の樹脂等、あるいは、これらから選ばれる2種以上の混合樹脂等が使用される。
含浸用樹脂量は、段ボール100質量部に対して、乾燥重量で5−50質量部の範囲から選ばれ、特に10−30質量部の範囲が最も好ましい。
【0017】
中仕切りは、側壁冷却材が内蔵可能な構造となっている(図3,4の符号39参照)。壁材は、上述した中仕切りの材料にて構成されている。
「側壁冷却材」としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックシートからなる耐水性の容器に、氷等の冷却剤を入れたもの用いることが好ましい。
また、中仕切りには、側壁冷却材露出用の開口が設けられている(図5の符号43参照)。この開口の形状(例えば、円形、矩形、三角等)、個数(例えば、側壁冷却材1つに対して、1〜10個でもよい)は特に限定されない。開口の形状、個数を調整することで、保冷梱包箱内の温度調整をすることができる。
【0018】
中仕切りは、複数枚の第1中仕切り部材と複数枚の第2中仕切り部材とを組み合わせてなることが好ましい(図3,4参照)。この場合、第1中仕切り部材と、第2中仕切り部材には、双方にかみ合わせて組み付けるための組み付け溝が形成されていることが好ましい。
第1中仕切り部材と、第2中仕切り部材とが、組み付け溝により、双方にかみ合わせて組み付けられているため、中仕切りにより区画される缶収納空間が変形しにくく、緩衝効果が高いからである。
【0019】
第1中仕切り部材は、第1A片と、前記第1A片に連結した第1B片と、前記第1B片33に連結した第1C片とを備えることが好ましい(図3の符号31(第1A片)、符号33(第1B片)、符号35(第1C片)参照)。
この場合、第1C片には、側壁冷却材を収納する第1ポケット(図3の符号41参照)が切り欠きにより形成されており、第1中仕切り部材は、第1B片に前記第1C片を折り重ね、その上からさらに第1A片を重ねてなる。
第1中仕切り部材が、第1A片と第2A片と第3A片とを備えた一枚の部材からなり、折りたたむことにより、形成されているため、複数部材で作成した場合と比べて、コストを抑制することができる。第1ポケット内に側壁冷却材が収納されるため、側壁冷却材の位置ずれが抑制される。
【0020】
第2中仕切り部材は、第2A片と、前記第2A片に連結した第2B片と、前記第2B片に連結した第2C片とを備えることが好ましい(図4の符号55(第2A片)、符号57(第2B片)、符号59(第2C片)参照)。
この場合、第2C片には、側壁冷却材を収納する第2ポケット(図4の符号65参照)が切り欠きにより形成されており、第2中仕切り部材は、第2B片に前記第2C片を折り重ね、その上からさらに第2A片を重ねてなる。
第2中仕切り部材が、第2A片と第2B片と第2C片とを備えた一枚の部材からなり、折りたたむことにより、形成されているため、複数部材で作成した場合と比べて、コストを抑制することができる。第2ポケット内に側壁冷却材が収納されるため、側壁冷却材の位置ずれが抑制される。
【0021】
また、第1中仕切り部材の使用状態において、第1ポケットは上向きに開口した略U字状をなし、第1ポケットの上方位置にあたる第1A片と第1B片との折り目部分には、側壁冷却材を挿入するための第1挿入孔(図3の符号47参照)が形成されていることが好ましい。第1挿入孔のサイズは、側壁冷却材を挿入できるサイズであれば特に限定されない。
このように、第1挿入孔が形成されていると、第1中仕切り部材を組み立て後でも、容易に、第1挿入孔から側壁冷却材を入れることができる。
【0022】
また、第2中仕切り部材の使用状態において、第2ポケットは上向きに開口した略U字状をなし、第2ポケットの上方位置にあたる第2A片と第2B片との折り目部分には、側壁冷却材を挿入するための第2挿入孔(図4の符号71参照)が形成されていることが好ましい。第2挿入孔のサイズは、側壁冷却材を挿入できるサイズであれば特に限定されない。
このように、第2挿入孔が形成されていると、第2中仕切り部材を組み立て後でも、容易に、第2挿入孔から側壁冷却材を入れることができる。
【0023】
第1挿入孔は、第1A片と第1B片との折り目部分に形成された略H状の切れ込みを第1中仕切り部材の内側へ押し込むことにより形成されることが好ましい(図3参照)。
そして、この押し込みにより形成された2つの舌片(符号49参照)は、第1A片と第1B片との折り目部分と交差する方向に延びることが好ましい。
押し込みにより形成された2つの舌片は、第1A片と第1B片との折り目部分と交差する方向に延びている。側壁冷却材を第1ポケットに挿入する際、側壁冷却材は、これらの舌片に案内されて、第1ポケットに入りやすくなる。また、2つの舌片により、側壁冷却材の横方向のずれを抑制することができる。
【0024】
また、第2挿入孔は、第2A片と第2B片との折り目部分に形成された略H状の切れ込みを第2中仕切り部材の内側へ押し込むことにより形成されることが好ましい(図4参照)。
そして、この押し込みにより形成された2つの舌片(符号73参照)は、第2A片と第2B片との折り目部分と交差する方向に延びることが好ましい。
押し込みにより形成された2つの舌片は、第2A片と第2B片との折り目部分と交差する方向に延びている。側壁冷却材を第2ポケットに挿入する際、側壁冷却材は、これらの舌片に案内されて、第2ポケットに入りやすくなる。また、2つの舌片により、側壁冷却材の横方向のずれを抑制することができる。
【0025】
第1A片には係合部が形成され、第1C片には、係合受け部が形成されていることが好ましい。第1中仕切り部材は、第1B片に前記第1C片を折り重ね、その上からさらに第1A片を重ねた際に、係合部と係合受け部とが係合してロックされる(図3の符号51,53参照)。
第1A片の係合部と第1C片の係合受け部が係合することによって、他の接着剤等を用いた場合に比べて、より簡単に第1中仕切り部材の構造を保持することができる。
【0026】
第2A片には係合部が形成され、第2C片には、係合受け部が形成されていることが好ましい。第2中仕切り部材は、第2B片に第2C片を折り重ね、その上からさらに第2A片を重ねた際に、前記係合部と係合受け部とが係合してロックされる(図4の符号75,77参照)。
第2A片の係合部と第2C片の係合受け部が係合することによって、他の接着剤等を用いた場合に比べて、より簡単に第2中仕切り部材の構造を保持することができる。
【0027】
中仕切りを囲む「枠体」は、その構成、形状、材質等は特に問わないが、中仕切りと同様の材料が好ましく使用される。
「枠体」は、枠体冷却材が内蔵されるとともに、枠体冷却材の少なくとも一部が露出するように枠体冷却材露出用の開口が設けられていることが好ましい。この場合、枠体の材質としては、上述の中仕切りの材質と同様のものを用いることができる。
「枠体冷却材」としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックシートからなる耐水性の容器に、氷等の冷却剤を入れたもの用いることが好ましい。
また、枠体には、枠体冷却材露出用の開口が設けられていることが好ましい。この開口の形状(例えば、円形、矩形、三角等)、個数(例えば、枠体冷却材1つに対して、1〜10個でもよい)は特に限定されない。開口の形状、個数を調整することで、保冷梱包箱内の温度調整をすることができる。
なお、枠体は、枠体冷却材を内蔵しない単なる壁材からなるものであってもよい(図10参照)。特に、冬場のように外気温が低いときには、枠体冷却材を内蔵しない方が、保冷梱包箱内の温度を適切に保てる場合があるからである。
【0028】
なお、格子状の中仕切りと中仕切りを囲む枠体とを一体化する構造は特に限定されない。例えば、双方にかみ合わせて組み付けるための組み付け溝を形成して一体化してもよいし、接着剤によって接着してもよい。
【0029】
「中仕切りにより区画された空間内に配される缶」は特に限定されない。例えば、外形が略円柱状の缶、外形が略直方体であってもよい。
【0030】
底壁の内面には、「支持部材」が備えられている。支持部材は、区画された空間に収納される缶の底面の縁部の少なくとも2カ所を支持する(図9の符号83参照)。これにより、缶の底面を底壁の内面から離隔して、缶の底面下部に底部冷却材91を収納する底部冷却材収納空間が設けられる。
支持部材の材質としては、特に限定されず、例えば、発泡ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の樹脂や、段ボールや、木材や、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属などを挙げることができる。
支持部材の形状も特に限定されない。
支持部材の底壁の内面からの突出量も特に限定されないが、十分な底部冷却材収納空間を確保するために、5−80mmが好ましく、特に10−50mmが好ましく、更に10−40mmが好ましい。
「底部冷却材」としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックシートからなる耐水性の容器に、氷等の冷却剤を入れたもの用いることが好ましい。
【0031】
底壁の内面には、「ずれ抑制突部」が設けられている(図7の符号85参照)。これにより、底部冷却材の缶の底面下部位置からの水平方向へのずれを抑制される。
ずれ抑制突部の個数は、底部冷却材が缶の底面下部位置からの水平方向へのずれを抑制することができれば、個数は限定されない。通常、各底部冷却材の周囲に1〜5個程度配置される。
ずれ抑制突部の材質としては、特に限定されず、例えば、発泡ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の樹脂や、段ボールや、木材や、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属などを挙げることができる。
ずれ抑制突部の形状も特に限定されない。
ずれ抑制突部の底壁の内面からの突出量も特に限定されないが、図9に示すようにずれ抑制突部の底壁の内面からの突出量L1が、支持部材の底壁の内面からの突出量L2よりも小さいことが好ましい。
ずれ抑制突部の底壁の内面からの突出量は、5−50mmが好ましく、特に10−40mmが好ましく、更に10−30mmが好ましい。
【0032】
底壁の内面には、缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されている(図8参照)。
この連通溝は、上記「支持部材」、上記「ずれ抑制突部」が組み合わさり、その結果、連通溝としてもよいし、他の部材との組合せによって連通溝を形成してもよい。
【0033】
蓋体の内面には、缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成してもよい。この連通溝によって、冷気が保冷梱包箱内に均一に広がりやすくなるからである。この連通溝の形成方法は、特に限定されず、複数の連通溝の形成方法用の部材(直方体、立方体、円柱等)を組み合わせてよいし、蓋体を形成する際に、公知の方法により連通溝を一体成形してもよい。また、底壁の連通溝と、蓋体の連通溝とを同一構造としてもよい。
【0034】
底壁、側壁、及び蓋体の少なくとも一部には断熱材が用いられていることが好ましい。特に底壁、側壁、及び蓋体に発泡ポリスチレン等の断熱材を使用することで、保冷梱包箱の保冷効果が高まる。
【0035】
底壁の下部には、更に、フォークを挿入可能な挿入口を有するパレットが備えられていることが好ましい。このような構造であれば、フォークリフトによる運搬が容易となる。
【0036】
また、底壁、側壁、及び蓋体の少なくとも一部は段ボールが用いられていることが好ましい。段ボールを用いることで、他の樹脂板等を用いる場合に比べて軽く、また、環境への配慮の上でも好ましい。
【実施例】
【0037】
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。
なお、本実施例では、本発明に係る「保冷梱包箱」として、感放射線性組成物を運搬する保冷梱包箱を例示する。
【0038】
本実施形態の保冷梱包箱1は、その外観は、図1に示されるが、底壁3と、底壁3の周囲を囲むように立設した側壁5と、側壁5の上部開口を覆うための蓋体7とを、備える(例えば、寸法は1180mm×1195mm×660mmである)。
そして、複数の缶9を収納するための保冷梱包箱1である。
保冷梱包箱1は、最終梱包形態では、バンド(例えばポリエステル製のバンド)2により結束される場合もある。
図2に示すように、底壁3は、下部底壁11と上部底壁13とからなる。下部底壁11は、その平面形状が略正方形で、薄皿状をなす。下部底壁11内部には、上部底壁13が載置されている。また、下部底壁11の下部には、フォークを挿入可能な挿入口15を有するパレット17が固着されている。パレット17は、3本のコア材19により、2つの挿入口15A,Bが形成されている。コア材19は、複数枚の段ボール材を立てた状態で積層してなる(図1の部分拡大図参照)。底壁3の詳細は後述する。
【0039】
図2に示すように、側壁5は、段ボールを外側壁5Aとし、その内側の内外壁5Bに断熱材(例えば、発泡ポリスチレン)を設けた二重構造である。これによれば、外側壁5Aにより外壁の強度を保ちつつ、内側壁5Bにより断熱効果を持たせることができるからである。なお、内側壁5Bの厚みは、特に限定されないが、10〜100mm、特に好ましくは、10〜50mmである。
【0040】
側壁5にて囲まれる収納空間21には、格子状の中仕切り23と中仕切り23を囲む枠体25が備えられている。
格子状の中仕切り23と中仕切り23を囲む枠体25は、4枚の第1中仕切り部材27と4枚の第2中仕切り部材29とを組み合わせてなる。
図5に示されるように、2枚の第1中仕切り部材27Aと、2枚の第2仕切り部材29Aにより中仕切りが構成され、2枚の第1中仕切り部材27Bと、2枚の第2仕切り部材29Bにより枠体25が構成されている。
【0041】
第1中仕切り部材27は、図3のような形状をした1枚の段ボールからなる。第1中仕切り部材27は、第1A片31と、第1A片31に連結した第1B片33と、第1B片33に連結した第1C片35とを備える。第1中仕切り部材27は、第1B片33に第1C片35を折り重ね、その上からさらに第1A片31を重ねる。第1A片31と第1B片33には、両者を折り曲げる際の折り曲げ辺に直交する方向に開けられた細長い組み付け用の溝37が複数本(2本)形成されている。
また、第1C片35には、側壁冷却材39を収納する第1ポケット41が切り欠きにより形成されている。
折り曲げて組み立てた状態の第1中仕切り部材27内に収納された側壁冷却材39の少なくとも一部が露出するように、第1A片31及び第1B片33には、側壁冷却材露出用の開口43が円形状にくり抜かれている。
また、第1A片31と第1B片33との折り目部分には、略H状の切れ込み45が形成されている。この略H状の切れ込み45を押し込むことにより、第1挿入孔47が形成されるとともに、2つの舌片49が形成される。
【0042】
また、第1A片31の2つの上方の角部には、折り曲げ片(係合部に相当)51を形成するための切れ目が入れられている。また、第1C片35には、折り曲げ片51を挿入可能な切れ目(係合受け部に相当)53が形成されており、第1中仕切り部材27は、第1B片33に第1C片35を折り重ね、その上からさらに第1A片31を重ねた際に、折り曲げ片51と切れ目53とが係合してロックされて組み付け状態が維持されるようになっている。
【0043】
第2中仕切り部材29は、図4のような形状をした1枚の段ボールからなる。第2中仕切り部材29は、第2A片55と、第2A片55に連結した第2B片57と、第2B片57に連結した第2C片59とを備える。第2中仕切り部材29は、第2B片57に第2C片59を折り重ね、その上からさらに第2A片55を重ねる。第2B片57と第2C片59には、両者を折り曲げる際の折り曲げ辺に直交する方向に開けられた細長い組み付け用の溝61が複数本(2本)形成されている。また、第2A片55にも、組み付け用の切り込み63が形成されている。組み付け用の溝61と、組み付け用の切り込み63とは、第2中仕切り部材29を折り曲げて組み付け状態とした場合に、重なる位置となっている。
また、第2C片59には、側壁冷却材39を収納する第2ポケット65が切り欠きにより形成されている。
折り曲げて組み立てた状態の第2中仕切り部材29内に収納された側壁冷却材39の少なくとも一部が露出するように、第2A片55及び第2B片57には、側壁冷却材露出用の開口67が円形状にくり抜かれている。
また、第2A片55と第2B片57との折り目部分には、略H状の切れ込み69が形成されている。この略H状の切れ込み69を押し込むことにより、第2挿入孔71が形成されるとともに、2つの舌片73が形成される。
【0044】
また、第2A片55の2つの上方の角部には、折り曲げ片(係合部に相当)75を形成するための切れ目が入れられている。また、第2C片59には、折り曲げ片75を挿入可能な切れ目(係合受け部に相当)77が形成されており、第2中仕切り部材29は、第2B片57に第2C片59を折り重ね、その上からさらに第2A片55を重ねた際に、折り曲げ片75と切れ目77とが係合してロックされて組み付け状態が維持されるようになっている。
【0045】
上部底壁13は、図7に示されるように、例えば、発泡スチレンからなる。上部底壁13は、略正方形の平板状の基板81と、その上に配された、支持部材83、ずれ抑制突部85とを備える。図2,7に示されるように、支持部材83は、基板81の両側縁部に配された第1支持部材87と、基板81の中程に均等に配された4つの第2支持部材89とからなる。これらの第1支持部材87と、第2支持部材89とは、同じ高さである。図9に示すように、これらの支持部材により、缶9の底面の縁部の少なくとも2カ所が支持される。そして、缶9の底面を基板81の内面から離隔して、缶9の底面下部に底部冷却材91を収納する底部冷却材収納空間93が設けられる。
また、基板81上には、支持部材83よりも低い高さのずれ抑制突部85が、支持部材83間に配されている。ずれ抑制突部85は、図2に示されるように、底部冷却材91が
上部底壁13に配された場合に、その位置をずれにくくする役目を果たす。すなわち、ずれ抑制突部85は、図6に示すように、底部冷却材91が、缶9の中央部からずれにくくする役目を果たす。
また、ずれ抑制突部85は、支持部材83よりも高さが低いため、図9(b)に示すように、缶9の底部との間に隙間ができる。すなわち、ずれ抑制突部85の突出量L1が、支持部材83の突出量L2よりも小さいため、ずれ抑制突部85の上方には、空間が保たれ、この空間を通して冷気が広がり、缶をより全体的に冷却することができる。突出量L1と、突出量L2との差は特に限定されないが、好ましくは、10〜40mm、特に好ましくは、20〜30mmである。
また、このようにして、図8に示すように、底壁3の内面には、缶9を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝(図の矢印参照)が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる。
【0046】
次に、蓋体7について説明する。蓋体7は、図2に示すように、上部蓋体7Aと下部蓋体7Bとを備えている。上部蓋体7Aは例えば段ボールから構成され、下部蓋体7Bは、例えば、発泡スチレンからなる。下部蓋体7Bの構造は、上述の上部底壁13を逆さにしたものであり、その構造は同一であるため、詳細な説明は省略する。下部蓋体7Bにおいても、内面には、缶9を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる(図8参照)。
【0047】
ここで、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の保冷梱包箱1では、図2に示すように、縦横9つの区画された空間ができ、この空間のそれぞれに缶9が収納される。但し、9つの空間の内、中央の空間部を空にしておき、ここにドライアイス等の冷却剤を入れて冷却効率を上げてもよい。また、各缶9の上部には、上部冷却材95を載せてもよい。この場合、上部冷却材95が缶9に直接接触しないように、上部冷却材95を緩衝材からなる容器入れた状態で、缶9に載せてもよい。
本実施形態では、底部冷却材91と、側壁冷却材39、上部冷却材95からの冷気により、全体的に冷却されるため、熱による品質劣化が抑制される。
また、ずれ抑制突部85により、底部冷却材91が缶9の底面下部位置からずれにくくなるから、冷却効率が高くなる。
また、側壁冷却材39は、2枚の壁材により挟み込まれた状態であり、缶9とは直接接触しないため缶が、部分的に冷却され過ぎることを防止することができる。
また、側壁冷却材39の少なくとも一部が露出するように側壁冷却材露出用の開口43
が設けられているため、側壁冷却材39による保冷効果も高い。
また、中仕切り23により区画された空間内に缶9が収納されているため、缶9同士が接触せず、緩衝効果により缶9の内容物を保護することができる。
ずれ抑制突部85の突出量が、支持部材83の突出量よりも小さい。よって、抑制突部85の上方には、空間が保たれ、この空間を通して冷気が広がり、缶9をより全体的に冷却することができる。
底壁3の内面には、缶9を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる。
蓋体7の内面には、缶9を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されているので、冷気が循環しやすく、冷却効率が高くなる。
缶9は、枠体25からの冷気によっても冷却されるため、缶9の内容物の品質がより安定する。特に夏場の品質保持に最適である。
第1ポケット41内に側壁冷却材39が収納されるため、側壁冷却材39の位置ずれが抑制される。
第2ポケット65内に側壁冷却材39が収納されるため、側壁冷却材39の位置ずれが抑制される。
第1中仕切り部材27を組み立て後でも、容易に、第1挿入孔47から側壁冷却材39を入れることができる。
第2中仕切り部材29を組み立て後でも、容易に、第2挿入孔71から側壁冷却材39を入れることができる。
押し込みにより形成された2つの舌片49は、第1A片31と第1B片33との折り目部分と交差する方向に延びている。側壁冷却材39を第1ポケット41に挿入する際、側壁冷却材39は、これらの舌片49に案内されて、第1ポケット41に入りやすくなる。また、2つの舌片49により、側壁冷却材39の横方向のずれを抑制することができる。
押し込みにより形成された2つの舌片73は、第2A片55と第2B片57との折り目部分と交差する方向に延びている。側壁冷却材39を第2ポケット65に挿入する際、側壁冷却材39は、これらの舌片73に案内されて、第2ポケット65に入りやすくなる。また、2つの舌片73により、側壁冷却材39の横方向のずれを抑制することができる。
また、上記実施形態では、保冷梱包箱1を上方から視ると正方形をしているので、冷気が均一に循環しやすい。また、蓋体7が正方形であるので、蓋体7の縦横方向に気を遣うことなく、容易に蓋体7を閉めることができる。
【0048】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、縦横9つの区画された空間ができ、この空間のそれぞれに缶9が収納されることとしたが、区画される空間数は特に限定されない。
また、保冷梱包箱1の内側に樹脂袋(例えばPE、PP製)等を、さらに配してもよい。また、上記各部材のサイズは特に限定されず、収納される缶9のサイズや、個数によって適宜定めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
保冷梱包箱として広く利用される。特に、各種溶液、特に半導体レジスト用重合体及び感放射線性組成物を運搬する際に好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例に係る保冷梱包箱の斜視図である。
【図2】実施例に係る保冷梱包箱の分解斜視図である。
【図3】中仕切りの説明図である。
【図4】中仕切りの説明図である。
【図5】中仕切りと枠体の斜視図である。
【図6】底壁の説明図である。
【図7】底壁の説明図である。
【図8】底壁の説明図である。
【図9】底壁の説明図である。
【図10】中仕切りと枠体の斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1;保冷梱包箱
2;バンド
3;底壁
5;側壁
5A;外側壁
5B;内側壁
7;蓋体
7A;上部蓋体
7B;下部蓋体
9;缶
11;下部底壁
13;上部底壁
15;挿入口
17;パレット
19;コア材
21;収納空間
23;中仕切り
25;枠体
27;第1中仕切り部材
27A;第1中仕切り部材(中仕切り用)
27B;第1中仕切り部材(枠体用)
29;第2中仕切り部材
29A;第2仕切り部材(中仕切り用)
29B;第2仕切り部材(枠体用)
31;第1A片
33;第1B片
35;第1C片
37;溝
39;側壁冷却材
41;第1ポケット
43;側壁冷却材露出用の開口
45;略H状の切れ込み
47;第1挿入孔
49;舌片
51;折り曲げ片
53;切れ目
55;第2A片
57;第2B片
59;第2C片
61;溝
63;組み込み用の切れ込み
65;第2ポケット
67;側壁冷却材露出用の開口
69;略H状の切れ込み
71;第2挿入孔
73;舌片
75;折り曲げ片
77;切れ目
81;基板
83;支持部材
85;ずれ抑制突部
87;第1支持部材
89;第2支持部材
91;底部冷却材
93;底部冷却材収納空間
95;上部冷却材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、
前記底壁の周囲を囲むように立設した側壁と、
前記側壁の上部開口を覆うための蓋体とを、備えた保冷梱包箱であって、
複数の缶を収納する保冷梱包箱において、
前記側壁にて囲まれる収納空間には、格子状の中仕切りと前記中仕切りを囲む枠体が備えられ、
前記中仕切りにより区画された空間内に缶が配されるようにされており、
前記底壁の内面であって、前記中仕切りにより区画された空間に対応する位置には、前記区画された空間に収納される前記缶の底面の縁部の少なくとも2カ所を支持して、前記缶の底面を前記底壁の内面から離隔して、前記缶の底面下部に底部冷却材を収納する底部冷却材収納空間を設けるための支持部材が備えられ、
前記底壁の内面には、前記底部冷却材が前記缶の底面下部位置からの水平方向へのずれを抑制するためのずれ抑制突部が設けられ、
前記中仕切りの壁内には、側壁冷却材が内蔵可能とされるとともに、前記側壁冷却材の少なくとも一部が露出するように側壁冷却材露出用の開口が設けられていることを特徴とする保冷梱包箱。
【請求項2】
前記抑制突部の前記底壁の内面からの突出量が、前記支持部材の前記底壁の内面からの突出量よりも小さい請求項1記載の保冷梱包箱。
【請求項3】
前記底壁の内面には、前記缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されている請求項1又は2記載の保冷梱包箱。
【請求項4】
前記蓋体の内面には、前記缶を収納した状態で、縦横に交差しながら連通する連通溝が形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【請求項5】
前記枠体の壁内には、枠体冷却材が内蔵可能とされるとともに、前記枠体冷却材の少なくとも一部が露出するように枠体冷却材露出用の開口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【請求項6】
前記中仕切りが樹脂を含浸させた段ボールである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【請求項7】
前記中仕切りは、複数枚の第1中仕切り部材と複数枚の第2中仕切り部材とを組み合わせてなり、
前記第1中仕切り部材と、前記第2中仕切り部材には、双方にかみ合わせて組み付けるための組み付け溝が形成されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【請求項8】
第1中仕切り部材は、第1A片と、前記第1A片に連結した第1B片と、前記第1B片に連結した第1C片とを備え、
前記第1C片には、前記側壁冷却材を収納する第1ポケットが切り欠きにより形成されており、
前記第1中仕切り部材は、前記第1B片に前記第1C片を折り重ね、その上からさらに第1A片を重ねてなる請求項7に記載の保冷梱包箱。
【請求項9】
第2中仕切り部材は、第2A片と、前記第2A片に連結した第2B片と、前記第2B片に連結した第2C片とを備え、
前記第2C片には、前記側壁冷却材を収納する第2ポケットが切り欠きにより形成されており、
前記第2中仕切り部材は、前記第2B片に前記第2C片を折り重ね、その上からさらに第2A片を重ねてなる請求項7に記載の保冷梱包箱。
【請求項10】
前記第1中仕切り部材の使用状態において、前記第1ポケットは上向きに開口した略U字状をなし、
前記第1ポケットの上方位置にあたる前記第1A片と前記第1B片との折り目部分には、前記側壁冷却材を挿入するための第1挿入孔が形成されている請求項8に記載の保冷梱包箱。
【請求項11】
前記第2中仕切り部材の使用状態において、前記第2ポケットは上向きに開口した略U字状をなし、
前記第2ポケットの上方位置にあたる前記第2A片と前記第2B片との折り目部分には、前記側壁冷却材を挿入するための第2挿入孔が形成されている請求項9に記載の保冷梱包箱。
【請求項12】
前記第1挿入孔は、前記第1A片と前記第1B片との折り目部分に形成された略H状の切れ込みを前記第1中仕切り部材の内側へ押し込むことにより形成されており、
この押し込みにより形成された2つの舌片は、前記第1A片と前記第1B片との折り目部分と交差する方向に延びる請求項10記載の保冷梱包箱。
【請求項13】
前記第2挿入孔は、前記第2A片と前記第2B片との折り目部分に形成された略H状の切れ込みを前記第2中仕切り部材の内側へ押し込むことにより形成されており、
この押し込みにより形成された2つの舌片は、前記第2A片と前記第2B片との折り目部分と交差する方向に延びる請求項11記載の保冷梱包箱。
【請求項14】
前記第1A片には係合部が形成され、
前記第1C片には、係合受け部が形成され、
前記第1中仕切り部材は、前記第1B片に前記第1C片を折り重ね、その上からさらに第1A片を重ねた際に、前記係合部と係合受け部とが係合してロックされる請求項8に記載の保冷梱包箱。
【請求項15】
前記第2A片には係合部が形成され、
前記第2C片には、係合受け部が形成され、
前記第2中仕切り部材は、前記第2B片に前記第2C片を折り重ね、その上からさらに第2A片を重ねた際に、前記係合部と係合受け部とが係合してロックされる請求項9に記載の保冷梱包箱。
【請求項16】
前記底壁、前記側壁、及び前記蓋体の少なくとも一部には断熱材が用いられている請求項1乃至15のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【請求項17】
前記底壁の下部には、更に、フォークを挿入可能な挿入口を有するパレットが備えられた請求項1乃至15のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。
【請求項18】
前記底壁、前記側壁、及び前記蓋体の少なくとも一部は段ボールが用いられている請求項1乃至16のいずれか1項に記載の保冷梱包箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−6403(P2010−6403A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166575(P2008−166575)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【出願人】(594089061)株式会社 共進ペイパー&パッケージ (2)
【Fターム(参考)】