保管庫システム、及び保管庫システムで使用する保管庫プログラム
【課題】 既に販売されているスマートフォン、及び電子キーを利用して、鍵のまた貸しをすることのできない保管庫システムを提供すること
【解決手段】 電子キー13が接続される個体認証手段を備えるスマートフォン11を有し、(a)スマートフォン11が、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバー14に送信し、(b)サーバー14は、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報が一致しており、一致する情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫50のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォン11に送信し、(c)スマートフォン11は、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)錠前制御手段40は、有効時刻が超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とする。
【解決手段】 電子キー13が接続される個体認証手段を備えるスマートフォン11を有し、(a)スマートフォン11が、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバー14に送信し、(b)サーバー14は、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報が一致しており、一致する情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫50のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォン11に送信し、(c)スマートフォン11は、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)錠前制御手段40は、有効時刻が超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鍵管理ボックスに保管庫や書庫の鍵を収納し、使用権限のある使用者がIDカードを使って、鍵管理ボックスから、鍵を取り出して保管庫や書庫の開閉を行うことが行われている。
特許文献1には、本出願人が提案した電子キーを用いるシステムが開示されている。電子キーは、接触式ICチップと記憶手段を内部に備えており、従来のメカニカルなキーと違って、電子キーを使用した時間、使用者等の保管庫の使用履歴が記憶されており、電子キーの使用履歴を鍵管理ボックスで吸い上げることができるため、セキュリティレベルが向上する。すなわち、書類の紛失等のトラブルが発生した場合に、使用履歴を調べることにより、責任者を特定できる。
一方、特許文献2において、本出願人は、鍵管理ボックスを使用せずに、携帯電話に非接触式ICチップを内蔵させて、使用したい保管庫に携帯電話を掲げることにより、通信により使用権限を付与して、錠前を開錠することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4245656号公報
【特許文献2】特開2007-068138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、つぎのような問題があった。
(1)特許文献1の技術では、鍵管理ボックスから電子キーを取り出した本人が、保管庫を使用した後、別人にまた貸しした場合、保管庫の使用時刻は履歴に残るが、使用者としては、誤った人が記憶されてしまう。それを防止するためには、電子キーの使用回数をたとえば1回に制限して、1回使用する毎に必ず、電子キーを鍵管理ボックスに返却させることも考えられる。しかし、保管庫と鍵管理ボックスが離れて配置されている場合には、使用者の時間ロスが大きくなり、仕事効率が低下する問題がある。特に、その場合には、書類を取り出すときと、書類をしまうときの少なくとも2回、保管庫と鍵管理ボックスの間を往復しなければならず、きわめて煩雑である。
(2)特許文献2の技術を用いれば、鍵管理ボックスを用いることなく、また貸しの発生も防止可能であるが、本出願人のような、中小企業では自らの力で、ICチップ内蔵の携帯電話を製造販売することはできなかった。また、大手の携帯電話会社にアピールしても、特許文献2の提案は採用されず、実施することができなかった。
【0005】
そのような状況下において、アップル社が販売を開始した「iPhone」(アップル社の商標)を利用することを本出願人は考え付いたのである。
常に、電子キーのまた貸しの問題について、考え抜いていたからこそ、そして、特許文献1及び2の保管庫システムを提案していた本出願人だからこそ、本願発明を想到し得たのであり、特許文献1,2、及び「iPhone」を組み合わせること自体、当業者にとって容易でない。なぜならば、それらの文献には、鍵のまた貸しの課題が記載されていないからである。鍵のまた貸しの問題は、最近の課題だからである。というのは、今までのメカニカルキーを使用している場合には、鍵のまた貸しを防止することは、ほとんど不可能であり、夢物語であって具体的な課題とはなりえなかったのである。
また、それらを組み合わせたとしても、本発明をなすことは困難である。
【0006】
この発明は上記問題点を解決するためのものであって、既に販売されているスマートフォン、及び電子キーを利用して、鍵のまた貸しをすることのできない保管庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の保管庫システムは、次のような構成を有している。
(1)開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムであって、電子キーが接続される個体認証手段を備えるスマートフォンを有し、(a)スマートフォンが、電子キーの固有番号と、個体認証手段の個体認証情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバーに送信し、(b)サーバーは、電子キーの固有番号と、個体認証情報が一致しており、個体認証情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォンに送信し、(c)スマートフォンは、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)保管庫制御手段は、有効時刻を超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とする。
【0008】
(2)(1)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンが、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンの接続端子と接続する第1接続端子と、前記電子キーと接続する第2接続端子とを備えるコネクタを有することを特徴とする。
(4)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記電子キーが、前記スマートフォンと接続するための第1接続端子を備えていることを特徴とする。
【0009】
(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、前記スマートフォンが、GPS情報を前記サーバーに送信すること、前記サーバーは、前記GPS情報が、前記開錠したい保管庫の近くのエリア内でないときには、前記開錠許可保管庫番号を送信しないこと、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、(e)前記電子キーにより、前記保管庫の錠前を施錠した後、前記電子キーを前記スマートフォンに接続し、前記スマートフォンは、前記電子キーに記憶されている施錠時刻情報を、前記サーバーに送信すること、(f)前記サーバーは、前記開錠許可保管庫番号を前記スマートフォンに送信した後、前記施錠時刻情報を入手するまでの期間、前記開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、を特徴とする。
【0010】
また、本保管庫システムで使用される保管庫プログラムは、次の構成を有する。
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つの保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、前記サーバーから、前記スマートフォンにダウンロードされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
次に、上記構成を有する本発明の保管庫システムの作用・効果について説明する
(1)開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムであって、電子キーが接続される個体認証手段を備えるスマートフォンを有し、(a)スマートフォンが、電子キーの固有情報と、個体認証手段の個体認証情報と、開錠したい保管庫番号を、サーバーに送信し、(b)サーバーは、電子キーの固有情報と、個体認証情報が一致しており、個体認証情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォンに送信し、(c)スマートフォンは、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)保管庫制御手段は、有効時刻を超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とするので、以下のように作用する。
【0012】
具体的には、使用者は、使用したい保管庫の近くで、スマートフォンに電子キーを接続し、パスワード、指紋認証、静脈認証等の個人認証を行う。(a)スマートフォンは、電子キーの固有番号等の固有情報と、個人認証情報とをサーバーに送信する。(b)サーバーは、電子キーの固有情報と、個体認証情報が一致しており、個体認証情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォンに送信する。(c)スマートフォンは、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込む。使用者は、電子キーを保管庫の錠前に挿し込む。保管庫の保管庫制御手段は、電子キーの開錠許可保管庫番号を読み取り、開錠が許可されていれば、保管庫の錠前を開錠する。
【0013】
ここで、有効時刻は、例えば、許可が与えられた時刻の5分後の時刻に設定されており、使用者は、サーバーから許可が与えられてから、5分以内に保管庫の錠前に電子キーを挿入しなければならない。5分後の時刻が経過すると、電子キーを錠前に挿入しても、錠前の開錠・施錠を制御する保管庫の保管庫制御手段が、錠前の開錠を行わない。同様に、電子キーに回数制限、例えば開錠1回(施錠は開錠に付随行為とする)と記憶されていれば、使用者は、1回のみ開錠・施錠を行うことができるが、2回はできない。それらの場合には、使用者は再び、スマートフォンを用いて、サーバーから許可を受けることが必要である。
使用者が通常の手順により、保管庫の錠前を開錠した場合には、その作業中に、有効時刻が経過するため、または有効回数が満たされてしまうため、鍵のまた貸しをすることを確実に防止することができる。
開錠権限を有する別人は、鍵のまた貸しを受けるのではなく、保管庫の近く、自ら上記作業を行えば良いのである。これにより、保管庫システムは、保管庫の開錠時刻及び使用者を確実に履歴として保存することができる。
【0014】
(2)(1)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンが、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とするので、既に多数販売されている製品をそのまま使用できる。すなわち、「iPhone」には、サーバーからプログラムをダウンロードして、そのプログラムを用いて、「iPhone」を動かす機能がある。予め、保管庫プログラムを、個人使用の「iPhone」にダウンロードしておくだけで、本発明の保管庫システムで使用することができ、本出願人が以前考えていたような、携帯電話にICチップを内蔵させなくてもよいため、全体コストを低減でき、現在のオフィスで使用可能な、また貸し防止機能を有する保管庫システムを実現できる。
【0015】
(3)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンの接続端子と接続する第1接続端子と、前記電子キーと接続する第2接続端子とを備えるコネクタを有することを特徴とするので、スマートフォンの接続端子をそのまま利用して、電子キーをスマートフォンと接続することができる。コネクタは、コンパクトなものであり、電子キーに接続させた状態で保持していれば、邪魔となることはない。
ここで、電子キーとコネクタとを一体型としても良い。
(4)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記電子キーが、前記スマートフォンと接続するための第1接続端子を備えていることを特徴とするので、スマートフォンとは、電子キーの第1接続端子を用いて接続し、錠前とは、電子キーの挿入部を用いて接続できるため、余分なコネクタを必要としないため、システムをシンプルにでき、使用者にとって使い勝手が良くなる利点がある。
【0016】
(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、前記スマートフォンが、GPS情報を前記サーバーに送信すること、前記サーバーは、前記GPS情報が、前記開錠したい保管庫の近くのエリア内でないときには、前記開錠許可保管庫番号を送信しないこと、を特徴とするので、例えば、上司が自分の机に居てスマートフォンを操作して、電子キーを使用できる状態にした後、電子キーを部下に渡して書類を取りに行かせることを防止できる。
【0017】
(6)(1)乃至(5)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、(e)前記電子キーにより、前記保管庫の錠前を施錠した後、前記電子キーを前記スマートフォンに接続し、前記スマートフォンは、前記電子キーに記憶されている施錠時刻情報を、前記サーバーに送信すること、(f)前記サーバーは、前記開錠許可保管庫番号を前記スマートフォンに送信した後、前記施錠時刻情報を入手するまでの期間、前記開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、を特徴とするので、1つの保管庫に対して、2以上のスマートフォンに同時に、開錠許可をあたえることがないため、使用者が錯綜して、履歴の確実性、すなわち、使用者の特定を確実に行うことができる。
【0018】
また、本保管庫システムで使用される保管庫プログラムは、次の構成を有する。
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つの保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、前記サーバーから、前記スマートフォンにダウンロードされることを特徴とするので、スマートフォンの有するダウンロード機能、ダウンロードしたプログラムを利用する機能、通信機能等をそのまま活用できるため、使用者にとって、使い勝手の良い保管庫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例である保管庫システムの構成を示す図である。
【図2】保管庫システムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】保管庫50の外観図である。
【図4】保管庫50の制御構成を示すブロック図である。
【図5】開錠時のスマートフォン11の保管庫プログラム115の作用を示すフローチャートである。
【図6】施錠時のスマートフォン11の保管庫プログラム115の作用を示すフローチャートである。
【図7】開錠時のサーバー14のプログラム142の作用を示すフローチャートである。
【図8】施錠時のサーバー14のプログラム142の作用を示すフローチャートである。
【図9】開錠時の錠前制御手段40の保管庫プログラム431の作用を示すフローチャートである。
【図10】施錠時の錠前制御手段40の保管庫プログラム431の作用を示すフローチャートである。
【図11】本発明の別の実施例である保管庫システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の保管庫システムを具体化した一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明で利用するアップル社製のスマートフォン11(商標名「iPhone」)、コネクタ12、及び電子キー13を示す。スマートフォン11は、正面にタッチパネル111を備えている。タッチパネル11は、画面を表示すると共に、画面にタッチすることにより、スイッチとして機能する。タッチパネル111には、複数のアイコン112a、112b、112c、112d、・・・が表示される。特定のアイコン112にタッチすることにより、所望のプログラムを駆動することができる。プログラムは、予め、インターネットによりダウンロードされる。本実施例で使用されるプログラムである、保管庫プログラム115は、使用者が事前に、自分のスマートフォン11にダウンロードしていることを前提としている。スマートフォン11は、下端面に端子部113が形成され、外部機器と接続される。
【0021】
図2に、スマートフォン11、電子キー13の制御的な構成をブロック図で示す。
スマートフォン11は、全ての電気的作用を行わせるための電池117を有している。また、通信手段111、タッチパネル116、CPU112、記憶手段114、位置検知用のGPS118を有している。記憶手段114には、保管庫プログラム115が記憶されている。
CPU112、通信手段111、タッチパネル116、記憶手段114、GPS118、及び電池117は、各々必要に応じて接続されている。
一方、サーバー14は、通信手段141を備えている。スマートフォン11の通信手段111は、サーバー14の通信手段141と通信で接続可能である。
【0022】
図1に示すように、スマートフォン11の接続端子部113には、コネクタ12が接続されている。コネクタ12は、スマートフォン11の接続端子部113と接続するための第1接続端子121と、電子キー13の接続端子131と接続するための第2接続端子122を備えている。
電子キー13は、樹脂製のキー本体133より、金属製の挿入部132が突出している。挿入部132のキー本体133側には、挿入部132の両面に一対の電極135が配置されている。
キー本体133の、挿入部132と反対側には、キーホルダ用孔137を構成するリング部134が形成され、キーホルダ用孔137には、LED139が配置されている。
本実施例の接触式ICチップ131は、製品毎に固有の番号を記憶している。また、一対の電源端子のみであり、電源に通電することにより、接触式ICチップ131に記憶されている固有番号、その他のデータを瞬時に読み出すことができる。
【0023】
図2に示すように、電子キー13は、固有の番号を記憶すると共に、他の情報を記憶可能な接触式ICチップ131、LED139を有している。接触式ICチップ131には、後述する開錠許可保管庫情報、有効時刻(または有効回数)、開錠時刻、施錠時刻等が、複数組記憶可能である。
LED139は、電子キー13を錠前に挿入したときに、電子キー13の端子と錠前の端子とが正常に導通したか否かを、使用者が目視で確認するためのものである。接触式ICチップ131においては、端子の接触不良が問題となるが、本実施例の電子キー13では、LED139の点灯により接触を確認できるため、もし点灯しなければ使用者が再度試みることにより使用できるため、接触式ICチップ131の接触不良の問題を解決できる。すなわち、LED139が点灯したことは、接触式ICチップ131に電源が供給されたことを意味し、同時に接触式ICチップ131に記憶されているデータをスマートフォン11が読み込んだことを意味している。
【0024】
次に、鍵付保管庫の全体構成について説明する。図3は、鍵付保管庫51、52,53の外観斜視図である。
3種類の保管庫51,52,53が連続して設置されている。保管庫51は、観音開き式の収納ボックス51Aを備える。保管庫52は、1つの観音開き式の収納ボックス52Aと、3つの引き出し式収納ボックス52B,52C,52Dを備える。保管庫53は、保管庫52と同じ構成である。各収納ボックス51A,52A,52B,52C,52D,53A,53B,53C,53Dには、錠前20が取り付けられ、保管物が内部に収納される。保管庫51の上面には、3つの保管庫51,52,53の各収納ボックス51A,52A,52B,52C,52D,53A,53B,53C,53Dの開閉を制御するための錠前制御手段40が付設されている。
【0025】
図4は、図3に示す錠前制御手段40の電気ブロック図である。
錠前制御手段40は、データの加工や演算を行うCPU41と、制御プログラムを記憶するROM43と、錠前20が取り付けられた収納ボックスを開閉する権限を有する者のIDデータが予め登録され、接触式ICチップから読み取ったデータ等の各種データやプログラムを読み書きされるRAM42を備えている。錠前制御手段40は、パソコン44とLANにより接続されている。ROM43には、保管庫制御プログラム431が記憶されている。
各錠前20A,20B,20C…は、電子キー1にデータを読み書きするデータ通信基板45A,45B,45C…と、錠前20の回転を制御するソレノイド46A,46B,46C…を備える。錠前制御手段40は、各錠前20のデータ通信基板45A,45B,45C…とソレノイド46A,46B,46C…に、配線を介して接続されている。
【0026】
次に、上記構成を有する保管庫システムの作用について、プログラムに基づいて具体的に説明する。
図5に、スマートフォン11に記憶された保管庫プログラム115のうち、開錠動作のフローチャートを示す。
特定の保管庫を使用することを望む使用者は、使用したい保管庫の近くで、スマートフォン11の操作を行う。
始めに、電子キー13の接触式ICチップ131に記憶されている固有番号(電子キーの固有情報)を読み込む(S101)。接触式ICチップ131においては、通電することにより、接触式ICチップ131内に記憶されている固有番号を自動的に読み出すことができる。次に、タッチパネル116にキーボードを表示して、使用者にパスワードを入力してもらう(S102)。電子キー13は、保管庫を使用する可能性のある全社員が1つずつ所有しており、個人毎に、所有している電子キーの固有番号を、サーバー14が記憶している。次に、使用者は、開錠して使用したい保管庫番号を入力する(S103)。
次に、スマートフォン11は、電子キー13の固有番号、パスワード入力情報、及び開錠したい保管庫番号、及びGPS情報を、通信手段111を介して、サーバー14に送信する(S104)。
【0027】
次に、データを受信したサーバー14の作用を説明する。図7に、サーバー14に記憶されている本保管庫システムに関するプログラム142のうち、開錠動作のフローチャートを示す。始めに、サーバー14は、通信手段141を介して、電子キー13の固有番号、パスワード入力情報、開錠したい保管庫番号、及びGPS情報を受信する(S201)。GPS情報は、スマートフォン11の現在位置を示している。
次に、電子キー13の接触式ICチップ131に記憶されている固有番号から、その電子キー13の所有者を特定し、入力されたパスワードが、当該所有者により事前に登録されているパスワードと一致するか否かを確認することにより、個人認証を行う(S203)。
個人認証が確認できたときには(S203;YES)、個人認証した使用者が、開錠を希望している保管庫に対するアクセス権限を有しているか否かを確認する(S204)。サーバー14には、予め、保管庫毎に、アクセス権限(当該保管庫を開閉する権限)を有する者が登録されており、その登録を参照することにより、アクセス権限の有無を判断している。一方、個人認証ができなかったときには(S203;NO)、スマートフォンに対して不許可情報を送信する(S208)。
【0028】
開錠したい保管庫へのアクセス権限を有している場合には(S204;YES)、取得したGPS信号が、所定のエリア内、すなわち、保管庫が配置されているエリア周辺領域内にあるか否か判断する(S205)。すなわち、スマートフォン11を操作したときの位置(GPS情報)が、所定のエリア内であるときは(S205;YES)、S206へ進む。また、スマートフォン11を操作したときの位置(GPS情報)が、所定のエリア内でないときは(S205;NO)、スマートフォンに対して不許可情報を送信する(S208)。
本実施例では、鍵のまた貸しを禁止するため、電子キー13の有効時刻に制限を加えている。そのため、使用者は、使用する保管庫の近くにいる必要がある。また、保管庫にアクセスしようとしているのであるから、当然保管庫の近くにいるときに、本実施例の保管庫システムを操作すべきなのである。
このような制限を付加することにより、例えば、上司が自分の机にいてスマートフォン11を操作して、電子キー13を使用できる状態にした後、電子キー13を部下に渡して書類を取りに行かせることを防止できる。また、会社内にいない場合には、当然、保管庫を使用する必要がないので、そのような場合にも、開錠許可を与えないようにしている。
【0029】
次に、開錠したい保管庫が施錠状態にあるか否か判断する(S206)。開錠したい保管庫が施錠状態にあるときは(S206;YES)、スマートフォンへ開錠許可保管庫情報を送信し、該保管庫を開錠状態として記憶する(S207)。また、開錠したい保管庫が施錠状態にないときは(S206;NO)、スマートフォンに対して不許可情報を送信する(S208)。
ある人が、スマートフォン11を用いて、開錠しているときに、他の人に開錠を認めると、その時間に誰が実際に使用していたかの履歴の記憶が複雑になるためである。開錠した使用者が確実に施錠も行い、他の人が使用するときは、前の人の使用が終了してからにすることにより、確実な履歴を記憶することができる。
【0030】
次に、図5に戻って、スマートフォン11の作用を説明する。開錠許可保管庫情報を受信したときは(S105;YES)、開錠許可保管庫情報、及び有効時刻を電子キー13の接触式ICチップ131に書き込む。不許可情報を受信したとき、または開錠許可保管庫情報を所定時間受信しないとき(S105;NO)、スマートフォン11は、タッチパネル111に不許可を表示する(S207)。
図9に、錠前制御手段40のROM43に記憶されている保管庫制御プログラム431の作用をフローチャートで示す。
錠前制御手段40は、電子キー13の記憶手段134に記憶されている固有情報、開錠許可保管庫情報、及び有効時刻を読み込む(S401)。錠前制御手段40は、時計を有しており、現在時刻が読み込んだ有効時刻を超えていないか否かを判断する(S402)。有効時刻内であれば(S402;TES)、開錠許可保管庫情報により特定される保管庫50の錠前20を開錠する(S401)。また、有効時刻を過ぎていれば(S402;NO)、保管庫50の表示装置に不許可を表示する。
【0031】
有効時刻を書き込んでいるのは、使用者が保管庫を開けて必要な書類を取り出す場合、使用者が当該保管庫の近くにいることを前提として、保管庫を開くのに必要な最低限の時間のみ有効時刻として与えることにより、電子キー13のまた貸しを防止するためである。
次に、電子キー13の固有情報、開錠許可保管庫情報、開錠時刻を記憶する(S404)。
使用者は、錠前20が開錠されることにより、保管庫50内に収納されている書類を取り出して利用することができる。
本実施例では、有効時刻を用いているが、有効時刻の代わりに、または有効時刻と併用して、使用回数を記憶させてもよい。通常は、1回限りの開錠(施錠は開錠の付属的行為とする)を認めるため、使用回数として、1回を記憶すればよい。2回以上の使用回数を認めると、電子キー13のまた貸しを防止しにくくなるからである。必要ならば、スマートフォン11により、再び、開錠許可を得れば良いのである。ただし、場合によっては例外的に、2回以上の使用回数を認めても良い。
本実施例で、施錠を開錠の付属行為と考えているのは、書類の利用に際しては、基本的には、保管庫から必要な書類を取り出した後、一度保管庫を施錠し、書類を返却するときには、再度スマートフォン11を用いて、開錠許可を得ることを前提に考えているからである。
【0032】
次に、施錠する場合の作用について説明する。図10に、施錠時の保管庫制御プログラム431の作用をフローチャートで示す。
書類を取り出した使用者は、電子キー13を錠前に挿入する。錠前制御手段40は、電子キー13の固有情報を読み込む(S410)。次に、前回開錠した電子キー13と同じ電子キー13であることを確認した後、保管庫50の錠前20を施錠する(S411)。次に、電子キー13の固有情報、施錠時刻を記憶する(S412)。
次に、図6にスマートフォン11の保管庫プログラムの施錠時の作用をフローチャートで示す。使用者が装着した電子キー13の固有情報を読み込む(S110)。次に、タッチパネル111を用いて、使用者にパスワードを入力させる(S111)。次に、電子キー13の接触式ICチップ131が記憶している開錠時刻、施錠時刻を読み込む(S112)。次に、電子キー13の固有情報、入力されたパスワード、開錠時刻、及び施錠時刻をサーバー14へ送信する(S113)。
【0033】
次に、サーバー14のプログラム142の施錠時の作用を図8にフローチャートで示す。
サーバー14は、通信手段141を介してスマートフォン11から、電子キー13の固有情報、パスワード情報、開錠時刻、及び施錠時刻を受信する(S210)。次に、電子キー13の固有情報とパスワード入力情報とにより、個人認証を行う(S211)。個人認証がOKならば(S212;YES)、使用者、開錠時刻、及び施錠時刻を履歴として記憶する(S213)。そして、該保管庫を施錠状態として記憶する(S214)。
一方、個人認証がOKでない場合は(S212;NO)、不受理を送信する(S215)。
施錠も書類のセキュリティにとっては重要な作用であり、開錠と同じレベルの作業を使用者に要求している。
使い終わった書類を保管庫に返却する作用は、開錠、施錠共に書類を取り出すときの作用と同じなので、説明を省略する。
【0034】
以上詳細に説明したように、本実施例の保管庫システムによれば、開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する接触式ICチップ131を備える電子キー13を用いて、開錠が許可されている保管庫50の錠前20を開錠する錠前制御手段40を有する保管庫システムであって、電子キー13が接続される個体認証手段を備えるスマートフォン11を有し、(a)スマートフォン11が、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバー14に送信し、(b)サーバー14は、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報が一致しており、一致する情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫50のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォン11に送信し、(c)スマートフォン11は、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)錠前制御手段40は、有効時刻が超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とするので、例えば、有効時刻が、許可が与えられた時刻の5分後の時刻に設定されており、使用者は、サーバーから許可が与えられてから、5分以内に保管庫の錠前に電子キーを挿入しなければならない。5分後の時刻が経過すると、電子キーを錠前に挿入しても、錠前の開錠・施錠を制御する保管庫の保管庫制御手段が、錠前の開錠を行わない。同様に、電子キーに回数制限、例えば開錠1回(施錠は開錠に付随行為とする)と記憶されていれば、使用者は、1回のみ開錠・施錠を行うことができるが、2回はできない。それらの場合には、使用者は再び、スマートフォンを用いて、サーバーから許可を受けることが必要である。
使用者が通常の手順により、保管庫の錠前を開錠した場合には、その作業中に、有効時刻が経過するため、または有効回数が満たされてしまうため、鍵のまた貸しをすることを確実に防止することができる。
開錠権限を有する別人は、鍵のまた貸しを受けるのではなく、保管庫の近く、自ら上記作業を行えば良いのである。これにより、保管庫システムは、保管庫の開錠時刻及び使用者を確実に履歴として保存することができる。
【0035】
また、本実施例の保管庫システムは、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とするので、既に多数販売されている製品をそのまま使用できる。すなわち、「iPhone」には、サーバーからプログラムをダウンロードして、そのプログラムを用いて、「iPhone」を動かす機能がある。予め、保管庫プログラムを、個人使用の「iPhone」にダウンロードしておくだけで、本発明の保管庫システムで使用することができ、本出願人が以前考えていたような、携帯電話にICチップを内蔵させなくてもよいため、全体コストを低減でき、現在のオフィスで使用可能な、また貸し防止機能を有する保管庫システムを実現できる。
【0036】
また、本実施例の保管庫システムは、スマートフォン11の接続端子と接続する第1接続端子121と、電子キー13と接続する第2接続端子122とを備えるコネクタ12を有することを特徴とするので、スマートフォン11の接続端子113をそのまま利用して、電子キー13をスマートフォン11と接続することができる。コネクタ12は、コンパクトなものであり、電子キー13に接続させた状態で保持していれば、邪魔となることはない。
ここで、電子キー13とコネクタ12とを一体型としても良い。
【0037】
また、本実施例の保管庫システムは、スマートフォン11が、GPS情報をサーバー14に送信すること、サーバー14は、GPS情報が、開錠したい保管庫50の近くのエリア内でないときには、開錠許可保管庫番号を送信しないこと、を特徴とするので、例えば、上司が自分の机に居てスマートフォンを操作して、電子キーを使用できる状態にした後、電子キーを部下に渡して書類を取りに行かせることを防止できる。
【0038】
また、本実施例の保管庫システムは、(e)電子キー13により、保管庫50の錠前20を施錠した後、電子キー13をスマートフォン11に接続し、スマートフォン11は、電子キー13に記憶されている施錠時刻情報を、サーバー14に送信すること、(f)サーバー14は、開錠許可保管庫番号をスマートフォン11に送信した後、施錠時刻情報を入手するまでの期間、該当する開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、を特徴とするので、1つの保管庫50に対して、2以上のスマートフォン11に同時に、開錠許可をあたえることがないため、使用者が錯綜して、履歴の確実性、すなわち、使用者の特定を確実に行うことができる。
【0039】
また、本保管庫システムで使用される保管庫プログラムは、上記保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、サーバー14から、スマートフォン11にダウンロードされることを特徴とするので、スマートフォン11の有するダウンロード機能、ダウンロードしたプログラムを利用する機能、通信機能等をそのまま活用できるため、使用者にとって、使い勝手の良い保管庫システムを提供することができる。
【0040】
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
例えば、本実施例では、保管庫側の錠前制御手段40により、有効時刻の管理を行っているが、電子キー13が電池を備えていれば、電子キー13側で、有効時刻を超えたときに、開錠許可保管庫番号を消去させても良い。
また、本実施例では、iPhoneを使用しているが、他のメーカーのスマートフォンを利用しても良い。
また、本実施例では、接触式ICチップ131を使用しているが、非接触式のICチップを使用しても良い。
また、本実施例では、個人認証をパスワードを用いて行っているが、指紋認証や静脈認証を用いても良い。その場合には、指紋データや静脈データをデータとしてサーバーに送信し、サーバー側に記憶されているデータと照合を行えば良い。
【0041】
また、本実施例では、電子キー13とコネクタ12とを別体としているが、図11に示すように、一体的に構成しても良い。図11では、電子キー13の挿入部132とは反対側に、コネクタ140を形成している。コネクタ部140は、スマートフォン11の端子部113と直接接続可能である。これによれば、スマートフォン11とは、コネクタ部140を用いて接続し、錠前20とは、挿入部132を用いて接続できるため、余分なコネクタ12を必要としないため、システムをシンプルにでき、使用者にとって使い勝手が良くなる利点がある。
また、本実施例では、錠前制御手段40は、電子キー13に記憶されている開錠許可保管庫番号に相当する保管庫の錠前を無条件で開錠しているが、当該保管庫にアクセスできる権限を有する者のID等を記憶しておき、ダブルでチェックしても良い。
また、本実施例において、有効時刻を開錠許可を得た時刻から5分後の時刻としているが、これは、保管庫が配置されている位置等を考慮して、適宜変更すれば良い。
【符号の説明】
【0042】
11 スマートフォン
111 タッチパネル
115 保管庫プログラム
118 GPS
12 コネクタ
13 電子キー
131 接触式ICチップ
139 LED
14 サーバー
142 プログラム
【技術分野】
【0001】
この発明は、開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鍵管理ボックスに保管庫や書庫の鍵を収納し、使用権限のある使用者がIDカードを使って、鍵管理ボックスから、鍵を取り出して保管庫や書庫の開閉を行うことが行われている。
特許文献1には、本出願人が提案した電子キーを用いるシステムが開示されている。電子キーは、接触式ICチップと記憶手段を内部に備えており、従来のメカニカルなキーと違って、電子キーを使用した時間、使用者等の保管庫の使用履歴が記憶されており、電子キーの使用履歴を鍵管理ボックスで吸い上げることができるため、セキュリティレベルが向上する。すなわち、書類の紛失等のトラブルが発生した場合に、使用履歴を調べることにより、責任者を特定できる。
一方、特許文献2において、本出願人は、鍵管理ボックスを使用せずに、携帯電話に非接触式ICチップを内蔵させて、使用したい保管庫に携帯電話を掲げることにより、通信により使用権限を付与して、錠前を開錠することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4245656号公報
【特許文献2】特開2007-068138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、つぎのような問題があった。
(1)特許文献1の技術では、鍵管理ボックスから電子キーを取り出した本人が、保管庫を使用した後、別人にまた貸しした場合、保管庫の使用時刻は履歴に残るが、使用者としては、誤った人が記憶されてしまう。それを防止するためには、電子キーの使用回数をたとえば1回に制限して、1回使用する毎に必ず、電子キーを鍵管理ボックスに返却させることも考えられる。しかし、保管庫と鍵管理ボックスが離れて配置されている場合には、使用者の時間ロスが大きくなり、仕事効率が低下する問題がある。特に、その場合には、書類を取り出すときと、書類をしまうときの少なくとも2回、保管庫と鍵管理ボックスの間を往復しなければならず、きわめて煩雑である。
(2)特許文献2の技術を用いれば、鍵管理ボックスを用いることなく、また貸しの発生も防止可能であるが、本出願人のような、中小企業では自らの力で、ICチップ内蔵の携帯電話を製造販売することはできなかった。また、大手の携帯電話会社にアピールしても、特許文献2の提案は採用されず、実施することができなかった。
【0005】
そのような状況下において、アップル社が販売を開始した「iPhone」(アップル社の商標)を利用することを本出願人は考え付いたのである。
常に、電子キーのまた貸しの問題について、考え抜いていたからこそ、そして、特許文献1及び2の保管庫システムを提案していた本出願人だからこそ、本願発明を想到し得たのであり、特許文献1,2、及び「iPhone」を組み合わせること自体、当業者にとって容易でない。なぜならば、それらの文献には、鍵のまた貸しの課題が記載されていないからである。鍵のまた貸しの問題は、最近の課題だからである。というのは、今までのメカニカルキーを使用している場合には、鍵のまた貸しを防止することは、ほとんど不可能であり、夢物語であって具体的な課題とはなりえなかったのである。
また、それらを組み合わせたとしても、本発明をなすことは困難である。
【0006】
この発明は上記問題点を解決するためのものであって、既に販売されているスマートフォン、及び電子キーを利用して、鍵のまた貸しをすることのできない保管庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の保管庫システムは、次のような構成を有している。
(1)開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムであって、電子キーが接続される個体認証手段を備えるスマートフォンを有し、(a)スマートフォンが、電子キーの固有番号と、個体認証手段の個体認証情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバーに送信し、(b)サーバーは、電子キーの固有番号と、個体認証情報が一致しており、個体認証情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォンに送信し、(c)スマートフォンは、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)保管庫制御手段は、有効時刻を超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とする。
【0008】
(2)(1)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンが、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンの接続端子と接続する第1接続端子と、前記電子キーと接続する第2接続端子とを備えるコネクタを有することを特徴とする。
(4)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記電子キーが、前記スマートフォンと接続するための第1接続端子を備えていることを特徴とする。
【0009】
(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、前記スマートフォンが、GPS情報を前記サーバーに送信すること、前記サーバーは、前記GPS情報が、前記開錠したい保管庫の近くのエリア内でないときには、前記開錠許可保管庫番号を送信しないこと、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、(e)前記電子キーにより、前記保管庫の錠前を施錠した後、前記電子キーを前記スマートフォンに接続し、前記スマートフォンは、前記電子キーに記憶されている施錠時刻情報を、前記サーバーに送信すること、(f)前記サーバーは、前記開錠許可保管庫番号を前記スマートフォンに送信した後、前記施錠時刻情報を入手するまでの期間、前記開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、を特徴とする。
【0010】
また、本保管庫システムで使用される保管庫プログラムは、次の構成を有する。
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つの保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、前記サーバーから、前記スマートフォンにダウンロードされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
次に、上記構成を有する本発明の保管庫システムの作用・効果について説明する
(1)開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムであって、電子キーが接続される個体認証手段を備えるスマートフォンを有し、(a)スマートフォンが、電子キーの固有情報と、個体認証手段の個体認証情報と、開錠したい保管庫番号を、サーバーに送信し、(b)サーバーは、電子キーの固有情報と、個体認証情報が一致しており、個体認証情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォンに送信し、(c)スマートフォンは、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)保管庫制御手段は、有効時刻を超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とするので、以下のように作用する。
【0012】
具体的には、使用者は、使用したい保管庫の近くで、スマートフォンに電子キーを接続し、パスワード、指紋認証、静脈認証等の個人認証を行う。(a)スマートフォンは、電子キーの固有番号等の固有情報と、個人認証情報とをサーバーに送信する。(b)サーバーは、電子キーの固有情報と、個体認証情報が一致しており、個体認証情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォンに送信する。(c)スマートフォンは、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込む。使用者は、電子キーを保管庫の錠前に挿し込む。保管庫の保管庫制御手段は、電子キーの開錠許可保管庫番号を読み取り、開錠が許可されていれば、保管庫の錠前を開錠する。
【0013】
ここで、有効時刻は、例えば、許可が与えられた時刻の5分後の時刻に設定されており、使用者は、サーバーから許可が与えられてから、5分以内に保管庫の錠前に電子キーを挿入しなければならない。5分後の時刻が経過すると、電子キーを錠前に挿入しても、錠前の開錠・施錠を制御する保管庫の保管庫制御手段が、錠前の開錠を行わない。同様に、電子キーに回数制限、例えば開錠1回(施錠は開錠に付随行為とする)と記憶されていれば、使用者は、1回のみ開錠・施錠を行うことができるが、2回はできない。それらの場合には、使用者は再び、スマートフォンを用いて、サーバーから許可を受けることが必要である。
使用者が通常の手順により、保管庫の錠前を開錠した場合には、その作業中に、有効時刻が経過するため、または有効回数が満たされてしまうため、鍵のまた貸しをすることを確実に防止することができる。
開錠権限を有する別人は、鍵のまた貸しを受けるのではなく、保管庫の近く、自ら上記作業を行えば良いのである。これにより、保管庫システムは、保管庫の開錠時刻及び使用者を確実に履歴として保存することができる。
【0014】
(2)(1)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンが、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とするので、既に多数販売されている製品をそのまま使用できる。すなわち、「iPhone」には、サーバーからプログラムをダウンロードして、そのプログラムを用いて、「iPhone」を動かす機能がある。予め、保管庫プログラムを、個人使用の「iPhone」にダウンロードしておくだけで、本発明の保管庫システムで使用することができ、本出願人が以前考えていたような、携帯電話にICチップを内蔵させなくてもよいため、全体コストを低減でき、現在のオフィスで使用可能な、また貸し防止機能を有する保管庫システムを実現できる。
【0015】
(3)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記スマートフォンの接続端子と接続する第1接続端子と、前記電子キーと接続する第2接続端子とを備えるコネクタを有することを特徴とするので、スマートフォンの接続端子をそのまま利用して、電子キーをスマートフォンと接続することができる。コネクタは、コンパクトなものであり、電子キーに接続させた状態で保持していれば、邪魔となることはない。
ここで、電子キーとコネクタとを一体型としても良い。
(4)(1)または(2)に記載する保管庫システムにおいて、前記電子キーが、前記スマートフォンと接続するための第1接続端子を備えていることを特徴とするので、スマートフォンとは、電子キーの第1接続端子を用いて接続し、錠前とは、電子キーの挿入部を用いて接続できるため、余分なコネクタを必要としないため、システムをシンプルにでき、使用者にとって使い勝手が良くなる利点がある。
【0016】
(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、前記スマートフォンが、GPS情報を前記サーバーに送信すること、前記サーバーは、前記GPS情報が、前記開錠したい保管庫の近くのエリア内でないときには、前記開錠許可保管庫番号を送信しないこと、を特徴とするので、例えば、上司が自分の机に居てスマートフォンを操作して、電子キーを使用できる状態にした後、電子キーを部下に渡して書類を取りに行かせることを防止できる。
【0017】
(6)(1)乃至(5)に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、(e)前記電子キーにより、前記保管庫の錠前を施錠した後、前記電子キーを前記スマートフォンに接続し、前記スマートフォンは、前記電子キーに記憶されている施錠時刻情報を、前記サーバーに送信すること、(f)前記サーバーは、前記開錠許可保管庫番号を前記スマートフォンに送信した後、前記施錠時刻情報を入手するまでの期間、前記開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、を特徴とするので、1つの保管庫に対して、2以上のスマートフォンに同時に、開錠許可をあたえることがないため、使用者が錯綜して、履歴の確実性、すなわち、使用者の特定を確実に行うことができる。
【0018】
また、本保管庫システムで使用される保管庫プログラムは、次の構成を有する。
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つの保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、前記サーバーから、前記スマートフォンにダウンロードされることを特徴とするので、スマートフォンの有するダウンロード機能、ダウンロードしたプログラムを利用する機能、通信機能等をそのまま活用できるため、使用者にとって、使い勝手の良い保管庫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例である保管庫システムの構成を示す図である。
【図2】保管庫システムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】保管庫50の外観図である。
【図4】保管庫50の制御構成を示すブロック図である。
【図5】開錠時のスマートフォン11の保管庫プログラム115の作用を示すフローチャートである。
【図6】施錠時のスマートフォン11の保管庫プログラム115の作用を示すフローチャートである。
【図7】開錠時のサーバー14のプログラム142の作用を示すフローチャートである。
【図8】施錠時のサーバー14のプログラム142の作用を示すフローチャートである。
【図9】開錠時の錠前制御手段40の保管庫プログラム431の作用を示すフローチャートである。
【図10】施錠時の錠前制御手段40の保管庫プログラム431の作用を示すフローチャートである。
【図11】本発明の別の実施例である保管庫システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の保管庫システムを具体化した一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明で利用するアップル社製のスマートフォン11(商標名「iPhone」)、コネクタ12、及び電子キー13を示す。スマートフォン11は、正面にタッチパネル111を備えている。タッチパネル11は、画面を表示すると共に、画面にタッチすることにより、スイッチとして機能する。タッチパネル111には、複数のアイコン112a、112b、112c、112d、・・・が表示される。特定のアイコン112にタッチすることにより、所望のプログラムを駆動することができる。プログラムは、予め、インターネットによりダウンロードされる。本実施例で使用されるプログラムである、保管庫プログラム115は、使用者が事前に、自分のスマートフォン11にダウンロードしていることを前提としている。スマートフォン11は、下端面に端子部113が形成され、外部機器と接続される。
【0021】
図2に、スマートフォン11、電子キー13の制御的な構成をブロック図で示す。
スマートフォン11は、全ての電気的作用を行わせるための電池117を有している。また、通信手段111、タッチパネル116、CPU112、記憶手段114、位置検知用のGPS118を有している。記憶手段114には、保管庫プログラム115が記憶されている。
CPU112、通信手段111、タッチパネル116、記憶手段114、GPS118、及び電池117は、各々必要に応じて接続されている。
一方、サーバー14は、通信手段141を備えている。スマートフォン11の通信手段111は、サーバー14の通信手段141と通信で接続可能である。
【0022】
図1に示すように、スマートフォン11の接続端子部113には、コネクタ12が接続されている。コネクタ12は、スマートフォン11の接続端子部113と接続するための第1接続端子121と、電子キー13の接続端子131と接続するための第2接続端子122を備えている。
電子キー13は、樹脂製のキー本体133より、金属製の挿入部132が突出している。挿入部132のキー本体133側には、挿入部132の両面に一対の電極135が配置されている。
キー本体133の、挿入部132と反対側には、キーホルダ用孔137を構成するリング部134が形成され、キーホルダ用孔137には、LED139が配置されている。
本実施例の接触式ICチップ131は、製品毎に固有の番号を記憶している。また、一対の電源端子のみであり、電源に通電することにより、接触式ICチップ131に記憶されている固有番号、その他のデータを瞬時に読み出すことができる。
【0023】
図2に示すように、電子キー13は、固有の番号を記憶すると共に、他の情報を記憶可能な接触式ICチップ131、LED139を有している。接触式ICチップ131には、後述する開錠許可保管庫情報、有効時刻(または有効回数)、開錠時刻、施錠時刻等が、複数組記憶可能である。
LED139は、電子キー13を錠前に挿入したときに、電子キー13の端子と錠前の端子とが正常に導通したか否かを、使用者が目視で確認するためのものである。接触式ICチップ131においては、端子の接触不良が問題となるが、本実施例の電子キー13では、LED139の点灯により接触を確認できるため、もし点灯しなければ使用者が再度試みることにより使用できるため、接触式ICチップ131の接触不良の問題を解決できる。すなわち、LED139が点灯したことは、接触式ICチップ131に電源が供給されたことを意味し、同時に接触式ICチップ131に記憶されているデータをスマートフォン11が読み込んだことを意味している。
【0024】
次に、鍵付保管庫の全体構成について説明する。図3は、鍵付保管庫51、52,53の外観斜視図である。
3種類の保管庫51,52,53が連続して設置されている。保管庫51は、観音開き式の収納ボックス51Aを備える。保管庫52は、1つの観音開き式の収納ボックス52Aと、3つの引き出し式収納ボックス52B,52C,52Dを備える。保管庫53は、保管庫52と同じ構成である。各収納ボックス51A,52A,52B,52C,52D,53A,53B,53C,53Dには、錠前20が取り付けられ、保管物が内部に収納される。保管庫51の上面には、3つの保管庫51,52,53の各収納ボックス51A,52A,52B,52C,52D,53A,53B,53C,53Dの開閉を制御するための錠前制御手段40が付設されている。
【0025】
図4は、図3に示す錠前制御手段40の電気ブロック図である。
錠前制御手段40は、データの加工や演算を行うCPU41と、制御プログラムを記憶するROM43と、錠前20が取り付けられた収納ボックスを開閉する権限を有する者のIDデータが予め登録され、接触式ICチップから読み取ったデータ等の各種データやプログラムを読み書きされるRAM42を備えている。錠前制御手段40は、パソコン44とLANにより接続されている。ROM43には、保管庫制御プログラム431が記憶されている。
各錠前20A,20B,20C…は、電子キー1にデータを読み書きするデータ通信基板45A,45B,45C…と、錠前20の回転を制御するソレノイド46A,46B,46C…を備える。錠前制御手段40は、各錠前20のデータ通信基板45A,45B,45C…とソレノイド46A,46B,46C…に、配線を介して接続されている。
【0026】
次に、上記構成を有する保管庫システムの作用について、プログラムに基づいて具体的に説明する。
図5に、スマートフォン11に記憶された保管庫プログラム115のうち、開錠動作のフローチャートを示す。
特定の保管庫を使用することを望む使用者は、使用したい保管庫の近くで、スマートフォン11の操作を行う。
始めに、電子キー13の接触式ICチップ131に記憶されている固有番号(電子キーの固有情報)を読み込む(S101)。接触式ICチップ131においては、通電することにより、接触式ICチップ131内に記憶されている固有番号を自動的に読み出すことができる。次に、タッチパネル116にキーボードを表示して、使用者にパスワードを入力してもらう(S102)。電子キー13は、保管庫を使用する可能性のある全社員が1つずつ所有しており、個人毎に、所有している電子キーの固有番号を、サーバー14が記憶している。次に、使用者は、開錠して使用したい保管庫番号を入力する(S103)。
次に、スマートフォン11は、電子キー13の固有番号、パスワード入力情報、及び開錠したい保管庫番号、及びGPS情報を、通信手段111を介して、サーバー14に送信する(S104)。
【0027】
次に、データを受信したサーバー14の作用を説明する。図7に、サーバー14に記憶されている本保管庫システムに関するプログラム142のうち、開錠動作のフローチャートを示す。始めに、サーバー14は、通信手段141を介して、電子キー13の固有番号、パスワード入力情報、開錠したい保管庫番号、及びGPS情報を受信する(S201)。GPS情報は、スマートフォン11の現在位置を示している。
次に、電子キー13の接触式ICチップ131に記憶されている固有番号から、その電子キー13の所有者を特定し、入力されたパスワードが、当該所有者により事前に登録されているパスワードと一致するか否かを確認することにより、個人認証を行う(S203)。
個人認証が確認できたときには(S203;YES)、個人認証した使用者が、開錠を希望している保管庫に対するアクセス権限を有しているか否かを確認する(S204)。サーバー14には、予め、保管庫毎に、アクセス権限(当該保管庫を開閉する権限)を有する者が登録されており、その登録を参照することにより、アクセス権限の有無を判断している。一方、個人認証ができなかったときには(S203;NO)、スマートフォンに対して不許可情報を送信する(S208)。
【0028】
開錠したい保管庫へのアクセス権限を有している場合には(S204;YES)、取得したGPS信号が、所定のエリア内、すなわち、保管庫が配置されているエリア周辺領域内にあるか否か判断する(S205)。すなわち、スマートフォン11を操作したときの位置(GPS情報)が、所定のエリア内であるときは(S205;YES)、S206へ進む。また、スマートフォン11を操作したときの位置(GPS情報)が、所定のエリア内でないときは(S205;NO)、スマートフォンに対して不許可情報を送信する(S208)。
本実施例では、鍵のまた貸しを禁止するため、電子キー13の有効時刻に制限を加えている。そのため、使用者は、使用する保管庫の近くにいる必要がある。また、保管庫にアクセスしようとしているのであるから、当然保管庫の近くにいるときに、本実施例の保管庫システムを操作すべきなのである。
このような制限を付加することにより、例えば、上司が自分の机にいてスマートフォン11を操作して、電子キー13を使用できる状態にした後、電子キー13を部下に渡して書類を取りに行かせることを防止できる。また、会社内にいない場合には、当然、保管庫を使用する必要がないので、そのような場合にも、開錠許可を与えないようにしている。
【0029】
次に、開錠したい保管庫が施錠状態にあるか否か判断する(S206)。開錠したい保管庫が施錠状態にあるときは(S206;YES)、スマートフォンへ開錠許可保管庫情報を送信し、該保管庫を開錠状態として記憶する(S207)。また、開錠したい保管庫が施錠状態にないときは(S206;NO)、スマートフォンに対して不許可情報を送信する(S208)。
ある人が、スマートフォン11を用いて、開錠しているときに、他の人に開錠を認めると、その時間に誰が実際に使用していたかの履歴の記憶が複雑になるためである。開錠した使用者が確実に施錠も行い、他の人が使用するときは、前の人の使用が終了してからにすることにより、確実な履歴を記憶することができる。
【0030】
次に、図5に戻って、スマートフォン11の作用を説明する。開錠許可保管庫情報を受信したときは(S105;YES)、開錠許可保管庫情報、及び有効時刻を電子キー13の接触式ICチップ131に書き込む。不許可情報を受信したとき、または開錠許可保管庫情報を所定時間受信しないとき(S105;NO)、スマートフォン11は、タッチパネル111に不許可を表示する(S207)。
図9に、錠前制御手段40のROM43に記憶されている保管庫制御プログラム431の作用をフローチャートで示す。
錠前制御手段40は、電子キー13の記憶手段134に記憶されている固有情報、開錠許可保管庫情報、及び有効時刻を読み込む(S401)。錠前制御手段40は、時計を有しており、現在時刻が読み込んだ有効時刻を超えていないか否かを判断する(S402)。有効時刻内であれば(S402;TES)、開錠許可保管庫情報により特定される保管庫50の錠前20を開錠する(S401)。また、有効時刻を過ぎていれば(S402;NO)、保管庫50の表示装置に不許可を表示する。
【0031】
有効時刻を書き込んでいるのは、使用者が保管庫を開けて必要な書類を取り出す場合、使用者が当該保管庫の近くにいることを前提として、保管庫を開くのに必要な最低限の時間のみ有効時刻として与えることにより、電子キー13のまた貸しを防止するためである。
次に、電子キー13の固有情報、開錠許可保管庫情報、開錠時刻を記憶する(S404)。
使用者は、錠前20が開錠されることにより、保管庫50内に収納されている書類を取り出して利用することができる。
本実施例では、有効時刻を用いているが、有効時刻の代わりに、または有効時刻と併用して、使用回数を記憶させてもよい。通常は、1回限りの開錠(施錠は開錠の付属的行為とする)を認めるため、使用回数として、1回を記憶すればよい。2回以上の使用回数を認めると、電子キー13のまた貸しを防止しにくくなるからである。必要ならば、スマートフォン11により、再び、開錠許可を得れば良いのである。ただし、場合によっては例外的に、2回以上の使用回数を認めても良い。
本実施例で、施錠を開錠の付属行為と考えているのは、書類の利用に際しては、基本的には、保管庫から必要な書類を取り出した後、一度保管庫を施錠し、書類を返却するときには、再度スマートフォン11を用いて、開錠許可を得ることを前提に考えているからである。
【0032】
次に、施錠する場合の作用について説明する。図10に、施錠時の保管庫制御プログラム431の作用をフローチャートで示す。
書類を取り出した使用者は、電子キー13を錠前に挿入する。錠前制御手段40は、電子キー13の固有情報を読み込む(S410)。次に、前回開錠した電子キー13と同じ電子キー13であることを確認した後、保管庫50の錠前20を施錠する(S411)。次に、電子キー13の固有情報、施錠時刻を記憶する(S412)。
次に、図6にスマートフォン11の保管庫プログラムの施錠時の作用をフローチャートで示す。使用者が装着した電子キー13の固有情報を読み込む(S110)。次に、タッチパネル111を用いて、使用者にパスワードを入力させる(S111)。次に、電子キー13の接触式ICチップ131が記憶している開錠時刻、施錠時刻を読み込む(S112)。次に、電子キー13の固有情報、入力されたパスワード、開錠時刻、及び施錠時刻をサーバー14へ送信する(S113)。
【0033】
次に、サーバー14のプログラム142の施錠時の作用を図8にフローチャートで示す。
サーバー14は、通信手段141を介してスマートフォン11から、電子キー13の固有情報、パスワード情報、開錠時刻、及び施錠時刻を受信する(S210)。次に、電子キー13の固有情報とパスワード入力情報とにより、個人認証を行う(S211)。個人認証がOKならば(S212;YES)、使用者、開錠時刻、及び施錠時刻を履歴として記憶する(S213)。そして、該保管庫を施錠状態として記憶する(S214)。
一方、個人認証がOKでない場合は(S212;NO)、不受理を送信する(S215)。
施錠も書類のセキュリティにとっては重要な作用であり、開錠と同じレベルの作業を使用者に要求している。
使い終わった書類を保管庫に返却する作用は、開錠、施錠共に書類を取り出すときの作用と同じなので、説明を省略する。
【0034】
以上詳細に説明したように、本実施例の保管庫システムによれば、開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する接触式ICチップ131を備える電子キー13を用いて、開錠が許可されている保管庫50の錠前20を開錠する錠前制御手段40を有する保管庫システムであって、電子キー13が接続される個体認証手段を備えるスマートフォン11を有し、(a)スマートフォン11が、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバー14に送信し、(b)サーバー14は、電子キー13の固有番号と、パスワード入力情報が一致しており、一致する情報で特定される個人が、保管庫番号で特定される保管庫50のアクセス権限を有している場合に、開錠許可保管庫番号を、スマートフォン11に送信し、(c)スマートフォン11は、開錠許可保管庫番号、及び開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、電子キーの開錠許可手段に書き込むこと、(d)錠前制御手段40は、有効時刻が超えているとき、または使用回数が有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、を特徴とするので、例えば、有効時刻が、許可が与えられた時刻の5分後の時刻に設定されており、使用者は、サーバーから許可が与えられてから、5分以内に保管庫の錠前に電子キーを挿入しなければならない。5分後の時刻が経過すると、電子キーを錠前に挿入しても、錠前の開錠・施錠を制御する保管庫の保管庫制御手段が、錠前の開錠を行わない。同様に、電子キーに回数制限、例えば開錠1回(施錠は開錠に付随行為とする)と記憶されていれば、使用者は、1回のみ開錠・施錠を行うことができるが、2回はできない。それらの場合には、使用者は再び、スマートフォンを用いて、サーバーから許可を受けることが必要である。
使用者が通常の手順により、保管庫の錠前を開錠した場合には、その作業中に、有効時刻が経過するため、または有効回数が満たされてしまうため、鍵のまた貸しをすることを確実に防止することができる。
開錠権限を有する別人は、鍵のまた貸しを受けるのではなく、保管庫の近く、自ら上記作業を行えば良いのである。これにより、保管庫システムは、保管庫の開錠時刻及び使用者を確実に履歴として保存することができる。
【0035】
また、本実施例の保管庫システムは、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とするので、既に多数販売されている製品をそのまま使用できる。すなわち、「iPhone」には、サーバーからプログラムをダウンロードして、そのプログラムを用いて、「iPhone」を動かす機能がある。予め、保管庫プログラムを、個人使用の「iPhone」にダウンロードしておくだけで、本発明の保管庫システムで使用することができ、本出願人が以前考えていたような、携帯電話にICチップを内蔵させなくてもよいため、全体コストを低減でき、現在のオフィスで使用可能な、また貸し防止機能を有する保管庫システムを実現できる。
【0036】
また、本実施例の保管庫システムは、スマートフォン11の接続端子と接続する第1接続端子121と、電子キー13と接続する第2接続端子122とを備えるコネクタ12を有することを特徴とするので、スマートフォン11の接続端子113をそのまま利用して、電子キー13をスマートフォン11と接続することができる。コネクタ12は、コンパクトなものであり、電子キー13に接続させた状態で保持していれば、邪魔となることはない。
ここで、電子キー13とコネクタ12とを一体型としても良い。
【0037】
また、本実施例の保管庫システムは、スマートフォン11が、GPS情報をサーバー14に送信すること、サーバー14は、GPS情報が、開錠したい保管庫50の近くのエリア内でないときには、開錠許可保管庫番号を送信しないこと、を特徴とするので、例えば、上司が自分の机に居てスマートフォンを操作して、電子キーを使用できる状態にした後、電子キーを部下に渡して書類を取りに行かせることを防止できる。
【0038】
また、本実施例の保管庫システムは、(e)電子キー13により、保管庫50の錠前20を施錠した後、電子キー13をスマートフォン11に接続し、スマートフォン11は、電子キー13に記憶されている施錠時刻情報を、サーバー14に送信すること、(f)サーバー14は、開錠許可保管庫番号をスマートフォン11に送信した後、施錠時刻情報を入手するまでの期間、該当する開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、を特徴とするので、1つの保管庫50に対して、2以上のスマートフォン11に同時に、開錠許可をあたえることがないため、使用者が錯綜して、履歴の確実性、すなわち、使用者の特定を確実に行うことができる。
【0039】
また、本保管庫システムで使用される保管庫プログラムは、上記保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、サーバー14から、スマートフォン11にダウンロードされることを特徴とするので、スマートフォン11の有するダウンロード機能、ダウンロードしたプログラムを利用する機能、通信機能等をそのまま活用できるため、使用者にとって、使い勝手の良い保管庫システムを提供することができる。
【0040】
なお、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
例えば、本実施例では、保管庫側の錠前制御手段40により、有効時刻の管理を行っているが、電子キー13が電池を備えていれば、電子キー13側で、有効時刻を超えたときに、開錠許可保管庫番号を消去させても良い。
また、本実施例では、iPhoneを使用しているが、他のメーカーのスマートフォンを利用しても良い。
また、本実施例では、接触式ICチップ131を使用しているが、非接触式のICチップを使用しても良い。
また、本実施例では、個人認証をパスワードを用いて行っているが、指紋認証や静脈認証を用いても良い。その場合には、指紋データや静脈データをデータとしてサーバーに送信し、サーバー側に記憶されているデータと照合を行えば良い。
【0041】
また、本実施例では、電子キー13とコネクタ12とを別体としているが、図11に示すように、一体的に構成しても良い。図11では、電子キー13の挿入部132とは反対側に、コネクタ140を形成している。コネクタ部140は、スマートフォン11の端子部113と直接接続可能である。これによれば、スマートフォン11とは、コネクタ部140を用いて接続し、錠前20とは、挿入部132を用いて接続できるため、余分なコネクタ12を必要としないため、システムをシンプルにでき、使用者にとって使い勝手が良くなる利点がある。
また、本実施例では、錠前制御手段40は、電子キー13に記憶されている開錠許可保管庫番号に相当する保管庫の錠前を無条件で開錠しているが、当該保管庫にアクセスできる権限を有する者のID等を記憶しておき、ダブルでチェックしても良い。
また、本実施例において、有効時刻を開錠許可を得た時刻から5分後の時刻としているが、これは、保管庫が配置されている位置等を考慮して、適宜変更すれば良い。
【符号の説明】
【0042】
11 スマートフォン
111 タッチパネル
115 保管庫プログラム
118 GPS
12 コネクタ
13 電子キー
131 接触式ICチップ
139 LED
14 サーバー
142 プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムにおいて、
前記電子キーが接続される個体認証手段を備えるスマートフォンを有し、
前記スマートフォンが、前記電子キーの固有情報と、前記個体認証手段の個体認証情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバーに送信し、
前記サーバーは、前記電子キーの固有情報と、前記個体認証情報が一致しており、前記個体認証情報で特定される個人が、前記保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、前記開錠許可保管庫番号を、前記スマートフォンに送信し、
前記スマートフォンは、前記開錠許可保管庫番号、及び前記開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、前記電子キーの前記開錠許可手段に書き込むこと、
前記保管庫制御手段は、前記有効時刻が経過しているとき、または使用回数が前記有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、
を特徴とする保管庫システム。
【請求項2】
請求項1に記載する保管庫システムにおいて、
前記スマートフォンが、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とする保管庫システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する保管庫システムにおいて、
前記スマートフォンの接続端子と接続する第1接続端子と、前記電子キーと接続する第2接続端子とを備えるコネクタを有することを特徴とする保管庫システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する保管庫システムにおいて、
前記電子キーが、前記スマートフォンと接続するための第1接続端子を備えていることを特徴とする保管庫システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、
前記スマートフォンが、GPS情報を前記サーバーに送信すること、
前記サーバーは、前記GPS情報が、前記開錠したい保管庫の近くのエリア内でないときには、前記開錠許可保管庫番号を送信しないこと、
を特徴とする保管庫システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、
前記電子キーにより、前記保管庫の錠前を施錠した後、前記電子キーを前記スマートフォンに接続し、
前記スマートフォンは、前記電子キーに記憶されている施錠時刻情報を、前記サーバーに送信すること、
前記サーバーは、前記開錠許可保管庫番号を前記スマートフォンに送信した後、前記施錠時刻情報を入手するまでの期間、前記開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、
を特徴とする保管庫システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載するいずれか1つの保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、
前記サーバーから、前記スマートフォンにダウンロードされることを特徴とする保管庫プログラム。
【請求項1】
開錠が許可されている開錠許可保管庫番号を記憶する開錠許可記憶手段を備える電子キーを用いて、開錠が許可されている保管庫の錠前を開錠する保管庫制御手段を有する保管庫システムにおいて、
前記電子キーが接続される個体認証手段を備えるスマートフォンを有し、
前記スマートフォンが、前記電子キーの固有情報と、前記個体認証手段の個体認証情報と、開錠したい保管庫の保管庫番号を、サーバーに送信し、
前記サーバーは、前記電子キーの固有情報と、前記個体認証情報が一致しており、前記個体認証情報で特定される個人が、前記保管庫番号で特定される保管庫のアクセス権限を有している場合に、前記開錠許可保管庫番号を、前記スマートフォンに送信し、
前記スマートフォンは、前記開錠許可保管庫番号、及び前記開錠許可保管庫番号の有効時刻または有効回数を、前記電子キーの前記開錠許可手段に書き込むこと、
前記保管庫制御手段は、前記有効時刻が経過しているとき、または使用回数が前記有効回数を超えているときには、保管庫の錠前の開錠を行わないこと、
を特徴とする保管庫システム。
【請求項2】
請求項1に記載する保管庫システムにおいて、
前記スマートフォンが、アップル社製の「iPhone」であることを特徴とする保管庫システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する保管庫システムにおいて、
前記スマートフォンの接続端子と接続する第1接続端子と、前記電子キーと接続する第2接続端子とを備えるコネクタを有することを特徴とする保管庫システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載する保管庫システムにおいて、
前記電子キーが、前記スマートフォンと接続するための第1接続端子を備えていることを特徴とする保管庫システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、
前記スマートフォンが、GPS情報を前記サーバーに送信すること、
前記サーバーは、前記GPS情報が、前記開錠したい保管庫の近くのエリア内でないときには、前記開錠許可保管庫番号を送信しないこと、
を特徴とする保管庫システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載する保管庫システムのいずれか1つにおいて、
前記電子キーにより、前記保管庫の錠前を施錠した後、前記電子キーを前記スマートフォンに接続し、
前記スマートフォンは、前記電子キーに記憶されている施錠時刻情報を、前記サーバーに送信すること、
前記サーバーは、前記開錠許可保管庫番号を前記スマートフォンに送信した後、前記施錠時刻情報を入手するまでの期間、前記開錠許可保管庫番号を、他のスマートフォンに送信することを禁止すること、
を特徴とする保管庫システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載するいずれか1つの保管庫システムを実施するための保管庫プログラムにおいて、
前記サーバーから、前記スマートフォンにダウンロードされることを特徴とする保管庫プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−64030(P2011−64030A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216967(P2009−216967)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
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