説明

保線機械

【課題】保線機械を提供する。
【解決手段】
保線機械は駆動部によって機械フレーム(4)に対し調整可能な防音壁(10)を備える。防音壁(10)は上端を下端(8)につなぐ、本機械の長手方向に対して互いに間隔をあけた2箇所の側面端部(9)と同様に上端及び下端(8)を含む。下端(8)は該下端(8)から間隔をあけて、剛体として形成された上側の防音部分(13)と接続された上端(12)を有する、弾性材料からなる可撓性の下側の防音部分(11)により形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前文条項に述べられている特徴による保線機械(軌道保守装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
特に都市の住宅地域における保線機械の運転に関しては、作動装置の騒音レベルを下げるためにより一層の努力がなされている。しかしながら、作動装置は機械フレームに関して調整可能なものであり、そのうえ稼働中には軌道との接触が妨げられないことを要するため、音響放出の有効な縮減は困難なことが判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はより良い遮音を達成できる特定のタイプの機械(装置)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、本目的は請求項1の特徴条項に挙げられた特徴により最初に記述されているタイプの機械(装置)で達成される。
【0005】
防音壁の弾性形状の部分により、防音壁は音響の放射をより良く減らすため枕木に接触するまで低くすることが可能である。そうすることで(例えば、制御盤(control cabinets)、トングレール(switch tongues)及び類似のもの等)枕木から突出している構造物を有する軌道区間は、その過程において問題なく、また防音壁を上昇させず、騒音レベルを増大することなく通過することができる。
【0006】
本発明の追加の利点及び特徴は更なる特許請求の範囲及び図面から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は図面に示される実施形態に関連して、以下に更に詳細に記述される。
【0008】
図1に見ることができる保線機械(保線装置)1は、軌道上の台車2によって軌道3上を移動可能な機械フレーム4を含む。両端に配置された2台の軌道上の台車2の間に、垂直方向及び機械の長手方向6に直角な方向に調整できる、道床つき固め機の形をした作動装置5が置かれている。軌道吊上げ装置7は軌道の位置修正に用いられる。
【0009】
機械の横断方向に通常は自由に近づける作動装置5の領域にある部分は、機械の長手方向6及び垂直方向に延びている防音壁10でカバーされる。防音壁10は互いに機械の長手方向6に対して間隔をあけ、2つの端をつなぐ側面端部9と同様に、上端及び下端8で画定される。
【0010】
特に図4で見ることができるように、防音壁10の下端8は弾性材料からなる可撓性の下側の防音部分11により形成される。下端8から間隔をあけた上端12において前記防音部分11は剛体として形成された上側の防音部分13に接続される。上側の防音部分13は多数のガラスで覆われた覗き窓14を備える。
【0011】
上側の防音部分13のそれぞれの2箇所の側面端部9は、結合部15の回りを旋回可能な各々の折り畳み壁16に接続される。第2の結合部17により、折り畳み壁16は機械フレーム4へ固定された垂直方向の調整装置18に同様に接続される(図2、図3参照)。2つの結合部15、17の間には、折り畳み壁16が一緒に折り畳まれるよう設定された2つの部品20からなるように第3の結合部19が設置される。垂直方向の調整装置18の、駆動部23により回転可能な3つの結合部15、17、19及びねじスピンドル22は全て互いに平行に延在している軸21を有する。
【0012】
防音壁10を2組の折り畳み壁16の2つの部品20の折り畳みが離される間に、駆動部24によって、機械の長手方向6に対して直角方向に機械フレーム4又は作動装置5から離すことが可能である(図3)。これは、例えばポイント区間において、その動作のための作動装置5のスムーズな横方向変位を可能にする。第2の結合部17はねじスピンドル22のおかげで垂直ガイド25の中で変位できるため、防音壁10は妨げられずに、折り畳み壁16と共にいかなる横方向の位置においても垂直方向に調整可能である。
【0013】
それらの下端において、折り畳み壁16の両方の部品20とも、また上側の防音部分13を伸ばすために弾性材料で作られる。防音壁10の上端8は、同様に機械フレーム4に接続され伸縮自在に伸びることができるカバー26に連接して結合される(図4)。折り畳み壁16の上側部分27は弾性材料で作られ、カバー26に接触している。防音壁10に対して運転方向の前方に置かれる障害物センサ28は下側の防音部分11が乗り越えられない障害物が現れると、直ちに防音壁10の垂直方向調整用の駆動部23を自動的に作動させる。遮音を改善するため、下側の防音部分11は互いに機械の横方向に間隔をあけた弾性材料のいくつかの層29により形成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】防音壁を含む道床つき固め機(tamping machine)の側面図を示す。
【図2】防音壁の部分の拡大上面図を示す。
【図3】防音壁の部分の拡大上面図を示す。
【図4】防音壁の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0015】
1 保線機械
2 軌道上の台車
3 軌道
4 機械フレーム
5 作動装置
6 長手方向
7 軌道吊上げ装置
8 上端、又は下端
9 側面端部
10 防音壁
11 下側の防音部分
12 上端
13 上側の防音部分
14 覗き窓
15 第1の結合部、又は結合部
16 折り畳み壁
17 第2の結合部、又は結合部
18 垂直方向の調整装置
19 第3の結合部、又は結合部
20 2つの部品、又は両方の部品
21 軸
22 ねじスピンドル
23 駆動部
24 駆動部
25 垂直ガイド
26 カバー
27 上側部分
28 障害物センサ
29 層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
保線機械(1)であって、軌道上の台車(2)の上で移動可能な機械フレーム(4)を備え、そこに防音壁(10)と同様に作動装置(5)が配置され、前記防音壁が駆動部(23)により前記機械フレーム(4)に対して調整可能で、互いに前記機械の長手方向(6)に対して間隔をあけ、上端を下端(8)につなぐ2箇所の側面端部(9)と同様に、上端及び下端(8)を有する機械であって、
前記下端(8)が、前記下端(8)から間隔をあけた上端(12)を有する弾性材料からなり、剛体として形成されている上側の防音部分(13)に接続された可撓性の下側の防音部分(11)により形成されることを特徴とする保線機械(1)。
【請求項2】
駆動部(24)により前記防音壁(10)が前記機械の長手方向(6)に直角の方向に前記機械フレーム(4)から遠ざけられうることを特徴とする請求項1に記載の保線機械。
【請求項3】
前記上側の防音部分(13)の前記2箇所の側面端部(9)が、結合部(15)の回りを旋回可能な折り畳み壁(16)に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の保線機械。
【請求項4】
それぞれの折り畳み壁(16)が第2の結合部(17)により、前記機械フレーム(4)に固定された垂直方向の調整装置(18)に接続され、第3の結合部(19)が前記第1の結合部(15)と前記第2の結合部(17)との間に設けられることを特徴とする請求項3に記載の保線機械。
【請求項5】
前記防音壁(10)の垂直方向の調整のため、互いに前記機械の長手方向(6)に間隔をあけ、各々の垂直ねじスピンドル(22)を含む2つの垂直方向の調整装置(18)が備えられることを特徴とする請求項1に記載の保線機械。
【請求項6】
前記下側の防音部分(11)は、前記機械の横方向に互いに間隔をおく少なくとも2つの層(29)からなることを特徴とする請求項1に記載の保線機械。
【請求項7】
前記垂直方向の調整装置(18)の駆動部(23)の自動作動用障害物センサ(28)によって特徴づけられる請求項1〜6のいずれか一項に記載の保線機械。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−56507(P2006−56507A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237332(P2005−237332)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(501126685)フランツ・プラッサー・バーンバウマシーネン−インドゥストリーゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【Fターム(参考)】