保証書用タグ、および保証書用台紙
【課題】従来の保証書は購入した小売店においてシリアルナンバーが記入されることで真贋などの保証効果を生じさせている。しかし、通常シリアルナンバーはその記入に手間がかかる、という課題がある。また、購入者にとっては、その保証書が偽造されたものであっても購入時点でそれを確認することは難しく手間がかかってしまう、という課題もある。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、製造元から小売店舗までの流通段階において製品を管理するために製品に付されている管理用の電子タグ付値札を利用する。すなわち、電子タグ付値札において、電子タグを値札から容易に切離し可能に構成することで、ユニークな識別番号を保持している電子タグそのものを、またはその電子タグを保証書用台紙に貼り付けるだけで保証書として利用することができる、という具合である。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、製造元から小売店舗までの流通段階において製品を管理するために製品に付されている管理用の電子タグ付値札を利用する。すなわち、電子タグ付値札において、電子タグを値札から容易に切離し可能に構成することで、ユニークな識別番号を保持している電子タグそのものを、またはその電子タグを保証書用台紙に貼り付けるだけで保証書として利用することができる、という具合である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の品質、真贋などを保証するための保証書に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の品質、真贋などを保証するため、当該製品を正規に購入した場合には製造/販売元メーカーや小売店舗などの発行する「保証書」が製品に添付される。例えばブランド品であれば、その保証書には、ブランド名やブランドマークが刻印され、正規品であることを証明する「この商品は、・・・・であり、(ブランド名)の商品であることを保証します」などの文言が印刷されている。
【0003】
そして製品購入時において、当該保証書には、製品に予め付されている管理用のシリアルナンバー(製品番号やケース番号など)などが記入されることで、購入した製品が、当該ナンバーで製造元などに管理されている正規品であることを証明する、という具合である。
【0004】
もちろんブランド品に限らず、電化製品などを購入した際にも同様の保証書が製品に添付され、同様に正規の購入品であることの保証や、製品の品質が一定以上であり所定期間無償修理を受けることができる権利を保証したりしている。
【特許文献1】特開2003−216710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の保証書には以下のような課題がある。すなわち前述のように、保証書は購入した小売店においてシリアルナンバーが記入されることで真贋などの保証効果を生じさせている。しかし、通常シリアルナンバーは、数字やアルファベットなどが不連続に組み合わされた文字(数字)列であるため、その記入に手間がかかる、あるいは誤記入の可能性がある、という課題がある。また、そのために、製品販売数の多い家電小売店などでは、シリアルナンバーの記入を行わず、そのナンバーの記入は購入者に任せているのが現状である。
【0006】
また、購入者にとっては、その保証書が偽造されたものであっても購入時点でそれを確認することは難しい。そこで、保証書及び記入されているシリアルナンバーを製造元に問い合わせるなどして、その購入製品の真贋を確認することになるが、その際には、例えば保証書を郵送で送ったり、電話にて口頭で伝えたりする必要があり、その真贋の確認においてもやはり手間がかかってしまう、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明は、製造元から小売店舗までの流通段階において製品を管理するために製品に付されている管理用の電子タグ付値札を利用する。すなわち、電子タグ付値札において、電子タグを値札から容易に切離し可能に構成することで、ユニークな識別番号を保持している電子タグそのものを、またはその電子タグを保証書用台紙に貼り付けるだけで簡単に保証書として利用することができるよう構成する、という具合である。
【0008】
さらに具体的には、商品の値段を表示するための値段表示欄と、商品識別情報を表示する商品識別情報表示欄と、前記商品識別情報表示欄に示される商品識別情報を含むタグ情報を記録した電子タグを配置した電子タグ配置欄と、を有し、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を、値段表示欄から切離すための切離線が設けられた保証書用タグを提供する。
【0009】
また、このような保証書用タグを貼り付ける貼付領域を有する保証書用台紙も提供する。
【発明の効果】
【0010】
以上のような構成をとる本発明によって、小売店舗は商品購入時に値札から電子タグ部分を容易に切離し、例えば保証書用台紙に貼り付けることで、手間を掛けずに容易に正確な保証書を作成することができる。
【0011】
そして購入者は電子タグの識別情報をリーダーにて読み取り、端末から製品管理用のデータベースに問い合わせることで、手間を掛けずに容易にその真贋を確認することができる。また、アフターサービス時に保証書を持参すれば、店舗においてPOSデータベースと連携などさせることでその商品の販売情報を確認することが簡単にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0013】
なお、実施例1は、主に請求項1について説明する。また、実施例2は、主に請求項2について説明する。また、実施例3は、主に請求項3について説明する。また、実施例4は、主に請求項4について説明する。また、実施例5は、主に請求項5について説明する。
【0014】
≪実施例1≫
【0015】
<概要>
【0016】
図1は、本実施例の保証書用タグを利用した保証書作成の一例を表す概念図である。この図1(a)にあるように、ある店舗で販売されている指輪に、本実施例の保証書用タグである電子タグ付値札αが付けられている。そしてこの小売店舗では、例えば商品の棚卸時や販売時にこの電子タグが保持している識別情報を読み取ることで、商品の在庫管理や販売管理などを行っている。
【0017】
そして、さらにこの電子タグ付値札は、図1(b)に示すように、破線の部分で値札部分と電子タグ部分βとを切離すことができるよう構成されていることを特徴とする。したがって、この指輪が購入された際には、ユニークな識別情報を保持する電子タグ部分βを従来の保証書などに添付することで、製品番号などを保証書に逐一書き込むことなく、指輪の唯一性を保証する保証書を簡単に作成することができる、という具合である。
【0018】
<構成>
【0019】
図2は、本実施例の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、本実施例の「保証書用タグ」(0200)は、「値段表示欄」(0201)と、「商品識別情報表示欄」(0202)と、「電子タグ配置欄」(0203)と、「切離線」(0204)と、を有する。
【0020】
「値段表示欄」(0201)は、商品の値段を表示するために設けられた領域である。このように、本実施例の保証書用タグは商品の値段が表示される領域を有することから、商品の値札としての機能を有することを特徴とする。つまり、本実施例の保証書用タグは、保証書に利用される前においては、小売店舗で商品に付された値札として機能する、ということである。
【0021】
また図2に示すように、この値段表示欄には、「18K」「D1.02ct」などの貴金属や宝石のグレードを示す情報など、値段以外の商品に関する情報が表示されても構わない。また、商品販売後には、この値段表示欄のみが店舗に残されることになるので、「AV****」といった具合に商品の製造番号(ユニークな識別情報)がここにも表示され、商品販売後の管理に利用されても良い。
【0022】
また、この値段表示欄での値段の表示は、図3(a)に示すように紙などに印刷されることで表示される形態であっても良いし、図3(b)に示すような、デジタル表示装置によるデジタル表示される形態であっても良い。このように、値段表示欄や、保証書用タグのその他構成の材質はどのようなものであっても良い。具体的には、例えば紙や電子装置、あるいはプラスチックやポリエチレンなどが挙げられる。
【0023】
また、値段表示欄がデジタル表示装置である場合、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレイなど自発光型の表示装置を利用すると良い。また、そのデジタル表示装置には値段以外にも後述するシリアルナンバーなどの商品識別情報が表示されるよう構成しても良い。あるいは後述する電子タグ用のリーダーを電子タグにかざした際に発声する電流を利用して、値段が表示されるようにしても良い。また、その表示も顧客に応じて異なった額が表示されるよう構成しても良い。
【0024】
「商品識別情報表示欄」(0202)は、商品識別情報を表示するための領域である。「商品識別情報」とは、商品名や販売店舗名、製造工場名などの情報、あるいは商品の製造/製品番号、ケース番号などのシリアルナンバーなどが挙げられる。
【0025】
なお、この商品識別情報表示欄に表示されるべきシリアルナンバーなどの商品識別情報は後述する電子タグに保持されているため、商品識別情報表示欄は、次の電子タグ配置欄と一体となるよう構成されていても良い。
【0026】
「電子タグ配置欄」(0203)は、商品識別情報表示欄(0202)に示される商品識別情報を含むタグ情報を記録した電子タグが配置されている領域をいう。なお、この領域に配置される電子タグは、従来の電子タグが利用されて構わない。そして、この電子タグ配置欄に記録、保持されているシリアルナンバーなどの商品識別情報を利用して、保証書の唯一性を確保することできる、という具合である。
【0027】
また、この電子タグにはこのようにシリアルナンバーなどが含まれているため、小売店舗においては電子タグリーダと管理システムと組み合わせることで商品管理に利用することができる。つまり、本実施例の保証書用タグは、保証書に利用される前においては、従来の電子タグ付値札と同様、値札および商品管理用のタグとして機能する、ということである。
【0028】
しかし、従来の電子タグ付値札と本実施例の保証書用タグとは、以下の「切離線」の有無という大きな構成上の相違点を有する。
【0029】
「切離線」(0204)は、商品識別情報表示欄(0202)及び電子タグ配置欄(0203)を、値段表示欄(0201)から切離すための構成である。この切離線は、例えば図4(a)に示すように、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)との間に「ミシン目」を入れ、AとBとを切離しやすくした構成が挙げられる。また図4(b)に示すように、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)との間の厚さを一部薄くすることで、AとBとを切離しやすくした構成も挙げられる。
【0030】
また図4(c)にあるように、シール台紙の上に商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)とが貼載されており、台紙から商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を剥がすことで、AとBとが容易に切離すことができる構成も挙げられる。また値段表示欄(A)そのものがシール台紙となっている構成なども挙げられる。
【0031】
また、図4(d)にあるように、電流抵抗値が高く融点の低い材料で商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)とが繋げられている構成も挙げられる。このような構成であれば、所定時間電子タグリーダをかざし電流を一定量以上発生させることで、その材料が溶けて容易に切離すことができる、という具合である。
【0032】
そして本実施例の保証書用タグは、前述のように従来の電子タグ付値札と同様、値札および商品管理用のタグとして機能する。しかし、このように商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)とが容易に切離すことができるので、商品が販売された後の段階において、切離した商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を、例えば保証書に貼り付けるなどして保証書として利用することができる、という具合である。
【0033】
もちろん、切離された商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄そのものを保証書として利用しても良い。
【0034】
そして、このように商品識別情報を含む電子タグ欄が保証書として作成され、購入者に渡されることで、購入者は商品の真贋などを以下のようにして簡単に確認することができる。すなわち、商品の製造/販売元などが、当該正規商品のシリアルナンバーやPOS(販売時点情報管理システム)などを利用して収集した販売情報を格納したデータベースをサーバ上に格納しておく。そして、購入者は、電子タグリーダで読み取った商品識別情報を、PC(パーソナル・コンピュータ)等の端末から当該データベースに送信する。そしてデータベース内にてその商品識別情報が格納されているか検索し、正規商品であるか確認する、といった具合である。
【0035】
また、もう一方の切離された側である値段表示欄は、小売店舗にて保管され、商品販売情報の管理などに利用されると良い。また、そのために、値段表示欄には、商品管理用に商品識別情報などが印刷されていると良い。
【0036】
<効果の簡単な説明>
【0037】
以上のように本実施例の保証書用タグは、、保証書に利用される前においては、従来の電子タグ付値札と同様、値札および商品管理用のタグとして利用することができる。そして、その商品が販売されると、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄と、値段表示欄)とを容易に切離すことができるので、シリアルナンバーなどの商品識別情報が記録されている電子タグを利用して、保証書を簡単に作成することができる。
【0038】
また購入者は、電子タグの識別情報をリーダーにて読み取り、端末から製品管理用のデータベースに問い合わせることで、手間を掛けずに容易にその真贋を確認することができる。
【0039】
≪実施例2≫
【0040】
<概要>
【0041】
本実施例は、上記実施例を基本として、切離された商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄の裏面に接着剤などが塗布されていることを特徴とする。したがって、本実施例の保証書用タグは、切離した後、そのまま保証書用台紙に貼り付けることができる。
【0042】
<構成>
【0043】
図5は、本実施例の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図である。なお、図では省略しているが、本実施例の「保証書用タグ」は、上記実施例を基本として「値段表示欄」と、「商品識別情報表示欄」と、「電子タグ配置欄」と、「切離線」と、を有する。
【0044】
そして、その特徴点は、図5に示すように、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄の裏面には、接着剤が設けられている点である。なお「接着剤」とは、必ずしも化学的な結合作用による接着剤には限られず、熱着テープのような力学的作用による接着剤など様々であって良い。
【0045】
また、図4(c)や(d)のように、シール台紙上に商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を貼載する構成とすれば、その裏面の接着剤を容易に利用することができる。
【0046】
<効果の簡単な説明>
【0047】
以上のように本実施例の保証書用タグはその裏面が接着剤となっているため、切離した後、そのまま保証書用台紙に貼り付けることができる。
【0048】
≪実施例3≫
【0049】
<概要>
【0050】
本実施例は、上記実施例を基本として、さらにその電子タグが透明シートなどに印刷された巻線コイルから成り、さらにその中央領域にはコイルが印刷されていないことを特徴とする保証書用タグである。
【0051】
このように電子タグが印刷巻線コイル型であるため、電子タグを薄く構成することができ、保証書などに貼り付けても保証書の厚さを増すことなく、違和感の無い保証書を提供することができる。
【0052】
また、電子タグの中央領域が透けているため、保証書に貼り付けても、その中央領域の下にある保証書に記載された内容を視認することができる。
【0053】
<構成>
【0054】
図6は、本実施例の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図である。なお、図では省略しているが、本実施例の「保証書用タグ」は、上記実施例を基本として「値段表示欄」と、「商品識別情報表示欄」と、「電子タグ配置欄」と、「切離線」と、を有する。また、その「商品識別情報表示欄」及び「電子タグ配置欄」の裏面は、接着剤が設けられていても良い。
【0055】
そして、その特徴点は、図6に示すように、第一にその「電子タグ」(0603)が、印刷巻線コイル(0603a)型である点である。このように、電子タグが印刷巻線コイルで構成されているため、電子タグを非常に薄い構造とすることができる。
【0056】
また、この「電子タグ」(0603)は、巻線中央領域(0603c)にはコイルが配線されず、巻線コイルは透明のベース(0603b)上に配置されていることを第二の特徴とする。
【0057】
このような構成によって、コイル中央領域は透けて見えるので、その中央領域の下にある保証書に記載された内容を視認することができる。
【0058】
なお、電子タグの巻線コイルの印刷形状は様々であって良い。例えば、図7(a)に示すように、長方形あるいは正方形状に巻線コイルが印刷される電子タグであっても良いし、図7(b)に示すように円状に巻線コイルが印刷されるなどの電子タグや、図7(c)に示すようなハート型なども挙げられる。
【0059】
<効果の簡単な説明>
【0060】
以上のように本実施例の保証書用タグによって、電子タグが印刷巻線コイル型であるため電子タグを薄く構成することができ、保証書などに貼り付けても保証書の厚さを増すことなく、違和感の無い保証書を提供することができる。
【0061】
また、電子タグの中央領域が透けているため、保証書に貼り付けても、その中央領域の下にある保証書に記載された内容を視認することができる。
【0062】
≪実施例4≫
【0063】
<概要>
【0064】
本実施例では、上記実施例にて説明した保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄を添付することが可能な保証書用台紙について説明する。
【0065】
<構成>
【0066】
図8は、本実施例の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、本実施例の「保証書用台紙」(0800)は、「貼付領域」(0801)を有する。
【0067】
「貼付領域」(0801)は、上記実施例のいずれか一に記載の保証書用タグを貼り付ける領域をいう。この貼付領域は、接着剤が塗布され、保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄が簡単に貼る付けられるよう構成しても良い。また、実施例2で記載したように、商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄の裏面に接着剤層が設けられていれば、貼付領域側に接着剤が塗布されていなくても良い。
【0068】
また、この貼付領域は、図8に示すように台紙上に破線で示されるなどすると良い。このように貼付領域の範囲を明確にしておけば、、商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄の貼付場所を間違えることが無い。
【0069】
図9は、この保証書用台紙上の貼付領域に、保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄αを貼り付けた際の外観の一例を表す概略図である。この図にあるように、保証書上に商品識別情報が表示され、また当該識別情報が記録された電子コイルが添付されることになる。
【0070】
このように、購入者に対して商品識別情報が確認可能な保証書を、従来のような手間をかけずに簡単に提供することができる。
【0071】
<効果の簡単な説明>
【0072】
以上のように、本実施例の保証書用台紙、および上記実施例の保証書用タグを利用して、購入者に対して商品識別情報が確認可能な保証書を、従来のような手間をかけずに簡単に提供することができる。
【0073】
≪実施例5≫
【0074】
<概要>
【0075】
本実施例の保証書用台紙は、上記実施例4を基本として、さらにその貼付領域内にマークが表示されることを特徴とする。そして、例えばこのマークをホログラムなどの偽造防止用マークとして印刷しておけば、その保証書用台紙自体が正規であることを容易に証明することができる。
【0076】
また、実施例3で説明したようにそのマークを含む貼付領域の上に貼り付けられる電子タグの中央領域が透明であって、その領域からこのマークが透けて見えるよう構成すれば、購入者に渡す保証書にもそのマークを表示させることができることを特徴とする。
【0077】
<構成>
【0078】
図10は、本実施例の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、本実施例の「保証書用台紙」(1000)は、上記実施例4を基本として「貼付領域」(1001)を有する。
【0079】
そして、本実施例の特徴点は、貼付領域(1001)の一部に「マーク」(1002)が表示され、かつ、そのマークは、上記実施例3に記載の保証書用タグを貼り付けた場合には、コイル中央領域から視認できるように配置されている点である。
【0080】
「マーク」とは、例えば前述のように正規の保証書用台紙であることを示すためのホログラム、あるいはその他にもブランドロゴや製造者のサイン等が挙げられる。
【0081】
図11は、この保証書用台紙上の貼付領域に、実施例3の保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄を貼り付けた際の外観の一例を表す概略図である。この図にあるように、電子コイルの透明な中央領域において、下の「マーク」βが透けて見えている、という具合である。
【0082】
このように、購入者に渡す保証書にも貼り付けられた電子タグのコイルで隠されること無くそのマークを表示させることができる。また、コイルが印刷されている透明シートによってそのマークがカバーされることになるので、例えば大切なブランドマークなどが保護される効果も奏する。
【0083】
また図12に示すように、例えば台紙上の貼付領域に「矢」のマークが表示され、そこにハート型の電子タグが貼り付けられれば、矢に射抜かれたハートと言う新たなデザインのマークが保証書用台紙に表示されることになる。このように電子タグそのものや透明シートに描かれる図案と、貼付領域のマークとが、両者の貼り合せによって一体となり新たなマークが表示されるよう構成しても良い。
【0084】
また、電子タグの透明領域にホログラム用の画像を平面で印刷しておき、かつ台紙の貼付領域にホログラム用の凹凸を設けることで、透明領域のホログラムが台紙に貼り付けられた場合にのみホログラム画像として機能する、といった構成であっても良い。
【0085】
<効果の簡単な説明>
【0086】
以上のように本実施例の保証書用台紙、および上記実施例3の保証書用タグを利用して、電子コイルを保証書用台紙に貼り付けた場合でも、例えば偽造防止用のホログラムやブランドロゴなどのマークを隠すことなく表示させることができる。あるいは、電子コイルの透明ベースによるマークのカバーや、マークと電子コイルなどとを組み合わせることによる新規図案の表示と言ったデザイン上の効果を奏することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1の保証書用タグを利用した保証書作成の一例を表す概念図
【図2】実施例1の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図
【図3】実施例1の保証書用タグの値段表示欄での値段の表示の一例を表す概略図
【図4】実施例1の保証書用タグにおける切離線の一例を説明するための概略図
【図5】実施例2の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図
【図6】実施例3の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図
【図7】実施例3の保証書用タグにおける電子タグの形状の一例を表す概略図
【図8】実施例4の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図
【図9】実施例4の保証書用台紙に、切離された実施例3の保証書用タグを貼り付けた際の外観の一例を表す概略図
【図10】実施例5の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図
【図11】実施例5の保証書用台紙に、切離された実施例3の保証書用タグを貼り付けた際の外観の一例を表す概略図
【図12】実施例5の保証書用台紙に、切離された実施例3の保証書用タグを貼り付けた際の外観の、別の一例を表す概略図
【符号の説明】
【0088】
0200 保証書用タグ
0201 値段表示欄
0202 商品識別情報表示欄
0203 電子タグ配置欄
0204 切離線
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の品質、真贋などを保証するための保証書に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の品質、真贋などを保証するため、当該製品を正規に購入した場合には製造/販売元メーカーや小売店舗などの発行する「保証書」が製品に添付される。例えばブランド品であれば、その保証書には、ブランド名やブランドマークが刻印され、正規品であることを証明する「この商品は、・・・・であり、(ブランド名)の商品であることを保証します」などの文言が印刷されている。
【0003】
そして製品購入時において、当該保証書には、製品に予め付されている管理用のシリアルナンバー(製品番号やケース番号など)などが記入されることで、購入した製品が、当該ナンバーで製造元などに管理されている正規品であることを証明する、という具合である。
【0004】
もちろんブランド品に限らず、電化製品などを購入した際にも同様の保証書が製品に添付され、同様に正規の購入品であることの保証や、製品の品質が一定以上であり所定期間無償修理を受けることができる権利を保証したりしている。
【特許文献1】特開2003−216710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の保証書には以下のような課題がある。すなわち前述のように、保証書は購入した小売店においてシリアルナンバーが記入されることで真贋などの保証効果を生じさせている。しかし、通常シリアルナンバーは、数字やアルファベットなどが不連続に組み合わされた文字(数字)列であるため、その記入に手間がかかる、あるいは誤記入の可能性がある、という課題がある。また、そのために、製品販売数の多い家電小売店などでは、シリアルナンバーの記入を行わず、そのナンバーの記入は購入者に任せているのが現状である。
【0006】
また、購入者にとっては、その保証書が偽造されたものであっても購入時点でそれを確認することは難しい。そこで、保証書及び記入されているシリアルナンバーを製造元に問い合わせるなどして、その購入製品の真贋を確認することになるが、その際には、例えば保証書を郵送で送ったり、電話にて口頭で伝えたりする必要があり、その真贋の確認においてもやはり手間がかかってしまう、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明は、製造元から小売店舗までの流通段階において製品を管理するために製品に付されている管理用の電子タグ付値札を利用する。すなわち、電子タグ付値札において、電子タグを値札から容易に切離し可能に構成することで、ユニークな識別番号を保持している電子タグそのものを、またはその電子タグを保証書用台紙に貼り付けるだけで簡単に保証書として利用することができるよう構成する、という具合である。
【0008】
さらに具体的には、商品の値段を表示するための値段表示欄と、商品識別情報を表示する商品識別情報表示欄と、前記商品識別情報表示欄に示される商品識別情報を含むタグ情報を記録した電子タグを配置した電子タグ配置欄と、を有し、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を、値段表示欄から切離すための切離線が設けられた保証書用タグを提供する。
【0009】
また、このような保証書用タグを貼り付ける貼付領域を有する保証書用台紙も提供する。
【発明の効果】
【0010】
以上のような構成をとる本発明によって、小売店舗は商品購入時に値札から電子タグ部分を容易に切離し、例えば保証書用台紙に貼り付けることで、手間を掛けずに容易に正確な保証書を作成することができる。
【0011】
そして購入者は電子タグの識別情報をリーダーにて読み取り、端末から製品管理用のデータベースに問い合わせることで、手間を掛けずに容易にその真贋を確認することができる。また、アフターサービス時に保証書を持参すれば、店舗においてPOSデータベースと連携などさせることでその商品の販売情報を確認することが簡単にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0013】
なお、実施例1は、主に請求項1について説明する。また、実施例2は、主に請求項2について説明する。また、実施例3は、主に請求項3について説明する。また、実施例4は、主に請求項4について説明する。また、実施例5は、主に請求項5について説明する。
【0014】
≪実施例1≫
【0015】
<概要>
【0016】
図1は、本実施例の保証書用タグを利用した保証書作成の一例を表す概念図である。この図1(a)にあるように、ある店舗で販売されている指輪に、本実施例の保証書用タグである電子タグ付値札αが付けられている。そしてこの小売店舗では、例えば商品の棚卸時や販売時にこの電子タグが保持している識別情報を読み取ることで、商品の在庫管理や販売管理などを行っている。
【0017】
そして、さらにこの電子タグ付値札は、図1(b)に示すように、破線の部分で値札部分と電子タグ部分βとを切離すことができるよう構成されていることを特徴とする。したがって、この指輪が購入された際には、ユニークな識別情報を保持する電子タグ部分βを従来の保証書などに添付することで、製品番号などを保証書に逐一書き込むことなく、指輪の唯一性を保証する保証書を簡単に作成することができる、という具合である。
【0018】
<構成>
【0019】
図2は、本実施例の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、本実施例の「保証書用タグ」(0200)は、「値段表示欄」(0201)と、「商品識別情報表示欄」(0202)と、「電子タグ配置欄」(0203)と、「切離線」(0204)と、を有する。
【0020】
「値段表示欄」(0201)は、商品の値段を表示するために設けられた領域である。このように、本実施例の保証書用タグは商品の値段が表示される領域を有することから、商品の値札としての機能を有することを特徴とする。つまり、本実施例の保証書用タグは、保証書に利用される前においては、小売店舗で商品に付された値札として機能する、ということである。
【0021】
また図2に示すように、この値段表示欄には、「18K」「D1.02ct」などの貴金属や宝石のグレードを示す情報など、値段以外の商品に関する情報が表示されても構わない。また、商品販売後には、この値段表示欄のみが店舗に残されることになるので、「AV****」といった具合に商品の製造番号(ユニークな識別情報)がここにも表示され、商品販売後の管理に利用されても良い。
【0022】
また、この値段表示欄での値段の表示は、図3(a)に示すように紙などに印刷されることで表示される形態であっても良いし、図3(b)に示すような、デジタル表示装置によるデジタル表示される形態であっても良い。このように、値段表示欄や、保証書用タグのその他構成の材質はどのようなものであっても良い。具体的には、例えば紙や電子装置、あるいはプラスチックやポリエチレンなどが挙げられる。
【0023】
また、値段表示欄がデジタル表示装置である場合、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレイなど自発光型の表示装置を利用すると良い。また、そのデジタル表示装置には値段以外にも後述するシリアルナンバーなどの商品識別情報が表示されるよう構成しても良い。あるいは後述する電子タグ用のリーダーを電子タグにかざした際に発声する電流を利用して、値段が表示されるようにしても良い。また、その表示も顧客に応じて異なった額が表示されるよう構成しても良い。
【0024】
「商品識別情報表示欄」(0202)は、商品識別情報を表示するための領域である。「商品識別情報」とは、商品名や販売店舗名、製造工場名などの情報、あるいは商品の製造/製品番号、ケース番号などのシリアルナンバーなどが挙げられる。
【0025】
なお、この商品識別情報表示欄に表示されるべきシリアルナンバーなどの商品識別情報は後述する電子タグに保持されているため、商品識別情報表示欄は、次の電子タグ配置欄と一体となるよう構成されていても良い。
【0026】
「電子タグ配置欄」(0203)は、商品識別情報表示欄(0202)に示される商品識別情報を含むタグ情報を記録した電子タグが配置されている領域をいう。なお、この領域に配置される電子タグは、従来の電子タグが利用されて構わない。そして、この電子タグ配置欄に記録、保持されているシリアルナンバーなどの商品識別情報を利用して、保証書の唯一性を確保することできる、という具合である。
【0027】
また、この電子タグにはこのようにシリアルナンバーなどが含まれているため、小売店舗においては電子タグリーダと管理システムと組み合わせることで商品管理に利用することができる。つまり、本実施例の保証書用タグは、保証書に利用される前においては、従来の電子タグ付値札と同様、値札および商品管理用のタグとして機能する、ということである。
【0028】
しかし、従来の電子タグ付値札と本実施例の保証書用タグとは、以下の「切離線」の有無という大きな構成上の相違点を有する。
【0029】
「切離線」(0204)は、商品識別情報表示欄(0202)及び電子タグ配置欄(0203)を、値段表示欄(0201)から切離すための構成である。この切離線は、例えば図4(a)に示すように、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)との間に「ミシン目」を入れ、AとBとを切離しやすくした構成が挙げられる。また図4(b)に示すように、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)との間の厚さを一部薄くすることで、AとBとを切離しやすくした構成も挙げられる。
【0030】
また図4(c)にあるように、シール台紙の上に商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)とが貼載されており、台紙から商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を剥がすことで、AとBとが容易に切離すことができる構成も挙げられる。また値段表示欄(A)そのものがシール台紙となっている構成なども挙げられる。
【0031】
また、図4(d)にあるように、電流抵抗値が高く融点の低い材料で商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)とが繋げられている構成も挙げられる。このような構成であれば、所定時間電子タグリーダをかざし電流を一定量以上発生させることで、その材料が溶けて容易に切離すことができる、という具合である。
【0032】
そして本実施例の保証書用タグは、前述のように従来の電子タグ付値札と同様、値札および商品管理用のタグとして機能する。しかし、このように商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄(A)と、値段表示欄(B)とが容易に切離すことができるので、商品が販売された後の段階において、切離した商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を、例えば保証書に貼り付けるなどして保証書として利用することができる、という具合である。
【0033】
もちろん、切離された商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄そのものを保証書として利用しても良い。
【0034】
そして、このように商品識別情報を含む電子タグ欄が保証書として作成され、購入者に渡されることで、購入者は商品の真贋などを以下のようにして簡単に確認することができる。すなわち、商品の製造/販売元などが、当該正規商品のシリアルナンバーやPOS(販売時点情報管理システム)などを利用して収集した販売情報を格納したデータベースをサーバ上に格納しておく。そして、購入者は、電子タグリーダで読み取った商品識別情報を、PC(パーソナル・コンピュータ)等の端末から当該データベースに送信する。そしてデータベース内にてその商品識別情報が格納されているか検索し、正規商品であるか確認する、といった具合である。
【0035】
また、もう一方の切離された側である値段表示欄は、小売店舗にて保管され、商品販売情報の管理などに利用されると良い。また、そのために、値段表示欄には、商品管理用に商品識別情報などが印刷されていると良い。
【0036】
<効果の簡単な説明>
【0037】
以上のように本実施例の保証書用タグは、、保証書に利用される前においては、従来の電子タグ付値札と同様、値札および商品管理用のタグとして利用することができる。そして、その商品が販売されると、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄と、値段表示欄)とを容易に切離すことができるので、シリアルナンバーなどの商品識別情報が記録されている電子タグを利用して、保証書を簡単に作成することができる。
【0038】
また購入者は、電子タグの識別情報をリーダーにて読み取り、端末から製品管理用のデータベースに問い合わせることで、手間を掛けずに容易にその真贋を確認することができる。
【0039】
≪実施例2≫
【0040】
<概要>
【0041】
本実施例は、上記実施例を基本として、切離された商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄の裏面に接着剤などが塗布されていることを特徴とする。したがって、本実施例の保証書用タグは、切離した後、そのまま保証書用台紙に貼り付けることができる。
【0042】
<構成>
【0043】
図5は、本実施例の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図である。なお、図では省略しているが、本実施例の「保証書用タグ」は、上記実施例を基本として「値段表示欄」と、「商品識別情報表示欄」と、「電子タグ配置欄」と、「切離線」と、を有する。
【0044】
そして、その特徴点は、図5に示すように、商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄の裏面には、接着剤が設けられている点である。なお「接着剤」とは、必ずしも化学的な結合作用による接着剤には限られず、熱着テープのような力学的作用による接着剤など様々であって良い。
【0045】
また、図4(c)や(d)のように、シール台紙上に商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を貼載する構成とすれば、その裏面の接着剤を容易に利用することができる。
【0046】
<効果の簡単な説明>
【0047】
以上のように本実施例の保証書用タグはその裏面が接着剤となっているため、切離した後、そのまま保証書用台紙に貼り付けることができる。
【0048】
≪実施例3≫
【0049】
<概要>
【0050】
本実施例は、上記実施例を基本として、さらにその電子タグが透明シートなどに印刷された巻線コイルから成り、さらにその中央領域にはコイルが印刷されていないことを特徴とする保証書用タグである。
【0051】
このように電子タグが印刷巻線コイル型であるため、電子タグを薄く構成することができ、保証書などに貼り付けても保証書の厚さを増すことなく、違和感の無い保証書を提供することができる。
【0052】
また、電子タグの中央領域が透けているため、保証書に貼り付けても、その中央領域の下にある保証書に記載された内容を視認することができる。
【0053】
<構成>
【0054】
図6は、本実施例の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図である。なお、図では省略しているが、本実施例の「保証書用タグ」は、上記実施例を基本として「値段表示欄」と、「商品識別情報表示欄」と、「電子タグ配置欄」と、「切離線」と、を有する。また、その「商品識別情報表示欄」及び「電子タグ配置欄」の裏面は、接着剤が設けられていても良い。
【0055】
そして、その特徴点は、図6に示すように、第一にその「電子タグ」(0603)が、印刷巻線コイル(0603a)型である点である。このように、電子タグが印刷巻線コイルで構成されているため、電子タグを非常に薄い構造とすることができる。
【0056】
また、この「電子タグ」(0603)は、巻線中央領域(0603c)にはコイルが配線されず、巻線コイルは透明のベース(0603b)上に配置されていることを第二の特徴とする。
【0057】
このような構成によって、コイル中央領域は透けて見えるので、その中央領域の下にある保証書に記載された内容を視認することができる。
【0058】
なお、電子タグの巻線コイルの印刷形状は様々であって良い。例えば、図7(a)に示すように、長方形あるいは正方形状に巻線コイルが印刷される電子タグであっても良いし、図7(b)に示すように円状に巻線コイルが印刷されるなどの電子タグや、図7(c)に示すようなハート型なども挙げられる。
【0059】
<効果の簡単な説明>
【0060】
以上のように本実施例の保証書用タグによって、電子タグが印刷巻線コイル型であるため電子タグを薄く構成することができ、保証書などに貼り付けても保証書の厚さを増すことなく、違和感の無い保証書を提供することができる。
【0061】
また、電子タグの中央領域が透けているため、保証書に貼り付けても、その中央領域の下にある保証書に記載された内容を視認することができる。
【0062】
≪実施例4≫
【0063】
<概要>
【0064】
本実施例では、上記実施例にて説明した保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄を添付することが可能な保証書用台紙について説明する。
【0065】
<構成>
【0066】
図8は、本実施例の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、本実施例の「保証書用台紙」(0800)は、「貼付領域」(0801)を有する。
【0067】
「貼付領域」(0801)は、上記実施例のいずれか一に記載の保証書用タグを貼り付ける領域をいう。この貼付領域は、接着剤が塗布され、保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄が簡単に貼る付けられるよう構成しても良い。また、実施例2で記載したように、商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄の裏面に接着剤層が設けられていれば、貼付領域側に接着剤が塗布されていなくても良い。
【0068】
また、この貼付領域は、図8に示すように台紙上に破線で示されるなどすると良い。このように貼付領域の範囲を明確にしておけば、、商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄の貼付場所を間違えることが無い。
【0069】
図9は、この保証書用台紙上の貼付領域に、保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄αを貼り付けた際の外観の一例を表す概略図である。この図にあるように、保証書上に商品識別情報が表示され、また当該識別情報が記録された電子コイルが添付されることになる。
【0070】
このように、購入者に対して商品識別情報が確認可能な保証書を、従来のような手間をかけずに簡単に提供することができる。
【0071】
<効果の簡単な説明>
【0072】
以上のように、本実施例の保証書用台紙、および上記実施例の保証書用タグを利用して、購入者に対して商品識別情報が確認可能な保証書を、従来のような手間をかけずに簡単に提供することができる。
【0073】
≪実施例5≫
【0074】
<概要>
【0075】
本実施例の保証書用台紙は、上記実施例4を基本として、さらにその貼付領域内にマークが表示されることを特徴とする。そして、例えばこのマークをホログラムなどの偽造防止用マークとして印刷しておけば、その保証書用台紙自体が正規であることを容易に証明することができる。
【0076】
また、実施例3で説明したようにそのマークを含む貼付領域の上に貼り付けられる電子タグの中央領域が透明であって、その領域からこのマークが透けて見えるよう構成すれば、購入者に渡す保証書にもそのマークを表示させることができることを特徴とする。
【0077】
<構成>
【0078】
図10は、本実施例の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、本実施例の「保証書用台紙」(1000)は、上記実施例4を基本として「貼付領域」(1001)を有する。
【0079】
そして、本実施例の特徴点は、貼付領域(1001)の一部に「マーク」(1002)が表示され、かつ、そのマークは、上記実施例3に記載の保証書用タグを貼り付けた場合には、コイル中央領域から視認できるように配置されている点である。
【0080】
「マーク」とは、例えば前述のように正規の保証書用台紙であることを示すためのホログラム、あるいはその他にもブランドロゴや製造者のサイン等が挙げられる。
【0081】
図11は、この保証書用台紙上の貼付領域に、実施例3の保証書用タグから切離された商品識別情報表示欄及び電子コイル配置欄を貼り付けた際の外観の一例を表す概略図である。この図にあるように、電子コイルの透明な中央領域において、下の「マーク」βが透けて見えている、という具合である。
【0082】
このように、購入者に渡す保証書にも貼り付けられた電子タグのコイルで隠されること無くそのマークを表示させることができる。また、コイルが印刷されている透明シートによってそのマークがカバーされることになるので、例えば大切なブランドマークなどが保護される効果も奏する。
【0083】
また図12に示すように、例えば台紙上の貼付領域に「矢」のマークが表示され、そこにハート型の電子タグが貼り付けられれば、矢に射抜かれたハートと言う新たなデザインのマークが保証書用台紙に表示されることになる。このように電子タグそのものや透明シートに描かれる図案と、貼付領域のマークとが、両者の貼り合せによって一体となり新たなマークが表示されるよう構成しても良い。
【0084】
また、電子タグの透明領域にホログラム用の画像を平面で印刷しておき、かつ台紙の貼付領域にホログラム用の凹凸を設けることで、透明領域のホログラムが台紙に貼り付けられた場合にのみホログラム画像として機能する、といった構成であっても良い。
【0085】
<効果の簡単な説明>
【0086】
以上のように本実施例の保証書用台紙、および上記実施例3の保証書用タグを利用して、電子コイルを保証書用台紙に貼り付けた場合でも、例えば偽造防止用のホログラムやブランドロゴなどのマークを隠すことなく表示させることができる。あるいは、電子コイルの透明ベースによるマークのカバーや、マークと電子コイルなどとを組み合わせることによる新規図案の表示と言ったデザイン上の効果を奏することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1の保証書用タグを利用した保証書作成の一例を表す概念図
【図2】実施例1の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図
【図3】実施例1の保証書用タグの値段表示欄での値段の表示の一例を表す概略図
【図4】実施例1の保証書用タグにおける切離線の一例を説明するための概略図
【図5】実施例2の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図
【図6】実施例3の保証書用タグにおける構成の一例を表す概略図
【図7】実施例3の保証書用タグにおける電子タグの形状の一例を表す概略図
【図8】実施例4の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図
【図9】実施例4の保証書用台紙に、切離された実施例3の保証書用タグを貼り付けた際の外観の一例を表す概略図
【図10】実施例5の保証書用台紙における構成の一例を表す概略図
【図11】実施例5の保証書用台紙に、切離された実施例3の保証書用タグを貼り付けた際の外観の一例を表す概略図
【図12】実施例5の保証書用台紙に、切離された実施例3の保証書用タグを貼り付けた際の外観の、別の一例を表す概略図
【符号の説明】
【0088】
0200 保証書用タグ
0201 値段表示欄
0202 商品識別情報表示欄
0203 電子タグ配置欄
0204 切離線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の値段を表示するための値段表示欄と、
商品識別情報を表示する商品識別情報表示欄と、
前記商品識別情報表示欄に示される商品識別情報を含むタグ情報を記録した電子タグを配置した電子タグ配置欄と、を有し、
商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を、値段表示欄から切離すための切離線が設けられた保証書用タグ。
【請求項2】
商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄の裏面には、接着剤が設けられている請求項1に記載の保証書用タグ。
【請求項3】
電子タグは、印刷巻線コイル型であり、巻線中央領域には配線されず、巻線コイルは透明のベース上に配置され、コイル中央領域は透けて見えるように構成されている請求項1又は2に記載の保証書用タグ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の保証書用タグを貼り付ける貼付領域を有する保証書用台紙。
【請求項5】
貼付領域の一部にマークが表示され、かつ、そのマークは、請求項3に記載の保証書用タグを貼り付けた場合には、コイル中央領域から視認できるように配置された請求項4に記載の保証書用台紙。
【請求項1】
商品の値段を表示するための値段表示欄と、
商品識別情報を表示する商品識別情報表示欄と、
前記商品識別情報表示欄に示される商品識別情報を含むタグ情報を記録した電子タグを配置した電子タグ配置欄と、を有し、
商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄を、値段表示欄から切離すための切離線が設けられた保証書用タグ。
【請求項2】
商品識別情報表示欄及び電子タグ配置欄の裏面には、接着剤が設けられている請求項1に記載の保証書用タグ。
【請求項3】
電子タグは、印刷巻線コイル型であり、巻線中央領域には配線されず、巻線コイルは透明のベース上に配置され、コイル中央領域は透けて見えるように構成されている請求項1又は2に記載の保証書用タグ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の保証書用タグを貼り付ける貼付領域を有する保証書用台紙。
【請求項5】
貼付領域の一部にマークが表示され、かつ、そのマークは、請求項3に記載の保証書用タグを貼り付けた場合には、コイル中央領域から視認できるように配置された請求項4に記載の保証書用台紙。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−25628(P2009−25628A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189636(P2007−189636)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(507245939)株式会社クリードシステムズ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(507245939)株式会社クリードシステムズ (1)
【Fターム(参考)】
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