説明

保護ケースの防水構造

【課題】 保護ケースを構成する部材を繰り返し取外しても、長期にわたり高い防水性を維持することが可能な保護ケースの防水構造を提供する。
【解決手段】 レドームベース20の周方向に延びる締結部21に環状のパッキン50を固定し、パッキン50に形成され周方向に延びる第一の接触部51をレドーム本体10の内周面14bに接触させるとともに、パッキン50に形成され周方向に延びる第二の接触部52をレドーム本体10のフランジ部13の締結面13bに接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋外に設置される通信機器類を雨水などから保護する保護ケースに関し、とくに保護ケース部材の接合部の防水性を高めた保護ケースの防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、インマルサット静止衛星を経由してインターネットなどの衛星通信サービスは船舶でも行われるようになっている。インマルサット静止衛星から電波を受けるためには、アンテナが必要であり、船舶のマストにはアンテナを収納するためのレドームが取付けられている。大型のアンテナを収納するレドームの場合は、レドーム本体にアンテナ点検用の点検扉を設けることができ、アンテナの定期点検は点検扉を開けて行うようにしている。レドームは屋外に配置されることから内部への雨水の浸入を防止するため、レドーム本体とレドームベースとの接合部にはパッキンが用いられている。従来から、パッキンを用いて接合部の防水性を高めるようにした筐体の構造は知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−288473号公報
【特許文献2】特開平10−22658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、小型のアンテナを収納するレドームの場合は、レドーム本体にアンテナ点検用の点検扉を設けるスペースを確保することができないため、点検の際はレドームベースからレドーム本体を取外す必要が生じる。そのため、点検用の扉を有しない場合は、点検のたびにレドーム本体の取り外しを繰り返すことになり、接合部の防水性能が低下するおそれがある。このような問題は、アンテナを保護するレドームに限られず、屋外に設置される通信機器類を雨水から保護する保護ケース(筐体)についても存在する。
【0005】
そこでこの発明は、保護ケースを構成する部材を繰り返し取外しても、長期にわたり高い防水性を維持することが可能な保護ケースの防水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、筒状端部の内周面側に半径方向内方に膨出するフランジ部を有する第一の保護ケース部材と、前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向し前記フランジ部と締結される周方向に延びる締結部を有する第二の保護ケース部材とを備えた保護ケースの防水構造であって、前記第一の保護ケース部材の前記内周面側または前記第二の保護ケース部材の前記締結部側のいずれかに周方向に延びる環状のパッキンを固定し、前記パッキンに形成され周方向に延びる第一の接触部を、前記第一の保護ケース部材の前記内周面または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向する外周面のいずれかに接触させるとともに、前記パッキンに形成され周方向に延びる第二の接触部を、前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記フランジ部と対向する締結面のいずれかに接触させたことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、第一の保護ケース部材と第二の保護ケース部材との間は、周方向に延びる環状のパッキンに形成された第一の接触部と第二の接触部との2箇所でシールされ、防水性能が向上する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、筒状端部の内周面側に半径方向内方に膨出するフランジ部を有する第一の保護ケース部材と、前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向し前記フランジ部と締結される周方向に延びる締結部を有する第二の保護ケース部材とを備えた保護ケースに設けられる環状のパッキンであって、前記第一の保護ケース部材の内周面側または前記第二の保護ケース部材の前記締結部側のいずれかに固定可能な固定部と、前記第一の保護ケース部材の前記内周面または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向する外周面のいずれかに接触可能な周方向に延びる第一の接触部と、前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記フランジ部と対向する締結面のいずれかに接触可能な周方向に延びる第二の接触部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の保護ケースの防水構造において、ナットを前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部側に保持させ、ボルトが挿通可能な前記第二の保護ケース部材のボルト穴の一部に前記ボルトと螺合可能な雌ネジ部を形成し、前記ボルトの頭部側に前記第二の保護ケース部材の外面と接触可能なシールワッシャを配置するとともに、前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部の締結用穴に前記第二の保護ケース部材の前記フランジ部と対向する前記締結部の締結面および前記ナットとのいずれにも接触可能で前記ボルトが挿入可能な筒状パッキンを配置し、前記ボルトを前記第二の保護ケース部材のボルト穴と前記第一の保護ケース部材の前記締結用穴と前記筒状パッキンに挿入し、前記ボルトを前記ナットに螺合させることにより前記筒状パッキンを前記締結部の締結面と前記ナットにより軸方向から挟持したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および2に記載の発明によれば、第一の保護ケース部材と第二の保護ケース部材との間は、パッキンに形成された第一の接触部と第二の接触部とにより2箇所でシールされることになるので、第二の保護ケース部材に対する第一の保護ケース部材の取外しを繰り返し行っても、保護ケース内への雨水などの浸入を確実に防止することができ、長期間にわたり高い防水性を得ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ボルトとナットを螺合させることにより、ボルトの頭部側に配置されるシールワッシャを第二の保護ケース部材の外面と密着させることができるとともに、筒状パッキンが第二の保護ケース部材とナットとにより軸方向から挟持される。このように、ボルトとナットによる締結部も2箇所でシールされることになり、雨水などが締結部を介して保護ケース内へ浸入しにくくなり、長期間にわたり高い防水性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係わる保護ケースの防水構造の一部を示す断面図であって、図6におけるB部の拡大断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる保護ケースの防水構造の一部を示す断面図であって、図5におけるE−E線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1における第二の保護ケース部材の部分断面図である。
【図4】図1におけるナットの断面図である。
【図5】図1における組立状態の保護ケースの底面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わる保護ケースの防水構造の一部を示す断面図であって、図5におけるA−A線に沿う断面図ある。
【図7】図6の組立状態の保護ケースの全体斜視図である。
【図8】図6の組立状態の保護ケースの分解斜視図である。
【図9】図1における環状のパッキンの全体を示す正面図である。
【図10】図9のパッキンにおけるC部の拡大断面図である。
【図11】図10のパッキンの変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0014】
図1ないし図10は、この発明の実施の形態を示している。図6および図7に示すように、保護ケースとしてのレドーム1は、船舶のマスト60に取付け可能な構造となっている。レドーム1内には、インマルサット静止衛星から電波を受けるためのアンテナ2と、アンテナ2を保持するアンテナフランジ3が収納されている。アンテナ2によって受信された信号は、図示しないケーブルを介して出力される。
【0015】
レドーム1は、第一の保護ケース部材としてのレドーム本体10と、第二の保護ケース部材としてのレドームベース20を有している。レドーム本体10は、FRP成形にて所定の形状に形成されている。レドーム本体10は、先端部10a側が半球状に形成されており、後端部10bが筒状に形成されている。
【0016】
レドーム本体10における内面12側には、半径方向内方に膨出するフランジ部13が形成されている。フランジ部13は、後述するレドーム本体10の筒状端部14の近傍に位置しており、内面12に沿って周方向に延びている。フランジ部13には、レドームベース20との締結を行うための締結用穴15が複数形成されている。締結用穴15は、フランジ部13の周方向に所定の間隔をもって形成されている。フランジ部13は、レドーム本体10の内面12に対してほぼ直角をもって半径方向内方に延びており、先端部10aと対向するフランジ内面13aは後述するナット30が接触可能となっている。レドーム本体10の開口側と対向するフランジ部13のフランジ外面13bは、レドームベース20の締結部21と接触可能となっている。
【0017】
レドーム本体10の筒状端部14は、フランジ部13とほぼ同様の肉厚を有しており、端面14aがレドームベース20の締結部21の外面21dとほぼ同じ位置に位置している。筒状端部14の内周面14bは、フランジ部13のフランジ外面13bとほぼ直角をなしている。フランジ外面13bおよび内周面14bは、シール面を構成しており、他の部分よりも表面が滑らかに形成されている。フランジ外面13bと内周面14bには、図10に示すパッキン50が接触可能となっている。図1に示すように、内周面14bにはパッキン50の第一の接触部51が接触可能となっており、フランジ外面13bにはパッキン50の第二の接触部52が接触可能となっている。
【0018】
レドームベース20は、図6に示すように滑らかにレドーム本体10側に湾曲した円盤状に形成されている。レドームベース20は、FRP成形にて所定の形状に形成されており、全外面20aの寸法および表面粗さが高い精度で仕上げられている。レドームベース20の外周部には、レドーム本体10との締結のための締結部21が形成されている。締結部21は、レドームベース20における薄板状のベース部22aと一体化されている。薄板状のベース部22aは、放射状に配置される複数のリブ22bによって補強されている。図6に示すように、アンテナフランジ3とレドームベース20の特定のリブ22bとマスト60の締結フランジ部60aには、ボルト25が挿通されており、ボルト25の先端部にはナット26が螺合されている。これにより、アンテナフランジ3は、レドームベース20と一体化した状態でマスト60に固定されている。図8に示すように、レドームベース20には、レドーム本体10に形成された位置決め穴17に嵌合可能な位置決めピン27が設けられている。
【0019】
図3に示すように、レドームベース20の外周部に位置する締結部21には、レドーム本体10のフランジ部13が接触可能な締結面21aが形成されている。締結部21の締結面21aと反対側は、ボルト40の頭部40c側に設けられるシールワッシャ41が接触可能な締結部外面21bに形成されている。シールワッシャ41は、ボルト40の締付けによって締結部外面21bに密着し、ボルト穴23への雨水などの浸入を防止する機能を有する。締結部21における外周面21e側には、パッキン50を固定するための2つの固定溝21c、21dが形成されている。一方の固定溝21cは、締結面21a側に形成されており、締結部21の全周にわたって延びている。他方の固定溝21dは、締結部外面21b側に形成されており、同様に締結部21の全周にわたって延びている。一方の固定溝21cは、図10に示すパッキン50の上側固定部53が嵌合する溝であり、他方の固定溝21dはパッキン50の下側固定部54が嵌合する溝である。パッキン50は、上側固定部53および下固定部54が各固定溝21c、21dに嵌合することにより、締結部21に確実に固定されるようになっている。
【0020】
締結部21には、締結面21aと締結部外面21bを貫通するボルト穴23が形成されている。ボルト穴23の内周面における締結部外面21b側には、ボルト40の先端部に位置する雄ネジ40aと螺合可能な落下防止用ネジ(雌ネジ)23bが形成されている。ボルト穴23の内周面には、雌ネジ23bを境として内周面23aが形成されている。内周面23aは、締結面21a側に位置している。内周面23aは、ボルト40の雄ネジ40aの径よりも若干大に形成されている。
【0021】
図4は、ナット30の詳細を示している。ナット30は、外面頂部に保持溝30aが形成されている。図2に示すように、保持溝30aにはハット状の留金具32が嵌め込まれている。留金具32の両端部は、ボルト33によってレドーム本体10のフランジ部13に固定されている。そして、留金具32を介してナット30をレドーム本体10に固定した状態では、ナット30が微動可能な状態となり、複数のナット30とボルト40との位置合わせ(調整)を容易に行えるようになっている。ナット30の軸部30bには、筒状のパッキン31が装着可能となっている。筒状パッキン31は、シリコンゴムから構成されており、一端部に半径方向外方に膨出する鍔部31aが形成されている。ナット30には、筒状パッキン31の鍔部31aを収納する溝30cが形成されている。ナット30には、ボルト40の雄ネジ40aが螺合可能な雌ネジ30eが形成されている。
【0022】
図1に示すように、筒状パッキン31は、鍔部31aを除く部位がレドーム本体10のフランジ部13に形成された締結用穴15に挿入可能となっている。筒状パッキン31がナット30に装着された状態では、鍔部31aの反対側に位置する筒状パッキン31の先端面は、ナット30の端面30dよりも若干外方に突出している。筒状パッキン31は、ナット30の端面30dから突出する部位がレドームベース20の締結面21aに当接可能なように軸方向の長さが設定されている。これにより、ナット30とボルト40とを螺合させ、ナット30とボルト40によってレドーム本体10とレドームベース20を締結した状態では、筒状パッキン31の軸方向の端面は、それぞれレドームベース20とナット30とに密着するようになっている。
【0023】
図9および図10は、レドーム本体10とレドームベース20との締結部をシールするパッキン50を示している。パッキン50はシリコンゴムから構成されており、半径方向に伸縮可能となっている。パッキン50は、断面形状が略コ字形に形成されており、端部に上側固定部53および下固定部54を有している。また、パッキン50は、シール機能を発揮する第一の接触部51と第二の接触部52を有している。この実施の形態においては、パッキン50は3つの第一の接触部51と2つの第二の接触部52を有している。第一の接触部51は、パッキン50の外周面50aに形成されており、レドーム1の軸方向に所定の間隔をもって配置されている。各第一の接触部51は、外周面50aから半径方向外方に突出しており、レドーム本体10の筒状端部14との接触により、図10の矢印方向に弾性変形可能となっている。第二の接触部52は、パッキン50の上面50bに形成されており、レドーム1の半径方向に所定の間隔をもって配置されている。各第一の接触部51は、上面50bからに突出しており、レドーム本体10のフランジ部13との接触によって弾性変形可能となっている。
【0024】
つぎに、レドームベース20に対するレドーム本体10の取付けおよび取外しの作業手順と作用について説明する。
【0025】
この実施の形態におけるレドーム本体10には、アンテナ2を点検するための開閉可能な点検蓋が設けられていないので、アンテナ2の点検の際は、ナット30と螺合しているボルト40を緩め、レドームベース20からドーム本体10を取外すことが必要となる。レドームベース20からレドーム本体10を取外す際は、ボルト40の雄ネジ40aがナット30の雌ネジ30eから完全に抜け出るまでボルト40を軸心回りに回転させる。レドーム1の軸心は上下方向を向いているので、ボルト40の雄ネジ40aがナット30の雌ネジ30eから完全に抜け出た際は、ボルト40が自重により落下することになるが、雄ネジ40aの下方には落下防止用ネジ23bが形成されているので、雄ネジ40aが落下防止用ネジ23bに当接し、ボルト40の抜け落ちを防止することができる。
【0026】
この実施の形態においては、レドーム1は、船舶のマスト60の先端部に取付けられているので、アンテナ2の点検は高所作業となるが、ボルト40の抜け落ちを防止することで、ボルト40の紛失防止やボルト落下防止による安全性を確保することができる。また、ボルト40をボルト穴23から完全に抜取るには、さらにボルト40を軸心まわりに回転させ、雄ネジ40aと落下防止用ネジ23bとの螺合を解除すればよい。
【0027】
つぎに、すべてのボルト40についてナット30との螺合を解除した状態で、レドームベース20に対してレドーム本体10を軸方向に引抜くことにより、レドーム本体10をレドームベース20から取外すことができる。ここで、ナット30は留金具32を介してレドーム本体10に固定されているので、レドーム本体10の取外しに伴ってナット30がレドーム本体10から離脱するのを防止することができる。また、筒状パッキン31の鍔部31aは、レドーム本体10のフランジ部13とナット30によって挟持されているので、筒状パッキン31もレドーム本体10とともに取外される。
【0028】
アンテナ2の点検が完了すると、レドーム本体10はレドームベース20に再び取付けられる。レドーム本体10をレドームベース20に取付ける際には、環状のパッキン50の第一の接触部51にレドーム本体10の筒状端部14が当接し、第一の接触部51は図1に示すように弾性変形した状態で筒状端部14の内周面14bに接触する。また、環状のパッキン50の第二の接触部52は、レドーム本体10のフランジ部13のフランジ外面13bに当接し、図1に示すように第二の接触部52は平坦状に弾性変形した状態でフランジ外面13bに接触する。この状態で、ボルト40を軸心回りに回転させ、ボルト40の雄ネジ40aをナット30の雌ネジ30eに螺合させる。
【0029】
ボルト40をナット30の雌ネジ30eに完全に螺合させた状態では、ボルト40の頭部側に位置するシールワッシャ41が締結部外面21bに密着し、ボルト40とレドームベース20との隙間がシールされる。この状態では、筒状パッキン31の軸方向の端部がレドームベース20の締結面21aとナット30の溝30cに密着する。したがって、例えばシールワッシャ41と締結部外面21bとの隙間を介してボルト穴23に水が浸入したとしても、筒状パッキン31のシール効果によってレドーム1内に水が浸入するのを確実に防止できる。
【0030】
このように、この実施の形態においては、レドーム本体10に点検口が設けられていないので、アンテナ2の点検の際にはレドームベース20からレドーム本体10を取外すことが必要となるが、ボルト40が位置する部位には筒状パッキン31を配置し、パッキン50には第一の接触部51と第二の接触部52という2つのシール部を設けているので、繰り返しレドーム本体10を取外しても、高い防水効果を長期間にわたって維持することが可能となり、レドーム1内への水の浸入を確実に防止することができる。
【0031】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、レドームベース20に固定されるパッキン50の第一の接触部51に代えて、図11に示す湾曲接触部55を形成し、湾曲接触部55の自由端55aを筒状端部14の内周面14bに接触させる構成としてもよい。また、この発明の保護ケースは、レドーム1に限定されるものではなく、アンテナ2以外の通信機器類を保護する筐体も含む概念であり、アンテナ以外の種々の分野で適用することができる。さらに、この実施の形態においては、パッキン50をレドームベース20に固定する場合を説明したが、パッキン50をレドーム本体10に固定し、第一の接触部51と第二の接触部52をレドームベース20側と接触させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 レドーム(保護ケース)
2 アンテナ
3 アンテナフランジ
10 レドーム本体(第一の保護ケース部材)
14 筒状端部
14b 内周面
15 締結用穴
20 レドームベース(第二の保護ケース部材)
21 締結部
21a 締結面
23 ボルト穴
30 ナット
31 筒状パッキン
40 ボルト
41 シールワッシャ
50 環状のパッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状端部の内周面側に半径方向内方に膨出するフランジ部を有する第一の保護ケース部材と、前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向し前記フランジ部と締結される周方向に延びる締結部を有する第二の保護ケース部材とを備えた保護ケースの防水構造であって、
前記第一の保護ケース部材の前記内周面側または前記第二の保護ケース部材の前記締結部側のいずれかに周方向に延びる環状のパッキンを固定し、前記パッキンに形成され周方向に延びる第一の接触部を、前記第一の保護ケース部材の前記内周面または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向する外周面のいずれかに接触させるとともに、前記パッキンに形成され周方向に延びる第二の接触部を、前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記フランジ部と対向する締結面のいずれかに接触させたことを特徴とする保護ケースの防水構造。
【請求項2】
筒状端部の内周面側に半径方向内方に膨出するフランジ部を有する第一の保護ケース部材と、前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向し前記フランジ部と締結される周方向に延びる締結部を有する第二の保護ケース部材とを備えた保護ケースに設けられる環状のパッキンであって、
前記第一の保護ケース部材の内周面側または前記第二の保護ケース部材の前記締結部側のいずれかに固定可能な固定部と、
前記第一の保護ケース部材の前記内周面または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記第一の保護ケース部材の前記内周面と対向する外周面のいずれかに接触可能な周方向に延びる第一の接触部と、
前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部または前記第二の保護ケース部材の前記締結部における前記フランジ部と対向する締結面のいずれかに接触可能な周方向に延びる第二の接触部と、
を備えたことを特徴とするパッキン。
【請求項3】
ナットを前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部側に保持させ、ボルトが挿通可能な前記第二の保護ケース部材にボルト穴を備え、前記ボルトの頭部側に前記第二の保護ケース部材の外面と接触可能なシールワッシャを配置するとともに、前記第一の保護ケース部材の前記フランジ部の締結用穴に前記第二の保護ケース部材の前記フランジ部と対向する前記締結部の締結面および前記ナットとのいずれにも接触可能で前記ボルトが挿入可能な筒状パッキンを配置し、前記ボルトを前記第二の保護ケース部材のボルト穴と前記第一の保護ケース部材の前記締結用穴と前記筒状パッキンに挿入し、前記ボルトを前記ナットに螺合させることにより前記筒状パッキンを前記締結部の締結面と前記ナットにより軸方向から挟持したことを特徴とする、請求項1に記載の保護ケースの防水構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−278736(P2010−278736A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128942(P2009−128942)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】