説明

保護用ヘッドギア装置、支持用ヘッドギア装置およびレンズ

【課題】保護用のレンズおよび折り返しの付属物を含む特有のシールドを有する改良されたヘルメットまたはヘッドギア構造を含む、呼吸マスク装置。
【解決手段】保護用レンズ401は、(PAPR)呼吸マスクを有するレンズとして使用されるために設計された、薄い透明な樹脂のシートである。折り返し450は、着用者の周囲の顔面密封具を形成するために設計された、取り付けられた布または類似の材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
1.発明の分野
本発明は、概して、個人用の環境保護装置に向けられる。より特定的には、ろ過された空気の制御と粒状物質からの保護とが必要とされる環境下において個人に着用されるヘッドギア構造に向けられる。
【背景技術】
【0002】
2.先行技術
当該技術分野で知られている空気流装置、ろ過装置および保護装置には種々の型式がある。種々の型式のそのような装置は現在、手術室、「クリーンルーム」環境、または危険な/汚染された環境で使用されるために、市場で入手可能である。
【0003】
既存の装置には、フード、ガウン、フィルタなどを含むものがある。場合によっては、空気フィルタはヘルメット構造に作り付けにされ、かなり扱いにくく厄介なヘッドギアユニットを形成する。公知のユニットは、チューブ、ホースなどによりヘルメット構造に連結される、ガスボンベ、送気管などのような外部の空気源を含むことが多い。ホースの連結された装置と、長いガウンまたはフードとは、極めて邪魔な上に、ある処置中の着用者の動きおよび柔軟性を制限する傾向がある。
【0004】
現在入手可能なレンズと顔面密封具との組合せは、時にはルーズフィッティングフード(loose fitting hood)として知られているが、製造するのに費用がかかる。着用者の顔面/頭部に対する密封具に垂直な平面において湾曲するレンズに顔面密封具を取り付けるために必要とされる、幾何形状のためである。
【0005】
当該技術分野で知られている多くの装置において、頻繁に取り替えられなければならないろ過装置として、フードおよび/またはガウンが使用される。それゆえに、この構造は、使い捨て式のろ過装置が非常に高価であるから、費用がかかるものになる傾向がある。
【0006】
さらに、これらの装置は、特に装置の使い捨て式の部分に関して、相当に高価になる傾向がある。
【0007】
多くのそのような製品が先行技術において知られている。一つの好適なかつ機能的な装置は、R.O.ベア(Bare)らによる米国特許第5,054,480号明細書「個人用空気ろ過装置および制御装置(PERSONAL AIR FILTRATION AND CONTROL SYSTEM)」に記載されている。
【0008】
他のそのような装置は、L.J.グリーン(Green)らによる米国特許第5,711,033号明細書「ヘッドギアを含む空気ろ過装置および制御装置(AIR FILTRATION AND CONTROL SYSTEM INCLUDING HEADGEAR)」、ローレンス・ジェイ・グリーンらによる米国特許第6,918,141号明細書「保護用ヘッドギア装置(PROTECTIVE HEADGEAR SYSTEM)」に記載されている。
【0009】
その他の関連する先行する開示は、2006年5月30日に出願された同時係属中の出願である、L.J.グリーン(Green)による出願番号第11/442,402号の「フィルタ保護具を有する保護用ヘッドギア装置(PROTECTIVE HEADGEAR SYSTEM WITH FILTER
PROTECTION)」に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,054,480号明細書
【特許文献2】米国特許第5,711,033号明細書
【特許文献3】米国特許第6,918,141号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の概要
本発明は、外科手術処置中の外科医、組み立て工程中の技術者、有毒な廃棄物の取り扱い中の作業者などによって着用される、保護用ヘッドギア装置に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ある型式の呼吸マスクを使用するとき、保護レンズおよび顔面密封具が必要とされる。本装置は、適切な(PAPR)呼吸マスクとともに使用される、安価な使い捨て式レンズと顔面密封具との組合せを含むシールドを提供する。本装置は、比較的軽量で、非常に堅い、支持用ヘッドギア構造を含む。
【0013】
組み立てられた構造を着用者の頭上で支持するために、調節可能な頭部バンドがヘッドギア構造に取り付けられる。外側の、比較的軽量で、非常に堅いフィルタ保護具が設けられてもよい。
【0014】
本装置はまた、容易にかつぴったりとヘッドギア構造に取り付けられかつヘッドギア構造によって支持されて、ヘッドギア構造の外表面を大きく覆うように適応された、一つ以上の取り外し可能で使い捨て式のフィルタを含む。
【0015】
折り返し(cuff)または顔面密封具と可撓性のレンズとを含む透明な顔面シールドは、着用者が無菌で汚染されていない状態を維持する目的で着用者の顔面を覆うために、ヘッドギア構造に容易に取り付けられるように適応される。
【0016】
本装置は、レンズが呼吸マスクの前面の周りで曲げられ折り返しが着用者の顔面に並列に引っ張られるときシールドが着用者の顔面および頭部を保護できるように、レンズに対し平らに取り付けられる、独特の形状を有する密封具または折り返しを使用する。
【0017】
特に、着用者の頭部を囲み着用者の頭部周りに密閉された空間を設ける目的で、可撓性のある封じ込め折り返しが、レンズの下側縁に取り付けられる。シールド(レンズおよび折り返し)は、製造技術を容易にし、それにより製造コストを低減し、それによりこの顔面シールドを使い捨て品にできる、平坦で層状の装置として製造されてもよい。
【0018】
ヘッドギア構造に空気流を提供するために、ファン機構がヘルメット装置に組み入れられてもよい。必要に応じて選択的にファンに電力を供給するために、適切な電源が使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ヘルメット装置であって、それに装着されたレンズおよび折り返しの付属物を有する、ヘルメット装置の分解図である。
【図2】着用者の頭部の模式的な表示に装着された、図1に示す装置の背面図である。
【図3】模式的な頭部のない、図1および図2に示す装置の斜視図である。
【図3A】図3に示す装置の一部の拡大図である。
【図4】着用者の頭部の模式的な表示に装着された、装置の前面図である。
【図5】着用者の頭部に合うような形状とされた、図4に示すレンズおよび折り返しの付属物の、曲線をなす背面図である。
【図6】着用者の表示のない、図5に示すレンズおよび折り返しの付属物の、曲線をなす斜視図である。
【図7A】レンズおよび折り返しの付属物のみの、別の実施の形態に係る前面図である。
【図7B】レンズおよび折り返しの付属物のみの、別の実施の形態に係る前面図である。
【図7C】レンズおよび折り返しの付属物のみの、別の実施の形態に係る前面図である。
【図8A】弾性的な折り返しを有する、レンズおよび折り返しの付属物に係る他の実施の形態の図である。
【図8B】折り返しおよびレンズの付属物と保護用フードとの組合せを表示する図である。
【図9】一体化された支持構造を有する、折り返しおよびレンズの付属物に係る他の実施の形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好ましい実施の形態の説明
本発明の好ましい実施の形態に係る異なる図を示す図1〜図3Aが、同時に参照される。
【0021】
明確に、図1では、本発明に係るヘルメットと顔面シールドとの組立品10の一実施の形態の分解図が示される。ヘルメット組立品10は、ヘルメットシェル600と、ライナー100と、外側フィルタプロテクタ500と、フィルタカバー支持部300と、頭部バンド組立品175と、レンズ401および折り返し(または密封部)450を備える顔面シールド400と、を含む。
【0022】
頭部バンド175は、着用者590の頭部上にヘルメット10を据え付けるために使用される。頭部バンド175は、従来のものであって、かつ随意である。つまり、異なる頭部係合支持機構が使用されてもよく、または好ましい場合、省略されてもよい。
【0023】
この図示された実施の形態では、頭部バンド175は、着用者個人個人の頭部寸法に快適に合うように調節可能な、頭部囲繞バンド176を含む。調節ラッチ177は、バンド176が従来の方法で短くされまたは長くされることを可能にする。
【0024】
バンド176は、ねじ、ステープルなどであってもよい好適な留め具180を用いたヘルメットライナー100への取り付けのための、好適な取付アーム179を含む。
【0025】
ヘルメットライナー100は、典型的には、たとえばポリプロピレンまたは低密度ポリエチレン(LDPE)のような、軽量の材料により形成される。ヘルメットライナー100は、概して、着用者の頭部の上方部分の形状に合うように形成されるが、ヘルメット内に形成され得る適切な空間101,102(図3参照)、フォームパッド(foam pads)などにより着用者の頭部の最上部から空間を空けられるように、形成される。
【0026】
ライナーの前方部分は、表面120が頭部バンド175の前方部分として機能する着用者の額との間の領域にまたがるように、設計される。または、ライナーの前面部分は、これらの間の空気流れを最小化するために十分近づいて並列する。表面130は、必要に応
じてヘルメットシェル600の下側の周縁に取り付けられる、ライナーの外側縁140にまで延びる。このまたがりの効果は、必要に応じて全体または部分的に気泡挿入物によって達成され得る。
【0027】
複数の孔150(図3および図3Aに最もよく示される)は、ライナー100の表面130を経由して上方へ延び、これら孔を経由しかつ顔面または着用者の周辺の封じ込まれた容積へ向かう空気流れを供給する。
【0028】
ライナー100は、ライナー100が曲げられ着用者の頭部によりよく合わせられるようにする、アコーディオン状の領域110(図3Aによりよく示される)を有する。
【0029】
加えてライナー100は、必要に応じて、当該技術において公知の呼吸マスクヘルメットなどのような、冷却機構または空気流動機構を支持するために十分に頑丈である。呼吸マスクヘルメットは、ライナーの周囲の溝195内の留め金、またはその他の任意の従来の手段によって、ライナーに取り付けられてもよい。
【0030】
ファンカバー(図示せず)が接合されまたは一体に形成されて、たとえば米国特許第D460,584号明細書または米国特許第6,792,944号明細書に記載されるような、任意の従来の型式のファン機構の保護用かつ輪郭を形作るカバーを設けてもよい。このようにして、空気流の経路がヘルメット組立品10の周囲に規定され維持され、これにより随意のファン機構は、ヘルメット組立品10の着用者へ、冷却用のろ過された空気流を提供できる。
【0031】
典型的には、ただし限定されないが、静電的に帯電した繊維状の樹脂材料(たとえば、メルトブローン・ポリプロピレン(melt blown polypropylene))により製造されたフィルタ700は、ヘルメットシェル600の外形に合うような形状とされ、それにぴったりと合うように適応される。米国特許第6,918,141号明細書(上記)に記載された特徴は、フィルタを支持し、その下方の空気経路を形成する。代替的には、フィルタは自己支持するように設計されてもよい。フィルタ700の材料を適切に選択することによって、ヘルメットシェル600へ出入りする空気のろ過のレベルまたは程度を制御することができる。
【0032】
フィルタ700は、典型的には、摩擦力によるはめ合いを用いて、および、図示される側部留め金710および背面留め金711のようなヘルメットの周囲の留め金によって、ヘルメットシェル600に装着される。勿論、任意の好適な留め具が使用可能である。以下に説明されるように、レンズ401の最上縁は、そのように装備されるのであれば、ヘルメットシェル600、ライナー100またはフィルタカバー支持部300の周囲に取り付けられる。
【0033】
本実施の形態では、フィルタプロテクタ500が、フィルタ700を覆うように設けられる。フィルタプロテクタ500は、必要に応じて、ヘルメットライナー100と同一の(または類似の)材料により製造されてもよい。フィルタプロテクタ500は、フィルタ700の損傷を防止し、同様に、人(ヘルメットの着用者を含む)がフィルタ700の汚染された可能性のある表面に触れることを防止する。フィルタプロテクタ500は、典型的には、圧力ばめまたはその他の任意の技術によって、ヘルメットシェル600に取り付けられる。
【0034】
ヘルメットライナー100の後方デッキ(rear deck)(または尾部)187は、ヘルメットシェル600の後方縁に係合し、装置にさらなる安定性を与える。
【0035】
ポリカーボネートなどのような不透過性の可撓性を有する透明材料により製造された顔面レンズ401は、以下に記載されるように、フィルタカバー支持部の外側前面に装着されまた支えるために適応される。レンズ401の内面とフィルタカバー支持部の外面との並列により、これらの間に密封部が設けられる。以下に記載される密封手段410またはその他の好適な手段が、密封性を高めるために設けられてもよい。
【0036】
折り返し450は、レーヨン、薄い樹脂またはメルトブローン・ポリプロピレンのような、柔軟な材料のシートにより製造される。折り返し450はまた、粒状物質が着用者と周囲との間で出入りするのを防止するための、保護バリアとして機能する。
【0037】
折り返し450は、継ぎ目425に沿ってレンズ401に取り付けられる。折り返し450の中央部は、着用者の顎の下側に折り込まれるように適応される。
【0038】
ここで図3Aを参照して、図3に示す装置の図の一部分の拡大図が示される。この拡大図は、孔150と、アコーディオン状の領域110との配置を示す。
【0039】
シールド400と、ライナー100と、支持タブ452,453との相互作用もまた、さらなる詳細が示される。
【0040】
明白に、支持タブ452,453のそれぞれの最上縁456,457は、ライナー表面130の延長部分の直ぐ近くに保持される。同様に、支持タブは、図5中によりよく示されるように、着用者の頭部の直ぐ近くにおいて、折り返しの自由縁451の上側延長箇所461,462を保持する。
【0041】
このようにして、レンズ401と保護用の折り返し450とを備える顔面シールド400は、部分組立品として一体に接合され、ヘルメットシェル600を覆って配置され、ライナー100またはまたがり手段と協力して着用者の顔面の周りの囲まれた容積を規定し、これにより上述されたろ過機能および保護機能を提供する、または高めることが意図される。
【0042】
M字形状の折り返し450は、その中心部の拡大部460を含む。ヘルメットの着用者の顎の下側における顎との確実な係合を提供する目的で、「隆起」部または「突き出し」部が設けられる。
【0043】
数辺の面ファスナ材料、スナップボタンの凸部に係合するための孔、または粘着性のきれのような、適切な連結具(または接続具)403,404,405が、レンズ401の上側縁402の近くに用いられてもよい。これらの連結具(または粘着性のきれ)は、レンズ401の上側縁402をヘルメットライナー100、ヘルメットシェル600、またはフィルタプロテクタ支持部300(図1および図4参照)の前方部に取り付けるために、使用されてもよい。
【0044】
いくつかの実施の形態では、フォームラバー(foam)、ゴムチューブまたはその他の圧縮可能なきれなどの、ライナー100またはヘルメットシェル600の前方部に係合してその部分への密封性を高める、密封性材料のきれ410を有するのが望ましい。
【0045】
好ましい実施の形態では、密封部は、レンズ401に対し平坦に張力が予め弾性的に負荷され、一方側に沿って接着されて固定縁412と自由縁411とを形成する、薄いきれ410である。レンズ401が曲げられるとき、自由縁411は、より小さい曲率半径となろうとし、固定縁412よりも張力の負荷されていない長さに近い弧長を有する。これにより、表面413は、レンズ401の表面に対し垂直に向かう。したがって、表面41
3の幅と等しいまたがり能力を有する、安価なガスケットが形成される。
【0046】
ここで図4,5および6を参照して、レンズ/折り返し組立品の典型的な用途が示される(開示の明確さのために、図5,6からはヘルメット10は省略される。さらに、好適な連結機構または接続機構を組み入れた多くの型式および形状のヘルメットを有するシールド400が使用され得る。)。
【0047】
図示されるように、折り返し450は、(結合縁425を除いて)レンズ401から分離される。同時に、レンズ401は、着用者の頭部を囲うように、略半円状の形状に曲げられる。
【0048】
連結具403,404(類似の連結具405が図6に示される)は、フィルタカバー支持部300(図示せず)の前部にある対応する連結具に取り付けられる。このようにして、レンズ401は、ヘルメットの着用者590の顔面の前方で曲線形状をとる。
【0049】
同時に、折り返し450、特に突き出し460(図7A,7Bおよび7C参照)は、着用者590の顎の下側に配置され、折り返しによる顎の把持とこれによって提供される保護とを高める。そうでなければ、折り返し450の縁451は、図5に最もよく示されるように、着用者590の首および喉領域に係合する。折り返し450はまた、着用者590の頭部の側部に係合し、その周りに保護面を形成する。
【0050】
可撓性を有する支持タブ452,453は、上記に記載されるように、折り返し450に着用者590の頭部を囲む好ましい形状を維持させるために配置される。特に、支持タブ452,453は、自由縁462(および同様に図6に示す自由縁461)の上側延長箇所を着用者の頭部のこめかみ領域に接触させまたは直ぐ近くに引き寄せ、結合縁425から離れて延び着用者590の頭部の上方部分または側頭部分に当接させるように、縁451に沿って着用者の顔面を挿入することによって生成された張力と相互作用する。
【0051】
必要に応じて、ヘルメットライナー100の縁の一部を収容し係合するための、随意の細隙454,455が設けられる。
【0052】
図6では、先の図1,2および3に示されるヘルメットシェル600とともに使用される、レンズおよび折り返しの付属物の斜視図が示される。
【0053】
上記に記載されたように、レンズ401は、透明なポリカーボネート(または類似の)樹脂の薄いシートで製造される。適切な厚みは約0.01インチ厚であるが、より厚いまたはより薄い材料が使用されてもよい。
【0054】
折り返し450は、たとえば、ただし限定されないが、レーヨン、メルトブローンポリプロピレン、ラテックスゴム(latex rubber)などの好適に柔軟性のある材料で製造され、材料の特性に依存して約0.01インチの厚みを有する。
【0055】
レンズ401と折り返し450とは、たとえば接着、縫い付けなどの任意の好適な手段によって、曲げられた縁425において一体に接合される。
【0056】
上記に記載されたように、レンズ401の自由縁402は、ヘルメットライナー100および/またはフィルタプロテクタ支持部300の前方縁に適切に結合するような形状とされる。
【0057】
好ましい実施の形態では、折り返し451の自由縁は、図7A,7Bおよび7Cにより
よく示される突き出し460を有する、起伏のある略M字状に形成される。
【0058】
支持タブ452,453は、曲線状端部425のそれぞれの端部に近接する折り返し450の上方端に設けられてもよい。典型的には、タブ452,453は、タブの平坦な表面に平行な軸について可撓性を有するが、他の方向においては可撓性がより小さい。
【0059】
いくつかの実施の形態では、ヘルメットライナー100の縁に係合するための細隙454,455が形成されるのが望ましい。
【0060】
ここで同時に図7を、特に図7A,7Bおよび7Cを参照して、レンズ401と折り返し450とを有するシールドの組合せ400に係る別の実施の形態が示される。図7A,7Bおよび7Cは、これらの装置が、自動化された製造設備を用いてより容易に得られる形状である、平坦なまたは二次元的な形状に形成され得ることを示す。
【0061】
図7Aでは、レンズ401は、その上方縁に取り付けられた接着バンド408を含む。接着バンド408は、面ファスナ連結具403,404,405の代わりとされ、孔403A,404A,405Aおよび他の特徴が配列の助けとなるために使用される。必要に応じて、接着バンド408は、シールドをヘルメットに再接着する多数回使用可能な接着剤でもよい。典型的には、接着バンド408は、シールド400が使用後にヘルメットから取り外され捨てられるように、安い材料である。
【0062】
この実施の形態では、可撓性を有する支持部452,453は、その内部の細隙454,455を含む。さらに、可撓性を有する三角形状部406,407が、折り返し450の端部と支持部452,453のそれぞれの間に含まれる。可撓性を有する三角形状部は、折り返し450の構造に伸縮可能性または弾性を与える。この三角形状部は、スパンデックス(spandex)またはラテックスゴムのような、任意の好適な伸縮可能な材料で製造されてもよい。
【0063】
図7Bでは、シールド400の他の実施の形態が示される。この実施の形態では、レンズ401がその縁部において接着バンド408および/または接続機能403A,404A,405Aを含む、という点において、レンズ401は図7Aのレンズ401と類似する。折り返し450の自由縁451に沿って、突き出し460が設けられる。
【0064】
図7Bに示す実施の形態では、折り返し450Aは、端部470,471を長く延ばし、端部470,471はレンズ401の縁402およびバンド408を超えて延びる。弾性バンド(またはコード)480は、任意の好適な方法で、端部470,471に貼付される。
【0065】
弾性バンド480は、ヘルメット、着用者の頭部および/または首筋を超えて、着用者に対する折り返し450Aの適度にぴったりとしてはいるが快適なはめ合いを形成するために、延ばされる。この構造により、折り返し全体を、SMSポリプロピレンまたは不織セルロースのようなより安価な非伸縮性材料により形成できる。代替的には、ヘルメット/シールド装置を着用者に固定するために、結びひも、引きひもまたはその他の固定手段が使用されてもよい。したがって、レンズ401と折り返し450とは、着用者の顔面に対する保護バリアを提供する。
【0066】
図7Cでは、シールド400の他の実施の形態が示される。この実施の形態では、レンズ401と接着バンド408とは、図7Bに示されるものと類似である。同様に、延ばされた端部470,471を有する折り返し450Aが示される。
【0067】
しかしながら、この実施の形態では、端部470,471はそれらを貫通する開口部490,491をそれぞれ含む。
【0068】
この場合は、開口部(または孔)490,491は、図3のヘルメットライナー100に示されるつまみ部のような、適切な装着装置に係合するために使用される。
【0069】
代替的には、コード、弾性バンドまたはその他のヘルメットライナー100に取り付けられた好適な固定要素が、同様に使用されてもよい。
【0070】
ここで図8、特に図8Aに示される実施の形態を参照して、折り返し450B全体が、たとえばラテックスゴムやシリコーンゴムのような、300%を超える弾性率を有する極めて伸縮性の高い材料で製造されている。この構造では、折り返し450Bの自由縁は、任意の形状をとってもよい。支持タブ452,453もしくは612,613または610,611,620に類似の特徴により、自由縁を着用者の頭部に連係するように引っ張る手段が提供される。これらの材料が高価または着用者の顔面に対して不快な傾向があるときには、これはより望ましくないと考えられる。
【0071】
図8Bを参照して、上述したベア(Bare)らによる米国特許第5,054,480号明細書に記載されるように、レンズと折り返しとの組立品400がフード800に取り付けられてもよい。フード800は、既に記載されたのと類似のヘルメット構造とともに使用するために設計される。フード800の内部において、折り返し450は、汚染物質の侵入を制限することをより容易とする、より小さい空間の容積を着用者の顔の周りに規定する。
【0072】
この形状では、上に記載されたフィルタプロテクタ500は省略され、フード800はヘルメットと同様に着用者の頭部を囲う。少なくともフードの一部810は、その内部を経由してフィルタ700(図1参照)への空気流を供給するために、たとえば連続気泡発泡体、フェルトまたはメルトブローンポリプロピレンなどの、透過性材料から構成されてもよい。
【0073】
必要に応じて、透過性を有する部分810は静電的に帯電したメルトブローンポリプロピレンまたはその他のフィルタ媒体から構成され、そのためフィルタ700に対するプレフィルタとして、またはフィルタ700の代わりとなるフィルタの例としてふるまってもよい。
【0074】
ここで図9を参照して、レンズと折り返しとの組立品400は、支持構造に取り付けられ、畝のついた支持構造またはヘルメットを必要とすることなく着用者の顔面の周辺の封じ込まれた容積を形成する。
【0075】
この構成において、折り返し450Cが縁425周りのレンズ401に取り付けられ、折り返し450Cの自由縁451は突き出し460を含み、必要に応じて支持タブ452,453および伸縮可能な三角形状部406,407が含まれる点において、顔面シールド400は先の構成に類似する。
【0076】
折り返し450Cへの延長箇所941は、着用者の頭部を囲む閉じた形状を形成するために、縁451から延びる自由縁930を有する。頭部バンド920は、縫い付けまたはその他の従来の手段によって、結合部946,947において自由縁930に取り付けられる。この構造によって、頭部バンドは着用者の額に静止し、これにより着用者の頭部上でフードを安定させる。必要に応じて、第二のきれ925が、着用者の頭部の最上部を超えて延びるように設置される。
【0077】
材料の第二の層940は、レンズ401の上側縁402に取り付けられる。第二の層は、必要に応じて、縫い付けまたはその他の従来の手段によって縁945に沿う折り返し延長箇所941に取り付けられ、着用者の顔面および頭部周りに封じ込まれた容積を形成する。
【0078】
開口部950は、吸気手段の取り付けのために、折り返し延長箇所941に設けられる。
【0079】
再び図7A,7B,7Cおよび図9を参照して、折り返し450の自由縁451に近接する領域470Aはそれぞれ、上に記載されたSMSメルトブローンポリプロピレン、不織セルロースなどのような、通常非伸縮性の材料にいくらかのたわみまたは伸縮を可能にする、重なり合う線(またはきれ)のパターンに切られてもよい。このパターン化された領域の弾性回復能力は、必要に応じて、ホットメルト接着剤の弾性繊維の接着などによって高められてもよい。
【0080】
このように、呼吸マスク装置の特有の設計および概念が示され説明されている。この説明は特定の実施の形態に向けられるが、当業者は本明細書中に示され記載された特定の実施の形態に対する修正および/または変形に想到し得ることが理解される。この記載の範囲内にあるそのような任意の修正または変形は、同様にそこに含まれることが意図される。この説明は単に例示であって、制限的ではないと意図されることが理解される。むしろ、本明細書中に記載された本発明の範囲は、明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0081】
10 ヘルメット組立品、100 ヘルメットライナー、110 アコーディオン状の領域、300 フィルタカバー支持部、400 顔面シールド、401 レンズ、402
自由縁、403,404,405 連結具、410 きれ、425 結合縁、450 折り返し、451 自由縁、452,453 支持タブ、460 突き出し、490,491 開口部、500 フィルタプロテクタ、600 ヘルメットシェル、700 フィルタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透過性で可撓性を有し透明な第一のシート材を含む、顔面シールドと、
柔軟な第二のシート材と、を備え、
前記第一のシート材と前記第二のシート材とは、その周縁部の実質的に同一形状の第一の部分を各々有し、
前記第一のシート材および前記第二のシート材の前記第一の部分は、前記顔面シールドが平坦に置かれ得るように、一体に接合された、保護用ヘッドギア装置。
【請求項2】
前記第一のシート材と前記第二のシート材とは、その周縁部の互いに分離された第二の部分を各々有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一のシート材の周縁部の前記第二の部分は、実質的に直線状の縁である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第二のシートの周縁部の前記第二の部分は、曲線状の縁である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記顔面シールドをその上に支持する支持構造を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記顔面シールドを少なくとも前記支持構造の一部分に取り付けるための取り付け手段を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記支持構造は、ヘルメット構造を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第二のシートの前記第二の部分は、起伏のある略「M」字形状に形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記第二のシートは、その自由縁に並列する第三の部分を有し、前記第三の部分は、その平坦な表面に平行な軸について相対的に大きな可撓性を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記第三の部分は、前記第二のシートが着用者の頭部付近に並列して保持されるように、前記第二のシートの少なくとも前記第二の部分の一部を支持する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第二のシートの自由縁に沿って設けられ、前記第三の部分の前記表面の一部を前記第一のシートの平坦な表面に対し垂直に向けさせる、引張手段を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第二のシートの自由縁に近接する一部は、切断された部分を長く延ばす連結したV字状の形状に切断されている、請求項2に記載の装置。
【請求項13】
前記切断された部分に、その弾性回復を高めるために、弾性繊維が結合されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第二のシートの一部は弾性を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記第二のシートの前記第二の部分は、前記第一のシートの前記第二の部分を越えて延びる、請求項2に記載の装置。
【請求項16】
前記第二のシートは、それを貫通する開口を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
ヘルメットの支持用ヘッドギア装置であって、
形成された構造を備え、前記構造の一部は、その可撓性を高めるためのアコーディオン状のひだを含む、装置。
【請求項18】
前記構造は、レンズおよび折り返しと連係して着用者の顔面の周囲に囲まれた領域を規定する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
取り付けられ、予め張力が加えられたバンドを有するレンズであって、曲げられたとき、レンズの自由端により小さな半径をとらせ、バンドの表面をレンズに対し垂直に向かわせる、レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−121263(P2010−121263A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265166(P2009−265166)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(504351747)パブバン・ディベロップメント・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】PABBAN DEVELOPMENT, INC.
【Fターム(参考)】