説明

信号の切替タイミングを決定する装置、及びコンピュータプログラム

【課題】渋滞が広範囲に広がることを抑制し、または広範囲に広がった渋滞を緩和する。
【解決手段】第1の信号機が設置された第1の交差点の下流につながる下流道路リンクのリンク旅行時間を取得するステップ(S13)と、下流道路リンクのリンク旅行時間及び第1の信号機の信号を切り替えたタイミングに基づいて、下流道路リンクの下流側に接続する第2の交差点に設置された第2の信号機の信号を切り替えるタイミングを決定する(ステップS15,S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号の切替タイミングを制御することによって、道路の渋滞を抑制または緩和する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、自律分散型の交通信号制御において、渋滞の発生を検出し、検出した渋滞の発生に応じた信号制御を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−15705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、一つの交差点の局所的な状態に基づいて、その交差点の信号機の制御を行うものであり、広い範囲での渋滞を考慮していない。一般に、渋滞が広範囲に広がることによって、より大きな影響を与える。
【0005】
そこで、本発明の目的は、渋滞が広範囲に広がることを抑制し、または広範囲に広がった渋滞を緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施態様に従う切替タイミングを決定する装置は、第1の信号機が設置された第1の交差点の下流につながる下流道路リンクのリンク旅行時間を取得する手段と、前記下流道路リンクのリンク旅行時間及び前記第1の信号機の信号を切り替えたタイミングに基づいて、前記下流道路リンクの下流側に接続する第2の交差点に設置された第2の信号機の信号を切り替えるタイミングを決定する切替タイミング決定手段と、を備える。
【0007】
好適な実施態様では、道路リンクの位置が定義されている地図データを記憶した地図データ記憶部と、異なる時刻における車両の位置を示す車両位置データを記憶する位置データ記憶部と、前記地図データ及び前記車両位置データに基づいて、前記下流道路リンクのリンク旅行時間を算出する手段と、をさらに備えてもよい。
【0008】
好適な実施態様では、前記切替タイミング決定手段は、前記位置データ記憶部を参照して、前記下流道路リンクに、全長が所定以上の車両が所定数以上存在すると判定した場合は、前記第2の信号機の単位時間あたりの青信号の時間及び赤信号の時間の比率を変えずに、青信号及び赤信号が継続する時間を長くするようにしてもよい。
【0009】
本発明の一つの実施態様に従う切替タイミングを決定する装置は、道路リンク内の車両の走行速度が所定速度以下である渋滞リンクを検出する渋滞検出手段と、前記渋滞検出手段によって、複数の連続する道路リンクが渋滞している渋滞区間が検出されたとき、前記渋滞区間の最上流の道路リンクに流入する車両を抑制するように、前記最上流の道路リンクの上流の交差点に設置された信号機の信号の切り替えタイミングを決定する切替タイミング決定手段と、を備える。
【0010】
好適な実施態様では、前記切替タイミング決定手段は、前記渋滞区間内の交差点から分岐する分岐先への進行を許可する分岐信号を優先させるように、前記渋滞区間内の交差点に設置された信号を切り替えるタイミングを決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る信号の切り替えタイミングを決定するシステムの全体構成図である。
【図2】信号の切り替えタイミング決定装置である分析サーバ1の構成図を示す。
【図3】プローブデータ記憶部13のデータ構造の一例を示す。
【図4】リンクデータ記憶部17のデータ構造の一例を示す。
【図5】信号機SGが設置された交差点(ノード)を介して道路リンクが接続されている様子を示す。
【図6】交差点連動の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】渋滞区間を含む道路リンクを示す。
【図8】渋滞解消制御の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る信号の切り替えタイミングを決定する装置について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る信号の切り替えタイミングを決定するシステムの全体構成図である。本システムは、同図に示すように、切り替えタイミングを決定する装置である分析サーバ1と、信号機の信号切替を制御する信号制御装置2と、複数の車両にそれぞれ搭載されている端末装置3,3,・・・とを備える。
【0014】
分析サーバ1は、例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する分析サーバ1内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納可能である。
【0015】
端末装置3,3,・・・は、カーナビゲーションシステムなどの専用車載端末であってもよいし、通信機能を有する汎用的な端末装置(例えば、携帯電話機、携帯情報端末、あるいは汎用的なパーソナルコンピュータ)などでもよい。端末装置3,3,・・・は、液晶パネルなどの表示装置、及びプッシュボタンあるいはタッチパネルなどの入力装置を有する。端末装置3,3は、無線基地局7及びネットワーク9を介して分析サーバ1との間で通信を行う。
【0016】
また、端末装置3,3・・・は、例えばGPS(Global Positioning System)などを用いた現在位置検出手段を備える。そして、端末装置3,3・・・は、現在位置検出手段が検出した自らの現在位置(例えば緯度及び経度)を示すプローブデータを定期的または不定期に分析サーバ1へ送信する。
【0017】
分析サーバ1は、信号制御装置2に対して信号の切り替えタイミングを指示する。信号制御装置2が、分析サーバ1で決定された切り替えタイミングで信号機の信号切替を制御する。
【0018】
図2は、分析サーバ1の構成図を示す。分析サーバ1は、プローブデータ受信部11と、プローブデータ記憶部13と、地図データ記憶部14と、速度・リンク旅行時間推定部15と、リンクデータ記憶部17と、渋滞リンク抽出部19と、信号切替タイミング調整部21と、信号切替タイミング指示部23とを備える。
【0019】
プローブデータ受信部11は、各端末装置3から送信されてくるプローブデータを受信する。
【0020】
プローブデータ記憶部13は、プローブデータ受信部11が取得したプローブデータを記憶する。
【0021】
図3に、プローブデータ記憶部13のデータ構造の一例を示す。プローブデータ記憶部13は、同図に示すように、データ項目として、端末ID131と、車種132と、日時133と、車両位置135とを有する。すなわち、プローブデータ記憶部13は、車両の車種及び位置データを記憶する。
【0022】
端末ID131は、各端末装置3の識別情報である。端末ID131により、実質的にその端末装置3が搭載されている車両が特定される。車種132は、例えば、端末装置3で予め車種が登録されているときに、プローブデータに含めて端末装置3から送信される。車種132は、例えば、普通車、トラック(4トン以下)、トラック(4トン以上)、トレーラーなどについて、予め割り当てられたコードで示される。日時133は、車両が車両位置135に存在する日時を示す。例えば、日時133は、プローブデータ受信部11が受信した日時または端末装置3がプローブデータを送信した日時である。車両位置135は、日時133における緯度及び経度で示される、端末ID131の端末装置3を搭載した車両の位置を示す座標である。
【0023】
プローブデータ記憶部13には、時々刻々収集されたプローブデータが蓄積される。本実施形態では、一つのデータレコードがある車両のある時刻の車両位置を示す。従って、一つの車両について、異なる時刻に収集されたプローブデータが、それぞれ一つのデータレコードとしてプローブデータ記憶部13に格納される。
【0024】
再び図2を参照すると、地図データ記憶部14は、道路地図データを記憶する。道路地図データは、道路を構成する多数ノード及び道路リンクに関する情報を含む。道路地図データでは、例えば、各道路リンクの位置座標が定義されている。つまり、道路地図データでは、各道路リンクの識別情報と緯度及び経度で示される道路リンクの位置座標とが対応付けられている。
【0025】
速度・リンク旅行時間推定部15は、地図データ及び車両位置データに基づいて、各道路リンクの車両の走行速度及びリンク旅行時間を推定する。例えば、速度・リンク旅行時間推定部15は、プローブデータ記憶部13を参照して、同一の端末ID131の所定の時間帯に属する複数のレコードを抽出して、端末ID131ごとにその時間帯の走行速度及びリンク旅行時間を算出する。さらに、速度・リンク旅行時間推定部15は、地図データ記憶部14を参照して、各端末ID131の車両位置135から、走行している道路リンクを特定する。つまり、速度・リンク旅行時間推定部15は、道路リンク(リンクNo)ごと、時間帯ごとに、各道路リンクを走行している車両の走行速度及びリンク旅行時間を推定する。同一道路リンクに複数の車両が存在する場合、速度・リンク旅行時間推定部15は、それらの複数の車両の走行速度の平均値をその道路リンクの車両の走行速度としてもよい。ここで推定された道路リンクごと、時間帯ごとの車両の走行速度及びリンク旅行時間は、リンクデータ記憶部17に保存される。
【0026】
リンクデータ記憶部17は、速度・リンク旅行時間推定部15によって推定された道路リンクごと、時間帯ごとの車両の走行速度及びリンク旅行時間を記憶する。
【0027】
図4は、リンクデータ記憶部17のデータ構造の一例を示す。リンクデータ記憶部17は、例えば、同図に示すように、リンクNo171と、時間帯173と、走行速度175と、リンク旅行時間177とをデータ項目として有する。
【0028】
渋滞リンク抽出部19は、速度・リンク旅行時間推定部15で推定された各道路リンクの車両の走行速度が所定速度以下である渋滞リンクを抽出する。例えば、渋滞リンク抽出部19は、リンクデータ記憶部17を参照し、現在に最も近い時間帯173の走行速度175が所定の閾値(例えば時速10km)以下のリンクを抽出する。
【0029】
信号切替タイミング調整部21は、ある信号機の切替タイミングを、周囲の道路リンクの混雑状況及びそれらの道路リンクとつながる交差点の信号機の切替タイミングに基づいて調整する。例えば、信号切替タイミング調整部21は、交差点の信号機の切替タイミングを決定する。
【0030】
信号切替タイミング指示部23は、信号切替タイミング調整部21で決定された各信号機SGの切替タイミングを、信号制御装置2に対して出力する。
【0031】
例えば、信号切替タイミング調整部21は、第1の信号機が設置された第1の交差点の下流につながる下流道路リンクのリンク旅行時間を取得する。信号切替タイミング調整部21は、下流道路リンクのリンク旅行時間及び第1の信号機の信号を切り替えたタイミングに基づいて、下流道路リンクの下流側に接続する第2の交差点に設置された第2の信号機の信号を切り替えるタイミングを決定する。
【0032】
図5は、信号機SGが設置された交差点(ノード)を介して道路リンクが接続されている様子を示す。ここで、車両の進行方向は道路リンクL11から道路リンクL14へ向かう方法(図では右向き)である。同図を用いて、上述の複数の交差点の信号の切替タイミングを連動させる場合の切替タイミングの決定方法について、具体的に説明する。
【0033】
信号切替タイミング調整部21は、第1の信号機である信号機SG11が設置された第1の交差点の下流につながる下流道路リンクである道路リンクL12のリンク旅行時間をリンクデータ記憶部17から取得する。信号切替タイミング調整部21は、道路リンクL12のリンク旅行時間及び信号機SG11の信号を切り替えたタイミングに基づいて、道路リンクL12の下流の交差点に設置された信号機SG12の切り替えタイミングを決定する。例えば、道路リンクL12のリンク旅行時間が15秒であるとき、信号切替タイミング調整部21は、信号機SG11を青に切り替えた15秒後に信号機SG12を青に切り替えるように、信号機SG12の切替タイミングを決定する。
【0034】
信号機SG11の信号を青に切り替えた後、信号機SG12を青信号に切り替えるタイミングを道路リンクL12の混み具合に応じて定めることにより、道路リンクL12の車両の流れをスムーズにすることができる。このようなタイミング制御を信号機SG13などのさらに下流の交差点の信号機に対しても行うことによって、渋滞が広範囲に広がることの防止、ないし広範囲に広がった渋滞の緩和に効果がある。特に、プローブデータに基づいて算出したリンク旅行時間を用いることにより、ほぼリアルタイムで各道路リンクの混雑状況を反映でき、より精度の高い交通制御を実現できる。
【0035】
また、信号切替タイミング調整部21は、プローブデータ記憶部13を参照して、下流道路リンクに、全長が所定以上の車両が所定数以上存在すると判定した場合は、第2の信号機の単位時間あたりの青信号の時間及び赤信号の時間の比率を変えずに、青信号及び赤信号が継続する時間を長くしてもよい。
【0036】
車両の全長は、車種132に応じて判断する。例えば、トラック(4トン以上)及びトレーラーは、全長が所定以上の車両と判定する。つまり、信号切替タイミング調整部21は、プローブデータ記憶部13の車種132に基づいて、トラック(4トン以上)及びトレーラーが所定数以上存在する道路リンクを抽出する。そして、その道路リンクの下流の信号機の単位時間(例えば1時間)あたりの青信号の時間及び赤信号の時間の比率を変えずに、青信号及び赤信号が継続する時間を長くする。つまり、例えば、通常であれば青信号の継続時間が30秒であるところを60秒にするなど、青信号の継続時間を2倍に延長する一方、赤信号の継続時間も2倍に延長する。これにより、青信号及び赤信号のそれぞれの継続時間は長くなる一方で、青信号と赤信号の比率は不変である。
【0037】
これは、全長が所定以上の車両は、停止した状態から発進して安定した速度で走行するようになるまで、及び、安定走行から停止するまでに要する時間が、普通車などよりも長いため、交差点で停車させる回数を減らした方が渋滞緩和に効果があるからである。
【0038】
上述の複数の交差点の切替タイミングを連動させる処理手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、信号切替タイミング調整部21は、交差点連動の開始点となる交差点を特定する。そして、信号切替タイミング調整部21は、その交差点にある信号機を青信号に切り替えるタイミングを決定する。信号切替タイミング指示部23は、信号切替タイミング調整部21が決定した青信号への切替タイミングを指示する(S11)。
【0040】
信号切替タイミング調整部21は、対象となる信号機の下流にある道路リンクのリンク旅行時間137を取得する(S13)。そして、信号切替タイミング調整部21は、ステップS11で定めた信号機の切り替えタイミングから、ステップS13で取得したリンク旅行時間が経過後に(S15)、下流リンクの下流の交差点の信号機を青信号に切り替えるように、切り替えタイミングを決定する。信号切替タイミング指示部23は、この下流の信号機の青信号への切替タイミングを指示する(S17)。
【0041】
これにより、複数交差点の信号機の切り替えタイミングが連動し、車両の流れがスムーズになる。
【0042】
次に、渋滞区間が発生しているときの渋滞緩和制御について説明する。
【0043】
渋滞リンク抽出部19によって複数の連続する道路リンクが渋滞している渋滞区間が検出されたとき、信号切替タイミング調整部21は、渋滞区間に流入する車両を抑制するように、信号の切替タイミングを決定する。例えば、信号切替タイミング調整部21は、渋滞区間の最上流の道路リンクに流入する車両を抑制するように、最上流の道路リンクの上流の交差点に設置された信号機の信号の切り替えタイミングを決定してもよい。
【0044】
図7は、渋滞区間を含む道路リンクを示す。ここで、複数の道路リンクL21〜L25が連続しているときに、車両の進行方向は道路リンクL21、L22,L23,L24,L25である。そして、同図に示すように、リンクL22〜L24が渋滞区間であるときを考える。この渋滞を緩和するためには、例えば、この渋滞区間L22〜L24に流入する車両数を抑制してもよい。特に、渋滞区間の最も上流の道路リンクL22に流入する車両数を抑制してもよい。本実施形態では、信号機の信号の切替タイミングを制御することにより、これを実現する。つまり、道路リンクL22には、道路リンクL21から流入する車両が多いときは、信号機SG21の道路リンクL21が赤信号となる時間を、渋滞が生じていないときより長く設定してもよい。
【0045】
また、信号切替タイミング調整部21は、渋滞区間内の交差点から分岐する分岐先への進行を許可する分岐信号を優先させるように、渋滞区間内の交差点に設置された信号を切り替えるタイミングを決定してもよい。
【0046】
例えば、図7において、渋滞区間内の交差点から分岐する道路リンクは、信号機SG22で分岐する道路リンクL32,L42及び信号機SG23で分岐する道路リンクL43である。このときに、信号機SG22では、道路リンクL32への左折を許可する左折信号及び道路リンクL42への右折を許可する右折信号が青信号となる時間を、渋滞していないときよりも長くしてもよい。さらには、信号機SG22で道路リンクL23への直進を許可する青信号よりも右折信号及び左折信号が青信号となる時間を長くしてもよい。信号機SG23についても同様に、道路リンクL43への右折信号が青信号となる時間を長くしてもよい。
【0047】
このようにすれば、分岐信号が青信号となる時間を長くすることにより、分岐先へ流出する車両が増加するので、渋滞緩和に効果がある。
【0048】
渋滞解消制御の処理手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
まず、渋滞リンク抽出部19が渋滞リンクを検出する(S21)。
【0050】
次に、信号切替タイミング調整部21が、渋滞リンクが連続している渋滞区間を特定する(S23)。ここで、渋滞区間が特定されると、信号切替タイミング調整部21は、上述のような、その渋滞区間に車両の流入を抑制するように、渋滞区間の上流及び渋滞区間内の信号の切替タイミングの制御を開始する。(S25)。さらに、信号切替タイミング調整部21は、上述のような、その渋滞区間からの車両の流出を促進するように、渋滞区間内の信号の切替タイミングの制御を開始する。(S27)。
【0051】
信号切替タイミング調整部21は、渋滞が解消するまでこれらの処理を繰り返し実行する(S29)。
【0052】
これにより、渋滞区間内の車両数が減少するので、渋滞が緩和される。
【0053】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0054】
例えば、本実施形態では、道路リンクの内の車両の走行速度、リンク旅行時間及び渋滞リンクなどは、プローブデータから算出したが、これらをVICS(登録商標)などの外部の道路交通情報提供システムから取得してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 分析サーバ
3,3,・・・ 端末装置
11 プローブデータ受信部
13 プローブデータ記憶部
14 地図データ記憶部
15 速度・リンク旅行時間推定部
17 リンクデータ記憶部
19 渋滞リンク抽出部
21 信号切替タイミング調整部
23 信号切替タイミング指示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号機が設置された第1の交差点の下流につながる下流道路リンクのリンク旅行時間を取得する手段と、
前記下流道路リンクのリンク旅行時間及び前記第1の信号機の信号を切り替えたタイミングに基づいて、前記下流道路リンクの下流側に接続する第2の交差点に設置された第2の信号機の信号を切り替えるタイミングを決定する切替タイミング決定手段と、を備える信号の切替タイミングを決定する装置。
【請求項2】
道路リンクの位置が定義されている地図データを記憶した地図データ記憶部と、
異なる時刻における車両の位置を示す車両位置データを記憶する位置データ記憶部と、
前記地図データ及び前記車両位置データに基づいて、前記下流道路リンクのリンク旅行時間を算出する手段と、をさらに備える請求項1に記載の信号の切替タイミングを決定する装置。
【請求項3】
前記切替タイミング決定手段は、前記位置データ記憶部を参照して、前記下流道路リンクに、全長が所定以上の車両が所定数以上存在すると判定した場合は、前記第2の信号機の単位時間あたりの青信号の時間及び赤信号の時間の比率を変えずに、青信号及び赤信号が継続する時間を長くすることを特徴とする請求項2記載の信号機の信号切替タイミングを決定する装置。
【請求項4】
道路リンク内の車両の走行速度が所定速度以下である渋滞リンクを検出する渋滞検出手段と、
前記渋滞検出手段によって、複数の連続する道路リンクが渋滞している渋滞区間が検出されたとき、前記渋滞区間の最上流の道路リンクに流入する車両を抑制するように、前記最上流の道路リンクの上流の交差点に設置された信号機の信号の切り替えタイミングを決定する切替タイミング決定手段と、を備える信号の切替タイミングを決定する装置。
【請求項5】
前記切替タイミング決定手段は、前記渋滞区間内の交差点から分岐する分岐先への進行を許可する分岐信号を優先させるように、前記渋滞区間内の交差点に設置された信号を切り替えるタイミングを決定することを特徴とする請求項4記載の信号の切替タイミングを決定する装置。
【請求項6】
信号の切替タイミングを決定するためのコンピュータプログラムであって、
第1の信号機が設置された第1の交差点の下流につながる下流道路リンクのリンク旅行時間を取得するステップと、
前記下流道路リンクのリンク旅行時間及び前記第1の信号機の信号を切り替えたタイミングに基づいて、前記下流道路リンクの下流側に接続する第2の交差点に設置された第2の信号機の信号を切り替えるタイミングを決定するステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
信号の切替タイミングを決定するためのコンピュータプログラムであって、
道路リンク内の車両の走行速度が所定速度以下である渋滞リンクを検出するステップと、
前記渋滞リンクの検出ステップによって、複数の連続する道路リンクが渋滞している渋滞区間が検出されたとき、前記渋滞区間の最上流の道路リンクに流入する車両を抑制するように、前記最上流の道路リンクの上流の交差点に設置された信号機の信号の切り替えタイミングを決定するステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−203933(P2011−203933A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69692(P2010−69692)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】