説明

信号判定装置および信号判定方法

【課題】入力信号が有効か否かの判定を簡単に実現する。
【解決手段】信号判定装置10は、入力信号を2値化する2値化部100と、2値化部100の出力を入力とし、判定期間中の入力信号のランレングスを測定するランレングス測定部101と、ランレングス測定部101の測定結果から得られるランレングス度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを判定する有効性判定部103とを備える。有効性判定部103は、ランレングスを測定するサンプリングクロックの判定期間中の総数をNsampとしたとき、判定期間中の総度数とNsamp/2との比、あるいは判定期間中の階級値1の度数とNsamp/4との比により、入力信号が有効か否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号が有効か否かを判定する信号判定装置および信号判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体レーザの自己結合効果を用いた自己結合型レーザセンサが提案されている(特許文献1参照)。この自己結合型レーザセンサの構成を図19に示す。図19の自己結合型レーザセンサは、物体210にレーザ光を放射する半導体レーザ201と、半導体レーザ201の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード202と、半導体レーザ201からの光を集光して物体210に照射すると共に、物体210からの戻り光を集光して半導体レーザ201に入射させるレンズ203と、半導体レーザ201に発振波長が連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返させるレーザドライバ204と、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅部205と、電流−電圧変換増幅部205の出力電圧を2回微分する信号抽出回路206と、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるモードホップパルス(以下、MHPとする)の数を数える計数装置207と、物体210との距離および物体210の速度を算出する演算装置208と、演算装置208の算出結果を表示する表示装置209とを有する。
【0003】
レーザドライバ204は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ201に供給する。これにより、半導体レーザ201は、発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返すように駆動される。図20は、半導体レーザ201の発振波長の時間変化を示す図である。図20において、P1は第1の発振期間、P2は第2の発振期間、λaは各期間における発振波長の最小値、λbは各期間における発振波長の最大値、Tcarは三角波の周期である。
【0004】
半導体レーザ201から出射したレーザ光は、レンズ203によって集光され、物体210に入射する。物体210で反射された光は、レンズ203によって集光され、半導体レーザ201に入射する。フォトダイオード202は、半導体レーザ201の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅部205は、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅し、信号抽出回路206は、電流−電圧変換増幅部205の出力電圧を2回微分する。計数装置207は、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。演算装置208は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと第1の発振期間P1におけるMHPの数と第2の発振期間P2におけるMHPの数に基づいて、物体210との距離や物体210の速度等の物理量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−313080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自己結合型レーザセンサでは、半導体レーザの前方に物体が存在しない場合や、物体が検出可能範囲外の遠方にあって検出できない場合でも、外乱光などのノイズを信号として計数してしまい、半導体レーザの前方に物体が存在するものとして物理量を算出してしまうので、計数した信号の有効性を判定する必要がある。
【0007】
自己結合信号であるMHPは、物体の物理量と信号品質によって信号成分が変化するため、信号抽出回路から出力されているものがノイズか信号かを簡単に判定することは難しく、ノイズか信号かの判定、すなわち入力信号が有効か否かの判定を簡単に実現する手法は知られていなかった。
【0008】
従来、自己結合型レーザセンサのように干渉原理を利用したセンサなど、信号の周波数もしくは計数値をもとに物理量を算出するセンサにおいて信号の有効性を判定するにはFFT(Fast Fourier Transform)などの周波数解析を利用する手法が考えられる。しかしながら、FFTでは、大きな計算量が必要となり、処理に時間がかかるという問題点があった。
なお、以上のような問題点は自己結合型レーザセンサに限らず、他の装置でも同様に発生する可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、入力信号が有効か否かの判定を簡単に実現することができる信号判定装置および信号判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の信号判定装置は、入力信号を2値化する2値化手段と、この2値化手段の出力を入力とし、判定期間中の前記入力信号の2値化結果である符合が変化する度に符号のランレングス(Run Length)を測定するランレングス測定手段と、このランレングス測定手段の測定結果から得られるランレングス度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の信号判定装置の1構成例において、前記2値化手段は、ヒステリシス(Hysteresis)幅が0の状態で前記入力信号を2値化し、前記判定手段は、前記ランレングスを測定するサンプリングクロックの前記判定期間中の総数をNsampとしたとき、前記判定期間中の総度数とNsamp/2との比、あるいは前記判定期間中の階級値1の度数とNsamp/4との比により、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とするものである。
また、本発明の信号判定装置の1構成例において、前記判定手段は、前記ランレングス測定手段の判定期間中の測定結果から得られるランレングス度数分布に対して度数の対数変換を実施する対数変換手段と、この対数変換手段の変換処理結果から得られる対数変換後のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定する有効性判定手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の信号判定装置の1構成例において、前記有効性判定手段は、前記対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が所定値以下のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とするものである。
また、本発明の信号判定装置の1構成例において、前記判定手段は、さらに、前記ランレングス測定手段の判定期間中の測定結果から、ランレングスの分布の特徴値T0を算出する特徴値算出手段を備え、前記有効性判定手段は、前記対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が2T0以下のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の信号判定方法は、入力信号を2値化する2値化ステップと、この2値化ステップの出力を入力とし、判定期間中の前記入力信号の2値化結果である符合が変化する度に符号のランレングスを測定するランレングス測定ステップと、このランレングス測定ステップの測定結果から得られるランレングスの度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを判定する判定ステップとを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ランレングス測定手段の測定結果から得られるランレングス度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを簡単に判定することができる。本発明では、FFTなどの周波数解析手法を利用しないので、入力信号が有効か否かを少ない計算量且つ短時間で判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における電流−電圧変換増幅部の出力電圧波形およびフィルタ部の出力電圧波形を模式的に示す波形図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける2値化部とランレングス測定部の動作を説明する図である。
【図6】無信号状態のランレングス度数分布の例を示す図、およびランレングス度数分布を対数変換した分布を示す図である。
【図7】2値化後の符号が変化する確率と符号が変化しない確率について説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の効果を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける2値化部とランレングス測定部の動作を説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の効果を説明する図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の問題点を説明する図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の問題点を説明する図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置による判定の原理を説明する図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサにおける信号判定装置の効果を説明する図である。
【図19】従来の自己結合型レーザセンサの構成を示すブロック図である。
【図20】図19の自己結合型レーザセンサにおける半導体レーザの発振波長の時間変化の1例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る自己結合型レーザセンサの構成を示すブロック図である。
図1の自己結合型レーザセンサは、測定対象の物体11にレーザ光を放射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード2と、半導体レーザ1からの光を集光して放射すると共に、物体11からの戻り光を集光して半導体レーザ1に入射させるレンズ3と、半導体レーザ1を駆動する発振波長変調手段となるレーザドライバ4と、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅部5と、電流−電圧変換増幅部5の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ部6と、フィルタ部6の出力電圧に含まれる自己結合信号であるMHPの数を数える計数部7と、MHPの数から物体11との距離および物体11の速度を算出する演算部8と、演算部8の算出結果を表示する表示部9と、フィルタ部6の出力が入力信号が有効か否かを判定する信号判定装置10とを有する。
【0015】
以下、説明を容易にするために、半導体レーザ1には、モードホッピング現象を持たない型(VCSEL型、DFBレーザ型)のものが用いられているものと想定する。
レーザドライバ4は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ1に供給する。これにより、半導体レーザ1は、注入電流の大きさに比例して発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間P1と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間P2とを交互に繰り返すように駆動される。このときの半導体レーザ1の発振波長の時間変化は、図20に示したとおりである。本実施の形態では、発振波長の最大値λb及び発振波長の最小値λaはそれぞれ常に一定になされており、それらの差λb−λaも常に一定になされている。
【0016】
半導体レーザ1から出射したレーザ光は、レンズ3によって集光され、物体11に入射する。物体11で反射された光は、レンズ3によって集光され、半導体レーザ1に入射する。ただし、レンズ3による集光は必須ではない。フォトダイオード2は、半導体レーザ1の内部又はその近傍に配置され、半導体レーザ1の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅部5は、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する。
【0017】
フィルタ部6は、変調波から重畳信号を抽出する機能を有するものである。図2(A)は電流−電圧変換増幅部5の出力電圧波形を模式的に示す図、図2(B)はフィルタ部6の出力電圧波形を模式的に示す図である。これらの図は、フォトダイオード2の出力に相当する図2(A)の波形(変調波)から、図20の半導体レーザ1の発振波形(搬送波)を除去して、図2(B)のMHP波形(干渉波形)を抽出する過程を表している。半導体レーザ1から放射されたレーザ光と物体11からの戻り光との自己結合効果によって生じる自己結合信号であるMHPについては、例えば特許文献1で説明されているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0018】
計数部7は、フィルタ部6の出力電圧に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。計数部7は、論理ゲートからなるカウンタを利用するものでもよいし、他の手段を用いるものでもよい。
【0019】
演算部8は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと計数部7が数えたMHPの数に基づいて、物体11との距離および物体11の速度を算出する。物体11との距離および物体11の速度を算出する方法については、例えば特許文献1に開示されているので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、本発明は測定する物理量には限定されない。例えば特開2010−78560号公報に開示されているようにMHPの数に基づいて物体の振動周波数を求めてもよいし、特開2010−78393号公報に開示されているようにMHPの数に基づいて物体の振動振幅を求めてもよい。
表示部9は、演算部8の算出結果を表示する。
【0020】
次に、信号判定装置10は、フィルタ部6の出力が入力信号が有効か否かを判定する。図3は信号判定装置10の構成を示すブロック図である。信号判定装置10は、2値化部100と、ランレングス(Run Length)測定部101と、記憶部102と、有効性判定部103とを有する。
【0021】
図4は信号判定装置10の動作を示すフローチャートである。図5(A)、図5(B)は2値化部100とランレングス測定部101の動作を説明する図であり、図5(A)はフィルタ部6の出力電圧の波形、すなわちMHPの波形を模式的に示す図、図5(B)は図5(A)に対応する2値化部100の出力を示す図である。
【0022】
まず、信号判定装置10の2値化部100は、図5(A)に示すフィルタ部6の出力電圧がハイレベル(H)かローレベル(L)かを判定して、図5(B)のような判定結果を出力する。このとき、2値化部100は、フィルタ部6の出力電圧が上昇してしきい値TH以上になったときにハイレベルと判定し、フィルタ部6の出力電圧が下降してしきい値TH以下になったときにローレベルと判定することにより、フィルタ部6の出力を2値化する(図4ステップS1)。なお、本実施の形態では、フィルタ部6の出力の立ち上がりを検出するためのしきい値と立ち下がりを検出するためのしきい値とを同一の値THとしている。すなわち、ヒステリシス(Hysteresis)幅は0である。
【0023】
続いて、ランレングス測定部101は、入力信号が有効か否かを判定する判定期間中のMHPのランレングスを測定する(図4ステップS2)。ここで、本実施の形態では、計数部7がMHPの数を数える第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々を判定期間とする。ランレングス測定部101は、図5(B)に示すように2値化部100の出力の立ち上がりから次の立ち下がりまでの時間tudを測定し、また2値化部100の出力の立ち下がりから次の立ち上がりまでの時間tduを測定することにより、2値化部100の出力のランレングス(すなわち、MHPのランレングス)を測定する。このように、MHPのランレングスとは、時間tudまたはtduのことである。ランレングス測定部101は、以上のような測定を判定期間中において2値化部100の出力の立ち上がりまたは立ち下がりのどちらかが検出される度に行う。
【0024】
なお、ランレングス測定部101は、サンプリングクロックの周期を1単位としてMHPのランレングスを測定する。例えばMHPのランレングスがサンプリングクロック2個分であれば、このランレングスの大きさは2[samplings]である。サンプリングクロックの周波数は、MHPの取り得る最高周波数に対して十分に高いものとする。
記憶部102は、ランレングス測定部101の測定結果を記憶する。
【0025】
次に、有効性判定部103は、記憶部102に記憶されているランレングス測定部101の測定結果に基づいて、入力信号が有効か否かを判定する(図4ステップS3)。具体的には、有効性判定部103は、判定期間中の総サンプリングクロック数をNsampとしたとき、判定期間中の総度数(判定期間中のランレングスの総数)とNsamp/2との比を算出する。この比は、信号の有効性を示すもので、信号の有効性が低いほど1に近づく値になる。そこで、有効性判定部103は、この比が略1の場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が無効であると判定し、総度数とNsamp/2との比が略1でない場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が有効であると判定する。ここで、度数とは、2値化後の符号が変化する回数、すなわちランレングスの数である。判定期間中の総度数とNsamp/2との比が略1であるとは、この比が1を中心とする所定の範囲内にあることを言う。
【0026】
また、有効性判定部103は、判定期間中の階級値1[samplings]の度数とNsamp/4との比を算出し、この比が略1の場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が無効であると判定し、階級値1の度数とNsamp/4との比が略1でない場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が有効であると判定してもよい。ここで、判定期間中の階級値1の度数とNsamp/4との比が略1であるとは、この比が1を中心とする所定の範囲内にあることを言う。
【0027】
有効性判定部103は、総度数を用いる方法、階級値1の度数を用いる方法のどちらか一方の方法で入力信号が有効か否かを判定すればよい。
信号判定装置10は、以上のような処理を判定期間毎に行う。表示部9は、信号判定装置10の判定結果を表示する。
【0028】
次に、信号判定装置10による判定の原理について説明する。MHPがない場合(半導体レーザ1の前方に物体11が存在しない場合や物体11が検出可能範囲外の遠方にあって検出できない場合)、すなわち無信号状態の場合にランレングス測定部101によって測定されるランレングスの度数分布の例を図6(A)に示す。図6(A)のランレングス度数分布の度数を対数変換すると、図6(B)のようになる。無信号状態のランレングス度数分布は、離散時間の確率過程であるベルヌーイ過程に従うため、式(1)の幾何分布Fedge(x)に従う。
edge(x)=p・(1−p)x-1 ・・・(1)
【0029】
式(1)について説明する。離散時間の確率過程で、成功/失敗の確率は時間依存性のないベルヌーイ試行の列で表現することができる。MHPがない場合、フィルタ部6から出力されるものは時間依存性のないホワイトノイズであるとすることができる。このホワイトノイズを2値化する際、ホワイトノイズの平均値としきい値TH1,TH2の中心とが概ね等しいとき、図7に示すように、2値化後の符号がローレベルからハイレベルまたはハイレベルからローレベルへ変化する確率をp、符号が変化しない確率を1−pとすることができる。2値化後の符号が変化する場合を成功、符号が変化しない場合を失敗と呼ぶ。図7における横軸はフィルタ部6の出力であり、70はホワイトノイズ、71は確率密度、72は累積確率を示している。なお、図7では、フィルタ部6の出力の立ち上がりを検出するためのしきい値をTH1、立ち下がりを検出するためのしきい値をTH2(TH2<TH1)としている。
【0030】
同じ符号がx回続く確率は、x−1回の失敗と1回の成功が起こる確率であるので、上記の式(1)で表すことができる。
以上の式(1)から、ヒステリシス幅が0(p=0.5)の場合の無信号状態における総度数は総サンプリングクロック数Nsampの1/2であり、ヒステリシス幅が0の場合の無信号状態における階級値1の度数は総サンプリングクロック数Nsampの1/4であるという関係を導出することができる。
【0031】
図8は本実施の形態の信号判定装置10の効果を説明する図であり、ランレングス測定部101によって測定されるランレングスの度数分布の例を示す図である。図8において、80はフィルタ部6の出力が無信号状態の場合の度数分布、81はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが少ない場合の度数分布、82はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが多い場合の度数分布である。図8の例では、判定期間中の総サンプリングクロック数Nsampは7000である。
【0032】
ランレングス度数分布80の総度数は約3450程度であり、総サンプリングクロック数Nsampの略1/2である。一方、ランレングス度数分布81,82のそれぞれの総度数は総サンプリングクロック数Nsampの1/2を大きく下回る。したがって、総度数を用いて入力信号が有効か否かを判定できることが分かる。
【0033】
また、ランレングス度数分布80の階級値1の度数は約1600程度であり、総サンプリングクロック数Nsampの略1/4である。一方、ランレングス度数分布81,82のそれぞれの階級値1の度数は総サンプリングクロック数Nsampの1/4を大きく下回る。したがって、階級値1の度数を用いて入力信号が有効か否かを判定できることが分かる。
以上のように、本実施の形態では、入力信号が有効か否かを簡単に判定することができる。
【0034】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態においても、自己結合型レーザセンサの構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。図9は本実施の形態の信号判定装置10の構成を示すブロック図である。本実施の形態の信号判定装置10は、2値化部100と、ランレングス測定部101と、記憶部102と、対数変換部104と、有効性判定部105とを有する。
【0035】
図10は本実施の形態の信号判定装置10の動作を示すフローチャートである。2値化部100とランレングス測定部101の動作は、第1の実施の形態と同様である(図10ステップS1,S2)。ただし、本実施の形態では、2値化の際のしきい値にヒステリシスを設けた方が好ましい。つまり、本実施の形態の2値化部100は、図11(A)に示すフィルタ部6の出力電圧が上昇してしきい値TH1以上になったときにハイレベルと判定し、フィルタ部6の出力電圧が下降してしきい値TH2(TH2<TH1)以下になったときにローレベルと判定することにより、図11(B)のような2値化結果を出力する。
【0036】
次に、対数変換部104は、記憶部102に記憶されているランレングス測定部101の判定期間中の測定結果から得られるランレングス度数分布に対して、度数の対数変換を実施する(図10ステップS4)。対数変換部104の変換処理結果は、記憶部102に格納される。
【0037】
次に、有効性判定部105は、記憶部102に記憶されている対数変換部104の変換処理結果に基づいて、入力信号が有効か否かを判定する(図4ステップS5)。具体的には、有効性判定部105は、対数変換部104の変換処理結果から得られる対数変換後のランレングス度数分布に対して、最小二乗法を適用した際の決定係数(重決定R2)を求め、この決定係数が所定の判定しきい値以上の場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が無効であると判定し、決定係数が判定しきい値未満の場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が有効であると判定する。
信号判定装置10は、以上のような処理を判定期間毎に行う。表示部9は、信号判定装置10の判定結果を表示する。
【0038】
図12(A)、図12(B)は本実施の形態の信号判定装置10の効果を説明する図であり、図12(A)はランレングス測定部101によって測定されるランレングスの度数分布の例を示す図、図12(B)は図12(A)のランレングス度数分布を対数変換部104によって対数変換した後のランレングス度数分布を示す図である。図12(A)において、110はフィルタ部6の出力が無信号状態の場合の度数分布、111はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが少ない場合の度数分布、112はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが多い場合の度数分布である。また、図12(B)において、113,114,115はそれぞれランレングス度数分布110,111,112を対数変換した後の度数分布である。
【0039】
本実施の形態の信号判定装置10の処理によると、ランレングス度数分布113から得られる決定係数は0.9218、ランレングス度数分布114から得られる決定係数は0.0698、ランレングス度数分布115から得られる決定係数は0.7875である。したがって、0.9218と0.7875との間に判定しきい値を設定すれば、無信号状態と信号が有効な状態とを区別できることが分かる。
【0040】
なお、第1、第2の実施の形態は、ランレングス測定部101の測定結果から得られるランレングス度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを判定するものであり、同一の思想に基づくものである。
【0041】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において2値化の際のヒステリシス幅が大きい場合、2値化時に歯抜けが多発し、フィルタ部6の出力に含まれるMHPが本来有効な信号であっても、有効な信号でないと判断される可能性がある。
【0042】
図13(A)、図13(B)、図14(A)、図14(B)は第2の実施の形態の信号判定装置10の問題点を説明する図である。図13(A)は図12(A)、図12(B)の場合よりもヒステリシス幅を大きくした場合のランレングス度数分布の例を示す図、図13(B)は図13(A)のランレングス度数分布を対数変換した後のランレングス度数分布を示す図である。図13(A)において、130はフィルタ部6の出力が無信号状態の場合の度数分布、131はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが少ない場合の度数分布、132はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが多い場合の度数分布である。また、図13(B)において、133,134,135はそれぞれランレングス度数分布130,131,132を対数変換した後の度数分布である。
【0043】
図14(A)は無信号状態の場合の入力信号の2値化後の符号が変化する確率pとそのランレングス度数分布(幾何分布)との関係を示す図、図14(B)は図14(A)のランレングス度数分布(幾何分布)を対数変換した後の度数分布を示す図である。図14(A)において、140はp=0.5の場合の度数分布、141はp=0.4の場合の度数分布、142はp=0.3の場合の度数分布、143はp=0.2の場合の度数分布、144はp=0.1の場合の度数分布である。また、図14(B)において、145,146,147,148,149はそれぞれランレングス度数分布(幾何分布)140,141,142,143,144を対数変換した後の度数分布である。2値化の際のヒステリシス幅が0のときに確率p=0.5となり、MHPの振幅に対してヒステリシス幅が相対的に大きくなる程、確率pは小さくなる。
【0044】
図13(A)、図13(B)、図14(A)、図14(B)から明らかなように、MHPの振幅に対してヒステリシス幅が相対的に大きくなる程、2値化時の歯抜けが多発し、ランレングス度数分布の傾きが小さくなり、ランレングス度数分布が無信号状態の場合の幾何分布のような形状になる。このため、第2の実施の形態の信号判定装置10は、フィルタ部6の出力に含まれるMHPが本来有効な信号であっても、有効な信号でないと判断する可能性がある。本実施の形態は、このような問題点を解決するためのものである。
【0045】
本実施の形態においても、自己結合型レーザセンサの構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。図15は本実施の形態の信号判定装置10の構成を示すブロック図である。本実施の形態の信号判定装置10は、2値化部100と、ランレングス測定部101と、記憶部102と、対数変換部104と、有効性判定部105aと、特徴値算出部106とを有する。
【0046】
図16は本実施の形態の信号判定装置10の動作を示すフローチャートである。2値化部100とランレングス測定部101と対数変換部104の動作は、第2の実施の形態と同じである(図16ステップS1,S2,S4)。
次に、特徴値算出部106は、記憶部102に記憶されているランレングス測定部101の測定結果から、判定期間中のランレングスの特徴値T0を算出する(図16ステップS6)。ランレングスの特徴値T0としては、平均値、最頻値、中央値がある。また、階級値と度数との積が最大となる階級値をランレングスの特徴値T0としてもよい。特徴値算出部106が算出した特徴値T0は、記憶部102に格納される。
【0047】
次に、有効性判定部105aは、記憶部102に記憶されている対数変換部104の変換処理結果と特徴値T0に基づいて、入力信号が有効か否かを判定する(図16ステップS7)。具体的には、有効性判定部105aは、対数変換部104の変換処理結果から得られる対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が2T0以下のランレングス度数分布に対して、最小二乗法を適用した際の決定係数(重決定R2)を求め、この決定係数が所定の判定しきい値以上の場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が無効であると判定し、決定係数が判定しきい値未満の場合には、フィルタ部6の出力に含まれる信号(MHP)が有効であると判定する。
信号判定装置10は、以上のような処理を判定期間毎に行う。表示部9は、信号判定装置10の判定結果を表示する。
【0048】
図17は本実施の形態の信号判定装置10による判定の原理を説明する図であり、2値化部100の出力を示す図である。
MHPの波形には、ノイズのために欠落が生じることがあり、結果として2値化部100の出力の波形にも欠落が生じることがある。信号の欠落が生じると、欠落が生じた箇所での2値化出力のランレングスTwは、本来のランレングスのおよそ3倍になる。つまり、2値化出力のランレングスが基準周期T0のおよそ3倍以上の場合には、信号に欠落が生じていると判断できる。そこで、本実施の形態では、信号の欠落の影響を受け難い階級値2T0以下のランレングス度数分布を用いることによって、図13(A)、図13(B)、図14(A)、図14(B)で説明した問題点を改善することができ、入力信号が有効か否かの判定精度を向上させることができる。
【0049】
図18(A)、図18(B)は本実施の形態の信号判定装置10の効果を説明する図であり、図18(A)は対数変換部104の変換処理結果から得られる対数変換後のランレングス度数分布の例を示す図、図18(B)は図18(A)のランレングス度数分布のうち階級値が2T0以下のランレングス度数分布を示す図である。図18(A)において、180はフィルタ部6の出力が無信号状態の場合の度数分布、181はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが少ない場合の度数分布、182はフィルタ部6の出力に含まれる信号が有効で且つノイズが多い場合の度数分布である。また、図18(B)において、183,184,185はそれぞれランレングス度数分布180,181,182のうち階級値が2T0以下の度数分布である。
【0050】
第2の実施の形態の信号判定装置10の処理によると、ランレングス度数分布180から得られる決定係数は0.7379、ランレングス度数分布181から得られる決定係数は0.6824、ランレングス度数分布182から得られる決定係数は0.6573である。このように、無信号状態の決定係数と信号が有効な状態の決定係数との差が少なく、無信号状態と信号が有効な状態とを区別し難いことが分かる。
【0051】
これに対して、本実施の形態の信号判定装置10の処理によると、ランレングス度数分布183から得られる決定係数は0.7691、ランレングス度数分布184から得られる決定係数は0.3933、ランレングス度数分布185から得られる決定係数は0.4673である。したがって、0.7691と0.4673との間に判定しきい値を設定すれば、無信号状態と信号が有効な状態とを区別できることが分かる。
以上のように、本実施の形態では、第2の実施の形態に比べて入力信号が有効か否かの判定精度を向上させることができる。
【0052】
なお、第1〜第3の実施の形態では、本発明の信号判定装置を自己結合型レーザセンサに適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、本発明の信号判定装置は他の分野にも適用することができる。
【0053】
また、第1〜第3の実施の形態において少なくとも演算部8と信号判定装置10とは、例えばCPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータを動作させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、このプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、入力信号が有効か否かを判定する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…半導体レーザ、2…フォトダイオード、3…レンズ、4…レーザドライバ、5…電流−電圧変換増幅部、6…フィルタ部、7…計数部、8…演算部、9…表示部、10…信号判定装置、100…2値化部、101…ランレングス測定部、102…記憶部、103,105,105a…有効性判定部、104…対数変換部、106…特徴値算出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を2値化する2値化手段と、
この2値化手段の出力を入力とし、判定期間中の前記入力信号の2値化結果である符合が変化する度に符号のランレングスを測定するランレングス測定手段と、
このランレングス測定手段の測定結果から得られるランレングス度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする信号判定装置。
【請求項2】
請求項1記載の信号判定装置において、
前記2値化手段は、ヒステリシス幅が0の状態で前記入力信号を2値化し、
前記判定手段は、前記ランレングスを測定するサンプリングクロックの前記判定期間中の総数をNsampとしたとき、前記判定期間中の総度数とNsamp/2との比、あるいは前記判定期間中の階級値1の度数とNsamp/4との比により、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とする信号判定装置。
【請求項3】
請求項1記載の信号判定装置において、
前記判定手段は、
前記ランレングス測定手段の判定期間中の測定結果から得られるランレングス度数分布に対して度数の対数変換を実施する対数変換手段と、
この対数変換手段の変換処理結果から得られる対数変換後のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定する有効性判定手段とからなることを特徴とする信号判定装置。
【請求項4】
請求項3記載の信号判定装置において、
前記有効性判定手段は、前記対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が所定値以下のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とする信号判定装置。
【請求項5】
請求項4記載の信号判定装置において、
前記判定手段は、さらに、前記ランレングス測定手段の判定期間中の測定結果から、ランレングスの分布の特徴値T0を算出する特徴値算出手段を備え、
前記有効性判定手段は、前記対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が2T0以下のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とする信号判定装置。
【請求項6】
入力信号を2値化する2値化ステップと、
この2値化ステップの出力を入力とし、判定期間中の前記入力信号の2値化結果である符合が変化する度に符号のランレングスを測定するランレングス測定ステップと、
このランレングス測定ステップの測定結果から得られるランレングスの度数分布と幾何分布との一致度から、入力信号が有効か否かを判定する判定ステップとを備えることを特徴とする信号判定方法。
【請求項7】
請求項6記載の信号判定方法において、
前記2値化ステップは、ヒステリシス幅が0の状態で前記入力信号を2値化し、
前記判定ステップは、前記ランレングスを測定するサンプリングクロックの前記判定期間中の総数をNsampとしたとき、前記判定期間中の総度数とNsamp/2との比、あるいは前記判定期間中の階級値1の度数とNsamp/4との比により、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とする信号判定方法。
【請求項8】
請求項6記載の信号判定方法において、
前記判定ステップは、
前記ランレングス測定ステップの判定期間中の測定結果から得られるランレングス度数分布に対して度数の対数変換を実施する対数変換ステップと、
この対数変換ステップの変換処理結果から得られる対数変換後のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定する無信号状態判定ステップとからなることを特徴とする信号判定方法。
【請求項9】
請求項8記載の信号判定方法において、
前記無信号状態判定ステップは、前記対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が所定値以下のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とする信号判定方法。
【請求項10】
請求項9記載の信号判定方法において、
前記判定ステップは、さらに前記無信号状態判定ステップの前に、前記ランレングス測定ステップの判定期間中の測定結果から、ランレングスの分布の特徴値T0を算出する特徴値算出ステップを備え、
前記無信号状態判定ステップは、前記対数変換後のランレングス度数分布のうち階級値が2T0以下のランレングス度数分布に対して最小二乗法を適用した際の決定係数から、入力信号が有効か否かを判定することを特徴とする信号判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−13488(P2012−13488A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148910(P2010−148910)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】