説明

信号記録装置

【課題】電力消費を抑制しつつ、測定対象物に取り付けられた後においても最適なタイミングで信号記録を開始する。
【解決手段】データ収録装置10のCPU15は、インタフェース17を介して、コンピュータ50からの収録開始の指令を受けると、光信号の入力待ち状態、すなわち待機状態になる。そして、CPU15は、光センサ14に光信号が入力されたことを検出すると、アンプ11,12、光センサ14のいずれかに入力された信号の収録を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号記録装置に係り、例えば、測定対象物に取り付けられた状態で測定対象物に関する信号を記録するのに好適な信号記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部からの電源供給を受けることなくアナログ量を計測・収集し、コンピュータを使用した多様なデータ解析を行う小型データ収集装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
上記小型データ収集装置は、特許文献1の図1に示すように、複数のアナログセンサー5a,5bより検出された複数の異なるアナログ量をディジタルデータに変換するアナログ/ディジタル変換機能と、ディジタルデータをデータ記憶部3へ記憶すると共に、データ記憶部3に記憶されたディジタルデータをパーソナルコンピューター9へ出力することのできるマイクロコンピューター6と、計測の開始/停止信号をマイクロコンピューター6へ入力するスイッチ1aと、データ記憶部3からのデータ出力開始信号をマイクロコンピューター6へ入力するスイッチと、マイクロコンピューター6とデータ記憶部3に電源を供給する電池と、計測状態を表示する表示部7を備えている。
【0004】
また、電源をオフにして待機状態になり、測定信号や外部アナログ信号によってデータ収録動作を開始することで消費電力を抑制する技術も提案されている(例えば、特許文献2及び3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−159817号公報
【特許文献2】特開平8−320886号公報
【特許文献3】特開平9−128108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された小型データ収集装置は、スイッチ入力によってデータ収録の指令を行っている。このため、上記小型データ収集装置は、測定対象物に取り付けられた場合、運動開始後にデータ収録の指令を与えることができなかった。
【0007】
また、小型データ収集装置は、測定対象物にかかわりなく、最初に与えた指示のみでデータを収録するため、不要なデータも収録してしまい、限られたメモリ、電池容量を有効に利用できないという問題もあった。
【0008】
特許文献2では、入力信号の有無でデータの収録開始を判断している。特許文献3では、入力信号が基準信号以上であるかを比較することでデータの収録開始を判断している。このため、これらの信号記録装置は、測定対象物に取り付けられた状態では、その測定対象物の振動などによって意図しない信号が入力されてしまい誤作動する可能性もあった。
【0009】
さらに、信号記録装置は、測定対象物に取り付けられた後では、人の手を付けられないような状態に置かれることが多い。よって、信号記録装置は、意図しない信号が入力されて誤動作すると、電力を無駄に消費してしまうと共に必要とするデータを収録することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するために提案されたものであり、電力消費を抑制しつつ、測定対象物に取り付けられた後においても最適なタイミングで信号記録を開始することができる信号記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明に係る信号記録装置は、信号が入力される信号入力手段と、トリガ信号を検出するトリガ信号検出手段と、信号を記憶する記憶手段と、 前記トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う記録制御手段と、前記記憶手段に記憶された信号を転送する転送手段と、所定時間を計時する計時手段と、を備え、前記トリガ信号検出手段は、光信号を前記トリガ信号として検出し、前記記録制御手段は、前記トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたとき、前記計時手段により所定時間が計時されたときのいずれか早いときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う。
【0012】
信号入力手段は、どのような処理を行うかを問わず、信号が入力されるものであればよい。すなわち、アナログ信号、デジタル信号、光信号など信号の種類は問わない。トリガ信号検出手段は、信号記録開始を表すトリガ信号を検出する。トリガ信号の種類は問わず、アナログ信号、デジタル信号、光信号などのいずれでもよいが、ここでは光信号をトリガ信号として検出する。
【0013】
記憶手段は、信号を記憶するものであれば、揮発性、不揮発性を問わない。記録制御手段は、トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う。
【0014】
これにより、信号記録装置は、トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたときに、信号入力手段により入力された信号を記憶手段に記録し、記憶手段に記憶された信号を転送することにより、信号の記録開始時にユーザが指示することなく、信号入力手段により入力された信号を記録することができる。
【0015】
ここで、信号記録装置において、前記トリガ信号検出手段は、前記信号入力手段に入力される信号を前記トリガ信号として検出してもよい。これにより、信号記録装置は、信号入力手段により信号が入力されると同時にその信号を自動的に記録することができる。
【0016】
また、前記信号記録装置は、所定時間を計時する計時手段を更に備え、前記記録制御手段は、前記トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたとき、前記計時手段により所定時間が計時されたときのいずれか早いときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行ってもよい。
【0017】
さらに、前記信号記録装置において、前記記録制御手段は、前記トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出される毎に、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録し、記録を停止することを繰り返し行う制御を行ってもよい。
【0018】
これにより、前記信号記録装置は、信号入力手段により入力された信号の記録/停止を自動的に繰り返し行うことができる。
【0019】
また、本発明に係る信号記録装置は、ユーザの意図に従って発生した事象の信号が入力される信号入力手段と、信号を記憶する記憶手段と、ユーザの指示を示す電源供給トリガを検出するトリガ検出手段と、前記トリガ検出手段により電源供給トリガが検出されたときに電源が供給され、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う記録制御手段と、前記記憶手段に記憶された信号を転送する転送手段と、を備えている。
【0020】
トリガ検出手段は、電源供給のタイミングを表す電源供給トリガを検出する。なお、トリガ検出手段は、信号入力手段により入力された信号から電源供給トリガを検出してもよい。そして、記録制御手段は、トリガ検出手段により電源供給トリガが検出されたときに電源が供給され、信号入力手段により入力された信号を記憶手段に記録する制御を行う。
【0021】
したがって、信号記録装置によれば、電源供給トリガを検出したときに電源が供給されて、信号入力手段により入力された信号を記憶手段に記録することにより、信号記録を行わない待機時の電力消費を抑制することができる。
【0022】
前記トリガ検出手段は、前記信号入力手段により入力された信号が一定周期であるとき、又は前記信号が一定周期でありかつ所定周期であるときに、前記電源供給トリガを検出してもよい。これにより、周期性の有する信号のみを確実に記録することができる。
【0023】
また、本発明に係る信号記録装置は、ユーザの意図に従って発生した事象の信号が入力される信号入力手段と、信号を記憶する記憶手段と、前記信号入力手段により入力された信号のパターンが所定パターンのときにユーザの指示を示す電源供給トリガを検出するトリガ検出手段と、前記トリガ検出手段により電源供給トリガが検出されたときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う記録制御手段と、前記記憶手段に記憶された信号を転送する転送手段と、を備えている。
【0024】
トリガ検出手段は、信号入力手段により入力された信号のパターンが所定パターンのときに電源供給トリガを検出する。そして、記録制御手段は、電源供給トリガが検出されたときに、信号入力手段により入力された信号を記憶手段に記録する制御を行う。
【0025】
これにより、信号記録装置によれば、入力される信号に外乱などの影響があっても、所望の信号のみを記憶手段に記憶することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る信号記録装置は、信号記録開始時にユーザが指示することなく、自動的に信号を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータ収録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】内蔵タイマによるデータ収録動作を示すタイミングチャートである。
【図3】光信号によるデータ収録動作を示すタイミングチャートである。
【図4】内蔵タイマと光信号によるデータ収録動作を示すタイミングチャートである。
【図5】光信号によるデータ収録の繰り返し動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るデータ収録装置の構成を示すブロック図である。
【図7】データ収録装置によるデータ収録の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】データ収録装置によるデータ収録の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】データ収録装置によるデータ収録の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ収録装置10の構成を示すブロック図である。
【0030】
データ収録装置10は、アナログ信号、ディジタル信号、光信号のいずれかを収録対象とするものであり、アナログ信号をそれぞれ増幅するアンプ11,12、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換器13、光信号を検出する光センサ14、所定の処理を行うCPU15、ディジタル信号を記憶するメモリ16、所定のフォーマットでテータ転送を行うインタフェース17、装置全体に電源を供給する電池18を備えている。
【0031】
アンプ11,12は、それぞれ外部から入力されたアナログ信号を増幅し、増幅したアナログ信号をそれぞれA/D変換器13に供給する。A/D変換器13は、アンプ11,12から供給されたアナログ信号をそれぞれディジタル信号に変換し、それぞれのディジタル信号をCPU15に供給する。
【0032】
光センサ14は、外部から入力された光信号を検出して信号を生成し、この信号をCPU15に供給する。なお、光センサ14は、赤外光センサ、可視光センサのいずれであってもよい。
【0033】
CPU15は、データ収録時では、A/D変換器13、光センサ14、又は外部から直接供給されたディジタル信号のいずれかを収録対象のデータとして逐次メモリ16に格納する。すなわち、収録対象となるデータは、アンプ11又はアンプ12に入力されたアナログ信号、光センサ14で検出された光信号、CPU15に直接入力されたディジタル信号のいずれであってもよく、特に限定されるものではない。
【0034】
また、CPU15は、所定時間計数するための内蔵タイマを有しており、所定時間経過した後に所定の動作を行うこともできる。なお、CPU15は、必要に応じて、メモリ16からディジタル信号を読み出し、このディジタル信号をインタフェース17に供給する。
【0035】
インタフェース17は、データ収録前では、コンピュータ50からの指令をCPU15に供給する。これにより、コンピュータ50は、データ収録装置10のデータ収録動作の設定を行うことができる。インタフェース17は、データ収録後では、CPU15の処理結果を所定のフォーマットでコンピュータ50に転送する。
【0036】
以上のように構成されたデータ収録装置10は、コンピュータ50から切り離された後、待機状態になる。そして、データ収録装置10は、例えば測定対象物に取り付けられ、その測定対象物と一体に運動可能になる。本実施形態では、データ収録装置10は、次の4つの手法でデータ収録を開始する。以下では、データ収録の対象として、アンプ11,12、光センサ14のいずれかに入力された信号を例に挙げて説明するが、CPU15に直接入力されたディジタル信号であってもよい。
【0037】
(第1の手法)
図2は、内蔵タイマによるデータ収録動作を示すタイミングチャートである。データ収録装置10のCPU15は、インタフェース17を介して、コンピュータ50からの収録開始の指令を受けると、内蔵タイマを作動して所定時間計数することを開始すると共に待機状態になる。そして、CPU15は、所定時間経過した時に、アンプ11,12、光センサ14のいずれかに入力された信号の収録を開始する。
【0038】
(第2の手法)
図3は、光信号によるデータ収録動作を示すタイミングチャートである。データ収録装置10のCPU15は、インタフェース17を介して、コンピュータ50からの収録開始の指令を受けると、光信号の入力待ち状態、すなわち待機状態になる。そして、CPU15は、光センサ14に光信号が入力されたことを検出すると、アンプ11,12、光センサ14のいずれかに入力された信号の収録を開始する。
【0039】
(第3の手法)
図4は、内蔵タイマと光信号によるデータ収録動作を示すタイミングチャートである。データ収録装置10のCPU15は、インタフェース17を介して、コンピュータ50からの収録開始の指令を受けると、内蔵タイマを作動して所定時間計数することを開始すると共に、光信号の入力待ち状態、すなわち待機状態になる。そして、CPU15は、光信号が入力されたとき、所定時間経過したときのいずれか早いときに、アンプ11,12、光センサ14のいずれかに入力された信号の収録を開始する。
【0040】
(第4の手法)
図5は、光信号によるデータ収録の繰り返し動作を示すタイミングチャートである。データ収録装置10のCPU15は、インタフェース17を介して、コンピュータ50からの収録開始の指令を受けると、光信号の入力待ち状態、すなわち待機状態になる。そして、CPU15は、光センサ14に光信号が入力されたことを検出すると、アンプ11,12のいずれかに入力された信号の収録を開始する。そして、CPU15は、光センサ14に次の光信号が入力されたことを検出すると、アンプ11,12のいずれかに入力された信号の収録を停止して待機状態になる。さらに、CPU15は、光センサ14に光信号が入力されたことを検出すると、アンプ11,12のいずれかに入力された信号の収録を開始する。すなわち、CPU15は、トリガである光信号が入力される毎に、データ収録の開始・停止を繰り返している。
【0041】
以上のように、第1の実施形態に係るデータ収録装置10は、測定対象物と共に運動するような場合であっても、外部から入力される信号をトリガとして、そのトリガに基づいてデータ収録を自動的に開始することができる。また、データ収録装置10は、外部から信号が入力されたとき又はタイマが所定時間計数したときをトリガとして、そのトリガに基づいてデータ収録を開始することができる。さらに、データ収録装置10は、外部から入力される信号をトリガとして、データ収録開始及び停止を繰り返し行うことができる。
【0042】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で設計変更されたものに対しても適用可能である。
【0043】
例えば、CPU15は、光信号をデータ収録開始のトリガとしていたが、光信号の代わりに、アンプ11又はアンプ12に入力されたアナログ信号、当該CPU15に直接入力されたディジタル信号をデータ収録開始のトリガとしてもよい。
【0044】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係るデータ収録装置20の構成を示すブロック図である。
【0045】
データ収録装置20は、アナログ信号を増幅するアンプ21、アナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル(A/D)変換器22、物理現象を検知する検知センサ23、入力信号が収録対象となる信号であるかを判定する入力信号判定回路24、装置全体に電源を供給する電池25、電池25から所定回路への電源供給を制御する電源制御回路26、所定の処理を行うCPU27、ディジタル信号を記憶するメモリ28、所定のフォーマットでテータ転送を行うインタフェース29を備えている。
【0046】
アンプ21は、外部から入力されたアナログ信号を増幅し、増幅したアナログ信号をA/D変換器22及び入力信号判定回路24に供給する。A/D変換器22は、アンプ21から供給されたアナログ信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号をCPU27に供給する。
【0047】
また、検知センサ23は、所定の物理現象を検出し、その検出結果を入力信号判定回路24に供給する。物理現象とは、例えば、光、圧力、加速度などがあるが、これに限定されるものではない。
【0048】
入力信号判定回路24は、アンプ21を介して入力されたアナログ信号、又は検知センサ23を介して入力されたアナログ信号と所定のデータとを比較して、所定の回路に電源を供給すべきか否かを判定する。すなわち、入力信号判定回路24は、上記信号と所定のデータとを比較して、電源供給トリガを検出する。なお、入力信号判定回路24の内部メモリには、収録対象となる信号の周期、信号パターンなどが予め設定されている。
【0049】
電池25は、A/D変換器22、CPU27及びその他の回路に対して電源を供給する。ただし、A/D変換器22及びCPU27に供給される電源は、電源制御回路26によって制御されている。
【0050】
電源制御回路26は、待機状態のときは、電池25からA/D変換器22及びCPU27に電源が供給されない(電源オフになる)ように制御する。これにより、待機状態時の消費電力を抑制している。また、電源制御回路26は、待機状態でないときは、電池25からA/D変換器22及びCPU27に電源が供給されるように制御する。
【0051】
CPU27は、電源が供給されたデータ収録時では、A/D変換器22から供給されたディジタル信号を逐次メモリ28に格納する。また、CPU27は、所定時間計数するための内蔵タイマを有しており、所定時間経過した後に所定の動作を行うこともできる。なお、CPU27は、データ収録後では、必要に応じて、メモリ28からディジタル信号を読み出し、このディジタル信号をインタフェース29に供給する。
【0052】
インタフェース29は、データ収録時では、コンピュータ50からの指令をCPU27に供給する。これにより、コンピュータ50は、データ収録装置20のデータ収録動作の設定を行うことができる。インタフェース29は、データ収録後では、CPU27によってメモリ28から読み出されたデータを、所定のフォーマットでコンピュータ50に転送する。
【0053】
以上のように構成されたデータ収録装置20は、コンピュータ50から切り離された後、待機状態になる。そして、データ収録装置20は、例えば測定対象物に取り付けられ、その測定対象物と一体に運動可能になる。本実施形態では、データ収録装置20は、次の3つの手法でデータ収録を開始する。以下では、アンプ21に入力された信号を電源供給開始のトリガとしているが、検知センサ23により検知された物理現象を電源供給開始のトリガとしてよいのは勿論である。
【0054】
(第1の手法)
図7は、データ収録装置20によるデータ収録の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
ステップST1では、電源制御回路26は、A/D変換器22及びCPU27に供給すべき電源をオフにして待機状態にした後、ステップST2に移行する。
【0056】
ステップST2では、入力信号判定回路24は、アンプ21を介して供給されたアナログ信号が周期的であるか否かを判定する。具体的には、入力信号判定回路24は、数回のアナログ信号が供給されたときに、そのアナログ信号の一定周期(周期的)であるか否かを判定する。そして、一定周期のときは電源供給トリガを検出したとしてステップST3に移行し、一定でないときはステップST1に戻って再び待機状態になる。
【0057】
ステップST3では、電源制御回路26は、A/D変換器22及びCPU27への電源をオンにする。これにより、A/D変換器22は、アンプ21から供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して、CPU27に供給する。そして、CPU27は、A/D変換器22から供給されるディジタル信号を収録できる。以上のように、データ収録装置20は、入力信号の周期が一定の場合に電源をオンにしてデータ収録動作を行うことができる。
【0058】
(第2の手法)
図8は、データ収録装置20によるデータ収録の処理手順を示すフローチャートである。
【0059】
ステップST11では、電源制御回路26は、A/D変換器22及びCPU27に供給すべき電源をオフにして待機状態にした後、ステップST12に移行する。
【0060】
ステップST12では、入力信号判定回路24は、アンプ21を介して供給されたアナログ信号が周期的であるか否かを判定する。そして、アナログ信号の周期が一定(周期的)であるときはステップST13に移行し、一定でないときはステップST14に戻って再び待機状態になる。
【0061】
ステップST13では、電源制御回路26は、アンプ21を介して供給された数回分のアナログ信号の周期を計測し、その計測した周期が予め定められた周期に合致しているか否かを判定する。そして、周期が合致しているときは電源供給トリガを検出したとしてステップST14に移行し、周期が合致していないときはステップST11に戻る。これにより、入力されたアナログ信号の周期が一定であっても、予め設定された周期に合致していないときは、再び待機状態になる。
【0062】
ステップST14は、電源制御回路26は、A/D変換器22及びCPU27への電源をオンにする。これにより、第1の手法と同様に、A/D変換器22は、アンプ21から供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して、CPU27に供給する。そして、CPU27は、A/D変換器22から供給されるディジタル信号を収録できる。
【0063】
以上のように、データ収録装置20は、収録対象とするデータの周期が予め決定している場合には、入力信号の周期が一定でありかつ所定周期の場合に電源をオンにすることによって、所望のデータのみを収録することができる。
【0064】
(第3の手法)
図9は、データ収録装置20によるデータ収録の処理手順を示すフローチャートである。
【0065】
ステップST21では、電源制御回路26は、A/D変換器22及びCPU27に供給すべき電源をオフにして待機状態にした後、ステップST22に移行する。
【0066】
ステップST22では、電源制御回路26は、入力信号判定回路24を介して、アンプ21にアナログ信号が供給されたことを検出すると、A/D変換器22及びCPU27への電源をオンにする。このとき、CPU27は、データ収録を開始して、ステップST23に移行する。
【0067】
ステップST23では、CPU27は、アンプ21、A/D変換器22を介して入力されたディジタル信号の信号パターンと、予め設定された信号パターンとを照合して、ステップST24に移行する。
【0068】
ステップST24では、CPU27は、アンプ21、A/D変換器22を介して入力されたディジタル信号の信号発生パターンと、予め設定された信号発生パターンとが一致するか否かを判定する。一致するときはステップST25に移行し、一致していないときはステップST21に戻る。
【0069】
ステップST25では、CPU27は、予め定められた信号発生パターンに一致するディジタル信号をメモリ28に格納することでデータ収録を行う。これにより、データ収録装置20は、不規則な周期で所望の信号が発生するような場合には、予め定められた信号パターンを用意しておくことで、これに一致する信号のみを収録することができる。
【0070】
以上のように、第2の実施形態に係るデータ収録装置20は、測定対象物と共に運動するような場合であっても、外部から入力される信号をトリガとして、そのトリガに基づいて所定の回路に電源を供給することで、データ収録を自動的に開始することができる。
【0071】
また、データ収録装置20は、外部から信号が入力されたときに所定の回路に電源を供給して、その信号のパターンが所定のパターンに合致しているかを判定してから収録することで、外乱の影響を受けることなく、所望のデータのみを収録することができる。
【0072】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で設計変更されたものに対しても適用可能である。
【0073】
例えば、第2の実施形態における第1及び第2の手法において、電源制御回路26は、入力信号判定回路24で判定された信号があるレベル以上になったときに、A/D変換器22及びCPU27への電源をオンにしてもよい。また、電源制御回路26の代わりに、図示しない本体信号処理部が継続電源投入するかを判定してもよい。
【0074】
また、第2の実施形態では、CPU27は、待機状態のときにA/D変換器22及びCPU27の電源をオフにしていたが、その他の回路の電源をオフにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10,20 データ収録装置
11,12,21 アンプ
13,22 A/D変換器
15,27 CPU
16,28 メモリ
24 入力信号判定回路
25 電池
26 電源制御回路
17,29 インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号が入力される信号入力手段と、
トリガ信号を検出するトリガ信号検出手段と、
信号を記憶する記憶手段と、
前記トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う記録制御手段と、
前記記憶手段に記憶された信号を転送する転送手段と、
所定時間を計時する計時手段と、
を備え、
前記トリガ信号検出手段は、光信号を前記トリガ信号として検出し、
前記記録制御手段は、前記トリガ信号検出手段によりトリガ信号が検出されたとき、前記計時手段により所定時間が計時されたときのいずれか早いときに、前記信号入力手段により入力された信号を前記記憶手段に記録する制御を行う信号記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−156705(P2010−156705A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38850(P2010−38850)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【分割の表示】特願2004−85152(P2004−85152)の分割
【原出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】