説明

修正キャリア及び研磨装置

【課題】定盤の研磨面を高精度に平坦にすることが可能な修正キャリア及び研磨装置を提供する。
【解決手段】両面研磨装置22の定盤25,27の研磨面25a,27aを平坦に研磨するために用いられる、厚さ方向の貫通孔10a,10b,10c,10dを備えている修正キャリア1であって、前記貫通孔10a,10b,10c,10dは主面の中心を避けた位置にあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨装置が備えた定盤の研磨面の修正に用いられる修正キャリア及び研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体や水晶振動子を製造する過程において、素板となるウェーハの表面の傷や歪みを除去するために、ウェーハ表面の研磨が行われている。
ウェーハ表面の研磨には研磨装置が使用される。研磨装置には、ウェーハの両面を同時に研磨する両面研磨装置と、ウェーハの片面を研磨する片面研磨装置とが存在する。両面研磨装置は、片面研磨装置に比較して厚み精度に優れており、水晶振動子を製造する際の素板となる水晶ウェーハの研磨に用いられる。
【0003】
図13は、従来における両面研磨装置22の斜視図である。両面研磨装置22は、回転中心に配置された駆動軸23と、駆動軸23によって回転駆動されるサンギア24と、このサンギア24の周囲にサンギア24と同心状に設けられた環状の下定盤25と、下定盤25の周囲に配置されサンギア24と同心に形成されて回転駆動されるインターナルギア26と、下定盤25の上方に配置される環状の上定盤27とを備えている。サンギア24とインターナルギア26の間には、水晶ウェーハ等のワークWを保持したキャリア21が配置される。
【0004】
ワークWの研磨を行うには、キャリア21の保持孔21pにワークWを収納し、キャリア21の外周面に設けられた歯車21gがサンギア24とインターナルギア26に同時に噛合するようにキャリア21を組み込む。さらに、上定盤27と下定盤25とでキャリア21を挟み込んで荷重をかける。そして、研磨面に研磨材(スラリー)を供給しつつ、駆動機構(不図示)を駆動させて、サンギア24と、インターナルギア26と、上定盤27と、下定盤25とを回転させる。これにより、図14に示すように、サンギア24とインターナルギア26に噛合しているキャリア21は、サンギア24の回りを自転公転しながら回転するいわゆる遊星運動を行う。上下定盤25,27は各々反対方向又は同一方向に回転させることによって、ワークWの研磨を行う。
【0005】
上下の定盤の材料として鉄を用いた場合は、装置はラップ盤と呼ばれ、定盤でワークWのラッピングを行うことができる。一方、定盤に樹脂等のパッドを貼り付けた場合は、装置はポリッシュ盤と呼ばれ、定盤でワークWのポリッシュを行うことができる。研磨材としては、ラップ盤の場合は粒径数μ〜数十μmのカーボン系やアルミナ系の研磨材が使用され、ポリッシュ盤の場合は粒径1μmほどの酸化セリウムや最近ではジルコニアが使用される。
【0006】
このような研磨装置で、ワークとして、精密部品である水晶振動子の素板となる水晶ウェーハを研磨する場合、高い精度でワークを平坦に研磨することが要求される。定盤によってワークを研磨すると、ワークには定盤の研磨面が転写されることとなるため、年々要求が高くなるワークの高精度化に対応するためには、定盤の研磨面の平坦度を高精度に維持・管理することが必要となる。
【0007】
しかしながら、ワークの研磨加工を繰り返すうちに、定盤の研磨面は削れたり変形してしまう。したがって、ある程度の回数や時間だけ研磨加工を行った後には、定盤の研磨面を平坦に修正する作業が必要となる。この作業は「定盤修正」と呼ばれる。
【0008】
定盤修正を行う際には、キャリアを研磨装置から取り出し、その代わりに修正用のキャリア(以下「修正キャリア」という)をセットする。そして、ワークの研磨加工の場合と同じように、定盤に荷重を掛け、研磨面に研磨材を供給しつつ、修正キャリア及び定盤を回転させる。この回転を数十分から数時間行う。
【0009】
修正キャリアは、剛性を持たせるため、また、定盤修正により摩耗することから、厚みが20〜30mmと、研磨用のキャリアよりも厚い。また、修正キャリアの主面中央部には、研磨材を研磨面に満遍なく行き渡らせるための貫通孔が設けられている。
【0010】
従来の修正キャリアとして、例えば、特許文献1には、修正キャリアの中央部に設ける孔の面積を両主面で異ならせて、上下定盤の修正量を調整することにより、上下定盤の共摺りを不要にし、効率的で経済的に定盤を修正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−218521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
現在要求されているウェーハの精度を満足させるためには、定盤の径が約650mmの場合、平坦度は1μm以下であることが必要である。しかしながら、特許文献1のように修正キャリアの中心に孔が設けられていると、現実的には定盤面は理想的な平面ではないために、修正キャリアは、図15に示すカーブジェネレータのカップホイールで凸レンズを研磨加工する場合と同様の原理により、定盤面に対して僅かに傾いた状態で定盤を研磨することとなる。このため、定盤の幅方向の中心部はわずかに凸形状となってしまい、平坦度が得られない。また、修正キャリアの中心に孔があると、定盤幅の中心部が修正キャリアと接する時間(すなわち、相対的に移動した距離)が小さくなるので、定盤幅の中心部の加工量が少なくなる。この点も定盤に凸形状が生じる一因となる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、定盤の研磨面を高精度に平坦にすることが可能な修正キャリア及び研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]研磨装置の定盤の研磨面を平坦に研磨するために用いられる、厚さ方向の貫通孔を備えている修正キャリアであって、前記貫通孔は主面の中心を避けた位置にあることを特徴とする修正キャリア。
本発明によれば、修正キャリアの主面の中心を避けた位置に厚さ方向に貫通する貫通孔を設けたため、定盤幅の中心部が凸形状になることを防止することができ、定盤の研磨面を高い精度で平坦にすることができる。
【0014】
[適用例2]前記貫通孔は、平面視で回転対称に複数設けられていることを特徴とする適用例1に記載の修正キャリア。
本発明によれば、貫通孔は平面視で回転対称に複数設けられているため、研磨装置の定盤の研磨面を均一に研磨して、平坦に修正することができる。
【0015】
[適用例3]適用例1又は2に記載の修正キャリアを備えている研磨装置。
本発明によれば、研磨装置は、修正キャリアで研磨装置の定盤の研磨面を均一に研磨し、研磨面を平坦に修正することができる。
【0016】
[適用例4]前記貫通孔の少なくとも一部が、遊星運動中に平面視で前記定盤の内周端部を通過することを特徴とする適用例3に記載の研磨装置。
本発明によれば、前記貫通孔の少なくとも一部が遊星運動中に平面視で前記定盤の内周端部を通過するため、内周端部付近の研磨量を少なくすることができる。したがって、内周端部付近にダレが生じている定盤を修正キャリアで修正する場合に、研磨面を精度高く平坦に修正することができる。
【0017】
[適用例5]前記貫通孔の少なくとも一部が、遊星運動中に平面視で前記定盤の外周端部を通過することを特徴とする適用例3に記載の研磨装置。
本発明によれば、前記貫通孔の少なくとも一部が遊星運動中に平面視で前記定盤の外周端部を通過するため、外周端部付近の研磨量を少なくすることができる。したがって、外周端部付近にダレが生じている定盤を修正キャリアで修正する場合に、研磨面を精度高く平坦に修正することができる。
【0018】
[適用例6]前記貫通孔の全てが、遊星運動中は常に平面視で前記研磨面に重なっていることを特徴とする適用例3に記載の研磨装置。
本発明によれば、前記貫通孔の全てが遊星運動中は常に平面視で前記研磨面に重なっているため、定盤の内周端部及び外周端部付近の研磨量を多くすることができる。したがって、内周端部及び外周端部付近が他の部分よりも厚い定盤を修正キャリアで修正する場合に、研磨面を精度高く平坦に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る修正キャリアの平面図である。
【図2】図1に示す修正キャリアのA−A線断面図である。
【図3】同実施形態に係る修正キャリアがセットされた両面研磨装置の斜視図である。
【図4】変形例に係る修正キャリアの平面図である。
【図5】従来の修正キャリアの平面図とそのB−B線断面図である。
【図6】本発明に係る修正キャリアの平面図とそのC−C線断面図である。
【図7】定盤修正に用いた定盤の寸法を示す図である。
【図8】(a)は図7に示す定盤の修正前のD−D線断面図であり、(b)は従来の修正キャリアを用いて定盤修正した後の図7に示す定盤のD−D線断面図であり、(c)は本発明に係る修正キャリアを用いて定盤修正した後の図7に示す定盤のD−D線断面図である。
【図9】修正キャリアを両面研磨装置にセットした状態の下定盤部分の一部を示す模式的平面図である。
【図10】図9に示すE−E線断面図である。
【図11】修正キャリアを両面研磨装置にセットした状態の下定盤部分の一部を示す模式的平面図である。
【図12】図11に示すE−E線断面図である。
【図13】従来における両面研磨装置の斜視図である。
【図14】図13に示す両面研磨装置の動作説明図である。
【図15】カーブジェネレータの動作原理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る修正キャリア1の平面図であり、図2は図1に示す修正キャリア1のA−A線断面図である。
【0021】
図1に示すように、修正キャリア1は円板形状を有し、外周面に歯車12が設けられている。修正キャリア1の主面には、厚さ方向に貫通する貫通孔10a,10b,10c,10dが設けられている。これらの貫通孔10a,10b,10c,10dは、主面の中心を避けた位置に配置されるとともに、修正キャリア1の主面の中心に対して平面視で回転対称に配置されている。また、修正キャリア1の両主面には、貫通孔10a,10b,10c,10d同士、及び貫通孔10a,10b,10c,10dと修正キャリア1の外周端部と、を連通し、研磨材を研磨面に満遍なく行き渡らせるための溝14が設けられている。この修正キャリア1は、図3に示すように、両面研磨装置22の上下定盤25,27の研磨面25a,27aを研磨して修正する際に、ワーク研磨用のキャリアの代わりにセットされる。
【0022】
図3は、修正キャリア1を配置した両面研磨装置22の斜視図である。両面研磨装置22の中心部には、駆動軸23が配置されるとともに、当該駆動軸23によって回転駆動されるサンギア24が配置されている。このサンギア24の周囲には、サンギア24と同心状に環状の下定盤25が設けられている。サンギア24の外周の外側であって、下定盤25の周囲には、サンギア24と同心に配置されて回転駆動されるインターナルギア26が設けられている。下定盤25の上方には環状の上定盤27が設けられている。サンギア24とインターナルギア26の間には、ワーク研磨用のキャリアの代わりに、修正キャリア1が配置されている。
【0023】
次に、上下定盤25,27の研磨面25a,27aを、修正キャリア1を用いて修正する際の動作について説明する。まず、図3に示す両面研磨装置22からワーク研磨用のキャリア(不図示)を外す。そして、その代わりに、修正キャリア1の歯車12がサンギア24とインターナルギア26に同時に噛合するように修正キャリア1を組み込み、上定盤27と下定盤25とで修正キャリア1を挟み込こんで、修正キャリア1と上下定盤25,27とを接触させる。そして、上下定盤25,27に研磨材を供給しながら、サンギア24、インターナルギア26、上下定盤25,27を回転させ、修正キャリア1を遊星運動させる。
【0024】
本実施形態では、主面の中心を避けた位置に貫通孔10a,10b,10c,10dを設けた修正キャリア1を用いて上下定盤25,27の研磨面25a,27aを研磨しているため、修正キャリア1は上下定盤25,27に平行に接触する。また、定盤幅の中心部に修正キャリア1が接する時間(距離)が長くなる。このため、定盤幅の中心部が凸形状になることを防止することができ、上下定盤25,27の研磨面25a,27aを高い精度で平坦にすることができる。また、貫通孔10a,10b,10c,10dが平面視で回転対称に複数設けられているため、上下定盤25,27の研磨面25a,27aを均一に研磨して平坦に修正することができる。
【0025】
なお、修正キャリアに設ける貫通孔の形状や数は図1に示すものに限定されることはなく、主面の中心を避けた位置に平面視で回転対称に設けられていれば、どのような貫通孔であってもよい。例えば、図4に示すように、円周に沿って3つの貫通孔10e,10f,10gを設けた修正キャリア1Aであってもよい。
また、貫通孔の形状は、例えば平面視して楕円形状や多角形状であってもよい。
【0026】
次に、図5から図8を参照して、従来の修正キャリアとの比較結果を説明する。図5は、外径が144mmであって、中心部に径が94mmの貫通孔11が設けられた従来の修正キャリア21Aの平面図とそのB−B線断面図である。また、図6は、外径が144mmであって、主面の中心を避けた位置に3つの貫通孔10e,10f,10gが設けられた、本発明に係る修正キャリア1Aの平面図とそのC−C線断面図である。
【0027】
これらの修正キャリア21A,1Aを用いて、図7に示す外径660mm、内径424mmの定盤を研磨修正した結果を図8に示す。図8(a)は、図7に示す定盤の修正前のD−D線断面図であり、図8(b)は従来の修正キャリア21Aを用いて定盤修正した後の図7に示す定盤のD−D線断面図であり、図8(c)は本発明に係る修正キャリア1Aを用いて定盤修正した後の図7に示す定盤のD−D線断面図である。図8(a)に示すように、定盤修正前には5μmの厚さの差があったものが、図8(b)に示すように、従来の修正キャリア21Aを用いて修正した場合には厚さの差が2μmとなっているのに対して、図8(c)に示すように、本発明に係る修正キャリア1Aを用いて修正した場合には、厚さの差が0.5μmとなっている。このように、径が同一の従来の修正キャリア21A、1Aを用いた場合に、本発明に係る修正キャリア1Aの方が定盤の研磨面を平坦にすることができることが確認された。
【0028】
なお、修正前の定盤の研磨面の外周端部や内周端部に凹凸がある場合には、凹部分の研磨量が少なくなるように貫通孔を配置した修正キャリアを用いて定盤修正することで、より研磨面の平坦度を高めることができる。
【0029】
例えば、内周端部にダレが生じている上下定盤25,27を、図1に示す修正キャリア1を用いて修正する場合、修正キャリア1による定盤修正時の遊星運動中に、貫通孔10a,10b,10c,10dの少なくとも一部が平面視で上下定盤25,27の内周端部を通過するように、貫通孔10a,10b,10c,10dが配置されているとよい。
【0030】
また、上下定盤25,27の外周端部にダレが生じている場合には、修正キャリア1の遊星運動中に、貫通孔10a,10b,10c,10dの少なくとも一部が平面視で上下定盤25,27の外周端部を通過するように、修正キャリア1の貫通孔10a,10b,10c,10dが配置されているとよい。
【0031】
図9は、上記のような、遊星運動中にその少なくとも一部が平面視で上下定盤25,27の外周端部及び内周端部を通過するように配置された貫通孔10a,10b,10c,10dを有する修正キャリア1を、両面研磨装置22にセットした状態の下定盤25部分の一部を示す模式的平面図である。図10は、図9に示すE−E線断面図である。これらの図では、上定盤27の図示は省略している。
【0032】
これらの図に示すように、上記のような貫通孔10a,10b,10c,10dを有する修正キャリア1においては、以下の位置関係が成り立っている。
(サンギア24と噛み合う噛合部13と、貫通孔10a,10b,10c,10dと、の間の遊星運動中における最短距離)a≦噛合部13と下定盤25の内周端部との間の距離)b、かつ、
(噛合部13と貫通孔10a,10b,10c,10dとの間の遊星運動中における最長距離)c≧(噛合部13と下定盤25の外周端部との間の距離)d
【0033】
このように修正キャリア1に貫通孔10a,10b,10c,10dを配置することで、上下定盤25,27の内周端部近傍や外周端部近傍でダレが発生している場合に、内周端部や外周端部での研磨量を他の部分に比較して少なくすることができるため、効率よく研磨面25aを高精度に平坦に修正することができる。
【0034】
一方、内周端部の厚みが他の部分よりも厚い上下定盤25,27を、図1に示す修正キャリア1で修正する場合、修正キャリア1による定盤修正時の遊星運動中に、貫通孔10a,10b,10c,10dは、上下定盤25,27の内周端部と平面視して重なり合う位置よりも上下定盤25,27の外周寄りを通過するように、配置されているとよい。
【0035】
また、上下定盤25,27の外周端部の厚みが他の部分よりも厚い場合には、貫通孔10a,10b,10c,10dは、遊星運動中に上下定盤25,27の外周端部と平面視して重なり合う位置よりも上下定盤25,27の内周寄りを通過するように、配置されているとよい。
【0036】
また、上下定盤25,27の外周端部と内周端部との両方の厚みが他の部分よりも厚い場合には、貫通孔10a,10b,10c,10dの全てが、遊星運動中は常に平面視で研磨面25a,27bに重なるように、配置されているとよい。
【0037】
図11は、上記のような、遊星運動中にその全てが常に平面視で研磨面25a,27bに重なるように配置された貫通孔10a,10b,10c,10dを有する修正キャリア1を両面研磨装置22にセットした状態の下定盤25部分の一部を示す模式的平面図である。図12は、図11に示すF−F線断面図である。これらの図では、上定盤27の図示は省略している。
【0038】
これらの図に示すように、上記のような貫通孔10a,10b,10c,10dを有する修正キャリア1においては、以下の位置関係が成り立っている。
(噛合部13と貫通孔との間の遊星運動中における最短距離)e>(噛合部13と下定盤25の内周端部との間の距離)f、かつ、
(噛合部13と貫通孔との間の遊星運動中における最長距離)g<(噛合部13と下定盤25の外周端部との間の距離)h
【0039】
このように貫通孔10a,10b,10c,10dを修正キャリア1に配置することで、上下定盤25,27の内周端部近傍や外周端部近傍に凸部が発生している場合に、内周端部や外周端部での研磨量を他の部分に比較して多くすることができるため、効率よく研磨面25aを高精度に平坦に修正することができる。
【0040】
なお、上述した実施形態では、研磨対象となるワークとして水晶ウェーハについて説明したが、研磨対象となるものは水晶ウェーハに限定されない。例えば、シリコンウェーハであってもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、研磨時に上定盤27と下定盤25を回転駆動するように構成したが、これに限定されることはなく、上定盤27を停止しつつ下定盤25のみを回転駆動させる構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、修正キャリア1を両面研磨装置22に用いる場合について説明したが、片面研磨装置に用いることもできる。
【符号の説明】
【0042】
1、1A………修正キャリア、10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g………貫通孔、12………歯車、13………噛合部、14………溝、22………両面研磨装置、23………駆動軸、24………サンギア、25………下定盤、26………インターナルギア、27………上定盤、25a,27a………研磨面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨装置の定盤の研磨面を平坦に研磨するために用いられる、厚さ方向の貫通孔を備えている修正キャリアであって、
前記貫通孔は主面の中心を避けた位置にあることを特徴とする修正キャリア。
【請求項2】
前記貫通孔は、平面視で回転対称に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の修正キャリア。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の修正キャリアを備えている研磨装置。
【請求項4】
前記貫通孔の少なくとも一部が、遊星運動中に平面視で前記定盤の内周端部を通過することを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。
【請求項5】
前記貫通孔の少なくとも一部が、遊星運動中に平面視で前記定盤の外周端部を通過することを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。
【請求項6】
前記貫通孔の全てが、遊星運動中は常に平面視で前記研磨面に重なっていることを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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