説明

修飾ヒトIGF−1/Eペプチドに対する抗体

【課題】本発明は、修飾ヒトインシュリン様増殖因子1タンパク質に免疫特異的に結合する抗体の製造および使用を提供すること。
【解決手段】本発明の高特異性抗体により上記課題を解決する。当該抗体は、修飾(例えば、hIGF−1/Ea 3mut)と内因性ヒトIGF−1タンパク質を区別できる。これらの抗体はhIGF−1またはhIGF−2とわずかしか、または全く交差反応しない。それらはまた齧歯類IGF−1またはIGF−2とわずかしか、または全く交差反応しない。本抗体はヒトまたは動物に投与されているIGF−1/Eペプチドの薬物動態学的(PK)/薬力学(PD)評価に使用できる。本発明の抗体を捕捉抗体として使用するサンドイッチELISAアッセイは、サンプル中の変異IGF−1/Eタンパク質を定量できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、免疫グロブリン、抗体およびそのフラグメントに関する。特に、本発明は、修飾ヒトインシュリン様増殖因子1タンパク質に免疫特異的に結合する抗体の製造および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
インシュリン様増殖因子1(IGF−1、ソマトメジン)は、筋肉肥大を誘発し、骨格筋萎縮を阻止する小一本鎖タンパク質である。IGF−1は、最初に、ヒト身体でIGF−1/E前駆体として合成され、ここで、Eは成熟IGF−1タンパク質のC末端の伸張ペプチドである。成熟IGF−1は、最初は既知スプライス変異体mRNAの3個のうち1個によりコードされる。各mRNAのオープン・リーディング・フレームは、70アミノ酸IGF−1部分および、C末端に特定のIGF−1 mRNAによってEa、EbまたはEcであり得る特定の伸張(E)ペプチドを含む前駆体タンパク質をコードする。このC末端EペプチドがそのIGF−1成熟体として開裂される。
【0003】
修飾組み換えヒトIGF−1/Eタンパク質は構築され、公開PCT特許出願WO2007/146689に記載されている。これらの修飾IGF−1/Eペプチドは野生型IGF−1と比較して長い半減期、高い安定性、阻害性インシュリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)への低い親和性、および高い効果を有する。例示的修飾ヒトIGF−1/Eタンパク質は、hIGF−1/Ea 3mutである(図1参照)。“3mut”名は、次の3工程の修飾を有するhIGF−1−E−ペプチド前駆体を意味する:(1)G1、P2、およびE3の欠失;(2)Arg37からAlaへの変異(R37A);および(3)R71およびS72の欠失。これらのhIGF−1/E 3mutペプチドは骨格筋萎縮の処置用の新規薬剤の可能性があるとして提案されている。
【0004】
しかしながら、この候補薬剤の薬物動態学(PK)および薬力学(PD)の評価は、野生型と修飾hIGF−1/Eペプチドが、互いに全ペプチド鎖長における3個所の離れた位置での1個または2個のアミノ酸しか異ならないため、困難である(図1)。内因性hIGF−1の同時の検出無しにhIGF−1/Ea 3mutペプチドを認識する抗体は市販されていない。
【発明の概要】
【0005】
発明の要約
本発明は、修飾(例えば、hIGF−1/Ea 3mut)および内因性ヒトIGF−1タンパク質を区別できる高特異性抗体提供する。本発明の抗体は、hIGF−1またはhIGF−2と交差反応性がわずかしか、または全くない。それらはまた齧歯類IGF−1またはIGF−2と、交差反応性がわずかしか、または全くない。本抗体は、ヒトまたは動物に投与されたIGF−1/Eペプチドの薬物動態学的(PK)および薬力学(PD)評価に有用である。
【0006】
一つの態様において、本発明の抗体は、ペプチドGPTLCGAELV(配列番号1)に免疫特異的に結合するが、ペプチドGPETLCGAELV(配列番号2)には免疫特異的に結合しない。他の態様において、本発明の抗体は、ペプチドPAKSAVRAQR(配列番号6)と免疫特異的に結合するが、ペプチドPTKAARSIRAQR(配列番号7)とは免疫特異的に結合しない。
【0007】
本発明は、それ故、抗体QC1、QC2、QQ2、QQ5およびQQ6を提供する。
本抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよい。それらは、適当な哺乳動物、例えばマウス、ウサギ、ヤギ、ウマ、ラクダまたはサメの免疫化により製造し得る。
【0008】
さらに本発明の範囲に包含されるのは、本発明の抗体を産生するハイブリドーマ、該抗体をコードする核酸配列、かかる核酸配列を含むベクター、例えば発現ベクター、ならびにかかるベクターで形質転換した細胞である。
【0009】
本発明はまた、ハイブリドーマDSM ACC3028、DSM ACC3026、DSM ACC3027、DSM ACC3024およびDSM ACC3025(2009年11月10日にDSMZ, Inhoffenstr. 7B, D-38124 Braunschweig, Germanyに寄託)を提供し、これらは各々抗体QC1、QC2、QQ2、QQ5およびQQ6の発現に使用できる。
【0010】
本発明はまた、修飾組み換えヒトIGF−1/Eペプチドの薬物動態学的(PK)/薬力学(PD)関係を評価するための生化学分析アッセイも提供する。
【0011】
一つの態様において、本発明の抗体が免疫吸着剤(捕捉抗体)として使用される、本アッセイは放射免疫アッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、例えばサンドイッチELISA前臨床および臨床サンプル中の変異IGF−1/Eタンパク質を定量するためのアッセイである。これらの適用において、本抗体を分析により検出できる試薬、例えば放射性同位体、蛍光分子または酵素で標識できる。
【0012】
加えて、本発明の抗体を、例えば親和性クロマトグラフィーにより、大量のIGF−1/E 3mutペプチドを精製するために使用する。本発明の抗体は、それ故に、筋肉萎縮処置用医薬の商業規模精製に有用である。
【0013】
一つの態様において、上記方法に使用する抗体は、QC1、QC2、QQ2、QQ5およびQQ6から成る群から選択される。
【0014】
発明の詳細な記載
本発明の抗体
定義。本明細書に使用するいくつかの用語の定義を以下に記載する。他の用語の定義は、Illustrated Dictionary of Immunology, 2nd Edition, Cruse, J.M. and Lewis, R.E., eds. (CRC Press, Boca Raton, Florida, 1995)に見ることができる。
【0015】
対象への薬剤または医薬の投与は、自己投与および他者による投与を含む。記載の医学的状態の処置または予防の種々のモードは、完全なまたは完全未満の処置または予防を含み、そしてここで、何らかの生物学的にまたは医学的に関連する結果が達成される、“実質的”を意味することも認識されよう。
【0016】
用語“抗体”は、あるエピトープ、例えば、修飾IGF−1/Eペプチドに見られるが、野生型IGFで見られないエピトープ、例えば両方とも以下に記載するペプチドAおよびペプチドC抗原のエピトープと特異的に結合し、認識する免疫グロブリン遺伝子またはそのフラグメント由来のフレームワーク領域を含む、ポリペプチドを意味する。用語抗体の使用は、一本鎖完全抗体を含む完全抗体、およびその抗原結合フラグメントを意味する。用語“抗体”は、一本鎖抗体を含む抗原結合抗体フラグメントを含み、これは、可変領域のみを、またはそれを、次のポリペプチド要素の全てまたは一部と組み合わせて含み得る:抗体分子のヒンジ領域、CH、CH、およびCHドメイン。また本発明に包含されるのは、可変領域およびヒンジ領域、CH、CH、およびCHドメインの何らかの組み合わせである。本発明の結合剤として有用な抗体関連分子は、例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)、Fd、一本鎖Fvs(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)およびVまたはVドメインのいずれかを含むフラグメントを含み、これに限定されない。例は:(i)Fabフラグメント、V、V、CおよびCHドメインから成る一価フラグメント;(ii)F(ab’)フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド橋により結合した2個のFabフラグメントを含む二価フラグメント;(iii)VおよびCHドメインから成るFdフラグメント;(iv)抗体の1個のアームのVおよびVドメインから成るFvフラグメント、(v)Vドメインから成るdAbフラグメント(Ward et al., Nature 341:544-546, 1989);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)。用語“抗体”は、一ドメイン抗体、マキシボディ(maxibody)、ミニボディ(minibody)、イントラボディ(intrabody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、v−NARおよびビス−scFvを含む(例えば, Hollinger & Hudson, Nature Biotechnology, 23, 9, 1126-1136(2005)参照)。抗体が産生されたら、それをキメラ化またはヒト化し得る。例えば、キメラ抗体を作るために、当分野で既知の方法を使用して、可変領域をヒト定常領域に結合できる(例えば、Cabilly et al.の米国特許4,816,567参照)。ヒト化抗体を作るために、当分野で既知の方法を使用して、CDR領域をヒトフレームワークに挿入できる。例えば、Winterの米国特許5225539、およびQueen et al.の米国特許5530101;5585089;5693762および6180370参照。この代わり、抗体の抗原結合部分を、フィブロネクチンIII型(Fn3)のようなポリペプチドをベースにした骨格にグラフトできる(フィブロネクチンポリペプチドモノボディ(monobody)を記載する米国特許6,703,199参照)。抗原結合部分を、タンデムFvセグメント(VH−CH1−VH−CH1)の対を含む一本鎖分子に挿入でき、それは、相補的軽鎖ポリペプチドと一体となって、抗原結合領域の対を作る(Zapata et al., Protein Eng. 8(10):1057-1062 (1995);および米国特許5,641,870)。
【0017】
用語“生物学的サンプル”は、生存細胞由来の、またはそれと接触したサンプル材料を意味する。用語“生物学的サンプル”は、対象から単離された組織、細胞および体液、ならびに対象内に存在する組織、細胞および体液を含むことを意図する。
【0018】
用語“エピトープ”は、抗体に特異的結合できるタンパク質決定因子を意味する。エピトープは、通常、化学的に活性な分子の表面基群(surface grouping)、例えばアミノ酸類または糖側鎖を有し、通常特異的三次元構造的特性、ならびに特異的荷電特性を有する。高次構造および非高次構造エピトープは、変性溶媒存在下で、前者への結合は失われるが、後者への結合は失われないことにより区別される。
【0019】
用語“免疫学的反応条件”は、抗原の特定のエピトープに対して産生された抗体が、その抗体が実質的に他の全てのエピトープに結合するようにも検出可能に大きな程度で、一般的にバックグラウンド結合の少なくとも2倍、好ましくはバックグラウンドの少なくとも5倍でそのエピトープに結合することを可能にする条件を意味する。免疫学的反応条件は、抗体結合反応に依存し、そして典型的に免疫アッセイプロトコールにおいて用いられるものである。免疫アッセイ形態および条件の詳細についてHarlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Publications, New York, 1988)を参照のこと。
【0020】
ここで使用する用語“免疫特異的”は、1個だけの抗原性決定因子と反応する個々の抗体結合部位の能力を意味する。本抗体の結合部位は、分子のFab部分に位置し、重および軽鎖の超可変領域から構築される。抗体の結合親和性は、一抗原性決定因子と抗体上の一結合部位の間の反応の強度である。これは、抗原性決定因子と抗体の結合部位の間に作用する引力および反発力の合計である。IgG抗体についてここで使用する用語“高親和性”は、標的抗原に対して10−8M以下、10−9M以下、または10−10M、または10−11M以下のKDを有する抗体を意味する。しかしながら、“高親和性”結合は、抗体アイソタイプが違えば異なる。例えば、IgMアイソタイプの“高親和性”結合は、10−7M以下、または10−8M以下のKDを有する抗体を意味する。用語“モノクローナル抗体”は、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む一クローン由来の抗体を意味し、それが産生された方法を意味しない。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対して一結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ、組み換え、およびファージディスレイ法を含み、これに限定されない種々の方法を使用して製造できる。
【0021】
用語“ポリクローナル抗体”は、少なくとも2種の異なる抗体産生細胞株に由来する抗体の調製物を意味する。この用語の使用は、抗原の異なるエピトープまたは領域に特異的に結合する抗体を含む、少なくとも2個の抗体の調製物を含む。
【0022】
用語“ポリペプチド”、“ペプチド”および“タンパク質”は、互いにペプチド結合または修飾ペプチド結合(すなわち、ペプチドアイソスター)により結合された2個以上のアミノ酸を含むポリマーを意味するために、ここで、交換可能に使用される。ポリペプチドは、一般にペプチド、糖ペプチドまたはオリゴマーと呼ばれる短鎖、および一般的にタンパク質と呼ばれる長鎖の両方を意味する。ポリペプチドは、20種の遺伝子がコードするアミノ酸以外のアミノ酸を含み得る。ポリペプチドは、自然の過程で、例えば翻訳後の過程で、または当分野で既知の化学的修飾技術のいずれかで修飾されたアミノ酸配列を含む。かかる修飾は、基礎的教科書におよびより詳細に研究書に、ならびに無数の学術論文に十分に記載されている。特に、修飾IGF−1/Eタンパク質は、公開PCT特許出願WO2007/146689に記載の任意の修飾IGF−1/Eタンパク質、ならびにその二次的に修飾された(グリコシル化、ペグ化など)タンパク質であり得る。
【0023】
用語“組み換え”は、例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関連して使用したとき、その細胞、核酸、タンパク質またはベクターが、異種核酸またはタンパク質の導入により、または、天然核酸またはタンパク質の改変により修飾されているか、またはその物質が、そのように修飾された細胞に由来することを示す。特に、組み換えIGF−1/Eタンパク質は、公開PCT特許出願WO2007/146689に記載の任意の組み換えIGF−1/Eタンパク質、ならびにその二次的に修飾された(グリコシル化、ペグ化など)タンパク質であり得る。
【0024】
用語“一本鎖抗体”または“一本鎖Fv(scFv)”は、Fvフラグメントの2個のドメイン、VおよびVの抗体融合分子を意味する。Fvフラグメントの2個のドメイン、VおよびVは、別の遺伝子によりコードされるが、それらを、組み換え法を使用して、VおよびV領域が対合して一本鎖Fv(scFv)として知られる一価分子を形成する、一タンパク質鎖としてそれらを製造できる合成リンカーにより、結合できる。例えば、Bird et al., Science 242: 423-426 (1988);およびHuston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 5879-5883 (1988)参照。かかる一本鎖抗体は、用語“抗体”フラグメントの中に包含され、組み換え技術によりまたは完全抗体の酵素的または化学的開裂により製造できる。
【0025】
用語“特異的結合”は、少なくとも10−6Mの結合親和性での、本発明の抗体とエピトープの(ここに記載のペプチド(ペプチドA、ペプチドBまたはペプチドC)またはかかるペプチドを含むタンパク質上での)接触を意味する。好ましい結合剤は、少なくとも約10−7M、好ましくは10−8M〜10−9M、10−10M、10−11M、または10−12Mの親和性で結合する。
【0026】
上記の通り、本発明の抗体を標識してよい。標識抗体は、種々の標識を用いる、種々のアッセイに使用できる。本発明の抗体と目的のエピトープの間の抗体−抗原複合体の形成の検出は、抗体に検出可能な物質を結合させることにより容易にできる。適当な検出手段は、標識、例えば放射性核種、酵素、補酵素、蛍光体(fluorescer)、化学発光体(chemiluminescer)、色原体、酵素基質またはコファクター、酵素阻害剤、補欠分子族複合体、フリーラジカル、粒子、色素などの使用を含む。適当な酵素の例は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼを含む;適当な補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含む;適当な蛍光物質の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロライドまたはフィコエリトリンを含む;発光物質の例はルミノールである;生物発光物質の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンを含む;そして適当な放射活性物質の例は、125I、131I、35S、またはHを含む。
【0027】
本発明の抗体の例を、下記表AおよびBに開示する。
【表1】

【表2】

【0028】
一つの態様において、本発明の抗体は、(i)CDRH1について配列番号12、CDRH2について配列番号13およびCDRH3について配列番号14;(ii)CDRH1について配列番号18、CDRH2について配列番号19およびCDRH3について配列番号20;(iii)CDRH1について配列番号24、CDRH2について配列番号25およびCDRH3について配列番号26;(iv)CDRH1について配列番号30、CDRH2について配列番号31およびCDRH3について配列番号32;または(v)CDRH1について配列番号36、CDRH2について配列番号37およびCDRH3について配列番号38を含む。
【0029】
一つの態様において、本発明の抗体は、(i)CDRL1について配列番号15、CDRL2について配列番号16およびCDRL3について配列番号17;(ii)CDRL1について配列番号21、CDRL2について配列番号22およびCDRL3について配列番号23;(iii)CDRL1について配列番号27、CDRL2について配列番号28およびCDRL3について配列番号29;(iv)CDRL1について配列番号33、CDRL2について配列番号34およびCDRL3について配列番号35;または(v)CDRL1について配列番号39、CDRL2について配列番号40およびCDRL3について配列番号41を含む。
【0030】
一つの態様において、本発明の抗体は、(i)CDRH1について配列番号12、CDRH2について配列番号13、CDRH3について配列番号14、CDRL1について配列番号15、CDRL2について配列番号16およびCDRL3について配列番号17;(ii)CDRH1について配列番号18、CDRH2について配列番号19、CDRH3について配列番号20、CDRL1について配列番号21、CDRL2について配列番号22およびCDRL3について配列番号23;(iii)CDRH1について配列番号24、CDRH2について配列番号25、CDRH3について配列番号26、CDRL1について配列番号27、CDRL2について配列番号28およびCDRL3について配列番号29;(iv)CDRH1について配列番号30、CDRH2について配列番号31、CDRH3について配列番号32、CDRL1について配列番号33、CDRL2について配列番号34およびCDRL3について配列番号35;または(v)CDRH1について配列番号36、CDRH2について配列番号37、CDRH3について配列番号38、CDRL1について配列番号39、CDRL2について配列番号40およびCDRL3について配列番号41を含む。
【0031】
一つの態様において、本発明の抗体は、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48または配列番号50を含むVH鎖を含む。
一つの態様において、本発明の抗体は、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49または配列番号51を含むVL鎖を含む。
【0032】
一つの態様において、本発明の抗体は、(i)配列番号42を含むVH鎖および配列番号43を含むVL鎖;(ii)配列番号44を含むVH鎖および配列番号45を含むVL鎖;(iii)配列番号46を含むVH鎖および配列番号47を含むVL鎖;(iv)配列番号48を含むVH鎖および配列番号49を含むVL鎖;または(v)配列番号50を含むVH鎖および配列番号51を含むVL鎖を含む。
【0033】
一つの態様において、本発明の抗体は、配列番号52、54、56、58または60によりコードされるVH鎖を含む。一つの態様において、本発明の抗体は、配列番号53、55、57、59または61によりコードされるVL鎖を含む。
【0034】
一つの態様において、本発明の抗体は、(i)配列番号52によりコードされるVH鎖および配列番号53によりコードされるVL鎖;(ii)配列番号54によりコードされるVH鎖および配列番号55によりコードされるVL鎖;(iii)配列番号56によりコードされるVH鎖および配列番号57によりコードされるVL鎖;(iv)配列番号58によりコードされるVH鎖および配列番号59によりコードされるVL鎖;または(v)配列番号60によりコードされるVH鎖および配列番号61によりコードされるVL鎖を含む。
【0035】
ポリペプチド
本発明は、配列GPTLCGAELV(配列番号1)、CPAKSAVRAQR(配列番号5)またはPAKSAVRAQR(配列番号6)を含む、またはそれから成る単離ポリペプチドを提供する。かかるポリペプチドは、本発明の抗体の惹起に有用である。本発明のポリペプチドはまた、より大きなポリペプチドの一部であってもよい。例えば、本発明のポリペプチドの横に、さらにn末端および/またはc末端アミノ酸があってよい。
【0036】
一般に、本発明のポリペプチドは、天然に存在しない環境で提供され、すなわちそれらは、天然に存在する環境から分離される。ある態様において、本ポリペプチドは、コントロールと比較して本ポリペプチドが富化された組成物で存在する。本発明のポリペプチドは、それ故に、好ましくは単離されたまたは実質的に単離された形で提供され、すなわち本ポリペプチドは、実質的に他の発現ポリペプチドが存在しない組成物で存在し、ここで、実質的に存在しないは、組成物の75%(重量)未満、好ましくは50%未満、より好ましくは10%(例えば5%)未満が他の発現ポリペプチドから構成されることを意味する。
【0037】
核酸分子
本発明の他の局面は、本発明のポリペプチドまたは抗体をコードする核酸分子に関する。例示的核酸は、配列番号1−51に記載のいずれか一つのポリペプチドをコードするものを含む。さらなる例示的核酸配列は、配列番号52−61に記載のものである。本核酸は、全細胞中に、細胞ライセートに存在してよく、または部分的に精製されたまたは実質的に精製された形の核酸でよい。核酸は、アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動および当分野で既知のその他を含む、標準法により、他の細胞成分または他の不純物、例えば、他の細胞性核酸またはタンパク質から精製されたときに、“単離された”または“実質的に純粋にされた”。F. Ausubel, et al., ed. 1987 Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New York参照。本発明の核酸は、例えば、DNAまたはRNAであってよく、イントロン配列を含んでも含まなくてもよい。一つの態様において本核酸はcDNA分子である。本核酸は、ベクター、例えばファージディスレイベクター、または組み換えプラスミドベクターに存在してよい。本発明の核酸は、標準分子生物学技術を使用して得ることができる。ハイブリドーマ、例えばここに記載のものにより発現させた抗体について、そのハイブリドーマにより産生された抗体の軽および重鎖をコードするcDNAは、標準PCR増幅またはcDNAクローニング技術により得ることができる。
【0038】
トランスフェクトーマ産生モノクローナル抗体の産生
本発明の抗体をコードする核酸が得られたら、本発明の抗体もまた、例えば、当分野で既知の通りの組み換えDNA技術および遺伝子導入法を使用して、宿主細胞トランスフェクトーマで産生できる(例えば、Morrison, S. (1985) Science 229:1202)。
【0039】
例えば、抗体、またはその抗体フラグメントを発現させるために、一部または完全長軽および重鎖をコードするDNAを、標準分子生物学技術(例えば、目的の抗体を発現するハイブリドーマを使用したcDNAクローニング)により得ることができ、そのDNAを、遺伝子が転写および翻訳制御配列に動作可能に連結されるように発現ベクターに挿入し得る。この状況で、用語“動作可能に連結される”は、抗体遺伝子が、ベクター内の転写および翻訳制御配列が、抗体遺伝子の転写および翻訳の制御という意図される機能を遂行するようにベクター内で連結されることを意味する。発現ベクターおよび発現制御配列は、使用する発現宿主細胞と適合可能なように選択する。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子を別のベクターに入れてよく、または、より典型的に、両方の遺伝子を同じ発現ベクターに入れる。抗体遺伝子を、標準法(例えば、抗体遺伝子フラグメントおよびベクター上の相補的制限部位のライゲーション、または制限部位が存在しないならば、平滑末端ライゲーション)により、発現ベクターに入れる。ここに記載の抗体の軽および重鎖可変領域を使用して、それらを、既に所望のアイソタイプの重鎖定常および軽鎖定常領域をコードする発現ベクターに、VHセグメントが、ベクター内でCHセグメントに動作可能に連結され、そしてVLセグメントが、ベクター内のCLセグメントに動作可能に連結されるように挿入することにより、任意の抗体アイソタイプの完全長抗体遺伝子を製造できる。それに加えて、または別に、組み換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードできる。抗体鎖遺伝子を、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端にフレーム内で結合するようにベクターにクローン化できる。シグナルペプチドは免疫グロブリンシグナルペプチドでも異種シグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)でもよい。
【0040】
抗体鎖遺伝子に加えて、本発明の組み換え発現ベクターは、宿主細胞における抗体鎖遺伝子の発現を制御する制御配列を担持する。用語“制御配列”は、プロモーター、エンハンサーおよび抗体鎖遺伝子の転写または翻訳を制御する他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。かかる制御配列は、例えば、Goeddel (Gene Expression Technology. Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA 1990)に記載されている。発現ベクターの設計は、制御配列の選択を含み、形質転換すべき宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなどのような因子に依存し得ることは、当業者には当然である。哺乳動物宿主細胞発現のための制御配列は、哺乳動物細胞における高レベルのタンパク質発現を指示するウイルス要素、例えばサイトメガロウイルス(CMV)、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))、およびポリオーマ由来のプロモーターおよび/またはエンハンサーを含む。あるいは、非ウイルス制御配列、例えばユビキチンプロモーターまたはP−グロビンプロモーターを使用してよい。なおさらに、異なる供給源由来の配列から成る制御要素、例えば、SV40早期プロモーター由来の配列およびヒトT細胞白血病ウイルス1型の長末端反復を含むSRaプロモーターシステムがある(Takebe, Y. et al., 1988 Mol. Cell. Biol. 8:466-472)。
【0041】
抗体鎖遺伝子および制御配列に加えて、本発明の組み換え発現ベクターは、さらなる配列、例えば宿主細胞中でのベクターの複製を制御する配列(例えば、複製起点)および選択可能マーカー遺伝子を担持し得る。選択可能マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、全てAxel et al.の米国特許4,399,216、4,634,665および5,179,017参照)。例えば、典型的に、選択可能マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞に薬剤、例えばG418、ヒグロマイシンまたはメトトレキサートに対する耐性を付与する。選択可能マーカー遺伝子は、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅と共にdhfr宿主細胞において使用するための)およびneo遺伝子(G418選択のため)を含む。
【0042】
軽および重鎖発現のために、重および軽鎖をコードする発現ベクターを、標準技術により宿主細胞にトランスフェクトする。用語“トランスフェクション”の種々の形態は、外来DNAの原核または真核宿主細胞への導入に一般的に使用される広範な技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAEデキストラントランスフェクションなどを包含することを意図する。本発明の抗体を原核または真核宿主細胞のいずれかで発現させることが理論的に可能である。真核細胞、特に哺乳動物宿主細胞での抗体の発現は、真核細胞、および特に哺乳動物細胞が、適切に折りたたまれたおよび免疫学的に活性な抗体を集合させ、分泌させる可能性が原核細胞よりも高いため、記載する。抗体遺伝子の原核発現での発現は、活性抗体の高収率での産生には無効であると報告されている(Boss, M. A. and Wood, C. R., 1985 Immunology Today 6:12-13)。
【0043】
組み換え本発明の抗体を発現するための哺乳動物宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、R.J. KaufmanおよびP.A. Sharp, 1982 Mol. Biol. 159:601-621により記載されたDH FR選択可能マーカーと共に使用する、dhfr−CHO細胞を含む、UrlaubおよびChasin, 1980 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220記載)、NSO骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞を含む。特に、NSO骨髄腫細胞と使用するための、他の発現系は、WO87/04462、WO89/01036およびEP338,841に示されるGS遺伝子発現系である。抗体遺伝子をコードする組み換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞に導入されたとき、本抗体は、宿主細胞内で抗体を発現させるか、または、抗体を、宿主細胞が増殖している培養培地に分泌させるのに十分な時間、宿主細胞を培養することにより産生される。抗体を、標準タンパク質精製法を使用して培養培地から回収できる。
【0044】
診断法/処置法
上記の通り、本発明の抗体を、サンプル中の修飾IGF−1/Eの濃度を測定するための種々のアッセイに使用し得る。
【0045】
それ故、本発明は、患者における修飾IGF−1/Eタンパク質のレベルを測定する方法であって:
(i)該修飾IGF−1/Eを投与された患者から血液サンプルを得て、そして
(ii)本発明の抗体を使用して該サンプル中の修飾IGF−1/Eを検出する
工程を含む、方法を提供する。
【0046】
修飾IGF−1/Eのレベルは、標準技術を使用して、例えば既知量の修飾IGF−1/Eを使用して較正曲線を設定し、試験サンプルで得られた結果と較正マーカーを使用して得られた結果を比較することにより定量できる(例えば実施例参照)。
【0047】
患者の修飾IGF−1/Eのレベルタンパク質の測定が可能になることは、医師が治療効果を達成するために適切な量を決定することを可能する。それ故、本発明はまた修飾IGF−1/Eを必要とする患者におけるその最適投与量を維持する方法であって:
(i)該修飾IGF−1/Eを投与された患者から血液サンプルを得て、
(ii)本発明の抗体を使用して該サンプル中の修飾IGF−1/Eを検出し、そして
(iii)患者血液サンプル中の修飾IGF−1/Eのレベルが予定したレベルより低いとき、さらに該修飾IGF−1/Eを該患者に投与する
工程を含む、方法を提供する。
【0048】
ある場合において、血液サンプルは患者から既に得られているかもしれないことに注意すべきである。それ故、本発明は、患者における修飾IGF−1/Eタンパク質のレベルを測定する方法であって、患者から得た血液サンプル中の修飾IGF−1/Eを、本発明の抗体を使用して検出する工程を含む方法を提供する。
【0049】
本発明はまた修飾IGF−1/Eを必要とする患者におけるその最適投与量を維持する方法であって:
(i)修飾IGF−1/Eを投与されている患者からの血液サンプル中の修飾IGF−1/Eを本発明の抗体を使用して検出し、そして
(ii)患者血液サンプル中の修飾IGF−1/Eのレベルが予定レベルより低いとき、さらに該修飾IGF−1/Eを該患者に投与する
工程を含む、方法を提供する。
【0050】
本発明はまた修飾IGF−1/Eの産生のモニタリングも可能にする。それ故、サンプルを生産プラントから得て、本発明の抗体で検定して、正しい形態の修飾IGF−1/Eが産生されていることを確認してよい。
【0051】
本発明はまた筋肉障害を有する患者の処置方法であって:
(i)修飾IGF−1/Eを以前に投与されている患者から得た血液サンプル中の修飾IGF−1/Eの血清濃度を本発明の抗体を使用して測定し;そして
(ii)hIGF−1/Ea 3mutの血清濃度が予定した最適レベルより低いならば、さらに修飾IGF−1/Eを患者に投与する
ことを含む、方法も提供する。
【0052】
上記の態様において、修飾IGF−1/EはhIGF−1/Ea 3mutでも、WO2007/146689に記載されているものでもよい。例えば、修飾IGF−1/Eは、WO2007/146689の実施例1に記載のもの(そこでは配列番号8と記載され、ここでは修飾IGF−1E No.1と記載される)、またはWO2007/146689の実施例45に記載のもの(そこでは配列番号53と記載され、ここでは修飾IGF−1/E No.2と記載される)であり得る。
【0053】
タンパク質精製
上記の通り、本発明の抗体はまた修飾IGF−1/Eの商業規模精製にも使用できる(すなわち筋肉萎縮に使用するための医薬)。例えば、本発明の抗体は、修飾IGF−1/Eを精製するための親和性クロマトグラフィーに使用し得る。
【0054】
組み換えポリペプチドの精製は当分野で既知であり、親和性クロマトグラフィー精製技術などを含む(一般的に、Scopes, Protein Purification (Springer-Verlag, N.Y., 1982)を参照のこと。またBailon et al., An Overview of Affinity Chromatography, Humana Press (2000)も参照のこと)。バイオセラピューティックタンパク質の商業規模精製のための親和性クロマトグラフィー法(例えば膜ベースの親和性技術)は当分野で既知である。Brandt et al., Bio/Technology 6: 779-782 (1988)参照。
【0055】
好ましくは、かかる方法で精製した修飾IGF−1/EはhIGF−1/Ea 3mut、またはWO2007/146689に記載のものである。例えば、修飾IGF−1/Eは、WO2007/146689の実施例1に記載のもの(そこでは配列番号8と記載され、ここでは修飾IGF−1E No.1と記載される)、またはWO2007/146689の実施例45に記載のもの(そこでは配列番号53と記載され、ここでは修飾IGF−1/E No.2と記載される)であり得る。
【0056】
均等物
本発明の一つ以上の態様の詳細を上記の文章により明示する。ここに記載のものに類似のまたは均等な何等かの方法および材料を本発明の実施または試験に使用できるが、好ましい方法および材料をここに記載する。本発明の他の特性、目的、および利点は、本明細書および特許請求の範囲から明らかである。一般に、酵素的反応および精製工程は製造者の説明書に従い行う。技術および方法は、一般に当分野で寛容の方法および種々の一般的参考書に従い行う。一般に、本明細書に全体を包含させる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989)を参考のこと。
【0057】
本発明は、本明細書に記載の特定の態様の観点で限定されず、それは、本発明の個々の局面の一つの説明として解釈される。本発明の多くの修飾および改変が、当業者には明らかな通り、その精神および範囲から逸脱することなく成し得る。本発明の範囲内の機能的に同等な方法および装置は、ここに列記されたものに加えて、前記から当業者には明らかである。かかる修飾および改変は、添付の特許請求の範囲内の範囲内に入ると解釈される。本発明は、特許請求の範囲が権利を与える均等物の完全な範囲に沿って、添付の特許請求の範囲の観点でのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】hIGF−1、hIGF−1/Ea wt、hIGF−1/Ea 3mut、およびhIGF−2のアミノ酸配列アラインメント。hIGF−1/E wtとhIGF−1/E 3mutの間のアミノ酸差異を太字で強調する。配列中の点線は欠損残基を示す。下記の動物免疫化のための抗原として選択したhIGF−1/Ea 3mutからのペプチドに下線を引く。
【図2】ペプチドA免疫化により産生されたhIGF−1/E 3mut特異的マウスモノクローナル抗体の活性を示す一連のチャート。細胞培養上清をハイブリドーマクローンQC1(A)およびQC2(B)から回収し、hIGF−1、hIGF−1/Ea wt、hIGF−1/Ea 3mut、hIGF−2、mIGF−1またはmIGF−2でコートしたマイクロタイターウェルで希釈した。プレートに結合した抗体をホースラディシュペルオキシダーゼ結合ポリクローナルヤギ抗マウスIgG抗体により検出した。
【図3】ペプチドB免疫化により産生されたhIGF−1/E 3mut反応性マウスモノクローナル抗体の活性を示す一連のチャート。モノクローナル抗体をハイブリドーマクローンBP1(A、mg/ml)およびBP2(B、mg/ml)から産生および精製し、hIGF−1、hIGF−1/E wt、hIGF−1/E 3mut、hIGF−2、mIGF−1またはmIGF−2でコートしたマイクロタイターウェルで1:10−1:100,000希釈した。Pプレートに結合した抗体を、ホースラディシュペルオキシダーゼ結合ポリクローナルヤギ抗マウスIgG抗体により検出した。
【図4】ペプチドC免疫化により産生されたhIGF−1/E 3mut特異的マウスモノクローナル抗体の活性を示す一連のチャート。細胞培養上清をハイブリドーマクローンQQ2(A)、QQ5(B)、およびQQ6(C)から回収し、hIGF−1、hIGF−1/E wt、hIGF−1/E 3mut、hIGF−2、mIGF−1またはmIGF−2でコートしたマイクロタイターウェルで希釈した。Pプレートに結合した抗体を、ホースラディシュペルオキシダーゼ結合ポリクローナルヤギ抗マウスIgG抗体により検出した。
【図5】ペプチドC免疫化から産生されたモノクローナル抗体のサンドイッチELISA分析を示す一連のチャート。種々の濃度のhIGF−1/Ea 3mut、hIGF−1/Ec 3mut、グリコシル化hIGF−1/Ea 3mut、およびhIGF−1ペプチドをQQ2(A)、QQ5(B)、またはQQ6(C)でコートしたマイクロタイタープレートに添加した。プレートに結合したIGF−1ペプチドをホースラディシュペルオキシダーゼ結合モノクローナルマウス抗hIGF−1抗体で検出した。
【実施例】
【0059】
ペプチドAに対して生じた抗体。2個のモノクローナル抗体を、ペプチドA、GPTLCGAELV(IGF−1/E 3mutのaa 1−10)(配列番号1)(表1参照)でのマウス免疫化により産生した。QC1およびQC2により認識されるエピトープは、1個のアミノ酸のみ野生型hIGF−1およびmIGF−1配列GPETLCGAELV(配列番号2)で異なる。このペプチドを、BiobenchおよびAbie Pro 3.0でのタンパク質構造分析が低表面確率および低抗原性指数を有することを示唆したが、動物免疫化のために選択した。
【表3】

【0060】
ハイブリドーマを(1)組み換えhIGF−1/E 3mut(ポジティブクローン用);(2)組み換えhIGF−1/E wtタンパク質(ネガティブクローン用);(3)組み換えhIGF−2(ネガティブクローン用)、および(4)組み換えmIGF−2タンパク質(ネガティブクローン用)でスクリーニングした。
【0061】
5匹のマウスからのペプチドA−KLHコンジュゲートで3回免疫化した後抗血清力価は、hIGF−1/E 3mutを用いたELISAで測定して、1:500〜1:16,000の範囲であった。約1,000個のハイブリドーマが、最高応答動物であるマウス#3から産生され、そのうち4個はhIGF−1/E 3mutと強く反応するが、しかしhIGF−1/E wt、hIGF−1、hIGF−2、mIGF−1、およびmIGF−2とは反応しないかまたは弱くしか反応しないことが判明した。全4個のhIGF−1/E 3mut反応性ハイブリドーマをサブクローニングの対象とし、各々個別のハイブリドーマ由来の2個の最終サブクローン、QC1(7B9C6)およびQC2(8B7A2)を選択し、hIGF−1/E 3mutに特異的なモノクローナル抗体の産生についてELISAで確認した(図2、表1)。
【0062】
2個のmAbs、QC1(7B9C6)およびQC2(8B7A2)はhIGF−1/E 3mutに非常に特異的であり、前臨床および臨床サンプルにおける修飾組み換えヒトIGF−1/Eペプチドの定量のためのサンドイッチELISAにおける免疫吸着剤(捕捉抗体)として使用できる。2個のmAbs QC1(7B9C6)およびQC2(8B7A2)を発現するハイブリドーマを、DSMZに各々受託番号DSM ACC3028およびDSM ACC3026の下に寄託する。
【0063】
ペプチドBに対して生じた抗体。2個のモノクローナル抗体を、ペプチドB、CGDRGFYFN−KPTGYGSS(hIGF−1/E 3mutのaa 17−33)(配列番号3)(表1参照)でのマウス免疫化により産生した。このペプチドは、高表面確率および高抗原性指数を有するために選択した。しかしながら、hIGF−1およびhIGF−1/E 3mutは、この領域で同一配列を有するそれ故に、このペプチドに対して生じた抗体は、次のタンパク質の全てを認識する:hIGF−1、hIGF−1/E wt、およびhIGF−1/E 3mut。加えて、mIGF−1およびhIGF−1は、この領域に1個のアミノ酸の差異しか示さない。
【表4】

【0064】
ハイブリドーマを(1)組み換えhIGF−1/E 3mut(ポジティブクローン用);(2)組み換えhIGF−2(ネガティブクローン用);(3)組み換えmIGF−1(ネガティブクローン用);および(4)組み換えmIGF−2タンパク質(ネガティブクローン用)でスクリーニングした。
【0065】
ペプチドBに対するマウス免疫応答は強かった。5匹のマウスからのペプチドB−KLHコンジュゲートで4回免疫化した後抗血清力価は、1:1,000から>1:32,000の範囲であった。約1,000個のハイブリドーマが、最高応答動物であるマウス#5から産生され、そのうち21個はhIGF−1、hIGF−1/E wt、およびhIGF−1/E 3mutと強く反応し、hIGF−2、mIGF−1およびmIGF−2に弱い反応性であることが判明した。全13個のハイブリドーマをサブクローニングの対象とした。各々個別のハイブリドーマ由来の2個の最終サブクローン、BP1(2F11D8)およびBP2(3C5D10)を選択し、hIGF−1、hIGF−1/E wtおよびhIGF−1/E 3mutに結合するモノクローナル抗体の産生を確認した(図3、表1)。
【0066】
2個のmAbs、BP1(2F11D8)およびBP2(3C5D10)はhIGF−1およびhIGF−1/E 3mutの両方を認識し、hIGF−2およびmIGF−1およびmIGF−2と交差反応する。それにも関わらず、これらのmAbsはIGF−1試験に有用であるはずである。
【0067】
ペプチドCに対して生じた抗体:3個のモノクローナル抗体を、ペプチドC、CPAKSAVRAQR(hIGF−1/E 3mutのaa 65−74と、コンジュゲーションのためのN末端C)(配列番号5)(表1参照)でのマウス免疫化により産生した。このhIGF−1/E 3mutのペプチドを、その高表面確率および抗原性指数のために選択した。それは、成熟hIGF−1と変異Eペプチドの間の連結領域に伸びる。
【表5】

【0068】
ハイブリドーマを(1)組み換えhIGF−1/E 3mut(ポジティブクローン用);(2)組み換えhIGF−1(ネガティブクローン用);(3)組み換えhIGF−1/E wt(ネガティブクローン用);(4)組み換えmIGF−1(ネガティブクローン用);および(5)組み換えmIGF−2タンパク質(ネガティブクローン用)でスクリーニングした。
【0069】
5匹のマウスからのペプチドC−KLHコンジュゲートで4回免疫化した後抗血清力価は、1:400から1:3,200の範囲であった。約1,000個のハイブリドーマが、最高応答動物であるマウス#4、最高応答動物から産生され、そのうち188個は標準ELISAでhIGF−1/E 3mutと反応するが、hIGF−1とは反応しないことが判明した。188個のハイブリドーマのうち、20個をサブクローニングの対象とした。各々個別のハイブリドーマ由来の3個のサブクローン、QQ2(2C10B7)、QQ5(6H6G11)およびQQ6(7B1H12)を選択し、hIGF−1/E 3mutを認識するが、hIGF−1を認識しないモノクローナル抗体の産生を確認した(図4、表1)。しかしながら、これらのmAbsはhIGF−1/E wtと交差反応した。
【0070】
QQ2、QQ5およびQQ6により認識されるエピトープはPAKSAVRAQR(aa 65−74)(配列番号6)である。これらの3個のmAbs、QQ2(2C10B7)、QQ5(6H6G11)およびQQ6(7B1H12)は、hIGF−1/E 3mutを認識し、hIGF−1/E wtと交差反応性であるが、hIGF−1と結合しなかった。これらのmAbsの各々は、種々の修飾組み換えヒトIGF−1/Eペプチドを定量するためのサンドイッチELISAにおける免疫吸着剤(捕捉抗体)として使用できるであろう。3個のmAbs、QQ2(2C10B7)、QQ5(6H6G11)およびQQ6(7B1H12)を発現するハイブリドーマを、DSMZに各々受託番号DSM ACC3027、DSM ACC3024およびDSM ACC3025の下に寄託する。
【0071】
【表6】

【0072】
本発明の抗体の製造方法
抗体製造の一般法。ある抗原(例えばペプチドA、ペプチドBまたはペプチドC)に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を製造するための多くの方法が当分野で既知である。Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Publications, New York, 1988)および上記の他の引用文献を参照のこと。
【0073】
動物免疫化、ハイブリドーマスクリーニング、およびmAb産生。5匹のBALB/cマウスのグループを、KLHとコンジュゲートした選択したペプチドの各々で免疫化した。ハイブリドーマを、標準ELISAで(1)組み換えhIGF−1/E 3mut;(2)組み換えhIGF−1/E wt;(3)組み換えhIGF−1;(4)組み換えhIGF−2;(5)組み換えmIGF−1;および/または(6)組み換えmIGF−2についてスクリーニングし、所望の特異性のハイブリドーマを3回のサブクローニングおよび再スクリーニングのために選択した。モノクローナル抗体を、タンパク質A親和性カラムを使用して、最終選択ハイブリドーマの細胞培養上清から精製した。
【0074】
3個の抗原ペプチド(ペプチドA、ペプチドBおよびペプチドC)をGL Biochem(Shanghai)Ltd., Shanghai, Chinaで化学的に合成し、HPLC精製した。ペプチド純度を質量分析により免疫グレード(約85%)であることを決定した。これらのペプチドは、C残基を含み、Pierce(Cat. No. 77605)から購入したキットでマレイミド活性化KLHとコンジュゲートさせた。
【0075】
6−8週齢のBALB/cマウスを抗体を産生するために使用した。免疫応答を誘発するために、5匹のマウスのグループに、各50μgの3個の抗原ペプチド−KLHコンジュゲートのCFA溶液(最初の注射)および25μgの各抗原のIFA溶液(2回目および3回目の注射)を皮下注射により投与した。25μgの抗原での最終ブースト免疫化を何のアジュバントも使用せずに腹腔内注射により行った。免疫化スケジュールは下記の通りであった:
0日目:免疫化前採血;1回目の抗原注射
26日目:2回目の抗原注射
52日目:3回目の抗原注射
63日目:試験採血;抗血清力価ELISA
69日目:最終ブースト注射
73日目:脾臓摘出
【0076】
免疫化後の抗原特異的抗体の発生をELISAにより試験した。Nunc-Immunoマイクロタイタープレートを1μg/mlのhIGF−1/E 3mut、hIGF−1/E wt、hIGF−1、hIGF−2、mIGF−1またはmIGF−2の炭酸ナトリウム−重炭酸ナトリウム緩衝液(Pierce, Cat. No. 28382)でコートし、連続的に希釈した免疫化前および抗血清および/またはハイブリドーマ上清サンプルとインキュベートし、抗原結合マウスIgGをホースラディシュペルオキシダーゼ結合ポリクローナルヤギ抗マウスIgG抗体(Sigma, Cat. No. A0168)と、続くBM青色PO基質(Roche Diagnostics, Cat. No. 1.484.281)での発色により検出した。マイクロタイタープレートを、ペルオキシダーゼ反応を2.0M HSOで停止させた後に450nmで読み、ELISAデータをソフトウェアSoftMax Pro v5.2(Molecular Devices)で分析した。結果を図2−4に示す。
【0077】
ハイブリドーマを、免疫化マウスから単離した脾細胞と非分泌性骨髄腫Sp2/0−Ag14細胞を標準法を使用して融合させることにより産生した。ELISAアッセイを行い、hIGF−1/E 3mutペプチドに特異的なハイブリドーマを同定した。
【0078】
選択したハイブリドーマを無血清増殖培地(Sigma, Cat. No. 24621C-500)に適合させた。モノクローナル抗体を、標準法に従いタンパク質A親和性カラムによりハイブリドーマ上清から精製し、透析を通してPBSと交換した。精製抗体のアイソタイプをSouthern Biotechから購入したマウスIgGアイソタイプ分類キット(Cat. No. 5300-05)で決定した。
【0079】
抗原特異的ハイブリドーマを、限界希釈により3回のサブクローニング(およびELISAによる再スクリーニング)の対象とした。
ペプチドA、ペプチドBおよびペプチドCでの免疫化により生じた抗体の結果は上記の通りである。
【0080】
本発明の抗体の使用方法
サンプル中の修飾IGF−1/Eを検出するための免疫アッセイ。本発明は、IGF−1/Eタンパク質が投与されている個体からの生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)における修飾IGF−1/Eタンパク質を測定するための診断的アッセイを提供する。診断的アッセイ、例えば競合アッセイは、標識アナログ(“トレーサー”)が、共通結合パートナー上の限られた数の結合部位について、試験サンプル分析物と競合する能力を利用する。結合パートナーは、一般に競合の前または後は不溶性であり、結合パートナーに結合するトレーサーおよび分析物が非結合トレーサーおよび分析物から分離される。この分離はデカント(結合パートナーが前に不溶性であるとき)または遠心分離(結合パートナーが競合反応後に沈殿するとき)により行う。試験サンプル分析物の量は、マーカー物質の量で測定される結合したトレーサーの量と逆比例する。既知量の分析物との用量応答曲線を製造し、試験サンプル中に存在する分析物の量の定量的測定をするために試験結果と比較する。これらのアッセイは、酵素を検出可能マーカーとして使用したとき酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)システムと呼ばれる。特にELISA試験の形のかかるアッセイは、臨床環境および日常的な血液スクリーニングに相当な適用がある。免疫アッセイ形態および条件の詳細についてHarlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Publications, New York, 1988)参照。
【0081】
本発明の免疫アッセイは、診断的アッセイ、予後診断的アッセイ、薬理ゲノミクス、およびモニタリング臨床試験が、予後診断的(予測的)目的で使用される予測医学の分野で有用である。
【0082】
本発明のモノクローナル抗体を使用したサンドイッチELISAアッセイ。ペプチドC、QQ2、QQ5、およびQQ6に対して産生した3個のmAbsの各々を捕捉抗体としておよび市販のIGF−1 mAbを検出試薬として使用して、QQ2、QQ5およびQQ6の特異性を試験するために行った。図5に示す通り、全ての3個のmAbsはhIGF−1/Ea 3mut、hIGF−1/Ec 3mutおよびグリコシル化hIGF−1/Ea 3mutと結合するが、hIGF−1ペプチドと結合しない。QQ2、QQ5、またはQQ6は、hIGF−1へは、hIGF−1濃度が10nMほど高くても結合しない(図5)。
【0083】
ELISA分析のために、連続希釈した抗血清およびハイブリドーマ上清サンプルから得たOD値を、同様に処理した免疫前血清および細胞培地の各々のOD値と比較した。抗血清またはハイブリドーマ上清サンプルは、そのOD値がネガティブコントロールよりも少なくとも2倍高いとき、被覆抗原と反応性であると見なす。
【0084】
“単離”または“精製”ポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分は実質的に細胞性物質または、本発明の抗体が由来する細胞または組織供給源からの他の汚染物がなく、または化学分析したとき実質的に化学前駆体または他の化学物質がない。例えば、単離IGF−1/Eには、この薬剤の診断的または治療的使用を妨げるであろう物質がない。かかる妨害物質は、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質様および非タンパク質様溶質を含み得る。
【0085】
抗体選択性の評価
本抗体のwt ヒトIGFと比較した修飾IGF−1/Eに対する選択性を、修飾IGF−1/E No.1またはNo.2を動物に投与し、続いて本発明の抗体を使用して修飾IGF−1/Eを回収することにより確認した。動物に投与した基の量を超える修飾IGF−1/Eが回収されるならば、これは非特異的結合(すなわちwt IGFへの結合)を示す。
【0086】
7匹のサルおよび7匹のイヌからの血清サンプルに、80ng/ml変異IGF No.1、または200ng/ml変異IGF No.2を添加し、6匹のラットからの血清に30ng/ml変異IGF No.1を添加した。変異IGFの濃度を変異IGF No.1については抗体QQ2をまたは変異IGF No.2についてはQQ5を使用して分析した。
【0087】
両方の抗体について、アッセイを同じ方法で行った。96ウェルプレートを2.5μg/μlの濃度の100μl抗体(QQ2またはQQ5)でコートし、一夜静置した。次いで、ウェルを300μl遮断緩衝液で2回、および300μl洗浄緩衝液で4回洗浄した。血清サンプルをアッセイ緩衝液で1:10に希釈し、100μlの各サンプルを、100μlのコントロール(10−3000ng/ml濃度)と共にプレートに添加した。次いで、プレートを4時間、室温で振盪させながらインキュベートした。
【0088】
次いで100μlのビオチニル化抗ヒトIGF−1(アッセイ緩衝液中75ng/ml濃度)を添加し、プレートをさらに1時間、RTで振盪させながらインキュベートした。次いで、プレートを上記の通り4回洗浄した。
【0089】
100μlのストレプトアビジン−HRPコンジュゲート(100ng/ml)を添加し、プレートをさらに30分間、RTで振盪させながらインキュベートした。次いで、プレートを上記の通り4回洗浄した。
【0090】
次いで100μlのTMBを各ウェルに添加し、10分間インキュベートした。次いで100μlの停止溶液を添加し、光学密度を30分以内に450nmで読んだ。
コントロールを較正曲線のプロットに使用した(示していない)。
【0091】
抗体QQ2の結果
【表7】

【表8】

【表9】

【0092】
抗体QQ5の結果
【表10】

【表11】

【0093】
特異性/選択性は、分析方法の、サンプルに存在する他の類似のおよび/または無関連な構成成分の存在下で分析物を測定および区別する能力である。それは、生物学的マトリックスに添加し、そして回収された分析物の量の測定から得られた精度の評価により調べられる。特異性/選択性の標的容認基準は、評価した少なくとも80%のマトリックスについて許容される回収率が得られることである。許容される回収率は、我々の方法では75−125%と定義した。全ての試験した個々のマトリックスがこの容認基準内にあるため、我々は、この方法は特異的かつ選択的であると見なした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチドGPTLCGAELV(配列番号1)に免疫特異的に結合するが、ペプチドGPETLCGAELV(配列番号2)に免疫特異的に結合しない抗体。
【請求項2】
ペプチドGPTLCGAELV(配列番号1)を含むポリペプチドに免疫特異的に結合するが、ペプチドGPETLCGAELV(配列番号2)を含むポリペプチドに免疫特異的に結合しない抗体。
【請求項3】
ペプチドPAKSAVRAQR(配列番号6)に免疫特異的に結合するが、ペプチドPTKAARSIRAQR(配列番号7)に免疫特異的に結合しない抗体。
【請求項4】
ペプチドPAKSAVRAQR(配列番号6)を含むポリペプチドに免疫特異的に結合するが、ペプチドPTKAARSIRAQR(配列番号7)を含むポリペプチドに免疫特異的に結合しない、抗体。
【請求項5】
QC1(ハイブリドーマDSM ACC3028により発現)、QC2(ハイブリドーマDSM ACC3026により発現)、QQ2(ハイブリドーマDSM ACC3027により発現)、QQ5(ハイブリドーマDSM ACC3024により発現)およびQQ6(ハイブリドーマDSM ACC3025により発現)から成る群から選択される、請求項1から4のいずれかに記載の抗体。
【請求項6】
(i)CDRH1について配列番号12、CDRH2について配列番号13、CDRH3について配列番号14、CDRL1について配列番号15、CDRL2について配列番号16およびCDRL3について配列番号17;
(ii)CDRH1について配列番号18、CDRH2について配列番号19、CDRH3について配列番号20、CDRL1について配列番号21、CDRL2について配列番号22およびCDRL3について配列番号23;
(iii)CDRH1について配列番号24、CDRH2について配列番号25、CDRH3について配列番号26、CDRL1について配列番号27、CDRL2について配列番号28およびCDRL3について配列番号29;
(iv)CDRH1について配列番号30、CDRH2について配列番号31、CDRH3について配列番号32、CDRL1について配列番号33、CDRL2について配列番号34およびCDRL3について配列番号35;または
(v)CDRH1について配列番号36、CDRH2について配列番号37、CDRH3について配列番号38、CDRL1について配列番号39、CDRL2について配列番号40およびCDRL3について配列番号41
を含む、請求項1から4のいずれかに記載の抗体。
【請求項7】
(i)配列番号42を含むVH鎖および配列番号43を含むVL鎖;
(ii)配列番号44を含むVH鎖および配列番号45を含むVL鎖;
(iii)配列番号46を含むVH鎖および配列番号47を含むVL鎖;
(iv)配列番号48を含むVH鎖および配列番号49を含むVL鎖;または
(v)配列番号50を含むVH鎖および配列番号51を含むVL鎖
を含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
DSM ACC3028、DSM ACC3026、DSM ACC3027、DSM ACC3024およびDSM ACC3025(これら全てDSMZに寄託)から成る群から選択される、ハイブリドーマ。
【請求項9】
配列GPTLCGAELV(配列番号1)、CPAKSAVRAQR(配列番号5)またはPAKSAVRAQR(配列番号6)を含む、単離ポリペプチド。
【請求項10】
請求項5−7のいずれかに記載の抗体または請求項9に記載のポリペプチドをコードする、核酸。
【請求項11】
請求項10に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項12】
請求項11に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項13】
請求項1−7のいずれかに記載の抗体を含む、修飾インシュリン様増殖因子1/E(IGF−1)の検出のための改善された酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)。
【請求項14】
溶液から修飾インシュリン様増殖因子1/E(IGF−1)を精製するための改善された親和性クロマトグラフィー方法であって、この改善が、請求項1−7のいずれかに記載の抗体による精製を含む、方法。
【請求項15】
患者から得た血液サンプル中の修飾IGF−1/Eを、請求項1−7のいずれかに記載の抗体を使用して検出する工程を含む、患者における修飾IGF−1/Eタンパク質のレベルを測定する方法。
【請求項16】
A 修飾IGF−1/Eを必要とする患者におけるその最適投与量を維持する方法であって:
(i)請求項1−7のいずれかに記載の抗体を使用して、修飾IGF−1/Eを投与されている患者からの血液サンプル中の修飾IGF−1/Eを検出し;そして
(ii)患者血液サンプル中の修飾IGF−1/Eのレベルが予定レベルより低いとき、さらに該修飾IGF−1/Eを該患者に投与する
工程を含む、方法。
【請求項17】
筋肉障害を有する患者の処置方法であって:
(i)修飾IGF−1/Eを以前に投与されている患者から得た血液サンプル中の修飾IGF−1/Eの血清濃度を請求項1−7のいずれかに記載の抗体を使用して測定し;そして
(ii)hIGF−1/Ea 3mutの血清濃度が予定した最適レベルより低いならば、さらに修飾IGF−1/Eを患者に投与する。
【請求項18】
修飾IGF−1/EがWO2007/146689に記載されているものである、請求項13に記載のアッセイまたは請求項14から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
hIGF−1/Ea 3mutがWO2007/146689の実施例1に記載のもの(そこでは配列番号8と記載され、ここでは修飾IGF−1E No.1と記載される)、またはWO2007/146689の実施例45に記載のもの(そこでは配列番号53と記載され、ここでは修飾IGF−1/E No.2と記載される)である、請求項15から18のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−160696(P2011−160696A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−25479(P2010−25479)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】