説明

倉庫管理システム

【課題】 ICタグの利点を十分に活用することによって、効率的かつ経済的な管理を行うことができる倉庫管理システムを提供する。
【解決手段】 データベース10と、ICタグ14が取り付けられた多数のパレット12と、ICタグ14に付与されたパレット名を認識するとともに、パレット12に積載された物品に関する物品情報をパレット名と関連付けてデータベース10に送信可能な第1系統の無線端末機16、36と、パレット12を倉庫に入庫及び出庫するフォークリフト22,32と、フォークリフト22,32とに配置され、ICタグ14に付与されたパレット名を認識するとともに、データベース10から送信されたパレット12の入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能な第2系統の無線端末機24,34とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫管理システムに係り、特に物品積載用のパレットによって倉庫への物品の入出庫を行うようにした倉庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品積載用のパレットによって倉庫への物品の入出庫を行う方法は広く実施されている。すなわち、フォークリフトやスタッカークレーンなどの搬送手段によって、物品を積載したパレットを倉庫の空スペースに入庫,保管する。また、出荷要請に応じて所望の物品をパレットごとピッキングし、出庫する。倉庫管理にあたっては入出庫作業を迅速かつ正確に行うことと、物品毎の在庫状態を常時、正確に把握しておくことが求められる。
【0003】
このようなニーズに応えるため、最近では取り扱う物品又はその包装に物品情報を書き込んだバーコードラベルやICタグを貼付け、パレットに物品を積載する際、又は入出庫の際に、これらの物品情報をリーダーで読み取って管理する方法が行われている。また、パレットにバーコードラベル又はICタグを貼付け、パレットの保管位置を特定,確認しながら管理する方法も行われている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−176004号公報
【特許文献2】特開平10−182096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された各パレットにバーコードラベルを貼付ける方法は、パレット搬送手段からのバーコードラベルの読み取りに手間を要するので、非能率的である。また、中央のデータベースと送受信する端末装置がパレットへの物品の積載、パレットの移動などすべての作業時に共用される。このため、端末装置の機能が複雑化してコストアップを招くとともに、操作が難しくなるという問題点があった。
【0005】
また、特許文献2に記載された各パレットにICタグを貼付ける方法は、上記の問題点を改善しているが、ICタグにその都度、物品情報や保管位置の書き込みを行う必要があるので、ICタグへの書き込み量が多くなり、コストアップを招く。また、各パレットが個別化されずに共用されるのでパレット名による倉庫管理ができない。このため、ICタグの利点を十分に活用していないという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は上記従来技術の問題点を改善し、各パレットに貼付したICタグへの書き込み量を最小限にすることが可能であり、ICタグの利点を十分に活用することによって、効率的かつ経済的な管理を行うことができる倉庫管理システムを提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る倉庫管理システムは、倉庫管理用のデータベースと、ICタグを取り付けた多数のパレットと、物品の入出荷エリアに配置されて前記各パレットのICタグに付与されたパレット名を認識するとともに、前記パレットに積載された物品に関する物品情報をパレット名と関連付けて前記データベースに送信可能な第1系統の無線端末機と、前記パレットを移動させることによって前記物品を倉庫に入出庫する搬送手段と、この搬送手段に配置されて前記ICタグに付与されたパレット名を認識するとともに、前記データベースから送信された前記パレットの入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能な第2系統の無線端末機とを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は上記の構成において、前記第2系統の無線端末機は前記データベースから送信された前記パレットの入出庫情報に対する確認情報又は修正情報を前記データベースに逆送信可能とされたことを特徴とする。また、本発明は上記の構成において、前記第1系統の無線端末機は前記ICタグに所定の物品情報を書き込み可能とされ、前記第2系統の無線端末機は前記第1系統の無線端末機によって前記ICタグに書き込まれた物品情報を読み取って出力可能とされたことを特徴とする。なお、前記ICタグは前記パレットの裏面中央に取り付けたことが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の倉庫管理システムによれば各パレットに取り付けたICタグにはパレット名のみを付与しておくだけで済み、ICタグへの書き込み量を最小限にしつつ、ICタグの利点を十分に活用した入出庫管理を実現することができる。特に、データベースとの送受信を行う無線端末機を2つの系統に分け、入荷エリアや出荷エリアに配置される第1系統の無線端末機ではパレットに積載された物品に関する物品情報をパレット名と関連付けてデータベースに送信可能とした。また、搬送手段に配置された第2系統の無線端末機ではデータベースから送信されたパレットの入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能とした。このため、第1系統の無線端末機を取り扱う積載担当員や出荷担当員と、第2系統の無線端末機を取り扱う搬送手段の運転員の役割分担が明確となり、倉庫管理を効率的に行うことができる。
【0010】
また、各無線端末機は予めICタグに付与されたパレット名の認識機能と、データベースとの送受信機能を具備していれば十分であり、格別の書き込み機能を必要としない。このため、無線端末機のコスト低減と操作の簡易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は本発明に係る倉庫管理システムの実施形態を示す全体構成図である。当倉庫管理システムは入荷エリア100と倉庫200と出荷エリア300にわたって利用され、中核に倉庫管理用のデータベース10を保有する。
【0012】
入荷エリア100には複数のパレット12が待機しており、各パレット12にはICタグ14が取付けられている。ICタグ14にはそれぞれのパレット12毎にパレット名が付与されている。
【0013】
入荷エリア100のパレット12への物品の積載位置近傍には第1系統の無線端末機16が配置されている。この無線端末機16を物品の積載担当員18が保持していてもよい。無線端末機16はICタグ14に付与されたパレット名を読み取って認識する機能を備えている。また、積載担当員18が無線端末機16に物品情報、例えば物品名,入荷日,数量,ロット番号などを入力することによって、物品情報をデータベース10に送信可能な機能を備えている。したがって、積載担当員18はパレット12に物品20を積載した際には、無線端末機16によって当該パレット12のパレット名をICタグ14から読み取る。また、当該パレット12に積載した物品20に関する物品情報を無線端末機16に入力し、物品情報をパレット名と関連付けてデータベース10に送信する。
【0014】
データベース10では無線端末機16から送信されたパレット名と当該パレット12に積載した物品20に関する物品情報を格納する。そして、当該パレット12の保管場所として、倉庫200における最も好ましい番地26を検索し、割り当てる。
【0015】
入荷エリア100にはパレット12を移動させることによって物品20を倉庫200に入庫する搬送手段として、フォークリフト22が待機している。フォークリフト22には第2系統の無線端末機24が搭載されている。この無線端末機24をフォークリフト22の運転員が保持していてもよい。無線端末機24はICタグ14に付与されたパレット名を読み取って認識する機能を備えている。また、データベース10から送信されたパレット12の入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能な機能を備えている。
【0016】
したがって、フォークリフト22の運転員は例えば入庫すべき最前列のパレット12のパレット名を無線端末機24によって読み取り、読み取ったパレット名をデータベース10に送信する。すると、データベース10では当該パレット名のパレット12の入庫情報をパレット名と関連付けて無線端末機24に送信する。無線端末機24ではデータベース10から送信された入庫情報を表示画面に出力する。図2に表示内容の一例を示す。図2において入庫番地はデータベース10が当該パレット12の最も好ましい保管場所として検索し、割り当てた倉庫200内の番地26である。また、物品名,数量は前記した第1系統の無線端末機16から送信されてデータベース10に格納された物品情報の一部である。この表示画面に表示された物品名,数量はフォークリフト22の運転員が当該パレット12に積載された物品との一致性を確認,照合するために役立つ。
【0017】
フォークリフト22の運転員は無線端末機24に出力された表示内容に従って当該パレット12を倉庫200内の指定された番地26に入庫する。入庫が完了すると、フォークリフト22の運転員はその旨を確認情報として無線端末機24を介してデータベース10に逆送信する。データベース10では上記確認情報を格納し、データを更新することによって一連の入庫管理が終了する。
【0018】
なお、指定された番地26に何らかの不都合があって当該パレット12を指定どおりに入庫できない事態が想定される。このような場合には、フォークリフト22の運転員は入庫可能な適当な番地26を自ら探し出して、当該パレット12をその番地26に入庫すればよい。そして、フォークリフト22の運転員はその旨を修正情報として無線端末機24を介してデータベース10に逆送信する。データベース10では上記修正情報を格納し、データを更新することによって一連の入庫管理が終了する。
【0019】
上記説明ではフォークリフト22の運転員が入庫すべきパレット12を特定して、当該パレット12の入庫情報をデータベース10から得る場合について説明した。しかしながら、本実施形態の倉庫管理システムでは上記の場合に限らず、データベース10から無線端末機24を通して、フォークリフト22の運転員に任意のパレット12に対する入庫指示が発信される場合にも適用できる。この場合にも図2に示した表示内容と同様の画面が無線端末機24に出力される。この画面を見たフォークリフト22の運転員は、まず、指示されたパレット名のパレット12を物品が積載済みのパレット群の中から探し出すことになる。すなわち、フォークリフト22をなるべくパレット群に接近させて移動させる。各パレット12に取付けたICタグ14に対する無線端末機24の読み取り可能距離を例えば2mに設定しておく。無線端末機24が目的のパレットに対して読み取り可能な距離に接近すると、当該パレット名のICタグ14を取付けたパレット12を認識する。認識結果が無線端末機24に画面又は音声で表示され、フォークリフト22の運転員はデータベース10が指示したパレット名のパレット12をパレット群の中から探し出すことができる。その後の入庫操作は前記した場合と同様である。
【0020】
図3はパレット12におけるICタグ14の取り付け例を示した平面図である。(1)はパレット12の1辺にのみICタグ14を取り付けた例である。経済的であるが、方向性があるため無線端末機16又は無線端末機24でICタグ14を読み取る際に不便が生じる場合がある。(2)はパレット12の対向する2辺にICタグ14を取り付けた例である。無線端末機のアプローチが比較的容易である。(3)はパレット12の4辺全部にICタグ14を取り付けた例である。いずれの方向から無線端末機を接近させてもICタグ14の読み取りが容易である。したがって、ICタグ14に対する無線端末機の読み取り可能距離を短く設定することができる。(4)はパレット12の裏面中央にICタグ14を取り付けた例である。経済的であり方向性もないので、無線端末機の読み取り可能距離を適切に選べば、最も実用性が高い。
【0021】
すなわち、複数のパレット12が接近して並んでいる場合を想定する。図3(4)に示したパレット12の場合には、図4に示したように無線端末機の読み取り可能距離dを適切に選ぶと、無線端末機は中央のパレット12BのICタグ14のみを読み取り、両側のパレット12A,12CのICタグ14を読み取らない。このため、パレット名の認識に混同を招くケースが少なくなる。
【0022】
一方、図3(3)に示したパレット12の場合には、図5に示したように無線端末機の読み取り可能距離dを小さく設定しても、無線端末機はパレット12Aとパレット12Bの両方のICタグ14タグを読み取るケースが多くなる。このため、パレット名の認識に混同を招き易く、又は指定されたパレット名のパレット12を探し出す際にもその特定が困難になる。また、図3(1)に示したパレット12の場合には、図6に示したように無線端末機がパレット12Aよりも遠いパレット12BのICタグ14を読み取る可能性がある。このため、パレット名の認識違いを招き易く、又は指定されたパレット名のパレット12を探し出す際にもその特定が困難になる。
【0023】
次に、出庫管理について説明する。出庫エリア300にはフォークリフト32が待機している。このフォークリフト32には第2系統の無線端末機34が搭載されている。無線端末機34をフォークリフト32の運転員が保持していてもよい。無線端末機34はICタグ14に付与されたパレット名を読み取って認識する機能を備えている。また、データベース10から送信されたパレット12の入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能な機能を備えている。
【0024】
まず、データベース10では出荷要請に基づき、無線端末機34を介してフォークリフト32の運転員に出庫情報が発信される。無線端末機34ではデータベース10から送信された出庫情報を表示画面に出力する。図7に表示内容の一例を示す。フォークリフト32の運転員は無線端末機34に出力された表示内容に従って倉庫200内の指定された番地26に保管されている当該パレット12を出庫する。フォークリフト32の運転員はこの出庫の際に、無線端末機34によって当該パレット12のICタグ14を読み取り、パレット名が表示画面に出力されたものと同一であることを確認する。また、表示画面に表示された物品名,在庫数量はフォークリフト32の運転員が当該パレット12に積載された物品との一致性を確認,照合するために役立つ。
【0025】
出庫されたパレット12はフォークリフト32によって出庫エリア300に搬送され、出荷位置に引き渡される。出荷位置には第1系統の無線端末機36が配置されている。この無線端末機36を物品の出荷担当員38が保持していてもよい。無線端末機36はパレット12のICタグ14に付与されたパレット名を読み取って認識する機能を備えている。また、無線端末機36はデータベース10から送信されたパレット12の出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能な機能を備えている。したがって、データベース10から送信された出庫情報が無線端末機36を通して、出荷担当員38にも発信される。無線端末機36に出力される表示画面は図7に示したものと同様である。
【0026】
出荷担当員38はフォークリフト32から引き渡されたパレット12のパレット名を読み取って照合するとともに、表示画面の出庫情報に基づいて、パレット12上から出荷数量分の物品を受け出す。その結果、パレット12上の物品が全量、受け出された時には空状態のパレット12が入荷エリア100に戻される。又はパレット12に物品を積載した状態のままでパレットごと外部に出荷される場合もある。また、パレット12上に物品が残存する時には、出荷担当員38は残存数量を調べ、表示画面に示された残存数量と照合する。その後、出荷担当員38は出荷が指示どおりに遂行された旨を無線端末機36によってデータベース10に送信する。データベース10では無線端末機36から送信された出荷遂行情報に基づいて格納データを更新するとともに、物品が残存しているパレット12については入庫情報を無線端末機34に送信する。この際に無線端末機34に出力される表示画面の表示内容は図2に示したものと同様であり、フォークリフト32の運転員はこの入庫情報に従って当該パレットの入庫を行う。以上の一連の流れによって1回の出庫管理が終了する。
【0027】
上述のとおり、本実施形態の倉庫管理システムによれば各パレット12に取り付けたICタグ14には恒久的なパレット名のみを付与しておくだけで済み、ICタグへの書き込み量を最小限にしつつ、ICタグの利点を十分に活用した入出庫管理を実現することができる。特に、データベース10との送受信を行う無線端末機を2つの系統に分け、入荷エリアや出荷エリアに配置される第1系統の無線端末機16,36ではパレット12に積載された物品に関する物品情報をパレット名と関連付けてデータベース10に送信可能とした。また、搬送手段に配置された第2系統の無線端末機24,34ではデータベース10から送信されたパレット12の入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能とした。このため、第1系統の無線端末機を取り扱う積載担当員や出荷担当員と、第2系統の無線端末機を取り扱うフォークリフトの運転員の役割分担が明確となり、倉庫管理を効率的に行うことができる。
【0028】
特に、各無線端末機は予めICタグに付与されたパレット名の認識機能と、データベース10との送受信機能を具備していれば十分であり、格別の書き込み機能を必要としない。このため、無線端末機のコスト低減と操作の簡易化を図ることができる。
【0029】
しかしながら、本発明は各無線端末機がICタグへの書き込み機能を具備していることを排除するものではない。例えば、第1系統の無線端末機16,36がICタグ14に物品名の書き込み機能を備え、第2系統の無線端末機24、34がICタグ14に書き込まれた物品名の読み取り機能を備えていると便利である。図8はこのような場合の実施形態を示す要部構成図である。図8において図1と同一の符号を付した要素は前記と同一であり、説明を省略する。
【0030】
この実施形態では、入荷エリアでは積載担当員18は第1系統の無線端末機16によってパレットのICタグ14に付与されたパレット名を読み込んで認識するとともに、パレットに積載した物品名をICタグ14に書き込む。同時に、積載担当員18は無線端末機16によってパレットに積載された物品に関する物品の積載情報をパレット名と関連付けてデータベース10に送信する。この送信された積載情報がデータベース10に格納され,データベース10では即座に当該パレットの入庫情報を作成する。フォークリフトの運転員22Aは第2系統の無線端末機24によってパレットのICタグ14に書き込まれたパレット名と物品名を読み込んで認識するとともに、パレットに積載された現品がICタグ14から認識した物品名と一致しているか否かを目視によって照合することができる。このため、前記積載担当員18がデータベース10に送信した積載情報に入力ミスがあって、パレット名又は物品名が間違っている場合には、フォークリフトの運転員22Aによって直ちに入力ミスを発見できる。また、フォークリフトの運転員22Aは無線端末機24に表示されたデータベース10からの入庫情報と上記ICタグ14に書き込まれたパレット名と物品名とを照合することによって、より一層確実な入庫作業を行うことができる。
【0031】
出庫処理においても、フォークリフトの運転員32Aは無線端末機34に表示されたデータベース10からの出庫情報と当該パレットのICタグ14に書き込まれたパレット名と物品名とを照合することによって、より一層確実な出庫作業を行うことができる。出荷エリアでも出荷担当員38は無線端末機36に表示されたデータベース10からの出荷情報と当該パレットのICタグ14に書き込まれたパレット名と物品名とを照合することによって、より一層確実な荷出し作業を行うことができる。荷出しによってパレットが空状態になった時には、出荷担当員38は無線端末機36によって当該パレットのICタグ14から物品名を消去する。
【0032】
上述のように、第1系統の無線端末機ではICタグに物品名などの所定の物品情報を書き込み可能とし、第2系統の無線端末機では第1系統の無線端末機によってICタグに書き込まれた物品情報を読み取って出力可能にすると、パレット名と物品情報との照合が容易になり,より一層確実な入出庫処理を行うことができる。
【0033】
前記各実施形態の説明では、1つのパレットに1種類の物品を積載する場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような場合に限らず、1つのパレットに複数種の物品を積載する場合にも適用できる。また、前記各実施形態の説明では、倉庫の各番地に対応して1つのパレットを保管する場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような場合に限らず、倉庫の各番地が比較的広い面積を有しており、各番地に複数のパレットを保管する場合にも適用できる。本発明はICタグに付与された特定パレット名を無線端末機によって比較的遠い位置から認識できるので、むしろ上記のようにランダムに保管された複数のパレットの中から目的のパレットをピッキングする場合に特に有効である。
【0034】
本発明に係るパレットの搬送手段はフォークリフトに限定されない。運転員によって操作されるスタッカー式クレーンも本発明に係るパレットの搬送手段に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る倉庫管理システムの実施形態を示す全体構成図である。
【図2】表示画面に出力される入庫情報の一例を示す説明図である。
【図3】パレットへのICタグの取り付け例を示した平面図である。
【図4】無線端末機の読み取り可能距離とICタグの位置関係を示す説明図である。
【図5】図4と同様の説明図である。
【図6】図4と同様の説明図である。
【図7】表示画面に出力される出庫情報の一例を示す説明図である。
【図8】本発明に係る倉庫管理システムの他の実施形態を示す要部構成図である。
【符号の説明】
【0036】
10………データベース、12………パレット、14………ICタグ、16,36………(第1系統の)無線端末機、18………積載担当員、20………物品、22,32………フォークリフト、24,34………(第2系統の)無線端末機、26………番地、38………出荷担当員、100………入荷エリア、200………倉庫、300………出荷エリア。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫管理用のデータベースと、
ICタグを取り付けた多数のパレットと、
物品の入出荷エリアに配置されて前記各パレットのICタグに付与されたパレット名を認識するとともに、前記パレットに積載された物品に関する物品情報をパレット名と関連付けて前記データベースに送信可能な第1系統の無線端末機と、
前記パレットを移動させることによって前記物品を倉庫に入出庫する搬送手段と、
この搬送手段に配置されて前記ICタグに付与されたパレット名を認識するとともに、前記データベースから送信された前記パレットの入出庫情報をパレット名と関連付けて出力可能な第2系統の無線端末機と
を含むことを特徴とする倉庫管理システム。
【請求項2】
前記第2系統の無線端末機は前記データベースから送信された前記パレットの入出庫情報に対する確認情報又は修正情報を前記データベースに逆送信可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の倉庫管理システム。
【請求項3】
前記第1系統の無線端末機は前記ICタグに所定の物品情報を書き込み可能とされ、前記第2系統の無線端末機は前記第1系統の無線端末機によって前記ICタグに書き込まれた物品情報を読み取って出力可能とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の倉庫管理システム。
【請求項4】
前記ICタグを前記パレットの裏面中央に取り付けたことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の倉庫管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−27810(P2006−27810A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208824(P2004−208824)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005452)日立プラント建設株式会社 (1,767)
【Fターム(参考)】