説明

個人化されたコンテンツを備える車両インフォテインメントシステム

【課題】本発明の目的は、コンテンツ選択の個人化を可能にし、一方でコンテンツの管理および選択を簡略化するスキームを備えることである。
【解決手段】本発明は、サマリ音楽識別値を格納するストレージデバイスと、該サマリ音楽識別値を受信し、該サマリ音楽識別値に基づいてコンテンツをアセンブルする該格納デバイスと通信する、プロセッサと、ユーザに該アセンブルされたコンテンツを提示するために該プロセッサと通信する再生デバイスとを備えているシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2006年12月29日に出願された、「Vehicle Infotainment System with Personalized Content」と題する米国仮特許出願第60/882,734号に対する優先権を主張し、該出願は、その全体が、本明細書において参考として援用され、また、2007年5月17日に出願された、「Vehicle Infotainment System With Personalized Content」と題する、米国仮特許出願第60/938,563号に対する優先権を主張し、該出願は、その全体が、本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本システムは、インフォテインメントシステムの分野に向けられる。より具体的には、本システムは、ユーザに個人用コンテンツを提供する方法を提供する一方で、ユーザによるシステムのアクティブ制御を低減する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術)
インフォテインメントシステムは、当該分野において周知であり、さまざまな目的で幅広く用いられている。一般的に、インフォテインメントシステムは、ユーザに情報を提供するために用いられる。ユーザに提供される情報は、インフォテインメントシステムに格納され得るか(デジタル多目的ディスク上の映画など)、他のソース(放送されたラジオまたはテレビのプログラムなど)からインフォテインメントシステムによって受信され得るか、日時、現在地などの特定の入力データに基づいて、インフォテインメントシステムによって生成され得る。情報は、通常はユーザに音響の形態、映像の形態、またはそれらの組み合わせで提供される。
【0004】
自動車などの車両の運転手および乗員の特定の必要性に適合するインフォテインメントシステムを提供する必要がある。長時間の運転の間、運転手および乗員は、情報を提供されることによって楽しむことを望む。特に運転手は、インフォテインメントシステムによって提供されるナビゲーションの指示などの情報によって、助力され得る。
【0005】
先行技術の不便なところは、1人以上のユーザに対するコンテンツおよび娯楽の個人化が柔軟ではないということである。現状の技術は、所定のラジオステーションまたはリモートでプログラムされたコンテンツのプロバイダ/ソースを含む。これらのステーションは、特定の番組フォーマットまたはジャンルを有し、構造を変更することができない。該ステーションは、現時点ではどのようにしても、車両の中での使用目的でユーザ/消費者によって個人化され得ることはない。聴衆者は、これらのステーション/ソースの間から選択し得るが、一旦ステーションが選択されると、ユーザは、そのステーションまたはソースの再生リストに従わなくてはならない。
【0006】
従来のアナログのラジオは、せいぜい数十の異なる受信可能なステーションを提供したが、デジタルオーディオ放送の導入、特にサテライトベースのデジタルラジオサービス(サテライトデジタルオーディオラジオサービス、SDARS)の導入は、利用可能なチャネルの数を約10倍に増加させた。車内でのインターネットの接続性の出現により、さらに10倍の増加が予測され、ユーザが何千ものインターネットラジオステーションにアクセスすることが可能となる。
【0007】
非常にさまざまな競合するデジタルオーディオ放送システムが存在し、それらは、送信技術(地上対サテライトベースのシステム、モバイルレシーバまたは固定レシーバに対して適合したシステム、変調スキーム、周波数帯など)、符号化方法(専有またはオープンの基準を用いるシステム、異なる符号化複合化および暗号化)、およびビジネスモデル(無料ラジオシステム、加入ベースコンテンツ配信、アイテム毎課金またはダウンロード毎課金)に関して異なる。例えば、ほとんどのサテライトベースのシステムは、専有のものであり、オーディオデータ圧縮のためのさまざまな符号化複合化、さまざまな変調技術、および/または暗号化および条件付アクセスのためにさまざまな方法を用いる。
【0008】
全てのデジタルオーディオ放送システムに共通することは、デジタルオーディオ情報は、送信帯域を節約し、かつ/または送信の質を向上させるために、圧縮された形態で送信されるということである。非可逆データ圧縮は、人間の聴覚システムの音響心理学モデルを用い、どの情報が聴取に不利に影響を及ぼすことなく無視され得るのかを決定することによって、達成される。オーディオ情報の符号化およびデ符号化は、集合的にコーデック(codec)と名付けられた方法によって行われる。デジタルオーディオ放送に関連して用いられる符号化複号化の著名な例は、MUSICAM(Masking pattern adapted Universal Subband Integrated Coding And Multiplexing)、AAC(Advanced Audio Coding)、およびMP3、より正確には、MPEG−1オーディオ層3(Motion Picture Expert Group)である。
【0009】
例えば、MP3は、人気のあるデジタルオーディオ符号化および非可逆圧縮のフォーマットであり、オーディオを表すために要求されるデータの量を大いに低減させるように設計され、それでもなお、ほとんどの聴衆者に対して、元の圧縮されていないオーディオの忠実な再生のように聞こえる。MP3は、人間の聴覚にあまり聞こえない要素を放棄する上述の音響心理学モデルを用い、残りの情報を、エントロピー符号化方式に基づいた非常に効率的な方法で記録することによって、直送式の方法よりも遥かに少ないスペースにおいて、パルス符号が変調符号化されたオーディオの再生を提供する。MP3オーディオは、いくつかの異なるビットレートを用いて圧縮され得、データサイズと音の質との間でのトレードオフの範囲を提供する。
【0010】
MP3ファイルは、複数の個別のMP3フレームから出来ており、該フレームは、MP3ヘッダおよびMP3データから成る。この一連のフレームは、エレメンタリストリームと呼ばれる。MP3データは、実際のオーディオペイロードである。MP3ヘッダは、同期ワードから成り、有効なフレームの始まりを識別するために用いられ、これがMPEG基準であることを示すビット、および層3が用いられていることを示す2つのビットが続き、故にMPEG−1オーディオ層3である。この後に、値は、MP3ファイルに応じて異なる。ヘッダの仕様に加えて、ヘッダの各セクションに対する値の範囲は、ISO/IEC11172−3によって定義される。
【0011】
適切なオーディオデータに加えて、ほとんどのデジタルオーディオ放送システムも、各歌またはプログラムのアーティストおよびタイトル、ならびに可能である場合にはチャネルの名前とともにプログラム関連のデータ(PADまたはメタデータ)を送信する。例えば、メタデータは、チャネル識別および表示目的のために、レシーバによって復号され得る。
【0012】
例えば、MP3は、MP3フレームに先行するか、または続く、ID3メタデータコンテナ(ID3v1およびID3v2)を含み得る。これらのメタデータコンテナは、ファイル自体にタイトル、アーティスト、アルバム、トラックナンバー、またはファイルに関する他の情報などが格納されることを可能にする。
【0013】
ID3v1コンテナは、128バイトを占め、ストリングTAGから始まる。小型のコンテナサイズは、タイトル、アーティスト、アルバムおよび「コメント」に対して30バイトのみを許可し、年のために4バイト、および80の予め定義された値のリストから歌のジャンルを識別するために1バイトが許可される。一方で、ID3v2タグは、サイズが変化し、ストリーミングを容易にするために、通常はファイルの開始部分に配置される。該タグは、多くのフレームから成り、該フレームのそれぞれは、一片のメタデータを含む。フレームは、16MBの長さであり得る。
【0014】
最新のID3v2基準において、84の予め定義された種類のフレームが存在する。特に、タイトル、カバーアート、著作権およびライセンス、歌詞、任意のテキスト、およびURLデータ、ならびに他のデータを含む標準フレームが存在する。例えば、TIT2フレームは、タイトルを含み、WOARフレームは、アーティストのウェブサイトのURLを含む。
【0015】
デジタルオーディオ放送システムは、一般的に、クライアントにオーディオデータを「ストリーム」する。ストリーミング媒体は、従来のアナログの放送システムのように、配信されている間に消費される(聴かれるか、視聴される)媒体であり、再生に先立ってファイルの完全なダウンロードを必要とする、特定のインターネットコンテンツプロバイダとは対照的である。
【0016】
例えば、サテライトデジタルオーディオラジオサービス(SDARS)は、モバイルレシーバおよび固定式レシーバにCDのような音楽およびトークショーを放送するサテライトベースのラジオシステムである。SDARSは、北米において2つのプロバイダ、XM
RadioおよびSirius Radioによって操業され、それらのプロバイダは、約100チャネルを提供しようとする。各プロバイダは、地上のステーションからの放送信号を中継するために、地球静止軌道上、または高い楕円軌道上のいずれかにサテライトを打ち上げている。
【0017】
SDARSは、2.3−GHz S帯、すなわち2320MHz〜2345MHzにおいて動作する。SDARSレシーバは、小型アンテナを介して、サテライトの照準線の信号を直接的に受信することが可能である。地上の中継器は、町の中心部の高層ビルなどの頭上の障害物のために弱い信号を受けるエリアに該信号を再送信する。SDARSレシーバは、1つまたは2つのサテライト信号および地上の中継器からの非照準線の信号を受信するように設計されている。
【0018】
SDARSは、ユーザがプロバイダのサービスに加入することを必要とする。これは、各SDARSレシーバが、電子シリアル番号(ESN)、すなわち該レシーバを識別するラジオIDを有するという点で容易である。ユニットが加入によって起動されると、権限付与コードが、デジタルストリームにおいて送られ、レシーバ100に、ブロックされたチャネルへのアクセスが許可されたことを伝える。
【0019】
地上デジタルラジオ技術の例は、HDラジオであり、これは、米国内のローカルエリアの放送に対する規格として、米国連邦通信委員会(FCC)によって選択されている。HDラジオは、1つのチャネル上でCD品質の多数のプログラムを提供し、アナログ(FMおよびAM)ラジオステーションに割り当てられた同一の周波数上で動作する。
【0020】
HDラジオは、ハイブリッドデジタルラジオの省略であり、アナログおよびデジタルの信号が、同一チャネル上で同時に送信されることを指す。ハイブリッドモードにおいて、従来のAM信号またはFM信号は、チャネルの中心の周波数で送信され、デジタル信号は、側波帯で送信される。
【0021】
デジタルオーディオ放送(DAB)は、米国におけるHDラジオに対する欧州の対応するものである。DABは、従来のアナログラジオに対するフォローアップシステムとして指定され、周波数帯III(174〜230MHz)L(1452〜1992MHz)を用いる。
【0022】
最後に、インターネットラジオもまた、次第に人気が出て成長しているデジタルオーディオ放送の形態である。インターネット上の放送は、ネットワークを介して配信され、広く送信されていないために、通常はネットキャスティングと称される。上のデジタルオーディオ放送システムとは対照的に、送信方法は、特定されておらず、例えばWLANまたはUMTSであり得る。
【0023】
従来のラジオでは、聞きたい音楽を選択することは可能ではなく、むしろ、手動でさまざまなチャネルの音楽を検索する。デジタルラジオ放送のさまざまな形態の出現により、受信可能なチャネルの数はさらに増加している。サテライト、地上の放送ステーションおよびインターネットを介して受信され得るデジタルラジオのチャネルの巨大な数を考慮すると、聞きたい音楽の選択は、手動では大変な作業となる。
【0024】
特に車の中では、デジタル通信能力が、近い将来において益々ユビキタスとなることが予測される。従って、現代の車内の娯楽システムは、無料のラジオおよびSDARSなどの加入ベースの媒体プロバイダに対する従来のレシーバだけではく、音楽ダウンロードおよびインターネットラジオに対する双方向通信リンクをも含む。これら全てのコンテンツに関し、ユーザが、それぞれの運転の間に好みの音楽を聞くことを可能にする、構造的な聴取は非常に困難である。
【0025】
車両の中での例えば携帯電話などのデバイスとの相互作用は、事故の危険性を増加し得るということが、研究において示される。コンテンツ選択の個人化を可能にする方式を有し、一方で、コンテンツの管理および選択を簡素化することが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
例えば、本発明は、以下を提供する。
【0027】
(項目1)
サマリ音楽識別値を格納するストレージデバイスと、
該サマリ音楽識別値を受信し、該サマリ音楽識別値に基づいてコンテンツをアセンブルする該格納デバイスと通信する、プロセッサと、
ユーザに該アセンブルされたコンテンツを提示するために該プロセッサと通信する再生デバイスと
を備えている、システム。
【0028】
(項目2)
上記プロセッサは、インターネットサーバである、項目1に記載のシステム。
【0029】
(項目3)
上記再生デバイスは、上記インターネットサーバにワイヤレスで結合される、項目2に記載のシステム。
【0030】
(項目4)
上記再生システムは、車両の中に位置付けられている、項目3に記載のシステム。
【0031】
(項目5)
上記再生システムは、ボイス制御される、項目4に記載のシステム。
【0032】
(項目6)
車両においてインフォテインメントシステムを制御する方法であって、該方法は、
格納された位置からサマリ音楽識別値を選択するステップと、
該サマリ音楽識別値を用いてコンテンツのプレイリストを生成するステップと、
該車両において該コンテンツのプレイリストを再生するステップと
を包含する、方法。
【0033】
(項目7)
上記コンテンツのプレイリストを生成するステップは、ローカルに格納されたコンテンツを用いて上記車両において達成される、項目6に記載の方法。
【0034】
(項目8)
上記コンテンツのプレイリストを生成するステップは、リモートで達成され、上記車両に通信される、項目6に記載の方法。
【0035】
(項目9)
上記プレイリストは、インターネットサーバにおいて生成される、項目8に記載の方法。
【0036】
(項目10)
上記プレイリストは、ホームコンピュータにおいて生成される、項目8に記載の方法。
【0037】
(項目11)
車両においてインフォテインメントシステムを制御する方法であって、該方法は、
該インフォテインメントシステム上でコンテンツを再生するステップと、
該インフォテインメントシステムにコマンドを提供することによって、該再生されるコンテンツに基づいてサマリ音楽識別値を生成するステップと、
該サマリ音楽識別値を用いることによって、該インフォテインメントシステム上でさらに再生されるコンテンツのプレイリストを生成するステップと
を包含する、方法。
【0038】
(項目12)
上記コマンドは、ボイスコマンドである、項目11に記載の方法。
【0039】
(項目13)
上記プレイリストのステップは、上記車両においてローカルに格納されたコンテンツから生成される、項目11に記載の方法。
【0040】
(項目14)
上記プレイリストは、上記車両からリモートに格納されたコンテンツからインターネットサーバにおいて生成される、項目11に記載の方法。
【0041】
(項目15)
上記プレイリストは、上記車両からリモートに格納されたコンテンツからホームコンピュータにおいて生成される、項目11に記載の方法。
【0042】
(項目16)
コンテンツ生成システムを制御する方法であって、該方法は、
アーティストのコマンド、歌/タイトルのコマンド、ジャンルのコマンド、およびアルバム/フィルタされたリストのコマンドを含む複数のコマンドのうちの1つを発するステップと、
該1つの発せられたコマンドに関連付けられたコンテンツを提示するステップと
を包含する、方法。
【0043】
(項目17)
上記コマンドを発することは、ボイスコマンドを介してなされる、項目16に記載の方法。
【0044】
(項目18)
上記複数のコマンドのうちのいずれかには、該複数のコマンドのうちの他のいずれかが続き得る、項目17に記載の方法。
【0045】
(項目19)
上記1つの発せられたコマンドに関連付けられた上記コンテンツの提示後に、コンテンツをさらに提示するモードをさらに含む、項目18に記載の方法。
【0046】
(項目20)
上記モードは、コンテンツの選択がなされるまで、コンテンツの一連の部分的な再生を提供することを含む、項目19に記載の方法。
【0047】
(項目21)
上記モードは、ランダムに選択されたコンテンツを提示することを含む、項目19に記載の方法。
【0048】
(項目22)
上記モードは、上記1つの発せられたコマンドに関連付けられた上記コンテンツのメタデータを取得することと、該メタデータを用いてコンテンツをさらに選択することとを含む、項目19に記載の方法。
【0049】
(項目23)
上記モードは、ユーザに、「より似た」/「あまり似ていない」オプションを提示することと、該ユーザによって選択された該オプションに基づいてコンテンツをさらに選択することとを含む、項目19に記載の方法。
【0050】
(項目24)
上記モードは、上記1つの発せられたコマンドと関連付けられた上記コンテンツを、予め存在するプレイリストと照合することと、該プレイリストからコンテンツを追加することとを含む、項目19に記載の方法。
【0051】
(項目25)
上記モードは、上記1つの発せられたコマンドと関連付けられた上記コンテンツのサマリ音楽識別値を取得することと、該サマリ音楽識別値に基づいてコンテンツをさらに選択することとを含む、項目19に記載の方法。
【0052】
(項目26)
コンテンツ生成システムを制御するシステムであって、該システムは、
アーティストのコマンド、歌/タイトルのコマンド、ジャンルのコマンド、およびアルバム/フィルタされたリストのコマンドを含む複数のコマンドのうちの発せられたコマンドを受信する、該コンテンツ生成システムに結合されたコマンドインタフェースと、
該発せられたコマンドを受信し、該コンテンツ生成システムに該発せられたコマンドに関連付けられたコンテンツを提示させる、該コマンドインタフェースに結合された処理手段と
を備えている、システム。
【0053】
(項目27)
上記コマンドを発することは、ボイスコマンドを介してなされる、項目26に記載のシステム。
【0054】
(項目28)
上記複数のコマンドのうちのいずれかには、該複数のコマンドのうちの他のいずれかが続き得る、項目27に記載のシステム。
【0055】
(項目29)
上記1つの発せられたコマンドと関連付けられた上記コンテンツの提示後に、コンテンツをさらに提示するモードをさらに含む、項目28に記載のシステム。
【0056】
(項目30)
上記モードは、コンテンツの選択がなされるまで、コンテンツの一連の部分的な再生を提供する、項目29に記載のシステム。
【0057】
(項目31)
上記モードは、ランダムに選択されたコンテンツを提示することを含む、項目29に記載のシステム。
【0058】
(項目32)
上記モードは、上記1つの発せられたコマンドと関連付けられた上記コンテンツのメタデータを取得することと、該メタデータを用いてコンテンツをさらに選択することとを含む、項目29に記載のシステム。
【0059】
(項目33)
上記モードは、ユーザに、「より似た」/「あまり似ていない」オプションを提示することと、該ユーザによって選択された該オプションに基づいてコンテンツをさらに選択することとを含む、項目29に記載のシステム。
【0060】
(項目34)
上記モードは、上記1つの発せられたコマンドと関連付けられた上記コンテンツを、予め存在するプレイリストと照合することと、該プレイリストからコンテンツをさらに提供することとを含む、項目29に記載のシステム。
【0061】
(項目35)
上記モードは、上記1つの発せられたコマンドと関連付けられた上記コンテンツのサマリ音楽識別値を取得することと、該サマリ音楽識別値に基づいてコンテンツをさらに選択することとを含む、項目29に記載のシステム。
【0062】
(開示の摘要)
本システムの個人化コンテンツシステムは、サマリ音楽識別値の生成と、歌、オーディオファイル、または他に関連した音楽の基準およびデータ(例えば、タイトル、アーティスト、ジャンル、様式、毎分のビードなど)、またはそれらの任意の組み合わせの数学的な概要音楽識別を表す、識別アルゴリズムとを結合する。得られた値は、音楽の好みまたは歌または様式の様式属性を表す。サマリ音楽識別値の分析および生成は、注意力が払われ、かつ車両における注意散漫および安全性が問題とならない、車両の外において行われるように意図される。ユーザは、単一のサマリ音楽識別値を生成し得るか、またはさまざまな基準に対して複数のサマリ音楽識別値を生成し得る。他の場合において、サマリ音楽識別値は、ジャンルに対して定義され得るが、固定のプレイリストのラジオステーションに伴うものよりも、より個人的なタッチが可能である。別の実施形態において、ユーザは、他の人のサマリ音楽識別値(例えば、有名人、アーティスト、友人など)を取得および使用し得、システムにおいて用い得る。
(要旨)
受諾できるサービス品質(QoS)を有するユビキタスワイヤレスブロードバンドへの、次の10年に移り変わる際に、消費者は、娯楽に対して在来のものではないソースを選択する能力を有する。モバイル設定におけるインターネットへのこのアクセスを考慮すると、消費者は、聴きたい音楽を個別に定義する力を有する。車両は、それが注意を散漫にしやすい環境であるために、そのようなシステムには問題がある。さらに、ほとんど終わりのないコンテンツのオプションのために、管理には非常に課題がある。インターネットラジオステーションが存在し、急激に増え、多種多様になる一方で、車両にストリームされるときに注意散漫となる傾向は、少なくなるのではなく、より多くなることが、現実であり、予測可能である。
【0063】
本システムの個人化コンテンツシステムは、サマリ音楽識別値(summary music identification value)の生成および識別のアルゴリズムを結合する。システムのこの生成アルゴリズムは、サマリ音楽識別値を生成し得る。システムの識別アルゴリズムは、このサマリ音楽識別値を解釈し得る。このサマリ音楽識別値は、歌、オーディオファイル、または他に関連する音楽基準およびデータ(例えば、タイトル、アーティスト、ジャンル、様式、毎分のビードなど)、またはそれらの任意の組み合わせのものであり得る。得られた値は、音楽の好み、音響特性または歌またはオーディオファイルの様式属性を表す。サマリ音楽識別値の分析および生成は、ローカル(車両において)で、またはリモート(ウェブベース)で、全体的または部分的に処理され得るか、あるいは、ローカルまたはリモートのデータベースから取得され得る。このサマリ音楽識別値の取得は、ユーザによる注意がほとんど必要でなく、かつ車両において注意散漫とならず、故に安全性が問題とならない、背景において機能し得る。ユーザは、単一のサマリ音楽識別値を生成し得るか、またはさまざまな基準に対して複数のサマリ音楽識別値を生成し得る。例えば、サマリ音楽識別値は、朝の運転の時間のためなど、時間的に定義され得る。他の場合において、サマリ音楽識別値は、ジャンルに対して定義され得るが、固定のプレイリストのラジオステーション/コンテンツプロバイダに伴うものよりも、より個人的なタッチが可能である。別の実施形態において、ユーザは、他の人のサマリ音楽識別値(例えば、有名人、アーティスト、友人など)を取得および使用し得、システムにおいて用い得る。
【0064】
一実施形態において、個人化コンテンツシステムは、ヘッドユニットを含むOEMインフォテインメントシステムを利用し、該ヘッドユニットは、該ヘッドユニットを直接的に介するインターネット能力、またはヘッドユニットの内部に含まれるか、別個のモジュールとして配置され得る接続性モジュールを介するインターネット能力のある形態を有する。
【0065】
一実施形態において、個人化コンテンツシステムは、2つのデバイスアプローチを含むOEMインフォテインメントシステムを利用する。第1のデバイスは、基本的な機能性、車両内ネットワーク接続性、および第2のデイバスとの間を行き交うコマンドおよび制御に対する外部インタフェースの設備を提供する、一体型自動車インフォテインメント処理ユニットである。第2のデバイスは、個人的な接続性デバイスすなわち(PCD)であり得、またはスマートフォン、外部マスストレージ、外部スマートマスストレージ、PDA、メディアプレーヤ、UMPC、またはPCでさえあり得、携帯でき、有線またはワイヤレスのいずれかで設置された第1のデバイスと通信する、アップグレード可能な処理デバイスであり得る。一実施形態において、PCDまたは他のデバイスは、実際的には、物理的にベースユニットと合体し得、別の実施形態においては、有線(USB、イーサネット(登録商標)など)またはワイヤレス(ブルートゥース、WiFi、UWBなど)で相互作用する。これら2つのデバイスのこの組み合わせは、無比の個人的な携帯性および接続性を有して、事実上、制限無く実現可能な機能性に対する将来性を可能にする。
【0066】
別の実施形態において、第2のデバイスはまた、ヘッドユニットへの有線またはワイヤレスの接続性を有し、マスストレージを有する任意のプレーヤであり得る。第2のデバイスは、インターネットへの接続性の有無に関わらず、実装され得る。
【0067】
システムの一実施形態において、ボイス認識システムまたは他のボイス起動システムが用いられることによって、デバイスを管理し、プレイリストの能力を選択する。これは、車両の制御に直接に関連する操作以外の、手動でデバイスを操作する必要を除去することによって、車両環境における注意散漫となるものをさらに減少させる。ボイス起動システムは、例としてローカルに格納されたコンテンツライブラリまたはリモートに提供されるコンテンツソースを含む、ソースがあるあらゆる場合において、コンテンツおよびデータにアクセスするために用いられ得る。
【0068】
一実施形態において、ボイス認識は、ヘッドユニットまたは第2のデバイスのいずれかでのローカルな事前処理を含み得、最終的な処理は、音楽サーバに関連したサーバによってリモートに達成される。この形態において、ボイスコマンドは、カスタムリターンメディア(復号されたストリーム)を生成するために、またはファイルを転送するために(データ(パケット)ストリーム)またはリモートに存在する特定の音楽識別値を呼ぶために、サマリ音楽識別値を作るサーバに配信される。
【0069】
システムの一実施形態は、車両ベースのインフォテインメントシステムに関連して記述されるが、システムは、非車両ベースのシステムにも、本システムの範囲および精神から逸脱することなく、等しく適用される。
【0070】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、添付の図面および詳細な記述の考察によって、当業者に明らかであり、または明らかとなる。そのような全ての追加のシステム、方法、特徴および利点は、本記述内に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲において保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
本発明は、添付の図面および記述を関連させると、より良好に理解され得る。図面における構成要素は、必ずしも縮尺に基づいておらず、その代わりに、本発明の原理を例証する際に強調がなされる。さらに、図面において、同様の参照番号は、さまざまな考察にわたって、対応する部分を指し示す。
【図1】図1は、システムを用いてプレイリストを生成することを例証する、流れ図である。
【図2】図2は、選択されたコンテンツを用いてサマリ音楽識別値を生成する技術を例証する、流れ図である。
【図3】図3は、提示されたコンテンツからサマリ音楽識別値を生成する技術を例証する、流れ図である。
【図4】図4は、選択されたサマリ音楽識別値を用いてコンテンツを提示する技術を例証する、流れ図である。
【図5】図5は、サマリ音楽識別値を用いてコンテンツを自動的に提示する技術を例証する、流れ図である。
【図6】図6は、コンテンツの再生の間にシステムを呼び出す技術を例証する、流れ図である。
【図7】図7は、システムのベースユニットを例証する、ブロック図である。
【図8】図8は、システムの移動可能なユニットを例証する、ブロック図である。
【図9】図9は、多くのインタフェースを用いてシステムを制御する技術を例証する、流れ図である。
【図10】図10は、システムの制御メニューを介して上下に動く技術を例証する、流れ図である。
【図11】図11は、アーティストを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。
【図12】図12は、歌のタイトルを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。
【図13】図13は、アルバムを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。
【図14】図14は、ジャンルを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。
【図15】図15は、アーティストおよびアルバムを選択する複合コマンドを例証する、流れ図である。
【図16】図16は、アーティストおよび歌のタイトルを用いるコンテンツの選択に対する複合コマンドを例証する、流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
一実施形態におけるシステムの記述において、特定の句には、以下に明らかとなる意味が与えられる。
【0073】
(システムの動作)
図1は、システムを用いるプレイリストの生成を例証する流れ図である。ステップ101において、サマリ音楽識別値が取得される。上述のように、これは、歌、オーディオファイル、またはジャンルに基づいてユーザによって、あるいは、先在する第三者パーティのサマリ音楽識別値を取得することによってなされ得る。これらのサマリ音楽識別値は、数値、テキスト、シンボル、ベクトル、あるいは、それらの組み合わせまたはストリングであり得る。アルゴリズムによって解釈されるときには、該値は、選択された値の範囲内にサマリ音楽識別値を有するコンテンツ(例えば、歌および/またはプレイリスト)を識別するために用いられ得る。ステップ102において、サマリ音楽識別値は、メモリに格納される。一実施形態において、これは、二次的なデバイスにサマリ音楽識別値を格納することを含む。ステップ103において、ユーザは、車両の中におり、サマリ音楽識別値ストレージデバイス、(およびサマリ音楽識別値または複数のサマリ音楽識別値)は、車両ベースステーションユニットに通信される。
【0074】
ステップ104において、ユーザは、サマリ音楽識別値を選択する。ステップ105において、車両ベースユニットは、サマリ音楽識別値に基づいてコンテンツをアセンブルする。ステップ106において、アセンブルされたコンテンツは、ユーザによって楽しまれるために提供される。
【0075】
一実施形態において、ユーザは、ステアリングアルゴリズムをインプリメントし得、該ステアリングアルゴリズムは、ユーザが、サマリ音楽識別値と選択されたコンテンツとの間の関係の境界または限界を変更することを可能にする。言い換えると、ユーザのサマリ音楽識別値と各歌のサマリ音楽識別値との一致の許容可能な範囲が変えられ、それによって、非決定的結果を生成し得る。結果は、一致の範囲に応じて、同一のサマリ音楽識別値が、非常にさまざまなプレイリストを生成する。
【0076】
(個人用コンテンツ)
多くの車両のオーナーは、ラジオおよびSDARSなどの一部の加入メディアコンテンツプロバイダの両方を有する。多くのコンテンツソース/チャネルがある一方で、コンテンツ自体は、一般的に、ステーション自体の基礎となる基準またはプログラミングフォーマットに従って予めパッケージ化された/プログラムされたフォーマット(例えばプレイリスト)でユーザにフィルタされ届けられる。このシステムは、ユーザが、車両内のアプリケーションのためにカスタム化ストリームされた無線チャネルを生成する方式である。一実施形態において、該システムは、車両からインターネットなどのネットワークにアクセスする能力、および1つ以上のソースから動的にコンテンツを取得する能力を企図する。該システムは、ユーザに対する個人用ラジオステーションを事実上生成する、カスタム化および個人化されたプレイリストを生成することによって、これを達成する。
【0077】
同時に考慮され得る他のコンテンツソースが存在する可能性もある。この形態において、個人用メディアストリームの構築は、サマリ音楽識別値を用いて進められ得るが、インターネットだけでなく、あらゆるローカルまたはリモートのマスストレージ、メディアプレーヤ、および他のサーバを含み得る、全ての利用可能なソースにアクセスし得る。
【0078】
(プレイリスト作成)
システムにおける1つ以上のプレイリストの作成は、一実施形態において、2つの部分によって達成される。第1に、サマリ音楽識別値が決定される。第2に、コンテンツソースがアクセスされることによって、サマリ音楽識別値に適切に一致する、または所与の範囲内で関連するコンテンツを選択する。
【0079】
(サマリ音楽識別値)
本システムの一実施形態において、サマリ音楽識別値は、限定的にではなく、全ての音響特性および利用可能なメタデータを含む、歌のキー属性を表す値である。2つの歌が同一のサマリ音楽識別値を有し得ることが、考えられる。例えば、これは、2つの言語(例えば、英語とスペイン語)において歌われる歌に起こり得る。メタデータのない環境において、英語およびスペイン語のこれらの2つの歌が、同一でないにしてもかなり類似したサマリ音楽識別値を有し得ることは、確かにあり得る。プレイリストを生成するときには、これは、許容可能である。故に、サマリ音楽識別値は、固有のものであることもそうでないこともあり得る。サマリ音楽識別値は、「よりこのような」、「あまりこのようにではない」、および、それらのあらゆる変形、反復、外挿の生成の目的のためにある。サマリ音楽識別値を考慮するときには、それぞれは個々に、n次空間またはベクトル空間における値と考えられ得る。複数の値の何らかの組み合わせが取られるときには、値の間の相対距離が決定され得、故に、望まれる場合には、境界が決定され得る。
【0080】
サマリ音楽識別値の生成は、ユーザが、歌、音響ファイル、または他の関連する音楽基準/データからサマリ音楽識別値を引き出し得るように、ローカルで利用可能なサマリ音楽識別値および識別アルゴリズムを用いることによって達成される。サマリ的な音楽の識別は、質問に対する応答および回答によって、または他のあらゆる適切な手段によって、歌、歌のライブラリ、または他のメディアコンテンツに基づき得る。この「値」は、選択された歌、音響ファイルの種類、好み、様式属性および音響特性を、全体的または部分的に要約し得る。あるいは、ユーザは、同一の目的のために、ローカルで生成されたサマリ音楽識別値を用いることを選択し得る。サマリ音楽識別値を用いることは、ユーザが、単一の選択(サマリ音楽識別値またはサマリ音楽識別値に関連した歌−個々のサマリ音楽識別値は、歌のヘッダ(タグ)において保存され得るか、または別個に歌とサマリ音楽識別値との関係を維持するローカルまたはリモートのデータベースにおいて保存され得る。これらは、オンザフライ(on the fly:「すぐに」)でも生成され得る)を行うことによって、カスタム化された個人用のプレイリストを生成することを可能にする。平均的な値(1より多いサマリ音楽識別値の平均)が、データベースに格納され得る。これは、プログラミングおよびシーキングの邪魔、または正しいコンテンツを探そうと試みるときに共通する他に可能性のある邪魔が入ることなく、カスタムコンテンツの快適な利用を提供する。
【0081】
一実施形態において、サマリ音楽識別値は、以下のようにして利用可能となる。
【0082】
1.音響特性および/またはメタデータなどの現存する基準を処理する。
【0083】
2.音楽ライブラリおよびそれらのコンテンツから、ローカルなサマリ音楽識別値を生成/計算する。または、
3.リモートでサマリ音楽識別値を取得する。
【0084】
上述のように、システムでの使用のためのサマリ音楽識別値を取得するために、多くの方法がある。システムは、現在存在するまたは作成され得る、多くのアルゴリズムから生成されたサマリ音楽識別値を利用する能力を企図する。例えば、「ミュージックIP(MusicIP)」として公知のシステムがあり、該システムは、www.busicip.comにおいて「音響の特色および特性に基づいて一連の音楽の間の関係を定義する、音楽照合技術」と記述されている。ミュージックIPシステムは、音楽ファイルに関連付けられたメタデータの取得および生成を可能にし、システムでの使用のために、サマリ音楽識別値を生成することを許可する。システムはまた、グレースノートミュージカル(Gracenote Musical)IDおよびマイクロジャンル分類システムなどの他の音楽識別技術を利用し得る。
【0085】
サマリ音楽識別値を生成する別の技術は、www.Pandora.comに記述される。パンドラ(Pandora)システムは、あらゆる音楽のコンテンツを含む「遺伝子」を識別することによって、音楽の本質を捉えることを試みる、音楽ゲノム計画を記述する。パンドラのユーザは、単一の歌またはアーティストを選択することによって、カスタム化された「ラジオステーション」を生成し得る。パンドラシステムは、次いで選択された歌またはアーティストの音楽遺伝子に基づいて、プレイリストを生成する。個人化は、ユーザに提示される歌の好き嫌いを示すことによって洗練され得る。
【0086】
上のシステムは、例として与えられる。サマリ音楽識別値を生成する他のあらゆるシステムが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、用いられ得る。
【0087】
サマリ音楽識別値を引き出す別の方法は、全体的または部分的なコンテンツのライブラリの分析を介して行われる。例えば、ユーザは、ユーザの全音楽ライブラリを分析し、ユーザ固有の、より個人化または一般化されたサマリ音楽識別値を生成する。他の場合において、ユーザは、ジャンルによっても、ユーザのコンテンツの収集を分析し得る。例えば、ユーザは、全てではないがショーの中での歌が好きな場合には、ユーザは、ユーザの個人的なコンテンツライブラリにあるショーの歌(またはショーの歌のサブセット)だけについてのサマリ音楽識別値を生成し得る。故に、そのユーザのためのジャンルベースのサマリ音楽識別値は、より個人化される。同様に、ユーザが特定のジャズの種類が好きな場合には、個人化されたジャンルのサマリ音楽識別値が、システムにおいて生成および使用され得る。
【0088】
サマリ音楽識別値はまた、例えば、質問および回答、ボックスに照合済みのマークを付けること、またはコンテンツの等級評価などの他の手段によって生成され得る。段階評価は、単純な「好き/嫌い」から範囲ベースの段階評価(例えば、1から10の段階、5点評価、または他のあらゆる種類の範囲の段階)であり得る。
【0089】
サマリ音楽識別値は、時間の経過に対して一定であり得、またはユーザによって選択されたコンテンツに基づいて、継続的に更新され得る。
【0090】
別の実施形態において、サマリ音楽識別値は、活動および/または時刻および/または曜日に基づき得る。ユーザは、時刻または活動に応じて、ジャンルに関係なく特定の種類の歌を望み得る。例えば、ユーザは、筋肉トレーニングのために活気のあるコンテンツを、朝の通勤時のためにより目覚めの良い種類を、または夕食時にはより穏やかな音楽を望み得る。
【0091】
図2は、選択されたコンテンツを用いてサマリ音楽識別値を生成する技術を例証する流れ図である。ステップ201において、ユーザは、サマリ音楽識別値の基礎となるコンテンツを選択する。これは、単一の歌またはアーティスト、ユーザが識別する複数の歌、ユーザのローカルのコンテンツライブラリのサブセット、またはユーザの全コンテンツのライブラリから成り得る。
【0092】
ステップ202において、アルゴリズムが適用されることによって、サマリ音楽識別値を抽出する。上述のように、このアルゴリズムは、サマリ音楽識別値を定義する「ミュージックIP」、パンドラのアプローチ、グレースノートミュージカルID、およびマイクロジャンルシステムなどの、上述のアルゴリズム、または現在公知のもの、または後に作成される他のあらゆる適切なシステムであり得る。
【0093】
ステップ203において、サマリ音楽識別値は、選択されたアルゴリズムを用いて生成され、格納される。
【0094】
サマリ音楽識別値を取得する別の方法は、第三者パーティから該値をコピーまたは購入することである。例えば、友人が、ユーザが好むサマリ音楽識別値を有する場合には、友人のサマリ音楽識別値は、コピーされ、望まれるように用いられ得る。加えて、有名人によって制作されるサマリ音楽識別値のためのマーケットがあり得る。現在、アーティストの好みの歌のCDまたは他の小さなコレクションに対するマーケットが存在するように、有名人またはアーティストは、そのアーティストの音楽の好みを表すサマリ音楽識別値を生成し得る。この有名人のサマリ音楽識別値は、ウェブサイトからダウンロードされ、あるいは購入または取得され得る。
【0095】
サマリ音楽識別値の生成は、多くの環境において生成され得る。例えば、サマリ音楽識別値は、車両の外、例えば、職場または家庭のパーソナルコンピュータにおいて、またはサマリ音楽識別値が生成される商業的な環境においても生成され得る。あるいは、サマリ音楽識別値は、車両自体においてオンザフライで、単一の歌の選択から生成され得る。
【0096】
図3は、現在のコンテンツからサマリ音楽識別値を生成する技術を例証する流れ図である。ステップ301において、コンテンツ(すなわち歌)が、提示されている。ステップ302において、ユーザが開始することによって、サマリ音楽識別値のアルゴリズムが、提示された歌をデータソースとして用いて、適用される。ステップ302において、サマリ音楽識別値は、生成および格納される。以下に記述されるように、一実施形態において、オンザフライのオプションが呼び出されたときには、システムは、プレイリストの自動生成および自動提示を自動的に継続するように構成され得、その結果として、ユーザは、最小限にかかわるだけで、システムを利用することができる。
【0097】
システムの一実施形態は、サマリ音楽識別値の使用に基づいているが、システムは、ユーザによって作成されたコンテンツのプレイリストの、手動による生成に対しても、等しく適用性を有する。システムは、ボイスコマンドなどによって、容易なリモートおよびローカルのアクセスを可能にするように用いられ得る。
【0098】
(個人化されたラジオステーション)
一旦1つ以上の音楽のシグネチャが取得されると、それらがどのようにして生成されたかに関わらず、該シグネチャは、車両インフォテインメントシステムにおいて用いられ得るメモリに格納される。例えば、該メモリは、車両ベースシステムによって読取り可能である、メモリデバイスなどの単純なものであり得る。他の場合において、該メモリは、独立して再生および他の機能を行うことが可能な、より洗練された構成要素であり得、またはより快適な利用のために車両ベースシステムと結合され得る。
【0099】
サマリ音楽識別値は、次いで基準値となり、個人化ストリームされたラジオステーションを生成する。
【0100】
一実施形態において、手順は、以下の通りであり得る。
【0101】
1.上に列挙される方法のうちのいずれかを介して、サマリ音楽識別値を生成する。
【0102】
2.この値を揮発性メモリ(即時の使用の場合)または非揮発性メモリ(将来の使用の場合)のいずれかに格納する。
【0103】
3.この値を用いて、サマリ音楽識別値に基づいてカスタム化されたプレイリストを生成する。
【0104】
プレイリストを生成する1つの方法は、ローカルに格納されたコンテンツ、例えば、mp3のデータストレージまたは他のデジタル方式に格納されたコンテンツにアクセスし、任意のシード(seed)(シードコンテンツは、音楽識別値が、定義されているかまたは定義され得る場合のあらゆる歌であり、プレイリストのための基準として使用され得る)またはシードの歌を選択し、ここでは、1つ以上の歌を選択するプロセスにおいて、平均の音楽値が計算され、この計算結果は、プレイリストのコンテンツに対するシードとして用いられ(この平均値はまた、独立して格納され得る)、そして、その後、プレイリストが配信される場合には、コンテンツの演奏を開始する(この実施形態において、シードの歌は、生成されたプレイリストに含まれる)。歌を、プレイリストを生成するために用い、「シード」の歌を含まないことも可能である。
【0105】
別の技術は、インターネットを介して、オフボードコンテンツ/サービスプロバイダまたはサーバにアクセスすることであり、それらのオフボードコンテンツ/サービスプロバイダまたはサーバは、次いで、この音楽識別値に基づかない「インターネットラジオチャネル」のプレイリストを集め、コンテンツをユーザの再生デバイスに戻すようにストリームする。(このステップは、2つの方法において行われ得ることに留意されたい。この音楽識別値が車両からオフボードコンテンツ/サービスプロバイダ/サーバに交換されるか、または、前もってリモートで同様の音楽識別値の交換(PCを介して)を介し、音楽鑑賞を始める車の中のユーザによって開始され、そして、後に、車両へのストリーミングが利用可能となる)。
【0106】
別の技術は、リモートに個人的な音楽ライブラリをホストし、インターネットを介してアクセスを得ることである。この場合において、全てのサマリ音楽識別値の、機能はそのままであるが、リモートのストレージ設備以外の直接的なサービスプロバイダは存在しない。
【0107】
ユーザが車両の中にいるときには、ユーザは、1つ以上のサマリ音楽識別値(シード歌)または平均値(複数のシード歌)から選択し、車両システムは、コンテンツおよびコンテンツソース(すなわちインターネットラジオ)を探し出し、ユーザの選択された音楽識別値(シードの歌)をまたは平均の音楽識別値(複数のシードの歌)に対して、ある所定のばらつき/境界の内側または外側のいずれかの関係を有するカスタム化コンテンツを提供/返還する。そして、このばらつき/境界は、ステアリングアルゴリズムによって制御/変更され得る。このコンテンツの集約は、利用可能なリモートのコンテンツに対するローカルのサマリ音楽識別値を関連したサマリ音楽識別値およびメタデータと比較する、ローカルまたはリモートのいずれかで実行されるアルゴリズムによって、およびステアリングアルゴリズムの所定の限界内に分類されるリターンストリームされたコンテンツまたはデータコンテンツを選択的に提供することによって達成される。
【0108】
図4は、選択されたサマリ音楽識別値を用いてコンテンツを提示する技術を例証する流れ図である。ステップ401において、サマリ音楽識別値ベースのコンテンツ生成システムが開始される。これは、ボイスコマンド、手動のコマンド、またはシステムを開始する他のあらゆる適切な手段を介し得る。これは、PCDを用いてリモート制御を介して、またはベースユニットを用いる手動の相互作用によってでも有り得る。別の実施形態において、これは、PCD、スマートフォン、外部マスストレージ、外部スマートマスストレージ、PDA,UMPC、または特定のユーザに対して符号化された車両のキーによって自動的に開始され得、その結果として、ユーザが車の中にいるときには、そのユーザに対するサマリ音楽識別値は、自動的に取出しおよび使用される。ステップ402において、サマリ音楽識別値が、取り出される。これは、ユーザが生成または取得したサマリ音楽識別値であり得る。これはまた、ユーザが利用可能な1つ以上のサマリ音楽識別値のリストから、ユーザによって選択され得る。これらの一部または全部は、静的に格納され、メニューまたは他の選択プロセスを介して利用可能となる。他の場合において、選択は、静的に格納された、および/または第三者パーティまたは他のリソースからのものなどの動的に提示されたサマリ音楽識別値から成り得る。
【0109】
次のステップは、サマリ音楽識別値とともに用いられるコンテンツのソースを決定し、プレイリストを生成するために用いられる。ステップ403において、コンテンツのソースが、ローカルに格納されたコンテンツ、例えば、CDの回転式スライドトレーの中のデジタルファイル、ローカルなマスストレージデバイス上のデジタルファイル、mp3プレーヤなどであるか否かが決定される。そうである場合には、システムは、ステップ406に進む。
【0110】
ローカルコンテンツが用いられない場合には、システムは、ステップ404において、URLソースが選択されたか否かを確認する。選択されている場合には、システムは、ステップ406に進む。URLが定義されるときには、これは、ユーザがアクセス可能またはストリーム可能、あるいは転送可能なコンテンツを格納した、ユーザのホームコンピュータであり得る。選択されたサマリ音楽識別値は、フィルタまたは「シード」として用いられることによって、音楽識別値の特性に基づいたステアリングアルゴリズムによって定義された境界の内部または外部に分類されるコンテンツから成るプレイリストを選択または作成する。プレイリストは、次いでユーザからブロードバンドワイヤレスアクセスを介して、データの中でストリームまたは転送される。
【0111】
このワイヤレス送信は、任意の特定のプロトコルに制限されない。システムは、データ配信のために、HTTP、Bit Torrent、または任意の現在または将来の転送方法を用い得る。
【0112】
ステップ405において、ブロードバンドソースが選択されるか否かが決定される。選択される場合には、システムは、ステップ406に進む。これは、サマリ音楽識別値を介してなどの、選択基準に基づいてコンテンツを提供する能力を有するインターネットラジオステーションまたは他のネットワークリソースであり得る。コンテンツは、ストリーミングまたは他のあらゆる適切な手段を介して、ワイヤレスで車両に送信される。検出可能なソースが選択されない場合には、システムは、ステップ407に進み、ユーザからのソースの位置を要求するか、デフォルトの再生モードに行く。
【0113】
システムは、インターネットなどのネットワークベースのソースからコンテンツをアセンブルするように記述されたが、ローカルに格納されたコンテンツ、例えば車両のユーザによってアセンブルされ、車両のマスストレージに格納された歌のデジタルライブラリをアセンブルするシステムにおいても実装され得る。他の実施形態において、コンテンツは、格納されたコンテンツおよびネットワークコンテンツの組み合わせであり得る。
【0114】
一実施形態において、ユーザは、PCDをプログラムし得、その結果として、PCDは、日時が分り、また、ユーザによって望まれるような、格納されたサマリ音楽識別値(例えば、朝の運転時)を自動的に選択し得る。ユーザは、望むままに、別のサマリ音楽識別値を単に選択することによって、容易にコンテンツを変更し得る。これは、ユーザを、インフォテインメントシステムの動作ではなく、自由に車両の動作をするために集中させることができる。
【0115】
図5は、サマリ音楽識別値を用いて自動的にコンテンツを提示する技術を例証する、流れ図である。ステップ501において、ユーザは、車両に乗り込み、走らせる。ステップ502において、システムが、ユーザを識別する。これは、車両における設定を車両のキーと照合する公知のシステムによって達成され得るか、またはシステムのベースユニットに識別コードをブロードキャストするユーザのPCDなどの、他の一部の手段によってであり得る。ステップ503において、システムは、日付および時刻を決定する。
【0116】
決定ブロック504において、システムは、そのメモリを検索することによって、現在の曜日および/または時刻と関連付けられた、このユーザに対するサマリ音楽識別値が存在するか否かを確認する。存在する場合には、システムは、ステップ505においてサマリ音楽識別値を取り出し、それを用いてプレイリストを生成し、フィードバックを始める。関連付けられたサマリ音楽識別値がない場合には、システムは、ステップ505においてアイドリングする。この時点において、システムは、図4において記述された動作と関連して記述されたものなどの一部の他の方法において呼び出され得る。
【0117】
(ボイス制御環境)
車両環境において、安全運転のために、可能な限りボイスコマンドを利用して必要なもの以外の機器の操作を減らすことが有用であり得る。従って、システムは、ボイスコマンドによって制御されることを意図する。上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、全ての活動および選択は、ボイスコマンドまたはオーディオ再生を介して開始または提供され得る。これは、手動でシステムにアクセスすることからドライバーを解放する。
【0118】
上述のシステムに加えて、サマリ音楽識別値システムが、オンザフライ、またはコンテンツの従来の再生の間に呼び出され得る実施形態がある。この実施形態は、図6の流れ図において記述される。ステップ601において、ユーザは、車両インフォテインメントシステムを開始し、コンテンツの再生が始まる。これは、CD、ラジオ、mp3を介するコンテンツの従来の再生、または他のあらゆる種類のコンテンツ再生であり得る。これは、上の実施形態のいずれかで、記述されたようなシステムを呼び出す結果であり得る。
【0119】
ステップ602において、ユーザは、再生を聴いている。ユーザがコンテンツ(例えば、歌)を聴いて、再生されているようなコンテンツをさらに聴きたいと望む場合には、ユーザは、サマリ音楽識別値システムを呼び出す。これは、ボイスコマンドを介して、手動の選択によって、または他の一部の適切な手段によってなされ得る。
【0120】
決定ブロック603において、そのコンテンツに関連付けられたサマリ音楽識別値が存在するか否かが決定される。これは、コンテンツおよびユーザのサマリ音楽識別値または複数のサマリ音楽識別値の、ユーザ関連のデータベースを介してなされ得る。そのデータベースは、車両の中でローカルに格納され得るか、またはワイヤレスブロードバンドを介してアクセスされ得る。関連付けられたサマリ音楽識別値が存在する場合には、システムは、該値をステップ605において用いることによって、プレイリストをアセンブルし、該プレイリストは、ステップ607において再生される。
【0121】
決定ブロック603においてサマリ音楽識別値が存在しない場合には、システムは、ステップ604においてサマリ音楽識別値の生成を呼び出す。システムは、サマリ音楽識別値を生成する上述の任意の技術を用いて生成を行い、新たに生成されたサマリ音楽識別値をステップ606において用いて、プレイリストをアセンブルする。アセンブルされたプレイリストの再生が、ステップ607において開始される。
【0122】
図9は、多くのインタフェースを用いてシステムを制御する技術を例証する、流れ図である。ステップ901において、ユーザは、この実施形態の選択機能を呼び出す。選択機能901は、図10においてより詳細に記述される。ステップ902において、コンテンツは、再生され始める。これは、このモードの間にユーザによって選択されたコンテンツであり得、またはコンテンツは、ユーザがこのモードを呼び出すときには、既に再生されていることがあり得る。この時点において、システムが、選択された歌の再生の間、またはその直後のいずれかに取り得る、多くの枝路が存在する。続いて起こるパスは、該モードが呼び出されるときにユーザによって予め選択されたデフォルト設定の結果であり得るか、または該モードが選択されるときに呼び出され得る。このモードの呼出しは、アーティスト、タイトル、アルバム、ジャンルの選択またはそれらの組み合わせなどのボイスコマンド、スイッチまたはボタンの選択、またはモードを呼び出す他のあらゆる適切な方法または手段によるものであり得る。一実施形態において、一部のパスは、ユーザがどのように選択機能を呼び出すかに応じて、利用可能であり得るか、またはそうでないことがあり得る。手動モードが用いられる場合には、より多くのパスが利用可能であり得、これは、より多くの方向制御が、手動モードにおいて利用可能であり得るからである。ボイスコマンドモードにおいては、ボイスコマンドモードにおけるユーザにオプションを提示するには、制限があるために、より少ないパスが利用可能であり得る。
【0123】
最初の枝路は、ステップ903において、歌の部分的な再生(例えば、5秒の再生)から始まり、次いで、次の歌の部分的な再生に進む。これは、最終的にユーザが、ステップ904において歌を選択するまで、歌の部分的な再生が続く。加えて、これは、ボイスコマンドまたは手動の呼出しを介して達成され得る。システムは、次いで選択された歌全体を再生する。選択された歌の再生の後に、システムは、部分的な再生のモードに戻り得、ユーザが全部の再生のために別の歌を選択するまで、複数の歌の一部を再生し得る。一実施形態において、ステップ905において、プレイリストが、選択された歌に基づいて生成され、その結果として、選択された歌の完全な再生の後に、他の歌が、生成されたプレイリストに従って、全部がユーザに提示される。プレイリストは、図9の他の枝路のうちのいずれかによって、または本明細書において記述されたプレイリストを生成する方法のうちのいずれかによって生成され得る。
【0124】
ステップ906における第2の枝路は、ステップ902のコンテンツが全て再生され、次いでステップ906において次の歌をランダムに選択することを可能にする。この続いての歌のランダム選択のプロセスは、ユーザがこのモードを停止するまで、ステップ907において反復される。ユーザは、いつでも、再生を完全に停止するか、または枝路のうちのいずれかを呼び出すように選択し得る。
【0125】
第3の枝路は、ステップ908において現在再生中の歌のメタデータを取得することを含む。メタデータは、ステップ909における再生で次の歌を選択するために、用いられる。このプロセスは、ユーザによって停止または変更されるまで反復する。
【0126】
第4の枝路のステップ910において、サマリ音楽識別値が生成される。この値は、上述のように、プレイリストを生成するために用いられる。一実施形態において、ユーザにはオプションが提示され、該オプションは、ステップ911において、「よりこのように」、または「あまりこのようにではなく」などのように表示または発話され得る。これは、システムのプレイリスト生成を修正するステアリングアルゴリズムである。これはまた、ユーザによるボイスコマンドを介して呼び出され得る。ステップ911におけるユーザのステアリングに基づいて、次の歌が、ステップ912において選択され、システムは、ユーザによって停止されるまで、ステップ910〜ステップ912を反復する。
【0127】
第5の枝路は、ステップ913において、現在再生中の歌が既に予め存在するプレイリストに関連付けられているか否かを決定するために検索する。予め存在する場合には、システムは、ステップ914において、プレイリストの次の歌を提示する。
【0128】
(選択機能)
図10は、図9のステップ901の選択機能の実装の動作を例証する、流れ図である。ユーザは、例えばジャンル1001における開始によってなど、任意の時点において選択システムを開始し得る。ユーザは、次いでアーティスト1002に動き、アルバム/フィルタされたリスト1003に動き、次いで歌/タイトル1004に動き得る。選択の向きおよび選択を繋ぐ双方向の矢印によって理解され得るように、ユーザは、意思によって選択を自由に上下に動き得る。加えて、ユーザは、任意の時点において選択に入り、各位置から他の選択地点のうちのいずれにも動き得る。これは、システムを用いて利用可能なコンテンツの、大きな選択の横断を容易にする。
【0129】
ユーザがどこからシステムに入るか、またはユーザが現在どの位置にいるかに応じて、さまざまなオプションが提示され、他のオプションにおいて利用可能である。例えば、ジャンルのパスに続く場合には、ユーザは、歌/タイトルのパスを用いるよりも、より多くの利用可能なアーティストを有するであろう。パスを上または下に動くことは、それに従ってオプションを増やし得る。
【0130】
ユーザが歌/タイトルのレベルより上のレベルにおいて選択するときには、現在の選択が終了した後に、再生する他の歌およびコンテンツが自動的に存在する。いずれの時点においても、動的なプレイリストのオプションが、システムを用いて呼び出され得る。システムは、手動によって、または所望の選択位置の名前(例えば、「ジャンル」または「アーティスト」)を発話することによって、呼び出され得る。
【0131】
留意されるべきは、システムの起動および設定は、ボードから離れて(例えば、車とは別個に)、例えばユーザのPC,ポータル、またはインターネットサービスプロバイダなどにおいて達成され得ることである。開始および起動されたシステムは、次いでユーザの車両に転送され、従来の意味でのチャネルとして、ユーザに提示され得る。さらに留意されるべきは、システムは、1つ以上の車両に転送され得、または望まれる通りに車両から車両へと移動され得る。さらに、転送可能なシステムは、車両ベースのシステムに限定されることなく、あらゆる携帯用再生デバイスにおいてインプリメントされ得る。
【0132】
(フィルタされた動作)
一実施形態において、システムは、ユーザに提示される利用可能なライブラリコンテンツをフィルタまたは制限する方法を含む。例えば、ユーザは、利用可能なライブラリを、ユーザが既に聴いたか、または少なくとも特定の回数聴いたコンテンツに限定することを望み得る。一部の再生システムは、コンテンツが再生のために選択された回数に基づいて、コンテンツの「気に入り」の状態の度合いを自動的に割り当てる(例えば、1〜5つの星)。ユーザはまた、データベースの階層を有し得、システムは、一度に複数のデータベースまたは複数のライブラリのうちの1つだけからのコンテンツを提示するように設定され得る。ソースを区別する1つの方法は、ストリーミングまたはダウンローディングを必要とするコンテンツに対して、ローカルに格納されたコンテンツに優先権を与えることである。
【0133】
例えば、ユーザが「よりこのような/あまりこのようにではない」モードにある場合には、提供される選択は、特定のデータベースまたはコンテンツの特定のカテゴリの気に入りの状態によって制限され得る。他のコンテンツが含まれる場合には、提供される新たなコンテンツの量またはパーセンテージを限定することが所望され得る。例えば、新たなコンテンツを現在利用可能なコンテンツのうちの5%に限定することが、所望され得る。このパーセンテージは、望まれるように容易に修正され得る。
【0134】
(コマンドツリーおよび知的スキャニング)
図11〜図16は、システムを用いる多くのコマンドシナリオを例証する、流れ図である。これらのコマンドツリーは、例えばボイス制御されたシステムにおいて用いられ得る。図11は、アーティストを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。ステップ1101において、ユーザは、「アーティスト選択」のコマンドを発し、アーティストの名前を提供する。ステップ1102において、一致するアーティストが表示されるか、または別の方法でユーザに示される。この時点において、ユーザは、アーティストの全ての歌(ステップ1103)またはアーティストの全てのアルバム(ステップ1105)を命じ得る。アーティストによる全ての歌がステップ1103において選択された場合には、アーティストの選択された歌または全ての歌が、ステップ1104において再生のために提示される。アーティストによる全てのアルバムがステップ1105において選択された場合には、アーティストの選択されたアルバムまたは全てのアルバムが、ステップ1106において再生のために提示される。このコマンドツリーのシナリオにおいて、全てのアーティストの歌または全てのアーティストのアルバムを構成するプレイリストが、再生のために提供され、その結果として、ユーザは、追加のコンテンツ再生を受信するために、システムとさらに相互作用する必要がない。
【0135】
図12は、歌のタイトルを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。ステップ1201において、ユーザは、「歌のタイトル選択」のコマンドを発し、歌のタイトルを指定する。ステップ1202において、一致する歌のタイトルが表示されるか、または別の方法でユーザに示される。ステップ1203において、1人以上のアーティストが同一のタイトルの歌または同一の歌のバージョンを有する場合において、ユーザは、アーティストを選択する。このコマンドが用いられ、単一の歌のみが選択されるときには、選択された歌に関連付けられたプレイリストは、必ずしも存在しない。これらの場合には、ユーザは、それぞれの歌が再生された後に、単一の歌を継続して選択する必要があり得るか、または上述のプレイリスト生成技術のうちの1つを開始し得る。
【0136】
図13は、アルバムを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。ステップ1301において、ユーザは、「アルバム選択」のコマンドを発し、アルバムを指定する。ステップ1302において、一致するアルバムが表示されるか、または別の方法でユーザに示される。ステップ1303において、ユーザは、アルバムの再生を決めるか、またはステップ1304において、アルバムから歌を選択する。ステップ1303においてアルバムの再生が選択された場合には、システムは、該アルバムをプレイリストとして用い、その結果として、ユーザによる相互作用を伴うことなく、各歌の後でさらなるコンテンツが直ちに提供される。ユーザが、ステップ1304において単一のタイトルを選択した場合には、システムは、アルバムにある歌を再生し得るか、新たなコンテンツを選択するためにユーザからの追加の相互作用を要求し得るか、または上述のプレイリスト生成技術を用い得る。
【0137】
図14は、ジャンルを特定することによるコンテンツの選択を例証する、流れ図である。ステップ1401において、ユーザは、「ジャンルを選択」するコマンドを発し、ジャンルを識別する。ステップ1402において、一致するジャンルが表示されるか、または別の方法でユーザに示される。この時点において、ユーザは、図11〜図13に記述されたものと同様の、3つの枝路のうちの1つを選択し得る。ステップ1403において、ユーザは、ジャンルからアーティストを選択し得る。ユーザは、次いでステップ1404において歌のタイトルを選択し得るか、またはステップ1405においてアーティストのアルバムを選択し得る。アルバムが選択された場合には、ユーザは、アルバムから歌のタイトルを選択し得る。
【0138】
ステップ1407において、ユーザは、提示されたジャンルからアルバムを選択し得る。ユーザは、次いでステップ1408においてアルバムから歌のタイトルを選択するように決め得る。ステップ1409において、ユーザはジャンルから歌のタイトルを選択し得る。
【0139】
図15は、アーティストおよびアルバムを選択する複合コマンドを例証する、流れ図である。ステップ1501において、ユーザは、「アーティストおよびアルバムを選択」するコマンドを発し、アーティストおよびそのアーティストのアルバムを識別する。ステップ1502において、一致するアーティストおよびアルバムが表示されるか、または別の方法でユーザに示される。ステップ1503において、アルバムの歌がユーザに再生される。このコマンドは、ユーザへの提示のためのプレイリストとして、歌(アルバム)のサブセットを生む。その後、ユーザは、本明細書において記述されたコマンドおよび上述の技術によるプレイリストの生成を含む任意の利用可能なコマンドを用いて、コンテンツを開始し得る。
【0140】
図16は、アーティストおよび歌のタイトルを用いたコンテンツの選択に対する複合コマンドを例証する、流れ図である。ステップ1601において、ユーザは、「アーティストおよび歌のタイトルを選択」するコマンドを発し、アーティストおよびアーティストの歌を指定する。ステップ1602において、一致する歌が表示されるか、または別の方法でユーザに示され、かつ再生される。ユーザは、次いで任意のコマンドを用いて、または任意の上述の技術を用いてプレイリストを生成することによって、再生のための別の歌を選択し得る。
【0141】
ユーザがコマンドのうちの1つを用いてデータベースの中へと深く突き進んだとき(例えには、単一の歌が選択されたとき)には、システムは、ユーザによるシステムとの明らかな相互作用を要求することもなく、新たなコンテンツを提供する多くのオプションを予測する。例えば、ボイスコマンドによってであろうと、単純な手動のコマンドであろうとも、図11〜図16において記述された単一および複合のコマンドが、新たな歌を取得するために用いられ得る。
【0142】
別のアプローチにおいて、図9の枝路が、次の歌を生成するために用いられ得る。これらの枝路のうちのいずれもが、望まれる場合にはシステムに対するデフォルトのモードであり得る。あるいは、ユーザは、ボイスコマンドまたは手動のコマンドによって、枝路のうちの1つを選択し得る。
【0143】
システムは、オーディオ出力および歌に関連して記述されたが、留意されるべきは、該システムは、視覚的、テキスト方式、発話形式などを含む任意の定義可能なコンテンツに対して、等しく適用されるということである。加えて、ユーザは、アルバムカバーまたはアーティストの画像、または他のグラフィックの表示など、テキストではないコンテンツ選択の方法を用いて提示され得る。
【0144】
(個人化されたコンテンツシステムを用いた使用のためのインフォテインメントシステムの実施形態)
システムに従ったインフォテインメントシステムは、ストレージおよび/またはインターネットなどのネットワークへのアクセスに適合した、単一のユニットを含み得る。一実施形態において、システムは、第1の処理ユニットおよび第2の処理ユニットを含む。
【0145】
(第1の処理ユニット)
第1の処理ユニットが、図7において例証される。第1の処理ユニットは、通常は車両にしっかりと取り付けられ、かつ車両の寿命のほとんどの間に、車両内に留まるように意図される。
【0146】
図7を参照すると、第1の処理ユニットの外観は、ディスプレイならびに複数の入力および起動のボタンおよびスイッチを含む、ユニットを表すベースユニット701を含む。一実施形態において、ベースユニットは、追加の入力能力のため、および適当な表示能力を提供するために、タッチスクリーンを含む。
【0147】
ベースユニットは、車両バス709を介してなどして、車両のデータ出力ソースに接続され得る。車両のデータ出力は、車両のあらゆる状態、車両の周囲、または車両に接続された他の任意の情報ソースの出力に対応するバス709を介して、信号を提供し得る。車両のデータ出力は、限定的にではなく、アナログ信号(現行速度など)、個々の情報ソース(時計、温度計、全地球位置発見システムなどの位置センサ、など)によって提供されたデジタル信号、車両データネットワーク(エンジン関連の情報が通信されるエンジンCANバス、快適性に関連する情報が通信される快適性CANバス、車両のマルチメディア構成要素の間においてマルチメディアデータが通信される、MOSTバスのようなマルチメディアデータネットワーク)などのデジタル信号を含む。ベースユニット701は、ホイールセンサからの車両の現在の速度を、例えばエンジンCANバス709から取り出し得る。車両データネットワークに対する別の例は、快適性CANバスであり、該バスは、車両の快適性関連の構成要素の間でコマンドおよび特定の状態の情報を通信するために用いられる。加えて、イーサネット(登録商標)などの他のスキームも、本システムの精神および範囲から逸脱することなく用いられ得る。
【0148】
一実施形態におけるベースユニット701は、アンテナ705を含む。アンテナ705は、単一のアンテナとして示されるが、必要に応じて、または望まれるように、1つ以上のアンテナを含み得る。ベースユニット701は、アンテナ705を介してブロードバンドのワイヤレスインターネットアクセスを取得し得る。ベースユニット701は、ラジオ、テレビ、天気予報、交通情報などのブロードキャスト信号を受信し得る。ベースユニット701は、1つ以上のアンテナ705を介して、GPS信号などの位置決め信号をも受信し得る。ベースユニット701はまた、アンテナ705などでRFを介して、または赤外線または適当な受信デバイスを介する他の手段によって、ワイヤレスコマンドを受信し得る。
【0149】
(出力)
ベースユニット701ユニットは、ダッシュボードの中央に位置し、運転手および乗員に見える中央ディスプレイ、運転関連の情報を読み上げるために運転手にとって都合の良い位置にある運転手用ディスプレイ、フロントガラスに情報を表示するためのヘッドアップディスプレイ、後部座席に座る乗員に見える後部座席ディスプレイ、助手席の乗員に主に見える助手席ディスプレイなどの、1つ以上の表示ディスプレイに接続され得る。しかし、ベースユニット701は、表示ディスプレイデバイスに接続されなくてもよい。この場合においては、該ベースユニットは、第2の処理が取り付けられる場合には、第2の処理ユニットに接続された表示ディスプレイ上に表示情報を表示するように適合され得る。表示ディスプレイデバイスへの第2の処理デバイスの接続は、アナログ、デジタルまたはそれらの組み合わせであり得る。
【0150】
ベースユニット701は、1つ以上の音響再現デバイス、例えばスピーカ706Aおよび706Bなどの電磁気トランスデューサを含む、通常の車両オーディオシステムなどに接続され得る。車両のオーディオシステムは、受動的であり得、またはより好適には、例えばパワー増幅器を含むことによって能動的であり得る。ベースユニット701は、音響再現デバイスに対する唯一のオーディオソースであり得、またはオーディオ再現システムに接続された他のオーディオソースが存在し得る。オーディオ再現デバイスへの第2の処理デバイスの接続は、アナログ、デジタルまたはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0151】
ベースユニット701は、プロセッサ702を含み、該プロセッサは、プログラムの実行、入力/出力、表示、再生、およびベースユニット701の他の動作の制御を行う。一実施形態において、マスストレージ703が含まれることによって、非揮発性の形態においてデータを格納する。プロセッサ702は、関連付けられたRAM707およびスピーチ処理ユニット708を含む。マイクロフォン704が、ベースユニット701に結合されることによって、ユーザからのボイスコマンドを受信する。
【0152】
述べられたように、一実施形態において、システムは、ベースユニットのみを用いて動作する。
【0153】
(第2の処理ユニット)
第2の処理ユニットは、ベースユニット701よりもより頻繁な置換(例えば、より強力な技術が利用可能か否か)に対して意図され、故に、ベースユニット701に取外し可能なように接続される。
【0154】
(取外し可能な接続)
システムは、図8において例証される第2の処理ユニットを含み、該第2の処理ユニットは、ハードワイヤ接続806またはワイヤレス接続805などを介してベースユニット701に取外し可能なように接続される、携帯用ユニット801を含む。取外し可能な接続は、アナログ電気接続、シリアルデジタル接続(単一方向性または双方向性)、ハードワイヤ接続806によって象徴的に表されるパラレルデジタル接続(単一方向性または双方向性)、および、赤外線、無線周波数、ブルートゥース、超音波などを含み前述の単一方向性または双方向性のいずれかである、ワイヤレス接続805によって象徴的に表されるワイヤレスデジタル接続のうちの1つ以上の接続を含む。携帯用ユニット801はまた、電源(不図示)、ディスプレイ(タッチスクリーンであり得る)、入力のボタンおよびスイッチ、非揮発性ストレージ803、RAM804、およびプロセッサ802を含む。
【0155】
(入力)
携帯用ユニット801は、車両のあらゆる状態、車両の周囲、または情報を受信および送信するベースユニット701への接続を介して車両に接続される他のあらゆる情報ソースの出力に関連する入力信号を受信し得る。
【0156】
あるいは、携帯用ユニット801は、上述のベースユニット701に類似して、車両データ出力または車両データネットワークに直接的に接続され得る。
【0157】
(出力)
携帯用ユニット801は、1つ以上の表示出力デバイスに接続され得る。多くの場合において、携帯用ユニット801が接続される表示出力デバイスは、同一筐体内に携帯用ユニット801とともに取り付けられる。これらの場合において、表示出力デバイスは、携帯用ユニット801が車両およびベースユニット701から独立して動作されるときに用いられるとともに、携帯用ユニット801が車両において用いられるときに、その場合において、携帯用ユニット801に接続された表示出力デバイスは、ベースユニット701に接続された表示出力デバイスに加えて、または置き換えられて用いられ得、あるいはオフに切り替えられ得るように用いられることが意図されている。システムに関連して有用な表示出力デバイスは、液晶ディスプレイ、TFTディスプレイ、LED(発光ダイオード)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プロジェクター、ヘッドアップディスプレイなどを含む。
【0158】
携帯用ユニット801は、スピーカ807などの、少なくとも1つの音響出力デバイスに接続され得る。多くの場合において、携帯用ユニット801が接続される音響出力デバイスは、同一筐体内に第2の処理デバイスとともに取り付けられる。これらの場合において、音響出力デバイスは、ベースユニット701から独立して用いられるときには、携帯用ユニット801によって生成された音響出力ストリームを再現するように意図される。システムに関連して有用な音響出力デバイスは、限定することなく、携帯用ユニット801にワイヤまたはワイヤレスによって接続されていようともいなくても、ラウドスピーカ、ヘッドフォンを含む。
【0159】
(マスデータストレージ)
光学メディアドライブ(CD、DVD、ブルーレイDVDなどを含む)、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリスティックなどのマスデータストレージデバイスは、第1の処理デバイス、第2の処理デバイス、またはその両方(実施例は、携帯用ユニット801のマスストレージ803およびベースユニット701のマスストレージ703)に接続され得る。マスデータストレージデバイスは、第1または第2の処理デバイスによって容易に取り出され得る、ビデオおよびオーディオデータ、デジタルマップデータ、オペレーティングソフトウェアなどの、大量のデータの非揮発性ストレージを可能にする。第2の処理デバイスが第1の処理デバイスに接続されると、いずれの処理ユニットも、それぞれのマスデータストレージに格納されたデータを他方の処理ユニットにアクセス可能にし得る。マスデータストレージデバイス(一体型ハードディスクまたは一体型光学メディアドライブなど)は、処理ユニットへとしっかりと一体化され得、またはマスデータストレージデバイスのホットスワッピングまたはコールドスワッピングに適合した処理ユニットに取外し可能なように接続され得る(USB接続を介して接続されるメモリスティックなど)。
【0160】
(動作のモード)
システムのインフォテインメントシステムの携帯用ユニット801がベースユニット701から取り外されている限り、インフォテインメントシステムの本質的な機能の多くを制御するシステムソフトウェアは、ベースユニット701上で全体が実行する。
【0161】
システムのベースユニット701から取り外されたときには、携帯用ユニット801は、それ自体のシステムソフトウェアを実行し、携帯用ユニット801をスタンドアローンユニットとして有用なものに変え得る。この場合において、データエントリデバイスなどの必要な入力および出力のデバイス、車両データ出力、またはネットワークされた車両データは、携帯用ユニット801に直接的に接続されなくてはならない。
【0162】
携帯用ユニット801が接続されると直ぐに、両方の処理ユニットは、接続が確立されたことを検出し、該処理ユニットの挙動をそれに応じて適合させる。
【0163】
動作の最初のモードにおいて、インフォテインメントシステムのメインシステムソフトウェアは、ここで、携帯用ユニット801上で実行される。ベースユニット701は、ここで携帯用ユニット801に、さらなる処理のために受信する入力の全てまたは一部を再び向かわせる。入力が携帯用ユニット801に送信される前に、ベースユニット701は、入力の全てまたは一部を予め処理する。携帯用ユニット801上で実行しているシステムソフトウェアは、出力信号を生成し、該出力信号は、携帯用ユニット801に直接接続されている出力デバイスに直接的に送信されるか、または接続されている出力デバイスに出力信号を送信するベースユニット701に送信する。ベースユニット701は、接続された出力デバイスに送信する前に、出力信号を処理するか、またはしないことがあり得る。
【0164】
(実施例)
実施形態1:車両は、ベースユニット701、表示ディスプレイおよび音響再現システムが備えられ、それら全ては車両にしっかりと取り付けられている。ユーザは、後に携帯用ユニット801を購入し得、該携帯用ユニットは、第1の処理ユニットに対する電気的な接続を含む、機械的な保持デバイスに装着される。保持デバイスは、例えば車のトランクに位置する。携帯用ユニット801が据え付けられると、ベースユニット701は、その動作のモードを、(i)携帯用ユニット801から表示出力ストリームを受信すること、および車両にしっかりと取り付けられた表示ディスプレイに該表示出力ストリームを表示すること、(ii)携帯用ユニット801からオーディオ制御信号を受信すること、(iii)携帯用ユニット801からオーディオ出力ストリームを受信し、ベースユニット701から受信したオーディオ制御信号に従って、該オーディオ出力ストリームとベースユニット701に接続されたオーディオソースとを混合すること、に切り替える。
【0165】
実施形態2:実施形態1のようであるが、携帯用ユニット801は、表示出力ストリームおよびビデオ制御信号を生成する。ベースユニット701は、携帯用ユニット801から受信したビデオ出力ストリームを、第1の処理デバイスに接続されたビデオソースから受信したビデオ信号と混合する。
【0166】
実施形態3:実施形態1および2のようであるが、第2の処理デバイスは、第1の処理デバイスに、(ビデオ出力ストリームの代わりに)デジタル方式に符号化されたディスプレイ命令を送信する。
【0167】
実施形態4:表示出力デバイスは、第2の処理デバイスに接続され、ユーザによって第2の処理デバイスと一緒に容易に置換され得る。
【0168】
実施形態5:2つの第2の処理デバイスがあり、1つ目は、(後の更新のために)置換可能なディスプレイを提供することを対象とし、2つ目は、容易にアップグレード可能なコンピューティングパワーを提供することを対象とする。第1の「携帯用ユニット801」は、ダッシュボードに配置されることによって、ディスプレイが運転手に視認可能である。第2の携帯用ユニットは、トランクまたは他の隠れた位置などの、あまり目立たない位置に配置される。
【0169】
実施形態6:携帯用ユニット801のための少なくとも2つの取付けデバイスを有する車両。
【0170】
例証は、モジュールおよび構成要素として識別される機能ブロックと関連して論じられたが、該モジュールおよび構成要素は、別個の構造を表すことを意図せず、結合またはさらに細別され得る。加えて、本発明のさまざまな実施形態が記述されたが、他の実施形態および実装が、本発明の範囲内に可能であることが、当業者に明らかである。従って、本発明は、添付された特許請求の範囲およびそれらの均等物を考慮することを除いては、制限されない。
【符号の説明】
【0171】
701 ベースユニット
702 プロセッサ
703 マスストレージ
704 マイクロフォン
705 アンテナ
706A、706B スピーカ
707 RAM
708 スピーチ処理ユニット
801 携帯用ユニット
802 プロセッサ
803 非揮発性ストレージ
804 RAM
805 ワイヤレス接続
806 ハードワイヤ接続
807 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サマリ音楽識別値を格納するストレージデバイスであって、該サマリ音楽識別値は、ユーザが決定した基準、音響特性とメタデータなどの既存の基準とのうちの少なくとも1つ、および/または、その他の複数のサマリ音楽識別値に基づいており、該サマリ音楽識別値は、歌、オーディオファイル、データベースのコンテンツ、または、その他の関連する音楽基準およびデータに対応する、ストレージデバイスと、
該ストレージデバイスと通信するプロセッサであって、該サマリ音楽識別値を受信し、該サマリ音楽識別値に基づいて、かつ、新しいプレイリスト上のコンテンツの複数のサマリ音楽識別値からの該サマリ音楽識別値の相対的な距離のユーザが制御した範囲に基づいて、コンテンツの新しいプレイリストを動的に作成するプロセッサと、
該プロセッサと通信する再生デバイスであって、該作成されたコンテンツをユーザに提示する再生デバイスと
を備えている、システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、インターネットサーバである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記再生デバイスは、前記インターネットサーバにワイヤレスで結合される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記再生デバイスは、車両の中に位置付けられている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記再生デバイスは、ボイス制御される、請求項4に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−76709(P2011−76709A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250338(P2010−250338)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【分割の表示】特願2007−341366(P2007−341366)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(592051453)ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド (91)
【Fターム(参考)】