説明

個人情報交換方法および装置

【課題】多数の出席者がいる会合等で、相互に個人情報の交換を希望する出席者を決定して、相互に個人情報を交換する個人情報交換方法および装置を提供する。
【解決手段】会合等の出席者は、各自が所持する携帯電話10A〜10Nにより、会合開始に際して自己の出席番号を含む個人情報を個人情報交換支援端末20へ通信ネットワーク100を介して送信して登録する。そして、会合終了時までに、個人情報交換を希望する相手の出席者番号を個人情報交換支援端末20へ送信する。個人情報交換支援端末20は、この情報に基づき照合して、相互に個人情報交換を希望する出席者を決定して、会合終了後に、相手の個人情報を電子メールで送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は個人情報交換方法および装置に関し、特に各種パーティー、会合等多くの人が集まる場所において携帯電話番号、メールアドレス等の個人情報を効率的に交換可能にする個人情報交換方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報、特に携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯通信端末およびパーソナルコンピュータ(PC)が普及した現在では、携帯電話番号や電子メールアドレスは、重要な情報源である。一方、斯かる個人情報は、悪用又は誤用される恐れがあるので、相手を慎重に選択して、真に必要とする相手とのみ個人情報を交換するのが好ましい。
【0003】
個人情報は、ビジネスの場面では一般に名刺に記載され、初対面の際に斯かる名刺を交換することにより得られる。しかし、携帯電話端末やPDA等のデジタル技術が発達した現在では、個人情報もデジタル化され、電子的に管理するのが便利であり且つ一般的になっている。
【0004】
1対1で対面した場合の個人情報交換は、名刺交換でもよいが、パーティーその他の会合等で、多数の出席者のうち希望する相手と個人情報交換を行う場合には、効率的に行うのが好ましい。斯かるパーティー等で多数の相手と個人情報交換を行う一般的な方法を以下に説明する。
【0005】
出席者と会話し、個人情報を交換したい相手がいれば、その意思を相手に伝える。そして、相手の同意が得られれば、相互に個人情報を交換する。この個人情報の交換の一般的な手順は、次のとおりである。先ず、その場で相手の電話番号やメールアドレスを口頭で聞き、自分の携帯電話端末等のメモリ入力画面から、相手の個人情報を入力して携帯電話端末に登録する。或いは、その場で携帯電話端末に登録しない場合には、お互いに相手の携帯電話に電話をかけることにより、相手の携帯電話番号を携帯電話端末の着信履歴を残す。その後、適当な時点で、相手の情報と共に携帯電話端末に登録する。更に他の方法として、メモ用紙等に相手の個人情報を書き込み、その後の適当な時点で、携帯電話端末に登録する。
【0006】
このように、個人情報の交換又は管理に関連する従来技術は、幾つかの技術文献に開示されている。交換した多数の名刺を容易に管理すると共にその後に状況の変化にも追従可能にするために、名刺交換IDを相互に交換し、携帯電話を介してインターネットに接続された名刺管理サーバに送信し、必要な情報を抽出して名刺情報として名刺管理クライアントに返送する名刺管理システム等が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、会合において携帯端末の冠で名刺データを交換し、会合に関するデータに関連付けて名刺データを記録する携帯端末および電子名刺交換方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、電子メール機能付き携帯電話端末を用い、会合において補助入力器具を使用し、携帯電話端末間で電子メールとデータベースサーバを利用して、名刺データ等の個人データを交換する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−243413号公報(第9頁、第1図)
【特許文献2】特開2002−99675号公報(第5頁、第3図)
【特許文献3】特開2003−338883号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述の如き従来技術では、次の如き幾つかの課題を有する。口頭やメモによる個人情報の入手の場合には、聞き間違い又は入力間違いにより個人情報の正確な登録ができない場合がある。また、会合等で出会った多数の相手の個人情報を着信履歴等に基づき後で登録すると、誰の個人情報であるのか混乱又は不明になる場合がある。更に、個人情報の交換を求められた場合に、それが交換したくない相手であっても、顔をあわせて話している相手であるので、断りにくい。更にまた、個人情報の取得や管理に、比較的大きな設備および経費を必要とする等の課題を有する。
【0009】
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、従来技術の上述した課題を解消又は軽減する個人情報交換方法および装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため本発明の個人情報交換方法および装置は次のような特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)会合等の多数の出席者のうち合意した出席者間で個人情報を相互に交換する個人情報交換方法において、
前記全ての出席者の出席番号を含む個人情報を予め登録することと、前記各出席者が個人情報を交換したい相手を指名することと、前記全ての出席者の入力情報を照合して相互に個人情報の交換を希望する出席者を決定することと、該決定に基づき前記相互に個人情報の交換を希望する個人情報を相手側へ送信することとなる個人情報交換方法。
【0012】
(2)前記個人情報は、前記会合等の開始の際に、該会合等の出席者が自分で入力する上記(1)に記載の個人情報交換方法。
【0013】
(3)前記個人情報の入力は、前記会合等の出席者が保持する携帯電話等の携帯通信端末装置により行う上記(1)又は(2)に記載の個人情報交換方法。
【0014】
(4)各出席者は、個人情報の交換を希望する相手の指名は、出席者番号により行う上記(1)、(2)又は(3)に記載の個人情報交換方法。
【0015】
(5)前記各出席者への相手の個人情報は、前記会合等の終了後に電子メールにより個別に送信される上記(1)、(2)、(3)又は(4)に記載の個人情報交換方法。
【0016】
(6)会合等に出席した多数の出席者間で合意した相手の個人情報を交換する個人情報交換装置において、
前記各出席者が保持する携帯通信端末が通信ネットワークを介してアクセス可能な個人情報交換支援端末を備え、該個人情報交換支援端末は、前記会合等の出席者の出席番号を含む個人情報が登録される個人情報記憶部、前記出席者が個人情報交換を希望した他の出席者の出席番号のうち相互に一致する出席者を特定する照合部および該照合部の照合結果に基づき相互に個人情報の交換を希望した他の出席者の個人情報を送信する個人情報送信部を備える個人情報交換装置。
【0017】
(7)前記個人情報交換支援端末への前記各出席者の個人情報は、前記会合等の開始時に前記各出席者が自己の携帯通信端末装置にて入力する上記(5)に記載の個人情報交換装置。
【0018】
(8)前記他の出席者の個人情報は、前記会合等の終了後に前記個人情報交換支援端末から電子メールにて該当する出席者へ個別に送信される上記(5)又は(6)に記載の個人情報交換装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明による個人情報交換方法および装置によると、次の如き、実用上の顕著な効果が得られる。第1に、相手と個人情報を交換する際に、正確な情報交換が可能である。その理由は、本発明によると、個人情報を交換したい場合に、相手が入力した個人情報が自分の携帯電話端末に電子メールで送られてくるので、聞き間違いや、入力エラーの発生がない(本人が自分の情報を入力するので、他人が入力する場合に比較して信頼性が高い)ためである。また、複数の人と個人情報を交換した場合であっても、相手の個人情報は、名前と共に電子メールで送信されてくるので、誰の個人情報か分からなくなる虞はないからである。
【0020】
第2に、個人情報の交換に要する時間を短縮することが可能である。その理由は、個人情報を交換する際に、自分の個人情報と、情報交換したい相手の出席者番号を入力すれば、相手の個人情報が電子メールで送信されてくるので、その電子メールから相手の個人情報を登録すればよいからである。また、電子メールさえ保存できていれば、後から登録を行うことが可能であり、その場で会話や商談等を中断させて登録行為を行う必要がないからである。
【0021】
第3に、情報交換したい相手のみと個人情報の交換が可能である。その理由は、個人情報の交換は、会合の終了後に、個人情報支援サイトを利用して行われ、情報交換をしたい意思がある場合にのみ相手の情報が送られてくるからである。また、個人情報交換を希望する相手の指名は、相手と顔を合わせて行うことがないので、気まずい思いをすることなく個人情報交換の拒絶が可能であるからである。
【実施例】
【0022】
以下、本発明による個人情報交換方法および装置の好適実施例の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明による個人情報交換装置の好適実施例の基本原理を示す説明図である。この個人情報交換装置は、会合の出席者間での個人情報交換の例を示し、各出席者が所持する携帯通信端末装置(以下、携帯電話という)10A〜10Nおよびこれら出席者が通信ネットワーク100を介してアクセス(又は相互通信)可能な事業者の個人情報交換支援端末20により構成される。尚、主催者も同様に携帯電話10を所持しており、後述の如く会のグループ番号取得、出席者の人数登録等に使用される。
【0024】
先ず、図1に示す個人情報交換装置において、通信ネットワーク100は、インターネットであるとして説明する。そこで、以下の説明においてインターネットとは、通信ネットワーク100を意味するものとする。各携帯電話10は、インターネットに接続可能であり、表示画面および内蔵メモリ(何れも図1中には図示せず)を有する出席者の所持する移動通信端末である。これは、モバイル端末およびノートパソコン等でも代用可能である。
【0025】
図2は、図1中の個人情報交換支援端末20の概略構成を示す機能ブロック図である。この個人情報交換支援端末20は、通信インタフェース21、出席者情報検出部22、個人情報記憶部23、照合部24および個人情報送信手段である電子メール作成部25を含んでいる。
【0026】
ここで、通信インタフェース21は、通信ネットワーク(インターネット)を介して出席者の携帯電話10等と双方向通信する。出席者情報検出部22は、出席者の携帯電話10から所定のフォーマットで送られてくる全ての出席者の出席番号や携帯電話番号等の個人情報を検出する。個人情報記憶部23は、出席者情報検出部22で検出された全ての出席者の個人情報を記憶する。なお、同時に会合する複数のグループが存在する場合には、個人情報として、グループ名も含むものとする。照合部24は、多数の出席者のうち、相互に個人情報交換の希望が一致する出席者を決定する。電子メール作成部25は、この照合部24からの照合結果に基づき、各出席者へ送信する相手の個人情報を含む電子メールを作成する。
【0027】
各携帯電話10は、インターネットを介して個人情報交換支援サイトにアクセスしてデータをダウンロードし、そのデータを、例えば図4に示す如き入力画面として画像により携帯電話10の表示画面に表示する機能を備えている。また、各携帯電話10は、上述した個人情報支援サイトを介して個人情報交換支援端末20にデータを送信する機能も備えている。更に、図4に示す画像の入力項目に対して文字を入力できる機能および電子メールの送受信機能も備えているものとする。
【0028】
個人情報交換支援端末20は、事業者側が所有しているパーソナルコンピュータ(PC)、サーバ等に代表される情報処理端末である。図2を参照して説明した如く、この個人情報交換支援端末20は、インターネット上に、個人情報交換支援端末サイトを公開できる機能を備えている。また、インターネットを介して各出席者の携帯電話10から送られてきたデータを受信し、そのデータを比較分析する機能も備えている。この個人情報交換支援端末20は、更にデータを解析した結果を各出席者の携帯電話10に電子メールで送信する機能も備えている。
【0029】
次に、図1乃至図4を参照して、本発明による個人情報交換方法および装置の好適実施例の動作を詳細に説明する。図3は、本発明による個人情報交換装置の動作を説明するフローチャートである。
【0030】
先ず、事前準備として、パーティーや会合の主催者は、携帯電話10等から個人情報交換支援サイトにアクセスし、その会合の「グループ番号」(例えば、001)を取得し、その会合の名称および出席者の合計人数(例えば、20人)の登録を図1の個人情報交換支援端末20に対して行う。
【0031】
上述した事前準備が完了すると、主催者は、会合の出席者に、その会合のグループ番号および各出席者の出席者番号を教える。更に、他人が見てもその人の出席者番号が判るように名札に出席者番号を付ける又は座席表を作りそこに出席者番号を記載する等の準備がされている必要もある。
【0032】
図3において、会合の各出席者(INPUT)は、先ず他の出席者と会話等をして会合を楽しむ(ステップA1)。その際に、自分が個人情報を交換したいと思う相手の出席者番号を記憶するか又はメモする(ステップA2)。各出席者は、その会合の終了後に、自分の携帯電話のインターネット接続機能を利用して、個人情報交換支援サイトにアクセスする(ステップA3)。
【0033】
携帯電話10A〜10Nが個人情報交換支援サイトに接続されると、図4に例示する如く、氏名、携帯電話番号、メールアドレス、グループ番号、出席者番号および個人情報を交換したい相手の出席者番号を含む入力画面が表示される。そこで、各出席者は、図4の氏名、携帯電話番号およびメールアドレスの個人情報を予め入力する。次に、その会合のグループ番号および自分の出席者番号を入力する。最後に、自分が個人情報を交換したい相手の出席者番号を入力する。この番号は、複数の番号が入力可能であるが、必要に応じて入力番号数に上限を設けてもよい。
【0034】
図4に示す全ての項目の入力が完了すると、表示画面に表示されている「送信」ボタンを選択(又は押下)する(ステップA4)。各出席者が「送信」ボタンを押下すると、そのデータは、図1の個人情報交換支援端末20へ送られる。各出席者からの入力情報を受け取った個人情報交換支援端末20は、同一グループ内で、それぞれのデータを比較することにより、互いに個人情報を交換したいと考える出席者を抽出する。そして抽出した出席者のメールアドレスに対して、交換したい相手の個人情報を電子メールにして送信する。
【0035】
次に、個人情報交換支援端末20からの電子メールを受信した出席者は、各自が所持する携帯電話10により受信した電子メールの内容を確認する(ステップA5)。また、その電子メールから相手の氏名、携帯電話番号およびメールアドレスを自分の携帯電話に登録する(ステップA6)。以上の過程で、情報交換したい出席者は、交換したい相手の個人情報の交換(OUTPUT)が可能である。
【0036】
以上、本発明による個人情報交換方法および装置の好適実施例の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。本発明は、例えば集団お見合いパーティー等の応用に好適であるが、その他の多くの用途が可能であること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による個人情報交換装置の原理説明図である。
【図2】図1中の個人情報交換支援端末の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図1に示す個人情報交換装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】会合の出席者の所持する携帯電話の表示画面の具体例である。
【符号の説明】
【0038】
10 携帯通信端末(携帯電話)
20 個人情報交換支援端末
21 通信インタフェース
22 出席者情報検出部
23 個人情報記憶部
24 照合部
25 個人情報送信部(電子メール作成部)
100 通信ネットワーク(インターネット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会合等の多数の出席者のうち合意した出席者間で個人情報を相互に交換する個人情報交換方法において、
前記全ての出席者の出席番号を含む個人情報を予め登録することと、前記各出席者が個人情報を交換したい相手を指名することと、前記全ての出席者の入力情報を照合して相互に個人情報の交換を希望する出席者を決定することと、該決定に基づき前記相互に個人情報の交換を希望する個人情報を相手側へ送信することを特徴とする個人情報交換方法。
【請求項2】
前記個人情報は、前記会合等の開始の際に、該会合等の出席者が自分で入力することを特徴とする請求項1に記載の個人情報交換方法。
【請求項3】
前記個人情報の入力は、前記会合等の出席者が保持する携帯電話等の携帯通信端末装置により行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の個人情報交換方法。
【請求項4】
各出席者は、個人情報の交換を希望する相手の指名は、出席者番号により行うことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の個人情報交換方法。
【請求項5】
前記各出席者への相手の個人情報は、前記会合等の終了後に電子メールにより個別に送信されることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の個人情報交換方法。
【請求項6】
会合等に出席した多数の出席者間で合意した相手の個人情報を交換する個人情報交換装置において、
前記各出席者が保持する携帯通信端末が通信ネットワークを介してアクセス可能な個人情報交換支援端末を備え、該個人情報交換支援端末は、前記会合等の出席者の出席番号を含む個人情報が登録される個人情報記憶部、前記出席者が個人情報交換を希望した他の出席者の出席番号のうち相互に一致する出席者を特定する照合部および該照合部の照合結果に基づき相互に個人情報の交換を希望した他の出席者の個人情報を送信する個人情報送信部を備えることを特徴とする個人情報交換装置。
【請求項7】
前記個人情報交換支援端末への前記各出席者の個人情報は、前記会合等の開始時に前記各出席者が自己の携帯通信端末装置にて入力することを特徴とする請求項5に記載の個人情報交換装置。
【請求項8】
前記他の出席者の個人情報は、前記会合等の終了後に前記個人情報交換支援端末から電子メールにて該当する出席者へ個別に送信されることを特徴とする請求項5又は6に記載の個人情報交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−59239(P2006−59239A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242249(P2004−242249)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】