説明

個人用空気濾過装置

ユーザーの呼吸する領域のすぐ近くの濾過された空気の領域を提供するために使う個人用空気濾過装置及び方法が、開示される。ブロワーは、ユーザーの頭のすぐ近くの領域へ空気流れを提供する頭サポートへの空気流れを提供する。空気流れは、フィルタを通過する。フィルタは、頭サポートの通気性表面の近くに配置される送給位置フィルタにすることができる。送給された空気流れは、ユーザーの呼吸する領域の周囲に濾過された空気の領域を画定する層流を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気濾過装置に関する。特に、本発明は、眠っているか休息している人へ濾過された空気を向ける空気濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
5人のアメリカ人の1人がアレルギー性鼻炎/結膜炎(AR)を患っていると見積もられている。ARは、吸入された空気アレルゲンへのIgE(免疫グロブリンE)により媒介される免疫系反応の結果である。そして空気アレルゲンは、一般的に、ダニ、菌類、動物のふけ、汚染物質、かび、花粉を含む。ARに悩むそれらの個人に関して、短期的影響は目と鼻で見つかる症状を越えて広がる。そして、しばしば認識障害、睡眠障害、仕事又は学業の生産性の低下、生活の質の低下が引き起こされる。驚いたことに、AR徴候が長期に持続するならば、病気は喘息、副鼻腔炎、中耳炎、鼻ポリープ症、下気道感染症と歯の不正咬合を含む同時罹患率の進展につながる。
【0003】
ARのための典型的治療は、3ステップから成る。第1に、起因性アレルゲンが特定され、環境制御方法が使用されて、アレルゲンにさらされることを最小にする。第2に、除去ステップが不成功であるならば、薬物が使用され、徴候を管理し制御する。第3に、永続的にアレルゲンにさらされることに対して、免疫治療が実行され、長期的徴候を制御する。アレルゲン回避は好ましい治療であり、薬物不在の徴候解決を提供する。しかし、現在まで、空中アレルゲン濃度を臨床的に適切なレベルに引き下げるアレルゲン回避治療が、ほとんど存在しない。
【0004】
効果的アレルゲン回避は、2つの基本的な原則に絞られる。すなわち、問題のあるアレルゲン源の識別と、問題のある源の除去又は吸入された空気アレルゲンの濃度の低減である。臨床上効果的な一般に実行されているアレルゲン回避治療は、ペットを家から除去すること及び転地を含む。臨床効果は疑わしいが、一般に実行されているアレルゲン回避の他の形は、室内空気全部の濾過、ダニケース、空気調節の使用、カーペット除去を含む。
【0005】
リストされたアレルゲン回避治療のうち、空気濾過システム(その幾つかは99.97%の効率で微粒子を除去する)は、吸入された空気アレルゲン濃度を臨床的に適切なレベルに引き下げる。しかし、そのようなテクノロジーの実行は、現状においてはそれらの効果が制限される。例えば、あるエリヤ内で粒子濃度を低減しようとして、人々はしばしば室内空気清浄機ユニットを利用する。この種のユニットは、効果的に、ユニットの中を流れる空気から、高いパーセンテージの有害な微粒子を取り去る。しかし、ユニットから送出される空気が、人に到達して吸い込まれる前にさらなる有害な微粒子を周囲の環境から拾うことができるので、ユニットのエリア内の人がこの微粒子除去の有益な結果の全てを享受するというわけではないかもしれない。さらにまた、空気清浄器の効果は部屋のサイズに大いに影響を受け、部屋サイズが増大すると悪い結果になる。気密性(微粒子を巻き起こすことができる空気流れの存在)のような他の部屋要因は、また、空気清浄器の性能に影響を及ぼす。ベッドに住んでいるダニの場合、室内空気フィルタは、ベッドで眠っている人とベッドの間でアレルゲンにさらされることを十分に減らすことができない。これらの要因があれば、空気清浄器または清浄器が人により呼吸されているアレルゲンと汚染物質のレベルを大きく減らすことは、難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の空気清浄器は、眠っている人の顔に空気を直接導くことによりこれらの問題を減らそうとした。そのような装置は、眠っているとき、周囲の微粒子が人の近くで流れるのを防ぐために、眠っている人の頭にかなりの風を吹きつけなければならない。そのような強風レベルは、眠ろうとしている人に腹立たしいかもしれない。さらにまた、これらの装置の多くは、厄介で、高価で、見苦しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一形態において、ユーザーの呼吸する領域のすぐ近くの濾過された空気の領域を提供するための装置を提供する。特定の実施形態において、ブロワーは空気流れを頭サポートへ供給するように構成される。そのような実施形態において、頭サポートの表面の少なくとも一部は通気性であり、フィルタはブロワーにより供給される空気流れを流通させるように配置されている。ユーザーの頭の下に頭サポートを置くことにより、空気流れを通気性の部分を通過して供給し、濾過された空気の領域をユーザーの呼吸する領域のすぐ近くに創出することが可能になる。いくつかの実施形態において、フィルタは、例えば送給位置フィルタとしてブロワーの下流に配置することができる。
【0008】
別な形態において、濾過された空気の領域をユーザーの呼吸する領域のすぐ近くに作る方法が提供される。特定の実施形態において、ブロワー、ブロワーと接続し通気性表面を持つ与圧室、ブロワーと接続して配置されているフィルタが提供される。与圧室は、ユーザーの呼吸する領域のごく近くに置かれる。ブロワーが作動し、それにより空気流れを与圧室へ供給する。空気流れは、フィルタを通過するように向けられる。空気流れは与圧室へ向けられ、それにより与圧室は膨張し、空気流れが与圧室の通気性の部分を通過するようにする。
【0009】
さらにもう一つの形態では、ユーザーに濾過された空気を提供する方法が提供される。この形態では、空気送出面は、ユーザーの頭のサポート内に提供される。それから、濾過された空気の層流は、ユーザーの呼吸する領域を囲む空気送出面を通過して提供される。そのような層流は、空中環境汚染物質がユーザーの呼吸する領域に入るのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の図面は本発明の特定の実施形態の説明図であり、発明の範囲を制限するものではない。図面は(そのように定めなければ)一定の比率ではなく、以下の詳細な説明と連携した使用を目的とする。本発明の実施形態は添付の図面とともに以下に記述され、その図面において、同じ数字は同じ要素を意味する。
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施形態の、使用中の個人用空気濾過装置の平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態の個人用空気濾過装置の斜視図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態のホースの一部の斜視図である。
【図3B】図3Bはホースの一部の斜視図であり、一方が本発明の実施形態に基づき広げられている。
【図3C】図3Cは、本発明の実施形態のホースの一部の断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態の頭サポートを部分切除した斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態の頭サポートの断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態の椅子と一緒に使用中の個人用空気濾過装置の斜視図である。
【図7】図7は、いくつかの実施形態に基づいた使用中の個人用空気濾過装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は実在する好例であり、いずれにしても発明の範囲、適用性または構成を制限することを目的としない。むしろ、以下の説明は、実際的な具体例を本発明の典型的な実施形態を実施するために提供する。当業者は、提供される例の多くが利用可能な適切な変形例を持つことを認識するであろう。
【0013】
本発明の実施形態は、人の顔の方へ大きな空気量を吹きつけることなく濾過された空気の流れを人の呼吸する領域に提供する装置と方法から成る。ユーザーの頭は頭サポートの上に置かれ、頭サポートを通過して、空気が送給される。その結果、濾過された空気は、ユーザーの頭または呼吸する領域のまわりのスペースに直接送給される。このように、濾過された空気は、部屋全体の空気を濾過する必要なしに送給することができ、濾過をより効率的で効果的にする。装置からの空気の送出とユーザーによる吸入の間の時間と距離を減少させることにより、濾過された空気の再汚染の量は減少する。そのうえ、呼吸する領域への濾過された空気の連続的流れは、ユーザーによる吸入または環境内の流れが原因となって濾過されてない汚染された空気が環境から呼吸する領域に入ることを妨げる。さらに、濾過された空気の領域は低い流速に維持され、不必要な雑音と眠っている人の顔に吹いている風の感覚を低減する。
【0014】
図1は、使用中の個人用空気濾過装置100の実施形態を表す。この実施形態では、頭サポート102は、ベッド106上で寝ているユーザー104の下に配置される。頭サポート102は、ホース110によりブロワー108に流通可能に接続される。ブロワー108は、ホース110を通過して、頭サポート102内の与圧室へ空気流れを提供する。空気流れが頭サポート102の範囲内で蓄積されるので、与圧室は膨張して、空気が通気性の部分112を通過して頭サポート102から出るようにする。空気が頭サポート102を離れるので、それ(空気)は通気性の部分112と実質上同一の広がりをもつ与圧室内に配置された送給位置フィルタにより濾過される。上記のように、そのような配列体は、濾過された空気の効果的な、効果的送給をユーザー104の呼吸する領域に提供することができる。
【0015】
図7は、個人用空気濾過装置700の実施形態が濾過された空気702のボリューム又は透明空間をユーザー704へ供給するためにどのように用いられるかについて説明する。ユーザー704は、ユーザー704の呼吸する領域708を表している点線と一緒に、頭サポート706の上に横になった状態で示されている。呼吸領域708は、ユーザー704のすぐ近くの空気量であり、吸気に利用できる。通常、呼吸領域は、ユーザーの頭のすぐ近くに位置し、特にユーザーの口及び鼻のすぐ近くに位置する。呼吸領域708のサイズは、ユーザーの肺活量、呼吸の深さ、呼吸速度及び他の要因により異なる。多くの大人において、呼吸領域708は、およそ1000〜10000cm(1〜10リットル)の空気量を表しているが、それより少ないかそれより大きな空気量も、考えられる。呼吸するとき、ユーザー704は呼吸領域708から、ユーザーの肺の中へ空気を吸い込む。したがって、呼吸領域708が濾過された空気だけを含むことを確保することにより、ユーザーが濾過された空気だけを吸入することが確実となる。
【0016】
本発明の実施形態は、濾過された空気702の透明空間をつくりユーザーの呼吸領域708をカプセルのように包むことにより、濾過された空気を呼吸領域708へ供給する。ブロワー(図示せず)は、作動中、ホース710を通過して空気の流れを頭サポート706へ提供する。頭サポート706は、空気を分散させて、その上面716の通気性の部分714を通して、濾過された空気流れ712を提供する。この濾過された空気流れ712は濾過された空気を透明空間702に供給して、濾過されてない環境空気が呼吸領域708に入るのを防ぐ。ユーザー704が呼吸すると、空気は吸入され、それにより空気は呼吸領域708から移動する。この移動された呼吸領域の空気は、透明空間702から濾過された空気と入れ替えられ、濾過されてない環境空気を排除する。
【0017】
さらに、濾過された空気流れ712は、濾過されてない環境空気の流れ718が呼吸領域708に浸入するのを防ぐことができる。環境の妨害(例えば動く人、動物またはファン)またはユーザー704の吸入は、濾過されてない環境空気(すなわち透明空間702の外の空気)が動いて、流れを形成する原因になりえる。そのような流れ718は呼吸領域708に侵入し、吸入されることができ、濾過された空気をユーザーへ供給する利点を低減する。しかし、本発明の実施形態により提供される連続した濾過された空気の層流712は、カーテンのような働きをすることができ、(図7において矢718の曲がった部分で示されるように)呼吸領域708からそしてその外部へこれらの流れ718を一掃する。このように、透明空間702は、吸気のために濾過された空気の貯蔵手段をユーザーに提供することができる。いくつかの実施形態において、透明空間702は、0.3マイクロメートル(μm)より大きい直径の微粒子を0.0283立方メートル(1立方フィート)につき100,000個より少なく有する空気量と定義することができる。または、透明空間702は周囲の塵埃濃度と比較して定義しても良い(例えば周囲の環境の微粒子数の50%未満の微粒子数を有する空間)。さらに、多くの実施形態において、本装置により創出される透明空間702は少なくともユーザーの呼吸領域708と同じ大きさであり、呼吸領域708が透明空間702の内部に完全に配置されるように、配置される。好ましくは、透明空間702は呼吸領域708のサイズの少なくとも2倍である。そして、上で議論された実施形態が透明空間702をユーザーの頭のまわりに又は周囲に置かれたものと定義するとともに、(ユーザーの頭の一方側へ透明空間702をつくることのような)他の配列体も考えられると認識すべきである。
【0018】
図2の実施形態において、空気濾過装置200の更なる特徴は、明らかである。ブロワー202は、周囲の環境からシステム内へ空気を吸い込むために、空気吸入ポート204を含む。ブロワー202は、眠っているか休息しているユーザーの頭に隣接して又は近くで、ベッドの近くに、あるいは例えばナイトスタンド(ベッド近くの小テーブル)上に、あるいはベッドに隣接して置かれるか、あるいはベッドの下に隠されるかもしれない。それは、移動や隠すことを容易にするために小さい方が好ましい。また、ブロワー202は使用時にベッド近くに置かれるために、ブロワー202は比較的静かである。例えば、1つの実施形態において、ブロワーはおよそ60デシベルの最大騒音レベルを生じる。ブロワーは、ユーザーの呼吸領域において少なくとも1000cm(1リットル)の濾過された空気の領域を維持可能にする流速で空気を提供するように構成されるべきである。いくつかの実施形態において、そのような流速は、毎分0.0283立方メートル(1立方フィート)から毎分2.83立方メートル(100立方フィート)の範囲にすることができる。
【0019】
ブロワー202は、ブロワー速度または他のオプション機能を制御するために、一つ以上の制御ノブ206、ボタンまたは他のインターフェース手段を含むことができる。例えば、ブロワー202はブロワーから出るいかなる雑音をも消すためにホワイトノイズを出す機器をオプションとして含んでも良い。ブロワーに含まれるかもしれない他のオプションの機能は、空気を暖め又は冷やす温度調節器、空気の加湿機、薬剤ディスペンサー及び/又は香りディスペンサーを含む。これらのオプションの機能は、例えばタイミング機構により、手動又は自動的に制御される。例えば、ミントまたは柑橘類のような刺激的な香りは、目覚まし音の代替として又はこれに追加するものとして機能するために、朝に発散しても良い。ユーザーが眠りにつくとき、ラベンダーのような心休まる香りを発散させ、予めセットされた時間の後に香り発散を自動的に停止させても良い。さらに、いくつかの実施形態において、ブロワー202は一つ以上の濾過メカニズム(例えば紫外線放射フィルタ、カーボンベースのフィルタまたはHEPAまたは他の機械的フィルタ)を含んでも良い。空気の吸気濾過メカニズムは、空気吸入ポート204のすぐ近くに配置して空気がブロワー202に吸入されるとき空気を濾過しても良い。あるいは、濾過メカニズムは空気出口の近くに置かれ、空気がブロワー202を出るとき空気を濾過しても良い。濾過メカニズムを有するブロワー202を含む実施形態は、ブロワーの下流に置かれる追加のフィルター(以下に述べるような)を含んでも含まなくても良い。
【0020】
ブロワー202は、ホース210により頭サポート208に接続することができる。ホースは、ブロワー202に取り付けられる近位区分212、頭サポート208に取り付けられる遠位区分214、近位区分212と遠位区分214を接続する中間区分216を持つことができる。いくつかの実施形態において、ホース210は着脱可能にホース210をブロワー202、頭サポート208または両方に接続させるために、一方または両方の端で分離できる連結機構218を含むことができる。分離できる連結機構218の例は、ねじ付きカフス、テーパジョイント、溝付きジョイントまたは業界で知られている他のメカニズムを含むことができる。ホース210は、破壊を防ぐために、硬式か半硬式の材料から成って良い。あるいは、ホース210は折りたためる材料(例えば織地またはポリマーフォーム)から成って良い。そのような折りたためるホースは、空気圧が掛けられるとふくらみ、ユーザーが夜中に腕または手をホースに置くならば堅い物のような感じがしないだろう。いくつかの実施形態において、ホース210は硬式又は半硬式の材料と折りたためる材料の両方から成る。例えば、1つの実施形態において、ホース210は近位区分212と中間区分216で堅くて、遠位区分214で折りたためる。そのようなホース210は、入口220の近くで半硬式の支持メンバー(例えばコイル)を含んでも良い。ホース210は、空気流れを実質上垂直方向から実質上水平方向へ移行させるために、成形エルボウ( elbow )をオプションとして含んでも良い。そのようなエルボウは、ベッド上のホース210の位置を維持するためにも機能する。
【0021】
いくつかの実施形態において、ホース210またはその部分は空気の浸入しない織地のような柔軟な材料から成って、曲げられるときホース210が破壊するのを防ぐためにプリーツ(ひだ)222を含む。そのような実施形態の例は、図3A〜3Cで示される。ホース300は、第1表面302と第2表面304を含む。第1表面302の幅は第2表面304のそれ(幅)より小さい。その結果、第2表面304が第1表面302より大きなホース300の円周の部分を作る。第1表面302と第2表面304の幅の相違は、第2表面304が第1表面302に対する円弧を形成し、ホースの開放状態の保持を助け空気流れを助長する。
【0022】
ホース300は、ホース300の一部または全部の上にプリーツ306を含む。図3A〜3Cで示される実施形態において、ホース300の第2表面304は、第1表面302に対するプリーツ(ひだ)を持つ。プリーツ306は、ホース300内のスペースを狭くすることなくホース300を曲げることを可能にし、ホース300が曲げられるとき、空気流れが制約されるのを防ぐ。図3Aに示すように、ホース300がまっすぐなとき、ホースの第2表面304のプリーツ306は、それら自身で折り重なり、第2表面304の長さを短くする。ホースが第1表面302の方へ曲がるとき(例えば図3B参照)、第2表面304のプリーツ306は開き、ホース300内のスペースが圧縮されないように、第2表面304をより長くする。いくつかの実施形態において、ホース300の第1表面302はベッドの近くに置かれ、プリーツ306はホース300のエルボウ部の上で広がり、それ(プリーツ)が圧縮する又はねじれることなくベッドの端のまわりで広がって、ホース300を曲がらせる。
【0023】
図2を再び参照すると、ホース210の遠位区分214は、吸気口220で頭サポート208につながるのが分かる。ホース210は吸気口220に永久に固定されているか、先に述べたように頭サポート208から分離可能にすることができる。図4は、内部の特徴を明らかにするために切除部がある頭サポート400の実施形態の斜視図を示す。頭サポート400は、ユーザーの頭に隣接して位置する上面402と、ベッドに隣接して位置する下面404とを含む。部分406または上面402の全ては通気性であるが、下面404は通常は非通気性である。ユーザーが装置の上に頭を気持ちよく置くことができるように、上下の表面402、404は柔らかく可撓性のある材料から作られなければならない。いくつかの実施形態において、上下の表面は、その端に沿って縫い目その他の気密性継ぎ目により結合される。図4の実施形態のような他の実施形態は、上下の表面402、404をつなぐために、サイドパネル408を含むことができる。サイドパネル408は、一般に非通気性材料(例えば下面404を作るのに用いられる材料)から作ることができる。好ましい実施形態において、非通気性表面は、マイクロファイバーポリエステル( Polyester )あるいはコーティングされたナイロンサプレックス( Nylon Supplex )から作られる。コーティングされたこれら両者はデュポンから入手可能である。上下の表面402、404は、一般に気密接続を創出するのに適切ないかなる手段(例えば縫製、接着剤または熱融着)によっても、サイドパネル408に接続することができる。
【0024】
頭サポート400も、吸気口410を含む。吸気口410は、サイドパネル408を通過する穴、または、サイドパネルを含んでいない実施形態では、上下の表面の間をつなぐ隙間にすることができる。吸気口410は、頭サポート400とブロワーとの流通可能な接続を提供する。いくつかの実施形態において、吸気口410は着脱可能にホースを頭サポート400に接続するための分離可能な接続メカニズムを含むことができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、頭サポート400の表面は、ブロワーで供給される空気で充満された与圧室412を区画形成する。与圧室412は、頭サポート400内部に、チャンバを備え、ここ(チャンバ)に空気を収集し、上面402の通気性部分406を通過して空気を逃がし、ユーザーの頭を囲んでいるスペースへ空気を分散できる。このように、与圧室412は一般に、空気を上面の通気性の部分の表面積全体を横断させて一様に送給することを可能にする。
【0026】
与圧室412からの空気流れの均一な分配をさらに助長するために、いくつかの実施形態は、吸気マニホールド414を含む。吸気マニホールド414は、頭サポート400の扇形の部分とすることができ、あるいは与圧室412と吸気口410の間に配置された別々の構成部材とすることができる。いくつかの実施形態において、吸気マニホールド414は、吸気口410から与圧室412まで均一に空気流れを分配するのを助長する内部空気ガイド416を含むことができる。内部空気ガイド416は、空気が吸気口410を通過して頭サポート400に分岐して入るように、マニホールド414内に配置されたパネルにすることができる。内部空気ガイド416の第二の目的は、マニホールドを平らな形に維持し、その表面が圧力により上へふくらむのを防ぐことである。吸気マニホールド414は、頭サポート400の下面404を作るのに用いられる材料のような非通気性の材料から作ることができる。
【0027】
本発明の個人用空気濾過装置は、頭サポート400の通気性の部分406に送給される空気流れを濾過するフィルタ418を含む。いくつかの好ましい実施形態において、フィルタ418はブロワーの下流に配置される。フィルタ418は、Technostat (登録商標)(マサチューセッツ州イーストウォルポールの Hollingsworth & Vose 社から入手可能)のような、HEPA(高効率微粒子空気)レベルの濾過法を提供する材料で構成されても良い。いくつかの実施形態において、香りを低減するために、おそらくフィルタに隣接して、活性炭の層が追加されても良い。
【0028】
多くの配列体はブロワーの下流にフィルタを置いて用いられる。例えば、フィルタは頭サポート400の吸気口410に、吸気マニホールド414内に、またはホース内に置くことができる。これらの配列体の各々は、熟考されており、本発明の範囲内であると考えなければならない。いくつかの好ましい実施形態において、フィルタは送給位置フィルタとすることができる。そのようなフィルタは、図4の実施形態において示されている。この配列体では、フィルタ418は、頭サポート400の通気性の部分406のあたりに、すなわち呼吸領域への空気流れの送給位置において、同一の広がりをもって、配置される。送給位置フィルタは、少なくともいくつかの理由のために好まれる。第1に、フィルタ418が通常、頭サポート400の通気性の部分406で同一の広がりをもつので、空気は比較的大きい表面積を通過して濾過することができる。その結果、空気がフィルタ418を横断するとき誘導された圧力低下は、より少ない表面積の同じフィルタ材料を横断することに起因するそれ(圧力低下)より非常に少ない。圧力と空気流れの低下が少ないため、十分な濾過された空気量をつくるとき、ブロワーはより静かに作動することができる。第2に、フィルタ418を頭サポート400の上面402に置くことにより、送給位置フィルタは、空気流れが呼吸領域に入る直前に空気流れを濾過する。したがって、空気は濾過後に存在するかもしれない環境要因により汚染される可能性はほとんど無い。対照的に、例えば、ブロワー内で濾過される空気流れは、呼吸領域に入る前に、ホース、吸気マニホールドと与圧室内に存在する環境汚染物質が混入しやすい。
【0029】
図に示すように、送給位置フィルタ418の端は、頭サポート400の上面402の非通気性の部分と、永久的で気密性を有する結合を形成する。そのような実施形態で、全ての頭サポートは、定期的に洗濯され、廃棄され、そして、必要に応じて取り替えられても良い。あるいは、フィルタはフィルタ取付け要素(例えば接着剤、フック及びループファスナー(例えば Velcro )、ジッパー、その他の取付け具)により、非通気性の部分に取り外し可能に取り付けられる。取り外し可能なフィルタは、フィルタまたは頭サポートの掃除のために取り外すことができ、頭サポート全体の取替えを必要とせず定期的に取替えることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、フィルタ材料は、例えば睡眠中ユーザーの顔が接触するとき、いくぶん砕けやすいかもしれないため、小さな繊維がフィルタ面を妨害するかもしれない。そのうえ、ユーザーは顔に対するフィルタの感覚に慣れていないかもしれない。これらの問題を防ぐために、上面402はフィルターカバー420を含んでも良い。フィルターカバー420は、濾過された空気をフィルタ418からユーザーの呼吸領域へ通過させるために通気性材料で作られても良い。例えば、1つの実施形態において、テフロン(登録商標)コーティングされた220番手の綿あるいはサテンで作られたフィルターカバーが使用される。そのようなフィルターカバー420は、ユーザーに快適であるかなじみがある感じがするだろう。それ(フィルターカバー)はフィルタとユーザーの顔の間のバリヤの働きをし、その結果フィルタの破片はユーザーと接触しない。さらに、いくつかの実施形態において、フィルターカバーは、疎水性組成または処理を含んでも良い。そのような組成は、汚れ耐性または耐水性の特性を提供するため、フィルターカバーに塗布されるか含まれることができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、フィルターカバー420はフィルタ418の端で頭サポート400に装着することができ、あるいは、それはフィルタ418より大きいかもしれなくて、フィルタ418の端を越えて装着される。フィルターカバー420の一部の端だけを頭サポート400に装着する、あるいはフィルターカバー420の全ての端の全部を頭サポート400に装着しても良い。フィルターカバーの全ての端が頭サポート400に付けられるとき、フィルタ418から分離するいかなる繊維もフィルタ418とフィルターカバー420の間のスペースの中に閉じ込めるように、それ(フィルターカバー)はフィルタ418を囲むことができ、そのため、それら(分離する繊維)はユーザーと接触しない。あるいは、フィルターカバーは、例えばフックおよびループ取付け具またはジッパーにより頭サポートに取り外し可能に付けられる。フィルターカバーの端の一部または全てに沿って取り外し可能な取付け具は、フィルタが洗濯または取替えのために取り外し可能である実施形態において、フィルタへのアクセスを可能にするため望ましい。別の実施形態において、カバー層はフィルタに取り付けられ、次に、頭サポートに装着される。
【0032】
カバー層の代替として又はカバー層に加えて、実施形態は、頭サポート400を囲んで、それ(頭サポート)をユーザーにとってより快適にするための枕ケースを含む。枕ケースは標準的な枕ケースと類似しているが、ふくらんだ頭サポート400のまわりで装着するために大きさを設定されなければならない。装着されると、枕ケースは、上面402とユーザーの頭の間に、そして頭サポート400の下面404とベッドの間に位置する。適切な枕ケースは、個人用濾過装置からユーザーの呼吸領域へ濾過された空気が通過するのを可能にするために、通気性材料でできていなければならない。
【0033】
図1を参照すると、頭サポート102の端は、近位の端114と、近位の端114の反対側の遠位の端116を含む。近位の端114は、ホース110に最も近い端である。いくつかの実施形態において、吸気口117及び/又は吸気マニホールド118は、近位の端114とホース110の間に配置される。頭サポート102は、また、ベッド106の上部に最も近い端である第1の端120とベッド106の足元に最も近い端である第2の端122を持つ。本発明の実施形態は、第1の端120が第2の端122になり第2の端122が第1の端120になるように、頭サポート102を回転させることによりベッド106のいずれの側でもホース110とともに使うことができる。このように、第1および第2の端120、122は、使用するときの方向に基づいて交換可能である。さらに、いくつかの実施形態において、吸気口117は、第1の端120の範囲内に配置することができる。柔軟であるか調節可能なホースと組み合わせたそのような配列体は、それ(ホース)がベッドの上部から走るように、望ましい方向にホースを回転させることによりベッドの両側で使うことができる。実施形態が頭サポートを一般に長方形の形を持つものとしてここまで示したが、いかなる形でも使われることも可能であることを理解すべきである。例えば、頭サポートは、正方形、円形、長方形またはこれらの形の組合せにできる。図1のそれ(配列体)とは異なる形を持つ実施形態は、同様に、取付けられたホースが概略ユーザーから離れて向けられるように、頭サポートを回転させることによりベッドのいずれ側にも置くことができる。
【0034】
図5は、いくつかの実施形態の頭サポート500の断面図である。この図から、頭サポート500のいくつかの内部の特徴は、明らかである。この実施形態では、頭サポート500の内部は、サイドパネル504と上面506と下面508と枕室の壁510とにより区画形成される与圧室502を含む。作動中、空気流れは与圧室502の中に蓄積され、上面506の通気性の部分512を通過する。通気性の部分512は、送給位置フィルタ514とフィルターカバー516を含む。枕520を含む枕室518も、頭サポート500の内部に配置される。この実施形態では、枕室は、枕室の壁510と頭サポート500の下面508により区画形成される。枕室の壁510は、下面508と同じ非通気性の材料から作られる。枕室518は、標準またはそれ以外の大きさの枕の挿入に対応するように大きさを設定される。いくつかの実施形態において、枕は枕室に縫い付けられるか、封入される。あるいは、図4のような実施形態は、枕を挿入されるか、枕を枕室424から取り出すために、ジッパー422または他のアクセス手段を含むことができる。そのような実施形態において、非通気性のフラップ426は、外部に固定され、空気が漏れるのを防ぐためにジッパー422をカバーする。いくつかの実施形態は、枕室を含まず、いくつかの他の枕接続手段(例えば頭サポートの下で走る接続可能なひも)を含む。アクセス手段または他の枕接続手段を備える枕室を含む実施形態は、ユーザーが個人用空気濾過装置とともに使われるのに好ましい枕を選ぶのを可能にする。
【0035】
いくつかの実施形態において、与圧室502は、頭サポート500内で及び頭サポートから外へ適切な空気流れを促進するために、サポート構造を含む。例えば、図4、図5の実施形態は、枕室の壁510と頭サポート500の上面506の間で与圧室502を渡っているバッフル522を含む。与圧室502が空気で充満されるとき、バッフル522は上面506の膨張を制限するのに用いられる。そのような制限は、通気性の部分512のドーム形にするのを妨げるのに必要である。ドーム形は、空気が与圧室502から送出される方向をゆがめ、結果として呼吸領域への効果的でない送給を生じることとなる。いくつかの実施形態において、バッフル522は与圧室502を通過する空気流れを促進するために、内部の空気通路524を含むことができる。バッフル522は、頭サポートに寄りかかっているユーザーに不快感を引き起こさないために、柔らかい、可撓性材料から作られなければならない。例えば、バッフル522は頭サポート500の下面508と同じ材料から作られる。バッフル522は、いかなる適当な手段(例えば縫製、接着剤または熱融合)ででも、頭サポート500に取り付けられる。いくつかのバッフル取付け手段(例えば縫い目)はバッフルが取り付けられる表面を突き刺す。その結果、与圧室502に空気漏出点をつくる。濾過されてない空気がこれらの漏出点を通って逃げるのを防ぐために、いくつかの実施形態は、バッフル継ぎ目に沿って(例えば図4の縫い目428をまたがって)、非通気性のシールを含む。
【0036】
図5の断面図は、いくつかの好ましい実施形態において、それ(枕室518)が頭サポート500より小さいように、枕室518が大きさを設定されることを更に明らかにする。この配列体により、周辺部チャンネル526は、サイドパネル504、下面508と枕室の壁510により区画形成されることができる。ユーザーが頭サポート500上で休息しているとき、周辺部チャンネル526は与圧室502を通して空気の公平な分配を提供する際に有利である。図1に示すように、頭サポート102上で休息しているユーザーの頭104は障害物となり、頭サポート102内の与圧室の近位の端114から遠位端116への空気の流れを妨げる。ユーザー104が寝そべっており、近位の端114に向いているとき、これは問題を提起しない。ユーザー104は吸気口117に向いておりユーザーの顔のあたりの空気は濾過されているからである。しかし、頭サポート102上のユーザーの頭により、与圧室の遠位端116への空気の流れは、少なくとも部分的に妨げられる。したがって、ユーザー104が遠位端116に向いているとき、個人用空気濾過装置の効果は減少する。
【0037】
図5の周辺部チャンネルは、与圧室502の完全な失敗を防ぐことができ、したがって与圧室の部分的に妨げられた遠位端部分に、空気流れを提供することができる。すなわち、ユーザーの頭が頭サポート上に置かれるとき、枕520は周辺部チャンネル526より上にユーザーの頭と首を持ち上げる高さをつくる。このように、周辺部チャンネル526は少なくとも部分的に妨害されていないままであり、空気を吸気口の反対側の与圧室502の領域へと流す。
【0038】
さらに、いくつかの実施形態は、与圧室を横切る空気流れを維持するために、与圧室の中に剛性か半剛性のサポート構造を含んでも良い。剛性か半剛性のサポート構造は、空気をその構造を通過し又はそのまわりを流れさせるために十分な開放空間を提供する。そのような構造はユーザーの邪魔をしないために十分に柔らかいままになっており、少なくとも一部の与圧室は、ユーザーの頭の重圧を受けている枕が完全につぶれるのを防ぐために十分強くなければならない。
【0039】
上で述べたように、頭サポートは、枕とともに使われるようにされている。いくつかの実施形態は枕(例えば図4の枕)を含むようにされており、他の実施形態では枕の上に置かれる。そのような実施形態において、頭サポートは、さまざまな方法でこの位置を維持する。例えば、頭サポートは、頭サポートの下面に枕取付け具を含むことにより、枕に取り付けられる。枕取付け具は、フックおよびループファスナー、着脱可能な接着剤、ジッパー、スナップまたはボタンのような、取り外し可能なものである。枕取付け具の他の形は、ポーチとタイを含む。好ましい枕の上で眠り続けているとき、枕取付け具の取り外し可能な形は個人用空気濾過装置を使う柔軟性をユーザーに与える。いくつかの実施形態において、枕ケースは頭サポートを枕の上の適所に保持するのに用いられる。例えば、頭サポートと枕は、一緒に、枕とふくらんだ頭サポートを収容するのに十分大きな単一の枕ケース内に配置することができる。枕ケースは、取付け具の代わりに又は取付け具に追加して使われる。枕ケースが使われるとき、それ(枕ケース)は、ユーザーの頭の回りに濾過された空気の放出をするために、少なくとも通気性の部分の上にある部分は通気性材料から作らなければならない。
【0040】
上記の実施形態は全て、ユーザーがベッドにいるとき頭サポートがユーザーの頭を支持するのに用いられる個人用空気濾過装置を記述しているが、本装置の実施形態が他の配列体において使用可能であることを理解すべきである。例えば、図6は、椅子602と一緒の用途に構成される個人用空気濾過装置600を表す。ここでは、頭サポート604は、椅子背中608の前面606に置かれる。
【0041】
頭サポート604の下面は椅子背中606に対して置かれ、その上面がユーザーの背中の方へ向かい、外部に面する。
【0042】
示されるように図6の個人用空気濾過装置600が椅子背中608の前面606に配置されたとき、ユーザーは頭の後ろや背中を頭サポート604上に置く。空気は、ブロワー610からホース612を通過して頭サポート604へと送出される。空気は、頭サポート604内の与圧室をふくらまし、通気性の部分614を通過して出る。空気が通気性の部分614を出るとき、空気が概略ユーザーの頭の近くに向けられるように、頭サポート604は配列される。その結果、濾過された空気は、ユーザーの頭及び/又は背中の近くに提供され、頭サポートの他の配置に関して前に記述したように、同じ効果をもたらす結果となる。
【0043】
いくつかの実施形態は、図6のようないろいろな配列体において頭サポート604の取付けを可能にする取付け手段を含むことができる。例えば、記述された実施形態において、頭サポート604は、その(頭サポートの)位置を椅子背中608上で保持するために、一つ以上のひも616を含む。ひも616は頭サポートのどの部分にでも取付けることができ、頭サポート604を適所に固定するために、椅子背中608のような表面のまわりでつなげることができる。図6に示すように、ひも616は頭サポートの一方から頭サポートの反対側に延びる。あるいは、一つ以上のひも616は、椅子の上の角のまわりを延びても良い。そのような実施形態において、一つ以上のひも616は、頭サポート604の一方から、椅子背中608をまわり、頭サポート604の上部へ伸びることができる。
【0044】
本発明の1つの実施形態は、自然な呼吸をシミュレーションするために鼻と口について空気流れを生じるために機械的に通気されたマネキンを使ってテストされた。眠っている人がベッドで枕の上で横たわるように、マネキンの頭は空気濾過装置の頭サポート上に置かれた。装置を作動させる前に、マネキンの口より上の領域の微粒子数は、毎分0.00283立方メートル(毎分0.1立方フィート(CFM))のサンプリング率で0.5ミクロン以上の微粒子がおよそ30秒につき12,000〜16,000個であった。個人用空気濾過装置は、それからおよそ3.18mm(0.125インチ)の水圧で頭サポート内の与圧室に吹き込んでいるおよそ毎分1.13立方メートル(40CFM)の空気で作動して、およそ15秒間、平衡状態におかれた。微粒子数が再び計られて、マネキンの口で30秒につきおよそ15個の微粒子であるとわかった。このテストは、個人用空気濾過装置が眠っている人の頭のまわりで濾過された空気の領域をつくることができることを示している。
【0045】
前述の詳しい説明では、発明は特定の実施形態に関して記述された。しかし、いろいろな修正例と変形例が発明の範囲から離れることなくつくられることができると認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの呼吸する領域のすぐ近くの濾過された空気の領域を提供する装置であって、
空気流れを提供するブロワーと、
該ブロワーと接続されて空気流れを濾過するフィルタと、
前記ブロワーと接続された頭サポートと、を備え、
該頭サポートは、ユーザーの頭の下に置かれ、
前記頭サポートの少なくとも一部の表面は通気性であり、空気流れが通気性の部分を通過して送給されて、ユーザーの呼吸する領域のすぐ近くの濾過された空気の領域を創造する、装置。
【請求項2】
前記頭サポート内に配置され、前記ブロワーと接続された与圧室を更に備え、
該与圧室が通気性の部分を通る空気流れを分配する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記与圧室が一つ以上のサポート構造を含む請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記サポート構造が一つ以上の空気流れ通路を含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記与圧室が周辺部チャンネルを含む請求項3に記載の装置。
【請求項6】
遠位端部と近位端部を持つホースを更に備え、近位端部は前記ブロワーに接続し、遠位端部は頭サポートに接続する請求項1の装置。
【請求項7】
前記フィルタがホースの遠位端部内に配置される請求項6に記載の装置。
【請求項8】
呼吸する領域が、少なくとも1000cm(1リットル)の吸気に利用できる空気量をユーザーの鼻または口のすぐ近くに備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
呼吸する領域が濾過された空気の領域より小さい請求項1に記載の装置。
【請求項10】
濾過された空気の領域は、周囲の塵埃濃度の50%未満の塵埃濃度を有する請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルタが前記ブロワー内に配置される請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記フィルタが前記ブロワーの下流に配置される請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記フィルタは、送給位置フィルタであり、頭サポート内に配置されて、通気性の部分と実質上同一の広がりをもつ、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記通気性の部分がフィルターカバーを含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記フィルターカバーが疎水性の組成または処理を含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記通気性の部分がフィルタである請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記フィルタがHEPAフィルタである請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記フィルタが頭サポートから取り外し可能である請求項1に記載の装置。
【請求項19】
取り外し可能な前記フィルタが一対のジッパーで頭サポートに固定され、前記一対のジッパーの第1の側は前記フィルタに付けられ、前記一対のジッパーの第2の側は前記頭サポートに付けられる請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ブロワーが、毎分およそ2.83立方メートル(100立方フィート)未満の流速を持つ空気流れを提供する請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記頭サポートが枕と一緒に使われる請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記頭サポートが前記枕を受けるポケットを含む請求項21に記載の装置。
【請求項23】
ユーザーの頭のすぐ近くの濾過された空気の領域を創造する装置であって、
空気流れを提供するブロワーと、
該ブロワーと接続され、ユーザーの頭を支持する空気送出面であり、濾過された空気の領域へ空気流れを分配する空気送出面と、
前記ブロワーと前記空気送出面の間を接続する細長いホースと、
空気流れを濾過された空気の領域に分配する前に空気流れを濾過する装置内に配置されたフィルタと、を備える装置。
【請求項24】
前記フィルタが前記ブロワーと前記空気送出面の間に配置された請求項23に記載の装置。
【請求項25】
濾過された空気の領域が、少なくとも1000cm(1リットル)の吸気に利用できる空気量をユーザーの鼻または口のすぐ近くで備える請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記フィルタが空気送出面を備える請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記ブロワーと接続され、濾過された空気の領域を維持するために適切な圧力で空気流れを空気送出面に集めて分配する与圧室を更に備える請求項23に記載の装置。
【請求項28】
ユーザーの呼吸する領域のすぐ近くの濾過された空気の領域を創造する方法であって、
(1)ブロワーと、(2)該ブロワーと接続された与圧室であり、与圧室の表面の少なくとも一部は通気性である与圧室と、(3)前記ブロワーと接続されて配置されたフィルタと、を提供するステップと、
前記与圧室をユーザーの呼吸する領域のすぐ近くに位置付けるステップと、
前記ブロワーを作動させ、それにより空気流れを前記与圧室へ供給するステップと、
空気流れをフィルタを通過するように向けるステップと、
空気流れを前記与圧室へ向け、それにより前記与圧室が膨張し、空気流れを前記与圧室の通気性の部分を通過するように向けるステップと、を備える方法。
【請求項29】
前記フィルタは、通気性の部分と実質上同一の広がりをもって配置される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ユーザーに濾過された空気を提供する方法であって、
ユーザーの頭を支持する空気送出面を提供するステップと、
ユーザーの呼吸する領域を囲む前記空気送出面を通過する層流の濾過された空気流れを提供するステップと、を備える方法。
【請求項31】
層流の濾過された空気流れが毎分2.83立方メートル(100立方フィート)未満の流速で提供される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
濾過された空気が周囲の塵埃濃度の50%未満の塵埃濃度を有する空気から成る請求項30に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2010−521641(P2010−521641A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551062(P2009−551062)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/054928
【国際公開番号】WO2008/104004
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(509238454)オーガスティン バイオメディカル アンド デザイン,リミティド ライアビリティー カンパニー (1)
【Fターム(参考)】