説明

個人端末を用いた個人管理方法及びそのシステム

【課題】 従業員個人がその活動場所に到着したときから活動を済ませて出発するまでの間の活動状況を把握することができる。
【解決手段】 従業員が所持する従業員端末10が、その従業員の本人情報を予め保持し、勤務場所の位置情報と時刻情報とを検知すると共に、勤務開始から勤務終了までの活動情報を検出して、ネットワーク3を介しサービス事業者サーバ30へ送信する。サービス事業者サーバ30は、従業員端末10から受けた位置情報及び時刻情報で勤務の開始と終了とを勤務実績とし、その間に受けた活動情報と共に従業員情報メモリ31に記録する。更に、勤務実績と活動情報との分析から所定の簡素化された勤務状況情報が作成されて事業所端末20に送信されるので、事業所端末20は勤務状況情報を管理者に提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人端末を用いて、個人、例えば企業における従業員、学校の生徒などの行動を詳細に確認し、その個人管理が容易な個人管理方法及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の個人端末による個人管理方法及びそのシステムには、例えば、特開2005−092342号公報(特許文献1)で、従業員のタイムレコーダに代わる勤怠情報管理システムが開示されている。この特許文献1では、位置及び時間情報の取得可能な通信機能付き携帯端末を用いて、携帯端末の所持者が、出張先、派遣先、得意先、作業現場などに到着又は出社した際、及び勤務又は所用を済ませて出発又は退社の際それぞれで、管理センターに、操作者の識別情報、位置、及び時間情報、並びにその際の作業種別又は活動種別のような状態情報を送信している。
【0003】
また、例えば、特開2005−190137号公報(特許文献2)では、勤怠管理システムとして、出退勤時に勤怠管理サーバから乱数データを生成して勤務先に送り、勤務者がこの乱数データと個人情報とを送信して勤怠状況を判定している。この個人情報には高いセキュリティ確保の一例として例えば、本人性の確認のための声紋、掌紋などによる生体認証を用いることが記載されている。
【0004】
また、例えば、特開2005−215993号公報(特許文献3)では、勤怠システムとして、派遣労働者の勤怠データを管理するため管理サーバに派遣労働者の入退出時刻と個人情報とが予め入力されており、派遣先企業端末から入社及び退社の際に送信される所定の勤怠情報、更には所定のチェックリストを用いて派遣労働者を管理している。このチェックリストは派遣労働者による該当項目の選択により派遣労働者の体調チェックが可能である。
【0005】
しかしながら、上述した企業における従業員の勤怠管理は、作業又は活動の現場などに到着又は出社した際、及び勤務又は所用を済ませて出発又は退社の際の時刻かつその位置を、本人の認証と共に確認しているものである。従って、作業又は活動の開始及び終了の際の情報は得られるが、その間、すなわち、勤務中、活動中、又は作業中の個人の稼動状態を把握することはできない。
【0006】
一方、勤務時間中の勤務者の稼動状態を収集して把握するシステムが、脳波などを計測して、生体の活動状況を記録し、勤務時間を管理する生体情報収集及び生体活動管理のシステムとして、特開2003−038453号公報(特許文献4)に開示されている。このシステムでは、チェックリストのような間接的かつ一時的なものではなく、勤務時間中の脳波が記録される。例えば、勤務者は出勤時から退勤時まで頭皮に電極を貼り付け貸与された送信機から脳波は脳波情報収集装置へ送信され、そこで収集される。更に、勤務管理装置がその収集された脳波情報を分析し、勤務内容を識別している。
【0007】
しかしながら、この特許文献4では、事業所内部で近距離無線を用いて勤務時間中の勤務者の勤務内容を識別するものであって、事業所外部での勤務状態に対して把握はできていない。従って、このようなシステムを例えばインターネットを利用した情報処理システムに組み込むことが必要である。
【0008】
【特許文献1】特開2005−092342号公報
【特許文献2】特開2005−190137号公報
【特許文献3】特開2005−215993号公報
【特許文献4】特開2003−038453号公報
【非特許文献1】Golden Eye 5.0(ゴールデンアイ)「PC稼動状況ログ管理/保存ソフトウェア」URL:http://www.inisia.co.jp/products/GoldenEye/index.htmlインターネット検索:2005年9月27日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする課題は、企業における企業外での従業員の勤怠管理、又は学校における学校外での生徒の行動において、その活動の場所に到着した際、及び活動を済ませて出発の際の情報は得られるが、その間の勤務状況又は活動状況を把握することができない点である。
【0010】
一方、勤務時間中の勤務者の脳波などを計測して、生体の活動状況を収集して稼動状態を記録し把握するシステムが開示されているが、企業外又は学校外における情報収集はできないことである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、個人が所定の場所で活動する場合、その間の活動状況を把握するために情報処理システムを用い、その個人に個人端末を所持させ、個人が使用する個人端末は当該個人が活動中の活動情報を時系列で収集して前記管理者が使用する管理者端末に向けネットワークを介して送信する。一方、その管理者端末は送信された前記個人の活動情報又はこの活動情報から作成された活動状況情報を管理者に提供することを主要な特徴とする。
【0012】
この構成により、管理者は、提供された活動状況情報により所定期間内の所管の個人の活動状況を把握し管理することができる。
【0013】
使用中機器の稼動情報収集には、例えば、コンピュータの利用者とその活動情報とが完全に記録され、安全な場所が指定されて保存され、後に検索が可能である上述の非特許文献1「ゴールデンアイ(登録商標)」に提供されるソフトウェア技術が利用できる。
【0014】
上記個人活動情報は、連続的に得られる必要性から、個人の作業中における使用機器の稼動情報、当該個人を写す画像情報、当該個人から見た画像情報、対話音声情報、生体運動情報、脳波情報などの少なくとも一つを含むことが望ましい。しかし、活動情報の膨大な記憶領域を必要とするので、個人端末では、例えば定期的に又は活動情報メモリ残量が所定値に達した際に管理者端末に送出することが望ましい。また、管理者端末でも記憶領域に制限があるので、活動情報の収集分析に関してはサービス事業者に任せることが望ましい。
【0015】
従って本発明の実施の一形態では、更にネットワークに接続する事業者サーバを備え、前記個人端末は個人の活動情報をその活動の開始から終了まで前記事業者サーバに送り、該事業者サーバは受けた活動情報を収集し、その活動終了の際に収集された活動情報を分析して所定の活動状況情報に作成し前記管理者端末に送信することとしている。この構成により、管理者端末の構成を簡素化することができる。
【0016】
個人端末から活動情報を得る際には、予め登録された本人確認のための個人情報を照合することが必要であるが、個人情報は、識別コード、パスワードなどであり、特に、生体認証である本人性を用いることが高いセキュリティ確保のために望ましい。
【0017】
個人活動は、活動の位置と活動の開始時刻および終了時刻とを確認し、予定がある場合にはその比較を活動状況情報に加えることが望ましい。
【0018】
個人用の個人端末は、前記個人が活動中の活動情報を記憶する活動情報メモリと、使用する個人の識別情報を含む個人情報を記憶する本人情報メモリと、前記個人端末独自に付与された端末情報を記憶する端末情報メモリと、前記個人端末の位置情報を取得する位置取得手段と、前記個人端末の時刻情報を取得する時刻取得手段と、前記個人が活動中の活動情報を検出して発信する活動情報発信手段と、前記活動情報を収集し前記活動情報メモリに記録する活動情報収集記録手段と、所定時期に、システム構成に従った所定の宛先にネットワークを介して各種データ情報を送信する送信制御手段と、を備えている。
【0019】
個人端末での前記活動情報は、例えば前記個人端末を含む個人使用中機器の稼動情報、当該個人を写す画像情報、当該個人から見た画像情報、対話音声情報、生体運動情報、脳波情報である。これら画像情報、音声情報、生体情報という活動情報の検出発信手段は例えばヘッドセットに内蔵された個人端末に形成できる。また、特に、生体情報による活動情報検出発信手段は単独で個人の生体に取り付けられ、個人端末の本体はその生体から離れた場所に備えることもできる。
【0020】
個人端末の活動情報収集記録手段は前記活動情報を個人活動中継続して収集し、この活動情報は送信制御手段によりネットワークを介して所定時期、例えば定期的に、送信することが望ましい。この活動情報を個人端末から送信する所定時期は、ネットワークを介して送信要求を受けた際、自己の個人端末内部に予め設定されたタイマで指示された際、及び活動情報メモリの記憶容量が所定量に達した際のうちいずれか一つである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の個人端末による個人管理方法及びそのシステムでは、個人により使用される個人端末がその個人活動中の活動情報を収集し管理者により使用される管理者端末に向けてネットワークを介して送信する一方、その管理者端末は送信された前記個人の活動情報又はこの活動情報から集約作成された活動状況情報を管理者に提供している。そのため、活動の位置と活動の開始時刻および終了時刻とを実績として確認すると共に、その活動中の個人の活動情報を収集できる。従って、本発明で、管理者が企業における従業員の勤怠管理又は学校における生徒の行動を、特に生体情報の収集からは健康管理を主体として、ほぼ完璧に把握することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
管理者が特定の個人の活動状況、例えば企業における企業外部での従業員の勤怠管理又は学校における学校外部での生徒の行動をほぼ完璧に把握するという目的を、個人により使用される個人端末がその個人活動中の活動情報を収集し管理者により使用される管理者端末に向けてネットワークを介して送信する一方、その管理者端末が送信された前記個人の活動情報又はこの活動情報から作成された活動状況情報を管理者に提供することにより実現した。この際、活動情報として生体情報を収集することにより、健康管理に大いに役立つ。
【0023】
このように、本発明は、個人レベル間での情報がインターネットのようなネットワークを介して情報処理装置間を転送されるシステムなので、上述したコンピュータの利用者とその活動情報とが完全に記録され、後に検索が可能なソフトウェア、例えば上述した「ゴールデンアイ(登録商標)」(非特許文献1)が活用できる。
【0024】
以下に、図面を参照して実施の形態について説明する。図面は、紙面の都合で、本発明に関する部分を示しているが、システム又は装置として必須の機能であっても省略されている要素がある。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施の一形態について実施例1として、図1を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明による個人管理システムの実施例1を機能ブロックで示す説明図である。図示される個人管理システムは、例えば、家庭における親が管理者としてその子供たち個人を管理するものとし、子供たちは個人端末1を所持し、親は管理者端末2を所有する。個人端末1及び管理者端末2それぞれは例えばインターネット又はLANのようなネットワーク3に接続する。
【0027】
個人端末1は、例えば携帯用パーソナルコンピュータ若しくはPDA(Personal Digital Assistant)のような携帯情報端末、又は携帯電話のような通信端末であり、移動可能なので無線回線を用いてネットワーク3に接続する。個人端末1は、この個人端末1に付与されている端末アドレス、この個人端末1を所持する個人を本人と識別する情報で、予め登録されているか又は本人の生体から取得する本人情報、少なくとも移動中に例えばGPS(Global Positioning System)から得るその所在位置及び時刻の情報、並びに例えば個人の活動状況を写すカメラ画像情報又は個人生体から得られる脳波、脈拍などの生体情報などによる活動情報を情報メモリに保持する。このような構成のため、個人端末1は活動を容易にする例えばヘルメット又はヘッドセットの形体をなす。
【0028】
このうち、時系列で変化する位置情報及び時刻情報は継続して取り込まれるが、要求された時点で、要求元に通知される。時系列で変化する活動情報は、連続又は定期的に取り込まれ、データ縮小化技術を駆使して情報メモリに記録される。記録された情報は、管理者端末2からの送信要求を受けた際に位置情報及び時刻情報と共にネットワーク3を介して管理者端末2に送信される。ネットワーク3を介しての情報送受信に際しては、予め登録された本人情報などの確認が実行される。活動情報は、管理者端末2からの要求で送信されるとしたが、管理者端末2の要求周期より長い周期での定期的又は記録容量が所定のメモリ容量に達した際に、個人端末1から自発的に送信することも可能である。
【0029】
管理者端末2は、例えば家庭内に設置されるパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、例えばインターネット又はLANのようなネットワーク3に接続する。管理者端末2は、各個人端末1に対応する端末アドレス、本人の識別情報を含む個人情報、活動予定情報などを個人活動情報メモリに予め登録する。更に、管理者端末2は、個人端末1から送信された活動情報を記録し、その活動情報を例えば外出から帰宅した際などの活動終了時点で活動状況情報に作成して個人活動情報メモリに記録して保持する。管理者端末2は、ユーザ管理者の要求に対応した各種情報を可聴/可視の状態、または可視の場合には画面/印字の状態で出力する。また、管理者端末2は、管理者の要求により、個人端末1に要求して最新の活動情報を取得することができる。
【0030】
上述した個人端末は移動型として家庭外での活動情報取得に用いられるとしたが、家庭内で子供部屋内における勉強などの活動情報取得のため家庭内LANに接続する情報処理端末であってもよい。また、このようなシステムは、企業の管理者がその従業員個人の活動状況を取得する場合にも有効である。
【0031】
このような構成により、個人活動の開始から終了までを活動状況情報として管理者端末が取得し出力できるので、対象とする個人の活動中の状況を管理者が容易に把握できる。
【0032】
しかしながら、活動情報が連続画像又は生体の脈拍などで膨大なデータ量の場合、管理者端末におけるメモリ容量が不足する。これに対応するため、別メモリを備えて、活動情報をこの別メモリに記録してもよい。
【実施例2】
【0033】
本発明の実施の一形態について実施例2として、図2を参照して説明する。
【0034】
図2は、本発明による個人管理システムの実施の一形態を機能ブロックで示す説明図である。この実施例では、個人管理サービスを提供するサービス事業者に活動情報の収集と活動状況を簡潔に記述した活動状況情報の作成を依頼して、管理者端末構成の簡素化を図っている。実施例2では、サービス事業者の会員となった企業・団体等がその従業員の勤怠を把握する場合について説明する。すなわち、図示される個人管理システムは、事業所における管理者がその従業員を管理するものであり、従業員の勤務場所は事業所の内外を問わない。
【0035】
この個人管理システムは、コンピュータのような情報処理装置により構成され、従業員端末10、事業所端末20、及びサービス事業者サーバ30を備え、それぞれが例えばインターネット又は事業場内のLANであるネットワーク3に相互接続している。図では、複数の従業員を持つ一つの会員すなわち一つの事業所に、一つのサービス事業者サーバ30が使用されているが、当然、一つのサービス事業者サーバ30を複数の会員又は事業所が使用できる。
【0036】
従業員端末10は、個人端末であり、SOHO(Small Office/Home Office)のような勤務形態の場合には会員企業や団体等の事業所に勤務する従業員の自宅にスタンダローン形式で設置され、インターネットに接続される。また、事業所内に事務員又は設計者として勤務する従業員の場合、従業員端末10はLANに接続される。また、営業部員、現場作業従事者などのように外勤の場合、従業員端末10は、例えば携帯されるノート型パーソナルコンピュータ、PDAのような携帯型情報端末、又は携帯電話のような通信端末であり、移動可能なので無線回線を用いてネットワーク3、例えばインターネット又はLANに接続する。
【0037】
従業員端末10は、この従業員端末10に付与されている端末アドレス、会員ごと若しくは事業所ごとに付与されている会員符号、この従業員端末10を所持する従業員の本人を識別する情報であり、予め登録されているか又は本人の生体から使用の際に取得する本人情報、少なくとも移動中に例えばGPS(Global Positioning System)から得るその所在位置及び時刻の情報、及び、活動情報などを情報メモリに保持する。活動情報には、例えば従業員がコンピュータなどの機器を扱う場合には使用中機器の稼動情報、個人の活動状況若しくは個人活動の周囲を写すカメラ画像情報、会議若しくは営業活動における対話音声情報、又は生体に貼り付けられた電極から発せられる脳波若しくは脈拍などによる生体情報が含まれる。
【0038】
上述した時系列で変化する位置情報及び時刻情報は継続して取り込まれるが、要求された時点で、要求元に通知される。時系列で変化する活動情報は、データ縮小化技術を駆使して連続又は定期的に取り込まれ、情報メモリに記録される。そして、この記録された情報は、サービス事業者サーバ30から定期的に発信される活動情報送信要求を受けた際に送出される。一方、記録された情報は、例えばサービス事業者サーバ30から送信要求を受けた後にサービス事業者サーバ30の周期より長い周期に達した際又は活動情報の記録容量が所定のメモリ容量に達した際に、位置情報及び時刻情報と共にネットワーク3を介してサービス事業者サーバ30に送信される。ネットワーク3を介しての情報送受信に際しては、予め登録された本人情報などの確認を実行して高いセキュリティを確保する。
【0039】
また、事業所端末20は、管理者端末として、例えば会員企業や団体等の事業所に設置されるパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、ネットワーク3に接続する。事業所端末20は、従業員情報メモリを備え、各従業員端末10に対応する会員符号、使用する従業員の個人情報、勤務予定情報などを予め従業員情報メモリに登録する。その個人情報には、本人情報及び識別情報がある。本人情報は、従業員の識別(ID)符号、パスワード、指紋および顔認証による生体認証等、従業員本人を識別できる情報である。識別情報は、前記情報と関連付けて、他の従業員の個人情報と識別できる一意の識別情報であり、他の従業員の各種情報と識別するために利用される。従って、従業員端末10を特定する情報の授受にはこの従業員識別情報が付帯され、情報転送の確実性を確保する。
【0040】
次いで、事業所端末20は、サービス事業者サーバ30から送信され勤務実績、及び活動状況を従業員情報メモリ31に記録保持する。従って、事業所端末20は、管理者の要求に対応した各種情報を可聴/可視の状態、または可視の場合には画面/印字の状態で出力できる。また、事業所端末20は、管理者の要求により、サービス事業者サーバ30に要求して最新の活動状況を取得することができる。
【0041】
サービス事業者サーバ30は、サービス提供事業者がサービス事業所に設置して管理する情報処理装置であり、例えばインターネット又はLANのようなネットワーク3に接続する。サービス事業者サーバ30は、従業員情報メモリ31に、従業員端末10から送信された活動情報を記録し、その活動情報をその活動終了の例えば勤務終了時点で記録保持した際、勤務実績と共に分析し活動状況情報に作成して事業所端末20に送信する。
【0042】
従業員情報メモリ31には、例えば会員符号及び個人情報に対応して毎日の勤務予定、勤務実績、活動情報及び活動状況情報を記憶するメモリ領域がある。会員符号及び個人情報には、事業所端末20から予め受付けしたものが登録されている。個人情報には、本人情報及び識別情報がある。本人情報は、従業員の識別(ID)符号、パスワード、指紋および顔認証による生体認証等、従業員本人を識別できる情報である。識別情報は、前記情報と関連付け、他の従業員の個人情報と識別できる一意の識別情報である。
【0043】
勤務予定及び勤務実績には、作業場所、作業種別、開始日時、及び終了日時が含まれる。作業場所には、名称と共に例えばGPSの利用に基づき、緯度・経度の表示が登録される。作業種別には、力仕事、営業、事務、設計、会議などが挙げられる。勤務予定は、事業所端末20から登録される。勤務実績は従業員端末10から送信される場所及び時刻を勤務予定と照合比較して決定される。活動情報には、従業員端末10で収集されたデータが取得記録されているが、継続する変化情報のためそれには別の活動情報メモリ領域を使用し、この活動情報領域にはメモリ位置を記入することがよい。活動状況情報は、例えば勤務予定と勤務実績との比較及び活動情報から得られるものであって、従業員管理のための所定の形式に作成されたデータである。
【0044】
次に、図3A及び図3Bに図2を併せ参照して、本実施例における従業員管理システムの主要動作手順について説明する。
【0045】
まず、事業者端末20は、ユーザである管理者から従業員情報として従業員の本人情報入力を受付けした際、その従業員の識別情報を生成してその本人情報と関連付け、その従業員の個人情報として従業員情報メモリに登録すると共にサービス事業者サーバ30に送信(手順S1)する。サービス事業者サーバ30は、従業員の個人情報を受付けした際、それを従業員情報メモリ31に登録(手順S2)する。
【0046】
次いで、事業者端末20は、ユーザ管理者から従業員情報として従業員の勤務予定入力を受付けした際、その従業員の個人情報と関連付け、その従業員の勤務予定情報として従業員情報メモリに登録すると共にサービス事業者サーバ30に送信(手順S3)する。サービス事業者サーバ30は、従業員の勤務予定情報を受付けした際、それを従業員情報メモリ31に登録(手順S4)する。勤務予定情報には作業場所、作業種別、開始時刻、及び終了時刻それぞれの情報が含まれる。
【0047】
サービス事業者サーバ30は、従業員情報メモリ31の開始予定日時を常時検索し、予定時刻に到達した際には、従業員端末10に向けて勤務開始確認情報を送信(手順S5)する。
【0048】
従業員端末10は、サービス事業者サーバ30から勤務開始確認情報を受信し、従業員が勤務を開始した際、その時刻と本人確認のための本人情報とをサービス事業者端末30に送信(手順S6)する。サービス事業者サーバ30は、従業員端末10から受信した本人情報を従業員情報メモリ31の勤務開始日時の予定情報と比較し確認(手順S7)したのち、位置情報送信要求を該当従業員端末10に送信(手順S8)する。
【0049】
従業員端末10は、サービス事業者サーバ30から位置情報送信要求を受付けした際、勤務場所の位置情報をサービス事業者サーバ30に送信(手順S9)する。サービス事業者サーバ30は、従業員端末10から受信した位置情報と従業員情報メモリ31の勤務予定の作業場所情報とを比較して確認したのち、従業員情報メモリ31に作業場所の実績情報を記録(手順S10)する。この結果、サービス事業者サーバ30は、時刻情報に基づく開始日時を勤務実績情報として従業員情報メモリ31に記録(手順S11)する。
【0050】
一方、従業員端末10は、上記手順S9で勤務場所の位置情報を送信すると共に、所定の活動情報の収集と記録とを開始(手順S20)する。活動情報は、例えば、頭脳労働であれば頭皮に電極を貼り付け送信機から送信される脳波であり、肉体労働であれば生体に貼り付けられた歪計測器から発信される歪波であり、活動情報として時刻データと共に時系列で連続して収集され、縮小化データにより記録される。
【0051】
他方、サービス事業者サーバ30では、タイマと連動し、作業の開始から予め定められた時間間隔で従業員端末10を呼び出す活動情報の確認時刻を計測するものとする。サービス事業者サーバ30は、活動情報確認時刻に到達した際、従業員端末10を呼び出し、活動情報送信要求を送信(手順S21)する。従業員端末10は、活動情報送信要求を受け付けた際、それまでに収集記録された活動情報をサービス事業者サーバ30へ送信(手順S22)する。サービス事業者サーバ30は、受付けした活動情報を従業員情報メモリ31に順次記録(手順S23)する。この手順S21から手順S23までは定期的に実行される。
【0052】
勤務が終了した際には、従業員の操作入力により、従業員端末10は、勤務終了情報を受付け(手順S30)するので、記録済みで送信残の活動情報を勤務終了情報と共にサービス事業者サーバ30へ送信(手順S31)する。
【0053】
サービス事業者サーバ30は、活動情報及び勤務終了情報を受付けした際、従業員情報メモリ31に、活動情報と共に時刻情報に基づく作業終了日時の実績情報を記録(手順S32)する。次いで、サービス事業者サーバ30は、記録された活動情報と勤務実績とから集約された所定の活動状況情報を作成し従業員情報メモリ31に記録(手順S33)すると共に、管理者が使用する事業所端末2へ送信(手順S34)する。事業所端末2は、受付けした活動状況情報を従業員情報メモリに記録し、管理者の要求に応じて提供する。
【0054】
このような構成により、管理者が扱う事業所端末20は、膨大な活動情報を記録するためのメモリを不要とするので、コンパクト化することができると共に、専任業者を利用できるので、運営コストを低減することも可能である。
【実施例3】
【0055】
ここで、図4の機能ブロック図に図2を併せ参照して、サービス事業者サーバ30が存在するシステムにおける従業員端末10の実施の一形態について説明する。従業員端末10は、例えば携帯型のパーソナルコンピュータであり、プロセッサ、データ入力手段、データ画面表示手段などを含むが、これらは図示されていない。また、障害検出及び障害発生時に必要な機能についても含まれていない。
【0056】
図示される従業員端末10は、GPS11、標準電波受信器12、活動情報検出発信手段13、活動情報収集記録手段14、活動情報メモリ15、本人情報メモリ16、端末情報メモリ17、情報送受信制御手段18、及びネットワークインタフェース19を備える可搬形であるとする。
【0057】
GPS11は、人工衛星からの電波を利用して緯度、経度、高度など、位置情報を取得する。標準電波受信器12は、原子時計を有する標準電波送信所から時間情報を載せる標準電波を受けて時刻情報を取得する。活動情報検出発信手段13は、作業機器稼動情報、カメラ画像情報、対話音声情報、生体歪情報、脳波情報などのうちの一つ又はそれらの組み合わせを活動情報として検出し発信する。例えば機器を扱って作業する場合にはその機器の稼動情報が収集できる。商談、会議であれば、画像・音声が収集できる。肉体労働であれば筋肉の反応、歪、脈拍など、また頭脳労働であれば脳波などが収集できる。従って、これらの組み合わせも可能である。これらは連続した時系列で情報を発信する。
【0058】
また、活動情報検出発信手段13は従業員端末10に内蔵され一体化されているものとする。従って、従業員端末10が例えばPDAのような端末の場合、作業機器であるPDAの操作情報が活動情報として収集されるであろう。また、カメラを内蔵する携帯電話機のような端末であれば、従業員の活動範囲を写す場所に置かれることにより、画像情報が活動情報になる。また、例えば前方を写すカメラ又は脳波検出器のような機器を内蔵する場合、従業員端末10はヘルメット又はヘッドセットに形成できる。しかし、音声・画像の収集カメラ、又は脳波の検出器などから近距離無線通信により活動情報収集記録手段14へ情報通信することもよい。
【0059】
活動情報収集記録手段14は、この活動情報を活動情報検出発信手段13から連続又は断続的に取得し、活動情報メモリ15に記録する。活動情報メモリ15は、従業員端末10が小型のため記憶容量が小さいので、所定メモリ領域残量をサービス事業者サーバ30に通知してサービス事業者サーバ30を呼び出して記録された活動情報を送信するものとする。
【0060】
本人情報メモリ16には、本人情報が予め登録される。本人情報は、本人固有の情報であり、本人が自由に設定できるユーザ名、識別(ID)符号、パスワードなどと、本人しか持たず変更のない指紋、掌紋、顔相などの認証による生体認証など、従業員本人を識別できる情報であり、これと同一の情報は事業所端末20の従業員情報メモリにも転送又は直接入力により登録される。端末情報メモリ17には、端末情報が予め記録される。端末情報は、ネットワーク3に接続するための端末アドレス例えばIPアドレス、サービス事業者に対する会員符号などを含む。
【0061】
情報送受信制御手段18は、ユーザの入力データに基づいてネットワーク3を介する情報の授受を制御する。また、情報送受信制御手段18は、活動情報に対しては上述したように所定のメモリ残量をもって通知を受け、活動情報を送信する機能を有するが、更に、サービス事業者サーバ30のタイマより長い周期を有するタイマを有し、タイマ時限の到達でサービス事業者サーバ30を呼び出して記録された活動情報を送信するものとする。その手順は後にフローチャートを参照して説明する。ネットワークインタフェース19はネットワーク3と無線回線を介して接続する一方、内部バスとの相互接続に機能する。従業員端末10が自宅に設置されるスタンダローン型の場合、ネットワーク3とは、ケーブル接続されてよい。
【0062】
次に、図5のフローチャートに図2から図4までを併せ参照して本実施例での従業員端末10における主要動作手順について説明する。ここでは、本人情報が本人情報メモリ16に、また端末情報が端末情報メモリ17に、それぞれにおいてすでに登録されているものとする。
【0063】
まず、情報送受信制御手段18は、ネットワークインタフェース19を介してサービス事業者サーバ30から勤務予定日時に基づく勤務開始確認情報を受け付けた際には、本人情報メモリ16から本人情報を読み出して送信(手順S41)する。上記実施例で説明したように、サービス事業者サーバ30で本人情報が確認された場合、情報送受信制御手段18は、ネットワークインタフェース19を介してサービス事業者サーバ30から勤務予定場所に基づく位置情報送信要求を受け付けた際に、GPS11から位置情報を読み出して送信(手順S42)する。
【0064】
この手順S42に続いて、情報送受信制御手段18は、タイマの計測を開始すると共に活動情報メモリ15を駆動する。活動情報メモリ15は、活動情報収集記録手段14を駆動して活動情報検出発信手段13から活動情報を収集し記録(手順S43)する。このタイマ時限に到達(手順S44のYES)の際には、情報送受信制御手段18は、活動情報メモリ15に記録蓄積された活動情報をサービス事業者サーバ30へネットワークインタフェース19を介して送信すると共にタイマを初期化(手順S45)して、手順はタイマ計測を開始して活動情報を収集記録する手順S43に戻る。
【0065】
上記手順S44が「NO」で時限に未到達でも活動情報メモリ15のメモリ容量限度に到達(手順S46のYES)の場合、又はネットワークインタフェース19を介してサービス事業者サーバ30から活動情報の送信要求を受付け(手順S47のYES)の場合には、手順は上記手順S45を経て手順S43へ戻る。更に、上記手順S46及び手順S47が「NO」の状態で、従業員端末10の所持従業員から勤務終了情報の受付け無し(手順S48のNO)である限り、手順は、上記手順S44に戻り、以降の手順を繰り返す。
【0066】
上記手順S48が「YES」で勤務終了情報を受付けした場合、情報送受信制御手段18は、勤務終了情報と活動情報メモリ15に記録され残っている活動情報とをサービス事業者サーバ30へネットワークインタフェース19を介して送信すると共にタイマを含めて従業員端末10の設定を初期化(手順S49)し、手順を終了する。
【0067】
上述するように、勤務中又は作業中にその活動情報を連続して検出し発信する手段が多岐にわたる場合でも、従業員端末は簡素化が可能である。
【実施例4】
【0068】
次に、図6の機能ブロック図に図2を併せ参照して、事務所端末20の実施の一形態について説明する。事務所端末20は、管理者による使用される例えば卓上型のパーソナルコンピュータであり、プロセッサ、データ入力手段、データ画面表示手段などを含むが、これらは図示されていない。
【0069】
図示される事務所端末20は、従業員情報メモリ21、個人情報登録送信手段22、勤務予定登録送信手段23、活動状況受信登録手段24、情報送受信制御手段25、ネットワークインタフェース26、及びメモリ情報出力手段27を備える。
【0070】
従業員情報メモリ21は、上述したサービス事業者サーバ30の従業員情報メモリ31からデータ量が多大の活動情報領域を除いたものとほぼ同一であり、それぞれのメモリ領域に関する説明は省略する。
【0071】
個人情報登録送信手段22は、ユーザ管理者により入力される個人情報を受け付けて従業員情報メモリ21に登録すると共に、その個人情報をネットワークインタフェース26及びネットワーク3を介してサービス事業者サーバ30に送信する。勤務予定登録送信手段23は、従業員の勤務予定が決定した際に、その勤務予定をユーザ管理者により従業員情報メモリ21に登録すると共に、ネットワークインタフェース26及びネットワーク3を介してサービス事業者サーバ30に送信する。
【0072】
活動状況受信登録手段24は、サービス事業者サーバ30からネットワーク3及びネットワークインタフェース26を介して活動状況情報を受け、その活動状況情報を従業員情報メモリ21に登録する。活動状況情報には、勤務予定と勤務実績との比較結果情報、及び活動情報から得られる状況情報が含まれる。情報送受信制御手段25は、ユーザ管理者の入力データに基づいてネットワーク3を介する情報の授受を制御する。ネットワークインタフェース26は一方でネットワーク3と他方で内部バスとの相互接続に機能する。メモリ情報出力手段27はユーザ管理者の入力指示に基づき従業員情報メモリ21に記録されたデータを画面表示又は印字出力する。
【0073】
次に、図7の機能ブロック図に図2及び図6を併せ参照して、上述した事務所端末20に対応する機能を有するサービス事業者サーバ30の実施の一形態について説明する。サービス事業者サーバ30は、サービス提供事業者がサービス事業所に設置して管理する情報処理装置であり、プロセッサ、データ入力手段、データ画面表示手段などを含むが、これらは図示されていない。
【0074】
図示されるサービス事業者サーバ30は、従業員情報メモリ31、確認情報取得記録手段32、活動情報取得記録手段33、活動情報比較分析手段34、活動状況分析記録手段35、及び活動状況送信手段36を有し、例えばインターネット又はLANのようなネットワーク3に接続する。サービス事業者サーバ30は、従業員情報メモリ31に、従業員端末10から送信された活動情報を記録し、その活動情報をその活動終了の例えば勤務終了時点で活動状況に作成し記録保持した際、勤務実績と共に活動状況を事業所端末20に送信する。
【0075】
従業員情報メモリ31は、上記実施例1の図2で示したものと同一なので、ここでの説明は省略する。
【0076】
確認情報取得記録手段32は、会員符号及び個人情報を事業所端末20から予め受付けして登録し、勤務予定を事業所端末20から例えば前日にその翌日分について受付けし登録する。また、確認情報取得記録手段32は、勤務実績を従業員端末10から受付けして記録する。勤務実績を受付けした際には、勤務予定と比較し結果を記録して活動状況情報に反映させる。受付けし登録する際には、予め登録された個人情報の確認が実行される。
【0077】
活動情報取得記録手段33は、タイマと連動し、予め定められた時間間隔で定期的に従業員端末10を呼び出し、従業員端末10に記録された活動情報を取得して従業員情報メモリ31に順次記録する。従業員端末10から呼び出しを受けて送信された活動情報も、活動情報取得記録手段33が受付けして記録する。
【0078】
活動情報比較分析手段34は、従業員端末10から勤務終了通知を受けた際に従業員情報メモリ31から該当領域の勤務予定、勤務実績及び活動情報を呼び出し、勤務予定及び勤務実績の比較結果情報と活動情報から得られる状況情報とを含む所定の活動状況情報を作成する。状況情報は、例えば活動情報の実績を予め登録された正常な活動情報と比較した結果情報であり、異常実績を発生した場合を除き、そのデータ量が微々たるものになるように図られている。
【0079】
活動状況分析記録手段35は活動情報比較分析手段34により作成された活動状況情報を従業員情報メモリ31に記録し、活動状況送信手段36が関連の事業所端末20を呼び出して記録された活動状況情報を送信する。
【0080】
次に、図8A及び図8Bのフローチャートに図2から図7までを併せ参照して本実施例でのサービス事業者サーバ30における主要動作手順について説明する。ここでは、確認情報取得記録手段32により事業所端末20から取得された会員符号、個人情報及び勤務予定情報が、従業員情報メモリ31に既に登録されているものとする。
【0081】
まず、サービス事業者サーバ30は、プロセッサにより従業員情報メモリ31の勤務開始予定日時を時刻で監視(手順S51)している。勤務開始予定日時に到達した際、サービス事業者サーバ30は勤務開始確認情報を従業員端末10に送信(手順S52)する。サービス事業者サーバ30は、従業員端末10から本人情報が返事として送信されてくるのでこれを受付け、従業員情報メモリ31の個人情報と照合(手順S53)する。
【0082】
受付けされた本人情報が登録された個人情報と一致(手順S54のYES)の際、サービス事業者サーバ30は位置情報送信要求を従業員端末10に送信(手順S55)する。この返事として従業員端末10から位置情報が送信されてくるのでこれが受付けされ、従業員情報メモリ31の作業予定場所情報と照合(手順S56)する。送信を受け付けた位置情報が従業員情報メモリ31の登録情報と一致(手順S57のYES)の際、勤務又は作業が開始されるので、その時刻に基づく開始日時の実績情報が従業員情報メモリ31に記録(手順S58)され、作業の開始が確定する。
【0083】
上記手順S54又は手順S57が「NO」で受付け情報が登録情報と不一致の場合、異常状態なので、サービス事業者サーバ30は従業員端末10へ情報不一致情報を送信し、異常状態を表示(手順S59)する。
【0084】
上記手順S58の作業開始時刻の決定により、サービス事業者サーバ30では、活動情報取得記録手段33がタイマの計測を開始(手順S61)し、タイマ時限未達(手順S62のNO)で活動情報受付けも無し(手順S63のNO)でかつ勤務終了情報受付けも無し(手順S64のNO)の場合、上記手順S62に戻って手順を繰り返す。
【0085】
上記手順S62が「YES」でタイマ時限に到達の場合、活動情報取得記録手段33が活動情報送信要求を従業員端末10に送信してタイマを初期化(手順S65)する。こののち、活動情報取得記録手段33は、活動情報を受け付けるのでこれを従業員情報メモリ31に記録(手順S66)すると共にタイマの計測を開始する上記手順S61に戻り、手順を繰り返す。上記手順S66で活動情報の受付けがない場合、図示されていないが、障害検出用タイマにより障害検出として所定の動作が実行される。
【0086】
上記手順S63が「YES」で従業員端末10から活動情報を受け付けることは、上述した実施例では、活動情報取得記録手段33のタイマが異常状態の場合であるが、活動情報取得記録手段33はタイマを初期化した後、受付けした活動情報を従業員情報メモリ31に記録(手順S67)して上記手順S61に戻り、手順を繰り返す。
【0087】
上記手順S64が「YES」で勤務終了情報を受付けした場合、活動情報取得記録手段33は、タイマを初期化した後、同時に活動情報を受付けした際にはその受付けした活動情報を従業員情報メモリ31に記録(手順S68)する。次いで、活動情報取得記録手段33は、勤務終了情報と時刻情報とから作業終了日時の実績を従業員情報メモリ31に記録(手順S69)する。ここで、活動情報比較分析手段34が従業員情報メモリ31に記録された活動情報及び勤務実績を比較分析して活動状況情報を作成し、活動状況分析記録手段35が従業員情報メモリ31に記録(手順S70)する。この活動状況情報が活動状況送信手段36により呼び出された関連する事業所端末20へ送信(手順S71)されて、手順は終了する。
【0088】
このような構成を採用したので、管理者端末の構成に負担をかけることなく、勤務中及び作業中における詳細な活動情報を従業員端末から収集して記録し、活動状況情報に集約することができる。従って、従業員端末及び管理者端末の構成を簡素化でき、かつ勤務及び作業の時間中の行動及び態度を容易に把握することができるので、従業員の管理に大いに役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0089】
個人の活動中における状況を、作業機器稼動情報、カメラ画像情報、対話音声情報、生体歪情報、脳波情報などのうちの一つ又はそれらの組み合わせにより、容易に検出し収集することができ、活動状態を把握することによって個人の管理が必要かつ不可欠な、特に個人の健康管理又は勤勉管理への用途に適用可能である。
【0090】
例えば、サービス事業者が、事業所に所属している従業員等のうち、勤務地が事業所ではない従業員等の勤怠データ(例えば、時間、場所、本人性などを確認するデータ)及び勤務状況データ(例えば、情報処理端末の稼動率、本人の脳波データなど)を取得することで、そのデータを利用して従業員の健康障害を防止することに役立てることができる。
【0091】
更に、生徒の勤勉管理としては、教師が、学校等に所属している生徒のうち、勤勉場所が学校等ではない生徒の出席データ(例えば、時間、場所、本人性などを確認するデータ)及び勤勉状況データ(例えば、情報処理端末の稼動率、本人の脳波データなど)を取得することで、そのデータを利用して生徒の勤勉管理に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】個人端末による個人管理システムの実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。(実施例1)
【図2】従業員管理に適用した個人管理システムの実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。(実施例2)
【図3A】図2における従業員管理システムの主要動作手順の実施の一形態をシーケンスチャートで示した説明図である。(実施例2)
【図3B】図3Aに続く主要動作手順を示した説明図である。(実施例2)
【図4】図2の従業員端末の実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。(実施例3)
【図5】図4の従業員端末の主要動作手順の実施の一形態をフローチャートで示した説明図である。(実施例3)
【図6】図2の事業所端末の実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。(実施例4)
【図7】図2のサービス事業者サーバの実施の一形態を機能ブロックで示した説明図である。(実施例4)
【図8A】図7のサービス事業者サーバの主要動作手順の実施の一形態をフローチャートで示した説明図である。(実施例4)
【図8B】図8Aに続く主要動作手順を示した説明図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0093】
1 個人端末
2 管理者端末
3 ネットワーク
10 従業員端末
11 GPS
12 標準電波受信器
13 活動情報検出発信手段
14 活動情報収集記録手段
15 活動情報メモリ
16 本人情報メモリ
17 端末情報メモリ
18 情報送受信制御手段
19、26 ネットワークインタフェース
20 事務所端末
21 従業員情報メモリ
22 個人情報登録送信手段
23 勤務予定登録送信手段
24 活動状況受信登録手段
25 情報送受信制御手段
27 メモリ情報出力手段
30 サービス事業者サーバ
31 従業員情報メモリ
32 確認情報取得記録手段
33 活動情報取得記録手段
34 活動情報比較分析手段
35 活動状況分析記録手段
36 活動状況送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者が所管の個人を管理する個人管理方法において、情報処理システムを用い、個人が使用する個人端末は当該個人が活動中の活動情報を時系列で収集して前記管理者が使用する管理者端末に向けネットワークを介して送信し、前記管理者端末は送信された前記個人の活動情報又はこの活動情報から作成された活動状況情報を管理者に提供することにより、管理者が所管の個人を管理することを特徴とする個人管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の個人管理方法において、個人の活動情報は、個人の作業中における使用機器の稼動情報、当該個人を写す画像情報、当該個人から見た画像情報、対話音声情報、生体運動情報、脳波情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする個人管理方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の個人管理方法において、更に、ネットワークに接続する事業者サーバを備え、前記個人端末は個人の活動情報をその活動の開始から終了まで前記事業者サーバに送り、当該事業者サーバは受けた活動情報を収集し、その活動終了の際に収集された活動情報を分析して所定の活動状況情報に作成し前記管理者端末に送信することを特徴とする個人管理方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの一つに記載の個人管理方法において、前記個人端末から活動情報を得る際には予め登録された本人確認のための個人情報を照合することを特徴とする個人管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の個人管理方法において、前記個人情報は、識別コード、パスワード、および本人性のうち少なくとも一つを含み、前記本人性は生体認証であることを特徴とする個人管理方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの一つに記載の個人管理方法において、個人活動は、その位置とその開始時刻および終了時刻とを確認し、予定がある場合にはその比較を活動状況情報に加えることを特徴とする個人管理方法。
【請求項7】
ネットワークに接続して情報処理システムを構成する情報処理装置を用いて、管理者が所管の個人を管理する個人管理システムにおいて、
個人が使用するものであって、前記個人が活動中の活動情報を、ネットワークを介して送信する個人端末と、
管理者が使用するものであって、ネットワークを介し受信した前記個人の活動情報を収集かつ分析し、その結果を活動状況情報として、管理者が所管の個人の活動状況を管理するため、管理者に提供する管理者端末と
を備えることを特徴とする個人管理システム。
【請求項8】
ネットワークに接続して情報処理システムを構成する情報処理装置を用いて、管理者が所管の個人を管理する個人管理システムにおいて、
個人が使用するものであって、前記個人が活動中の活動情報を、ネットワークを介して送信する個人端末と、
サービス事業者が使用するものであって、ネットワークを介し受信した前記個人の活動情報を収集かつ分析し、その結果を活動状況情報として、ネットワークを介して送信する事業者サーバと、
管理者が使用するものであって、ネットワークを介して前記活動状況情報を受信し、管理者が所管の個人の活動状況を管理するため管理者に提供する管理者端末と
を備えることを特徴とする個人管理システム。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の個人管理システムにおいて、個人の活動情報は、個人の作業中における使用機器の稼動情報、当該個人を写す画像情報、当該個人から見た画像情報、対話音声情報、生体運動情報、脳波情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする個人管理システム。
【請求項10】
請求項7から請求項9までの一つに記載の個人管理システムにおいて、前記個人端末から活動情報を得る際には予め登録された本人確認のための個人情報を照合することを特徴とする個人管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の個人管理システムにおいて、前記個人情報は、識別コード、パスワード、および本人性のうち少なくとも一つを含み、前記本人性は生体認証を含むことを特徴とする個人管理システム。
【請求項12】
請求項7から請求項11までの一つに記載の個人管理システムにおいて、個人活動は、その位置とその開始時刻および終了時刻とを確認し、予定がある場合にはその比較を活動状況情報に加えることを特徴とする個人管理システム。
【請求項13】
ネットワークに接続して情報処理システムを構成し、管理者が所管の個人を管理する個人管理システムで、個人が用いる個人端末おいて、
前記個人が活動中の活動情報を記憶する活動情報メモリと、
使用する個人を識別する情報を記憶する本人情報メモリと、
前記個人端末独自に付与された端末情報を記憶する端末情報メモリと、
前記個人端末の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記個人端末の時刻情報を取得する時刻取得手段と、
前記個人が活動中の活動情報を検出して発信する活動情報発信手段と、
前記活動情報を収集し前記活動情報メモリに記録する活動情報収集記録手段と、
所定時期に、システム構成に従った所定の宛先にネットワークを介して各種データ情報を送信する送信制御手段と
を備えることを特徴とする個人端末。
【請求項14】
請求項13に記載の個人端末において、前記活動情報は、前記個人端末を含む個人使用中機器の稼動情報であることを特徴とする個人端末。
【請求項15】
請求項14に記載の個人端末において、前記個人使用中機器の稼動情報は、当該個人を写す画像情報、当該個人から見た画像情報、対話音声情報、生体運動情報、脳波情報であることを特徴とする個人端末。
【請求項16】
請求項15に記載の個人端末において、個人端末がヘルメット又はヘッドセットの形体をなし、前記画像情報、音声情報、生体情報を検出して発信する活動情報発信手段を内蔵することを特徴とする個人端末。
【請求項17】
請求項15に記載の個人端末において、前記画像情報、音声情報、又は生体情報を検出して発信する活動情報発信手段は、個人端末の本体と離れて備えられ、近距離無線通信により前記活動情報収集記録手段に活動情報を送信することを特徴とする個人端末。
【請求項18】
請求項13から請求項17までの一つに記載の個人端末において、活動情報収集記録手段は前記活動情報を個人の活動中継続して収集し、前記送信制御手段は、前記活動情報を、ネットワークを介して所定時期に送信することを特徴とする個人端末。
【請求項19】
請求項18に記載の個人端末において、前記送信制御手段が前記活動情報を送信する所定時期は、ネットワークを介して送信要求を受けた際、自己の個人端末内部に予め設定されたタイマで指示された際、及び前記活動情報メモリの記憶領域が所定量に達した際のうちのいずれか一つであることを特徴とする個人端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate


【公開番号】特開2007−148902(P2007−148902A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343997(P2005−343997)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】