個別成型可能手首用添え木
支持対象の手と手首の形状に個別成型される手首用添え木構造体である。手首用添え木体は、手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを含んでいる。第1及び第2添え木体それぞれは添え木体の長手軸方向に向かって内側に曲がって延び、母指と、関連する手根中手関節の動きを容易にさせる凹状側縁部を提供する。添え木体のそれぞれは、内クッション層、内クッション層に重なる当初はフレキシブルな中間層及びフレキシブルな外層を含んでいる。中間層は、硬化して、手と手首に形状一致するフレキシブルな内クッション層を維持するように成型形状を保つ剛質構造体を形成するための湿気硬化性樹脂を含浸させた基材である。支持体は、添え木構造体の使用中に、第1及び第2添え木体を手と手首上の定位置に保つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は整形外科医療に関し、特に個別成型可能な手首用添え木及び手根管症候群の緩和と治療のための添え木の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手根管症候群は正中神経への慢性的な刺激によって生ずる。前腕の筋肉を手指に接続する正中神経及び腱は手根管を通る。手根管は手首と横手根靱帯の8つの手根骨によって提供される通路であり、有鉤骨の鉤部と稜形骨の結節とを内接続している。手根管症候群は通常は腱の膨張によって正中神経が手根内に圧縮された結果生じる。この圧縮が正中神経を神経上部に位置する横手根靱帯を圧迫する。
【0003】
正中神経は掌と指からの感覚を伝達する。継続した正中神経の圧縮は正中神経を徐々に悪化させ、手指にしびれや痛みを引き起こす。この圧縮は腕や肩の痛みを引き起こすことがある。治療せずにおくと、手根管症候群は筋力低下や筋萎縮を引き起こすことがある。
【0004】
手根管症候群の原因には様々な説があるが、手首を伸ばす強制運動を必要とする手や手首の反復的使用によるとされている。このような運動には例えばキーボードあるいはドライバーの使用が含まれる。妊娠中の女性及び糖尿病や甲状腺機能低下症の人は手根管症候群になる危険性が高い。
【0005】
手根管症候群の深刻なケースでは、コルチコステロイドを患部神経に注射する治療が行われる。正中神経を圧迫する腱帯を開放する「手根管開放」と言われる外科手術によっても治療される。手根管症候群の深刻なケースは薬学的あるいは外科的介入を必要とするが、初期症状の段階で治療が開始された時には、殆どのケースは簡単な方法で解決できる。初期治療には、手と手首に添え木をして筋肉を支える方法がある。手首の休息と、症状に関連すると疑われる環境因子の改善又は除去(例:コンピュータキーボードの配置替え)とを組み合わせた治療法により、注射あるいは外科手術が不要となることが多い。
【0006】
従来の添え木は、肌付近に軟質要素を含み、硬質な殻状の外側カバーを含んでいる。軟質要素の目的は、患部組織にクッションを提供するためだけでなく、患者によって異なる組織の大きさと形状に対応するためでもある。その他の添え木は手袋状のデザインで、手と手首を所望の位置で保持するため、曲げることができるプラスチックや金属で提供される。
【0007】
従来の添え木には、熱硬化性素材から成るものやこれを含むものがある。この素材は先ず加熱され、その後素材がまだ温かいうちに手と手首形に成型される。熱硬化性素材の添え木は熱源なしで使用することができず、添え木は熱の過不足の影響を受けやすい。さらに、体熱が添え木を柔らかくすることがあり、少なくとも添え木の柔軟性を高めて保護機能を減少させることがある。
【0008】
本発明は、ユニバーサルデザインから成り、個別の患部形状整合する手と手首用添え木を提供することで従来の添え木の問題点を克服する。本発明は、成型形状を保持する非常に頑丈な添え木となる湿気硬化性樹脂を利用する。熱を必要とせず、硬化させるためには水のみを必要とする。空気中の水分だけでも比較的短時間で添え木を硬化させるが、通常は水に浸して樹脂を硬化させる。
【0009】
本発明の添え木は安価で、製造が簡単であり、装着が簡単で着用感が良い。添え木は1形状で1サイズであるので、病院、診療所、救急治療機関等は簡単で経済的に添え木の在庫を維持することができる。
【0010】
手首の背側のみに使用される従来の添え木と比較して、本発明による添え木はペアで使用することができる。2つの添え木−1つは背側用で1つは掌側用−は手と手首に個別フィットし、患部の4部位固定を達成する。ペアで使用される他の添え木とは異なり、本発明の添え木は母指と、関連手根中手骨関節を収納し、これらの動きを可能にすると同時に、第2から第4手骨の頭部と、関連中手骨と指節間の関節に高いサポート性を提供する。よって患部により高いサポート機能を提供し、手と手首の残余動作程度を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的の1つは、左右の交換が可能な2体の添え木体を有する手首用添え木構造体を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、患者自身によって容易に装着及び取り外しができる添え木構造体を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、個別形状へ硬化させる前に、一方の手の背側と他方の手の掌側が交換可能な手首用添え木体を含んだ手首用添え木構造体を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、第2から第4手骨の頭部と、関連する手根と手指の関節に、より高いサポート性を提供しつつ、母指と、関連する手根中手骨関節の動作性を高めることができる手首用添え木構造体を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、添え木が保護対象身体部位に使用されるまでの間、別体の硬化遅延性内側パッケージに収納され、湿気遮断性外側ポーチに密封保存される手首用添え木を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、取り外しや使用が簡単な単体湿気遮断性パッケージに密閉保存されている2体以上の添え木を含む手首用添え木構造体を提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、湿気に触れると硬化する、非常に軽量な保護添え木を形成する手首用添え木体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の目的は、支持される手や手首に合わせて個別成型される手首用添え木構造体を提供する好適実施例によって達成される。手首用添え木構造体は、手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを含む。第1添え木体と第2添え木体のそれぞれは、添え木体の長手軸方向に向かって内側に曲がって延び、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にさせる凹状側縁部を提供する。第1及び第2添え木体のそれぞれは、手と手首上に位置し、手と手首の形状に一致する内クッション層と、内クッション層に重なる当初はフレキシブルな中間層をさらに含んでいる。中間層は湿気硬化性樹脂を含浸させた素材であり、硬化して剛質構造体を形成し、剛質構造体は手と手首に形状一致する柔軟な内クッション層を維持するように成型形状を保持する。第1及び第2添え木体のそれぞれは、内層、中間層及び外層を単体構造で形成するため、中間層を囲む内クッション層に取り付けられた、中間層に重なり柔軟な外層をさらに含んでいる。手首用添え木構造体は、構造体を使用中に第1及び第2添え木体を手と手首上に保持するための支持体をさらに含んでいる。
【0019】
本発明の1好適実施例によると、支持体は外面部と第1及び第2端部とを有する長形ストラップ体である。ストラップ体の第1端部は、第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられるファスナー体に取り外し可能に取り付けられる。ストラップ体の第2端部は、ストラップ体の外面に取り外し可能な状態で取り付けられるため、手と手首に対して第1及び第2添え木体を固定するようにストラップ体が手首を囲むことができる。
【0020】
本発明の別の好適実施例によれば、支持体は、外面と第1及び第2端部とを有する第2長形ストラップ体をさらに含んでいる。第2ストラップ体の第1端部は、第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられる第2ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられる。第2ストラップ体の第2端部は第2ストラップ体の外面に取り外し可能な状態で取り付けられるため、手と手首に対して第1及び第2添え木体を固定するように第2ストラップ体が手首を囲むことができる。
【0021】
本発明のさらに別の実施例によれば、支持体は、外面と第1及び第2端部とを有する第3長形ストラップ体をさらに含んでいる。第3ストラップ体の第1端部は、第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられる第3ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられる。第3ストラップ体の第2端部は第3ストラップ体の外面に取り外し可能な状態で取り付けられるため、手と手首に対して第1及び第2添え木体を固定するように第3ストラップ体が手を囲むようになっている。
【0022】
本発明のさらに別の実施例によれば、ファスナー体、第2ファスナー体及び第3ファスナー体はフック(かぎ状)素材でできたパッチ体である。
【0023】
本発明のさらに別の実施例によれば、ストラップ体の外面、第2及び第3ストラップ体はループ(輪状)素材で形成される。
【0024】
本発明のさらに別の実施例によれば、支持体は、着用中に着用者の手や手首を囲んで定位置に保持するため、添え木体の外層に取り付けられた複数のファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられた複数の長形ストラップ体を含んでいる。
【0025】
本発明のさらに別の実施例によれば、着用中に手や手首に対して第1及び第2添え木体を定位置に保持するようにストラップ体の外面と係合させるため、それぞれのストラップ体は、ストラップ体の端部に取り付けられたループ素材のパッチ体を含んでいる。
【0026】
本発明のさらに別の実施例によれば、手首用添え木構造体は、添え木体の1つを使用するために、ポーチを開封するまでの間、湿気のない環境で、第1及び第2添え木体がフレキシブルな状態に保たれる湿気遮断性ポーチを含んでいる。
【0027】
本発明のさらに別の実施例によれば、外側湿気遮断性ポーチは、少なくとも1層のプラスチックフィルムとそのプラスチックフィルムに接合された少なくとも1層のアルミフォイルを有する積層構造で形成される。
【0028】
本発明のさらに別の実施例によれば、基材は複数のファイバーグラスの上張り層を含んでいる。
【0029】
本発明のさらに別の実施例によれば、複数のファイバーグラスの上張り層は少なくとも5層で、7層以下であることを特徴とする。
【0030】
本発明のさらに別の実施例によれば、手首用添え木体製品は支持対象の手及び手首に合わせて個別成型されるように提供される。手首用添え木体製品は第1及び第2添え木体を含む。第1及び第2添え木体のそれぞれは、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを高めるように、添え木体の長手軸方向に向かって内側へ延びる凹形側端部を提供する。それぞれの添え木は湿気硬化性樹脂を含浸させた布で形成され、硬化して成型形状を保持する布の剛質構造体を形成する。添え木体製品は、湿気透過遅延性を有するプラスチックで成る第1及び第2内側保存ポーチをさらに含んでおり、第1又は第2添え木体の1つは、第1及び第2保存ポーチのそれぞれ1方と、第1及び第2添え木体が保護対象の身体部位に使用されるまでの間、第1及び第2添え木体とそれぞれの第1及び第2内側保存ポーチが湿気のない状態で収納されている単体の外側湿気遮断性保護ポーチに密封されている。
【0031】
本発明のさらに別の実施例によれば、外側湿気遮断性ポーチは少なくとも1層のプラスチックフィルムと、そのプラスチックフィルムに接合された少なくとも1層のアルミフォイルを有する積層構造で形成されている。
【0032】
本発明のさらに別の実施例によれば、プラスチックフィルムの厚みは2ミルでアルミフォイル層の厚みは0.5ミルである。
【0033】
本発明のさらに別の実施例によれば、外側湿気遮断性ポーチはナイロンフィルムの積層を含んでいる。
【0034】
手首用個別成型添え木の形成方法の1好適実施例は、手と手首の掌側に第1添え木体を提供するステップと、手と手首の背側に第2添え木を提供するステップとを含む。第1及び第2添え木体のそれぞれは多層の保護パッドを湿気遮断性保存パッケージ内にフレキシブルな状態で含んでおり、使用までの間湿気の侵入を防ぐようにパッケージ内に密封収納されている。第1及び第2添え木体のそれぞれは、添え木体が使用される手の母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にするように、添え木体の長手軸方向に向かって内側へ延びる凹状側縁部を提供し、手と手首に形状一致する内クッション層と、内クッション層に重なり当初はフレキシブルな中間層とを含んでいる。中間層は、湿気硬化性樹脂を含浸させた基材を含み、硬化して剛質構造体を形成し、剛質構造体は手と手首に形状一致するフレキシブルな内クッション層を維持するように成型形状を保持する。第1及び第2添え木体のそれぞれは、内層、中間層及び外層を単体形状に形成するために中間層を囲む内クッション層に取り付けられた内層に重なりフレキシブルな外層をさらに含んでいる。支持体は、使用中に添え木体を定位置に保持するための第1及び第2添え木体に支えられている。この方法は、第1及び第2添え木体の予め選択された1つを保存パッケージから取り出すステップ、湿気硬化樹脂を活性化させるに充分な量の湿気に添え木体をさらすステップ、添え木体を手と手首に取り付けるステップ、及び、パッド体を手と手首に形状一致する剛質な支持形状へと硬化させるために充分な時間に渡って添え木体に圧力をかけるステップをさらに含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明のその他の特徴は、添付の図面によってさらに明確になるであろう。
図1において符号10で示される本発明の好適実施例による手首用添え木構造体について説明する。添え木構造体10は、図10から図13においてさらに詳説する2体の添え木体11及び12を含み、着用者の手と手首の背側及び掌側に形状一致するように成型される。添え木体11と12は、ストラップ体15によって保持される。
【0036】
図1の添え木体11及び12は、長形下端部18と19とそれぞれ一体的に形成される上端部16と17を含んでいる。上端部16と17は、下端部18と19よりも幅が広く、丸形で凸状の側端部20と21をそれぞれ提供する。図2及び図3で示すように、幅広で丸形の側端部20と21によって、上端部16と17が、添え木体11と12との間に位置される手の第2から第4中手を覆って支持できるようになっている。
【0037】
図1の添え木体11と12の下端部18と19及び上端部16と17は、それぞれの側端部22と23によって相互接続されている。側端部22と23は、丸形側端部20と21とそれぞれ一体成型されている。側端部22と23は添え木体11と12それぞれの長手軸に対して内側にカーブしており、凸形領域24と25を提供する。図2と図3で図示するように、凸形領域24と25はそれぞれの上端部16と17に隣接しており、手根中手骨関節(“CM”)と、着用者の親指“T”の関連構造部が自由に動くことができる開口スペースを集合的に提供する。
【0038】
図1の添え木構造体15は細ストラップ体26と2本の幅広ストラップ体27と28を含んでいる。ストラップ体26,27及び28それぞれは緩い繊維製のカバー30と31(繊維製のカバー31は図2で示す)から成る2面のニット材あるいは織物材で形成されることが望ましい。繊維材のパッチ体32,33及び34はストラップ体26,27及び28の一端にそれぞれ接続されており、フック素材のパッチ体35,36及び37はストラップ体26,27及び28の反対側の端部に取り付けられている。
【0039】
図2から図5は、添え木体11と12を保持するために、ストラップ構造体15が着用者の手と手首の周りを囲む状態を示す。図2で示すように、ストラップ体26,27及び28は、先ず繊維製のパッチ体32,33及び34(図1)をそれぞれ、添え木体12のフック素材38の3つの同形状パッチ体のそれぞれに取り外し可能な状態で取り付けることによって、添え木体11と12を着用者の手と手首に保持するために使用される。図3で示すように、ストラップ体26,27及び28のそれぞれは、添え木体11上と着用者の前腕の周りに巻き付けられ、ストラップ体26,27及び28のそれぞれの繊維製カバー30を、添え木体12(図1)の3つの同形状のフック素材のパッチ体39の1つにそれぞれ取り外し可能な状態で取り付ける。図2で示すように、ストラップ体26,27及び28は着用者の前腕に再度巻き付けられ、フック素材のパッチ体35,36及び37は、ストラップ体25,26及び27それぞれの繊維製カバー31に取り外し可能な状態で取り付けられる。この位置で、フック素材のパッチ体35,36及び37は、繊維製パッチ体32,33及び34をそれぞれ覆う状態となる。
【0040】
ストラップ体26,27及び28は、添え木体11と12の周りにあらゆる適切な状態に巻くことができるが、ストラップ体26がそれぞれの上端部13と14を、及びストラップ体27と28がそれぞれの下端部15と16を囲むことができるように、ストラップ体26,27及び28は、添え木体11と12の周囲にあることが望ましい。これによって患部の4部位固定を達成することができる。
【0041】
図2と図3で示す添え木構造体10は、手と手首の掌側の添え木体11、及び手と手首の背側の添え木体12と共に左手に取り付けられているが、添え木体11と12とを交換することができ、反対側の手に取り付けてもよい。図4は、手と手首の掌側の添え木体12と手と手首の背側の添え木体11と共に右手に取り付けられた添え木構造体10を示している。
【0042】
添え木体11と12はキラル体である:これらは互いに重ねることができない。これは、添え木体11と12それぞれの上端部16と17、及び凸領域24と25のユニークな形状のためである。図6で詳説するが、添え木体11と12の両面には異なる素材が用いられ、キラル性、並びに手と手首に添え木体11と12が取り付けられる位置数の制限に貢献している。特に添え木体11は、着用者の左手の掌側(図2及び図3)、あるいは右手の背側(図4)に取り付けるように成型できる。対照的に、添え木体12は、着用者の左手の背側(図2及び図3)あるいは右手の掌側(図4)に取り付けるように成型できる。
【0043】
図2から図4は、患部の手と手首に同時に取り付けられている添え木体11と12を示しているが、添え木体11と12を常に一対で使用する必要はない。図5は、着用者の掌側に取り付けられ、ストラップ構造体15で保持されている単体の添え木体11を示す。
【0044】
図6から図8では、添え木体11と12を形成する部材について説明している。添え木体11を代表例として、図6では着用者の手の形状に成型される前の添え木体11を示す。添え木体11は、フック素材とループ素材の(面ファスナー材)3つのパッチ体38が縫い付けられた布製の覆いで形成される外層40を含んでいる。その他のあらゆる適切な材料を用いることもできるが、外層40はポリエステル布で形成されることが望ましい。
【0045】
図7は、フレキシブルな内クッション層41を含む添え木体11を示す。内クッション層41は積層された1/8インチ、4ポンドEVA(エチレン ビニル アセテート)の微少穿孔独立気泡フォーム体であることが望ましい。EVAはフレキシブルであるので、添え木体11のその他の構成要素と共に容易に折り曲げることができる。内クッション層41は保護対象の身体部位に最も近い位置に取り付けられ、肌に快適な面を提供する。図6で示すように、内クッション層41は複数の通気孔41Aを間隔を空けて含んでいる。通気孔41Aは、硬化中に水分が添え木体11を迅速に通り抜けることができるように、水分を迅速にクッション層41へ通過させるようになっている。孔41Aはさらに、着用時の添え木体11の通気性や冷却性を向上させる。
【0046】
図8では、添え木体11はフレキシブルな中間層43をさらに含んでいる。中間層43は、外層40と内クッション層41とに挟まれている。中間層43は、硬化して成型された手と手首の形状を保持する剛体構造体を形成する湿気硬化性樹脂を含浸させたファイバーグラス織物層43Aで形成されるのが望ましい。あらゆる適切な数の織物層を使用することができるが、中間層43は3層から7層であることが望ましい。図6から図8で示す発明では6層である。
【0047】
中間層43を形成するその他の適切な材質12は、NEXTEL440の商品名でサーモスタティックインダストリー社から販売されている、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ホウ素の組成物から成る材質が含まれる。
【0048】
43Aから43Fのファイバーグラス織物層のそれぞれには、米国特許第4770299号で説明されるポリイソシアネート樹脂等の湿気硬化性樹脂が含浸されているか、あるいはコーティングされている。この樹脂は、湿気の無い環境では安定しており、充分な湿気に触れると硬化して剛質構造体を形成する反応樹脂を利用して合成されている。この反応樹脂の典型的な組成は以下のようになっている。
【0049】
組成例:
Isonate↓143L または
Mondur↓CD または ポリイソシアネート 50.0%
Rubinate↓XI168
Pluracol↓P1010 ポリオール 46.6%
DC−200シリコーン 泡止め剤 0.30%
塩化ベンゾイル 安定剤 0.10%
Thancat↓DM−70 触媒 3.0%
100%
反応樹脂の完全なパラメータ、製造方法並びに変化例は、米国特許第4411262号で述べられている。
【0050】
ポリイソシアネート樹脂は、樹脂が湿気にさらされない限り粘性状態のままである。このため中間層43は、樹脂が湿気にさらされない間、及び湿気にさらされた後短時間はフレキシブルで成型可能である。樹脂が硬化する速度は、樹脂がさらされる水分量を調節することで制御することができる。樹脂を水中に短時間浸すと迅速に硬化する。対照的に、樹脂を空気にさらすだけでも、樹脂がさらされる空気の水分量に比例してかなり遅い速度で硬化する。
【0051】
本発明のその他の実施例では、特にファイバーグラス以外の材質が使用される場合には、中間層43は単体層で形成される。中間層を形成する1好的代替材質は60体積%のプラスチック微粒子で満たされたスチレン溶解性バインダーを組み入れたランダムに重ねられた非連続ポリエステル不織布のシングルプライ布がよい。このような織物は、バルテック(Baltek)社からFIRET COREMAT XM商標で販売されている。この織物には2mm厚,3mm厚及び4mm厚のものがある。その他にはFIRET COREMAT XX商標及びFIRET COREMAT XW商標で販売されているものも使用できる。これらは50体積%のプラスチック微粒子で満たされている。
【0052】
その他の適切な製品は、BAKTEKMAT T−2000の商標で販売されている、低密度の不織布連続ストランド織物を含む。この製品はFIRET COREMAT製品と一般的に類似した特徴を有するが、少量では一般的に利用できない。上述のように、これらの代替材質のいずれかの単層が必要である。その他の代替材質は、ポリプロピレン糸の織物材あるいはニット材である。このような織物は、硬化後にファイバーグラス織物と比べてよりフレキシブルで、添え木体11と12の製造コストを削減する。
【0053】
本発明の個々のファイバーグラス織物層43Aから43Fは形状に型抜きされていることが望ましい。さらに、織物層43Aから43Fそれぞれは同幅であることが望ましい一方、43A層から43F層は異なる幅であってもよい。異なる幅によって生ずる重なり部と非重なり部の程度は、硬化後に中間層43に異なる厚みを提供し、厚い領域には剛質性が望まれ、薄い領域にはフレキシブル性が望まれる。織物層43Aから43Fの幅の相違状態については出願人の米国特許第5755678号で説明されている。
【0054】
図8で示すように、外層40と内クッション層41は、縫い目45によって周辺で接合され、外層40とクッション層41の間の中間層43Aから43Fを収納する。外層40とクッション層41は、オーバーエッジ縫いあるいはサージ縫いによって縫い合わされていることが望ましい。外層40とクッション層41は熱可塑性を有しており、外層40とクッション層41は超音波溶着を用いて縁周りで交互に接合されている。超音波溶着は、従来の縫製技術では困難である堅固な角部と曲線部を添え木体11に形成するため、特に効率の良い接合方法である。超音波接合あるいはその他適切な接着剤を用いて中間クッション層43を外層40とクッション層41の間に収納してもよい。
【0055】
図9は本発明の1好適実施例による添え木体製品50を示す。添え木体製品50は、外側湿気遮断性フォイルと積層ポーチ51を含んでいる。図10で詳説するが、ポーチ51は本発明の手首用添え木体が湿気の無い状態で封印されている最も外側の保護収容体である。外側ポーチ51の積層構造はあらゆる適切な湿気遮断性材質で形成されることができるが、ポーチ51は2層の低密度ポリエチレンフィルムに挟まれた0.5ミルフォイルシートで形成されることが望ましい。ポリエチレンフィルムのそれぞれの層は厚みが2.0ミルである。ポーチ51は積層の60ゲージ2軸ナイロンフィルムの外層を選択的に含んでもよい。適切に封止されていれば、ポーチ51の積層構造は湿気の侵入を無期限に防ぐ。
【0056】
図10は、外側ポーチ51の内容物を示している。ポーチ51は、添え木体54と55がそれぞれ収納されている2つの内側湿気遅延性ポーチ52と53を含む。添え木体54と55は同じ材質から形成されており、添え木体11と12と同じ構成要素をそれぞれ含んでいる。これらはあらゆる適切な湿気遮断性材質から形成することができるが、内側ポーチ52と53は1.5ミル低密度ポリエチレンから形成されることが望ましい。厚みが4.0ミルまでの低密度ポリエチレンを使用することもできる。ポーチ52と53は、水分が通過できるように充分に薄く、多くの孔を有するが、添え木体54と55の硬化がかなり遅くなるように直接空気中の湿気に直接さらした場合と比べて、水分の通過は明らかに遅くなる。
【0057】
添え木体54と55は、外側ポーチ51に密閉収納される直前に、内側ポーチ52と52内それぞれの湿気の無い環境で密閉収納される。ポーチ11内で内側ポーチ14と15をこの状態で封止することで、添え木体54と55に無期限の有効性を提供する。
【0058】
図11は、添え木体製品50が使用される時に、外側ポーチ51が鋏あるいはナイフでカットされ、内側湿気遅延性ポーチ52または53が取り外される状態を示す。ポーチ52または53の一方が開封され、外側ポーチ52または53は封止されたままである。このようにして、湿気にさらされた添え木体54または55がそれぞれ手と手首の掌側あるいは背側のいずれかの形状に成型されている間、湿気にさらされていない添え木体54または55への湿気の侵入をかなり遅らせることができる。
【0059】
図12は、代表例として添え木体54を使用しており、硬化を開始させるために添え木体54を水“W”に浸す状態を示す。浸された後、添え木体54は水から取り出され、余分な水分を添え木体14から、タオル(図示なし)で巻く等して絞り取る。添え木体54にスプレーボトルの水をスプレーするか、空気中の湿気に徐々にさらして硬化させてもよい。濡れた添え木体54はその後、支持対象の手と手首の掌側か背側に取り付けられる。ポーチ53はその後開封され、添え木体55についても同様の処理が繰り返される。
【0060】
図13は、手と手首の掌側と背側それぞれに、湿らせた添え木体54と55が取り付けられた後、手と手首が伸縮性のある包帯“B”で覆われている状態を示す。図13では、同時に硬化させるように、手と手首の掌側と背側それぞれに添え木体54と55が取り付けられ、伸縮性のある包帯“B”で覆われているが、添え木体54と55は一度に個別成型したものであってもよい。
【0061】
添え木体54は、左手の掌側か右手の背側に取り付けることができる。対照的に、添え木体55は右手の背側か左手の掌側に取り付けることができる。傷の程度と望む支持の強度によって、添え木体54と55の一方あるいは両方を、患部の手の適切な部位に取り付けることができる。図10から図13に示すような状態で、添え木体54と55の両方を患部の手に取り付けることが望ましい。図14は右の手と手首の掌側に個別成型されている添え木体54を示す。添え木体54と55の硬化の状態や順序に関係なく、患者は添え木体が硬化中は手と手首を動かさないようにしなければならない。
【0062】
図13は、添え木体54と55が、少なくとも手と手首の形状に完全に硬化するまでの間、伸縮性包帯“B”が図示の位置に巻かれた状態を示す。伸縮性包帯は継続的あるいは断続的に使用されることができ、また、添え木体54と55は硬化後は伸縮性包帯“B”無しでも使用できる。
【0063】
個別成型添え木体を有する添え木体構造体、個別成型添え木体の形成方法、及び添え木体製品について説明した。本発明の範囲から逸脱せずに変形が可能である。さらに、上述の好適実施例の説明は図面の説明のみを目的としており、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明の1好適実施例による手首用添え木構造体の斜視図である。
【図2】図2は、着用者の左手と左手首に固定された、図1の手首用添え木構造体の斜視図である。
【図3】図3は、着用者の左手と左手首の背側に手首用添え木構造体が固定された状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、着用者の右手と右手首の掌側に図1の手首用添え木構造体を固定した状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、着用者の左手の掌側に、本発明の好適実施例による単体手首用添え木体及び支持体を固定した状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の好適実施例による添え木体の外側を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6の添え木体の内側を示す斜視図である。
【図8】図8は、中間層を示すために部分的に切欠いた図6の添え木体を示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明の別好適実施例による添え木体製品を示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の別実施例による、添え木体が収納される外側湿気遮断性パッケージと、添え木体が収納される内側湿気遅延性パッケージとを示す添え木体製品の分解斜視図である。
【図11】図11は、外側湿気遮断性パッケージの開封方法の好適実施例を示す斜視図である。
【図12】図12は、湿気硬化性樹脂の硬化を開始させるための、本発明の好適実施例による添え木体を水に浸す状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、左手と左手首に添え木体を固定し、伸縮性のある包帯で覆った状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、左手と左手首に単体の添え木体を固定し、伸縮性のある包帯で覆った状態を示す斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は整形外科医療に関し、特に個別成型可能な手首用添え木及び手根管症候群の緩和と治療のための添え木の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手根管症候群は正中神経への慢性的な刺激によって生ずる。前腕の筋肉を手指に接続する正中神経及び腱は手根管を通る。手根管は手首と横手根靱帯の8つの手根骨によって提供される通路であり、有鉤骨の鉤部と稜形骨の結節とを内接続している。手根管症候群は通常は腱の膨張によって正中神経が手根内に圧縮された結果生じる。この圧縮が正中神経を神経上部に位置する横手根靱帯を圧迫する。
【0003】
正中神経は掌と指からの感覚を伝達する。継続した正中神経の圧縮は正中神経を徐々に悪化させ、手指にしびれや痛みを引き起こす。この圧縮は腕や肩の痛みを引き起こすことがある。治療せずにおくと、手根管症候群は筋力低下や筋萎縮を引き起こすことがある。
【0004】
手根管症候群の原因には様々な説があるが、手首を伸ばす強制運動を必要とする手や手首の反復的使用によるとされている。このような運動には例えばキーボードあるいはドライバーの使用が含まれる。妊娠中の女性及び糖尿病や甲状腺機能低下症の人は手根管症候群になる危険性が高い。
【0005】
手根管症候群の深刻なケースでは、コルチコステロイドを患部神経に注射する治療が行われる。正中神経を圧迫する腱帯を開放する「手根管開放」と言われる外科手術によっても治療される。手根管症候群の深刻なケースは薬学的あるいは外科的介入を必要とするが、初期症状の段階で治療が開始された時には、殆どのケースは簡単な方法で解決できる。初期治療には、手と手首に添え木をして筋肉を支える方法がある。手首の休息と、症状に関連すると疑われる環境因子の改善又は除去(例:コンピュータキーボードの配置替え)とを組み合わせた治療法により、注射あるいは外科手術が不要となることが多い。
【0006】
従来の添え木は、肌付近に軟質要素を含み、硬質な殻状の外側カバーを含んでいる。軟質要素の目的は、患部組織にクッションを提供するためだけでなく、患者によって異なる組織の大きさと形状に対応するためでもある。その他の添え木は手袋状のデザインで、手と手首を所望の位置で保持するため、曲げることができるプラスチックや金属で提供される。
【0007】
従来の添え木には、熱硬化性素材から成るものやこれを含むものがある。この素材は先ず加熱され、その後素材がまだ温かいうちに手と手首形に成型される。熱硬化性素材の添え木は熱源なしで使用することができず、添え木は熱の過不足の影響を受けやすい。さらに、体熱が添え木を柔らかくすることがあり、少なくとも添え木の柔軟性を高めて保護機能を減少させることがある。
【0008】
本発明は、ユニバーサルデザインから成り、個別の患部形状整合する手と手首用添え木を提供することで従来の添え木の問題点を克服する。本発明は、成型形状を保持する非常に頑丈な添え木となる湿気硬化性樹脂を利用する。熱を必要とせず、硬化させるためには水のみを必要とする。空気中の水分だけでも比較的短時間で添え木を硬化させるが、通常は水に浸して樹脂を硬化させる。
【0009】
本発明の添え木は安価で、製造が簡単であり、装着が簡単で着用感が良い。添え木は1形状で1サイズであるので、病院、診療所、救急治療機関等は簡単で経済的に添え木の在庫を維持することができる。
【0010】
手首の背側のみに使用される従来の添え木と比較して、本発明による添え木はペアで使用することができる。2つの添え木−1つは背側用で1つは掌側用−は手と手首に個別フィットし、患部の4部位固定を達成する。ペアで使用される他の添え木とは異なり、本発明の添え木は母指と、関連手根中手骨関節を収納し、これらの動きを可能にすると同時に、第2から第4手骨の頭部と、関連中手骨と指節間の関節に高いサポート性を提供する。よって患部により高いサポート機能を提供し、手と手首の残余動作程度を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的の1つは、左右の交換が可能な2体の添え木体を有する手首用添え木構造体を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、患者自身によって容易に装着及び取り外しができる添え木構造体を提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、個別形状へ硬化させる前に、一方の手の背側と他方の手の掌側が交換可能な手首用添え木体を含んだ手首用添え木構造体を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、第2から第4手骨の頭部と、関連する手根と手指の関節に、より高いサポート性を提供しつつ、母指と、関連する手根中手骨関節の動作性を高めることができる手首用添え木構造体を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、添え木が保護対象身体部位に使用されるまでの間、別体の硬化遅延性内側パッケージに収納され、湿気遮断性外側ポーチに密封保存される手首用添え木を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、取り外しや使用が簡単な単体湿気遮断性パッケージに密閉保存されている2体以上の添え木を含む手首用添え木構造体を提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、湿気に触れると硬化する、非常に軽量な保護添え木を形成する手首用添え木体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の目的は、支持される手や手首に合わせて個別成型される手首用添え木構造体を提供する好適実施例によって達成される。手首用添え木構造体は、手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを含む。第1添え木体と第2添え木体のそれぞれは、添え木体の長手軸方向に向かって内側に曲がって延び、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にさせる凹状側縁部を提供する。第1及び第2添え木体のそれぞれは、手と手首上に位置し、手と手首の形状に一致する内クッション層と、内クッション層に重なる当初はフレキシブルな中間層をさらに含んでいる。中間層は湿気硬化性樹脂を含浸させた素材であり、硬化して剛質構造体を形成し、剛質構造体は手と手首に形状一致する柔軟な内クッション層を維持するように成型形状を保持する。第1及び第2添え木体のそれぞれは、内層、中間層及び外層を単体構造で形成するため、中間層を囲む内クッション層に取り付けられた、中間層に重なり柔軟な外層をさらに含んでいる。手首用添え木構造体は、構造体を使用中に第1及び第2添え木体を手と手首上に保持するための支持体をさらに含んでいる。
【0019】
本発明の1好適実施例によると、支持体は外面部と第1及び第2端部とを有する長形ストラップ体である。ストラップ体の第1端部は、第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられるファスナー体に取り外し可能に取り付けられる。ストラップ体の第2端部は、ストラップ体の外面に取り外し可能な状態で取り付けられるため、手と手首に対して第1及び第2添え木体を固定するようにストラップ体が手首を囲むことができる。
【0020】
本発明の別の好適実施例によれば、支持体は、外面と第1及び第2端部とを有する第2長形ストラップ体をさらに含んでいる。第2ストラップ体の第1端部は、第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられる第2ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられる。第2ストラップ体の第2端部は第2ストラップ体の外面に取り外し可能な状態で取り付けられるため、手と手首に対して第1及び第2添え木体を固定するように第2ストラップ体が手首を囲むことができる。
【0021】
本発明のさらに別の実施例によれば、支持体は、外面と第1及び第2端部とを有する第3長形ストラップ体をさらに含んでいる。第3ストラップ体の第1端部は、第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられる第3ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられる。第3ストラップ体の第2端部は第3ストラップ体の外面に取り外し可能な状態で取り付けられるため、手と手首に対して第1及び第2添え木体を固定するように第3ストラップ体が手を囲むようになっている。
【0022】
本発明のさらに別の実施例によれば、ファスナー体、第2ファスナー体及び第3ファスナー体はフック(かぎ状)素材でできたパッチ体である。
【0023】
本発明のさらに別の実施例によれば、ストラップ体の外面、第2及び第3ストラップ体はループ(輪状)素材で形成される。
【0024】
本発明のさらに別の実施例によれば、支持体は、着用中に着用者の手や手首を囲んで定位置に保持するため、添え木体の外層に取り付けられた複数のファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられた複数の長形ストラップ体を含んでいる。
【0025】
本発明のさらに別の実施例によれば、着用中に手や手首に対して第1及び第2添え木体を定位置に保持するようにストラップ体の外面と係合させるため、それぞれのストラップ体は、ストラップ体の端部に取り付けられたループ素材のパッチ体を含んでいる。
【0026】
本発明のさらに別の実施例によれば、手首用添え木構造体は、添え木体の1つを使用するために、ポーチを開封するまでの間、湿気のない環境で、第1及び第2添え木体がフレキシブルな状態に保たれる湿気遮断性ポーチを含んでいる。
【0027】
本発明のさらに別の実施例によれば、外側湿気遮断性ポーチは、少なくとも1層のプラスチックフィルムとそのプラスチックフィルムに接合された少なくとも1層のアルミフォイルを有する積層構造で形成される。
【0028】
本発明のさらに別の実施例によれば、基材は複数のファイバーグラスの上張り層を含んでいる。
【0029】
本発明のさらに別の実施例によれば、複数のファイバーグラスの上張り層は少なくとも5層で、7層以下であることを特徴とする。
【0030】
本発明のさらに別の実施例によれば、手首用添え木体製品は支持対象の手及び手首に合わせて個別成型されるように提供される。手首用添え木体製品は第1及び第2添え木体を含む。第1及び第2添え木体のそれぞれは、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを高めるように、添え木体の長手軸方向に向かって内側へ延びる凹形側端部を提供する。それぞれの添え木は湿気硬化性樹脂を含浸させた布で形成され、硬化して成型形状を保持する布の剛質構造体を形成する。添え木体製品は、湿気透過遅延性を有するプラスチックで成る第1及び第2内側保存ポーチをさらに含んでおり、第1又は第2添え木体の1つは、第1及び第2保存ポーチのそれぞれ1方と、第1及び第2添え木体が保護対象の身体部位に使用されるまでの間、第1及び第2添え木体とそれぞれの第1及び第2内側保存ポーチが湿気のない状態で収納されている単体の外側湿気遮断性保護ポーチに密封されている。
【0031】
本発明のさらに別の実施例によれば、外側湿気遮断性ポーチは少なくとも1層のプラスチックフィルムと、そのプラスチックフィルムに接合された少なくとも1層のアルミフォイルを有する積層構造で形成されている。
【0032】
本発明のさらに別の実施例によれば、プラスチックフィルムの厚みは2ミルでアルミフォイル層の厚みは0.5ミルである。
【0033】
本発明のさらに別の実施例によれば、外側湿気遮断性ポーチはナイロンフィルムの積層を含んでいる。
【0034】
手首用個別成型添え木の形成方法の1好適実施例は、手と手首の掌側に第1添え木体を提供するステップと、手と手首の背側に第2添え木を提供するステップとを含む。第1及び第2添え木体のそれぞれは多層の保護パッドを湿気遮断性保存パッケージ内にフレキシブルな状態で含んでおり、使用までの間湿気の侵入を防ぐようにパッケージ内に密封収納されている。第1及び第2添え木体のそれぞれは、添え木体が使用される手の母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にするように、添え木体の長手軸方向に向かって内側へ延びる凹状側縁部を提供し、手と手首に形状一致する内クッション層と、内クッション層に重なり当初はフレキシブルな中間層とを含んでいる。中間層は、湿気硬化性樹脂を含浸させた基材を含み、硬化して剛質構造体を形成し、剛質構造体は手と手首に形状一致するフレキシブルな内クッション層を維持するように成型形状を保持する。第1及び第2添え木体のそれぞれは、内層、中間層及び外層を単体形状に形成するために中間層を囲む内クッション層に取り付けられた内層に重なりフレキシブルな外層をさらに含んでいる。支持体は、使用中に添え木体を定位置に保持するための第1及び第2添え木体に支えられている。この方法は、第1及び第2添え木体の予め選択された1つを保存パッケージから取り出すステップ、湿気硬化樹脂を活性化させるに充分な量の湿気に添え木体をさらすステップ、添え木体を手と手首に取り付けるステップ、及び、パッド体を手と手首に形状一致する剛質な支持形状へと硬化させるために充分な時間に渡って添え木体に圧力をかけるステップをさらに含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明のその他の特徴は、添付の図面によってさらに明確になるであろう。
図1において符号10で示される本発明の好適実施例による手首用添え木構造体について説明する。添え木構造体10は、図10から図13においてさらに詳説する2体の添え木体11及び12を含み、着用者の手と手首の背側及び掌側に形状一致するように成型される。添え木体11と12は、ストラップ体15によって保持される。
【0036】
図1の添え木体11及び12は、長形下端部18と19とそれぞれ一体的に形成される上端部16と17を含んでいる。上端部16と17は、下端部18と19よりも幅が広く、丸形で凸状の側端部20と21をそれぞれ提供する。図2及び図3で示すように、幅広で丸形の側端部20と21によって、上端部16と17が、添え木体11と12との間に位置される手の第2から第4中手を覆って支持できるようになっている。
【0037】
図1の添え木体11と12の下端部18と19及び上端部16と17は、それぞれの側端部22と23によって相互接続されている。側端部22と23は、丸形側端部20と21とそれぞれ一体成型されている。側端部22と23は添え木体11と12それぞれの長手軸に対して内側にカーブしており、凸形領域24と25を提供する。図2と図3で図示するように、凸形領域24と25はそれぞれの上端部16と17に隣接しており、手根中手骨関節(“CM”)と、着用者の親指“T”の関連構造部が自由に動くことができる開口スペースを集合的に提供する。
【0038】
図1の添え木構造体15は細ストラップ体26と2本の幅広ストラップ体27と28を含んでいる。ストラップ体26,27及び28それぞれは緩い繊維製のカバー30と31(繊維製のカバー31は図2で示す)から成る2面のニット材あるいは織物材で形成されることが望ましい。繊維材のパッチ体32,33及び34はストラップ体26,27及び28の一端にそれぞれ接続されており、フック素材のパッチ体35,36及び37はストラップ体26,27及び28の反対側の端部に取り付けられている。
【0039】
図2から図5は、添え木体11と12を保持するために、ストラップ構造体15が着用者の手と手首の周りを囲む状態を示す。図2で示すように、ストラップ体26,27及び28は、先ず繊維製のパッチ体32,33及び34(図1)をそれぞれ、添え木体12のフック素材38の3つの同形状パッチ体のそれぞれに取り外し可能な状態で取り付けることによって、添え木体11と12を着用者の手と手首に保持するために使用される。図3で示すように、ストラップ体26,27及び28のそれぞれは、添え木体11上と着用者の前腕の周りに巻き付けられ、ストラップ体26,27及び28のそれぞれの繊維製カバー30を、添え木体12(図1)の3つの同形状のフック素材のパッチ体39の1つにそれぞれ取り外し可能な状態で取り付ける。図2で示すように、ストラップ体26,27及び28は着用者の前腕に再度巻き付けられ、フック素材のパッチ体35,36及び37は、ストラップ体25,26及び27それぞれの繊維製カバー31に取り外し可能な状態で取り付けられる。この位置で、フック素材のパッチ体35,36及び37は、繊維製パッチ体32,33及び34をそれぞれ覆う状態となる。
【0040】
ストラップ体26,27及び28は、添え木体11と12の周りにあらゆる適切な状態に巻くことができるが、ストラップ体26がそれぞれの上端部13と14を、及びストラップ体27と28がそれぞれの下端部15と16を囲むことができるように、ストラップ体26,27及び28は、添え木体11と12の周囲にあることが望ましい。これによって患部の4部位固定を達成することができる。
【0041】
図2と図3で示す添え木構造体10は、手と手首の掌側の添え木体11、及び手と手首の背側の添え木体12と共に左手に取り付けられているが、添え木体11と12とを交換することができ、反対側の手に取り付けてもよい。図4は、手と手首の掌側の添え木体12と手と手首の背側の添え木体11と共に右手に取り付けられた添え木構造体10を示している。
【0042】
添え木体11と12はキラル体である:これらは互いに重ねることができない。これは、添え木体11と12それぞれの上端部16と17、及び凸領域24と25のユニークな形状のためである。図6で詳説するが、添え木体11と12の両面には異なる素材が用いられ、キラル性、並びに手と手首に添え木体11と12が取り付けられる位置数の制限に貢献している。特に添え木体11は、着用者の左手の掌側(図2及び図3)、あるいは右手の背側(図4)に取り付けるように成型できる。対照的に、添え木体12は、着用者の左手の背側(図2及び図3)あるいは右手の掌側(図4)に取り付けるように成型できる。
【0043】
図2から図4は、患部の手と手首に同時に取り付けられている添え木体11と12を示しているが、添え木体11と12を常に一対で使用する必要はない。図5は、着用者の掌側に取り付けられ、ストラップ構造体15で保持されている単体の添え木体11を示す。
【0044】
図6から図8では、添え木体11と12を形成する部材について説明している。添え木体11を代表例として、図6では着用者の手の形状に成型される前の添え木体11を示す。添え木体11は、フック素材とループ素材の(面ファスナー材)3つのパッチ体38が縫い付けられた布製の覆いで形成される外層40を含んでいる。その他のあらゆる適切な材料を用いることもできるが、外層40はポリエステル布で形成されることが望ましい。
【0045】
図7は、フレキシブルな内クッション層41を含む添え木体11を示す。内クッション層41は積層された1/8インチ、4ポンドEVA(エチレン ビニル アセテート)の微少穿孔独立気泡フォーム体であることが望ましい。EVAはフレキシブルであるので、添え木体11のその他の構成要素と共に容易に折り曲げることができる。内クッション層41は保護対象の身体部位に最も近い位置に取り付けられ、肌に快適な面を提供する。図6で示すように、内クッション層41は複数の通気孔41Aを間隔を空けて含んでいる。通気孔41Aは、硬化中に水分が添え木体11を迅速に通り抜けることができるように、水分を迅速にクッション層41へ通過させるようになっている。孔41Aはさらに、着用時の添え木体11の通気性や冷却性を向上させる。
【0046】
図8では、添え木体11はフレキシブルな中間層43をさらに含んでいる。中間層43は、外層40と内クッション層41とに挟まれている。中間層43は、硬化して成型された手と手首の形状を保持する剛体構造体を形成する湿気硬化性樹脂を含浸させたファイバーグラス織物層43Aで形成されるのが望ましい。あらゆる適切な数の織物層を使用することができるが、中間層43は3層から7層であることが望ましい。図6から図8で示す発明では6層である。
【0047】
中間層43を形成するその他の適切な材質12は、NEXTEL440の商品名でサーモスタティックインダストリー社から販売されている、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ホウ素の組成物から成る材質が含まれる。
【0048】
43Aから43Fのファイバーグラス織物層のそれぞれには、米国特許第4770299号で説明されるポリイソシアネート樹脂等の湿気硬化性樹脂が含浸されているか、あるいはコーティングされている。この樹脂は、湿気の無い環境では安定しており、充分な湿気に触れると硬化して剛質構造体を形成する反応樹脂を利用して合成されている。この反応樹脂の典型的な組成は以下のようになっている。
【0049】
組成例:
Isonate↓143L または
Mondur↓CD または ポリイソシアネート 50.0%
Rubinate↓XI168
Pluracol↓P1010 ポリオール 46.6%
DC−200シリコーン 泡止め剤 0.30%
塩化ベンゾイル 安定剤 0.10%
Thancat↓DM−70 触媒 3.0%
100%
反応樹脂の完全なパラメータ、製造方法並びに変化例は、米国特許第4411262号で述べられている。
【0050】
ポリイソシアネート樹脂は、樹脂が湿気にさらされない限り粘性状態のままである。このため中間層43は、樹脂が湿気にさらされない間、及び湿気にさらされた後短時間はフレキシブルで成型可能である。樹脂が硬化する速度は、樹脂がさらされる水分量を調節することで制御することができる。樹脂を水中に短時間浸すと迅速に硬化する。対照的に、樹脂を空気にさらすだけでも、樹脂がさらされる空気の水分量に比例してかなり遅い速度で硬化する。
【0051】
本発明のその他の実施例では、特にファイバーグラス以外の材質が使用される場合には、中間層43は単体層で形成される。中間層を形成する1好的代替材質は60体積%のプラスチック微粒子で満たされたスチレン溶解性バインダーを組み入れたランダムに重ねられた非連続ポリエステル不織布のシングルプライ布がよい。このような織物は、バルテック(Baltek)社からFIRET COREMAT XM商標で販売されている。この織物には2mm厚,3mm厚及び4mm厚のものがある。その他にはFIRET COREMAT XX商標及びFIRET COREMAT XW商標で販売されているものも使用できる。これらは50体積%のプラスチック微粒子で満たされている。
【0052】
その他の適切な製品は、BAKTEKMAT T−2000の商標で販売されている、低密度の不織布連続ストランド織物を含む。この製品はFIRET COREMAT製品と一般的に類似した特徴を有するが、少量では一般的に利用できない。上述のように、これらの代替材質のいずれかの単層が必要である。その他の代替材質は、ポリプロピレン糸の織物材あるいはニット材である。このような織物は、硬化後にファイバーグラス織物と比べてよりフレキシブルで、添え木体11と12の製造コストを削減する。
【0053】
本発明の個々のファイバーグラス織物層43Aから43Fは形状に型抜きされていることが望ましい。さらに、織物層43Aから43Fそれぞれは同幅であることが望ましい一方、43A層から43F層は異なる幅であってもよい。異なる幅によって生ずる重なり部と非重なり部の程度は、硬化後に中間層43に異なる厚みを提供し、厚い領域には剛質性が望まれ、薄い領域にはフレキシブル性が望まれる。織物層43Aから43Fの幅の相違状態については出願人の米国特許第5755678号で説明されている。
【0054】
図8で示すように、外層40と内クッション層41は、縫い目45によって周辺で接合され、外層40とクッション層41の間の中間層43Aから43Fを収納する。外層40とクッション層41は、オーバーエッジ縫いあるいはサージ縫いによって縫い合わされていることが望ましい。外層40とクッション層41は熱可塑性を有しており、外層40とクッション層41は超音波溶着を用いて縁周りで交互に接合されている。超音波溶着は、従来の縫製技術では困難である堅固な角部と曲線部を添え木体11に形成するため、特に効率の良い接合方法である。超音波接合あるいはその他適切な接着剤を用いて中間クッション層43を外層40とクッション層41の間に収納してもよい。
【0055】
図9は本発明の1好適実施例による添え木体製品50を示す。添え木体製品50は、外側湿気遮断性フォイルと積層ポーチ51を含んでいる。図10で詳説するが、ポーチ51は本発明の手首用添え木体が湿気の無い状態で封印されている最も外側の保護収容体である。外側ポーチ51の積層構造はあらゆる適切な湿気遮断性材質で形成されることができるが、ポーチ51は2層の低密度ポリエチレンフィルムに挟まれた0.5ミルフォイルシートで形成されることが望ましい。ポリエチレンフィルムのそれぞれの層は厚みが2.0ミルである。ポーチ51は積層の60ゲージ2軸ナイロンフィルムの外層を選択的に含んでもよい。適切に封止されていれば、ポーチ51の積層構造は湿気の侵入を無期限に防ぐ。
【0056】
図10は、外側ポーチ51の内容物を示している。ポーチ51は、添え木体54と55がそれぞれ収納されている2つの内側湿気遅延性ポーチ52と53を含む。添え木体54と55は同じ材質から形成されており、添え木体11と12と同じ構成要素をそれぞれ含んでいる。これらはあらゆる適切な湿気遮断性材質から形成することができるが、内側ポーチ52と53は1.5ミル低密度ポリエチレンから形成されることが望ましい。厚みが4.0ミルまでの低密度ポリエチレンを使用することもできる。ポーチ52と53は、水分が通過できるように充分に薄く、多くの孔を有するが、添え木体54と55の硬化がかなり遅くなるように直接空気中の湿気に直接さらした場合と比べて、水分の通過は明らかに遅くなる。
【0057】
添え木体54と55は、外側ポーチ51に密閉収納される直前に、内側ポーチ52と52内それぞれの湿気の無い環境で密閉収納される。ポーチ11内で内側ポーチ14と15をこの状態で封止することで、添え木体54と55に無期限の有効性を提供する。
【0058】
図11は、添え木体製品50が使用される時に、外側ポーチ51が鋏あるいはナイフでカットされ、内側湿気遅延性ポーチ52または53が取り外される状態を示す。ポーチ52または53の一方が開封され、外側ポーチ52または53は封止されたままである。このようにして、湿気にさらされた添え木体54または55がそれぞれ手と手首の掌側あるいは背側のいずれかの形状に成型されている間、湿気にさらされていない添え木体54または55への湿気の侵入をかなり遅らせることができる。
【0059】
図12は、代表例として添え木体54を使用しており、硬化を開始させるために添え木体54を水“W”に浸す状態を示す。浸された後、添え木体54は水から取り出され、余分な水分を添え木体14から、タオル(図示なし)で巻く等して絞り取る。添え木体54にスプレーボトルの水をスプレーするか、空気中の湿気に徐々にさらして硬化させてもよい。濡れた添え木体54はその後、支持対象の手と手首の掌側か背側に取り付けられる。ポーチ53はその後開封され、添え木体55についても同様の処理が繰り返される。
【0060】
図13は、手と手首の掌側と背側それぞれに、湿らせた添え木体54と55が取り付けられた後、手と手首が伸縮性のある包帯“B”で覆われている状態を示す。図13では、同時に硬化させるように、手と手首の掌側と背側それぞれに添え木体54と55が取り付けられ、伸縮性のある包帯“B”で覆われているが、添え木体54と55は一度に個別成型したものであってもよい。
【0061】
添え木体54は、左手の掌側か右手の背側に取り付けることができる。対照的に、添え木体55は右手の背側か左手の掌側に取り付けることができる。傷の程度と望む支持の強度によって、添え木体54と55の一方あるいは両方を、患部の手の適切な部位に取り付けることができる。図10から図13に示すような状態で、添え木体54と55の両方を患部の手に取り付けることが望ましい。図14は右の手と手首の掌側に個別成型されている添え木体54を示す。添え木体54と55の硬化の状態や順序に関係なく、患者は添え木体が硬化中は手と手首を動かさないようにしなければならない。
【0062】
図13は、添え木体54と55が、少なくとも手と手首の形状に完全に硬化するまでの間、伸縮性包帯“B”が図示の位置に巻かれた状態を示す。伸縮性包帯は継続的あるいは断続的に使用されることができ、また、添え木体54と55は硬化後は伸縮性包帯“B”無しでも使用できる。
【0063】
個別成型添え木体を有する添え木体構造体、個別成型添え木体の形成方法、及び添え木体製品について説明した。本発明の範囲から逸脱せずに変形が可能である。さらに、上述の好適実施例の説明は図面の説明のみを目的としており、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明の1好適実施例による手首用添え木構造体の斜視図である。
【図2】図2は、着用者の左手と左手首に固定された、図1の手首用添え木構造体の斜視図である。
【図3】図3は、着用者の左手と左手首の背側に手首用添え木構造体が固定された状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、着用者の右手と右手首の掌側に図1の手首用添え木構造体を固定した状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、着用者の左手の掌側に、本発明の好適実施例による単体手首用添え木体及び支持体を固定した状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の好適実施例による添え木体の外側を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6の添え木体の内側を示す斜視図である。
【図8】図8は、中間層を示すために部分的に切欠いた図6の添え木体を示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明の別好適実施例による添え木体製品を示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の別実施例による、添え木体が収納される外側湿気遮断性パッケージと、添え木体が収納される内側湿気遅延性パッケージとを示す添え木体製品の分解斜視図である。
【図11】図11は、外側湿気遮断性パッケージの開封方法の好適実施例を示す斜視図である。
【図12】図12は、湿気硬化性樹脂の硬化を開始させるための、本発明の好適実施例による添え木体を水に浸す状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、左手と左手首に添え木体を固定し、伸縮性のある包帯で覆った状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、左手と左手首に単体の添え木体を固定し、伸縮性のある包帯で覆った状態を示す斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象の手と手首の形状に個別成型される手首用添え木構造体であって、
(a)それぞれが長手方向に向かって内側に曲がって延び、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にさせる凹状側縁部を提供する、手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを含んでおり、前記第1及び第2添え木体のそれぞれは、
(i)手と手首上に位置し、手と手首の形状に一致する内クッション層と、
(ii)前記内クッション層に重なり、硬化して、手と手首に形状一致する柔軟な前記内クッション層を維持するように成型形状を保つ剛質構造体を形成するための湿気硬化性樹脂を含浸させた素材を含む当初はフレキシブルな中間層と、
(iii)フレキシブルな外層であって前記中間層と重なり、前記内層、前記中間層、及び本外層を単体構造に成型するために前記中間層を囲む前記内クッション層に取り付けられたフレキシブルな外層と、
を含んでいる第1及び第2添え木体と、
(b)使用中に前記第1及び第2添え木体を手と手首上に保持するための支持体とを、
含んでいることを特徴とする手首用添え木構造体。
【請求項2】
支持体は外面部と第1及び第2端部とを有する長形ストラップ体を含んでおり、前記ストラップ体の前記第1端部は前記第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられたファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられ、前記第ストラップ体の前記第2端部は前記ストラップ体の前記外面に取り外し可能な状態で取り付けられ、手と手首に対して前記第1及び第2添え木体を固定するように前記ストラップ体が手首を囲むことができることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項3】
支持体は外面と第1及び第2端部とを有する第2長形ストラップ体をさらに含んでおり、前記第2ストラップ体の前記第1端部は第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられた第2ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられ、前記第2ストラップ体の前記第2端部は前記第2ストラップ体の前記外面に取り外し可能な状態で取り付けられ、手と手首に対して前記第1及び第2添え木体を固定するように前記第2ストラップ体が手首を囲むことができることを特徴とする請求項2記載の手首用添え木構造体。
【請求項4】
支持体は外面と第1及び第2端部とを有する第3長形ストラップ体をさらに含んでおり、前記第3ストラップ体の前記第1端部は第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられた第3ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられ、前記第3ストラップ体の前記第2端部は前記第3ストラップ体の前記外面に取り外し可能な状態で取り付けられ、手と手首に対して前記第1及び第2添え木体を固定するように前記第3ストラップ体が手を囲むことができることを特徴とする請求項3記載の手首用添え木構造体。
【請求項5】
ファスナー体、第2ファスナー体及び第3ファスナー体はフック素材でできたパッチ体であることを特徴とする請求項4記載の手首用添え木構造体。
【請求項6】
ストラップ体の外面、第2ストラップ体及び第3ストラップ体はループ素材で形成されることを特徴とする請求項4記載の手首用添え木構造体。
【請求項7】
支持体は、着用中に着用者の手や手首を囲んで定位置に保持するため、添え木体の外層に取り付けられた複数のファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられる複数の長形ストラップ体を含んでいることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項8】
着用中に手と手首に対して第1及び第2添え木体を定位置に保持するようにストラップ体の外面と係合させるため、それぞれの前記ストラップ体は、該ストラップ体の端部に取り付けられた面ファスナー材を含んでいることを特徴とする請求項7記載の手首用添え木構造体。
【請求項9】
添え木体の1つを使用する直前、ポーチを開封するまでの間、湿気のない環境で第1及び第2添え木体がフレキシブルな状態に保たれる湿気遮断性ポーチを含んでいることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項10】
外側湿気遮断性ポーチは、少なくとも1層のプラスチックフィルムと該プラスチックフィルムに接合された少なくとも1層のアルミフォイルを有する積層構造で形成されることを特徴とする請求項9記載の手首用添え木構造体。
【請求項11】
基材は複数のファイバーグラスの上張り層を含んでいることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項12】
複数のファイバーグラスの上張り層は少なくとも5層で、7層以下であることを特徴とする請求項11記載の手首用添え木構造体。
【請求項13】
支持対象の手と手首の形状に合わせて個別成型される手首用添え木体製品であって、
(a)それぞれが母指と、関連する手根中手骨関節の動きを高めるように、長手軸方向に向かって内側へ曲がって延びる凹形側端部を提供し、硬化して成型形状を保持する布の剛質構造体を形成するように湿気硬化性樹脂を含浸させた布を含む第1及び第2添え木体と、
(b)湿気透過遅延特性を有するプラスチックフィルムから成り、前記第1または第2添え木体の1つがそれぞれに密封される第1及び第2保存ポーチと、
(c)前記添え木体が保護対象の身体部位形状に成型されるまでの間、前記第1及び第2添え木体と前記第1及び第2内側保存ポーチのそれぞれが密封される単体外側湿気防止保護ポーチと、
を含んでいることを特徴とする手首用添え木体製品。
【請求項14】
外側湿気防止保護ポーチは少なくとも1層のプラスチックフィルムと該プラスチックフィルムに接合される少なくとも1層のアルミフォィルを有する積層構造で形成されることを特徴とする請求項13記載の手首用添え木体製品。
【請求項15】
プラスチックフィルムの厚みは2ミルでアルミフォィル層の厚みは0.5ミルであり、少なくとも1層のプラスチックフィルム層の厚みは2ミルであり、前記アルミフォィル層の厚みは0.5ミルであることを特徴とする請求項14記載の手首用添え木体製品。
【請求項16】
外側湿気防止保護ポーチはナイロンフィルムの積層を含んでいることを特徴とする請求項13,14あるいは15記載の手首用添え木構造体。
【請求項17】
個別成型手首用添え木体の形成方法であって、
(a)手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを提供するステップであって、前記第1及び第2添え木体のそれぞれは湿気遮断性パッケージ内にフレキシブルな状態で収納される多層保護パッドを含んでおり、使用されるまで湿気の侵入を防ぐように密閉収納されており、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にするように、前記添え木体の長手軸方向に向かって内側に曲がって延びる凹形側端部を提供し、前記第1及び第2添え木体はさらに、
(i)手と手首に形状一致する内クッション層と、
(ii)前記内クッション層と重なり、手と手首に形状一致するフレキシブルな前記内クッション層を保つため、硬化して成型形状を保持する剛質構造体を形成するための湿気硬化性樹脂を含浸させた基材を含んだ当初はフレキシブルな中間層と、
(iii)フレキシブルな外層であって、前記中間層と重なり、前記内層、前記中間層及び本外層を単体添え木構造体へ形成するように、前記中間層を囲むように前記内クッション層へ取り付けられた外層と、
を含んでおり、
支持体は前記第1及び第2添え木体に支持され、前記第1及び第2添え木体を使用中定位置に保持するようになっていることを特徴とするステップと、
(b)前記第1及び第2添え木体の1つを前記保存パッケージから取り除くステップと、
(c)前記取り除かれた添え木体を、湿気硬化性樹脂が硬化を開始するに充分な量の水分に提供するステップと、
(d)前記添え木体を手と手首に取り付けるステップと、
(e)剛質で支持形状の手と手首に形状一致するパッドを提供するように、パッドが硬化するに充分な時間に渡って前記添え木体に圧力を提供するステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項1】
支持対象の手と手首の形状に個別成型される手首用添え木構造体であって、
(a)それぞれが長手方向に向かって内側に曲がって延び、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にさせる凹状側縁部を提供する、手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを含んでおり、前記第1及び第2添え木体のそれぞれは、
(i)手と手首上に位置し、手と手首の形状に一致する内クッション層と、
(ii)前記内クッション層に重なり、硬化して、手と手首に形状一致する柔軟な前記内クッション層を維持するように成型形状を保つ剛質構造体を形成するための湿気硬化性樹脂を含浸させた素材を含む当初はフレキシブルな中間層と、
(iii)フレキシブルな外層であって前記中間層と重なり、前記内層、前記中間層、及び本外層を単体構造に成型するために前記中間層を囲む前記内クッション層に取り付けられたフレキシブルな外層と、
を含んでいる第1及び第2添え木体と、
(b)使用中に前記第1及び第2添え木体を手と手首上に保持するための支持体とを、
含んでいることを特徴とする手首用添え木構造体。
【請求項2】
支持体は外面部と第1及び第2端部とを有する長形ストラップ体を含んでおり、前記ストラップ体の前記第1端部は前記第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられたファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられ、前記第ストラップ体の前記第2端部は前記ストラップ体の前記外面に取り外し可能な状態で取り付けられ、手と手首に対して前記第1及び第2添え木体を固定するように前記ストラップ体が手首を囲むことができることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項3】
支持体は外面と第1及び第2端部とを有する第2長形ストラップ体をさらに含んでおり、前記第2ストラップ体の前記第1端部は第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられた第2ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられ、前記第2ストラップ体の前記第2端部は前記第2ストラップ体の前記外面に取り外し可能な状態で取り付けられ、手と手首に対して前記第1及び第2添え木体を固定するように前記第2ストラップ体が手首を囲むことができることを特徴とする請求項2記載の手首用添え木構造体。
【請求項4】
支持体は外面と第1及び第2端部とを有する第3長形ストラップ体をさらに含んでおり、前記第3ストラップ体の前記第1端部は第1及び第2添え木体の外層の予め選択された1つに取り付けられた第3ファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられ、前記第3ストラップ体の前記第2端部は前記第3ストラップ体の前記外面に取り外し可能な状態で取り付けられ、手と手首に対して前記第1及び第2添え木体を固定するように前記第3ストラップ体が手を囲むことができることを特徴とする請求項3記載の手首用添え木構造体。
【請求項5】
ファスナー体、第2ファスナー体及び第3ファスナー体はフック素材でできたパッチ体であることを特徴とする請求項4記載の手首用添え木構造体。
【請求項6】
ストラップ体の外面、第2ストラップ体及び第3ストラップ体はループ素材で形成されることを特徴とする請求項4記載の手首用添え木構造体。
【請求項7】
支持体は、着用中に着用者の手や手首を囲んで定位置に保持するため、添え木体の外層に取り付けられた複数のファスナー体に取り外し可能な状態で取り付けられる複数の長形ストラップ体を含んでいることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項8】
着用中に手と手首に対して第1及び第2添え木体を定位置に保持するようにストラップ体の外面と係合させるため、それぞれの前記ストラップ体は、該ストラップ体の端部に取り付けられた面ファスナー材を含んでいることを特徴とする請求項7記載の手首用添え木構造体。
【請求項9】
添え木体の1つを使用する直前、ポーチを開封するまでの間、湿気のない環境で第1及び第2添え木体がフレキシブルな状態に保たれる湿気遮断性ポーチを含んでいることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項10】
外側湿気遮断性ポーチは、少なくとも1層のプラスチックフィルムと該プラスチックフィルムに接合された少なくとも1層のアルミフォイルを有する積層構造で形成されることを特徴とする請求項9記載の手首用添え木構造体。
【請求項11】
基材は複数のファイバーグラスの上張り層を含んでいることを特徴とする請求項1記載の手首用添え木構造体。
【請求項12】
複数のファイバーグラスの上張り層は少なくとも5層で、7層以下であることを特徴とする請求項11記載の手首用添え木構造体。
【請求項13】
支持対象の手と手首の形状に合わせて個別成型される手首用添え木体製品であって、
(a)それぞれが母指と、関連する手根中手骨関節の動きを高めるように、長手軸方向に向かって内側へ曲がって延びる凹形側端部を提供し、硬化して成型形状を保持する布の剛質構造体を形成するように湿気硬化性樹脂を含浸させた布を含む第1及び第2添え木体と、
(b)湿気透過遅延特性を有するプラスチックフィルムから成り、前記第1または第2添え木体の1つがそれぞれに密封される第1及び第2保存ポーチと、
(c)前記添え木体が保護対象の身体部位形状に成型されるまでの間、前記第1及び第2添え木体と前記第1及び第2内側保存ポーチのそれぞれが密封される単体外側湿気防止保護ポーチと、
を含んでいることを特徴とする手首用添え木体製品。
【請求項14】
外側湿気防止保護ポーチは少なくとも1層のプラスチックフィルムと該プラスチックフィルムに接合される少なくとも1層のアルミフォィルを有する積層構造で形成されることを特徴とする請求項13記載の手首用添え木体製品。
【請求項15】
プラスチックフィルムの厚みは2ミルでアルミフォィル層の厚みは0.5ミルであり、少なくとも1層のプラスチックフィルム層の厚みは2ミルであり、前記アルミフォィル層の厚みは0.5ミルであることを特徴とする請求項14記載の手首用添え木体製品。
【請求項16】
外側湿気防止保護ポーチはナイロンフィルムの積層を含んでいることを特徴とする請求項13,14あるいは15記載の手首用添え木構造体。
【請求項17】
個別成型手首用添え木体の形成方法であって、
(a)手と手首の掌側に位置され成型される第1添え木体と、手と手首の背側に位置され成型される第2添え木体とを提供するステップであって、前記第1及び第2添え木体のそれぞれは湿気遮断性パッケージ内にフレキシブルな状態で収納される多層保護パッドを含んでおり、使用されるまで湿気の侵入を防ぐように密閉収納されており、母指と、関連する手根中手骨関節の動きを容易にするように、前記添え木体の長手軸方向に向かって内側に曲がって延びる凹形側端部を提供し、前記第1及び第2添え木体はさらに、
(i)手と手首に形状一致する内クッション層と、
(ii)前記内クッション層と重なり、手と手首に形状一致するフレキシブルな前記内クッション層を保つため、硬化して成型形状を保持する剛質構造体を形成するための湿気硬化性樹脂を含浸させた基材を含んだ当初はフレキシブルな中間層と、
(iii)フレキシブルな外層であって、前記中間層と重なり、前記内層、前記中間層及び本外層を単体添え木構造体へ形成するように、前記中間層を囲むように前記内クッション層へ取り付けられた外層と、
を含んでおり、
支持体は前記第1及び第2添え木体に支持され、前記第1及び第2添え木体を使用中定位置に保持するようになっていることを特徴とするステップと、
(b)前記第1及び第2添え木体の1つを前記保存パッケージから取り除くステップと、
(c)前記取り除かれた添え木体を、湿気硬化性樹脂が硬化を開始するに充分な量の水分に提供するステップと、
(d)前記添え木体を手と手首に取り付けるステップと、
(e)剛質で支持形状の手と手首に形状一致するパッドを提供するように、パッドが硬化するに充分な時間に渡って前記添え木体に圧力を提供するステップと、
を含んでいることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2006−514863(P2006−514863A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518887(P2005−518887)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006497
【国際公開番号】WO2004/078068
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(501356226)ビーエスエヌ メディカル,インク. (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006497
【国際公開番号】WO2004/078068
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(501356226)ビーエスエヌ メディカル,インク. (17)
【Fターム(参考)】
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