説明

偏光された送信信号を使用した光通信

それぞれが2つの偏光を使用する少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムが、チャネルの一方の偏光によって運ばれるシンボルの開始時間が、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるシンボルの開始時間から時間的にずらされ、たとえば、一方の偏光上の各シンボルの開始時間が、そのチャネルのもう一方の偏光上の時間的に最も近いシンボル開始時間に実質的に同期されないように構成される。好ましくは、データ信号は、ゼロ復帰(RZ:return−to−zero)を使用して変調され、データ信号が同じシンボル期間を有する場合、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータ信号のシンボルの開始時間は、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータ信号のシンボルの開始時間から、データ信号のシンボル期間の20%−80%の間、好ましくは50%だけオフセットされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信に関し、より詳細には、光ファイバを使用した光通信に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバを介して光学的に送信される信号の帯域幅は、偏波分割多重化を使用することによって増加され得ることはよく知られている。残念ながら、非線形の、すなわち従来のファイバで波長分割多重化された(WDM:wavelength division multiplexed)信号を使用する場合、各光チャネルの偏光は、たとえば非線形の偏光拡散により互いに干渉することがある。こうした干渉は、こうしたファイバを使用する光ファイバ通信システムによって達成され得る帯域幅または有効通信距離を事実上減少させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
偏波分割多重を使用した従来技術のWDMシステムでは、各偏光上で送信されるそれぞれのデータストリームは、時間的に同期されており、たとえば、各偏光上の各シンボルの開始時間は本質的に同じである。しかし、こうした同期は、不利益なものであり、非線形ファイバを用いて偏波分割多重を使用したWDMシステムによって達成され得る帯域幅または距離を制限していることが認識されている。したがって、本発明の原理によれば、それぞれが2つの偏光を使用する少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムは、チャネルの一方の偏光によって運ばれるシンボルの開始時間が、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるシンボルの開始時間から時間的にずらされ、たとえば一方の偏光上の各シンボルの開始時間が、そのチャネルのもう一方の偏光上の時間的に最も近いシンボル開始時間に実質的に同期されないように構成される。好ましくは、データ信号は、ゼロ復帰(RZ:return−to−zero)フォーマットを使用して変調され、データ信号が同じシンボル期間を有する場合、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータ信号のシンボルの開始時間は、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータ信号のシンボルの時間的に類似した開始時間からデータ信号のシンボル期間の50%だけオフセットされるが、異なるオフセット、たとえばシンボル期間の20%から80%を用いて有用な改良が達成され得る。有利には、たとえば50%オフセットを使用すると、WDMシステム内でこうした信号が送信され、従来の偏波分割多重化された受信機によって有効に受信され得るファイバの長さを倍増することができる。あるいは、送信される信号の帯域幅が倍増され得る。提供される遅延は、上述の遅延だけでなく、整数個のシンボル期間のさらなる遅延を含むこともある。
【0004】
チャネルのためのこうした偏光多重化された信号は、初期レーザ信号から、互いに対して位相がずれている2つのパルス列を導出し、送信されている2つのデータ信号の一方ではパルス列のうちの第1のパルス列を、また送信されている2つのデータ信号のもう一方ではパルス列のうちの第2のパルス列を変調し、偏光ビームコンバイナを使用して、第1の変調されたパルス列からの第1の偏光と、第2の変調されたパルス列からの直交偏光とを合成することによって作られてよい。パルスのカービングは、たとえばマッハツェンダー変調器や電気吸収型変調器を使用することにより実装され得るなど、パルスカーバーを使用して達成されてよい。さらに、初期位相差、たとえば50%は、その後に遅延によって修正されてよい。こうした遅延は、データがパルスの流れに変調される前、またはデータがパルスの流れに変調された後に挿入されてよい。データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。
【0005】
本発明の別の実施形態では、チャネルの偏波分割多重化された(PDM:polarization division multiplexed)RZ信号は、従来のやり方で発生させ、次いで、2つの偏光は、偏光ごとに異なる速度を有する偏波保持型ファイバを使用して互いからオフセットされる。
【0006】
本発明のさらなる実施形態では、初期レーザ信号はまず、ビームスプリッタを使用して2つのコピーに分割され、このビームスプリッタは、通常のビームスプリッタであっても、偏光ビームスプリッタであってもよい。レーザ信号の結果として生じるコピーはそれぞれ、その上にデータがRZパルスの形で印加されており、それによって、変調されたパルスストリームが形成される。データは印加され、次いでパルスカービングされ、またはその逆が行われてもよい。その後、変調されたパルスストリームのうちの1つが遅延され、遅延された変調パルス列から発生した第1の偏光は、偏光ビームコンバイナを使用して、遅延されていない変調パルス列から発生した直交偏光と合成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成された例示的な送信機であって、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっている、送信機を示す図である。
【図2】少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成された例示的な送信機であって、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっている、送信機を示す図である。
【図3】少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成されたさらなる例示的な送信機301であって、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっている、送信機301を示す図である。
【図4】少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成されたさらなる例示的な送信機であって、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっている、送信機を示す図である。
【図5】少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成された少なくとも2つの送信機であって、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっている、送信機を使用する例示的なWDMネットワークを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
下記は、本発明の原理を示すものにすぎない。したがって、本明細書に明示的に記述または図示されていないが、本発明の原理を具現化し、またその精神および範囲内に含まれる様々な構成を当業者は考案できることが理解されよう。さらに、本明細書に列挙されたすべての実施例および条件付き用語は主として、本発明の原理、および当技術を発展させるために本発明人によって寄与された概念を読者が理解する助けとするための教育目的のものにすぎないことが明示的に意図されており、具体的に列挙されたこうした実施例および条件に限定されないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態、ならびにその具体的な実施例を列挙する本明細書に述べられたすべての内容は、構造上と機能上の両方の等価物を包含するものである。さらに、こうした等価物は、現在知られている等価物と、将来開発される等価物、すなわち構造に関係なく同じ機能を実施する開発された任意の要素との両方を含むことが意図されている。
【0009】
したがって、たとえば、本明細書ではいずれのブロック図も、本発明の原理を具現化する例示的な回路の概念図を表すことが当業者には理解されよう。同様に、任意のフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどが様々なプロセスを表し、このプロセスは、コンピュータ読取り可能媒体内で実質的に表され、したがってコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかに拘らず、こうしたコンピュータまたはプロセッサによって実行され得ることが理解されよう。
【0010】
本発明の特許請求の範囲では、指定された機能を実施する手段として表現されたどんな要素もが、その機能を実施するどんなやり方をも包含することが意図されている。これは、たとえば、a)その機能を実施する電気的または機械的な要素の組合せ、またはb)機能を実施するためにソフトウェアを実行するのに適した回路、ならびにもしあればソフトウェア制御回路に結合された機械的な要素と合成された任意の形の、したがってファームウェア、マイクロコードなどを含めたソフトウェアを含んでよい。こうした特許請求の範囲に定められた本発明は、列挙された様々な手段によって提供される機能性が、特許請求の範囲が求めるやり方で組み合わされ、まとめられるということに帰する。したがって、出願人は、それらの機能性を提供できるどんな手段をも、本明細書に示されたものと等価であると見なす。
【0011】
本明細書中に明示的な別段の定めがない限り、図面は一定の縮尺で描かれていない。
【0012】
説明では、諸図のうちのそれぞれ異なる図中の同じ番号が付与された構成要素は、同じ構成要素に言及するものである。
【0013】
本明細書に示されたリンクはすべて、光ファイバ、導波管、自由空間、または特定の実装に応じて適宜、実装者によって必要とされる光結合のレベルに寄与する他の任意の材料として実装されてよいことに留意されたい。
【0014】
図1は、少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成された例示的な送信機101を示しており、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっており、たとえば、一方の偏光上の各シンボルの開始時間は、そのチャネルのもう一方の偏光上の時間的に最も近いシンボル開始時間と実質的に同期されない。図1に、a)レーザ103、b)パルスカーバー105、c)スプリッタ107、d)光遅延113、e)データ変調器115、f)データ変調器117、g)偏光ビームコンバイナ119、h)オプションの偏光制御装置(PC:polarization controller)121、およびi)オプションの偏光制御装置(PC)123が示されている。
【0015】
レーザ103は、レーザ103の周波数がWDMシステムの光チャネルを定義するように、光搬送波信号、すなわち初期レーザ信号を生成する。当業者にはよく知られているように、典型的にレーザ103は、単一の偏光だけを生成する。光搬送波信号は、好ましくはゼロ復帰(RZ)フォーマットでパルス列を発生させるパルスカーバー105に供給され、このパルス列は、入力としてスプリッタ107に供給される。パルスのカービングは従来型であり、たとえばマッハツェンダー変調器や電気吸収型変調器を使用して実装されてよい。
【0016】
やはり従来型であるスプリッタ107は、パルスカーバー105から受信されたパルス列の2つのコピーを作成する。パルス列の第1のコピーは、リンク109を介してデータ変調器115に供給される。パルス列の第2のコピーは、リンク111を介して遅延113に供給される。遅延113は、それがスプリッタ107から受け取るパルス列を遅延させ、遅延されたパルス列をデータ変調器117に供給する。スプリッタ107は、実装者によって選択された特定のスプリッタに応じて、偏波保持型であっても、そうでなくてもよい。
【0017】
好ましくは、遅延113は、データ信号が同じシンボル期間を有する場合、遅延113に供給されたパルス列の各パルスを、運ばれるデータ信号のシンボル期間の50%だけ遅延させる。有利には、たとえばこうした50%オフセットを使用すると、WDMシステム内でこうした信号が送信され、従来の偏波分割多重化された受信機によって有効に受信され得るファイバの長さを倍増することができる。あるいは、送信される信号の帯域幅は、データ変調器115および117に到達する信号間のリンクに実質的に遅延がなかった従来技術に比べてほぼ倍増され得る。そうすることが決定されれば、パルスカーバー105、およびデータ変調器115、117は、データ変調器115、117に到達する信号間のリンクに遅延がなかった場合に実行され得る速度の約2倍で実行されよう。しかし、その有用な性能向上は、異なる遅延、たとえばシンボル期間の20%から80%を用いて達成され得ることに留意されたい。遅延113は、使用される遅延が、送信機101が使用されている特定のシステムに従って設定され、または変更され得るように調整可能な遅延であってよい。遅延113は、上記の遅延を提供するように構成され得るだけでなく、さらに、整数個のシンボル期間のさらなる遅延を提供することもできる。
【0018】
データ変調器115は、入力として信号データ1を受け取り、第1のデータ変調されたパルス列を生成するために、スプリッタ107から受け取られたパルス列にデータを変調する。データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。データ変調器117は、入力として信号データ2を受け取り、第2のデータ変調されたパルス列を生成するために、遅延113から受け取られたパルス列にデータを変調するが、第2のデータ変調されたパルス列は、第1の変調パルス列から遅延され、すなわちオフセットされる。この場合もやはり、データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。信号データ1とデータ2の間にどんな調整も必要ない。
【0019】
当業者には理解されるように、それぞれがそれ自体の各データストリームを運ぶ2つの直交偏光を有する単一のWDMチャネルを偏光ビームコンバイナ119から供給させることが望ましい。このために、ある構成では、オプションの偏光制御装置121および123は含まれておらず、偏光ビームコンバイナ119は、データ変調器115および117のそれぞれから入力を直接受け取る。偏光ビームコンバイナ119内で、2つのビームを出力信号へと合成する前に、偏光のうちの一方が、もう一方に直交になるように回転される。この構成が有効になるには、偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内の構成要素は、偏波保持型でなければならず、レーザ103は、単一の偏光だけを有する信号を供給すべきであることに留意されたい。
【0020】
あるいは、a)偏光ビームコンバイナ119がその中にその入力信号のうちの1つの極性を回転させる能力を有していない場合、b)偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型とは限らないことがある場合、およびc)レーザ103が、単一の偏光だけを有する信号を供給する場合、データ変調器115および117のうちの一方または両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。必要な特定の調整は、データ変調器115および117まで(データ変調器115および117を含む)の光チェーン内の構成要素の性質に依存する。たとえば、レーザ103が単一の偏光だけを供給し、データ変調器115および117まで(データ変調器115および117を含む)の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型である場合、データ変調器115および117のうちの一方だけの出力の偏光を回転させることが必要である。これは、たとえば偏光制御装置(PC)121および123のうちの一方だけを使用して、それが入力をそこから受け取るデータ変調器115および117のうちの一方の出力の偏光を回転させることによって達成され得る。たとえば、偏光制御装置121だけを含むと、データ変調器115の出力が回転され、したがって、偏光制御装置121から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、データ変調器117によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。代替の実施例では、偏光制御装置123だけを含むと、データ変調器117の出力が回転され、したがって、偏光制御装置123から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、データ変調器115によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。偏光制御装置121および123は、従来型であってよい。
【0021】
パルスカーバー105もしくはスプリッタ107、またはその間の結合リンクのいずれもが偏波保持型でない場合、データ変調器115と117の両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。リンク109またはデータ変調器115のいずれもが偏波保持型でないが、送信機101内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置121を使用するだけでよい。同様に、リンク111、遅延113またはデータ変調器117のいずれも偏波保持型でないが、送信機101内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置123を使用するだけでよい。
【0022】
第1のデータ変調されたパルス列および第2の変調されたパルス列は、偏光ビームコンバイナ119によって合成され、したがって、本発明の原理によれば、第1の変調されたパルス列は、レーザ103によって定義されたWDMシステムの光チャネルの第1の偏光を介して送信され、変調された第1のパルス列に対して遅延された第2の変調されたパルス列は、レーザ103によって定義されたWDMシステムのチャネルの第2の偏光を介して送信される。
【0023】
図2は、少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成された例示的な送信機201を示しており、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっており、たとえば、チャネルの各偏光のシンボルの開始時間は実質的に同期されない。図2に、a)レーザ103、b)パルスカーバー205、c)オプションの光遅延213、d)データ変調器115、e)データ変調器117、f)偏光ビームコンバイナ119、g)オプションの偏光制御装置(PC)121、およびh)オプションの偏光制御装置(PC)123が示されている。
【0024】
レーザ103は、レーザ103の周波数がWDMシステムの光チャネルを定義するように、光搬送波信号、すなわち初期レーザ信号を生成する。光搬送波信号は、パルスカーバー205に供給される。マッハツェンダー変調器に基づいてよいパルスカーバー205は、好ましくは50%だけ位相がずれた2つのゼロ復帰(RZ)パルス列を発生させる。パルス列のうちの第1のパルス列は、リンク109を介してデータ変調器115に供給される。パルス列の第2のコピーは、リンク111を介して変調器117に供給される。オプションの光遅延213は、パルスカーバー205と変調器117の間に挿入される場合、それがパルスカーバー205から受け取るパルス列を遅延させ、遅延されたパルス列をデータ変調器117に供給する。したがって、データ変調器115およびデータ変調器117に到達するパルス列間の位相差の合計は、含まれるならばオプションの光遅延213の遅延と合成された、パルスカーバー205の2つの出力間の位相差である。オプションの光遅延213は、調整可能な遅延であってよく、したがって、使用される遅延は、送信機201が使用されている特定のシステムに従って設定され、または変更されてよい。パルスカーバー205および遅延213は、上記の遅延を提供するだけでなく、整数個のシンボル期間のさらなる遅延を提供するようにも構成されてよい。
【0025】
データ変調器115は、入力として信号データ1を受け取り、第1のデータ変調されたパルス列を生成するために、パルスカーバー205から受け取られたパルス列にデータを変調する。データ変調器117は、入力として信号データ2を受け取り、第2のデータ変調されたパルス列を生成するために、遅延113から受け取られたパルス列にデータを変調するが、第2のデータ変調されたパルス列は、データ変調器115およびデータ変調器117に到達する信号間の上述の遅延だけ、第1の変調されたパルス列から遅延され、すなわちオフセットされる。
【0026】
図1に関して言及されたように、それ自体の各データストリームを運ぶ2つの直交偏光を有する単一のWDMチャネルを偏光ビームコンバイナ119から供給させることが望ましい。このために、ある構成では、オプションの偏光制御装置121および123は含まれておらず、偏光ビームコンバイナ119は、データ変調器115および117のそれぞれから入力を直接受け取る。偏光ビームコンバイナ119内で、2つのビームを出力信号へと合成する前に、偏光のうちの1つが、もう一方に直交になるように回転される。この構成が有効になるには、偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内の構成要素は偏波保持型でなければならず、レーザ103は、単一の偏光だけを有する信号を供給すべきであることに留意されたい。
【0027】
あるいは、a)偏光ビームコンバイナ119がその入力信号のうちの1つの極性を回転させる能力をその中に有していない場合、b)偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型とは限らないことがある場合、およびc)レーザ103が、単一の偏光だけを有する信号を供給する場合、データ変調器115および117のうちの一方または両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。必要な特定の調整は、データ変調器115および117まで(データ変調器115および117を含む)の光チェーン内の構成要素の性質に依存する。たとえば、レーザ103が単一の偏光だけを供給し、データ変調器115および117まで(データ変調器115および117を含む)の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型である場合、データ変調器115および117のうちの一方だけの出力の偏光を回転させることが必要である。これは、たとえば偏光制御装置(PC)121および123のうちの一方だけを使用して、それが入力をそこから受け取るデータ変調器115および117のうちの一方の出力の偏光を回転させることによって達成され得る。たとえば、偏光制御装置121だけを含むと、データ変調器115の出力が回転され、したがって、偏光制御装置121から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、データ変調器117によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。代替の実施例では、偏光制御装置123だけを含むと、データ変調器117の出力が回転され、したがって、偏光制御装置123から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、データ変調器115によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。
【0028】
パルスカーバー205が偏波保持型でない場合、データ変調器115と117の両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。リンク109またはデータ変調器115のいずれも偏波保持型でないが、送信機201内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置121を使用するだけでよい。同様に、リンク111、遅延213またはデータ変調器117のいずれも偏波保持型でないが、送信機201内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置123を使用するだけでよい。
【0029】
第1のデータ変調されたパルス列および第2の変調されたパルス列は、偏光ビームコンバイナ119によって合成され、したがって、本発明の原理によれば、第1の変調されたパルス列は、レーザ103によって定義されたWDMシステムの光チャネルの第1の偏光を介して送信され、第2の変調されたパルス列は、レーザ103によって定義されたWDMシステムのチャネルの第2の偏光を介して送信される。
【0030】
図3は、少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成されたさらなる例示的な送信機301を示しており、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっており、たとえば、チャネルの各偏光のシンボルの開始時間は実質的に同期されない。図3に、a)レーザ103、b)パルスカーバー105、c)スプリッタ107、d)遅延ファイバ321、e)データ変調器115、f)データ変調器117、およびg)偏光ビームコンバイナ119、h)オプションの偏光制御装置(PC)121、およびi)オプションの偏光制御装置(PC)123が示されている。
【0031】
レーザ103は、レーザ103の周波数がWDMシステムの光チャネルを定義するように、光搬送波信号、すなわち初期レーザ信号を生成する。光搬送波信号は、好ましくはゼロ復帰(RZ)フォーマットでパルス列を発生させるパルスカーバー105に供給され、このパルス列は、出力としてスプリッタ107に供給される。パルスのカービングは従来型であり、たとえばマッハツェンダー変調器や電気吸収型変調器を使用して実装されてよい。やはり従来型であるスプリッタ107は、パルスカーバー105から受信されたパルス列の2つのコピーを作成する。パルス列の第1のコピーは、リンク109を介してデータ変調器115に供給される。パルス列の第2のコピーは、リンク111を介してデータ変調器117に供給される。したがって、本発明のこの実施形態では、パルス化され、カービングされたパルス列の2つのコピー間に遅延をまだ導入する必要はない。
【0032】
データ変調器115は、入力として信号データ1を受け取り、第1のデータ変調されたパルス列を生成するために、スプリッタ107から受け取られたパルス列にデータを変調する。データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。データ変調器117は、入力として信号データ2を受け取り、第2のデータ変調されたパルス列を生成するために、スプリッタ107から受け取られたパルス列にデータを変調する。この場合もやはり、データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。
【0033】
この場合もやはり、図1に関して言及されたように、それぞれがそれ自体の各データストリームを運ぶ2つの直交偏光を有する単一のWDMチャネルを偏光ビームコンバイナ119から供給させることが望ましい。このために、ある構成では、オプションの偏光制御装置121および123は含まれておらず、偏光ビームコンバイナ119は、データ変調器115および117のそれぞれから入力を直接受け取る。偏光ビームコンバイナ119内で、2つのビームを出力信号へと合成する前に、偏光のうちの一方が、もう一方に直交になるように回転される。この構成が有効になるには、偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内の構成要素は、偏波保持型でなければならず、レーザ103は、単一の偏光だけ有する信号を供給すべきであることに留意されたい。
【0034】
あるいは、a)偏光ビームコンバイナ119がその中にその入力信号のうちの1つの極性を回転させる能力を有していない場合、b)偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型とは限らないことがある場合、およびc)レーザ103が、単一の偏光だけを有する信号を供給する場合、データ変調器115および117のうちの一方または両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。必要な特定の調整は、データ変調器115および117まで(データ変調器115および117を含む)の光チェーン内の構成要素の性質に依存する。たとえば、レーザ103が単一の偏光だけを供給し、データ変調器115および117まで(データ変調器115および117を含む)の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型である場合、データ変調器115および117のうちの一方だけの出力の偏光を回転させることが必要である。これは、たとえば偏光制御装置(PC)121および123のうちの一方だけを使用して、それが入力をそこから受け取るデータ変調器115および117のうちの一方の出力の偏光を回転させることによって達成され得る。たとえば、偏光制御装置121だけを含むと、データ変調器115の出力が回転され、したがって、偏光制御装置121から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、データ変調器117によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。 代替の実施例では、偏光制御装置123だけを含むと、データ変調器117の出力が回転され、したがって、偏光制御装置123から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、データ変調器115によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。
【0035】
パルスカーバー105もしくはスプリッタ107、またはその間の結合リンクのいずれもが偏波保持型でない場合、データ変調器115と117の両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。リンク109またはデータ変調器115のいずれもが偏波保持型でないが、送信機301内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置121を使用するだけでよい。同様に、リンク111、またはデータ変調器117のいずれもが偏波保持型でないが、送信機301内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置123を使用するだけでよい。
【0036】
第1のデータ変調されたパルス列および第2の変調されたパルス列は、偏光ビームコンバイナ119によって合成され、したがって、第1の変調されたパルス列は、レーザ103によって定義されたWDMシステムの光チャネルの第1の偏光を介して送信され、第2の変調されたパルス列は、レーザ103によって定義されたWDMシステムのチャネルの第2の偏光を介して送信される。その後、第1および第2の変調されたパルス列のうちの1つは、本発明の態様に従って他方に対して遅延される。これは、たとえば、2つの直交偏光間に相対的な遅延を適用する遅延321に、合成された信号を供給することによって達成され得る。これは、たとえば、遅延321として偏波保持ファイバ(PMF)を使用することによって達成されてよく、この偏波保持ファイバ(PMF)は、偏光ごとに異なる速度を有しており、したがって、1つの偏光モードの通過を他方より遅延させる。したがって、2つの偏光は、それぞれからオフセットされる。オフセットは、シンボル期間の20%から80%、好ましくはその50%の範囲内にあってよい。上記のオフセットに加えて、遅延は、追加の整数個のシンボル期間を含むこともできる。
【0037】
図4は、例示的な送信機401、本発明の別の例示的な実施形態を示しており、この実施形態では、通常のビームスプリッタであっても、偏光ビームスプリッタであってもよいビームスプリッタ使用して初期レーザ信号がまず2つのコピーに分割される。結果として生じるコピーはそれぞれ、その上にデータがRZパルスの形で印加されており、それによって変調されたパルスストリームが形成される。データは印加され、次いでパルスカービングされてよく、またはその逆が行われてもよい。その後、変調されたパルスストリームのうちの1つが遅延され、遅延された変調されたパルス列からの第1の信号は、偏光ビームコンバイナを使用して、遅延されていない変調されたパルス列からの第2の信号と合成される。図4に、a)レーザ103、b)パルスカーバー405、c)スプリッタ431、d)光遅延413、e)データ変調器115、f)データ変調器117、g)偏光ビームコンバイナ119、h)パルスカーバー425、i)オプションの偏光制御装置(PC)121、およびh)オプションの偏光制御装置(PC)123が示されている。
【0038】
レーザ103は、レーザ103の周波数がWDMシステムの光チャネルを定義するように、光搬送波信号、すなわち初期レーザ信号を生成する。光搬送波信号は、スプリッタ431に供給され、このスプリッタ431は、やはり従来型であり、またレーザ103からの光搬送波信号の2つのコピーを作成する。スプリッタ403は、偏光ビームスプリッタであってよいが、そうである必要はない。スプリッタ403が偏光ビームスプリッタである場合、スプリッタ403によって作成されるコピーはそれぞれ、他方に対して直交である偏光上にある。光搬送波信号の第1のコピーは、データ変調器115に供給される。光搬送波信号の第2のコピーは、データ変調器117に供給される。
【0039】
データ変調器115は、入力として信号データ1を受け取り、第1のデータ変調された光搬送波信号を生成するために、スプリッタ431からの光搬送波信号の第1のコピーにデータを変調する。データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。データ変調器117は、入力として信号データ2を受け取り、第2のデータ変調された光搬送波信号を生成するために、スプリッタ431からの第2の光搬送波信号にデータを変調する。この場合もやはり、データは、振幅変調または位相変調、ならびにその組合せを使用して変調されてよい。
【0040】
第1のデータ変調された光搬送波信号は、第1の偏光上で第1の変調されたパルス列を生成するために、データ変調器115からパルスカーバー405に供給される。第2のデータ変調された光搬送波信号は、第2の偏光上で第2の変調されたパルス列を生成するために、データ変調器117からパルスカーバー425に供給される。パルスカーバー405からの第1の変調されたパルス列は、光遅延413に供給され、この光遅延413は、そのパルスが、パルスカーバー425からの対応するパルスと位相がずれるようにそれを遅延させる。
【0041】
この場合もやはり、図1に関して言及されたように、2つの直交偏光を有する単一のWDMチャネルを偏光ビームコンバイナ119から供給させることが望ましい。このために、ある構成では、オプションの偏光制御装置121および123は含まれておらず、スプリッタ431は、偏光ビームスプリッタではなく、偏光ビームコンバイナ119は、パルスカーバー405および425のそれぞれから入力を直接受け取る。偏光ビームコンバイナ119内で、2つのビームを出力信号へと合成する前に、偏光のうちの一方が、もう一方に直交になるように回転される。この構成が有効になるには、偏光ビームコンバイナ119より前の光チェーン内の構成要素は、偏波保持型でなければならず、レーザ103は、単一の偏光だけを有する信号を供給すべきであることに留意されたい。
【0042】
上述されたように、スプリッタ431が偏光ビームスプリッタである場合、スプリッタ431によって作成されるコピーはそれぞれ、他方に対して直交である偏光上にある。この状態を利用するために、他の構成要素はすべて、偏波保持型の構成要素であるべきである。その結果、オプションの偏光制御装置121および123は不要である。また、偏光ビームコンバイナ119が、2つのビームを出力信号へと合成する前に偏光のうちの1つを回転可能である必要はない。
【0043】
あるいは、a)偏光ビームコンバイナ119がその中にその入力信号のうちの1つの極性を回転させる能力を有していない場合、b)偏光ビームコンバイナ119の前の光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型とは限らないことがある場合、c)レーザ103が、単一の偏光だけを有する信号を供給する場合、およびd)スプリッタ431が偏光ビームスプリッタでない場合、パルスカーバー405および425のうちの1つまたは両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。必要な特定の調整は、遅延413およびパルスカーバー425まで(遅延413およびパルスカーバー425を含む)の光チェーン内の構成要素の性質に依存する。たとえば、レーザ103が単一の偏光だけを供給し、偏光ビームコンバイナ119の直前までの光チェーン内のすべての構成要素が偏波保持型である場合、パルスカーバー405および425のうちの一方だけの出力の偏光を回転させることが必要である。これは、たとえば偏光制御装置(PC)121および123のうちの一方だけを使用して、それがそこから入力を受け取る遅延413またはパルスカーバー425のうちの1つの出力の偏光を回転させることによって達成され得る。たとえば、偏光制御装置121だけを含むと、遅延413の出力が回転され、したがって、遅延413から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号の遅延されたバージョンが、パルスカーバー425によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。代替の実施例では、偏光制御装置123だけを含むと、パルスカーバー425の出力が回転され、したがって、偏光制御装置123から偏光ビームコンバイナ119に供給された変調されたデータ信号のバージョンが、遅延413によって供給された変調されたデータ信号に直交になるように回転される。
【0044】
スプリッタ431が偏波保持型でない場合、遅延413およびパルスカーバー425の両方から供給された信号の偏光を調整することが必要である。データ変調器115を介したスプリッタ431から偏光ビームコンバイナ119への経路内の構成要素のいずれもが偏波保持型でないが、送信機401内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置121を使用するだけでよい。同様に、データ変調器117を介したスプリッタ431から偏光ビームコンバイナ119への経路内の構成要素のいずれもが偏波保持型でないが、送信機401内の他のすべての構成要素が偏波保持型である場合、偏光制御装置123を使用するだけでよい。
【0045】
光遅延413からの遅延された第1の変調されたパルス、およびパルスカーバー425からの第2の変調されたパルス列は、偏光ビームコンバイナ119によって合成される。遅延413は、パルスカーバー405と偏光ビームコンバイナ119の間にあるように示されているが、別法として遅延413は、データ変調器115とパルスカーバー405の間に置かれてもよい。さらに、別法として遅延413は、スプリッタ431とデータ変調器115の間に置かれてもよい。遅延413は、シンボル期間の20%から80%の間、好ましくは50%の遅延を導入できるだけでなく、それは、こうした遅延に加えて、整数個のシンボル期間の遅延を導入してもよい。
【0046】
図5は、少なくとも2つのチャネルを有するWDMシステムの1つのチャネルの信号を供給する際に使用するために本発明の原理に従って構成された少なくとも2つの送信機(TX)501を使用する例示的なWDMネットワークを示しており、チャネルのそれぞれが2つの偏光を使用し、WDMシステムの少なくとも2つのチャネルの各チャネルの信号は、チャネルの一方の偏光によって運ばれるデータが、そのチャネルのもう一方の偏光によって運ばれるデータから時間的にずらされるようになっている。たとえば、送信機501はそれぞれ、送信機101、201、301または401などのタイプの様々な送信機であってよい。送信機501は、全体的な内部構成に関して同一である必要はないことに留意されたい。たとえば、送信機501のうちのある送信機は、送信機101に類似し得るが、送信機501のうちの別の送信機は、送信機401に類似してよい。さらに、送信機501のうちのある送信機によって供給された偏光間の遅延は、送信機501のうちの別の送信機のそれと同じであってよいが、そうである必要はない。図5には、マルチプレクサ(MUX:multiplexer)553、増幅器555、伝送ファイバ557、デマルチプレクサ(DEMUX:demultiplexer)559および受信機(RX:receiver)561も示されている。マルチプレクサ553、増幅器555、伝送ファイバ557、デマルチプレクサ559および受信機561はそれぞれ、従来型であってよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のファイバを介して運ばれる、それぞれが2つの偏光を使用する少なくとも2つのチャネルを有する波長分割多重化されたシステムで使用するための送信機であって、前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの第1のチャネルの前記偏光のうちの第1の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの開始時間が、前記送信機によって送信され、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの第2の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの開始時間から時間的にずらされる、送信機。
【請求項2】
前記少なくとも2つのうちのチャネルの前記第1のチャネル上で、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれるデータを表す前記シンボルのうちの1つの少なくとも一部と、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれるデータを表す前記シンボルのうちの1つの少なくとも一部とを同時に供給するための偏光ビームコンバイナをさらに備える、請求項1に記載の発明。
【請求項3】
前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれる前記シンボルが、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれる前記シンボルに対して時間的にずらされた後に、前記偏光ビームコンバイナが、前記シンボルを合成する、請求項2に記載の発明。
【請求項4】
前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれる前記シンボルの前記開始時間を、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれる前記シンボルの前記開始時間に対して時間的にずらすための偏波保持ファイバをさらに備える、請求項2に記載の発明。
【請求項5】
さらに、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれる前記データ、および前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれる前記データがそれぞれ、ゼロ復帰フォーマットを使用して変調される、請求項1に記載の発明。
【請求項6】
さらに、前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの開始時間を、前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの開始時間に対して前記ずらすことが、シンボル期間の20%から80%の範囲内である、請求項1に記載の発明。
【請求項7】
さらに、前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの開始時間を、前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの開始時間に対して前記ずらすことが、シンボル期間の約50%ほどである、請求項1に記載の発明。
【請求項8】
前記送信機が、初期レーザ信号からの少なくとも1つのパルス列をカービングするためのパルスカーバーをさらに備え、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの少なくとも1つの偏光によって運ばれるデータが、前記少なくとも1つのパルス列上に印加される、請求項1に記載の発明。
【請求項9】
前記送信機が、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの少なくとも1つによって運ばれる前記データを前記少なくとも1つのパルス列上に印加するためのデータ変調器をさらに備える、請求項8に記載の発明。
【請求項10】
前記送信機が、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの少なくとも1つによって運ばれる前記データを前記少なくとも1つのパルス列の遅延されたバージョンに印加するためのデータ変調器をさらに備える、請求項8に記載の発明。
【請求項11】
前記初期レーザ信号が、前記波長分割多重化されたシステムの前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルを定義する、請求項8に記載の発明。
【請求項12】
前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの前記第1のチャネルの前記偏光のうちの第1の偏光によって運ばれるデータを表す前記シンボルが、前記送信機によって送信され、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルと同じシンボル期間を有する、請求項1に記載の発明。
【請求項13】
前記送信機によって送信され、前記少なくとも2つのチャネルのうちの第1のチャネルの前記偏光のうちの前記第1の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの前記開始時間を時間的に前記ずらすことが、前記送信機によって送信され、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルによって使用される前記偏光のうちの前記第2の偏光によって運ばれるデータを表すシンボルの時間的に最も近い開始時間に対して行われる、請求項1に記載の発明。
【請求項14】
単一のファイバを介して運ばれる、それぞれが偏波分割多重化を使用する少なくとも2つのチャネルを有する波長分割多重化されたシステムの送信機で使用するための方法であって、
前記チャネルのうちの少なくとも第1のチャネルの少なくとも第1の偏光を介して送信する第1のデータを運ぶ第1の変調された光信号を発生させるために第1のデータ変調器を使用するステップと、
前記チャネルのうちの少なくとも第1のチャネルの少なくとも第2の偏光を介して送信する第2のデータを運ぶ第2の変調された光信号を発生させるために第2のデータ変調器を使用するステップと、
前記チャネルのうちの前記第1のチャネルの前記第1の偏光上に置かれた前記第1の変調された光信号を、前記チャネルのうちの前記第1のチャネルの前記第2の偏光上に置かれた前記第2の変調された光信号と合成するためにコンバイナを使用するステップと、
前記第1の変調された光信号のシンボルの開始時間を、前記第2の変調された光信号のシンボルの開始時間に対して遅延させるステップとを備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−511875(P2012−511875A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540786(P2011−540786)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066670
【国際公開番号】WO2010/068555
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】