偏光板およびこれを用いた液晶表示装置
【課題】高温多湿環境において耐久性低下、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象を防ぐことができる偏光板及びこれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含む。第1偏光板および第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下で、且つUV吸収機能が付与されたフィルムであり、第1偏光板および第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムは、水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムである。
【解決手段】液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含む。第1偏光板および第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下で、且つUV吸収機能が付与されたフィルムであり、第1偏光板および第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムは、水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板およびこれを用いた液晶表示装置に関し、より詳くは、光漏れ、黄変とエッグむら現象の改善および吸湿遮断に効果的な偏光板の保護フィルムの配置構造を含む液晶表示装置およびこれに適用される偏光板に関する。本出願は、2006年7月31日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2006−0072305号の出願日の利益を主張し、その内容すべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の偏光板は、ポリビニルアルコール系(以下、PVAとする)ポリマーフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着配向させた偏光膜に、保護膜としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを接着剤で接着したものが一般的であった。偏光膜の両面にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを備えた従来の偏光板を図1に例示した。図1の偏光板の一面には、液晶表示装置に適用するための減圧接着剤層(PSA)がさらに備えられている。図1の偏光板を液晶表示装置に適用した例を図2に例示した。
【0003】
しかしながら、前記トリアセチルセルロース(TAC)フィルムは吸湿率や透湿度が大きいため、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを保護膜として用いる偏光板は、高温多湿環境下において偏光機能が低下するという問題がある。このために、吸収率や水蒸気透過率が小さいフィルムを保護膜とする偏光板が提案された。例えば、図3のように、偏光板両面のうち液晶セル側に備えられた内部保護フィルムとしてシクロオレフィン系樹脂フィルムで用いた例が提案された。
【0004】
しかしながら、上述した従来技術において、液晶表示装置の最外郭にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが位置する場合には、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが湿気防止機能が優れておらず、湿気に弱いポリビニルアルコール系樹脂フィルムが湿気を吸収するようになり、この場合、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのサイズ変化によって偏光機能が低下して光漏れ機能が生じるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野では、高温多湿環境において偏光板の機能低下、特に耐久性低下、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象を防ぐことができる技術の開発が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、液晶セルの両面に偏光板が備えられた液晶表示装置であって、液晶表示装置の最外郭に位置する偏光板の保護フィルム、すなわち偏光板の外部保護フィルムが偏光板の吸湿性および透湿性を決定し、多湿環境における偏光板の機能低下防止に重要な影響を及ぼす反面、前記偏光板の液晶セル側に配置される保護フィルム、すなわち偏光板の内部保護フィルムは、偏光板の吸湿性および透湿性に大きく影響を及ぼさないため、液晶セルとの接着性向上、光漏れ防止、エッグむら改善効果などを達成しようとする物性を考慮し、多様に選択することができるという事実を明らかにした。
【0007】
これにより、本発明は、多湿環境で耐久性が優れるように配置された偏光板を含み、光漏れおよびエッグむら現象が改善された液晶表示装置およびこれに適用される偏光板を提供することを目的とする。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムであることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムであり、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがそれぞれUV吸収剤を含むか、又は前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が備えられたことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記液晶表示装置に適用される偏光板を提供する。
【0011】
具体的に、本発明の一実施形態は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が含まれた偏光板を提供する。
【0012】
前記偏光板において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルムをさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る液晶表示装置は、多湿条件下における偏光板の機能低下が少なく、光漏れおよびエッグむら改善効果が優れている。さらに、黄変現象も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の偏光板の構造を例示した図である。
【図2】従来の偏光板が適用された液晶表示装置の構造を例示した図である。
【図3】従来の偏光板が適用された液晶表示装置の構造を例示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の構造を例示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図8】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図11】偏光板の外部保護フィルムおよび内部保護フィルムの種類による液晶表示装置における光漏れ防止効果を比較した図である。
【図12】偏光板の外部保護フィルムおよび内部保護フィルムの種類による液晶表示装置における光漏れ防止効果を比較した図である。
【図13】偏光板の外部保護フィルムおよび内部保護フィルムの種類による液晶表示装置における光漏れ防止効果を比較した図である。
【図14】実施例1および実施例2で製造された偏光板のUV照射前後の光学物性を示すグラフである。
【図15】実施例1および実施例2で製造された偏光板のUV照射前後の光学物性を示すグラフである。
【図16】偏光板の透過率を測定する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明に係る液晶表示装置は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムは水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムであることを特徴とする。本発明に係る液晶表示装置の構造は図4に例示したが、本発明の範囲がその構造にのみ限定されることはない。
【0017】
また、本発明に係る液晶表示装置は、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムあり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムは水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムであり、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがそれぞれUV吸収剤を含むか、又は前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が備えられたことを特徴とする。
【0018】
本発明では、上記のように、液晶表示装置の最外郭に位置する偏光板の保護フィルムとして水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムを用いることで、水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムを用いたとしても、他の位置、例えば図3のように偏光板の内部保護フィルムとして配置した液晶表示装置に比べて多湿条件下における偏光板の機能低下防止効果が極めて優れる。また、液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムを用いることで、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象の改善効果が優れる。エッグむら現象とは、卵型の丸いむらが発生することを意味する。前記液晶セル側の反対側に備えられる偏光膜保護フィルムにUV吸収剤が添加されたりUV吸収層が備えられてUV吸収機能が付加される場合には、液晶セル側に備えられる偏光子保護フィルムとして水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムを用いる場合にも、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象の改善効果が優れる。
【0019】
本発明において、前記第1偏光板と第2偏光板の一構成要素であるポリビニルアルコール系偏光膜としては、ポリビニルアルコールを用いて形成された高分子フィルムを一定の方向に分子配列し、ヨウ素または2色性物質を吸着させたフィルムを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸槽で1軸延伸したポリビニルアルコール・ヨウ素系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムに2色性染料を拡散吸着させた後に1軸延伸したポリビニルアルコール・染料系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて延伸してポリビニレン構造を有するポリビニルアルコール・ポリビニレン系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムに銀、水銀、鉄などの金属を吸着させたポリビニルアルコール・金属系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ化カリウムとチオ類酸ソーダを含むホウ酸溶液で処理した近紫外偏光膜と、分子内に陽イオン基を含有する変性ポリビニルアルコールから形成されたポリビニルアルコール系フィルムの表面および/または内部に2色性染料を有する偏光膜などがあるが、これにのみ限定されることはなく、当技術分野で周知のものを用いることができる。
【0020】
ポリビニルアルコール系偏光膜の製造方法についても特に限定されることはない。例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸した後にヨウ素イオンを吸着する方法と、ポリビニルアルコール系フィルムを2色性染料によって染色した後に延伸する方法と、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸した後に2色性染料で染色する方法と、2色性染料をポリビニルアルコール系フィルムに印刷した後に延伸する方法と、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸した後に2色性染料を印刷する方法などを挙げることができる。具体的には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解してヨウ素イオンを生成し、このイオンをポリビニルアルコールフィルムに吸着させてフィルムを延伸した後、1−4%ホウ酸水溶液に30−40℃の温度で浸漬して偏光膜を製造する方法、またはポリビニルアルコールフィルムをホウ酸処理して1軸方向に3−7倍延伸させ、0.05−5%の2色性染料水溶液に30−40℃の温度で浸漬して染料を吸着させ、80−100℃で乾燥して熱固定することによって偏光膜を製造する方法などがある。
【0021】
本発明において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の一面に備えられた保護フィルムの水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、本発明に係る液晶表示装置の最外郭に位置して湿気による前記偏光膜の機能低下を防ぐことができ、光漏れおよびエッグむら現象防止効果を向上させることができる。本発明において、前記水蒸気透過率は特に制限されることはないが、40℃、相対湿度90%の条件で測定した値とすることができる。
【0022】
本発明において、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、水蒸気透過率が小さいほど好ましい。また、前記フィルムの水蒸気透過率が100g/m2日をより大きいすれば、水分から偏光膜を保護する機能が不足する。前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、水蒸気透過率が0.1g/m2日〜50g/m2日であることがより好ましく、0.5g/m2日〜10g/m2日であることがより好ましい。
【0023】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、水蒸気透過率が前記範囲に属していて偏光板および液晶表示装置の機能に悪影響を及ぼさない限り、その種類が特に限定されることはない。水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの非制限的な例としては、COP(シクロオレフィン ポリマー)、COC(シクロオレフィン コポリマー)、PNB(ポリノルボルネン)、PET(ポリエチレン テレフタレ―ト)などがある。
【0024】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの厚さは、30〜100マイクロメータであることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の液晶セル側に備えられる水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムは、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムと組み合わされて液晶表示装置の光漏れおよびエッグむら改善効果を示し、第1偏光板または第2偏光板と液晶セルの接着時または偏光膜と保護フィルムの接着時、溶剤を含む接着剤など多様な接着剤を用いることができるようにする。
【0026】
本発明の他の一実施形態において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の液晶セル側に備えられる水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、UV吸収剤の添加またはUV吸収層によってUV吸収機能が付与された前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムと組み合わされ、前記のような効果を示すことができる。
【0027】
前記液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムの水蒸気透過率は、1,500g/m2日より大きい5,000g/m2日以下であることが好ましい。
【0028】
前記水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムは、前記水蒸気透過率が極めて低い、すなわち100g/m2日以下のフィルムと共に用いられるものであるため、前記水蒸気透過率が1,500g/m2日未満であれば、溶剤がある接着剤を用いる場合に溶剤が蒸発し難く、接着性が低下するという問題がある。液晶セル側の偏光膜保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムを用いることで、接着剤の乾燥時間が短くなって生産性が向上し、低温における乾燥工程が可能となるため、高温での乾燥時に生じ得る偏光膜の配向安定性の阻害や色変化などの問題を防ぐことができる。液晶セル側偏光膜保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日以下の低いフィルムを用いる場合、偏光膜と保護フィルムを接着するために用いられた接着剤を十分に乾燥させ難く、接着剤によるむらまたは押され不良が発生する。また、十分に乾燥させるためにオーブン内の滞留時間を増加させれば生産性が悪化し、高温で放置するようになれば光特性が悪化する。
【0029】
また、水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムの水蒸気透過率を5,000g/m2日以下に調節することで、1つの偏光膜を保護する2つの保護フィルムの透湿率が相異することによって現れ得るカール(curl、偏光板の曲がり不良)発生率を低下させることができる。
【0030】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムにUV吸収機能が付与される場合には、液晶セル側の偏光膜保護フィルムの水蒸気透過率が200g/m2日より大きいの場合には太陽光を長く受けるときに発生し得る黄変現象などを防ぐことができ、結果的には目的とする範囲の偏光板物性を達成することができる。ただし、この場合にも、液晶セル側偏光膜保護フィルムの水蒸気透過率が1500g/m2日より大きいであることが好ましい。
【0031】
前記液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムは、水蒸気透過率が前記範囲に属していて偏光板および液晶表示装置の機能に悪影響を及ぼさない限り、その種類が特に限定されることはないが、本発明では、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、アセチルセルロース系フィルム、ポリカーボネイト系フィルム、ポリビニールアルコール系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリアミドイミド系フィルム、ポリアミド系フィルムなどを用いることができる。偏光膜の性能を最大限に生かすためには、フィルムの外観および平面平滑度が優れており、水蒸気透過率を前記範囲で制御し易いトリアセチルセルロースのようなアセテート系樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
前記液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムの厚さは、30〜100マイクロメータであることが好ましい。
【0033】
本発明において、前記第1偏光板および第2偏光板の保護フィルムとして用いられるフィルムは、ポリビニルアルコール系偏光膜または液晶セルとの接着力を向上させるために表面処理を実行することもできる。
【0034】
本発明において、前記保護フィルムとポリビニルアルコール系偏光膜との接着および前記偏光板と液晶セルとの接着は、当技術分野にて周知である接着剤を用いて実行することができる。例えば、紫外線硬化型接着剤、溶剤系接着剤、水系接着剤、熱硬化形接着剤などが制限されずに用いられ、溶剤系または水系接着剤を用いることが生産性面において好ましい。具体的に、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリウレタン系接着剤などを用いることができる。特に、本発明では、高温における光漏れ現象を防ぐために、偏光板に用いられる接着剤としてハードタイプを用いることが好ましい。
【0035】
本発明において、前記偏光膜および保護フィルムを含む偏光板は、上述した接着剤を用いて偏光膜と保護フィルムを貼り合わせた後に乾燥する過程において、含水量を一定範囲以内になるようにすることによって偏光板の耐熱性を向上させることができる。前記偏光板の乾燥後の含水量は、偏光板の総重量に対して1〜2重量%であることが好ましい。
【0036】
本発明では、前記第1偏光板および第2偏光板の保護フィルムの製造時、UV吸収剤、アンチブロッキング剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤、安定剤などの各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0037】
特に、第1偏光板または第2偏光板の外部保護フィルムとして用いられる水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムには、UV吸収剤が添加されることが好ましい。具体的に説明すれば、偏光板がUVに対して信頼性を有するためには、すなわち時間が経過しても同じ偏光効率を出すためには、バックライトランプ(BLU Lamp)や太陽光のようなUV光源と偏光膜の間にUVから偏光膜を保護する層が入ることが好ましい。前記保護フィルムの色変化に応じて偏光板の色が変わるためである。また、UVを受ければ偏光膜にあるヨウ素の配向性が悪化し、時間が経過するほど液晶表示装置のコントラスト比が低下したり色感が異なることがある。万一、UV保護層がなければ、偏光効率低下によってその偏光板を使用し難い。
【0038】
したがって、本発明では、偏光膜を保護する保護フィルムのうち、観測者と最も近い面の太陽光と偏光膜の間に配置される保護フィルム、またはバックライトランプと偏光膜の間に配置される保護フィルムの水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムにUV吸収剤を添加することができる。また、UV吸収層は、後述するように、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上面または下面に形成することができる。例えば、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上にUV吸収剤をコーティングしてUV吸収層を形成することもできるし、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に反射防止層やハードコーティング層などを形成する場合、これらの層にUV吸収剤を添加することもできる。また、偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムを接着する接着剤層にUV吸収剤を添加することができる。前記偏光板の外部保護フィルムの耐UV性が優れていれば、前記偏光板の内部保護フィルムは、耐UV性が比較的小さくても偏光板の色変化に少なく影響を及ぼす。特に、液晶表示装置の観測者と最も近い面に配置される偏光膜の保護フィルム、すなわち太陽光と偏光膜の間に配置される保護フィルムに耐UV性を付与することが重要である。
【0039】
また、本発明に係る液晶表示装置において、液晶表示装置の最外郭に位置する水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上には、反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層をさらに備えることができる。前記反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、またはハードコーティング層は、液晶表示装置のバックライトが備えられる側の反対側に備えることができる。前記反射防止層、輝度向上層、またはハードコーティング層は、液晶表示装置のバックライトが備えられる側に備えることができる。前記層、特に液晶表示装置の観測者側に配置される層には、UV吸収剤をさらに添加することができる。
【0040】
具体的に、前記反射防止層または低反射コーティング層は、液晶表示装置の観測者のグレアを防ぐ役割をするものであり、例えば水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に反射防止または低反射コーティングをすることによって形成することができる。前記コーティング液としては、シリカ、アクリルバインダなどを含むものを用いることができるが、これにのみ限定されることはない。前記反射防止層は、ヘイズ(haze)を与えるコーティングであるとも言う。
【0041】
前記UV吸収層は、偏光膜とUV光源の間にUV保護層役割をすることで、UVによって偏光板の色変化を防ぐ役割をするものである。前記UV吸収層は、上述したように、偏光膜の保護フィルム、特に液晶表示装置の観測者と最も近い面に位置した偏光膜の保護フィルムにUV吸収剤を添加することによって形成することもできるし、偏光膜の保護フィルムまたはその上に配置される他の機能性層上にUV吸収層をコーティングしたり、他の機能性層の製造時にUV吸収剤を添加することによって形成することができる。PVA偏光膜と保護フィルムを接着する接着層にUV吸収剤を添加して形成することができる。
【0042】
前記輝度向上層は、バックライトから出た光の輝度を向上させる役割をするものであり、偏光膜の保護フィルム、特にバックライトと近い面に位置した偏光膜の保護フィルムに減圧接着剤(PSA)を用いて輝度向上フィルムを接合したり、輝度向上フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの場合、これを偏光膜に直接接着させることができる。
【0043】
前記静電気防止コーティング層は、液晶表示装置モジュールにおいて静電気による不良が発生しないようにする役割をするものであり、表面抵抗を低めるコーティングをして表面に静電気の発生を防ぐことができる。前記静電気防止コーティング層形成のためには、ポリチオフェン(polythiophene)を含むコーティング液を用いることができるが、この成分にのみ限定されることはない。
【0044】
前記ハードコーティング層は、液晶表示装置の耐スクラッチ性などを向上させ、ペンなどによる汚れが容易に除去されるようにする役割をするものである。例えば、液晶モジュール(LCM)を製作した後にこれを液晶表示装置セット製作者に移送する間、偏光膜とバックライトの間に位置したフィルムがバックライトシートに接して擦れながら、不良が発生することがある。このような問題が発生し得るということは、振動テストによって類推して見ることができる。液晶モジュールを製作し、この液晶モジュールに1.5gの錘を押して1時間振動させた後に液晶モジュールを駆動すれば、輝度が不均一したりむらが発生することを確認することができる。このような問題は、本発明に係る液晶表示装置において水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの硬度が低い場合に発生することがある。このような問題を防ぐために、水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上にハードコーティングをすることが好ましい。このようにすることで、液晶モジュールをバックライトに付着させる工程において、液晶表示装置の最外郭に位置する水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、例えばシクロオレフィン系フィルムがその低い硬度によって擦れながら不良が発生することを防ぐことができる。ハードコーティング層は、例えばアクリルバインダ、シリカなどを含むコーティング液を水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上にコーティングする方式で製造することができるが、これら材料および方式にのみ限定されることはない。
【0045】
また、本発明に係る液晶表示装置において、第1偏光板または第2偏光板のうち、ポリビニルアルコール系偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間には、前記ポリビニルアルコール系偏光膜上に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム上に備えられた輝度向上フィルムをさらに備えることができる。前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいであることが好ましい。
【0046】
本発明に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルは特に限定されることはなく、当技術分野で周知であるものを用いることができる。本発明では、IPSモード、TNモード、VAモードなどの液晶セルを用いることができる。
【0047】
本発明に係る液晶表示装置は、必要に応じて前記第1偏光板と液晶セルの間および/または第2偏光板と液晶セルの間に光学補償フィルムをさらに含むことができる。
【0048】
また、本発明は、上述した液晶表示装置への適用に適合した偏光板を提供する。
【0049】
本発明の一実施形態は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が含まれた偏光板を提供する。前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいであることが好ましい。
【0050】
前記偏光板において、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムとUV吸収層の間、またはUV吸収層上面に、反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、ハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層をさらに備えることができる。前記層、特に液晶表示装置の観測者側に配置される層には、UV吸収剤を追加することができる。また、前記偏光板において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルムをさらに備えることができる。
【0051】
図面を参照しながら具体的に例示するが、本発明の範囲がこれらの例にのみ限定されることはない。
【0052】
本発明に係る偏光板は、図5のような構造とすることができる。具体的に、図5に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層および反射防止層または低反射コーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置の観測者側に配置することができる。
【0053】
本発明に係る偏光板は、図6のような構造とすることができる。具体的に、図6に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層および反射防止層またはハードコーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置のバックライト側に配置することができる。
【0054】
本発明に係る偏光板は、図7のような構造とすることができる。具体的に、図7に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層および輝度向上フィルムを含む。このような偏光板は、液晶表示装置のバックライト側に配置することができる。
【0055】
本発明の偏光板は、図9のような構造とすることができる。具体的に、図9に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層、および静電気防止コーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置の観測者側に配置することができる。
【0056】
本発明の偏光板は、図10のような構造とすることができる。具体的に、図10に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層、およびハードコーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置の観測者側に配置することができる。
【0057】
本発明に係る他の一実施形態は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルム、前記輝度向上フィルム上に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムを含む偏光板を提供する。このような構造の偏光板は、図8に例示されている。
【0058】
前記本発明に係る偏光板に対する各構成要素の説明は、液晶表示装置について上述したとおりである。本発明に係る偏光板は、液晶セルに接するようになる水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの表面に備えられた接着剤層をさらに備えることができる。
【0059】
また、前記偏光板の偏光膜と保護フィルムの間には、これらの接着のための接着剤層を備えることができる。このとき、前記偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に備えられた接着剤層には、UV吸収剤を添加することができる。
【0060】
[実施例]
以下、実施例を参照しながら本発明をより詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されることはない。
【0061】
実施例1および2、比較例1〜4
下記表1に示した保護フィルムを用いた偏光板を用いて、液晶セルおよび液晶セルの両面にそれぞれ偏光板が配置された液晶モジュールを製作した。液晶セルとしてはセルギャップ3.4μm、プリチルト角2゜、誘電率異方性Δε=+7、複屈折Δn=0.1の液晶で満たされたIPS液晶セルを用い、偏光膜としてはポリビニルアルコール系偏光膜を用いた。偏光膜と保護フィルムの接着および偏光板と液晶セルとの接着には、ポリビニールアルコールを水に溶かした接着剤を用いた。UV吸収剤(2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)が含まれる場合は、外部保護フィルムのコーティング層に入れる方式で行った。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例1および比較例1で製造された液晶モジュールを50℃、80%チャンバで72時間放置した後にチャンバから取り出し、常温で液晶セルをブラックモード(black mode)状態で置き、液晶セルの4頂点付近で周辺と輝度偏差を肉眼で判断して光漏れ防止効果を測定した。このとき、実施例1の液晶モジュールに対しは2回繰り返し、比較例1に対しは3回繰り返して実験した。測定結果を図11に示した。
【0064】
実施例1、実施例2、および比較例2〜比較例4で製造された液晶モジュールを50℃、80%チャンバで24時間放置した後にチャンバから取り出し、常温で液晶セルをブラックモード(black mode)状態で置き、液晶セルの4頂点付近で周辺と輝度偏差を肉眼で判断して光漏れ防止効果を測定した。測定結果を図12に示した。
【0065】
実施例1および実施例2で製造された液晶モジュールを50℃、80%チャンバで240時間放置した後にチャンバから取り出し、常温で液晶セルをブラックモード(black mode)状態で置き、液晶セルの4頂点付近で周辺と輝度偏差を肉眼で判断して光漏れ防止効果を測定した。測定結果を図13に示した。
【0066】
比較例1〜4は、チャンバから取り出した直後から光漏れ現象が観察され、常温で持続的に光漏れ現象が悪化した。この反面、実施例1および実施例2では、常温で6時間放置した後にも光漏れ現象が観察されなかった。
【0067】
また、実施例1、実施例2、および比較例1〜4で製造された液晶モジュールのCOP層上に反射防止層を形成し(AGコーティング)、反射防止層を備えたCOP層にUVランプとしてUVA−340ランプを用い、150時間UVを照射して偏光板を観察した。黄変現象に対する測定は、US−VIS分光光度計(UV−VIS Spectrophotometer、日立社model U−3310)を用いて測定した。この場合、実施例1および比較例1〜4では黄変がなかったが、実施例2では黄変が発生した。
【0068】
実施例1および実施例2の液晶モジュールのUV照射前後のTc(直交透過率)およびTs(単体透過率)測定結果をそれぞれ図14および図15に示した。Tc(直交透過率)およびTs(単体透過率)は次のように計算した。まず、分光光度計の光軸に垂直に試片を固定させ、試片の吸収軸が45°であるときと135°であるときを測定し、このときの測定波長範囲は400−700nmで10nm間隔で測定し、T45(λ)、T135(λ)、TC45(λ)、TC135(λ)を得た(図16参照)。これら値を有して、JIS Z 8701の2°視野XYZ系に係る視感度補正としてTc(直交透過率)およびTs(単体透過率)を計算した。
【0069】
単体透過率:
Ts(%)=Y=K×Σ{S(λ)×y(λ)×(T45(λ)+T135(λ))/2}(Σ=400〜700nm)
直交透過率:
Tc(%)=K×Σ{S(λ)×y(λ)×TC(λ)}(Σ=400〜700nm)
K:補正係数(0.09395)
S(λ):光源の相対分光分布
y(λ):同色係数
【0070】
【表2】
【0071】
前記比較例および実施例の結果から、水蒸気透過率が100g/m2日以下の偏光膜の保護フィルムを液晶表示装置の最外郭に配置し、前記偏光膜の他の一面の保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムを用いる場合に、光漏れ改善効果があることが分かる。また、保護フィルムそのものにUV吸収剤がない場合には、UV吸収剤を入れることによって黄変現象が起こらないことが分かる。
【0072】
実施例3および比較例5
下記表3に示した保護フィルムを用いた偏光板を用いたことを除いては、前記実施例2と同じ方法で液晶モジュールを製作し、接着剤むらおよび押さえ現象を観察した。接着剤のむらは、バックライトユニット(BLU)の上に偏光板を直交状態で上げた後に透過検査を実施して肉眼検査した。また、押さえ現象は、蛍光灯光下で光を反射させ、外観上に押さえられた部分があるか否かに対して判断する反射検査を実施した。その結果を下記表3に示した。
【0073】
【表3】
【0074】
表3の結果から、実施例3のように内部保護フィルムとして水蒸気透過率1500g/m2日より大きいフィルムを用いる場合、接着剤むらおよび押さえ現象において比較例5に比べて優れた効果を示すことを確認することができる。
【0075】
実施例4
接着剤乾燥のために偏光膜を高温で放置する場合、光特性が劣化するという点を確認するために、下記のような実験を行った。ポリビニルアルコール系偏光膜をガラス基板に付けた後、80℃で15時間放置する前と放置した後に光特性としてTc(直交透過率)およびTs(単体透過率)を測定して色値aおよびbを計算した。前記色相値は下記のように計算した。まず、吸収軸角度45°の偏光板の透過率を測定し、JIS Z 8701の2°視野XYZ系統による視感度補正(400−700nm、10nm間隔)でX、Z値を次のように求める。
【0076】
X=K×Σ{S(λ)×x(λ)×(T45(λ)+T135(λ))/2}(Σ=400〜700nm)
Z=K×Σ{S(λ)×z(λ)×(T45(λ)+T135(λ))/2}(Σ=400〜700nm)
K=補正係数(0.09395)
S(λ):光源の相対分光分布
x(λ)、z(λ):同色係数
Y:単体透過率(Ts)
前記のように求めたXおよびZ値を用いて、次の色差式で色a、b値を求める。
【0077】
a=17.5×(1.02X−Y)/Y1/2
b=7×(Y−0.847Z)/Y1/2
【0078】
【表4】
【0079】
前記表4に示すとおり、偏光膜を高温で放置する場合には光特性が悪化する。
【0080】
偏光膜の内部保護フィルムとして1500g/m2日以下のフィルムを用いる場合、上述したように偏光膜と保護フィルムを接着するために用いられた接着剤は容易に乾燥しない。したがって、接着剤の乾燥のために接着剤の乾燥温度を上げれば、偏光膜の光特性が低下する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板およびこれを用いた液晶表示装置に関し、より詳くは、光漏れ、黄変とエッグむら現象の改善および吸湿遮断に効果的な偏光板の保護フィルムの配置構造を含む液晶表示装置およびこれに適用される偏光板に関する。本出願は、2006年7月31日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2006−0072305号の出願日の利益を主張し、その内容すべては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の偏光板は、ポリビニルアルコール系(以下、PVAとする)ポリマーフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着配向させた偏光膜に、保護膜としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを接着剤で接着したものが一般的であった。偏光膜の両面にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを備えた従来の偏光板を図1に例示した。図1の偏光板の一面には、液晶表示装置に適用するための減圧接着剤層(PSA)がさらに備えられている。図1の偏光板を液晶表示装置に適用した例を図2に例示した。
【0003】
しかしながら、前記トリアセチルセルロース(TAC)フィルムは吸湿率や透湿度が大きいため、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを保護膜として用いる偏光板は、高温多湿環境下において偏光機能が低下するという問題がある。このために、吸収率や水蒸気透過率が小さいフィルムを保護膜とする偏光板が提案された。例えば、図3のように、偏光板両面のうち液晶セル側に備えられた内部保護フィルムとしてシクロオレフィン系樹脂フィルムで用いた例が提案された。
【0004】
しかしながら、上述した従来技術において、液晶表示装置の最外郭にトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが位置する場合には、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが湿気防止機能が優れておらず、湿気に弱いポリビニルアルコール系樹脂フィルムが湿気を吸収するようになり、この場合、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのサイズ変化によって偏光機能が低下して光漏れ機能が生じるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当技術分野では、高温多湿環境において偏光板の機能低下、特に耐久性低下、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象を防ぐことができる技術の開発が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、液晶セルの両面に偏光板が備えられた液晶表示装置であって、液晶表示装置の最外郭に位置する偏光板の保護フィルム、すなわち偏光板の外部保護フィルムが偏光板の吸湿性および透湿性を決定し、多湿環境における偏光板の機能低下防止に重要な影響を及ぼす反面、前記偏光板の液晶セル側に配置される保護フィルム、すなわち偏光板の内部保護フィルムは、偏光板の吸湿性および透湿性に大きく影響を及ぼさないため、液晶セルとの接着性向上、光漏れ防止、エッグむら改善効果などを達成しようとする物性を考慮し、多様に選択することができるという事実を明らかにした。
【0007】
これにより、本発明は、多湿環境で耐久性が優れるように配置された偏光板を含み、光漏れおよびエッグむら現象が改善された液晶表示装置およびこれに適用される偏光板を提供することを目的とする。
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムであることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムであり、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがそれぞれUV吸収剤を含むか、又は前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が備えられたことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記液晶表示装置に適用される偏光板を提供する。
【0011】
具体的に、本発明の一実施形態は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が含まれた偏光板を提供する。
【0012】
前記偏光板において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルムをさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る液晶表示装置は、多湿条件下における偏光板の機能低下が少なく、光漏れおよびエッグむら改善効果が優れている。さらに、黄変現象も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の偏光板の構造を例示した図である。
【図2】従来の偏光板が適用された液晶表示装置の構造を例示した図である。
【図3】従来の偏光板が適用された液晶表示装置の構造を例示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の構造を例示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図8】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係る偏光板の構造を例示した図である。
【図11】偏光板の外部保護フィルムおよび内部保護フィルムの種類による液晶表示装置における光漏れ防止効果を比較した図である。
【図12】偏光板の外部保護フィルムおよび内部保護フィルムの種類による液晶表示装置における光漏れ防止効果を比較した図である。
【図13】偏光板の外部保護フィルムおよび内部保護フィルムの種類による液晶表示装置における光漏れ防止効果を比較した図である。
【図14】実施例1および実施例2で製造された偏光板のUV照射前後の光学物性を示すグラフである。
【図15】実施例1および実施例2で製造された偏光板のUV照射前後の光学物性を示すグラフである。
【図16】偏光板の透過率を測定する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明に係る液晶表示装置は、液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムは水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムであることを特徴とする。本発明に係る液晶表示装置の構造は図4に例示したが、本発明の範囲がその構造にのみ限定されることはない。
【0017】
また、本発明に係る液晶表示装置は、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムあり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムは水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムであり、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがそれぞれUV吸収剤を含むか、又は前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が備えられたことを特徴とする。
【0018】
本発明では、上記のように、液晶表示装置の最外郭に位置する偏光板の保護フィルムとして水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムを用いることで、水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムを用いたとしても、他の位置、例えば図3のように偏光板の内部保護フィルムとして配置した液晶表示装置に比べて多湿条件下における偏光板の機能低下防止効果が極めて優れる。また、液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムを用いることで、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象の改善効果が優れる。エッグむら現象とは、卵型の丸いむらが発生することを意味する。前記液晶セル側の反対側に備えられる偏光膜保護フィルムにUV吸収剤が添加されたりUV吸収層が備えられてUV吸収機能が付加される場合には、液晶セル側に備えられる偏光子保護フィルムとして水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムを用いる場合にも、光漏れ、黄変、およびエッグむら現象の改善効果が優れる。
【0019】
本発明において、前記第1偏光板と第2偏光板の一構成要素であるポリビニルアルコール系偏光膜としては、ポリビニルアルコールを用いて形成された高分子フィルムを一定の方向に分子配列し、ヨウ素または2色性物質を吸着させたフィルムを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸槽で1軸延伸したポリビニルアルコール・ヨウ素系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムに2色性染料を拡散吸着させた後に1軸延伸したポリビニルアルコール・染料系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて延伸してポリビニレン構造を有するポリビニルアルコール・ポリビニレン系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムに銀、水銀、鉄などの金属を吸着させたポリビニルアルコール・金属系偏光膜と、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ化カリウムとチオ類酸ソーダを含むホウ酸溶液で処理した近紫外偏光膜と、分子内に陽イオン基を含有する変性ポリビニルアルコールから形成されたポリビニルアルコール系フィルムの表面および/または内部に2色性染料を有する偏光膜などがあるが、これにのみ限定されることはなく、当技術分野で周知のものを用いることができる。
【0020】
ポリビニルアルコール系偏光膜の製造方法についても特に限定されることはない。例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸した後にヨウ素イオンを吸着する方法と、ポリビニルアルコール系フィルムを2色性染料によって染色した後に延伸する方法と、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸した後に2色性染料で染色する方法と、2色性染料をポリビニルアルコール系フィルムに印刷した後に延伸する方法と、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸した後に2色性染料を印刷する方法などを挙げることができる。具体的には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解してヨウ素イオンを生成し、このイオンをポリビニルアルコールフィルムに吸着させてフィルムを延伸した後、1−4%ホウ酸水溶液に30−40℃の温度で浸漬して偏光膜を製造する方法、またはポリビニルアルコールフィルムをホウ酸処理して1軸方向に3−7倍延伸させ、0.05−5%の2色性染料水溶液に30−40℃の温度で浸漬して染料を吸着させ、80−100℃で乾燥して熱固定することによって偏光膜を製造する方法などがある。
【0021】
本発明において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の一面に備えられた保護フィルムの水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、本発明に係る液晶表示装置の最外郭に位置して湿気による前記偏光膜の機能低下を防ぐことができ、光漏れおよびエッグむら現象防止効果を向上させることができる。本発明において、前記水蒸気透過率は特に制限されることはないが、40℃、相対湿度90%の条件で測定した値とすることができる。
【0022】
本発明において、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、水蒸気透過率が小さいほど好ましい。また、前記フィルムの水蒸気透過率が100g/m2日をより大きいすれば、水分から偏光膜を保護する機能が不足する。前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、水蒸気透過率が0.1g/m2日〜50g/m2日であることがより好ましく、0.5g/m2日〜10g/m2日であることがより好ましい。
【0023】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、水蒸気透過率が前記範囲に属していて偏光板および液晶表示装置の機能に悪影響を及ぼさない限り、その種類が特に限定されることはない。水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの非制限的な例としては、COP(シクロオレフィン ポリマー)、COC(シクロオレフィン コポリマー)、PNB(ポリノルボルネン)、PET(ポリエチレン テレフタレ―ト)などがある。
【0024】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの厚さは、30〜100マイクロメータであることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の液晶セル側に備えられる水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムは、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムと組み合わされて液晶表示装置の光漏れおよびエッグむら改善効果を示し、第1偏光板または第2偏光板と液晶セルの接着時または偏光膜と保護フィルムの接着時、溶剤を含む接着剤など多様な接着剤を用いることができるようにする。
【0026】
本発明の他の一実施形態において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の液晶セル側に備えられる水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、UV吸収剤の添加またはUV吸収層によってUV吸収機能が付与された前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムと組み合わされ、前記のような効果を示すことができる。
【0027】
前記液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムの水蒸気透過率は、1,500g/m2日より大きい5,000g/m2日以下であることが好ましい。
【0028】
前記水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムは、前記水蒸気透過率が極めて低い、すなわち100g/m2日以下のフィルムと共に用いられるものであるため、前記水蒸気透過率が1,500g/m2日未満であれば、溶剤がある接着剤を用いる場合に溶剤が蒸発し難く、接着性が低下するという問題がある。液晶セル側の偏光膜保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムを用いることで、接着剤の乾燥時間が短くなって生産性が向上し、低温における乾燥工程が可能となるため、高温での乾燥時に生じ得る偏光膜の配向安定性の阻害や色変化などの問題を防ぐことができる。液晶セル側偏光膜保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日以下の低いフィルムを用いる場合、偏光膜と保護フィルムを接着するために用いられた接着剤を十分に乾燥させ難く、接着剤によるむらまたは押され不良が発生する。また、十分に乾燥させるためにオーブン内の滞留時間を増加させれば生産性が悪化し、高温で放置するようになれば光特性が悪化する。
【0029】
また、水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムの水蒸気透過率を5,000g/m2日以下に調節することで、1つの偏光膜を保護する2つの保護フィルムの透湿率が相異することによって現れ得るカール(curl、偏光板の曲がり不良)発生率を低下させることができる。
【0030】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムにUV吸収機能が付与される場合には、液晶セル側の偏光膜保護フィルムの水蒸気透過率が200g/m2日より大きいの場合には太陽光を長く受けるときに発生し得る黄変現象などを防ぐことができ、結果的には目的とする範囲の偏光板物性を達成することができる。ただし、この場合にも、液晶セル側偏光膜保護フィルムの水蒸気透過率が1500g/m2日より大きいであることが好ましい。
【0031】
前記液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムは、水蒸気透過率が前記範囲に属していて偏光板および液晶表示装置の機能に悪影響を及ぼさない限り、その種類が特に限定されることはないが、本発明では、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、アセチルセルロース系フィルム、ポリカーボネイト系フィルム、ポリビニールアルコール系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリアミドイミド系フィルム、ポリアミド系フィルムなどを用いることができる。偏光膜の性能を最大限に生かすためには、フィルムの外観および平面平滑度が優れており、水蒸気透過率を前記範囲で制御し易いトリアセチルセルロースのようなアセテート系樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
前記液晶セル側に備えられる偏光膜保護フィルムの厚さは、30〜100マイクロメータであることが好ましい。
【0033】
本発明において、前記第1偏光板および第2偏光板の保護フィルムとして用いられるフィルムは、ポリビニルアルコール系偏光膜または液晶セルとの接着力を向上させるために表面処理を実行することもできる。
【0034】
本発明において、前記保護フィルムとポリビニルアルコール系偏光膜との接着および前記偏光板と液晶セルとの接着は、当技術分野にて周知である接着剤を用いて実行することができる。例えば、紫外線硬化型接着剤、溶剤系接着剤、水系接着剤、熱硬化形接着剤などが制限されずに用いられ、溶剤系または水系接着剤を用いることが生産性面において好ましい。具体的に、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリウレタン系接着剤などを用いることができる。特に、本発明では、高温における光漏れ現象を防ぐために、偏光板に用いられる接着剤としてハードタイプを用いることが好ましい。
【0035】
本発明において、前記偏光膜および保護フィルムを含む偏光板は、上述した接着剤を用いて偏光膜と保護フィルムを貼り合わせた後に乾燥する過程において、含水量を一定範囲以内になるようにすることによって偏光板の耐熱性を向上させることができる。前記偏光板の乾燥後の含水量は、偏光板の総重量に対して1〜2重量%であることが好ましい。
【0036】
本発明では、前記第1偏光板および第2偏光板の保護フィルムの製造時、UV吸収剤、アンチブロッキング剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤、安定剤などの各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0037】
特に、第1偏光板または第2偏光板の外部保護フィルムとして用いられる水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムには、UV吸収剤が添加されることが好ましい。具体的に説明すれば、偏光板がUVに対して信頼性を有するためには、すなわち時間が経過しても同じ偏光効率を出すためには、バックライトランプ(BLU Lamp)や太陽光のようなUV光源と偏光膜の間にUVから偏光膜を保護する層が入ることが好ましい。前記保護フィルムの色変化に応じて偏光板の色が変わるためである。また、UVを受ければ偏光膜にあるヨウ素の配向性が悪化し、時間が経過するほど液晶表示装置のコントラスト比が低下したり色感が異なることがある。万一、UV保護層がなければ、偏光効率低下によってその偏光板を使用し難い。
【0038】
したがって、本発明では、偏光膜を保護する保護フィルムのうち、観測者と最も近い面の太陽光と偏光膜の間に配置される保護フィルム、またはバックライトランプと偏光膜の間に配置される保護フィルムの水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムにUV吸収剤を添加することができる。また、UV吸収層は、後述するように、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上面または下面に形成することができる。例えば、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上にUV吸収剤をコーティングしてUV吸収層を形成することもできるし、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に反射防止層やハードコーティング層などを形成する場合、これらの層にUV吸収剤を添加することもできる。また、偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムを接着する接着剤層にUV吸収剤を添加することができる。前記偏光板の外部保護フィルムの耐UV性が優れていれば、前記偏光板の内部保護フィルムは、耐UV性が比較的小さくても偏光板の色変化に少なく影響を及ぼす。特に、液晶表示装置の観測者と最も近い面に配置される偏光膜の保護フィルム、すなわち太陽光と偏光膜の間に配置される保護フィルムに耐UV性を付与することが重要である。
【0039】
また、本発明に係る液晶表示装置において、液晶表示装置の最外郭に位置する水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上には、反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層をさらに備えることができる。前記反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、またはハードコーティング層は、液晶表示装置のバックライトが備えられる側の反対側に備えることができる。前記反射防止層、輝度向上層、またはハードコーティング層は、液晶表示装置のバックライトが備えられる側に備えることができる。前記層、特に液晶表示装置の観測者側に配置される層には、UV吸収剤をさらに添加することができる。
【0040】
具体的に、前記反射防止層または低反射コーティング層は、液晶表示装置の観測者のグレアを防ぐ役割をするものであり、例えば水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に反射防止または低反射コーティングをすることによって形成することができる。前記コーティング液としては、シリカ、アクリルバインダなどを含むものを用いることができるが、これにのみ限定されることはない。前記反射防止層は、ヘイズ(haze)を与えるコーティングであるとも言う。
【0041】
前記UV吸収層は、偏光膜とUV光源の間にUV保護層役割をすることで、UVによって偏光板の色変化を防ぐ役割をするものである。前記UV吸収層は、上述したように、偏光膜の保護フィルム、特に液晶表示装置の観測者と最も近い面に位置した偏光膜の保護フィルムにUV吸収剤を添加することによって形成することもできるし、偏光膜の保護フィルムまたはその上に配置される他の機能性層上にUV吸収層をコーティングしたり、他の機能性層の製造時にUV吸収剤を添加することによって形成することができる。PVA偏光膜と保護フィルムを接着する接着層にUV吸収剤を添加して形成することができる。
【0042】
前記輝度向上層は、バックライトから出た光の輝度を向上させる役割をするものであり、偏光膜の保護フィルム、特にバックライトと近い面に位置した偏光膜の保護フィルムに減圧接着剤(PSA)を用いて輝度向上フィルムを接合したり、輝度向上フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの場合、これを偏光膜に直接接着させることができる。
【0043】
前記静電気防止コーティング層は、液晶表示装置モジュールにおいて静電気による不良が発生しないようにする役割をするものであり、表面抵抗を低めるコーティングをして表面に静電気の発生を防ぐことができる。前記静電気防止コーティング層形成のためには、ポリチオフェン(polythiophene)を含むコーティング液を用いることができるが、この成分にのみ限定されることはない。
【0044】
前記ハードコーティング層は、液晶表示装置の耐スクラッチ性などを向上させ、ペンなどによる汚れが容易に除去されるようにする役割をするものである。例えば、液晶モジュール(LCM)を製作した後にこれを液晶表示装置セット製作者に移送する間、偏光膜とバックライトの間に位置したフィルムがバックライトシートに接して擦れながら、不良が発生することがある。このような問題が発生し得るということは、振動テストによって類推して見ることができる。液晶モジュールを製作し、この液晶モジュールに1.5gの錘を押して1時間振動させた後に液晶モジュールを駆動すれば、輝度が不均一したりむらが発生することを確認することができる。このような問題は、本発明に係る液晶表示装置において水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの硬度が低い場合に発生することがある。このような問題を防ぐために、水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上にハードコーティングをすることが好ましい。このようにすることで、液晶モジュールをバックライトに付着させる工程において、液晶表示装置の最外郭に位置する水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、例えばシクロオレフィン系フィルムがその低い硬度によって擦れながら不良が発生することを防ぐことができる。ハードコーティング層は、例えばアクリルバインダ、シリカなどを含むコーティング液を水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上にコーティングする方式で製造することができるが、これら材料および方式にのみ限定されることはない。
【0045】
また、本発明に係る液晶表示装置において、第1偏光板または第2偏光板のうち、ポリビニルアルコール系偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間には、前記ポリビニルアルコール系偏光膜上に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム上に備えられた輝度向上フィルムをさらに備えることができる。前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいであることが好ましい。
【0046】
本発明に係る液晶表示装置に用いられる液晶セルは特に限定されることはなく、当技術分野で周知であるものを用いることができる。本発明では、IPSモード、TNモード、VAモードなどの液晶セルを用いることができる。
【0047】
本発明に係る液晶表示装置は、必要に応じて前記第1偏光板と液晶セルの間および/または第2偏光板と液晶セルの間に光学補償フィルムをさらに含むことができる。
【0048】
また、本発明は、上述した液晶表示装置への適用に適合した偏光板を提供する。
【0049】
本発明の一実施形態は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が含まれた偏光板を提供する。前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいであることが好ましい。
【0050】
前記偏光板において、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムとUV吸収層の間、またはUV吸収層上面に、反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、ハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層をさらに備えることができる。前記層、特に液晶表示装置の観測者側に配置される層には、UV吸収剤を追加することができる。また、前記偏光板において、前記ポリビニルアルコール系偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムおよび前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルムをさらに備えることができる。
【0051】
図面を参照しながら具体的に例示するが、本発明の範囲がこれらの例にのみ限定されることはない。
【0052】
本発明に係る偏光板は、図5のような構造とすることができる。具体的に、図5に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層および反射防止層または低反射コーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置の観測者側に配置することができる。
【0053】
本発明に係る偏光板は、図6のような構造とすることができる。具体的に、図6に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層および反射防止層またはハードコーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置のバックライト側に配置することができる。
【0054】
本発明に係る偏光板は、図7のような構造とすることができる。具体的に、図7に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層および輝度向上フィルムを含む。このような偏光板は、液晶表示装置のバックライト側に配置することができる。
【0055】
本発明の偏光板は、図9のような構造とすることができる。具体的に、図9に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層、および静電気防止コーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置の観測者側に配置することができる。
【0056】
本発明の偏光板は、図10のような構造とすることができる。具体的に、図10に例示された偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光膜、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層、およびハードコーティング層を含む。このような偏光板は、液晶表示装置の観測者側に配置することができる。
【0057】
本発明に係る他の一実施形態は、ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルム、前記輝度向上フィルム上に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面に備えられたUV吸収層、および前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムを含む偏光板を提供する。このような構造の偏光板は、図8に例示されている。
【0058】
前記本発明に係る偏光板に対する各構成要素の説明は、液晶表示装置について上述したとおりである。本発明に係る偏光板は、液晶セルに接するようになる水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの表面に備えられた接着剤層をさらに備えることができる。
【0059】
また、前記偏光板の偏光膜と保護フィルムの間には、これらの接着のための接着剤層を備えることができる。このとき、前記偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に備えられた接着剤層には、UV吸収剤を添加することができる。
【0060】
[実施例]
以下、実施例を参照しながら本発明をより詳細に説明する。しかしながら、以下の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されることはない。
【0061】
実施例1および2、比較例1〜4
下記表1に示した保護フィルムを用いた偏光板を用いて、液晶セルおよび液晶セルの両面にそれぞれ偏光板が配置された液晶モジュールを製作した。液晶セルとしてはセルギャップ3.4μm、プリチルト角2゜、誘電率異方性Δε=+7、複屈折Δn=0.1の液晶で満たされたIPS液晶セルを用い、偏光膜としてはポリビニルアルコール系偏光膜を用いた。偏光膜と保護フィルムの接着および偏光板と液晶セルとの接着には、ポリビニールアルコールを水に溶かした接着剤を用いた。UV吸収剤(2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)が含まれる場合は、外部保護フィルムのコーティング層に入れる方式で行った。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例1および比較例1で製造された液晶モジュールを50℃、80%チャンバで72時間放置した後にチャンバから取り出し、常温で液晶セルをブラックモード(black mode)状態で置き、液晶セルの4頂点付近で周辺と輝度偏差を肉眼で判断して光漏れ防止効果を測定した。このとき、実施例1の液晶モジュールに対しは2回繰り返し、比較例1に対しは3回繰り返して実験した。測定結果を図11に示した。
【0064】
実施例1、実施例2、および比較例2〜比較例4で製造された液晶モジュールを50℃、80%チャンバで24時間放置した後にチャンバから取り出し、常温で液晶セルをブラックモード(black mode)状態で置き、液晶セルの4頂点付近で周辺と輝度偏差を肉眼で判断して光漏れ防止効果を測定した。測定結果を図12に示した。
【0065】
実施例1および実施例2で製造された液晶モジュールを50℃、80%チャンバで240時間放置した後にチャンバから取り出し、常温で液晶セルをブラックモード(black mode)状態で置き、液晶セルの4頂点付近で周辺と輝度偏差を肉眼で判断して光漏れ防止効果を測定した。測定結果を図13に示した。
【0066】
比較例1〜4は、チャンバから取り出した直後から光漏れ現象が観察され、常温で持続的に光漏れ現象が悪化した。この反面、実施例1および実施例2では、常温で6時間放置した後にも光漏れ現象が観察されなかった。
【0067】
また、実施例1、実施例2、および比較例1〜4で製造された液晶モジュールのCOP層上に反射防止層を形成し(AGコーティング)、反射防止層を備えたCOP層にUVランプとしてUVA−340ランプを用い、150時間UVを照射して偏光板を観察した。黄変現象に対する測定は、US−VIS分光光度計(UV−VIS Spectrophotometer、日立社model U−3310)を用いて測定した。この場合、実施例1および比較例1〜4では黄変がなかったが、実施例2では黄変が発生した。
【0068】
実施例1および実施例2の液晶モジュールのUV照射前後のTc(直交透過率)およびTs(単体透過率)測定結果をそれぞれ図14および図15に示した。Tc(直交透過率)およびTs(単体透過率)は次のように計算した。まず、分光光度計の光軸に垂直に試片を固定させ、試片の吸収軸が45°であるときと135°であるときを測定し、このときの測定波長範囲は400−700nmで10nm間隔で測定し、T45(λ)、T135(λ)、TC45(λ)、TC135(λ)を得た(図16参照)。これら値を有して、JIS Z 8701の2°視野XYZ系に係る視感度補正としてTc(直交透過率)およびTs(単体透過率)を計算した。
【0069】
単体透過率:
Ts(%)=Y=K×Σ{S(λ)×y(λ)×(T45(λ)+T135(λ))/2}(Σ=400〜700nm)
直交透過率:
Tc(%)=K×Σ{S(λ)×y(λ)×TC(λ)}(Σ=400〜700nm)
K:補正係数(0.09395)
S(λ):光源の相対分光分布
y(λ):同色係数
【0070】
【表2】
【0071】
前記比較例および実施例の結果から、水蒸気透過率が100g/m2日以下の偏光膜の保護フィルムを液晶表示装置の最外郭に配置し、前記偏光膜の他の一面の保護フィルムとして水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムを用いる場合に、光漏れ改善効果があることが分かる。また、保護フィルムそのものにUV吸収剤がない場合には、UV吸収剤を入れることによって黄変現象が起こらないことが分かる。
【0072】
実施例3および比較例5
下記表3に示した保護フィルムを用いた偏光板を用いたことを除いては、前記実施例2と同じ方法で液晶モジュールを製作し、接着剤むらおよび押さえ現象を観察した。接着剤のむらは、バックライトユニット(BLU)の上に偏光板を直交状態で上げた後に透過検査を実施して肉眼検査した。また、押さえ現象は、蛍光灯光下で光を反射させ、外観上に押さえられた部分があるか否かに対して判断する反射検査を実施した。その結果を下記表3に示した。
【0073】
【表3】
【0074】
表3の結果から、実施例3のように内部保護フィルムとして水蒸気透過率1500g/m2日より大きいフィルムを用いる場合、接着剤むらおよび押さえ現象において比較例5に比べて優れた効果を示すことを確認することができる。
【0075】
実施例4
接着剤乾燥のために偏光膜を高温で放置する場合、光特性が劣化するという点を確認するために、下記のような実験を行った。ポリビニルアルコール系偏光膜をガラス基板に付けた後、80℃で15時間放置する前と放置した後に光特性としてTc(直交透過率)およびTs(単体透過率)を測定して色値aおよびbを計算した。前記色相値は下記のように計算した。まず、吸収軸角度45°の偏光板の透過率を測定し、JIS Z 8701の2°視野XYZ系統による視感度補正(400−700nm、10nm間隔)でX、Z値を次のように求める。
【0076】
X=K×Σ{S(λ)×x(λ)×(T45(λ)+T135(λ))/2}(Σ=400〜700nm)
Z=K×Σ{S(λ)×z(λ)×(T45(λ)+T135(λ))/2}(Σ=400〜700nm)
K=補正係数(0.09395)
S(λ):光源の相対分光分布
x(λ)、z(λ):同色係数
Y:単体透過率(Ts)
前記のように求めたXおよびZ値を用いて、次の色差式で色a、b値を求める。
【0077】
a=17.5×(1.02X−Y)/Y1/2
b=7×(Y−0.847Z)/Y1/2
【0078】
【表4】
【0079】
前記表4に示すとおり、偏光膜を高温で放置する場合には光特性が悪化する。
【0080】
偏光膜の内部保護フィルムとして1500g/m2日以下のフィルムを用いる場合、上述したように偏光膜と保護フィルムを接着するために用いられた接着剤は容易に乾燥しない。したがって、接着剤の乾燥のために接着剤の乾燥温度を上げれば、偏光膜の光特性が低下する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、COP(シクロオレフィン ポリマー)、COC(シクロオレフィン コポリマー)、PNB(ポリノルボルネン)、PET(ポリエチレン テレフタレ―ト)からなる群から選択される材料から形成されたフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムは、トリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1偏光板もしくは第2偏光板と液晶セル、または前記ポリビニルアルコール系偏光膜と保護フィルムが溶剤系接着剤または水系接着剤によって接着されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の保護フィルムは、UV吸収剤、アンチブロッキング剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤、および安定剤からなる群から選択される1以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1偏光板および第2偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがそれぞれUV吸収剤を含むことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に、反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層がさらに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に形成された層のうちの少なくとも1層は、UV吸収剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1偏光板および第2偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムのそれぞれの上にUV吸収層が備えられたことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光膜のポリビニルアルコール系偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜上に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムと、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム上に備えられた輝度向上フィルムとをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の偏光膜と保護フィルムの間には接着剤層が備えられ、この接着剤層はUV吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第1偏光板および第2偏光板のそれぞれの含水量は、偏光板総重量に対して1〜2重量%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムがそれぞれ水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムであり、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがUV吸収剤を含むか、又は前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が備えられたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項14】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、COP(シクロオレフィン ポリマー)、COC(シクロオレフィン コポリマー)、PNB(ポリノルボルネン)、PET(ポリエチレン テレフタレ―ト)からなる群から選択される材料から形成されたフィルムであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、トリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第1偏光板もしくは第2偏光板と液晶セル、または前記ポリビニルアルコール系偏光膜と保護フィルムが溶剤系接着剤または水系接着剤によって接着されたことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の保護フィルムは、UV吸収剤、アンチブロッキング剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤、および安定剤からなる群から選択される1以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に、反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層がさらに備えられたことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光膜のポリビニルアルコール系偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜上に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムと、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム上に備えられた輝度向上フィルムとをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の偏光膜と保護フィルムの間には接着剤層が備えられ、この接着剤層はUV吸収剤を含むことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記第1偏光板および第2偏光板のそれぞれの含水量は、偏光板総重量に対して1〜2重量%であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項22】
ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層を含むことを特徴とする偏光板。
【請求項23】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面またはUV吸収層上面に、反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の偏光板。
【請求項24】
前記ポリビニルアルコール系偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムと、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルムとをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の偏光板。
【請求項25】
含水量が偏光板総重量に対して1〜2重量%であることを特徴とする請求項22に記載の偏光板。
【請求項1】
液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、COP(シクロオレフィン ポリマー)、COC(シクロオレフィン コポリマー)、PNB(ポリノルボルネン)、PET(ポリエチレン テレフタレ―ト)からなる群から選択される材料から形成されたフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記水蒸気透過率が1,500g/m2日より大きいフィルムは、トリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1偏光板もしくは第2偏光板と液晶セル、または前記ポリビニルアルコール系偏光膜と保護フィルムが溶剤系接着剤または水系接着剤によって接着されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の保護フィルムは、UV吸収剤、アンチブロッキング剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤、および安定剤からなる群から選択される1以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1偏光板および第2偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがそれぞれUV吸収剤を含むことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に、反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層がさらに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に形成された層のうちの少なくとも1層は、UV吸収剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1偏光板および第2偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムのそれぞれの上にUV吸収層が備えられたことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光膜のポリビニルアルコール系偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜上に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムと、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム上に備えられた輝度向上フィルムとをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の偏光膜と保護フィルムの間には接着剤層が備えられ、この接着剤層はUV吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第1偏光板および第2偏光板のそれぞれの含水量は、偏光板総重量に対して1〜2重量%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
液晶セルおよびこの液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1偏光板と第2偏光板を含む液晶表示装置であって、前記第1偏光板と第2偏光板はそれぞれポリビニルアルコール系偏光膜とその両面に備えられた保護フィルムを含み、前記第1偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側と反対になる側に備えられた保護フィルムが水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムであり、前記第1偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムと前記第2偏光板の液晶セル側に備えられた保護フィルムがそれぞれ水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムであり、前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムがUV吸収剤を含むか、又は前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層が備えられたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項14】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムは、COP(シクロオレフィン ポリマー)、COC(シクロオレフィン コポリマー)、PNB(ポリノルボルネン)、PET(ポリエチレン テレフタレ―ト)からなる群から選択される材料から形成されたフィルムであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムは、トリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第1偏光板もしくは第2偏光板と液晶セル、または前記ポリビニルアルコール系偏光膜と保護フィルムが溶剤系接着剤または水系接着剤によって接着されたことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の保護フィルムは、UV吸収剤、アンチブロッキング剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤、および安定剤からなる群から選択される1以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム上に、反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層がさらに備えられたことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光膜のポリビニルアルコール系偏光膜と水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜上に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムと、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム上に備えられた輝度向上フィルムとをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記第1偏光板および第2偏光板のうちの少なくとも1つの偏光板の偏光膜と保護フィルムの間には接着剤層が備えられ、この接着剤層はUV吸収剤を含むことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記第1偏光板および第2偏光板のそれぞれの含水量は、偏光板総重量に対して1〜2重量%であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項22】
ポリビニルアルコール系偏光膜、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルム、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の下面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルム、および前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面または下面にUV吸収層を含むことを特徴とする偏光板。
【請求項23】
前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの上面またはUV吸収層上面に、反射防止層、低反射コーティング層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、およびハードコーティング層からなる群から選択される1以上の層をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の偏光板。
【請求項24】
前記ポリビニルアルコール系偏光膜と前記水蒸気透過率が100g/m2日以下のフィルムの間に、前記ポリビニルアルコール系偏光膜の上面に備えられた水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムと、前記水蒸気透過率が200g/m2日より大きいフィルムの上面に備えられた輝度向上フィルムとをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の偏光板。
【請求項25】
含水量が偏光板総重量に対して1〜2重量%であることを特徴とする請求項22に記載の偏光板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−230387(P2012−230387A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121951(P2012−121951)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2009−522713(P2009−522713)の分割
【原出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2009−522713(P2009−522713)の分割
【原出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
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