説明

健康管理支援サービス提供システム、健康管理支援サービス提供方法、および健康管理支援サービス提供プログラム

【課題】利用者個別の健康状況に的確に対応した健康管理支援を可能とする。
【解決手段】診療内容の情報を医療機関サーバ300より取得して診療情報データベース125に格納し、健康改善行為の情報を健康関連事業者の業者サーバ400より取得して健康関連情報データベース126に格納し、利用者端末200より健康改善行為の利用確認要求を受信すると、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出し、診療情報データベース125および健康関連情報データベース126において利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し、健康改善行為毎に利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を特定しこの助言内容を前記利用者端末200に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理支援サービス提供システム、健康管理支援サービス提供方法、および健康管理支援サービス提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
健康診断等の情報に基づいて該当者へのサービス内容を制御する手法が提案されている。例えば、医療機関と連携して定期的に契約者の健康診断データを取得し、該データから契約者の健康評価値を算出し、保険料を健康評価値をパラメータとして算出し定期的に更新することを特徴とする健康情報の取込みにより保険料を再計算する方法(特許文献1参照)などが提案されている。
【0003】
また、保険契約者の生体情報を記憶している生体情報記憶装置から通信回線を介して送信された生体情報および/またはその経時変化に基づいて、前記保険契約者の健康状態を判定する健康状態判定工程と、該健康状態判定工程で判定された前記保険契約者の健康状態に基づいて、前記保険契約者の保険料を更新する保険料更新工程と、該保険料更新工程において更新された保険料を前記保険契約者の契約者端末装置に送信する保険料通知工程とを含むことを特徴とする保険料更新方法(特許文献2参照)なども提案されている。
【特許文献1】特開2002−373257号公報
【特許文献2】特開2003−296575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、医療機関や健康関連事業者(例:スポーツクラブやドラッグストア、整体診療所、温泉施設など)が有する、利用者の医療や健康増進に関する情報を統合管理して、利用者個別の健康状況に的確に対応した健康支援サービスを提供する手法は提案されてこなかった。
【0005】
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、利用者個別の健康状況に的確に対応した健康管理支援を可能とする健康管理支援サービス提供システム、健康管理支援サービス提供方法、および健康管理支援サービス提供プログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明の健康管理支援サービス提供システムは、健康管理の支援サービスを提供するシステムであって、前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバより取得して、診療情報データベースに格納する診療情報取得部と、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービスの利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバより取得して、健康関連情報データベースに格納する健康関連情報取得部と、前記利用者の利用者端末より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出する、該当健康改善行為抽出部と、前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得する、格納情報検索部と、健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベースにおいて、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行し、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定する助言特定部と、前記助言内容を前記利用者端末に通知する、助言通知部と、を備える。
【0007】
また、本発明の健康管理支援サービス提供方法は、健康管理の支援サービスをコンピュータにより提供する方法であって、前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバより取得して、診療情報データベースに格納し、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービス利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバより取得して、健康関連情報データベースに格納し、前記利用者の利用者端末より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出し、前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得し、健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベースにおいて、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行して、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末に通知する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の健康管理支援サービス提供プログラムは、健康管理の支援サービス提供の方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバより取得して、診療情報データベースに格納するステップと、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービス利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバより取得して、健康関連情報データベースに格納するステップと、前記利用者の利用者端末より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出するステップと、前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得するステップと、健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベースにおいて、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行して、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末に通知するステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者個別の健康状況に的確に対応した健康管理支援が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態における健康管理支援サービス提供システム100を含むネットワーク構成図である。本発明の健康管理支援サービス提供システム100(以下、システム100)は例えばサーバコンピュータであり、本発明の健康管理支援サービス提供方法を実行する機能を実現すべくハードディスクドライブなどの記憶装置101に格納されたプログラム102をメモリ103に読み出し、演算装置たるCPU104により実行する。
【0012】
また、システム100は、LANやインターネット等のネットワーク130を介して、利用者端末200や医療機関サーバ300、業者サーバ400、自治体サーバ500らの外部装置と接続してデータ授受を実行するI/O部105を備える。更に、システム100は、診療情報データベース125、健康関連情報データベース126、助言データベース127、提案データベース128、およびポイントデータベース129を利用可能である。
【0013】
以下に、前記システム100が例えばプログラム102に基づき構成・保持する機能部につき説明を行う。システム100は、前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバ300より取得して、診療情報データベース125に格納する診療情報取得部110を備える。
【0014】
また、システム100は、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービス利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバ400より取得して、健康関連情報データベース126に格納する健康関連情報取得部111を備える。
【0015】
また、システム100は、前記利用者の利用者端末200より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出する、該当健康改善行為抽出部112を備える。
【0016】
また、システム100は、前記診療情報データベース125および前記健康関連情報データベース126において、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得する、格納情報検索部113を備える。
【0017】
また、システム100は、健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベース127において、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行して、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末200に通知する助言特定部114を備える。
【0018】
また、システム100は、前記利用者端末200から受信した利用確認要求より、前記診療情報データベース125または健康関連情報データベース126における該当利用者に関する格納情報の参照権限情報を取得し、前記診療情報データベース125または健康関連情報データベース126における検索を、当該参照権限情報の定義する参照可能範囲のみに制限する、権限管理部114を備えるものとできる。
【0019】
また、システム100は、利用者に応じて定めた所定期日の到来時期、または前記診療情報データベース125または健康関連情報データベース126における所定属性情報の格納時期、のいずれかである処理開始時期を検知する、処理開始時期検知部116を備えるものとできる。
【0020】
また、システム100は、前記診療情報データベース125および前記健康関連情報データベース126において、前記処理開始時期が検知された該当利用者に関して格納された診療内容の情報または健康改善行為の情報を検索し、該当利用者の格納情報を取得する、該当利用者格納情報検索部117を備えるものとできる。
【0021】
また、システム100は、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した健康改善行為に応じて通知すべき提案内容を格納した提案データベース128において、前記該当利用者格納情報に基づく検索を実行して、該当提案内容を特定し、この利用者毎の提案内容を前記利用者端末200に通知する提案特定部118を備えるものとできる。
【0022】
また、システム100は、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為に応じてポイントを発行して該当利用者の利用者端末200に通知すると共に、前記ポイントの情報を該当利用者と対応付けてポイントデータベース129に格納するポイント発行部119を備えるものとできる。
【0023】
また、システム100は、前記健康関連事業者が提供する健康改善商品または健康改善行サービスの、前記ポイントによる購入要求を利用者端末200から受信し、当該購入要求に応じた前記健康改善商品または健康改善サービスの販売処理に伴って使用されたポイントを、前記ポイントデータベース129における該当利用者のポイントより減ずる処理を行う、ポイント処理部120を備えるものとできる。
【0024】
この場合、前記健康関連情報取得部111が、前記利用者により購入された健康改善商品または健康改善行サービスの情報を、健康改善行為の情報として、健康関連情報データベース126に格納するものとできる。
【0025】
また、システム100は、利用者端末200から診療内容毎または健康改善行為毎の評価情報を受信すると共に、当該評価情報を前記助言データベース127において前記助言内容として、該当する診療内容または健康改善行為に関連づけて格納する、助言取得部121を備えるものとできる。
【0026】
また、システム100は、利用者端末200から診療内容毎または健康改善行為毎の評価情報を受信すると共に、当該評価情報を前記提案データベース128において前記提案内容として、該当する診療内容または健康改善行為に関連づけて格納する、提案取得部を122を備えるものとできる。
【0027】
なお、図1に示す利用者端末200は、利用者が前記システム100より健康管理支援サービスの提供を受けるためのコンピュータであり、前記システム100と同様に、利用者端末として必要とされる各種入出力処理機能等を実現したプログラムをメモリに読み出し、演算装置により実行する。また、利用者端末200は、LANやインターネット等のネットワーク130を介して、前記システム100らの外部装置と接続してデータ授受を実行する通信インターフェイスを備える。更に、利用者端末200は、システム100から取得した各種情報を出力するディスプレイ等の表示装置や、利用者からの入力を受け付けるキーボードやマウスといった入力装置を備える。
【0028】
また、医療機関が備えるのが医療機関サーバ300である。この医療機関サーバ300は、前記システム100と同様に、利用者の診療内容の情報を管理する電子カルテや医事システムなどを実現したプログラムをメモリに読み出し、演算装置により実行する。また、医療機関サーバ300は、LANやインターネット等のネットワーク130を介して、前記システム100らの外部装置と接続して前記診療内容の情報の送信処理を実行する通信インターフェイスを備える。
【0029】
また、スポーツクラブや健康食品販売店、ドラッグストア、温泉・保養施設、整体鍼灸所などの健康関連事業者が備えるのが業者サーバ400である。この業者サーバ400は、前記システム100と同様に、利用者の健康改善行為に関する情報を管理したり、或いは健康改善行為たるスポーツやサプリメントの指導や販売に伴う顧客管理を行うプログラムをメモリに読み出し、演算装置により実行する。また、業者サーバ400は、LANやインターネット等のネットワーク130を介して、前記システム100らの外部装置と接続してデータ授受を実行する通信インターフェイスを備える。なお、この業者サーバ400が、システム100に代わってポイントの管理を行うとしてもよい。この場合、ポイントデータベース401を備えるものとする。
【0030】
また、前記利用者たる住民が居住する自治体が備えるのが自治体サーバ500である。この自治体サーバ500は、住民である前記利用者の健康に関する情報を利用して、住民の健康管理や健康増進を図るための情報提供(健診のお知らせなど)を行う。そのために、これら処理を実現するプログラムをメモリに読み出し、演算装置により実行する。また、自治体サーバ500は、LANやインターネット等のネットワーク130を介して、前記システム100らの外部装置と接続してデータ授受を実行する通信インターフェイスを備える。
【0031】
次に、本実施形態の健康管理支援サービス提供システムが利用可能なデータベースについて説明する。本実施形態における(a)診療情報データベース、(b)健康関連情報データベース、(c)助言データベース、(d)提案データベース、(e)ポイントデータベースを示す図である。
【0032】
診療情報データベース125は、前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバ300よりシステム100が取得し格納したデータベースであり、例えば利用者IDをキーとして、受診日時、受診機関ID、診療内容、処方箋情報などといった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0033】
また、健康関連情報データベース126は、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービス利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバ400よりシステム100が取得し格納したデータベースであり、例えば利用者IDをキーとして、行為日、利用事業者ID、健康改善行為内容とその頻度、などといった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0034】
また、助言データベース127は、健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納したデータベースであり、例えば健康改善行為IDをキーとして、診療内容または健康改善行為毎の助言内容を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0035】
また、提案データベース128は、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した健康改善行為に応じて通知すべき提案内容を格納したデータベースであり、例えば提案IDをキーとして、診療内容または健康改善行為毎の提案内容を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0036】
また、ポイントデータベース129は、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為に応じてシステム100または業者サーバ400などが発行したポイントの情報を、該当利用者と対応付けて格納したデータベースであり、例えば利用者IDをキーとしてポイント数とその有効期限の情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0037】
なお、これまで示したシステムにおける機能部110〜122は、ハードウェアとして実現してもよいし、HDDやメモリなどの適宜な記憶装置に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、前記CPU104がプログラム実行に合わせて記憶装置より該当プログラムをメモリ103に読み出して、これを実行することとなる。
【0038】
また、前記ネットワーク130に関しては、インターネットやLANの他、専用回線やWAN(Wide Area Network)、電灯線ネットワーク、無線ネットワーク、公衆回線網、携帯電話網など様々なネットワークを採用することも出来る。また、VPNなど仮想専用ネットワーク技術を用いれば、インターネットを採用した際にセキュリティ性を高めた通信が確立され好適である。
【0039】
図3は本実施形態における健康管理支援サービスの全体概要図である。この概要図に示す本実施形態におけるシステム100は、例えば、利用者たる住民が属する自治体、または自治体から委託された所定機関にて管理することが想定できる。これにより前記自治体は、医療機関及び健康関連事業者と連携し、住民の医療データ(カルテ情報、服用薬情報、検診結果、カウンセリング結果など)及び健康改善行為のデータ(スポーツクラブ利用実績、服用したサプリメントの情報など)を取得し、住民の健康状態を一元管理することが可能となる。
【0040】
また、前記システム100は、住民の利用者端末200からの健康食品の摂取可否を問うなどの健康関連の問い合わせ(例:健康食品“○○汁”の飲用は体質的に問題ないか)に対し、該当住民に関する診療情報データベース125や健康関連情報データベース126の参照権限を持って情報検索を行って適切な回答(例:“○○汁”は病歴から体質に合わずお勧めできません)を行うことができる。或いは、前記参照権限を、問合わせ対象となる健康関連事業者の業者サーバ400に付与し、同様の回答処理を実行させることもできる。
【0041】
更に、各住民の健康状態に合わせて、生活習慣病予防プログラム、疾病別治療法、お勧め病院、健康改善商品・サービス、健診のお知らせ、ポイント有効期限等の情報を利用者端末200に配信し提案することとできる。
【0042】
以下、健康管理支援サービス提供方法の実際手順について、図に基づき説明する。なお、以下で説明する健康管理支援サービス提供方法に対応する各種動作は、システム100がメモリ103に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0043】
図4は本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順1を示すフロー図である。また、図5は本実施形態における診療内容情報および健康関連情報の取得概要を示す図である。システム100は、まず、前記支援サービスの利用者(住民)に対する診療内容の情報(例:甲状腺の病気で○年○月○日から○年○月○日まで入院といった病歴、服用中の薬とその服用頻度、健診結果、カウンセリング結果など)を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバ300より取得して、診療情報データベース125に格納する(s1000)。また、前記利用者が行った運動(例:スポーツクラブにおけるエアロビとその頻度)や食品摂取(例:購入した各種サプリメントとその購入頻度など)など健康改善行為の情報を、前記利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバ400より取得して、健康関連情報データベース126に格納する(s1001)。 そしてシステム100は、前記利用者の利用者端末200より、例えば「○○食品は私に合いますか?」、「○○運動は問題ないですか?」といった健康改善行為の利用確認要求を受信する(s1002)。それと共にシステム100は、当該利用確認要求より利用確認対象となっている、例えば前記「○○食品」、「○○運動」といった該当健康改善行為の情報を抽出する(s1003)。
【0044】
また、システム100は、前記利用者端末200から受信した利用確認要求より、前記診療情報データベース125または健康関連情報データベース126における該当利用者に関する格納情報の参照権限情報を取得するものとできる(s1004)。この場合、システム100は、前記診療情報データベース125または健康関連情報データベース126における検索を、当該参照権限情報の定義する参照可能範囲のみに制限して(s1005)行うこととなる。
【0045】
次にシステム100は、前記診療情報データベース125および前記健康関連情報データベース126において、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し(s1006)、該当格納情報を取得する(s1007)。
【0046】
該当格納情報を取得したシステム100は、前記助言データベース127において、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行する(s1008)。そしてシステム100は、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末200に通知する(s1009)。こうして、システム100は利用者に対して利用者各自の過去の診療内容や健康改善行為等に基づいた的確なアドバイスを行うことができる。前記ステップs1009を経て本フローは終了する。
【0047】
なお、前記助言データベース127は、図6に示すフローのように、利用者端末200から助言内容の登録を受け付けることとしてもよい。この受付処理におけるシステム100は、診療内容毎または健康改善行為毎に利用者が判断した診療や商品・サービスの良否などといった評価情報を利用者端末200から受信する(s1100)。そして、システム100は、当該評価情報を前記助言データベース127において助言内容として、該当する診療内容または健康改善行為に関連づけて格納する(s1101)こととなる。これにより、助言データベース127は利用者側からのいわゆる口コミ情報など広範な情報を取り込んで成長することが可能である。
【0048】
上述したように、システム100が利用者端末200からの問合わせに応じて助言通知という形で回答を行う処理例も想定できるが、他方、利用者端末200からの問合わせ有無に関係なく、例えば所定時期や所定の契機をとらえていわゆるプッシュ型の情報配信を行うとしてもよい。この場合でも勿論、各利用者の健康状態等に応じた情報配信をシステム100が行うこととなる。
【0049】
この場合、システム100は、図7に示すフローに基づき処理を実行する。システム100は、利用者に応じて定めた、例えば一ヶ月毎、半年毎といった所定期日の到来時期、または前記診療情報データベース125または健康関連情報データベース126において、例えば「○○病に罹患」、「○○薬品の摂取」などといった所定属性情報の格納時期、のいずれかである処理開始時期を検知する(s1200)。
【0050】
そしてシステム100は、前記診療情報データベース125および前記健康関連情報データベース126において、前記処理開始時期が検知された該当利用者に関して格納された診療内容の情報または健康改善行為の情報を検索する(s1201)。この検索処理により、システム100は該当利用者の格納情報を取得する(s1202)。
【0051】
またシステム100は、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した健康改善行為に応じて通知すべき提案内容を格納した提案データベース128において、前記該当利用者格納情報に基づく検索を実行する(s1203)。例えば、診療内容に「○□病治療」といった情報がある場合、提案データベース128において、「専門医が常駐する○○病院がお勧めです」といった提案内容が特定される。この利用者毎の提案内容はシステム100から前記利用者端末200に通知され(s1204)、処理は終了する。
【0052】
なお、前記提案データベース128は、図8に示すフローのように、利用者端末200から提案内容の登録を受け付けることとしてもよい。この受付処理におけるシステム100は、診療内容毎または健康改善行為毎に利用者が判断した診療や商品・サービスの良否などといった評価情報を利用者端末200から受信する(s1300)。そして、システム100は、当該評価情報を前記提案データベース128において提案内容として、該当する診療内容または健康改善行為に関連づけて格納する(s1301)こととなる。これにより、提案データベース127は利用者側からのいわゆる口コミ情報など広範な情報を取り込んで成長することが可能である。
【0053】
図9は本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順5を示すフロー図であり、また、図10は本実施形態におけるポイント管理概要を示す図である。他方、健康関連事業者において健康改善行為としての商品・サービスが販売されると、システム100は前記商品・サービスを購入した利用者に対し、ポイント発行を行うものとできる。或いは、このポイント発行を業者サーバ400で行うものとしてもよい。こうして利用者側に発行されたポイントは、健康関連事業者の商品・サービスの購入に際して商品対価として利用者が使用することができる。
【0054】
このような場合、システム100は、前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為を認識して、或いは業者サーバ400からの通知で認識して、この健康改善行為に応じてポイントを発行する(s1400)。そしてシステム100は、該当利用者の利用者端末200に発行したポイントの情報を通知する(s1401)。
【0055】
また、システム100は、前記ポイントの情報を該当利用者と対応付けてポイントデータベース129に格納する(s1402)。更に、前記健康関連事業者が提供する健康改善商品または健康改善行サービスの、前記ポイントによる購入要求を利用者端末200から受信したならば(s1403)、当該購入要求に応じた前記健康改善商品または健康改善サービスの販売処理に伴って使用されたポイントを、前記ポイントデータベース129における該当利用者のポイントより減ずる処理を行う(s1404)。
【0056】
加えてシステム100は、前記利用者により購入された健康改善商品または健康改善行サービスの情報を、健康改善行為の情報として、前記健康関連情報データベース126に格納するものとできる(s1405)。これにより本フローは終了する。
【0057】
本発明によれば、健康管理支援サービスの利用者が、自分で自分の健康状態等を管理せずとも各自の健康状態や、食品や薬品の服用実績、健康改善行為の実情等にあった健康維持や健康改善の行為に取り組みやすくなる。例えば、医療機関で過去受けた健診結果に不整脈の情報が利用者に対しては、健康改善行為としてスポーツクラブ利用に際し、心臓に負担が少ないメニューをシステム側から提案するといったことが可能となる。また、利用者に提案する食品や薬品について、この利用者の病歴や服用中の薬等との飲み合わせによる危険を避けた服用提案を行うといったことが可能となる。
【0058】
また、健康関連事業者としても、利用者の健康状態等に合わせた的確な商品・サービスの提案が可能になり、このため商品・サービスを利用者が誤用することによるトラブルを未然に防ぎやすくなる。更に、利用者の商品・サービス等の購買履歴、健康志向度合い(例:どの程度の頻度でどのような運動を行うのか、或いは健康改善用のサプリメントの服用頻度はどれくらいか等)、健康改善の嗜好(例:健康改善行為としてどのような行為を嗜好しているか等)などのデータを把握可能となり、利用者毎の高度なプロファイリングが可能となる。
したがって、利用者個別の健康状況に的確に対応した健康管理支援が可能となる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態における健康管理支援サービス提供システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態における(a)診療情報データベース、(b)健康関連情報データベース、(c)助言データベース、(d)提案データベース、(e)ポイントデータベースを示す図である。
【図3】本実施形態における健康管理支援サービスの全体概要図である。
【図4】本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順1を示すフロー図である。
【図5】本実施形態における診療内容情報および健康関連情報の取得概要を示す図である。
【図6】本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順2を示すフロー図である。
【図7】本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順3を示すフロー図である。
【図8】本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順4を示すフロー図である。
【図9】本実施形態における健康管理支援サービス提供方法の実際手順5を示すフロー図である。
【図10】本実施形態におけるポイント管理概要を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
100 健康管理支援サービス提供システム、システム
101 記憶装置 102 プログラム
103 メモリ 104 CPU
105 I/O部 110 診療情報取得部
111 健康関連情報取得部 112 該当健康改善行為抽出部
113 格納情報検索部 114 助言特定部
115 権限管理部 116 処理開始時期検知部
117 該当利用者格納情報検索部 118 提案特定部
119 ポイント発行部 120 ポイント処理部
121 助言取得部 122 提案取得部
125 診療情報データベース 126 健康関連情報データベース
127 助言データベース 128 提案データベース
129 ポイントデータベース 130 ネットワーク
200 利用者端末 300 医療機関サーバ
400 業者サーバ 500 自治体サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康管理の支援サービスを提供するシステムであって、
前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバより取得して、診療情報データベースに格納する診療情報取得部と、
前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービスの利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバより取得して、健康関連情報データベースに格納する健康関連情報取得部と、
前記利用者の利用者端末より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出する、該当健康改善行為抽出部と、
前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得する、格納情報検索部と、
健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベースにおいて、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行して、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末に通知する助言特定部と、
を備える健康管理支援サービス提供システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記利用者端末から受信した利用確認要求より、前記診療情報データベースまたは健康関連情報データベースにおける該当利用者に関する格納情報の参照権限情報を取得し、前記診療情報データベースまたは健康関連情報データベースにおける検索を、当該参照権限情報の定義する参照可能範囲のみに制限する、権限管理部を備える健康管理支援サービス提供システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
利用者に応じて定めた所定期日の到来時期、または前記診療情報データベースまたは健康関連情報データベースにおける所定属性情報の格納時期、のいずれかである処理開始時期を検知する、処理開始時期検知部と、
前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記処理開始時期が検知された該当利用者に関して格納された診療内容の情報または健康改善行為の情報を検索し、該当利用者の格納情報を取得する、該当利用者格納情報検索部と
利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した健康改善行為に応じて通知すべき提案内容を格納した提案データベースにおいて、前記該当利用者格納情報に基づく検索を実行して、該当提案内容を特定し、この利用者毎の提案内容を前記利用者端末に通知する提案特定部と、
を備える健康管理支援サービス提供システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為に応じてポイントを発行して該当利用者の利用者端末に通知すると共に、前記ポイントの情報を該当利用者と対応付けてポイントデータベースに格納するポイント発行部と、
前記健康関連事業者が提供する健康改善商品または健康改善行サービスの、前記ポイントによる購入要求を利用者端末から受信し、当該購入要求に応じた前記健康改善商品または健康改善サービスの販売処理に伴って使用されたポイントを、前記ポイントデータベースにおける該当利用者のポイントより減ずる処理を行う、ポイント処理部とを備え、
前記健康関連情報取得部が、前記利用者により購入された健康改善商品または健康改善行サービスの情報を、健康改善行為の情報として、健康関連情報データベースに格納するものであることを特徴とする健康管理支援サービス提供システム。
【請求項5】
請求項1において、
利用者端末から診療内容毎または健康改善行為毎の評価情報を受信すると共に、当該評価情報を前記助言データベースにおいて前記助言内容として、該当する診療内容または健康改善行為に関連づけて格納する、助言取得部を備えることを特徴とする健康管理支援サービス提供システム。
【請求項6】
請求項3において、
利用者端末から診療内容毎または健康改善行為毎の評価情報を受信すると共に、当該評価情報を前記提案データベースにおいて前記提案内容として、該当する診療内容または健康改善行為に関連づけて格納する、提案取得部を備えることを特徴とする健康管理支援サービス提供システム。
【請求項7】
健康管理の支援サービスをコンピュータにより提供する方法であって、
前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバより取得して、診療情報データベースに格納し、
前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービス利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバより取得して、健康関連情報データベースに格納し、
前記利用者の利用者端末より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出し、
前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得し、
健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベースにおいて、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行して、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末に通知する、ことを特徴とする健康管理支援サービス提供方法。
【請求項8】
健康管理の支援サービス提供の方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記支援サービスの利用者に対する診療内容の情報を、前記利用者が利用した医療機関が備える医療機関サーバより取得して、診療情報データベースに格納するステップと、
前記利用者が行った運動や食品摂取など健康改善行為の情報を、前記支援サービス利用者が健康改善行為に利用した健康関連事業者の業者サーバより取得して、健康関連情報データベースに格納するステップと、
前記利用者の利用者端末より、健康改善行為の利用確認要求を受信すると共に、当該利用確認要求より利用確認対象となっている該当健康改善行為の情報を抽出するステップと、
前記診療情報データベースおよび前記健康関連情報データベースにおいて、前記利用者に関して格納された診療内容の情報または該当健康改善行為の情報を検索し該当格納情報を取得するステップと、
健康改善行為毎に、利用者が今までに受けた診療内容または利用者が今までに利用した他の健康改善行為に応じてアドバイスすべき助言内容を格納した、助言データベースにおいて、前記該当健康改善行為の情報と前記該当格納情報とに基づく検索を実行して、前記該当健康改善行為に応じた助言内容を特定し、この助言内容を前記利用者端末に通知するステップと、
を備えることを特徴とする健康管理支援サービス提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−3991(P2006−3991A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177252(P2004−177252)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】